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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182430
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】抹茶石臼機展示装置
(51)【国際特許分類】
   A47F 11/06 20060101AFI20231219BHJP
   A47F 7/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A47F11/06
A47F7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096032
(22)【出願日】2022-06-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 共栄製茶株式会社 宇治森半店、令和4年4月1日
(71)【出願人】
【識別番号】399095003
【氏名又は名称】共栄製茶株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502437492
【氏名又は名称】株式会社ヨシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】弁理士法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】森下 康弘
【テーマコード(参考)】
3B110
【Fターム(参考)】
3B110FA01
3B110FA16
3B110HA10
3B110HA16
3B110JA19
3B110JA22
(57)【要約】
【課題】石臼の摺動面から放出された抹茶粉の微細な粉末が浮遊する様子を明瞭に目視で観察することができる抹茶石臼機展示装置を提供する。
【解決手段】抹茶石臼機展示装置10は、正面に透明なガラス窓(ガラス扉111)を有する展示ケース11と、展示ケース11の内部のうち該展示ケース11の外側から前記ガラス窓を通して視認可能な位置に配置された電動石臼機12と、展示ケース11内に配置された、電動石臼機12の摺動面120の側方の空間に向けて光を照射する光源13とを備える。また、抹茶石臼機展示装置10は、光源13の代わりに、又は光源13と共に、前記ガラス窓の、電動石臼機12の摺動面120の側方の位置に設けられた拡大レンズ14を備えていてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 正面に透明なガラス窓を有する展示ケースと、
b) 前記展示ケースの内部のうち該展示ケースの外側から前記ガラス窓を通して視認可能な位置に配置された電動石臼機と、
c) 前記展示ケース内に配置された、前記電動石臼機の摺動面の側方の空間に向けて光を照射する光源と
を備える抹茶石臼機展示装置。
【請求項2】
前記光源が前記空間への指向性を有する光を発する光源である、請求項1に記載の抹茶石臼機展示装置。
【請求項3】
さらに、前記展示ケースの外に、前記光源の点灯及び消灯の操作を行うスイッチを備える、請求項1又は2に記載の抹茶石臼機展示装置。
【請求項4】
a) 正面に透明なガラス窓を有する展示ケースと、
b) 前記展示ケースの内部のうち該展示ケースの外側から前記ガラス窓を通して視認可能な位置に配置された電動石臼機と、
c) 前記ガラス窓の、前記電動石臼機の摺動面の側方の位置に設けられた拡大レンズと
を備える抹茶石臼機展示装置。
【請求項5】
さらに、前記展示ケースの底面に前記電動石臼機と平面形状が同じであるかそれよりも小さい平面形状を有する載置台を備え、
前記載置台の上に前記電動石臼機が載置されている、
請求項1又は4に記載の抹茶石臼機展示装置。
【請求項6】
さらに、前記展示ケース内の温度を調節する温度調節機構を備える、請求項1又は4に記載の抹茶石臼機展示装置。
【請求項7】
さらに、前記展示ケース内の天井に配置されたファンを備える、請求項1又は4に記載の抹茶石臼機展示装置。
【請求項8】
さらに、前記ファンと前記電動石臼機の上臼を回転させる共通の駆動手段を備える、請求項7に記載の抹茶石臼機展示装置。
【請求項9】
さらに、
前記電動石臼機の下方に設けられ、該電動石臼機の外径よりも大きい外径を有し、該電動石臼機の上臼と同軸で回転可能な、円形、円弧形、部分円形、又は部分円弧形の回転板と、
前記回転板の上面と摺接し、該回転板の径方向に対して傾斜した方向を向く線状のヘラと、
前記回転板の外縁の下方且つ前記ヘラの下方に配置された回収容器と
を有する抹茶粉回収機構を備える、請求項1又は4に記載の抹茶石臼機展示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、碾茶を電動石臼機で挽いて抹茶の粉末(抹茶粉)を製造する様子を展示するための装置である抹茶石臼機展示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
抹茶粉は、摘採前の所定期間遮光して生産した茶葉を蒸したうえで揉むことなく乾燥させた茶葉の茎や葉脈等を除去し精製して成る碾茶を、石臼で挽いて粉末にすることにより製造される。近年では省力化のために、モータを用いて上臼を電動で回転させる電動石臼機が用いられている(例えば特許文献1)。以下、抹茶粉を製造する際に用いられる電動石臼機を「抹茶石臼機」と呼ぶ。
【0003】
抹茶粉は、伝統的な茶道で使用される他、日常的に薄茶等をたしなむ人々の間でも使用されてきたが、近年は、菓子や飲料、食品等に添加される等、その使用範囲は飛躍的に拡大している。そのような中で宇治(京都府)は、高級抹茶の主産地として有名であり、抹茶粉の製造・販売業者が多く集積している。また、そのような抹茶粉の製造・販売業者が運営する店舗に観光客が訪問して、抹茶粉や抹茶(抹茶粉を湯に加えて攪拌した飲料)、あるいは抹茶粉を材料に用いた和洋菓子等を購入したり飲食したりする機会が増えている。そのような店舗を訪問した客の中には、抹茶粉の製造工程に興味を持つ者もいる。そこで、抹茶石臼機を展示ケースに収容して店舗に設置し、抹茶石臼機で碾茶を挽いて粉末にする工程を見せることが行われている(例えば非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-033168号公報
【特許文献2】実開昭60-077462号公報
【特許文献3】特開2010-253216号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】"抹茶スイーツ館 茶和々",[online],京都錦市場商店街,[2022年5月27日検索],インターネット<URL:https://www.kyoto-nishiki.or.jp/stores/sawawa/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
抹茶石臼機で挽かれた碾茶は抹茶粉となって石臼の摺動面から周囲に排出され、その大半は直ぐに落下するが、一部の非常に微細な粉末は周辺の空間に飛散して浮遊しつつ徐々に落下してゆく。その様子を観察してもらえば、客の関心を引くことができる。しかし、空間に浮遊する粒子(浮遊抹茶粉)は微細であるため、非特許文献1に記載の装置では浮遊抹茶粉が浮遊する様子を明瞭に目視で観察することができない。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、石臼の摺動面から飛散した浮遊抹茶粉が浮遊する様子を明瞭に目視で観察することができる抹茶石臼機展示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明に係る抹茶石臼機展示装置の第1の態様のものは、
a) 正面に透明なガラス窓を有する展示ケースと、
b) 前記展示ケースの内部のうち該展示ケースの外側から前記ガラス窓を通して視認可能な位置に配置された電動石臼機と、
c) 前記展示ケース内に配置された、前記電動石臼機の摺動面の側方の空間に向けて光を照射する光源と
を備える。
【0009】
第1の態様の抹茶石臼機展示装置を使用する際には、展示ケース内に収容された電動石臼機(抹茶石臼機)で碾茶を挽くことにより抹茶粉が製造される様子を、店舗を訪問した客等の観察者がガラス窓を通して観察する。製造された抹茶粉は電動石臼機の摺動面から放出されて直ぐに周囲に落下するが、一部の細かい粉末(浮遊抹茶粉)は周辺の空間に浮遊しつつ徐々に落下してゆく。なお、電動石臼機が展示ケースに収容されていることから(展示ケース外の)店舗の内外に抹茶粉や浮遊抹茶粉を飛散させることがないため、当該装置を店頭や店舗内に配置することができる。なお、ガラス窓は嵌め殺し(固定式)の窓を用いてもよく、観音開きの扉や引き違い式の扉に設けられた開閉可能なものを用いてもよい。開閉可能なガラス窓を用いる場合には、該窓を開放することで電動石臼機に碾茶を供給したり、展示ケース内を清掃したりすることができる。固定式のガラス窓を用いる場合には、別途、碾茶の供給や展示ケース内の清掃等を行うための(ガラス製以外の)扉を設ければよい。本段落で述べた点は、後述の第2の態様の抹茶石臼機展示装置も同様である。
【0010】
第1の態様の抹茶石臼機展示装置によれば、光源から電動石臼機の摺動面の側方の空間に向けて光を照射することにより、該摺動面から放出されて浮遊する浮遊抹茶粉の粒子に光が当たり散乱する(チンダル現象)。これにより、摺動面から放出された浮遊抹茶粉が浮遊する様子を明瞭に目視で観察することができる。
【0011】
なお、特許文献2及び3には、宝石を展示するケース内の空間に煙や霧等を導入し、光線を宝石に照射することによって該宝石で反射する光線の通過経路をチンダル現象によって可視化することが記載されている。これら文献に記載の装置では宝石で反射した光線を視認させる(それによって宝石の審美性を高める)ためにチンダル現象を利用しているのに対して、本発明に係る抹茶石臼機展示装置では光線ではなく電動石臼機の摺動面から飛散して浮遊する抹茶粉を視認させるためにチンダル現象を利用している。
【0012】
第1の態様の抹茶石臼機展示装置において、前記光源は前記空間への指向性を有する(直進性が強い)光を発する光源であることが好ましい。このような光源を用いることにより、前記空間、すなわち電動石臼機の摺動面の側方の空間に対して、他の空間よりも強い光を照射することができる。そのため、摺動面の側方の空間で浮遊抹茶粉の粒子に光が当たり散乱する様子を際立させることができる。また、抹茶石臼機展示装置を店頭等の屋外に設置した場合には、昼間はケース内に日光が差し込むことで浮遊抹茶粉を視認し難くなるが、そのような場合であっても、指向性を有する(直進性が強い)光を光源から照射することにより、浮遊抹茶粉を容易に視認することができる。
【0013】
第1の態様の抹茶石臼機展示装置においてさらに、前記展示ケースの外に、前記光源の点灯及び消灯の操作を行うスイッチを備えることができる。これにより、抹茶粉を観察するときのみ光源を点灯するようにすることができるため、電力を節約することができると共に光源の寿命を長くすることができる。
【0014】
本発明に係る抹茶石臼機展示装置の第2の態様のものは、
a) 正面に透明なガラス窓を有する展示ケースと、
b) 前記展示ケースの内部のうち該展示ケースの外側から前記ガラス窓を通して視認可能な位置に配置された電動石臼機と、
c) 前記ガラス窓の、前記電動石臼機の摺動面の側方の位置に設けられた拡大レンズと
を備える。
【0015】
第2の態様の抹茶石臼機展示装置によれば、電動石臼機の摺動面から放出された浮遊飛散抹茶粉が浮遊しつつ徐々に落下していく様子を、該拡大レンズを通して明瞭に目視することができる。
【0016】
第1及び第2の態様の抹茶石臼機展示装置は、さらに前記展示ケースの底面に前記電動石臼機と平面形状が同じであるかそれよりも小さい平面形状を有する載置台を備え、該載置台の上に前記電動石臼機が載置されている、という構成を取ることができる。これにより、電動石臼機の下臼の高さに載置台の高さを加えたものが電動石臼機の摺動面の高さとなるため、抹茶粉が電動石臼機の摺動面から流出した後、下臼の側面に沿って下降してゆく様子、及び、浮遊抹茶粉がその近隣の空間を徐々に落下してゆく様子を長い距離に亘って観察することができる。
【0017】
第1及び第2の態様の抹茶石臼機展示装置はさらに、前記展示ケース内の温度を調節する温度調節機構を備えることができる。これにより、抹茶石臼機展示装置を屋外(店頭)に配置した場合に展示ケース内の温度が過度に上昇又は下降することを防ぐことができる。特に冬場は、ガラス窓内面の結露を防止するためにこの温度調節機構が有効である。
【0018】
第1及び第2の態様の抹茶石臼機展示装置はさらに、前記展示ケース内の天井に配置されたファンを備えることができる。これにより、展示ケース内の空気を攪拌し、展示ケース内の温度を均一に近づけることができる。
【0019】
前記ファンを備える場合には、さらに、該ファンと前記電動石臼機の上臼を回転させる共通の駆動手段を備える、という構成を取ることができる。これにより、駆動手段(モータ)の装置コストを抑えることができる。
【0020】
第1及び第2の態様抹茶石臼機展示装置はさらに、
前記電動石臼機の下方に設けられ、該電動石臼機の外径よりも大きい外径を有し、該電動石臼機の上臼と同軸で回転可能な、円形、円弧形、部分円形、又は部分円弧形の回転板と、
前記回転板の上面と摺接し、該回転板の径方向に対して傾斜した方向を向く線状のヘラと、
前記回転板の外縁の下方且つ前記ヘラの下方に配置された回収容器と
を有する抹茶粉回収機構を備える、という構成を取ることができる。
【0021】
前記抹茶粉回収機構を備える構成によれば、下臼の側方から落下した抹茶粉の少なくとも一部は回転板上に堆積する。抹茶回収時に、回転板を少しずつ回転させることにより、回転板上の抹茶粉はヘラによって回転板の外縁に押し出されて落下し、回収容器に回収される。これにより、抹茶粉を容易に回収することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る抹茶石臼機展示装置によれば、石臼の摺動面から放出された浮遊抹茶粉が浮遊する様子を明瞭に目視で観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る抹茶石臼機展示装置の一実施形態を示す正面図。
図2】本実施形態の抹茶石臼機展示装置において、展示ケースのガラス扉等を取り外した状態を示す正面図。
図3】電動石臼機の裁置台を支持する支持枠を示す上面図。
図4】本実施形態の抹茶石臼機展示装置が有する引き出し及びその周囲を示す断面図。
図5】本実施形態の抹茶石臼機展示装置が有する抹茶粉の回収機構を示す側面図。
図6】抹茶粉の回収機構の上面図。
図7】抹茶粉の回収機構が有する基部の下面図。
図8】本実施形態の抹茶石臼機展示装置で用いられる回収容器を示す側面図。
図9】本実施形態の抹茶石臼機展示装置において、電動石臼機の摺動面から放出されて浮遊する浮遊抹茶粉と、該摺動面の側方の空間に光源から照射される光の様子を模式的に示した図。
図10】回収機構の回転板に堆積した抹茶粉を回収容器に回収する様子を示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1図10を用いて、本発明に係る抹茶石臼機展示装置の実施形態を説明する。
【0025】
(1) 本実施形態の抹茶石臼機展示装置の構成
本実施形態の抹茶石臼機展示装置10は、図1及び図2に示すように、展示ケース11と、該展示ケース11内に収容された電動石臼機(抹茶石臼機)12を有する。
【0026】
展示ケース11は、鋼製の内部枠の外装を木製の外装材で覆った筐体から成り、電動石臼機12が収容される電動石臼機収容空間1110と、電動石臼機収容空間1110の上に設けられた機械室1120と、電動石臼機収容空間1110の下に設けられた収納室1140とを有する(図2参照)。電動石臼機収容空間1110の正面には、その下端寄りに、横方向に渡された横桟117が設けられていると共に、横桟117の中央付近から下方に向けて縦桟118が設けられている。横桟117よりも上側の開口115には観音開きのガラス扉111が取りつけられている。ガラス扉111の縁は木製である。また、横桟117よりも下側で縦桟118により2つに分割された開口116にはそれぞれ、木製の長方形の板材から成りその下辺に設けられた蝶番によって開閉可能に展示ケース11の筐体に取りつけられている蓋113が設けられている。機械室1120の正面の開口には木製の引違い戸112が、収納室1140の正面の開口には木製の観音開き戸114が、それぞれ設けられている。展示ケース11は、このように各部に木製の部材が用いられていることにより、民芸家具調の外観を呈する。
【0027】
電動石臼機12は、下臼121と上臼122とを有する。電動石臼機収容空間1110内には中央に仕切り壁1112(図2参照)が設けられており、仕切り壁1112の左右に電動石臼機12が1台ずつ、計2台収容されている。以下、それら2台の電動石臼機12を区別して説明する際には、右側のものを「第1電動石臼機12A」、左側のものを「第2電動石臼機12B」と呼び、両者に共通の特徴を説明する際には単に「電動石臼機12」と呼ぶ。なお、展示ケースに収容される電動石臼機の台数は2台には限定されず、1台又は3台以上であってもよい。
【0028】
電動石臼機収容空間1110内には、横方向に渡された支持枠151が設けられている。支持枠151は鋼製であって、図3に示すように、矩形の外枠材1511と、外枠材1511内の奥行き方向の中央に設けられ横方向に延びる1本の横枠材1512と、横方向の中央に設けられ奥行き方向に延びる1本の縦中央枠材1513と、縦中央枠材1513の両側方に1本ずつ設けられた縦枠材1514とを有する。2本の縦枠材1514がそれぞれ横枠材1512と交差する位置を中心として、それら横枠材1512及び縦枠材1514の上に載置台15が固定されている。これら2個の載置台15の上にそれぞれ、電動石臼機12が裁置される。載置台15は下臼121よりも径がやや小さい円筒状の台である。
【0029】
支持枠151は、ガラス扉111の下端の縁1111(ガラスを支持する不透明な枠材の一部)又は横桟117(図1図2に示した例では前者)に対向する位置に設けられている。そのため、支持枠151は正面から見て縁1111又は横桟117で隠れるため目立たない。一方、電動石臼機12は、支持枠151の上に固定された載置台15の上に載置されることにより、ガラス扉111のガラス窓に対向して配置される。これにより、電動石臼機12、及びその摺動面120の側方の空間を、ガラス窓を通して外部から観察することができるようになっている。
【0030】
電動石臼機収容空間1110の内部空間の側壁面及び後壁面(正面から見て電動石臼機12の裏側の壁面)、並びに載置台15の表面は黒色に塗装されている。これにより、緑色である抹茶粉や浮遊抹茶粉との色彩のコントラストが明瞭になり、それら抹茶粉や浮遊抹茶粉の視認性がより良くなる。
【0031】
機械室1120内には電動モータ124が収容されている。電動モータ124の回転軸は、機械室1120の底面に設けられた穴を通して電動石臼機収容空間1110内に突出している。
【0032】
電動石臼機12の上臼122の側面には、該側面から突出した持ち手が2個、周方向に違いに180°異なる位置に設けられている。上臼122の側方の空間には上側から略鉛直方向に延びる引腕123が設けられており、上臼122の2個の持ち手1231のうちの一方(図1図2では該一方の持ち手1231のみを図示)と引腕123の下端は樹脂製のベルト1232で連結されている。引腕123の上端は90°折れ曲がっており、その折れ曲がった略水平の部分の先端が電動モータ124の回転軸に固定されている。電動モータ124の回転軸は、下臼121の中心及び上臼122の回転軸と同軸となるように位置が固定されている。引腕123の略水平の部分は、引腕123の下端と上臼122の間に両者が接触しない程度の隙間(約6mm)が形成されるように設定されている。このような構成により、電動モータ124の回転により、引腕123及びベルト1232を介して上臼122が回転する。電動モータ124は、電動石臼機収容空間1110よりも上側に設けられた引違い戸112内に収容されており、外部からは目視されない。
【0033】
抹茶石臼機展示装置10はさらに温度調整機構161を備える。温度調整機構161は機械室1120内に設けられたペルチェ素子と電動石臼機収容空間1110の内壁面に設けられた温度センサとを有し、電動石臼機収容空間1110内を加温/冷却するものである。温度調整機構161はさらに、収納室1140内に温度設定コントローラ(図示省略)を有している。温度センサで感知する温度が設定された温度になるよう、温度設定コントローラによってペルチェ素子による加温/冷却を制御する。温度調整機構161にはまた、ペルチェ素子により温度が調整された空気を下方に排出するフィンが設けられていると共に、該フィンの下方に受け皿が設けられている(共に図示省略)。受け皿は、フィンが冷却された際に生じる結露の水が落下することを防止するために設けられている。受け皿の下方にはファン162が設けられている。ファン162は電動モータ124の回転軸に固定され(従って、電動モータ124の回転軸、引腕123及びベルト1232を介して上臼122と連結され)ており、電動モータ124の動作によって上臼122と同期して回転する。フィンを通過した空気は、受け皿の側方を通ってファン162に向かい、ファン162によって下方に送出される。
【0034】
上臼122の上側には漏斗125が設けられている。漏斗125はその上部から碾茶が投入されることにより、電動石臼機12に碾茶を供給するものである。
【0035】
電動石臼機収容空間1110の天井部のうち、第1電動石臼機12Aの上方であって、抹茶石臼機展示装置10の正面に向かって上臼122の回転軸から左方にずれた位置には光源13が設けられている。本実施形態では、光源13には、指向性を有する光を発する光源である、NCC株式会社製の「ZEUS」(商品名)を用いた。ここで「指向性を有する光」とは、特定の方向に向かって進行する光をいう。光源13は、光軸が左上から右下に向かって傾斜するように設けられており、これにより、第1電動石臼機12Aの摺動面120の側方(正面を含む)の空間に向けて光が照射される。このように指向性を有する(直進性が強い)光を発する光源13を用いることにより、第1電動石臼機12Aの摺動面120の側方の空間に向けて強い光を照射することができるため、後述のように該空間を浮遊する浮遊抹茶粉に客の注目を集中させることができると共に、この抹茶石臼機展示装置10を屋外に設置した場合に日光が展示ケース11内に差し込んだとしても浮遊抹茶粉を容易に視認することができる。なお、光源13の傾斜角度は多少変更することが可能であり、それによって摺動面120の側方で光が照射される位置を調整することができる。
【0036】
横桟117のうち第1電動石臼機12Aの下方の位置には、光源13を点灯/消灯させる操作を行うための光源スイッチ18が設けられている。光源13は、店舗を訪れた客が光源スイッチ18を押下している間のみ点灯する。光源13は(例えば次に述べる照明光源と比較して)消費電力が大きく寿命が短いことから、このような光源スイッチ18を設けることにより、光源13の消費電力を抑えると共に光源13を長寿命化することができる。光源スイッチ18の代わりに人感センサを設置し、抹茶石臼機展示装置10の正面に人が接近したことを人感センサが感知したときに自動的に光源13を点灯させ、抹茶石臼機展示装置10の正面から人が離れたことを人感センサが感知したときに自動的に光源13を消灯させるようにしてもよい。
【0037】
また、光源13とは別に、天井部のうち第1電動石臼機12A及び第2電動石臼機12Bの上方にはそれぞれ、LEDを用いた照明光源が設けられている(図示省略)。この照明光源は指向性は有さず、前述の光源13よりも光の強度が弱く消費電力が小さいものである。この照明光源は、客が電動石臼機収容空間1110内の装置を(摺動面120の側方の空間よりは暗く)視認可能な程度の明るさになるように照明する。この照明光源は、浮遊抹茶粉を客に視認させることは考慮して設けられたものではない。この照明光源に加えて、展示ケース11の外面に光センサを設け、外部の明るさに応じて照明光源を点灯又は消灯するようにしてもよい。
【0038】
ガラス扉111のうち第1電動石臼機12Aの摺動面120及びその側方(前方を含む)を含む空間に対向する位置には拡大レンズ14が配置されている。拡大レンズ14は2枚、縦に並べて配置されており、そのうち上側の拡大レンズ141は第1電動石臼機12Aの摺動面120の側方の空間に対向している。下側の拡大レンズ142は載置台15の側方(前方を含む)の空間に対向している。拡大レンズ14の倍率は、本実施形態では4倍とした。
【0039】
前述のように、横桟117の下側に設けられた開口116から電動石臼機収容空間1110内に、引き出し1130(図4参照)が収容される。引き出し1130は、机やタンス等に設けられている通常の引き出しと同じ形状を有するが、その材料はステンレス鋼製の板材(木製の外装材は無し)である。引き出し1130が電動石臼機収容空間1110内に収容された状態で電動石臼機12が動作して抹茶粉及び浮遊抹茶粉が放出されると、それらの粉末は電動石臼機収容空間1110を落下して引き出し1130内に堆積する。引き出し1130を開口116から引き出して、底に堆積した抹茶粉を回収することができる。ステンレス鋼は食品衛生上安全な素材である点で引き出し1130の材料に適している。また、ステンレス鋼は板厚を多少薄くしても強度を確保することができることから、木製の引き出しよりも軽量化することができるうえに清掃が容易であり、管理者による作業の負担が軽減される。一方、ステンレス鋼は審美性のうえでは木材よりも劣るが、電動石臼機12の動作中は、木製の蓋113を付すため引き出し1130が客の目に付くことはない。なお、蓋113は、電動石臼機12の動作中に電動石臼機収容空間1110内に埃が侵入することを防ぐという目的も有する。
【0040】
収納室1140は、前述のように温度設定コントローラが収容されている他、電動石臼機12で挽く前の碾茶の保管等に用いることができる。
【0041】
本実施形態の抹茶石臼機展示装置10はさらに、落下した抹茶粉の一部を容易且つ迅速に回収するために、各電動石臼機12の下方に1個ずつ、回収機構17を備える。回収機構17は、図5図7に示すように、回転板171と、基部172と、回転軸173と、ハンドル174と、ヘラ175とを備える。
【0042】
回転板171はステンレス鋼製の略半円形の板の一部を刳り抜いて形成されており、略半円の中心から0°方向、90°方向及び180°方向の3方向に延びる延伸部1711と、各延伸部の先端を半円弧状に結ぶ抹茶粉受部1710とを有する(図6)。
【0043】
基部172は支持枠151の下側に設けられた(図7)部材であって、略八角形の中央部1721と、中央部1721から四方にそれぞれ延びた帯状部1722と、各帯状部1722の両側から立設された立設部1723とを有する。各帯状部1722は支持枠151の横枠材1512又は縦枠材1514の下面に接し、各帯状部1722の両側から立設する立設部1723は該帯状部1722が接する横枠材1512又は縦枠材1514を側方から挟持している。各帯状部1722には内面に雌ネジが切られたボルト挿通孔1724が設けられており、各ボルト挿通孔1724にはリング状のネオジム磁石がボルトによって固定されている(ネオジム磁石及びボルトは図示せず)。このネオジム磁石を鋼製の支持枠151に吸着させることにより、基部172は支持枠151に支持されている。また、立設部1723にも内面に雌ネジが切られたボルト挿通孔が設けられており、該ボルト挿通孔に挿通されたボルトの先端を横枠材1512又は縦枠材1514の側面に押しつけることによっても基部172を保持している。
【0044】
回転軸173は基部172の下側であって、支持枠151の横枠材1512と縦枠材1514が交差する位置の直下に設けられている。回転板171は基部172の下側に配置され、回転軸173を中心に、電動石臼機12の上臼122と同軸に(但し、上臼122とは独立に)回転する。
【0045】
ハンドル174は半円弧形の棒材であって、回転板171の半円弧と合わせて全円形となるように設けられている。ハンドル174が正面側、回転板171が奥側(電動石臼機12や載置台15の裏側)にあるときに、店員等がハンドル174を把持して円周方向に回転させることにより回転板171が回転し、それにより回転板171が正面側に移動する(回転板171を正面側から奥側に移動させるときも同様)。
【0046】
回転板171の上面には、バネ付き鋼製ボールを頭部に備えるネジから成る位置決めピン176が設けられていると共に、基部172には、回転板171が奥側にあるときに位置決めピン176が嵌入する嵌入孔177が設けられている。これら位置決めピン176及び嵌入孔177により、電動石臼機12の動作中(抹茶粉の生成中)における回転板171の位置が固定される。
【0047】
ヘラ175は、回転軸173よりも正面寄りであって、回転板171を奥側から正面側に向けて回転させる際に回転板171の抹茶粉受部1710がヘラ175に対して摺動しつつ接する(摺接)ように設けられている。ヘラ175は、回転板171の径方向に対して傾斜した方向を向いている。ヘラ175の傾斜は、回転板171を時計回りに回転させたときに、抹茶粉受部1710上の抹茶粉を回転板171の外周側に押し出すように角度が設定されている。
【0048】
引き出し1130内には、開口116から電動石臼機収容空間1110に収容されたときに回転板171の外縁の下方であってヘラ175の下方となる位置に、抹茶粉を回収する回収容器170が配置される。図8に示すように、回収容器170は、抹茶粉が収容される部分であって上部が開口となっている収容部1701と、収容部1701から側方に延出された延出部1702と、延出部1702の収容部1701とは反対側の端部に設けられた係合部1703と、収容部1701の開口に開閉可能に設けられた蓋部1704とを有する。係合部1703は、引き出し1130の前端の板の上端に係合するフックである。延出部1702の長さは、係合部1703が引き出し1130の前端の板に係合した状態で、収容部1701の開口が回転板171の外縁の下方であってヘラ175の下方の位置に配置されるように設定されている。蓋部1704は延出部1702に設けられた蝶番1705で回動することにより収容部1701の開口を開閉する。蝶番1705は蓋部1704を収容部1701から抜き差し可能に構成されている。そのため、回収容器170を洗浄する際に蓋部1704を取り外すことができ、蝶番1705の隙間に残存する抹茶粉を除去することができると共に、抹茶粉が除去されているかを目視で確認することができるため、衛生的である。
【0049】
(2) 本実施形態の抹茶石臼機展示装置の動作
以下、本実施形態の抹茶石臼機展示装置10の動作を説明する。まず、管理者は、ガラス扉111を開放し、漏斗125から碾茶を供給する。併せて、開口116には引き出し1130を収容しておき、回収機構17では回転板171を載置台15の奥側に配置するように回転させておく。
【0050】
続いて管理者が所定の操作(例えば、電動石臼機収容空間1110内等の、客の手が届かない位置に設けられたスイッチを操作)することにより、電動モータ124が起動し、上臼122及びファン162が回転する。それと共に温度調整機構161が起動し、その時の電動石臼機収容空間1110の温度に応じて空気が加熱又は冷却して電動石臼機収容空間1110内に供給され、その空気がファン162の回転によって下方の空間に拡がってゆく。これら温度調整機構161及びファン162の動作により、展示ケース11内の空間の温度がコントロールされる。
【0051】
上記のように上臼122が回転することにより、上臼122と下臼121の摺動面120で碾茶が挽かれ、摺動面120から側方の空間に抹茶粉が放出される。放出される抹茶粉のうち粒子の粒径が比較的大きいものは電動石臼機収容空間1110内を落下し、比較的短時間で引き出し1130の底面に到達する。一方、抹茶粉のうち粒径が小さい浮遊抹茶粉21は、摺動面120の側方の空間に放出され(図9参照)、該空間を浮遊しながら徐々に落下してゆくことから、該空間に比較的長時間留まりつつ、最終的には引き出し1130の底面に到達する。
【0052】
抹茶石臼機展示装置10が設置された店舗を訪問した客が光源スイッチ18を操作すると、光源13が点灯する。すると、図9に示すように、光源13から第1電動石臼機12Aの摺動面120の側方の空間に光131が照射される。この光131は指向性を有するため、摺動面120の端部から水平方向に或る程度の範囲内のみを照らし、その範囲の外側は照らさない。この光131が浮遊抹茶粉21の粒子に散乱されること(チンダル現象)により、該粒子が輝いて見えるため、客が浮遊抹茶粉21を視認することができる。また、摺動面120の高さよりも下方にも光131が到達し、浮遊抹茶粉21が徐々に落下してゆく様子を客が視認することもできる。
【0053】
ここで、電動石臼機収容空間1110の内部空間の側壁面や後壁面、及び載置台15の表面が黒色に着色されていることにより、浮遊抹茶粉21の緑色の粒子と背景の黒色とのコントラストが鮮やかになり、浮遊抹茶粉21の視認性がより向上する。また、電動石臼機12が載置台15に載置されていることにより、浮遊抹茶粉21が徐々に落下する様子を長距離に亘って観察することができる。
【0054】
また、本実施形態の抹茶石臼機展示装置10では、ガラス扉111に設けられた拡大レンズ14を通して、摺動面120から放出される浮遊抹茶粉が浮遊する様子を拡大して観察することができる。特に本実施形態では、摺動面120の側方の空間に対向している上側の拡大レンズ141と、載置台15の側方の空間に対向している下側の拡大レンズ142という2個の拡大レンズを縦に並べて設けているため、浮遊抹茶粉が徐々に落下してゆく様子を長距離に亘って観察することができる。
【0055】
或る程度の時間に亘って電動石臼機12を作動させると、抹茶粉や浮遊抹茶粉(本段落及び次段落ではそれらを合わせて「抹茶粉」と呼ぶ)が引き出し1130の底面及び回転板171の抹茶粉受部1710の上面に堆積してゆく。ここで抹茶粉は、載置台15の下方に位置する円形の部分には落下せず、その部分の周囲に落下する。引き出し1130の底面では、円弧のうちの正面寄りの半分である半円弧状に堆積する(奥寄りの半分では引き出し1130の上方に回転板171が存在するため、あまり堆積しない)。客は、ガラス扉111の外側から、支持枠151のうち桟が無い箇所を通して、載置台15の下方にある引き出し1130の底面に抹茶粉が半円弧状に堆積した様子を観察することができる。この観察の支障とならないように、本実施形態では回転板171を(全円弧形ではなく)半円弧形としている。また、引き出し1130を電動石臼機収容空間1110から引き出して、底面に堆積した抹茶粉を回収することもできる。
【0056】
また、引き出し1130を引き出す前に、管理者がガラス扉111を開放し、引き出し1130内の所定の位置に回収容器170を取りつけたうえで、ハンドル174を把持しつつ回転板171を徐々に回転させてゆく。これにより、回転板171の抹茶粉受部1710上に堆積した抹茶粉22はヘラ175によって回転板171の外周側に掻き出され、回収容器170内に落下する(図10)。これにより、電動石臼機12で挽かれた抹茶粉の一部を容易且つ迅速に回収することができる。
【0057】
以上、本実施形態の抹茶石臼機展示装置10の構成及び動作を説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
【0058】
例えば、本実施形態の抹茶石臼機展示装置10の構成のうち、展示ケース11、電動石臼機12、光源13及び拡大レンズ14以外の構成要素は適宜省略してもよい。
【0059】
また、本実施形態では第1電動石臼機12A側に光源13及び拡大レンズ14を設け、第2電動石臼機12B側にはそれらのいずれも設けなかったが、第2電動石臼機12B側にも光源13及び拡大レンズ14を設けてもよい。また、第1電動石臼機12A側と第2電動石臼機12B側のいずれか一方に光源13を設け、他方に拡大レンズ14を設けてもよい。あるいは、光源13と拡大レンズ14のいずれか一方を省略してもよい。
【0060】
本実施形態では、光源13には指向性を有する光を発するもの用いたが、その代わりに、指向性を有しない光を発する光源を用いてもよい。その場合には、光源を電動石臼機12の摺動面120の側方の空間に近接して配置することによって該空間を他の空間よりも明るく照明するとよい。
【0061】
本実施形態では審美性を考慮して、展示ケース11の各部(ガラス扉111のガラス窓を除く)やそれら各部の外装材に木材を用いることにより外観を民芸家具調に統一しているが、本発明はそれには限定されない。木製の外装材で覆うことなく金属製の材料から成る部材を用いてもよいし、その他の材料から成る部材を用いてもよい。それらの場合には審美性を考慮して各部材の表面に木目等の図柄を施してもよいし、施さなくてもよい。
【0062】
本実施形態では、ガラス扉111には観音開き式のものを用いたが、その代わりに、引き違い式のガラス扉を用いてもよいし、嵌め殺しのガラス窓を用いてもよい。嵌め殺しのガラス窓を用いる場合には、別途、展示ケース11の側面や背面等に扉を設けるとよい。
【0063】
本実施形態では電動石臼機12の下方に回収機構17を設けたが、回収機構17は省略してもよい。その場合には、引き出し1130の底面には奥側と手前側との相違が小さく均一に近い状態で、ドーナツ状に抹茶粉が堆積する。
【0064】
[態様]
上述した例示的な実施形態が以下の態様の具体例であることは、当業者には明らかである。
【0065】
(第1項)本発明の一態様に係る抹茶石臼機展示装置は、
a) 正面に透明なガラス窓を有する展示ケースと、
b) 前記展示ケースの内部のうち該展示ケースの外側から前記ガラス窓を通して視認可能な位置に配置された電動石臼機と、
c) 前記展示ケース内に配置された、前記電動石臼機の摺動面の側方の空間に向けて光を照射する光源と
を備える。
【0066】
(第2項)第2項に係る抹茶石臼機展示装置は、第1項に係る抹茶石臼機展示装置において、前記光源が前記空間への指向性を有する光を発する光源である。
【0067】
(第3項)第3項に係る抹茶石臼機展示装置は、第1項又は第2項に係る抹茶石臼機展示装置においてさらに、前記展示ケースの外に、前記光源の点灯及び消灯の操作を行うスイッチを備える。
【0068】
(第4項)本発明の他の態様に係る抹茶石臼機展示装置は、
a) 正面に透明なガラス窓を有する展示ケースと、
b) 前記展示ケースの内部のうち該展示ケースの外側から前記ガラス窓を通して視認可能な位置に配置された電動石臼機と、
c) 前記ガラス窓の、前記電動石臼機の摺動面の側方の位置に設けられた拡大レンズと
を備える。
【0069】
なお、本発明に係る抹茶石臼機展示装置は、「前記展示ケース内に配置された、前記電動石臼機の摺動面の側方の空間に向けて光を照射する光源」と、「前記ガラス窓の、前記電動石臼機の摺動面の側方の位置に設けられた拡大レンズ」の双方を備えていてもよい。上記第2項及び第3項、並びに下記第5項~第10項においても同様である。
【0070】
(第5項)第5項に係る抹茶石臼機展示装置は、第1項~第4項のいずれか1項に係る抹茶石臼機展示装置においてさらに、
前記展示ケースの底面に前記電動石臼機と平面形状が同じであるかそれよりも小さい平面形状を有する載置台を備え、
前記載置台の上に前記電動石臼機が載置されている。
【0071】
(第6項)第6項に係る抹茶石臼機展示装置は、第1項~第5項のいずれか1項に係る抹茶石臼機展示装置において、
さらに、前記展示ケースの底面に前記電動石臼機と平面形状が同じであるかそれよりも小さい平面形状を有する載置台を備え、
前記載置台の上に前記電動石臼機が載置されている。
【0072】
(第7項)第7項に係る抹茶石臼機展示装置は、第1項~第6項のいずれか1項に係る抹茶石臼機展示装置においてさらに、前記展示ケース内の温度を調節する温度調節機構を備える。
【0073】
(第8項)第8項に係る抹茶石臼機展示装置は、第1項~第7項のいずれか1項に係る抹茶石臼機展示装置においてさらに、前記展示ケース内の天井に配置されたファンを備える。
【0074】
(第9項)第9項に係る抹茶石臼機展示装置は、第8項に係る抹茶石臼機展示装置において、さらに、前記ファンと前記電動石臼機の上臼を回転させる共通の駆動手段を備える。
【0075】
(第10項)第10項に係る抹茶石臼機展示装置は、第1項~第9項のいずれか1項に係る抹茶石臼機展示装置においてさらに、
前記電動石臼機の下方に設けられ、該電動石臼機の外径よりも大きい外径を有し、該電動石臼機の上臼と同軸で回転可能な、円形、円弧形、部分円形、又は部分円弧形の回転板と、
前記回転板の上面と摺接し、該回転板の径方向に対して傾斜した方向を向く線状のヘラと、
前記回転板の外縁の下方且つ前記ヘラの下方に配置された回収容器と
を有する抹茶粉回収機構を備える。
【符号の説明】
【0076】
10…抹茶石臼機展示装置
11…展示ケース
111…ガラス扉
1110…電動石臼機収容空間
1111…ガラス扉の縁
1112…仕切り壁
112…引違い戸
1120…機械室
113…蓋
1130…引き出し
114…戸棚
1140…収納室
115、116…開口
117…横桟
118…縦桟
12…電動石臼機
12A…第1電動石臼機
12B…第2電動石臼機
120…摺動面
121…下臼
122…上臼
123…引腕
1231…持ち手
1232…ベルト
124…電動モータ
125…漏斗
13…光源
131…光源13が発する光
14…拡大レンズ
141…上側の拡大レンズ
142…下側の拡大レンズ
15…載置台
151…支持枠
1511…外枠材
1512…横枠材
1513…縦中央枠材
1514…縦枠材
161…温度調整機構
162…ファン
17…回収機構
170…回収容器
1701…収容部
1702…延出部
1703…係合部
1704…蓋部
1705…蝶番
171…回転板
1710…抹茶粉受部
1711…延伸部
172…基部
1721…基部の中央部
1722…帯状部
1723…立設部
1724…ボルト挿通孔
173…回転軸
174…ハンドル
175…ヘラ
176…位置決めピン
177…嵌入孔
18…光源スイッチ
21…浮遊抹茶粉
22…回転板に堆積した抹茶粉
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10