(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182473
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両システム
(51)【国際特許分類】
B60W 20/10 20160101AFI20231219BHJP
B60K 6/48 20071001ALI20231219BHJP
B60K 6/547 20071001ALI20231219BHJP
B60W 10/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B60W20/10
B60K6/48 ZHV
B60K6/547
B60W10/00 900
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096097
(22)【出願日】2022-06-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月20日~23日,3月26日~28日に、ラージ商品群技術フォーラムにて公開。
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今村 泰理
(72)【発明者】
【氏名】松尾 純太郎
(72)【発明者】
【氏名】梅津 大輔
(72)【発明者】
【氏名】岡田 光平
(72)【発明者】
【氏名】久保 純一
【テーマコード(参考)】
3D202
【Fターム(参考)】
3D202AA08
3D202AA10
3D202BB00
3D202DD11
3D202EE00
3D202EE24
3D202EE25
3D202FF01
3D202FF07
(57)【要約】
【課題】4つ以上の走行モードに切替可能なハイブリッド車両システムにおいて、モード間の切り替えを行う際の操作性を向上させる。
【解決手段】ハイブリッド車両システムは、HEVモードとEVモードとを含んだ4つ以上の複数の走行モードの間で切替可能に構成され、かつ該複数の走行モードのいずれかを択一的に選択するための一のトグルスイッチ36と、コントローラ20とを備える。コントローラ20は、トグルスイッチ36が第1方向及び第2方向への各操作を受け付ける度に、複数の走行モードを順番に選択し、HEVモードは、トグルスイッチ36が第1方向への一又は複数回の操作を受け付けたときと、トグルスイッチ36が第2方向への操作を受け付けたときとで、それぞれ異なる走行モードに変更されるように設定されているとともに、HEVモード及びEVモードは、コントローラ20によって選択される順番が連続するように設定されている
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン及びモータの両方が走行用トルクを出力するHEVモードと、モータのみが走行用トルクを出力するEVモードと、を含んだ4つ以上の複数の走行モードの間で切替可能に構成され、かつ該複数の走行モードのいずれかを択一的に選択するための一の操作部を備えたハイブリッド車両システムであって、
前記操作部と電気的に接続されたコントローラと、
前記操作部は、所定の第1方向への一又は複数回の操作と、前記第1方向とは異なる第2方向への一又は複数回の操作と、を双方とも受け付けるともに、各操作に対応した信号を前記コントローラに出力するトグルスイッチによって構成され、
前記コントローラは、前記操作部が前記第1方向及び前記第2方向への各操作を受け付ける度に、前記複数の走行モードを順番に選択し、
前記HEVモードは、前記操作部が前記第1方向への一又は複数回の操作を受け付けたときと、前記操作部が前記第2方向への一又は複数回の操作を受け付けたときとで、それぞれ異なる走行モードに変更されるように設定されているとともに、
前記HEVモード及び前記EVモードは、前記コントローラによって選択される順番が連続するように設定されている
ことを特徴とするハイブリッド車両システム。
【請求項2】
請求項1に記載されたハイブリッド車両システムにおいて、
前記複数の走行モードは、スポーツモードと、第4モードと、を含み、
前記複数の走行モードは、
前記操作部が前記第1方向への操作を受け付けたとき、前記スポーツモードから前記HEVモード、又は、前記HEVモードから前記EVモードに変更されるように、前記コントローラによって順次切り替えられる一方、
前記操作部が前記第2方向への操作を受け付けたとき、前記EVモードから前記HEVモード、又は、前記HEVモードから前記スポーツモードに変更されるように、前記コントローラによって順次切り替えられ、
前記第4モードは、前記EVモードにおいて前記操作部が前記第1方向への操作を受け付けたとき、又は、前記スポーツモードにおいて前記操作部が前記第2方向への操作を受け付けたときに、前記コントローラによって選択される
ことを特徴とするハイブリッド車両システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたハイブリッド車両システムにおいて、
前記トグルスイッチとは別体として構成され、車両起動時に前記EVモードが選択されるように設定可能な起動モード設定部を備え、
前記コントローラは、
前記起動モード設定部による非設定時には、車両起動時に、前記EVモードよりも前記HEVモードを優先して選択する一方、
前記起動モード設定部による設定時には、車両起動時に、前記HEVモードよりも前記EVモードを優先して選択する
ことを特徴とするハイブリッド車両システム。
【請求項4】
請求項3に記載されたハイブリッド車両システムにおいて、
前記起動モード設定部は、シフトレバーを挟んで前記トグルスイッチと隣接する
ことを特徴とするハイブリッド車両システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハイブリッド車両システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、エンジンの駆動力、又は、エンジン及び電動機の両方の駆動力を出力するHEVモードと、電動機のみの駆動力を出力するEVモードと、の間で切替可能なハイブリッド車両が開示されている。
【0003】
具体的に、前記特許文献1に係るハイブリッド車両は、HEVモードとEVモードの切り替えを行うためのシーソースイッチを備えている。前記特許文献1によると、そうしたシーソースイッチを設けることで、HEVモードとEVモードとの択一的な切り替えを、より一層確実に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載されているようなシーソースイッチは、前述のHEVモード及びEVモードのように、2つの走行モード間で択一的に切り替わるハイブリッド車両に適用可能である。
【0006】
しかしながら、そうしたシーソースイッチは、例えば、HEVモード及びEVモードに加えてスポーツモード及び牽引モード等が含まれるケースのように、4つ以上の走行モード間で切替可能な車両に適用することはできない。
【0007】
そこで、シーソースイッチの代わりに、いわゆるトグルスイッチを用いることが考えられるものの、各走行モードの使用頻度に鑑みると、トグルスイッチの操作性には性能向上の余地がある。
【0008】
本開示は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、4つ以上の走行モードに切替可能なハイブリッド車両システムにおいて、モード間の切り替えを行う際の操作性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、エンジン及びモータの両方が走行用トルクを出力するHEVモードと、モータのみが走行用トルクを出力するEVモードと、を含んだ4つ以上の複数の走行モードの間で切替可能に構成され、かつ該複数の走行モードのいずれかを択一的に選択するための一の操作部を備えたハイブリッド車両システムに係る。このハイブリッド車両システムは、前記操作部と電気的に接続されたコントローラと、前記操作部は、所定の第1方向への一又は複数回の操作と、前記第1方向とは異なる第2方向への一又は複数回の操作と、を双方とも受け付けるともに、各操作に対応した信号を前記コントローラに出力するトグルスイッチによって構成され、前記コントローラは、前記操作部が前記第1方向及び前記第2方向への各操作を受け付ける度に、前記複数の走行モードを順番に選択する。
【0010】
そして、本開示によれば、前記HEVモードは、前記操作部が前記第1方向への一又は複数回の操作を受け付けたときと、前記操作部が前記第2方向への一又は複数回の操作を受け付けたときとで、それぞれ異なる走行モードに変更されるように設定されているとともに、前記HEVモード及び前記EVモードは、前記コントローラによって選択される順番が連続するように設定されている。
【0011】
この構成によると、操作部としてのトグルスイッチに対する一又は複数の操作によって、HEVモードから他の3つ以上の走行モードのうちの一へと切り替えることができる。トグルスイッチを用いたことで、4つ以上の走行モードが設定されている場合であっても、操作性を損なうことなく各モードへの切替を実現することができる。
【0012】
さらに、前記構成によると、操作部が第1及び第2方向の一方への操作を受け付けたときには、走行モードは、HEVモードからEVモードに切り替わるとともに、操作部が他方への操作を受け付けたときには、走行モードは、EVモードからHEVモードに切り替わることになる。このように、操作部に対する一の操作(ワン操作)によって、HEVモードとEVモードとを相互に遷移させることができる。他の走行モードと比べて選択頻度が高いと想定されるモード間の切り替えに関し、その切り替えを行う際の操作性を向上させることができる。
【0013】
また、本開示の一態様によれば、前記複数の走行モードは、スポーツモードと、第4モードと、を含み、前記複数の走行モードは、前記操作部が前記第1方向への操作を受け付けたとき、前記スポーツモードから前記HEVモード、又は、前記HEVモードから前記EVモードに変更されるように、前記コントローラによって順次切り替えられる一方、前記操作部が前記第2方向への操作を受け付けたとき、前記EVモードから前記HEVモード、又は、前記HEVモードから前記スポーツモードに変更されるように、前記コントローラによって順次切り替えられ、前記第4モードは、前記EVモードにおいて前記操作部が前記第1方向への操作を受け付けたとき、又は、前記スポーツモードにおいて前記操作部が前記第2方向への操作を受け付けたときに、前記コントローラによって選択される、としてもよい。
【0014】
この構成によると、前記スポーツモードは、HEVモードにおいて操作部がワン操作を受け付けたときに選択されるようになっている。一方、第4モードは、HEVモードにおいて操作部が二の操作を受け付けたときに選択されるようになっている。
【0015】
このように、走行モードに応じて、HEVモードからの操作回数を異ならせることで、EVモードと同様に選択頻度が高いと想定されるスポーツモードについては、ワン操作によってHEVモードから即座に切り替えさせる一方、他の選択頻度が低いと想定される第4モードについては、ワン操作では選択されないように設定することができる。これにより、モード間の切り替えに際し、その操作性を向上させることができる。
【0016】
すなわち、トグルスイッチによって操作部を構成したことで、走行モードの選択頻度に応じて、その選択に要する操作回数を異ならせることが可能になる。そのことで、選択頻度が高い走行モードについては、よりスムースな切り替えを実現する一方、選択頻度が低い走行モードについては、誤操作による選択ミスを抑制することができる。これにより、操作部の操作性を向上させる上で有利になる。
【0017】
また、本開示の一態様によれば、前記ハイブリッド車両システムは、前記トグルスイッチとは別体として構成され、車両起動時に前記EVモードが選択されるように設定可能な起動モード設定部を備え、前記コントローラは、前記起動モード設定部による非設定時には、車両起動時に、前記EVモードよりも前記HEVモードを優先して選択する一方、前記起動モード設定部による設定時には、車両起動時に、前記HEVモードよりも前記EVモードを優先して選択する、としてもよい。
【0018】
この構成によると、車両起動時にHEVモードを起点にすることなく、EVモードからの起動を実現することができる。これにより、ドライバの要求に応じた、より柔軟な設定を行うことができる。
【0019】
また、本開示の一態様によれば、前記起動モード設定部は、シフトレバーを挟んで前記トグルスイッチと隣接する、としてもよい。
【0020】
この構成によると、起動モード設定部は、シフトレバー付近に配置されてトグルスイッチに近接することになる。起動モード設定部とトグルスイッチとを近接させることで、起動モード設定部による設定に際し、その操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本開示によれば、4つ以上の走行モードに切替可能なハイブリッド車両システムにおいて、モード間の切り替えを行う際の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、ハイブリッド車両及びその牽引状態を例示する図である。
【
図2】
図2は、ハイブリッド車両の詳細を例示する図である。
【
図3】
図3は、ハイブリッド車両の車室を例示する図である。
【
図4】
図4は、センターコンソールの構成を例示する図である。
【
図5】
図5は、第1表示装置における第2メータ表示部を例示する図である。
【
図6A】
図6Aは、第2表示装置におけるホーム画面を例示する図である。
【
図6B】
図6Bは、第2表示装置における設定画面を例示する図である。
【
図7】
図7は、ハイブリッド車両システムのブロック図である。
【
図8】
図8は、ノーマルモード及びHEVモードの設定について説明するための図である。
【
図9A】
図9Aは、走行モードの選択に関する処理を例示するフローチャートである。
【
図9B】
図9Bは、走行モードの選択に関する処理を例示するフローチャートである。
【
図9C】
図9Cは、走行モードの選択に関する処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明は例示である。
【0024】
(全体構成)
図1に、本実施形態に係る自動車1(ハイブリッド車両の一例)と、該自動車1の牽引状態を例示する。
図1に示す自動車1は、電力を利用して走行可能なハイブリッド車両である。この自動車1は、本実施形態に係るハイブリッド車両システムを構成している。また、自動車1は、前輪2F及び後輪2Rの合計4つの車輪を有している。
【0025】
自動車1は、いわゆる四輪駆動車である。四輪駆動車としての自動車1は、他の車両(被牽引車両)を牽引することができる。自動車1は、牽引を行うための連結器3を備えている。
【0026】
図1に示すように、連結器3は、自動車1の後部に配置されている。被牽引車両としてのトレーラ100は、この連結器3を介して自動車1に連結されている。
【0027】
詳しくは、連結器3は、自動車1の後部に設けられたヒッチメンバ3aと、トレーラ100の前部に設けられたカプラ3bとによって構成されている。カプラ3bは、ヒッチメンバ3aに対して連結可能に形成されている。ヒッチメンバ3aには、自動車1の牽引状態を検出するトーイングセンサ3cが設けられている。
【0028】
トーイングセンサ3cは、通電センサによって構成されている。トーイングセンサ3cは、自動車1が牽引状態にあるときにON信号を出力し、自動車1が非牽引状態(非牽引車両を牽引していない状態)にあるときにOFF信号を出力する。
【0029】
図2に、自動車1の詳細を例示する。なお、以下の記載における「前」とは、特段の記載を除き、自動車1の車体の前後方向における「前」である。同様に、「後」とは、特段の記載を除き、自動車1の車体の前後方向における「後」である。
【0030】
また、「左」及び「右」は、双方とも車幅方向に沿った方向である。特に、以下の記載における「左」とは、車体の前後方向に沿って後側から前側に向かって見たときの「左」である。同様に、「右」とは、車体の前後方向に沿って後側から前側に向かって見たときの「右」である。
【0031】
また、「上」及び「下」は、特段の記載を除き、双方とも自動車の車体の高さ方向(車高方向)に沿った方向である。
【0032】
この自動車1には、駆動源としてのエンジン4及びモータ5が搭載されている。これらが協働することで、前輪2F及び後輪2Rが駆動される。これらの駆動によって自動車1が走行する。また、モータ5は、駆動源としてだけでなく、回生時には発電機として利用することもできる。
【0033】
自動車1には、高電圧バッテリ9が搭載されている。高電圧バッテリ9からの電力供給により、モータ5は、自動車1の走行に用いられるトルクを発生させる。高電圧バッテリ9には、給電口10を介して外部電源11が接続される。高電圧バッテリ9は、外部電源11によって充電される。自動車1は、いわゆるプラグインハイブリッド車である。なお、自動車1は、給電口10を省略したハイブリッド車であってもよい。
【0034】
自動車1は、エンジン4、モータ5の他、駆動系の装置として、インバータ7、自動変速機8を備えている。自動車1はまた、制御系の装置として、コントローラ20を備えている。
【0035】
(駆動系の装置)
エンジン4は、例えば化石燃料を燃焼させる内燃機関である。エンジン4は、いわゆる4サイクルエンジンである。この自動車1では、エンジン4は、そのクランクシャフト(不図示)を車体の前後方向に向けた状態で、車幅方向の略中央部に配置されている。
【0036】
モータ5は、3相の交流によって駆動する永久磁石型の同期モータである。モータ5は、エンジン4の後方に直列に配置されている。モータ5はまた、自動変速機8の前方に直列に配置されている。エンジン4は、モータ5を介して自動変速機8と連結されている。モータ5の後端部は、自動変速機8の入力軸8aに連結されている。
【0037】
モータ5は、インバータ7を介して高電圧バッテリ9と接続されている。インバータ7は、高電圧バッテリ9から供給された直流電力を3相の交流に変換してモータ5に通電する。それにより、モータ5が回転駆動する。また、モータ5は、回生エネルギを、高電圧バッテリ9へ供給する。
【0038】
高電圧バッテリ9は、DCDCコンバータ12とも接続されている。DCDCコンバータ12は、高電圧の直流電力を12Vの低電圧の直流電力に変換して出力する。DCDCコンバータ12は、不図示の低電圧バッテリ(いわゆる鉛蓄電池)と接続されている。
【0039】
DCDCコンバータ12はまた、CAN13(Controller Area Network)とも接続されている。それにより、DCDCコンバータ12はCAN13に低電圧の直流電力を供給する。
【0040】
自動変速機8は、多段式自動変速機(いわゆるAT)である。自動変速機8はその前端部に入力軸8aを有し、その入力軸8aが、上述したようにモータ5と連結されている。自動変速機8はその後端部に、入力軸8aから独立した状態で回転する出力軸8bを有している。入力軸8aと出力軸8bとの間には、複数の遊星歯車機構、及び複数の摩擦締結要素などからなる変速機構が組み込まれている。
【0041】
図2に示すように、自動変速機8の出力軸8bは、トランスファ14に連結されている。このトランスファ14は、リアプロペラシャフト15Rとフロントプロペラシャフト15Fとに連結されている。出力軸8bを通じて出力される回転動力は、トランスファ14によってリアプロペラシャフト15Rとフロントプロペラシャフト15Fとに分配される。
【0042】
リアプロペラシャフト15Rは、車体の前後方向に延びており、リアデファレンシャルギア16Rに連結されている。このリアデファレンシャルギア16Rは、車幅方向に延びる一対のリアドライブシャフト17R,17Rに連結されている。一対のリアドライブシャフト17R,17Rは、左右の後輪2R,2Rに連結されている。リアプロペラシャフト15Rを通じて出力される回転動力は、リアデファレンシャルギア16Rで分配された後、これら一対のリアドライブシャフト17R,17Rを通じて各後輪2Rに伝達される。
【0043】
フロントプロペラシャフト15Fは、自動変速機8及びモータ5の側方を通りつつ、車体の前後方向の前方に向かって延びている。フロントプロペラシャフト15Fは、フロントデファレンシャルギア16Fに連結されている。このフロントデファレンシャルギア16Fは、車幅方向に延びる一対のフロントドライブシャフト17F,17Fに連結されている。一対のフロントドライブシャフト17F,17Fは、左右の前輪2F,2Fに連結されている。フロントプロペラシャフト15Fを通じて出力される回転動力は、フロントデファレンシャルギア16Fで分配された後、これら一対のフロントドライブシャフト17F,17Fを通じて各前輪2Fに伝達される。
【0044】
各駆動系の装置は、CAN13を介してDCDCコンバータ12に接続されたコントローラ20によって制御される。このコントローラ20は、各駆動系の装置に制御信号を入力することで、自動車1の走行を制御する。コントローラ20は、単に自動車1を走行させるばかりでなく、エンジン4及びモータ5を併用した走行と、モータ5のみを用いた走行との切り替え等、自動車1の走行モードを切り替えることもできる。
【0045】
特に本実施形態では、自動車1は、HEVモードと、EVモードと、を含んだ4つ以上の複数の走行モードの間で切替可能である。HEVモードは、Hybrid Electric Vehicleモードである。HEVモードは、エンジン4及びモータ5の両方が自動車1の走行用のトルクを出力する走行モードである。EVモードは、Electric Vehicleモードである。EVモードは、モータ5のみが自動車1の走行用のトルクを出力する走行モードである。
【0046】
なお、HEVモードは、他の走行モードと比べて多用されることが想定された走行モードである。以下の記載では、このHEVモードを「ノーマルモード」と呼称する場合がある。
【0047】
その他、複数の走行モードには、スポーツモードと、トーイングモードと、オフロードモードと、が含まれている。トーイングモード及びオフロードモードは、それぞれ、本実施形態における「第4モード」の例示である。
【0048】
スポーツモードは、ノーマルモードに比して、アクセルペダル踏込時に自動車1の目標加速度を大きくするように設定されている。また、スポーツモードは、ノーマルモードに比して、より低速側の変速段が多用されるように設定されている。スポーツモードでは、「より加速したい」というドライバのアグレッシブな意図に追従するように、各駆動系の装置が制御される。
【0049】
トーイングモードは、ノーマルモードに比して、ブレーキペダル踏込時にブレーキ力を大きくしたり、旋回初期にエンジン4の駆動トルクを大きく低減させたり、後輪2Rへのトルク配分を増加させたり、トレーラ100の横揺れを抑制するためのブレーキ力を前輪2Fに発生させたりするように設定されている。トーイングモードでは、牽引状態での自動車1の走行に適した走行が実現されるように、各駆動系の装置が制御される。
【0050】
オフロードモードは、ノーマルモードよりも高頻度、かつスポーツモードよりも低頻度で、低速側の変速段が用いられるように設定されている。また、オフロードモードは、ノーマルモードに比して、前輪2Fへのトルク配分と、後輪2Rへのトルク配分とをより均等にしたり、前輪2Fと後輪2Rとでブレーキ力がより均等に分配されたりするように設定されている。オフロードモードでは、悪路走行に対応するためにトラクション性能を高めるように、各駆動系の装置が制御される。
【0051】
それら走行モードの切替を実現すべく、自動車1は、複数の走行モードのいずれかを択一的に選択するための一の操作部を備えている。つまり、本実施形態では、複数の操作部の組み合わせではなく、単一の操作部によって走行モードの切替が実現されるようになっている。操作部は、乗員によってなされた操作に対応した電気信号を生成し、それを外部に出力する。コントローラ20は、この操作部と電気的に接続されており、操作部から入力された電気信号に基づいて、後述のように走行モードの切替を実行する。
【0052】
特に本実施形態では、前記一の操作部は、トグルスイッチ36によって構成されている。このトグルスイッチ36は、自動車1の車室30内に配置されている(車室30については、
図3を参照)。この車室30内には、走行モードに関連した他のデバイスも配置されている。
【0053】
(車室内構造)
図3に自動車1の車室30を例示する。
図4にセンターコンソール34の構成を例示する。
図3に示すように、自動車1は、車幅方向の左側にハンドル31及び運転席32が配置された左ハンドル車である。
【0054】
図3に示すように、車室30には、ダッシュボード33と、センターコンソール34と、が配置されている。ダッシュボード33は、車室30の前部に配置されている。センターコンソール34は、車幅方向の略中央部に配置されていて、運転席32の右側から前方に向かって延びている。
【0055】
ダッシュボード33及びその周辺には、乗員に情報を提供するデバイスがレイアウトされている。具体的に、
図3に示すように、ダッシュボード33の左側かつハンドル31及び運転席32の前側には、タコメータを表す画像等を表示する第1表示装置40が配置されている。また、ダッシュボード33の車幅方向中央かつセンターコンソール34の前方には、ナビゲーション画面、自動車1の設定画面等を表示する第2表示装置50が配置されている。
【0056】
一方、センターコンソール34には、セレクトレバー35等、乗員(特にドライバ)の操作を受け付ける種々のデバイスがレイアウトされている。具体的に、
図3及び
図4に示すように、センターコンソール34の上面には、シフトレバーとしてのセレクトレバー35と、前記一の操作部としてのトグルスイッチ36と、電力メータ37と、起動モード設定部としてのコマンダスイッチ38と、が配置されている。
【0057】
セレクトレバー35は、自動変速機8の変速レンジを選択するための入力デバイスである。セレクトレバー35の前方にはトグルスイッチ36及び電力メータ37が配置されている一方、セレクトレバー35の後方にはコマンダスイッチ38が配置されている。
【0058】
トグルスイッチ36及び電力メータ37は、前後方向においてセレクトレバー35と隣接しており、セレクトレバー35は、前後方向においてコマンダスイッチ38と隣接している。すなわち、本実施形態では、コマンダスイッチ38は、セレクトレバー35を挟んでトグルスイッチ36と隣接している。コマンダスイッチ38は、ハンドル31、並びに、後述の第1表示装置40及び第2表示装置50と比較して、トグルスイッチ36に近接している。
【0059】
トグルスイッチ36は、所定の第1方向への一又は複数回の操作(一回の操作、又は、複数回の操作)と、この第1方向とは異なる第2方向への一又は複数回の操作と、を双方とも受け付けるとともに、各操作に対応した信号をコントローラ20に出力するように構成されている。
図4の矢印A1に例示するように、本実施形態では、車体の前後方向の後方が、第1方向に相当する。同様に、
図4の矢印A2に例示するように、本実施形態では、車体の前後方向の前方が、第2方向に相当する。
【0060】
トグルスイッチ36は、乗員による操作を受け付けることで、第1方向及び第2方向それぞれに傾動可能となっている。例えば、トグルスイッチ36が第1方向に傾動したとき(第1方向への操作を受け付けたとき)には、その動作に対応した電気信号(第1の電気信号)がコントローラ20に入力される。同様に、トグルスイッチ36が第2方向に傾動したとき(第2方向への操作を受け付けたとき)には、その動作に対応した電気信号(第2の電気信号)がコントローラ20に入力される。
【0061】
トグルスイッチ36は、乗員による操作を受け付けていないとき(非操作時)には、非傾動位置(中立位置)に復帰するように構成されている。したがって、本実施形態に係るトグルスイッチ36は、第1方向に繰り返し傾動させたり、第2方向に繰り返し傾動させたりすることができる。また、後述のように、トグルスイッチ36の傾動に同期して、第1表示装置40中の指標47(
図5に例示する2本のライン)が移動するように構成されている。
【0062】
電力メータ37は、トグルスイッチ36の後方に隣接している。電力メータ37は、セレクトレバー35及びコマンダスイッチ38と比較して、トグルスイッチ36に近接している。電力メータ37は、高電圧バッテリ9の充電状況を表示する。電力メータ37の表示内容は、走行モードの切替について判断する際の目安となる。
【0063】
コマンダスイッチ38は、略上下方向に延びる中心軸まわりに回転可能であり、かつ前後左右に揺動可能に構成されている。コマンダスイッチ38の回転動作及び揺動に応じて、第2表示装置50が制御される。コマンダスイッチ38は、その中央部にコマンダノブ38aを有している。このコマンダノブ38aは、乗員によって押圧可能な物理ボタンとして構成されている。コマンダノブ38aを押圧することで、乗員が所望する機能等を決定することができる。
【0064】
第1表示装置40は、その少なくとも一部が所謂タコメータとして機能するように構成されており、メータ画像等を表示する表示画面を有している。この表示画面は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等によって構成されている。第1表示装置40の表示画面には、車幅方向の左側から順に、第1メータ表示部41と、第2メータ表示部(メータ表示部)42と、第3メータ表示部43と、が並んで表示されている。
【0065】
第1メータ表示部41は、エンジン冷却水の温度、燃料の残量、高電圧バッテリ9の充電状況等を表示する。第2メータ表示部42は、車速、変速レンジ、及び走行モードの選択画面を表示する。第3メータ表示部43は、エンジン4、モータ5等の出力回転数を表示する。走行モードの選択画面(走行モード表示部46)は、第1メータ表示部41又は第3メータ表示部43に表示してもよい。
【0066】
図5に、第1表示装置40における第2メータ表示部42を例示する。
図5に示すように、第2メータ表示部42には、目盛画像42aと、指針画像42bと、が表示されている。目盛画像42aは、円弧状に並んだ複数の目盛りを有している。指針画像42bは、目盛画像42aの円弧に関する径方向に沿って、針状に延びている。目盛画像42a及び指針画像42bの相対位置に基づいて、自動車1の現在の車速が示されている。
【0067】
第2メータ表示部42の下側には、現在の変速レンジを示すレンジ表示部45が設けられている。
図4に例示するように、セレクトレバー35によってDレンジが選択されていた場合には、レンジ表示部45に「D」と表示される。Pレンジ、Rレンジ又はNレンジが選択されていた場合は、それぞれ、レンジ表示部45に「P」、「R」又は「N」と表示される。
【0068】
また、目盛画像42aとレンジ表示部45との間には、現在の走行モードを表示するとともに、トグルスイッチ36の操作方向と走行モードの選択順序とを関連付けて表示する走行モード表示部46が設けられている。
図5に例示するように、第1表示装置40の走行モード表示部46には、複数の走行モードが並んで表示されている。
【0069】
詳しくは、本実施形態に係る走行モード表示部46は、トーイングモードに対応した「TOWING」という文字列と、スポーツモードに対応した「SPORTS」という文字列と、ノーマルモードに対応した「NORMAL」という文字列と、EVモードに対応した「EV」という文字列と、オフロードモードに対応した「OFF-ROAD」という文字列と、を上方から順番に表示することによって構成されている。
【0070】
走行モード表示部46は、ノーマルモードに対応した文字列を基準位置として、その上下両側に向かって、ノーマルモード以外の走行モードを並べて表示する。具体的に、ノーマルモードの上側には、スポーツモード及びトーイングモードに対応する文字列が順番に表示され、ノーマルモードの下側には、EVモード及びオフロードモードに対応する文字列が順番に表示されている。走行モード表示部46上での走行モードの並び順は、トグルスイッチ36操作時の走行モードの選択順に一致するように構成されている。
【0071】
そして、走行モード表示部46は、現在選択中の走行モード(コントローラ20によって選択されている走行モード)に対応した文字列の上下に、2本のラインを表示するように構成されている。例えばEVモードが選択されていた場合、
図4に示すように「EV」という文字列の上下にラインが表示されることになる。2本のラインは、走行モードの切替に伴って移動する。2本のラインは、現在選択中の走行モードを示す指標47として機能する。
【0072】
走行モード表示部46は、トグルスイッチ36が第1方向への操作を受け付ける度に、指標47を、第1方向に対応した第3方向に移動させる。この移動に伴って、指標47の表示位置は、トーイングモード、スポーツモード、ノーマルモード、EVモード及びオフロードモードの各々に対応した各文字列の上下に移動していくことになる。
【0073】
トグルスイッチ36を第1方向に操作したときの指標47の移動方向(第3方向)は、
図4及び
図8の矢印A3に例示するように、走行モード表示部46を正面から見たときの視界下方(車体の下方)に相当する。この移動方向は、トグルスイッチ36を上方から見下ろして視界に捉えたときの視界下方(車体の後側)に一致する。
【0074】
一方、走行モード表示部46は、トグルスイッチ36が第2方向への操作を受け付ける度に、指標47を、第2方向に対応しかつ第3方向の反対に向かう第4方向に移動させる。この移動に伴って、指標47の表示位置は、オフロードモード、EVモード、ノーマルモード、スポーツモード及びトーイングモードの各々に対応した各文字列の上下に移動していくことになる。
【0075】
トグルスイッチ36を第2方向に操作したときの指標47の移動方向(第4方向)は、
図4及び
図8の矢印A4に例示するように、走行モード表示部46を正面から見たときの視界上方(車体の上方)に相当する。この移動方向は、トグルスイッチ36を上方から見下ろしたときの視界上方(車体の前方)に一致する。
【0076】
このように、トグルスイッチ36を視界に収めたときの操作方向と、走行モード表示部46を視界に収めたときの指標47の移動方向と、が一致するように設定されている。これにより、より直感的な操作感覚をドライバに提供することができる。
【0077】
第2表示装置50は、例えば、タッチパネル式の液晶パネル又は有機ELパネルによって構成されており、乗員によるタッチ操作と、コマンダスイッチ38に対する操作と、に基づいて表示内容を変化させるように構成されている。例えばコマンダスイッチ38への操作に応じて表示内容を変化させる画面として、第2表示装置50は、自動車1の設定画面70へと遷移可能なホーム画面60を表示することができる。
【0078】
図6Aに、第2表示装置50における自動車1のホーム画面60を例示する。
図6Aに示すように、このホーム画面60には、画面左側(ホーム画面60を正面視したときの視界左側)から順に、第1ボタン61と、第2ボタン62と、第3ボタン63と、第4ボタン64と、第5ボタン65と、が表示されている。
【0079】
ここで、第1ボタン61は、各種アプリケーション画面(不図示)へと遷移させるためのGUI(Graphical User Interface)である。第2ボタン62は、エンターテイメント画面(不図示)へと遷移させるためのGUIである。第3ボタン63は、コミュニケーション画面(不図示)へと遷移させるためのGUIである。第4ボタン64は、ナビゲーション画面(不図示)へと遷移させるためのGUIである。第5ボタン65は、前記設定画面70へと遷移させるためのGUIである。
【0080】
これらの第1ボタン61~第5ボタン65は、コマンダスイッチ38を回転させることで選択可能である。ホーム画面60の画面下側には、現在選択中のボタンを示す文字列66が表示されている。所望のボタンが選択された状態でコマンダノブ38aを押圧することで、各ボタンに対応した画面へと遷移させることができる。
【0081】
なお、第1ボタン61~第5ボタン65は、第2表示装置50の画面左側から右側に向かって順番に表示されているが、各ボタンの表示態様は、
図6Aに示すものには限定されない。例えば、後述の
図6Bに示す設定画面70のように、第1ボタン61に対応する設定項目と、第2ボタン62に対応する設定項目と、第3ボタン63に対応する設定項目と、第4ボタン64に対応する設定項目と、第5ボタン65に対応する設定項目と、を画面上側から下側に向かって順番に表示してもよい。この場合、各設定項目は、コマンダスイッチ38を回転させることで、画面上側から順番に選択することができる。
【0082】
図6Bに、第2表示装置50の設定画面70を例示する。
図6Bに例示するように、この設定画面70には、例えば、「充電スケジュール」と表示された第1の設定項目71と、「EV優先モード」と表示された第2の設定項目72と、が表示されている。
【0083】
コマンダスイッチ38を操作することで第1の設定項目71を選択し、その状態でコマンダノブ38aを押圧することで、EV優先モードがONになる(例えば、図例のようにチェックボックスにマーク記号が付される)。EV優先モードがONとなったとき、コントローラ20は、自動車1の起動時に、ノーマルモードよりもEVモードを優先的に選択する。
【0084】
このように、本実施形態に係るコマンダスイッチ38は、自動車1の起動時(車両起動時)に、EVモードが選択されるように設定可能な起動モード設定部として機能している。
【0085】
(制御系の装置)
図7は、ハイブリッド車両システムのブロック図である。自動車1には、乗員の操作に応じて、エンジン4、モータ5、自動変速機8、第1表示装置40等を制御するコントローラ20が設定されている。ハイブリッド車両システムには、このコントローラ20が備えられている。コントローラ20は、プロセッサ、メモリ、インターフェース等のハードウエアと、データべース、制御プログラムなどのソフトウエアで構成されている。
【0086】
なお、
図7のハイブリッド車両システムには、1つのコントローラ20が示されているが、このコントローラ20は、駆動源(エンジン4及びモータ5)の作動を主に制御するユニット(PCM)と、自動変速機8の作動を主に制御するユニット(TCM)と、に分かれていてもよい。PCM及びTCMは、CAN13によって接続されていて、互いに電気通信可能に構成される。
【0087】
なお、第2表示装置50を制御するユニットについても、PCM及びTCMから分かれていてもよい。例えば、第2表示装置50自身が、プロセッサ、メモリ、インターフェース等を有していてもよい。第2表示装置50は、自動車1とは独立したタブレット端末としてもよい。
【0088】
ハイブリッド車両システムは、ドライバによる操作を受け付けるスイッチを備えている。そうしたスイッチとして、このハイブリッド車両システムは、前述のトグルスイッチ36及びコマンダスイッチ38に加えて、START/STOPスイッチ81を有している。START/STOPスイッチ81は、自動車1の起動時及び停止時に操作されるスイッチである。これらのスイッチは、ドライバによる操作に応じた信号をコントローラ20に入力する。
【0089】
なお、コマンダスイッチ38については、図例のように第2表示装置50を介してコントローラ20に信号を入力してもよいし、第2表示装置50を介さずにコントローラ20に信号を入力してもよい。
【0090】
ハイブリッド車両システムはまた、自動車1に関係する各種パラメータを計測するセンサ等を備えている。そうしたセンサとして、このハイブリッド車両システムは、前述のトーイングセンサ3cに加えて、SOCセンサ82を有している。SOCセンサ82は、高電圧バッテリ9の充電状態を示すSOC(State of Charge)を検知する。これらのセンサは、その検知信号をコントローラ20に入力する。
【0091】
コントローラ20は、これらのスイッチ及びセンサから入力された信号に基づいて、自動車1の起動及び停車を制御したり、自動車1の非停車時にはその走行を制御したりすることができる。
【0092】
具体的に、本実施形態に係るコントローラ20は、操作部としてトグルスイッチ36が受け付けた操作に基づいて、複数の走行モードのうちの一を選択する。コントローラ20は、そうして選択された走行モードを実現するように駆動系の装置を制御する。
【0093】
詳しくは、本実施形態に係るコントローラ20は、トグルスイッチ36が第1方向(車両後方)及び第2方向(車両前方)への各操作を受け付ける度に、複数の走行モードのうちの一を、所定の選択順にしたがって順番に選択する。
【0094】
その際、コントローラ20は、起動モード設定部としてのコマンダスイッチ38による非設定時には、車両起動時に、EVモードよりもノーマルモードを優先して選択する(ノーマルモードが起点となるように設定する)。詳細には、コマンダスイッチ38による非設定時であってかつ車両起動時にトーイングモードを選択するように設定されていない場合、コントローラ20は、車両起動時の走行モードとして、ノーマルモードを選択する。
【0095】
そして、ノーマルモードは、トグルスイッチ36が第1方向への一又は複数回の操作を受け付けたときと、トグルスイッチ36が第2方向への一又は複数回の操作を受け付けたときとで、それぞれ異なる走行モードに変更されるように設定されている。言い換えると、ノーマルモードにおいてトグルスイッチ36が第1方向に操作されたときに選択される走行モード(EVモード、オフロードモード)と、ノーマルモードにおいてトグルスイッチ36が第2方向に操作されたときに選択される走行モード(スポーツモード、トーイングモード)と、は互いに相違するように設定されている。
【0096】
例えば、ノーマルモードが選択された状態でトグルスイッチ36が第1方向に操作された場合、コントローラ20は、EVモード及びオフロードモードの順に走行モードを切り替える。
【0097】
対して、ノーマルモードが選択された状態でトグルスイッチ36が第2方向に操作された場合、コントローラ20は、スポーツモード及びトーイングモードの順に走行モードを切り替える。
【0098】
一方、コントローラ20は、起動モード設定部としてのコマンダスイッチ38による設定時(
図6Bに示す第2の設定項目72にチェックマークが付されている時)には、車両起動時に、ノーマルモードよりもEVモードを優先して選択する(EVモードが起点となるように設定される)。詳細には、コマンダスイッチ38による設定時であってかつ車両起動時にトーイングモードを選択するように設定されていない場合、コントローラ20は、車両起動時の走行モードとして、EVモードを選択する。
【0099】
例えば、EVモードが選択された状態でトグルスイッチ36が第1方向に操作された場合、コントローラ20は、EVモードからオフロードモードに走行モードを切り替える。
【0100】
対して、EVモードが選択された状態でトグルスイッチ36が第2方向に操作された場合、コントローラ20は、ノーマルモード、スポーツモード及びトーイングモードの順に走行モードを切り替える。
【0101】
また、車両起動時にトーイングモードを選択するように設定されている場合、コントローラ20は、車両起動時の走行モードとして、トーイングモードを選択する。その他、車両走行中の場合、コントローラ20は、現在選択中の走行モードを起点として、他の走行モードに順次切り替えるように構成されている。
【0102】
すなわち、本実施形態では、複数の走行モードは、トグルスイッチ36が第1方向への操作を受け付けたとき、スポーツモードからノーマルモード、ノーマルモードからEVモード、又は、EVモードからオフロードモードに変更されるように、コントローラ20によって順次切り替えられる。
【0103】
同様に、複数の走行モードは、トグルスイッチ36が第2方向への操作を受け付けたとき、オフロードモードからEVモード、EVモードからノーマルモード、ノーマルモードからスポーツモード、又は、スポーツモードからトーイングモードに変更されるように、コントローラ20によって順次切り替えられる。
【0104】
このように、第4モードとしてのオフロードモードは、EVモードにおいてトグルスイッチ36が第1方向への一の操作を受け付けたときに選択される。同じく第4モードとしてのトーイングモードは、スポーツモードにおいてトグルスイッチ36が第2方向への一の操作を受け付けたときに選択される。
【0105】
また、トグルスイッチ36を介した走行モードの切替に伴って、走行モード表示部46における表示内容も変化する。例えば、コントローラ20は、起動モード設定部としてのコマンダスイッチ38による非設定時の車両起動時には、上述したように、EVモードよりもノーマルモードを優先して選択する(ノーマルモードが起点となるように設定される)。この場合、走行モード表示部46は、
図8の上段に示す内容を表示する。
【0106】
そのノーマルモードにおいてトグルスイッチ36が第1方向(車両後方)への一の操作を受け付けると、コントローラ20は、走行モードをノーマルモードからEVモードに切り替える。その切替に伴って、走行モード表示部46における表示内容は、
図8の上段から下段に向かって遷移する。この遷移によって、指標47が第3方向(矢印A3を参照)に一段分(一走行モード分)だけ移動する。
【0107】
その後、EVモードにおいてトグルスイッチ36が第1方向への一の操作を受け付けると、コントローラ20は、走行モードをEVモードからオフロードモードに切り替える。それとは反対に、EVモードにおいてトグルスイッチ36が第2方向への一の操作を受け付けると、コントローラ20は、走行モードをEVモードからノーマルモードに戻す。
【0108】
上述のようにノーマルモードとEVモードの選択順を連続させるように設定したことで、以下の如き走行モードの切替が実現される。すなわち、コントローラ20は、ノーマルモードにおいてトグルスイッチ36が第1方向への一の操作を受け付けたときには、ノーマルモードからEVモードへと切り替える。また、コントローラ20は、EVモードにおいてトグルスイッチ36が第2方向への一の操作が受け付けたときには、EVモードからノーマルモードへと切り替える。
【0109】
このように、本実施形態に係るノーマルモード及びEVモードは、コントローラ20によって選択される順番が連続するように設定されている。
【0110】
詳細には、ノーマルモードとEVモードとは、トグルスイッチ36に対する一の操作によって、互いに移り変わるように設定されている。その設定に対応するように、走行モード表示部46におけるノーマルモードの選択位置と、EVモードの選択位置も、指標47の移動方向(第3方向及び第4方向)において隣接するように設定されている。
【0111】
以下、走行モードの選択に関する処理について詳細に説明する。
【0112】
(走行モードの選択に関する処理)
図9A、
図9B及び
図9Cは、それぞれ、走行モードの選択に関する処理を例示するフローチャートである。自動車1が起動すると、コントローラ20は、制御プロセスを、
図9AのステップS1に進める。このステップS1において、コントローラ20は、各種センサ及びスイッチからの電気信号を読み込む。
【0113】
続くステップS2において、コントローラ20は、トーイングセンサ3cからON信号が出力されていて、かつ、前回停車時にトーイングモードが選択されていたか否かを判定する。ステップS2の判定がYESの場合、制御プロセスはステップS3に進む。一方、ステップS2の判定がNOの場合、制御プロセスはステップS6に進む。
【0114】
ステップS3において、コントローラ20は、走行モードとしてトーイングモードを選択する。続くステップS4は、トーイングモードでの走行中に判定される処理である。
【0115】
具体的に、ステップS4において、コントローラ20は、トグルスイッチ36が一の操作を受け付けたか否かを判定する。この判定がNOの場合、つまり、トーイングモードでの走行中にトグルスイッチ36が未操作の場合、コントローラ20は、制御プロセスをステップS4に戻す。この場合、コントローラ20は、トーイングモードでの走行を継続する。一方、ステップS4の判定がYESの場合、つまり、トーイングモードでの走行中にトグルスイッチ36が操作を受け付けた場合、コントローラ20は、制御プロセスをステップS5に進める。
【0116】
ステップS5において、コントローラ20は、トグルスイッチ36の操作方向を判定する。その操作方向が第1方向(車体後方)の場合(ステップS5:YES)、コントローラ20は、制御プロセスを、
図9BのステップS13に進める。
【0117】
一方、ステップS5において、トグルスイッチ36の操作方向が第2方向(車体前方)の場合(ステップS5:NO)、コントローラ20は、制御プロセスをステップS4に戻す。つまり、トーイングモードにおいてトグルスイッチ36が第2方向に操作された場合、走行モードの切替は行われないようになっている。
【0118】
図9BのステップS13において、コントローラ20は、走行モードとしてスポーツモードを選択する。続くステップS14は、スポーツモードでの走行中に判定される処理である。
【0119】
具体的に、ステップS14において、コントローラ20は、トグルスイッチ36が一の操作を受け付けたか否かを判定する。この判定がNOの場合、つまり、スポーツモードでの走行中にトグルスイッチ36が未操作の場合、制御プロセスはステップS14を繰り返す。この場合、コントローラ20は、スポーツモードでの走行を継続する。一方、ステップS14の判定がYESの場合、つまり、スポーツモードでの走行中にトグルスイッチ36が操作を受け付けた場合、コントローラ20は、制御プロセスをステップS15に進める。
【0120】
ステップS15において、コントローラ20は、トグルスイッチ36の操作方向を判定する。判定された操作方向が第2方向の場合(ステップS15:YES)、コントローラ20は、制御プロセスを、
図9BのステップS13に進める。この場合、制御プロセスは、前述のステップS3に戻る。自動車1は、スモーツモードでの走行から、トーイングモードでの走行に戻る。
【0121】
一方、ステップS15において判定された操作方向が第1方向の場合(ステップS15:NO)、コントローラ20は、制御プロセスを、
図9AのステップS10に進める。この場合、後述のように、ノーマルモードが選択されるとともに、そのノーマルモードでの走行が実行される。
【0122】
対して、ステップS2の判定がNOの場合に進むステップS6において、コントローラ20は、コマンダノブ38aが事前に受け付けた操作に基づいて、車両起動時にEVモードが選択されるように設定されているか否かを判定する。この判定がNOの場合(コマンダノブ38aによる非設定時)、コントローラ20は、制御プロセスをステップS10に進める。この場合、後述のように、コントローラ20は、車両起動時に、EVモードよりもノーマルモードを優先して選択することになる。
【0123】
一方、ステップS6の判定がNOの場合(コマンダノブ38aよる設定時)、コントローラ20は、制御プロセスをステップS7に進める。この場合、コントローラ20は、車両起動時に、ノーマルモードよりもEVモードを優先して選択することになる。
【0124】
詳しくは、ステップS6から続くステップS7において、コントローラ20は、走行モードとしてEVモードを選択する。続くステップS8は、EVモードでの走行中に判定される処理である。
【0125】
具体的に、ステップS8において、コントローラ20は、トグルスイッチ36が一の操作を受け付けたか否かを判定する。この判定がNOの場合、つまり、EVモードでの走行中にトグルスイッチ36が未操作の場合、コントローラ20は、制御プロセスをステップS8に戻す。この場合、コントローラ20は、EVモードでの走行を継続する。一方、ステップS8の判定がYESの場合、つまり、EVモードでの走行中にトグルスイッチ36が操作を受け付けた場合、コントローラ20は、制御プロセスをステップS9に進める。
【0126】
ステップS9において、コントローラ20は、トグルスイッチ36の操作方向を判定する。判定された操作方向が第1方向の場合(ステップS9:YES)、コントローラ20は、制御プロセスを、
図9CのステップS16に進める。この場合、自動車1は、EVモードでの走行から、オフロードモードでの走行に戻る。
【0127】
一方、ステップS9において判定された操作方向が第2方向の場合(ステップS9:NO)、コントローラ20は、制御プロセスを、
図9AのステップS10に進める。この場合、後述のように、ノーマルモードが選択されるとともに、そのノーマルモードでの走行が実行される。
【0128】
図9CのステップS16において、コントローラ20は、走行モードとしてオフロードモードを選択する。続くステップS17は、オフロードモードでの走行中に判定される処理である。
【0129】
具体的に、ステップS17において、コントローラ20は、トグルスイッチ36が一の操作を受け付けたか否かを判定する。この判定がNOの場合、つまり、オフロードモードでの走行中にトグルスイッチ36が未操作の場合、制御プロセスはステップS17を繰り返す。この場合、コントローラ20は、オフロードモードでの走行を継続する。一方、ステップS17の判定がYESの場合、つまり、オフロードモードでの走行中にトグルスイッチ36が操作を受け付けた場合、コントローラ20は、制御プロセスをステップS18に進める。
【0130】
ステップS18において、コントローラ20は、トグルスイッチ36の操作方向を判定する。判定された操作方向が第1方向の場合(ステップS18:YES)、コントローラ20は、制御プロセスを、
図9AのステップS7に戻す。この場合、自動車1は、オフロードモードでの走行から、EVモードでの走行に戻る。
【0131】
一方、ステップS18において判定された操作方向が第2方向の場合(ステップS18:NO)、コントローラ20は、制御プロセスを、
図9CのステップS17に戻す。つまり、オフロードモードにおいてトグルスイッチ36が第1方向に操作された場合、走行モードの切替は行われないようになっている。
【0132】
また、ステップS6での判定がNOの場合、ステップS9での判定がNOの場合、及び、ステップS15での判定がNOの場合に進むステップS10では、コントローラ20は、走行モードとしてノーマルモードを選択する。続くステップS11は、ノーマルモードでの走行中に判定される処理である。
【0133】
具体的に、ステップS11において、コントローラ20は、トグルスイッチ36が一の操作を受け付けたか否かを判定する。この判定がNOの場合、つまり、オフロードモードでの走行中にトグルスイッチ36が未操作の場合、制御プロセスはステップS11を繰り返す。この場合、コントローラ20は、ノーマルモードでの走行を継続する。一方、ステップS11の判定がYESの場合、つまり、ノーマルモードでの走行中にトグルスイッチ36が操作を受け付けた場合、コントローラ20は、制御プロセスをステップS12に進める。
【0134】
ステップS12において、コントローラ20は、トグルスイッチ36の操作方向を判定する。判定された操作方向が第1方向の場合(ステップS12:YES)、コントローラ20は、制御プロセスを、前述のステップS7に進める。この場合、走行モードは、ノーマルモードからEVモードに切り替えられることになる。
【0135】
一方、ステップS12において判定された操作方向が第2方向の場合(ステップS12:NO)、コントローラ20は、制御プロセスを、前述のステップS13に進める。つまり、ノーマルモードにおいてトグルスイッチ36が第2方向に操作された場合、走行モードは、ノーマルモードからスポーツモードに切り替えられることになる。
【0136】
(走行モードの選択順序について)
以上説明したように、本実施形態では、操作部としてのトグルスイッチ36に対する一又は複数の操作によって、HEVモードから他の3つ以上の走行モードへと切り替えることができる。トグルスイッチ36を用いたことで、4つ以上の走行モードが設定されている場合であっても、操作性を損なうことなく各モードへの切替を実現することができる。
【0137】
さらに、
図8に例示したように、トグルスイッチ36が第1及び第2方向の一方への操作を受け付けたときには、走行モードは、HEVモードからEVモードに切り替わるとともに、トグルスイッチ36が他方への操作を受け付けたときには、走行モードは、EVモードからHEVモードに切り替わることになる。このように、トグルスイッチ36に対する一の操作(ワン操作)によって、HEVモードとEVモードとを相互に遷移させることができる。他の走行モードと比べて選択頻度が高いと想定されるモード間の切り替えに関し、その切り替えを行う際の操作性を向上させることができる。
【0138】
また、
図8及び
図9A~
図9Cに例示したように、スポーツモードは、HEVモードにおいてトグルスイッチ36がワン操作を受け付けたときに選択されるようになっている。一方、第4モードとしてのトーイングモード及びオフロードモードは、HEVモードにおいてトグルスイッチ36が二の操作を受け付けたときに選択されるようになっている。
【0139】
このように、走行モードに応じて、HEVモードからの操作回数を異ならせることで、EVモードと同様に選択頻度が高いと想定されるスポーツモードについては、ワン操作によってHEVモードから即座に切り替えさせる一方、他の選択頻度が低いと想定される第4モードについては、ワン操作では選択されないように設定することができる。これにより、モード間の切り替えに際し、その操作性を向上させる上で有利になる。
【0140】
すなわち、トグルスイッチ36によって操作部を構成したことで、走行モードの選択頻度に応じて、その選択に要する操作回数を異ならせることが可能になる。そのことで、選択頻度が高い走行モードについては、よりスムースな切り替えを実現する一方、選択頻度が低い走行モードについては、誤操作による選択ミスを抑制することができる。これにより、操作部の操作性を向上させる上で有利になる。
【0141】
また、
図4に例示したように、コマンダスイッチ38を起動モード設定部に用いることで、車両起動時にHEVモードを起点にすることなく、EVモードからの起動を実現することができる。これにより、ドライバの要求に応じた、より柔軟な設定を行うことができる。
【0142】
また、
図4に例示したように、コマンダスイッチ38は、ハンドル31、第1表示装置40及び第2表示装置50と比較して、トグルスイッチ36に近接するように配置されることになる。コマンダスイッチ38とトグルスイッチ36とを近接させることで、コマンダスイッチ38による車両起動時の設定に際し、その操作性を向上させることができる。
【0143】
<他の実施形態>
本開示の少なくとも一部は、二輪駆動車に適用することもできる。
【0144】
また、走行モード表示部46の表示態様は、
図5に例示した態様に限定されない。例えば、走行モードをリール状に表示するとともに、トグルスイッチ36の操作方向に応じてそのリールを回転させることで、現在選択中の走行モードを第1表示装置40に表示してもよい。
【0145】
また、第2メータ表示部42の表示態様は、
図5に例示した態様に限定されない。例えば、第1表示装置40は、トグルスイッチ36の操作時に、走行モード表示部46を一時的に表示してもよい。
【0146】
図10A、
図10B及び
図10Cは、第2メータ表示部42の変形例を示す
図5対応図である。ここで、ノーマルモードでの走行中にトグルスイッチ36が操作されて、ノーマルモードからEVモードに切り替えられたものとする。
【0147】
変形例に係る第2メータ表示部42’は、自動車1の走行中(例えばノーマルモードでの走行中)、走行モード表示部46を表示する代わりに、自動車1の車速を示す速度情報42cを表示する(
図10A参照)。このように、第2メータ表示部42’は、自動車1の走行中、走行モード表示部46を非表示とする。
【0148】
その後、自動車1の走行中にトグルスイッチ36が操作されると、第2メータ表示部42’は、速度情報42cの表示位置を画面上側に変更するとともに、走行モード表示部46と、トグルスイッチ36を介して選択された走行モードをイメージした車両画像48と、を追加で表示する(
図10B参照)。その際、第2メータ表示部42’は、
図10Bに例示するように、目盛画像42a及び指針画像42bを非表示としてもよい。
【0149】
例えば、ノーマルモードでの走行中にEVモードが選択された場合、第2メータ表示部42’上では、「EV」の文字列の位置に指標47を移動させた走行モード表示部46と、EVモードをイメージした車両画像48が表示される。ここで、第2メータ表示部42’は、走行モード毎に車両画像48の色彩を異ならせてもよいし、牽引状態のイメージ画像(例えば、
図1のイメージ)等、各走行モードを特徴付けるイメージ画像を車両画像48として表示してもよい。
【0150】
なお、走行モード表示部46及び車両画像48の表示中にトグルスイッチ36をさらに操作することで、その操作によって選択された走行モードに基づいて、指標47の表示位置と、車両画像48の表示内容とを変更してもよい。
【0151】
その後、トグルスイッチ36が操作されてから所定時間(例えば数秒)が経過すると、第2メータ表示部42’は、速度情報42cの表示位置を変更前の位置に戻すとともに、走行モード表示部46及び車両画像48を非表示とする(
図10C)。その上、第2メータ表示部42’は、目盛画像42a及び指針画像42bを再度表示するとともに、速度情報42cの画面下側に、EVモードが選択されていることを示す「EV」という文字列49を追加で表示する。
【0152】
このように、第1表示装置40、第2メータ表示部42及び走行モード表示部46の表示態様は、それぞれ、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0153】
1 自動車(車両,ハイブリッド車両)
20 コントローラ(制御手段)
35 セレクトレバー(シフトレバー)
36 トグルスイッチ(操作部)
38 コマンダスイッチ(起動モード設定部)
4 エンジン
5 モータ
52 操舵角センサ
55 エンジン回転センサ
56 モータ回転センサ
40 第1表示装置
47 指標
50 第2表示装置
A1 第1方向
A2 第2方向
A3 第3方向
A4 第4方向