(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182563
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】移動体対象領域を適応的に設定する航法装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G08G 3/00 20060101AFI20231219BHJP
G05D 1/00 20060101ALI20231219BHJP
B63H 25/04 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G08G3/00 A
G05D1/00 A
B63H25/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097857
(22)【出願日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】17/840595
(32)【優先日】2022-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】和田 智雄
【テーマコード(参考)】
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
5H181AA25
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF14
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL07
5H181LL08
5H301AA04
5H301CC06
5H301GG07
5H301GG08
(57)【要約】
【課題】 船舶に関連する対象領域を決定する航法装置及び方法を提供する。
【解決手段】 航法装置は、挙動情報受信部及び信号処理部を含む。挙動情報受信部は、船舶の挙動関連情報を決定するように構成される。信号処理部は、挙動情報受信部と通信可能であり、航法装置に、船舶の挙動関連情報に基づいて船舶の移動方向の変化を決定させるように構成される。さらに信号処理部は、船舶の移動方向の変化に基づいて船舶に関連する対象領域を適応的に決定するように構成され、それにより航法装置が船舶の移動方向の変化に基づいて対象領域を決定することを可能にする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶に関連する対象領域を適応的に決定する航法装置であって
船舶の挙動関連情報を決定する挙動情報受信部と、
前記挙動情報受信部から前記挙動関連情報を受信する信号処理部を備え、
前記信号処理部は、
船舶の挙動関連情報に基づいて船舶の移動方向の変化を決定する移動方向監視部と、
移動方向の変化に基づいて、船舶に関連する対象領域を適応的に決定する対象領域決定部と、
を備えること、
を特徴とする航法装置。
【請求項2】
請求項1に記載の航法装置において、
前記移動方向は、瞬間的な移動方向であり、
前記信号処理部は、
前記移動方向監視部で、前記移動方向の瞬間的な変化を決定し、
現在の対象領域から新しい対象領域への変位を計算し、
前記対象領域を適応的に決定すること、
を特徴とする請求項1に記載の航法装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の航法装置において、
前記挙動情報受信部は、
前記船舶に搭載される舵角センサから受信する舵角情報に基づいて、
前記船舶の前記挙動関連情報を決定すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の航法装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の航法装置において、
前記挙動情報受信部は、
前記船舶に搭載される舵輪から受信する舵輪角情報に基づいて、
前記船舶の前記挙動関連情報を決定すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の航法装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の航法装置において、
前記挙動情報受信部は、
前記船舶に搭載される方位センサから受信する船首方位偏差情報に基づいて、
前記船舶の前記挙動関連情報を決定すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の航法装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の航法装置において、
前記挙動情報受信部は、
複数のウェイポイントからなる経路情報をユーザインターフェースから受信し、
受信した経路情報に基づいて船舶の挙動関連情報を決定すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の航法装置。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載の航法装置は、
所定の領域内の物標の位置情報を取得する物標検出装置をさらに備え、
前記所定の領域は、前記物標検出装置に対応する動作範囲に基づいている、
ことを特徴とする請求項1乃至6に記載の航法装置。
【請求項8】
請求項7に記載の航法装置において、
前記信号処理部は、
前記物標検出装置から位置情報を受信する位置情報受信部と、
1または複数の物標が対象領域内に存在するかどうかの決定に基づいて警報信号を発報する警報信号生成部、
をさらに備えること、
を特徴とする請求項7に記載の航法装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の航法装置において、
前記物標検出装置は、レーダ、ソナー、及び航法装置のうちの1つを含むこと、
を特徴とする請求項7または8に記載の航法装置。
【請求項10】
請求項1乃至9に記載の航法装置は、
前記挙動情報受信部に繋がるユーザインターフェースをさらに備え、
前記信号処理部は、
表示信号生成部をさらに備え、
前記ユーザインターフェースは、
対象領域の位置及び配置に関する1または複数のユーザ入力を受信し、
船舶に関連する対象領域を表示する表示信号を表示信号生成部から受信すること、
を特徴とする請求項1乃至9に記載の航法装置。
【請求項11】
請求項1乃至10に記載の航法装置は、
船舶の近傍における設定条件或いは漂流状態に基づいて、設定条件情報或いは漂流状態情報を決定し、前記設定情報或いは前記漂流情報を前記信号処理部に送信する状態決定部をさらに備えること、
を特徴とする請求項1乃至10に記載の航法装置。
【請求項12】
請求項11に記載の航法装置において、
前記信号処理部は、
設定条件情報或いは漂流状態情報を受信し、、
設定条件或いは漂流状態に基づいて、挙動関連情報における誤差値を決定し、
決定した誤差値に基づいて挙動関連情報を較正すること、
を特徴とする請求項11に記載の航法装置。
【請求項13】
請求項12に記載の航法装置において、
前記設定条件或いは漂流状態は、挙動変位、操舵誤差、及び潮流の一つを含むこと、
を特徴とする請求項12に記載の航法装置。
【請求項14】
船舶に関連する対象領域を適応的に決定する方法であって、
船舶の挙動関連情報を決定するステップと、
前記船舶の挙動関連情報に基づいて、前記船舶の移動方向の変化を決定するステップと、
移動方向の変化に基づいて、船舶に関連する対象領域を適応的に決定するステップとを有すること、
を特徴とする対象領域適応決定方法。
【請求項15】
船舶に関連する対象領域を適応的に決定するプログラムであって、
船舶の挙動関連情報を決定するステップと、
前記船舶の挙動関連情報に基づいて、前記船舶の移動方向の変化を決定するステップと、
移動方向の変化に基づいて、船舶に関連する対象領域を適応的に決定するステップとを有すること、
を特徴とする対象領域適応決定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に船舶を含む移動体の為の航法技術、自動操舵技術、及び船体制御技術に関し、より詳細には、移動体が安全に移動する為に、移動体の周囲に存在する障害物を検知する対象領域(例えばガードゾーンや保護ゾーン)を適応的に設定する航法装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海上では船舶等の移動体は自由に航行することができ、それらの目的地に到達する為、任意のルートを辿ることができる。船舶等の自由な動きは、船舶が任意の他の船舶、陸地、または水域内の任意の他の物標と衝突する危険があり、望ましくない状況に繋がることがある。加えて殆どの船舶は後退することができないので、進行方向を即座に変えたり、即座に停止することができない。それに伴い船舶が移動している間の衝突の可能性は高いままである。この課題に対処する為に、船舶の船長は、船舶から所望の距離に対象領域またはガードゾーンを設定することができる。このような対象領域は、船舶に通常存在するレーダ装置等の物標検出装置における「ガードゾーン」設定機能を用いて設定することができる。他の船舶、陸塊、水中岩石層、水上浮遊物、水上堆積物、或いはブイ等の物標が、船舶の為に設定されたガードゾーン内に存在・侵入すると警報を発して、船舶の経路内に潜在的に危険な物標が存在することを船長及び乗組員に通知することができる。これにより衝突を防止する為に必要な操船を行うことができる。
【0003】
従来のシステムでは、船舶の対象領域(ガードゾーン)は、船舶の進行方向に基づいて設定され、この進行方向は、一般に船舶の前側にあるか、または正面から左右どちらかにオフセットしている。船舶に関連する対象領域を決定する従来の方法の概略図を
図1Aに示す。例えば船舶(自船)102の物標検出装置は、船舶102の進行方向104に基づいて、船舶102に対応する対象領域108を決定する。船舶102の進行方向104は、船舶の船首が向いている船首方位として定義することができる。船舶102が海上を移動するとき、新しい対象領域が生成されたり、対象領域108の位置が船舶102の進行方向104の変化に従い変化する。進行方向104は、一般に船舶102の移動方向(即ち船舶の実際の動きの方向)と同じであるが、状況によってはそうでない場合もある。例えば
図1Bに示す状況では、対象領域108が従来の方法により決定・設定され、船舶102が旋回している場合、第一船舶110が対象領域108内で検出されるので警報を発するが、第二船舶112が対象領域108の外側に存在する為、第二船舶112に対して警報を発しない。ここで、船舶102は右舷側に旋回(例えば矢印方向)しているので、船舶102が第一船舶110に衝突する危険は少ないが、第二船舶112に衝突する危険は大きいことが分かる。しかし対象領域108は船舶102の進行方向104に基づいて決定されているので、対象領域108はその位置に留まり、誤警報を生成することもある。この状況では、進行方向104が舵106の位置の変化、即ち船舶102の舵角の変化に応答して変化(例えば点線矢印を参照)するときにのみ、対象領域108は新しい位置に設定し直され、その後、新たに設定された対象領域(即ち将来対象領域)における第二船舶112の存在に起因して警報が発せられる。しかしその時点では、是正(回避)措置はもはや手遅れで、衝突により、船舶102またはその乗組員に損傷または他の損失を引き起こす可能性がある。
【0004】
船舶102がその方向を変えているとき、従来の方法では、船舶102の将来の対象領域内に存在しうる任意の物標に起因して警報を発することができない。また進行方向104に基づいて決定された対象領域108内に物標が入った場合、船舶102の移動方向が進行方向104と異なる為、船舶102と物標との衝突の危険性が少ないにも関わらず、不要な警報が発せられることになる。上記の理由から、既存システムの課題を克服し、より安全な方法で船舶の対象領域を決定する航法装置及び方法を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US5032842
【特許文献2】US7386392
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
船舶の進行方向に基づいて決定される不正確な対象領域が設定されてしまうなど、上述の課題を解決する航法装置及び方法を提供する。本発明では、海上において船舶に関連する対象領域を正確に決定する航法装置及び方法を提供する。本発明では、より良好な物標検出を可能にし、海上における船舶の安全な航行に繋げる。
【0007】
本発明の上記及び他の目的を達成する為に、一実施例として航法装置が開示される。航法装置は、挙動情報受信部及び信号処理部を含む。挙動情報受信部は、船舶の挙動関連情報を決定するように構成される。信号処理部は、挙動情報受信部と通信可能である。さらに信号処理部は、航法装置に対し、船舶の挙動関連情報に基づいて船舶の移動方向の変化を決定させるように構成される。さらに信号処理部は、船舶の移動方向の変化に基づいて、船舶に関連する対象領域を適応的に決定するように構成される。
【0008】
本発明の特徴は、船舶の移動方向の変化に基づいて船舶に関連する対象領域を適応的に決定することである。この方法により、船舶の移動方向の変化に応じて将来の対象領域を決定することで、船舶の移動方向の変化によって船舶との衝突コース上にある物標の検出が効果的に可能になる。
【0009】
一実施例として信号処理部によって決定される移動方向は、瞬間的な移動方向である。信号処理部は、移動方向の瞬間的な変化に基づいて、現在の対象領域から新しい対象領域への変位を計算することによって、対象領域を適応的に決定するように構成される。本発明の特徴は、決定されている新しい対象領域が、船舶の瞬間的な移動方向と常に一致することである。この為、移動方向が変化した場合には、対象領域も瞬時に変化する。
【0010】
一実施例として挙動情報受信部は、船舶に搭載される舵角センサから受信する舵角情報に基づいて、船舶の挙動関連情報を決定するようにさらに構成される。本発明の特徴は、舵角情報に基づいて決定された挙動関連情報が、船舶の移動方向の変化を決定する為に信号処理部で処理され、決定された移動方向の変化の全体的な精度が改善されることである。
【0011】
一実施例として挙動情報受信部は、船舶に搭載されるステアリングホイール(操舵輪/舵輪)から受信する舵輪角情報に基づいて、船舶の挙動関連情報を決定するようにさらに構成される。本発明の特徴は、舵輪角情報に基づいて決定された挙動関連情報が、船舶の移動方向の変化を決定する為に信号処理部で処理され、決定された移動方向の変化の全体的な精度が改善されることである。
【0012】
一実施例として挙動情報受信部は、船舶に搭載される船首方位センサから受信する船首方位偏差情報に基づいて船舶の挙動関連情報を決定するようにさらに構成される。本発明の特徴は、船首方位偏差情報に基づいて決定された挙動関連情報が、船舶の移動方向の変化を決定する為に信号処理部で処理され、決定された移動方向の変化の全体的な精度が改善されることである。
【0013】
一実施例として挙動情報受信部は、ユーザインターフェースから船舶の経路情報を受信するようにさらに構成される。この経路情報は、複数のウェイポイントを含んでもよい。また、受信した経路情報に基づいて挙動関連情報を決定してもよい。本発明の特徴は、経路情報に基づいて決定された動き関連が、船舶の移動方向の変化を決定する為に信号処理部で処理され、決定された移動方向の変化の全体的な精度が改善されることである。
【0014】
一実施例として航法装置は、信号処理部と通信可能であり、レーダ、ソナー、及び航法装置等の物標検出装置をさらに含む。この物標検出装置は、所定の領域内に存在・侵入する物標の位置情報を取得するように構成される。ここで所定領域は、物標検出装置に対応する動作範囲に基づく。信号処理部は物標検出装置から位置情報を受信し、1または複数の物標が対象領域内に存在するかどうかを判定することに基づいて、警報信号を発報するように構成される。
【0015】
本発明の特徴は、船舶との衝突の危険がある物標が船舶の対象領域内で存在・移動・侵入する場合、乗組員に警告する為に警報が発せられることである。これにより乗組員は、衝突を防止する為に適時に是正措置を講じることができ、損傷または負傷者発生等の危険の低減に繋がる。
【0016】
一実施例として航法装置は、挙動情報受信部及び信号処理部と通信可能であるユーザインターフェースをさらに含む。このユーザインターフェースは、対象領域の位置及び配置に関するユーザ入力を受信するように構成される。さらにユーザインターフェースはまた、船舶に対応する対象領域のユーザへの表示を容易にする為に、信号処理部によって送信された表示信号を受信するように構成される。本発明の特徴は、ユーザが対象領域の位置または配置を決定する為に使用されている動作パラメータを変更できることである。さらにユーザインターフェースは、ユーザが航法装置を効果的に操作することも可能にする。
【0017】
一実施例として航法装置は、信号処理部と通信可能であり、挙動変位、操舵誤差、及び船舶の近傍の潮流条件等の設定条件或いは漂流状態に基づいて設定条件情報或いは漂流状態情報を決定し、設定条件情報或いは漂流状態情報を信号処理部に送信するように構成された状態決定部をさらに含む。この設定条件情報或いは漂流状態情報を受信すると、信号処理部は、設定条件或いは漂流状態に基づいて挙動関連情報における誤差値を決定し、決定された誤差値に基づいて挙動関連情報を較正するように構成される。
【0018】
本発明の特徴は、船舶の移動方向の変化を決定する為に較正された挙動関連情報を用いることにより、決定の精度が改善され、従って、新しい対象領域を決定する際の精度も改善される。
【0019】
他の実施形態では、適応対象領域を決定する方法が開示される。対象領域適応決定方法は、船舶の挙動関連情報を決定する。さらに対象領域適応決定方法は、船舶の挙動関連情報に基づいて船舶の移動方向の変化を決定し、移動方向の変化に基づいて船舶に対応する対象領域を適応的に決定する。本発明によって説明される方法は、船舶の移動方向の変化に基づいて対象領域を決定することによって、従来の方法を上回る技術的利点を提供する。従って、船舶の移動方向が変化すると将来の対象領域を決定することができ、船舶との衝突コース上にある物標を検出することができる。
【0020】
他の実施では、対象領域適応決定プログラムが開示される。対象領域適応決定プログラムは、コンピュータ実行可能命令または機械可読命令を含む。機械可読命令は、航法装置のプロセッサによって実行されると、航法装置に対象領域適応決定方法を実行させる。航法装置によって実行される対象領域適応決定方法は、船舶の挙動関連情報を決定する。さらに対象領域適応決定方法は、船舶の挙動関連情報に基づいて船舶の移動方向の変化を決定することと、移動方向の変化に基づいて船舶に対応する対象領域を適応的に決定する。本発明によって説明される方法は、船舶の移動方向の変化に基づいて対象領域を決定することによって、従来の方法を上回る技術的利点を提供する。従って、船舶の移動方向が変化すると将来の対象領域を決定することができ、船舶との衝突コース上にある物標を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面の通りである。本発明を説明する目的で、本発明の例示的な構成が図面に示されている。しかしながら、本発明は本明細書に開示される特定の装置または道具及び手段に限定されない。さらに当業者は、図面が原寸に比例していない。可能な限り同種の構成要素は同じ番号で示している。
【0022】
【
図1】
図1Aは船舶に関連する対象領域を決定する従来の方法の概略図である。
図1Bは一例として、従来の方法を使用して船舶に関連する対象領域が決定される状況の概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、船舶に関連する対象領域を決定する航法装置のブロック図を示す。
【
図3】本発明の一実施形態による、旋回する船舶の移動方向の変化に基づいて決定された適応対象領域の概略図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による、挙動関連情報を決定する航法装置のブロック図を示す。
【
図4B】本発明の他の実施形態による、挙動関連情報を決定する航法装置のブロック図を示す。
【
図4C】本発明の他の実施形態による、挙動関連情報を決定する航法装置のブロック図を示す。
【
図4D】本発明の他の実施形態による、挙動関連情報を決定する航法装置のブロック図を示す。
【
図5】
図4Dの航法装置に関連する実施形態を示す例示的な状況の概略図である。
【
図6A】本発明の一実施形態による、物標検出装置を含む航法装置のブロック図を示す。
【
図6B】本発明の一実施形態による、警報信号を発報する物標検出装置を含む航法装置のブロック図を示す。
【
図7】
図7A、
図7B及び
図7Cは本発明の実施形態による、物標検出装置を含む航法装置の使用事例状況の概略図であり、物標検出装置は前方探知ソナー(FLS)である。
【
図8】本発明の一実施形態による、状態決定部を含む航法装置のブロック図を示す。
【
図9】本発明の一実施形態による、対象領域を適応的に決定する為に航法装置を動作させる対象領域適応決定方法のフローチャートを示す。
【
図10】本発明の一実施形態による、船舶の舵角情報に基づいて対象領域を決定する対象領域適応決定方法のフローチャートを示す。
【
図11】本発明の一実施形態による、船舶の舵輪角情報に基づいて対象領域を決定する対象領域適応決定方法のフローチャートを示す。
【
図12】本発明の一実施形態による、船舶の船首方位偏差情報に基づいて対象領域を決定する対象領域適応決定方法のフローチャートを示す。
【
図13】本発明の一実施形態による、船舶の経路情報に基づいて対象領域を決定する対象領域適応決定方法のフローチャートを示す。
【0023】
本明細書で参照される図面は、具体的に記載されている場合を除き、一定の縮尺で描かれていると理解されるべきではなく、そのような図面は、本質的に例示にすぎない。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明では説明の目的で、本発明の完全な理解を提供する為に多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら本発明がこれらの具体的な詳細なしに実施されることは、当業者にとって明らかである。周知の構成要素及び処理技法の説明は、本明細書の実施形態を不必要に不明瞭にしない程度に省略する。本明細書で使用される例は、単に本明細書の実施形態が実施される方法の理解を容易にし、当業者が本明細書の実施形態を実施することをさらに可能にすることを意図しており、実施例は本明細書の実施形態の範囲を限定する訳ではない。
【0025】
本明細書中で「船舶」という用語は、任意の船舶、クラフト、ボート、クルーズ船、セイルボート、航空機、軍艦、潜水艦、飛行船、戦闘機などを指す。
【0026】
「対象領域」、「対象ゾーン」、及び「ガードゾーン」という用語は、本明細書全体を通して交換可能に使用される。「対象領域」または「対象ゾーン」または「ガードゾーン」という用語は、一般に、可能な他の物標検出装置のうち、レーダー、ソナー等の物標検出装置を使用して、船舶から指定された距離及び/またはオフセットで設定された領域を指す。物標が船舶の対象領域内を移動するたびに、警報が発せられて、自身の船舶の経路内の潜在的に危険な物標に関して、船長及び乗組員に通知することができる。
【0027】
「物標」という用語は、自船が存在する環境に存在する他の可能な材料または物質のうち、任意の他の船舶、陸塊、水中岩石層、破片、ブイ、物標などを指す。
【0028】
「舵」という用語は、船舶、ボート、潜水艦、ホバークラフト、航空機、または流体媒体を通って移動する他の輸送手段等の船舶を操縦する為に使用される主操縦翼面を指す。さらに「舵角」という用語は、舵と船舶(自機)の前後線との鋭角を指すことができる。
【0029】
「ステアリングホイール」という用語は、船舶を操縦し、流体媒体中でその進路を制御する為に船舶に搭載して使用される航法装置であり「ハンドル」や「操舵輪」又は「舵輪」とも呼ばれる。また、操舵角は船舶の前方と操舵輪方向とのなす角度であってもよい。
【0030】
「設定条件或いは漂流状態」という用語は、船舶に影響を及ぼし、船舶が意図されたコースを辿ることを妨げる任意の外的要因を指す。これらの条件は、船舶の挙動変位、ステアリングエラー、及び海洋または海の潮流を含む。
【0031】
本発明の様々な例示的な実施形態は、船舶の対象領域を適応的に決定する航法装置及び方法を提供する。一実施形態では、航法装置は、挙動情報受信部及び信号処理部を含む。挙動情報受信部は、船舶の挙動関連情報を決定するように構成される。信号処理部は、挙動情報受信部と通信可能である。さらに信号処理部は、航法装置に、船舶の挙動関連情報に基づいて船舶の移動方向の変化を決定させるように構成される。さらに信号処理部は、船舶の移動方向の変化に基づいて、船舶に関連する対象領域を適応的に決定するように構成される。従って、本発明によって説明される方法は、航法装置が船舶の移動方向の変化に基づいて対象領域を決定することを可能にすることによって、従来の方法を上回る技術的利点を提供する。従って、船舶の移動方向が変化するとすぐに将来の対象領域を決定することができ、船舶と衝突する可能性がある物標を検出することができる。
【0032】
本発明の様々な実施形態を、以下の
図2~
図13を参照して説明する。
【0033】
図2は、この開示の一実施形態による、船舶(自船)204に関連する対象領域を決定する航法装置202の表現200を示す。航法装置202は、挙動情報受信部206と、コントローラまたは制御ユニット等の信号処理部208とを含む。挙動情報受信部206は、船舶204の挙動関連情報を決定するように構成される。本発明の様々な実施形態では、挙動関連情報は、船舶204の舵角情報、舵角情報、旋回率、船首方位偏差情報、または経路情報を使用して決定される。挙動情報受信部206は、船舶204の動きに関する情報を受信する為に、船舶204の他の構成要素と通信可能にまたは動作可能である。これらの構成要素の実施例を
図4A~
図4Dを参照して説明する。
【0034】
信号処理部208は、ハードウェア構成、組み込みシステム、制御論理ブロック、ソフトウェアモジュール、及びそれらの組合せを使用して、様々な方法で構成される。信号処理部208は、移動方向監視部210と、対象領域決定部212とを有する。信号処理部208は、有線及び/又は無線リンクを介して挙動情報受信部206と通信可能である。移動方向監視部210は、航法装置202に、船舶204の挙動関連情報に基づいて船舶204の移動方向の変化を決定させるように構成することができる。一例として、船舶204の移動方向は、船舶204の瞬間的な移動方向であってもよい。さらに対象領域決定モジュール212は、船舶204の移動方向の瞬間的な変化に基づいて、船舶204に対応する対象領域を適応的に決定するように構成される。対象領域を適応的に決定することは、船舶204の移動方向の変化に基づいて、現在の対象領域から新しい対象領域(または将来の対象領域)への変位を計算することを含む。他の実施形態では、対象領域は、船舶204の瞬間的な移動方向に基づいて、信号処理部208によって動的に変位、移動、または回転される。
【0035】
一実施形態では、挙動情報受信部206及び信号処理部208のいずれかまたは両方は、一つのプロセッサ及びメモリ(簡潔にする為に示されていない)を含む。メモリは、実行可能命令を記憶することが可能であるが、プロセッサは、本明細書で説明される動作を実行する命令を実行することが可能である。メモリは、本明細書で説明される動作を実行するコンピュータ可読命令のセットを記憶する適切な論理、回路、及び/またはインターフェースを含む。ハードウェア方法によって構成されようとソフトウェア方法によって構成されようと、またはそれらの組合せによって構成されようと、プロセッサは、たとえば、回路内で物理的に実施され、それに従って構成されながら様々な実施形態による動作を実行することが可能なエンティティ(例えば移動方向監視部210、対象領域決定部212等)の場合もある。
【0036】
一実施形態では、挙動情報受信部206のメモリは、プロセッサが船舶204の挙動関連情報を決定することを可能にする命令を記憶することができる。一実施形態では、信号処理部208のメモリは、船舶204の挙動関連情報に基づいて、プロセッサが船舶204の移動方向の変化を決定することを可能にする命令を記憶することができる。
【0037】
他の実施形態では、航法装置202は、レーダ、ソナー、前方探知ソナー(FLS)、航法装置等の物標検出装置によって実装される。航法装置202は、船舶204の船内外に実装される。航法装置202が船舶204の船外に実装される形態では、航法装置202は、有線及び/または無線接続を介して船舶204の搭載電子機器と動作可能である。
【0038】
一実施形態では、航法装置202によって船舶204に対応する対象領域を決定する動作は、ユーザインターフェースを介して船舶204の操船者、船長、またはオートパイロットシステムからコマンドまたは命令を受信した後に実行される。一例として、対象領域のパラメータはまた、ユーザインターフェースを介して航法装置202と共有される。これらのパラメータは、船舶204に対する対象領域の位置及び配置、対象領域内のオフセット、及び対象領域の寸法を含むが、これらに限定されない。
【0039】
図3は本明細書の実施形態による、方向転換を行う船舶204の移動方向の変化に基づいて決定された適応対象領域の概略
図300を示す。一例として、船舶204の操船者が船舶204に搭載されるステアリングホイール(操舵輪/舵輪)をαで示される角度分だけ回転させると、船舶204の舵302はその位置を変更する(例えば
図3中の点線の舵と実線の舵の位置の変化を参照)。他の実施例において、自動操縦システムは、舵302の位置を変更することによって船舶204の進路を変更することができ、船舶204の舵角αも変更することができる。この舵角αの変化により、船舶204の移動方向が変化する。航法装置202は、船舶204の移動方向のこの変化を検出し、移動方向のこの変化に基づいて船舶204に関連する対象領域306を適応的に決定する。新しい対象領域306は、船舶204の移動方向における領域を示す。船舶204の舵302がその位置を変えると、船舶204の移動方向が変わる。船舶204の移動方向のこの変化により、以前の対象領域304は、新しい対象領域306に適応的に変位または回転される。ここで、新たに移動された対象領域306に第二船舶112が存在するので、船舶204の乗組員に警告する航法装置202によって警報を発することができる。なお、第一船舶110は船舶204の進行方向104に位置しているが、船舶204の移動方向の変化によって第一船舶110が自船204と衝突する危険性が少ない為、即ち第一船舶110が船舶204の瞬間的な移動方向の進路上に位置しなくなる為、警報は発せられない。従って、本発明の方法は、従来の対象領域決定技法が直面する技術的問題を克服する。
【0040】
図4Aは、本発明の一実施形態による、挙動関連情報を決定する航法装置202のブロック
図400を示す。
図1の図示された実施形態において航法装置202は、船舶204等の船舶の挙動関連情報を決定する為に舵角情報402を利用する。挙動情報受信部206は、船舶204に搭載される舵角センサ(RRU)404等の構成要素と動作可能である。挙動情報受信部206は、船舶204の内部に存在する舵角センサ(RRU)404から舵角情報402を受信することができる。この舵角情報402は、船舶204の挙動関連情報を決定する為に挙動情報受信部206によって使用される。この状況では、挙動関連情報は、ある期間にわたる舵角αの変化を示すことができる。他の実施形態では、舵角情報402は、舵角センサ(RRU)から受信される。他の実施形態では、舵角情報402は、船舶204に搭載されるオートパイロットシステムから受信される。舵角センサ(RRU)404は、船舶204のオートパイロットシステムによる舵角操作に関する情報を出力することができ、従って、オートパイロットシステムが船舶204の移動を正確に制御することを可能にする。この自動操縦機能は、船舶204に搭載されている、または船外にある、航法装置またはチャートプロッタ等の舶用装置を使用して有効にすることができるが、これらに限定されない。一例として、舵角情報402は、度またはラジアンで測定される。例えば船舶の舵角αは-0.39から0.39 radの間であり、舵の範囲は一般に0.78 radである。
【0041】
図4Bは、本発明の他の実施形態による、挙動関連情報を決定する航法装置202のブロック
図406を示す。
図1の図示された実施形態では、。航法装置202は、船舶204の挙動関連情報を決定する為に舵輪角情報(操舵角情報)408を利用する。その趣旨で、挙動情報受信部206は、船舶204に搭載されるステアリングホイール(舵輪)410等の構成要素と動作可能である。挙動情報受信部206は、舵輪410から舵輪角情報408を受信することができる。一例として、舵輪角情報408は、度またはラジアンで測定される。この舵輪角情報408は、船舶204の挙動関連情報を決定する為に、挙動情報受信部206によって使用される。この状況では、挙動関連情報は、ある期間にわたる舵輪角度の変化を示すことができる。他の実施形態では、舵輪角情報408は、船舶204に搭載されるオートパイロットシステムから受信される。この自動操縦機能は、船舶204の船内外に実装される航法装置等の舶用装置を使用して有効にすることができるが、これに限定されない。
【0042】
図4Cは、本発明の他の実施形態による、挙動関連情報を決定する航法装置202のブロック
図412を示す。
図1の図示された実施形態では、。航法装置202は、船舶204の挙動関連情報を決定する為に船首方位偏差情報414を利用する。その趣旨で、挙動情報受信部206は、船舶204に搭載される方位センサ416等の構成要素と動作可能である。挙動情報受信部206は、方位センサ416から船首方位偏差情報414を受信することができる。この船首方位偏差情報414は、船舶204の挙動関連情報を決定する為に挙動情報受信部206によって使用される。この状況では、挙動関連情報は、船首方位偏差情報414の変化、即ちある期間にわたる船舶204の旋回速度(ROT)を示すことができる。他の実施形態では、船首方位偏差情報414は、船舶204に搭載される船首方位センサ416に接続されたオートパイロットシステムから受信することができる。この自動操縦機能は、船舶204の船内外に搭載される航法装置等の舶用装置を使用して有効にすることができるが、これに限定されない。一例として、方位センサ416は、船舶204に関連する船首方位偏差情報414を出力または決定することができる他の可能なセンサのうち、地球の磁気センサ、コンパス、磁気フラックスゲートコンパス、衛星コンパスなどを含むことができる。
【0043】
図4Dは、本発明の他の実施形態による、挙動関連情報を決定する航法装置202のブロック
図418を示す。
図1の図示された実施形態では、。航法装置202は、船舶204の挙動関連情報を決定する為に経路情報422を利用する。その趣旨で、挙動情報受信部206は、船舶204に搭載されるユーザインターフェース424と動作可能である。挙動情報受信部206は、船舶204に搭載されるユーザインターフェース424から経路情報422を受信することができる。また、信号処理部208は、表示信号生成部420を有する。信号処理部208は、有線及び/または無線リンクを介してユーザインターフェース424と通信可能である。表示信号生成部420は、可能性のある船舶情報のうち、対象領域(例えば対象領域304,306)、チャート、航行の詳細、進行方向などであるがこれらに限定されない船舶に関する情報の表示の視認性を向上する表示信号を生成する。一実施形態では、ユーザインターフェース424は、表示信号生成部420によって生成され、限定はしないが、モニタ、TV、プロジェクタなど、他の最適なディスプレイの中で特に、外部接続されたディスプレイを通してユーザに表示される。
【0044】
一例として、ユーザインターフェース424は、とりわけ、コマンドラインインターフェース(CIL)、メニュー駆動型インターフェース(MDI)、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーングラフィカルユーザインターフェース(TGUI)などを含む。一実施形態では、ユーザは、複数のウェイポイントの形態で経路情報422を提供することができる。本明細書において、「ウェイポイント」は、位置及びナビゲーションに使用される基準点を指すことができる。ウェイポイントは、場所の特定の緯度及び経度、ブイのネットワーク、または環境内の自然の特徴であってもよい。ルート(経路)又はコース(進路)は、所望の目的地に到着する為に辿ることができる経路を示す地図又は航法装置上に複数のウェイポイントを追加することによってプロットすることができる。ウェイポイントはまた、所望の目的地に到達する為にどの経路を辿るべきかに関してオートパイロットに指示することができる。この経路情報422は、船舶204の挙動関連情報を決定する為に挙動情報受信部206によって使用される。この状況では、挙動関連情報は、船舶204が辿るべき経路の変化を示すことができる。この実施形態を
図5を参照してさらに説明する。他の実施形態として、経路情報422は、船舶204に搭載されるオートパイロットシステムから受信される。他の実施形態では、経路情報422は、海上におけるルートをプロットする為にオートパイロットシステムにも供給される。
【0045】
一実施形態では、ユーザインターフェース424は、対象領域の位置及び配置に関連する1または複数のユーザ入力を受信するように構成され、ユーザは、ユーザインターフェース424を使用して対象領域を設定しながら、様々なパラメータを定義してよい。
【0046】
図5の航法装置202に関連する実施形態を示す例示的な状況の概略
図500を示す。本発明の一実施形態によるものである。この状況では、時刻T1及びT2において(点線506を参照)ルート上を航行する船舶204の移動が示される。船舶204が辿っているルート又はコースは、船舶204に搭載されるユーザインターフェース424から受信した経路情報422に基づいて決定することができる。この経路情報422は、複数のウェイポイント(WP1,WP2...WPn-1,WPnを参照。ここでnは自然数)を含んでもよい。ウェイポイントは、船舶204の所望のルートを決定する為に、航法装置、チャートプロッタ、電子チャート表示及び情報システム(ECDIS)、オートパイロットシステム、及び/またはそれらの組合せによって使用される。さらにこのルートは、ユーザインターフェース424上で船舶204の操船者に提示される。時刻T1において、船舶204は真っ直ぐに移動しているので、船舶204に対応する対象領域502は同じままである。しかしながら、船舶204のルートが曲がると(例えば時刻T2に示される)、船舶204は、ルートの変化に対応する為にその移動方向を変更する。経路のこの変化は、受信する経路情報422に基づいて挙動情報受信部206によって予想される。そして信号処理部208は、船舶204の移動方向の変化に基づいて、船舶204に対応する新たな対象領域504(又は将来の対象領域)を適応的に決定してもよい。船舶204に関連する対象領域のこの変化は、古い対象領域502の位置を新しい対象領域504の新しい位置に変位または回転させることによって、信号処理部208の対象領域決定モジュール212によって実施される。
【0047】
図6Aは本発明の一実施形態による、物標検出装置604を含む航法装置202のブロック
図600を示す。物標検出装置604は、航法装置202の信号処理部208と通信可能である。信号処理部208は、移動方向監視部210、対象領域決定モジュール212、及び表示信号生成部420(非表示)をさらに含む。一例として、物標検出装置604は、レーダ、ソナー、前方探知ソナー(FLS)、航法装置、チャートプロッタ等のうちの一または複数を含むことができる。それは、船舶204の周囲における物標の位置情報602を取得するように構成される。物標検出装置604がその検出機能を確実に実行することができる距離は、一般に、限定はしないが、動作範囲、電力、サイズ、距離等の要因に基づいて制限され、従って、物標検出装置604は、所定の領域内の1または複数の物標の位置を特定することが可能である。一例として、物標検出装置604がレーダである場合、複数の他の船舶の存在を検出し、その動作範囲内の船舶204の周囲に障害物を着陸させることができる。他の実施例において、物標検出装置604がソナー航法装置である場合、ソナー航法装置は、その動作範囲内の船舶204の周囲の魚、水中構造物、及び海底を検出することができる。他の実施例において、物標検出装置604が航法装置である場合、航法装置は、その表示解像度内で海上の船舶204のルートまたはコースに沿って存在する陸塊及び自然特徴を検出し、表示することができる。他の実施例において、物標検出装置604が前方探知ソナー(FLS)である場合、FLSは、浅い深度で船舶204の前方の水域の表面の水平面の下に存在する物標を検出することができる。この例については、本明細書の後段で
図7A~
図7Cを参照してさらに詳細に説明する。
【0048】
図6Bは本発明の一実施形態による、警報信号610を発報する物標検出装置604を含む航法装置202のブロック
図606を示す。信号処理部208は、物標検出装置604から位置情報602を受信し、任意の物標が船舶204に関連する対象領域内に存在するかどうかを判定することができる。また、信号処理部208は、警報信号生成部608を有する。警報信号生成部608は、特定の条件が満たされたときに警報信号610を生成するように構成される。一実施形態では、対象物が対象領域内に存在する場合、警報信号610は、信号処理部208の警報信号発生器608によって発報される。他の実施形態では、船舶204に対応する対象領域内に物標が検出されない場合、警報信号は発報されない。一例として、警報信号610は、船舶204に搭載されたスピーカを介して警報音を発生させることができる。上記以外でも、警報信号610は、船舶204の船上または船外に存在するディスプレイ上の点滅メッセージ等の視覚出力を発報することができるが、これに限定されない。他の実施例において、船舶204は、警報信号610の受信に応答して、装置そのものを振動させる、またはユーザの顔に空気を吹き付ける等の適切な構成要素を含む。
【0049】
他の実施例において、
図3に示すように、対象領域において検出された物標が第二船舶112である場合も同様である。次に、警報信号610は、警報信号発生器608によって第二船舶112と共有され、衝突の可能性に関して他の船舶に警告することもできる。さらに他の実施例において、警報信号発生器608は、警報信号610をオートパイロットシステムに送信することができる。これを受信すると、オートパイロットシステムは、衝突が発生するのを防止する為に、針路修正を実行するか、または船舶204を停止させることができる。
【0050】
図7Aは本発明の一実施形態によるFLSである物標検出装置を含む航法装置のユースケース状況の概略図である。なお、FLSは、物標検出装置604の単なる一例であり、他の適切な物標検出装置のうち、レーダ、ソナー、LiDAR、長距離追跡識別(LRIT)システム等の他の物標検出装置も、個々に又は任意の組み合わせで使用することができる。FLSは、浅瀬航行において有用でありながら、水上船舶航行及び障害物回避の為に設計される。一般性を失うことなく、FLSは、一般的に、船舶204の船首に取り付けられる。7B)そして船体表面の水平面より下方の船舶204の船首に対して前方方向の物標を検出する。
【0051】
図7Aにおいて、船舶204が海上において航行するときに、隆起部等の陸地・海底部704がFLSによって検出される。陸地・海底部704に対応する位置情報602は、信号処理部208と共有される。この位置情報602を受信すると、信号処理部208は、船舶204に関連する対象領域702内に物標が存在するかどうかを判定することができる。この状況では、陸地・海底部704は、船舶204に対応する対象領域702内にあるので(
図7Cに図示)、以下のようになる。警報信号610は、警報信号生成部608によって生成される。
【0052】
図8は、この開示の実施形態による、状態決定部804を含む航法装置202のブロック
図800を示す。一実施形態では、状態決定部804は、信号処理部208と通信可能である。他の実施形態では、状態決定部804は、とりわけ、単一チップ、積層チップなどとして信号処理部208内に実装される。一例として、状態決定部804は、同様に、信号処理部208内のモジュールまたはブロックとして実装される。この状態決定部804は、船舶204の近傍又は周囲における設定条件或いは漂流状態に基づいて、設定条件情報或いは漂流状態情報802を決定するように構成される。一例として、設定条件或いは漂流状態は、気流による挙動変位、機械的問題による操舵誤差、及び風、潮流、他の船舶などによる潮流のうちの一つを含むことができ、流体環境における船舶204の運動の変化をもたらす他の適切な条件の中で特に好ましい。この設定条件情報或いは漂流状態情報802は、無線または有線通信のいずれかによって信号処理部208に送信される。その情報を受信すると、信号処理部208は、挙動情報受信部206から受信する挙動関連情報中の誤差値を決定する。そして信号処理部208は、この誤差値に基づいて、挙動関連情報を較正してもよい。挙動変位、潮流、及び/または操舵電流等の条件は、挙動関連情報が同じままである間であっても船舶204の移動方向を変化させ、それにより対象領域の誤った決定に繋がる。従って、誤差値を決定し、それに基づいて挙動関連情報を較正することによって、船舶204の移動方向の真の変化を決定することができる。船舶204の近傍における設定条件或いは漂流状態に基づくこの誤差補償により、航法装置202は、現実世界の状況における正確な対象領域決定を保証する。
【0053】
図9は本発明の一実施形態による、対象領域を適応的に決定する航法装置202を動作させる対象領域適応決定方法900のフロー図を示す。フロー図に示される対象領域適応決定方法900は、例えば挙動情報受信部206及び信号処理部208のいずれかまたは組み合わせのいずれかで実行される。フローチャートのステップは、航法装置202が船舶204に関連する対象領域を適応的に決定する為に使用されるときに実行される。フローチャートの動作のシーケンスは、必ずしも提示された順序と同じ順序で実行されなくてもよい。さらに1または複数の動作は、一緒にグループ化され単一のステップの形態で実行されるか、または1つの動作は、並行してまたは逐次的に実行されるサブステップを有することも可能である。フローチャートのステップは、操船者または船長がユーザインターフェース424と対話して対象領域を決定するときに実行される。対象領域適応決定方法900は、ステップ902で開始する。
【0054】
ステップ902において、対象領域適応決定方法900は、挙動関連情報を決定する。一実施形態では、挙動関連情報は、挙動情報受信部206によって決定される。様々な例において、挙動関連情報は、ある期間にわたる舵角αの変化、ある期間にわたるステアリングホイール角の変化、船舶204の旋回率(ROT)、または船舶204が辿るべきルートの変化など、とりわけ、船舶204の移動方向の変化を示す他の適切な情報である。
【0055】
ステップ904において、対象領域適応決定方法900は、船舶204の挙動関連情報に基づいて船舶204の移動方向の変化を決定する。一実施形態では、船舶204の移動方向の変化は、信号処理部208の移動方向監視部210によって決定される。他の実施形態では、船舶204の移動方向は、瞬間的な移動方向であってもよい。さらに他の実施形態では、以前のステップ、即ちステップ902で決定された挙動関連情報内の誤差値は、
図8を参照して説明された状態決定部804から受信される設定条件情報或いは漂流状態情報802を使用して決定される。さらに挙動関連情報は、決定された誤差値に基づいて較正される。さらに較正された挙動関連情報は、船舶204の移動方向の変化を決定する為に使用される。
【0056】
ステップ906において、対象領域適応決定方法900は、移動方向の変化に基づいて、船舶204に対応する対象領域を適応的に決定する。一実施形態では、信号処理部208の対象領域決定モジュール212は、船舶204の移動方向の瞬間的な変化に基づいて、現在の対象領域304を新しい対象領域306に変位することによって、新しい対象領域306を決定することができる。他の実施形態では、対象領域適応決定方法900は、表示信号を生成することと、船舶204に対応する対象領域の表示を容易にする為に表示信号をユーザインターフェース424に送信することとを含む。一例として、この表示信号は、信号処理部208の表示信号生成部420によって生成され、ユーザインターフェース424に送信される。
【0057】
図10は、本発明の一実施形態による、船舶204の舵角情報402に基づいて対象領域を決定する対象領域適応決定方法1000のフロー図を示す。フロー図に示される対象領域適応決定方法1000は、例えば挙動情報受信部206及び信号処理部208のいずれか一方または組み合わせによって実行される。フローチャートのステップは、航法装置202が船舶204に関連する対象領域を適応的に決定する為に使用されるときに実行される。フローチャートの動作のシーケンスは、必ずしも提示された順序と同じ順序で実行されなくてもよい。さらに1または複数の動作は、一緒にグループ化され単一のステップの形態で実行されるか、または1つの動作は、並行してまたは逐次的に実行されるサブステップを有する。対象領域適応決定方法1000は、ステップ1002で開始する。
【0058】
ステップ1002において、対象領域適応決定方法1000は、舵角センサ(RRU)404から受信した舵角情報402に基づいて船舶204の挙動関連情報を決定する。一実施形態では、挙動情報受信部206は、船舶204の挙動関連情報を決定することができる。この舵角情報402は、船舶204の挙動関連情報を決定する為に挙動情報受信部206によって使用される。この挙動関連情報は、ある期間にわたる舵角αの変化を示すことができる。一例として、舵角情報402は、度またはラジアンであってもよい。他の実施例において、船舶204の舵角αは、-0.39から0.39 radの間であり、舵の範囲は一般に0.78 radである。他の実施形態では、舵角情報402は、代わりに、舵角センサ(RRU)またはオートパイロットシステムから受信される。
【0059】
ステップ1004において、対象領域適応決定方法1000は、船舶204の挙動関連情報に基づいて船舶204の移動方向の変化を決定する。尚、ステップ1004は、
図9を参照して説明したステップ904と類似しているので説明を省略する。
【0060】
ステップ1006において、対象領域適応決定方法1000は、移動方向の変化に基づいて、船舶204に対応する対象領域を適応的に決定する。ステップ1006は、
図9を参照して説明したステップ906と類似しているので説明を省略する。
【0061】
ステップ1008において、対象領域適応決定方法1000は、船舶204に対応する対象領域の表示の視認性を向上する表示信号をユーザに送信する。一実施形態では、表示信号は、信号処理部208の表示信号生成部420によって生成され、送信される。一例として、表示信号は、船舶204に対応する対象領域の表示を容易にする為のユーザインターフェース424に送信される。
【0062】
図11は、本発明の一実施形態による、船舶204の舵輪角情報408に基づいて対象領域を決定する対象領域適応決定方法1100のフロー図を示す。フロー図に示される対象領域適応決定方法1100は、例えば挙動情報受信部206及び信号処理部208のいずれか一方または組み合わせによって実行される。フローチャートのステップは、航法装置202が船舶204に関連する対象領域を適応的に決定する為に使用されるときに実行される。フローチャートの動作のシーケンスは、必ずしも提示された順序と同じ順序で実行されなくてもよい。さらに1または複数の動作は、一緒にグループ化され単一のステップの形態で実行されるか、または1つの動作は、並行してまたは逐次的に実行されるサブステップを有すことも可能である。対象領域適応決定方法1100は、ステップ1102で開始する。
【0063】
ステップ1102において、対象領域適応決定方法1100は、船舶204に搭載される舵輪410から受信した舵輪角情報408に基づいて、船舶204の挙動関連情報を決定する。一例として、舵輪角情報408は、度またはラジアンであってもよい。一実施形態では、挙動情報受信部206は、船舶204の挙動関連情報を決定することができる。この舵輪角情報408は、船舶204の挙動関連情報を決定する為に挙動情報受信部206によって使用される。一例として、挙動関連情報は、ある期間にわたる舵輪角度の変化を示す。
【0064】
ステップ1104において、対象領域適応決定方法1100は、船舶204の挙動関連情報に基づいて船舶204の移動方向の変化を決定する。ステップ1104は、
図9を参照して説明したステップ904と類似しているので説明を省略する。
【0065】
ステップ1106において、対象領域適応決定方法1100は、船舶204の移動方向の変化に基づいて、船舶204に対応する対象領域を適応的に決定する。ステップ1106は、
図9を参照して説明したステップ906と類似しているので説明を省略する。
【0066】
ステップ1108において、対象領域適応決定方法1100は、船舶に対応する対象領域の表示の視認性を向上する表示信号をユーザに送信する。ステップ1108は、
図10を参照して説明したステップ1008と類似しているので説明を省略する。
【0067】
図12は、本発明の一実施形態による、船舶204の船首方位偏差情報414に基づいて対象領域を決定する対象領域適応決定方法1200のフロー図を示す。フロー図に示される対象領域適応決定方法1200は、例えば挙動情報受信部206及び信号処理部208のいずれか一方または組み合わせによって実行される。対象領域適応決定方法1200は、ステップ1202で開始する。
【0068】
ステップ1202において、対象領域適応決定方法1200は、船舶204に搭載される船首方位センサ416から受信した船首方位偏差情報414に基づいて船舶204の挙動関連情報を決定する。一実施形態では、挙動情報受信部206は、船舶204の挙動関連情報を決定することができる。この船首方位偏差情報414は、船舶204の挙動関連情報を決定する為に挙動情報受信部206によって使用される。一例として、挙動関連情報は、進行方向の変化、即ちある期間にわたる船舶204の回転速度を示すことができる。一例として、方位偏差情報414は、度またはラジアンであってもよい。他の実施例において、方位センサ416は、船舶204に関連する船首方位偏差情報414を提供または決定することができる他の可能なセンサのうち、地球の磁気センサ、コンパス、磁気フラックスゲートコンパス、衛星コンパスなどを含むことができる。
【0069】
ステップ1204において、対象領域適応決定方法1200は、船舶204の挙動関連情報に基づいて船舶204の移動方向の変化を決定する。ステップ1204は、
図9を参照して説明したステップ904と類似しているので説明を省略する。
【0070】
ステップ1206において、対象領域適応決定方法1200は、移動方向の変化に基づいて、船舶204に対応する対象領域を適応的に決定する。ステップ1206は、
図9を参照して説明したステップ906と類似しているので説明を省略する。
【0071】
ステップ1208において、対象領域適応決定方法1200は、船舶に対応する対象領域の表示の視認性を向上する表示信号をユーザに送信する。ステップ1208は、
図10を参照して説明したステップ1008と類似しているので説明を省略する。
【0072】
図13は、本発明の一実施形態による、船舶204の経路情報422に基づいて対象領域を決定する方法のフローチャートを示す。フロー図に示される対象領域適応決定方法1300は、例えば挙動情報受信部206及び信号処理部208のいずれか一方または組み合わせによって実行される。対象領域適応決定方法1300は、ステップ1302で開始する。
【0073】
ステップ1302において、対象領域適応決定方法1300は、複数のウェイポイントを含む船舶204の経路情報422を受信する。一実施形態では、経路情報422は、ユーザインターフェース424またはオートパイロットシステムを介してユーザから受信される。一例として、この経路情報422は、船舶204が辿るべきルート又はコースを定義する複数のウェイポイントの形態であってもよい。他の実施例において、経路情報422は、ユーザインターフェース424を介してユーザに見えるように、航法装置又はチャートプロッタ上に経路をプロットする為に使用される。
【0074】
ステップ1304において、対象領域適応決定方法1300は、ユーザから受信した経路情報422に基づいて船舶204の挙動関連情報を決定する。一実施形態では、挙動情報受信部206は、船舶204の挙動関連情報を決定することができる。一例として、挙動関連情報は、船舶204が辿っているルートの変化を示すことができる。
【0075】
ステップ1306において、対象領域適応決定方法1300は、船舶204の挙動関連情報に基づいて船舶204の移動方向の変化を決定する。ステップ1306は、
図9を参照して説明したステップ904と類似しているので説明を省略する。
【0076】
ステップ1308において、対象領域適応決定方法1300は、移動方向の変化に基づいて、船舶204に対応する対象領域を適応的に決定する。ステップ1308は、
図9を参照して説明したステップ906と類似しているので説明を省略する。
【0077】
ステップ1310において、対象領域適応決定方法1300は、船舶に対応する対象領域の表示の視認性を向上する表示信号をユーザに送信する。ステップ1310は、
図10を参照して説明したステップ1008と類似しているので説明を省略する。
【0078】
図9から
図13を参照して、本発明に係る方法及びプログラムを説明する。挙動情報受信部206、信号処理部208、もしくは状態決定部804の1または複数の動作は、1または複数のコンピュータ可読媒体(例えば1または複数の光学媒体ディスク、揮発性メモリ構成要素(例えばDRAMまたはSRAM)、または不揮発性メモリもしくは記憶構成要素(例えばフラッシュメモリ構成要素等のハードドライブまたはソリッドステート不揮発性メモリ構成要素)等の非一時的コンピュータ可読媒体)上に記憶され、コンピュータ(例えばMFD、MFD‐BB、航法装置、チャートプロッタ、ECDIS、タブレット、スマートフォン、または他のモバイルコンピューティングデバイス等の任意の適切な各種コンピュータ)上で実行されるコンピュータ実行可能命令または機械可読命令を含むソフトウェアを使用して実装されうる。一実施形態では、挙動情報受信部206、状態決定部804、及び/またはそれらの組合せは、単一チップ、積層チップなどとして信号処理部208内に実装される。一例として、挙動情報受信部206、状態決定部804、及び/またはそれらの組合せは、同様に、信号処理部208内のモジュールまたはブロックとして実装される。
【0079】
特に航法装置202の他の構成要素のうち、信号処理部208、状態決定部804は、ソフトウェアを使用して、ならびに/またはトランジスタ、論理ゲート、及び電気回路(例えばASIC回路等の集積回路回路)を使用して有効にされる。本発明の様々な実施形態は、コンピュータ可読媒体上に記憶されるかまたは他の方法で具現化される1または複数のコンピュータプログラムを含み得、コンピュータプログラムは、プロセッサまたはコンピュータに1または複数の動作を実行させるように構成される。
【0080】
上述した実施形態に対して多くの変形及び修正を行うことができ、その要素は他の許容可能な例に含まれる。すべてのそのような修正及び変形は、本発明の範囲内に本明細書に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることを意図している。
【符号の説明】
【0081】
102 船舶(自船)
104 進行方向
106 舵
108 対象領域
110 第一船舶
112 第二船舶
202 航法装置
204 船舶(自船)
206 挙動情報受信部
208 信号処理部
210 移動方向監視部
212 対象領域決定部
302 舵
304 対象領域
306 対象領域
404 舵角センサ(RRU)
408 舵輪角情報/操舵角情報
410 舵輪/操舵輪/ステアリングホイール
416 方位センサ
420 表示信号生成部
424 ユーザインターフェース
502 対象領域
504 対象領域
604 物標検出装置
608 警報信号生成部
702 対象領域
704 陸地・海底部
804 状態決定部