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特開2023-182525マイクロウェーブ供給装置、それを含むシステム及び半導体素子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182525
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】マイクロウェーブ供給装置、それを含むシステム及び半導体素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/302 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
H01L21/302 201A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048090
(22)【出願日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0072339
(32)【優先日】2022-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ユンスク チョイ
(72)【発明者】
【氏名】ハンリン カン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョヌ ジョ
(72)【発明者】
【氏名】サンジョン イ
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004BB14
5F004BB26
5F004BC06
5F004CA01
5F004DA00
5F004DA04
5F004DA20
5F004DA23
5F004DB01
5F004DB14
5F004DB19
5F004EA28
5F004EA34
(57)【要約】
【課題】マイクロウェーブ供給装置、それを含むシステム及び半導体素子の製造方法を提供する。
【解決手段】マイクロウェーブを生成するように構成されたマイクロ波ソース;マイクロ波ソースに連結された入力ポートを含む分岐装置;マイクロウェーブを用いたウェーハを処理するように構成された第1及び第2チャンバ;第1チャンバにマイクロウェーブを伝達するか、遮断し、分岐装置の第1出力ポートに連結された第1フィルタ;及び第2チャンバにマイクロウェーブを伝達するか、遮断し、分岐装置の第2出力ポートに連結された第2フィルタを含む、システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロウェーブを生成するように構成されたマイクロ波ソースと、
前記マイクロ波ソースに連結された入力ポートを含む分岐装置と、
前記マイクロウェーブを用いたウェーハを処理するように構成された第1及び第2チャンバと、
前記第1チャンバに前記マイクロウェーブを伝達するか、遮断し、前記分岐装置の第1出力ポートに連結された第1フィルタと、
前記第2チャンバに前記マイクロウェーブを伝達するか、遮断し、前記分岐装置の第2出力ポートに連結された第2フィルタと、を含む、システム。
【請求項2】
前記第1及び第2チャンバそれぞれは、熱的原子層エッチング(Thermal Atomic Layer Etching)を遂行するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1チャンバが前記マイクロウェーブを用いた処理を遂行する間、前記第2チャンバは、マイクロウェーブフリー処理を遂行するように構成され、
前記第2チャンバが前記マイクロウェーブを用いた処理を遂行する間、前記第1チャンバは、マイクロウェーブフリー処理を遂行するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1及び第2フィルタを制御するように構成されたコントローラをさらに含むが、
前記コントローラは、
前記第1フィルタが前記マイクロウェーブを通過させ、前記第2フィルタが前記マイクロウェーブを遮断するように制御するか、
前記第1フィルタが前記マイクロウェーブを遮断し、前記第2フィルタが前記マイクロウェーブを通過させるように制御することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれは、可変ローパスフィルタ、可変ハイパスフィルタ、可変バンドパスフィルタ及び可変バンドリジェクションフィルタのうち、いずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれは、可変ローパスフィルタであり、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれが通過状態であるとき、前記第1及び前記第2フィルタそれぞれの遮断周波数は、前記マイクロウェーブの周波数よりもさらに大きく、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれが遮断状態であるとき、前記第1及び前記第2フィルタそれぞれの遮断周波数は、前記マイクロウェーブの前記周波数よりもさらに小さいことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれは、可変ハイパスフィルタであり、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれが通過状態であるとき、前記第1及び前記第2フィルタそれぞれの遮断周波数は、前記マイクロウェーブの周波数よりもさらに小さく、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれが遮断状態であるとき、前記第1及び前記第2フィルタそれぞれの遮断周波数は、前記マイクロウェーブの前記周波数よりもさらに大きいことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれは、第1遮断周波数及び前記第1遮断周波数よりもさらに大きい第2遮断周波数を有し、前記第1遮断周波数と前記第2遮断周波数との間のパスバンドの信号を通過させる可変バンドパスフィルタであり、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれが通過状態であるとき、前記マイクロウェーブの周波数は、前記第1遮断周波数よりも大きく、前記第2遮断周波数よりも小さく、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれが遮断状態であるとき、前記マイクロウェーブの前記周波数は、前記第1遮断周波数よりも小さいか、前記第2遮断周波数よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれは、第1遮断周波数及び前記第1遮断周波数よりもさらに大きい第2遮断周波数を有し、前記第1遮断周波数と前記第2遮断周波数との間のリジェクションバンドの信号を遮断する可変バンドパスフィルタであり、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれが通過状態であるとき、前記マイクロウェーブの周波数は、前記第1遮断周波数よりも小さいか、前記第2遮断周波数よりも大きく、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタそれぞれが遮断状態であるとき、前記マイクロウェーブの前記周波数は、前記第1遮断周波数よりも大きく、前記第2遮断周波数よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
マイクロウェーブを生成するように構成されたマイクロウェーブソースと、
前記マイクロウェーブソースに連結され、前記マイクロウェーブを分割するように構成された第1分岐装置と、
前記第1分岐装置に連結され、前記第1分岐装置から伝達された前記マイクロウェーブを分割するように構成された第2及び第3分岐装置と、
前記第2分岐装置の第1出力ポートに連結され、第1ウェーハを処理するように構成された第1チャンバに前記マイクロウェーブを伝達するか、遮断するように構成された第1フィルタと、
前記第2分岐装置の第2出力ポートに連結され、第2ウェーハを処理するように構成された第2チャンバに前記マイクロウェーブを伝達するか、遮断するように構成された第2フィルタと、
前記第3分岐装置の第3出力ポートに連結され、第3ウェーハを処理するように構成された第3チャンバに前記マイクロウェーブを伝達するか、遮断するように構成された第3フィルタと、
前記第3分岐装置の第4出力ポートに連結され、第4ウェーハを処理するように構成された第4チャンバに前記マイクロウェーブを伝達するか、遮断するように構成された第4フィルタと、を含むことを特徴とするマイクロウェーブ供給装置。
【請求項11】
前記第1ないし第4チャンバのうち、いずれか1つにだけ前記マイクロウェーブを伝達することを特徴とする請求項10に記載のマイクロウェーブ供給装置。
【請求項12】
前記第1チャンバが前記マイクロウェーブを用いて前記第1ウェーハを処理する間、前記第2ないし第4チャンバは、マイクロウェーブフリー処理を遂行することを特徴とする請求項10に記載のマイクロウェーブ供給装置。
【請求項13】
前記第1ないし第4フィルタそれぞれは、可変ローパスフィルタ、可変ハイパスフィルタ、可変バンドパスフィルタ、及び可変バンドリジェクションフィルタのうち、いずれか1つであることを特徴とする請求項10に記載のマイクロウェーブ供給装置。
【請求項14】
前記第1ないし第4チャンバは、前記ウェーハに熱的原子層エッチング(Thermal Atomic Layer Etching)処理を遂行することを特徴とする請求項10に記載のマイクロウェーブ供給装置。
【請求項15】
前記第1ないし第4チャンバで前記熱的原子層エッチングの互いに異なる段階が遂行されることを特徴とする請求項14に記載のマイクロウェーブ供給装置。
【請求項16】
前記第1チャンバで、第1反応物がエッチング目標物質上に吸着される表面変更が遂行される間、
前記第2チャンバで、余分の前記第1反応物を除去するように不活性ガスを導入する第1パージが遂行され、
前記第3チャンバにおいて、前記マイクロウェーブ及び第2反応物を用いて前記エッチング目標物質及び前記エッチング目標物質に吸着された前記第1反応物を除去するエッチングが遂行され、
前記第4チャンバにおいて、前記エッチングで生成された副産物を除去するように不活性ガスを導入する第2パージが遂行されることを特徴とする請求項14に記載のマイクロウェーブ供給装置。
【請求項17】
前記第1チャンバにおいて、前記第1パージが遂行される間、
前記第2チャンバにおいて、前記エッチングが遂行され、
前記第3チャンバにおいて、前記第2パージが遂行され、
前記第4チャンバにおいて、前記表面変更が遂行されることを特徴とする請求項16に記載のマイクロウェーブ供給装置。
【請求項18】
前記第1チャンバにおいて、前記エッチングが遂行される間、
前記第2チャンバにおいて、前記第2パージが遂行され、
前記第3チャンバにおいて、前記表面変更が遂行され、
前記第4チャンバにおいて、前記第1パージが遂行されることを特徴とする請求項17に記載のマイクロウェーブ供給装置。
【請求項19】
前記第1チャンバにおいて、前記第2パージが遂行される間、
前記第2チャンバにおいて、前記表面変更が遂行され、
前記第3チャンバにおいて、前記第1パージが遂行され、
前記第4チャンバにおいて、前記エッチングが遂行されることを特徴とする請求項18に記載のマイクロウェーブ供給装置。
【請求項20】
第1チャンバに連結された第1フィルタをマイクロウェーブに対する通過状態にして前記第1チャンバ内でエッチング目標物質をエッチングし、第2ないし第4チャンバに連結された第2ないし第4フィルタそれぞれを前記マイクロウェーブに対する遮断状態にし、前記第2ないし第4チャンバそれぞれで、第1反応物が前記エッチング目標物質上に吸着される表面変更、余分の前記第1反応物を除去するように不活性ガスを導入する第1パージ及び前記エッチングで生成された副産物を除去するように不活性ガスを導入する第2パージのうち、いずれか1つが遂行する段階を含むが、
前記第1チャンバ内での前記エッチング目標物質の前記エッチングは、前記マイクロウェーブ及び第2反応物を用いて前記エッチング目標物質及び前記エッチング目標物質に吸着された前記第1反応物を除去することを特徴とする半導体素子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロウェーブ供給装置、それを含むシステム及び半導体素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造工程は、高度に統制されたパラメータ(例えば、温度、気圧及び雰囲気)下で遂行される。これにより、半導体素子の製造工程が遂行される工程チャンバは、前記パラメータを調節するための多様な要素を含む。
【0003】
ウェーハの温度、ウェーハを支持するチャックの温度、チャンバ内部に埋め込まれたヒータの温度などを含むプロセス温度は、パラメータの代表的な例示であり、工程収率において核心的な要素である。
【0004】
ウェーハの温度を精密に制御するための熱源として、チャンバ外部から導入されるマイクロウェーブが使用されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、コンパクトな構造のマイクロウェーブ供給装置、それを含むシステム及び半導体素子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述された技術的課題を達成するための例示的な実施例によれば、システムが提供される。前記システムは、マイクロウェーブを生成するように構成されたマイクロ波ソース;前記マイクロ波ソースに連結された入力ポートを含む分岐装置;前記マイクロウェーブを用いたウェーハを処理するように構成された第1及び第2チャンバ;前記第1チャンバに前記マイクロウェーブを伝達するか、遮断し、前記分岐装置の第1出力ポートに連結された第1フィルタ;及び前記第2チャンバに前記マイクロウェーブを伝達するか、遮断し、前記分岐装置の第2出力ポートに連結された第2フィルタ;を含む。
【0007】
例示的な実施例によれば、マイクロウェーブ供給装置が提供される。前記マイクロウェーブ供給装置は、マイクロウェーブを生成するように構成されたマイクロウェーブソース;前記マイクロウェーブソースに連結され、前記マイクロウェーブを分割するように構成された第1分岐装置;前記第1分岐装置に連結され、前記第1分岐装置から伝達された前記マイクロウェーブを分割するように構成された第2及び第3分岐装置;前記第2分岐装置の第1出力ポートに連結され、第1ウェーハを処理するように構成された第1チャンバに前記マイクロウェーブを伝達するか、遮断するように構成された第1フィルタ;前記第2分岐装置の第2出力ポートに連結され、第2ウェーハを処理するように構成された第2チャンバに前記マイクロウェーブを伝達するか、遮断するように構成された第2フィルタ;前記第3分岐装置の第3出力ポートに連結され、第3ウェーハを処理するように構成された第3チャンバに前記マイクロウェーブを伝達するか、遮断するように構成された第3フィルタ;及び前記第3分岐装置の第4出力ポートに連結され、第4ウェーハを処理するように構成された第4チャンバに前記マイクロウェーブを伝達するか、遮断するように構成された第4フィルタ;を含む。
【0008】
例示的な実施例によれば、半導体素子の製造方法が提供される。前記方法は、第1チャンバに連結された第1フィルタをマイクロウェーブに対する通過状態にし、前記第1チャンバ内でエッチング目標物質をエッチングし、第2ないし第4チャンバに連結された第2ないし第4フィルタそれぞれを前記マイクロウェーブに対する遮断状態にし、前記第2ないし第4チャンバで、第1反応物が前記エッチング目標物質上に吸着される表面変更、余分の前記第1反応物を除去するように不活性ガスを導入する第1パージ、及び前記エッチングで生成された副産物を除去するように不活性ガスを導入する第2パージのうち、いずれか1つを遂行する段階を含むが、前記第1チャンバ内での前記エッチング対象物質の前記エッチングは、前記マイクロウェーブ及び第2反応物を用いて前記エッチング目標物質及び前記エッチング目標物質に吸着された前記第1反応物を除去する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の技術的思想によれば、1つのマイクロウェーブ供給装置を用いて複数のチャンバにマイクロウェーブを供給しうる。これにより、制限された生産設備の空間を節約し、不要な設備投資を防止しうる。
【0010】
本発明の例示的な実施例から得られる効果は、前述した効果に制限されず、言及されていない他の効果は、以下の説明から本開示の例示的な実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に導出されて理解されるであろう。すなわち、本開示の例示的な実施例の実施による意図せぬ効果も、本開示の例示的な実施例から当該技術分野の通常の知識を有する者によって導出されうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】例示的な実施例によるシステムを説明するための図面である。
図2】例示的な実施例による半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。図面上の同じ構成要素については、同じ参照符号を使用し、それらについての重複説明は省略する。
【0013】
図1は、例示的な実施例によるシステム10を説明するための図面である。
【0014】
図1を参照すれば、システム10は、マイクロウェーブ供給装置100及び第1ないし第4チャンバ201、202、203、204を含む。
【0015】
システム10は、ウェーハを処理するように構成される。ウェーハは、例えば、SiGe、InSb、PbTe化合物、InAs、リン化物、GaAsまたはGaSbなどを含みうる。
【0016】
システム10は、マイクロウェーブを用いてウェーハを処理しうる。システム10によるウェーハの処理は、例えば、マイクロウェーブを用いたサイクリック(Cyclic)処理でもある。システム10によるウェーハの処理は、例えば、マイクロウェーブを用いた交互サイクリック処理でもある。ここで、サイクリック処理は、順次に、そして反復的に遂行されるマイクロウェーブを用いたヒーティングステップ及びマイクロウェーブフリーステップを含みうる。
【0017】
さらに具体的に、第1チャンバ201内でウェーハがマイクロウェーブを用いて処理される間に、第2ないし第4チャンバ202、203、204内でマイクロウェーブフリー処理が遂行されうる。第2チャンバ202内でウェーハがマイクロウェーブを用いて処理される間に、第1、第3及び第4チャンバ201、203、204内でマイクロウェーブフリー処理が遂行されうる。第3チャンバ203内でウェーハがマイクロウェーブを用いて処理される間に、第1、第2及び第4チャンバ201、202、204内で、マイクロウェーブフリー処理が遂行されうる。第4チャンバ204内でウェーハがマイクロウェーブを用いて処理される間に、第1ないし第3チャンバ201、202、203内で、マイクロウェーブフリー処理が遂行されうる。
【0018】
第1ないし第4チャンバ201、202、203、204で遂行される工程は、例えば、熱的原子層エッチング(Thermal Atomic Layer Etching、以下tALE)を含みうる。例示的な実施例によれば、tALEのようなサイクリックプロセスにおいて、マイクロウェーブを用いたウェーハヒーティングは、全体工程中に非常に短時間の間に要求され、全体工程においてほとんどの時間の間、マイクロウェーブは、ターンオフ状態を保持する。例示的な実施例によれば、マイクロウェーブ供給装置100は、互いに異なるタイミングで、マイクロウェーブを複数のチャンバ(すなわち、第1ないし第4チャンバ201、202、203、204)に供給しうる。これにより、システムにおいて、複数のチャンバ(すなわち、第1ないし第4チャンバ201、202、203、204)がマイクロウェーブ供給装置100を共有するところ、複数のチャンバ(すなわち、第1ないし第4チャンバ201、202、203、204)それぞれに電源供給装置をチャンバごとに連結する必要がない。これにより、要求されるマイクロウェーブ供給装置100の数を減少させ、設備のための空間及び資本実行を節減されうる。
【0019】
tALEは、表面変更、第1パージ、エッチング及び第2パージを含む。tALEは、複数のサイクルにわたって遂行されうる。1つのtALEサイクルにおいて、表面変更、第1パージ、エッチング及び第2パージが順次に遂行されるが、tALEサイクルの数は、エッチング目標厚さによって決定されうる。
【0020】
表面変更において、いわゆる前駆体と指称される第1反応物がウェーハ上のエッチング目標物質上に吸着(Adsorbed)されうる。第1反応物は、表面上のエッチング目標物質に吸着されるが、下地物質(Underlying Material)に吸着され得ないところ、表面変更は、自己制限的である。すなわち、第1反応物は、エッチング目標物質の最上原子層にのみ吸着されうる。
【0021】
一例として、エッチング目標物質がシリコンである場合、第1反応物は、フッ素(F)または、塩素(Cl)でもあり、エッチング目標物質の1つの最上原子層は、フッ化(fluorinated)されるか、塩化(chlorinated)されうる。他の例として、エッチング目標物質がポリマーである場合、第1反応物は、ヘキサフルオロ1,3-ブタジエン(C)でもあり、エッチング目標物質の1つの最上原子層は、フッ化されうる。他の例として、エッチング目標物質がアルミナ(Al)である場合、第1反応物は、フッ酸(HF)でもあり、エッチング目標物質の1つの最上原子層は、フッ化されうる。他の例として、エッチング目標物質がアルミニウムガリウム窒化物(AlGa1-xN、ここで、xは、0ないし1の値を有する)である場合、第1反応物質は、塩素であり、エッチング目標物質の1つの最上原子層は、塩化されうる。他の例として、エッチング目標物質がインジウムガリウム砒素化物(InGaAs)である場合、第1反応物質は、フッ酸であり、エッチング目標物質の1つの最上原子層は、フッ化されうる。
【0022】
次いで、第1パージにおいて、不活性ガスがチャンバ内部に導入されうる。表面に吸着されていない余分の第1反応物及び副産物が除去されうる。
【0023】
次いで、エッチングにおいて、いわゆる共同反応物(Co-reactant)と指称される第2反応物によって第1反応物及びエッチング目標物質がエッチングされうる。前記エッチングは、活性化(Activation)とも指称され、リガンド交換(Ligand Exchange)、低エネルギーイオン爆撃(Low Energy Ion Bombardment)などのメカニズムを利用しうる。エッチングが遂行される間に、ウェーハは、マイクロウェーブによってヒーティングされうる。第2反応物は、第1反応物が吸着された表面上のエッチング目標物質のみを脱着させるところ、このエッチングは、自己制限的である。
【0024】
一例として、エッチング目標物質がポリマーであり、第1反応物は、ヘキサフルオロ1,3-ブタジエン(C)である場合、第2反応物は、アルゴンイオンでもある。他の例として、エッチング目標物質がアルミナであり、第1反応物がフッ酸である場合、第2反応物は、トリメチルアルミニウム(Al(CH)でもある。他の例として、エッチング目標物質がアルミニウムガリウム窒化物(AlGa1-xN、ここで、xは、0ないし1の値を有する)であり、第1反応物質は、塩素である場合、第2反応物は、アルゴンイオンでもある。他の例として、エッチング目標物質がインジウムガリウム砒素化物(InGaAs)であり、第1反応物質は、フッ酸である場合、第2反応物は、ジメチルアルミニウムクロリド(AlCl(CH)でもある。
【0025】
次いで、第2パージにおいて、不活性ガスがチャンバ内部に導入されうる。これにより、エッチングによる副産物が除去されうる。
【0026】
マイクロウェーブ供給装置100は、第1ないし第4チャンバ201、202、203、204のうち、いずれか1つにのみマイクロウェーブを提供しうる。すなわち、マイクロウェーブは、第1ないし第4チャンバ201、202、203、204のうち、2以上に同時に提供されない。
【0027】
マイクロウェーブ供給装置100は、マイクロウェーブソース110、第1ないし第3分岐装置121、123、125及び第1ないし第4フィルタ131、132、133、134を含みうる。
【0028】
マイクロウェーブソース110は、例えば、スイッチングモードの高電圧電源供給装置によって駆動されうる。マイクロウェーブソース110は、マグネトロンまたはGaNなどの化合物半導体素子を用いてマイクロウェーブ電源を生成しうる。マイクロウェーブソース110は、マイクロウェーブの伝達を一方向に制限するためのアイソレータを含みうる。マイクロウェーブソース110は、インピーダンスマッチングのためのスタブチューナーを含みうる。
【0029】
マイクロウェーブソース110によって生成されたマイクロウェーブの周波数は、約0.3GHz~300GHzの範囲でもある。マイクロウェーブソース110によって生成されたマイクロウェーブの周波数は、約2.45GHZでもある。
【0030】
第1分岐装置121は、マイクロウェーブソース110に連結されうる。第1分岐装置121は、マイクロウェーブソース110に直接連結されるか、第1分岐装置121とマイクロウェーブソース110との間に導波路が介在されうる。第1分岐装置121は、マイクロウェーブソース110から伝達されたマイクロウェーブを分割し、分割されたマイクロウェーブを第2及び第3分岐装置に伝達することができる。第1分岐装置121は、Yスプリッタなどのような任意の2ウェイスプリッタを含みうる。
【0031】
第2及び第3分岐装置123、125は、第1分岐装置121に連結されうる。第2及び第3分岐装置123、125は、第1分岐装置121に直接連結されるか、第2及び第3分岐装置123、125と第1分岐装置121との間に導波路が介在されうる。第2及び第3分岐装置123、125それぞれは、マイクロウェーブソース110から伝達されたマイクロウェーブを分割して伝達することができる。第2及び第3分岐装置123、125は、Yスプリッタのような任意の2ウェイスプリッタを含みうる。
【0032】
第2分岐装置123は、第1及び第2チャンバ201、202と連結されうる。第2分岐装置123と第1チャンバ201との間に第1フィルタ131が介在されうる。第2分岐装置123と第2チャンバ202との間に第2フィルタ132が介在されうる。
【0033】
第3分岐装置125は、第3及び第4チャンバ203、204と連結されうる。第3分岐装置125と第3チャンバ203との間に第3フィルタ133が介在されうる。第3分岐装置125と第4チャンバ204との間に第4フィルタ134が介在されうる。
【0034】
すなわち、第1分岐装置121の第1入力ポートは、マイクロウェーブソース110に連結され、第1分岐装置121の出力ポートは、それぞれ第2及び第3分岐装置123、125に連結されうる。第2分岐装置123の第2入力ポート及び第3分岐装置125の第3入力ポートは、第1分岐装置121の出力ポートに連結されうる。第2分岐装置123の第1出力ポートは、第1チャンバ201と連結され、第2分岐装置123の第2出力ポートは、第2チャンバ202と連結され、第3分岐装置125の第3出力ポートは、第3チャンバ203と連結され、第3分岐装置125の第4出力ポートは、第4チャンバ204に連結されうる。
【0035】
以上、第1ないし第3分岐装置121、123、125それぞれが2ウェイスプリッタである実施例について説明したが、当業界の通常の技術者であれば、ここで説明されたところに基づいて、第1ないし第3分岐装置それぞれがn-way(ここで、nは、3以上の整数)である実施例に容易に到逹することができるであろう。
【0036】
第1ないし第4フィルタ131、132、133、134は、それぞれ順次に第1ないし第4チャンバ201、202、203、204にマイクロウェーブを伝達するか、遮断しうる。第1ないし第4フィルタ131、132、133、134は、通過帯域の周波数範囲を調整することができる。第1ないし第4フィルタ131、132、133、134それぞれは、遮断周波数が可変である可変フィルタでもある。第1ないし第4フィルタ131、132、133、134は、マイクロウェーブに対する通過状態であるか、遮断状態にである。
【0037】
一例として、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134は、可変ローパスフィルタでもある。その場合、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134がマイクロウェーブに対する通過状態にあるとき、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134の遮断周波数は、マイクロウェーブの周波数よりも高い。第1ないし第4フィルタ131、132、133、134がマイクロウェーブに対する遮断状態にあるとき、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134の遮断周波数は、マイクロウェーブの周波数よりも低い。
【0038】
他の例として、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134は、可変ハイパスフィルタでもある。その場合、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134がマイクロウェーブに対する通過状態にあるとき、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134の遮断周波数は、マイクロウェーブの周波数よりも低い。第1ないし第4フィルタ131、132、133、134がマイクロウェーブに対する遮断状態にあるとき、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134の遮断周波数は、マイクロウェーブの周波数よりも高い。
【0039】
他の例として、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134は、可変バンドパスフィルタでもある。その場合、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134は、第1遮断周波数と前記第1遮断周波数よりもさらに大きい、第2遮断周波数間の通過帯域の信号を通過させうる。第1ないし第4フィルタ131、132、133、134がマイクロウェーブに対する通過状態にあるとき、マイクロウェーブの周波数は、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134の第1遮断周波数は高く、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134の第2遮断周波数よりも低い。第1ないし第4フィルタ131、132、133、134がマイクロウェーブに対する遮断状態にあるとき、マイクロウェーブの周波数は、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134の第1遮断周波数より低いか、または、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134の第2遮断周波数より高い。
【0040】
他の例として、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134は、可変バンドリジェクションフィルタでもある。その場合、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134は、第1遮断周波数と前記第1遮断周波数よりもさらに大きい、第2遮断周波数間のリジェクション帯域の信号を遮断することができる。第1ないし第4フィルタ131、132、133、134がマイクロウェーブに対する通過状態にあるとき、マイクロウェーブの周波数は、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134の第1遮断周波数より低いか、または、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134の第2遮断周波数より高い。第1ないし第4フィルタ131、132、133、134がマイクロウェーブに対する遮断状態にあるとき、マイクロウェーブの周波数は、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134の第1遮断周波数より高く、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134の第2遮断周波数より低い。
【0041】
例示的な実施例によれば、マイクロウェーブ供給装置100は、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134を制御するように構成されたコントローラをさらに含みうる。コントローラは、第1ないし第4フィルタ131、132、133、134それぞれを通過状態に切り換えるか、遮断状態に切り換えるための信号を生成するように構成されうる。第1ないし第4フィルタ131、132、133、134は、コントローラが生成した信号によって電子的に制御されうる。
【0042】
例示的な実施例によれば、コントローラは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合わせによっても具現される。例えば、コントローラは、ワークステーションコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータなどのコンピューティング装置を含みうる。コントローラは、単純コントローラ、マイクロプロセッサ、CPU、GPUのような複雑なプロセッサ、ソフトウェアによって構成されたプロセッサ、専用ハードウェアまたはファームウェアを含みうる。コントローラは、例えば、汎用コンピュータまたはDSP(Digital Signal Process)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなアプリケーション特定ハードウェアによっても具現される。
【0043】
一部実施例によれば、コントローラの動作は、1つ以上のプロセッサによって読取、及び実行されうる機械可読媒体上に保存された命令として具現されうる。ここで、機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューティング装置)によって可読形態によって情報を保存及び/または伝送するための任意のメカニズムを含む。例えば、機械可読媒体は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気ディスク記録媒体、光学記録媒体、フラッシュメモリ装置、電気的、光学的、音響的または他の形態の電波信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)及びその他の任意の信号を含みうる。
【0044】
コントローラについて説明した動作、または以下で説明する任意の工程を遂行するための、さらなるファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令語が構成されうる。しかし、これは説明の便宜上、上述したコントローラの動作は、コンピューティング装置、プロセッサ、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン及び命令語などを実行する他の装置から惹起されうる。
【0045】
図2は、例示的な実施例による半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0046】
図1及び図2を参照すれば、P10において、第1チャンバ201でマイクロウェーブを用いた処理を遂行し、第2ないし第4チャンバ202、203、204でマイクロウェーブフリー処理を遂行することができる。例えば、第1チャンバ201内でtALEのエッチングが遂行され、第2チャンバ202でtALEの第1パージが遂行され、第3チャンバ203でtALEの表面変更が遂行され、第4チャンバ204でtALEの第2パージが遂行されうる。これにより、第1チャンバ201のみがマイクロウェーブを要求し、マイクロウェーブは、第1チャンバ201にのみ伝達されうる。
【0047】
P20において、第2チャンバ202でマイクロウェーブを用いた処理を遂行し、第1、第3及び第4チャンバ201、203、204でマイクロウェーブフリー処理を遂行することができる。例えば、第2チャンバ202内でtALEのエッチングが遂行され、第3チャンバ203でtALEの第1パージが遂行され、第4チャンバ204でtALEの表面変更が遂行され、第1チャンバ201でtALEの第2パージが遂行されうる。これにより、第2チャンバ202のみがマイクロウェーブを要求し、マイクロウェーブは、第2チャンバ202にのみ伝達されうる。
【0048】
P30において、第3チャンバ203でマイクロウェーブを用いた処理を遂行し、第1、第2及び第4チャンバ201、202、204でマイクロウェーブフリー処理を遂行することができる。例えば、第3チャンバ203内でtALEのエッチングが遂行され、第4チャンバ204でtALEの第1パージが遂行され、第1チャンバ201でtALEの表面変更が遂行され、第2チャンバ202でtALEの第2パージが遂行されうる。これにより、第3チャンバ203のみがマイクロウェーブを要求し、マイクロウェーブは、第3チャンバ203にのみ伝達されうる。
【0049】
P40において、第4チャンバ204でマイクロウェーブを用いた処理を遂行し、第1ないし第3チャンバ201、202、203でマイクロウェーブフリー処理を遂行することができる。例えば、第4チャンバ204内でtALEのエッチングが遂行され、第1チャンバ201でtALEの第1パージが遂行され、第2チャンバ202でtALEの表面変更が遂行され、第3チャンバ204でtALEの第2パージが遂行されうる。これにより、第4チャンバ204のみがマイクロウェーブを要求し、マイクロウェーブは、第4チャンバ204にのみ伝達されうる。
【0050】
以上、図面及び明細書において例示的な実施例が開示された。本明細書において特定の用語でもって実施例を説明したが、これは、単に本開示の技術的思想を説明するための目的で使用されたものであって、意味限定や特許請求の範囲に記載の本開示の範囲を制限するために使用されたものではない。したがって、当業者であれば、それらから、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するであろう。したがって、本開示の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【符号の説明】
【0051】
10 システム
100 マイクロウェーブ供給装置
110 マイクロウェーブソース
121、123、125 第1ないし第3分岐装置
131、132、133、134 第1ないし第4フィルタ
201、202、203、204 第1ないし第4チャンバ
図1
図2