(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182522
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】リールガイド装置、ロープロファイルリール及び釣具
(51)【国際特許分類】
A01K 89/015 20060101AFI20231219BHJP
【ＦＩ】
A01K89/015 H
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023041694
(22)【出願日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202210670448.9
(32)【優先日】2022-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522394591
【氏名又は名称】深▲せん▼波賽冬網絡科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】陳 鴻
【テーマコード（参考）】
2B108
【Ｆターム（参考）】
2B108EA15
2B108EG01
2B108EG03
(57)【要約】 （修正有）
【課題】ロープロファイルリールに適用するリールガイド装置を提供する。
【解決手段】リールガイド装置は、リールアセンブリを収容するための取付位置が開けられた取付フレームと、取付フレームに設けられて且つ取付位置側に位置するガイドリングであって、リールアセンブリ上の糸を通すための糸通し孔が設けられたガイドリングと、取付フレームに設けられたボタン伝動機構であって、ボタンアセンブリと、ボタンアセンブリ及びガイドリングに連結され、ボタンアセンブリの作用によりガイドリングを回転させることにより、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対する角度を調整し、ロープロファイルリールの糸出し状態において糸通し孔内の糸の可動領域を大きくして糸と糸通し孔の内壁との摩擦を少なくすることができ、糸回収状態において糸の可動領域を小さくすることができる伝動アセンブリとを含むボタン伝動機構とを含む。
【選択図】図１
【解決手段】リールガイド装置は、リールアセンブリを収容するための取付位置が開けられた取付フレームと、取付フレームに設けられて且つ取付位置側に位置するガイドリングであって、リールアセンブリ上の糸を通すための糸通し孔が設けられたガイドリングと、取付フレームに設けられたボタン伝動機構であって、ボタンアセンブリと、ボタンアセンブリ及びガイドリングに連結され、ボタンアセンブリの作用によりガイドリングを回転させることにより、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対する角度を調整し、ロープロファイルリールの糸出し状態において糸通し孔内の糸の可動領域を大きくして糸と糸通し孔の内壁との摩擦を少なくすることができ、糸回収状態において糸の可動領域を小さくすることができる伝動アセンブリとを含むボタン伝動機構とを含む。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロープロファイルリールに適用するリールガイド装置であって、
リールアセンブリを収容するための取付位置が開けられた取付フレームと、
取付フレームに設けられて且つ取付位置側に位置するガイドリングであって、リールアセンブリ上の糸を通すための糸通し孔が設けられたガイドリングと、
取付フレームに設けられたボタン伝動機構であって、ボタンアセンブリと、ボタンアセンブリ及びガイドリングに連結され、ボタンアセンブリの作用によりガイドリングを回転させることにより、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対する角度を調整し、ロープロファイルリールの糸出し状態において糸通し孔内の糸の可動領域を大きくして糸と糸通し孔の内壁との摩擦を少なくすることができ、糸回収状態において糸の可動領域を小さくすることができる伝動アセンブリとを含むボタン伝動機構とを含むことを特徴とするリールガイド装置。
リールアセンブリを収容するための取付位置が開けられた取付フレームと、
取付フレームに設けられて且つ取付位置側に位置するガイドリングであって、リールアセンブリ上の糸を通すための糸通し孔が設けられたガイドリングと、
取付フレームに設けられたボタン伝動機構であって、ボタンアセンブリと、ボタンアセンブリ及びガイドリングに連結され、ボタンアセンブリの作用によりガイドリングを回転させることにより、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対する角度を調整し、ロープロファイルリールの糸出し状態において糸通し孔内の糸の可動領域を大きくして糸と糸通し孔の内壁との摩擦を少なくすることができ、糸回収状態において糸の可動領域を小さくすることができる伝動アセンブリとを含むボタン伝動機構とを含むことを特徴とするリールガイド装置。
【請求項2】
前記伝動アセンブリは、側面に第１の鋸歯が設けられたクラッチカム及び伝動ホイール群を含み、
前記伝動ホイール群は、ガイドリング側に位置するウォームと、ウォームに嵌設されたウォームスリーブと、ウォームスリーブに嵌設されウォームスリーブに追従して移動可能な連結座と、ガイドリングに固定された連結ギヤを含み、
前記ウォームスリーブ及び連結座には、それぞれ、第１の鋸歯と連結ギヤと噛合する第２の鋸歯及び第３の鋸歯が設けられ、
前記ボタンアセンブリがクラッチカムに連結され、ボタンアセンブリによりクラッチカムを回転させることにより連結ギヤを回転させ、ガイドリングが連結ギヤに追従してリールアセンブリに対して左又は右に回転するようにすることで、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対する角度を調整することを特徴とする請求項１に記載のリールガイド装置。
前記伝動ホイール群は、ガイドリング側に位置するウォームと、ウォームに嵌設されたウォームスリーブと、ウォームスリーブに嵌設されウォームスリーブに追従して移動可能な連結座と、ガイドリングに固定された連結ギヤを含み、
前記ウォームスリーブ及び連結座には、それぞれ、第１の鋸歯と連結ギヤと噛合する第２の鋸歯及び第３の鋸歯が設けられ、
前記ボタンアセンブリがクラッチカムに連結され、ボタンアセンブリによりクラッチカムを回転させることにより連結ギヤを回転させ、ガイドリングが連結ギヤに追従してリールアセンブリに対して左又は右に回転するようにすることで、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対する角度を調整することを特徴とする請求項１に記載のリールガイド装置。
【請求項3】
前記伝動ホイール群は、取付フレームに設けられた第１の伝動ギヤと第２の伝動ギヤとを更に含み、
前記第１の伝動ギヤは、第１の鋸歯と第２の伝動ギヤと噛合し、
前記ウォームスリーブ上の第２の鋸歯は、第２の伝動ギヤと噛合することを特徴とする請求項２に記載のリールガイド装置。
前記第１の伝動ギヤは、第１の鋸歯と第２の伝動ギヤと噛合し、
前記ウォームスリーブ上の第２の鋸歯は、第２の伝動ギヤと噛合することを特徴とする請求項２に記載のリールガイド装置。
【請求項4】
前記ボタンアセンブリは、調整ボタンと、連結ロッドと、環状体とを含み、
前記取付フレームの表面には連結ポストが設けられ、
前記クラッチカムは、環状体に固定され、
前記環状体は、連結ポストに嵌設され、連結ロッドを介して調整ボタンに連結されることにより、環状体は、調整ボタンを押下する際に連結ポスト周りに回転可能であることを特徴とする請求項２に記載のリールガイド装置。
前記取付フレームの表面には連結ポストが設けられ、
前記クラッチカムは、環状体に固定され、
前記環状体は、連結ポストに嵌設され、連結ロッドを介して調整ボタンに連結されることにより、環状体は、調整ボタンを押下する際に連結ポスト周りに回転可能であることを特徴とする請求項２に記載のリールガイド装置。
【請求項5】
前記伝動ホイール群は、更に固定フォークを含み、
前記固定フォークの一端は、Ｕ型開口を呈し、
前記ウォームスリーブには溝が開けられており、
前記Ｕ型開口は、連結座、溝を穿設してウォームに係設し、
前記固定フォークの他端は、連結座に係合して取り付けられることを特徴とする請求項２に記載のリールガイド装置。
前記固定フォークの一端は、Ｕ型開口を呈し、
前記ウォームスリーブには溝が開けられており、
前記Ｕ型開口は、連結座、溝を穿設してウォームに係設し、
前記固定フォークの他端は、連結座に係合して取り付けられることを特徴とする請求項２に記載のリールガイド装置。
【請求項6】
更に、取付フレームに固定されたガイドリングホルダを含み、
前記ガイドリングの一端は、前記ガイドリングホルダを穿設して伝動アセンブリに連結されていることを特徴とする請求項１に記載のリールガイド装置。
前記ガイドリングの一端は、前記ガイドリングホルダを穿設して伝動アセンブリに連結されていることを特徴とする請求項１に記載のリールガイド装置。
【請求項7】
前記糸通し孔は、楕円形孔であることを特徴とする請求項１に記載のリールガイド装置。
【請求項8】
リール本体と、リール本体に取り付けられた上記請求項１～７のいずれか１項に記載のリールガイド装置と、取付位置に設けられたリールアセンブリとを含むことを特徴とするロープロファイルリール。
【請求項9】
上記請求項８に記載のロープロファイルリールを含むことを特徴とする釣具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣具の分野に関し、より具体的にはリールガイド装置、ロープロファイルリール及び釣具に関する。
【背景技術】
【0002】
ロープロファイルリールは、投げ（海）釣りに必須な釣り道具の一つである。既存のロープロファイルリールのガイドシステムでは、糸の回収や糸出しは、ガイドリングの同一のリング孔で行われる。このようなガイドシステムの最大の欠点は、糸回収時に、リールアセンブリに糸を均一に平らで美しく巻き付けるには、ガイドリングの孔をできるだけ小さくする必要がある一方、糸を投げる際には、高速で走行する糸とガイドリングの内壁との摩擦による、餌の投げ距離の短縮や入水位置が理想的ではないことを避けるために、ガイドリングの孔をできるだけ大きくする必要があるという、リールアセンブリの糸回収と糸出しの２種類の状態におけるユーザの機能的ニーズを両立できないことである。
【0003】
現在、市販のガイドリングは、糸回収時に糸をリールアセンブリに均一に巻き付けることをできるだけ保証するという目的から、ガイド孔をできるだけ小さくすることに重点を置いている。しかし、このようにすると、多くの投げ体験を犠牲にすることになる。餌を投げる時に、ガイド孔が小さいために、高速で走行する糸とガイドリングの内壁との摩擦により、糸の走行速度及び走行軌跡の両方が制限されることを避けることができず、最終的に餌の投げ距離が短縮され、餌の入水位置が理想的ではなく、アタリ率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の解決しようとする技術課題は、ユーザが釣りをする際の使用体験を高めることができるリールガイド装置、ロープロファイルリール及び釣具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した技術課題を解決するために、本発明の一態様によれば、リールガイド装置を提供し、リールアセンブリを収容するための取付位置が開けられた取付フレームと、取付フレームに設けられて且つ取付位置側に位置するガイドリングであって、リールアセンブリ上の糸を通すための糸通し孔が設けられたガイドリングと、取付フレームに設けられたボタン伝動機構であって、ボタンアセンブリと、ボタンアセンブリ及びガイドリングに連結され、ボタンアセンブリの作用によりガイドリングを回転させることにより、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対する角度を調整し、ロープロファイルリールの糸出し状態において糸通し孔内の糸の可動領域を大きくして糸と糸通し孔の内壁との摩擦を少なくすることができ、糸回収状態において糸の可動領域を小さくすることができる伝動アセンブリとを含むボタン伝動機構とを含む。
【0006】
そのさらなる技術態様として、前記伝動アセンブリは、側面に第１の鋸歯が設けられたクラッチカム及び伝動ホイール群を含み、前記伝動ホイール群は、ガイドリング側に位置するウォームと、ウォームに嵌設されたウォームスリーブと、ウォームスリーブに嵌設されウォームスリーブに追従して移動可能な連結座と、ガイドリングに固定された連結ギヤを含み、前記ウォームスリーブ及び連結座には、それぞれ、第１の鋸歯と連結ギヤと噛合する第２の鋸歯及び第３の鋸歯が設けられ、前記ボタンアセンブリがクラッチカムに連結され、ボタンアセンブリによりクラッチカムを回転させることにより連結ギヤを回転させ、ガイドリングが連結ギヤに追従してリールアセンブリに対して左又は右に回転するようにすることで、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対する角度を調整する。
【0007】
そのさらなる技術態様として、前記伝動ホイール群は、取付フレームに設けられた第１の伝動ギヤと第２の伝動ギヤとを更に含み、前記第１の伝動ギヤは、第１の鋸歯と第２の伝動ギヤと噛合し、前記ウォームスリーブ上の第２の鋸歯は、第２の伝動ギヤと噛合する。
【0008】
そのさらなる技術態様として、前記ボタンアセンブリは、調整ボタンと、連結ロッドと、環状体とを含み、前記取付フレームの表面には連結ポストが設けられ、前記クラッチカムは、環状体に固定され、前記環状体は、連結ポストに嵌設され、連結ロッドを介して調整ボタンに連結されることにより、環状体は、調整ボタンを押下する際に連結ポスト周りに回転可能である。
【0009】
そのさらなる技術態様として、前記伝動ホイール群は、更に固定フォークを含み、前記固定フォークの一端は、Ｕ型開口を呈し、前記ウォームスリーブには溝が開けられており、前記Ｕ型開口は、連結座、溝を穿設してウォームに係設し、前記固定フォークの他端は、連結座に係合して取り付けられる。
【0010】
そのさらなる技術態様として、前記リールガイド装置は、更にガイドリングホルダを含み、前記ガイドリングホルダは、取付フレームに固定され、前記ガイドリングの一端は、前記ガイドリングホルダを穿設して伝動アセンブリに連結されている。
【0011】
そのさらなる技術態様として、前記糸通し孔は、楕円形孔である。
【0012】
上述した技術課題を解決するために、本発明の別に態様によれば、リール本体と、リール本体に取り付けられた上記リールガイド装置と、取付位置に設けられたリールアセンブリとを含むロープロファイルリールを提供する。
【0013】
上述した技術課題を解決するために、本発明の別に態様によれば、上記ロープロファイルリールを含む釣具を提供する。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比較して、本発明のリールガイド装置は、リールアセンブリの糸回収と糸出しの２つの状態におけるユーザの機能的ニーズを両立することができる。即ち、ボタンアセンブリによりガイドリングを回転させることができ、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対応する角度を調整し、ロープロファイルリールの糸回収状態において糸通し孔内の糸の可動領域を小さくして、糸回収時に糸をリールアセンブリに均一に巻き付けることができる一方、糸出し状態において糸通し孔内の糸の可動領域を大きくして、ガイドリング内の糸の高速走行に十分に大きな空間を与え、糸とガイドリングの内壁との摩擦により糸の走行速度及び走行軌跡の両方が制限されるという不良現象を最大限に減少させ、餌の投げ距離及び餌の入水位置の満足度を大幅に向上させ、アタリ率を向上させ、釣り人の体験感と釣りの楽しさを大幅に高める。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のリールガイド装置の１つの具体的な実施例の立体構成図である。
【図2】本発明のリールガイド装置の１つの具体的な実施例の分解構成図である。
【図4】本発明のリールガイド装置が糸回収状態にあるときの動作図である。
【図5】本発明のリールガイド装置が糸出し状態にあるときの動作図である。
【図6】本発明のロープロファイルリールの１つの具体的な実施例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の目的、技術的態様及び利点を当業者がより明確に理解するために、以下に添付図面及び実施例に関連して本発明を更に説明する。
【0017】
図１～図５を参照する。図１～図５は、本発明のリールガイド装置１０の１つの具体的な実施例を示している。取付フレーム１１等の構造をより直感的に示すために、図１～図３には、リールアセンブリ又は糸が図示されていない。図面に示す実施例において、前記リールガイド装置１０は、取付フレーム１１と、取付フレーム１１に設けられたガイドリング１２と、ボタン伝動機構とを含む。ここで、前記取付フレーム１１には、リールアセンブリ２０を収容するための取付位置１１が開けられている。前記ガイドリング１２は、取付位置１１側に位置する。当該ガイドリング１２には、リールアセンブリ２０上の糸２１を通すための糸通し孔１２１が設けられている。前記ボタン伝動機構は、ボタンアセンブリ１３１と、伝動アセンブリ１３２とを含む。前記伝動アセンブリ１３２は、ボタンアセンブリ１３１及びガイドリング１２に連結され、ボタンアセンブリ１３１の作用によりガイドリング１２を回転させることにより、ガイドリング１２における糸通し孔１２１のリールアセンブリ２０に対する角度を調整し、ロープロファイルリールの糸出し状態において糸通し孔１２１内の糸２１の可動領域を大きくして糸２１と糸通し孔１２１の内壁との摩擦を少なくすることができ、糸回収状態において糸２１の可動領域を小さくすることができる。好ましくは、本実施例において、前記リールガイド装置１０は、取付フレーム１１に固定されたガイドリングホルダ１４を更に含み、前記ガイドリング１２の一端は、前記ガイドリングホルダ１４を穿設して伝動アセンブリ１３２に連結されている。かつ前記糸通し孔１２１は、楕円形孔であり、糸通し孔１２１内の糸２１の可動領域を大きくするのに有利である。
【0018】
上記の設計に基づいて、本発明のガイドリング１２における糸通し孔１２１は、糸出しと糸回収の２つの異なる動作状態における有効な糸通し空間が異なる。即ち、ボタンアセンブリ１３１によりガイドリング１２を回転させることにより、ガイドリング１２における糸通し孔１２１のリールアセンブリ２０に対する角度を調整し、ロープロファイルリールの糸回収状態において糸通し孔１２１内の糸２１の可動領域を小さくすることができる。本実施例において、このとき、糸通し孔１２１は、ずれており、糸通し孔１２１の長軸は、リールアセンブリ２０にほぼ垂直であり、糸２１が通すことができる糸通し孔１２１の有効な糸通し空間は、最小であり、糸回収時に糸２１がリールアセンブリ２０に均一に巻き付くことができる。糸出し状態にあるときに糸２１の糸通し孔１２１内の可動領域を大きくすることができる。このとき糸通し孔１２１は、リールアセンブリ２０に相対し、糸通し孔１２１の有効な糸通し空間は、最大であり、糸２１のガイドリング１２内での高速走行に十分な空間を与えることができ、糸２１とガイドリング１２の内壁との摩擦を最小限に抑え、糸２１の走行速度と走行軌跡の両行が制限されるという不良現象を回避することができる。
【0019】
いくつかの実施例において、前記伝動アセンブリ１３２は、側面に第１の鋸歯３２１１が設けられたクラッチカム１３２１及び伝動ホイール群を含む。前記伝動ホイール群は、ガイドリング１２側に位置するウォーム３２２１と、ウォーム３２２１に嵌設されたウォームスリーブ３２２２と、ウォームスリーブ３２２２に嵌設されウォームスリーブ３２２２に追従して移動可能な連結座３２２３と、ガイドリング１２に固定された連結ギヤ３２２４を含む。前記ウォームスリーブ３２２２及び連結座３２２３には、それぞれ、第１の鋸歯３２１１と連結ギヤ３２２４と噛合する第２の鋸歯２２２１及び第３の鋸歯２２３１が設けられている。前記ボタンアセンブリ１３１がクラッチカム１３２１に連結され、ボタンアセンブリ１３１によりクラッチカム１３２１を回転させることにより連結ギヤ３２２４を回転させ、ガイドリング１２が連結ギヤ３２２４に追従してリールアセンブリ２０に対して左又は右に回転するようにすることで、糸通し孔１２１のリールアセンブリ２０に対する角度を調整する。この設計に基づいて、クラッチカム１３２１上の第１の鋸歯３２１１とウォームスリーブ３２２２上の第２の鋸歯２２２１、及び連結座３２２３上の第３の鋸歯２２３１と連結ギヤ３２２４は、いずれも噛み合い関係である。ウォームスリーブ３２２２が回転すると、連結座３２２３は、ウォームスリーブ３２２２と同期して同じ角度だけ回転し、連結ギヤ３２２４は、追従して回転し、ロープロファイルリールの糸回収状態に糸通し孔１２１の有効な糸通し空間が最小になり、糸出し状態にあるときは糸通し孔１２１の有効な糸通し空間が最大になる。
【0020】
好ましくは、本実施例において、前記伝動ホイール群は、取付フレーム１１に設けられた第１の伝動ギヤ３２２５と第２の伝動ギヤ３２２６とを更に含み、前記第１の伝動ギヤ３２２５は、第１の鋸歯３２１１と第２の伝動ギヤ３２２６と噛合し、前記ウォームスリーブ３２２２上の第２の鋸歯２２２１は、第２の伝動ギヤ３２２６と噛合する。本実施例では、ガイドリング１２は、ガイドリングホルダ１４を介して取付フレーム１１に取り付けられ、第２の鋸歯２２２１と第１の鋸歯３２１１との間は、更に第１の伝動ギヤ３２２５と第２の伝動ギヤ３２２６を介して伝動し、取付フレーム１１上の各部品の空間レイアウトをより容易にすることができる。
【0021】
更に、前記伝動ホイール群は、更に固定フォーク３２２７を含み、前記固定フォーク３２２７の一端は、Ｕ型開口を呈し、前記ウォームスリーブ３２２２には溝２２２２が開けられており、前記Ｕ型開口は、連結座３２２３、溝２２２２を穿設してウォーム３２２１に係設し、前記固定フォーク３２２７の他端は、連結座３２２３に係合して取り付けられる。上記の設計に基づいて、固定フォーク３２２７を介して連結座３２２３とウォームスリーブ３２２２との連結を更に強固にする。
【0022】
いくつかの実施例において、前記ボタンアセンブリ１３１は、調整ボタン１３１１と、連結ロッド１３１２と、環状体１３１３とを含み、前記取付フレーム１１の表面には連結ポスト１１２が設けられ、前記クラッチカム１３２１は、環状体１３１３に固定され、前記環状体１３１３は、連結ポスト１１２に嵌設され、連結ロッド１３１２を介して調整ボタン１３１１に連結されることにより、環状体１３１３は、調整ボタン１３１１を押下する際に連結ポスト１１２周りに回転可能である。上記の設計に基づいて、調整ボタン１３１１は、連結ロッド１３１２を介してクラッチカム１３２１を同期駆動する。
【0023】
以下、本発明のリールガイド装置１０の動作過程について詳細に説明する。
調整ボタン１３１１を押下すると、調整ボタン１３１１は、連結ロッド１３１２を介してクラッチカム１３２１を同期駆動する。クラッチカム１３２１上の第１の鋸歯３２１１と第１の伝動ギヤ３２２５、第１の伝動ギヤ３２２５と第２の伝動ギヤ３２２６、第２の伝動ギヤ３２２６とウォームスリーブ３２２２上の第２の鋸歯２２２１との間に噛み合い関係があり、一連の連動関係を構成する。即ち調整ボタン１３１１を押下すると、ウォームスリーブ３２２２は、自動的にある角度を回転する。ウォームスリーブ３２２２と連結座３２２３は、また回転連動関係にあるので、ウォームスリーブ３２２２がある角度を回転すると、連結座３２２３は、ウォームスリーブ３２２２に同期して同じ角度を回転する。連結座３２２３の回転と同時に、連結座３２２３上の第３の鋸歯２２３１とガイドリング１２に固定連結された連結ギヤ３２２４とが噛合するので、第３の鋸歯２２３１の伝動下では、連結ギヤ３２２４とガイドリング１２は、連結座３２２３の回転に伴って瞬間的に回転することになる。このようにして、調整ボタン１３１１からガイドリング１２まで完全な連動機構が形成され、ガイドリング１２におけるリールアセンブリ２０に対する糸通し孔１２１の角度を調整する目的を達成し、ロープロファイルリールの糸回収状態に糸２１の糸通し孔１２１内の可動領域を小さくする。図４に示すように、このとき糸通し孔１２１は、ずれており、楕円形の孔をなす糸通し孔１２１の長軸とリールアセンブリ２０の軸心との間は、略９０°を呈しており、糸通し孔１２１の有効な糸通し空間は、最小であり、糸回収時にリールアセンブリ２０に糸２１が均一に巻回される。餌が投げられ、糸出し状態にあるときに糸通し孔１２１内における糸２１の可動領域を大きくすることができる。図５に示すように、ガイドリング１２は、調節ボタン１３１１を押下すると瞬間的に約９０°回転する。この時、糸通し孔１２１は、リールアセンブリ２０に相対し、楕円形の孔をなす糸通し孔１２１の長軸は、リールアセンブリ２０の軸心と平行であり、糸通し孔１２１の有効な糸通し空間が最大であり、ガイドリング１２内で糸２１が高速で走行するのに十分な空間を与えることができる。そして理解できるように、糸出しが完了すると、調節ボタン１３１１は、リセットすることができ、ガイドリング１２は、それに伴って元の位置に戻る。
調整ボタン１３１１を押下すると、調整ボタン１３１１は、連結ロッド１３１２を介してクラッチカム１３２１を同期駆動する。クラッチカム１３２１上の第１の鋸歯３２１１と第１の伝動ギヤ３２２５、第１の伝動ギヤ３２２５と第２の伝動ギヤ３２２６、第２の伝動ギヤ３２２６とウォームスリーブ３２２２上の第２の鋸歯２２２１との間に噛み合い関係があり、一連の連動関係を構成する。即ち調整ボタン１３１１を押下すると、ウォームスリーブ３２２２は、自動的にある角度を回転する。ウォームスリーブ３２２２と連結座３２２３は、また回転連動関係にあるので、ウォームスリーブ３２２２がある角度を回転すると、連結座３２２３は、ウォームスリーブ３２２２に同期して同じ角度を回転する。連結座３２２３の回転と同時に、連結座３２２３上の第３の鋸歯２２３１とガイドリング１２に固定連結された連結ギヤ３２２４とが噛合するので、第３の鋸歯２２３１の伝動下では、連結ギヤ３２２４とガイドリング１２は、連結座３２２３の回転に伴って瞬間的に回転することになる。このようにして、調整ボタン１３１１からガイドリング１２まで完全な連動機構が形成され、ガイドリング１２におけるリールアセンブリ２０に対する糸通し孔１２１の角度を調整する目的を達成し、ロープロファイルリールの糸回収状態に糸２１の糸通し孔１２１内の可動領域を小さくする。図４に示すように、このとき糸通し孔１２１は、ずれており、楕円形の孔をなす糸通し孔１２１の長軸とリールアセンブリ２０の軸心との間は、略９０°を呈しており、糸通し孔１２１の有効な糸通し空間は、最小であり、糸回収時にリールアセンブリ２０に糸２１が均一に巻回される。餌が投げられ、糸出し状態にあるときに糸通し孔１２１内における糸２１の可動領域を大きくすることができる。図５に示すように、ガイドリング１２は、調節ボタン１３１１を押下すると瞬間的に約９０°回転する。この時、糸通し孔１２１は、リールアセンブリ２０に相対し、楕円形の孔をなす糸通し孔１２１の長軸は、リールアセンブリ２０の軸心と平行であり、糸通し孔１２１の有効な糸通し空間が最大であり、ガイドリング１２内で糸２１が高速で走行するのに十分な空間を与えることができる。そして理解できるように、糸出しが完了すると、調節ボタン１３１１は、リセットすることができ、ガイドリング１２は、それに伴って元の位置に戻る。
【0024】
以上のことから、本発明のリールガイド装置１０におけるガイドリング１２は、糸出しと糸回収時において、糸通し孔１２１の有効な糸通し空間が需要に応じて切り換えられ、糸通し孔１２１の有効な糸通し空間が小さいから大きいまで、又は大きいから小さいまでの瞬間的な切り換えを実現し、糸回収時に糸２１のリールアセンブリ２０上の配列が均一で平らで美しいことを確保するだけでなく、より重要なのは、また、リールアセンブリにより餌を投げる過程において、糸２１がガイドリング１２内で高速に走行するために十分な空間を与え、糸２１とガイドリング１２の内壁の摩擦により糸２１の走行速度と走行軌跡の両行が制限されるという不良現象を最大限に回避又は減少させ、餌の投げ距離と餌の入水位置の満足度を大幅に向上させ、アタリ率を高め、釣り人の体験感と釣りの楽しみを大幅に高める。
【0025】
図６を参照する。図６は、本発明のロープロファイルリールの１つの具体的な実施例の構成図である。リールアセンブリなどの構造をより直感的に示すために、図において糸は図示されていない。図面に示す実施例において、前記ロープロファイルリール１００は、リール本体３０と、リール本体３０に取り付けられたリールガイド装置１０と、リールアセンブリ２０を含む。前記リールアセンブリ２０は、リールガイド装置１０の取付位置に設置され、かつリール本体３０に連結されている。それによって、リール本体３０の制御の下で、リールアセンブリ２０に巻き付けられた糸の回収及び糸出しを行う。前記リールガイド装置１０は、上記実施例に記載のリールガイド装置である。リールガイド装置１０におけるガイドリング１２は、ボタンアセンブリ１３１によって回転し、それによって、ガイドリング１２における糸通し孔１２１のリールアセンブリ２０に対する角度を調整し、ロープロファイルリール１００のリールアセンブリ２０が糸出し状態にあるときに糸通し孔１２１内の糸の可動領域を大きくして、糸と糸通し孔１２１の内壁との摩擦を小さくし、糸回収状態において糸の可動領域を小さくすることができる。理解できるように、本実施例におけるリール本体３０及びリールアセンブリ２０は、いずれも当業者に周知であり、具体的な構造はここでは説明しない。
【0026】
いくつかの他の実施例において、本発明は、上記ロープロファイルリールを含む釣具を更に提供する。当該釣具において、ロープロファイルリールを除いた他の構造は、従来技術で一般的な釣具の構造と同じであり、例えば、竿、糸などが設置されており、その構造は、当業者に周知であり、ここでは説明しない。
【0027】
上記は、本発明の好適な実施例にすぎず、本発明をいかなる形式でも制限するものではない。当業者は、上記の実施例に基づいて、様々な均等な変更及び改善を施すことができる。特許請求の範囲内で行われる均等な変更又は修飾は、本発明の保護範囲内に入るべきである。
【0028】
（付記）
（付記１）
ロープロファイルリールに適用するリールガイド装置であって、
リールアセンブリを収容するための取付位置が開けられた取付フレームと、
取付フレームに設けられて且つ取付位置側に位置するガイドリングであって、リールアセンブリ上の糸を通すための糸通し孔が設けられたガイドリングと、
取付フレームに設けられたボタン伝動機構であって、ボタンアセンブリと、ボタンアセンブリ及びガイドリングに連結され、ボタンアセンブリの作用によりガイドリングを回転させることにより、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対する角度を調整し、ロープロファイルリールの糸出し状態において糸通し孔内の糸の可動領域を大きくして糸と糸通し孔の内壁との摩擦を少なくすることができ、糸回収状態において糸の可動領域を小さくすることができる伝動アセンブリとを含むボタン伝動機構とを含むことを特徴とするリールガイド装置。
（付記１）
ロープロファイルリールに適用するリールガイド装置であって、
リールアセンブリを収容するための取付位置が開けられた取付フレームと、
取付フレームに設けられて且つ取付位置側に位置するガイドリングであって、リールアセンブリ上の糸を通すための糸通し孔が設けられたガイドリングと、
取付フレームに設けられたボタン伝動機構であって、ボタンアセンブリと、ボタンアセンブリ及びガイドリングに連結され、ボタンアセンブリの作用によりガイドリングを回転させることにより、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対する角度を調整し、ロープロファイルリールの糸出し状態において糸通し孔内の糸の可動領域を大きくして糸と糸通し孔の内壁との摩擦を少なくすることができ、糸回収状態において糸の可動領域を小さくすることができる伝動アセンブリとを含むボタン伝動機構とを含むことを特徴とするリールガイド装置。
【0029】
（付記２）
前記伝動アセンブリは、側面に第１の鋸歯が設けられたクラッチカム及び伝動ホイール群を含み、
前記伝動ホイール群は、ガイドリング側に位置するウォームと、ウォームに嵌設されたウォームスリーブと、ウォームスリーブに嵌設されウォームスリーブに追従して移動可能な連結座と、ガイドリングに固定された連結ギヤを含み、
前記ウォームスリーブ及び連結座には、それぞれ、第１の鋸歯と連結ギヤと噛合する第２の鋸歯及び第３の鋸歯が設けられ、
前記ボタンアセンブリがクラッチカムに連結され、ボタンアセンブリによりクラッチカムを回転させることにより連結ギヤを回転させ、ガイドリングが連結ギヤに追従してリールアセンブリに対して左又は右に回転するようにすることで、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対する角度を調整することを特徴とする付記１に記載のリールガイド装置。
前記伝動アセンブリは、側面に第１の鋸歯が設けられたクラッチカム及び伝動ホイール群を含み、
前記伝動ホイール群は、ガイドリング側に位置するウォームと、ウォームに嵌設されたウォームスリーブと、ウォームスリーブに嵌設されウォームスリーブに追従して移動可能な連結座と、ガイドリングに固定された連結ギヤを含み、
前記ウォームスリーブ及び連結座には、それぞれ、第１の鋸歯と連結ギヤと噛合する第２の鋸歯及び第３の鋸歯が設けられ、
前記ボタンアセンブリがクラッチカムに連結され、ボタンアセンブリによりクラッチカムを回転させることにより連結ギヤを回転させ、ガイドリングが連結ギヤに追従してリールアセンブリに対して左又は右に回転するようにすることで、ガイドリングにおける糸通し孔のリールアセンブリに対する角度を調整することを特徴とする付記１に記載のリールガイド装置。
【0030】
（付記３）
前記伝動ホイール群は、取付フレームに設けられた第１の伝動ギヤと第２の伝動ギヤとを更に含み、
前記第１の伝動ギヤは、第１の鋸歯と第２の伝動ギヤと噛合し、
前記ウォームスリーブ上の第２の鋸歯は、第２の伝動ギヤと噛合することを特徴とする付記２に記載のリールガイド装置。
前記伝動ホイール群は、取付フレームに設けられた第１の伝動ギヤと第２の伝動ギヤとを更に含み、
前記第１の伝動ギヤは、第１の鋸歯と第２の伝動ギヤと噛合し、
前記ウォームスリーブ上の第２の鋸歯は、第２の伝動ギヤと噛合することを特徴とする付記２に記載のリールガイド装置。
【0031】
（付記４）
前記ボタンアセンブリは、調整ボタンと、連結ロッドと、環状体とを含み、
前記取付フレームの表面には連結ポストが設けられ、
前記クラッチカムは、環状体に固定され、
前記環状体は、連結ポストに嵌設され、連結ロッドを介して調整ボタンに連結されることにより、環状体は、調整ボタンを押下する際に連結ポスト周りに回転可能であることを特徴とする付記２に記載のリールガイド装置。
前記ボタンアセンブリは、調整ボタンと、連結ロッドと、環状体とを含み、
前記取付フレームの表面には連結ポストが設けられ、
前記クラッチカムは、環状体に固定され、
前記環状体は、連結ポストに嵌設され、連結ロッドを介して調整ボタンに連結されることにより、環状体は、調整ボタンを押下する際に連結ポスト周りに回転可能であることを特徴とする付記２に記載のリールガイド装置。
【0032】
（付記５）
前記伝動ホイール群は、更に固定フォークを含み、
前記固定フォークの一端は、Ｕ型開口を呈し、
前記ウォームスリーブには溝が開けられており、
前記Ｕ型開口は、連結座、溝を穿設してウォームに係設し、
前記固定フォークの他端は、連結座に係合して取り付けられることを特徴とする付記２に記載のリールガイド装置。
前記伝動ホイール群は、更に固定フォークを含み、
前記固定フォークの一端は、Ｕ型開口を呈し、
前記ウォームスリーブには溝が開けられており、
前記Ｕ型開口は、連結座、溝を穿設してウォームに係設し、
前記固定フォークの他端は、連結座に係合して取り付けられることを特徴とする付記２に記載のリールガイド装置。
【0033】
（付記６）
更に、取付フレームに固定されたガイドリングホルダを含み、
前記ガイドリングの一端は、前記ガイドリングホルダを穿設して伝動アセンブリに連結されていることを特徴とする付記１に記載のリールガイド装置。
更に、取付フレームに固定されたガイドリングホルダを含み、
前記ガイドリングの一端は、前記ガイドリングホルダを穿設して伝動アセンブリに連結されていることを特徴とする付記１に記載のリールガイド装置。
【0034】
（付記７）
前記糸通し孔は、楕円形孔であることを特徴とする付記１に記載のリールガイド装置。
前記糸通し孔は、楕円形孔であることを特徴とする付記１に記載のリールガイド装置。
【0035】
（付記８）
リール本体と、リール本体に取り付けられた上記付記１～７のいずれか１つに記載のリールガイド装置と、取付位置に設けられたリールアセンブリとを含むことを特徴とするロープロファイルリール。
リール本体と、リール本体に取り付けられた上記付記１～７のいずれか１つに記載のリールガイド装置と、取付位置に設けられたリールアセンブリとを含むことを特徴とするロープロファイルリール。
【0036】
（付記９）
上記付記８に記載のロープロファイルリールを含むことを特徴とする釣具。
上記付記８に記載のロープロファイルリールを含むことを特徴とする釣具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
