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  • 特開-エアロゾル発生基質 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182535
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】エアロゾル発生基質
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20231219BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231219BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/20
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084396
(22)【出願日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】202210666979.0
(32)【優先日】2022-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】文治華
(72)【発明者】
【氏名】張大志
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA41
4B045AA46
4B045AB12
4B162AA03
4B162AB12
4B162AB22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】サブ合流セグメントに入り込む吸気量及び総換気率を効果的に増加させることができるエアロゾル発生基質を提供する。
【解決手段】エアロゾル発生基質は、基質本体121と周方向に沿って基質本体の外側に被覆された第1の被覆層123とを含む基質セグメント120と、基質セグメントの軸方向の一端に接続され、基質セグメントから流出する気流を濾過するための合流濾過セグメント140と、を備え、第1の被覆層には、その内面と外面に連通する基質セグメント集気孔123aが設けられ、基質セグメント集気孔から合流濾過セグメントに接続される基質セグメントの一端の端面までの距離は、0mmよりも大きく且つ1mmよりも小さい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基質本体と周方向に沿って前記基質本体の外側に被覆された第1の被覆層とを含む基質セグメントと、
前記基質セグメントの軸方向の一端に接続され、前記基質セグメントから流出する気流を濾過するための合流濾過セグメントと、を備え、
前記第1の被覆層には、その内面と外面に連通する基質セグメント集気孔が設けられ、前記基質セグメント集気孔から前記合流濾過セグメントに接続される前記基質セグメントの一端の端面までの距離は、0mmよりも大きく且つ1mmよりも小さい
ことを特徴とするエアロゾル発生基質。
【請求項2】
前記第1の被覆層には、複数の前記基質セグメント集気孔が設けられ、全ての前記基質セグメント集気孔は、前記基質セグメントの周方向に沿って間隔をあけて配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生基質。
【請求項3】
全ての前記基質セグメント集気孔は、前記基質セグメントの周方向に沿って非等間隔で配置される
ことを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル発生基質。
【請求項4】
前記基質セグメント集気孔の数は、2~20個である
ことを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル発生基質。
【請求項5】
前記合流濾過セグメントは、
前記基質セグメントの軸方向の一端に接続され、気流の流れのための空洞を有するサブ合流セグメントと、
前記サブ合流セグメントの前記基質セグメントから離れた一端に接続され、前記空洞から流出する気流を濾過するためのサブ濾過セグメントと、を含む
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエアロゾル発生基質。
【請求項6】
前記サブ合流セグメントには、少なくとも1組のサブ合流セグメント集気孔が設けられ、各組の前記サブ合流セグメント集気孔は、前記空洞及び外部環境に連通する
ことを特徴とする請求項5に記載のエアロゾル発生基質。
【請求項7】
各組の前記サブ合流セグメント集気孔から前記合流濾過セグメントまでの距離は、1mm~10mmである
ことを特徴とする請求項6に記載のエアロゾル発生基質。
【請求項8】
前記サブ合流セグメントには、複数組の前記サブ合流セグメント集気孔が設けられ、各組の前記サブ合流セグメント集気孔は、前記サブ合流セグメントの軸方向に沿って間隔をあけて配置され、各組の前記サブ合流セグメント集気孔は、複数の前記サブ合流セグメント集気孔を含み、同一組中の全ての前記サブ合流セグメント集気孔は、前記サブ合流セグメントの周方向に沿って間隔をあけて配置される
ことを特徴とする請求項6に記載のエアロゾル発生基質。
【請求項9】
同一組中の全ての前記サブ合流セグメント集気孔は、前記サブ合流セグメントの周方向に沿って等間隔で配置される
ことを特徴とする請求項8に記載のエアロゾル発生基質。
【請求項10】
各組の前記サブ合流セグメント集気孔の数は、2~20個である
ことを特徴とする請求項8に記載のエアロゾル発生基質。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化技術分野に関し、特にエアロゾル発生基質に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾルは、固体又は液体の小さな粒子が気体媒体中に分散・浮遊して形成されるコロイド分散体であり、エアロゾルは呼吸器系から人体に吸収されるので、ユーザに新しい代替吸収手段を提供する。アトマイザーとは、貯蔵された霧化可能な基質を加熱又は超音波などの方法によってエアロゾルを形成する装置を意味する。霧化可能な基質は、ニコチン(ニコティン)を含有するタバコオイル、医療用医薬品、スキンケアローションなどを含み、これらの媒体の霧化は、従来の製品形態及び吸収手段の代わりに、ユーザに吸入可能なエアロゾルを供給することができる。
【0003】
非燃焼加熱の霧化基質は、特殊な熱源を利用して基質を加熱し(加熱温度は500℃以下、あるいはそれ以下である)、加熱される時に霧化基質中の様々な物質が気化してエアロゾルを発生して喫煙者のニーズを満たす新しい霧化基質である。非燃焼加熱の霧化基質は、吸入過程において裸火や煤煙を発生させないため、環境により優しく、使用者に良好な使用体験を提供すると同時に、従来の霧化基質の燃焼時に高温分解による有害物質の発生を減少させ、それにより使用者の体への損傷を減少させる。
【0004】
しかしながら、アトマイザーの構造上の欠点により、従来の非燃焼加熱の霧化基質を加熱して気化させて発生した一部のエアロゾルは、気流と共に円滑に流出することができず、その結果、非燃焼加熱の霧化基質のニコチンなどの有効物質が良好に析出することができず、ユーザの使用感の更なる向上に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、エアロゾルが円滑に流出できないという問題に対して、エアロゾルが円滑に流出できる技術的効果を達成することができるエアロゾル発生基質を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様において、基質本体と周方向に沿って前記基質本体の外側に被覆された第1の被覆層とを含む基質セグメントと、前記基質セグメントの軸方向の一端に接続され、前記基質セグメントから流出する気流を濾過するための合流濾過セグメントと、を備え、前記第1の被覆層には、その内面と外面に連通する基質セグメント集気孔が設けられ、前記基質セグメント集気孔から前記合流濾過セグメントに接続される前記基質セグメントの一端の端面までの距離は、0mmよりも大きく且つ1mmよりも小さい、エアロゾル発生基質を提供する。
【0007】
一実施例において、前記第1の被覆層には、複数の前記基質セグメント集気孔が設けられ、全ての前記基質セグメント集気孔は、前記基質セグメントの周方向に沿って間隔をあけて配置される。
【0008】
一実施例において、全ての前記基質セグメント集気孔は、前記基質セグメントの周方向に沿って非等間隔で配置される。
【0009】
一実施例において、前記基質セグメント集気孔の数は、2~20個である。
【0010】
一実施例において、前記合流濾過セグメントは、前記基質セグメントの軸方向の一端に接続され、気流の流れのための空洞を有するサブ合流セグメントと、前記サブ合流セグメントの前記基質セグメントから離れた一端に接続され、前記空洞から流出する気流を濾過するためのサブ濾過セグメントと、を含む。
【0011】
一実施例において、前記サブ合流セグメントには、少なくとも1組のサブ合流セグメント集気孔が設けられ、各組の前記サブ合流セグメント集気孔は、前記空洞及び外部環境に連通する。
【0012】
一実施例において、各組の前記サブ合流セグメント集気孔から前記合流濾過セグメントまでの距離は、1mm~10mmである。
【0013】
一実施例において、前記サブ合流セグメントには、複数組の前記サブ合流セグメント集気孔が設けられ、各組の前記サブ合流セグメント集気孔は、前記サブ合流セグメントの軸方向に沿って間隔をあけて配置され、各組の前記サブ合流セグメント集気孔は、複数の前記サブ合流セグメント集気孔を含み、同一組中の全ての前記サブ合流セグメント集気孔は、前記サブ合流セグメントの周方向に沿って間隔をあけて配置される。
【0014】
一実施例において、同一組中の全ての前記サブ合流セグメント集気孔は、前記サブ合流セグメントの周方向に沿って等間隔で配置される。
【0015】
一実施例において、各組の前記サブ合流セグメント集気孔の数は、2~20個である。
【0016】
上記エアロゾル発生基質によれば、第1の被覆層上の、合流濾過セグメントに接続される一端の端面までの距離が1mm未満である位置に、基質セグメント集気孔を設けることにより、サブ合流セグメントに入り込む吸気量及び総換気率を効果的に増加させることができる。使用者が吸って基質セグメントから離れたエアロゾル発生基質の一端の端面に負圧が発生する際に、基質本体の加熱過程で発生したニコチン及び香り物質などを徐々に運ぶことがより容易になるため、より良い吸入の一致性を有し、ユーザの使用体験を効果的に向上させた。また、基質セグメント集気孔の設置位置が基質セグメントの端面に非常に接近するので、基質本体を通る気流量を最大限に減少することができ、それにより基質本体が最大限に負圧下の酸素が少ない状態にあり、エアロゾル形成基質中の有効物質をより良く放出することができ、吸入する動的過程で基質本体の温度がより安定になるように保証し、エアロゾルの放出量を一致させるように維持することができる。
【0017】
以上の説明は、本発明の技術的解決手段の概要に過ぎず、本発明の技術的手段をより明確に了解して、明細書の内容に従って実施することができるとともに、本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明確に理解できるために、以下は本発明の具体的な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、様々な他の利点や利益が当業者にとって明らかになる。図面は、好ましい実施形態を示すためのものだけであり、本発明を限定するものと考えられない。また、全ての図面において、同一の符号で同一の部品を示す。
図1】本発明の一実施例のエアロゾル発生基質の模式図である。
図2図1に示すエアロゾル発生基質の内部の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な細部を説明する。しかしながら、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なる多くの他の形態で実施することができ、当業者であれば、本発明の趣旨から逸脱することなく類似な改善を行うことができる。したがって、本発明は以下に開示される具体的な実施例に限定されるものではない。
【0020】
本発明の説明において、理解すべきものとして、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく且つ説明を簡略化するためのものだけであり、言及される装置又は素子は特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0021】
なお、用語「第1」、「第2」は説明の目的だけであり、相対的な重要性を意味又は示唆し、又は説明された技術的特徴の数を示唆すると理解されるものではない。従って、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明示的かつ具体的に制限されない限り、「複数」の意味は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどである。
【0022】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよいし、一体になってもよい。また、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよい。また、特に明確に限定されない限り、直接接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の互相作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本発明における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0023】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2の特徴が直接に接触してもよいし、第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも大きいことを示すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下又は斜め下にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示すだけであってもよい。
【0024】
説明すべきものとして、一方の素子が他方の素子に「固定される」又は「設けられる」と呼ばれる場合、他方の素子に直接存在してもよく、又は介在する要素が存在してもよい。一方の素子が他方の素子に「接続される」と考えられる場合、他方の素子に直接接続されてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の表現は説明の目的だけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0025】
図1及び図2を参照すると、図1は本発明の一実施例におけるエアロゾル発生基質の模式図である。図2は本発明の一実施例におけるエアロゾル発生基質の内部の構造模式図である。
【0026】
本発明の一実施例は、エアロゾル発生基質100を提供し、当該エアロゾル発生基質100は、断面が円形である柱状構造であり、当該エアロゾル発生基質100は、霧化装置の加熱気道内に挿設可能であり、霧化装置は、エアロゾル発生基質100を加熱して使用者による吸入のためのエアロゾルを発生させることができる。
【0027】
エアロゾル発生基質100全体は、柱状構造であり、エアロゾル発生基質100の断面は、円形である。エアロゾル発生基質100は、互いに接続された基質セグメント120と合流濾過セグメント140とを含み、合流濾過セグメント140は、基質セグメント120の軸方向の一端に接続され、基質セグメント120は、霧化装置による加熱によってエアロゾルを発生させることができ、エアロゾルは、合流濾過セグメント140によって濾過された後、使用者が吸入するようにエアロゾル発生基質100から流出する。なお、エアロゾル発生基質100の形状及び寸法は、限定されず、エアロゾル発生基質100の断面は、楕円形、矩形などの規則的な形状、又は不規則的な形状であってもよい。
【0028】
基質セグメント120は、基質本体121と基質セグメント被覆層とを含み、基質セグメント被覆層は、基質本体121の外側に被覆されて柱状構造を形成し、基質セグメント被覆層の外面は、当該柱状構造の外側の円形表面を形成し、当該柱状構造の軸方向に垂直な断面の形状は、円形であってもよい。なお、前述した柱状構造の断面の形状は、これに限定されず、他のいくつかの実施例において、楕円形、矩形などの規則的な形状、又は不規則的な形状であってもよい。
【0029】
更に、基質本体121は、タバコフィラーを含んでもよく、タバコフィラーは、フィラメント状、粒状、シート状などの規則的な形状、又は不規則的な形状であってもよい。なお、基質本体121を形成する材料は、限定されず、基質本体121は、単一の材料から形成されてもよいし、又は複数の材料を異なる割合で混合して形成されてもよい。基質本体121内に他の物質を更に追加することにより、異なる組成や異なる味を有するエアロゾルを発生させて、使用者の異なるニーズを満たすことができる。基質セグメント被覆層は、タバコの紙などの被覆材料から形成されることにより、基質本体121が一定の形状を維持する。なお、基質セグメント被覆層を形成する材料は、これに限定されず、他のいくつかの実施例において、基質セグメント被覆層は、異なるニーズを満たすように、アルミニウム箔などの他の材料から形成されてもよい。
【0030】
引き続き図1及び図2を参照すると、合流濾過セグメント140は、サブ合流セグメント141とサブ濾過セグメント143とを含み、サブ合流セグメント141は、基質セグメント120の軸方向の一端に接続され、サブ濾過セグメント143は、基質セグメント120から離れたサブ合流セグメント141の軸方向の他端に接続される。このように、基質セグメント120が加熱された後に発生したエアロゾルは、サブ合流セグメント141の合流及びサブ濾過セグメント143の濾過を経た後に流出する。
【0031】
いくつかの実施例において、サブ合流セグメント141は、空洞管1412とサブ合流セグメント被覆層とを含む。空洞管1412は、両端が開口した中空管状構造であり、サブ合流セグメント被覆層は、成形紙などの被覆性材料から形成され、サブ合流セグメント被覆層は、周方向に沿って空洞管1412の外側の円形表面に被覆されて一体に形成される。このように、サブ合流セグメント141内には、基質セグメント120に連通する空洞1414aが形成され、基質セグメント120から流出するエアロゾルは、空洞1414aに入り込んで空洞1414a内の気流と合流し、更に気流に巻き込まれて合流濾過セグメント140に流入する。なお、サブ合流セグメント141の形状及び構造は、限定されず、サブ合流セグメント141の断面は、円環形、四角枠形又は他の規則的な形状、又は不規則的な形状であってもよく、空洞管1412及びサブ合流セグメント被覆層を形成する材料も、異なるニーズを満たすように必要に応じて設定されてもよい。
【0032】
いくつかの実施例において、サブ濾過セグメント143は、濾過媒体1432とサブ濾過セグメント被覆層とを含む。サブ濾過セグメント被覆層は、濾過媒体1432の外側に被覆されて柱状構造を形成し、サブ濾過セグメント被覆層の外面は、当該柱状構造の外側の円形表面を形成し、当該柱状構造の軸方向に垂直な断面の形状は、円形であってもよい。なお、前述した柱状構造の断面の形状は、これに限定されず、他のいくつかの実施例において、楕円形、矩形などの規則的な形状、又は不規則的な形状であってもよい。
【0033】
ここで、濾過媒体1432は、高分子充填材料から形成され、高分子充填材料は、自体を流れるエアロゾルに対して濾過及び降温を行うことができ、サブ濾過セグメント被覆層は、成形紙など被覆性材料から形成されてもよい。なお、濾過媒体1432を形成する材料及びサブ濾過セグメント被覆層を形成する材料は、限定されず、他の実施例において、濾過媒体1432及びサブ濾過セグメント被覆層は、異なる濾過要件を満たすように他の材料から形成されてもよい。
【0034】
更に、エアロゾル発生基質100は、合流濾過セグメント被覆層と接続層とを更に含む。合流濾過セグメント被覆層は、成形紙又は他の被覆性材料から形成され、合流濾過セグメント被覆層は、サブ合流セグメント被覆層及びサブ濾過セグメント被覆層の外面に被覆されることにより、完全な合流濾過セグメント140が形成される。接続層は、チップペーパー又は他の被覆性材料から形成され、接続層は、基質セグメント120に近い合流濾過セグメント被覆層の一端及びサブ合流セグメント141に近い基質セグメント被覆層の一端に被覆されることにより、完全なエアロゾル発生基質100が形成される。なお、合流濾過セグメント被覆層及び接続層を形成する材料は、これに限定されず、異なるニーズを満たすように必要に応じて設定されてもよい。
【0035】
このように、基質セグメント120は、基質本体121と周方向において基質本体121の外側に被覆された第1の被覆層123とを含み、第1の被覆層123は、基質本体121の外側に被覆された基質セグメント被覆層と、サブ合流セグメント141に近い基質セグメント被覆層の一端に被覆された接続層と、が積層されて形成される。サブ合流セグメント141は、空洞管1412と、周方向に沿って空洞管1412の外側の円形表面に被覆された第2の被覆層1414と、を含み、第2の被覆層1414は、空洞管1412の外側に被覆されたサブ合流セグメント被覆層と、サブ合流セグメント被覆層の外側に被覆された合流濾過セグメント被覆層と、が積層されて形成される。サブ濾過セグメント143は、濾過媒体1432と周方向に沿って濾過媒体1432の外側に被覆された第3の被覆層1434と含み、第3の被覆層1434は、濾過媒体1432に被覆されたサブ濾過セグメント被覆層と、サブ濾過セグメント被覆層の外側に被覆された濾過端被覆層と、が積層されて形成される。
【0036】
ここで、第1の被覆層123は、基質本体121の外側に被覆された積層構造の総称として定義され、第2の被覆層1414は、空洞管1412の外側の円形表面に被覆された積層構造の総称として定義され、第3の被覆層1434は、濾過媒体1432に被覆された積層構造の総称として定義され、第1の被覆層123、第2の被覆層1414及び第3の被覆層1434の具体的な構造及び形成材料は、限定されず、異なるニーズを満たすように必要に応じて設定されてもよい。
【0037】
本発明において、基質本体121の外側に被覆された第1の被覆層123には、その内面と外面に連通する基質セグメント集気孔123aが設けられ、基質セグメント集気孔123aから合流濾過セグメント140に接続される基質セグメント120の一端の端面までの距離は、0mmよりも大きく且つ1mmよりも小さい。具体的には、第1の被覆層123は、基質本体121の外側に被覆された基質セグメント被覆層と、サブ合流セグメント141に近い基質セグメント被覆層の一端に被覆された接続層と、が積層されて形成されるので、基質セグメント集気孔123aは厚さ方向に沿って基質セグメント被覆層及び接続層を貫通する。
【0038】
このように、第1の被覆層123上の、合流濾過セグメント140に接続される一端の端面までの距離が1mm未満である位置に、基質セグメント集気孔123aを設けることにより、サブ合流セグメント141に入り込む吸気量及び総換気率を効果的に増加させることができる。使用者が吸って基質セグメント120から離れたエアロゾル発生基質100の一端の端面に負圧が発生する際に、基質本体121の加熱過程で発生したニコチン及び香り物質などを徐々に運ぶことがより容易になるため、より良い吸入の一致性を有し、ユーザの使用体験を効果的に向上させた。また、基質セグメント集気孔123aの設置位置が基質セグメント120の端面に非常に接近するので、基質本体121を通る気流量を最大限に減少することができ、それにより基質本体121が最大限に負圧下の酸素が少ない状態にあり、エアロゾル形成基質中の有効物質をより良く放出することができ、吸入する動的過程で基質本体121の温度がより安定になるように保証し、エアロゾルの放出量を一致させるように維持することができる。
【0039】
いくつかの実施例において、基質セグメント120には、複数の基質セグメント集気孔123aが設けられ、全ての基質セグメント集気孔123aは、合流濾過セグメント140の周方向に沿って間隔をあけて配置される。このように、エアロゾル発生基質100の外側の気流は、複数の基質セグメント集気孔123aをそれぞれ通って分流して基質セグメント120中に入り込むことができる。好ましい一実施形態として、基質セグメント集気孔123aの数は、2~20個である。なお、基質セグメント集気孔123aの数は、限定されず、異なる吸入要求を満たすように必要に応じて設定されてもよく、例えば、基質セグメント集気孔123aの数は、16個又は12個である。
【0040】
更なるいくつかの実施例において、異なる領域の気流の流量に応じて、基質セグメント集気孔123aは基質セグメント120の周方向に沿って非等間隔で配置され、即ち、少なくとも一部の隣接する2つの基質セグメント集気孔123a同士の間の距離は、残りの隣接する2つの基質セグメント集気孔123a同士の間の距離と異なる。なお、他のいくつかの実施例において、全ての基質セグメント集気孔123aは、基質セグメント120の周方向に沿って等間隔で配置されてもよく、即ち、隣接する2つの基質セグメント集気孔123a同士の間の距離は全て等しい。
【0041】
いくつかの実施例において、サブ合流セグメント141には、少なくとも1組のサブ合流セグメント集気孔1414bが設けられ、各組のサブ合流セグメント集気孔1414bは、空洞1414a及び外部環境に連通する。サブ合流セグメント141は、空洞管1412と周方向に沿って空洞管1412の外側の円形表面に被覆された第2の被覆層1414とを含み、第2の被覆層1414は、空洞管1412の外側に被覆されたサブ合流セグメント被覆層と、サブ合流セグメント被覆層の外側に被覆された合流濾過セグメント被覆層と、が積層されて形成されるので、サブ合流セグメント集気孔1414bは、空洞管1412、サブ合流セグメント被覆層、及び合流濾過セグメント被覆層を貫通するように設けられる。このように、エアロゾル発生基質100の外側の気流は、サブ合流セグメント集気孔1414bを通ってサブ合流セグメント141の空洞1414a内に入り込むため、エアロゾル発生基質100の吸気量及び総換気率を更に向上させる。
【0042】
いくつかの実施例において、サブ合流セグメント集気孔1414bから合流濾過セグメント140までの距離は、1mm~10mmである。なお、サブ合流セグメント集気孔1414bから合流濾過セグメント140までの距離は、限定されず、異なるニーズを満たすように必要に応じて設定されてもよい。
【0043】
具体的には、いくつかの実施例において、サブ合流セグメント141には、複数組のサブ合流セグメント集気孔1414bが設けられ、各組のサブ合流セグメント集気孔1414bは、サブ合流セグメント141の軸方向に沿って間隔をあけて配置され、各組のサブ合流セグメント集気孔1414bは、複数のサブ合流セグメント集気孔1414bを含み、同一組中の全てのサブ合流セグメント集気孔1414bは、サブ合流セグメント141の周方向に沿って間隔をあけて配置され、隣接する2組のサブ合流セグメント集気孔1414b同士の間の距離は、同一であってもよいし、異なってもよく、隣接する2組のサブ合流セグメント集気孔1414bの中の各サブ合流セグメント集気孔1414bは、サブ合流セグメント141の軸方向において1つずつ対応して設けられてもよいし、又はずれて設けられてもよい。
【0044】
好ましくは、サブ合流セグメント141は、1組、2組又は3組のサブ合流セグメント集気孔1414bが設けられ、各組のサブ合流セグメント集気孔1414bの数は、2~20個である。なお、サブ合流セグメント集気孔1414bの組数及び各組のサブ合流セグメント集気孔1414bの中のサブ合流セグメント集気孔1414bの数は、これに限定されず、異なるニーズを満たすように必要に応じて設定されてもよく、各組のサブ合流セグメント集気孔1414bの数量は、同一であってもよいし、異なってもよい。例えば、各組のサブ合流セグメント集気孔1414bの数は、16個又は12個である。
【0045】
更に、いくつかの実施例において、同一組中の全てのサブ合流セグメント集気孔1414bは、サブ合流セグメント141の周方向に沿って等間隔で配置され、即ち、隣接する2つのサブ合流セグメント集気孔1414b同士の間の距離は、全て等しい。別のいくつかの実施例において、異なる領域の気流の流量に応じて、同一組中のサブ合流セグメント集気孔1414bは、サブ合流セグメント141の周方向に沿って不等間隔で配置され、即ち、少なくとも一部の隣接する2つのサブ合流セグメント集気孔1414b同士の間の距離は、残りの隣接する2つのサブ合流セグメント集気孔1414b同士の間の距離とは異なる。
【0046】
上記エアロゾル発生基質100によれば、合流濾過セグメント140に接続される基質セグメント120の一端の端面までの距離が0mm~1mmである基質セグメント集気孔123aを基質セグメント120に設けることにより、エアロゾル発生基質100の吸気量及び総換気率を著しく向上させることができる。基質セグメント集気孔123aから合流濾過セグメント140までの距離が十分に近いため、エアロゾル発生基質100の加熱過程で、基質本体121によって発生したニコチン及び香り物質が十分な析出されて、気流によって十分に運ばれるため、ユーザの使用感を増加させた。また、エアロゾル発生基質1001の外側の気流は、更にサブ合流セグメント集気孔1414bを通ってサブ合流セグメント141の空洞1414a内に入り込むことができるため、エアロゾル発生基質100の吸気量及び総換気率を更に向上させた。
【0047】
以上説明した実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについては説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載される範囲内であると考えられるべきである。
【0048】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その叙述は具体的かつ詳細であるが、本願の発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本願の思想から逸脱することなく、本願の範囲に含まれるいくつかの変形および改善を行うことができることに留意されたい。したがって、本願の特許の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0049】
100 エアロゾル発生基質
120 基質セグメント
121 基質本体
123 第1の被覆層
123a 基質セグメント集気孔
140 合流濾過セグメント
141 サブ合流セグメント
1412 空洞管
1414 第2の被覆層
1414a 空洞
1414b サブ合流セグメント集気孔
143 サブ濾過セグメント
1432 濾過媒体
1434 第3の被覆層
図1
図2