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特開2023-182503無線制御装置、無線通信システム、無線制御方法及び無線制御プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182503
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】無線制御装置、無線通信システム、無線制御方法及び無線制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/32 20090101AFI20231219BHJP
   H04W 88/12 20090101ALI20231219BHJP
   H04W 72/04 20230101ALI20231219BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20231219BHJP
   H04W 36/38 20090101ALI20231219BHJP
   H04W 24/08 20090101ALI20231219BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H04W36/32
H04W88/12
H04W72/04
H04W16/28
H04W36/38
H04W24/08
H04B7/06 956
H04B7/06 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132838
(22)【出願日】2022-08-23
(31)【優先権主張番号】63/351860
(32)【優先日】2022-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】竹内 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】村岡 一志
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD42
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH23
5K067JJ51
5K067JJ71
(57)【要約】
【課題】安定した通信品質を実現させることができる無線制御装置、無線通信システム、無線制御方法及び無線制御プログラムを提供する。
【解決手段】無線制御装置20aは、無線通信を行う無線端末200の移動を予測する移動予測部22aと、所定の想定遅延時間内に無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定する伝搬変化判定部24aと、伝搬変化判定部24aが判定した伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から無線端末200との間の無線通信制御に用いられるアンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択する選択部25aと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行う無線端末の移動を予測する移動予測部と、
所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定する伝搬変化判定部と、
前記伝搬変化判定部が判定した前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する選択部と、
を備えた無線制御装置。
【請求項2】
前記選択部は、
前記受信電力の情報を伝搬情報として格納する伝搬情報格納部から、前記移動予測部によって予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報を受信し、
予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて、前記無線端末との間の前記無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
請求項1に記載の無線制御装置。
【請求項3】
前記伝搬変化判定部は、
前記伝搬変化度を算出することにより、前記伝搬変化度を判定し、
判定した前記伝搬変化度から前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
請求項2に記載の無線制御装置。
【請求項4】
前記伝搬変化判定部は、前記伝搬変化度を算出することにより、前記伝搬変化度を判定し、
前記選択部は、前記伝搬変化判定部によって判定された前記伝搬変化度から前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
請求項2に記載の無線制御装置。
【請求項5】
前記選択部は、前記無線端末との間の前記無線通信に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
請求項1または2に記載の無線制御装置。
【請求項6】
前記選択部は、前記無線端末との間の無線リソース制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
請求項1または2に記載の無線制御装置。
【請求項7】
前記伝搬変化判定部は、前記想定遅延時間と、前記無線通信の品質変動時間との関係性から前記伝搬変化度を判定する、
請求項1または2に記載の無線制御装置。
【請求項8】
少なくとも1つの無線端末と、
前記無線端末と無線通信を行う無線制御装置と、
を備え、
前記無線制御装置は、
前記無線端末の移動を予測する移動予測部と、
所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定する伝搬変化判定部と、
前記伝搬変化判定部が判定した前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する選択部と、
を備えた無線通信システム。
【請求項9】
無線通信を行う無線端末の移動を予測し、
所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定し、
判定された前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
無線制御方法。
【請求項10】
無線通信を行う無線端末の移動を予測させ、
所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定させ、
判定された前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる、
ことをコンピュータに実行させる無線制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線制御装置、無線通信システム、無線制御方法、無線制御プログラム及び係るプログラムが格納された記憶媒体に関する。例えば、本開示は、無線基地局装置及び無線通信システムに関し、特に、高周波数帯の分散アンテナ型(分散MIMO:Multiple-Input and Multiple-Output)の無線基地局装置におけるアンテナ及びビーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラーシステム等の移動通信システムの大容量化を実現するために、広帯域な周波数帯域幅を使用可能なミリ波やテラヘルツ波等の高周波数帯を用いた無線通信の重要性が増している。高周波数帯を移動通信に用いる場合には、広帯域な周波数帯域幅を活用できることで大容量の通信を可能とすることができる。その一方で、周波数に依存した伝搬損失が大きいという課題、及び、直進性が高く電波が回り込みにくいことから遮蔽物による影響が大きいという課題がある。
【0003】
前者の伝搬損失の課題を解決する手段としては、ビームフォーミング技術がある。ビームフォーミング技術は、多数のアンテナ素子から送信される無線信号に適切な位相制御を行うことで、通信対象が存在する方向に送信される無線信号の受信レベルを強める技術である。ビームフォーミング技術を用いることで、高周波数帯による大きな伝搬損失を補償することができる。
【0004】
後者の直進性の課題を解決する手段としては、分散アンテナシステム(Distributed Antenna System、DAS)がある。DASは、無線基地局のアンテナを張出し、複数のアンテナを分散させて配置することで、アンテナと無線端末との間の見通し通信が遮られる確率を下げる。
【0005】
しかしながら、無線端末が移動中に、無線端末と分散アンテナとの間が遮蔽されると、当該分散アンテナからの受信電力は著しく低下する可能性がある。その場合には、無線端末は、直接波ではなく反射波を受信できるような方向の別なビームへ切り替えたり、見通し位置にある別な分散アンテナからの送信に切り替えたりすることが必要となる。しかしながら、急激な受信電力の劣化によって、無線リンク切断(Radio Link Failure)が発生し、再接続手順による接続確立が必要となる場合がある。このとき、無線端末では、データ通信が行えない時間が発生してしまう。一方で、この無線リンク切断を発生させないように、常に、複数の分散アンテナから同一の無線信号を同時に送信させることも可能だが、無線リソースの冗長利用によりシステムスループットを制限してしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2020-507233号公報
【特許文献2】特開2019-134217号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】瀬山崇志、大山哲平、伊達木隆、「5G移動通信における機械学習を用いたプロアクティブビームフォーミング制御についての一検討」、電子情報通信学会、技術報告SR2018-7、2018年5月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1では、無線リンクの接続を途切れさせずに、かつ、冗長な通信による無線リソースの非効率的な利用を避ける方式として、機械学習技術を応用した無線制御方式の技術が検討されている。非特許文献1は、無線端末が選択したビーム番号、及び、そのビームを用いたときの基地局からの無線信号における受信レベルの時系列データを用いた機械学習により、受信レベルが大きく低下するイベントを予測する。建物や樹木等の静的な遮蔽物による劣化は再現性があるため、非特許文献1は、このような受信レベルの劣化を予測することができる。受信レベルの劣化が予測される場合には、非特許文献1は、バックアップとしてのビームを送信することで、接続を維持させる。
【0009】
非特許文献1は、遮蔽物等を明示的に意識せずに受信レベルの推定を可能とする一方で、無線端末の状況によっては、ビーム選択及びアンテナ選択を誤ってしまう可能性がある。例えば、図1は、移動する無線端末へのビームの切り替えを例示した図である。図1に示すように、無線端末210は、移動に伴って遮蔽物300により遮蔽区間310において基地局アンテナ110から遮蔽されるため、受信レベルが大きく劣化する。一方、無線端末220は、遮蔽物300の手前に位置しているので、遮蔽物300の影響を受けず、受信レベルに影響を受けない。しかし、非特許文献1は、受信レベルとビーム番号に基づいて学習を行うため、無線端末210と無線端末220との状況を混同する可能性がある。例えば、伝搬環境によっては、無線端末210と無線端末220とが同程度の受信電力となることもあり、その場合には遮蔽の予測誤りが発生しやすいと考えられる。
【0010】
特許文献1には、無線端末の位置情報を用いて予測される位置に応じたビーム選択を行うこと、さらには、樹木等の固定の遮蔽物を検出し、検出結果に応じて、ビーム及びアンテナの選択を行う技術が開示されている。特許文献1は、位置情報を用いることで、位置に応じて遮蔽物を回避するビーム及びアンテナの選択を可能にすると考えられる。
【0011】
しかしながら、特許文献1のように、位置情報だけでは、無線端末固有の状況を反映できずに、最適なビーム及びアンテナの選択が難しい場合がある。例えば、予測された位置だけに基づいてビーム及びアンテナの選択を行うと、予測が外れた場合に当該無線端末が通信できない、または、接続断となる可能性がある。また、現在の状態及び予測された位置の両方に基づいて複数のビーム及びアンテナの選択を行うと、無線リソースの冗長利用によりシステムスループットを制限してしまう可能性がある。
【0012】
特許文献2には、無線端末の位置情報及び無線端末の速度情報に基づいて、同じ交通手段(列車等)で移動していると推測される無線端末の集合を一つの無線端末グループとする技術が開示されている。また、特許文献2は、無線端末グループの所定時間後のグループ位置を推定し、その進行方向に応じて、ビームフォーミングを行う。さらに、特許文献2は、無線端末の種別情報として、スマートフォンやタブレット端末などの利用者端末、及び、列車の業務用端末の種別を用いている。列車の業務用端末は、列車に設置されている室内表示端末、列車の運行業務で使用される連絡用端末、列車内の各種センサ類を制御するマシン端末等を含む。
【0013】
特許文献2は、無線端末グループが移動すると予測される位置に適したビームを用いることで、基地局のカバレッジを調整することができる。その一方で、障害物が基地局と無線端末グループとの間に位置した場合には、無線端末グループが一斉に障害物によって遮蔽されて接続が途切れる可能性がある。
【0014】
このように、非特許文献1及び特許文献1~2には、無線端末の位置情報を用いて予測される位置及び遮蔽物を検知して、それに応じたビーム及びアンテナの選択を行うことが開示されている。しかしながら、位置情報だけでは、最適なビーム及びアンテナの選択が難しい場合がある。例えば、予測したビームを単独で選択すると、予測が外れた場合に当該無線端末が通信できなくなる可能性がある。また、現在の状態と予測された位置との両方に基づいて複数のビーム及びアンテナの選択を行うと、無線リソースの冗長利用により、システムスループットを制限してしまう可能性がある。安定した通信品質の実現が所望されている。
【0015】
本開示の目的の1つは、このような課題を解決するためになされたものであり、安定した通信品質を実現させることができる無線制御装置、無線通信システム、無線制御方法及び無線制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一実施の形態に係る無線制御装置は、無線通信を行う無線端末の移動を予測する移動予測部と、所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定する伝搬変化判定部と、前記伝搬変化判定部が判定した前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する選択部と、を備える。
【0017】
一実施の形態に係る無線通信システムは、少なくとも1つの無線端末と、前記無線端末と無線通信を行う無線制御装置と、を備え、前記無線制御装置は、前記無線端末の移動を予測する移動予測部と、所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定する伝搬変化判定部と、前記伝搬変化判定部が判定した前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する選択部と、を備える。
【0018】
一実施の形態に係る無線制御方法は、無線通信を行う無線端末の移動を予測し、所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定し、判定された前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する。
【0019】
一実施の形態に係る無線制御プログラム及び係るプログラムが格納された記憶媒体は、無線通信を行う無線端末の移動を予測させ、所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定させ、判定された前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させることをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、安定した通信品質を実現させることができる無線制御装置、無線通信システム、無線制御方法、無線制御プログラム及び係るプログラムが格納された記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】移動する無線端末へのビームの切り替えを例示した図である。
図2】実施形態の概要に係る無線制御装置を例示したブロック図である。
図3】実施形態の概要に係る無線制御方法を例示したフローチャート図である。
図4】実施形態1に係る無線通信システムの構成を例示した図である。
図5】実施形態1に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置を例示したブロック図である。
図6】実施形態1に係る無線基地局装置において、アンテナ・ビーム予測制御部を例示したブロック図である。
図7】実施形態1に係る伝搬変化判定部を例示したブロック図である。
図8】実施形態1に係る伝搬変化判定部において、基準となる遅延時間情報を例示したグラフであり、受信電力情報の基準間隔、候補ビーム選択及び通信用ビーム決定等の制御、並びに、決定した通信用ビームでの通信のタイミングを示す。
図9】実施形態1に係る伝搬変化判定部において、フレネルゾーン及びフレネル半径を例示した図である。
図10A】実施形態1に係る伝搬(無線品質)の変化を例示したグラフであり、横軸は、時間を示し、縦軸は、無線通信の伝搬(無線品質)を示す。
図10B】実施形態1に係る伝搬(無線品質)の変化を例示したグラフであり、横軸は、時間を示し、縦軸は、無線通信の伝搬(無線品質)を示す。
図11A】実施形態1に係る現在のビーム及び選択されたビームの受信電力を例示した図である。
図11B】実施形態1に係る現在のビーム及び選択されたビームの受信電力を例示した図である。
図11C】実施形態1に係る現在のビーム及び選択されたビームの受信電力を例示した図である。
図12】実施形態1に係るアンテナ・ビーム予測制御部における予測制御方法を例示したフローチャート図である。
図13】実施形態1に係る伝搬変化判定部及び選択部における予測制御方法を例示したフローチャート図である。
図14】実施形態1及び2に係る無線制御装置を情報処理装置によって実現する場合を例示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0023】
(実施形態の概要)
まず、実施形態の概要に係る無線制御装置を説明する。なお、無線制御装置は、無線基地局装置等、以下で説明するいくつかの装置を含むものとする。本実施形態は、上述した課題を解決するためになされたものであり、例えば、必要最小限の無線リソースで安定した通信品質を実現する無線基地局装置及び無線通信システム等を提供することにある。このような課題を解決するために、本実施形態は、以下の特長を有する。
【0024】
無線基地局装置は、無線端末が想定遅延時間後に移動する位置を予測すると共に、無線端末の移動速度を推定する。また、無線基地局装置は、予測される位置におけるアンテナ毎、及び、ビーム毎の無線信号の受信レベルを推定し、移動速度を用いて想定遅延時間内に無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を算出する。そして、無線基地局装置は、伝搬変化度も用いて無線端末との無線通信に使用するアンテナ及びビームの少なくともいずれかを決定する。
【0025】
上記の手段により、無線基地局装置は、例えば、以下の効果を有する。すなわち、本実施形態の無線基地局装置は、伝搬変化度を算出し、伝搬変化度に基づいて予測位置におけるアンテナ及びビームの選択制御の必要性を判断した上で、無線通信に使用するアンテナ及びビームの選択を行う。これにより、無線基地局装置は、必要最小限の無線リソースで安定した通信品質を実現することができる。
【0026】
また、現在の状態と予測された位置との両方に基づいて複数のビーム及びアンテナの選択を行うと、無線リソースの冗長利用により、システムスループットを制限してしまう可能性がある。そこで、本実施形態の無線基地局装置は、想定遅延時間内にどの程度伝搬が変化するかを算出する。
【0027】
伝搬変化度が大きい場合は、移動により遮蔽が発生すると、大きな通信品質劣化が懸念される。このため、無線基地局装置は、無線端末の移動を予測し、予測される位置に基づくアンテナ及びビームの少なくともいずれかの選択制御を行う。
【0028】
伝搬変化度が小さい場合は、遮蔽されたとしても大きな通信品質劣化は懸念されない。このため、無線基地局装置において、予測される位置に基づくアンテナ及びビームの選択制御は不要で、現在通信中の受信電力の情報に基づくアンテナ及びビームの選択制御を行う。
【0029】
伝搬変化度は、想定遅延時間(制御遅延)と無線品質変動時間との関係性から算出される。ここで、無線品質変動時間は、例えば、無線端末の位置等に基づく電波的な見通し空間(フレネルゾーン)と無線端末の移動速度の情報とから算出される。
【0030】
このように、本開示の概要において、無線端末が移動する位置及び移動速度を予測し、移動速度を基に想定遅延時間内に無線通信の伝搬が変化するか否かの伝搬変化度情報を算出する。その伝搬変化度情報も用いて無線端末との通信に使用するアンテナ及びビームを決定する。
【0031】
以下で、図2を参照して、本実施形態の概要に係る無線制御装置を説明する。図2は、実施形態の概要に係る無線制御装置を例示したブロック図である。図2に示すように、無線制御装置20aは、移動予測部22a、伝搬変化判定部24a及び選択部25aを備えている。移動予測部22a、伝搬変化判定部24a及び選択部25aは、それぞれ、移動予測手段、伝搬変化判定手段及び選択手段としての機能を有している。
【0032】
移動予測部22aは、無線通信を行う無線端末の移動の予測を行う。伝搬変化判定部24aは、所定の想定遅延時間内に無線通信の受信電力を含む伝搬がどの程度変化するかを示す伝搬変化度を判定する。選択部25aは、伝搬変化判定部24aが判定した伝搬変化度に基づいて、無線端末との間の無線通信制御に用いられるアンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択する。
【0033】
ここで、伝搬変化判定部24aは、想定遅延時間と、無線通信の品質変動時間との関係性から伝搬変化度を判定してもよい。また、伝搬変化判定部24aは、無線端末毎の想定遅延時間、無線通信に用いられる電波の見通し空間を示す情報、及び、予測された無線端末の移動情報の関係性から伝搬変化度を判定してもよい。
【0034】
図3は、実施形態の概要に係る無線制御方法を例示したフローチャート図である。図3のステップS1に示すように、無線端末の移動を予測する。具体的には、移動予測部22aは、無線通信を行う無線端末の移動の予測を行う。次に、ステップS2に示すように、伝搬変化度を判定する。例えば、伝搬変化判定部24aは、所定の想定遅延時間内に無線通信の受信電力を含む伝搬がどの程度変化するかを示す伝搬変化度を判定する。次に、ステップS3に示すように、伝搬変化度に基づいて、アンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択する。具体的には、選択部25aは、判定された伝搬変化度に基づいて、無線端末との間の無線通信制御に用いられるアンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択する。こうして、無線通信を制御することができる。
【0035】
このように、本実施形態の無線制御装置20aは、無線端末の予測位置におけるアンテナ及びビームの追加の要否は、伝搬変化度を算出して判定する。伝搬変化度は、無線端末毎の想定遅延時間と、無線端末毎の無線品質変動時間との関係性から算出する。よって、本実施形態の概要の無線制御装置20aは、伝搬変化度を用いて予測位置におけるアンテナ及びビームの選択制御が必要か判定した上で、無線通信に使用するアンテナ及びビームの選択を行う。これにより、必要最小限の無線リソースで安定した通信品質を実現させることができる。
【0036】
(実施形態1)
次に、実施形態1に係る無線制御装置の例として、無線通信システム及び無線基地局装置を説明する。以下では、図面を参照しながら、<構成:システム>、<構成:無線基地局装置>、<構成:アンテナ・ビーム予測制御部>、<構成:位置推定部>、<構成:移動予測部>、<構成:伝搬情報データベース>、<構成:伝搬変化度判定部>、及び、<構成:選択部>を説明する。その後、<アンテナ及びビームの予測制御方法>、及び、<効果>を説明する。
【0037】
<構成:システム>
図4は、実施形態1に係る無線通信システムの構成を例示した図である。図4に示すように、無線通信システム1は、無線基地局装置100、及び、無線端末210及び220を備えている。無線基地局装置100は、集約基地局90、及び、複数の基地局アンテナ110~130を備えている。本実施形態において、無線基地局装置100または集約基地局90は、無線制御装置を含んでいる。無線基地局装置100または集約基地局90等の制御装置は、無線端末210及び220と無線通信を行う。
【0038】
複数の基地局アンテナ110~130は、分散配置されている。各基地局アンテナ110~130は、それぞれ、複数のビームを出力することができる。なお、図では、3個の基地局アンテナ110~130が示されているが、基地局アンテナ110~130の個数は、3個に限らず、2個または4個以上でもよい。基地局アンテナ110~130を総称して、基地局アンテナ110等と呼ぶ。
【0039】
また、図では、2個の無線端末210及び220が示されているが、無線端末210及び220の個数は、少なくとも1個でもよいし、3個以上でもよい。無線端末210及び220を総称して無線端末200と呼ぶ。無線端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン等の携帯端末装置である。また、無線端末200は、通信機能を持ったウェアラブルデバイスや、AR(Augmented Reality)及びVR(Virtual Reality)グラスなどの情報端末、ゲーム機器、カメラ、自動車、AGV(Automated Guided Vehicle)、ロボットなどの産業用機器などであってもよい。
【0040】
無線通信システム1は、無線基地局装置100における集約基地局90に接続された基地局アンテナ110~130と、無線端末200との間で無線信号の送受信を行う。
【0041】
<構成:無線基地局装置>
図5は、実施形態1に係る無線通信システム1において、無線基地局装置100を例示したブロック図である。図5に示すように、基地局アンテナ110等は、ビーム制御部140、RF(Radio Frequency)送受信部150及び複数のアンテナ素子を有している。ビーム制御部140及びRF送受信部150は、それぞれ、ビーム制御手段及びRF送受信手段としての機能を有している。集約基地局90は、デジタル送受信部10、アンテナ・ビーム予測制御部20及び無線リソース制御部30を備えている。デジタル送受信部10、アンテナ・ビーム予測制御部20及び無線リソース制御部30は、それぞれ、デジタル送受信手段、アンテナ・ビーム予測制御手段及び無線リソース制御手段としての機能を有している。
【0042】
基地局アンテナ110等のビーム制御部140は、複数のアンテナ素子に接続されている。ビーム制御部140は、複数のアンテナ素子に対して、無線信号の位相や振幅を調整することによって、ビームの方向を決定する。具体的なビームの方向またはビーム番号等は、無線リソース制御部30によって指定される。ビームフォーミングの手段としては、アレイアンテナ以外の手段も適用可能である。例えば、レンズアンテナやメタマテリアルアンテナ等の指向性アンテナを用いたビームフォーミングであってもよい。
【0043】
RF送受信部150は、増幅器や周波数変換器等を含む。RF送受信部150は、RF信号の送受信を行う。
【0044】
デジタル送受信部10は、ユーザデータの変復調等を行う。例えば、下りリンクのОFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送等の無線信号の生成、及び、多数のアンテナにおいて受信した上りリンク無線信号の復調(MIMO信号検出)等の処理を行う。デジタル送受信部10とRF送受信部150との間には、RoF(Radio over Fiber)技術、CPRI(Common Public Radio Interface)技術、eCPRI(evolved CPRI)技術等が用いられ、それに応じて機能が変更されてもよい。
【0045】
アンテナ・ビーム予測制御部20は、無線端末200との無線通信に使用するアンテナ及びビームの少なくともいずれかを予測する。具体的には、アンテナ・ビーム予測制御部20は、無線端末200の位置情報の推定、及び、位置情報に基づき、無線端末200が想定遅延時間後に移動する位置を予測し、予測される位置におけるアンテナ毎、ビーム毎の無線信号の受信レベルを推定する。さらに、アンテナ・ビーム予測制御部20は、無線端末200の移動速度を推定し、推定した移動速度に基づいて想定遅延時間内に伝搬がどの程度変化するかを示す伝搬変化度を算出する。そして、アンテナ・ビーム予測制御部20は、伝搬変化度を用いて無線端末200との通信に使用するアンテナ及びビームの少なくともいずれかを決定する。より具体的な動作については、後で詳述する。
【0046】
無線リソース制御部30は、アンテナ・ビーム予測制御部20で決定された情報に基づき、無線端末200毎に使用する無線リソース(アンテナ、ビーム、周波数、時間等)を具体的に決定する。無線リソース制御部30は、スケジューラ部とも呼ばれる。
【0047】
<構成:アンテナ・ビーム予測制御部>
本実施形態のアンテナ・ビーム予測制御部20は、予測された位置におけるアンテナ毎及びビーム毎の無線信号の伝搬情報に基づいて、アンテナ及びビームを選択する。ただし、アンテナ及びビームの選択制御の要否について、移動速度を用いて伝搬変化度を算出した上で制御する。伝搬変化度は、無線端末200毎の想定遅延時間と、無線端末200毎の無線品質変動時間との関係性から求められる。
【0048】
図6は、実施形態1に係る無線基地局装置100において、アンテナ・ビーム予測制御部20を例示したブロック図である。図6に示すように、アンテナ・ビーム予測制御部20は、位置推定部21、移動予測部22、伝搬情報データベース23、伝搬変化判定部24及び選択部25を備えている。位置推定部21、移動予測部22、伝搬情報データベース23、伝搬変化判定部24及び選択部25は、それぞれ、位置推定手段、移動予測手段、伝搬情報格納手段、伝搬変化判定手段及び選択手段としての機能を有している。なお、後述するように、アンテナ・ビーム予測制御部20の各構成のいずれかは、外部の装置に設けられてもよい。特に、伝搬情報データベース23は、外部の装置またはクラウド上に設けられてもよい。
【0049】
<構成:位置推定部>
位置推定部21は、入力された位置関連情報から無線端末200の位置を推定する。位置推定部21における無線端末200の位置推定の方法は、以下のいずれの方法も適用可能である。
【0050】
1つ目の無線端末200の位置推定の方法は、無線通信システム1の無線信号を用いる。位置推定部21は、接続している単一アンテナのビームの方向(方位)と、測距と、を用いることで、無線端末200の位置推定を実現する。さらに、測距の方法としては、Round Trip Time等の伝搬時間から算出する方法、及び、受信レベルから伝搬モデルに基づいて距離を算出する方法とがある。さらに、複数のアンテナを用いた三点測位を用いてもよい。また、複数のアンテナ間の伝搬時間の差を用いてもよい。また、複数のアンテナの受信レベルの情報と位置情報とを紐づけておくことで、位置を推定してもよい。また、これらの方法を階層的に用いてもよい。例えば、ビームの方向と測距により大枠の位置を推定し、複数のアンテナの受信レベルの情報から大枠の中の詳細な位置を推定してもよい。
【0051】
このように、位置推定部21は、伝搬情報、受信電力の情報及び電波の到来時間情報の少なくともいずれかに基づいて、無線端末200の位置を推定してもよい。伝搬情報は、上述したアンテナから伝搬したビームの方向及び距離を含む。受信電力の情報は、複数のアンテナの受信レベルの情報を含む。
【0052】
2つ目の無線端末200の位置推定の方法は、GPS(Global Positioning System)等の外部情報を用いて位置を決定する方法である。GPS以外のセンサ(加速度計等)を用いてもよい。または、外部から直接に無線端末200の位置情報を取得してもよい。
【0053】
<構成:移動予測部>
移動予測部22は、無線端末200の移動を予測する。移動予測部22における移動予測の方法は、以下のいずれの方法も適用可能である。
【0054】
1つ目の移動予測方法は、無線端末200の位置情報の時系列から、外挿によって補間(例えば、線形補間)することで、所定時刻後の位置、移動速度及び方向を予測する。また、位置情報の時系列から直線(1次)及び曲線(高次)の回帰により予測してもよい。
【0055】
2つ目の移動予測方法は、無線端末200の過去の移動履歴の情報に基づいて、無線端末200の位置、移動速度及び方向を予測する。無線端末200の過去の位置情報の時系列を使って移動方向及び移動速度のモデルを生成する。このモデルを用いることで無線端末200の移動予測を行う。また、上記モデルの生成には、歩道、道路、通路、線路等の情報が利用できる地図情報を用いてもよい。また、上記モデルは、過去の無線端末200の移動履歴の情報を用いて学習により生成してもよい。
【0056】
このように、移動予測部22は、無線端末200の位置情報の時系列、無線端末200の移動履歴及び無線端末200の周辺の地図の少なくともいずれかの情報に基づいて、無線端末200の位置、移動速度及び方向を予測する。
【0057】
また、予測する位置は、移動平均処理及び各種フィルタ(カルマンフィルタ、粒子フィルタ等)の少なくともいずれかを用いて平滑化してもよい。
【0058】
<構成:伝搬情報データベース(伝搬情報格納部)>
伝搬情報データベース23は、無線端末200において測定された基地局アンテナ110等からの無線信号の受信電力情報、ビーム情報、アンテナ情報を受付け、記録する。伝搬情報データベース23は、無線端末200から、または、基地局の受信電力測定部から入力された受信電力の情報を伝搬情報として格納する。ここで、無線端末200における受信電力の測定結果は、同期信号や参照信号の測定結果を無線端末200が基地局アンテナ110等に対して報告する。同期信号は、例えば、NRのPSS(Primary Synchronization Signal)及びSSS(Secondary Synchronization Signal)を含む。参照信号は、例えば、NRのPBCH-DMRS(Physical Broadcast Channel-Demodulation Reference Signal)及びCSI-RS(Channel State Information-Reference Signal)を含む。
【0059】
ビームフォーミングが用いられている場合には、各同期信号及び各参照信号がビーム送信されているので、伝搬情報データベース23は、測定したビーム情報(ビーム番号等)も受付け、記録する。また、接続している基地局アンテナ110等の情報が無線端末200側で取得できる場合には、伝搬情報データベース23は、これらの情報を無線端末200から報告される。ビーム情報やアンテナ情報は、基地局アンテナ110等側で設定した値となるため、伝搬情報データベース23は、基地局アンテナ110等内部から取得してもよい。
【0060】
伝搬情報データベース23は、上記に加えて、または、上記とは別に、基地局アンテナ110等の受信電力情報、ビーム情報、アンテナ情報を受付け、記録する。基地局アンテナ110等での受信電力の測定は、無線端末200から送信された参照信号を用いて行ってもよい。参照信号は、例えば、SRS(Sounding Reference Signal)、DMRS(Demodulation Reference Signal)等を含む。伝搬情報データベース23は、参照信号の受信の際に用いた基地局アンテナ110等での受信ビームの情報及びアンテナ情報等を記録する。
【0061】
さらに、伝搬情報データベース23は、位置推定部21から無線端末200の位置情報を受付け、記録する。位置情報は、緯度経度等の座標情報で管理してもよく、エリアをグリッドに区切った際のグリッド番号で管理してもよい。
【0062】
伝搬情報データベース23は、上記の無線端末200に関する情報(受信電力、ビーム情報、アンテナ情報、位置等)において、全ての情報を記録する必要はなく、平均値や中間値といった代表値のみを記録してもよい。もしくは、伝搬情報データベース23は、過去の値を忘却することにより、情報量を削減してもよい。伝搬情報データベース23は、位置情報について、緯度経度等の座標情報で管理してもよく、エリアをグリッドに区切った際のグリッド番号で管理してもよい。
【0063】
<構成:伝搬変化判定部>
図7は、実施形態1に係る伝搬変化判定部24を例示したブロック図である。図7に示すように、伝搬変化判定部24は、想定遅延時間算出部26、電波的な見通し空間算出部27、無線品質変動時間算出部28及び変化度判定部29を有している。想定遅延時間算出部26、電波的な見通し空間算出部27、無線品質変動時間算出部28及び変化度判定部29は、それぞれ、想定遅延時間算出手段、電波的な見通し空間算出手段、無線品質変動時間算出手段及び変化度判定手段としての機能を有している。
【0064】
想定遅延時間算出部26は、想定遅延情報から想定遅延時間を算出する。電波的な見通し空間算出部27は、移動速度情報、位置情報及び移動方向情報を含む移動予測情報から電波的な見通し空間を算出する。無線品質変動時間算出部28は、移動予測情報及び電波的な見通し空間から無線品質変動時間を算出する。変化度判定部29は、想定遅延時間及び無線品質変動時間から伝搬変化度を算出する。
【0065】
このような構成によって、伝搬変化判定部24は、想定遅延情報及び移動予測情報を用いて伝搬変化度情報を算出する。なお、伝搬変化度情報は、アンテナ追加、アンテナ切替、ビーム追加及びビーム切替の少なくともいずれかの要否判定等に用いられる。
【0066】
伝搬変化度情報は、1.無線端末200毎の想定遅延時間と、2.無線端末200毎の無線品質変動時間との関係性から算出される。
【0067】
1.想定遅延時間は、受信電力情報を受信したタイミングからその受信電力情報に基づいて選択したアンテナ及びビームが有効になっているタイミングまでの時間である。想定遅延時間は、受信電力情報を受信したタイミングから、次に受信した受信電力情報によって更新されるまでの時間と言ってもよい。
【0068】
2.無線品質変動時間は、無線通信に用いられる電波が遮蔽物によって遮蔽された場合に、受信電力を含む無線品質が所定の閾値以下まで低下するまでにかかる時間である。そして、想定遅延時間が無線品質変動時間に比べて長ければ、選択したアンテナ及びビームでの通信中に遮蔽によって無線品質が極端に低下する可能性がある。一方で、想定遅延時間が無線品質変動時間に比べて十分に短ければ、選択したアンテナ及びビームでの通信中に遮蔽されたとしても、次に選択されるアンテナ及びビームに更新可能である。すなわち、通信中の無線品質が一部低下している途中で、次に受信した受信電力情報に基づいて選択したアンテナ及びビームへの更新が可能であることを意味する。ここで、関係性とは「比(割合)」であってもよいし、「差(大小比較)」であってもよい。
【0069】
以下で、図面を参照して、1,無線端末200毎の想定遅延時間、及び、2.無線端末200毎の無線品質変動時間を説明する。
【0070】
図8は、実施形態1に係る伝搬変化判定部24において、基準となる遅延時間情報を例示したグラフであり、受信電力情報の基準間隔、候補ビーム選択及び通信用ビーム決定等の制御、並びに、決定した通信用ビームでの通信のタイミングを示す。
【0071】
図8に示すように、無線端末200毎の想定遅延時間は、例として無線リソース制御部30からの想定遅延情報を用いて算出される。想定遅延情報には、必要とする受信電力情報の基準取得間隔及び制御遅延等に基づいた、基準となる遅延時間情報が含まれる。また、想定遅延時間は、無線端末200毎の割り当て間隔の情報を含んでもよい。この場合、無線端末200毎の想定遅延時間は、基準となる遅延時間情報の一部に無線端末200毎の割り当て間隔情報を掛け合わせて算出してもよい。図の場合には、割り当て間隔=2の無線端末200の想定遅延時間は、(t+2s)等である。
【0072】
図9は、実施形態1に係る伝搬変化判定部24において、フレネルゾーン及びフレネル半径を例示した図である。図9に示すように、無線端末200毎の無線品質変動時間は、無線端末200毎の移動速度情報を用いて算出される。例えば、無線端末200毎の無線品質変動時間は、電波的な見通し空間の幅(例えば、フレネルゾーンにおけるフレネル半径または直径等)及び無線端末200が通過する時間から算出される。
【0073】
ここで、電波的な見通し空間の幅は、当該無線通信システム1の利用周波数などに基づいて固定的に設定してもよい。また、電波的な見通し空間の幅は、無線端末200の位置情報と設置されたアンテナの位置情報とを用いて、アンテナの間隔及び無線端末200に最も近いアンテナと無線端末200との距離等を基に、フレネル半径または直径等の計算式により算出されてもよい。
【0074】
例えば、無線端末200の送信アンテナと遮蔽物300との間の距離をd1(meter、以下、mと示す。)とし、基地局アンテナ110等の受信アンテナと遮蔽物300との間の距離をd2(m)とし、利用周波数をf(Megahertz、以下、Mhzと示す。)とした場合のフレネル半径r(m)は、以下の(1)式である。
【0075】
r=√[(300/f)×{(d1×d2)/(d1+d2)}] (1)
なお、(1)式中の記号「/」は、割り算を表す。
【0076】
つまり、電波の見通し空間の幅は、遮蔽物300を中心としたフレネルゾーンにおけるフレネル半径を含んでもよい。さらに、電波の見通し空間の幅は、無線端末200の移動方向の情報を用いて、アンテナに対する無線端末200の移動角度を推定した上で、フレネル半径または直径等から算出されてもよい。なお、遮蔽物300までの距離は、想定無線環境により決定する(例えば、遮蔽物300の近傍を無線端末200が移動する環境の場合は、50(centimeter、以下、cmと示す。)や1(m)などの値を想定するが、これに限定されない)。
【0077】
そして、無線品質変動時間は、上記において算出した無線端末200毎の電波的な見通し空間の幅と、移動予測部22において推定した無線端末200毎の移動速度情報から、その通過にかかる時間として算出される。例えば、無線品質変動時間は、電波的な見通し空間の幅を、無線端末200毎の移動速度で割ることで算出される。無線品質変動時間は、電波が障害物等の遮蔽物300によって遮蔽された場合に、その無線品質が低下するまでにかかる時間である。
【0078】
最後に、伝搬変化度情報を、無線端末200毎の想定遅延時間と、無線品質変動時間との関係性から算出する。図10A及び図10Bは、実施形態1に係る伝搬(無線品質)の変化を例示したグラフであり、横軸は、時間を示し、縦軸は、無線通信の伝搬(無線品質)を示す。図10Aのグラフが示す伝搬変化度は大きく、図10Bのグラフが示す伝搬変化度は小さい。変化度判定部29は、このような伝搬変化度を算出する。算出方法は、以下のいずれの方法でも問題ない。
【0079】
1つ目の方法として、例えば、無線端末200毎の想定遅延時間の、無線端末200毎の無線品質変動時間に対する比(割合)から伝搬変化度を算出する。そして、伝搬変化度情報として、この比(割合)の値を出力する。なお、この比(割合)の値が1以上の場合には、想定遅延時間の方が長いことを意味する。この場合には、通信中のアンテナ及びビームのままの状態において、想定遅延時間中に遮蔽物300によって遮蔽されると、無線通信品質が大きく低下してしまう可能性がある(図10A)。このため、伝搬変化判定部24(または、選択部25)は、予測位置におけるアンテナ及びビームの選択制御を「必要(有効)」と判定する。
【0080】
一方で、この比(割合)の値が1未満の場合には、無線品質変動時間の方が長いことを意味する。この場合には、通信中のアンテナ及びビームのままの状態において、遮蔽物300に遮蔽されたとしても、無線通信品質が大きく低下する前に、次の受信電力情報に基づくアンテナ及びビームの更新が可能である(図10B)。このため、伝搬変化判定部24(または、選択部25)は、予測位置におけるアンテナ及びビームの選択制御を「不要(無効)」と判定する。判定は、伝搬変化判定部24における変化度判定部29が行うが、選択部25が行ってもよい。
【0081】
2つ目の方法として、例えば、無線端末200毎の想定遅延時間の、無線端末200毎の無線品質変動時間に対する差(大小比較)から伝搬変化度を算出する。そして、伝搬変化度情報として、この差(大小比較)の値を出力する。なお、この差の値が正(0以上)の場合には、想定遅延時間の方が長いことを意味する。この場合には、通信中のアンテナ及びビームのままの状態において、想定遅延時間中に遮蔽物300によって遮蔽されると、無線通信品質が大きく低下してしまう可能性がある。このため、伝搬変化判定部24(または、選択部25)は、予測位置におけるアンテナ及びビームの選択制御を「必要(有効)」と判定する。
【0082】
一方で、この差の値が負(0未満)の場合には、無線品質変動時間の方が長いことを意味する。この場合には、通信中のアンテナ及びビームのままの状態において、遮蔽物300に遮蔽されたとしても、無線通信品質が大きく低下する前に、次の受信電力情報に基づくアンテナ及びビームの更新が可能である。このため、伝搬変化判定部24(または、選択部25)は、予測位置におけるアンテナ及びビームの選択制御を「不要(無効)」と判定する。判定は、伝搬変化判定部24における変化度判定部29が行うが、選択部25が行ってもよい。
【0083】
このように、伝搬変化判定部24は、伝搬変化度を算出することにより、伝搬変化度を判定し、判定した伝搬変化度からアンテナ及びビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する。また、伝搬変化判定部24は、伝搬変化度を算出することにより、伝搬変化度を判定し、選択部25は、伝搬変化判定部24によって判定された伝搬変化度からアンテナ及びビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定してもよい。
【0084】
なお、これらの判定基準は、単純に1以上(1未満)や正(負)の2値として判定するだけでなく、所定のマージン及び閾値を設定してもよいし、連続的な値として確率的にアンテナ及びビームの選択制御に反映させてもよい。
【0085】
<構成:選択部>
選択部25は、移動予測部22から入力された予測位置において使用するアンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択する。図11A図11Cは、実施形態1に係る現在のビーム及び選択されたビームの受信電力を例示した図である。図11A図11Cに示すように、例えば、選択部25は、現在のビームの受信電力と、選択されたビームの受信電力と、を比較することにより、無線通信に使用するアンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択する。
【0086】
1つ目のアンテナ及びビームの選択方法は、伝搬情報データベース23に記録された無線端末200の登録情報にアクセスして、使用するアンテナ及びビームを決定する方法である。伝搬情報データベース23には、位置情報、各位置におけるアンテナ毎及びビーム毎の受信電力、並びに、各位置において大きな受信電力となったアンテナインデックス及びビームインデックスに関する情報が格納されている。選択部25は、移動予測部22から入力された位置情報と最も近い位置、並びに、最も近いグリッドにおけるアンテナ毎及びビーム毎の受信電力に関する情報にアクセスする。そして、選択部25は、最大の受信電力が得られるアンテナ番号及びビーム番号の少なくともいずれかを選択する。
【0087】
選択されたアンテナ番号及びビーム番号が、現在の無線通信に使用されているアンテナ番号及びビーム番号と同じであれば、基地局アンテナ110等の無線通信に使用されているアンテナ番号及びビーム番号に変更は生じない。なお、現在の無線通信に使用されているアンテナ番号及びビーム番号は、受信電力情報を用いて更新されてもよいし、無線リソース制御部30から入力した情報を用いて更新されてもよい。
【0088】
選択されたアンテナ番号が現在の無線通信に使用されているアンテナ番号と同じであるが、選択されたビーム番号が現在の無線通信に使用されているビーム番号と異なる場合には、選択部25は、選択されたビーム番号に変更することもできる。もしくは、当該アンテナが複数のサブアレイによって構成されている場合には、選択部25は、選択されたビーム番号及び現在の無線通信のビーム番号の両方のビームを用いることもできる。もしくは、予測された位置における現在のビーム番号の受信電力が所定の閾値以上であれば(図11A)、選択部25は、ビーム番号を変更しなくてもよい。予測された位置における現在のビーム番号の受信電力が閾値以下である場合には(図11Bまたは図11C)、選択部25は、選択されたビーム番号のビームに変更する。もしくは、選択部25は、選択されたビーム番号及び現在のビーム番号の両方のビームを用いてもよい。
【0089】
選択されたアンテナ番号が、現在の無線通信に使用されているアンテナ番号と異なる場合には、選択部25は、選択されたアンテナ番号に変更することができる。もしくは、選択部25は、両方のアンテナを無線通信に用いることもできる。もしくは、予測された位置における現在のアンテナ番号(かつ受信電力が最大となるビーム番号)の受信電力が所定の閾値以上であれば、選択部25は、アンテナ番号を変更しなくてもよい。現在のアンテナ番号の受信電力が閾値以下である場合にのみ、選択部25は、選択されたアンテナ番号に変更する、もしくは、選択されたアンテナ番号と現在の無線通信のアンテナ番号の両方のアンテナを用いてもよい。
【0090】
2つ目のアンテナ及びビームの選択方法は、無線端末200から報告された受信電力及び位置情報の代わりに、2次元地図または3次元地図上における基地局アンテナ110等と無線端末200との間の電波伝搬予測(例えば、レイトレースによる伝搬シミュレーション)に基づいて、伝搬情報に応じたアンテナ毎及びビーム毎の受信電力を算出する。この場合には、2次元地図または3次元地図には、遮蔽物300となる物体のサイズ、位置等も反映され、これらの地図上で伝搬シミュレーションすることで各地点における伝搬情報に応じたアンテナ毎及びビーム毎の受信電力レベルを推定する。また、この場合には、伝搬情報として、周辺環境に応じたモデル化が必要であり、周囲環境の電波の特性(例えば、線路上の電車内であれば、電車内の無線端末200に対する角度方向の侵入損失等)をモデル化する。
【0091】
このシミュレーションは、リアルタイムに行ってもよい。また、事前にシミュレーションをしておき、その結果を伝搬情報データベース23に記録し、必要に応じて参照してもよい。また、伝搬シミュレーションによる受信電力推定結果、及び、無線端末200から報告された受信電力値の両方を用いてもよい。選択されたアンテナ番号及びビーム番号は、集約基地局90内の無線リソース制御部30に送られ、この情報に基づき無線リソース制御が行われる。
【0092】
なお、選択部25は、伝搬変化判定部24からの伝搬変化度情報も用いて、上述の1つ目または2つ目の選択制御を実施する。例えば、伝搬変化度情報が1以上、または、正(≧0)の場合には、伝搬変化判定部24(または選択部25)は、アンテナ及びビームの追加及び切替を含む選択制御を必要(有効)と判断し、選択部25は、上述の選択制御を行う。一方で、伝搬変化度情報が1未満、または、負(<0)の場合には、伝搬変化判定部24は、アンテナ及びビームの追加及び切替を含む選択制御を不要(無効)と判断する。そして、選択部25は、上述の選択制御を行わず、現在通信中のアンテナ及びビームの少なくともいずれかを用いる制御を行う。
【0093】
アンテナ及びビームの追加及び切替を含む選択制御が無効(不要)な場合には、現在通信中のアンテナ番号やビーム番号をそのまま用いてもよいし、受信電力情報を用いて更新してもよい。また、無線リソース制御部30から入力した情報を用いて更新してもよい。また、単純に、1以上(1未満)及び正(負)の2値として判定するのではなく、所定のマージンを設定してもよいし、連続的な値として確率的にアンテナ及びビームの選択制御を行ってもよい。例えば、予測される位置に基づく制御と、通信中の情報に基づく制御を、確率的に統合させて制御してもよい。
【0094】
このように、選択部25は、受信電力の情報を伝搬情報として格納する伝搬情報データベース23から、移動予測部22によって予測された無線端末200の位置におけるアンテナ毎及びビーム毎の受信電力の情報を受信する。そして、選択部25は、予測された無線端末200の位置におけるアンテナ毎及びビーム毎の受信電力の情報に基づいて、複数のアンテナ及びビームの中から無線端末200との間の無線通信制御に用いられるアンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択する。
【0095】
選択部25は、無線端末200との間の無線通信に用いられるアンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択してもよい。また、選択部25は、無線端末200との間の無線リソース制御に用いられるアンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択してもよい。
【0096】
選択部25は、アンテナ及びビームの追加及び切替を含む選択制御が必要の場合には、移動予測部22によって予測された無線端末200の位置におけるアンテナ毎及びビーム毎の受信電力の情報に基づいて、アンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択してもよい。選択部25は、アンテナ及びビームの追加及び切替を含む選択制御が不要の場合には、通信中のアンテナ及びビームの少なくともいずれかの受信電力の情報に基づいて、アンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択してもよい。
【0097】
また、選択部25は、移動予測部22によって予測された無線端末200の位置におけるアンテナ毎及びビーム毎の受信電力の情報に基づいて選択されるアンテナ及びビームの少なくともいずれかと、通信中のアンテナ及びビームの少なくともいずれかの受信電力の情報に基づいて選択されるアンテナ及びビームの少なくともいずれかと、を所定の確率で選択してもよい。
【0098】
<アンテナ及びビームの予測制御方法>
次に、アンテナ及びビームの予測制御方法を説明する。図12は、実施形態1に係るアンテナ・ビーム予測制御部20における予測制御方法を例示したフローチャート図である。
【0099】
図12のステップS11に示すように、無線端末200の位置を推定する。例えば、アンテナ・ビーム予測制御部20における位置推定部21は、無線通信システム1内で使用される無線信号を用いて、無線端末200の位置を推定してもよい。また、位置推定部21は、GPS等の外部情報を用いて、無線端末200の位置を推定してもよい。または、外部から直接に無線端末200の位置情報を取得してもよい。
【0100】
次に、ステップS12に示すように、無線端末200の移動を予測する。例えば、移動予測部22は、無線端末200の位置情報の時系列から、外挿による補間、または、直線もしくは曲線の回帰により、無線端末200の移動を予測してもよい。また、移動予測部22は、無線端末200の過去の移動履歴の情報に基づいて、無線端末200の移動を予測してもよい。
【0101】
次に、ステップS13に示すように、伝搬変化度を算出及び判定する。例えば、伝搬変化判定部24は、所定の想定遅延時間内に無線通信の受信電力を含む伝搬がどの程度変化するかを示す伝搬変化度を算出し判定する。伝搬変化判定部24は、想定遅延時間と、無線品質変動時間との関係性から伝搬変化度を判定してもよい。
【0102】
次に、ステップS14に示すように、伝搬変化度及び予測された無線端末200の位置に基づいて、アンテナ選択及びビーム選択を行う。図13は、実施形態1に係る伝搬変化判定部24及び選択部25における予測制御方法を例示したフローチャート図である。
【0103】
図13のステップS21に示すように、伝搬変化判定部24は、算出した伝搬変化度によりアンテナ及びビームの選択制御を有効(必要)にするか無効(不要)にするか判定する。ステップS21において、伝搬変化判定部24が有効(必要)と判断した場合には、ステップS22に示すように、選択部25は、現在通信中のアンテナ及びビームの情報だけでなく、予測された無線端末200の位置に基づいてアンテナ選択及びビーム選択の制御を行う。
【0104】
一方、ステップS21において、伝搬変化判定部24が無効(不要)と判断した場合には、ステップS23に示すように、選択部25は、通信中のアンテナ及びビームを用いる制御を行う。このようにして、アンテナ及びビームの予測制御を行う。なお、判定は、伝搬変化判定部24が行うが、選択部25が行ってもよい。
【0105】
<効果>
次に、本実施形態の効果を説明する。以上で説明した本実施形態において、アンテナ・ビーム予測制御部20は、移動速度情報を用いて伝搬変化度を算出する。アンテナ・ビーム予測制御部20は、算出した伝搬変化度情報を用いて予測位置におけるアンテナ及びビームの選択制御の要否を判断する。そして、その上で、アンテナ・ビーム予測制御部20は、通信に使用するアンテナ及びビームの選択を行う。これにより、必要最小限の無線リソースで安定した通信品質を実現することができる。
【0106】
その理由は、以下のとおりである。現在の状態と予測された位置との両方に基づいて、複数のビーム及びアンテナの選択を行うと、無線リソースの冗長利用により、システムスループットを制限してしまう可能性がある。このような課題に対して、本実施形態では、例えば、無線端末200毎に想定遅延時間と無線品質変動時間との関係性から伝搬変化度を算出する。伝搬変化判定部24によって判定された伝搬変化度情報から、アンテナ及びビームの選択制御を不要と判定された場合には、選択部25は、無線端末200の予測位置におけるアンテナ及びビームの選択制御を行わない。よって、安定した通信品質に対して、無線リソースの冗長利用を抑制できるためである。
【0107】
例えば、予測された位置に基づいて選択されたアンテナ及びビームの品質の方が良かったとしても、伝搬変化度が小さい場合には、現在のアンテナ及びビームのままでも接続が途切れるほど通信品質が大きく低下することはない。そのため、予測位置に基づくアンテナ及びビームの追加は行わず、次の制御タイミングで新しいアンテナ及びビームを選択するように制御することができる。それにより、追加しなかったアンテナ及びビームを、例えば、他の無線端末200に割り当てることができるため、無線リソースを有効利用することができる。
【0108】
なお、本実施形態は、アンテナ及びビームの選択制御の要否を、各無線端末200の移動速度情報のみから伝搬変化度を算出して判定する特徴も含まれる。特に、本実施形態では、無線端末200毎に想定遅延時間及び電波的な見通し空間を算出して伝搬変化度を算出する特徴も備えている。このため、同じ移動速度の無線端末200であっても、その時点での無線端末200毎の遅延や環境に合わせて判定結果が異なる。よって、より最適な無線リソース制御(アンテナ選択及びビーム選択)を実現することができるという利点もある。
【0109】
(実施形態2)
次に、実施形態2を説明する。本実施形態は、前述した実施形態の少なくともいずれかの構成に追加要素を含む。
【0110】
例えば、本実施形態は、伝搬変化判定や伝搬変化度情報の利用方法として、さらに以下の方法を実施することができる。
【0111】
伝搬変化判定部24は、無線端末200だけでなく、障害物等を含む遮蔽物300の移動速度を考慮してもよい。移動する遮蔽物300が想定され、遮蔽物300の移動速度や方向が推定できる場合には、伝搬変化判定部24は、無線端末200の速度との相対速度を遮蔽物300の移動速度として、伝搬変化度を算出してもよい。例えば、速度Aの無線端末200と速度Bの遮蔽物300とが同一直線上に対向して移動する可能性がある場合には、伝搬変化判定部24は、移動速度をA+Bとして算出してもよい。また、遮蔽物300の移動速度及び方向がわからない場合には、伝搬変化判定部24は、環境に合わせて固定的に遮蔽物300の移動速度及び方向を仮定してもよい。また、伝搬変化判定部24は、対象の無線端末200に近い他の無線端末200の中で最も高速に移動する無線端末200の移動速度を遮蔽物300の速度と仮定してもよい。
【0112】
伝搬変化判定部24は、伝搬変化度の情報を出力してもよい。そして、上述の移動予測部22(または、選択部25)は、当該伝搬変化度の情報を用いて、無線端末200の予測時間及び予測位置を含む移動の予測を更新してもよい。例えば、伝搬変化判定部24は、算出した比(割合)を伝搬変化度の情報として出力する場合に、移動予測部22は、予測時間を当該伝搬変化度の情報に基づいて乗じてもよい。一方で、例えば、伝搬変化判定部24は、算出した差(大小比較)を伝搬変化度の情報として出力する場合に、移動予測部22は、予測時間を当該伝搬変化度の情報に基づいて加算または減算してもよい。なお、上記は、移動予測部22において、予測時間を更新する例を示したが、他の方法として、選択部25において、現在の位置と元々の予測位置との関係から、伝搬変化度の情報を用いて、更新すべき予測時間に対応した予測位置に更新してもよい。
【0113】
また、例えば、アンテナ及びビームの選択の方法として、さらに以下の方法を実施することができる。
【0114】
選択部25は、上位の制御装置または無線基地局装置100から無線端末200毎及び無線通信毎のスライス情報を入力し、当該スライス情報に基づいてアンテナ及びビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定してもよい。例えば、当該スライス情報が信頼性を特に必要とするスライスの場合には、選択部25は、常に、予測位置に基づくアンテナ及びビームの選択制御を有効(必要)とする等のように制御してもよい。一方で、例えば、信頼性が低くても全く問題が無いスライスの場合には、選択部25は、常に、予測位置を用いたアンテナ及びビームの選択制御を無効(不要)とし、現在の受信電力情報に基づいてアンテナ及びビームの選択制御を行ってもよい。
【0115】
伝搬情報データベース23に登録された情報に基づいて、アンテナ及びビームの選択制御を用いる際には、伝搬情報データベース23に記録及び学習された際と周辺環境が異なる場合がある(大きなトラック等の遮蔽物300が駐車してある場合)。そのような場合には、適切なアンテナ及びビームを選択できない可能性がある。
【0116】
そこで、現在の位置や、現在の位置に至るまでの複数の位置において、実際に通信に使用されたアンテナ毎及びビーム毎の受信電力と、伝搬情報データベース23に登録された受信電力との比較を行う。そして、比較結果から伝搬情報データベース23の予測精度を評価することができる。比較の結果、予測精度が高いと判定された場合には、伝搬情報データベース23に登録されている結果により選択したアンテナ番号及びビーム番号を用いる。反対に予測精度が低いと判定された場合には、現在の通信に使用しているアンテナ番号及びビーム番号から変更させないようにする。また、両者の間の場合には、両方のアンテナ番号及び両方のビーム番号を用いるようにしてもよい。
【0117】
このように、選択部25は、無線端末200の現在の位置及び移動履歴における位置において実際に無線通信に使用したアンテナ毎及びビーム毎の受信電力の測定値と、各位置において予測されたアンテナ毎及びビーム毎の受信電力との比較による予測精度を評価した上で、アンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択してもよい。
【0118】
上記の説明では、選択部25によって選択されたアンテナ番号及びビーム番号は、一組を仮定したが、複数組のアンテナ番号及びビーム番号を選択することも可能である。例えば、現在の通信に使用しているアンテナ番号及びビーム番号、並びに、選択部25によって選択されたアンテナ番号及びビーム番号における受信電力の推定値のレベルがいずれも低い場合がある。その場合には、次に受信電力が大きいと推定されるアンテナ番号及びビーム番号を追加で設定することもできる。このようにすることで、冗長度が増加するものの、接続性を向上できる可能性がある。
【0119】
また、選択部25は、複数組のアンテナ番号及びビーム番号を選択する別な方法として、例えば、移動予測によって予測された位置だけでなく、現在の位置から移動予測によって予測された位置に至るまでの複数の位置を基にして、複数組のアンテナ番号及びビーム番号を追加しながら設定(選択)してもよい。この場合も同様に、冗長度が増加するものの、接続性を向上できる可能性がある。
【0120】
このように、選択部25は、移動予測部22によって予測された複数の位置に対して、アンテナ及びビームの使用候補を決定し、全候補の中から実際に使用するアンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択してもよい。また、選択部25は、選択の候補となるアンテナ及びビームにおいて予測される受信電力、通信中のアンテナ及びビームにおける受信電力の測定値、並びに、受信電力の所定の閾値の関係に基づいて、アンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択してもよい。
【0121】
一方で、多数のアンテナやビームを用いることは、システムスループットの制限にもつながる。このため、現在の基地局アンテナ110等における無線リソース使用率を考慮して、無線リソース使用率が低い場合にのみ冗長なアンテナ及びビームの使用を認める等、無線リソース使用率に応じた制御を用いてもよい。具体的には、選択部25は、無線リソース使用率に応じて、同時に使用するアンテナの数及び同時に使用するビームの数を決定してもよい。
【0122】
また、選択部25は、無線リソースを効率的に使用する別の方法として、前述したように、通信中のアンテナ及びビームにおける受信電力の測定値と、予測位置において選択の候補となる各アンテナ及びビームの予測される受信電力、受信電力の所定の閾値の関係に基づいて、アンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択してもよい。例えば、選択部25は、予測位置において現在通信中のアンテナ及びビームにおける受信電力の予測値が所定の閾値を超えて低下する場合にのみ、当該予測位置におけるアンテナ及びビームを追加または選択してもよい。
【0123】
選択部25は、所定時間先に予測される無線端末200の位置だけではなく、さらに先の時間に予測される複数の無線端末200の位置に基づいて、アンテナ及びビームを選択してもよい。例えば、選択部25は、予測される複数の無線端末200の位置において、最大電力と推定されるアンテナ番号が何度も入れ替わる場合には、アンテナ番号の変更が頻繁に発生することを避けられるアンテナ番号を選ぶこともできる。
【0124】
位置推定及び移動予測の少なくともいずれかについては、無線基地局装置100の内部で推定及び予測せず、外部から直接に無線端末200の位置情報(任意の時間帯での無線端末200の位置)及び移動予測情報(想定遅延時間後に予測される無線端末200の位置情報及び移動速度)等を取得してもよい。
【0125】
また、無線端末200の移動速度については、受信電力情報などの無線品質情報から推定したドップラー周波数から算出してもよい。
【0126】
位置情報(位置推定及び移動予測の少なくともいずれか)の精度も考慮して、アンテナ及びビームの選択を行うことも可能である。例えば、選択部25は、位置情報の精度に応じて、予測される複数の位置を候補としてアンテナ及びビームの少なくともいずれかを選択してもよい。
【0127】
予測された無線端末200の位置情報の精度が低いと判断された場合には、当該位置情報の方向におけるいくつかの無線端末200の位置において、伝搬情報データベース23を参照する。そして、各位置における最大受信電力が予測されるアンテナ番号及びビーム番号を複数設定することも可能である。例えば、位置情報をグリッドで管理している場合には、移動予測部22によって予測された予測位置を含むグリッドの周辺グリッドを含めて、最大受信電力が予測されるアンテナ番号及びビーム番号を設定してもよい。
【0128】
図5図7に示した無線基地局装置100、アンテナ・ビーム予測制御部20、位置推定部21、移動予測部22、伝搬変化判定部24及び選択部25の各部は、無線基地局装置100の一部として記載したが、これに限定されない。例えば、図5図7中の各部の一部または全部は、無線基地局のRU(Radio Unit)、DU(Distributed Unit)、CU(Central Unit)のいずれかに実装されてもよい。また、図5図7中の各部の一部または全部は、無線基地局装置100以外のRIC(RAN Intelligent Controller)等の外部装置に実装されてもよい。
【0129】
このように、無線制御装置は、第1制御装置及び第2制御装置を備え、位置推定部21、移動予測部22、伝搬情報データベース23、伝搬変化判定部24及び選択部25の少なくともいずれかは、第1制御装置に設けられ、位置推定部21、移動予測部22、伝搬情報データベース23、伝搬変化判定部24及び選択部25のうち第1制御装置に設けられたもの以外は、第2制御装置に設けられてもよい。この場合の第1制御装置及び第2制御装置は、無線基地局装置100、RU、DU、CU、及び、RICのいずれかでもよい。
【0130】
また、適用先は、ミリ波等の無線通信だけでなく、テラヘルツ波(サブテラヘルツ波)の通信、光空間通信(自由空間光通信)、及び、可視光通信(光無線通信)等に適用してもよい。
【0131】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態1及び2の各構成を組み合わせた実施形態も、技術的思想の範囲に含まれる。また、無線制御方法をコンピュータに実行させる無線制御プログラムも技術的思想の範囲に含まれる。
【0132】
上述した無線制御装置20aは、例えば、マイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、サーバ等の情報処理装置でもよい。図14は、実施形態1及び2に係る無線制御装置20aを情報処理装置によって実現する場合を例示したブロック図である。図14に示すように、情報処理装置400は、プロセッサPRC、メモリMMR及び記憶装置STRを備えてもよい。記憶装置STRは、無線制御装置20aの各構成が行う処理をプログラムにして記憶してもよい。また、プロセッサPRCは、記憶装置STRからプログラムをメモリMMRへ読み込ませ、当該プログラムを実行してもよい。これにより、プロセッサPRCは、無線制御装置20aにおける各構成の機能を実現する。情報処理装置400は、移動予測部22a、 伝搬変化判定部24a、選択部25aに対応するプログラムを、メモリMMRおよび記憶装置STRを参照しながらプロセッサPRCが実行することによって、図2に示す無線制御装置20aを実現してもよい。
【0133】
無線制御装置20aが有する各構成は、それぞれが専用のハードウェアで実現されてもよい。また、各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(Circuitry)、プロセッサPRC等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサPRCとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-programmable Gate Array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0134】
また、無線制御装置20aの各構成要素の一部または全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等により、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、無線制御装置20aの機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0135】
プログラムは、コンピュータを含む無線制御装置20a等に読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0136】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0137】
(付記1)
無線通信を行う無線端末の移動を予測する移動予測部と、
所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定する伝搬変化判定部と、
前記伝搬変化判定部が判定した前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する選択部と、
を備えた無線制御装置。
(付記2)
前記選択部は、
前記受信電力の情報を伝搬情報として格納する伝搬情報格納部から、前記移動予測部によって予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報を受信し、
予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて、前記無線端末との間の前記無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1に記載の無線制御装置。
(付記3)
前記伝搬変化判定部は、
前記伝搬変化度を算出することにより、前記伝搬変化度を判定し、
判定した前記伝搬変化度から前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
付記2に記載の無線制御装置。
(付記4)
前記伝搬変化判定部は、前記伝搬変化度を算出することにより、前記伝搬変化度を判定し、
前記選択部は、前記伝搬変化判定部によって判定された前記伝搬変化度から前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
付記2に記載の無線制御装置。
(付記5)
前記選択部は、前記無線端末との間の前記無線通信に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1~4のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記6)
前記選択部は、前記無線端末との間の無線リソース制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1~4のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記7)
前記伝搬変化判定部は、前記想定遅延時間と、前記無線通信の品質変動時間との関係性から前記伝搬変化度を判定する、
付記1~6のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記8)
前記想定遅延時間は、前記受信電力の情報を受信したタイミングから、次に受信した前記受信電力の情報によって更新されるまでの時間を含む、
付記7に記載の無線制御装置。
(付記9)
前記無線通信の品質変動時間は、前記無線通信に用いられる電波が遮蔽物によって遮蔽された場合に、前記受信電力が所定の閾値以下まで低下する時間を含む、
付記7または8に記載の無線制御装置。
(付記10)
前記無線通信の品質変動時間は、前記電波の見通し空間の幅を前記無線端末の移動速度で割ることから算出される、
付記7~9のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記11)
前記電波の見通し空間の幅は、前記無線端末との間のフレネルゾーンにおけるフレネル半径または直径を含む、
付記10に記載の無線制御装置。
(付記12)
前記伝搬変化判定部は、前記無線端末毎の前記想定遅延時間、前記無線通信に用いられる電波の見通し空間を示す情報、及び、予測された前記無線端末の移動情報の関係性から前記伝搬変化度を判定する、
付記1~11のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記13)
前記伝搬変化判定部は、前記伝搬変化度を出力し、
前記移動予測部は、出力された前記伝搬変化度に基づいて前記無線端末の移動の予測を更新する、
付記1~12のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記14)
前記選択部は、
前記選択制御が必要の場合には、前記移動予測部によって予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択し、
前記選択制御が不要の場合には、通信中の前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかの前記受信電力の情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記3または4に記載の無線制御装置。
(付記15)
前記選択部は、前記移動予測部によって予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて選択される前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかと、通信中の前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかの前記受信電力の情報に基づいて選択される前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかと、を所定の確率で選択する、
付記1~14のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記16)
前記移動予測部は、前記無線端末の位置情報の時系列、前記無線端末の移動履歴及び前記無線端末の周辺の地図の少なくともいずれかの情報に基づいて、前記無線端末の位置及び速度を予測する、
付記1~15のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記17)
前記無線端末の位置を推定する位置推定部をさらに備えた、
付記1~16のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記18)
前記位置推定部は、前記伝搬情報、前記受信電力の情報及び電波の到来時間情報の少なくともいずれかに基づいて、前記無線端末の位置を推定する、
付記17に記載の無線制御装置。
(付記19)
前記選択部は、選択の候補となる前記アンテナ及び前記ビームにおいて予測される前記受信電力、通信中の前記アンテナ及び前記ビームにおける前記受信電力の測定値、並びに、前記受信電力の所定の閾値の関係に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1~18のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記20)
前記選択部は、前記無線端末の現在の位置から前記移動予測部によって予測された位置に至るまでの複数の位置を基にして、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1~19のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記21)
前記選択部は、前記無線端末の現在の位置及び移動履歴における位置において実際に前記無線通信に使用した前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の測定値と、各位置において予測された前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力との比較による予測精度を評価した上で、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1~20のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記22)
前記選択部は、位置情報の精度に応じて、予測される複数の位置を候補として前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1~21のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記23)
前記選択部は、無線リソース使用率に応じて、同時に使用する前記アンテナの数及び同時に使用する前記ビームの数を決定する、
付記1~22のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記24)
前記選択部は、前記移動予測部によって予測された複数の位置に対して、前記アンテナ及び前記ビームの使用候補を決定し、全候補の中から実際に使用する前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1~23のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記25)
前記選択部は、上位の制御装置または無線基地局装置から前記無線端末毎及び前記無線通信毎のスライス情報を入力し、当該スライス情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
付記1~24のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記26)
第1制御装置及び第2制御装置を備え、
前記移動予測部、前記伝搬変化判定部及び前記選択部の少なくともいずれかは、前記第1制御装置に設けられ、
前記移動予測部、前記伝搬変化判定部及び前記選択部のうち前記第1制御装置に設けられたもの以外は、前記第2制御装置に設けられた、
付記1~25のいずれか1項に記載の無線制御装置。
(付記1A)
無線通信を行う無線端末の移動を予測する移動予測部と、
所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定する伝搬変化判定部と、
前記伝搬変化判定部が判定した前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する選択部と、
を備えた無線基地局装置。
(付記2A)
前記選択部は、
前記受信電力の情報を伝搬情報として格納する伝搬情報格納部から、前記移動予測部によって予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報を受信し、
予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて、前記無線端末との間の前記無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1Aに記載の無線基地局装置。
(付記3A)
前記伝搬変化判定部は、
前記伝搬変化度を算出することにより、前記伝搬変化度を判定し、
判定した前記伝搬変化度から前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
付記2Aに記載の無線基地局装置。
(付記4A)
前記伝搬変化判定部は、前記伝搬変化度を算出することにより、前記伝搬変化度を判定し、
前記選択部は、前記伝搬変化判定部によって判定された前記伝搬変化度から前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
付記2Aに記載の無線基地局装置。
(付記5A)
前記選択部は、前記無線端末との間の前記無線通信に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1A~4Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記6A)
前記選択部は、前記無線端末との間の無線リソース制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1A~4Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記7A)
前記伝搬変化判定部は、前記想定遅延時間と、前記無線通信の品質変動時間との関係性から前記伝搬変化度を判定する、
付記1A~6Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記8A)
前記想定遅延時間は、前記受信電力の情報を受信したタイミングから、次に受信した前記受信電力の情報によって更新されるまでの時間を含む、
付記7Aに記載の無線基地局装置。
(付記9A)
前記無線通信の品質変動時間は、前記無線通信に用いられる電波が遮蔽物によって遮蔽された場合に、前記受信電力が所定の閾値以下まで低下する時間を含む、
付記7Aまたは8Aに記載の無線基地局装置。
(付記10A)
前記無線通信の品質変動時間は、前記電波の見通し空間の幅を前記無線端末の移動速度で割ることから算出される、
付記7A~9Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記11A)
前記電波の見通し空間の幅は、前記無線端末との間のフレネルゾーンにおけるフレネル半径または直径を含む、
付記10Aに記載の無線基地局装置。
(付記12A)
前記伝搬変化判定部は、前記無線端末毎の前記想定遅延時間、前記無線通信に用いられる電波の見通し空間を示す情報、及び、予測された前記無線端末の移動情報の関係性から前記伝搬変化度を判定する、
付記1A~11Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記13A)
前記伝搬変化判定部は、前記伝搬変化度を出力し、
前記移動予測部は、出力された前記伝搬変化度に基づいて前記無線端末の移動の予測を更新する、
付記1A~12Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記14A)
前記選択部は、
前記選択制御が必要の場合には、前記移動予測部によって予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択し、
前記選択制御が不要の場合には、通信中の前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかの前記受信電力の情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記3Aまたは4Aに記載の無線基地局装置。
(付記15A)
前記選択部は、前記移動予測部によって予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて選択される前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかと、通信中の前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかの前記受信電力の情報に基づいて選択される前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかと、を所定の確率で選択する、
付記1A~14Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記16A)
前記移動予測部は、前記無線端末の位置情報の時系列、前記無線端末の移動履歴及び前記無線端末の周辺の地図の少なくともいずれかの情報に基づいて、前記無線端末の位置及び速度を予測する、
付記1A~15Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記17A)
前記無線端末の位置を推定する位置推定部をさらに備えた、
付記1A~16Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記18A)
前記位置推定部は、前記伝搬情報、前記受信電力の情報及び電波の到来時間情報の少なくともいずれかに基づいて、前記無線端末の位置を推定する、
付記17Aに記載の無線基地局装置。
(付記19A)
前記選択部は、選択の候補となる前記アンテナ及び前記ビームにおいて予測される前記受信電力、通信中の前記アンテナ及び前記ビームにおける前記受信電力の測定値、並びに、前記受信電力の所定の閾値の関係に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1A~18Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記20A)
前記選択部は、前記無線端末の現在の位置から前記移動予測部によって予測された位置に至るまでの複数の位置を基にして、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1A~19Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記21A)
前記選択部は、前記無線端末の現在の位置及び移動履歴における位置において実際に前記無線通信に使用した前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の測定値と、各位置において予測された前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力との比較による予測精度を評価した上で、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1A~20Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記22A)
前記選択部は、位置情報の精度に応じて、予測される複数の位置を候補として前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1A~21Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記23A)
前記選択部は、無線リソース使用率に応じて、同時に使用する前記アンテナの数及び同時に使用する前記ビームの数を決定する、
付記1A~22Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記24A)
前記選択部は、前記移動予測部によって予測された複数の位置に対して、前記アンテナ及び前記ビームの使用候補を決定し、全候補の中から実際に使用する前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1A~23Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記25A)
前記選択部は、上位の制御装置または無線基地局装置から前記無線端末毎及び前記無線通信毎のスライス情報を入力し、当該スライス情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
付記1A~24Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記26A)
第1制御装置及び第2制御装置を備え、
前記移動予測部、前記伝搬変化判定部及び前記選択部の少なくともいずれかは、前記第1制御装置に設けられ、
前記移動予測部、前記伝搬変化判定部及び前記選択部のうち前記第1制御装置に設けられたもの以外は、前記第2制御装置に設けられた、
付記1A~25Aのいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記1B)
少なくとも1つの無線端末と、
前記無線端末と無線通信を行う無線制御装置と、
を備え、
前記無線制御装置は、
前記無線端末の移動を予測する移動予測部と、
所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定する伝搬変化判定部と、
前記伝搬変化判定部が判定した前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する選択部と、
を備えた無線通信システム。
(付記2B)
前記選択部は、
前記受信電力の情報を伝搬情報として格納する伝搬情報格納部から、前記移動予測部によって予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報を受信し、
予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて、前記無線端末との間の前記無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1Bに記載の無線通信システム。
(付記3B)
前記伝搬変化判定部は、
前記伝搬変化度を算出することにより、前記伝搬変化度を判定し、
判定した前記伝搬変化度から前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
付記2Bに記載の無線通信システム。
(付記4B)
前記伝搬変化判定部は、前記伝搬変化度を算出することにより、前記伝搬変化度を判定し、
前記選択部は、前記伝搬変化判定部によって判定された前記伝搬変化度から前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
付記2Bに記載の無線通信システム。
(付記5B)
前記選択部は、前記無線端末との間の前記無線通信に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1B~4Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記6B)
前記選択部は、前記無線端末との間の無線リソース制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1B~4Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記7B)
前記伝搬変化判定部は、前記想定遅延時間と、前記無線通信の品質変動時間との関係性から前記伝搬変化度を判定する、
付記1B~6Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記8B)
前記想定遅延時間は、前記受信電力の情報を受信したタイミングから、次に受信した前記受信電力の情報によって更新されるまでの時間を含む、
付記7Bに記載の無線通信システム。
(付記9B)
前記無線通信の品質変動時間は、前記無線通信に用いられる電波が遮蔽物によって遮蔽された場合に、前記受信電力が所定の閾値以下まで低下する時間を含む、
付記7Bまたは8Bに記載の無線通信システム。
(付記10B)
前記無線通信の品質変動時間は、前記電波の見通し空間の幅を前記無線端末の移動速度で割ることから算出される、
付記7B~9Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記11B)
前記電波の見通し空間の幅は、前記無線端末との間のフレネルゾーンにおけるフレネル半径または直径を含む、
付記10Bに記載の無線通信システム。
(付記12B)
前記伝搬変化判定部は、前記無線端末毎の前記想定遅延時間、前記無線通信に用いられる電波の見通し空間を示す情報、及び、予測された前記無線端末の移動情報の関係性から前記伝搬変化度を判定する、
付記1B~11Bのいずれか1項に記載の無無線通信システム。
(付記13B)
前記伝搬変化判定部は、前記伝搬変化度を出力し、
前記移動予測部は、出力された前記伝搬変化度に基づいて前記無線端末の移動の予測を更新する、
付記1B~12Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記14B)
前記選択部は、
前記選択制御が必要の場合には、前記移動予測部によって予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択し、
前記選択制御が不要の場合には、通信中の前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかの前記受信電力の情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記3Bまたは4Bに記載の無線通信システム。
(付記15B)
前記選択部は、前記移動予測部によって予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて選択される前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかと、通信中の前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかの前記受信電力の情報に基づいて選択される前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかと、を所定の確率で選択する、
付記1B~14Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記16B)
前記移動予測部は、前記無線端末の位置情報の時系列、前記無線端末の移動履歴及び前記無線端末の周辺の地図の少なくともいずれかの情報に基づいて、前記無線端末の位置及び速度を予測する、
付記1B~15Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記17B)
前記無線端末の位置を推定する位置推定部をさらに備えた、
付記1B~16Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記18B)
前記位置推定部は、前記伝搬情報、前記受信電力の情報及び電波の到来時間情報の少なくともいずれかに基づいて、前記無線端末の位置を推定する、
付記17Bに記載の無線通信システム。
(付記19B)
前記選択部は、選択の候補となる前記アンテナ及び前記ビームにおいて予測される前記受信電力、通信中の前記アンテナ及び前記ビームにおける前記受信電力の測定値、並びに、前記受信電力の所定の閾値の関係に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1B~18Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記20B)
前記選択部は、前記無線端末の現在の位置から前記移動予測部によって予測された位置に至るまでの複数の位置を基にして、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1B~19Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記21B)
前記選択部は、前記無線端末の現在の位置及び移動履歴における位置において実際に前記無線通信に使用した前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の測定値と、各位置において予測された前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力との比較による予測精度を評価した上で、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1B~20Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記22B)
前記選択部は、位置情報の精度に応じて、予測される複数の位置を候補として前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1B~21Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記23B)
前記選択部は、無線リソース使用率に応じて、同時に使用する前記アンテナの数及び同時に使用する前記ビームの数を決定する、
付記1B~22Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記24B)
前記選択部は、前記移動予測部によって予測された複数の位置に対して、前記アンテナ及び前記ビームの使用候補を決定し、全候補の中から実際に使用する前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1B~23Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記25B)
前記選択部は、上位の制御装置または無線基地局装置から前記無線端末毎及び前記無線通信毎のスライス情報を入力し、当該スライス情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
付記1B~24Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記26B)
前記無線制御装置は、第1制御装置及び第2制御装置を有し、
前記移動予測部、前記伝搬変化判定部及び前記選択部の少なくともいずれかは、前記第1制御装置に設けられ、
前記移動予測部、前記伝搬変化判定部及び前記選択部のうち前記第1制御装置に設けられたもの以外は、前記第2制御装置に設けられた、
付記1B~25Bのいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記1C)
無線通信を行う無線端末の移動を予測し、
所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定し、
判定された前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
無線制御方法。
(付記2C)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
前記受信電力の情報を伝搬情報として格納する伝搬情報格納部から、予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報を受信し、
予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて、前記無線端末との間の前記無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1Cに記載の無線制御方法。
(付記3C)
前記伝搬変化度を判定する際に、
前記伝搬変化度を算出することにより、前記伝搬変化度を判定し、
判定した前記伝搬変化度から前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
付記2Cに記載の無線制御方法。
(付記4C)
前記伝搬変化度を判定する際に、
前記伝搬変化度を算出することにより、前記伝搬変化度を判定し、
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
判定された前記伝搬変化度から前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
付記2Cに記載の無線制御方法。
(付記5C)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
前記無線端末との間の前記無線通信に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1C~4Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記6C)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
前記無線端末との間の無線リソース制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1C~4Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記7C)
前記伝搬変化度を判定する際に、
前記想定遅延時間と、前記無線通信の品質変動時間との関係性から前記伝搬変化度を判定する、
付記1C~6Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記8C)
前記想定遅延時間は、前記受信電力の情報を受信したタイミングから、次に受信した前記受信電力の情報によって更新されるまでの時間を含む、
付記7Cに記載の無線制御方法。
(付記9C)
前記無線通信の品質変動時間は、前記無線通信に用いられる電波が遮蔽物によって遮蔽された場合に、前記受信電力が所定の閾値以下まで低下する時間を含む、
付記7Cまたは8Cに記載の無線制御方法。
(付記10C)
前記無線通信の品質変動時間は、前記電波の見通し空間の幅を前記無線端末の移動速度で割ることから算出される、
付記7C~9Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記11C)
前記電波の見通し空間の幅は、前記無線端末との間のフレネルゾーンにおけるフレネル半径または直径を含む、
付記10Cに記載の無線制御方法。
(付記12C)
前記伝搬変化度を判定する際に、
前記無線端末毎の前記想定遅延時間、前記無線通信に用いられる電波の見通し空間を示す情報、及び、予測された前記無線端末の移動情報の関係性から前記伝搬変化度を判定する、
付記1C~11Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記13C)
前記伝搬変化度を判定する際に、
前記伝搬変化度を出力し、
前記無線端末の移動を予測する際に、
出力された前記伝搬変化度に基づいて前記無線端末の移動の予測を更新する、
付記1C~12Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記14C)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
前記選択制御が必要の場合には、予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームのうち少なくともいずれかを選択し、
前記選択制御が不要の場合には、通信中の前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかの前記受信電力の情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームのうち少なくともいずれかを選択する、
付記3Cまたは4Cに記載の無線制御方法。
(付記15C)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて選択される前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかと、通信中の前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかの前記受信電力の情報に基づいて選択される前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかと、を所定の確率で選択する、
付記1C~14Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記16C)
前記無線端末の移動を予測する際に、
前記無線端末の位置情報の時系列、前記無線端末の移動履歴及び前記無線端末の周辺の地図の少なくともいずれかの情報に基づいて、前記無線端末の位置及び速度を予測する、
付記1C~15Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記17C)
さらに、前記無線端末の位置を推定する、
付記1C~16Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記18C)
前記無線端末の位置を推定する際に、
前記伝搬情報、前記受信電力の情報及び電波の到来時間情報の少なくともいずれかに基づいて、前記無線端末の位置を推定する、
付記17Cに記載の無線制御方法。
(付記19C)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
選択の候補となる前記アンテナ及び前記ビームにおいて予測される前記受信電力、通信中の前記アンテナ及び前記ビームにおける前記受信電力の測定値、並びに、前記受信電力の所定の閾値の関係に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1C~18Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記20C)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
前記無線端末の現在の位置から、予測された位置に至るまでの複数の位置を基にして、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1C~19Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記21C)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
前記無線端末の現在の位置及び移動履歴における位置において実際に前記無線通信に使用した前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の測定値と、各位置において予測された前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力との比較による予測精度を評価した上で、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1C~20Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記22C)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
位置情報の精度に応じて、予測される複数の位置を候補として前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1C~21Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記23C)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
無線リソース使用率に応じて、同時に使用する前記アンテナの数及び同時に使用する前記ビームの数を決定する、
付記1C~22Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記24C)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
予測された複数の位置に対して、前記アンテナ及び前記ビームの使用候補を決定し、全候補の中から実際に使用する前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
付記1C~23Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記25C)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
上位の制御装置または無線基地局装置から前記無線端末毎及び前記無線通信毎のスライス情報を入力し、当該スライス情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定する、
付記1C~24Cのいずれか1項に記載の無線制御方法。
(付記1D)
無線通信を行う無線端末の移動を予測させ、
所定の想定遅延時間内に前記無線通信の受信電力を含む前記無線通信の伝搬がどの程度変化するかの度合いを示す伝搬変化度を判定させ、
判定された前記伝搬変化度に基づいて、複数のアンテナ及び複数のビームの中から前記無線端末との間の無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる、
ことをコンピュータに実行させる無線制御プログラム。
(付記2D)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる際に、
前記受信電力の情報を伝搬情報として格納する伝搬情報格納部から、予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報を受信させ、
予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて、前記無線端末との間の前記無線通信制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1Dに記載の無線制御プログラム。
(付記3D)
前記伝搬変化度を判定させる際に、
前記伝搬変化度を算出させることにより、前記伝搬変化度を判定させ、
判定した前記伝搬変化度から前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定させる、
ことをコンピュータに実行させる付記2Dに記載の無線制御プログラム。
(付記4D)
前記伝搬変化度を判定させる際に、
前記伝搬変化度を算出させることにより、前記伝搬変化度を判定させ、
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる際に、
判定された前記伝搬変化度から前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定させる、
ことをコンピュータに実行させる付記2Dに記載の無線制御プログラム。
(付記5D)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる際に、
前記無線端末との間の前記無線通信に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~4Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記6D)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる際に、
前記無線端末との間の無線リソース制御に用いられる前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~4Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記7D)
前記伝搬変化度を判定させる際に、
前記想定遅延時間と、前記無線通信の品質変動時間との関係性から前記伝搬変化度を判定させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~6Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記8D)
前記想定遅延時間は、前記受信電力の情報を受信したタイミングから、次に受信した前記受信電力の情報によって更新されるまでの時間を含む、
付記7Dに記載の無線制御プログラム。
(付記9D)
前記無線通信の品質変動時間は、前記無線通信に用いられる電波が遮蔽物によって遮蔽された場合に、前記受信電力が所定の閾値以下まで低下する時間を含む、
付記7Dまたは8Dに記載の無線制御プログラム。
(付記10C)
前記無線通信の品質変動時間は、前記電波の見通し空間の幅を前記無線端末の移動速度で割ることから算出される、
付記7D~9Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記11D)
前記電波の見通し空間の幅は、前記無線端末との間のフレネルゾーンにおけるフレネル半径または直径を含む、
付記10Dに記載の無線制御プログラム。
(付記12D)
前記伝搬変化度を判定させる際に、
前記無線端末毎の前記想定遅延時間、前記無線通信に用いられる電波の見通し空間を示す情報、及び、予測された前記無線端末の移動情報の関係性から前記伝搬変化度を判定させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~11Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記13D)
前記伝搬変化度を判定させる際に、
前記伝搬変化度を出力させ、
前記無線端末の移動を予測させる際に、
出力された前記伝搬変化度に基づいて前記無線端末の移動の予測を更新させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~12Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記14D)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる際に、
前記選択制御が必要の場合には、予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させ、
前記選択制御が不要の場合には、通信中の前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかの前記受信電力の情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる、
ことをコンピュータに実行させる付記3Dまたは4Dに記載の無線制御プログラム。
(付記15D)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる際に、
予測された前記無線端末の位置における前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の情報に基づいて選択される前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかと、通信中の前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかの前記受信電力の情報に基づいて選択される前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかと、を所定の確率で選択させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~14Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記16D)
前記無線端末の移動を予測させる際に、
前記無線端末の位置情報の時系列、前記無線端末の移動履歴及び前記無線端末の周辺の地図の少なくともいずれかの情報に基づいて、前記無線端末の位置及び速度を予測させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~15Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記17D)
さらに、前記無線端末の位置を推定させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~16Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記18D)
前記無線端末の位置を推定させる際に、
前記伝搬情報、前記受信電力の情報及び電波の到来時間情報の少なくともいずれかに基づいて、前記無線端末の位置を推定させる、
ことをコンピュータに実行させる付記17Dに記載の無線制御プログラム。
(付記19D)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる際に、
選択の候補となる前記アンテナ及び前記ビームにおいて予測される前記受信電力、通信中の前記アンテナ及び前記ビームにおける前記受信電力の測定値、並びに、前記受信電力の所定の閾値の関係に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~18Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記20D)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる際に、
前記無線端末の現在の位置から、予測された位置に至るまでの複数の位置を基にして、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~19Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記21D)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する際に、
前記無線端末の現在の位置及び移動履歴における位置において実際に前記無線通信に使用した前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力の測定値と、各位置において予測された前記アンテナ毎及び前記ビーム毎の前記受信電力との比較による予測精度を評価した上で、前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択する、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~20Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記22D)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる際に、
位置情報の精度に応じて、予測される複数の位置を候補として前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~21Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記23D)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる際に、
無線リソース使用率に応じて、同時に使用する前記アンテナの数及び同時に使用する前記ビームの数を決定させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~22Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記24D)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる際に、
予測された複数の位置に対して、前記アンテナ及び前記ビームの使用候補を決定させ、全候補の中から実際に使用する前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~23Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
(付記25D)
前記アンテナ及び前記ビームの少なくともいずれかを選択させる際に、
上位の制御装置または無線基地局装置から前記無線端末毎及び前記無線通信毎のスライス情報を入力し、当該スライス情報に基づいて、前記アンテナ及び前記ビームの追加及び切替を含む選択制御の要否を決定させる、
ことをコンピュータに実行させる付記1D~24Dのいずれか1項に記載の無線制御プログラム。
【符号の説明】
【0138】
1 無線通信システム
10 デジタル送受信部
20 アンテナ・ビーム予測制御部
20a 無線制御装置
21 位置推定部
22、22a 移動予測部
23 伝搬情報データベース
24、24a 伝搬変化判定部
25、25a 選択部
26 想定遅延時間算出部
27 電波的な見通し空間算出部
28 無線品質変動時間算出部
29 変化度判定部
30 無線リソース制御部
90 集約基地局
100 無線基地局装置
110、120、130 基地局アンテナ
140 ビーム制御部
150 RF送受信部
200、210、220 無線端末
300 遮蔽物
310 遮蔽区間
400 情報処理装置
PRC プロセッサ
MMR メモリ
STR 記憶装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14