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  • 特開-車載装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182412
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】車載装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20231219BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B60R16/02 660N
H04Q9/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096008
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 恵
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048BA42
5K048EB12
5K048HA01
5K048HA02
(57)【要約】
【課題】バッテリの電力消費を抑制し、かつ、正しい情報をユーザに通知することができる車載装置を提供する。
【解決手段】車載装置は、車両の動力源の停止から、第1所定時間が経過した後、車載装置の電源を落とすシャットダウン処理が開始されるまでの期間、ユーザによる前記車両に関わる操作を検知する検知部と、前記操作を検知した場合、前記第1所定期間よりも長い、前記動力源の停止から前記車両の車両状態を監視する期間を示す第2所定期間を延長する延長部と、前記第2所定期間経過後に、前記シャットダウン処理を実行する終了部とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の動力源の停止から、第1所定期間が経過した後、車載装置の電源を落とすシャットダウン処理が開始されるまでの期間、ユーザによる前記車両に関わる操作を検知する検知部と、
前記操作を検知した場合、前記第1所定期間よりも長い、前記動力源の停止から前記車両の車両状態を監視する期間を示す第2所定期間を延長する延長部と、
前記第2所定期間経過後に、前記シャットダウン処理を実行する終了部と、
を備える車載装置。
【請求項2】
前記検知部が前記操作を検知した場合、前記車両状態をユーザに対して通知する通知サーバへ前記車両状態に関する情報を送信する通信制御部を更に備える、
請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記通信制御部は、前記動力源の停止時における前記車両状態に関する情報を前記通知サーバへ送信する、
請求項2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記延長部は、前記検知部が前記操作を検知する度に、前記第2所定期間を一定時間延長する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の車載装置。
【請求項5】
前記終了部は、前記第2所定期間経過前に、前記検知部が前記車両状態の監視を終了するトリガとなる操作を検知した場合、前記シャットダウン処理を実行する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の車載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンが停止した後も所定時間、車両の状態を監視し、ハザードの切り忘れやドアロック忘れ等を検知した場合、検知した内容を表す情報をサーバへアップロードする機能を有する車載装置が知られている。これにより、ユーザは、車両のエンジン停止後であっても、スマートフォン等の携帯端末を介して、ハザードの切り忘れやドアロック忘れ等を検知した旨の通知を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-205063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、エンジンが停止した後も車載装置を動作させる場合、車載装置はバッテリで駆動することになる。したがって、車載装置の動作時間が長くなるとバッテリ上がりを起こしやすくなってしまう可能性がある。このため、車載装置の動作時間は所定時間に制限されることになる。
【0005】
したがって、動作時間の終了直前に車両の扉が開く等の車両の監視を継続すべき状態が発生した場合、情報のアップロード中に所定時間が経過し、車載装置の動作が終了してしまう可能性がある。この場合、サーバは車両の状態を正確に把握することができず、ユーザが通知を受取れなかったり、車両の状態に関する最新の情報が反映されていない内容の通知を受け取ってしまったりすることがある。
【0006】
本発明は、上記に鑑み、バッテリの電力消費を抑制し、かつ、正しい情報をユーザに通知することができる車載装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車載装置は、車両の動力源の停止から、第1所定時間が経過した後、車載装置の電源を落とすシャットダウン処理が開始されるまでの期間、ユーザによる前記車両に関わる操作を検知する検知部と、前記操作を検知した場合、前記第1所定期間よりも長い、前記動力源の停止から前記車両の車両状態を監視する期間を示す第2所定期間を延長する延長部と、前記第2所定期間経過後に、前記シャットダウン処理を実行する終了部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バッテリの電力消費を抑制し、かつ、正しい情報をユーザに通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る車載装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る車両状態監視期間の延長を行わない場合の車載装置の制御装置の処理の一例を説明する図である。
図3図3は、実施形態に係る車両状態監視期間の延長を行う場合の車載装置の制御装置の処理の一例を説明する図である。
図4図4は、実施形態に係る車載装置の制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<車載装置の構成>
本発明の実施形態に係る車載装置を搭載する車両を図1に示す。車両1は、車載装置10、エンジンスイッチ13、ハザードランプスイッチ14、ルームランプスイッチ15、ドアロックスイッチ16、シートベルト装着センサ17、着座センサ18、ドア開閉センサ19等を有する。
【0011】
車載装置10は、車両1の状態を監視し、車両1の状態に関する情報を通知サーバ20に送信する。車載装置10の構成については後述する。
【0012】
通知サーバ20は、車載装置10から受信した情報に基づいて、ユーザのスマートフォン等の携帯端末(図示しない)に、車両1の状態に関する通知(例えば、ハザードの切り忘れやドアロック忘れ等を検知した旨の通知)を送信する。
【0013】
エンジンスイッチ13は、車両1の動力源であるエンジン(図示しない)をON/OFFするためのスイッチである。
【0014】
ハザードランプスイッチ14は、ハザードランプ(図示しない)を点灯又は消灯するためのスイッチである。
【0015】
ルームランプスイッチ15は、車両1のルームランプ(図示しない)を点灯又は消灯するためのスイッチである。
【0016】
ドアロックスイッチ16は、車両1のドアロック(図示しない)をロック又はアンロックするためのスイッチである。
【0017】
シートベルト装着センサ17は、車両1の各座席のシートベルトの脱着を検知するセンサである。シートベルト装着センサ17は、例えば、接触センサ等により実現可能である。
【0018】
着座センサ18は、車両1の各座席に搭乗者が着座したことを検知するセンサである。着座センサ18は、例えば、圧力センサ等により実現可能である。
【0019】
ドア開閉センサ19は、車両1の各ドアの開閉を検知するセンサである。ドア開閉センサ19は、例えば、接触センサ等により実現可能である。
【0020】
次に、車載装置10の構成について説明する。車載装置10は、制御装置11と通信装置12とを有する。
【0021】
制御装置11は、車載装置10を統括的に制御する。制御装置11は、例えば、マイクロコンピュータで構成される。制御装置11は、情報取得部111と、エンジン停止検知部112と、ユーザ操作検知部113と、判定部114と、延長部115と、終了部116と、通信制御部117とを備える。
【0022】
情報取得部111は、車両1から車両1の状態を表す車両状態に関する情報(以下、車両状態情報ともいう)を取得する。例えば、情報取得部111は、車両1のエンジン始動からエンジン停止までの間、車両状態情報を取得する。また、情報取得部111は、エンジン停止から車載装置10のシャットダウン処理が開始されるまでの車両状態監視期間においても、車両状態情報を取得する。
【0023】
具体的には、情報取得部111は、エンジンスイッチ13の状態(ON又はOFF)をリアルタイムで取得する。また、情報取得部111は、ハザードランプスイッチ14の状態(点灯又は消灯)をリアルタイムで取得する。また、情報取得部111は、ルームランプスイッチ15の状態(点灯又は消灯)をリアルタイムで取得する。また、情報取得部111は、ドアロックスイッチ16の状態(ロック又はアンロック)をリアルタイムで取得する。
【0024】
また、情報取得部111は、シートベルト装着センサ17のセンシング結果をリアルタイムで取得する。また、例えば、情報取得部111は、着座センサ18のセンシング結果をリアルタイムで取得する。また、例えば、情報取得部111は、ドア開閉センサ19のセンシング結果をリアルタイムで取得する。
【0025】
なお、上記は車両状態情報の一例であり、車両状態情報はこれに限定されるものではない。例えば、シフトレバーの状態(パーキング、リバース等)、ヘッドライトの状態(消灯又は点灯)等を車両状態情報として取得してもよい。
【0026】
エンジン停止検知部112は、情報取得部111が取得した情報に基づいて、車両1のエンジンの停止を検知する。例えば、エンジン停止検知部112は、情報取得部111が、エンジンスイッチ13がOFFになったことを表す情報を取得した場合、車両1のエンジンの停止を検知する。
【0027】
ユーザ操作検知部113は、情報取得部111が取得した情報に基づいて、車両1のエンジン停止から所定時間が経過するまでを示す待機期間の経過後から車載装置10のシャットダウン処理が開始されるまでの、車両状態監視期間を延長するか否かの判定を行う延長判定期間において、ユーザによる車両1に関わる操作(以下、ユーザ操作ともいう)を検知する。待機期間は、第1所定期間の一例である。また、車両状態監視期間は、第2所定期間の一例である。
【0028】
例えば、ユーザ操作検知部113は、延長判定期間において、情報取得部111が、ハザードランプスイッチ14が点灯状態から消灯状態に変化した旨の情報を取得した場合、ユーザ操作があったことを検知する。
【0029】
また、同様に、ユーザ操作検知部113は、情報取得部111が、ルームランプスイッチ15が点灯状態から消灯状態に変化した旨の情報を取得した場合、ユーザ操作があったことを検知する。
【0030】
また、同様に、ユーザ操作検知部113は、情報取得部111が、ドアロックスイッチ16が点灯状態から消灯状態に変化した旨の情報を取得した場合、ユーザ操作があったことを検知する。
【0031】
また、例えば、ユーザ操作検知部113は、延長判定期間において、情報取得部111が、シートベルト装着センサ17から、シートベルトが装着されたこと又はシートベルトが外されたことを表すセンシング結果を取得した場合、ユーザ操作があったことを検知する。
【0032】
また、同様に、ユーザ操作検知部113は、情報取得部111が、着座センサ18から、搭乗者が着座したこと又は席を立ったことを表すセンシング結果を取得した場合、ユーザ操作があったことを検知する。なお、着座又は席を立つことは操作ではないが、着座又は席を立つことは、多くの場合、何らかのユーザ操作に繋がることが多いため、本実施形態では、着座又は席を立つこともユーザ操作として検知するものとする。
【0033】
また、同様に、ユーザ操作検知部113は、情報取得部111が、ドア開閉センサ19から、ドアが開かれたこと又はドアが閉じられたことを表すセンシング結果を取得した場合、ユーザ操作があったことを検知する。
【0034】
判定部114は、ユーザ操作検知部113の検知結果に基づいて、車両状態監視期間を延長するか否かを判定する。例えば、判定部114は、延長判定期間において、ユーザ操作検知部113によりユーザ操作が検知された場合、車両状態監視期間を延長すると判定する。一方、延長判定期間において、ユーザ操作検知部113によりユーザ操作が検知されなかった場合、車両状態監視期間を延長しないと判定する。
【0035】
延長部115は、判定部114が車両状態監視期間を延長すると判定した場合、車両状態監視期間を一定時間延長する。本実施形態では、延長部115は、車両状態監視期間を延長した場合、その後、ユーザ操作検知部113によりユーザ操作が検知されたとしても、再度の車両状態監視期間の延長は行わないものとする。
【0036】
終了部116は、車両状態監視期間経過後、車載装置10の稼働を終了させて電源を落とすシャットダウン処理を実行する。
【0037】
通信制御部117は、通信装置12を制御して、通知サーバ20との間で情報の送受信を行う。例えば、通信制御部117は、エンジン停止検知部112によりエンジン停止が検知された直後に、情報取得部111が取得した車両状態情報を通知サーバ20へ送信する制御(以下、アップロードともいう)を行う。
【0038】
また、例えば、通信制御部117は、車両状態監視期間中に、情報取得部111が、車両状態が変化したことを表す情報(例えば、ルームランプスイッチ15が消灯から点灯に変化した等の情報)を車両状態情報として取得した場合、情報を取得した時点における車両状態情報を通知サーバ20へアップロードする。これにより、通知サーバは、車両1の最新の車両状態情報を把握することができる。
【0039】
また、延長部115が必要に応じて車両状態監視期間を延長することにより、車両状態監視期間終了直前に、情報取得部111が、車両状態が変化したことを表す車両状態情報を取得したような場合でも、通信制御部117は、車載装置10のシャットダウン前に、当該情報を通知サーバ20にアップロードすることができる。
【0040】
以下、図2及び図3を用いて、車両状態監視期間の延長処理を含む制御装置11の処理について説明する。
【0041】
図2は、車両状態監視期間の延長を行わない場合の制御装置11の処理の一例を説明する図である。図2に示すように、情報取得部111が、エンジンスイッチ13がOFFになった旨の情報を取得すると、エンジン停止検知部112は、エンジン停止(OFF)を検知する。図2では、エンジン停止検知部112がエンジン停止を検知した時間を基点(0秒)とする。
【0042】
エンジン停止検知部112がエンジン停止を検知してから、T-N秒(待機期間)経過後、ユーザ操作検知部113は、ユーザ操作の検知処理を開始する。T-N秒後からT秒後までの間(延長判定期間)、判定部114は、ユーザ操作の検知結果に基づいて、車両状態監視期間を延長するか否かの判定を行う。
【0043】
ここで、待機期間経過後に車両状態監視期間を延長するか否かの判定を行うのは、待機期間中にユーザ操作があったとしても、車両状態監視期間内に、通知サーバ20への車両状態情報の送信を完了することができると考えられるためである。これにより、不要な延長を行うことがなくなる。したがって、エンジン停止後に車載装置10で行われる処理によるバッテリの消費を抑制することができる。
【0044】
図2の例では、ユーザ操作は検知されないため、情報取得部111は、車両状態監視期間の延長がない場合、車両状態監視期間として設定された、エンジン停止検知からT秒間、車両状態情報を取得する。また、この場合、エンジン停止検知部112がエンジン停止を検知してからT秒後、終了部116は、車載装置10のシャットダウン処理を実行する。
【0045】
ここで、図3は、車両状態監視期間の延長を行わない場合の制御装置11の処理の一例を説明する図である。図3に示すように、延長判定期間中にユーザ操作検知部113がユーザ操作を検知した場合、判定部114は、車両状態監視期間を延長すると判定する。次いで、延長部115は、車両状態監視期間を一定時間(図3の例では、M秒)延長する処理を行う。これにより、図3の例では、車両状態監視期間は、T+M秒となる。
【0046】
したがって、図3の例では、情報取得部111は、車両状態監視期間の延長があった場合、エンジン停止検知からT+M秒間、車両状態情報を取得する。また、この場合、エンジン停止検知部112がエンジン停止を検知してからT+M秒後、終了部116は、車載装置10のシャットダウン処理を実行する。
【0047】
このように、延長判定期間内に、ユーザ操作があった場合のみ、車両状態監視期間を延長することで、不要な延長を行うことなく、かつ、車両状態情報のアップロード中に車載装置10がシャットダウンされてしまう事態を防止できる。
【0048】
<車載装置の処理>
次に、本実施形態に係る車載装置10が実行する処理について説明する。図4は、実施形態に係る車載装置10の制御装置11が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
まず、エンジン停止検知部112は、情報取得部111により取得された車両状態情報に基づいて、エンジン停止を検知する(ステップS1)。具体的には、エンジン停止検知部112は、情報取得部111によりエンジンスイッチ13がOFF状態になった旨の情報を車両状態情報として取得した場合、エンジン停止を検知する。
【0050】
次いで、情報取得部111は、エンジン停止時における車両状態情報を取得する(ステップS2)。
【0051】
具体的には、情報取得部111は、エンジン停止検知部112によりエンジン停止が検知した時点における、ハザードランプスイッチ14、ルームランプスイッチ15、ドアロックスイッチ16、シートベルト装着センサ17、着座センサ18、ドア開閉センサ19等の状態を車両状態情報として取得する。情報取得部111は、車載装置10のシャットダウン処理が開始されるまで、車両状態情報の取得処理を継続する。
【0052】
次いで、通信制御部117は、通信装置12を制御し、ステップS2で取得されたエンジン停止時における車両状態情報を通知サーバ2にアップロードする(ステップS3)。ステップS1でエンジン停止が検知されてから待機期間が経過した後、判定部114は、ユーザ操作検知部113と協働し、車両状態監視期間の延長を行うか否かの判定処理を開始する(ステップS4)。
【0053】
具体的には、ユーザ操作検知部113は、情報取得部111が、車両状態情報が変化したことを表す情報を取得した場合、ユーザ操作を検知する。そして、判定部114は、ユーザ操作検知部113が、ユーザ操作を検知したか否かに基づいて、車両状態監視期間の延長を行うか否かを判定する。
【0054】
ユーザ操作検知部113により、ユーザ操作の検知処理が開始されると、判定部114は、ユーザ操作検知部113により、ユーザ操作が検知されたか否かをリアルタイムで確認する(ステップS5)。ユーザ操作が検知されない場合(ステップS5:No)、ステップS9の処理に移行する。
【0055】
一方、ユーザ操作が検知された場合(ステップS5:Yes)、延長部115は、車両状態監視期間の延長を行ったか否かを確認する(ステップS6)。既に延長を行っている場合(ステップS6:Yes)、ステップS8の処理へ移行する。一方、延長を行っていない場合(ステップS6:No)、延長部115は、車両状態監視期間を一定期間延長する(ステップS7)。
【0056】
次いで、通信制御部117は、通信装置12を制御し、ステップS5でユーザ操作が検知された時点における車両状態情報を通知サーバ2にアップロードする(ステップS8)。次いで、終了部116は、車両状態監視期間が経過したか否かを確認する(ステップS9)。車両状態監視期間が経過していない場合(ステップS9:No)、ステップS5の処理に移行する。
【0057】
一方、車両状態監視期間が経過している場合(ステップS9:Yes)、終了部116は、車載装置10のシャットダウン処理を実行し(ステップS10)、本処理を終了する。
【0058】
<作用効果>
以上のように、本実施形態に係る車載装置10は、車両1のエンジン停止後、所定時間経過後に開始される延長判定期間内にユーザ操作を検知した場合のみ、車両監視期間を延長する。ここで、延長判定期間が開始されるまでの間にユーザ操作があった場合は、所定の車両監視期間内に車両状態情報のアップロード処理を完了できる可能性が高い。したがって、延長判定期間が開始される前のユーザ操作に基づいて、車両監視期間を延長してしまうと、不要な延長を行うことになり、不必要にバッテリの電力を消費することになると考えられる。これに対し、延長判定期間内にユーザ操作を検知した場合のみ、車両監視期間を延長することにより、所定の車両監視期間内に車両状態情報のアップロード処理を完了できない可能性がある場合にのみ、車両監視期間の延長を行うことができる。したがって、本実施形態に係る車載装置10によれば、不要な車両監視期間の延長を防止することで、バッテリの電力消費を抑制することができる。また、所定の車両監視期間内に車両状態情報のアップロード処理を完了できない可能性がある場合には、車両監視期間を延長するため、車両状態情報のアップロード処理に失敗してしまう可能性も低減できる。これにより、通知サーバ20には正確な車両1の車両状態情報が記憶されることになる。つまり、本実施形態に係る車載装置10によれば、バッテリの電力消費を抑制し、かつ、正しい情報をユーザに通知することができる。
【0059】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0060】
<変形例1>
例えば、前述の実施形態では、延長部115は、一度車両状態監視期間を延長した場合、その後にユーザ操作が検知されても、再度の延長は行わない形態について説明した。しかしながら、延長部115は、ユーザ操作が検知される度に、車両状態監視期間の延長を行ってもよい。これにより、車両状態情報のアップロード処理を完了できない可能性をさらに低減できる。つまり、本変形例によれば、より信頼性の高い車両状態情報をユーザに通知することができる。
【0061】
<変形例2>
また、例えば、終了部116は、車両状態監視期間が経過するまで、車載装置10のシャットダウン処理を実行しない形態について説明した。しかしながら、終了部116は、情報取得部111が、ドアロックスイッチ16がロック状態になった旨の車両状態情報を取得した場合、車両状態監視期間が経過する前に、車載装置10のシャットダウン処理を実行してもよい。なお、ユーザがドアロックスイッチ16をロック状態にする操作は、車両状態の監視を終了するトリガとなる操作の一例である。
【0062】
これは、ドアロックがかけられた場合、それ以降にユーザが車両1に関わる操作を行うことはないと考えられるためである。本変形例によれば、ドアロックスイッチ16がロック状態になったことを検知した場合には、車両状態監視期間経過前であっても車載装置10のシャットダウン処理が行われるため、よりバッテリの電力消費を抑制することができる。
【0063】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 車両
10 車載装置
11 制御装置
12 通信装置
13 エンジンスイッチ
14 ハザードランプスイッチ
15 ルームランプスイッチ
16 ドアロックスイッチ
17 シートベルト装着センサ
18 着座センサ
19 ドア開閉センサ
20 通知サーバ
111 情報取得部
112 エンジン停止検知部
113 ユーザ操作検知部
114 判定部
115 延長部
116 終了部
117 通信制御部
図1
図2
図3
図4