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特開2023-182471クレジットカードを管理するための装置、方法及びそのためのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182471
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】クレジットカードを管理するための装置、方法及びそのためのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/03 20230101AFI20231219BHJP
   G06Q 40/06 20120101ALI20231219BHJP
【FI】
G06Q40/02 300
G06Q40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096095
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】314008585
【氏名又は名称】株式会社カンム
(74)【代理人】
【識別番号】100174078
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 寛
(72)【発明者】
【氏名】八巻 渉
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB23
5L055BB57
(57)【要約】
【課題】入金した金額に応じた利用枠が設定される決済手段を管理するための方法において、新たな特典を利用者に付与することにある。
【解決手段】まず、装置100は、銀行装置120から、所定の利用期間内の入金額を取得する(S201)。装置100は、当該利用期間内のクレジットカードの利用枠を記憶しており、当該利用枠を追加する(S202)。また、装置100は、決済装置130から利用金額を取得して、当該利用期間内の利用残高に加算する(S203)。装置100は、利用者端末110から、当該クレジットカードの管理者により提供される投資ファンドへの投資金額の指定を、その募集期間内に受信し、その運用期間の開始日に、当該投資金額を投資中の額として記憶する(S204)。当該投資ファンドの償還日が当該利用期間内の利用残高の支払日と同日であり、償還金の全部又は一部が当該支払日の支払いに充当可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事前に入金した金額に応じた利用枠が設定されるクレジットカードを管理するための方法であって、
利用者による前記クレジットカードの管理者の銀行口座に対する所定の利用期間内の入金額を取得して、前記利用者の利用者識別子と関連づけて記憶された前記利用期間内の利用枠に、前記入金額に応じた金額分を追加するステップと、
前記クレジットカードの前記利用期間内の利用金額を取得して、前記利用者の利用者識別子と関連づけて記憶された前記利用期間内の利用残高を前記利用金額に応じた金額分加算するステップと、
前記利用者が用いる利用者端末から、前記管理者により提供される第1の投資ファンドへの第1の投資金額の指定を前記利用期間より前の前記第1の投資ファンドの第1の募集期間内に受信して、申込を受け付けた前記第1の投資金額を、前記第1の募集期間の後の前記第1の投資ファンドの第1の運用期間の開始日に、投資中の額として、前記利用者識別子と関連づけて記憶するステップと、
前記第1の期間より後の前記第1の投資ファンドの第1の償還日と同日の前記クレジットカードの前記利用期間内の利用残高の支払日の当日又は翌日以降に、前記第1の投資金額に応じた分配金を含む償還金の額から前記利用期間内の前記利用残高である支払額の少なくとも一部を引いた残額の全部又は一部に対する所定の処理を行うステップと
を含む。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記残額は、前記第1の投資金額に応じた分配金を含む償還金の額から前記利用期間内の前記利用残高である支払額の全額を引いた額である。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の運用期間の開始日は、前記利用期間の開始日と同日である。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記利用枠に追加される前記入金額に応じた金額分は、前記入金額を超える額である。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の方法であって、
前記所定の処理を行うステップは、前記残額の全部又は一部を含む額を、前記支払日の翌日以降に、前記管理者により提供される第2の投資ファンドに投資中の第2の投資金額の額として、前記利用者識別子と関連づけて記憶するステップを含む。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の方法であって、
前記利用者端末に、前記第2の投資ファンドの第2の募集期間であって、前記第1の償還日及び前記支払日を含む第2の募集期間内に、前記第2の投資ファンドに対する投資可能額を送信するステップをさらに含み、
前記投資可能額は、前記残額の全部又は一部を含む額である。
【請求項7】
請求項1から4のいずれかに記載の方法であって、
前記クレジットカードの前記第1の投資ファンドの第1の運用期間内であって、前記第1の償還日前の支払日に、前記第1の投資金額に前記第1のファンドの前記第1の償還日前の支払日 までの運用による分配金を加算した額の所定割合が、前記第1の償還日前の支払日における支払額の少なくとも一部となるように、前記第1の投資金額の前記所定割合を、前記利用者識別子と関連づけて記憶された前記第1の投資金額から減算するステップをさらに含む。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記所定割合は、前記第1の投資金額に前記第1のファンドの前記第1の償還日前の支払日までの運用による分配金を加算した額に対する前記第1の償還日前の支払日における支払額の全額の割合以上である。
【請求項9】
コンピュータに、事前に入金した金額に応じた利用枠が設定されるクレジットカードを管理するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
利用者による前記クレジットカードの管理者の銀行口座に対する所定の利用期間内の入金額を取得して、前記利用者の利用者識別子と関連づけて記憶された前記利用期間内の利用枠に、前記入金額に応じた金額分を追加するステップと、
前記クレジットカードの前記利用期間内の利用金額を取得して、前記利用者の利用者識別子と関連づけて記憶された前記利用期間内の利用残高を、前記利用金額に応じた金額分加算するステップと、
前記利用者が用いる利用者端末から、前記管理者により提供される第1の投資ファンドへの第1の投資金額の指定を前記利用期間より前の前記第1の投資ファンドの第1の募集期間内に受信して、申込を受け付けた前記第1の投資金額を、前記第1の募集期間の後の前記第1の投資ファンドの第1の運用期間の開始日に、投資中の額として、前記利用者識別子と関連づけて記憶するステップと、
前記第1の期間より後の前記第1の投資ファンドの第1の償還日と同日の前記クレジットカードの前記利用期間内の利用残高の支払日の当日又は翌日以降に、前記第1の投資金額に応じた分配金を含む償還金の額から前記利用期間内の前記利用残高である支払額の少なくとも一部を引いた残額の全部又は一部に対する所定の処理を行うステップと
を含む。
【請求項10】
事前に入金した金額に応じた利用枠が設定されるクレジットカードを管理するための装置であって、
利用者による前記クレジットカードの管理者の銀行口座に対する所定の利用期間内の入金額を取得して、前記利用者の利用者識別子と関連づけて記憶された前記利用期間内の利用枠に、前記入金額に応じた金額分を追加し、
前記クレジットカードの前記利用期間内の利用金額を取得して、前記利用者の利用者識別子と関連づけて記憶された前記利用期間内の利用残高を、前記利用金額に応じた金額分加算し、
前記利用者が用いる利用者端末から、前記管理者により提供される第1の投資ファンドへの第1の投資金額の指定を前記利用期間より前の前記第1の投資ファンドの第1の募集期間内に受信して、申込を受け付けた前記第1の投資金額を、前記第1の募集期間の後の前記第1の投資ファンドの第1の運用期間の開始日に、投資中の額として、前記利用者識別子と関連づけて記憶し、
前記第1の期間より後の前記第1の投資ファンドの第1の償還日と同日の前記クレジットカードの前記利用期間内の利用残高の支払日の当日又は翌日以降に、前記第1の投資金額に応じた分配金を含む償還金の額から前記利用期間内の前記利用残高である支払額の少なくとも一部を引いた残額の全部又は一部に対する所定の処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカードを管理するための装置、方法及びそのためのプログラムに関し、より詳細には、事前に入金した金額に応じた利用枠が設定されるクレジットカードを管理するための装置、方法及びそのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
決済手段にはさまざまなものがあるところ、代表的なものの1つとして、プリペイドカードが挙げられる。事前にチャージした金額に応じた利用枠を上限に安心して支払いに用いることができ、一般にカードの発行に当たっての審査もないため、広く利用されている。
【0003】
プリペイドカードの発行会社は、利用者を獲得するために各種特典を付与している。たとえば、支払金額に応じたポイントの還元は多くのプリペイドカードで行われており、還元率の高さがカードによって異なる。プリペイドカード自体は、商品又は役務の対価の支払いに用いることができ、還元されるポイントは、プリペイドカード発行会社が指定するサービス内で使用可能なものであることが多いが、現金が利用者の口座に返金されたり、プリペイドカードにチャージされたりすることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プリペイドカードは、前払式支払手段あるいは資金移動業として資金決済法の規制を受け、前払式支払手段は発行済み未使用残高の2分の1以上に相当する額を発行保証金として、資金移動業は未達債務の全額及び法令で定められる権利の実行の手続に関する費用に相当する額を履行保証金として供託することが義務づけられていることから、利用者に付与できる特典に制約が大きい。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、事前に入金した金額に応じた利用枠が設定される決済手段を管理するための装置、方法及びそのためのプログラムにおいて、新たな特典を利用者に付与することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、事前に入金した金額に応じた利用枠が設定されるクレジットカードを管理するための方法であって、利用者による前記クレジットカードの管理者の銀行口座に対する所定の利用期間内の入金額を取得して、前記利用者の利用者識別子と関連づけて記憶された前記利用期間内の利用枠に、前記入金額に応じた金額分を追加するステップと、前記クレジットカードの前記利用期間内の利用金額を取得して、前記利用者の利用者識別子と関連づけて記憶された前記利用期間内の利用残高を前記利用金額に応じた金額分加算するステップと、前記利用者が用いる利用者端末から、前記管理者により提供される第1の投資ファンドへの第1の投資金額の指定を前記利用期間より前の前記第1の投資ファンドの第1の募集期間内に受信して、申込を受け付けた前記第1の投資金額を、前記第1の募集期間の後の前記第1の投資ファンドの第1の運用期間の開始日に、投資中の額として、前記利用者識別子と関連づけて記憶するステップと、前記第1の期間より後の前記第1の投資ファンドの第1の償還日と同日の前記クレジットカードの前記利用期間内の利用残高の支払日の当日又は翌日以降に、前記第1の投資金額に応じた分配金を含む償還金の額から前記利用期間内の前記利用残高である支払額の少なくとも一部を引いた残額の全部又は一部に対する所定の処理を行うステップとを含む。
【0007】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の方法であって、前記残額は、前記第1の投資金額に応じた分配金を含む償還金の額から前記利用期間内の前記利用残高である支払額の全額を引いた額である。
【0008】
また、本発明の第3の態様は、第1の態様の方法であって、前記第1の運用期間の開始日は、前記利用期間の開始日と同日である。
【0009】
また、本発明の第4の態様は、第1の態様の方法であって、前記利用枠に追加される前記入金額に応じた金額分は、前記入金額を超える額である。
【0010】
また、本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれかの態様の方法であって、前記所定の処理を行うステップは、前記残額の全部又は一部を含む額を、前記支払日の翌日以降に、前記管理者により提供される第2の投資ファンドに投資中の第2の投資金額の額として、前記利用者識別子と関連づけて記憶するステップを含む。
【0011】
また、本発明の第6の態様は、第1から第4のいずれかの態様の方法であって、前記利用者端末に、前記第2の投資ファンドの第2の募集期間であって、前記第1の償還日及び前記支払日を含む第2の募集期間内に、前記第2の投資ファンドに対する投資可能額を送信するステップをさらに含み、前記投資可能額は、前記残額の全部又は一部を含む額である。
【0012】
また、本発明の第7の態様は、第1から第4のいずれかの態様の方法であって、前記クレジットカードの前記第1の投資ファンドの第1の運用期間内であって、前記第1の償還日前の支払日に、前記第1の投資金額に前記第1のファンドの前記第1の償還日前の支払日までの運用による分配金を加算した額の所定割合が、前記第1の償還日前の支払日における支払額の少なくとも一部となるように、前記第1の投資金額の前記所定割合を、前記利用者識別子と関連づけて記憶された前記第1の投資金額から減算するステップをさらに含む。
【0013】
また、本発明の第8の態様は、第7の態様の方法であって、前記所定割合は、前記第1の投資金額に前記第1のファンドの前記第1の償還日前の支払日までの運用による分配金を加算した額に対する前記第1の償還日前の支払日における支払額の全額の割合以上である。
【0014】
また、本発明の第9の態様は、コンピュータに、事前に入金した金額に応じた利用枠が設定されるクレジットカードを管理するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、利用者による前記クレジットカードの管理者の銀行口座に対する所定の利用期間内の入金額を取得して、前記利用者の利用者識別子と関連づけて記憶された前記利用期間内の利用枠に、前記入金額に応じた金額分を追加するステップと、前記クレジットカードの前記利用期間内の利用金額を取得して、前記利用者の利用者識別子と関連づけて記憶された前記利用期間内の利用残高を、前記利用金額に応じた金額分加算するステップと、前記利用者が用いる利用者端末から、前記管理者により提供される第1の投資ファンドへの第1の投資金額の指定を前記利用期間より前の前記第1の投資ファンドの第1の募集期間内に受信して、申込を受け付けた前記第1の投資金額を、前記第1の募集期間の後の前記第1の投資ファンドの第1の運用期間の開始日に、投資中の額として、前記利用者識別子と関連づけて記憶するステップと、前記第1の期間より後の前記第1の投資ファンドの第1の償還日と同日の前記クレジットカードの前記利用期間内の利用残高の支払日の当日又は翌日以降に、前記第1の投資金額に応じた分配金を含む償還金の額から前記利用期間内の前記利用残高である支払額の少なくとも一部を引いた残額の全部又は一部に対する所定の処理を行うステップとを含む。
【0015】
また、本発明の第10の態様は、事前に入金した金額に応じた利用枠が設定されるクレジットカードを管理するための装置であって、利用者による前記クレジットカードの管理者の銀行口座に対する所定の利用期間内の入金額を取得して、前記利用者の利用者識別子と関連づけて記憶された前記利用期間内の利用枠に、前記入金額に応じた金額分を追加し、前記クレジットカードの前記利用期間内の利用金額を取得して、前記利用者の利用者識別子と関連づけて記憶された前記利用期間内の利用残高を、前記利用金額に応じた金額分加算し、前記利用者が用いる利用者端末から、前記管理者により提供される第1の投資ファンドへの第1の投資金額の指定を前記利用期間より前の前記第1の投資ファンドの第1の募集期間内に受信して、申込を受け付けた前記第1の投資金額を、前記第1の募集期間の後の前記第1の投資ファンドの第1の運用期間の開始日に、投資中の額として、前記利用者識別子と関連づけて記憶し、前記第1の期間より後の前記第1の投資ファンドの第1の償還日と同日の前記クレジットカードの前記利用期間内の利用残高の支払日の当日又は翌日以降に、前記第1の投資金額に応じた分配金を含む償還金の額から前記利用期間内の前記利用残高である支払額の少なくとも一部を引いた残額の全部又は一部に対する所定の処理を行う。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、クレジットカードの管理者が提供する第1の投資ファンドの第1の償還日と当該クレジットカードの当該第1の償還日前の所定の利用期間内の利用残高の支払日が同一となるようにそれぞれを定めることによって、投資ファンドへの投資は一般に償還まで流動性が低下するものの、当該クレジットカードの利用者には、当該第1の投資ファンドへの投資による分配金が特典として付与されるとともに、遅滞なく、当該クレジットカードの支払いに当該第1の投資ファンドからの償還金を充当することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態にかかる、クレジットカードを管理するための装置を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態にかかる、クレジットカードを管理するための方法の流れを示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態にかかる、投資ファンドを説明するための図である。
図4】本発明の第1の実施形態にかかる、投資ファンドへの投資金額を指定するための入力画面の一例を示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態にかかる、投資ファンドへの投資を解約するための確認画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1に本発明の第1の実施形態にかかる装置を示す。装置100は、クレジットカードの利用者が用いる利用者端末110、当該クレジットカードの管理者が有する銀行口座の残高情報を保持する銀行装置120及び当該クレジットカードを使用可能な加盟店のための決済装置130とインターネット等のIPネットワークを介して通信する。当該クレジットカードは、事前に入金した金額に応じた利用枠が設定されるものであり、その利用者が当該銀行口座に入金を行った後に、装置100は、たとえば銀行装置120が提供するAPIを用いて、銀行装置120から入金額を取得することができる。
【0020】
装置100は、通信インターフェースなどの通信部101と、プロセッサ、CPU等の処理部102と、メモリ、ハードディスク等の記憶装置又は記憶媒体を含む記憶部103とを備え、各処理を行うためのプログラムを実行することによって構成することができる。装置100は、1又は複数の装置、コンピュータないしサーバを含むことがある。また、当該プログラムは、1又は複数のプログラムを含むことがあり、また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して非一過性のプログラムプロダクトとすることができる。当該プログラムは、記憶部103又は装置100からIPネットワークを介してアクセス可能なデータベース104等の記憶装置又は記憶媒体に記憶しておき、処理部102において実行することができる。以下で記憶部103に記憶されるものとして記述されるデータはデータベース104に記憶してもよく、またその逆も同様である。
【0021】
カード発行の申し込みをした利用者には、本人確認等の審査の上、管理者である発行会社より、クレジットカードが送付される。物理的なカードは存在せずに電子的なカードの提供のみとしてもよい。カードの発行を受けた利用者は、利用者端末110にアプリケーションをインストールして、装置100との間で当該クレジットカードの利用のための通信を行うことができる。専用のアプリケーションのインストールは必ずしも必要ではなく、利用者端末110上で動作するウェブブラウザにおいて、所要のデータの入力及び表示を行ってもよい。
【0022】
図2に、本発明の第1の実施形態にかかる、クレジットカードを管理するための方法の流れを示す。本発明は、利用者が事前に入金した金額に応じた利用枠を設定するとともに、所定の範囲内で投資ファンドに投資して分配金をリターンとして得ることを可能とするクレジットカードに関し、当該分配金をこれまでにない新たな特典として利用者に付与するものである。以下では、図3に示すように、例として、前年12月にカードが発行され、1月が募集期間であり、2月及び3月の2月間が運用期間である投資ファンドに利用者が投資を行い、2月にカードが支払いに利用された場合を考える。
【0023】
まず、装置100は、銀行装置120から、クレジットカードの利用者による当該クレジットカードの管理者の銀行口座に対する2月中(「利用期間」に相当)の入金額を取得する(S201)。ここで、2月中のいずれかの日付が取得日であり、2月中の当該日付までの入金額が取得されるものとする。装置100は、当該利用者の利用者識別子と関連づけて、利用期間である2月中の利用枠を記憶部103に記憶しており、当該利用枠を当該入金額に応じた金額分追加する(S202)。一例として、仮想口座と呼ばれる、利用者を識別可能な利用者ごとの入金口座を作成してこれを当該利用者に通知すれば、誰からいくらの入金があったかを自動的に取得することができる。2月より前に入金がなされていて、1月末に支払いがなければ、その入金残高に応じた利用枠が、2月中の入金前の利用枠として記憶されていることになる。
【0024】
また、利用者が当該クレジットカードを加盟店で利用すると、当該加盟店のための決済装置130から利用金額を取得して、当該利用者識別子と関連づけて記憶された2月中の利用残高を当該利用金額に応じた金額分加算する(S203)。
【0025】
また、時系列が前後し得るが、装置100は、利用者端末110から、当該クレジットカードの管理者により運用される第1の投資ファンドへの第1の投資金額の指定を、当該第1の投資ファンドの募集期間である1月中(「第1の募集期間」に相当)に受信し、必要に応じてさらに指定された当該第1の投資金額が所定の条件を満たすと判定することによって、当該第1の投資金額の投資の申込を受け付ける(図示せず)。一例として、指定された当該第1の投資金額に対応する第1の申込金額を当該利用者識別子と関連づけて記憶部103に記憶することによって、当該申込がなされたことをデータとして表すことができる。第1の投資ファンドは、上述のとおり、クレジットカードの管理者が運用するもののほかに、当該管理者以外の者が運用する投資ファンドが当該管理者を介して当該クレジットカードの利用者に提供されるものでもよい。後述する第2の投資ファンドについても同様である。
【0026】
第1の投資ファンドは、その第1の募集期間の後に所定の運用期間(「第1の運用期間」が相当)があり、当該運用期間の最終日が償還日(「第1の償還日」に相当)となる。1月中が募集期間であり、募集期間に続けて始まる運用期間が2月間である場合には、募集期間の終了日翌日である2月1日から運用期間が始まり、3月31日が償還日となる。運用期間は、月初に開始し、翌月又はそれ以降の月の月末に終了する月単位の期間とすることが例として挙げられるが、これに限るものではない。また、募集期間は、運用期間の開始日の前日以前の期間とすることができるが、募集期間の終了日と運用期間の開始日の間に2日以上の差があってもよい。ここで「償還」とは、投資ファンドに対する投資金額に応じた額を当該投資金額を投資した投資家に返還することをいい、当該投資金額に応じた額である償還金の額は、一例として、当該投資金額に当該投資金額に応じた分配金を加算した額である。
【0027】
装置100は、第1の運用期間の開始日に、申込を受け付けた当該第1の投資金額を投資中の額として当該利用者識別子と関連づけて記憶部103に記憶して(S204)、適宜当該管理者の銀行口座から第1の投資ファンドのためのファンド口座に当該第1の投資金額が移動される。当該第1の投資金額が投資中の額として当該利用者識別子と関連づけて記憶されることで、第1の投資ファンドへの投資が実行されたことがデータとして表現される。また、申込を受け付けた当該第1の投資金額を申込中の額として当該利用者識別子とあらかじめ関連づけて記憶部103に記憶しておき、第1の投資ファンドの第1の運用期間の開始日に投資中、すなわち運用中であることを表すフラグを立てることで、当該第1の投資金額が投資中の額として当該利用者識別子と関連づけられてもよい。一例として、申込テーブル及び運用テーブルを作成し、申込を受け付けた第1の投資金額が申込テーブルに追加され、第1の運用期間の開始日に同額が申込テーブルから削除されるとともに、運用テーブルに追加されるようにすればよいが、具体的な実装はこの例に限られるものではなく、利用者端末110の表示画面において、当該第1の運用期間の開始日以降は投資中の額として表示可能であり、申込が受け付けられた後であって、当該第1の運用期間の開始日前は申込中の額として表示可能であるように装置100の記憶部103又は装置100からアクセス可能な記憶装置又は記憶媒体において、データが管理されればよい。
【0028】
図2は、説明の便宜上示すものであって、上述の各工程の順序について、利用枠の追加(S202)は、入金額の取得(S201)の後である必要があるが、利用残高の加算(S203)は、利用時点での利用枠の範囲内であったのであれば、入金額の取得(S201)又は利用額の追加(S202)の前であってもよい。また、追加される利用枠は、必ずしも入金額と同額ではなく、クレジットカードの利用者に対する与信に基づいて、当該入金額に応じた当該入金額を超える額とすることが考えられる。加えて、第1の投資金額の投資(S204)には、当該第1の投資金額の投資の申込として、当該第1の投資金額の指定の受信が先行するものの、申込可能な投資金額の上限としては、さまざまな条件を設定することが考えられる。
【0029】
図4に、本発明の第1の実施形態にかかる、利用者が投資ファンドへの投資金額を指定するための入力画面の一例を示す。入力画面400は、投資金額の入力欄401を有し、投資可能額の表示領域402をさらに有してもよく、入力した投資金額に応じて予定される分配金の表示領域403をさらに有してもよい。加えて、入力画面400に入力した投資金額が投資される投資ファンドの運用期間を表示してもよい。
【0030】
また、入力画面400に示すように、投資ファンドの償還日の当日に償還金の少なくとも一部を出金するための利用者の出金口座を登録可能としてもよい。あるいは、償還金を当該出金口座に出金するのではなく、管理者の銀行口座に再度入金して、利用者の利用枠を償還金に応じて金額分追加してもよい。いずれに場合においても、償還金の投資ファンドへの再投資が可能であり、この点は後述する。
【0031】
本発明の第1の実施形態にかかるクレジットカードは、第1の投資ファンドの第1の償還日と当該クレジットカードの当該第1の償還日前の所定の利用期間内の利用残高の支払日が同一となるようにそれぞれが定められる。たとえば、第1の運用期間を月単位として、第1の償還日を第1の運用期間の最終月末日とし、当該クレジットカードの利用期間を月単位として、支払日を当該利用期間の翌月末日とすることが考えられる。ここで、当該利用期間が当該第1の償還日を含む月の前月であれば、償還日と支払日が同日となる。
【0032】
装置100は、当該クレジットカードの利用期間より後の当該第1の投資ファンドの当該第1の償還日と同日の当該クレジットカードの当該利用期間内の利用残高の支払日の翌日以降に、当該第1の投資金額に応じた分配金を含む償還金の少なくとも一部を、当該クレジットカードの管理者により運用される第2の投資ファンドに投資中の第2の投資金額として、当該利用者識別子と関連づけて記憶部103に記憶することができる(S205)。言わば、第1の投資ファンドの償還金の少なくとも一部が再投資され、再投資によって継続して資産を運用することができる。
【0033】
当該再投資は、第2の投資ファンドの第2の運用期間の開始日が第1の投資ファンドの第1の償還日の翌日であれば、第1の償還日の翌日に自動的になされてもよい。または、利用者が、第1の償還日前であって、第2の投資ファンドの第2の募集期間内に当該第2の投資ファンドへの第2の投資金額を指定して投資の申込をしたことを条件に、第1の償還日の翌日以降の当該第2の投資ファンドの第2の運用期間の開始日に再投資が自動的に実行されるようにしてもよい。
【0034】
再投資である第2の投資ファンドへの第2の投資金額の投資可能額は、一例として、当該第2の投資ファンドの募集期間(「第2の募集期間」に相当)内のその算出日を基準に、以下のように表すことができ、図4に示すように、利用者端末110に送信してその表示画面に表示することができる。
投資可能額=募集期間内の算出日における利用者による入金残高
+募集期間内の末日までに償還日が到来する償還金の額
-募集期間内の末日までに支払日が到来する利用者による支払額
【0035】
より一般には、投資可能額は、第1の投資ファンドの第1の投資金額に応じた分配金を含む償還金から当該第1の投資ファンドの第1の償還日に支払日が到来する支払額の少なくとも一部を引いた残額の全部又は一部を含む額とすることができる。
【0036】
このように、クレジットカードの管理者が運用する第1の投資ファンドの第1の償還日と当該クレジットカードの当該第1の償還日前の所定の利用期間内の利用残高の支払日が同一となるようにそれぞれを定めることによって、投資ファンドへの投資は一般に償還まで流動性が低下するものの、当該クレジットカードの利用者には、当該第1の投資ファンドへの投資による分配金が特典として付与されるとともに、遅滞なく、当該クレジットカードの支払いに当該第1の投資ファンドからの償還金を充当することができる。
【0037】
加えて、このようにすることで、再投資、出金口座への出金等、償還金の額から支払額の少なくとも一部を引いた残額の全部又は一部に対して、償還に伴うあらかじめ定めた所定の処理(以下「償還処理」とも呼ぶ。)を行うことが可能となる。償還処理に当たっては、当該第1の投資ファンドのための口座から当該クレジットカードの管理者の銀行口座に一度入金をしてもよいが、そうすることなく、適宜資金を移動するようにしてもよい。
【0038】
(第2の実施形態)
図3の例で考えると、2月に加えて1月にもクレジットカードの利用があった場合、第1の投資ファンドの第1の運用期間内である2月末に当該クレジットカードの支払日が到来する。利用者は、入金残高が不足するならば、支払日までに当該クレジットカードの管理者の銀行口座に入金を行うことができるほか、第1の投資金額の一部をいわば解約して充当することもできる。利用者は、第1の投資金額に応じた分配金を含む償還金の給付を受ける債権を有しており、その一部に基づいて支払日における支払債務と相殺するか、その一部を管理者に譲渡することで支払債務を消滅させることができ、具体的な法律構成はいずれかに限定するものではない。
【0039】
図5に、本発明の第2の実施形態にかかる、第1の投資ファンドに対する第1の投資金額の一部を解約するための確認画面である。ここでは、入金残高が0円である場合を例に説明する。第1の投資金額に第1のファンドの第1の償還日前の支払日までの運用による分配金を加算した額の所定割合が当該第1の償還日前の支払日における支払額37500円となるように、当該第1の投資金額の当該所定割合を、投資中として利用者識別子と関連づけて記憶された当該第1の投資金額から減算している。装置100は、第1の償還日に入金残高に応じて上記所定割合を算出して、支払債務を消滅させるために、第1の投資金額からその所定割合又はそれ以上を減算すればよい。
【0040】
なお、上述の実施形態において、「××のみに基づいて」、「××のみに応じて」、「××のみの場合」というように「のみ」との記載がなければ、本明細書においては、付加的な情報も考慮し得ることが想定されていることに留意されたい。また、一例として、「aの場合にbする」という記載は、明示した場合を除き、「aの場合に常にbする」こと、「aの直後にbする」ことを必ずしも意味しないことに留意されたい。また、「Aを構成する各a」という記載は、必ずしもAが複数の構成要素によって構成されることを意味するものではなく、構成要素が単数であることを含む。
【0041】
また、念のため、なんらかの方法、プログラム、端末、装置、サーバ又はシステム(以下「方法等」)において、本明細書で記述された動作と異なる動作を行う側面があるとしても、本発明の各態様は、本明細書で記述された動作のいずれかと同一の動作を対象とするものであり、本明細書で記述された動作と異なる動作が存在することは、当該方法等を本発明の各態様の範囲外とするものではないことを付言する。
【0042】
また、図2において示される「開始」及び「終了」は、一例を示すものに過ぎず、本実施形態にかかる方法が図示された手順で必ず開始され、図示された手順で必ず終了することを意味するものではない。
【符号の説明】
【0043】
100 装置
101 通信部
102 処理部
103 記憶部
110 利用者端末
120 銀行装置
130 決済装置
400 投資金額の入力画面
401 入力欄
402 投資可能額の表示領域
403 分配金の表示領域
図1
図2
図3
図4
図5