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特開2023-182386画像形成装置、画像形成装置の制御方法および画像形成装置の制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182386
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御方法および画像形成装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/525 20060101AFI20231219BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20231219BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231219BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231219BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231219BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20231219BHJP
   H04N 1/60 20060101ALI20231219BHJP
   H04N 1/407 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B41J2/525
B41J29/393 103
B41J29/38 204
G03G15/00 303
G03G21/00 510
G03G21/00 386
G03G15/01 S
H04N1/60 300
H04N1/60 970
H04N1/60 160
H04N1/60 020
H04N1/407 780
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095959
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成松 英一
【テーマコード(参考)】
2C061
2C262
2H270
2H300
5C077
5C079
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ07
2C061HK07
2C061HN04
2C061HN15
2C061KK04
2C061KK18
2C061KK25
2C061KK28
2C061KK32
2C262AA02
2C262AA03
2C262AA04
2C262AA24
2C262BA10
2C262EA02
2C262EA04
2C262EA11
2C262FA13
2C262GA02
2H270LA19
2H270LA22
2H270LA90
2H270LC02
2H270LC03
2H270LD03
2H270MB04
2H270QB09
2H270ZC03
2H270ZC04
2H300EA12
2H300GG12
2H300RR34
2H300RR37
2H300RR50
2H300SS12
5C077LL16
5C077MM27
5C077MP08
5C077PP15
5C077PP33
5C077PQ08
5C077PQ23
5C077SS01
5C077TT03
5C079HB03
5C079KA15
5C079KA18
5C079LA12
5C079LA31
5C079LB01
5C079MA05
5C079MA10
5C079MA20
5C079NA25
5C079NA27
5C079PA03
(57)【要約】
【課題】簡易な方式で色調整の可否を判断することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、用紙に印字する印字部と、用紙に印字された結果に基づいて印字部において用紙に対する印字する色の色調整処理を実行可能な色調整部と、印字部に通紙する用紙の用紙情報を取得する用紙情報取得部と、用紙情報取得部の用紙情報の取得結果に基づいて色調整部による色調整処理の可否を判断する色調整可否判断部とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に印字する印字部と、
前記用紙に印字された結果に基づいて前記印字部において前記用紙に対する印字する色の色調整処理を実行可能な色調整部と、
前記印字部に通紙する前記用紙の用紙情報を取得する用紙情報取得部と、
前記用紙情報取得部の前記用紙情報の取得結果に基づいて前記色調整部による色調整処理の可否を判断する色調整可否判断部とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記色調整可否判断部は、前記用紙情報に従って前記色調整部による色調整処理の可否を判断する色調整用紙情報判断データベースを含む、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記色調整用紙情報判断データベースは、黒色の色調整処理に対応して白色の用紙が必要となる情報を含む、請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記色調整部は、前記色調整可否判断部により可能と判断された色調整処理を前記用紙に対して実行する、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記色調整部による色調整処理の実行履歴情報を格納する履歴格納部と、
前記履歴格納部に格納された実行履歴情報に基づいて前記色調整部による色調整処理の実行を促すガイダンス提示部とをさらに備える、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ガイダンス提示部は、前記履歴可能部に格納された実行履歴情報に基づいて複数の色調整処理のうち実行された色調整処理と相関関係にある他の色調整処理の実行を促す、請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
ユーザーに対して選択可能な複数の色調整処理の実行操作を受け付ける操作パネルをさらに備え、
前記色調整部は、前記色調整可否判断部の判断結果に基づいて前記操作パネルに表示される前記複数の色調整処理の項目のうち前記色調整処理が実行できない項目を禁則表示する、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記用紙情報取得部は、用紙の特性を計測する用紙計測装置による計測結果を前記用紙の用紙情報として取得する、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項9】
ユーザーからの入力を受付可能な操作パネルをさらに備え、
前記用紙情報取得部は、前記操作パネルを介して入力された情報に従って前記用紙情報を取得する、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項10】
ユーザーに対して選択可能な複数の色調整処理の実行操作を受け付ける操作パネルをさらに備え、
前記色調整部は、前記色調整可否判断部の判断結果に基づいて前記色調整処理の一部の色調整の実行を確認する確認画面を前記操作パネルに表示する、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項11】
用紙に印字するステップと、
前記用紙に印字された結果に基づいて前記用紙に対する印字する色の色調整処理を実行するステップとを備え、
前記色調整処理を実行するステップは、
通紙する前記用紙の用紙情報を取得するステップと、
前記用紙情報の取得結果に基づいて前記色調整処理の可否を判断するステップとを含む、画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
画像形成装置の制御プログラムであって、
前記画像形成装置のコンピュータは、前記制御プログラムにより、
用紙に印字するステップと、
前記用紙に印字された結果に基づいて前記用紙に対する印字する色の色調整処理を実行するステップとを備え、
前記色調整処理を実行するステップは、
通紙する前記用紙の用紙情報を取得するステップと、
前記用紙情報の取得結果に基づいて前記色調整処理の可否を判断するステップとを含む、画像形成装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、色調整処理を実行する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プリンター等の画像形成装置では、印刷品質を一定に維持するための色補正(キャリブレーション)が重要であり、その方法として、C(Cyan)、M(Magenta)、Y(Yellow)、K(Black)の各基本色の1次元カーブ(1次元LUT(look-up table))を使用して、各基本色の階調を補正する方法が知られている。
【0003】
この点で、種々の色補正が提案されているが、特定の用紙に最高濃度のパッチを印字し、後段の測色器でパッチの濃度を計測して最適なトナー付着量を調整する最高濃度自動調整機能が存在する。
【0004】
また、白色出力を含む画像形成装置においても最高濃度自動調整機能が存在する。この場合、CMYKの用紙とは別の特定の用紙が必要になる。具体的には白色用紙を使ってCMYKの調整を行い、黒色用紙を使って白色出力の調整を行う。
【0005】
この場合、白色用紙に対して白色調整を実施した際には調整が失敗してしまい再調整が必要となる。特に給紙にロール紙が用いられる場合には用紙交換が煩雑となるため、再調整に時間がかかってしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-175318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、簡易な方式で色調整の可否を判断することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の画像形成装置は、用紙に印字する印字部と、用紙に印字された結果に基づいて印字部において用紙に対する印字する色の色調整処理を実行可能な色調整部と、印字部に通紙する用紙の用紙情報を取得する用紙情報取得部と、用紙情報取得部の用紙情報の取得結果に基づいて色調整部による色調整処理の可否を判断する色調整可否判断部とを備える。
【0009】
好ましくは、色調整可否判断部は、用紙情報に従って色調整部による色調整処理の可否を判断する色調整用紙情報判断データベースを含む。
【0010】
好ましくは、色調整用紙情報判断データベースは、黒色の色調整処理に対応して白色の用紙が必要となる情報を含む。
【0011】
好ましくは、色調整部は、色調整可否判断部により可能と判断された色調整処理を用紙に対して実行する。
【0012】
好ましくは、色調整部による色調整処理の実行履歴情報を格納する履歴格納部と、履歴格納部に格納された実行履歴情報に基づいて色調整部による色調整処理の実行を促すガイダンス提示部とをさらに備える。
【0013】
好ましくは、ガイダンス提示部は、履歴可能部に格納された実行履歴情報に基づいて複数の色調整処理のうち実行された色調整処理と相関関係にある他の色調整処理の実行を促す。
【0014】
好ましくは、ユーザーに対して選択可能な複数の色調整処理の実行操作を受け付ける操作パネルをさらに備える。色調整部は、色調整可否判断部の判断結果に基づいて操作パネルに表示される複数の色調整処理の項目のうち色調整処理が実行できない項目を禁則表示する。
【0015】
好ましくは、用紙情報取得部は、用紙の特性を計測する用紙計測装置による計測結果を用紙の用紙情報として取得する。
【0016】
好ましくは、ユーザーからの入力を受付可能な操作パネルをさらに備える。用紙情報取得部は、操作パネルを介して入力された情報に従って用紙情報を取得する。
【0017】
好ましくは、ユーザーに対して選択可能な複数の色調整処理の実行操作を受け付ける操作パネルをさらに備える。色調整部は、色調整可否判断部の判断結果に基づいて色調整処理の一部の色調整の実行を確認する確認画面を操作パネルに表示する。
【0018】
本開示の画像形成装置の制御方法は、用紙に印字するステップと、用紙に印字された結果に基づいて用紙に対する印字する色の色調整処理を実行するステップとを備える。色調整処理を実行するステップは、通紙する用紙の用紙情報を取得するステップと、用紙情報の取得結果に基づいて色調整処理の可否を判断するステップとを含む。
【0019】
本開示の画像形成装置の制御プログラムは、画像形成装置の制御プログラムであって、画像形成装置のコンピュータは、制御プログラムにより、用紙に印字するステップと、用紙に印字された結果に基づいて用紙に対する印字する色の色調整処理を実行するステップとを備える。色調整処理を実行するステップは、通紙する用紙の用紙情報を取得するステップと、用紙情報の取得結果に基づいて色調整処理の可否を判断するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に従う画像形成装置1の外観を示す概略図である。
図2】実施形態に従う画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に従う画像制御部161の機能ブロックについて説明する図である。
図4】実施形態に従う色調整処理の最高濃度自動調整処理について説明する図である。
図5】実施形態に従う色調整処理の出力紙濃度調整処理について説明する図である。
図6】実施形態に従う色調整処理の濃度バランス調整処理について説明する図である。
図7】実施形態に従う用紙プロファイル情報について説明する図である。
図8】実施形態に従う色調整用紙情報判断データベースについて説明する図である。
図9】実施形態に従う画像制御部161における色調整処理について説明するフロー図である。
図10】実施形態に従う操作パネル13の画面301について説明する図である。
図11】実施形態に従う最高濃度自動調整について説明する画面302について説明する図である。
図12】実施形態に従う最高濃度自動調整を実行する際のポップアップ画面310(その1)について説明する図である。
図13】実施形態に従う最高濃度自動調整を実行する際のポップアップ画面320(その2)について説明する図である。
図14】実施形態の変形例に従う色調整用紙情報判断データベースについて説明する図である。
図15】実施形態の変形例に従う実行履歴データベースについて説明する図である。
図16】実施形態の変形例に従うガイダンス提示部26の処理について説明するフロー図である。
図17】実施形態の変形例に従うポップアップ画面330の例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、各実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0022】
以下の実施形態では、画像形成装置としては、たとえばMFP、プリンターなどが挙げられる。
【0023】
[画像形成装置1の構成]
図1は、実施形態に従う画像形成装置1の外観を示す概略図である。図1を参照して、画像形成装置1は、画像形成部11と、給紙部12と、操作パネル13と、排紙部14とを含む。
【0024】
画像形成部11は、印刷ジョブに従って用紙Pに画像を形成する。画像形成部11は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W)のトナー像を形成するための感光体ドラムと露光装置とを備える。画像形成部11は、各色のトナー像を転写ベルトに重ねて転写し、重なったトナー像を給紙部12から搬送されてきた用紙Pに転写する。トナー像が転写された用紙Pは、排紙部14に搬送され、排紙トレイ17へ排出される。
【0025】
なお、画像形成装置1は、上記構成に加えて、トナー像が転写された用紙Pにステープル処理、穴開け処理、折り処理、裁断処理等の後処理を施すための後処理部をさらに含んでいてもよい。
【0026】
給紙部12は、載置部の一例である給紙トレイ15に収容されているシートを1枚ずつ画像形成部11へ搬送する。載置部は、画像形成部11に搬送する用紙Pを載置するものであって、給紙トレイ15に限られず、手差しトレイ16を含む。本実施の形態にかかる画像形成装置1は、給紙トレイ15を複数備える。具体的には、画像形成装置1は、給紙トレイ15a~給紙トレイ15cおよび手差しトレイ16を備える。なお、以下では、給紙トレイ15a~給紙トレイ15cおよび手差しトレイ16を総じて、「トレイ」ともいう。
【0027】
操作パネル13は、ユーザーによる入力操作を受け付ける、タッチパネル式のディスプレイである。操作パネル13には、各種設定画面やユーザーへの通知が表示される。ユーザーは、操作パネル13を介して印刷ジョブを設定したり、形成する追い刷り画像の向きを調整したりする。
【0028】
たとえば、給紙トレイ15a~給紙トレイ15cおよび手差しトレイ16のうちのいずれかに載置された用紙Pは、給紙部12によって画像形成部11に搬送され、画像形成部11によって画像が形成された後、排紙部14に搬送され、排紙トレイ17へ排出される。
【0029】
[画像形成装置1の電気的構成]
図2は、実施形態に従う画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。図2を参照して、画像形成装置1は、主要な構成として、画像処理部110と、給紙スキャン装置120と、操作パネル13と、排紙スキャン部140と、プリンター部150と、制御部160と、測色器180と、用紙計測装置190とを有する。画像形成装置1は、ネットワーク3上の外部装置300と通信可能に接続される。
【0030】
画像処理部110は、ネットワーク3に接続される外部装置300から画像形成装置1に入力されるデータの管理及び制御を行なうものである。画像処理部110は、外部装置300から出力される印刷ジョブのデータ(以下、ジョブデータともいう)を受信し、このデータを展開して生成した画像データとプリント設定データとを制御部160へ送信する。なお、ジョブデータの出力元は、外部装置300に限られず、たとえば、操作パネル13であってもよい。
【0031】
画像処理部110は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC111と、画像メモリ112と、コントローラ制御部113と、LANIF(Local Area Network Interface)114とを有する。
【0032】
DRAM制御IC111は、LANIF114により受信されたジョブデータのコントローラ制御部113への転送や、画像メモリ112に対するジョブデータの書き込みおよび読み出しを制御する。また、DRAM制御IC111は、制御部160のDRAM制御IC162とバス116で接続されており、コントローラ制御部113からの指示に従って、対象のジョブデータを画像メモリ112から読み出してDRAM制御IC162に出力する。
【0033】
画像メモリ112は、DRAM等の揮発性メモリから構成され、ジョブデータを一時的に記憶する。
【0034】
コントローラ制御部113は、画像処理部110の各部の動作を統括的に制御し、LANIF114を介して外部装置300から入力されるジョブデータに含まれるプリントデータを展開してビットマップ形式の画像データの生成を行なう。
【0035】
LANIF114は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLAN等のネットワーク3に接続するための通信インターフェースであり、外部装置300からジョブデータ等を受信する。受信されたジョブデータ等は、DRAM制御IC111に出力される。
【0036】
給紙スキャン装置120は、スキャン部121と、スキャン制御部122と、外部IF123とを有し、給紙トレイ15または手差しトレイ16から画像形成部11に搬送される用紙Pをスキャンすることで用紙P上に形成されている画像としてスキャン画像を取得する。
【0037】
スキャン部121は、CCD(Charge Coupled Device)を有し、給紙トレイ15または手差しトレイ16から画像形成部11に搬送される用紙Pの片面または両面をスキャンし、取得したデータをスキャン制御部122に出力する。スキャン制御部122は、外部IF123を介して入力される画像制御部161からの命令に従ってスキャン部121を制御し、画像形成部11に搬送される用紙Pをスキャンしたデータを取得し、取得したデータを外部IF123を介して、画像制御部161に出力する。外部IF123は、制御部160と通信を行うためのデバイスである。
【0038】
スキャン部121は、給紙部12から送り出された用紙Pを読み取る構成であってもよく、また、給紙トレイ15a~給紙トレイ15Cの各々に収容された状態で読み取る構成であってもよい。すなわち、スキャン部121は、給紙元のトレイに設けられていてもよく、また、給紙元のトレイから排紙トレイ17までの搬送路上のいずれかに設けられていてもよい。
【0039】
操作パネル13は、LCD(Liquid Crystal Display)131と、入力部132と、操作パネル制御部133とを有する。LCD131は、表示部の一例であって、各種設定条件を入力するための各種画面や各種処理結果等を表示する。入力部132は、ユーザー操作の入力を受け付け、一例として、LCD131を覆うように設けられたタッチパネル、各種ボタン、テンキー、および操作キー群等によって構成される。操作パネル制御部133は、画像制御部161から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種画面や各種処理結果等をLCD131に表示させる。また、操作パネル制御部133は、入力部132から入力される操作信号を、画像制御部161に出力する。
【0040】
排紙スキャン部140は、スキャン部141と、スキャン制御部142と、外部IF143とを有し、画像形成部11によって画像が形成された後の用紙Pであって、排紙トレイ17に排紙される用紙P上の画像を読み取る。
【0041】
スキャン部141は、CCDを有し、排紙トレイ17に排紙される用紙Pの片面または両面をスキャンし、取得したデータをスキャン制御部142に出力する。スキャン制御部142は、外部IF143を介して入力される画像制御部161からの命令に従ってスキャン部141を制御し、画像形成部11によって画像が形成された後の用紙Pをスキャンしたデータを取得し、取得したデータを外部IF143を介して、画像制御部161に出力する。外部IF143は、制御部160と通信を行うためのデバイスである。
【0042】
プリンター部150は、電子写真方式の画像形成処理を行なうものであり、形成部151およびプリンター制御部152などを有する。プリンター制御部152は、CPU(Central Processing Unit)や記憶部等によって構成されており、画像制御部161の指令を受けてプリンター部150の全体を制御し、書込処理部165から入力された印刷画像データに基づいて画像形成を形成部151に行わせる。
【0043】
形成部151は、感光体ドラムと、感光体ドラムの帯電を行なう帯電部と、画像データに基づいて感光体ドラム表面を露光走査する露光部と、感光体ドラムにトナーを付着させる現像部と、感光体ドラム上に形成されたトナー像を用紙に転写する転写部と、用紙上に形成されたトナー像を定着させる定着部とから構成される。
【0044】
なお、形成部151は、電子写真方式を適用した例に限らず、インクジェット方式、熱昇華方式等、他のプリント方式を適用することとしてもよい。また、形成部151は、画像形成部11に設けられている。
【0045】
制御部160は、ジョブデータに基づいて画像形成装置1の全体を制御する。また、制御部160は、操作パネル13を介して入力された各種設定に基づいてジョブデータを書き換える。
【0046】
制御部160は、画像制御部161と、DRAM制御IC162と、スキャン処理部163と、圧縮IC164と、書込処理部165と、伸長IC166と、不揮発メモリ167と、外部IF168と、画像メモリ170とを有する。
【0047】
画像制御部161は、CPU等から構成され、不揮発メモリ167に記憶されている制御プログラム167Aを読み出して図示していないRAM(Random Access Memory)に展開して、各処理を実行し、画像形成装置1の各部を集中制御する。画像制御部161は、画像処理部110から送信されたデータを受け取って、受け取ったデータの管理を行なう。
【0048】
また、画像制御部161は、入力部132から設定された各種設定に関する情報を取得する。たとえば、画像制御部161は、入力部132から最高濃度自動調整機能、出力紙濃度調整機能、濃度バランス調整機能等の実行指示を受け付けて、各種の色調整処理を実行することが可能である。
【0049】
不揮発メモリ167は、印刷ジョブの実行および管理に係る制御プログラム167Aおよび各種データの他、処理されたデータ等を記憶する。
【0050】
DRAM制御IC162は、画像制御部161からの指示に従って、圧縮IC164による画像データの圧縮処理および伸長IC166による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ170への画像データの入出力制御を行なう。また、DRAM制御IC162は、画像制御部161からの指示に従って外部装置300から送られたジョブデータの画像メモリ170への入出力制御を行なう。
【0051】
DRAM制御IC162は、スキャン部121またはスキャン部141により読み取られたデータの保存指示が画像制御部161から入力されると、スキャン部121またはスキャン部141から外部IF168を介して出力された画像データの圧縮処理を圧縮IC164により実行させて、圧縮画像データを画像メモリ170の圧縮メモリ171に記憶させる。
【0052】
また、DRAM制御IC162は、画像処理部110のDRAM制御IC111から画像データが入力されると、この画像データの圧縮処理を圧縮IC164により実行させ、圧縮画像データを画像メモリ170の圧縮メモリ171に記憶させる。
【0053】
また、DRAM制御IC162は、圧縮メモリ171に記憶された圧縮画像データのプリント出力指示が不揮発メモリ167から入力されると、圧縮メモリ171から圧縮画像データを読み出し、伸長IC166により伸長処理を施してページメモリ172に記憶させる。さらに、DRAM制御IC162は、ページメモリ172に記憶された画像データのプリント出力指示が画像制御部161から入力されると、ページメモリ172から画像データを読み出して書込処理部165に出力する。
【0054】
また、DRAM制御IC162は、画像制御部161からの指示に従って、外部装置300から送られたジョブデータをジョブメモリ173に記憶させる。DRAM制御IC162は、画像制御部161からの指示に従って、ジョブメモリ173から指定されたジョブデータを読み出し、画像制御部161に出力する。DRAM制御IC162は、画像制御部161によって編集されたジョブデータをジョブメモリ173に記憶する。
【0055】
画像メモリ170は、DRAMから構成され、圧縮メモリ171と、ページメモリ172と、ジョブメモリ173とを有する。圧縮メモリ171は、圧縮画像データを記憶するためのメモリである。ページメモリ172は、プリント出力用の画像データを一時的に記憶、または、画像処理部110から受信した画像データを圧縮前に一時的に記憶するためのメモリである。ジョブメモリ173は、1または複数のジョブデータを記憶するためのメモリである。
【0056】
スキャン処理部163は、外部IF168を介して入力された、スキャン部121,141が取得したアナログ画像データに、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施し、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC164に出力される。
【0057】
圧縮IC164は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施して、DRAM制御IC162に出力する。
【0058】
書込処理部165は、DRAM制御IC162から入力された画像データに基づいて、画像形成のための印刷画像データを生成し、形成部151に出力する。
【0059】
伸長IC166は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
測色器180は、排紙部14に設けられており色調整のための濃度パッチを計測する。
【0060】
用紙計測装置190は、給紙部12に設けられており給紙部12に収容された各種用紙Pの特性値を計測する。
【0061】
図3は、実施形態に従う画像制御部161の機能ブロックについて説明する図である。 図3を参照して、画像制御部161は、色調整部20と、用紙情報取得部22と、色調整可否判断部24と、ガイダンス提示部26とを含む。
【0062】
色調整部20は、用紙Pに印字された結果に基づいてプリンター部150において用紙Pに対する印字する色の色調整処理を実行する。
【0063】
用紙情報取得部22は、プリンター部150に通紙する用紙Pの用紙情報を取得する。
色調整可否判断部24は、用紙情報取得部22の用紙情報の取得結果に基づいて色調整部20による色調整処理の可否を判断する。
【0064】
ガイダンス提示部26は、メモリ、例えば不揮発メモリ167に格納された色調整部20による色調整処理の実行履歴情報に基づいて色調整部20による色調整処理の実行を促す。
【0065】
図4は、実施形態に従う色調整処理の最高濃度自動調整処理について説明する図である。図4を参照して、濃度パッチの例を示す。1つの特定の用紙に5色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W))の最高濃度のパッチを印字し、後段の排紙部14に設けられた測色器180でパッチの濃度を計測する。色調整部20は、色調整処理の1つとして、測色器180の計測結果に基づいて最高濃度時における最適なトナー付着量を調整する最高濃度自動調整処理を実行する。この調整は色毎(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W))に実施可能である。
【0066】
例えば、図4(A)には、白地の用紙に5色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W))の最高濃度のパッチを印字した場合が示されている。白地に対してホワイト(W)は最高濃度であっても計測しにくい可能性がある。
【0067】
また、図4(B)には、黒地の用紙に5色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W))の最高濃度のパッチを印字した場合が示されている。黒地に対してブラック(K)は最高濃度であっても計測しにくい可能性がある。
【0068】
図5は、実施形態に従う色調整処理の出力紙濃度調整処理について説明する図である。図5を参照して、濃度パッチの例を示す。1つの特定の用紙に5色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W))の中間調濃度のパッチを印字し、後段の排紙部14に設けられた測色器180でパッチの濃度を計測する。色調整部20は、色調整処理の1つとして、測色器180の計測結果に基づいて最適なガンマカーブとなるように調整する出力紙濃度調整処理を実行する。この調整は色毎(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W))に実施可能である。
【0069】
例えば、図5(A)には、白地の用紙に5色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W))の中間調濃度のパッチを印字した場合が示されている。白地に対してホワイト(W)は中間調濃度を計測しにくい可能性がある。
【0070】
また、図5(B)には、黒地の用紙に5色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W))の中間調濃度のパッチを印字した場合が示されている。黒地に対してブラック(K)は中間調濃度を計測しにくい可能性がある。
【0071】
図6は、実施形態に従う色調整処理の濃度バランス調整処理について説明する図である。図6を参照して、濃度パッチの例を示す。5つの特定の用紙にそれぞれ5色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W))の最高濃度のベタパッチを用紙全体に印字し、後段の排紙部14に設けられた測色器180でパッチの濃度を計測する。色調整部20は、色調整処理の1つとして、測色器180の計測結果に基づいて印字位置毎のトナー付着量を調整する濃度バランス調整処理を実行する。この調整は色毎(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W))に実施可能である。
【0072】
例えば、図6(A)には、白地の用紙に5色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W))のベタパッチを用紙全体にそれぞれ印字した場合が示されている。白地に対してホワイト(W)は濃度を計測しにくい可能性がある。
【0073】
また、図6(B)には、黒地の用紙に5色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびホワイト(W))のベタパッチを用紙全体にそれぞれ印字した場合が示されている。黒地に対してブラック(K)は濃度を計測しにくい可能性がある。
【0074】
図7は、実施形態に従う用紙プロファイル情報について説明する図である。図7を参照して、用紙プロファイル情報には「基本設定」、「特性値」の2種類のデータが存在する。
【0075】
用紙プロファイル情報の「特性値」は、用紙計測装置190で取得した値に基づいて登録される。具体的には、用紙の「平滑度」、「坪量」、「含水量」、「厚さ」等の情報が「特性値」として登録されている。
【0076】
用紙プロファイル情報の「基本設定」は、ユーザーが操作パネル13の入力部132を用いて「用紙名称」、「用紙種類」、「用紙の色」の情報を登録するようにしてもよい。
【0077】
本例においては、用紙プロファイル情報として、5種類の用紙情報が不揮発メモリ167に格納されている。
【0078】
具体的には、「用紙名称」として「白普通紙」、「黒普通紙」、「白光沢紙」、「黄色普通紙」、「白厚紙」の用紙情報がそれぞれ登録されている場合が示されている。
【0079】
なお、用紙情報はこれに限られずさらに複数の情報を登録するようにしてもよい。
また、用紙計測装置190を用いて、用紙の色の情報を特性値として登録するようにしても良い。
【0080】
本例においては、用紙計測装置190は、画像形成装置1の内部に設けられた構成について説明するが、これに限られず画像形成装置1の外部に設けられていても良いし、画像形成装置1と直接接続されていない構成とすることも可能である。
【0081】
給紙部12の各トレイに対してどの用紙が収容されているかがそれぞれ登録されている。具体的には、用紙プロファイル情報の番号がトレイと関連付けられて登録されている。
【0082】
図8は、実施形態に従う色調整用紙情報判断データベースについて説明する図である。図8を参照して、複数の色調整処理の種類と用紙情報との組み合わせに基づく色調整の可否を判断する情報が登録されている。
【0083】
具体的には、色調整処理として、大別して「最高濃度自動調整」処理、「出力紙濃度調整」処理、「濃度バランス自動調整」処理とが設けられている。
【0084】
具体的には、「最高濃度自動調整」処理は、「最高濃度自動調整(YMCK)」処理と「最高濃度自動調整(W)」処理とを有する。
【0085】
「出力紙濃度調整」処理は、「出力紙濃度調整(白普通紙用)」処理と、「出力紙濃度調整(黒普通紙用)」処理と、「出力紙濃度調整(白光沢紙用)」処理と、「出力紙濃度調整(黄色普通紙用)」処理とを有する。
【0086】
「濃度バランス調整」処理は、「濃度バランス調整(白普通紙用)」処理と、「濃度バランス調整(黒普通紙用)」処理と、「濃度バランス調整(白光沢紙用)」処理と「濃度バランス調整(黄色普通紙用)」処理とを有する。
【0087】
また、用紙情報として、記号「〇」、「△」、「×」が示されている。記号「〇」は、対応する色調整処理の実行が可能な調整であることを示す。
【0088】
記号「△」は、対応する色調整処理の一部について実行可能な調整であることを示す。記号「×」は、対応する色調整処理の実行が不可な調整を示す。なお、色調整処理の一部について実行が可能な調整とは、調整の精度が悪くなるが調整しても問題ないレベルのものを示している。
【0089】
なお、本例においては、色調整用紙情報判断データベースに記号「〇」、「△」、「×」が設定されている場合について説明するが、特にこれに限られず当該実行可能な調整、一部実行可能な調整、実行不可な調整であることを識別できるデータであればどのようなものであっても良い。
【0090】
図9は、実施形態に従う画像制御部161における色調整処理について説明するフロー図である。図9を参照して、用紙情報取得部22は、用紙の色情報を取得する(ステップS2)。用紙情報取得部22は、操作パネル13で選択された給紙部12のトレイに収容された用紙の色情報を取得する。具体的には、用紙プロファイル情報の番号がトレイと関連付けられて登録されている。
【0091】
次に、色調整可否判断部24は、取得した情報に基づいて実行可能な色調整処理の種類を抽出する(ステップS4)。具体的には、色調整可否判断部24は、色調整用紙情報判断データベースを参照して、用紙の色に対して実行可能な色調整処理を抽出する。
【0092】
次に、色調整部20は、色調整可否判断部24の抽出結果に基づいて実行可能な色調整処理を操作パネル13に表示する(ステップS5)。
【0093】
図10は、実施形態に従う操作パネル13の画面301について説明する図である。図10を参照して、最高濃度自動調整(YMCK)のメニューボタン340と最高濃度自動調整(白色)のメニューボタン342とが設けられている。仮に挿入された用紙が白色だった場合に最高濃度自動調整(白色)のメニューボタン342が網掛けになり、最高濃度自動調整(YMCK)のみが選択可能な状態となる。
【0094】
色調整処理ができない組み合わせの場合には、禁則表示をしてユーザーに実行できないようにすることが可能である。なお、表示のさせ方は種々の方式があり当該方式に限られない。
【0095】
図11は、実施形態に従う最高濃度自動調整について説明する画面302について説明する図である。図11を参照して、一例として、最高濃度自動調整(YMCK)のメニューボタン340を選択した場合が示されている。また、色調整処理の実行を指示する「印刷モードへ」ボタン304が設けられている。当該「印刷モードへ」ボタン304を選択することにより色調整処理に対する実行が指示される。
【0096】
再び図9を参照して、次に、色調整部20は、操作パネル13に表示された色調整処理に対する実行指示が有るか否かを判断する(ステップS6)。
【0097】
ステップS6において、色調整部20は、色調整処理に対する実行指示があると判断した場合(ステップS6においてYES)には、ステップS7に進む。
【0098】
一方、ステップS6において、色調整部20は、色調整処理に対する実行指示が無いと判断した場合(ステップS6においてNO)には、処理を終了する(エンド)。
【0099】
次に、色調整部20は、色調整処理に対して、一部の実行が可能な調整処理に対する実行が有るか否かを判断する(ステップS7)。
【0100】
ステップS7において、色調整部20は、一部の実行が可能な調整処理に対する実行が有ると判断した場合(ステップS7においてYES)には、ポップアップ画面を表示する(ステップS8)。
【0101】
図12は、実施形態に従う最高濃度自動調整を実行する際のポップアップ画面310(その1)について説明する図である。図12を参照して、ここでは、「白普通紙」が挿入されていた場合には「最高濃度自動調整」をスタートする際、「YMCK」の調整を実施する事を説明する画面が表示される。
【0102】
当該「OK」ボタン312を選択すると「YMCK」の色調整の実行を開始する。
この場合には、「W」の調整は実行されない。
【0103】
また、「Cancel」ボタン314を選択すると色調整処理は中止される。
図13は、実施形態に従う最高濃度自動調整を実行する際のポップアップ画面320(その2)について説明する図である。図13を参照して、ここでは、「黒普通紙」が挿入されていた場合には「最高濃度自動調整」をスタートする際、いずれの調整を実施するかの選択を促す画面が表示される。
【0104】
具体的には、白色のみの調整に関する「Wのみ」ボタン324と、CMYの調整も最適ではないが可能であるため当該調整に関する「CMY含む」ボタン322と、「Cancel」ボタン326とが設けられている。
【0105】
「CMY含む」ボタン322を選択すると「W」の調整とともに「CMY」の色調整の実行を開始する。
【0106】
「Wのみ」ボタン324を選択すると、「W」の色調整の実行を開始する。
また、「Cancel」ボタン324を選択すると色調整処理は中止される。
【0107】
再び図9を参照して、ステップS10において、色調整部20は、ポップアップ画面に対するユーザー選択として、実行可能項目のみの色調整の選択が有ったか、あるいは、一部実行可能項目を含める色調整の選択が有ったかを判断する。
【0108】
ステップS10において、色調整部20は、実行可能項目のみの色調整の選択が有ったと判断した場合(ステップS10において実行可能項目のみ)には、実行可能項目に対して調整を実行する(ステップS12)。具体的には、色調整部20は、例えば、ポップアップ画面320において、白色のみの調整に関する「Wのみ」ボタン324の選択が有ったと判断した場合には、「W」の色調整を実行する。
【0109】
そして、調整処理を終了する。
ステップS10において、色調整部20は、実行可能項目のみの色調整の選択が有ったと判断した場合(ステップS10において一部実行可能項目を含める)には、実行可能項目および一部実行可能項目に対して調整を実行する(ステップS14)。具体的には、色調整部20は、例えば、ポップアップ画面320において、「CMY含む」ボタン322の選択が有ったと判断した場合には、「W」の調整とともに「CMY」の色調整を実行する。そして、調整処理を終了する(エンド)。
【0110】
また、ステップS6において、色調整部20は、一部実行可能項目が無いと判断した場合(ステップS6においてNO)には、実行可能項目に対して調整を実行する(ステップS12)。具体的には、色調整部20は、実行可能項目に対する通常の色調整を実行する。そして、調整処理を終了する。
【0111】
当該処理により、簡易な方式で色調整の可否を判断することが可能である。そして、調整可能な色調整を抽出して適切に色調整を実行することが可能である。また、ポップアップ画面を表示してユーザーに色調整の実行の有無を確認させることが可能であり、ユーザーの利便性にも供する。また、調整の失敗により用紙交換する等の煩雑な作業を回避するとともに、ヤレを防ぐことが可能である。
【0112】
なお、本例においては、一部実行可能項目があると判断した場合に、ポップアップ画面を表示してユーザーに選択を促す構成について説明したが、当該構成に限られず、ポップアップ画面を表示することなく調整処理が可能な項目に対して色調整処理を実行するようにしてもよい。
【0113】
(変形例)
図14は、実施形態の変形例に従う色調整用紙情報判断データベースについて説明する図である。図14を参照して、図8の色調整用紙情報判断データベースと比較して相関関係の欄が設けられている点が異なる。その他の構成については同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0114】
具体的には、最高濃度自動調整(YMCK)に対応して、最高濃度自動調整(白)が対応付けられて設定されている。また、最高濃度自動調整(白)に対応して、最高濃度自動調整(YMCK)が対応付けられて設定されている。
【0115】
図15は、実施形態の変形例に従う実行履歴データベースについて説明する図である。図15を参照して、実行履歴データベースは、複数の色調整機能と前回実行日付とが関連付けられて設定されている。
【0116】
実施形態に従う変形例においては、色調整を実行した場合に、当該色調整と相関関係のある色調整に関して所定の条件が成立する場合には当該色調整を実行するか否かを促すポップアップ画面を表示する。
【0117】
図16は、実施形態の変形例に従うガイダンス提示部26の処理について説明するフロー図である。図16を参照して、ガイダンス提示部26は、実行履歴データベースを参照して、相関関係のある調整処理の最終実行日が1週間前であるか否かを判断する(ステップS20)。
【0118】
ステップS20において、ガイダンス提示部26は、実行履歴データベースを参照して、相関関係のある調整処理の最終実行日が1週間前であると判断した場合(ステップS20においてYES)には、相関関係のある調整処理を実施するかを確認するポップアップ画面を表示する(ステップS22)。そして、処理を終了する(エンド)。
【0119】
一方、ステップS20において、ガイダンス提示部26は、実行履歴データベースを参照して、相関関係のある調整処理の最終実行日が1週間前でないと判断した場合(ステップS20においてNO)には、ポップアップ画面を表示することなく、処理を終了する(エンド)。
【0120】
当該ポップアップ画面において調整処理の実行を指示した場合には、図9で説明したフローに基づいて色調整部20は、対応する調整処理を実行する。
【0121】
図17は、実施形態の変形例に従うポップアップ画面330の例について説明する図である。図17を参照して、ここでは、「YMCKの調整が終わりました。」の表示とともに、「白の調整を実施したタイミングが1週間前になります。白の調整をしますか?」の確認画面が表示される。
【0122】
「OK」ボタン332を選択すると「W」の色調整の実行を開始する。
「Cancel」ボタン334を選択すると、「W」の調整は実行されない。
【0123】
最高濃度自動調整(YMCK)が完了した後に、最高濃度自動調整(白色)の実施日が一定期間よりも前だった場合、最高濃度自動調整(白色)に遷移するかを確認するポップアップ画面が表示されることにより相関関係のある調整処理を連続して実行することが可能となる。
【0124】
これにより、定期的に必要な色調整処理が可能となり高い品質を維持することが容易である。
【0125】
なお、図14に示される色調整用紙情報判断データベースにおいては、最高濃度自動調整についてのみ相関関係がある場合について説明したが、これに限られず他の色調整についても同様に相関関係を登録することが可能である。
【0126】
また、本例においては、ガイダンス提示部26は、色調整用紙情報判断データベースを参照して、相関関係のある調整処理を実施するか否かを確認するポップアップ画面を表示する場合について説明したが、他の方式を採用するようにしてもよい。
【0127】
例えば、ガイダンス提示部26は、実行履歴データベースを参照して、ある色調整処理の最終実行日が所定期間前であると判断した場合に、当該色調整処理の実行を促すポップアップ画面を表示するようにしてもよい。当該場合においても、定期的に必要な色調整処理が可能となり高い品質を維持することが容易である。
【0128】
<付記>
上述した実施形態は、以下のような技術思想を含む。
【0129】
<付記1>
用紙に印字する印字部(150)と、
前記用紙に印字された結果に基づいて前記印字部において前記用紙に対する印字する色の色調整処理を実行可能な色調整部(20)と、
前記印字部に通紙する前記用紙の用紙情報を取得する用紙情報取得部(22)と、
前記用紙情報取得部の前記用紙情報の取得結果に基づいて前記色調整部による色調整処理の可否を判断する色調整可否判断部(24)とを備える、画像形成装置。
【0130】
<付記2>
前記色調整可否判断部は、前記用紙情報に従って前記色調整部による色調整処理の可否を判断する色調整用紙情報判断データベースを含む、付記1記載の画像形成装置。
【0131】
<付記3>
前記色調整用紙情報判断データベースは、黒色の色調整処理に対応して白色の用紙が必要となる情報を含む、付記2記載の画像形成装置。
【0132】
<付記4>
前記色調整部は、前記色調整可否判断部により可能と判断された色調整処理を前記用紙に対して実行する、付記1~3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0133】
<付記5>
前記色調整部による色調整処理の実行履歴情報を格納する履歴格納部(167)と、
前記履歴格納部に格納された実行履歴情報に基づいて前記色調整部による色調整処理の実行を促すガイダンス提示部(26)とをさらに備える、付記1~4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0134】
<付記6>
前記ガイダンス提示部は、前記履歴可能部に格納された実行履歴情報に基づいて複数の色調整処理のうち実行された色調整処理と相関関係にある他の色調整処理の実行を促す、付記4記載の画像形成装置。
【0135】
<付記7>
ユーザーに対して選択可能な複数の色調整処理の実行操作を受け付ける操作パネル(13)をさらに備え、
前記色調整部は、前記色調整可否判断部の判断結果に基づいて前記操作パネルに表示される前記複数の色調整処理の項目のうち前記色調整処理が実行できない項目を禁則表示する、付記1~6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0136】
<付記8>
前記用紙情報取得部は、用紙の特性を計測する用紙計測装置による計測結果を前記用紙の用紙情報として取得する、付記1~7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0137】
<付記9>
ユーザーからの入力を受付可能な操作パネル(13)をさらに備え、
前記用紙情報取得部は、前記操作パネルを介して入力された情報に従って前記用紙情報を取得する、付記1~8のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0138】
<付記10>
ユーザーに対して選択可能な複数の色調整処理の実行操作を受け付ける操作パネル(13)をさらに備え、
前記色調整部は、前記色調整可否判断部の判断結果に基づいて前記色調整処理の一部の色調整の実行を確認する確認画面を前記操作パネルに表示する、付記1~9のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0139】
<付記11>
用紙に印字するステップと、
前記用紙に印字された結果に基づいて前記用紙に対する印字する色の色調整処理を実行するステップとを備え、
前記色調整処理を実行するステップは、
通紙する前記用紙の用紙情報を取得するステップ(S2)と、
前記用紙情報の取得結果に基づいて前記色調整処理の可否を判断するステップ(S4)とを含む、画像形成装置の制御方法。
【0140】
<付記12>
画像形成装置の制御プログラムであって、
前記画像形成装置のコンピュータは、前記制御プログラムにより、
用紙に印字するステップと、
前記用紙に印字された結果に基づいて前記用紙に対する印字する色の色調整処理を実行するステップとを備え、
前記色調整処理を実行するステップは、
通紙する前記用紙の用紙情報を取得するステップ(S2)と、
前記用紙情報の取得結果に基づいて前記色調整処理の可否を判断するステップ(S4)とを含む、画像形成装置の制御プログラム。
【0141】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0142】
1 画像形成装置、3 ネットワーク、11 画像形成部、12 給紙部、13 操作パネル、14 排紙部、15,15C,15a,15c 給紙トレイ、16 手差しトレイ、17 排紙トレイ、20 色調整部、22 用紙情報取得部、24 色調整可否判断部、26 ガイダンス提示部、110 画像処理部、112,170 画像メモリ、113 コントローラ制御部、116 バス、120 給紙スキャン装置、121,141 スキャン部、122,142 スキャン制御部、132 入力部、133 操作パネル制御部、140 排紙スキャン部、150 プリンター部、151 形成部、152 プリンター制御部、160 制御部、161 画像制御部、163 スキャン処理部、165 書込処理部、167 不揮発メモリ、167A 制御プログラム、171 圧縮メモリ、172 ページメモリ、173 ジョブメモリ、180 測色器、190 用紙計測装置、300 外部装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17