(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182567
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】拡張可能なエンクロージャを備えた摂取可能なデバイス
(51)【国際特許分類】
A61K 9/00 20060101AFI20231219BHJP
A61K 9/54 20060101ALI20231219BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20231219BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20231219BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20231219BHJP
A61K 38/55 20060101ALI20231219BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20231219BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20231219BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20231219BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20231219BHJP
A61P 7/04 20060101ALI20231219BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20231219BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20231219BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20231219BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231219BHJP
A61J 3/07 20060101ALI20231219BHJP
A61M 37/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A61K9/00
A61K9/54
A61K45/00
A61K45/06
A61K47/02
A61K38/55
A61K39/395 N
A61K39/395 V
A61K39/395 D
A61K47/12
A61K47/18
A61P3/10
A61P7/04
A61P17/04
A61P17/06
A61P19/02
A61P43/00 121
A61J3/07 E
A61M37/00
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023132432
(22)【出願日】2023-08-16
(62)【分割の表示】P 2021516679の分割
【原出願日】2019-09-24
(31)【優先権主張番号】62/736,263
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/579,112
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514002891
【氏名又は名称】ラニ セラピューティクス, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イムラン、ミール エイ.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】治療薬を送達するための摂取可能なデバイスを提供する。
【解決手段】摂取可能なデバイスであって、外殻;前記外殻内に提供される拡張可能なエンクロージャであって、前記拡張可能なエンクロージャの複数の領域のインサイチュでの拡張のために構造化されており、前記複数の領域は、保護凹部を規定するヘッド領域およびテール領域を含み、前記複数の領域のそれぞれは、前記保護凹部内に保持領域をさらに含む、拡張可能なエンクロージャ;ならびに少なくとも1つの治療薬を含み、保持領域に配置された成形された組成物を含む、摂取可能なデバイスである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療薬を身体の胃腸(GI)管に送達するための摂取可能なデバイスであって、
嚥下可能な外殻;
前記嚥下可能な外殻内に配置された送達機構であって、前記送達機構は、拡張可能なエンクロージャを含み、前記拡張可能なエンクロージャの複数の領域を拡張するためにGI管内でインサイチュでトリガ可能であり、前記複数の領域は、
一緒になってヘッド領域とテール領域との間の保護凹部を規定する、前記ヘッド領域と前記テール領域;および
前記保護凹部内の保持領域であって、拡張されたときの寸法は拡張されたときの前記ヘッド領域の寸法よりも小さく、拡張されたときの前記テール領域の寸法よりも小さい、保持領域
を含む、送達機構;ならびに
前記保持領域の前記保護凹部内に配置された、少なくとも1つの治療薬を含む成形された組成物
を含む、摂取可能なデバイス。
【請求項2】
前記嚥下可能な外殻が、標的送達位置で、または前記身体を通って前記標的送達位置まで移動する間に、消化物の存在下でインサイチュで分解するように構造化されている、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項3】
前記嚥下可能な外殻が、前記身体の胃内での分解に耐えるように、または前記摂取可能なデバイスが前記胃に入り、前記胃を通過する時間を超える期間にわたって分解するように構造化されている、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項4】
前記嚥下可能な外殻が、6.5~7.5の範囲のpH、または7を超えるpHで分解するように構造化されている、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項5】
前記成形された組成物を包む分解性コーティングであって、少なくとも設計された期間、標的送達位置に存在する消化物に対するレジリエンスのために構造化された前記分解性コーティングをさらに含む、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項6】
拡張されたとき軸に沿って位置する摂取可能なデバイスであって、前記ヘッド領域の寸法、前記テール領域の寸法、および前記保持領域の寸法が、それぞれ断面積であるか、前記軸に垂直な方向の半径もしくは直径であるか、またはそれぞれ円周である、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項7】
拡張されたとき軸に沿って位置する摂取可能なデバイスであって、前記ヘッド領域の寸法、前記テール領域の寸法、および前記保持領域の寸法のそれぞれが、前記軸に沿った長さである、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項8】
前記拡張可能なエンクロージャ内に配置された少なくとも1つの拡張機構をさらに含む、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項9】
分離壁をさらに含み、前記少なくとも1つの拡張機構が第1の化学反応物および第2の化学反応物を含み、前記第1の化学反応物が前記分離壁によって前記第2の化学反応物から分離されており、前記第1の化学反応物と前記第2の化学反応物が互いに反応してガスを生成して、前記拡張可能なエンクロージャを拡張する、請求項8に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項10】
前記分離壁が、消化物が前記嚥下可能な外殻の内部領域を破壊することを可能にするのに十分な前記嚥下可能な外殻の分解後に、前記消化物に曝露されるとインサイチュで分解するように構造化されている、請求項9に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項11】
前記第1の化学反応物が重炭酸カリウムを含み、前記第2の化学反応物がクエン酸を含む、請求項9に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項12】
前記拡張可能なエンクロージャの開口部を閉鎖するシールをさらに含み、前記シールが、消化物が前記嚥下可能な外殻の内部領域を破壊することを可能にするのに十分な前記嚥下可能な外殻の分解後に、前記消化物に曝露されるとインサイチュで分解するように構造化されており、前記シールの分解速度が前記分離壁の分解速度よりも緩やかであるように設計されている、請求項9に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項13】
前記拡張可能なエンクロージャが、前記ヘッド領域での拡張または前記テール領域での拡張と比較して、前記保持領域でのより少ない拡張のために構造化されている、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項14】
前記保護凹部が第1の保護凹部であり、前記複数の領域が、前記ヘッド領域と前記テール領域との間に少なくとも1つの中間領域をさらに含み、その結果、前記拡張可能なエンクロージャの拡張状態では、前記ヘッド領域、前記テール領域、および前記少なくとも1つの中間領域が一緒になって、前記第1の保護凹部を含む複数の保護凹部を規定する、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項15】
前記保持領域が第1の保持領域であり、前記複数の領域が、前記第1の保持領域を含む複数の保持領域をさらに含み、前記複数の保持領域のそれぞれが、前記複数の保護凹部のそれぞれ1つ内にある、請求項14に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項16】
前記成形された組成物が第1の成形された組成物であり、前記摂取可能なデバイスが、前記第1の成形された組成物を含む複数の成形された組成物をさらに含み、前記複数の保持領域の1つ以上のそれぞれが、前記複数の成形された組成物の1つ以上を含む、請求項15に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項17】
前記複数の成形された組成物のそれぞれが1つ以上の薬剤を含み、前記複数の成形された組成物の少なくとも1つが、前記複数の成形された組成物の少なくとも1つの別のものとは異なる組合せまたは異なる容積もしくは質量の薬剤を含む、請求項16に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項18】
前記複数の成形された組成物の各薬剤が、薬物、賦形剤、または送達増強剤のうちの1つである、請求項17に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項19】
摂取可能なデバイスであって、
外殻;
前記外殻内に提供される拡張可能なエンクロージャであって、前記拡張可能なエンクロージャの複数の領域のインサイチュでの拡張のために構造化されており、前記複数の領域は、保護凹部を規定するヘッド領域およびテール領域を含み、前記保護凹部内に保持領域をさらに含む、拡張可能なエンクロージャ;ならびに
前記保持領域に配置された成形された組成物
を含む、摂取可能なデバイス。
【請求項20】
前記成形された組成物が、前記保持領域に配置された複数の成形された組成物のうちの1つである、請求項19に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項21】
前記成形された組成物が、前記成形された組成物を通って延びる開口部を規定するように構造化され、前記拡張可能なエンクロージャが、前記拡張可能なエンクロージャの一部が前記開口部のいずれかの側に延びるように前記開口部を通して配置される、請求項19に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項22】
前記成形された組成物が、前記拡張可能なエンクロージャの拡張を制限する、請求項21に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項23】
前記拡張可能なエンクロージャが、前記保持領域を規定する前記拡張可能なエンクロージャの長さに沿って最小限の拡張のために構造化され、前記成形された組成物がその長さに沿って配置される、請求項21に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項24】
摂取可能なデバイスを使用して対象の腸に治療薬を送達するための方法であって、
成形された組成物および送達機構を含む摂取可能なデバイスを提供することであって、前記送達機構は、ヘッド領域およびテール領域を含む拡張可能なエンクロージャを含み、前記成形された組成物は、治療薬を含み、前記腸の壁を横切る前記治療薬の輸送を増強するように選択される送達増強剤をさらに含む、提供すること;ならびに
前記対象に前記摂取可能なデバイスを摂取するように指示するかまたは摂取させ、それによって前記腸の壁を介した治療薬の輸送を開始することであって、前記輸送の開始は、
前記腸内の状態に応答して前記拡張可能なエンクロージャを拡張するように構造化された送達機構によるものであり、前記拡張可能なエンクロージャのヘッド領域およびテール領域は、前記腸の壁に対して拡張して、前記成形された組成物が配置され、前記腸に曝露される前記腸の壁によって境界付けられた保護容積を規定するように構造化され、その結果、
前記成形された組成物の前記腸への曝露は、前記成形された組成物から前記保護容積への前記送達増強剤の放出を開始して、前記腸の壁を通る前記治療薬の輸送を増強し、および
前記成形された組成物の前記腸への曝露は、前記腸の壁を通る輸送のために前記治療薬の前記保護容積への放出を開始する、開始すること
を含む方法。
【請求項25】
前記腸の状態が小腸のpHである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記pHが約6.5~7.5の範囲にある、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記送達増強剤がプロテアーゼ阻害剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記送達増強剤が、前記治療薬に対する小腸の壁の透過性を高める透過性促進剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記送達増強剤が、前記小腸の上皮層内の細胞の原形質膜を流動化する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記透過性促進剤が、中鎖脂肪酸(MCFA)ベースのカプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム誘導体、アシルカルニチンまたはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記送達増強剤が、腸壁の上皮層からの細胞の脱落を誘発する、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記成形された組成物が、設計された期間後に前記送達増強剤および前記治療薬が前記保護容積に放出されるように、前記設計された期間後に前記小腸で分解するように構造化されたコーティングを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記設計された期間が、前記拡張可能なエンクロージャの前記ヘッド領域および前記テール領域の拡張のための設計された時間よりも長い、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記治療薬の放出の開始が、前記送達増強剤の放出の開始の後である、請求項24に記載の方法。
【請求項35】
前記送達機構が、化学反応によって前記ヘッド領域および前記テール領域を拡張する、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
前記成形された組成物が、前記摂取可能なデバイス内に配置された複数の成形された組成物の第1の成形された組成物であり、前記第1の成形された組成物中の前記治療薬の質量が第1の質量である、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
前記複数の成形された組成物のうちの少なくとも第2の成形された組成物が、前記第1の質量とは異なる質量の前記治療薬を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記治療薬が第1の治療薬であり、前記複数の成形された組成物が、少なくとも前記第1の治療薬および前記第1の治療薬とは異なる第2の治療薬を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記複数の成形された組成物が、前記治療薬を含む第2の成形された組成物を含み、前記第1の成形された組成物が、前記腸への曝露後の第1の期間後に前記治療薬を放出するように設計され、前記第2の成形された組成物が、前記腸への曝露後の第2の期間後に前記治療薬を放出するように設計され、前記第2の期間が前記第1の期間よりも長くなるように設計されている、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記送達増強剤が第1の送達増強剤であり、前記複数の成形された組成物が、少なくとも前記第1の送達増強剤および前記第1の送達増強剤とは異なる第2の送達増強剤を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記摂取可能なデバイスが、胃の内容物に曝露されたときに分解に耐えるように構造化された腸溶コーティングを含み、前記腸溶コーティングが前記腸内で分解するように構造化されている、請求項24に記載の方法。
【請求項42】
前記成形された組成物が崩壊剤または超崩壊剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項43】
前記治療薬が免疫グロブリンを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項44】
前記免疫グロブリンが免疫グロブリンGを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記免疫グロブリンがTNF-α抗体を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記TNF-α抗体がアダリムマブを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記免疫グロブリンが、インターロイキンのIL-17ファミリーのインターロイキンに対する抗体(AI17抗体)を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記AI17抗体が、ブロダルマブ、セクキヌマブまたはイキセキズマブを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
胃腸管内の消化物によって分解される治療薬を対象に経口送達するための方法であって、
成形された組成物および送達機構を含む摂取可能なデバイスを摂取することであって、前記送達機構は、ヘッド領域およびテール領域を有する拡張可能なエンクロージャを含み、前記成形された組成物は、前記治療薬を含み、腸壁を横切る前記治療薬の輸送を増強するように構造化された送達増強剤をさらに含み、前記ヘッド領域および前記テール領域は、前記小腸の状態に応答して拡張可能である、摂取すること;ならびに
前記腸壁を横切る前記治療薬の輸送を、
前記小腸の状態に応答して前記ヘッド領域と前記テール領域を拡張し、前記ヘッド領域と前記テール領域は前記腸壁に対して拡張して、前記治療薬の送達のために腸の密封された腸セクションを形成し;
前記送達増強剤を前記密封された腸セクションに放出し、前記送達増強剤は前記治療薬の輸送を増強するためにそこに留まり;および
前記治療薬を前記密封された腸セクションに放出し、前記治療薬は前記腸壁を横切って輸送されるまでそこに留まる
ことによって提供すること
を含む方法。
【請求項50】
GI管の分泌物によって分解される治療薬を患者に経口送達するための方法であって、
成形された組成物およびヘッド領域とテール領域を有する拡張可能なエンクロージャを含む摂取可能なデバイスを嚥下することであって、前記成形された組成物は、前記治療薬および腸壁を横切る前記治療薬の輸送を増強するように構造化された送達増強剤を含み、前記ヘッド領域および前記テール領域は小腸の状態に応答して拡張可能である、嚥下すること;
前記小腸の状態に応答して前記ヘッド領域と前記テール領域を拡張することであって、前記ヘッド領域と前記テール領域は前記腸壁に対して拡張して、前記治療薬の送達のために前記小腸の密封されたセクションを形成する、拡張すること;
前記送達増強剤を前記小腸の密封されたセクションに放出することであって、前記送達増強剤は、前記治療薬の輸送を増強するためにそこに留まる、放出すること;
前記治療薬を前記小腸の密封されたセクションに放出することであって、前記治療薬は前記腸壁を横切って輸送されるまでそこに留まる、放出すること;ならびに
前記小腸の密封されたセクションの腸壁を横切って生物学的に活性な治療薬を輸送することであって、輸送は前記送達増強剤によって増強される、輸送すること、
を含む方法。
【請求項51】
前記状態が前記小腸のpHである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記pHが約6.5~7.5の範囲にある、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記送達増強剤が、生物学的に活性な形態の前記治療薬の輸送を増強する、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記送達増強剤がプロテアーゼ阻害剤である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記送達増強剤が、前記治療薬に対する前記小腸の壁の透過性を高める、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記送達増強剤が、前記小腸の上皮層内の細胞の原形質膜を流動化する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記送達増強剤が、中鎖脂肪酸(MCFA)ベースのカプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム誘導体、アシルカルニチン、またはEDTAを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記送達増強剤が、前記腸壁の上皮層からの細胞の脱落を引き起こす、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記成形された組成物が、選択された期間後に前記送達増強剤および前記治療薬が前記腸の密封されたセクションに放出されるように、前記選択された期間後に前記小腸で分解するように構造化されたコーティングを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項60】
前記選択された期間が最大約1分までである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記選択された期間が、前記ヘッド領域および前記テール領域の完全な膨張のための時間よりも長い、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記送達増強剤が、前記治療薬の部分に比べて前記成形された組成物の外側部分に配置される、請求項50に記載の方法。
【請求項63】
前記送達増強剤の放出が開始した後、前記治療薬が選択された期間放出される、請求項50に記載の方法。
【請求項64】
前記選択された期間が約1分~5分の範囲にある、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記ヘッド領域および前記テール領域が化学反応によって拡張される、請求項50に記載の方法。
【請求項66】
前記化学反応が、前記ヘッド領域または前記テール領域の一方または両方で起こる、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記ヘッド領域または前記テール領域の少なくとも1つが化学反応物を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記成形された組成物が、前記拡張可能なエンクロージャの周囲の周りに配置される、請求項50に記載の方法。
【請求項69】
前記成形された組成物が前記拡張可能なエンクロージャに取り付けられている、請求項50に記載の方法。
【請求項70】
前記成形された組成物が第1の成形された組成物であり、前記摂取可能なデバイスが、前記第1の成形された組成物を含む複数の成形された組成物を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項71】
前記複数の成形された組成物が、少なくとも第1および第2の治療薬を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記摂取可能なデバイスが、前記胃内の前記摂取可能なデバイスの内容物を保護するが、前記腸内で分解して、前記摂取可能なデバイスの内容物を前記腸内の分泌物に曝露するように構造化された腸溶コーティングを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項73】
前記成形された組成物が賦形剤を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項74】
前記賦形剤が崩壊剤または超崩壊剤を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記治療薬が免疫グロブリンを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項76】
前記免疫グロブリンが免疫グロブリンGを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記免疫グロブリンがTNF-α抗体を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記TNF-α抗体がアダリムマブを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記免疫グロブリンが、インターロイキンのIL-17ファミリーのインターロイキンに対する抗体(AI17抗体)を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記AI17抗体がブロダルマブ、セクキヌマブまたはイキセキズマブを含む、請求項79に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月25日に出願された「拡張可能なエンクロージャを備えた摂取可能なデバイス」と題する米国仮特許出願第62/736,263号の利点および優先権を主張するものであり、その内容はすべての目的のために全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
医学の進歩により、数多くの慢性疾患、例えばいくつか挙げると、乾癬、クローン病、関節リウマチ、糖尿病、および血友病などが特定されている。慢性疾患を治療するために使用される多くの治療法は、主にまたは専ら注射によって送達されるが、これは痛みを伴い、不便であり得、したがって、注射を含む治療プログラムのコンプライアンスは、経口送達レジメンが利用可能である場合、そのコンプライアンスほど良好ではない可能性がある。しかし、注射可能な治療薬の経口送達に対する多くの歴史的なアプローチは成功していない。したがって、以前は注射剤形で送達された治療薬の経口送達への新しいアプローチが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0003】
実施形態は、製剤(例えば1つ以上の治療薬および/または他の化合物)の経口送達のための摂取可能なデバイスおよび関連する方法を提供する。多くの実施形態では、拡張可能なエンクロージャ(例えばバルーン)が、インサイチュで拡張して1つ以上の製剤を胃腸(GI)管の送達位置に送達する。拡張可能なエンクロージャは、膨張したときに、拡張可能なエンクロージャの一部が1つ以上の保護凹部を形成するように構造化されている。GI管内で膨張すると、保護凹部はGI管によって境界付けられて保護容積を形成することができ、その結果、保護凹部内に配置された製剤は、保護容積内でGI管に曝露される。拡張の前には、拡張可能なエンクロージャは、摂取可能なデバイスの外殻内の送達デバイスの一部として含まれている。1つ以上の実施形態では、摂取可能なデバイスは、嚥下され、GI管を通って標的送達位置まで移動するように構造化されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】
図1Aは、胃腸管を通って体内の送達位置に進行する間描画した摂取可能なデバイスの実施形態を示す。
【
図1B】
図1Bは、胃腸管を通って体内の送達位置に進行する間描画した摂取可能なデバイスの実施形態を示す。
【
図1C】
図1Cは、胃腸管を通って体内の送達位置に進行する間描画した摂取可能なデバイスの実施形態を示す。
【
図1D】
図1Dは、胃腸管を通って体内の送達位置に進行する間描画した摂取可能なデバイスの実施形態を示す。
【
図1E】
図1Eは、胃腸管を通って体内の送達位置に進行する間描画した摂取可能なデバイスの実施形態を示す。
【
図1F】
図1Fは、胃腸管を通って体内の送達位置に進行する間描画した摂取可能なデバイスの実施形態を示す。
【0005】
【
図2】
図2は、摂取可能なデバイスの外殻の実施形態を示す。
【0006】
【
図3A】
図3Aは、摂取可能なデバイスの拡張可能なエンクロージャの実施形態を示す。
【
図3B】
図3Bは、摂取可能なデバイスの拡張可能なエンクロージャの実施形態を示す。
【
図3C】
図3Cは、摂取可能なデバイスの拡張可能なエンクロージャの実施形態を示す。
【
図3D】
図3Dは、摂取可能なデバイスの拡張可能なエンクロージャの実施形態を示す。
【
図3E】
図3Eは、摂取可能なデバイスの拡張可能なエンクロージャの実施形態を示す。
【
図3F】
図3Fは、摂取可能なデバイスの拡張可能なエンクロージャの実施形態を示す。
【
図3G】
図3Gは、摂取可能なデバイスの拡張可能なエンクロージャの実施形態を示す。
【0007】
【
図4A】
図4Aは、様々な厚さの材料で構築された拡張可能なエンクロージャの実施形態を示す。
【0008】
【
図4B】
図4Bは、拡張可能なエンクロージャおよび拡張可能なエンクロージャの拡張を制限するように配置された複数の収縮構造物の実施形態を示す。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【
図6C】
図6Cは、複数のシールを備えた送達機構の実施形態を示す。
【0015】
【
図7A】
図7Aは、拡張可能なエンクロージャの開口部を閉じるプラグの形態のシールの実施形態を示す。
【
図7B】
図7Bは、拡張可能なエンクロージャの開口部を閉じるプラグの形態のシールの実施形態を示す。
【
図7C】
図7Cは、拡張可能なエンクロージャの開口部を閉じるプラグの形態のシールの実施形態を示す。
【0016】
【0017】
【
図9A】
図9Aは、拡張可能なエンクロージャの保持領域における成形された組成物の配置の実施形態を示す。
【
図9B】
図9Bは、拡張可能なエンクロージャの保持領域における成形された組成物の配置の実施形態を示す。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【
図13】
図13は、摂取可能なデバイスを製造するための方法の実施形態を示す。
【0023】
【
図14】
図14は、治療用製剤を含む摂取可能なデバイスの経口送達のための方法の実施形態を示す。
【0024】
これらおよび他の実施形態を、限定ではなく例として、本開示の図面と併せて以下で説明する。図面および説明から明らかになる他の実施形態は、本開示に包含される。さらに、異なる実施形態からの特徴の組合せは、本開示に包含される。
【0025】
説明の便宜上、X-Y平面は、本明細書の複数の図において、Y軸に対して垂直なX軸によって示される。さらに、X-Y平面に対して垂直なZ軸(断面図に関して示されている)は、X-Y平面と組み合わせて三次元のX-Y-Z空間を規定する。
【0026】
図中の構成要素の表示の相対的な配置および相対的なサイズは、実際の構成要素の相対的な配置または相対的なサイズを示すまたは限定することを意図しない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示で使用される場合、「例えば」という用語または「など」という用語は、1つ以上の非限定的な例のリストが続くことを示す;記載されていない他の例も本開示の範囲内にあることが理解されるべきである。
【0028】
「分解する」、「分解すること」、「分解された」、および「分解」という用語は、本明細書では、溶解、化学的分解、腐敗、化学修飾、機械的分解、または崩壊などによる弱化、部分分解、または完全分解を指す。
【0029】
「設計」、「設計すること」、および「設計された」という用語は、本明細書では、設計に関連する公差の推定値(例えば構成要素の公差および/または製造公差)ならびに設計が遭遇すると予想される環境条件(例えば温度、湿度、外部もしくは内部の周囲圧力、外部もしくは内部の機械的圧力もしくは応力、製品年齢、生理学、身体化学、体液および組織の生物学的組成および/もしくは化学組成、pH、種、食事、健康、性別、年齢、祖先、疾患、組織の損傷、またはそれらの組合せ)の推定値に基づいて設計に意図的に組み込まれた特性を指す;摂取前および/または摂取後の実際の許容範囲および環境条件は、そのような設計された特性に影響を及ぼす可能性があり、その結果、同じ設計を有する異なる摂取可能なデバイスは、それらの設計された特性に関して異なる実際の値を有し得ることが理解されるべきである。本明細書における「設計」、「設計すること」、および「設計された」という用語の使用は、設計に対する変形または変更、設計に従って構造化された構成要素(以下に定義される)、および製造後に構成要素に実施される設計変更(以下に定義される)も包含する。
【0030】
「消化物」という用語は、本明細書では、血液、組織、体液、酵素、およびGI管に沿った身体の他の分泌物などの生物学的物質を指し、GI管を通過する他の物質(例えば未消化または消化された形態の食物)も含む。
【0031】
「流体」という用語は、本明細書では、気体もしくは液体、またはそれらの組合せを指す。
【0032】
「摂取する」、「摂取すること」、および「摂取された」という用語は、本明細書では、嚥下によるか、または胃への沈着の他の手段(例えば内視鏡による胃への沈着もしくはポートを介した胃への沈着)によるかにかかわらず、胃に取り込むことを指す。
【0033】
構成要素に関連する場合の「製造する」、「製造すること」、および「製造された」という用語は、本明細書では、全体的もしくは部分的に手作業で製造されたか、または全体的もしくは部分的に自動化された方法で製造されたかにかかわらず、構成要素を製造することを指す。
【0034】
「構造化された」という用語は、本明細書では、概念または設計が書面で保存されているかどうかにかかわらず、そのような概念または設計またはそれらの変形またはそれらに対する変更(そのような変形または変更が製造前、製造中、または製造後に発生するかどうかにかかわらず)に従って製造される構成要素またはシステムを指す。
【0035】
バイオテクノロジーの進歩に伴い、糖尿病および他のグルコース調節障害、多発性硬化症、乾癬および他の自己免疫疾患、好酸球関連疾患、ならびに血友病および他の凝固疾患などの様々な高罹患率の慢性疾患の改善された治療を可能にする、多種多様な生物学的に誘導された治療薬(本明細書で生物学的製剤と称する)が開発されてきた。そのような生物学的製剤には、ほんの数例を挙げると、抗体、インスリン、第VIII因子、および抗好酸球抗体が含まれる。これらの生物学的製剤は、大きなサイズおよび/または繊細な構造のために、経口送達することができなかった。それらの分子は、吸収が不十分であり得るか、または吸収前にGI管で分解される可能性がある。そのため、生物学的製剤の投与には、これまで非経口注射(例えば筋肉内、皮下または静脈内注射)が必要であった。しかし、これらの注射は痛みを伴い、不便であり(多くの場合、医療施設に出かける必要がある)、組織部位の反応および感染を含むリスクがないわけではない。したがって、注射を含む治療プログラムへのコンプライアンスは、経口送達レジメンが利用可能である場合、そのコンプライアンスほど良好ではない可能性がある。生物学的製剤および関連化合物の経口送達に向けて多くの試みがなされてきたが、そのような試みは、GI管での分子の分解および/または不十分なもしくは予測不可能な吸収とその結果としての低いバイオアベイラビリティのために、大部分が成功していない。したがって、これまで非経口注射によってのみ送達することができた生物学的製剤および他の治療薬の経口送達のための新しいアプローチが必要である。
【0036】
以下で詳細に論じるように、実施形態は、身体(例えば人体などの哺乳動物の身体)のGI管内に治療用製剤を送達するための摂取可能なデバイスを提供する。実施形態によれば、摂取可能なデバイスは、外殻と、外殻内の規定された空間に配置された送達機構とを含む。送達機構は、拡張可能なエンクロージャを含む。外殻は、インサイチュで(例えば標的送達位置またはその近くで)分解し、送達機構を消化物に曝露させる。送達機構は、消化物への曝露によってトリガ可能であり、拡張可能なエンクロージャの複数の領域を拡張して拡張状態にする。複数の領域は、ヘッド領域、テール領域、および保持領域が含むことができる。拡張された保持領域の寸法は、拡張されたヘッド領域の寸法よりも小さく、拡張されたテール領域の寸法よりも小さく、その結果、ヘッド領域とテール領域は一緒になって、保持領域が位置する保護凹部を規定する。インサイチュで、ヘッド領域および/またはテール領域はGI管の壁に対して拡張し、保護凹部は、ヘッド領域、テール領域、および壁によってインサイチュで境界付けられ、GI管の部分的または完全に密封されたセクションを形成して、消化物が保護凹部に入るのを最小限に抑えるまたは回避する。1つ以上の成形された組成物は、保護凹部内のGI管に曝露されるように、保持領域に配置することができる。
【0037】
図1A~
図1Fは、GI管を通過する(例えば体内の標的送達位置に向かって)間に様々な状態または段階を経て進む摂取可能なデバイス100の実施形態を示す。
【0038】
図1Aにおいて、摂取可能なデバイス100は、外殻110と送達機構102とを含む。外殻110は、送達機構102を包む(例えば封入する、取り囲む、または覆う)。
図1Aでは、外殻110は、送達機構102を曝露させるための摂取可能なデバイス100の長さに沿った断面図に示されている。
【0039】
1つ以上の実施形態では、外殻110は、GI管の様々な部分に沿って消化物の様々な予想される特性に反応する材料組成を有する1つ以上の層を含むことができ、その結果、外殻110は、摂取可能なデバイス100に入る消化物に対する流体バリアを維持しながら、摂取後にGI管の部分を通過して存続することができ、その後流体バリアは送達位置で(例えば標的送達位置またはその近くで)損なわれる。例えば、外殻110は、外殻110が胃の中に存在することが予想される期間にわたって流体バリアを提供するように構造化することができる。別の例では、外殻110は、摂取可能なデバイス100がしばらくの間留置されると予想される下部胃領域に関連するpH値での分解に耐え(例えば、外殻110構造は1.5~3.5の範囲のpH値での分解に耐える腸溶コーティングを含む)、その後小腸に関連するpH値(例えばpH>7)で分解するように構造化することができる。
【0040】
1つ以上の実施形態では、外殻110の層はカプセルであり、送達機構102はカプセルの内側に配置され、外殻110は、任意でカプセルの上に1つ以上の層をさらに含む。
【0041】
1つ以上の実施形態では、摂取可能なデバイス100はカプセルを含まない。例えば、外殻110は、物質を送達機構102上に噴霧もしくは滴下して外殻110の1つ以上の層を形成するか、または送達機構102を物質中に浸漬して外殻110の1つ以上の層を形成することなどによって、送達機構102上に直接配置することができる。外殻110の実施形態を
図2に関して以下に示し、説明する。
【0042】
さらに
図1Aを参照すると、送達機構102は、ヘッド領域122、テール領域124、および保持領域130を有する拡張可能なエンクロージャ120を含むことができる。「ヘッド」および「テール」という名称は、説明の便宜上使用され、摂取可能なデバイス100がGI管を通過する間の摂取可能なデバイス100の向きを必ずしも表すものではない。
【0043】
送達機構102は、複数のセクションに分割することができる。
図1Aの図において、係合した分離壁140は、拡張可能なエンクロージャ120を容積セクション170と容積セクション172に分割する。分離壁140は、拡張可能なエンクロージャ120を閉じるように係合する任意の構造に対応することができる。1つ以上の実施形態では、容積セクション170は第1の化学反応物を含み、容積セクション172は第2の化学反応物を含む;分離壁140は、分離壁140が係合している間、第1の化学反応物と第2の化学反応物との混合を最小限に抑えるかまたは防止し、分離壁140が解放されると(例えば分解の結果として)、第1の化学反応物と第2の化学反応物は混合して所望の膨張作用を生じさせる。例えば、分離壁140の解放は、重炭酸カリウムとクエン酸が混合してガスを形成することを可能にし、それによって所望の膨張作用を生じさせることができる。送達機構102は、1つの分離壁140を含むものとして
図1Aに示されているが、拡張可能なエンクロージャ120を複数の容積セクション170、172および1つ以上の他の容積セクションに分割する分離壁140を含む複数の分離壁が存在し得る。
【0044】
送達機構102は、拡張可能なエンクロージャ120の開口部を閉じる(例えば締め付ける、塞ぐ、または密封する)ための1つ以上の機構を含むことができ、それによって拡張可能なエンクロージャ120の内部と拡張可能なエンクロージャ120の外部との間に流体バリアを提供することができる。
図1A~
図1Eの図では、シール150が、テール領域124内の拡張可能なエンクロージャ120の開口部を閉じている。シール150と係合する前に、拡張可能なエンクロージャ120の開口部151は、拡張可能なエンクロージャ120の内部領域へのアクセスを提供することができ、その結果、送達機構102の組み立て中に、拡張可能なエンクロージャ120は拡張機構(例えば、混合されたときに拡張可能なエンクロージャ120の所望の拡張作用を生じさせる第1および第2の化学反応物)を受け入れることができる。次に、係合後のシール150は、拡張可能なエンクロージャ120の内容物(例えば容積セクション172の内容物)を保持する。摂取後、シール150は、拡張可能なエンクロージャ120の内容物(例えばガス)が開口部151から漏れ出ることを可能にするために標的送達位置で解放される(例えば分解することによって)ように構造化することができる。
【0045】
シール150は、説明の便宜上拡張可能なエンクロージャ120の末端で開口部151を閉じるように示されているが、開口部は、拡張可能なエンクロージャ120の任意の部分に構造化することができ、シール150などの機構によって閉鎖され得ることが理解されるべきであり、複数の開口部がそれぞれシール150などのシールによって閉鎖され得る。
【0046】
分離壁140およびシール150の設計係合時間は、構造によって達成することができる。本明細書における係合時間は、それぞれの分離壁140またはシール150が係合したままであり、送達位置での条件に曝露された後、それぞれの障壁またはシールを維持する期間を指す。設計係合時間は、標的送達位置での予想される係合時間である。係合時間の設計には、構造的側面の設計と材料(1つまたは複数)の選択が含まれる。例えば、設計された係合時間は、構造の設計寸法を変更することによって、および/または構造の部分の互いに対する相対的な寸法を変更することによって調整することができる。別の例では、設計された係合時間は、材料の厚さを変更することによって、異なる材料を選択することによって、および/または材料の異なる組合せを使用することによって調整することができる。標的送達位置で予想される環境条件に曝露された場合の公知のまたは予測される分解特性に基づいて、1つ以上の材料を選択することができる。
【0047】
1つ以上の実施形態では、シール150は、分離壁140の係合時間よりも長い標的送達位置での係合時間に合わせて構造化される。例えば、分離壁140の係合時間は、5分以下(例えば約1分、1分から5分の範囲、5秒超など)であり得、シール150の係合時間は、30分以下(例えば5分超、1分から10分の範囲、1分超、10分から20分の範囲など)であり得る。
【0048】
摂取可能なデバイス100は、1つ以上の保持領域に配置された1つ以上の成形された組成物を含むことができる。考察の便宜上、単一の保持領域130における単一の成形された組成物160が
図1A~1Dに示されている;成形された組成物160への言及は、別段の指定がない限り、実施形態の複数の成形された組成物160のそれぞれに適用されることが理解されるべきである。
【0049】
成形された組成物160は、保持領域130における成形された組成物160の位置付けを維持するために、拡張可能なエンクロージャ120に取り付けることができる。1つ以上の実施形態では、成形された組成物160は、糖、マルトース、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、または他の生分解性材料の1つ以上を含む材料を使用して拡張可能なエンクロージャ120に取り付けられる。1つ以上の実施形態では、成形された組成物160は、非生分解性材料を使用して拡張可能なエンクロージャ120に取り付けられる。
【0050】
成形された組成物160は、複数の層を含むことができる。以下でより詳細に説明するように、1つ以上の実施形態では、成形された組成物160は、早期分解(例えば標的送達位置での意図された分解の前)に耐えるための1つ以上の層を含むことができる。
【0051】
ここで、摂取可能なデバイス100の1つ以上の実施形態によって送達され得る治療用製剤に関する考察を提供する。治療用製剤は、1つ以上の治療薬を含むことができ、成形された組成物160は、1つ以上の治療用製剤を含むことができる。治療薬は、送達位置で放出されたとき、身体に治療的または他の生物学的利益を与え得る。治療薬は、身体の疾患または他の状態を治療するための薬理学的に活性な物質、ワクチン、細胞(例えば生物によってもしくは生物から産生されるか、または生物の成分を含む)、ビタミン、ミネラルまたは別の栄養もしくはハーブサプリメント、またはDNAもしくはSiRNA転写物(例えば遺伝的異常、状態、または障害を修正するための)などの様々な物質のいずれかであり得る。
【0052】
薬理学的に活性な物質の例には、ペプチド、タンパク質、免疫グロブリン(例えば抗体)、大分子、小分子、ホルモン、ならびに前記のいずれかの生物学的に活性な変異体および誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
治療薬は、免疫グロブリンG(例えばアダリムマブなどのTNF-α抗体、ブロダルマブ、セクキヌマブ、またはイキセキズマブなどのインターロイキンのIL-17ファミリーのインターロイキン)、抗好酸球抗体、または他の任意のクラスなどの抗体のクラスであり得、ヒト化されていてもヒト化されていなくてもよい。
【0054】
ビタミン、ミネラル、または他の栄養もしくはハーブサプリメントの例には、ビタミンA、チアミン、ナイアシン、リボフラビン、ビタミンB6、ビタミンB12、他のBビタミン、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、リン、鉄、カルシウム、およびマグネシウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
細胞の例には、幹細胞、赤血球、白血球、ニューロン、および他の生細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
ワクチンの例には、様々な細菌およびウイルスまたはそれらのタンパク質(例えばインフルエンザ、髄膜炎、ヒトパピローマウイルス(HPV)、または水痘)に対するワクチンが含まれるが、これらに限定されない。ウイルスに対するワクチンの様々な実施形態では、ワクチンは様々な弱毒化ウイルスに対応することができる。
【0057】
治療用製剤はまた、成形された組成物160の実施形態に含まれる1つ以上の治療薬に適切な媒体を提供するために(例えば製造を助けるために)、または1つ以上の他の治療薬の完全性を維持するために(例えば製造中、保存中、もしくは摂取後に体内で分散する前)、1つ以上の賦形剤を含むことができる。
【0058】
賦形剤の例には、結合剤、崩壊剤および超崩壊剤、緩衝剤、抗酸化剤、ならびに防腐剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0059】
上記のように、各治療用製剤は、1つ以上の治療薬を含むことができ、成形された組成物160は、1つ以上の治療用製剤を含むことができる。したがって、成形された組成物160の実施形態は、1つの治療薬または複数の治療薬を含むことができる。
【0060】
ここで、摂取可能なデバイス100の1つ以上の実施形態によって送達され得る増強製剤に関する考察を提供する。増強製剤は、1つ以上の送達増強剤を含むことができ、成形された組成物160は、1つ以上の増強製剤を含むことができる。送達増強剤は、例えば、1つ以上の治療薬を送達するための送達媒体として機能することができるか、または1つ以上の治療薬の体内への吸収を改善するのに役立つことができる(例えば透過促進剤、酵素阻害剤、粘膜を通して浸透するペプチド、プロテアーゼ阻害剤などの抗ウイルス薬、崩壊剤もしくは超崩壊剤、またはpH調整剤。)1つ以上の実施形態では、送達増強剤は、腸の上皮をプライミングして(例えば細胞の外層を流動化して)、送達位置またはその近くに送達されたときに、成形された組成物160に含まれる1つ以上の他の治療薬の吸収および/またはバイオアベイラビリティを改善する。
【0061】
送達増強剤の例には、界面活性剤、胆汁酸塩、脂肪酸、キレート剤、キトサン、および前記のいずれかの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。送達増強剤の具体的な例には、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリソルビタート、グリコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、ジヒドロフシジン酸ナトリウム、グリコジヒドロフシジン酸ナトリウム、オレイン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ノニルフェノキシポリオキシエチレン、TWEEN(登録商標)80、中鎖脂肪酸ベースのカプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、8-(N-2-ヒドロキシ-5-クロロベンゾイル)-アミノカプリル酸(5-CNAC)、ナトリウムN-[8-(2-ヒドロキシルベンゾイル)アミノ]カプリラート(SNAC)、オメガ3脂肪酸アシルカルニチン、アシルコリン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、サリチラート、N-スルファント-N,O-カルボキシメチルキトサン、N-トリメチル化クロリド、グルタミン酸キトサン、アルキルグリコシド、脂質ポリマー、閉鎖帯毒素、ポリカルボフィル-システインコンジュゲート、および前記のいずれかの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
増強製剤は、増強製剤の実施形態に含まれる1つ以上の送達増強剤に適切な媒体を提供するために(例えば製造を助けるために)、または増強製剤の実施形態に含まれる1つ以上の送達増強剤の完全性を維持するために(例えば製造中、保存中、または摂取後に体内で分散する前)含まれる賦形剤をさらに含むことができる。賦形剤は上記に記載されている。
【0063】
1つ以上の実施形態では、治療用製剤および/または増強製剤は、例えばl-アルギニン、シルデナフィル、またはニトラート(例えばニトログリセリン)などの1つ以上の血管拡張剤を含むことができる。
【0064】
上記のように、各増強製剤は、1つ以上の送達増強剤を含むことができ、成形された組成物160は、1つ以上の増強製剤を含むことができる。したがって、成形された組成物160の実施形態は、1つの送達増強剤または複数の送達増強剤を含むことができる。
【0065】
要約すると、成形された組成物160は、以下を含むことができる:上記の例から任意の組合せで選択されるような任意の1つ以上の治療薬;上記の例から任意の組合せで選択されるような任意の1つ以上の送達増強剤;1つ以上の治療薬を含む任意の1つ以上の治療用製剤;1つ以上の送達増強剤を含む任意の1つ以上の増強製剤;治療薬と送達増強剤を組み合わせた任意の1つ以上の製剤;1つ以上の賦形剤;または前記のいずれかの任意の組合せ。
【0066】
図1Aの説明に戻ると、摂取可能なデバイス100は、任意で、流体が外殻110を破壊して送達機構102に到達したときを検出する機能、および/または拡張可能なエンクロージャ120が拡張したときを検出する機能を含む。例えば、1つ以上の実施形態では、電子回路は、流体を検出するか、または拡張可能なエンクロージャ120の拡張を検出し、摂取可能なデバイス100内またはデバイス100上のアンテナを介して、摂取可能なデバイス100の外部のデバイスに対応する信号を無線で送信する。そのような外部デバイスは、体内に埋め込まれた電子デバイスであり得るか、または身体の外部のデバイスであり得る。例えば、電子回路は、信号を埋め込まれたデバイスに送信することができ、埋め込まれたデバイスは情報を身体の外部のデバイスに中継し得るか、または後で身体の外部のデバイスにダウンロードするために信号に関する情報(例えばタイムスタンプ、信号識別子、信号の強度、摂取可能なデバイス100の識別子、および他の関連情報)を格納し得る。別の例として、電子回路は、身体の外部のデバイスに直接信号を送信し得る。身体の外部に直接的または間接的に送信された情報は、身体の外部のデバイスで受信され、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)での表示のために調整され得る。例えば、情報は、対象または介護者または医師による閲覧などのために、外部デバイスのGUIに表示され得る。流体の進入および/または拡張可能なエンクロージャ120の拡張を検出し、信号伝達することによって、摂取可能なデバイス100が身体を通って進むときに、外殻110および/または拡張可能なエンクロージャ120の状態を監視し得る。
【0067】
流体を検出するための電子回路の一例は、2つの電極間に存在する流体が変化(例えば抵抗、静電容量、インダクタンス、インピーダンス、またはリアクタンスの変化)を引き起こすように互いに近接して配置された2つの電極を含み、この変化は、電子回路の他の構成要素によって検出可能である。流体を検出するための電子回路の別の例は、分解性材料が流体に曝露されると分解し、2つの接点が接触することを可能にし、それによって電気回路を完成させるように、分解性材料によって分離された2つの接点を含み、この完成は、電子回路の他の構成要素によって検出可能である。
【0068】
拡張可能なエンクロージャ120の拡張を検出するための電子回路の一例は、拡張可能なエンクロージャ120が拡張すると、拡張可能なエンクロージャ120の一部に沿って伸びる薄い導体が壊れ、したがって回路が壊れるように、拡張可能なエンクロージャ120の一部に沿って伸びる薄い導体を含み、この破壊は、電子回路の他の構成要素によって検出可能である。拡張可能なエンクロージャ120の拡張を検出するための電子回路の別の例は、拡張前に、製造時に外殻110内に配置される拡張可能なエンクロージャ120の折り畳みによって、流体検出器が拡張可能なエンクロージャ120によって覆われ、保護されるように、拡張可能なエンクロージャ120上に配置された流体検出器を含む;拡張可能なエンクロージャ120が拡張すると、流体検出器は、外殻110を破壊した流体に曝露される。拡張可能なエンクロージャ120の拡張を検出するための電子回路のさらに別の例は、分離壁140の部分の間に(例えば
図5Bの実施形態における第1の分離壁部分542と第2の分離壁部分544との間に)配置された流体検出器を含み、分離壁140の部分的または完全な分解後に流体検出器が流体に曝露され、拡張可能なエンクロージャ120の拡張が開始されたか、またはまもなく開始されることを示す。
【0069】
図1Aには、電子回路の配置の2つの例が提供されている。容易に明らかなように、電子回路の配置は、摂取可能なデバイス100内の他の多くの位置であり得る。配置は、例えば、製造の容易さ、摂取可能なデバイス100の動作への干渉の回避、検出器の種類、および/または検出されるべき事象に基づいて決定され得る。
図1Aには、流体を検出するために、および/または拡張可能なエンクロージャ180の拡張を検出するために、拡張可能なエンクロージャ180上に配置された電子回路180の例が示されている。アンテナ181は、電子回路180に電気的に接続されている。アンテナ181は、拡張可能なエンクロージャ120が拡張するときに破損することなく伸長できるように(例えば、その限界でほぼ直線まで伸長することができる、図示されている弧状シーケンスで)、拡張可能なエンクロージャ180上に配置される。また
図1Aには、流体の進入を検出するために外殻110の内層または内面に配置された電子回路185の例が示されている。アンテナ186は、電子回路185に電気的に接続されている。アンテナ186は、例えば直線アンテナ、マルチアームアンテナ、またはコイルアンテナである。アンテナ186は、外殻110の内層もしくは内面上、または外殻110の層の間に配置し得る。
【0070】
ここで、GI管を通って体内の送達位置(例えば標的送達位置)へ継続的に移動する間に様々な状態または段階を経る摂取可能なデバイス100の進行を示す、
図1B~
図1Fに関する考察を続ける。
【0071】
図1Bは、外殻110がもはや消化物に対するバリアを提供しない状態の摂取可能なデバイス100を示す。したがって、この状態では、外殻110は、摂取可能なデバイス100の残りの構成要素を消化物に曝露する。分離壁140、シール150、および成形された組成物160は、以下に論じるように、そのような曝露時に分解を開始するように、またはそのような曝露後のそれぞれの設計された時間量の間(例えばそれぞれの分解速度で)分解に耐えるように構造化することができる。
【0072】
1つ以上の実施形態では、製造中に摂取可能なデバイス100内に配置された拡張可能なエンクロージャ120の部分は、成形された組成物160上に折り畳まれるか、さもなければ成形された組成物160を保護することができる。例えば、成形された組成物160を保護することは、拡張可能なエンクロージャ120が拡張するまで成形された組成物160の分解を防止し得るまたは遅らせ得る。
【0073】
図1Cに示す実施形態では、分離壁140は、分離壁140がもはやヘッド領域122とテール領域124を分割するように作用しないように解放されている(例えば消化物への曝露による分解の結果として)。したがって、拡張機構が化学反応によって実施される実施形態では、ヘッド領域122およびテール領域124内に含まれる化学反応物が混合し、化学的に反応して、ガス(例えば二酸化炭素を含む)を生成する溶液(例えば発泡性溶液)を生成する。
【0074】
図1Dに示す実施形態では、化学反応によって生成されたガスは、拡張可能なエンクロージャ120を拡張させる。拡張可能なエンクロージャ120がX軸に沿って整列していると見なされる場合(例えば
図1A~
図1Fに示すように)、拡張可能なエンクロージャ120の拡張(例えば
図1Dおよび
図1E)は、X軸に対して垂直(X-Y-Z空間内のY-Z方向)および/またはX軸に沿ってであり得る。
【0075】
図1Dに示すように、拡張された拡張可能なエンクロージャ120の異なる領域は、異なる断面積、異なる円周、X軸に垂直な異なる直径、またはX軸に垂直な異なる半径などの異なる寸法を有することができる。1つ以上の実施形態では、拡張された拡張可能なエンクロージャ120は、三次元的に見たとき、重量挙げ選手のダンベルまたはバーベルを連想させる。
【0076】
1つ以上の実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120の材料は、拡張中に伸長し、伸長の量は、結果として生じる所望の形状を達成するために拡張可能なエンクロージャ120の異なる部分で制御される。そのような実施形態の例を、
図4A~
図4Cに関して示し、説明する。他の実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は耐伸縮性材料から形成され、拡張可能なエンクロージャ120は、製造中に所望の形状に形成され、形状は、拡張の前後で形状が同様であるように大部分が保持される。なおさらなる実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は伸縮性材料から形成され、拡張後の拡張可能なエンクロージャ120の形状は、拡張前の拡張可能なエンクロージャ120の形状を連想させるが、材料の伸長によって形状は変更される。
【0077】
1つ以上の実施形態では、ヘッド領域122およびテール領域124の少なくとも一方は、拡張してGI管内の表面に接触し、拡張可能なエンクロージャ120を送達位置(例えば標的送達位置またはその近く)に一時的に固定する。ヘッド領域122および/またはテール領域124は、表面を圧迫し、固定を改善するため、および/または消化物の流れが通過するのを防止または最少化し、それによって治療用組成物160を保護するバリアを提供するために、接触した表面を拡張させ得る。
【0078】
1つ以上の実施形態では、GI管内の三次元表面の一部を表す点線125によって
図1Dに示すように、ヘッド領域122およびテール領域124の両方が拡張してGI管内の表面に接触する。このようにして、拡張可能なエンクロージャ120は、拡張されたときに、GI管内の表面によってインサイチュで境界付けられる、拡張されたヘッド領域122と拡張されたテール領域124との間に保護凹部を形成する。保護凹部は、保持領域130の周囲の容積などの、ヘッド領域122とテール領域124との間の拡張可能なエンクロージャ120の周囲の容積である。例えば、拡張可能なエンクロージャ120がインサイチュで拡張され、
図1Dに示すようにX軸に沿って整列する場合、容積は、保持領域130に沿って拡張可能なエンクロージャ120の外部から始まり、X-Y-Z空間でY-Z方向に外側に拡張することができる。次に、保護凹部はインサイチュで、拡張可能なエンクロージャ120のヘッド領域122、テール領域124、保持領域130、および保持領域130の反対側のGI管の表面によって境界付けられる。例えば、
図1Dは、保護容積を規定する点線125によって表される表面によって境界付けられた保護凹部135を示す。保護凹部135内の成形された組成物160は、GI管の表面を介した成形された組成物160中の治療薬(1つまたは複数)の輸送を達成するのに十分な時間保護され得る。例えば、拡張可能なエンクロージャ120が空腸内で拡張された場合、成形された組成物160中の治療薬(1つまたは複数)は、空腸の内壁を介した治療薬(1つまたは複数)の輸送を達成するのに十分な時間保護されて、空腸壁の血管新生領域(および腹膜内の潜在的に血管新生された領域または腹膜腔内のリンパ管を含む腹膜内領域)に到達し得る。
【0079】
図1Eに示す実施形態では、成形された組成物160は分解している。シール150は、係合時間の間、拡張可能なエンクロージャ120の内部と拡張可能なエンクロージャ120の外部との間に流体バリアを提供し続ける。したがって、1つ以上の実施形態では、シール150は、化学反応によって生成されたガスが拡張可能なエンクロージャ120から漏れ出るのを防ぐことによって、拡張可能なエンクロージャ120内の圧力を維持する。さらに、シール150の分解速度は、成形された組成物160が分解するまでの期間、およびその後成形された組成物160から放出された治療薬および/または送達増強剤がそれらの所望の機能を実行することを可能にするための時間、シール150がその完全性を維持し、ひいては拡張可能なエンクロージャ120をその拡張状態に維持するのに十分なだけ分解に耐えるように設計することができる。
【0080】
図1Fに示す実施形態では、シール150は、化学反応から生成されたガスが拡張可能なエンクロージャ120の内部から体内に漏れ出ることを可能にするために解放されて(例えば消化物への曝露による分解の結果として)示されている。このように、拡張可能なエンクロージャ120は収縮し、身体を通過し続ける。
【0081】
図2は、摂取可能なデバイス100の外殻210(
図1Aの外殻110の実施形態)の例を示す。外殻210は、外殻210の長さに沿った断面で示されている。
図2の点線で示されているのは、外殻210内に配置された送達デバイス102の実施形態を表す輪郭である(例えば折り畳み、圧延、ねじりなどの後)。
【0082】
1つ以上の実施形態では、外殻210は、
図2に示す複数の層などの複数の層を含むように構造化することができる。外殻210の層は例示として提示されており、より多いまたはより少ない層を、外殻110の他の実施形態に設計することができる。
【0083】
1つ以上の実施形態では、摂取可能なデバイス100は、経口摂取されるように構造化することができる。そのような実施形態によれば、外殻210は、嚥下性を改善するために最外層212を含むことができる(例えば潤滑性コーティング)。さらに、最外層212は、処方された治療レジメンの順守を促進するように、または摂取可能なデバイス100の経口摂取に関連する感覚(例えば味または匂い)を組み込むことなどによって、摂取可能なデバイス100の摂取(例えば子供による)を阻止するように構造化することができる。摂取後、最外層212は、もはや有用でないまたは望ましくない可能性があり、したがって、摂取後に急速に分解するように構造化され得る。
【0084】
1つ以上の実施形態では、摂取可能なデバイス100は、治療薬をGI管の腸に送達することができる。したがって、外殻210は、GI管を通って標的送達位置に(例えば空腸におよび空腸内に)移動するように構造化およびサイズ指定することができる。
【0085】
外殻210は、消化物に対する流体バリアを提供し、身体の特定の領域の消化物への曝露による外殻210の分解を防止する(または分解を最小限に抑えるもしくは遅延させる)保護層214を含むことができる。1つ以上の実施形態では、治療薬の送達のための標的送達位置は、小腸内である。そのような実施形態では、保護層214は、胃を通過しても存続するように構造化することができる(例えば、保護層214は腸溶コーティングである)。例えば、保護層214は、胃下部について予想されるpH(例えばpH<7、またはpH<6.5)に対して保護的であるように化学的に構造化することができるが、小腸について予想されるpH(例えばpH≧7、または6.5<pH<7.5)では分解し、摂取可能なデバイス100が胃を通過した後、保護層214は、小腸において分解し始めるか、または加速された速度で分解する。そのような実施形態に対する追加または代替として、保護層214は、保護層214の予想される分解速度を考慮して、摂取可能なデバイス100が胃に存在する予想期間中存続するための厚さで構造化することができる。
【0086】
外殻210は、標的送達位置またはその近くの条件に曝露されたときに分解を開始するように構造化された最内層216をさらに含むことができる。例えば、保護層214によって提供される流体バリアは、摂取可能なデバイス100が小腸の十二指腸に入った後すぐに損なわれるように構造化することができ、一方、最内層216は、摂取可能なデバイス100が空腸に到達し得るように、小腸での消化物への曝露後一定の期間をかけて分解するように構造化することができる。1つ以上の実施形態では、最内層216は、カプセル(例えばサイズ000以下のカプセル)、または消化物への曝露後のカプセルの分解を遅らせるかまたは緩やかにするようにコーティングされたカプセルである。他の実施形態では、最内層216は、送達機構102上に塗布されたコーティングである。
【0087】
外殻210の層は、摂取可能なデバイス100が特定の標的送達位置(例えば胃、十二指腸、空腸、腸骨、または結腸)に移動し、治療用組成物(1つまたは複数)160を標的送達位置またはその近くに送達するために選択および構造化される。
【0088】
1つ以上の実施形態では、外殻210は、外殻210を制御された方法で分解させることができる1つ以上の構造機構を含むことができる。例えば、外殻210の構造は、外殻210の特定の領域に、外殻210の分解を促進するための部分的に保護層214を通って伸びる1つ以上の切れ目218(例えば切断線もしくはピンホール)、ならびに/または外殻210の特定の領域に、外殻210の分解を抑制するように配置された1つ以上の制御セグメント220(保護層214の領域をカバーする制御セグメント220a、最内層216の領域をカバーする制御セグメント220b、および最外層212の領域をカバーする制御セグメント220cとして示される実施形態)を含むことができる。制御セグメント220に使用される材料の一例はワックスである。
【0089】
例えば、保護層214の設計厚さは均一であり得るが、製造されたときの保護層214の実際の厚さは均一ではない可能性があり、その結果、製造された外殻210の特定の領域で保護層214がより厚くなる傾向がある。そのような摂取可能なデバイス100の場合、保護層214のより厚い領域での分解を促進するために、1つ以上の切れ目218を外殻210の設計に組み込むことができ、および/または保護層214のより薄い領域での分解を抑制するために、1つ以上の制御セグメント220を外殻210の設計に組み込むことができる。
【0090】
別の例では、外殻210の分解によって送達機構102が消化物に曝露されたときに、拡張可能なエンクロージャ120の拡張が、外殻210の一部が拡張を妨げる(例えば外殻210が完全に分解する前に)ことなく進行できるように、外殻210が特定の方法で分解することが望ましい場合がある。そのような摂取可能なデバイス100の1つ以上の実施形態では、外殻210の分解シーケンスを規定するために、1つ以上の切れ目218および/または1つ以上の制御セグメント220を外殻210に組み込むことができる。そのような分解シーケンスの1つは、外殻210の中央部分での分解、および外殻210の端部での遅延または抑制された分解であり、その結果、外殻210の中央部分の分解は拡張可能なエンクロージャ120の拡張の前に進行し、拡張可能なエンクロージャ120の拡張は、外殻210の無傷の部分または半無傷の部分を拡張可能なエンクロージャ120から離れる方向に(例えばX軸に沿って)押す。成形された組成物160中の薬剤の放出中に、1つ以上の無傷の制御セグメント220が拡張可能なエンクロージャ120によって形成された保護凹部内に残るのを回避することが望ましい場合がある;そのような実施形態では、制御セグメント220は、保護層214よりも緩やかな速度で分解するが、依然として設計時間内に分解する材料で構造化することができる。
【0091】
1つ以上の実施形態では、最外層212、保護層214、またはさらなる層(示していない)は、外殻210を不透明にする物質(例えば不透明化剤)を組み込むことができる。他の所望の設計特性を達成するために、さらなる層(示していない)またはさらなる物質を外殻210に組み込むことができる。さらに、1つ以上の層を省いてもよい。
【0092】
層212、214、216の互いに対する、および摂取可能なデバイス100の他の特徴に関する相対的寸法は、
図2に示されているのとは異なるものであり得、切れ目218および/または制御セグメント220の互いに対する、および摂取可能なデバイス100の他の特徴に関する相対的寸法および位置付けは、
図2に示されているのとは異なるものであり得る。
【0093】
図3A~
図3Gは、拡張状態の拡張可能なエンクロージャ120の実施形態を示す。拡張可能なエンクロージャ120では、天然ポリマー、合成ポリマー、無機ポリマー、有機ポリマー、シリコーン、または前記の組合せなどの様々な材料を使用することができる。天然ポリマーの例には、デンプン、アルギン酸ナトリウム、樹脂、ヒアルロン酸ナトリウム、キサンタンガム、ゼラチン、ジェランガム、グアーガム、コラーゲン、キトサン、セルロース、ゴム、およびアルブミンが含まれるが、これらに限定されない。合成ポリマーの例には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、カルボマー、ヒアルロン酸ナトリウム、キトサン、シクロデキストリン、ポリガラクツロン酸、ナイロン、ポリウレタン、キシログルカン、キサンタンガム、ジェランガム、ポリオルトエステル、ヒドロキシルエチルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が含まれるが、これらに限定されない。
【0094】
1つ以上の実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は、拡張可能なエンクロージャ120に所望の特性を与えるために複数の層で構築することができる。例えば、メッシュ(例えば金属またはポリマーメッシュ)を、強度および伸長に対する抵抗性のために、拡張可能なエンクロージャ120の一部に層として組み込むことができ、一方、他の層は、例えば流体バリアを提供するためおよび/または拡張可能なエンクロージャ120の縁を一緒に密封することを可能にするために、メッシュと共にまたはメッシュの周りに組み込むことができる。
【0095】
拡張したときの拡張可能なエンクロージャ120の形状は、例えば、拡張可能なエンクロージャ120を作製するために使用される材料(1つもしくは複数)の鋳型の形状を設計することによって;選択された材料(1つまたは複数)が拡張時に伸長すると予想される量に基づいて、拡張可能なエンクロージャ120の異なる部分の材料を選択することによって;拡張可能なエンクロージャ120の異なる部分の材料(1つもしくは複数)の厚さを変化させて、互いに対する異なる部分の材料(1つもしくは複数)の伸縮を制御することによって;拡張可能なエンクロージャ120の領域内もしくはその周囲に収縮機構を組み込んで、そのような領域での拡張を抑制することによって;または他の技術によって;または前記の任意の組合せによって、設計することができる。したがって、拡張可能なエンクロージャ120で使用される材料(1つまたは複数)は、いくつかある特性の中でも特に、伸縮メトリックに基づいて選択することができる。1つ以上の実施形態では、材料の選択において企図される他の特性には、コンプライアンスメトリック、材料が耐えることができる圧力の量を説明するメトリック(例えば拡張可能なエンクロージャ120の拡張中もしくは拡張可能なエンクロージャ120が拡張された後の圧力による)、拡張可能なエンクロージャ120を形成するために材料をどのように密封することができるかを説明するメトリック、または材料のために望ましい他の特性が含まれ得る。
【0096】
1つ以上の実施形態では、拡張前の拡張可能なエンクロージャ120の一部の円周は、拡張後の拡張可能なエンクロージャ120のその部分の円周とほぼ同じである;他の実施形態では、拡張前の円周は、拡張によって増加する可能性がある。1つ以上の実施形態では、拡張前の拡張可能なエンクロージャ120の領域の長さは、拡張後の拡張可能なエンクロージャ120のその部分の長さとほぼ同じである;他の実施形態では、拡張前の長さは、拡張によって増加する可能性がある。
【0097】
図3Aの実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は、拡張されたとき、保持領域130がおおよその長さL1および不均一な高さ(例えば高さH1と高さH2の間の範囲の高さ)を有するように、設計によって構造化されている。
【0098】
図3Aの実施形態によって示されるように、拡張可能なエンクロージャ120は対称であり得、その結果、拡張可能なエンクロージャ120が拡張されたとき、ヘッド領域122の形状は、中心軸A-A’に対してテール領域124の形状を反映することができる;他の実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は、拡張の前および/または後に非対称であり得る。さらに、1つ以上の実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は、X軸の周りで対称または非対称であり得る。
【0099】
図3Bの実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は、ヘッド領域322とテール領域324との間におおよその長さL2を有する保持領域330を含む。
図3Bの保持領域330の長さL2は、
図3Aの保持領域130の長さL1よりも長い。保持領域330のより長い長さは、より多くの成形された組成物を配置することができるより大きな領域(例えば摂取可能なデバイス100あたりのより高い送達投与量のために)、またはより大きなサイズの成形された組成物(1つもしくは複数)、または成形された組成物(1つもしくは複数)に曝露される送達位置のより大きな表面積(例えば治療薬輸送の改善された速度または有効性のために)を提供することができる。
【0100】
1つ以上の他の実施形態では、保持領域330の設計長さを短縮して、拡張可能なエンクロージャ120のより多くの材料を、ヘッド領域322および/またはテール領域324でのX軸に沿った拡張および/またはY-Z方向の拡張に充てることができる(例えば、標的送達位置でのGI管の直径の範囲に対応するため、または消化物に対するバリアの改善のために標的送達位置でのGI管の内壁に対する拡張可能なエンクロージャ120の適合を改善するために)。
【0101】
図3Cの実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は、拡張時にヘッド領域332とテール領域334との間の保持領域340が均一な設計高さH3を有するように構造化されている。保持領域340の均一な高さは、いくつかある利点の中でも特に、該当する場合、組み立てプロセス中に成形された組成物を取り付けるかまたは固定するためのより安定した表面を提供することができる。
【0102】
図3Dの実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は、保持領域350の一部が、テール領域344の高さH5よりも小さいが、
図3Aに示されている実施形態の高さH1よりも大きい高さH4まで拡張するように構造化されている。このようにして、拡張可能なエンクロージャ120が
図1Aの実施形態に比べて拡張され、成形された組成物160を送達位置により近接させたとき、保持領域350は、送達位置(例えば小腸の壁)により近接することができ、これは、1つ以上の実施形態において成形された組成物160の送達を助けることができる。
【0103】
図3Eの実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は、拡張可能なエンクロージャ120が拡張されたとき、ヘッド領域352およびテール領域354が保持領域360の軸B-B’に対して非対称であるように構造化されている。1つ以上の実施形態では、さらにまたは代替的に、ヘッド領域352および/またはテール領域354は、X軸に対して非対称であり得る。
【0104】
図3Fの実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は、ヘッド領域362とテール領域364との間に中間領域366を含むように構造化されている。保持領域370は、ヘッド領域362と中間領域366との間に規定された保護凹部にあり、保持領域371は、中間領域366とテール領域364との間に規定された保護凹部にある。
【0105】
図3Gの実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は、ヘッド領域372、テール領域374、およびヘッド領域372とテール領域374との間に2つの中間領域376、378を含むように構造化されている。ヘッド領域372、2つの中間領域376、378、およびテール領域374は一緒になって、3つの保持領域380、381、382が位置する3つの保護凹部を規定する。
【0106】
複数の保持領域(例えば複数の保持領域370、371または複数の保持領域380、381、382)は、複数の治療薬の同時送達を提供することができる。例えば、第1の保持領域は、第1の治療薬を有する成形された組成物を含むことができ、第2の保持領域は、第2の治療薬を有する成形された組成物を含むことができる、等々。別の例では、異なる保持領域は、類似または異なる形態の同じ治療薬を含むことができる。複数の保持領域は、異なる保持領域に異なる分解速度を有する成形された組成物を提供することなどによって、段階的な投薬を提供することができる。複数の保持領域は、摂取可能なデバイス100内に含まれ得る成形された組成物の数を増加させることによって、成形された組成物のより高い投与量の送達を提供することができる。複数の保持領域は、異なる保持領域内の異なるタイプの成形された組成物、または異なる領域内の成形された組成物の異なる組合せの送達を提供することができる。
【0107】
複数(例えば複数の保持領域370、371または複数の保持領域380、381、382)は、GI管内の蠕動運動に応答して、GI管を通る送達デバイスの動きへの適応を提供することができる。例えば、第1の製剤は、送達位置(摂取可能なデバイス100が蠕動運動によって動かされるときのGI管の伸長であり得る)でGI管を準備するために第1の保持領域に配置され得、第2の製剤は、蠕動によって、その後送達位置に到達する第2の保持領域に配置され得、その結果、GI管は第1の製剤によって準備され得、治療薬は第2の製剤中で送達される。代替的にまたはさらに、複数の摂取可能なデバイス(例えば2つの摂取可能なデバイス100)が連続して摂取され得る。例えば、第1の摂取可能なデバイスは、第1の摂取可能なデバイスが蠕動によって動かされるときにGI管の第1の伸長に沿って第1の製剤を送達し、第2の摂取可能なデバイスは、第2の摂取可能なデバイスが蠕動によって動かされるときにGI管の第2の伸長に沿って第2の製剤を送達し、第2の伸長は第1の伸長と重なる。複数の摂取可能なデバイスを使用するそのような治療レジメンでは、摂取可能なデバイスのいずれかの製剤は、治療用製剤、増強製剤、または治療用製剤と増強製剤の組合せであり得る。
【0108】
図4Aおよび
図4Bは、拡張可能なエンクロージャ120で使用される材料が伸縮可能である場合に、拡張可能なエンクロージャ120の拡張された形状を制御するために使用できる技術の実施形態を示す。
【0109】
図4Aの実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は、異なる領域において異なる厚さで構造化されている。拡張可能なエンクロージャ120は、異なる厚さを見えるようにするために、拡張可能なエンクロージャ120の長さに沿った断面で示されている。セクションの厚みが増すと、そのセクションにより大きな剛性を生じさせ、したがって伸長に対するより大きな抵抗を引き起こし得る。
【0110】
図4Aでは、保持領域130は厚さT1を含む。保持領域130の厚さT1は、ヘッド領域122およびテール領域124の厚さT2よりも大きい。したがって、この実施形態における保持領域130のより厚い厚さは、保持領域130をヘッド領域122およびテール領域124よりも剛性にし、その結果、ヘッド領域122およびテール領域124は、拡張可能なエンクロージャ120の拡張中により伸長する。さらに、拡張可能なエンクロージャ120は、分離壁140またはその近くの厚さT3、およびシール150またはその近くの厚さT4を含むことができる。分離壁140および/またはシール150でまたはその近くでより厚い厚さを含むように拡張可能なエンクロージャ120を構造化することは、拡張中または拡張状態でそれぞれの分離壁140および/またはシール150において受けるひずみを制限するように作用することができる。
【0111】
1つ以上の実施形態では、材料は、拡張可能なエンクロージャ120の異なる横方向(X軸に沿った)部分でベース材料の周囲に添加することができ、添加された材料は、厚さまたは材料のそれぞれの伸縮特性によって剛性を追加する。1つ以上の実施形態では、異なる材料は、拡張可能なエンクロージャ120の異なる横方向部分に沿って拡張可能なエンクロージャ120を形成することができ、一緒に接合され(例えば接着剤、熱接合、または振動接合によって)、材料の1つ以上は、他の材料とは異なる厚さまたは異なる伸縮特性を有する。1つ以上の実施形態では、拡張は、拡張可能なエンクロージャ120に沿って単一の材料の厚さを変えることによって制御される。前記の2つ以上の組合せなどの他の実施形態も企図される。
【0112】
1つ以上の実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120の厚さは、例えば、射出成形金型の設計によって、または材料を拡張可能なエンクロージャ120に沿って所望の位置で所望の厚さまで浸漬、滴下、または噴霧することなどによる制御された方法で厚さを追加することによって、または前記の組合せによって変えることができる。
【0113】
上記で論じたように、材料の厚さによって拡張を制御することに加えて、またはその代わりに、所望する場合は、収縮構造を使用して拡張可能なエンクロージャ120の拡張を制限することができる。
【0114】
図4Bの実施形態では、送達機構102は、拡張可能なエンクロージャ120の拡張中に、ヘッド領域422およびテール領域424に関連する保持領域430の拡張を防止または制限するための収縮構造436を含み、分離壁140に隣接する(片側もしくは両側)および/または分離壁140の下にある収縮構造438、ならびにシール150に隣接する(片側もしくは両側)および/またはシール150の下にある収縮構造439をさらに含む。収縮構造436、438、または439は、人体を通過し、拡張可能なエンクロージャ120の拡張に対する抵抗性を提供することができる任意のタイプの合成または天然材料(例えばポリマー)から形成することができる。拡張可能なエンクロージャ120の拡張量は、いくつかの因子によって調節することができる。例えば、拡張可能なエンクロージャ120の拡張量は、拡張可能なエンクロージャ120に対する収縮構造436、438、または439のサイズ(例えば拡張可能なエンクロージャ120の外周に対するそれぞれの収縮構造436、438、または439の内周)、およびそれぞれの収縮構造436、438、439の機械的特性(例えば剛性)によって調節することができる。
図4Bの収縮構造436、収縮構造438、および収縮構造439は、それぞれ、
図4Aの厚さT1、厚さT3、および厚さT4と同じまたは同様の機能を実施することができる。
【0115】
1つ以上の実施形態では、収縮構造436、438、または439は、拡張可能なエンクロージャ120に取り付けるか、または固定することができる(例えば接着剤によって)。
【0116】
1つ以上の他の実施形態では、収縮構造(例えば収縮構造436、438、または439)は、拡張可能なエンクロージャ120を形成する材料内(または材料層の間)に埋め込まれる。
【0117】
1つ以上の実施形態では、収縮構造は、拡張可能なエンクロージャ120を取り囲む形状に構造化された、成形された組成物であり得る(例えば
図4Cの図および関連する考察参照)。そのような成形組成物収縮構造は、他の形態の成形された組成物に加えてまたはその代わりに使用することができる。
【0118】
複数の保持領域(例えば
図3Fの複数の保持領域370、371または
図3Gの複数の保持領域380、381、382)は、複数の成形組成物収縮構造、または1つ以上の他のタイプの修飾構造と組み合わせた1つ以上の成形組成物収縮構造を使用して形成され得、成形組成物収縮構造(1つまたは複数)は、他の形態の成形された組成物(例えば成形された組成物160、860、870、880、890、895または他の成形された組成物)に加えてまたはその代わりに使用され得る。
【0119】
図4Cは、一実施形態による、
図4Bの線C-C’によって示される平面に沿った拡張可能なエンクロージャ120の拡大断面図である。
図4Cに示す実施形態では、収縮構造436は、拡張可能なエンクロージャ120を取り囲む断面が環状の形状を有する。収縮構造436、438、または439の他の断面形状も企図される(例えば長方形の断面、または断面に複数の対称または非対称の側面を有する他の形状)。収縮構造は、その長さに沿って実質的に均一な断面形状および寸法を有し得るか、またはその長さに沿って変化する断面形状および/もしくは寸法を有し得る。
【0120】
1つ以上の実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120の一部または全部は、シートに沿って異なる材料および/または異なる厚さを有するシートとして製造される;次に、シートは反対側で接合され、任意でさらなる構成要素に接合されて、拡張可能なエンクロージャ120を形成する。他の実施形態では、材料は、材料の内部に中空領域が存在するように成形構造の周囲に配置され、材料は拡張可能なエンクロージャ120であり得るか、または材料はさらなる構成要素に接合されるかもしくは被覆されて、拡張可能なエンクロージャ120を形成することができる。なおさらなる実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120はチューブであり、チューブは、製造時に一端を閉じるか、製造中に密封するか、またはシール150などの機構によって閉じることができる。そのような実施形態では、例えば、送達デバイス102の製造は、チューブの長さを所望のサイズに切断し、任意でチューブの切断部分を一端で密封し、任意で拡張を制御するために材料の厚さまたは収縮構造を追加することによって開始することができる。
【0121】
ここで、考察は、
図1Aに関して導入された他の特徴の実施形態に戻る。
【0122】
図5Aは、
図1Aの送達機構102を示す。上記で論じたように、分離壁140は、拡張可能なエンクロージャ120の隣接する分割されたセクション間のバリアとして機能する。1つ以上の実施形態では、分離壁140は、拡張可能なエンクロージャ120の壁を締め付けるか、または一緒に圧縮して分割されたセクション間にシールを作り出すことによってバリアとして機能する。そのような分離壁140は、単一の分離壁本体または複数の分離壁部分を含むことができる。
【0123】
図5Bは、
図5Aの線D-D’によって示される平面に沿った分離壁140の実施形態の拡大断面図である。
図5Bの実施形態に示すように、分離壁140は、複数の分離壁部分、すなわち第1の分離壁部分542および第2の分離壁部分544を含む。第1の分離壁部分542および第2の分離壁部分544は、拡張可能なエンクロージャ120の外壁を締め付けるかまたは圧縮して拡張可能なエンクロージャの内壁を作製し、拡張可能なエンクロージャ120内の別個の領域の間にシールを形成するように、互いに対して寸法を調節することができ、配置可能であり得る。
【0124】
分離壁140は、消化物に曝露されると分解するように構造化することができる。摂取可能なデバイス100の摂取後であるが、外殻110が、消化物が外殻110の内部領域を破壊することを可能にするのに十分に分解する前には、分離壁140は、その完全性を維持し、別個の領域(例えば、該当する場合、化学反応物を含む)の間のシールを維持するように構造化される。外殻110が、消化物が外殻110の内部領域を破壊することを可能にするのに十分に分解した後、分離壁140を含む摂取可能なデバイス100の構成要素は消化物に曝露されるようになる。したがって、分離壁140は、消化物に曝露されると分解を開始することができる。
【0125】
分離壁140によって作られたシールは、分離壁140の1つ以上の構成要素が完全に分解する前に損なわれる可能性がある。例えば、分離壁140は弱くなる可能性があり、一旦弱くなると、分離壁の1つ以上の構成要素はもはやシールを維持することができず、拡張可能なエンクロージャ120内の1つ以上の化学反応物(例えば重炭酸カリウムおよびクエン酸)を混合させ、化学的に反応させて、拡張可能なエンクロージャ120内に溶液(例えば発泡性溶液)を生成し得る。
【0126】
図6Aは、シール150の実施形態を論じるための基礎として、
図1Aの送達機構102を再び示す。上記で論じたように、シール150は、拡張可能なエンクロージャ120内のガスが漏れ出るのを防止し、および/または消化物が拡張可能なエンクロージャ120の内部に入るのを防止するために、拡張可能なエンクロージャ120の内部と外部との間にバリアを提供する。シール150の実施形態は、クランプ構造(例えば
図6Bに示すような)およびプラグ構造(例えば
図7A~
図7Cに示すような)を含むが、これらに限定されない。シール150を送達機構102に組み込む前に、拡張可能なエンクロージャ120の開口部は、例えば内部領域に送達機構(例えば所望の拡張作用を生じさせる化学反応物)を供給するために、拡張可能なエンクロージャ120の内部領域へのアクセスを提供することができる。
【0127】
図6Bは、
図6Aの線E-E’によって示される平面に沿ったシール150の実施形態の拡大断面図である。
図6Bに示す実施形態では、シール150は、拡張可能なエンクロージャ120の外壁を締め付けるか、または圧縮して、拡張可能なエンクロージャ120の内壁に、拡張可能なエンクロージャ120の開口部またはその近くでシールを形成させることによってバリアを提供する。
【0128】
図6Bの実施形態に示すように、シール150は、複数のシール部分、すなわち、第1のシール部分652および第2のシール部分654を含む。第1のシール部分652および第2のシール部分654は、拡張可能なエンクロージャ120の外壁を締め付けるか、または圧縮して、拡張可能なエンクロージャ120の内壁が、拡張可能なエンクロージャ120の開口部またはその近くに拡張可能なエンクロージャ120の内部と外部との間のバリアを提供するように、互いに対して寸法を調節することができ、配置可能であり得る。
【0129】
シール150は、消化物に曝露されると分解するように構造化することができる。摂取可能なデバイス100の摂取後であるが、外殻110が、消化物が外殻110の内部領域を破壊することを可能にするのに十分に分解する前には、シール150は、その完全性を維持し、拡張可能なエンクロージャ120の内部と外部との間のバリアを維持するように構造化される。外殻110が、消化物が外殻110の内部領域を破壊することを可能にするのに十分に分解した後、シール150を含む摂取可能なデバイスの構成要素は消化物に曝露されるようになる。したがって、シール150は、消化物に曝露されると分解し始め得る。
【0130】
シール150の分解速度は、分離壁140の分解速度よりも遅くすることができる。1つ以上の実施形態では、シール150と分離壁140との分解速度の差は、所望の結果を達成するように選択的に構造化することができる。例えば、1つ以上の実施形態では、分離壁140が最初に解放され(例えば分解の結果として)、その結果、分離壁140によって分離された化学反応物が会合して化学的に反応することができ、その後シール150が解放されて(例えば分解の結果として)、拡張可能なエンクロージャ120からガスを放出することができる。成形された組成物160内の治療薬(1つまたは複数)の送達を容易にするために拡張可能なエンクロージャ120の拡張状態を延長するために、シール150は、分離壁140の完全性が損なわれた後、および成形された組成物160が分解した後の一定期間、拡張可能なエンクロージャ120内の圧力を維持するように構造化することができる。
【0131】
シール150によって作られたシールは、シール150の1つ以上の構成要素が完全に分解する前に損なわれる可能性がある。例えば、シール150は弱くなる可能性があり、一旦弱くなると、シール150の1つ以上の構成要素はもはや拡張可能なエンクロージャ120の内部と外部との間のバリアを維持するのに十分なだけ係合しなくなる可能性があり、1つ以上の実施形態では、化学反応の副産物(例えばガス)が拡張可能なエンクロージャ120の開口部から放出されることを可能にし、それによって拡張可能なエンクロージャ120を収縮させる。
【0132】
図6Cは、拡張可能なエンクロージャ120内の複数のそれぞれの開口部を閉じる複数のシールを備えた送達機構102の実施形態を示す。
図6Cに示す実施形態では、シール150は、テール領域624に位置する拡張可能なエンクロージャ120の端部で開口部151を閉じて、容積セクション670を形成し、シール660は、ヘッド領域622に位置する拡張可能なエンクロージャ120の開口部661を閉じて、容積セクション672を形成する。
【0133】
図7A、
図7B、および
図7Cは、拡張可能なエンクロージャ120と共に使用するための、それぞれプラグ700、プラグ710、およびプラグ720の形態のシール150の様々な実施形態を断面図で示す。
【0134】
図7Aの実施形態では、プラグ700は、拡張可能なエンクロージャ120の開口部に挿入され、圧縮フィットによって所定の位置に保持される。
図7Bの実施形態では、プラグ710は、プラグ710の円周の周りに部分的に延びる、またはプラグ710の円周の周りに完全に延びる保持機能712(例えばフランジ)を含む。保持機能712は、拡張状態にあるときに拡張可能なエンクロージャ120内の圧力によってプラグ710に加えられる力に抵抗するためのさらなる支持を提供する。
図7Bの図では、保持機能712は、拡張可能なエンクロージャ120内の対応するくぼみと整列している;実装する際には、保持機能712は、製造公差内の対応するくぼみと整列する。1つ以上の実施形態では、拡張可能なエンクロージャ120は対応するくぼみを含まず、保持機能712は、拡張可能なエンクロージャ120に対してしっかりとフィットするように構造化されるか、または圧縮フィットのために拡張可能なエンクロージャ120内で折り畳まれるように構造化される。
図7Cの実施形態では、プラグ720は、切り欠き722を含む。切り欠き722は、消化物に曝露されるプラグ720の表面積の量を調整するようにサイズ設定することができ、これによって、消化物に曝露された後にプラグ720が係合する設計時間を短縮することができる。
【0135】
図7A~
図7Cの実施形態およびシール150の他のプラグ実施形態のそれぞれでは、プラグは、設計された時間の間、拡張可能なエンクロージャ120の開口部に流体バリアを提供する。
【0136】
1つ以上の実施形態では、シール150は、1つ以上のクランプバルブ(例えば
図6Bに示すような)と1つ以上のプラグ(例えば
図7A、
図7B、または
図7Cに示す1つ以上のプラグ)とを組み合わせて含むことができる。
【0137】
上記で論じたように、摂取可能なデバイス100は、拡張可能なエンクロージャ120の保持領域130に取り付けられた1つ以上の成形された組成物160を含むことができる。摂取可能なデバイス100の外殻110が、消化物が外殻110の内部を破壊することを可能にするのに十分に分解した後、成形された組成物160を含む摂取可能なデバイス100の構成要素は消化物に曝露されるようになる。
【0138】
図8A~
図8Eは、成形された組成物160の多くの実施形態のいくつかを断面図で示す。
図8A~
図8Eの図では、成形された組成物160は、説明および考察を容易にするために、単一の治療薬もしくは治療用製剤(簡潔にするために、これらの図に関して治療薬862として示す)および/または単一の送達増強剤もしくは増強製剤(簡潔にするために、これらの図に関して送達増強剤864として示す)を含むものとして示され、論じられる。上記で論じたように、成形された組成物160は、1つ以上の治療薬および/または1つ以上の送達増強剤を含むことができ、それぞれが別々に配置されるかまたは治療製剤もしくは増強製剤(該当する場合)に含まれるか、または組み合わせて配置され(例えば予混合製剤中、もしくは配置された後に混合される)、ならびに/または成形された組成物160は、1つ以上の治療用製剤および/もしくは1つ以上の増強製剤を含むことができる。治療薬および送達増強剤の例は上記に提供されている。
【0139】
図8Aは、治療薬862、送達増強剤864、および分解性コーティング866を含む成形された組成物860の実施形態を示す。
【0140】
1つ以上の実施形態では、摂取可能なデバイス100は、成形された組成物860を腸管(例えば小腸)に送達する。そのような実施形態では、送達増強剤864は、腸管壁での治療薬862のバイオアベイラビリティを改善するための透過性促進剤を含むことができる。例えば、透過性促進剤は、送達位置またはその近くで腸管の上皮の細胞(例えば原形質膜)の表面を流動化または脱落させることによって、腸管壁での治療薬862のバイオアベイラビリティを改善することができる。1つ以上の実施形態では、送達増強剤864は、透過性促進剤層で覆われた酵素遮断剤層を含む。
【0141】
分解性コーティング866は、送達増強剤864を完全にまたは部分的に包むことができる。分解性コーティング866は、標的送達位置以外の環境での成形された組成物860の分解を低減または防止するための層(例えば腸溶コーティング)を含むことができる;そのような層は、層の化学組成の選択によって、および/または層の厚さの選択によって、分解を低減または防止するように構造化することができる。さらにまたは代替的に、分解速度を、分解性コーティング866の化学組成または厚さの選択などによって、標的送達位置の予想される環境に合わせて分解性コーティング866について設計することができる。
【0142】
1つ以上の実施形態では、分解性コーティング866は、設計された期間後にまたは設計された分解速度で分解し、その結果、拡張可能なエンクロージャ120が拡張したとき、および/または拡張可能なエンクロージャ120が送達位置(例えば標的送達位置)またはその近くに配置されたときに、送達増強剤864および治療薬862が放出され得る。例えば、そのような実施形態では、設計された期間は、分解性コーティング866が最初に消化物に曝露される時間と、拡張可能なエンクロージャ120のヘッド領域122およびテール領域124が拡張される時間との間の予想される期間よりも長くなり得る。1つ以上の実施形態では、設計された時間は、およそ1分までであり得るが、関連する摂取可能なデバイス100の特性に対応するために、より短いまたはより長い時間を選択することができる。
【0143】
図8Aは、治療薬862、送達増強剤864、および分解性コーティング866の互いに対する同心構造を示す。
図8B~8Eに示す実施形態を含む、他の実施形態が可能である。
【0144】
図8Bでは、成形された組成物870は、治療薬862および送達増強剤864を共存物として(例えば組み合わせてまたは混合して)含み、分解性コーティング867によって包まれている。
【0145】
図8Cでは、成形された組成物880は、送達増強剤864なしで、分解性コーティング868によって包まれた治療薬862を含む。
図8Dでは、成形された組成物890は、治療薬862なしで、分解性コーティング869によって包まれた送達増強剤864を含む。
【0146】
1つ以上の実施形態では、送達増強剤864は、腸壁の膜透過性および最終的には治療薬862のバイオアベイラビリティを高めるために、治療薬862の前に放出されるように設計される。1つ以上の実施形態では、摂取可能なデバイス100は、1つ以上の成形された組成物880(
図8C)および1つ以上の成形された組成物890(
図8D)を含み、成形された組成物890の分解性コーティング869は、成形された組成物880の分解性コーティング868よりも速い速度で分解するように構造化することができる。さらに、成形された組成物880の分解性コーティング868は、成形された組成物890の送達増強剤864が分解するときから選択された期間の後に分解するように構造化することができる。そのような例では、選択される期間は、およそ1~5分の範囲を含むことができるが、より短いまたはより長い時間も本開示の範囲内である。
【0147】
成形された組成物(例えば成形された組成物860、870、880、890)の1つ以上の実施形態では、分解性コーティング(例えばそれぞれ分解性コーティング866、867、868、869)を省くことができる。
【0148】
図8Eでは、成形された組成物895は、送達増強剤864に隣接して配置された治療薬862、および送達増強剤864と比較して治療薬862の放出を遅らせるために、少なくとも治療薬862の上にコーティング896を含む。1つ以上の実施形態では、コーティング896は、成形された組成物895が標的送達位置で環境に曝露された後、設計された期間後に治療薬862を放出するように分解可能である;他の実施形態では、コーティング896は、治療薬862が標的送達位置で環境に曝露される前に、送達増強剤864が成形された組成物895から部分的または大部分が放出されるはずであるように、分解に抵抗するように構造化される。成形された組成物(例えば成形された組成物895)の1つ以上の実施形態では、分解性コーティングを加え得る。
【0149】
図8A~
図8Eの例から分かるように、成形された組成物には多くの構造が可能であり、成形された組成物の所望の特性は、以下のような設計によって組み込むことができる:コーティング(1つもしくは複数)の厚さ;治療薬(もしくは治療用製剤)、送達増強剤(もしくは増強製剤)、およびコーティングの互いに対する相対的な位置;治療薬もしくは治療用製剤、送達増強剤もしくは増強製剤、およびコーティングを多かれ少なかれ含めること;それぞれが選択された特性を有する分解性コーティングの1つ以上の層の選択;分解性コーティングもしくはその層の化学組成の選択;増強製剤に含まれる薬剤の選択;治療用製剤の一部として含まれる賦形剤の選択;ならびに/または治療薬(1つもしくは複数)の容積もしくは質量の選択;ならびに他の多くの属性。
【0150】
摂取可能なデバイス100は、複数の成形された組成物(例えば成形された組成物860、870、880、890、および/または895のうちの1つ以上)を含むことができる。複数の成形された組成物が含まれる実施形態では、摂取可能なデバイス100は、任意の数の、および任意の組合せの成形された組成物を含むことができる。例えば、摂取可能なデバイス100は、成形された組成物860、870、880、890、および/もしくは895または他の成形された組成物(1つもしくは複数)の任意の数および任意の組合せを含むことができる。
【0151】
成形された組成物は、ペレットの形態であり得る。例えば、成形された組成物860、870、880、890、または895のうちの1つ以上は、ペレットを表すことができ、複数のそのようなペレットを摂取可能なデバイス100内に別々に含めることができ、または複数のそのようなペレットを分解性コーティングで包んで、ペレットで満たされた成形された組成物を形成することができる。
【0152】
成形された組成物860、870、880、890、および895は、互いに対して類似の形状および寸法を有するものとしてそれぞれの
図8A~
図8Eに示されているが、そのような例示は非限定的であり、異なる成形された組成物は、異なる形状、異なる寸法、および/または異なる構成薬剤を有することができる。さらに、送達増強剤(または増強製剤)に対する治療薬(または治療用製剤)の容積比または質量比は、異なる成形された組成物間で異なる可能性があり、分解性コーティングに対する治療薬(または治療用製剤)の容積比または質量比は、異なる成形された組成物間で異なる可能性があり、分解性コーティングに対する送達増強剤(または増強製剤)の容積比または質量比は、異なる成形された組成物間で異なる可能性がある。
【0153】
図9A、
図9B、および
図9Cは、保持領域130に取り付けられるかまたは固定された複数の成形された組成物160(例えば成形された組成物860、870、880、890、または895)の構造を示す。例えば、成形された組成物160は、保持領域130上に並んだ構造に配置することができ(例えば
図9A)、および/または成形された組成物160は、保持領域130の周囲の周りに放射状に取り付けるかもしくは固定することができる(例えば
図9B)。
図9Cは、一実施形態による、
図9Bの線F-F’によって示される平面に沿った拡大断面図であり、保持領域130の周りの4つの成形された組成物160の放射状配置の例を示す。
【0154】
【0155】
図10Aでは、チューブ1010(拡張可能なエンクロージャの実施形態)は、シリコーンまたはシリコーン含有材料などの可撓性で伸縮性のある材料でできている。チューブ1010は、開口部1020を含む。
【0156】
図10Bでは、第1の化学反応物1030がチューブ1010内に配置され(開口部1020を介して)、分離壁1040(例えば分離壁140に関して上記で説明したような)によってチューブ1010の残りの部分から隔離されている。1つ以上の実施形態では、第1の化学反応物1030はクエン酸である。細長い環状形態の成形された組成物1050は、チューブ1010の周りに配置されている。成形された組成物1050は、他の材料の1つ以上の層で覆われた治療用製剤を含む。1つ以上の実施形態では、成形された組成物1050は、透過性促進剤によって覆われ、次に酵素遮断剤によって覆われた治療用製剤を含む。成形された組成物1050の治療用製剤は、チューブ1010の膨張(例えば
図10D)が、成形された組成物1050の内面とチューブ1010の材料との間の流体進入に対するシールを形成すると予想される場合、環状の成形された組成物1050の内面に沿ってチューブ1010に曝露され得る。そうでなければ、治療用製剤は、透過性促進剤層および酵素遮断剤層の一方もしくは両方、または透過性促進剤層および酵素遮断剤層から曝露されるまで治療用製剤の分解を最小限に抑える、低減する、または防止する保護層などの層によって覆われ得る。
【0157】
図10Cでは、第2の化学反応物1060がチューブ1010内に配置され(開口部1020を介して)、チューブ1010は、プラグ1070(例えば、それぞれ
図7A、
図7B、
図7Cのプラグ700、710、720などのプラグであるがこれらに限定されない、シール150の実施形態)によって閉じられ、密封される。1つ以上の実施形態では、第2の化学反応物1060は重炭酸カリウムである。チューブ1010(プラグ1070、分離壁1040、成形された組成物1050、第1の化学反応物1030、および第2の化学反応物1060を含む)は、折り畳まれ、外殻(例えば外殻110)に配置されて(示していない)、摂取可能なデバイスを形成する。1つ以上の実施形態では、外殻はカプセルを含む。1つ以上の実施形態では、外殻は、チューブ1010、プラグ1070、分離壁1040、および成形された組成物1050の上に塗布されたコーティングである。
【0158】
図10Dでは、チューブ1010は、外殻が、流体が分離壁1040に到達するのに十分なだけ分解した後、および分離壁1040が、第1の化学反応物1030が分離壁1040によって先に形成されたシールをバイパスし、第2の化学反応物1060と混合してチューブ1010内にガス(例えば二酸化炭素を含む)を形成し、それによってチューブ1010を拡張させるのに十分なだけ分解した後である、第1の拡張状態で示されている。拡張されると、チューブ1010は保護凹部1080を規定する。インサイチュで、保護凹部1080は、例えば送達位置でのGI管の壁の内面を示す点線1090によって示されるように、GI管の壁によって境界付けられる。
【0159】
図10Eでは、チューブ1010は、成形された組成物1050が実質的に分解した後である、第2の拡張状態で示されている。プラグ1070は、チューブ1010内のガスがプラグ1070をバイパスしてGI管に入るのを可能にするのに十分なほどには分解されていない。プラグ1070は、成形された組成物1050が実質的に分解した後に分解するように設計されている。例えば、成形された組成物1050は、流体への最初の曝露後5分未満の期間にわたって分解するように設計され得、一方、プラグ1070は、プラグ1070によって提供されるシールの完全性を10~20分間維持するように設計され得る。プラグ1070が、シールがもはや維持されなくなる点まで分解した後、チューブ1010は、収縮し、GI管を通過し、GI管から出ることができる。
【0160】
図11Aでは、バルーン1110(拡張可能なエンクロージャの実施形態)は、ポリエチレンなどの可撓性で伸縮性のない、またはかなり伸縮性のない材料でできているので、バルーン1110が膨張したとき、バルーン1110の円周はほとんど増加しない(例えば15パーセント未満、10パーセント未満、または5パーセント未満)。バルーン1110は、バルーン1110の周囲の一部の周りに一緒に密封された2つの同様の形状の材料の層、例えば、一緒に密封された(および密封の前、密封中、または密封後に切断して成形された)材料の2枚の異なるシート、または折り返して密封された(および密封の前、密封中、または密封後に切断して成形された)材料の1枚のシートによって形成される。1つ以上の実施形態では、層を一緒に密封することは、ホットナイフを使用してバルーン1110の形状の周囲を切断することによって実施される。1つ以上の他の実施形態では、材料の密封は、熱および圧縮を使用して材料を一緒に密封することによって実施される。さらに他の実施形態では、接着剤が材料の層の間に配置されてシールを生じさせる。バルーン1110は、開口部1120を規定する。
【0161】
図11Bでは、第1の化学反応物は、バルーン1110によって規定されるポケット1130内に配置され(開口部1120を介して)、分離壁1140(例えば分離壁140に関して上記で説明したような)によってバルーン1110の残りの部分から隔離されている。1つ以上の実施形態では、第1の化学反応物はクエン酸である。円筒形の成形された組成物1150は、保護凹部1180内のバルーン1110上に配置されている。成形された組成物1150は、他の材料の1つ以上の層で覆われた治療用製剤を含む。1つ以上の実施形態では、成形された組成物1150は、透過性促進剤によって覆われ、次に酵素遮断剤によって覆われた治療用製剤を含む。酵素遮断剤層は保護層によって覆われていてもよい。第2の化学反応物は、バルーン1110内に配置され(開口部1120を介して)、バルーン1110は、プラグ1170(例えば、それぞれ
図7A、
図7B、
図7Cのプラグ700、710、720などのプラグであるがこれらに限定されない、シール150の実施形態)によって閉じられ、密封される。1つ以上の実施形態では、第2の化学反応物は重炭酸カリウムである。バルーン1110(プラグ1170、分離壁1140、成形された組成物1150、第1の化学反応物、および第2の化学反応物を含む)は、折り畳まれ、外殻(例えば外殻110)に配置されて(示していない)、摂取可能なデバイスを形成する。1つ以上の実施形態では、外殻はカプセルを含む。1つ以上の実施形態では、外殻は、バルーン1110、プラグ1120、分離壁1140、および成形された組成物1150の上に塗布されたコーティングである。外殻が、流体が分離壁1140に到達するのに十分なだけ分解した後、および分離壁1140が、第1の化学反応物が分離壁1140によって先に形成されたシールをバイパスし、第2の化学反応物と混合してバルーン1110内にガス(例えば二酸化炭素を含む)を形成するのに十分なだけ分解した後、バルーン1110は拡張する。バルーン1110を形成するために使用される材料は比較的伸縮性がないので、バルーン1110が拡張されたとき、バルーン1110の円周はほとんど拡張しない。インサイチュで、保護凹部1180は、送達位置でのGI管の壁の内面を示す点線1190によって示されるように、GI管の壁によって境界付けられる。
【0162】
図11Cでは、バルーン1110の実施形態および成形された組成物1150の実施形態を、バルーン1100の拡張前の端面図(線G-G’によって示される視点から)から示す。この実施形態では、成形された組成物1150は円筒形である。
【0163】
図11Dでは、バルーン1110を、バルーン1100の拡張後の端面図(線G-G’によって示される視点から)から示す。バルーン1100が拡張してGI管の壁の内面(点線1190によって示される)に接触して保護凹部1180を形成するため、成形された組成物1150はもはや見えない。
【0164】
プラグ1170は、成形された組成物1150が実質的に分解した後に分解するように設計されている。例えば、成形された組成物1150は、流体への最初の曝露後10分間にわたって分解するように設計され得、一方、プラグ1170は、プラグ1170によって提供されるシールの完全性を15~20分間維持するように設計され得る。プラグ1170が、シールがもはや維持されなくなる点まで分解した後、バルーン1110は、収縮し、GI管を通過し、GI管から出ることができる。
【0165】
図12Aでは、バルーン1210(拡張可能なエンクロージャの実施形態)は、ポリエチレンなどの可撓性で伸縮性のない、またはかなり伸縮性のない材料でできているので、バルーン1210が膨張したとき、バルーン1210の円周はほとんど増加しない(例えば15パーセント未満、10パーセント未満、または5パーセント未満)。バルーン1210は、バルーン1210の周囲の一部の周りに一緒に密封された2つの同様の形状の材料の層、例えば、一緒に密封された(および密封の前、密封中、または密封後に切断して成形された)材料の2枚の異なるシート、または折り返して密封された(および密封の前、密封中、または密封後に切断して成形された)材料の1枚のシートによって形成される。1つ以上の実施形態では、層を一緒に密封することは、ホットナイフを使用してバルーン1210の形状の周囲を切断することによって実施される。1つ以上の他の実施形態では、材料の密封は、熱および圧縮を使用して材料を一緒に密封することによって実施される。さらに他の実施形態では、接着剤が材料の層の間に配置されてシールを生じさせる。バルーン1210は、開口部1220を規定する。
【0166】
図12Bでは、第1の化学反応物は、バルーン1210によって規定されるポケット1230内に配置され(開口部1220を介して)、分離壁1240(例えば分離壁140に関して上記で説明したような)によってバルーン1210の残りの部分から隔離されている。1つ以上の実施形態では、第1の化学反応物はクエン酸である。環状形態の成形された組成物1250は、保護凹部1280内のバルーン1210の周りに配置されている。成形された組成物1250は、他の材料の1つ以上の層で覆われた治療用製剤を含む。1つ以上の実施形態では、成形された組成物1250は、透過性促進剤によって覆われ、次に酵素遮断剤によって覆われた治療用製剤を含む。酵素遮断剤層は保護層によって覆われていてもよい。第2の化学反応物は、バルーン1210内に配置され(開口部1220を介して)、バルーン1210は、プラグ1270(例えば、それぞれ
図7A、
図7B、
図7Cのプラグ700、710、720などのプラグであるがこれらに限定されない、シール150の実施形態)によって閉じられ、密封される。1つ以上の実施形態では、第2の化学反応物は重炭酸カリウムである。バルーン1210(プラグ1270、分離壁1240、成形された組成物1250、第1の化学反応物、および第2の化学反応物を含む)は、折り畳まれ、外殻(例えば外殻110)に配置されて(示していない)、摂取可能なデバイスを形成する。1つ以上の実施形態では、外殻はカプセルを含む。1つ以上の実施形態では、外殻は、バルーン1210、プラグ1270、分離壁1240、および成形された組成物1250の上に塗布されたコーティングである。外殻が、流体が分離壁1240に到達するのに十分なだけ分解した後、および分離壁1240が、第1の化学反応物が分離壁1240によって先に形成されたシールをバイパスし、第2の化学反応物と混合してバルーン1210内にガス(例えば二酸化炭素を含む)を形成するのに十分なだけ分解した後、バルーン1210は拡張する。バルーン1210を形成するために使用される材料は比較的伸縮性がないので、上記で論じたように、バルーン1210が拡張されたとき、バルーン1210の円周はほとんど拡張しない。インサイチュで、保護凹部1280は、送達位置でのGI管の壁の内面を示す点線1290によって示されるように、GI管の壁によって境界付けられる。
【0167】
図12Cでは、バルーン1210の実施形態および成形された組成物1250の実施形態を、バルーン1200の拡張前の端面図(線H-H’によって示される視点から)から示す。
【0168】
図12Dでは、バルーン1210を、バルーン1200の拡張後の端面図から(線H-H’によって示される視点から)示す。バルーン1200が拡張してGI管の壁の内面(点線1290によって示される)に接触して保護凹部1280を形成するため、成形された組成物1250はもはや見えない。
【0169】
プラグ1270は、成形された組成物1250が実質的に分解した後に分解するように設計されている。例えば、成形された組成物1250は、流体への最初の曝露後10分間にわたって分解するように設計され得、一方、プラグ1270は、プラグ1270によって提供されるシールの完全性を15~20分間維持するように設計され得る。プラグ1270が、シールがもはや維持されなくなる点まで分解した後、バルーン1210は、収縮し、GI管を通過し、GI管から出ることができる。
【0170】
チューブ1010、バルーン1110、またはバルーン1210内の圧力は、チューブ1010、バルーン1110、またはバルーン1210をGI管の壁に押し付けるのに十分である。
【0171】
1つ以上の実施形態では、拡張可能なエンクロージャ内の圧力は、ピーク値で20ポンド/平方インチ(PSI)以下になるように設計される。検査では、拡張したときの円周がGI管の内周よりも幾分(例えば50パーセント未満、20パーセント未満、15パーセント未満、または10パーセント未満)大きくサイズ設定された拡張可能なエンクロージャ内の20PSI未満に維持される圧力は、大型哺乳動物(例えばイヌ、ブタ、ヒト)には感知されないであろうことが示されている。様々なプロトタイプでは、拡張可能なエンクロージャが収縮するまで、圧力は約2PSIに維持される。
【0172】
チューブ1010の伸縮性のある性質は、バルーン1110およびバルーン1210の内部容積と比較してチューブ1010の比較的大きな内部容積をもたらす可能性があるため、バルーン1110(
図11A~
図11D)およびバルーン1210(
図12A~
図12D)は、チューブ1010(
図10A~
図10E)と比較して、第1の化学反応物および第2の化学反応物のより少ない容積または質量を使用し得る。したがって、所望の圧力を維持するために、比較的多くの反応物がチューブ1010内で必要とされ得る。
【0173】
様々なプロトタイプでは、拡張可能なエンクロージャの円周は、拡張したとき約8センチメートルである。他のプロトタイプでは、拡張可能なエンクロージャの円周は、約10センチメートル未満、約9センチメートル未満、または約8センチメートル未満である。
【0174】
図13は、上記で説明した摂取可能なデバイスの例などの摂取可能なデバイスを製造するための方法の実施形態である。
【0175】
1300では、摂取可能なデバイス(例えば摂取可能なデバイス100)の拡張可能なエンクロージャ(例えば拡張可能なエンクロージャ120)は、拡張可能なエンクロージャのヘッド領域(例えばヘッド領域122)およびテール領域(例えばテール領域124)のそれぞれを拡張して拡張状態にするために、インサイチュでトリガ可能であるように構造化することができる。拡張可能なエンクロージャは、少なくとも1つの開口部を含むことができる。拡張可能なエンクロージャの開口部は、拡張可能なエンクロージャの内部へのアクセスを提供することができ、それを介して、1つ以上の拡張機構(例えば化学反応物)を拡張可能なエンクロージャの内部に供給することができる。例えば、第1の化学反応物(例えば重炭酸カリウム)を、開口部を通して拡張可能なエンクロージャの内部に供給することができる。分離壁(例えば分離壁140)は、第1の化学反応物を収容するために拡張可能なエンクロージャを閉じることができる。次に、第2の化学反応物(例えばクエン酸)を、開口部を通して拡張可能なエンクロージャの内部に供給することができる。分離壁は、事実上、拡張可能なエンクロージャの内部をセクション(例えば容積セクション)に分割し、摂取可能なデバイスが送達位置に接近するまで、セクション間のバリアとして機能する。シール(例えばシール150)は、開口部またはその近くで拡張可能なエンクロージャを閉じることができ、消化物が拡張可能なエンクロージャの内部に入るのを防止し、拡張可能なエンクロージャ120の内容物が漏れ出ないように維持するために、拡張可能なエンクロージャの内部と外部との間のバリアとして機能する。
【0176】
分離壁とシールは、標的送達位置で消化物に曝露されると分解するように構造化することができる。1つ以上の実施形態では、分離壁は、シールの設計された分解速度よりも速い速度で分解するように構造化することができる。例えば、分離壁が消化物への曝露によって分解すると、分離壁はもはや拡張可能なエンクロージャの隣接するセクション間のバリアとして機能しなくなる。したがって、各セクションに含まれる化学反応物は、化学的に反応して溶液(例えば発泡性溶液)を生成し、その副産物(例えばガス)は所望の拡張作用を提供する。拡張可能なエンクロージャ内の圧力を維持するために、化学反応の副産物が拡張可能なエンクロージャから放出されず、拡張可能なエンクロージャがしばらくの間拡張状態のままであるように、シールはその構造的完全性を維持する。
【0177】
拡張可能なエンクロージャは、拡張したとき拡張可能なエンクロージャのヘッド領域とテール領域との間の保護凹部に保持領域(例えば保持領域130)を含むことができ、これは、保持領域を消化物の流れから保護することができる。保持領域は、拡張可能なエンクロージャの構造の設計によって、または拡張可能なエンクロージャの内部もしくは外部に収縮構造を組み込むことによって、拡張状態のヘッド領域の円周およびテール領域の円周よりも小さい円周を有するように構造化することができる。
【0178】
例えば、拡張可能なエンクロージャの構造を設計する際に、保持領域における拡張可能なエンクロージャの厚さは、保持領域での拡張可能なエンクロージャの伸長に対するより大きな抵抗を提供するために、ヘッド領域およびテール領域における拡張可能なエンクロージャの厚さよりも大きくすることができる。または、拡張可能なエンクロージャの内部または外部に収縮構造を組み込む際に、拡張可能なエンクロージャに、チューブ(例えば、チューブの長さに沿った断面が不均一であるチューブを含む、円形、長方形、もしくは他の断面形状)または保持領域での拡張を防止もしくは制限するための他の構造(もしくは複数の他の構造)を取り付けることができる。
【0179】
1310では、1つ以上の成形された組成物(例えば成形された組成物160)を保持領域に取り付けることができる。それぞれの成形された組成物は、
図8A~
図8Eに関して示し、説明したような1つ以上の薬剤を含むことができる。
【0180】
成形された組成物(1つまたは複数)は、様々な配置で保持領域に取り付けるかまたは固定することができる。例えば、成形された組成物は、並べて(例えば
図9Aのように)、保持領域130の周りに放射状に(例えば
図9Bのように)、積み重ねて、または任意の他の配置もしくは配置の組合せによって配置することができる。
【0181】
1320では、送達機構(例えば送達機構102)の一部としての拡張可能なエンクロージャは、外殻(例えば外殻110)内に配置することができる。外殻は、胃などのGI管の一部を通過しても存続するように設計された保護層(例えば腸溶コーティング)を含むように構造化することができる。さらに、外殻は、外殻を特定の方法または順序で分解させる1つ以上の構造機構(例えば切れ目218、制御セグメント220など)を含むことができる。
【0182】
図14は、上記で説明した例などの摂取可能なデバイスを使用して、治療薬を身体に送達するための方法の実施形態である。
【0183】
1400では、摂取可能なデバイス(例えば摂取可能なデバイス100)は、対象(例えばヒトまたは他の動物)に提供される。1つ以上の実施形態では、摂取可能なデバイスは、医師によって対象に提供されるか、または摂取可能なデバイスは、その後調剤される処方箋によって対象に提供される;いずれの場合も、摂取可能なデバイスは、医師によって指定された指定治療レジメンに従って提供される。他の実施形態では、摂取可能なデバイスは、ラベルに示された治療レジメンで店頭購入によって対象に提供される。
【0184】
対象に提供されると、摂取可能なデバイスは対象によって摂取され得る。1つ以上の実施形態では、摂取可能なデバイスは、経口摂取され、身体のGI管を横断するように構造化される。調査に基づくと、摂取可能なデバイスは経口摂取し得るため、特定の治療薬に関連する治療レジメンのコンプライアンスは、現在の注射剤形の同じまたは類似の治療薬のコンプライアンスよりもはるかに高いと予想される。
【0185】
摂取可能なデバイスは、1つ以上の成形された組成物(例えば成形された組成物160)、ならびにヘッド領域、テール領域、およびヘッド領域とテール領域との間に少なくとも1つの保持領域を有する拡張可能なエンクロージャ(例えばヘッド領域122、テール領域124、および保持領域130を含む拡張可能なエンクロージャ120)を含む送達機構(例えば送達機構102)を含む。成形された組成物は、保持領域に隣接して配置され、保持領域に固定され得る。成形された組成物は、1つ以上の治療薬(例えば治療薬862)および/または1つ以上の送達増強剤(例えば送達増強剤864)を含む。
【0186】
摂取可能なデバイスは、GI管を通って送達位置(例えば標的送達位置)まで移動する間、設計によって実質的に無傷のままである。1つ以上の実施形態では、標的送達位置は小腸内である。1つ以上の実施形態では、標的送達位置は空腸内である;そのような実施形態では、摂取可能なデバイスは、小腸に入るまで設計によって実質的に無傷のままであり、摂取可能なデバイスが小腸の空腸部分に到達するための設計された遅延時間の後、摂取可能なデバイスは、1410、1420、および1430で以下のように成形された組成物を空腸に放出する。
【0187】
1410では、関連する治療レジメンの摂取可能なデバイスの構造は、標的送達位置での拡張可能なエンクロージャの拡張を提供する。1つ以上の実施形態では、拡張可能なエンクロージャは、GI管の状態に応答する拡張機構によって拡張可能であるように構造化される。例えば、GI管の状態は、小腸のpH(例えばpH<7、または6.5~7.5の範囲のpH)を含み得る。1つ以上の実施形態では、拡張機構は、化学物質を分離するバリア(例えば分離壁140)の解放によって化学物質が混合されたときの、拡張可能なエンクロージャ内に配置された2つ以上の化学物質間の化学反応である。
【0188】
拡張可能なエンクロージャが拡張すると、ヘッド領域とテール領域が拡張して、送達位置(例えば小腸の内壁)の表面に接触し、成形された組成物(1つまたは複数)の放出および有効性を促進するために、ヘッド領域とテール領域との間に形成された保護凹部への消化物の流れを最小限に抑えるかまたは防止する。
【0189】
1つ以上の実施形態では、成形された組成物の分解性コーティング(例えば分解性コーティング866、867、868、869、または896)は、分解するように構造化され、したがって、成形された組成物が標的送達位置で消化物に曝露された後、例えば摂取可能なデバイスの外殻(例えば外殻110)が、消化物が外殻を破壊することを可能にするのに十分に分解したとき、設計された期間(例えば1分、5分など)、治療薬を送達する。そのような遅延時間は、治療薬および/または送達増強剤が成形された組成物から送達位置に放出される前に、拡張可能なエンクロージャの拡張を完了し、拡張可能なエンクロージャによって保護凹部が形成されることを可能にし得る。
【0190】
1420では、送達増強剤は保護凹部に放出され、上記で論じたように、治療薬の輸送を増強するためにそこに留まることができる。
【0191】
1430では、治療薬は保護凹部に放出され、腸壁を通過するまでそこに留まることができる。
【0192】
成形された組成物は、治療薬の送達の前、送達と同時、または送達後に送達増強剤を放出するように構造化することができる。さらに、一連の放出は、複数の治療薬および/または複数の送達増強剤の任意の所望の放出順序を達成するように設計することができる(例えば
図8A~
図8Eに関して論じたように)。例えば、成形された組成物は、第1の治療薬の放出の前に第1の送達増強剤を放出し、第1の治療薬または第2の治療薬の放出の後に第2の送達増強剤を放出するように設計することができる。別の例では、成形された組成物は、治療薬の第1の用量を放出し、遅延時間後、同じまたは類似の治療薬の第2の用量を放出するように設計することができる。さらなる例では、成形された組成物は、第1の治療薬を放出し、遅延時間後、第1の治療薬とは異なる第2の治療薬を放出するように設計することができる。1つ以上の実施形態では、複数の成形された組成物を摂取可能なデバイスに組み込んで、単一の摂取可能なデバイスで可能であるよりも高用量の治療薬および/もしくは送達増強剤を送達するか、または異なる治療薬を送達するか、または治療薬および送達増強剤の放出の特定の順序付けを達成することができる。
【0193】
一態様では、実施形態は、治療用製剤を送達するための摂取可能なデバイスを提供し、この摂取可能なデバイスは、嚥下可能な外殻および外殻内の送達機構を含む。送達機構は、拡張可能なエンクロージャを含む。送達機構は、体内の送達位置で拡張可能なエンクロージャの複数の領域を拡張するために、身体のGI管内でインサイチュでトリガ可能である。拡張可能なエンクロージャの複数の領域は、ヘッド領域とテール領域との間の保護凹部を一緒に規定するヘッド領域およびテール領域、ならびに保護凹部内の保持領域を含む。拡張されたときの保持領域の寸法は、拡張されたときのヘッド領域の寸法よりも小さく、拡張されたときのテール領域の寸法よりも小さい。摂取可能なデバイスは、保持領域に配置された成形された組成物を含む。
【0194】
一態様では、実施形態は、摂取可能なデバイスを使用して、対象の腸(またはGI管の他の部分)に治療薬を送達するための方法を提供する。摂取可能なデバイスは、成形された組成物および送達機構を含む。送達機構は、ヘッド領域およびテール領域を備えた拡張可能なエンクロージャを含む。成形された組成物は、治療薬、および腸の壁を横切る治療薬の輸送を増強するために選択された送達増強剤を含む。この方法は、対象に摂取可能なデバイスを摂取するように指示するまたは摂取させることをさらに含み、それによって腸を通る摂取可能なデバイスの移動を開始し、続いて腸の壁を通る薬剤(1つまたは複数)の輸送を開始する。輸送の開始は、腸の状態に応答して拡張可能なエンクロージャを拡張するように構造化された送達機構によって達成され、その結果、拡張可能なエンクロージャのヘッド領域およびテール領域は、腸の壁に対して拡張して、腸の壁によってインサイチュで境界付けられる保護凹部を規定する。成形された組成物は、保護凹部内に配置され、その中で腸に曝露される。成形された組成物の腸への曝露は、腸の壁を通る治療薬の輸送を増強するために、成形された組成物から保護凹部への送達増強剤の放出を開始する。成形された組成物の腸への曝露はまた、腸の壁を通る輸送のために保護凹部への治療薬の放出を開始する。
【0195】
一態様では、実施形態は、治療薬を含む成形された組成物を提供するための方法を提供する。この方法は、拡張可能なエンクロージャのヘッド領域および拡張可能なエンクロージャのテール領域のそれぞれを完全に拡張された状態に拡張するために、GI管の選択された部分内でトリガ可能な送達機構を構造化することを含む。拡張可能なエンクロージャは、ヘッド領域の対応する寸法よりも小さく、テール領域の対応する寸法よりも小さい寸法にインサイチュで拡張されるように構造化された保持領域を含む。この方法は、成形された組成物を保持領域に取り付け、拡張可能なエンクロージャを外殻内に配置することをさらに含む。
【0196】
一態様では、実施形態は、治療薬を対象に経口送達するための方法を提供する。この方法は、成形された組成物および送達機構を含む摂取可能なデバイスを摂取すること、ならびに腸壁を横切る治療薬の輸送を提供することを含む。送達機構は、ヘッド領域およびテール領域を有する拡張可能なエンクロージャを含む。成形された組成物は、治療薬、および腸壁を横切る治療薬の輸送を増強するための送達増強剤を含む。腸壁を横切る治療薬の輸送は、以下によって提供される:小腸の状態に応答してヘッド領域およびテール領域を拡張し、その結果、ヘッド領域およびテール領域が腸壁に対して拡張して、治療薬の送達のために腸の密封されたセクションを形成すること;送達増強剤を密封された腸のセクションに放出し、送達増強剤が治療薬の輸送を増強するためにそこに留まること;ならびに治療薬を密封された腸のセクションに放出し、治療薬が、腸壁を横切って輸送されるまでそこに留まること。
【0197】
一態様では、実施形態は、GI管の分泌物によって分解される治療薬を患者に経口送達するための方法を提供し、この方法は、成形された組成物を含み、ヘッド領域とテール領域を有する拡張可能なエンクロージャをさらに含む摂取可能なデバイスを嚥下することを含み、成形された組成物は、治療薬、および腸壁を横切る治療薬の輸送を増強するように構造化された送達増強剤を含む。この方法はさらに以下を含む:ヘッド領域とテール領域が治療薬の送達のために腸の密封されたセクションを形成するように、腸の状態に応答してヘッド領域とテール領域を拡張すること;送達増強剤を密封された腸のセクションに放出し、送達増強剤が治療薬の輸送を増強するためにそこに留まること;治療薬を密封された腸のセクションに放出し、治療薬が、腸壁を横切って輸送されるまでそこに留まること;および腸の密封されたセクションの腸壁を横切って治療薬を輸送し、輸送が送達増強剤によって増強されること。
【0198】
前述の態様のいずれかでは、嚥下可能な外殻は、標的送達位置で、または身体を通って標的送達位置まで移動する間に、消化物の存在下でインサイチュで分解するように構造化することができる。
【0199】
前述の態様のいずれかでは、嚥下可能な外殻は、身体の胃内での分解に耐えるように、または摂取可能なデバイスが胃に入り、胃を通過する時間を超える期間にわたって分解するように構造化することができる。
【0200】
前述の態様のいずれかでは、嚥下可能な外殻は、6.5~7.5の範囲のpH、または7を超えるpHで分解するように構造化することができる。
【0201】
前述の態様のいずれでは、摂取可能なデバイスは、成形された組成物を包む分解性コーティングを含むことができ、分解性コーティングは、少なくとも設計された期間、標的送達位置に存在する消化物に対するレジリエンスのために構造化することができる。
【0202】
前述の態様のいずれかでは、摂取可能なデバイスは、拡張可能なエンクロージャ内に配置された少なくとも1つの拡張機構を含むことができる。
【0203】
前述の態様のいずれかでは、摂取可能なデバイスは分離壁を含むことができ、拡張機構は第1の化学反応物および第2の化学反応物を含み、第1の化学反応物は分離壁によって第2の化学反応物から分離されており、第1の化学反応物と第2の化学反応物は互いに反応してガスを生成し、拡張可能なエンクロージャを拡張する。分離壁は、消化物が嚥下可能な外殻の内部領域を破壊することを可能にするのに十分な嚥下可能な外殻の分解後に、消化物に曝露されるとインサイチュで分解するように構造化することができる。第1の化学反応物は重炭酸カリウムを含むことができ、第2の化学反応物はクエン酸を含むことができる。摂取可能なデバイスは、拡張可能なエンクロージャの開口部を閉鎖するシールをさらに含むことができ、シールは、消化物が嚥下可能な外殻の内部領域を破壊することを可能にするのに十分な嚥下可能な外殻の分解後に、消化物に曝露されるとインサイチュで分解するように構造化することができ、シールの分解速度は分離壁の分解速度よりも緩やかであるように設計される。
【0204】
前述の態様のいずれかでは、拡張可能なエンクロージャは、ヘッド領域の拡張またはテール領域の拡張と比較して、保持領域での拡張が少ないように構造化することができる。
【0205】
前述の態様のいずれかでは、拡張可能なエンクロージャの拡張状態で、ヘッド領域、テール領域、および少なくとも1つの中間領域が一緒になって、複数の保護凹部を規定することができる。摂取可能なデバイスは、1つ以上の保護凹部に配置された複数の成形された組成物を含むことができる。複数の成形された組成物のそれぞれは、1つ以上の薬剤を含むことができる。複数の成形された組成物の少なくとも1つは、複数の成形された組成物の別のものとは異なる組合せ、または異なる容積もしくは質量の薬剤を含むことができる。複数の成形された組成物の各薬剤は、薬物、賦形剤、または送達増強剤のうちの1つであり得る。
【0206】
前述の態様のいずれかでは、摂取可能なデバイスは、状態に応答して製剤を送達するように動作することができる。状態は、小腸のpHであり得る。例えば、pHは約6.5~7.5の範囲であり得る。
【0207】
前述の態様のいずれかでは、送達増強剤は、プロテアーゼ阻害剤を含むことができる。
【0208】
前述の態様のいずれかでは、送達増強剤は、治療薬に対する小腸の壁の透過性を高める透過性促進剤を含むことができる。
【0209】
前述の態様のいずれかでは、送達増強剤は、小腸の上皮層内の細胞の原形質膜を流動化することができる。
【0210】
前述の態様のいずれかでは、透過性促進剤は、MCFAベースのカプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム誘導体、アシルカルニチンまたはEDTAを含むことができる。
【0211】
前述の態様のいずれかでは、送達増強剤は、腸壁の上皮層からの細胞の脱落を誘発することができる。
【0212】
前述の態様のいずれかでは、成形された組成物は、設計された期間後に送達増強剤および治療薬が拡張可能なエンクロージャの保護凹部に放出されるように、設計された期間後に小腸で分解するように構造化されたコーティングを含むことができる。設計される期間は、拡張可能なエンクロージャのヘッド領域およびテール領域の拡張のために設計される時間よりも長くなり得る。
【0213】
前述の態様のいずれかでは、治療薬の放出の開始は、送達増強剤の放出の開始の後である。
【0214】
前述の態様のいずれかでは、送達機構は、化学反応によってヘッド領域およびテール領域を拡張する。
【0215】
前述の態様のいずれかでは、複数の成形された組成物を摂取可能なデバイスに配置することができ、第1の成形された組成物中の治療薬の質量が第1の質量である。成形された組成物のうちの少なくとも第2の成形された組成物は、第1の質量とは異なる質量の治療薬を含むことができる。成形された組成物は、少なくとも第1の治療薬および第1の治療薬とは異なる第2の治療薬を含むことができる。成形された組成物は、治療薬を含む第2の成形された組成物を含むことができ、第1の成形された組成物は、腸への曝露後の第1の期間後に治療薬を放出するように設計することができ、第2の成形された組成物は、腸への曝露後の第2の期間後に治療薬を放出するように設計することができ、第2の期間は、第1の期間より長くなるように設計することができる。成形された組成物は、1つ以上の送達増強剤を含むことができる。
【0216】
前述の態様のいずれかでは、摂取可能なデバイスは、胃の内容物に曝露されたときに分解に耐えるように構造化された腸溶コーティングを含むことができ、腸溶コーティングは、腸内で分解するように構造化することができる。
【0217】
前述の態様のいずれかでは、成形された組成物は、崩壊剤または超崩壊剤を含むことができる。
【0218】
前述の態様のいずれかでは、治療薬は免疫グロブリンを含むことができる。免疫グロブリンは、免疫グロブリンGであり得る。免疫グロブリンは、TNF-α抗体であり得る。TNF-α抗体は、アダリムマブであり得る。免疫グロブリンは、インターロイキンのIL-17ファミリーのインターロイキンに対する抗体(AI17抗体)であり得る。AI17抗体は、ブロダルマブ、セクキヌマブ、またはイキセキズマブであり得る。
【0219】
前述の態様のいずれかでは、成形された組成物は、保持領域に配置された複数の成形された組成物のうちの1つであり得る。
【0220】
前述の態様のいずれかでは、成形された組成物は、成形された組成物を通って延びる開口部を規定するように構造化することができ、拡張可能なエンクロージャは、拡張可能なエンクロージャの一部が開口部のいずれかの側に延びるように開口部を通して配置することができる。そのような実施形態では、成形された組成物は、拡張可能なエンクロージャの拡張を制限することができる;または、拡張可能なエンクロージャは、保持領域を規定する拡張可能なエンクロージャの長さに沿って最小限の拡張のために構造化され、成形された組成物は長さに沿って配置される;いずれの場合も、拡張可能なエンクロージャの拡張を制限するために、収縮構造または他の技術(例えば拡張可能なエンクロージャの一部の材料の厚さを増加させる)をさらに組み込み得る。
結論
【0221】
本明細書の図および説明から分かるように、摂取可能なデバイスの実施形態は、様々な製剤送達の選択肢を提供することができる。1つ以上の実施形態では、例えば、最大20ミリグラムまでの治療用製剤を、本開示の概念に従って摂取可能なデバイスによって送達し得る。他の実施形態では、20ミリグラムを超える治療用製剤を、本開示の概念に従って摂取可能なデバイスによって送達し得る。1つ以上の実施形態では、成形された組成物中に存在する治療用製剤の一定のパーセンテージが有効に送達され、治療用製剤の残りは身体から排出される。したがって、摂取可能なデバイスで使用される成形された組成物のタイプおよび数の設計は、有効な送達を構成するために増加させ得る。例えば、20ミリグラムの治療用製剤が有効に送達されることを所望する場合、摂取可能なデバイスは、GI管の壁を介した身体の血管新生領域への予想吸収速度に依存して、100~200ミリグラムの治療用製剤をGI管に提供するように設計され得る。
【0222】
本明細書で使用される場合、「実質的に」および「約」という用語は、小さな変動を記述し、説明するために使用される。例えば、数値と組み合わせて使用される場合、これらの用語は、±10%以下、例えば±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、または±0.05%以下の値の変動を指すことができる。
【0223】
本明細書で使用される場合、数値の範囲は、範囲内の任意の数値、またはサブ範囲内の最小および最大の数値が範囲内にある場合は任意のサブ範囲を含む。したがって、例えば、「<9」は、9未満の任意の数値、またはサブ範囲の最小値がゼロ以上で、サブ範囲の最大値が9未満である数値の任意のサブ範囲を指すことができる。
【0224】
本開示をその具体的な実施形態を参照して記述し、説明してきたが、これらの記述および説明は本開示を限定するものではない。添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の真の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行い得ること、および実施形態内で等価の構成要素に置き換え得ることが明確に理解され得る。また、一実施形態からの要素、特性、または行為は、他の実施形態からの1つ以上の要素、特性、または行為と容易に再結合または置換して、本発明の範囲内で多数のさらなる実施形態を形成することができる。さらに、他の要素と組み合わされるものとして示されるまたは説明される要素は、様々な実施形態において、独立した要素として存在することができる。さらに、要素、特性、構成要素、特徴、工程などの任意の積極的な記載について、本発明の実施形態は、特に、その要素、値、特性、構成要素、特徴、工程などの除外を企図する。図は、必ずしも一定の縮尺で描かれているとは限らない。本開示における芸術的表現と実際の装置との間には、製造プロセスなどの変動性のために差異があり得る。具体的に示されていない本開示の他の実施形態が存在し得る。明細書および図面は、限定的ではなく例示的と見なされるべきである。特定の状況、材料、物質の組成、方法、またはプロセスを本開示の目的、精神および範囲に適合させるために変更を行い得る。そのようなすべての変更は、本明細書に添付された特許請求の範囲内にあることが意図されている。本明細書に開示される方法を、特定の順序で実施される特定の操作を参照して説明してきたが、これらの操作は、本開示の教示から逸脱することなく、等価の方法を形成するために組み合わされ、細分され、または再順序付けされ得ることが理解され得る。したがって、本明細書で特に示されない限り、操作の順序およびグループ化は本開示の限定ではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
摂取可能なデバイスであって、
外殻;
前記外殻内に提供される拡張可能なエンクロージャであって、前記拡張可能なエンクロージャの複数の領域のインサイチュでの拡張のために構造化されており、前記複数の領域は、保護凹部を規定するヘッド領域およびテール領域を含み、前記複数の領域のそれぞれは、前記保護凹部内に保持領域をさらに含む、拡張可能なエンクロージャ;ならびに
少なくとも1つの治療薬を含み、保持領域に配置された成形された組成物
を含む、摂取可能なデバイス。
【請求項2】
前記成形された組成物が、保持領域にそれぞれ配置された複数の成形された組成物のうちの1つである、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項3】
前記複数の成形された組成物のそれぞれが1つ以上の前記治療薬を含み、前記複数の成形された組成物の少なくとも1つが、前記複数の成形された組成物の別のものとは異なる治療薬若しくはその組合せまたは異なる質量の治療薬を含む、請求項2に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項4】
前記成形された組成物が、賦形剤及び送達増強剤から選択される1つ以上をさらに含む、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項5】
前記成形された組成物が、前記成形された組成物を通って延びる開口部を規定するように構造化され、前記拡張可能なエンクロージャが、前記拡張可能なエンクロージャの一部が前記開口部のいずれかの側に延びるように前記開口部を通して配置される、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項6】
前記成形された組成物が、前記拡張可能なエンクロージャの拡張を制限する、請求項5に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項7】
前記拡張可能なエンクロージャが、前記保持領域を規定する前記拡張可能なエンクロージャの長さに沿って最小限の拡張のために構造化され、前記成形された組成物がその長さに沿って配置される、請求項5に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの治療薬が免疫グロブリンを含む、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項9】
前記免疫グロブリンが免疫グロブリンGを含む、請求項8に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項10】
前記免疫グロブリンがTNF-α抗体を含む、請求項8に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項11】
前記免疫グロブリンが、インターロイキンのIL-17ファミリーのインターロイキンに対する抗体(AI17抗体)を含む、請求項8に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項12】
前記AI17抗体が、ブロダルマブ、セクキヌマブまたはイキセキズマブを含む、請求項11に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項13】
前記外殻が、標的送達位置で、または前記標的送達位置まで移動する間に、消化物の存在下でインサイチュで分解するように構造化されている、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項14】
前記外殻が、前記身体の胃内での分解に耐えるように、または前記摂取可能なデバイスが前記胃に入り、前記胃を通過する時間を超える期間にわたって分解するように構造化されている、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項15】
前記嚥下可能な外殻が、6.5~7.5の範囲のpH、または7を超えるpHで分解するように構造化されている、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項16】
前記摂取可能なデバイスが腸溶コーティングを含む、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項17】
前記腸溶コーティングが、胃の内容物に曝露されたときに分解に耐えるように構造化されており、前記腸溶コーティングが前記腸内で分解するように構造化されている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記成形された組成物が、腸の壁を横切る前記少なくとも1つの治療薬の輸送を増強するように選択される送達増強剤をさらに含む、
請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項19】
前記成形された組成物が、設計された期間後に前記送達増強剤および前記少なくとも1つの治療薬が保護容積に放出されるように、前記設計された期間後に前記腸で分解するように構造化されたコーティングを含む、請求項18に記載の摂取可能なデバイス。
【請求項20】
前記成形された組成物が崩壊剤または超崩壊剤を含む、請求項1に記載の摂取可能なデバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0224
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0224】
本開示をその具体的な実施形態を参照して記述し、説明してきたが、これらの記述および説明は本開示を限定するものではない。添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の真の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行い得ること、および実施形態内で等価の構成要素に置き換え得ることが明確に理解され得る。また、一実施形態からの要素、特性、または行為は、他の実施形態からの1つ以上の要素、特性、または行為と容易に再結合または置換して、本発明の範囲内で多数のさらなる実施形態を形成することができる。さらに、他の要素と組み合わされるものとして示されるまたは説明される要素は、様々な実施形態において、独立した要素として存在することができる。さらに、要素、特性、構成要素、特徴、工程などの任意の積極的な記載について、本発明の実施形態は、特に、その要素、値、特性、構成要素、特徴、工程などの除外を企図する。図は、必ずしも一定の縮尺で描かれているとは限らない。本開示における芸術的表現と実際の装置との間には、製造プロセスなどの変動性のために差異があり得る。具体的に示されていない本開示の他の実施形態が存在し得る。明細書および図面は、限定的ではなく例示的と見なされるべきである。特定の状況、材料、物質の組成、方法、またはプロセスを本開示の目的、精神および範囲に適合させるために変更を行い得る。そのようなすべての変更は、本明細書に添付された特許請求の範囲内にあることが意図されている。本明細書に開示される方法を、特定の順序で実施される特定の操作を参照して説明してきたが、これらの操作は、本開示の教示から逸脱することなく、等価の方法を形成するために組み合わされ、細分され、または再順序付けされ得ることが理解され得る。したがって、本明細書で特に示されない限り、操作の順序およびグループ化は本開示の限定ではない。
本発明の一態様を以下に示すが、本発明はそれに限定されない。
[発明1]
治療薬を身体の胃腸(GI)管に送達するための摂取可能なデバイスであって、
嚥下可能な外殻;
前記嚥下可能な外殻内に配置された送達機構であって、前記送達機構は、拡張可能なエンクロージャを含み、前記拡張可能なエンクロージャの複数の領域を拡張するためにGI管内でインサイチュでトリガ可能であり、前記複数の領域は、
一緒になってヘッド領域とテール領域との間の保護凹部を規定する、前記ヘッド領域と前記テール領域;および
前記保護凹部内の保持領域であって、拡張されたときの寸法は拡張されたときの前記ヘッド領域の寸法よりも小さく、拡張されたときの前記テール領域の寸法よりも小さい、保持領域
を含む、送達機構;ならびに
前記保持領域の前記保護凹部内に配置された、少なくとも1つの治療薬を含む成形された組成物
を含む、摂取可能なデバイス。
[発明2]
前記嚥下可能な外殻が、標的送達位置で、または前記身体を通って前記標的送達位置まで移動する間に、消化物の存在下でインサイチュで分解するように構造化されている、発明1に記載の摂取可能なデバイス。
[発明3]
前記嚥下可能な外殻が、前記身体の胃内での分解に耐えるように、または前記摂取可能なデバイスが前記胃に入り、前記胃を通過する時間を超える期間にわたって分解するように構造化されている、発明1に記載の摂取可能なデバイス。
[発明4]
前記嚥下可能な外殻が、6.5~7.5の範囲のpH、または7を超えるpHで分解するように構造化されている、発明1に記載の摂取可能なデバイス。
[発明5]
前記成形された組成物を包む分解性コーティングであって、少なくとも設計された期間、標的送達位置に存在する消化物に対するレジリエンスのために構造化された前記分解性コーティングをさらに含む、発明1に記載の摂取可能なデバイス。
[発明6]
拡張されたとき軸に沿って位置する摂取可能なデバイスであって、前記ヘッド領域の寸法、前記テール領域の寸法、および前記保持領域の寸法が、それぞれ断面積であるか、前記軸に垂直な方向の半径もしくは直径であるか、またはそれぞれ円周である、発明1に記載の摂取可能なデバイス。
[発明7]
拡張されたとき軸に沿って位置する摂取可能なデバイスであって、前記ヘッド領域の寸法、前記テール領域の寸法、および前記保持領域の寸法のそれぞれが、前記軸に沿った長さである、発明1に記載の摂取可能なデバイス。
[発明8]
前記拡張可能なエンクロージャ内に配置された少なくとも1つの拡張機構をさらに含む、発明1に記載の摂取可能なデバイス。
[発明9]
分離壁をさらに含み、前記少なくとも1つの拡張機構が第1の化学反応物および第2の化学反応物を含み、前記第1の化学反応物が前記分離壁によって前記第2の化学反応物から分離されており、前記第1の化学反応物と前記第2の化学反応物が互いに反応してガスを生成して、前記拡張可能なエンクロージャを拡張する、発明8に記載の摂取可能なデバイス。
[発明10]
前記分離壁が、消化物が前記嚥下可能な外殻の内部領域を破壊することを可能にするのに十分な前記嚥下可能な外殻の分解後に、前記消化物に曝露されるとインサイチュで分解するように構造化されている、発明9に記載の摂取可能なデバイス。
[発明11]
前記第1の化学反応物が重炭酸カリウムを含み、前記第2の化学反応物がクエン酸を含む、発明9に記載の摂取可能なデバイス。
[発明12]
前記拡張可能なエンクロージャの開口部を閉鎖するシールをさらに含み、前記シールが、消化物が前記嚥下可能な外殻の内部領域を破壊することを可能にするのに十分な前記嚥下可能な外殻の分解後に、前記消化物に曝露されるとインサイチュで分解するように構造化されており、前記シールの分解速度が前記分離壁の分解速度よりも緩やかであるように設計されている、発明9に記載の摂取可能なデバイス。
[発明13]
前記拡張可能なエンクロージャが、前記ヘッド領域での拡張または前記テール領域での拡張と比較して、前記保持領域でのより少ない拡張のために構造化されている、発明1に記載の摂取可能なデバイス。
[発明14]
前記保護凹部が第1の保護凹部であり、前記複数の領域が、前記ヘッド領域と前記テール領域との間に少なくとも1つの中間領域をさらに含み、その結果、前記拡張可能なエンクロージャの拡張状態では、前記ヘッド領域、前記テール領域、および前記少なくとも1つの中間領域が一緒になって、前記第1の保護凹部を含む複数の保護凹部を規定する、発明1に記載の摂取可能なデバイス。
[発明15]
前記保持領域が第1の保持領域であり、前記複数の領域が、前記第1の保持領域を含む複数の保持領域をさらに含み、前記複数の保持領域のそれぞれが、前記複数の保護凹部のそれぞれ1つ内にある、発明14に記載の摂取可能なデバイス。
[発明16]
前記成形された組成物が第1の成形された組成物であり、前記摂取可能なデバイスが、前記第1の成形された組成物を含む複数の成形された組成物をさらに含み、前記複数の保持領域の1つ以上のそれぞれが、前記複数の成形された組成物の1つ以上を含む、発明15に記載の摂取可能なデバイス。
[発明17]
前記複数の成形された組成物のそれぞれが1つ以上の薬剤を含み、前記複数の成形された組成物の少なくとも1つが、前記複数の成形された組成物の少なくとも1つの別のものとは異なる組合せまたは異なる容積もしくは質量の薬剤を含む、発明16に記載の摂取可能なデバイス。
[発明18]
前記複数の成形された組成物の各薬剤が、薬物、賦形剤、または送達増強剤のうちの1つである、発明17に記載の摂取可能なデバイス。
[発明19]
摂取可能なデバイスであって、
外殻;
前記外殻内に提供される拡張可能なエンクロージャであって、前記拡張可能なエンクロージャの複数の領域のインサイチュでの拡張のために構造化されており、前記複数の領域は、保護凹部を規定するヘッド領域およびテール領域を含み、前記保護凹部内に保持領域をさらに含む、拡張可能なエンクロージャ;ならびに
前記保持領域に配置された成形された組成物
を含む、摂取可能なデバイス。
[発明20]
前記成形された組成物が、前記保持領域に配置された複数の成形された組成物のうちの1つである、発明19に記載の摂取可能なデバイス。
[発明21]
前記成形された組成物が、前記成形された組成物を通って延びる開口部を規定するように構造化され、前記拡張可能なエンクロージャが、前記拡張可能なエンクロージャの一部が前記開口部のいずれかの側に延びるように前記開口部を通して配置される、発明19に記載の摂取可能なデバイス。
[発明22]
前記成形された組成物が、前記拡張可能なエンクロージャの拡張を制限する、発明21に記載の摂取可能なデバイス。
[発明23]
前記拡張可能なエンクロージャが、前記保持領域を規定する前記拡張可能なエンクロージャの長さに沿って最小限の拡張のために構造化され、前記成形された組成物がその長さに沿って配置される、発明21に記載の摂取可能なデバイス。
[発明24]
摂取可能なデバイスを使用して対象の腸に治療薬を送達するための方法であって、
成形された組成物および送達機構を含む摂取可能なデバイスを提供することであって、前記送達機構は、ヘッド領域およびテール領域を含む拡張可能なエンクロージャを含み、前記成形された組成物は、治療薬を含み、前記腸の壁を横切る前記治療薬の輸送を増強するように選択される送達増強剤をさらに含む、提供すること;ならびに
前記対象に前記摂取可能なデバイスを摂取するように指示するかまたは摂取させ、それによって前記腸の壁を介した治療薬の輸送を開始することであって、前記輸送の開始は、
前記腸内の状態に応答して前記拡張可能なエンクロージャを拡張するように構造化された送達機構によるものであり、前記拡張可能なエンクロージャのヘッド領域およびテール領域は、前記腸の壁に対して拡張して、前記成形された組成物が配置され、前記腸に曝露される前記腸の壁によって境界付けられた保護容積を規定するように構造化され、その結果、
前記成形された組成物の前記腸への曝露は、前記成形された組成物から前記保護容積への前記送達増強剤の放出を開始して、前記腸の壁を通る前記治療薬の輸送を増強し、および
前記成形された組成物の前記腸への曝露は、前記腸の壁を通る輸送のために前記治療薬の前記保護容積への放出を開始する、開始すること
を含む方法。
[発明25]
前記腸の状態が小腸のpHである、発明24に記載の方法。
[発明26]
前記pHが約6.5~7.5の範囲にある、発明25に記載の方法。
[発明27]
前記送達増強剤がプロテアーゼ阻害剤を含む、発明24に記載の方法。
[発明28]
前記送達増強剤が、前記治療薬に対する小腸の壁の透過性を高める透過性促進剤を含む、発明24に記載の方法。
[発明29]
前記送達増強剤が、前記小腸の上皮層内の細胞の原形質膜を流動化する、発明28に記載の方法。
[発明30]
前記透過性促進剤が、中鎖脂肪酸(MCFA)ベースのカプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム誘導体、アシルカルニチンまたはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む、発明29に記載の方法。
[発明31]
前記送達増強剤が、腸壁の上皮層からの細胞の脱落を誘発する、発明28に記載の方法。
[発明32]
前記成形された組成物が、設計された期間後に前記送達増強剤および前記治療薬が前記保護容積に放出されるように、前記設計された期間後に前記小腸で分解するように構造化されたコーティングを含む、発明24に記載の方法。
[発明33]
前記設計された期間が、前記拡張可能なエンクロージャの前記ヘッド領域および前記テール領域の拡張のための設計された時間よりも長い、発明32に記載の方法。
[発明34]
前記治療薬の放出の開始が、前記送達増強剤の放出の開始の後である、発明24に記載の方法。
[発明35]
前記送達機構が、化学反応によって前記ヘッド領域および前記テール領域を拡張する、発明24に記載の方法。
[発明36]
前記成形された組成物が、前記摂取可能なデバイス内に配置された複数の成形された組成物の第1の成形された組成物であり、前記第1の成形された組成物中の前記治療薬の質量が第1の質量である、発明24に記載の方法。
[発明37]
前記複数の成形された組成物のうちの少なくとも第2の成形された組成物が、前記第1の質量とは異なる質量の前記治療薬を含む、発明36に記載の方法。
[発明38]
前記治療薬が第1の治療薬であり、前記複数の成形された組成物が、少なくとも前記第1の治療薬および前記第1の治療薬とは異なる第2の治療薬を含む、発明36に記載の方法。
[発明39]
前記複数の成形された組成物が、前記治療薬を含む第2の成形された組成物を含み、前記第1の成形された組成物が、前記腸への曝露後の第1の期間後に前記治療薬を放出するように設計され、前記第2の成形された組成物が、前記腸への曝露後の第2の期間後に前記治療薬を放出するように設計され、前記第2の期間が前記第1の期間よりも長くなるように設計されている、発明36に記載の方法。
[発明40]
前記送達増強剤が第1の送達増強剤であり、前記複数の成形された組成物が、少なくとも前記第1の送達増強剤および前記第1の送達増強剤とは異なる第2の送達増強剤を含む、発明36に記載の方法。
[発明41]
前記摂取可能なデバイスが、胃の内容物に曝露されたときに分解に耐えるように構造化された腸溶コーティングを含み、前記腸溶コーティングが前記腸内で分解するように構造化されている、発明24に記載の方法。
[発明42]
前記成形された組成物が崩壊剤または超崩壊剤を含む、発明24に記載の方法。
[発明43]
前記治療薬が免疫グロブリンを含む、発明24に記載の方法。
[発明44]
前記免疫グロブリンが免疫グロブリンGを含む、発明43に記載の方法。
[発明45]
前記免疫グロブリンがTNF-α抗体を含む、発明43に記載の方法。
[発明46]
前記TNF-α抗体がアダリムマブを含む、発明45に記載の方法。
[発明47]
前記免疫グロブリンが、インターロイキンのIL-17ファミリーのインターロイキンに対する抗体(AI17抗体)を含む、発明43に記載の方法。
[発明48]
前記AI17抗体が、ブロダルマブ、セクキヌマブまたはイキセキズマブを含む、発明47に記載の方法。
[発明49]
胃腸管内の消化物によって分解される治療薬を対象に経口送達するための方法であって、
成形された組成物および送達機構を含む摂取可能なデバイスを摂取することであって、前記送達機構は、ヘッド領域およびテール領域を有する拡張可能なエンクロージャを含み、前記成形された組成物は、前記治療薬を含み、腸壁を横切る前記治療薬の輸送を増強するように構造化された送達増強剤をさらに含み、前記ヘッド領域および前記テール領域は、前記小腸の状態に応答して拡張可能である、摂取すること;ならびに
前記腸壁を横切る前記治療薬の輸送を、
前記小腸の状態に応答して前記ヘッド領域と前記テール領域を拡張し、前記ヘッド領域と前記テール領域は前記腸壁に対して拡張して、前記治療薬の送達のために腸の密封された腸セクションを形成し;
前記送達増強剤を前記密封された腸セクションに放出し、前記送達増強剤は前記治療薬の輸送を増強するためにそこに留まり;および
前記治療薬を前記密封された腸セクションに放出し、前記治療薬は前記腸壁を横切って輸送されるまでそこに留まる
ことによって提供すること
を含む方法。
[発明50]
GI管の分泌物によって分解される治療薬を患者に経口送達するための方法であって、
成形された組成物およびヘッド領域とテール領域を有する拡張可能なエンクロージャを含む摂取可能なデバイスを嚥下することであって、前記成形された組成物は、前記治療薬および腸壁を横切る前記治療薬の輸送を増強するように構造化された送達増強剤を含み、前記ヘッド領域および前記テール領域は小腸の状態に応答して拡張可能である、嚥下すること;
前記小腸の状態に応答して前記ヘッド領域と前記テール領域を拡張することであって、前記ヘッド領域と前記テール領域は前記腸壁に対して拡張して、前記治療薬の送達のために前記小腸の密封されたセクションを形成する、拡張すること;
前記送達増強剤を前記小腸の密封されたセクションに放出することであって、前記送達増強剤は、前記治療薬の輸送を増強するためにそこに留まる、放出すること;
前記治療薬を前記小腸の密封されたセクションに放出することであって、前記治療薬は前記腸壁を横切って輸送されるまでそこに留まる、放出すること;ならびに
前記小腸の密封されたセクションの腸壁を横切って生物学的に活性な治療薬を輸送することであって、輸送は前記送達増強剤によって増強される、輸送すること、
を含む方法。
[発明51]
前記状態が前記小腸のpHである、発明50に記載の方法。
[発明52]
前記pHが約6.5~7.5の範囲にある、発明51に記載の方法。
[発明53]
前記送達増強剤が、生物学的に活性な形態の前記治療薬の輸送を増強する、発明50に記載の方法。
[発明54]
前記送達増強剤がプロテアーゼ阻害剤である、発明53に記載の方法。
[発明55]
前記送達増強剤が、前記治療薬に対する前記小腸の壁の透過性を高める、発明50に記載の方法。
[発明56]
前記送達増強剤が、前記小腸の上皮層内の細胞の原形質膜を流動化する、発明55に記載の方法。
[発明57]
前記送達増強剤が、中鎖脂肪酸(MCFA)ベースのカプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム誘導体、アシルカルニチン、またはEDTAを含む、発明56に記載の方法。
[発明58]
前記送達増強剤が、前記腸壁の上皮層からの細胞の脱落を引き起こす、発明55に記載の方法。
[発明59]
前記成形された組成物が、選択された期間後に前記送達増強剤および前記治療薬が前記腸の密封されたセクションに放出されるように、前記選択された期間後に前記小腸で分解するように構造化されたコーティングを含む、発明50に記載の方法。
[発明60]
前記選択された期間が最大約1分までである、発明59に記載の方法。
[発明61]
前記選択された期間が、前記ヘッド領域および前記テール領域の完全な膨張のための時間よりも長い、発明59に記載の方法。
[発明62]
前記送達増強剤が、前記治療薬の部分に比べて前記成形された組成物の外側部分に配置される、発明50に記載の方法。
[発明63]
前記送達増強剤の放出が開始した後、前記治療薬が選択された期間放出される、発明50に記載の方法。
[発明64]
前記選択された期間が約1分~5分の範囲にある、発明63に記載の方法。
[発明65]
前記ヘッド領域および前記テール領域が化学反応によって拡張される、発明50に記載の方法。
[発明66]
前記化学反応が、前記ヘッド領域または前記テール領域の一方または両方で起こる、発明65に記載の方法。
[発明67]
前記ヘッド領域または前記テール領域の少なくとも1つが化学反応物を含む、発明66に記載の方法。
[発明68]
前記成形された組成物が、前記拡張可能なエンクロージャの周囲の周りに配置される、発明50に記載の方法。
[発明69]
前記成形された組成物が前記拡張可能なエンクロージャに取り付けられている、発明50に記載の方法。
[発明70]
前記成形された組成物が第1の成形された組成物であり、前記摂取可能なデバイスが、前記第1の成形された組成物を含む複数の成形された組成物を含む、発明50に記載の方法。
[発明71]
前記複数の成形された組成物が、少なくとも第1および第2の治療薬を含む、発明70に記載の方法。
[発明72]
前記摂取可能なデバイスが、前記胃内の前記摂取可能なデバイスの内容物を保護するが、前記腸内で分解して、前記摂取可能なデバイスの内容物を前記腸内の分泌物に曝露するように構造化された腸溶コーティングを含む、発明50に記載の方法。
[発明73]
前記成形された組成物が賦形剤を含む、発明50に記載の方法。
[発明74]
前記賦形剤が崩壊剤または超崩壊剤を含む、発明73に記載の方法。
[発明75]
前記治療薬が免疫グロブリンを含む、発明50に記載の方法。
[発明76]
前記免疫グロブリンが免疫グロブリンGを含む、発明75に記載の方法。
[発明77]
前記免疫グロブリンがTNF-α抗体を含む、発明75に記載の方法。
[発明78]
前記TNF-α抗体がアダリムマブを含む、発明77に記載の方法。
[発明79]
前記免疫グロブリンが、インターロイキンのIL-17ファミリーのインターロイキンに対する抗体(AI17抗体)を含む、発明75に記載の方法。
[発明80]
前記AI17抗体がブロダルマブ、セクキヌマブまたはイキセキズマブを含む、発明79に記載の方法。
【外国語明細書】