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特開2023-182549センサ接触手段、セルコネクタ端子、およびセルコネクタプレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182549
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】センサ接触手段、セルコネクタ端子、およびセルコネクタプレート
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/10 20060101AFI20231219BHJP
   H01R 13/24 20060101ALI20231219BHJP
   H01R 4/18 20060101ALI20231219BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20231219BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20231219BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20231219BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20231219BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20231219BHJP
【FI】
H01R13/10 A
H01R13/24
H01R4/18 A
H01M50/249
H01M50/298
H01M50/204 401D
H01M50/569
H01M50/202 401D
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023096058
(22)【出願日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】10 2022 114 957.9
(32)【優先日】2022-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】トルシュテン キャリーズ
【テーマコード(参考)】
5E085
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E085BB03
5E085BB12
5E085BB23
5E085CC03
5E085DD01
5E085DD04
5E085DD14
5E085EE02
5E085EE04
5E085EE13
5E085FF01
5E085HH11
5E085HH22
5E085JJ38
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT06
5H040DD13
5H040JJ02
5H043AA13
5H043AA19
5H043AA20
5H043DA27
5H043HA02D
5H043HA08D
5H043JA14D
5H043JA29D
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ワイヤハーネスをバッテリのセルコネクタプレートに超音波溶接することに対する代替案を提供する
【解決手段】本発明は、車両のバッテリ(0)、特にトラクションバッテリ(0)の電気セルコネクタプレート(50)の電気センサ接触手段(10、510)であって、完全なセンサ接触手段(10、510)は、2つの部品(10、50)のみから構成され、単に互いに差込可能であり、電気ケーブル(40)用のセルコネクタプレートコンタクト端子(10)と、セルコネクタプレートコンタクト端子(10)に部分的に相補的な、バッテリ(0)のセルコネクタプレート(50)のセルコネクタ端子(510)とを備えるセンサ接触手段(10、510)として形成されている、電気センサ接触手段による。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のバッテリ(0)、特にトラクションバッテリ(0)の電気セルコネクタプレート(50)の電気センサ接触部(10、510)であって、
実際の完全なセンサ接触部(10、510)が、差込可能なセンサ接触部(10、510)として形成され、
前記センサ接触部(10、510)は、2つの部品(10、50)のみから構成され、
前記センサ接触部(10、510)は、電気ケーブル(40)用のセルコネクタプレートコンタクト端子(10)と、前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)に部分的に相補的な、前記バッテリ(0)の前記セルコネクタプレート(50)のセルコネクタ端子(510)とを備える
ことを特徴とする、電気センサ接触部(10、510)。
【請求項2】
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)は、前記セルコネクタ端子(510)用のコンタクト部(300)と前記ケーブル(40)用の接続部(300)とを有し、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)の壁厚が、前記セルコネクタ端子(510)の壁厚の約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、もしくは約75%であり、かつ/または、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)はソケット状ピン端子(10)として形成され、前記セルコネクタ端子(510)はソケット端子(510)として形成されている、請求項1に記載の電気センサ接触部(10、510)。
【請求項3】
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)は、単層として曲げ合わされ、かつ/または細長い半径方向ばね(102)を部分的に有し、
・前記セルコネクタ端子(510)は、前記セルコネクタプレート(50)の材料層から曲げられ、かつ/または、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)および/または前記セルコネクタプレート(50)は、請求項4から14のいずれか一項に記載するように形成されている、請求項1または2に記載の電気センサ接触部(10、510)。
【請求項4】
車両のバッテリ(0)、特にトラクションバッテリ(0)の電気セルコネクタプレート(50)に電気的に接触するための電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)であって、
コンタクト部(100)と、電気ケーブル(40)用の、特に圧着部(300)として形成された端子部(300)とを有し、前記コンタクト部(100)と前記端子部(300)とは、前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)の軸方向(Ar)に延びる、電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)において、
前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)は、コンタクト部(100)を有して雄端子(10)として形成され、前記コンタクト部(100)は、材料層から前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)の周方向(Ur)に曲げ合わされ、かつ/または、
前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)の前記コンタクト部(100)は、材料層から周方向(Ur)に少なくとも部分的に曲げ合わされて、前記軸方向(Ar)に細長い半径方向ばね(102)を形成する
ことを特徴とする、電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項5】
・前記細長い半径方向ばね(102)は、スロット付きの略O字形断面、U字形断面、またはV字形断面を有し、
・前記細長い半径方向ばね(102)は、前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)の半径方向平面に2つのばね脚部(110、120)を有する脚ばね(102)として形成され、かつ/または、
・前記脚ばね(102)の前記ばね脚部(110、120)は、単純接続(130)のみを介して互いに機械的に連結されている、請求項4に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項6】
・前記コンタクト部(100)は、コンタクトボックスとして実質的に形成され、その電気コンタクト面が、前記コンタクトボックスの外周に配置され、
・前記コンタクト部(100)は、底壁(130)によって接続された2つの側壁(110、120)と、好ましくは開いた上壁(140)とを実質的に有し、かつ/または、
・前記コンタクト部(100)は、好ましくは角丸領域のある略矩形断面または略楕円形断面を有する、
請求項4または5に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項7】
・前記コンタクト部(100)は、外側に少なくとも1つのセルコネクタ端子レセプタクル(104)を有し、前記セルコネクタ端子レセプタクル(104)に、セルコネクタプレート(50)のセルコネクタ端子(510)を受け入れることができ、
・前記コンタクト部(100)は、半径方向(Rr)において実質的に反対側にある2つもしくは少なくとも2つのセルコネクタ端子レセプタクル(104)を有し、かつ/または、
・セルコネクタ端子レセプタクル(104)は、半径方向弾性ばね要素(114、124)、軸方向止め(115)、および前記コンタクト部(100)の外側によって構成されている、請求項4から6のいずれか一項に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項8】
前記コンタクト部(100)、前記コンタクトボックス、および/または前記細長い半径方向ばね(102)は、1つもしくは少なくとも1つの半径方向弾性ばね要素(114、124)を含み、または半径方向(Rr)において実質的に反対側にある2つもしくは少なくとも2つの半径方向弾性ばね要素(114、124)を含む、請求項4から7のいずれか一項に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項9】
前記コンタクト部(100)、前記コンタクトボックス、および/または前記細長い半径方向ばね(102)は、1つもしくは少なくとも1つの軸方向止め(115、125)を含み、または半径方向(Rr)において実質的に反対側にある2つもしくは少なくとも2つの軸方向止め(115、125)を含む、請求項4から8のいずれか一項に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項10】
・移行部(200)が、前記コンタクト部(100)と前記接続部(300)との間に前記軸方向(Ar)に配置され、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)に絶縁圧着部がなく、かつ/または、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)は、請求項1から3のいずれか一項に記載のセンサ接触部(10、510)の一部である、請求項4から9のいずれか一項に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項11】
車両のバッテリ(0)、特にトラクションバッテリ(0)の電気セルコネクタプレート(50)であって、
バッテリの複数のバッテリセルを電気的に接続するためのプレート状コネクタ本体(500)を有する、電気セルコネクタプレート(50)において、
前記プレート状コネクタ本体(500)は、前記セルコネクタプレート(50)に電気的に接触するためのセルコネクタ端子(510)を有することを特徴とする、電気セルコネクタプレート(50)。
【請求項12】
・前記セルコネクタ端子(510)は、少なくとも1辺もしくは1辺のみで、または少なくとも2辺もしくは2辺のみで、前記コネクタ本体(500)に電気的に接続され、
・前記セルコネクタ端子(510)は、前記コネクタ本体(500)から切り離され、前記コネクタ本体(500)の平面から曲げられ、かつ/または、
・前記セルコネクタ端子(510)は、略楕円形もしくは多角形の内側断面および/または外側断面を有するソケット端子(510)として形成されている、請求項11に記載の電気セルコネクタプレート(50)。
【請求項13】
・前記セルコネクタ端子(510)は、好ましくは軸方向(Ar)両端面で開いているスリーブ(510)またはロール(510)として形成され、
・前記セルコネクタ端子(510)は、周囲にスロットが付けられ、スロット(512)は、前記セルコネクタ端子(510)の完全伸長に沿って軸方向(Ar)に延び、
・前記セルコネクタ端子(510)は、単一の曲げられたタブによって、または互いに向かって曲げられた2つのタブによって前記コネクタ本体(500)から形成され、かつ/または
・前記セルコネクタプレート(50)の前記セルコネクタ端子(510)は、請求項1から3のいずれか一項に記載のセンサ接触部(10、510)の一部である、請求項11または12に記載の電気セルコネクタプレート(50)。
【請求項14】
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)または前記セルコネクタプレート(50)は、一部品で設けられるか、物質的に一部品で設けられるか、またはセルコネクタ端子(510)と一体に形成され、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)または前記セルコネクタ端子(510)は、完全に単層のみで実質的に形成され、かつ/または、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)または前記セルコネクタ端子(510)は、バッテリ電流のための電力端子(10、510)として形成されていない、
請求項4から10のいずれか一項に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)または請求項11から13のいずれか一項に記載の電気セルコネクタプレート(50)。
【請求項15】
車両、特に電気トラクションモータを有する車両の電気エンティティ(0、1)、特に組み立てられた電気ケーブル(1)またはバッテリ(0)であって、
前記エンティティ(0、1)は、少なくとも1つの構成部品と、請求項4から10のいずれか一項に記載のセルコネクタプレートコンタクト端子(10)および/または請求項11から13のいずれか一項に記載のセルコネクタプレート(50)とを備えることを特徴とする、電気エンティティ(0、1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルコネクタプレートの電気センサ接触手段に関する。本発明はまた、電気セルコネクタプレートコンタクト端子に関する。本発明はさらに、電気セルコネクタプレートおよび電気エンティティに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、バッテリのセンサ監視のためのワイヤリングハーネスが、超音波溶接によってバッテリのセルコネクタプレートに固定されている(ケーブルの銅内部導体が、アルミニウム製のセルコネクタプレートに固定されている)。この技術は、幾分扱いにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、ワイヤハーネスをバッテリのセルコネクタプレートに超音波溶接することに対する代替案を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、バッテリの電気セルコネクタプレートの電気センサ接触手段、電気セルコネクタプレートに電気的に接触するための電気セルコネクタプレートコンタクト端子、バッテリの電気セルコネクタプレート、および車両、特に電気トラクションモータを有する車両の電気エンティティ、特に組み立てられた電気ケーブルまたはバッテリによって達成される。本発明の有利な発展、追加の機構、および/または利点は、従属請求項および以下の説明から集めることができる。
【0005】
本発明によるセンサ接触手段は、実際の完全なセンサ接触手段が、2つの部品のみから構成され、単に互いに差込可能であり、電気ケーブル用のセルコネクタプレートコンタクト端子と、セルコネクタプレートコンタクト端子に部分的に相補な、バッテリのセルコネクタプレートのセルコネクタ端子とを備えるセンサ接触手段として形成されるように設計されている。ここでは、当然、セルコネクタプレートコンタクト端子またはセルコネクタ端子は、ハウジングなどを有することができる。
【0006】
セルコネクタプレートコンタクト端子を、ピン端子、タブ端子、またはソケット端子として形成することができる。したがって、セルコネクタ端子を、ソケット端子、タブ端子、またはピン端子として形成することができる。セルコネクタプレートコンタクト端子とセルコネクタ端子とを、同じ材料、特にアルミニウムから形成することができ、ケーブルは、場合によっては銅ケーブルである。これにより、銅をアルミニウムに溶接する難しいプロセスが不要になる。
【0007】
セルコネクタプレートコンタクト端子は、セルコネクタ端子用のコンタクト部とケーブル用の接続部とを有することができる。ここでは、接続部を、特に圧着部として形成することができる。セルコネクタプレートコンタクト端子の壁厚は、セルコネクタ端子の壁厚の約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、または約75%であってよい。言い換えると、セルコネクタプレートコンタクト端子は、セルコネクタ端子と比べて比較的軟質または柔軟であってよい。特に、セルコネクタプレートコンタクト端子をソケット状ピン端子として形成することができ、セルコネクタ端子をソケット端子として形成することができる。
【0008】
セルコネクタプレートコンタクト端子は、単層で曲げ合わせて形成されてもよく、かつ/または細長い半径方向ばねを部分的に有していてもよい。したがって、この場合は雄端子としての、好ましくはソケット状のピン端子は、センサ接触手段のばね特性を有し、セルコネクタ端子は、セルコネクタプレートコンタクト端子と比べて比較的剛性であることが好ましい。セルコネクタ端子を、セルコネクタプレートの材料層から曲げることができる。セルコネクタプレートコンタクト端子および/またはセルコネクタプレートを、以下で説明するように形成することができる。
【0009】
本発明によるセルコネクタプレートコンタクト端子は、コンタクト部と、電気ケーブル用の、特に圧着部として形成された接続部とを有し、コンタクト部と接続部とは、セルコネクタプレートコンタクト端子の軸方向に延びる。セルコネクタプレートコンタクト端子は、コンタクト部を有して雄端子として形成され、コンタクト部は、材料層からセルコネクタプレートコンタクト端子の周方向に曲げ合わされている。加えてまたはあるいは、セルコネクタプレートコンタクト端子のコンタクト部を、材料層から周方向に少なくとも部分的に曲げ合わせて、軸方向に細長い半径方向ばねを形成することができる(上記も参照)。言い換えると、コンタクト部の該当する断面は、半径方向ばねの形態を有する。
【0010】
細長い半径方向ばねは、スロット付きの略O字形断面(substantially O-shaped slotted)、U字形断面、またはV字形断面を有することができる。さらに、細長い半径方向ばねを、セルコネクタプレートコンタクト端子の半径方向平面(コンタクト部の断面)に2つのばね脚部を有する脚ばねとして形成することができる。セルコネクタプレートコンタクト端子の脚ばね、すなわち、セルコネクタプレートコンタクト端子の軸方向においてセルコネクタプレートコンタクト端子の半径方向にしなることのできるばね部は、静止位置から、角度運動および/または回転運動中に、(セルコネクタ端子に差し込まれる)脚部でトルクを受け、弛緩中に再び緩む。
【0011】
脚ばねのばね脚部を、単純接続(単純接続部、simple connection)のみを介して互いに機械的に連結することができる。言い換えると、脚ばねは、完全な巻きを有しているわけではなく、したがって板ばねと呼ぶこともでき、板ばねとして形成することもできる。例えば(下記参照)、脚ばねの脚部としてのコンタクト部の2つの側壁が、単純接続として、コンタクト部の単純な底壁のみを介して機械的に連結されている。脚ばねの断面(半径方向平面)において、ばね脚部の自由脚端部を互いに向かって曲げることができる。
【0012】
コンタクト部を、コンタクトボックスとして実質的に形成することができ、その電気コンタクト面は、コンタクトボックスの外周に形成されている。ここでは、コンタクトボックスは、セルコネクタプレートコンタクト端子において半径方向に弾性に設計され、すなわち、細長い半径方向ばねは、略ボックス状の半径方向ばねとして形成されている。さらに、コンタクト部は、底壁によって接続された2つの側壁と、好ましくは開いた上部とを実質的に有することができる。さらに、コンタクト部は、好ましくは角丸領域のある略多角形断面もしくは略矩形断面、または略楕円形断面を有することができる。ここでは、略矩形断面は当然、正方形であってもよく、略楕円断面は当然、円形であってもよい。
【0013】
コンタクト部は、外側に少なくとも1つのセルコネクタ端子レセプタクルを有することができ、このセルコネクタ端子レセプタクルに、セルコネクタプレートのセルコネクタ端子を受け入れることができる。コンタクト部は、半径方向において実質的に反対側にある2つもしくは少なくとも2つのセルコネクタ端子レセプタクルを有することができる。ここでは、セルコネクタ端子レセプタクルを、半径方向弾性ばね要素、軸方向止め、およびコンタクト部の外側によって構成することができる。
【0014】
コンタクト部、コンタクトボックス、および/または細長い半径方向ばねは、1つもしくは少なくとも1つの半径方向弾性ばね要素を有することができ、または半径方向において実質的に反対側にある2つもしくは少なくとも2つの半径方向弾性ばね要素を有することができる。それぞれのばね要素は、軸方向に延び、それぞれの側壁から半径方向にやや突出している(セルコネクタプレートコンタクト端子の材料層の厚さの約25%~約150%)ことが好ましい。
【0015】
コンタクト部、コンタクトボックス、および/または細長い半径方向ばねは、1つもしくは少なくとも1つの軸方向止めを有することができ、または半径方向において実質的に反対側にある2つもしくは少なくとも2つの軸方向止めを有することができる。それぞれの軸方向止めは、半径方向に延び、それぞれの側壁から半径方向に突出している(セルコネクタプレートコンタクト端子の材料層の厚さの約100%~約300%)ことが好ましい。これに関し、それぞれの軸方向止め自体を、軸方向に弾性であるように設計してもよい。当該のそれぞれの軸方向止めの半径方向の弾性は、例えば、細長い半径方向ばねを設けることによって提供される。
【0016】
移行部を、コンタクト部と接続部との間に軸方向に形成することができる。移行部は、ここでは、セルコネクタプレートコンタクト端子をリールに接続するのに役立つことができる。実施形態において、セルコネクタプレートコンタクト端子は、絶縁圧着部なしで形成されている。セルコネクタプレートコンタクト端子は、本発明によるセンサ接触手段の一部であってよい。
【0017】
本発明によるセルコネクタプレートは、バッテリの複数のバッテリセルを電気的に接続するためのプレート状コネクタ本体を含み、プレート状コネクタ本体は、セルコネクタプレートに電気的に接触するためのセルコネクタ端子を有する。これに関し、セルコネクタ端子を、ソケット端子、ピン端子、またはタブ端子として形成することができる。
【0018】
セルコネクタ端子を、少なくとも1辺もしくは1辺のみで、または少なくとも2辺もしくは2辺のみで、コネクタ本体に電気的に接続することができる。さらに、セルコネクタ端子を、コネクタ本体から切り離すことができ、かつ/またはコネクタ本体の平面から曲げることができる。この場合、セルコネクタ端子は、裂片の形態でコネクタ本体から突出することができ、裂片状のセルコネクタ端子は、当然、コネクタ本体から立ち上がるのではなく、コネクタ本体に、好ましくは一体に接続されたままである(下記参照)。
【0019】
実施形態において、セルコネクタ端子を、略楕円形もしくは多角形の内側断面および/または外側断面を有するソケット端子として形成することができる。好ましい楕円形内側断面および/または外側断面は、この場合、円形内側断面および/または外側断面であることが好ましい。好ましい多角形内側断面および/または外側断面は、この場合、正方形または矩形内側断面および/または外側断面であることが好ましい。
【0020】
セルコネクタ端子を、好ましくは軸方向両端面で開いているスリーブまたはロールとして形成することができる。この場合、セルコネクタプレートコンタクト端子を両端面からスリーブまたはロールに挿入することができるように、セルコネクタ端子を形成することができ、これは当然、他の実施形態にも当てはまる。セルコネクタ端子は、周囲にスロットが付けられてよく、スロットは、好ましくはセルコネクタ端子の完全伸長に沿って軸方向に延びている。あるいは、セルコネクタ端子の自由周端部をコネクタ本体に、例えば溶接スポットによって固定することができる。
【0021】
セルコネクタ端子を、単一の曲げられたタブによって、または互いに向かって曲げられたコネクタ本体の2つのタブによって形成することができる。この場合、コネクタ本体は、セルコネクタ端子のベースの機能を果たす。セルコネクタプレートを、例えば、そのセルコネクタ端子を含めて、場合によってはマンドレルを使用して、型打抜きプロセスによって容易に製造することができる。さらに、セルコネクタプレートは、バッテリ端子の電気コンタクトデバイスとしての溶接領域、バッテリ端子の測定凹部、電力コンタクトデバイス、機械ブリッジング領域および場合によっては熱ブリッジング領域(ビード)などを有することができる。セルコネクタプレートのセルコネクタ端子は、本発明によるセンサ接触手段の一部であってよい。
【0022】
セルコネクタプレートコンタクト端子またはセルコネクタプレートを、一部品(one piece)で設けても、物質的に一部品(materially one piece)で設けてもよく、またはセルコネクタ端子と一体に形成してもよい。一部品の設計は、個々の部品が、非ポジティブロックおよび/またはポジティブロックで(非形状接続および/または形状接続で、in a non-positively and/or positively-locking manner)互いに固定され、好ましくは損傷することなく個々の部品に再び分離することができる、セルコネクタプレートコンタクト端子またはセルコネクタ端子を含むセルコネクタプレートの設計であると理解される。複数部品の設計の場合、非ポジティブロック接続および/またはポジティブロック接続は(必ずしも)存在せず、または第3の部品によって結合が確立される。
【0023】
物質的に(接着により)一部品の設計は、個々の部品が、(溶接、はんだ付け、接着結合などにより)物質的に結合されるように互いに固定され、好ましくは損傷することなく個々の部品に分離することができない、セルコネクタプレートコンタクト端子またはセルコネクタ端子を含むセルコネクタプレートの設計であると理解される。この場合、非ポジティブロック接続および/またはポジティブロック接続によってさらに結合を生じさせることができる(一体設計の場合には当てはまらない)。
【0024】
一体設計は、単一の構成部品のみがあり、破壊することによってしか分離することができない、セルコネクタプレートコンタクト端子またはセルコネクタ端子を含むセルコネクタプレートの設計を意味するものと理解される。構成部品は、単一の最初の部片(金属シート、ブランクなど)から、かつ/または単一の最初の質量(溶融金属)から製造され、これは必然的に一体になる。一体結合は、接着および/または粘着によって行われる。すべての実施形態において、被覆、堆積、電気めっきなどがさらに存在してもよい。
【0025】
セルコネクタプレートコンタクト端子またはセルコネクタ端子を、完全に単層のみとして実質的に形成することができる。さらに、セルコネクタプレートコンタクト端子またはセルコネクタ端子を、バッテリ電流のための電力端子として形成しなくてもよい。すなわち、セルコネクタプレートコンタクト端子および/またはセルコネクタ端子は、特にセンサ用途のための電圧タップとして形成される。
【0026】
本発明による電気コネクタは、本発明による少なくとも1つのセルコネクタ端子または本発明によるセルコネクタプレートと、ハウジング、特にプラスチック製のハウジングとを有する。本発明による電気プラグ接続部は、該当する場合には本発明による少なくとも1つのセルコネクタ端子と、該当する場合には本発明によるセルコネクタプレートとを備える。本発明によるエンティティは、少なくとも1つの構成部品と、本発明によるセルコネクタプレートコンタクト端子および/または本発明によるセルコネクタプレートとを備える。
【0027】
本発明によるこのようなエンティティは、例えば、電気部品、組み立てられた電気ケーブル、電気モジュール、電気デバイス、バッテリ(アキュムレータ)、電気装置、電気ユニットなどとして形成される。これに関し、エンティティは、当然、本発明によるコネクタおよび/または本発明によるプラグ接続部を備えることができる。本発明による(予め)組み立てられたケーブル(エンティティ)は、この場合、特に、電気ケーブル(部品)と、該当する場合にはコネクタハウジング(部品)と、本発明によるセルコネクタ端子とを有する。特に、本発明によるバッテリ(エンティティ)は、少なくとも1つのバッテリモジュール(部品)と、該当する場合にはバッテリハウジング(部品)と、本発明によるセルコネクタプレートとを備える。
【0028】
電気トラクションモータを有する車両、特に自動車両(道路車両)、さらに鉄道車両、船、および/または航空機は、電気トラクションモータに加えて内燃機関などのさらなる非電気駆動装置を有することのできる自動車両であると理解される。言い換えると、電気トラクションモータを有する車両は、例えば、ハイブリッド電気自動車、電気自動車(電動機駆動のみ)、燃料電池車などを意味するものと理解され得る。
【0029】
以下で、縮尺通りではない添付の概略図面を参照しながら、例示的な実施形態に基づいて、本発明をより詳細に説明する。同一、一意的、もしくは類似の構成および/または機能を有する部分、要素、構成部品、ユニット、構成要素、および/またはパターンは、図面の説明(下記参照)、符号の説明、特許請求の範囲、および図面において同じ参照符号で識別される。本発明の例示的な実施形態、またはその構成要素、パターン、ユニット、構造部品、要素、もしくは部分に対して、本発明の説明(上記参照)で説明されず、図示されず、かつ/または決定的でない可能な代替案、静的および/または運動学的反転、組合せなどは、符号の説明および/または図面の説明からさらに集めることができる。
【0030】
本発明の場合、機構(部分、要素、構造部品、ユニット、構成要素、機能、変数など)を正の構成である、すなわち存在するとしても、負の構成である、すなわち存在しないとしてもよい。本明細書(説明(本発明の説明(上記参照))、図面の説明(下記参照)、符号の説明、特許請求の範囲、図面)において、負の機構は、それが存在しないことが本発明により重要でない場合には、機構として明確に説明されない。すなわち、実際になされた、従来技術により構成されたものではない本発明は、前記機構を省略する。
【0031】
本明細書の機構を、特定された方式および/または方法だけでなく、別の方式および/または方法(分離、組合せ、置換、追加、一意性、省略など)で使用してもよい。特に、参照符号およびそれに割り当てられた機構、または機構およびそれに割り当てられた参照符号に基づいて、明細書、符号の説明、特許請求の範囲、および/または図面において、特許請求の範囲および/または明細書における機構を置換、追加、または省略することができる。さらに、これにより、特許請求の範囲における機構を、さらに詳細に説明および/または特定することができる。
【0032】
本明細書の機構を((最初はほとんど知られていない)従来技術を考慮して)、オプションの機構として解釈することもできる。すなわち、各機構を、オプションの、任意の、または好ましい機構として、すなわち拘束力のない機構として考慮することができる。したがって、機構を、場合によってはその周辺を含めて、例示的な実施形態から切り離すことができ、次いで、前記機構を一般化された発明概念に転換することができる。例示的な実施形態に機構(負の機構)がないことは、その機構が本発明に関してオプションであることを示す。さらに、機構についての種類の用語の場合、その機構の一般的な用語(場合によっては、亜属へのさらなる階層的分類など)も暗示的に理解することができ、これにより、例えば同等の効果および/または等価物を考慮して、機構を一般化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】バッテリのセルコネクタプレートのセルコネクタ端子に電気的に接触するための電気セルコネクタプレートコンタクト端子の実施形態の斜視図である。
図2】バッテリのセルコネクタプレートのセルコネクタ端子に電気的に接触するための電気セルコネクタプレートコンタクト端子の実施形態の前端面図である。
図3】バッテリのセルコネクタプレートのセルコネクタ端子に電気的に接触するための電気セルコネクタプレートコンタクト端子の実施形態の側面図である。
図4】バッテリのセルコネクタプレートのセルコネクタ端子に電気的に接触するための電気セルコネクタプレートコンタクト端子の実施形態の上面図である。
図5】セルコネクタプレートコンタクト端子と、セルコネクタプレートコンタクト端子に部分的に相補的なセルコネクタ端子とから形成された電気セルコネクタプレートの電気センサ接触手段の構成の、差込みの略直前の状態(図5)を示す図である。
図6】セルコネクタプレートコンタクト端子と、セルコネクタプレートコンタクト端子に部分的に相補的なセルコネクタ端子とから形成された電気セルコネクタプレートの電気センサ接触手段の構成の、差込み状態(図6)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下で、バッテリ0、特に電気車両のトラクションバッテリ0の、電気セルコネクタプレート50に電気的に接触するための、電気ケーブル40用の電気セルコネクタプレートコンタクト端子10の変形例の実施形態の例示的な形態(特に、図1図4)、およびセルコネクタ端子510を有する電気セルコネクタプレート50の変形例の実施形態の例示的な形態(図5および図6)を参照して、本発明を説明する。
【0035】
本発明は一般に、電気エンティティの場合に電気分野で使用することができる。この例外は、地上電力工学である(当然、例えばセンサ用途などのための電圧タップを除く)。また、好ましい例示的な実施形態を用いて、本発明をさらに詳細に説明および例示するが、本発明は、開示された例示的な実施形態によって限定されるものではなく、より基本的な性質のものである。本発明の保護の範囲から逸脱することなく、他の変形形態を例示的な実施形態および/または上記(本発明の説明)から引き出すことができる。
【0036】
図面は、本発明の理解に必要な本発明の主題の物理的部分のみを示す。コネクタおよび相手側コネクタ、端子および相手側端子などの名称は、同義に解釈されるべきであり、すなわち、相互に入れ替え可能であってよい。以下で、図面を参照する本発明の説明は、セルコネクタプレートコンタクト端子10およびセルコネクタ端子510の軸方向Ar(そのうちの1つの選択肢が差込み方向Sr)、半径方向Rr、および周方向Urに言及する。
【0037】
図1図4は、セルコネクタプレートコンタクト端子10を示し、これは、互いに一体に形成され、かつ軸方向Arに順に配置された3つの部分100、200、300、すなわちコンタクト部100、移行部200、および接続部300を有する。接続部300は、ケーブル40を電気的に接続するのに役立ち、ワイヤ圧着部として形成され、絶縁圧着部を有していないことが好ましいが、絶縁圧着部を有していてもよい。接続部300とコンタクト部100との間の移行部200は、この場合、セルコネクタプレートコンタクト端子10をリールに接続するために形成されている。
【0038】
圧着端子10として形成されたセルコネクタプレートコンタクト端子10は、単一の材料層から曲げ合わされることにより、全体的に略ソケット状の形状が与えられている。この場合、セルコネクタプレートコンタクト端子10は、実質的に全面において単層で実質的に形成されていることが好ましい。すなわち、構成材料層により2層または複数層構成で形成されている、セルコネクタプレートコンタクト端子10の面がなく、かつ/またはそのような部分が実質的にない。すなわち、セルコネクタプレートコンタクト端子10は単一構造を有する。
【0039】
コンタクト部100は、セルコネクタ端子510に電気的に接触するのに役立つ。コンタクト部100は、セルコネクタプレートコンタクト端子10を雄端子とし、コンタクト部100は、内部が中空のソケット状コンタクトボックスとして形成されている。雄コンタクト部100またはコンタクトボックスは、セルコネクタ端子510に電気的に接触する面を外周に有し(図4および図6参照)、少なくとも部分的に半径方向ばね102;110、130、120として形成されている。軸方向Arにおけるコンタクト部100の実質的に全体が、細長い半径方向ばね102;110、130、120として形成されていることが好ましい。ソケット端子またはタブ端子などのセルコネクタプレートコンタクト端子10の別の構成が、当然、適用可能である。
【0040】
半径方向ばね102;110、130、120の断面が、図2に明確に見られる。半径方向ばね102;110、130、120は、互いに対して半径方向Rrに弾性の2つのばね脚部110、120を含む。2つのばね脚部110、120は、静止位置から押し合わせることができ、または半径方向Rrに圧縮可能であり、コンタクト部100をセルコネクタ端子510に差し込むことができる。コンタクト部100の差込み状態で、ばね脚部110、120は半径方向Rrに開き、したがって、コンタクト部100の外側をセルコネクタ端子510の内側に押し付ける(図6参照)。
【0041】
図示の実施形態において、コンタクト部110は、底壁130から、一方(図2の右側)に第1の側壁110を含み、他方(図2の左側)に第2の側壁120を含み、側壁110、120は、自由端部、すなわち上端部で互いに向かって曲げられる。互いに向かって曲げられる側壁110、120のこのような領域は、コンタクト部100のスロット付き(ばねスロット142)天井140を形成する。これは、コンタクト部110にスロット付きO字形断面を与える。楕円形、多角形、U字形、V字形などの他の断面が、当然、適用可能である。
【0042】
ここでは、コンタクト部110のO字形断面を、特に以下のように形成することができる。底壁130と2つの側壁110、120とは、それぞれ直線部分を有する。側壁110、120のそれぞれの直線部分は、それぞれ、基壁130と共に角丸領域を形成する。同様に、側壁110、120は、底壁130と反対側にも角丸領域を有し、そこには、コンタクト部100の天井140のばねスロット42が間に形成される短い直線部分がある。
【0043】
ここでは、第1の側壁110、底壁130、および第2の側壁120は、コンタクト部110に、またはコンタクト部110として、半径方向ばね102;110、130、120を形成する。上部140を2つの部分に分割する上部140のばねスロット142は、一方で半径方向ばね102;110、130、120が機能することを可能にし、他方で、半径方向ばね102;110、130、120が半径方向Rrに圧縮されすぎることがないように寸法決めされてよい。半径方向ばね102;110、130、120の代わりに、コンタクト部100またはコンタクト部100の一部を、機能的に同様の脚ばねまたは機能的に同様の板ばねとして形成してもよく、あるいは半径方向ばね102;110、130、120を、それ自体ばねとして形成してもよい。
【0044】
セルコネクタ端子レセプタクル104が、コンタクト部100の外側に、特に側壁110、120の外側に形成されていることが好ましい。セルコネクタ端子レセプタクル104は、コンタクト部100をセルコネクタ端子510に、またはその逆に固定するように機能する。このために、セルコネクタ端子レセプタクル104は、一方で、好ましくはコンタクト部100の前部に、半径方向Rrにばね式のエラー要素114、124を有し、他方で、好ましくはコンタクト部100の後部に、場合によっては軸方向Arにばね式の軸方向止め115、125を有する。ここでは、セルコネクタ端子レセプタクル104は、ばね要素114、124と軸方向止め115、125との間に軸方向Rrに形成されている。すなわち、レセプタクル104は、コンタクト部100の外側から半径方向Rrにアクセス可能である。
【0045】
ばね要素114、124は、コンタクト部100の壁110、120、130から切り取られ、または離れ((型)打抜きおよび曲げプロセス)、ロックランスと同様に壁110、120、130からやや半径方向に突出している。軸方向止め115、125は、好ましくは一端部でコンタクト部100から半径方向に突出するタブとして形成されることが好ましい。あるいは、軸方向止め115、125をばね要素114、124と同様に形成してもよく、かつ/または、ばね要素114、124を軸方向止め115、125と同様に形成してもよい。コンタクト部110は、側壁110、120において互いに反対側にある2つのセルコネクタ端子レセプタクル104、104を有することが好ましい。
【0046】
図5および図6は、セルコネクタプレート50に加えて、(予め)組み立てられた電気ケーブル1を示す。ここでは、(予め)組み立てられたケーブル1は、セルコネクタプレートコンタクト端子10と、セルコネクタプレートコンタクト端子10に電気的に接続されたケーブル40とを含む。この場合、ケーブル40は、固体導体、セクタ加圧もしくは圧縮導体(sector-pressed or compacted conductor)、または撚線によって接続部300に取り付けられ、好ましくは、接続部300に圧着されている。導体を接続部300に取り付けるためのはんだ付け溶接、または接着結合などの別の技術が、当然、適用可能である。
【0047】
図5および図6は、セルコネクタプレート50のコネクタ本体500に設けられたセルコネクタ端子510を示す。特に、セルコネクタ端子510は、ブッシング端子510として形成され、好ましくはコネクタ本体500と一体に形成されている。端子510は、コネクタ本体500から3辺で切り離され、コネクタ本体500の平面から丸められ、または曲げられ、したがって、セルコネクタ端子510は、コネクタ本体500からスリーブ510またはロール510として突出している。これにより、凹部520、特に貫通凹部500がコネクタ本体500に残る。ピンまたはタブ端子などのセルコネクタ端子510の別の構成が、当然、適用可能である。
【0048】
セルコネクタ端子510は、ここでは概念上単純な構造を有し、単に丸く曲げられた平滑な材料層から構成されている。セルコネクタ端子510を形成するように曲げられたタブの自由端部は、ここでは、コネクタ本体500に着座していてもよく、またはスロット510がセルコネクタプレート50から離間した状態でセルコネクタプレート50に配置されていてもよい。最初の場合、セルコネクタ端子510の自由端部を、コネクタ本体500に固定接続、例えば、溶接、はんだ付け、または接着結合することができる。
【0049】
さらに、図5図6は、セルコネクタプレートコンタクト端子10がセルコネクタ端子510に差し込まれるときの、(予め)組み立てられたケーブル1を示す。セルコネクタプレートコンタクト端子10がセルコネクタ端子510に差し込まれると、コンタクト部100の半径方向ばね102;110、130、120は半径方向に圧縮され、その時に、コンタクト部100はスライドしてソケット状セルコネクタ端子510に入り、前端部がセルコネクタプレートコンタクト端子510全体を通過する。この時点で、ばね要素114、124は、端子510を完全に通って差し込まれている。セルコネクタ端子510へのセルコネクタプレートコンタクト端子10の差込みを、コンタクト部100の自由端面の挿入面取り部(図示せず)によって容易にすることができる。
【0050】
セルコネクタプレートコンタクト端子10とセルコネクタ端子510とが互いに差し込まれた状態で(図6参照)、セルコネクタ端子510は、コンタクト部100のセルコネクタ端子レセプタクル104、104に着座している。ここでは、セルコネクタ端子510の一端面が、コンタクト部100から半径方向Rrに突出するばね要素114、124に当接する。この端面と軸方向Arにおいて反対側にあるセルコネクタ端子510の端面は、ここでは、コンタクト部100から半径方向Rrに突出する軸方向止め115、125に当接する。
【符号の説明】
【0051】
0 バッテリ
1 (予め)組み立てられた(電気)ケーブル
10 (電気)セルコネクタプレートコンタクト端子
40 (電気)ケーブル
50 バッテリ0の(電気機械)セルコネクタプレート
100 コンタクト部
102 (細長い)半径方向ばね
104 セルコネクタ端子レセプタクル
110 第1の側壁、場合によっては脚ばねとして形成された壁
114 半径方向弾性ばね要素
115 (場合によっては弾性の)軸方向止め
120 第2の側壁、場合によっては脚ばねとして形成された壁
124 半径方向弾性ばね要素
125 (場合によっては弾性の)軸方向止め
130 底壁、壁
140 上部
142 ばねスロット
200 移行部
300 接続部、特に圧着部
500 コネクタ本体
510 (電気)セルコネクタ端子
512 スロット
520 凹部
Ar 軸方向(無向(undirected))
Rr 半径方向(無向)
Sr 差込み方向(有向(directed))
Ur 周方向(無向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のバッテリ(0)、特にトラクションバッテリ(0)の電気セルコネクタプレート(50)の電気センサ接触部(10、510)であって、
実際の完全なセンサ接触部(10、510)が、差込可能なセンサ接触部(10、510)として形成され、
前記センサ接触部(10、510)は、2つの部品(10、50)のみから構成され、
前記センサ接触部(10、510)は、電気ケーブル(40)用のセルコネクタプレートコンタクト端子(10)と、前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)に部分的に相補的な、前記バッテリ(0)の前記セルコネクタプレート(50)のセルコネクタ端子(510)とを備える
ことを特徴とする、電気センサ接触部(10、510)。
【請求項2】
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)は、前記セルコネクタ端子(510)用のコンタクト部(100)と前記ケーブル(40)用の接続部(300)とを有し、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)の壁厚が、前記セルコネクタ端子(510)の壁厚の約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、もしくは約75%であり、かつ/または、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)はソケット状ピン端子(10)として形成され、前記セルコネクタ端子(510)はソケット端子(510)として形成されている、請求項1に記載の電気センサ接触部(10、510)。
【請求項3】
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)は、単層として曲げ合わされ、かつ/または細長い半径方向ばね(102)を部分的に有し、
・前記セルコネクタ端子(510)は、前記セルコネクタプレート(50)の材料層から曲げられ、かつ/または、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)および/または前記セルコネクタプレート(50)は、請求項4に記載するように形成されている、請求項1または2に記載の電気センサ接触部(10、510)。
【請求項4】
車両のバッテリ(0)、特にトラクションバッテリ(0)の電気セルコネクタプレート(50)に電気的に接触するための電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)であって、
コンタクト部(100)と、電気ケーブル(40)用の、特に圧着部(300)として形成された接続部(300)とを有し、前記コンタクト部(100)と前記接続部(300)とは、前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)の軸方向(Ar)に延びる、電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)において、
前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)は、コンタクト部(100)を有して雄端子(10)として形成され、前記コンタクト部(100)は、材料層から前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)の周方向(Ur)に曲げ合わされ、かつ/または、
前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)の前記コンタクト部(100)は、材料層から周方向(Ur)に少なくとも部分的に曲げ合わされて、前記軸方向(Ar)に細長い半径方向ばね(102)を形成する
ことを特徴とする、電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項5】
・前記細長い半径方向ばね(102)は、スロット付きの略O字形断面、U字形断面、またはV字形断面を有し、
・前記細長い半径方向ばね(102)は、前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)の半径方向平面に2つのばね脚部(110、120)を有する脚ばね(102)として形成され、かつ/または、
・前記脚ばね(102)の前記ばね脚部(110、120)は、単純接続(130)のみを介して互いに機械的に連結されている、請求項4に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項6】
・前記コンタクト部(100)は、コンタクトボックスとして実質的に形成され、その電気コンタクト面が、前記コンタクトボックスの外周に配置され、
・前記コンタクト部(100)は、底壁(130)によって接続された2つの側壁(110、120)と、好ましくは開いた上壁(140)とを実質的に有し、かつ/または、
・前記コンタクト部(100)は、好ましくは角丸領域のある略矩形断面または略楕円形断面を有する、
請求項4に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項7】
・前記コンタクト部(100)は、外側に少なくとも1つのセルコネクタ端子レセプタクル(104)を有し、前記セルコネクタ端子レセプタクル(104)に、セルコネクタプレート(50)のセルコネクタ端子(510)を受け入れることができ、
・前記コンタクト部(100)は、半径方向(Rr)において実質的に反対側にある2つもしくは少なくとも2つのセルコネクタ端子レセプタクル(104)を有し、かつ/または、
・セルコネクタ端子レセプタクル(104)は、半径方向弾性ばね要素(114、124)、軸方向止め(115)、および前記コンタクト部(100)の外側によって構成されている、請求項4に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項8】
前記コンタクト部(100)は、コンタクトボックスとして実質的に形成され、その電気コンタクト面が、前記コンタクトボックスの外周に配置され、
前記コンタクト部(100)、前記コンタクトボックス、および/または前記細長い半径方向ばね(102)は、1つもしくは少なくとも1つの半径方向弾性ばね要素(114、124)を含み、または半径方向(Rr)において実質的に反対側にある2つもしくは少なくとも2つの半径方向弾性ばね要素(114、124)を含む、請求項4に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項9】
前記コンタクト部(100)は、コンタクトボックスとして実質的に形成され、その電気コンタクト面が、前記コンタクトボックスの外周に配置され、
前記コンタクト部(100)、前記コンタクトボックス、および/または前記細長い半径方向ばね(102)は、1つもしくは少なくとも1つの軸方向止め(115、125)を含み、または半径方向(Rr)において実質的に反対側にある2つもしくは少なくとも2つの軸方向止め(115、125)を含む、請求項4に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項10】
・移行部(200)が、前記コンタクト部(100)と前記接続部(300)との間に前記軸方向(Ar)に配置され、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)に絶縁圧着部がなく、かつ/または、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)は、請求項1または2に記載のセンサ接触部(10、510)の一部である、請求項4に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)。
【請求項11】
車両のバッテリ(0)、特にトラクションバッテリ(0)の電気セルコネクタプレート(50)であって、
バッテリの複数のバッテリセルを電気的に接続するためのプレート状コネクタ本体(500)を有する、電気セルコネクタプレート(50)において、
前記プレート状コネクタ本体(500)は、前記セルコネクタプレート(50)に電気的に接触するためのセルコネクタ端子(510)を有することを特徴とする、電気セルコネクタプレート(50)。
【請求項12】
・前記セルコネクタ端子(510)は、少なくとも1辺もしくは1辺のみで、または少なくとも2辺もしくは2辺のみで、前記コネクタ本体(500)に電気的に接続され、
・前記セルコネクタ端子(510)は、前記コネクタ本体(500)から切り離され、前記コネクタ本体(500)の平面から曲げられ、かつ/または、
・前記セルコネクタ端子(510)は、略楕円形もしくは多角形の内側断面および/または外側断面を有するソケット端子(510)として形成されている、請求項11に記載の電気セルコネクタプレート(50)。
【請求項13】
・前記セルコネクタ端子(510)は、好ましくは軸方向(Ar)両端面で開いているスリーブ(510)またはロール(510)として形成され、
・前記セルコネクタ端子(510)は、周囲にスロットが付けられ、スロット(512)は、前記セルコネクタ端子(510)の完全伸長に沿って軸方向(Ar)に延び、
・前記セルコネクタ端子(510)は、単一の曲げられたタブによって、または互いに向かって曲げられた2つのタブによって前記コネクタ本体(500)から形成され、かつ/または
・前記セルコネクタプレート(50)の前記セルコネクタ端子(510)は、請求項1または2に記載のセンサ接触部(10、510)の一部である、請求項11に記載の電気セルコネクタプレート(50)。
【請求項14】
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)または前記セルコネクタプレート(50)は、一部品で設けられるか、物質的に一部品で設けられるか、またはセルコネクタ端子(510)と一体に形成され、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)または前記セルコネクタ端子(510)は、完全に単層のみで実質的に形成され、かつ/または、
・前記セルコネクタプレートコンタクト端子(10)または前記セルコネクタ端子(510)は、バッテリ電流のための電力端子(10、510)として形成されていない、
請求項4に記載の電気セルコネクタプレートコンタクト端子(10)または請求項11に記載の電気セルコネクタプレート(50)。
【請求項15】
車両、特に電気トラクションモータを有する車両の電気エンティティ(0、1)、特に組み立てられた電気ケーブル(1)またはバッテリ(0)であって、
前記エンティティ(0、1)は、少なくとも1つの構成部品と、請求項4から10のいずれか一項に記載のセルコネクタプレートコンタクト端子(10)および/または請求項11から13のいずれか一項に記載のセルコネクタプレート(50)とを備えることを特徴とする、電気エンティティ(0、1)。
【外国語明細書】