(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182439
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/90 20060101AFI20231219BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B65G47/90 A
B25J13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096051
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】宮本 篤
【テーマコード(参考)】
3C707
3F072
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707DS07
3C707NS02
3F072AA08
3F072AA09
3F072AA27
3F072GA05
3F072GC01
3F072GD03
3F072GE05
3F072GE08
3F072GF03
3F072GF04
3F072KD11
3F072KD12
3F072KD26
3F072KE04
(57)【要約】
【課題】高い処理能力で多列の物品を1列に、または1列の物品を多列にする物品搬送装置を提供する。
【解決手段】物品搬送装置10は、物品列を収容するm+1列の収容部を有する収容ガイド34を、中央コンベヤ16の一方の側方に設けられ、m列の物品列を載置する第1載置部と、他方の側方に設けられ、m列の物品列を載置する第2載置部との間を往復移動させる。収容ガイド34は、m列の収容部が第1載置部に、かつ、1列の収容部が中央コンベヤ16上に位置した第1移載位置と、m列の収容部が第2載置部に、かつ、1列の収容部が中央コンベヤ16上に位置した第2移載位置との間で、各収容部が順次中央コンベヤ16上に位置するように、中央コンベヤ16と交差する方向に移動される。第1または第2移載位置の収容ガイド34の収容部に移載された物品列を、各収容部を順次中央コンベヤ16上に位置させ、中央コンベヤ16により1列で排出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
m列に整列された状態で複数の物品を搬送する物品搬送手段と、
1列の物品を搬送する中央コンベヤと、
中央コンベヤの搬送方向側方の一方側に設けられ、それぞれ所定数の物品からなるm列の物品列を載置可能な第1載置部と、
中央コンベヤの搬送方向側方の他方側に設けられ、それぞれ所定数の物品からなるm列の物品列を載置可能な第2載置部と、
それぞれに前記各物品列を収容可能なm+1列の収容部を有する収容ガイドと、
前記収容ガイドを、m列の収容部が前記第1載置部に位置し、かつ、1列の収容部が前記中央コンベヤ上に位置した第1移載位置と、m列の収容部が前記第2載置部に位置し、かつ、1列の収容部が前記中央コンベヤ上に位置した第2移載位置との間で、前記各収容部が順次前記中央コンベヤ上に位置するように、前記中央コンベヤと交差する方向に移動させる収容ガイド移動手段と、
前記m列の物品列を、前記物品搬送手段から前記第1移載位置に位置したm列の収容部のそれぞれに、または、前記第2移載位置に位置したm列の収容部のそれぞれに移載する移載手段とを備え、
前記第1移載位置または第2移載位置に位置した前記収容ガイドのm列の収容部に移載された物品列を、前記各収容部を順次前記中央コンベヤ上に位置させることによって、当該各収容部から排出する
ことを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
前記第1載置部および第2載置部には、前記中央コンベヤと隣接して配置され、1列の物品が載置可能な補助コンベヤが配置されており、中央コンベヤ上の物品列が前記収容部から排出される間に、前記補助コンベヤ上に位置する収容部に収容された物品列が前記中央コンベヤの搬送方向に移動されることを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記収容ガイドは、物品列の一側に位置する第1ガイドおよび物品列の他側に位置する第2ガイドとから構成されるとともに、第1ガイドと第2ガイドを相対的に移動させて収容部の間隔を調整する収容部間隔調整手段を備え、前記第1移載位置および第2移載位置において、前記移載手段によってm列の収容部のそれぞれに物品列が移載される際には、第1ガイドと第2ガイドとを離反させて収容部の間隔を広げ、前記収容ガイドを前記中央コンベヤと交差する方向に移動させる際には、第1ガイドと第2ガイドとを接近させて収容部の間隔を狭めることを特徴とする請求項1または2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
m列に整列された状態で複数の物品を搬送する物品搬送手段と、
1列の物品を連続的に搬送する中央コンベヤと、
中央コンベヤの搬送方向側方の一方側に設けられ、それぞれ所定数の物品からなるm列の物品列を載置可能な第1載置部と、
中央コンベヤの搬送方向側方の他方側に設けられ、それぞれ所定数の物品からなるm列の物品列を載置可能な第2載置部と、
それぞれに前記各物品列を収容可能なm+1列の収容部を有する収容ガイドと、
前記収容ガイドを、m列の収容部が前記第1載置部に位置し、かつ、1列の収容部が前記中央コンベヤ上に位置した第1移載位置と、m列の収容部が前記第2載置部に位置し、かつ、1列の収容部が前記中央コンベヤ上に位置した第2移載位置との間で、前記各収容部が順次前記中央コンベヤ上に位置するように、前記中央コンベヤと交差する方向に移動させる収容ガイド移動手段と、
第1移載位置および第2移載位置に集積された前記m列の物品列を前記物品搬送手段に移載する移載手段とを備え、
前記各収容部を順次前記中央コンベヤ上に位置させることによって、当該中央コンベヤから供給された物品を当該中央コンベヤ上に位置した各収容部に収容することで、前記第1移載位置および第2移載位置に位置した前記収容ガイドのm列の収容部のそれぞれに物品列が収容された状態を交互に形成し、前記移載手段によって各移載位置から当該m列の物品列を前記物品搬送手段に移載する
ことを特徴とする物品搬送装置。
【請求項5】
前記第1載置部および第2載置部には、前記中央コンベヤと隣接して配置され、1列の物品が載置可能な補助コンベヤが配置されており、前記収容ガイドを移動させて中央コンベヤ上で前記収容部に収容された物品列が前記補助コンベヤ上に位置させる際に、当該補助コンベヤを前記中央コンベヤの搬送方向に移動させることを特徴とする請求項4に記載の物品搬送装置。
【請求項6】
前記収容ガイドは、物品列の一側に位置する第1ガイドおよび物品列の他側に位置する第2ガイドとから構成されるとともに、第1ガイドと第2ガイドを相対的に移動させて収容部の間隔を調整する収容部間隔調整手段を備え、前記第1移載位置および第2移載位置において、前記移載手段によってm列の収容部のそれぞれに物品列が移載される際には、第1ガイドと第2ガイドとを離反させて収容部の間隔を広げ、前記収容ガイドを前記中央コンベヤと交差する方向に移動させる際には、第1ガイドと第2ガイドとを接近させて収容部の間隔を狭めることを特徴とする請求項4または5に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多列の物品を1列または1列の物品を多列にして搬送する物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
縦横に整列されてケース内に収容された瓶を、瓶搬送コンベヤにより1列で排出するアンケーサが知られている(特許文献1)。特許文献1のアンケーサでは、ケース内の瓶をグリッパで一列ずつ持ち上げ、瓶搬送コンベヤの一方の側辺に沿って配置される瓶受けテーブルに一旦載置し、その後、瓶受けテーブル上の瓶を瓶押板により瓶搬送コンベヤへと1列ずつ押し出している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のアンケーサでは、瓶を瓶搬送コンベヤに移載する際に搬送コンベヤの運転を停止しておく必要があるため、瓶搬送コンベヤは駆動と停止を繰り返すことになり処理能力が低下する。また、瓶搬送コンベヤの駆動と停止が繰り返されると、瓶の慣性力により瓶が倒れたり、瓶同士の接触により瓶が破損する可能性があるため、瓶搬送コンベヤの搬送速度も抑える必要があり、更に処理能力が低下する。
【0005】
本発明は、高い処理能力で多列の物品を1列に、または1列の物品を多列にする物品搬送装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明である物品搬送装置は、m列に整列された状態で複数の物品を搬送する物品搬送手段と、1列の物品を連続的に搬送する中央コンベヤと、中央コンベヤの搬送方向側方の一方側に設けられ、それぞれ所定数の物品からなるm列の物品列を載置可能な第1載置部と、中央コンベヤの搬送方向側方の他方側に設けられ、それぞれ所定数の物品からなるm列の物品列を載置可能な第2載置部と、それぞれに前記各物品列を収容可能なm+1列の収容部を有する収容ガイドと、前記収容ガイドを、m列の収容部が前記第1載置部に位置し、かつ、1列の収容部が前記中央コンベヤ上に位置した第1移載位置と、m列の収容部が前記第2載置部に位置し、かつ、1列の収容部が前記中央コンベヤ上に位置した第2移載位置との間で、前記各収容部が順次前記中央コンベヤ上に位置するように、前記中央コンベヤと交差する方向に移動させる収容ガイド移動手段と、前記m列の物品列を、前記物品搬送手段から前記第1移載位置に位置するm列の収容部のそれぞれに、または、前記第2移載位置に位置したm列の収容部のそれぞれに移載する移載手段とを備え、前記第1移載位置または第2移載位置に位置した前記収容ガイドのm列の収容部に移載された物品列を、前記各収容部を順次前記中央コンベヤ上に位置させることによって、当該各収容部から排出することを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の発明である物品搬送装置は、第1の発明において、前記第1載置部および第2載置部には、前記中央コンベヤと隣接して配置され、1列の物品が載置可能な補助コンベヤが配置されており、中央コンベヤ上の物品列が前記収容部から排出される間に、前記補助コンベヤ上に位置する収容部に収容された物品列が前記中央コンベヤの搬送方向に移動されることを特徴としている。
【0008】
本発明の第3の発明である物品搬送装置は、第1または第2の発明において、前記収容ガイドが、物品列の一側に位置する第1ガイドおよび物品列の他側に位置する第2ガイドとから構成されるとともに、第1ガイドと第2ガイドを相対的に移動させて収容部の間隔を調整する収容部間隔調整手段を備え、前記第1移載位置および第2移載位置において、前記移載手段によってm列の収容部のそれぞれに物品列が移載される際には、第1ガイドと第2ガイドとを離反させて収容部の間隔を広げ、前記収容ガイドを前記中央コンベヤと交差する方向に移動させる際には、第1ガイドと第2ガイドとを接近させて収容部の間隔を狭めることを特徴としている。
【0009】
本発明の第4の発明である物品搬送装置は、m列に整列された状態で複数の物品を搬送する物品搬送手段と、1列の物品を連続的に搬送する中央コンベヤと、中央コンベヤの搬送方向側方の一方側に設けられ、それぞれ所定数の物品からなるm列の物品列を載置可能な第1載置部と、中央コンベヤの搬送方向側方の他方側に設けられ、それぞれ所定数の物品からなるm列の物品列を載置可能な第2載置部と、それぞれに前記各物品列を収容可能なm+1列の収容部を有する収容ガイドと、前記収容ガイドを、m列の収容部が前記第1載置部に位置し、かつ、1列の収容部が前記中央コンベヤ上に位置した第1移載位置と、m列の収容部が前記第2載置部に位置し、かつ、1列の収容部が前記中央コンベヤ上に位置した第2移載位置との間で、前記各収容部が順次前記中央コンベヤ上に位置するように、前記中央コンベヤと交差する方向に移動させる収容ガイド移動手段と、第1移載位置および第2移載位置に集積された前記m列の物品列を前記物品排出コンベヤに移載する移載手段とを備え、前記各収容部を順次前記中央コンベヤ上に位置させることによって、前記第1移載位置および第2移載位置に位置した前記収容ガイドのm列の収容部のそれぞれに物品列が収容された状態を交互に形成し、前記移載手段によって各移載位置から当該m列の物品列を前記物品排出コンベヤに移載することを特徴としている。
【0010】
本発明の第5の発明である物品搬送装置は、第4の発明において、前記第1載置部および第2載置部には、前記中央コンベヤと隣接して配置され、1列の物品が載置可能な補助コンベヤが配置されており、前記収容ガイドを移動させて中央コンベヤ上で前記収容部に収容された物品列が前記補助コンベヤ上に位置させる際に、当該補助コンベヤを前記中央コンベヤの搬送方向に移動させることを特徴としている。
【0011】
本発明の第6の発明である物品搬送装置は、第4または第5の発明において、前記収容ガイドが、物品列の一側に位置する第1ガイドおよび物品列の他側に位置する第2ガイドとから構成されるとともに、第1ガイドと第2ガイドを相対的に移動させて収容部の間隔を調整する収容部間隔調整手段を備え、前記第1移載位置および第2移載位置において、前記移載手段によってm列の収容部のそれぞれに物品列が移載される際には、第1ガイドと第2ガイドとを離反させて収容部の間隔を広げ、前記収容ガイドを前記中央コンベヤと交差する方向に移動させる際には、第1ガイドと第2ガイドとを接近させて収容部の間隔を狭めることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高い処理能力で多列の物品を1列に、または1列の物品を多列にする物品搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態である物品搬送装置の配置を示す平面図である。
【
図2】
図1の物品装置のA方向からの矢視図である。
【
図3】移載ロボットにより、第2載置部に移載された物品列が中央コンベヤに移動され1列に整列される様子を時系列で示す平面図である。
【
図4】移載ロボットにより、第2載置部に移載された物品列が中央コンベヤに移動され1列に整列される様子を時系列で示す平面図である。
【
図5】移載ロボットにより、第2載置部に移載された物品列が中央コンベヤに移動され1列に整列される様子を時系列で示す平面図である。
【
図6】移載ロボットにより、第2載置部に移載された物品列が中央コンベヤに移動され1列に整列される様子を時系列で示す平面図である。
【
図7】中央コンベヤにより1列で供給される物品を整列装置上において多列に分列させる様子を時系列で示す平面図である。
【
図8】中央コンベヤにより1列で供給される物品を整列装置上において多列に分列させる様子を時系列で示す平面図である。
【
図9】中央コンベヤにより1列で供給される物品を整列装置上において多列に分列させる様子を時系列で示す平面図である。
【
図10】中央コンベヤにより1列で供給される物品を整列装置上において多列に分列させる様子を時系列で示す平面図である。
【
図11】中央コンベヤにより1列で供給される物品を整列装置上において多列に分列させる様子を時系列で示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である物品搬送装置の配置を示す平面図である。
図2は、
図1の物品装置のA方向からの矢視図である。
【0015】
第1実施形態の物品搬送装置10は、縦横に整列されて箱詰めされた物品Mを1列にして下流側へと排出するアンケーサである。物品Mは例えば空瓶であり、横にn個整列された空き瓶が縦にm列並べられ、合計m×n(図示例では3×3)個を単位にコンテナCに収容されている。物品Mが収容されたコンテナCは、コンテナ搬送コンベヤ(物品搬送手段)12上に密接して一列に並べられ間欠的に供給される。なお、図面では、コンテナ搬送コンベヤ12の搬送方向をX方向、鉛直上向の方向をZ方向、X、Z方向に直交する水平方向(右手系)をY方向として参照する。
【0016】
コンテナ搬送コンベヤ12の一方の側方(Y方向)には、m列の物品Mを1列にする整列装置14が配置される。整列装置14は左右対称に構成され、その中央には、X方向に沿って配置される中央コンベヤ16を備える。また、整列装置14において中央コンベヤ16の左右には、補助コンベヤ18A、18Bが隣接して配置され、各補助コンベヤ18A、18Bの更に外側にはそれぞれ固定テーブル20A、20Bが隣接して配置される。
【0017】
各コンベヤ16、18A、18Bの搬送面および固定テーブル20A、20Bの上面は面一に構成され、補助コンベヤ18Aと固定テーブル20Aは第1載置部を構成し、補助コンベヤ18Bと固定テーブル20Bは第2載置部を構成する。第1、第2載置部の下流端には、物品Mの落下を防止する前方ガイド19がそれぞれ配置される。中央コンベヤ16は駆動モータ23により駆動され、補助コンベヤ18A、18Bは、それぞれ駆動モータ24A、24Bにより駆動される。
【0018】
中央コンベヤ16および補助コンベヤ18A、18Bの幅は同一であり、物品Mの最大外径より一回り広く設定される。一方、固定テーブル20A、20Bの各幅は、複数列の物品Mを載置するのに十分な広さとされ、本実施形態では2列の物品Mを載置可能な広さとされる。
【0019】
補助コンベヤ18A、18Bの長さは、固定テーブル20A、20Bの長さに等しく、両者の長手方向の両端部は同一線上に配置される。一方、中央コンベヤ16の長さは、補助コンベヤ18A、18Bや固定テーブル20A、20Bよりも長い。中央コンベヤ16の上流端は補助コンベヤ18A、18Bや固定テーブル20A、20Bの上流端と同一線上に配置され、下流端は補助コンベヤ18A、18Bや固定テーブル20A、20Bの下流端から下流側へと延出し、一列に整列された物品Mを下流側の装置へと排出する。整列装置14の下流端から延出する中央コンベヤ16には、その両側辺に沿ってサイドガイド15が設けられ、排出される物品列の搬送をガイドする。また、中央コンベヤ16の延出部の上流部、すなわち整列装置14の下流端位置には、中央コンベヤ16上を搬送される物品Mの数を計数するカウントセンサ17が配置される。
【0020】
本実施形態において、中央コンベヤ16は常時一定速度で駆動され、補助コンベヤ18A、18Bは、中央コンベヤ16よりも遅い速度(例えば50%)で間欠的に駆動される(後述)。なお、本実施形態において中央コンベヤ16および補助コンベヤ18A、18Bは、コンテナ搬送コンベヤ12と同じ方向に駆動されるが、逆向きあるいは搬送方向が直交するように配置することも可能である。
【0021】
図2に示されるように、整列装置14の第1載置部(補助コンベヤ18Aと固定テーブル20A)および第2載置部(補助コンベヤ18Bと固定テーブル20B)には、移載ロボット(移載手段)22を用いて、コンテナCに収容されたm列の物品Mが交互に移載される。本実施形態の移載ロボット22は、コンテナ搬送コンベヤ12上の連続する複数(例えば3箱)のコンテナCの物品Mを、m列(例えば3列)ずつ把持して整列装置14の第1載置部、または第2載置部に移載する。本実施形態のコンテナCには、3行3列で物品Mが収容されているので、移載ロボット22は、各列9個の物品Mを3列ずつ、合計27個、整列装置14の第1載置部、または第2載置部に交互に移載する。
図1、2では、第1載置部に移載される物品Mが白抜きで描かれ、第2載置部に移載される物品Mが斜線を付して描かれる。
【0022】
図2に示されるように、移載ロボット22は第1載置部、第2載置部に移載する物品Mの各頂部(本実施形態では空瓶の首部)を保持する保持ヘッド28を備え、本実施形態では各列9個の保持ヘッド28が3列ずつ、合計27個設けられる。各保持ヘッド28は、ヘッド支持部30により支持される。ヘッド支持部30はZ方向に延出する昇降ロッド26Zの下端に支持され、昇降ロッド26Zは昇降/スライダ部26Lによって昇降自在に支持される。昇降/スライダ部26Lは、Y方向に延出するY方向レール26Yに摺動自在に支持され、Y方向レール26Yの両端は、X方向に延出する一対のX方向レール26Xに摺動自在に支持される。
【0023】
すなわち、移載ロボット22の保持ヘッド28は、図示しない駆動装置によりX、Y、Z方向に移動可能とされ、保持ヘッド28はコンテナ搬送コンベヤ12の下流端に位置するp個のケースC内のm列n行の物品M、合計m×n×p個(m行(n×p列))の物品Mを、整列装置14の第1載置部および第2載置部に交互に移載可能である。本実施形態では、物品Mが3列なので、1列が補助コンベヤ18Aまたは補助コンベヤ18Bに移載され、残り2列が固定テーブル20Aまたは固定テーブル20Bに移載される。
【0024】
なお、ヘッド支持部30は各保持ヘッドの間隔を適宜に調整可能な公知の拡縮機構を有しており、
図1に示すように、コンテナ搬送コンベヤ12の下流端に位置する合計m×n×p個(m行(n×p列))の物品Mの整列間隔を、固定テーブル20B上に示される整列間隔に変更して移載することができる。
【0025】
また、整列装置14は、第1載置部または第2載置部に移載された物品Mの列を順番に中央コンベヤ16へと移動して1列にする物品列移動装置32を備える。物品列移動装置32は、物品Mの各列を収容可能なm+1列の収容部を有する収容ガイド34を備える。収容ガイド34は、フォーク状のガイド部材からなる。フォーク状のガイド部材の基端部は整列装置14の上流側に位置し、開放端は下流側に位置する。フォークの各枝部材に挟まれる空間が収容部として構成され、その幅は略中央コンベヤ16や補助コンベヤ18A、18Bの幅に対応する。
【0026】
本実施形態の収容ガイド34は、同一形状の第1、第2ガイド34A、34Bを備え、第1、第2ガイド34A、34Bは各々m列の収容部を有する。第1、第2収容ガイド34A、34Bは、一列分左右にずらして上下に重ねられて配置され、これにより収容ガイド34全体としてはm+1列の収容部が形成される。本実施形態では3列の物品Mが整列装置14に移載されるため、第1、第2ガイド34A、34Bには、各々4本の枝部材が設けられ、3列の収容部を有し、収容ガイド34全体としては4列の収容部を有する。
【0027】
第1、第2ガイド34A、34Bの各々は、整列装置14の上流端に沿って配置された第1、第2ガイド移動装置(収容ガイド移動手段)36A、36Bにより独立してY方向に沿ってに移動可能である。第1、第2ガイド移動装置36A、36BはそれぞれY方向に沿って配置されたレール38Aを備え、第1、第2ガイド34A、34Bはそれぞれレール38Aに取り付けられたスライダ38Bによって支持される。各スライダ38Bは、第1、第2ガイド移動装置36A、36Bの各々に設けられたスライダ駆動用サーボモータ38Cによりレール38A上を移動される。
【0028】
なお、駆動モータ23、24A、24B、移載ロボット22、物品列移動装置32の駆動は、カウントセンサ17からの信号に基づき制御装置40によって制御される。
【0029】
次に
図1、2および
図3~
図6を参照してアンケーサとして利用される第1実施形態の物品搬送装置10による多列から1列への整列動作について説明する。なお、
図3~
図6は、移載ロボット22により、
図1に示されるように第2載置部に移載された斜線が施された物品Mの列が整列装置14上において中央コンベヤ16に移動され1列に整列され排出される様子を時系列で示す平面図である。
【0030】
図1には、第1、第2ガイド34A、34Bが第2載置部側に移動され、斜線が施された3列の物品Mが、移載ロボット22により補助コンベヤ18Bおよび固定テーブル20B上に移載された直後の状態が示される。このとき、第1ガイド34Aの第1載置部側の2本の枝部材は中央コンベヤ16、補助コンベヤ18B上において第1載置部側の側辺に沿って配置され、その他の枝部材は固定テーブル20B上に位置する。一方、第2ガイド34Bの第1載置部側の2本の枝部材は中央コンベヤ16、補助コンベヤ18B上において第2載置部側の側辺に沿って配置され、その他の枝部材は固定テーブル20B上に位置する。これにより、整列装置14の中央コンベヤ16、補助コンベヤ18B、固定テーブル20B上には、第1、第2ガイド34A、34Bにより4列分の収容部が形成される。
【0031】
また、
図1では、直前の工程において第1載置部に移載された白抜きの物品Mの最後の列が中央コンベヤ16により下流側へと排出される様子が描かれている。なお、物品Mが移載ロボット22により第2載置部に移載される間、補助コンベヤ18Bは停止されている。
【0032】
図1の状態において、第1、第2ガイド34A、34Bの隣り合う枝部材は近接された状態に位置し、第1、第2ガイド34A、34Bにより形成される各収容部の幅は広げられた状態にある。これにより移載ロボット22により上方から各収容部内に移動される物品Mは、第1、第2ガイド34A、34Bの枝部材に干渉することなく整列装置14上に移載される。
【0033】
なお、移載ロボット22は、間欠運転において停止中のコンテナ搬送コンベヤ12上のケースCに合わせてX方向レール26Xに沿って下流側に移動しながら保持ヘッド28により物品Mを持ち上げた後、Y方向レール26Yに沿って整列装置14の第2載置部上の所定位置へと物品M2を移動し、保持ヘッド28を下降して物品Mを各収容部内へと移載する。
【0034】
図3に示されるように、中央コンベヤ16上の白抜きの最後の物品Mの列が整列装置14から略排出されそうなタイミング(例えば最後の2個の物品M以外が延出部に排出された状態)で、補助コンベヤ18Bが中央コンベヤ16よりも低速で駆動され、補助コンベヤ18B上の物品Mの下流側への移動が開始される。
【0035】
その後、中央コンベヤ16上の白抜きの物品Mが全て整列装置14から排出されると、
図4に示されるように、第1、第2ガイド移動装置36A、36Bにより第1ガイド34Aが第2載置部側へ、第2ガイド34Bが第1載置部側へと僅かに移動され、各収容部の幅が狭められ各収容部に収容された物品Mは、各々第1、第2ガイド34A、34Bの枝部材により挟まれ、その姿勢が保持される。
【0036】
また、第1、第2ガイド34A、34Bにより各収容部の物品Mが把持されると、
図5に示されるように、第1、第2ガイド34A、34Bは、その状態を維持したまま、第1、第2ガイド移動装置36A、36Bにより補助コンベヤ18B上の物品Mの列が中央コンベヤ16上に至るまで第1載置部側へと1列分移動される。これにより、補助コンベヤ18Bから中央コンベヤ16へと移動された物品Mの列は、第1、第2ガイド34A、34Bの枝部材に摺接しながら中央コンベヤ16により所定速度で下流側へと搬送される。なお、補助コンベヤ18Bは、補助コンベヤ18B上の物品Mが中央コンベヤ16へ乗り移り、固定テーブル20B上の物品Mの列が補助コンベヤ18Bに乗り移るタイミングで停止され、補助コンベヤ18上に移動された物品Mの列は
図5の状態では停止された状態にある。
【0037】
その後、中央コンベヤ16上に移動された物品Mが整列装置14から略排出されそうなタイミング(例えば最後の2個の物品M以外が延出部に排出された状態)で、補助コンベヤ18Bが中央コンベヤ16よりも低速で駆動され、補助コンベヤ18B上の物品Mの下流側への移動が開始される。そして、中央コンベヤ16上の物品Mが全て整列装置14から排出されると、第1、第2ガイド移動装置36A、36Bにより補助コンベヤ18B上の物品Mの列が中央コンベヤ16上に至るまで第1載置部側へと1列分更に移動される。同様の動作は第2載置部に移載された物品Mの最後の列が中央コンベヤ16へと移動されるまで繰り返される。
【0038】
図6には、第2載置部に移載された斜線が施された物品Mの最後の列が中央コンベヤ16へと移動され、同列が中コンベヤ16により下流側へと排出される様子が示される。このとき、第2載置部側にあった第1、第2ガイド34A、34Bは、完全に第1載置部側へと移動され、第1ガイド34Aの第2載置部側の2本の枝部材は中央コンベヤ16、補助コンベヤ18A上において第1載置部側の側辺に沿って配置され、その他の枝部材は固定テーブル20A上に位置する。一方、第2ガイド34Bの第2載置部側の2本の枝部材は中央コンベヤ16、補助コンベヤ18A上において第2載置部側の側辺に沿って配置され、その他の枝部材は固定テーブル20A上に位置する。これにより、整列装置14の中央コンベヤ16、補助コンベヤ18A、固定テーブル20A上には、第1、第2ガイド34A、34Bにより4列分の収容部が形成される。
【0039】
また、同状態において、第1、第2ガイド移動装置36A、36Bにより第1ガイド34Aは第1載置部側へ、第2ガイド34Bは第2載置部側へと僅かに移動され各収容部の幅が広げられる。そして第1載置部に形成された各収容部内には、次の物品Mの列(白抜きの物品M)が枝部材に干渉することなく移載ロボット22により挿入される。その後、第2載置部のときと同様の動作により、第1載置部の物品Mの列が中央コンベヤ16へと移動され、一列にされて下流側へと排出される。
【0040】
以上のように、第1実施形態の物品搬送装置によれば、中央コンベヤの左右に第1、第2載置部を設け、物品列を交互に第1、第2載置部に移載するとともに、収容ガイドを両者の間で往復させることにより、連続走行される中央コンベヤに物品列を順次移動することができる。そのため高い処理能力で多列の物品を1列にすることができる。
【0041】
また、本実施形態では、収容ガイドが形成する収容部の幅を広げたり狭めたりできるので、物品の挿入を容易にしながらも横方向への移動時の転倒も防止できる。更に、中央コンベヤの左右に補助コンベヤを設けることにより、排出される物品列同士の間隔を狭めることができるため、下流側での物品間隔を調整する処理が容易となり、全体のライン長を短くすることができる。
【0042】
次に、
図7~
図11を参照して、第2実施形態の物品搬送装置について説明する。第2実施形態の物品搬送装置は、第1実施形態の物品搬送装置10をケーサとして利用したもので、1列で供給される物品Mを多列にして、縦横所定数ごとに箱詰めする。したがって第2実施形態の物品搬送装置は、第1実施形態の物品搬送装置10の各部をケーサとして動作させたものであり、構成としての違いは、物品Mの移動方向が反転したことから前方ガイド19が、整列装置14の反対側の端部に設けられる点である。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、その説明を省略し、同一の参照符号を用いる。
【0043】
図7~
図11は、中央コンベヤ16により1列で供給される物品Mを整列装置14上において多列に分列させる様子を時系列で示す平面図である。
【0044】
中央コンベヤ16は、所定数の物品Mからなる物品列を、物品列毎に一定間隔を空けて整列装置14へと供給する。本実施形態では、移載ロボット22を用いて縦横3×3個の物品を3箱のケースCに各々同時に収容する場合を例に説明する。
【0045】
図7では、第1、第2ガイド34A、34Bが各収容部の幅を広げた状態で第1載置部側に配置された状態が示される。中央コンベヤ16の両側辺に沿って配置される第1、第2ガイド34A、34Bの枝部材の間には、最初の物品列が中央コンベヤ16によって移動される。物品列の最後の物品Mが整列装置14上に移動されると、
図8に示されるように第1、第2ガイド34A、34Bが各収容部の幅を狭める方向に僅かに移動され、中央コンベヤ16上の物品列は第1、第2ガイド34A、34Bの枝部材により挟まれ、その姿勢が保持される。
【0046】
その後、第1、第2ガイド34A、34Bは、
図9に示されるように、次の物品列が整列装置14に達する前に一体的に第2載置部側へと1列分移動される。略同時に補助コンベヤ18Bが、中央コンベヤ16と同速か低速で同方向に駆動され、補助コンベヤ18B上の物品列は、前方ガイド19に向けて移動される。更に、第1、第2ガイド34A、34Bは、
図10に示されるように、収容部の幅を広げるように相互に僅かに移動され、補助コンベヤ18上の物品列の先頭の物品Mが前方ガイド19に押し当てられ、物品列に含まれる全ての物品同士が密接して移動が停止されるタイミングで補助コンベヤ18の駆動が停止される。また、整列装置14上の中央コンベヤ16には、次の物品列が上流側から供給される。
【0047】
同様の処理を繰り返すことにより、第2載置部には整列装置14に供給されたm列分(3列分)の物品列が、前方ガイド19に沿って横方向に整列にされる。これにより縦横に整列されたm列(3列)の物品Mは、移載ロボット22の保持ヘッド28により各々保持され、コンテナ搬送コンベヤ12上の各コンテナC内へと移載される。また、このとき中央コンベヤ16には、次の工程で第1載置部において分列される物品列(斜線が施された物品Mの列)が供給され、同様の処理が第1載置部において行われる。
【0048】
以上のように、第2実施形態の物品搬送装置によれば、高い処理能力で1列の物品を多列にすることができる。
【0049】
また、本実施形態では、中央コンベヤの左右に補助コンベヤが設けられることにより、中央コンベヤ上で物品列の移動を停止して各物品を密接させる位置決めを行う必要がないので、中央コンベヤで供給される物品列同士の間隔を短くでき、結果全体のライン長を短くすることができる。
【0050】
なお、本実施形態では中央コンベヤの両側に1組の補助コンベヤを設けたが、補助コンベヤは省略することもでき、2組以上設けることもできる。2組以上設ける場合には、各補助コンベヤの速度を段階的に異ならせてもよく、固定テーブルを全て補助コンベヤで置き換えることもできる。また、本実施形態では、ガイド部材を第1、第2ガイドで構成したが、物品を枝部材で挟持する必要がなければ、ガイド部材を1つのフォーク状部材で構成してもよい。
【0051】
また、収容ガイドを移動する際に、補助コンベヤから中央コンベヤに物品列が乗り移るタイミングに合わせて、中央コンベヤを一時的に減速することで、中央コンベヤと補助コンベヤの速度差をより小さくする、あるいは、同速度にすることも可能である。
【0052】
本実施形態では、物品搬送手段がコンテナを搬送するコンテナ搬送コンベヤである場合を例に説明した。しかし、物品搬送手段は、コンベヤ上に容器を直接載せて搬送するものでも良い。すなわち、本実施形態の物品搬送装置は、アンケーサやケーサとしてではなく、減列装置や増列装置としても利用できる。
【0053】
本実施形態の中央コンベヤは連続的に運転されたが、間欠的に運転されても良い。この場合、助走区間が不要となるため補助コンベヤを省くことができ、中央コンベヤや第1載置部、第2載置部の全長も短くすることができる。また、本実施形態のコンテナ搬送コンベヤも間欠的に運転されたが、連続的に運転されても良い。
【符号の説明】
【0054】
10 物品搬送装置
12 コンテナ搬送コンベヤ(物品搬送手段)
16 中央コンベヤ
18A、18B 補助コンベヤ
22 移載ロボット(移載手段)
34 収容ガイド
34A 第1ガイド
34B 第2ガイド
36A、36B 第1、第2ガイド移動装置(収容ガイド移動手段)