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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182454
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】処理装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/04 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
B01D53/04 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096070
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 浩之
(72)【発明者】
【氏名】北永 裕章
【テーマコード(参考)】
4D012
【Fターム(参考)】
4D012BA02
4D012BA03
4D012CA01
4D012CA03
4D012CA20
4D012CB16
4D012CB17
4D012CB18
4D012CD04
4D012CF01
4D012CF10
4D012CG01
4D012CJ05
4D012CJ10
4D012CK01
(57)【要約】
【課題】簡潔な構成で吸着器を安全に再使用可能な状態にすることができる技術を提供する。
【解決手段】処理装置は、第1吸着器から排出されるガスが第2経路を通じて少なくとも1つの第2吸着器に供給される第1状態と、前記第1吸着器から排出されるガスが第4経路を通じて外部に排出される第2状態と、に切り換え可能な三方弁を備えている。前記第1吸着器は、前記三方弁が前記第1状態であるときに、前記第1経路を通じて前記第1吸着器に供給されるガスに含まれる第1成分が前記第1吸着器の吸着材に吸着される吸着状態であり、前記三方弁が前記第2状態であるときに、前記第1吸着器の吸着材に吸着されている前記第1成分が第3経路を通じて前記第1吸着器に供給されるガスに脱離する脱離状態である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1成分と第2成分を含むガスを処理する処理装置であって、
ガスに含まれる前記第1成分を吸着する吸着材を備える第1吸着器と、
ガスに含まれる前記第2成分を吸着する吸着材を備える少なくとも1つの第2吸着器と、
前記第1成分と前記第2成分を含むガスを前記第1吸着器に供給する第1経路と、
前記第1吸着器で前記第1成分が吸着されて前記第1吸着器から排出されるガスを少なくとも1つの前記第2吸着器に供給する第2経路と、
少なくとも1つの前記第2吸着器で前記第2成分が吸着されて前記第2吸着器から排出されるガスを前記第1吸着器に供給する第3経路と、
前記第1吸着器から排出されるガスを外部に排出する第4経路と、
前記第1吸着器から排出されるガスが前記第2経路を通じて少なくとも1つの前記第2吸着器に供給される第1状態と、前記第1吸着器から排出されるガスが前記第4経路を通じて外部に排出される第2状態と、に切り換え可能な三方弁と、を備え、
前記第1吸着器は、前記三方弁が前記第1状態であるときに、前記第1経路を通じて前記第1吸着器に供給されるガスに含まれる前記第1成分が前記第1吸着器の吸着材に吸着される吸着状態であり、前記三方弁が第2状態であるときに、前記第1吸着器の吸着材に吸着されている前記第1成分が前記第3経路を通じて前記第1吸着器に供給されるガスに脱離する脱離状態である、処理装置。
【請求項2】
第1成分と第2成分を含むガスを処理する処理装置であって、
ガスに含まれる前記第1成分を吸着する吸着材を備える第1吸着器と、
ガスに含まれる前記第2成分を吸着する吸着材を備える少なくとも1つの第2吸着器と、
前記第1成分と前記第2成分を含むガスを前記第1吸着器に供給する第1経路と、
前記第1吸着器で前記第1成分が吸着されて前記第1吸着器から排出されるガスを少なくとも1つの前記第2吸着器に供給する第2経路と、
少なくとも1つの前記第2吸着器で前記第2成分が吸着されて前記第2吸着器から排出されるガスを前記第1吸着器に供給する第3経路と、
前記第1吸着器から排出されるガスを外部に排出する第4経路と、
前記第1吸着器から排出されるガスが前記第2経路を通じて少なくとも1つの前記第2吸着器に供給される第1状態と、前記第2吸着器から排出されるガスが第3経路を通じて前記第1吸着器に供給される第2状態と、に切り換え可能な三方弁と、を備え、
前記第1吸着器は、前記三方弁が前記第1状態であるときに、前記第1経路を通じて前記第1吸着器に供給されるガスに含まれる前記第1成分が前記第1吸着器の吸着材に吸着される吸着状態であり、前記三方弁が第2状態であるときに、前記第1吸着器の吸着材に吸着されている前記第1成分が前記第3経路を通じて前記第1吸着器に供給されるガスに脱離する脱離状態である、処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の処理装置であって、
前記第1経路は、ガスに含まれる前記第1成分を吸着する吸着材を備える第3吸着器を備える、処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の処理装置であって、
前記第3吸着器と前記第1吸着器の間の前記第1経路に設けられる逆止弁であって、前記第3吸着器側から前記第1吸着器側にガスが流れることを許可し、前記第1吸着器側から前記第3吸着器側にガスが流れることを禁止する前記逆止弁を更に備える、処理装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の処理装置であって、
冷媒が流れる冷媒経路と、
前記冷媒経路と前記第3経路に設けられるポンプであって、前記第3経路を通過するガスの圧力により前記冷媒経路を流れる冷媒を圧送する前記ポンプと、を更に備える、処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の処理装置であって、
ガスに含まれる成分を吸着する吸着材を備える第4吸着器を更に備え、
前記冷媒経路は、前記第1吸着器と前記第4吸着器を囲むように延びており、
前記第4吸着器は、前記第1吸着器が前記脱離状態であるときに、前記第4吸着器に供給されるガスに含まれる成分が前記第4吸着器の吸着材に吸着される吸着状態であり、前記第1吸着器が前記吸着状態であるときに、前記第4吸着器の吸着材に吸着されている成分が前記第4吸着器に供給されるガスに脱離する脱離状態である、処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、ガスを処理する処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にガスの処理装置が開示されている。特許文献1の処理装置は、混合ガス中のアンモニアを除去する第1のアンモニア除去装置と、第1のアンモニア除去装置の後段に設置されており、第1のアンモニア除去装置で処理された第1の処理ガスを処理する第2のアンモニア除去装置とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/099143号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の処理装置では、第1又は第2のアンモニア除去装置がその能力の限界まで使用されると、そのままではそのアンモニア除去装置を再使用することができない。アンモニア除去装置を再使用する場合は、アンモニア除去装置を一旦処理装置から取り外し、取り外したアンモニア除去装置を異なる場所で再生処理する必要がある。この構成ではアンモニア除去装置を取り外すときに処理装置やアンモニア除去装置からガスが漏れることがある。
【0005】
本明細書は、簡潔な構成で吸着器を安全に再使用可能な状態にすることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の第1の態様では、処理装置が、第1成分と第2成分を含むガスを処理する。処理装置は、ガスに含まれる前記第1成分を吸着する吸着材を備える第1吸着器と、ガスに含まれる前記第2成分を吸着する吸着材を備える少なくとも1つの第2吸着器と、前記第1成分と前記第2成分を含むガスを前記第1吸着器に供給する第1経路と、前記第1吸着器で前記第1成分が吸着されて前記第1吸着器から排出されるガスを少なくとも1つの前記第2吸着器に供給する第2経路と、少なくとも1つの前記第2吸着器で前記第2成分が吸着されて前記第2吸着器から排出されるガスを前記第1吸着器に供給する第3経路と、前記第1吸着器から排出されるガスを外部に排出する第4経路と、を備えていてもよい。処理装置は、前記第1吸着器から排出されるガスが前記第2経路を通じて少なくとも1つの前記第2吸着器に供給される第1状態と、前記第1吸着器から排出されるガスが前記第4経路を通じて外部に排出される第2状態と、に切り換え可能な三方弁を備えていてもよい。前記第1吸着器は、前記三方弁が前記第1状態であるときに、前記第1経路を通じて前記第1吸着器に供給されるガスに含まれる前記第1成分が前記第1吸着器の吸着材に吸着される吸着状態であり、前記三方弁が第2状態であるときに、前記第1吸着器の吸着材に吸着されている前記第1成分が前記第3経路を通じて前記第1吸着器に供給されるガスに脱離する脱離状態であってもよい。
【0007】
この構成によれば、第1吸着器を処理装置から取り外すことなく、三方弁の切り換えにより第1吸着器を吸着状態と脱離状態の両方で使用することができる。これにより、第1吸着器の吸着材が第1成分を十分に吸着したときに、三方弁を切り換えることで第1吸着器を処理装置から取り外すことなく第1吸着器を再生処理することができる。したがって、簡潔な構成で第1吸着器を安全に再使用可能な状態にすることができる。
【0008】
第2の態様では、処理装置が、第1成分と第2成分を含むガスを処理する。処理装置は、ガスに含まれる前記第1成分を吸着する吸着材を備える第1吸着器と、ガスに含まれる前記第2成分を吸着する吸着材を備える少なくとも1つの第2吸着器と、前記第1成分と前記第2成分を含むガスを前記第1吸着器に供給する第1経路と、前記第1吸着器で前記第1成分が吸着されて前記第1吸着器から排出されるガスを少なくとも1つの前記第2吸着器に供給する第2経路と、少なくとも1つの前記第2吸着器で前記第2成分が吸着されて前記第2吸着器から排出されるガスを前記第1吸着器に供給する第3経路と、前記第1吸着器から排出されるガスを外部に排出する第4経路と、を備えていてもよい。処理装置は、前記第1吸着器から排出されるガスが前記第2経路を通じて少なくとも1つの前記第2吸着器に供給される第1状態と、前記第2吸着器から排出されるガスが第3経路を通じて前記第1吸着器に供給される第2状態と、に切り換え可能な三方弁を備えていてもよい。前記第1吸着器は、前記三方弁が前記第1状態であるときに、前記第1経路を通じて前記第1吸着器に供給されるガスに含まれる前記第1成分が前記第1吸着器の吸着材に吸着される吸着状態であり、前記三方弁が第2状態であるときに、前記第1吸着器の吸着材に吸着されている前記第1成分が前記第3経路を通じて前記第1吸着器に供給されるガスに脱離する脱離状態であってもよい。
【0009】
この構成によれば、第1吸着器を処理装置から取り外すことなく、三方弁の切り換えにより第1吸着器を吸着状態と脱離状態の両方で使用することができる。これにより、第1吸着器の吸着材が第1成分を十分に吸着したときに、三方弁を切り換えることで第1吸着器を処理装置から取り外すことなく第1吸着器を再生処理することができる。したがって、簡潔な構成で第1吸着器を安全に再使用可能な状態にすることができる。
【0010】
第3の態様では、上記第1又は第2の態様において、前記第1経路が、ガスに含まれる前記第1成分を吸着する吸着材を備える第3吸着器を備えていてもよい。
【0011】
この構成によれば、ガスに含まれる第1成分を第1吸着器と第3吸着器により吸着することができる。上流側の第3吸着器が破過したとしても、下流側の第1吸着器で第1成分を吸着することができる。これにより、上流側の第3吸着器が破過するまで使用することができる。また、上流側の第3吸着器が破過したとしても、ガスに含まれる第1成分が第2吸着器に供給されることを抑制することができる。
【0012】
第4の態様では、上記第3の態様において、処理装置が、前記第3吸着器と前記第1吸着器の間の前記第1経路に設けられる逆止弁であって、前記第3吸着器側から前記第1吸着器側にガスが流れることを許可し、前記第1吸着器側から前記第3吸着器側にガスが流れることを禁止する前記逆止弁を更に備えていてもよい。
【0013】
この構成によれば、第1経路の下流側である第1吸着器側から上流側である第3吸着器側にガスが流れることを抑制することができる。
【0014】
第5の態様では、上記第1又は第2の態様において、処理装置が、冷媒が流れる冷媒経路と、前記冷媒経路と前記第3経路に設けられるポンプであって、前記第3経路を通過するガスの圧力により前記冷媒経路を流れる冷媒を圧送する前記ポンプと、を更に備えていてもよい。
【0015】
この構成によれば、第3経路を通過するガスの圧力を有効利用して冷媒を圧送することができる。例えば、第1吸着器を冷却するための冷媒を圧送することができる。あるいは、第2吸着器を冷却するための冷媒を圧送することができる。
【0016】
第6の態様では、上記第5の態様において、処理装置が、ガスに含まれる前記第1成分を吸着する吸着材を備える第4吸着器を更に備えていてもよい。前記冷媒経路は、前記第1吸着器と前記第4吸着器を囲むように延びていてもよい。前記第4吸着器は、前記第1吸着器が前記脱離状態であるときに、前記第4吸着器に供給されるガスに含まれる前記第1成分が前記第4吸着器の吸着材に吸着される吸着状態であり、前記第1吸着器が前記吸着状態であるときに、前記第4吸着器の吸着材に吸着されている前記第1成分が前記第4吸着器に供給されるガスに脱離する脱離状態であってもよい。
【0017】
この構成によれば、冷媒経路を流れる冷媒を介して、吸着状態である吸着器と脱離状態である吸着器との間で熱交換することができる。例えば、第1吸着器が吸着状態であるときは、吸着を促進するために第1吸着器を冷却することができる。また、第1吸着器を冷却することにより冷媒に移動する熱により脱離状態である第4吸着器を加熱することもできる。その逆も同様である。これにより、吸着と脱離を促進することができ、処理装置の処理効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例の処理装置を模式的に示す図。
図2】実施例の複数の弁の状態を示す図。
図3】変形例の処理装置を模式的に示す図。
図4】他の変形例の処理装置を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(処理装置2の構成;図1
実施例の処理装置2について図面を参照して説明する。実施例の処理装置2は、複数の成分(例えば、HO(水)、CO(二酸化炭素)、及びN(窒素)等)を含む混合ガスを処理する装置である。図1に示すように、処理装置2は、第1装置4と第2装置6を備えている。また、処理装置2は、第1装置4に接続されている原料ガス供給通路10と、第1装置4に接続されている第1回収通路16と、第2装置6に接続されている第2回収通路18と、第1装置4と第2装置6に接続されている第1連絡通路12と、第1装置4と第2装置6に接続されている第2連絡通路14とを備えている。
【0020】
原料ガス供給通路10は、その上流端が原料ガスの供給源(不図示)に接続されている。原料ガス供給通路10は、原料ガスの供給源から供給される原料ガスを第1装置4に供給する。原料ガスの供給源におけるガスの圧力により第1装置4に原料ガスが供給される。原料ガス供給通路10には、原料ガスを第1装置4に圧送するポンプ(不図示)が設けられていてもよい。第1装置4に供給される原料ガスは、複数の成分を含む混合ガスである。例えば、原料ガスは、HO、CO、及びN等の成分を含んでいる。
【0021】
原料ガス供給通路10には、第1除湿器81と第2除湿器82が設けられている。第1除湿器81は、例えば、加圧式の除湿器であり、第2除湿器82は、例えば、冷凍式の除湿器である。第1除湿器81と第2除湿器82は、それぞれ、第1装置4に供給される原料ガスを除湿する。第1除湿器81と第2除湿器82によって除湿された原料ガスが第1装置4に供給される。変形例では、第1除湿器81と第2除湿器82が省略されてもよい。
【0022】
第1装置4について説明する。第1装置4は、原料ガス供給通路10を通じて供給される原料ガスを除湿するための装置である。第1装置4は、例えば、除湿塔と呼ばれることがある。第1装置4は、第1吸着器21と、第2吸着器22と、第3吸着器23とを備えている。また、第1装置4は、第1吸着器21と原料ガス供給通路10に接続されている第1供給通路31と、第2吸着器22と原料ガス供給通路10に接続されている第2供給通路32と、第3吸着器23と原料ガス供給通路10に接続されている第3供給通路33とを備えている。
【0023】
第1吸着器21は、容器21aと、容器21a内に収容されている吸着材21bとを備えている。容器21aは、ガスの入口21c及びガスの出口21dを備えている。容器21aの入口21cから容器21a内にガスが供給され、容器21aの出口21dから容器21a外にガスが排出される。
【0024】
容器21a内に収容されている吸着材21bは、容器21a内に供給されるガスに含まれる成分を吸着する能力を有している。第1吸着器21の吸着材21bは、例えば、ガスに含まれるHOを吸着する。また、第1吸着器21の吸着材21bは、例えば、ガスに含まれるCOやNを吸着してもよい。吸着材21bは、例えば、ゼオライトや活性炭等である。
【0025】
容器21a内の吸着材21bに吸着された成分(例えば、HO)は、吸着材21bからガスに脱離することもある。第1吸着器21は、容器21a内に供給されるガスに含まれる成分(例えば、HO)が吸着材21bに吸着される吸着状態と、吸着材21bに吸着されている成分(例えば、HO)が容器21a内に供給されるガスに脱離する脱離状態とに切り換え可能である。
【0026】
第1吸着器21に接続されている第1供給通路31は、その上流端が原料ガス供給通路10に接続されている。第1吸着器21の下流端が第1吸着器21の入口21cに接続されている。第1供給通路31は、原料ガス供給通路10によって第1装置4に供給される原料ガスを第1吸着器21の容器21a内に供給する。
【0027】
第1供給通路31には、第1供給通路31を開閉する第1開閉弁V1が設けられている。第1開閉弁V1は、例えば、電磁弁である。第1開閉弁V1は、開状態と閉状態に切り換え可能である。第1開閉弁V1の開状態では、第1供給通路31を通じて第1吸着器21に原料ガスが供給される。第1開閉弁V1の閉状態では、第1供給通路31を通じて第1吸着器21に原料ガスが供給されない。
【0028】
第1装置4の第2吸着器22と第3吸着器23は、第1吸着器21と同様の構成である。したがって、第2吸着器22と第3吸着器23については詳細な説明を省略する。第2吸着器22に接続されている第2供給通路32と、第3吸着器23に接続されている第3供給通路33とは、接続先以外は第1供給通路31と同様の構成である。したがって、第2供給通路32と第3供給通路33については詳細な説明を省略する。また、第2供給通路32に設けられている第2開閉弁V2と、第3供給通路33に設けられている第3開閉弁V3とは、第1供給通路31に設けられている第1開閉弁V1と同様の構成である。したがって、第2開閉弁V2と第3開閉弁V3については詳細な説明を省略する。
【0029】
第1装置4は、第1吸着器21と第2吸着器22に接続されている第1接続通路71と、第1吸着器21と第1連絡通路12に接続されている第1排出通路51と、第1吸着器21と第1回収通路16に接続されている第1脱離通路54とを更に備えている。
【0030】
第1接続通路71は、その上流端が第1吸着器21の出口21dに接続されており、下流端が第2吸着器22の入口22cに接続されている。第1接続通路71の下流端は、第2供給通路32の下流端と合流して第2吸着器22に接続されている。第1接続通路71は、第1吸着器21の容器21aから排出されるガスを、第2吸着器22の容器22a内に供給する。第1吸着器21と第2吸着器22が第1接続通路71によって直列に接続されている。
【0031】
第1接続通路71には、第1逆止弁X1が設けられている。第1逆止弁X1は、第1接続通路71の上流側(第1吸着器21側)から下流側(第2吸着器22側)にガスが流れることを許可し、第1接続通路71の下流側(第2吸着器22側)から上流側(第1吸着器21側)にガスが流れることを禁止する。
【0032】
第1排出通路51は、その上流端が第1吸着器21の出口21dに接続されており、下流端が第1連絡通路12に接続されている。第1排出通路51の上流端は、第1接続通路71の上流端と合流して第1吸着器21に接続されている。共通の通路から第1接続通路71と第1排出通路51が分岐している。第1排出通路51は、第1吸着器21の容器21aから排出されるガスを第1連絡通路12に送る。
【0033】
第1連絡通路12は、その上流端が第1装置4に接続されており、下流端が第2装置6に接続されている。第1連絡通路12は、第1吸着器21から排出されるガスを、第1装置4から第2装置6に供給する。
【0034】
第1脱離通路54は、その上流端が第1吸着器21の出口21dに接続されており、下流端が第1回収通路16に接続されている。第1脱離通路54の上流端は、第1接続通路71の上流端及び第1排出通路51の上流端と合流して第1吸着器21に接続されている。共通の通路から第1接続通路71と第1排出通路51と第1脱離通路54が分岐している。第1脱離通路54は、第1吸着器21の容器21aから排出されるガスを第1回収通路16に送る。
【0035】
第1脱離通路54には、第1脱離通路54を開閉する第7開閉弁V7が設けられている。第7開閉弁V7は、例えば、電磁弁である。第7開閉弁V7は、開状態と閉状態に切り換え可能である。第7開閉弁V7の開状態では、第1吸着器21から排出されるガスが第1脱離通路54を通じて第1回収通路16に送られる。第7開閉弁V7の閉状態では、第1脱離通路54を通じて第1回収通路16にガスが送られない。
【0036】
第1回収通路16に送られるガスは、第1回収通路16を通じて処理装置2の外部に排出される。第1回収通路16は、その下流端が外部の第1回収装置(不図示)に接続されていてもよい。第1回収通路16は、第1装置4から排出されるガスを第1回収装置に供給してもよい。これにより、第1装置4から排出されるガスを回収することができる。
【0037】
第1接続通路71と第1排出通路51と第1脱離通路54の合流部分には、第1三方弁Y1が設けられている。第1三方弁Y1は、第1接続通路71と第1排出通路51と第1脱離通路54にわたり設けられている。第1三方弁Y1は、第1状態と第2状態に切り換え可能に構成されている。第1三方弁Y1は、第1状態では、第1排出通路51を開状態にすると共に第1接続通路71及び第1脱離通路54を閉状態にする。第1状態では、第1吸着器21から排出されるガスが第1排出通路51と第1連絡通路12を通じて第2装置6に供給される。
【0038】
第1三方弁Y1は、第2状態では、第1排出通路51を閉状態にすると共に第1接続通路71及び第1脱離通路54を開状態にする。第2状態では、第2供給通路32に設けられている第2開閉弁V2が閉状態であるときは、第1吸着器21から排出されるガスが第1接続通路71を通じて第2吸着器22に供給される。また、第2状態では、第1脱離通路54に設けられている第7開閉弁V7が開状態であるときは、第1吸着器21から排出されるガスが第1脱離通路54と第1回収通路16を通じて処理装置2の外部に排出される。
【0039】
第1装置4は、更に、第2吸着器22と第3吸着器23に接続されている第2接続通路72と、第2吸着器22と第1連絡通路12に接続されている第2排出通路52と、第2吸着器22と第1回収通路16に接続されている第2脱離通路55とを備えている。また、第1装置4は、第3吸着器23と第1吸着器21に接続されている第3接続通路73と、第3吸着器23と第1連絡通路12に接続されている第3排出通路53と、第3吸着器23と第1回収通路16に接続されている第3脱離通路56とを備えている。
【0040】
第2接続通路72と第3接続通路73は、接続先以外は第1接続通路71と同様の構成である。第2排出通路52と第3排出通路53は、接続先以外は第1排出通路51と同様の構成である。また、第2脱離通路55と第3脱離通路56は、接続先以外は第1脱離通路54と同様の構成である。したがって、第2接続通路72、第3接続通路73、第2排出通路52、第3排出通路53、第2脱離通路55、及び第3脱離通路56については詳細な説明を省略する。
【0041】
また、第2接続通路72に設けられている第2逆止弁X2と、第3接続通路73に設けられている第3逆止弁X3とは、第1接続通路71に設けられている第1逆止弁X1と同様の構成である。したがって、第2逆止弁X2と第3逆止弁X3については詳細な説明を省略する。また、第2脱離通路55に設けられている第8開閉弁V8と、第3脱離通路56に設けられている第9開閉弁V9とは、第1脱離通路54に設けられている第7開閉弁V7と同様の構成である。したがって、第8開閉弁V8と第9開閉弁V9については詳細な説明を省略する。
【0042】
第2接続通路72と第2排出通路52と第2脱離通路55の合流部分には、第2三方弁Y2が設けられている。第3接続通路73と第3排出通路53と第3脱離通路56の合流部分には、第3三方弁Y3が設けられている。第2三方弁Y2と第3三方弁Y3は、第1三方弁Y1と同様の構成である。したがって、第2三方弁Y2と第3三方弁Y3については詳細な説明を省略する。
【0043】
第1装置4は、更に、第1吸着器21と第2連絡通路14に接続されている第4供給通路34と、第2吸着器22と第2連絡通路14に接続されている第5供給通路35と、第3吸着器23と第2連絡通路14に接続されている第6供給通路36とを備えている。
【0044】
第4供給通路34は、その上流端が第2連絡通路14に接続されており、下流端が第1吸着器21の入口21cに接続されている。第4供給通路34の下流端は、第1供給通路31の下流端及び第3接続通路73の下流端と合流して第1吸着器21に接続されている。第4供給通路34は、第2装置6から第2連絡通路14を通じて第1装置4に供給されるガスを、第1吸着器21の容器21a内に供給する。
【0045】
第4供給通路34には、第4供給通路34を開閉する第4開閉弁V4が設けられている。第4開閉弁V4は、例えば、電磁弁である。第4開閉弁V4は、開状態と閉状態に切り換え可能である。第4開閉弁V4の開状態では、第4供給通路34を通じて第1吸着器21にガスが供給される。第4開閉弁V4の閉状態では、第4供給通路34を通じて第1吸着器21にガスが供給されない。
【0046】
第2吸着器22に接続されている第5供給通路35と、第3吸着器23に接続されている第6供給通路36とは、接続先以外は第4供給通路34と同様の構成である。したがって、第5供給通路35と第6供給通路36については詳細な説明を省略する。また、第5供給通路35に設けられている第5開閉弁V5と、第6供給通路36に設けられている第6開閉弁V6とは、第4供給通路34に設けられている第4開閉弁V4と同様の構成である。したがって、第5開閉弁V5と第6開閉弁V6については詳細な説明を省略する。
【0047】
次に、第2装置6について説明する。第2装置6は、第1連絡通路12を通じて供給されるガスに含まれる特定の成分(例えば、CO)を吸着するための装置である。第2装置6は、例えば、吸着塔と呼ばれることがある。第2装置6は、第4吸着器24と、第5吸着器25と、第6吸着器26とを備えている。また、第2装置6は、第4吸着器24と第1連絡通路12に接続されている第7供給通路37と、第5吸着器25と第1連絡通路12に接続されている第8供給通路38と、第6吸着器26と第1連絡通路12に接続されている第9供給通路39とを備えている。
【0048】
第4吸着器24は、容器24aと、容器24a内に収容されている吸着材24bとを備えている。容器24aは、ガスの入口24c及びガスの出口24dを備えている。容器24aの入口24cから容器24a内にガスが供給され、容器24aの出口24dから容器24a外にガスが排出される。
【0049】
容器24a内に収容されている吸着材24bは、容器24a内に供給されるガスに含まれる成分を吸着する能力を有している。第4吸着器24の吸着材24bは、例えば、ガスに含まれるCOを吸着する。また、第4吸着器24の吸着材24bは、例えば、ガスに含まれるHOやNを吸着してもよい。吸着材24bは、例えば、ゼオライトや活性炭等である。第4吸着器24の吸着材24bは、第1吸着器21の吸着材21bと同じ吸着材であっても、異なる吸着材であってもよい。
【0050】
容器24a内の吸着材24bに吸着された成分(例えば、CO)は、吸着材24bから脱離することもある。第4吸着器24は、容器24a内に供給されるガスに含まれる成分(例えば、CO)が吸着材24bに吸着される吸着状態と、吸着材24bに吸着されている成分(例えば、CO)が容器24a内に供給されるガスに脱離する脱離状態とに切り換え可能である。
【0051】
第4吸着器24に接続されている第7供給通路37は、その上流端が第1連絡通路12に接続されている。第7供給通路37の下流端が第4吸着器24の入口24cに接続されている。第7供給通路37は、第1連絡通路12を通じて第1装置4から第2装置6に供給されるガスを第4吸着器24の容器24a内に供給する。
【0052】
第7供給通路37には、第7供給通路37を開閉する第10開閉弁V10が設けられている。第10開閉弁V10は、例えば、電磁弁である。第10開閉弁V10は、開状態と閉状態に切り換え可能である。第10開閉弁V10の開状態では、第7供給通路37を通じて第4吸着器24にガスが供給される。第10開閉弁V10の閉状態では、第7供給通路37を通じて第4吸着器24にガスが供給されない。
【0053】
第2装置6の第5吸着器25と第6吸着器26は、第4吸着器24と同様の構成である。したがって、第5吸着器25と第6吸着器26については詳細な説明を省略する。第5吸着器25に接続されている第8供給通路38と、第6吸着器26に接続されている第9供給通路39とは、接続先以外は第7供給通路37と同様の構成である。したがって、第8供給通路38と第9供給通路39については詳細な説明を省略する。また、第8供給通路38に設けられている第11開閉弁V11と、第9供給通路39に設けられている第12開閉弁V12とは、第7供給通路37に設けられている第10開閉弁V10と同様の構成である。したがって、第11開閉弁V11と第12開閉弁V12については詳細な説明を省略する。
【0054】
第2装置6は、第4吸着器24と第5吸着器25に接続されている第4接続通路74と、第4吸着器24と第2連絡通路14に接続されている第4排出通路64とを更に備えている。
【0055】
第4接続通路74は、その上流端が第4吸着器24の出口24dに接続されており、下流端が第5吸着器25の入口25cに接続されている。第4接続通路74の下流端は、第8供給通路38の下流端と合流して第5吸着器25に接続されている。第4接続通路74は、第4吸着器24の容器24aから排出されるガスを、第5吸着器25の容器25a内に供給する。第4吸着器24と第5吸着器25が第4接続通路74によって直列に接続されている。
【0056】
第4接続通路74には、第4逆止弁X4が設けられている。第4逆止弁X4は、第4接続通路74の上流側(第4吸着器24側)から下流側(第5吸着器25側)にガスが流れることを許可し、第4接続通路74の下流側(第5吸着器25側)から上流側(第4吸着器24側)にガスが流れることを禁止する。
【0057】
第4排出通路64は、その上流端が第4吸着器24の出口24dに接続されており、下流端が第2連絡通路14に接続されている。第4排出通路64の上流端は、第4接続通路74の上流端と合流して第4吸着器24に接続されている。共通の通路から第4接続通路74と第4排出通路64が分岐している。第4排出通路64は、第4吸着器24の容器24aから排出されるガスを第2連絡通路14に送る。
【0058】
第2連絡通路14は、その上流端が第2装置6に接続されており、下流端が第1装置4に接続されている。第2連絡通路14は、第4吸着器24から排出されるガスを、第2装置6から第1装置4に供給する。
【0059】
第4接続通路74と第4排出通路64の合流部分には、第4三方弁Y4が設けられている。第4三方弁Y4は、第4接続通路74と第4排出通路64にわたり設けられている。第4三方弁Y4は、第1状態と第2状態に切り換え可能に構成されている。第4三方弁Y4は、第1状態では、第4排出通路64を開状態にすると共に第4接続通路74を閉状態にする。第1状態では、第4吸着器24から排出されるガスが第4排出通路64と第2連絡通路14を通じて第1装置4に供給される。
【0060】
第4三方弁Y4は、第2状態では、第4排出通路64を閉状態にすると共に第4接続通路74を開状態にする。第2状態では、第8供給通路38に設けられている第11開閉弁V11が閉状態であるときは、第4吸着器24から排出されるガスが第4接続通路74を通じて第5吸着器25に供給される。
【0061】
第2装置6は、更に、第5吸着器25と第6吸着器26に接続されている第5接続通路75と、第5吸着器25と第2連絡通路14に接続されている第5排出通路65と、第6吸着器26と第4吸着器24に接続されている第6接続通路76と、第6吸着器26と第2連絡通路14に接続されている第6排出通路66とを備えている。
【0062】
第5接続通路75と第6接続通路76は、接続先以外は第4接続通路74と同様の構成である。また、第5排出通路65と第6排出通路66は、接続先以外は第4排出通路64と同様の構成である。したがって、第5接続通路75、第6接続通路76、第5排出通路65、及び第6排出通路66については詳細な説明を省略する。また、第5接続通路75に設けられている第5逆止弁X5と、第6接続通路76に設けられている第6逆止弁X6とは、第4接続通路74に設けられている第4逆止弁X4と同様の構成である。したがって、第5逆止弁X5と第6逆止弁X6については詳細な説明を省略する。
【0063】
第5接続通路75と第5排出通路65の合流部分には、第5三方弁Y5が設けられている。また、第6接続通路76と第6排出通路66の合流部分には、第6三方弁Y6が設けられている。第5三方弁Y5と第6三方弁Y6は、第4三方弁Y4と同様の構成である。したがって、第5三方弁Y5と第6三方弁Y6については詳細な説明を省略する。
【0064】
第2装置6は、更に、第4吸着器24と第2回収通路18に接続されている第1吸引通路41と、第5吸着器25と第2回収通路18に接続されている第2吸引通路42と、第6吸着器26と第2回収通路18に接続されている第3吸引通路43とを備えている。
【0065】
第1吸引通路41は、その上流端が第4吸着器24の入口24cに接続されており、下流端が第2回収通路18に接続されている。第1吸引通路41の上流端は、第7供給通路37の下流端及び第6接続通路76の下流端と合流して第4吸着器24に接続されている。第1吸引通路41は、第4吸着器24から吸引されるガスを第2回収通路18に送る。
【0066】
第1吸引通路41には、第1吸引通路41を開閉する第13開閉弁V13が設けられている。第13開閉弁V13は、例えば、電磁弁である。第13開閉弁V13は、開状態と閉状態に切り換え可能である。第13開閉弁V13の開状態では、第1吸引通路41を通じて第4吸着器24からガスが吸引される。第13開閉弁V13の閉状態では、第1吸引通路41を通じて第4吸着器24からガスが吸引されない。第4吸着器24から吸引されるガスは、第1吸引通路41を通じて第2回収通路18に送られる。
【0067】
第2回収通路18に送られるガスは、第2回収通路18を通じて外部の第2回収装置(不図示)に供給される。第2回収通路18は、その下流端が処理装置2の外部の第2回収装置(不図示)に接続されている。第2回収装置は、例えば、ガスを吸引する吸引装置(例えば、ポンプ)を備えている。第2回収通路18は、吸引装置の動作により第4吸着器24から吸引されるガスを第2回収装置に送る。これにより、特定の成分(例えば、CO)を含むガスを第2装置6から回収することができる。
【0068】
第5吸着器25に接続されている第2吸引通路42と、第6吸着器26に接続されている第3吸引通路43とは、接続先以外は第1吸引通路41と同様の構成である。したがって、第2吸引通路42と第3吸引通路43については詳細な説明を省略する。また、第2吸引通路42に設けられている第14開閉弁V14と、第3吸引通路43に設けられている第15開閉弁V15とは、第1吸引通路41に設けられている第13開閉弁V13と同様の構成である。したがって、第14開閉弁V14と第15開閉弁V15については詳細な説明を省略する。
【0069】
処理装置2は、更に、第2装置6に設けられている冷媒通路92と、冷媒通路92と第2連絡通路14にわたって設けられているポンプ90とを備えている。冷媒通路92は、第2装置6の第4吸着器24と第5吸着器25と第6吸着器26を囲むように延びている。冷媒通路92は、第4吸着器24と第5吸着器25と第6吸着器26の周りを周回している。
【0070】
ポンプ90は、例えば、ダイアフラム型の真空ポンプやターボ型の真空ポンプ等である。ポンプ90は、第2連絡通路14を通過するガスの圧力によりタービンを回転させ、その動力により冷媒通路92を流れる冷媒を圧送する。ポンプ90によって圧送された冷媒は、第4吸着器24と第5吸着器25と第6吸着器26の周りを循環する。
【0071】
冷媒通路92を流れる冷媒は、第4吸着器24と第5吸着器25と第6吸着器26を冷却又は加熱する。例えば、冷媒は、吸着状態にある吸着器(例えば、後述する第1運転状態では、第4吸着器24と第5吸着器25)を冷却する。また、冷媒は、脱離状態にある吸着器(例えば、後述する第1運転状態では、第6吸着器26)を加熱する。
【0072】
処理装置2は、更に、制御装置100を備えている。制御装置100は、例えば、CPUとメモリを備えている。制御装置100は、メモリに記憶されている所定のプログラムにしたがって所定の制御や処理を実行する。制御装置100が実行する制御や処理については後述する。
【0073】
(処理装置2の動作)
次に、処理装置2の動作について説明する。実施例の処理装置2では、制御装置100が、第1装置4の複数の弁と、第2装置6の複数の弁とを制御することにより、処理装置2の動作を制御する。実施例では、制御装置100が、第1装置4の複数の弁の動作と、第2装置6の複数の弁の動作とを同期させる。変形例では、制御装置100が、第1装置4の複数の弁の動作と、第2装置6の複数の弁の動作とを同期させなくてもよい。即ち、制御装置100が、第1装置4と第2装置6のそれぞれを独立で制御してもよい。
【0074】
(初期状態)
処理装置2の初期状態では、第1装置4の第1開閉弁V1、第2開閉弁V2、第3開閉弁V3、第4開閉弁V4、第5開閉弁V5、第6開閉弁V6、第7開閉弁V7、第8開閉弁V8、及び第9開閉弁V9が、いずれも閉状態であるとする。また、第1装置4の第1三方弁Y1、第2三方弁Y2、及び第3三方弁Y3が、いずれも第1状態であるとする。
【0075】
また、初期状態では、第2装置6の第10開閉弁V10、第11開閉弁V11、第12開閉弁V12、第13開閉弁V13、第14開閉弁V14、及び第15開閉弁V15が、いずれも閉状態であるとする。また、第2装置6の第4三方弁Y4、第5三方弁Y5、及び第6三方弁Y6が、いずれも第1状態であるとする。
【0076】
処理装置2は、制御装置100が複数の弁を制御することにより、以下に説明する第1運転状態と第2運転状態と第3運転状態を順に繰り返す。
【0077】
(第1運転状態)
まず、第1運転状態について説明する。処理装置2では、制御装置100が、所定のタイミングで処理装置2の状態を初期状態から第1運転状態に移行させる。制御装置100は、第1装置4の複数の弁と、第2装置6の複数の弁とを制御することにより処理装置2の状態を第1運転状態に移行させる。
【0078】
処理装置2の第1運転状態では、図2に示すように、第1装置4の第1開閉弁V1が開状態であり、第2開閉弁V2が閉状態であり、第3開閉弁V3が閉状態であり、第4開閉弁V4が閉状態であり、第5開閉弁V5が閉状態であり、第6開閉弁V6が開状態であり、第7開閉弁V7が閉状態であり、第8開閉弁V8が閉状態であり、第9開閉弁V9が開状態である。また、第1装置4の第1三方弁Y1が第2状態であり、第2三方弁Y2が第1状態であり、第3三方弁Y3が第2状態である。
【0079】
また、第1運転状態では、第2装置6の第10開閉弁V10が開状態であり、第11開閉弁V11が閉状態であり、第12開閉弁V12が閉状態であり、第13開閉弁V13が閉状態であり、第14開閉弁V14が閉状態であり、第15開閉弁V15が開状態である。また、第2装置6の第4三方弁Y4が第2状態であり、第5三方弁Y5が第1状態であり、第6三方弁Y6が第2状態である。
【0080】
処理装置2の第1運転状態では、第1開閉弁V1が開状態なので、原料ガス供給通路10を通じて第1装置4に供給される原料ガスが、第1供給通路31を通じて第1吸着器21に供給される。第1吸着器21に供給される原料ガスは、第1吸着器21の容器21a内を通過して出口21dから排出される。原料ガスが第1吸着器21を通過するときに、原料ガスに含まれるHOが第1吸着器21の吸着材21bに吸着される。このときの第1吸着器21は吸着状態である。
【0081】
第1吸着器21から排出されるガスは、第1三方弁Y1が第2状態なので、第1接続通路71を通じて第2吸着器22に供給される。このとき、第1接続通路71に設けられている第1逆止弁X1は開状態である。第2吸着器22に供給されるガスは、第2吸着器22の容器22a内を通過して出口22dから排出される。第2吸着器22をガスが通過するときに、ガスに含まれるHOが第2吸着器22の吸着材22bに吸着される。このときの第2吸着器22は吸着状態である。
【0082】
第2吸着器22から排出されるガスは、第1吸着器21と第2吸着器22でHOが除去されたことにより、HOをほとんど含んでいない。第2吸着器22から排出されるガスは、第2三方弁Y2が第1状態なので、第2排出通路52と第1連絡通路12を通じて第1装置4から第2装置6に供給される。
【0083】
第1連絡通路12を通じて第2装置6に供給されるガスは、第10開閉弁V10が開状態なので、第7供給通路37を通じて第4吸着器24に供給される。第4吸着器24に供給されるガスは、第4吸着器24の容器24a内を通過して出口24dから排出される。第4吸着器24をガスが通過するときに、ガスに含まれるCOが第4吸着器24の吸着材24bに吸着される。このときの第4吸着器24は吸着状態である。
【0084】
第4吸着器24から排出されるガスは、第4三方弁Y4が第2状態なので、第4接続通路74を通じて第5吸着器25に供給される。このとき、第4接続通路74に設けられている第4逆止弁X4は開状態である。第5吸着器25に供給されるガスは、第5吸着器25の容器25a内を通過して出口25dから排出される。第5吸着器25をガスが通過するときに、ガスに含まれるCOが第5吸着器25の吸着材25bに吸着される。このときの第5吸着器25は吸着状態である。
【0085】
第5吸着器25から排出されるガスは、第4吸着器24と第5吸着器25でCOが除去されたことにより、COをほとんど含んでいない。第5吸着器25から排出されるガスは、第5三方弁Y5が第1状態なので、第5排出通路65と第2連絡通路14を通じて第2装置6から第1装置4に供給される。
【0086】
第2連絡通路14を通じて第1装置4に供給されるガスは、第6開閉弁V6が開状態なので、第6供給通路36を通じて第3吸着器23に供給される。第3吸着器23に供給されるガスは、第3吸着器23の容器23a内を通過して出口23dから排出される。第3吸着器23をガスが通過するときに、第3吸着器23の吸着材23bに吸着されているHOが吸着材23bからガスに脱離する。吸着材23bから脱離したHOは、第3吸着器23の容器23a内を通過するガスに含まれて出口23dから排出される。このときの第3吸着器23は脱離状態である。第3吸着器23から排出されるガスは、第3三方弁Y3が第2状態なので、第3脱離通路56と第1回収通路16を通じて外部に排出される。
【0087】
また、処理装置2では、第2回収通路18を通じて第2装置6からガスが吸引される。第1運転状態では、第15開閉弁V15が開状態なので、第3吸引通路43を通じて第6吸着器26の容器26a内のガスが吸引される。これにより、第6吸着器26の吸着材26bに吸着されているCOが吸着材26bから脱離する。吸着材26bから脱離したCOは、容器26a内から吸引されるガスに含まれて入口26cから排出される。このときの第6吸着器26は脱離状態である。第6吸着器26から排出されるガスは、第3吸引通路43と第2回収通路18を通じて第2回収装置に回収される。これにより、特定の成分(CO)を含むガスを回収することができる。
【0088】
(第2運転状態)
次に、第2運転状態について説明する。処理装置2では、制御装置100が、所定のタイミングで処理装置2の状態を第1運転状態から第2運転状態に移行させる。制御装置100は、第1装置4の複数の弁と、第2装置6の複数の弁とを制御することにより処理装置2の状態を第2運転状態に移行させる。
【0089】
処理装置2の第2運転状態では、図2に示すように、第1装置4の第1開閉弁V1が閉状態であり、第2開閉弁V2が開状態であり、第3開閉弁V3が閉状態であり、第4開閉弁V4が開状態であり、第5開閉弁V5が閉状態であり、第6開閉弁V6が閉状態であり、第7開閉弁V7が開状態であり、第8開閉弁V8が閉状態であり、第9開閉弁V9が閉状態である。また、第1装置4の第1三方弁Y1が第2状態であり、第2三方弁Y2が第2状態であり、第3三方弁Y3が第1状態である。
【0090】
また、処理装置2の第2運転状態では、第2装置6の第10開閉弁V10が閉状態であり、第11開閉弁V11が開状態であり、第12開閉弁V12が閉状態であり、第13開閉弁V13が開状態であり、第14開閉弁V14が閉状態であり、第15開閉弁V15が閉状態である。また、第2装置6の第4三方弁Y4が第2状態であり、第5三方弁Y5が第2状態であり、第6三方弁Y6が第1状態である。
【0091】
処理装置2の第2運転状態では、第2開閉弁V2が開状態なので、原料ガス供給通路10を通じて第1装置4に供給される原料ガスが、第2供給通路32を通じて第2吸着器22に供給される。第2吸着器22に供給される原料ガスは、第2吸着器22の容器22a内を通過して出口22dから排出される。原料ガスが第2吸着器22を通過するときに、原料ガスに含まれるHOが第2吸着器22の吸着材22bに吸着される。このときの第2吸着器22は吸着状態である。
【0092】
第2吸着器22から排出されるガスは、第2三方弁Y2が第2状態なので、第2接続通路72を通じて第3吸着器23に供給される。このとき、第2接続通路72に設けられている第2逆止弁X2は開状態である。第3吸着器23に供給されるガスは、第3吸着器23の容器23a内を通過して出口23dから排出される。第3吸着器23をガスが通過するときに、ガスに含まれるHOが第3吸着器23の吸着材23bに吸着される。このときの第3吸着器23は吸着状態である。
【0093】
第3吸着器23から排出されるガスは、第2吸着器22と第3吸着器23でHOが除去されたことにより、HOをほとんど含んでいない。第3吸着器23から排出されるガスは、第3三方弁Y3が第1状態なので、第3排出通路53と第1連絡通路12を通じて第1装置4から第2装置6に供給される。
【0094】
第1連絡通路12を通じて第2装置6に供給されるガスは、第11開閉弁V11が開状態なので、第8供給通路38を通じて第5吸着器25に供給される。第5吸着器25に供給されるガスは、第5吸着器25の容器25a内を通過して出口25dから排出される。第5吸着器25をガスが通過するときに、ガスに含まれるCOが第5吸着器25の吸着材25bに吸着される。このときの第5吸着器25は吸着状態である。
【0095】
第5吸着器25から排出されるガスは、第5三方弁Y5が第2状態なので、第5接続通路75を通じて第6吸着器26に供給される。このとき、第5接続通路75に設けられている第5逆止弁X5は開状態である。第6吸着器26に供給されるガスは、第6吸着器26の容器26a内を通過して出口26dから排出される。第6吸着器26をガスが通過するときに、ガスに含まれるCOが第6吸着器26の吸着材26bに吸着される。このときの第6吸着器26は吸着状態である。
【0096】
第6吸着器26から排出されるガスは、第5吸着器25と第6吸着器26でCOが除去されたことにより、COをほとんど含んでいない。第6吸着器26から排出されるガスは、第6三方弁Y6が第1状態なので、第6排出通路66と第2連絡通路14を通じて第2装置6から第1装置4に供給される。
【0097】
第2連絡通路14を通じて第1装置4に供給されるガスは、第4開閉弁V4が開状態なので、第4供給通路34を通じて第1吸着器21に供給される。第1吸着器21に供給されるガスは、第1吸着器21の容器21a内を通過して出口21dから排出される。第1吸着器21をガスが通過するときに、第1吸着器21の吸着材21bに吸着されているHOが吸着材21bからガスに脱離する。吸着材21bから脱離したHOは、第1吸着器21の容器21a内を通過するガスに含まれて出口21dから排出される。このときの第1吸着器21は脱離状態である。第1吸着器21から排出されるガスは、第1三方弁Y1が第2状態なので、第1脱離通路54と第1回収通路16を通じて外部に排出される。
【0098】
また、処理装置2では、第2回収通路18を通じて第2装置6からガスが吸引される。第2運転状態では、第13開閉弁V13が開状態なので、第1吸引通路41を通じて第4吸着器24の容器24a内のガスが吸引される。これにより、第4吸着器24の吸着材24bに吸着されているCOが吸着材24bから脱離する。吸着材24bから脱離したCOは、容器24a内から吸引されるガスに含まれて入口24cから排出される。このときの第4吸着器24は脱離状態である。第4吸着器24から排出されるガスは、第1吸引通路41と第2回収通路18を通じて第2回収装置に回収される。これにより、特定の成分(CO)を含むガスを回収することができる。
【0099】
(第3運転状態)
次に、第3運転状態について説明する。処理装置2では、制御装置100が、所定のタイミングで処理装置2の状態を第2運転状態から第3運転状態に移行させる。制御装置100は、第1装置4の複数の弁と、第2装置6の複数の弁とを制御することにより処理装置2の状態を第3運転状態に移行させる。
【0100】
処理装置2の第3運転状態では、図2に示すように、第1装置4の第1開閉弁V1が閉状態であり、第2開閉弁V2が閉状態であり、第3開閉弁V3が開状態であり、第4開閉弁V4が閉状態であり、第5開閉弁V5が開状態であり、第6開閉弁V6が閉状態であり、第7開閉弁V7が閉状態であり、第8開閉弁V8が開状態であり、第9開閉弁V9が閉状態であるとする。また、第1装置4の第1三方弁Y1が第1状態であり、第2三方弁Y2が第2状態であり、第3三方弁Y3が第2状態であるとする。
【0101】
また、第3運転状態では、第2装置6の第10開閉弁V10が閉状態であり、第11開閉弁V11が閉状態であり、第12開閉弁V12が開状態であり、第13開閉弁V13が閉状態であり、第14開閉弁V14が開状態であり、第15開閉弁V15が閉状態であるとする。また、第2装置6の第4三方弁Y4が第1状態であり、第5三方弁Y5が第2状態であり、第6三方弁Y6が第2状態であるとする。
【0102】
処理装置2の第3運転状態では、第3開閉弁V3が開状態なので、原料ガス供給通路10を通じて第1装置4に供給される原料ガスが、第3供給通路33を通じて第3吸着器23に供給される。第3吸着器23に供給される原料ガスは、第3吸着器23の容器23a内を通過して出口23dから排出される。原料ガスが第3吸着器23を通過するときに、原料ガスに含まれるHOが第3吸着器23の吸着材23bに吸着される。このときの第3吸着器23は吸着状態である。
【0103】
第3吸着器23から排出されるガスは、第3三方弁Y3が第2状態なので、第3接続通路73を通じて第1吸着器21に供給される。このとき、第3接続通路73に設けられている第3逆止弁X3は開状態である。第1吸着器21に供給されるガスは、第1吸着器21の容器21a内を通過して出口21dから排出される。第1吸着器21をガスが通過するときに、ガスに含まれるHOが第1吸着器21の吸着材21bに吸着される。このときの第1吸着器21は吸着状態である。
【0104】
第1吸着器21から排出されるガスは、第3吸着器23と第1吸着器21でHOが除去されたことにより、HOをほとんど含んでいない。第1吸着器21から排出されるガスは、第1三方弁Y1が第1状態なので、第1排出通路51と第1連絡通路12を通じて第1装置4から第2装置6に供給される。
【0105】
第1連絡通路12を通じて第2装置6に供給されるガスは、第12開閉弁V12が開状態なので、第9供給通路39を通じて第6吸着器26に供給される。第6吸着器26に供給されるガスは、第6吸着器26の容器26a内を通過して出口26dから排出される。第6吸着器26をガスが通過するときに、ガスに含まれるCOが第6吸着器26の吸着材26bに吸着される。このときの第6吸着器26は吸着状態である。
【0106】
第6吸着器26から排出されるガスは、第6三方弁Y6が第2状態なので、第6接続通路76を通じて第4吸着器24に供給される。このとき、第6接続通路76に設けられている第6逆止弁X6は開状態である。第4吸着器24に供給されるガスは、第4吸着器24の容器24a内を通過して出口24dから排出される。第4吸着器24をガスが通過するときに、ガスに含まれるCOが第4吸着器24の吸着材24bに吸着される。このときの第4吸着器24は吸着状態である。
【0107】
第4吸着器24から排出されるガスは、第6吸着器26と第4吸着器24でCOが除去されたことにより、COをほとんど含んでいない。第4吸着器24から排出されるガスは、第4三方弁Y4が第1状態なので、第4排出通路64と第2連絡通路14を通じて第2装置6から第1装置4に供給される。
【0108】
第2連絡通路14を通じて第1装置4に供給されるガスは、第5開閉弁V5が開状態なので、第5供給通路35を通じて第2吸着器22に供給される。第2吸着器22に供給されるガスは、第2吸着器22の容器22a内を通過して出口22dから排出される。第2吸着器22をガスが通過するときに、第2吸着器22の吸着材22bに吸着されているHOが吸着材22bから脱離する。吸着材22bから脱離したHOは、第2吸着器22の容器22a内を通過するガスに含まれて出口22dから排出される。このときの第2吸着器22は脱離状態である。第2吸着器22から排出されるガスは、第2三方弁Y2が第2状態なので、第2脱離通路55と第1回収通路16を通じて外部に排出される。
【0109】
また、処理装置2では、第2回収通路18を通じて第2装置6からガスが吸引される。第3運転状態では、第14開閉弁V14が開状態なので、第2吸引通路42を通じて第5吸着器25の容器25a内のガスが吸引される。これにより、第5吸着器25の吸着材25bに吸着されているCOが吸着材25bから脱離する。吸着材25bから脱離したCOは、容器25a内から吸引されるガスに含まれて入口25cから排出される。このときの第5吸着器25は脱離状態である。第5吸着器25から排出されるガスは、第2吸引通路42と第2回収通路18を通じて第2回収装置に回収される。これにより、特定の成分(CO)を含むガスを回収することができる。
【0110】
その後、処理装置2は、制御装置100が複数の弁を制御することにより、第1運転状態と第2運転状態と第3運転状態を順に繰り返す。
【0111】
(効果)
以上、実施例について説明した。以上の説明から明らかなように、実施例の処理装置2では、第1三方弁Y1が、第1吸着器21から排出されるガスが第1排出通路51と第1連絡通路12を通じて第2装置6の吸着器(例えば、第5吸着器25、第6吸着器26)に供給される第1状態と、第1吸着器21から排出されるガスが第1脱離通路54と第1回収通路16を通じて外部に排出される第2状態と、に切り換え可能に構成されている。また、第1吸着器21は、吸着状態と脱離状態に切り換え可能に構成されている。第1吸着器21の吸着状態では、原料ガス供給通路10と第4供給通路34を通じて(又は、原料ガス供給通路10と第3供給通路33と第3吸着器23と第3接続通路73を通じて)第1吸着器21に供給されるガスに含まれるHOが第1吸着器21の吸着材21bに吸着される。第1吸着器21の脱離状態では、第1吸着器21の吸着材21bに吸着されているHOが第2連絡通路14と第4供給通路34を通じて第1吸着器21に供給されるガスに脱離する。処理装置2では、第1三方弁Y1が第1状態であるときに第1吸着器21が吸着状態であり、第1三方弁Y1が第2状態であるときに第1吸着器21が脱離状態である。
【0112】
この構成によれば、第1吸着器21を処理装置2から取り外すことなく、第1三方弁Y1の第1状態と第2状態の切り換えにより、第1吸着器21を吸着状態と脱離状態の両方で使用することができる。第1吸着器21の吸着材21bがHOを十分に吸着したときに、第1三方弁Y1を第2状態に切り換えて使用することにより、第1吸着器21を処理装置2から取り外すことなく第1吸着器21を再生処理することができる。したがって、簡潔な構成で第1吸着器21を安全に再使用可能な状態にすることができる。また、第2吸着器22及び第3吸着器23についても、同様に簡潔な構成で安全に再使用可能な状態にすることができる。
【0113】
また、処理装置2は、ガスに含まれるHOを吸着する吸着材23bを備える第3吸着器23を備えている。処理装置2の第3運転状態では、原料ガス供給通路10と第3供給通路33と第3吸着器23と第3接続通路73を通じて第1吸着器21にガスが供給される。第3運転状態では、第3吸着器23と第1吸着器21が直列で接続されており、第3吸着器23が上流側に配置され、第1吸着器21が下流側に配置されている。
【0114】
この構成によれば、ガスに含まれるHOを第3吸着器23と第1吸着器21により吸着することができる。上流側の第3吸着器23が破過したとしても、下流側の第1吸着器21でHOを吸着することができる。これにより、上流側の第3吸着器23が破過するまで使用することができる。また、上流側の第3吸着器23が破過したとしても、下流側の第1吸着器21がHOを吸着するので、HOが第2装置6の吸着器(例えば、第5吸着器25、第6吸着器26)に供給されることを抑制することができる。
【0115】
また、処理装置2は、第3吸着器23と第1吸着器21の間の第3接続通路73に設けられる第3逆止弁X3を備えている。この構成によれば、第1吸着器21側(下流側)から第3吸着器23側(上流側)にガスが流れることを抑制することができる。
【0116】
また、処理装置2は、冷媒が流れる冷媒通路92と、冷媒通路92と第2連絡通路14に設けられるポンプ90とを備えている。ポンプ90は、第2連絡通路14を通過するガスの圧力により冷媒通路92を流れる冷媒を圧送する。この構成によれば、第2連絡通路14を通過するガスの圧力を有効利用して冷媒を圧送することができる。
【0117】
冷媒通路92は、第2装置6の第4吸着器24と第5吸着器25と第6吸着器26を囲むように延びている。この構成によれば、冷媒通路92を流れる冷媒を介して、吸着状態である吸着器(例えば、第4吸着器24と第5吸着器25)と、脱離状態である吸着器(例えば、第6吸着器26)との間で熱交換することができる。即ち、冷媒を介して、吸着状態である吸着器(例えば、第4吸着器24と第5吸着器25)を冷却すると共に、脱離状態である吸着器(例えば、第6吸着器26)を加熱することができる。これにより、吸着と脱離を促進することができ、処理装置の処理効率が向上する。
【0118】
(対応関係)
ガスに含まれるHO(水)が、「第1成分」の一例であり、CO(二酸化炭素)が、「第2成分」の一例である。
【0119】
第1装置4の第1吸着器21、第2吸着器22、及び第3吸着器23が、それぞれ、「第1吸着器」の一例である。第2装置6の第4吸着器24、第5吸着器25、及び第6吸着器26が、「第2吸着器」の一例である。
【0120】
実施例の第3運転状態における原料ガス供給通路10、第3供給通路33、第3吸着器23、及び第3接続通路73が、「第1経路」の一例である。第3吸着器23が「第3吸着器」の一例である。実施例の第1運転状態における原料ガス供給通路10、第1供給通路31、第1吸着器21、及び第1接続通路71が、「第1経路」の他の一例である。第1吸着器21が「第3吸着器」の他の一例である。実施例の第2運転状態における原料ガス供給通路10、第2供給通路32、第2吸着器22、及び第2接続通路72が、「第1経路」の他の一例である。第2吸着器22が「第3吸着器」の他の一例である。
【0121】
実施例の第3運転状態における第1排出通路51と第1連絡通路12が、「第2経路」の一例である。実施例の第1運転状態における第2排出通路52と第1連絡通路12が、「第2経路」の他の一例である。実施例の第2運転状態における第3排出通路53と第1連絡通路12が、「第2経路」の他の一例である。
【0122】
実施例の第3運転状態における第2連絡通路14と第5供給通路35が、「第3経路」の一例である。実施例の第1運転状態における第2連絡通路14と第6供給通路36が、「第3経路」の他の一例である。実施例の第2運転状態における第2連絡通路14と第4供給通路34が、「第3経路」の他の一例である。
【0123】
実施例の第3運転状態における第1脱離通路54と第1回収通路16が、「第4経路」の一例である。第1運転状態における第2脱離通路55と第1回収通路16が、「第4経路」の他の一例である。第2運転状態における第3脱離通路56と第1回収通路16が、「第4経路」の他の一例である。
【0124】
(変形例)
上記の実施例では、第1装置4が3個の吸着器(第1吸着器21、第2吸着器22、及び第3吸着器23)を備えていたが、この構成に限定されない。変形例では、第1装置4が2個の吸着器(例えば、第1吸着器21、第2吸着器22)のみを備える構成であってもよい。この場合は、処理装置2の動作時に、2個の吸着器の吸着状態と脱離状態が交互に切り換わり、一方の吸着器(例えば、第1吸着器21)が吸着状態のときに、他方の吸着器(例えば、第2吸着器22)が脱離状態になる。
【0125】
また、3個の吸着器(第1吸着器21、第2吸着器22、及び第3吸着器23)のうちの1個の吸着器(例えば、第3吸着器23)が故障等で使用できない場合は、残りの2個の吸着器(例えば、第1吸着器21、第2吸着器22)のみが使用されてもよい。
【0126】
第2装置6についても同様である。即ち、上記の実施例では、第2装置6が3個の吸着器(第4吸着器24、第5吸着器25、及び第6吸着器26)を備えていたが、この構成に限定されない。変形例では、第2装置6が2個の吸着器(例えば、第4吸着器24、第5吸着器25)のみを備える構成であってもよい。この場合は、処理装置2の動作時に、2個の吸着器の吸着状態と脱離状態が交互に切り換わり、一方の吸着器(例えば、第4吸着器24)が吸着状態のときに、他方の吸着器(例えば、第5吸着器25)が脱離状態になる。
【0127】
また、3個の吸着器(第4吸着器24、第5吸着器25、及び第6吸着器26)のうちの1個の吸着器(例えば、第6吸着器26)が故障等で使用できない場合は、残りの2個の吸着器(例えば、第4吸着器24、第5吸着器25)のみが使用されてもよい。
【0128】
上記の実施例では、冷媒通路92が第4吸着器24と第5吸着器25と第6吸着器26を囲むように延びていたが、この構成に限定されない。変形例では、図3に示すように、冷媒通路92が、第1吸着器21と第2吸着器22と第3吸着器23を囲むように延びていてもよい。冷媒通路92は、第1吸着器21と第2吸着器22と第3吸着器23の周りを周回している。
【0129】
この構成によれば、冷媒通路92を流れる冷媒を介して、吸着状態である吸着器(例えば、第1吸着器21と第2吸着器22)と、脱離状態である吸着器(例えば、第3吸着器23)との間で熱交換することができる。即ち、冷媒を介して、吸着状態である吸着器(例えば、第1吸着器21と第2吸着器22)を冷却すると共に、脱離状態である吸着器(例えば、第3吸着器23)を加熱することができる。これにより、吸着と脱離を促進することができ、処理装置の処理効率が向上する。
【0130】
また、他の変形例では、冷媒通路92は、第1吸着器21、第2吸着器22、第3吸着器23、第4吸着器24、第5吸着器25、及び第6吸着器26の少なくとも1個と囲むように延びていてもよい。冷媒通路92を流れる冷媒により冷却される吸着器は特に限定されない。また、冷媒通路92を流れる冷媒により加熱される吸着器は特に限定されない。また、冷媒通路92は、冷却又は加熱の一方のみを行う構成であってもよい。
【0131】
(対応関係)
冷媒通路92が「冷媒経路」の一例であり、ポンプ90が「ポンプ」の一例である。第1装置4の第1吸着器21、第2吸着器22、第3吸着器23、第4吸着器24、第5吸着器25、又は第6吸着器26が、「第4吸着器」の一例である。
【0132】
上記の実施例では、第4供給通路34の下流端が第1吸着器21の入口21cに接続されていたが、この構成に限定されない。変形例では、図4に示すように、第4供給通路34の下流端が第1吸着器21の出口21dに接続されていてもよい。第4供給通路34の下流端は、第1接続通路71の上流端及び第1排出通路51の上流端と合流して第1吸着器21に接続されている。第1接続通路71と第1排出通路51と第4供給通路34の合流部分に第1三方弁Y1が設けられている。第1三方弁Y1は、第1状態では、第1排出通路51を開状態にすると共に第1接続通路71及び第4供給通路34を閉状態にする。第1三方弁Y1は、第2状態では、第1排出通路51を閉状態にすると共に第1接続通路71及び第4供給通路34を開状態にする。
【0133】
また、上記の実施例では、第1脱離通路54の上流端が第1吸着器21の出口21dに接続されていたが、この構成に限定されない。変形例では、図4に示すように、第1脱離通路54の上流端が第1吸着器21の入口21cに接続されていてもよい。第1脱離通路54の上流端は、第1供給通路31の下流端及び第3接続通路73の下流端と合流して第1吸着器21に接続されている。
【0134】
また、図4に示す変形例では、第5供給通路35の下流端が第2吸着器22の出口22dに接続されている。第2接続通路72と第2排出通路52と第5供給通路35の合流部分に第2三方弁Y2が設けられている。また、第2脱離通路55の上流端が第2吸着器22の入口22cに接続されている。
【0135】
また、図4に示す変形例では、第6供給通路36の下流端が第3吸着器23の出口23dに接続されている。第3接続通路73と第3排出通路53と第6供給通路36の合流部分に第3三方弁Y3が設けられている。また、第3脱離通路56の上流端が第3吸着器23の入口23cに接続されている。
【0136】
図4に示す変形例では、第1運転状態(図2参照)では、第6開閉弁V6が開状態であり、第3三方弁Y3が第2状態であるので、第2連絡通路14を通じて第1装置4に供給されるガスが、第6供給通路36を通じて第3吸着器23に供給される。第3吸着器23に供給されるガスは、第3吸着器23の容器23a内を通過して入口23cから排出される。このときの第3吸着器23は脱離状態である。第3吸着器23から排出されるガスは、第9開閉弁V9が開状態なので、第3脱離通路56と第1回収通路16を通じて外部に排出される。
【0137】
また、第2運転状態(図2参照)では、第4開閉弁V4が開状態であり、第1三方弁Y1が第2状態であるので、第2連絡通路14を通じて第1装置4に供給されるガスが、第4供給通路34を通じて第1吸着器21に供給される。第1吸着器21に供給されるガスは、第1吸着器21の容器21a内を通過して入口21cから排出される。このときの第1吸着器21は脱離状態である。第1吸着器21から排出されるガスは、第7開閉弁V7が開状態なので、第1脱離通路54と第1回収通路16を通じて外部に排出される。
【0138】
また、第3運転状態(図2参照)では、第5開閉弁V5が開状態であり、第2三方弁Y2が第2状態であるので、第2連絡通路14を通じて第1装置4に供給されるガスが、第5供給通路35を通じて第2吸着器22に供給される。第2吸着器22に供給されるガスは、第2吸着器22の容器22a内を通過して入口22cから排出される。このときの第2吸着器22は脱離状態である。第2吸着器22から排出されるガスは、第8開閉弁V8が開状態なので、第2脱離通路55と第1回収通路16を通じて外部に排出される。
【0139】
(効果)
以上、変形例について説明した。以上の説明から明らかなように、変形例の処理装置2では、第1三方弁Y1が、第1吸着器21から排出されるガスが第1排出通路51と第1連絡通路12を通じて第2装置6の吸着器(例えば、第4吸着器24、第5吸着器25)に供給される第1状態と、第2装置6の吸着器(例えば、第6吸着器26)から排出されるガスが第2連絡通路14と第4供給通路34を通じて第1吸着器21に供給される第2状態とに切り換え可能に構成されている。処理装置2では、第1三方弁Y1が第1状態であるときに第1吸着器21が吸着状態であり、第1三方弁Y1が第2状態であるときに第1吸着器21が脱離状態である。
【0140】
この構成によっても、簡潔な構成で第1吸着器21を安全に再使用可能な状態にすることができる。また、第2吸着器22及び第3吸着器23についても、同様に簡潔な構成で安全に再使用可能な状態にすることができる。
【0141】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0142】
2:処理装置、4:第1装置、6:第2装置、10:原料ガス供給通路、12:第1連絡通路、14:第2連絡通路、16:第1回収通路、18:第2回収通路、21:第1吸着器、22:第2吸着器、23:第3吸着器、24:第4吸着器、25:第5吸着器、26:第6吸着器、31:第1供給通路、32:第2供給通路、33:第3供給通路、34:第4供給通路、35:第5供給通路、36:第6供給通路、37:第7供給通路、38:第8供給通路、39:第9供給通路、41:第1吸引通路、42:第2吸引通路、43:第3吸引通路、51:第1排出通路、52:第2排出通路、53:第3排出通路、54:第1脱離通路、55:第2脱離通路、56:第3脱離通路、64:第4排出通路、65:第5排出通路、66:第6排出通路、71:第1接続通路、72:第2接続通路、73:第3接続通路、74:第4接続通路、75:第5接続通路、76:第6接続通路、81:第1除湿器、82:第2除湿器、90:ポンプ、92:冷媒通路、100:制御装置、V1:第1開閉弁、V10:第10開閉弁、V11:第11開閉弁、V12:第12開閉弁、V13:第13開閉弁、V14:第14開閉弁、V15:第15開閉弁、V2:第2開閉弁、V3:第3開閉弁、V4:第4開閉弁、V5:第5開閉弁、V6:第6開閉弁、V7:第7開閉弁、V8:第8開閉弁、V9:第9開閉弁、X1:第1逆止弁、X2:第2逆止弁、X3:第3逆止弁、X4:第4逆止弁、X5:第5逆止弁、X6:第6逆止弁、Y1:第1三方弁、Y2:第2三方弁、Y3:第3三方弁、Y4:第4三方弁、Y5:第5三方弁、Y6:第6三方弁
図1
図2
図3
図4