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特開2023-182444航空機用タイヤ管理装置及び航空機用タイヤ管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182444
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】航空機用タイヤ管理装置及び航空機用タイヤ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0833 20230101AFI20231219BHJP
【FI】
G06Q10/08 306
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096057
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸田 隼人
(72)【発明者】
【氏名】坂本 浩気
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】航空機用タイヤを効率よく管理することができる航空機用タイヤ管理装置及び航空機用タイヤ管理プログラムを提供する。
【解決手段】航空機用タイヤを生産する生産機関及び前記生産機関で生産された航空機用タイヤの顧客である顧客機関と通信可能な通信部と、前記通信部を介して前記航空機用タイヤの識別情報と、前記航空機用タイヤの位置情報又は配送状況を含む状況情報を受け付ける受付部と、前記受付部により受け付けた前記識別情報及び前記状況情報を記憶する記憶部と、前記受付部が、前記状況情報を受け付けた場合に、前記記憶部に記憶している前記状況情報を更新する情報処理部と、前記識別情報及び前記状況情報を出力可能な出力部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機用タイヤを生産する生産機関及び前記生産機関で生産された航空機用タイヤの顧客である顧客機関と通信可能な通信部と、
前記通信部を介して前記航空機用タイヤの識別情報と、前記航空機用タイヤの位置情報又は配送状況を含む状況情報を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けた前記識別情報及び前記状況情報を記憶する記憶部と、
前記受付部が、前記状況情報を受け付けた場合に、前記記憶部に記憶している前記状況情報を更新する情報処理部と、
前記識別情報及び前記状況情報を出力可能な出力部と、を備える航空機用タイヤ管理装置。
【請求項2】
前記情報処理部は、前記航空機用タイヤを発送する前記生産機関又は前記顧客機関で取得された1以上の前記識別情報に配送用IDを関連づけて設定するとともに、前記航空機用タイヤを受領する前記生産機関又は前記顧客機関で前記配送用IDが取得されたか否かを検証し、
前記出力部が、前記検証の結果を出力可能である請求項1に記載の航空機用タイヤ管理装置。
【請求項3】
前記情報処理部は、前記航空機用タイヤを受領した前記生産機関又は前記顧客機関で、同一の前記配送用IDが設定された前記識別情報の少なくとも一部が取得されない場合に、取得されない前記識別情報の前記航空機用タイヤを特定する請求項2に記載の航空機用タイヤ管理装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記航空機用タイヤに予め定められた異常があるものとして前記顧客機関で取得された前記識別情報を受け付け、
前記情報処理部は、前記受付部が受け付けた異常がある前記識別情報の前記状況情報を更新する請求項1に記載の航空機用タイヤ管理装置。
【請求項5】
前記情報処理部は、予め定められた場合に、前記状況情報の少なくとも一部を前記顧客機関が閲覧不可能に処理する請求項1に記載の航空機用タイヤ管理装置。
【請求項6】
前記受付部は、前記生産機関又は前記顧客機関から前記識別情報に関連づけて前記航空機用タイヤの予め定められた証明データを受け付け、
前記出力部が、前記証明データを予め定められたタイミングで出力可能である請求項1に記載の航空機用タイヤ管理装置。
【請求項7】
前記受付部は、前記顧客機関から回収用の前記航空機用タイヤの前記識別情報を受け付け、
前記情報処理部は、前記受付部が受け付けた回収用の前記航空機用タイヤの前記識別情報の1以上の前記識別情報に前記配送用IDを関連づけて設定する請求項2に記載の航空機用タイヤ管理装置。
【請求項8】
前記受付部は、前記顧客機関から回収用の前記航空機用タイヤの前記識別情報に関連づけて当該航空機用タイヤの消耗情報を受け付ける請求項7に記載の航空機用タイヤ管理装置。
【請求項9】
前記受付部は、前記顧客機関から回収用の前記航空機用タイヤの出荷日時に関する情報を受け付け、
前記出力部は、前記出荷日時に関する情報を前記生産機関に出力可能である請求項1に記載の航空機用タイヤ管理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
航空機用タイヤを生産する生産機関及び前記生産機関で生産された航空機用タイヤの顧客である顧客機関と通信し、
前記航空機用タイヤの識別情報と、前記航空機用タイヤの位置情報又は配送状況を含む状況情報を受け付け、
受け付けた前記識別情報と、前記位置情報又は前記配送状況とを記憶し、
前記状況情報を受け付けた場合に、記憶している前記状況情報を更新し、
前記識別情報及び前記状況情報を出力する処理を実行させる航空機用タイヤ管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、航空機用タイヤ管理装置及び航空機用タイヤ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機用タイヤの識別情報と航空機用タイヤに取り付けられるホイールとを紐付けて管理する航空機用タイヤ管理システムが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/039171号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る管理システムは、航空機用タイヤの追跡及び管理において、より改善の余地があった。
【0005】
本開示は、上記の点に鑑みて成されたものであり、航空機用タイヤを効率よく追跡及び管理することができる航空機用タイヤ管理装置及び航空機用タイヤ管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、航空機用タイヤを生産する生産機関及び前記生産機関で生産された航空機用タイヤの顧客である顧客機関と通信可能な通信部と、前記通信部を介して前記航空機用タイヤの識別情報と、前記航空機用タイヤの位置情報又は配送状況を含む状況情報を受け付ける受付部と、前記受付部により受け付けた前記識別情報及び前記状況情報を記憶する記憶部と、前記受付部が、前記状況情報を受け付けた場合に、前記記憶部に記憶している前記状況情報を更新する情報処理部と、前記識別情報及び前記状況情報を出力可能な出力部と、を備える。
【0007】
第2の態様は、第1態様の航空機用タイヤ管理装置であって、前記情報処理部は、前記航空機用タイヤを発送する前記生産機関又は前記顧客機関で取得された1以上の前記識別情報に配送用IDを関連づけて設定するとともに、前記航空機用タイヤを受領する前記生産機関又は前記顧客機関で前記配送用IDが取得されたか否かを検証し、前記出力部が、前記検証の結果を出力可能である。
【0008】
第3の態様は、第2態様の航空機用タイヤ管理装置であって、前記情報処理部は、前記航空機用タイヤを受領した前記生産機関又は前記顧客機関で、同一の前記配送用IDが設定された前記識別情報の少なくとも一部が取得されない場合に、取得されない前記識別情報の前記航空機用タイヤを特定する。
【0009】
第4の態様は、第1態様から第3態様の何れか1態様の航空機用タイヤ管理装置であって、前記受付部は、前記航空機用タイヤに予め定められた異常があるものとして前記顧客機関で取得された前記識別情報を受け付け、前記情報処理部は、前記受付部が受け付けた異常がある前記識別情報の前記状況情報を更新する。
【0010】
第5の態様は、第1態様から第4態様の何れか1態様の航空機用タイヤ管理装置であって、前記情報処理部は、予め定められた場合に、前記状況情報の少なくとも一部を前記顧客機関が閲覧不可能に処理する。
【0011】
第6の態様は、第1態様から第5態様の何れか1態様の航空機用タイヤ管理装置であって、前記受付部は、前記生産機関又は前記顧客機関から前記識別情報に関連づけて前記航空機用タイヤの予め定められた証明データを受け付け、前記出力部が、前記証明データを予め定められたタイミングで出力可能である。
【0012】
第7の態様は、第2態様又は第3態様の航空機用タイヤ管理装置であって、前記受付部は、前記顧客機関から回収用の前記航空機用タイヤの前記識別情報を受け付け、前記情報処理部は、前記受付部が受け付けた回収用の前記航空機用タイヤの前記識別情報の1以上の前記識別情報に前記配送用IDを関連づけて設定する。
【0013】
第8の態様は、第7態様の航空機用タイヤ管理装置であって、前記受付部は、前記顧客機関から回収用の前記航空機用タイヤの前記識別情報に関連づけて当該航空機用タイヤの消耗情報を受け付ける。
【0014】
第9の態様は、第1態様から第8態様の何れか1態様の航空機用タイヤ管理装置であって、前記受付部は、前記顧客機関から回収用の前記航空機用タイヤの出荷日時に関する情報を受け付け、前記出力部は、前記出荷日時に関する情報を前記生産機関に出力可能である。
【0015】
第10の態様は、コンピュータに、航空機用タイヤを生産する生産機関及び前記生産機関で生産された航空機用タイヤの顧客である顧客機関と通信し、前記航空機用タイヤの識別情報と、前記航空機用タイヤの位置情報又は配送状況を含む状況情報を受け付け、受け付けた前記識別情報と、前記位置情報又は前記配送状況とを記憶し、前記状況情報を受け付けた場合に、記憶している前記状況情報を更新し、前記識別情報及び前記状況情報を出力する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、航空機用タイヤを効率よく管理することができる航空機用タイヤ管理装置及び航空機用タイヤ管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る航空機用タイヤ管理システムの概略構成を示す図である。
図2】実施形態のストレージの構成を示すブロック図である。
図3】実施形態のCPUの機能構成を示すブロック図である。
図4】実施形態の航空機用タイヤ管理システムの処理の流れの一例である。
図5】実施形態の動的データの一例である。
図6】実施形態の配送用IDの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施形態)
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0019】
図1は、本実施形態に係る航空機用タイヤ管理システム10の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る航空機用タイヤ管理システム10は、サーバ20、生産機関30、顧客機関(MRO:Maintenance Repair Overhaul)40及び顧客機関(航空会社)50を含む。サーバ20、生産機関30、顧客機関(MRO)40及び顧客機関(航空会社)50は、ネットワークNを介して接続されている。このネットワークNには、例えば、LAN(=Local Area Network)、WAN(=Wide Area Network)、インターネット等が適用される。ここで、本実施形態では、サーバ20は、航空機用タイヤ管理装置の一例である。
【0020】
生産機関30は、航空機用タイヤTを生産するタイヤメーカである。また、生産機関30の作業員は、携帯端末60,61を用いて後述する航空機用タイヤTの識別情報などを取得する。
【0021】
顧客機関(MRO)40は、顧客機関の一例であり、航空機用タイヤTの補修、点検、整備などを行う機関である。例えば、航空機用タイヤTとホイールWとのリム組を行う。顧客機関(航空会社)50は、顧客機関の一例であり、航空機用タイヤTを航空機に取り付けて使用する機関である。なお、顧客機関は、顧客機関(MRO)40や顧客機関(航空会社)50に限定されず、他の機関、例えば、航空機用タイヤTの代理店や物流会社などを含んでもよい。また、顧客機関(MRO)40や、顧客機関(航空会社)50の作業員は、携帯端末62,63を用いて後述する航空機用タイヤTの識別情報などを取得する。
【0022】
また、各機関(生産機関30、顧客機関(MRO)40及び顧客機関(航空会社)50)の作業員が使用する携帯端末60,61,62,63は、各機関に設置されているコンピュータ(図示せず)を介して又は各機関に設置されているコンピュータ(図示せず)を介さずサーバ20と通信可能であり、取得した情報をサーバ20に送信する。また、携帯端末60,61,62,63は、作業員が携帯可能な装置であり、例えば、スマートフォンなどである。また、携帯端末60,61,62,63は、情報を取得した際の日時情報を取得可能である。また、携帯端末60,61,62,63は、GPS(Global Positioning System)や、予め登録しておいた携帯端末60,61,62,63の位置情報などを用いて、情報を取得した場所の位置情報を取得可能である。
【0023】
(サーバ)
図1に本開示の実施形態のサーバ20を示す。サーバ20は、後述する処理プログラム100の実行により、航空機用タイヤTの識別情報及び状況情報を受け付けて、航空機用タイヤTの追跡及び配送を管理する。
【0024】
サーバ20は、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、ストレージ20D、入出力I/F(InterFace)20E及び通信部20Fを含んで構成されている。CPU20A、ROM20B、RAM20C、ストレージ20D、入出力I/F20E及び通信部20Fは、バス20Gを介して相互に通信可能に接続されている。
【0025】
CPU20Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU20Aは、ROM20B又はストレージ20Dからプログラムを読み出し、RAM20Cを作業領域としてプログラムを実行する。
【0026】
ROM20Bは、各種プログラム及び各種データを記憶している。
RAM20Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0027】
ストレージ20Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、各種プログラム及び各種データを記憶している。図2に示されるように、本実施形態のストレージ20Dは、処理プログラム100、静的データ110及び動的データ120を記憶している。後述するが、静的データ110及び動的データ120には、受付部200により受け付けた識別情報及び状況情報が記憶されている。また、ストレージ20Dは、記憶部の一例である。なお、処理プログラム100、静的データ110及び動的データ120は、ROM20Bに記憶されていてもよい。
【0028】
処理プログラム100は、航空機用タイヤ管理プログラムの一例であり、サーバ20が有する各機能を実現するためのプログラムである。
【0029】
静的データ110は、航空機用タイヤTの識別情報、例えば、タイヤID、タイヤサイズ、セリアルなどが記憶されている。タイヤIDは、航空機用タイヤT毎に付与される任意の番号であり、セリアルは、航空機用タイヤTに刻印された番号である。なお、航空機用タイヤTの識別情報は、タイヤID、タイヤサイズ、セリアルなどに限定されず、航空機用タイヤTを識別可能なものであればよい。また、航空機用タイヤTの識別情報は、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFID(Radio Frequency IDentification)を携帯端末60,61,62,63で読み取ることで取得してもよいし、作業員が航空機用タイヤTに刻印された文字等を読み取り、携帯端末60,61,62,63を用いて入力することで取得してもよい。なお、航空機用タイヤTの識別情報を、以下ではタイヤIDと呼ぶ場合がある。
【0030】
動的データ120は、航空機用タイヤTの位置情報又は配送状況を含む状況情報が記憶されている。航空機用タイヤTの位置情報は、識別情報を取得した携帯端末60,61,62,63のGPSや、予め登録しておいた携帯端末60,61,62,63の位置情報などを用いて取得する。
【0031】
図1に示されるように、入出力I/F20Eは、入力装置22及び表示装置24と通信するためのインタフェースである。なお、入力装置22及び表示装置24は、バス20Gに対して直接接続されていてもよい。
【0032】
通信部20Fは、航空機用タイヤを生産する生産機関30及び生産機関30で生産された航空機用タイヤの顧客である複数の顧客機関(顧客機関(MRO)40及び顧客機関(航空会社)50)と通信可能なインタフェースである。例えば、通信部20Fは、ネットワークNに対して接続されている。
【0033】
入力装置22は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。
表示装置24は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。
【0034】
次に、図3を用いて、本実施形態のサーバ20の機能構成について説明する。
図3に示されるように、本実施形態のサーバ20では、CPU20Aが、処理プログラム100を実行することで、受付部200、情報処理部210及び出力部220として機能する。
【0035】
受付部200は、通信部20Fを介して航空機用タイヤTの識別情報と、航空機用タイヤTの位置情報又は配送状況を含む状況情報を受け付ける機能を有している。具体的に、携帯端末60,61,62,63から受け付ける。
【0036】
情報処理部210は、受付部200が受け付けた航空機用タイヤTの識別情報と、航空機用タイヤTの位置情報又は配送状況を含む状況情報をストレージ20Dに記憶する。また、受付部200が、状況情報を受け付けた場合に、ストレージ20Dに記憶している状況情報を更新する。
【0037】
また、情報処理部210は、航空機用タイヤTを発送する生産機関30、顧客機関(MRO)40又は顧客機関(航空会社)50で取得された1以上の識別情報に配送用IDを関連づけて設定する。また、情報処理部210は、航空機用タイヤを受領する生産機関又は顧客機関で前記配送用IDが取得されたか否かを検証する。また、情報処理部210は、航空機用タイヤTを受領した生産機関30、顧客機関(MRO)40又は顧客機関(航空会社)50で、同一の配送用IDが設定された識別情報の少なくとも一部が取得されない場合に、取得されない識別情報の航空機用タイヤTを特定する。
【0038】
出力部220は、航空機用タイヤTの識別情報及び状況情報を出力可能である。例えば、出力部220は、各機関(生産機関30、顧客機関(MRO)40又は顧客機関(航空会社)50)からの操作により、航空機用タイヤTの配送状況を確認したり、後述する適合証を表示したりする際に、各機関に設置されているコンピュータのディスプレイに配送状況や適合証などを表示する。
【0039】
また、出力部220は、情報処理部210が行った検証の結果を出力可能である。
【0040】
次に、図4図5及び図6を用いて航空機用タイヤ管理システム10の処理の流れについて説明する。
図4に示すように、生産機関30は、工場31と倉庫32とを有する。ステップS101において、生産機関30は、工場31で航空機用タイヤTを生産する。生産機関30の作業員は、工場31で生産された航空機用タイヤTの識別情報を携帯端末60等を用いてサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTの識別情報を、静的データ110として記憶する。
【0041】
次に、ステップS102において、工場31で生産された航空機用タイヤTは、工場31から倉庫32に出荷され(図4中L1の矢印)、保管される。かかる工場31から倉庫32に出荷される際に、出荷する航空機用タイヤTの識別情報を読み取る状態に設定した携帯端末60を用いて、作業員により航空機用タイヤTの識別情報が取得される。このとき、携帯端末60は、識別情報を取得した位置情報と、日時情報とを取得する。そして、作業員は、携帯端末60を用いて取得した識別情報、位置情報及び日時情報をサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、図5(a)の「No.01」に示すように、航空機用タイヤTの識別情報、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。また、サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTを発送する工場31で取得された1以上の識別情報に配送用IDを関連づけて設定する。例えば、図6に示すように、50本の航空機用タイヤTを収容したコンテナ毎に1つの配送用IDを設定する。また、当該配送用IDには、配送先の情報などが含まれている。
【0042】
なお、出荷する航空機用タイヤTの識別情報を読み取る状態に設定した携帯端末60を用いて、識別情報を読み取る場合に限定されず、サーバ20が、同じ位置情報で識別情報を受け付けた回数で、航空機用タイヤTの入荷であるか、出荷であるか、を判断してもよい。すなわち、工場31から、初めての識別番号を受け付けた場合は出荷であると判断し、2回目に同じ識別情報を受け付けた場合は入荷であると判断するようにしてもよい。後述するが、位置情報が、倉庫32や顧客機関(MRO)40、顧客機関(航空会社)50の場合は、初めての識別情報を受け付けた場合は、入荷であると判断し、2回目に同じ識別情報を受け付けた場合は出荷であると判断してもよい。このようにすることで、作業員が、携帯端末60、61、62、63の状態を変えることなく識別番号を読み取ることが可能となり、作業の簡易化や、ミスを防止することが可能となる。
【0043】
次に、ステップS103の航空機用タイヤTが工場31から倉庫32に入荷される際に、倉庫32の作業員が携帯端末61を用いて工場31から倉庫32に入荷された配送用IDを読み取り、サーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、配送用IDを動的データ120として記憶する。そして、サーバ20のCPU20Aは、工場31から倉庫32に出荷された配送用IDの全てが読み取られたかを検証する。そして、サーバ20のCPU20Aが検討結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である工場31や入荷側である倉庫32にメールなどで通知したりする。また、サーバ20のCPU20Aは、読み取られなかった配送用IDがある場合は、工場31から出荷されたが読み取られなかった当該配送用IDを特定し、特定した配送用IDが、入荷側である倉庫32以外の他の機関などで読み取られたかなどの配送状況を確認する。そして、サーバ20のCPU20Aは、確認結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である工場31や入荷側である倉庫32にメールなどで通知したりする。
【0044】
また、ステップS103において、航空機用タイヤTを受領した倉庫32の作業員は、携帯端末61を用いて、受領した航空機用タイヤTの識別情報を読み取り、サーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、図5(a)の「No.02」に示すように、航空機用タイヤTの識別情報、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。サーバ20のCPU20Aは、工場31から出荷され、同一の配送用IDが設定されている識別情報の全てが倉庫32で読み取られたかを検証する。すなわち、同一の配送用IDが設定されて出荷された航空機用タイヤTが、全て入荷されたかを確認する。そして、サーバ20のCPU20Aが検討結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である工場31や入荷側である倉庫32にメールなどで通知したりする。また、サーバ20のCPU20Aは、工場31から出荷されたが読み取られなかった識別情報を特定し、特定した識別情報が、入荷側である倉庫32以外の他の機関などで読み取られたかなどの配送状況を確認する。また、後述するが、作業員が、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていることで、識別情報が読み取られなかったかを確認する。そして、サーバ20のCPU20Aは、確認結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である工場31や入荷側である倉庫32にメールなどで通知したりする。
【0045】
また、識別情報を読み取る際に、携帯端末61は、識別情報を取得した位置情報と、日時情報とを取得する。そして、作業員は、携帯端末61を用いて取得した位置情報及び日時情報をサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTの識別情報に関連づけて、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。
【0046】
また、倉庫32の作業員は、航空機用タイヤTに異常、例えば、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていたり、航空機用タイヤTが破損していたりなど、があった場合は、異常を選択する状態に設定した携帯端末61を用いて、当該異常があった航空機用タイヤTの識別情報を読み取り、サーバ20に送信する。ここで、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていた場合は、携帯端末61を用いてセリアルを読み取ることや、作業員が端末61でセリアルを入力することにより識別情報を取得する。サーバ20のCPU20Aは、受信した識別情報から、異常があった航空機用タイヤTを特定し、工場31から同等品を再出荷するなどの対応を出力する。また、サーバ20のCPU20Aは、異常がある航空機用タイヤTを当該航空機用タイヤTの識別情報に関連づけて動的データ120として記憶する。なお、航空機用タイヤTに異常があった場合は、携帯端末61に備えられているカメラ又は携帯端末61以外のカメラを用いて写真を撮影し、撮影した写真をサーバ20に送信するようにしてもよい。写真を送信することで、異常がある航空機用タイヤTの状態を把握しやすくなり、工場31から同等品を再出荷するか否かの判断が早くなったり、配送を見直すなどの対応を取ったりすることが可能となる。また、かかる写真は、異常がある航空機用タイヤTの識別情報と関連づけて動的データ120として記憶される。
【0047】
次に、ステップS104において、生産機関30は、顧客機関(MRO)40の要求に応じて、倉庫32から航空機用タイヤTを出荷する(図4中L2の矢印)。かかる倉庫32から顧客機関(MRO)40に出荷される際に、出荷する航空機用タイヤTの識別情報を読み取る状態に設定した携帯端末61を用いて、作業員により航空機用タイヤTの識別情報が取得される。このとき、携帯端末61は、識別情報を取得した位置情報と、日時情報とを取得する。そして、作業員は、携帯端末61を用いて取得した識別情報、位置情報及び日時情報をサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、図5(a)の「No.03」に示すように、航空機用タイヤTの識別情報、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。また、サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTを発送する工場31で取得された1以上の識別情報に配送用IDを関連づけて設定する。例えば、50本の航空機用タイヤTを収容したコンテナ毎に1つの配送用IDを設定する。また、当該配送用IDには、配送先の情報などが含まれている。
【0048】
次に、ステップS105の航空機用タイヤTが倉庫32から顧客機関(MRO)40に入荷される際に、顧客機関(MRO)40の作業員が携帯端末62を用いて倉庫32から顧客機関(MRO)40に入荷された配送用IDを読み取り、サーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、配送用IDを動的データ120として記憶する。そして、サーバ20は、倉庫32から顧客機関(MRO)40に出荷された配送用IDの全てが読み取られたかを検証する。そして、サーバ20のCPU20Aが検討結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である倉庫32や入荷側である顧客機関(MRO)40にメールなどで通知したりする。また、サーバ20のCPU20Aは、読み取られなかった配送用IDがある場合は、倉庫32から出荷されたが読み取られなかった当該配送用IDを特定し、特定した配送用IDが、入荷側である顧客機関(MRO)40以外の他の機関などで読み取られたかなどの配送状況を確認する。そして、サーバ20のCPU20Aは、確認結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である倉庫32や入荷側である顧客機関(MRO)40にメールなどで通知したりする。
【0049】
また、ステップS105において、航空機用タイヤTを受領した顧客機関(MRO)40の作業員は、携帯端末62を用いて、受領した航空機用タイヤTの識別情報を読み取り、サーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、図5(a)の「No.04」に示すように、航空機用タイヤTの識別情報、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。サーバ20のCPU20Aは、倉庫32から出荷され、同一の配送用IDが設定されている識別情報の全てが顧客機関(MRO)40で読み取られたかを検証する。すなわち、同一の配送用IDが設定されて出荷された航空機用タイヤTが、全て入荷されたかを確認する。そして、サーバ20のCPU20Aが検討結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である倉庫32や入荷側である顧客機関(MRO)40にメールなどで通知したりする。また、サーバ20のCPU20Aは、倉庫32から出荷されたが読み取られなかった識別情報を特定し、特定した識別情報が、入荷側である顧客機関(MRO)40以外の他の機関などで読み取られたかなどの配送状況を確認する。また、後述するが、作業員が、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていることで、識別情報が読み取られなかったかを確認する。そして、サーバ20のCPU20Aは、確認結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である倉庫32や入荷側である顧客機関(MRO)40にメールなどで通知したりする。また、サーバ20のCPU20Aは、読み取られなかった識別情報について、図5(b)の「No.04」に示すように、配送状況を「検出されず」などと記憶する。
【0050】
また、識別情報を読み取る際に、携帯端末62は、識別情報を取得した位置情報と、日時情報とを取得する。そして、作業員は、携帯端末62を用いて取得した位置情報及び日時情報をサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTの識別情報に関連づけて、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。
【0051】
また、顧客機関(MRO)40の作業員は、航空機用タイヤTに異常、例えば、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていたり、航空機用タイヤTが破損していたりなど、があった場合は、異常を選択する状態に設定した携帯端末62を用いて、当該異常があった航空機用タイヤTの識別情報を読み取り、サーバ20に送信する。ここで、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていた場合は、携帯端末62を用いてセリアルを読み取ることや、作業員が端末62でセリアルを入力することにより識別情報を取得する。サーバ20のCPU20Aは、受信した識別情報から、異常があった航空機用タイヤTを特定し、工場31から同等品を再出荷するなどの対応を出力する。また、サーバ20のCPU20Aは、異常がある航空機用タイヤTを当該航空機用タイヤTの識別情報に関連づけて動的データ120として記憶する。なお、航空機用タイヤTに異常があった場合は、携帯端末62に備えられているカメラ又は携帯端末62以外のカメラを用いて写真を撮影し、撮影した写真をサーバ20に送信するようにしてもよい。写真を送信することで、異常がある航空機用タイヤTの状態を把握しやすくなり、工場31から同等品を再出荷するか否かの判断が早くなったり、配送を見直すなどの対応を取ったりすることが可能となる。また、かかる写真は、異常がある航空機用タイヤTの識別情報と関連づけて動的データ120として記憶される。
【0052】
次に、ステップS106において、顧客機関(MRO)40は、航空機用タイヤTにホイールWを取り付ける(リム組)。そして、ステップS107において、顧客機関(航空会社)50の要求に応じて、ホイールW付きの航空機用タイヤTを出荷する(図4中L3の矢印)。かかる顧客機関(MRO)40から顧客機関(航空会社)50に出荷される際に、出荷する航空機用タイヤTの識別情報を読み取る状態に設定した携帯端末62を用いて、作業員により航空機用タイヤTの識別情報が取得される。このとき、携帯端末62は、識別情報を取得した位置情報と、日時情報とを取得する。そして、作業員は、携帯端末62を用いて取得した識別情報、位置情報及び日時情報をサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、図5(a)の「No.05」に示すように、航空機用タイヤTの識別情報、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。また、サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTを発送する顧客機関(MRO)40で取得された1以上の識別情報に配送用IDを関連づけて設定する。例えば、50本の航空機用タイヤTを収容したコンテナ毎に1つの配送用IDを設定する。また、当該配送用IDには、配送先の情報などが含まれている。
【0053】
次に、ステップS108の航空機用タイヤTが顧客機関(MRO)40から顧客機関(航空会社)50に入荷される際に、顧客機関(航空会社)50の作業員が携帯端末63を用いて顧客機関(MRO)40から顧客機関(航空会社)50に入荷された配送用IDを読み取り、サーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、配送用IDを動的データ120として記憶する。そして、サーバ20のCPU20Aは、顧客機関(MRO)40から顧客機関(航空会社)50に出荷された配送用IDの全てが読み取られたかを検証する。そして、サーバ20のCPU20Aが検討結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である顧客機関(MRO)40や入荷側である顧客機関(航空会社)50にメールなどで通知したりする。また、サーバ20のCPU20Aは、読み取られなかった配送用IDがある場合は、顧客機関(MRO)から出荷されたが読み取られなかった当該配送用IDを特定し、特定した配送用IDが、入荷側である顧客機関(航空会社)50以外の他の機関などで読み取られたかなどの配送状況を確認する。そして、サーバ20のCPU20Aは、確認結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である顧客機関(MRO)40や入荷側である顧客機関(航空会社)50にメールなどで通知したりする。
【0054】
また、ステップS108において、航空機用タイヤTを受領した顧客機関(航空会社)50の作業員は、携帯端末63を用いて、受領した航空機用タイヤTの識別情報を読み取り、サーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、図5(a)の「No.06」に示すように、航空機用タイヤTの識別情報、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。サーバ20のCPU20Aは、顧客機関(MRO)40から出荷され、同一の配送用IDが設定されている識別情報の全てが顧客機関(航空会社)50で読み取られたかを検証する。そして、サーバ20のCPU20Aが検討結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である顧客機関(MRO)40や入荷側である顧客機関(航空会社)50にメールなどで通知したりする。また、サーバ20は、顧客機関(MRO)40から出荷されたが読み取られなかった識別情報を特定し、特定した識別情報が、入荷側である顧客機関(航空会社)50以外の他の機関などで読み取られたかなどの配送状況を確認する。また、後述するが、作業員が、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていることで、識別情報が読み取られなかったかを確認する。そして、サーバ20のCPU20Aは、確認結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である顧客機関(MRO)40や入荷側である顧客機関(航空会社)50にメールなどで通知したりする。
【0055】
また、識別情報を読み取る際に、携帯端末63は、識別情報を取得した位置情報と、日時情報とを取得する。そして、作業員は、携帯端末63を用いて取得した位置情報及び日時情報をサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTの識別情報に関連づけて、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。
【0056】
また、顧客機関(航空会社)50の作業員は、航空機用タイヤTに異常、例えば、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていたり、航空機用タイヤTが破損していたりなど、があった場合は、異常を選択する状態に設定した携帯端末63を用いて、当該異常があった航空機用タイヤTの識別情報を読み取り、サーバ20に送信する。ここで、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていた場合は、携帯端末63を用いてセリアルを読み取ることや、作業員が端末63でセリアルを入力することにより識別情報を取得する。サーバ20のCPU20Aは、受信した識別情報から、異常があった航空機用タイヤTを特定し、工場31から同等品を再出荷するなどの対応を出力する。また、サーバ20のCPU20Aは、異常がある航空機用タイヤTを当該航空機用タイヤTの識別情報に関連づけて動的データ120として記憶する。なお、航空機用タイヤTに異常があった場合は、携帯端末63に備えられているカメラ又は携帯端末63以外のカメラを用いて写真を撮影し、撮影した写真をサーバ20に送信するようにしてもよい。写真を送信することで、異常がある航空機用タイヤTの状態を把握しやすくなり、工場31から同等品を再出荷するか否かの判断が早くなったり、配送を見直すなどの対応を取ったりすることが可能となる。また、かかる写真は、異常がある航空機用タイヤTの識別情報と関連づけて動的データ120として記憶される。
【0057】
次に、ステップS109において、顧客機関(航空会社)50は、航空機の機体に航空機用タイヤTを装着する。そして、航空機用タイヤTが摩耗するまで航空機用タイヤTを使用する。ステップS200において、航空機用タイヤTが摩耗した後、顧客機関(航空会社)50は、航空機の機体から航空機用タイヤTの取卸しをする。ステップS201において、回収用の航空機用タイヤTを顧客機関(MRO)40に出荷する(図4中L4の矢印)。かかる顧客機関(航空会社)50から顧客機関(MRO)40に出荷される際に、出荷する航空機用タイヤTの識別情報を読み取る状態に設定した携帯端末63を用いて、作業員により航空機用タイヤTの識別情報が取得される。また、回収する航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていた場合は、携帯端末63を用いてセリアルを読み取ることや、作業員が端末63でセリアルを入力することにより識別情報を取得する。このとき、携帯端末63は、識別情報を取得した位置情報と、日時情報とを取得する。そして、作業員は、携帯端末63を用いて取得した識別情報、位置情報及び日時情報をサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、図5(a)の「No.07」に示すように、航空機用タイヤTの識別情報、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。また、サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTを発送する顧客機関(航空会社)50で取得された1以上の識別情報に配送用IDを関連づけて設定する。例えば、50本の航空機用タイヤTを収容したコンテナ毎に1つの配送用IDを設定する。また、当該配送用IDには、配送先の情報などが含まれている。
【0058】
また、顧客機関(航空会社)50の作業員は、携帯端末63で航空機用タイヤTの識別情報を読み込んだ後に、回収用の航空機用タイヤTの消耗情報、例えば、残溝をゲージなどで計測した情報、を入力して、サーバ20に送信してもよい。サーバ20のCPU20Aは、顧客機関(航空会社)50から回収用の航空機用タイヤTの前記識別情報に関連づけて当該航空機用タイヤTの消耗情報を動的データ120として記憶する。これにより、例えば、航空機のフライト履歴と残溝との関係を機械学習することで、フライト履歴から残溝を予測して警告を出すことが可能となる。また、航空機用タイヤTが工場31に回収される前に消耗情報を取得可能とすることで、生産機関30から顧客機関(航空会社)50に対し、航空機用タイヤTの摩耗に対する報告書などのフィードバックを早くすることが可能となる。
【0059】
また、サーバ20は、回収用の航空機用タイヤTの識別情報を取得した日時情報を、生産機関30(工場31及び倉庫32)にメールなどで通知してもよい。これにより、生産機関30は、回収用の航空機用タイヤTが届く前に、航空機用タイヤTの回収時期が分かるため、工場31の準備や航空機用タイヤTの生産計画を立てやすくなる。
【0060】
次に、ステップS202の航空機用タイヤTが顧客機関(航空会社)50から顧客機関(MRO)40に入荷される際に、顧客機関(MRO)40の作業員が携帯端末62を用いて顧客機関(航空会社)50から顧客機関(MRO)40に入荷された配送用IDを読み取り、サーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、配送用IDを動的データ120として記憶する。そして、サーバ20のCPU20Aは、顧客機関(航空会社)50から顧客機関(MRO)40に出荷された配送用IDの全てが読み取られたかを検証する。そして、サーバ20のCPU20Aが検討結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である顧客機関(航空会社)50や入荷側である顧客機関(MRO)40にメールなどで通知したりする。また、サーバ20のCPU20Aは、読み取られなかった配送用IDがある場合は、顧客機関(航空会社)から出荷されたが読み取られなかった当該配送用IDを特定し、特定した配送用IDが、入荷側である顧客機関(MRO)40以外の他の機関などで読み取られたかなどの配送状況を確認する。そして、サーバ20のCPU20Aは、確認結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である顧客機関(航空会社)50や入荷側である顧客機関(MRO)40にメールなどで通知したりする。
【0061】
また、ステップS202において、航空機用タイヤTを受領した顧客機関(MRO)40の作業員は、携帯端末62を用いて、受領した航空機用タイヤTの識別情報を読み取り、サーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、図5(a)の「No.08」に示すように、航空機用タイヤTの識別情報、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。サーバ20のCPU20Aは、顧客機関(航空会社)50から出荷され、同一の配送用IDが設定されている識別情報の全てが顧客機関(MRO)40で読み取られたかを検証する。そして、サーバ20のCPU20Aが検討結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である顧客機関(航空会社)50や入荷側である顧客機関(MRO)40にメールなどで通知したりする。また、サーバ20のCPU20Aは、顧客機関(航空会社)50から出荷されたが読み取られなかった識別情報を特定し、特定した識別情報が、入荷側である顧客機関(MRO)40以外の他の機関などで読み取られたかなどの配送状況を確認する。また、後述するが、作業員が、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていることで、識別情報が読み取られなかったかを確認する。そして、サーバ20のCPU20Aは、確認結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である顧客機関(航空会社)50や入荷側である顧客機関(MRO)40にメールなどで通知したりする。
【0062】
また、識別情報を読み取る際に、携帯端末62は、識別情報を取得した位置情報と、日時情報とを取得する。そして、作業員は、携帯端末62を用いて取得した位置情報及び日時情報をサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTの識別情報に関連づけて、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。
【0063】
また、顧客機関(MRO)40の作業員は、航空機用タイヤTに異常、例えば、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれている場合は、異常を選択する状態に設定した携帯端末62を用いて、当該異常があった航空機用タイヤTの識別情報を読み取り、サーバ20に送信する。ここで、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていた場合は、携帯端末62を用いてセリアルを読み取ることや、作業員が端末62でセリアルを入力することにより識別情報を取得する。サーバ20のCPU20Aは、受信した識別情報から、異常があった航空機用タイヤTを特定する。また、サーバ20は、異常がある航空機用タイヤTを当該航空機用タイヤTの識別情報に関連づけて動的データ120として記憶する。
【0064】
次に、ステップS203において、回収用の航空機用タイヤTを入荷した顧客機関(MRO)40は、航空機用タイヤTからホイールWを取り外す(リム解)。そして、ステップS204において、顧客機関(MRO)40は、回収用の航空機用タイヤTを倉庫32に出荷する(図4中L5の矢印)。かかる顧客機関(MRO)40から倉庫32に出荷される際に、出荷する航空機用タイヤTの識別情報を読み取る状態に設定した携帯端末62を用いて、作業員により航空機用タイヤTの識別情報が取得される。このとき、携帯端末62は、識別情報を取得した位置情報と、日時情報とを取得する。そして、作業員は、携帯端末62を用いて取得した識別情報、位置情報及び日時情報をサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、図5(a)の「No.09」に示すように、航空機用タイヤTの識別情報、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。また、サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTを発送する顧客機関(MRO)40で取得された1以上の識別情報に配送用IDを関連づけて設定する。例えば、50本の航空機用タイヤTを収容したコンテナ毎に1つの配送用IDを設定する。また、当該配送用IDには、配送先の情報などが含まれている。
【0065】
次に、ステップS205の航空機用タイヤTが顧客機関(MRO)40から倉庫32に入荷される際に、倉庫32の作業員が携帯端末61を用いて顧客機関(MRO)40から倉庫32に入荷された配送用IDを読み取り、サーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、配送用IDを動的データ120として記憶する。そして、サーバ20のCPU20Aは、顧客機関(MRO)40から倉庫32に出荷された配送用IDの全てが読み取られたかを検証する。そして、サーバ20のCPU20Aが検討結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である顧客機関(MRO)40や入荷側である倉庫32にメールなどで通知したりする。また、サーバ20のCPU20Aは、読み取られなかった配送用IDがある場合は、顧客機関(MRO)から出荷されたが読み取られなかった当該配送用IDを特定し、特定した配送用IDが、入荷側である倉庫32以外の他の機関などで読み取られたかなどの配送状況を確認する。そして、サーバ20のCPU20Aは、確認結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である顧客機関(MRO)40や入荷側である倉庫32にメールなどで通知したりする。
【0066】
また、ステップS205において、航空機用タイヤTを受領した倉庫32の作業員は、携帯端末61を用いて、受領した航空機用タイヤTの識別情報を読み取り、サーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、図5(a)の「No.10」に示すように、航空機用タイヤTの識別情報、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。サーバ20のCPU20Aは、顧客機関(MRO)40から出荷され、同一の配送用IDが設定されている識別情報の全てが倉庫32で読み取られたかを検証する。そして、サーバ20のCPU20Aが検討結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である顧客機関(MRO)40や入荷側である倉庫32にメールなどで通知したりする。また、サーバ20のCPU20Aは、顧客機関(MRO)40から出荷されたが読み取られなかった識別情報を特定し、特定した識別情報が、入荷側である倉庫32以外の他の機関などで読み取られたかなどの配送状況を確認する。また、後述するが、作業員が、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていることで、識別情報が読み取られなかったかを確認する。そして、サーバ20のCPU20Aは、確認結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である顧客機関(MRO)40や入荷側である倉庫32にメールなどで通知したりする。
【0067】
また、識別情報を読み取る際に、携帯端末61は、識別情報を取得した位置情報と、日時情報とを取得する。そして、作業員は、携帯端末61を用いて取得した位置情報及び日時情報をサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTの識別情報に関連づけて、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。
【0068】
また、倉庫32の作業員は、航空機用タイヤTに異常、例えば、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれている場合は、異常を選択する状態に設定した携帯端末61を用いて、当該異常があった航空機用タイヤTの識別情報を読み取り、サーバ20に送信する。ここで、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていた場合は、携帯端末61を用いてセリアルを読み取ることや、作業員が端末61でセリアルを入力することにより識別情報を取得する。また、サーバ20のCPU20Aは、異常がある航空機用タイヤTを当該航空機用タイヤTの識別情報に関連づけて動的データ120として記憶する。
【0069】
次に、ステップS206において、倉庫32は、回収用の航空機用タイヤTを工場31に出荷する(図4中L6の矢印)。かかる倉庫32から工場31に出荷される際に、出荷する航空機用タイヤTの識別情報を読み取る状態に設定した携帯端末61を用いて、作業員により航空機用タイヤTの識別情報が取得される。このとき、携帯端末61は、識別情報を取得した位置情報と、日時情報とを取得する。そして、作業員は、携帯端末61を用いて取得した識別情報、位置情報及び日時情報をサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、図5(a)の「No.11」に示すように、航空機用タイヤTの識別情報、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。また、サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTを発送する倉庫32で取得された1以上の識別情報に配送用IDを関連づけて設定する。例えば、50本の航空機用タイヤTを収容したコンテナ毎に1つの配送用IDを設定する。また、当該配送用IDには、配送先の情報などが含まれている。
【0070】
次に、ステップS207の航空機用タイヤTが倉庫32から工場31に入荷される際に、工場31の作業員が携帯端末60を用いて倉庫32から工場31に入荷された配送用IDを読み取り、サーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、配送用IDを動的データ120として記憶する。そして、サーバ20のCPU20Aは、倉庫32から工場31に出荷された配送用IDの全てが読み取られたかを検証する。そして、サーバ20のCPU20Aが検討結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である倉庫32や入荷側である工場31にメールなどで通知したりする。また、サーバ20のCPU20Aは、読み取られなかった配送用IDがある場合は、倉庫32から出荷されたが読み取られなかった当該配送用IDを特定し、特定した配送用IDが、入荷側である工場31以外の他の機関などで読み取られたかなどの配送状況を確認する。そして、サーバ20のCPU20Aは、確認結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である倉庫32や入荷側である工場31にメールなどで通知したりする。
【0071】
また、ステップS207において、航空機用タイヤTを受領した工場31の作業員は、携帯端末60を用いて、受領した航空機用タイヤTの識別情報を読み取り、サーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、図5(a)の「No.12」に示すように、航空機用タイヤTの識別情報、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。サーバ20のCPU20Aは、倉庫32から出荷され、同一の配送用IDが設定されている識別情報の全てが工場31で読み取られたかを検証する。そして、サーバ20のCPU20Aが検討結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である倉庫32や入荷側である工場31にメールなどで通知したりする。また、サーバ20のCPU20Aは、倉庫32から出荷されたが読み取られなかった識別情報を特定し、特定した識別情報が、入荷側である工場31以外の他の機関などで読み取られたかなどの配送状況を確認する。また、後述するが、作業員が、航空機用タイヤTに貼付された二次元コードやRFIDが剥がれていることで、識別情報が読み取られなかったかを確認する。そして、サーバ20のCPU20Aは、確認結果を出力、例えば、表示装置24に表示したり、航空機用タイヤTの出荷側である倉庫32や入荷側である工場31にメールなどで通知したりする。
【0072】
また、識別情報を読み取る際に、携帯端末60は、識別情報を取得した位置情報と、日時情報とを取得する。そして、作業員は、携帯端末60を用いて取得した位置情報及び日時情報をサーバ20に送信する。サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTの識別情報に関連づけて、位置情報及び日時情報を、動的データ120として記憶する。
【0073】
次に、ステップS208において、回収用の航空機用タイヤTを入荷した工場31は、回収した航空機用タイヤTをリトレッドして、再度、倉庫32に出荷する。その後の処理は、上述したステップS102と同様である。ここで、かかるリトレッドに際し、航空機用タイヤTの識別情報に、リトレッドされた航空機用タイヤTであることが分かる記号や、リトレッドされた回数が分かる記号などを付加して、識別情報を更新してもよい。更新された識別情報は、工場31の作業員により携帯端末60からサーバ20に送信され、静的データ110又は動的データ120として記憶される。なお、回収した航空機用タイヤTをリトレッドする機関は、航空機用タイヤを生産する工場31とは異なる機関であってもよい。
【0074】
また、サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTの入荷を受け付けた場合に、当該航空機用タイヤTの出荷側の生産機関30、顧客機関(MRO)40又は顧客機関(航空会社)50に、全ての配送用ID又は識別情報を読み取ったことを通知してもよい。すなわち、出荷側の生産機関30、顧客機関(MRO)40又は顧客機関(航空会社)50に、航空機用タイヤTが無事配送されたことを通知してもよい。
【0075】
また、サーバ20のCPU20Aは、航空機用タイヤTの出荷を受け付けた場合に、当該航空機用タイヤTの入荷側の生産機関30、顧客機関(MRO)40又は顧客機関(航空会社)50に、配送用ID又は識別情報を通知してもよい。すなわち、入荷側の生産機関30、顧客機関(MRO)40又は顧客機関(航空会社)50に、航空機用タイヤTが配送されてくることを通知してもよい。
【0076】
また、本実施形態のサーバ20は、顧客機関(MRO)40や顧客機関(航空会社)50に、配送用IDを検証した後に、航空機用タイヤTの請求書を出力している。しかし、サーバ20が、請求書を出力するタイミングは、これに限定されない。サーバ20は、例えば、配送用IDの検証が済む前に請求書を出力しても良い。
【0077】
また、サーバ20は、携帯端末60、61、62、63で読み取った識別情報の航空機用タイヤTが、異なる出荷先に出荷されたものである場合は、携帯端末60、61、62、63などに、配送間違いが起こっている航空機用タイヤTであることを通知や表示してもよい。
【0078】
サーバ20は、静的データ110及び動的データ120を、顧客機関(MRO)40及び顧客機関(航空会社)50が、自社のデータのみ閲覧できるようにすることが望ましい。例えば、動的データ120の配送状況に、配送先や顧客データを含むように記録されている場合に、顧客機関(MRO)40及び顧客機関(航空会社)50は、自社が配送先となっている航空機用タイヤTの情報のみを、表示させることができるようにすることが望ましい。
【0079】
また、情報が、携帯端末60、61、62、63からサーバ20に送信される際には、当該携帯端末60、61、62、63の使用者のデータの履歴についても、サーバ20に送信し、動的データ120として記憶されるようにしてもよい。このようにすることで、いつ誰が識別情報などを読み取ったかが分かり、問題が発生した際に、誰が最後に識別情報を読み取ったかなどの確認することが可能となる。
【0080】
また、情報処理部210は、静的データ110又は動的データ120として記憶されている航空機用タイヤTの識別情報や状況情報を、予め定められた場合に、少なくとも一部を顧客機関(MRO)40及び顧客機関(航空会社)50が閲覧不可能に処理するようにしてもよい。例えば、当該顧客機関40,50から生産機関30に出荷された回収用の航空機用タイヤTの情報は、閲覧できなくても問題がないため、閲覧不可能にしてもよい。また、過去の情報も、閲覧不可能にしてもよい。また、顧客機関40,50は、自らに出荷される航空機用タイヤTの識別情報や状況情報のみ閲覧することができるようにしてもよい。なお、ここで、「閲覧不可能」には、データを削除することにより閲覧ができなくなることを含む。また、顧客機関40,50が、不要な情報を閲覧できないように設定できるようにしてもよい。
【0081】
また、受付部200が、生産機関30、顧客機関(MRO)40又は顧客機関(航空会社)50から識別情報に関連づけて航空機用タイヤTの予め定められた証明データを受け付け、静的データ110又は動的データ120として記憶する。そして、出力部220が、証明データを予め定められたタイミングで出力可能としてもよい。ここで、証明データは、航空機部品として正式な工程を経て製造されたことを示す適合証、例えば、「装備品基準適合証」などである。また、予め定められたタイミングは、図4で示した処理の順番の前の段階の機関が、航空機用タイヤTを発送後である。また、適合証は、顧客機関(MRO)40又は顧客機関(航空会社)50の要求に応じて出力され、視認可能となる。
【0082】
本実施形態に係る動的データ120の例を図5に示す。
図5に示すように、上述したように、動的データ120として記憶されている項目として、タイヤID、配送用ID、位置情報、日時情報及び配送状況が含まれる。なお、動的データ120として記憶される項目は、図5に示すものに限定されず、例えば、上述した写真、適合証なども含む。ここで、配送状況は、出荷する航空機用タイヤTの識別情報を読み取る状態に設定した携帯端末60、61、62、63を用いて識別情報が読み取られた場合は、サーバ20が、同時に取得された位置情報からの出荷であると判断して記載する。また、入荷する航空機用タイヤTの識別情報を読み取る状態に設定した携帯端末60、61、62、63を用いて識別情報が読み取られた場合は、サーバ20が、同時に取得された位置情報からの出荷であると判断して記載する。また、図5(a)は、各機関で識別情報が読み取られた際に、全ての識別情報が読み取られた場合の例を示し、図5(b)は、顧客機関(MRO)で航空機用タイヤTの入荷の際に、タイヤID「0001」の航空機用タイヤTの識別情報が読み取られなかった場合の例を示している。
【0083】
本実施形態のサーバ20(航空機用タイヤ管理装置)によれば、生産機関30、顧客機関(MRO)40又は顧客機関(航空会社)50で取得された航空機用タイヤTの識別情報をストレージ20Dに記憶している静的データ110又は動的データ120と照合することで、識別情報が読み取られていない航空機用タイヤTを特定することや、航空機用タイヤTの入荷や出荷などの配送状況を記憶することができる。また、照合の結果を、生産機関30、顧客機関(MRO)40又は顧客機関(航空会社)50に通知することもできる。これにより、航空機用タイヤTを効率よく管理することが可能となる。
【0084】
なお、上記実施形態でCPU20Aがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した各種処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上述した各処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0085】
また、上記実施形態において、各プログラムはコンピュータが読み取り可能な非一時的記録媒体に予め記憶(インストール)されている態様で説明した。例えば、サーバ20における処理プログラム100は、ストレージ20Dに予め記憶されている。しかしこれに限らず、各プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0086】
上記実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 航空機用タイヤ管理システム
20 サーバ(航空機用タイヤ管理装置)
20A CPU
24 表示装置(表示部)
30 生産機関
31 工場
32 倉庫
40 顧客機関(MRO)
50 顧客機関(航空会社)
100 処理プログラム
110 静的データ
120 動的データ
200 受付部
210 情報処理部
220 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6