(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182596
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ヒトパピローマウイルス39型のL1タンパク質の変異体
(51)【国際特許分類】
C12N 15/34 20060101AFI20231219BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20231219BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20231219BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20231219BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20231219BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20231219BHJP
C12N 7/01 20060101ALI20231219BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20231219BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20231219BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20231219BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20231219BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231219BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20231219BHJP
A61K 39/12 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
C12N15/34 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N7/01
C12N15/09 Z
C12P21/02 C
A61P31/20
A61P37/04
A61P35/00
A61P15/00
A61K39/12
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023146255
(22)【出願日】2023-09-08
(62)【分割の表示】P 2021517892の分割
【原出願日】2019-06-04
(31)【優先権主張番号】201810563378.0
(32)【優先日】2018-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】504458976
【氏名又は名称】厦▲門▼大学
(71)【出願人】
【識別番号】520479892
【氏名又は名称】厦門万泰滄海生物技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】XIAMEN INNOVAX BIOTECH CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 少 偉
(72)【発明者】
【氏名】王 大 寧
(72)【発明者】
【氏名】王 致 萍
(72)【発明者】
【氏名】柳 欣 林
(72)【発明者】
【氏名】張 軍
(72)【発明者】
【氏名】夏 寧 邵
(57)【要約】 (修正有)
【課題】疾患(子宮頚がんおよび尖圭コンジローマなど)を予防するための医薬組成物またはワクチンの製造におけるタンパク質およびウイルス様粒子の使用方法を提供する。
【解決手段】本発明は、変異HPV39L1タンパク質(またはそのバリアント)、それをコードする配列、それを調製する方法、およびそれを含むウイルス様粒子に関し、ここで、当該タンパク質(またはそのバリアント)および当該ウイルス様粒子は少なくとも2つのHPV型(たとえば、HPV39およびHPV68、またはHPV39、HPV68、およびHPV70)に対する中和抗体の発生を誘発でき、したがって、上記少なくとも2つのHPV型による感染および当該感染により引き起こされる疾患(子宮頚がんおよび尖圭コンジローマなど)を予防するために使用できる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントであって、野生型HPV39 L1タンパク質との比較において、前記変異HPV39 L1タンパク質は、以下の変異:
(1)N末端における1~25個のアミノ酸、たとえば1~5、1~10、1~15、1~20、5~15、10~15、10~20、または15~20個のアミノ酸の切断;および
(2)前記野生型HPV39 L1タンパク質の269~288位のアミノ酸残基の、第2の型の野生型HPVのL1タンパク質の対応位置におけるアミノ酸残基での置換;
を有し、
前記バリアントは、1個以上(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、または9個)のアミノ酸が置換(好ましくは保存的置換)、付加、または欠失されているという点でのみ、前記変異HPV39 L1タンパク質と異なり、かつ、前記変異HPV39 L1タンパク質の機能、すなわち少なくとも2つのHPV型(たとえば、HPV39およびHPV68、またはHPV39、HPV68、およびHPV70)に対する中和抗体の発生を誘発する能力を保持し;
好ましくは、前記変異HPV39 L1タンパク質は、任意に、さらに以下の変異:
(3)(a)前記野生型HPV39 L1タンパク質の117~140位のアミノ酸残基の、第3の型の野生型HPVのL1タンパク質の対応位置におけるアミノ酸残基での置換;または
(b)前記野生型HPV39 L1タンパク質の169~181位のアミノ酸残基の、第3の型の野生型HPVのL1タンパク質の対応位置におけるアミノ酸残基での置換;または
(c)前記野生型HPV39 L1タンパク質の347~358位のアミノ酸残基の、第3の型の野生型HPVのL1タンパク質の対応位置におけるアミノ酸残基での置換;
を有し、
好ましくは、前記変異HPV39 L1タンパク質は、前記野生型HPV39 L1タンパク質との比較において、N末端の3、5、8、10、12、15、18、20、または22個のアミノ酸が切断されており;
好ましくは、前記変異HPV39 L1タンパク質は、前記野生型HPV39 L1タンパク質との比較において、N末端の15個のアミノ酸が切断されており;
好ましくは、前記第2の型の野生型HPVは、HPV68であり;好ましくは、前記(2)中に記載される対応位置におけるアミノ酸残基は、野生型HPV68 L1タンパク質の270~289位のアミノ酸残基であり;
好ましくは、前記第3の型の野生型HPVは、HPV70であり;好ましくは、前記(3)(a)中に記載される対応位置におけるアミノ酸残基は、野生型HPV70 L1タンパク質の117~141位のアミノ酸残基であり;好ましくは、前記(3)(b)中に記載される対応位置におけるアミノ酸残基は、野生型HPV70 L1タンパク質の170~182位のアミノ酸残基であり;好ましくは、前記(3)(c)中に記載される対応位置におけるアミノ酸残基は、野生型HPV70 L1タンパク質の348~359位のアミノ酸残基であり;
好ましくは、前記野生型HPV39 L1タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を有し;
好ましくは、前記野生型HPV68 L1タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列を有し;
好ましくは、前記野生型HPV70 L1タンパク質は、配列番号3のアミノ酸配列を有し;
好ましくは、前記変異HPV39 L1タンパク質は、配列番号7、10、11、およ
び12からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、
変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアント。
【請求項2】
単離された核酸であって、請求項1に記載の変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントをコードし、
好ましくは、前記単離された核酸は、配列番号19、22、23、および24からなる群より選択されるヌクレオチド配列を有する、単離された核酸。
【請求項3】
請求項2に記載の単離された核酸を含むベクター。
【請求項4】
請求項2に記載の単離された核酸および/または請求項3に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項5】
請求項1に記載の変異HPV39 L1タンパク質もしくはそのバリアントを含む、またはこれからなる、HPVウイルス様粒子。
【請求項6】
請求項1に記載の変異HPV39 L1タンパク質もしくはそのバリアント、または請求項2に記載の単離された核酸、または請求項3に記載のベクター、または請求項4に記載の宿主細胞、または請求項5に記載のHPVウイルス様粒子を含む、組成物。
【請求項7】
医薬組成物またはワクチンであって、請求項5に記載のHPVウイルス様粒子と、任意に、製薬学的に許容される担体および/または賦形剤とを含み、
好ましくは、前記HPVウイルス様粒子は、HPV感染またはHPV感染により引き起こされる疾患を予防するのに有効な量で存在し;
好ましくは、前記HPV感染は、1つ以上のHPV型による感染(たとえば、HPV39感染、HPV68感染、および/またはHPV70感染)であり;
好ましくは、前記HPV感染により引き起こされる疾患は、子宮頚がんおよび尖圭コンジローマからなる群より選択される、医薬組成物またはワクチン。
【請求項8】
請求項1に記載の変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントの調製方法であって、前記変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントを宿主細胞において発現させる工程と、次いで、前記宿主細胞の培養物から前記変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントを回収する工程とを含み;
好ましくは、前記宿主細胞は、大腸菌であり;
好ましくは、前記方法は、前記変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントを大腸菌において発現させる工程と、次いで、前記大腸菌の溶解物上清を精製することによって前記変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントを得る工程;好ましくは、クロマトグラフィー(たとえば、陽イオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、および/または疎水性相互作用クロマトグラフィー)によって前記大腸菌の溶解物上清から前記変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントを回収する工程とを含む、方法。
【請求項9】
ワクチンの調製方法であって、請求項5に記載のHPVウイルス様粒子と、製薬学的に許容される担体および/または賦形剤と、を組み合わせる工程を含む、方法。
【請求項10】
HPV感染またはHPV感染により引き起こされる疾患の予防方法であって、請求項5に記載のHPVウイルス様粒子または請求項7に記載の医薬組成物もしくはワクチンの予防的有効量を対象に投与する工程を含み、
好ましくは、前記HPV感染は、1つ以上のHPV型による感染(たとえば、HPV39感染、HPV68感染、および/またはHPV70感染)であり;
好ましくは、前記HPV感染により引き起こされる疾患は、子宮頚がんおよび尖圭コンジローマからなる群より選択される、方法。
【請求項11】
HPV感染またはHPV感染により引き起こされる疾患を予防するための医薬組成物またはワクチンの製造における、請求項1に記載の変異HPV39 L1タンパク質もしくはそのバリアント、または請求項5に記載のHPVウイルス様粒子の使用であって、
好ましくは、前記HPV感染は、1つ以上のHPV型による感染(たとえば、HPV39感染、HPV68感染、および/またはHPV70感染)であり;
好ましくは、前記HPV感染により引き起こされる疾患は、子宮頚がんおよび尖圭コンジローマからなる群より選択される、使用。
【請求項12】
HPV感染またはHPV感染により引き起こされる疾患を予防するための、請求項1に記載の変異HPV39 L1タンパク質もしくはそのバリアント、または請求項5に記載のHPVウイルス様粒子であって、
好ましくは、前記HPV感染は、1つ以上のHPV型による感染(たとえば、HPV39感染、HPV68感染、および/またはHPV70感染)であり;
好ましくは、前記HPV感染により引き起こされる疾患は、子宮頚がんおよび尖圭コンジローマからなる群より選択される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2018年6月4日付で提出された中国出願第201810563378.0号に基づき、かつ、同出願の優先権の利益を主張する。当該出願の開示内容の全体を引用により本明細書に援用する。
【0002】
技術分野
本発明は、分子ウイルス学および免疫学の分野に関する。特に、本発明は、変異HPV39 L1タンパク質(またはそのバリアント)、それをコードする配列、それを調製する方法、およびそれを含むウイルス様粒子に関し、ここで、当該タンパク質(またはそのバリアント)および当該ウイルス様粒子は、少なくとも2つのHPV型(たとえば、HPV39およびHPV68、またはHPV39、HPV68、およびHPV70)に対する中和抗体の発生を誘発でき、したがって、上記少なくとも2つのHPV型による感染および当該感染により引き起こされる疾患(子宮頚がんおよび尖圭コンジローマなど)を予防するために使用できるものである。本発明はさらに、上記少なくとも2つのHPV型による感染および当該感染により引き起こされる疾患(子宮頚がんおよび尖圭コンジローマなど)を予防するための医薬組成物またはワクチンの製造における上記タンパク質および上記ウイルス様粒子の使用にも関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、主として、皮膚および粘膜にいぼを生じさせる。HPVの型は、腫瘍形成との関連に依存してハイリスク型とローリスク型とに分けられる。そのうちハイリスク型HPVによる感染は女性の子宮頚がんを含む生殖器がんの主因であることが示されており、ローリスク型HPVは主として尖圭コンジローマを引き起こす。HPV感染を予防および制御するための最も有効な方法は、HPVワクチン、特に子宮頚がんを引き起こすハイリスク型HPVに対するワクチンの接種である。
【0004】
HPVの主要カプシドタンパク質L1は、自己集合して中空状のウイルス様粒子(VLP)を形成するという特徴がある。HPV VLPは、主要カプシドタンパク質L1の五量体が72個集まって構成される対称二十面体構造を有する(Doorbar, J. and P.H. Gallimore. 1987. J Virol, 61(9): 2793-9)。HPV VLPは構造の点で天然HPVと非常によく似ており、天然のウイルスの中和エピトープの大部分を保持していて、力価の高い中和抗体の発生を誘発できる(Kirnbauer, R., F. Booy, et al. 1992 Proc Natl Acad
Sci U S A 89(24): 12180-4)。
【0005】
しかしながら、これまでの研究によると、HPV VLPは主に同じ型のHPVに対する中和抗体の発生を誘発し、同じ型のHPVに対する防御免疫をもたらし、相同性の高い少数のHPV型に対して低い交差防御効果を有するのみであることが示されている(Sara
L. Bissett, Giada Mattiuzzo, et al. 2014 Vaccine. 32:6548-6555)。したがって、
既存のHPVワクチンの防御範囲は非常に限定されている。一般的に、1つの型のHPVのVLPは同じ型のHPVによる感染の予防にのみ使用できる。この場合、HPVワクチンの防御範囲を広くすることが必要であれば、より多くの型のHPVのVLPをワクチンに添加するしかない。現在のところ、メルクのGardasil(登録商標)(HPV16、18、6、および11に対する4価のワクチン)、GSKのCervarix(登録商標)(HPV16および18に対する2価のワクチン)、およびメルクのGardasil(登録商標)9(HPV6、11、16、18、31、33、45、52、および58に対する9価のワクチン)を含む市販HPVワクチンは、複数のHPV型のVLPを組み合わせることによって調製されている。しかしながら、このような解決策では、HPV
ワクチンの製造コストが大幅に増大すると考えられ、免疫量の増大による安全性の問題も生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、当技術分野において、複数のHPV型による感染およびこの感染により引き起こされる疾患(子宮頚がんおよび尖圭コンジローマなど)をより経済的かつ効果的に予防するために、複数のHPV型に対する防御中和抗体の発生を誘発できるHPVウイルス様粒子を開発することが急務である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の内容
本発明は、本発明者らによる以下の驚くべき発見に少なくとも一部基づく。ヒトパピローマウイルス(HPV)39型のL1タンパク質の特定セグメントを第2の型のHPV(HPV68など)のL1タンパク質の対応セグメントで置換した後、こうして得られる変異HPV39 L1タンパク質は、生物においてHPV39および第2の型のHPV(HPV68など)に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果はHPV39 VLPと第2の型のHPVのVLPとの混合物の場合と同等であり、HPV68に対するその防御効果はHPV68 VLP単独の場合と同等であり、第2の型のHPV(HPV68など)に対するその防御効果は第2の型のHPVのVLP単独の場合と同等である。
【0008】
加えて、上述される置換をベースとし、HPV39 L1タンパク質の他の特定セグメントを第3の型のHPV(HPV70など)のL1タンパク質の対応セグメントでさらに置換することができ、こうして得られる二重置換を有する変異HPV39 L1タンパク質は、HPV39、第2の型のHPV(HPV68など)、および第3の型のHPV(HPV70など)に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果はHPV39 VLP、第2の型のHPVのVLP、および第3の型のHPVのVLPの混合物の場合と同等であり、HPV39に対するその防御効果はHPV39 VLP単独の場合と同等であり、第2の型のHPV(HPV68など)に対するその防御効果は第2の型のHPVのVLP単独の場合と同等であり、第3の型のHPV(HPV70など)に対するその防御効果は第3の型のHPVのVLP単独の場合と同等である。
【0009】
したがって、一態様において、本発明は、変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントを提供し、ここで、野生型HPV39 L1タンパク質との比較において、変異HPV39 L1タンパク質は、以下の変異:
(1)N末端における1~25個のアミノ酸、たとえば1~5、1~10、1~15、1~20、5~15、10~15、10~20、または15~20個のアミノ酸の切断;および
(2)野生型HPV39 L1タンパク質の269~288位のアミノ酸残基の、第2の型の野生型HPVのL1タンパク質の対応位置におけるアミノ酸残基での置換;
を有し、
バリアントは、1個以上(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、または9個)のアミノ酸が置換(好ましくは保存的置換)、付加、または欠失されているという点でのみ、変異HPV39 L1タンパク質と異なり、かつ、変異HPV39 L1タンパク質の機能、すなわち少なくとも2つのHPV型(たとえば、HPV39およびHPV68、またはHPV39、HPV68、およびHPV70)に対する中和抗体の発生を誘発する能力を保持する。
【0010】
いくつかの好ましい実施形態において、変異HPV39 L1タンパク質は、任意に、さらに以下の変異:
(3)(a)野生型HPV39 L1タンパク質の117~140位のアミノ酸残基の、第3の型の野生型HPVのL1タンパク質の対応位置におけるアミノ酸残基での置換;または
(b)野生型HPV39 L1タンパク質の169~181位のアミノ酸残基の、第3の型の野生型HPVのL1タンパク質の対応位置におけるアミノ酸残基での置換;または
(c)野生型HPV39 L1タンパク質の347~358位のアミノ酸残基の、第3の型の野生型HPVのL1タンパク質の対応位置におけるアミノ酸残基での置換
を有する。
【0011】
いくつかの好ましい実施形態において、変異HPV39 L1タンパク質は、野生型HPV39 L1タンパク質との比較において、N末端の3、5、8、10、12、15、18、20、または22個のアミノ酸が切断されている。いくつかの好ましい実施形態において、変異HPV39 L1タンパク質は、野生型HPV39 L1タンパク質との比較において、N末端の15個のアミノ酸が切断されている。
【0012】
いくつかの好ましい実施形態において、第2の型の野生型HPVは、HPV68である。いくつかの好ましい実施形態において、(2)中に記載される対応位置におけるアミノ酸残基は、野生型HPV68 L1タンパク質の270~289位のアミノ酸残基である。いくつかの好ましい実施形態において、第3の型の野生型HPVは、HPV70である。いくつかの好ましい実施形態において、(3)(a)中に記載される対応位置におけるアミノ酸残基は、野生型HPV70 L1タンパク質の117~141位のアミノ酸残基である。いくつかの好ましい実施形態において、(3)(b)中に記載される対応位置におけるアミノ酸残基は、野生型HPV70 L1タンパク質の170~182位のアミノ酸残基である。いくつかの好ましい実施形態において、(3)(c)中に記載される対応位置におけるアミノ酸残基は、野生型HPV70 L1タンパク質の348~359位のアミノ酸残基である。
【0013】
いくつかの好ましい実施形態において、野生型HPV39 L1タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を有する。
【0014】
いくつかの好ましい実施形態において、野生型HPV68 L1タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。
【0015】
いくつかの好ましい実施形態において、野生型HPV70 L1タンパク質は、配列番号3のアミノ酸配列を有する。
【0016】
いくつかの好ましい実施形態において、野生型HPV68 L1タンパク質の270~289位のアミノ酸残基は、配列番号25の配列を有する。
【0017】
いくつかの好ましい実施形態において、野生型HPV70 L1タンパク質の117~141位のアミノ酸残基は、配列番号26の配列を有する。
【0018】
いくつかの好ましい実施形態において、野生型HPV70 L1タンパク質の170~182位のアミノ酸残基は、配列番号27の配列を有する。
【0019】
いくつかの好ましい実施形態において、野生型HPV70 L1タンパク質の348~359位のアミノ酸残基は、配列番号28の配列を有する。
【0020】
いくつかの好ましい実施形態において、変異HPV39 L1タンパク質は、配列番号
7、10、11、および12からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する。
【0021】
別の一態様において、本発明は、上述される変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントをコードする単離された核酸を提供する。別の一態様において、本発明は、上記単離された核酸を含むベクターを提供する。いくつかの好ましい実施形態において、本発明に係る単離された核酸は、配列番号19、22、23、および24からなる群より選択されるヌクレオチド配列を有する。
【0022】
目的のポリヌクレオチドを挿入するのに有用なベクターは当技術分野において公知であり、これにはクローニングベクターおよび発現ベクターが含まれるが、それらに限定されない。一実施形態において、ベクターは、たとえば、プラスミド、コスミド、ファージなどである。
【0023】
別の一態様において、本発明はさらに、上記単離された核酸またはベクターを含む宿主細胞にも関する。宿主細胞は、大腸菌細胞などの原核細胞、ならびに酵母細胞、昆虫細胞、植物細胞、および動物細胞(哺乳類細胞など、たとえばマウス細胞、ヒト細胞など)などの真核細胞を含むが、これらに限定されない。本発明に係る宿主細胞は、293T細胞および293TT細胞などの細胞株であってもよい。
【0024】
別の一態様において、本発明は、本発明に係る変異HPV39 L1タンパク質もしくはそのバリアントを含む、またはこれからなる、HPVウイルス様粒子に関する。
【0025】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明に係るHPVウイルス様粒子は、野生型HPV39 L1タンパク質との比較においてN末端における1~25個のアミノ酸、たとえば1~5、1~10、1~15、1~20、5~15、10~15、10~20、または15~20個のアミノ酸、たとえば3、5、8、11、13、15、18、20、または22個のアミノ酸が切断され、野生型HPV39 L1タンパク質の269~288位のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の270~289位のアミノ酸残基で置換されている、変異HPV39 L1タンパク質を含む。
【0026】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明に係るHPVウイルス様粒子は、野生型HPV39 L1タンパク質との比較においてN末端における1~25個のアミノ酸、たとえば1~5、1~10、1~15、1~20、5~15、10~15、10~20、または15~20個のアミノ酸、たとえば3、5、8、11、13、15、18、20、または22個のアミノ酸が切断され、野生型HPV39 L1タンパク質の269~288位のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の270~289位のアミノ酸残基で置換され、野生型HPV39 L1タンパク質の117~140位のアミノ酸残基が野生型HPV70 L1タンパク質の117~141位のアミノ酸残基で置換されている、変異HPV39 L1タンパク質を含む。
【0027】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明に係るHPVウイルス様粒子は、野生型HPV39 L1タンパク質との比較においてN末端における1~25個のアミノ酸、たとえば1~5、1~10、1~15、1~20、5~15、10~15、10~20、または15~20個のアミノ酸、たとえば3、5、8、11、13、15、18、20、または22個のアミノ酸が切断され、野生型HPV39 L1タンパク質の269~288位のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の270~289位のアミノ酸残基で置換され、野生型HPV39 L1タンパク質の169~181位のアミノ酸残基が野生型HPV70 L1タンパク質の170~182位のアミノ酸残基で置換されている、変異HPV39 L1タンパク質を含む。
【0028】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明に係るHPVウイルス様粒子は、野生型HPV39 L1タンパク質との比較においてN末端における1~25個のアミノ酸、たとえば1~5、1~10、1~15、1~20、5~15、10~15、10~20、または15~20個のアミノ酸、たとえば3、5、8、11、13、15、18、20、または22個のアミノ酸が切断され、野生型HPV39 L1タンパク質の269~288位のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の270~289位のアミノ酸残基で置換され、野生型HPV39 L1タンパク質の347~358位のアミノ酸残基が野生型HPV70 L1タンパク質の348~359位のアミノ酸残基で置換されている、変異HPV39 L1タンパク質を含む。
【0029】
特に好ましい一実施形態において、本発明に係るHPVウイルス様粒子は、配列番号7、10、11、または12の配列を有する変異HPV39 L1タンパク質を含む。
【0030】
別の一態様において、本発明はさらに、上記変異HPV39 L1タンパク質もしくはそのバリアント、上記単離された核酸、上記ベクター、上記宿主細胞、または上記HPVウイルス様粒子を含む組成物にも関する。いくつかの好ましい実施形態において、組成物は、本発明に係る変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントを含む。いくつかの好ましい実施形態において、組成物は、本発明に係るHPVウイルス様粒子を含む。
【0031】
別の一態様において、本発明はさらに、本発明に係るHPVウイルス様粒子と、任意に、製薬学的に許容される担体および/または賦形剤とを含む、医薬組成物またはワクチンにも関する。本発明に係る医薬組成物またはワクチンは、HPV感染またはHPV感染により引き起こされる疾患(子宮頚がんおよび尖圭コンジローマなど)を予防するために使用できる。
【0032】
いくつかの好ましい実施形態において、HPVウイルス様粒子は、HPV感染またはHPV感染により引き起こされる疾患を予防するのに有効な量で存在する。いくつかの好ましい実施形態において、HPV感染は、1つ以上のHPV型による感染(たとえば、HPV39感染、HPV68感染、および/またはHPV70感染)である。いくつかの好ましい実施形態において、HPV感染により引き起こされる疾患は、子宮頚がんおよび尖圭コンジローマからなる群より選択される。
【0033】
本発明に係る医薬組成物またはワクチンは、たとえば経口または注射(これらに限定されない)などの当技術分野において公知の方法によって投与されてよい。本発明において、特に好ましい投与経路は、注射である。
【0034】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明に係る医薬組成物またはワクチンは、単位投薬量の形態で投与される。発明を限定することを意図しないが、たとえば、各単位投薬量は、HPVウイルス様粒子を5μg~80μg、好ましくは20μg~40μg含有する。
【0035】
別の一態様において、本発明は、上述される変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントの調製方法であって、変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントを宿主細胞において発現させる工程と、次いで、宿主細胞の培養物から変異HPV39
L1タンパク質またはそのバリアントを回収する工程とを含む方法に関する。
【0036】
いくつかの好ましい実施形態において、宿主細胞は、大腸菌である。
いくつかの好ましい実施形態において、当該方法は、変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントを大腸菌において発現させる工程と、次いで、大腸菌の溶解物上清を精製することによって変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントを得る工
程とを含む。いくつかの好ましい実施形態において、変異HPV39 L1タンパク質またはそのバリアントは、クロマトグラフィー(たとえば、陽イオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、および/または疎水性相互作用クロマトグラフィー)によって大腸菌の溶解物上清から回収される。
【0037】
別の一態様において、本発明は、ワクチンの調製方法であって、本発明に係るHPVウイルス様粒子と、製薬学的に許容される担体および/または賦形剤と、を組み合わせる工程を含む方法に関する。
【0038】
別の一態様において、本発明は、HPV感染またはHPV感染により引き起こされる疾患の予防方法であって、本発明に係るHPVウイルス様粒子または医薬組成物またはワクチンの予防的有効量を対象に投与する工程を含む方法に関する。好ましい一実施形態において、HPV感染は、1つ以上のHPV型による感染(たとえば、HPV39感染、HPV68感染、および/またはHPV70感染)である。別の好ましい一実施形態において、HPV感染により引き起こされる疾患は、子宮頚がんおよび尖圭コンジローマを含むが、これらに限定されない。別の好ましい一実施形態において、対象は、ヒトなどの哺乳類である。
【0039】
別の一態様において、本発明はさらに、HPV感染またはHPV感染により引き起こされる疾患を予防するための医薬組成物またはワクチンの製造における、本発明に係る変異HPV39 L1タンパク質もしくはそのバリアントまたはHPVウイルス様粒子の使用にも関する。好ましい一実施形態において、HPV感染は、1つ以上のHPV型による感染(たとえば、HPV39感染、HPV68感染、および/またはHPV70感染)である。別の好ましい一実施形態において、HPV感染により引き起こされる疾患は、子宮頚がんおよび尖圭コンジローマを含むがこれらに限定されない。
【0040】
別の一態様において、本発明はさらに、HPV感染またはHPV感染により引き起こされる疾患を予防するための、本発明に係る変異HPV39 L1タンパク質もしくはそのバリアントまたはHPVウイルス様粒子にも関する。好ましい一実施形態において、HPV感染は、1つ以上のHPV型による感染(たとえば、HPV39感染、HPV68感染、および/またはHPV70感染)である。別の好ましい一実施形態において、HPV感染により引き起こされる疾患は、子宮頚がんおよび尖圭コンジローマを含むがこれらに限定されない。
【0041】
本発明中の用語の定義
本発明において、特記しない限り、本明細書中において使用される科学技術用語は、当業者が一般的に理解する意味を有する。また、本明細書中において使用される細胞培養、分子遺伝学、核酸化学、および免疫学の実験における操作は、対応分野において広く使用される通例的な操作である。ここで、本発明のよりよい理解を目的として、関連用語の定義および説明が以下に示される。
【0042】
本発明において、「第2の型の野生型HPV」という用語は、HPV39以外の野生型HPV型を指す。本発明において、第2の型の野生型HPVは、好ましくは野生型HPV68である。
【0043】
本発明において、「第3の型の野生型HPV」という用語は、HPV39および第2の型の野生型HPV以外の野生型HPV型を指す。本発明において、第3の型の野生型HPVは、好ましくは野生型HPV70である。
【0044】
本発明において、「対応位置」という表現は、比較対象配列を最適に並べた際、すなわ
ち比較対象配列を同一率が最大となるように並べた際の、比較対象配列上の同等の位置を指す。
【0045】
本発明において、「野生型HPV39 L1タンパク質」という用語は、ヒトパピローマウイルス39型(HPV39)の天然の主要カプシドタンパク質L1を指す。野生型HPV39 L1タンパク質の配列は当技術分野において公知であり、公開データベース中に見つかる(NCBIデータベース中、受入番号P24838.1、ARQ82617.1、AGU90549.1、およびAEP23084.1など)。
【0046】
本発明において、野生型HPV39 L1タンパク質のアミノ酸配列に言及される場合、配列番号1の配列を参照して説明される。たとえば、「野生型HPV39 L1タンパク質の53~61位のアミノ酸残基」という表現は、配列番号1のポリペプチドの53~61位のアミノ酸残基を指す。しかしながら、野生型HPV39は多様な分離株を含み得ること、多様な分離株の間でL1タンパク質のアミノ酸配列が異なり得ることが、当業者には理解される。さらに、L1タンパク質のアミノ酸配列は、配列は異なり得るが、異なるHPV39分離株の間の同一性は非常に高く(一般的に、95%よりも高い、たとえば、96%よりも高い、97%よりも高い、98%よりも高い、または99%よりも高い)、実質的に同じ生物学的機能を有することが、当業者には理解される。したがって、本発明において、「野生型HPV39 L1タンパク質」という用語は、配列番号1のタンパク質だけでなく、多様なHPV39分離株のL1タンパク質(番号P24838.1、ARQ82617.1、AGU90549.1、およびAEP23084.1のHPV39
L1タンパク質など)をも含む。また、野生型HPV39 L1タンパク質の配列断片が記載される場合、これは、配列番号1の配列断片だけでなく、多様なHPV39分離株のL1タンパク質の対応配列断片をも含む。たとえば、「野生型HPV39 L1タンパク質の53~61位のアミノ酸残基」という表現は、配列番号1の53~61位のアミノ酸残基、および多様なHPV39分離株のL1タンパク質の対応断片を含む。
【0047】
本発明において、「野生型HPV68 L1タンパク質」という用語は、ヒトパピローマウイルス68型(HPV68)の天然の主要カプシドタンパク質L1を指す。野生型HPV68 L1タンパク質の配列は当技術分野において公知であり、公開データベース中に見つかる(NCBIデータベース中、受入番号AAZ39498.1、AGU90717.1、P4669.1、およびAGU90703.1など)。
【0048】
本発明において、野生型HPV68 L1タンパク質のアミノ酸配列に言及される場合、配列番号2の配列を参照して説明される。たとえば、「野生型HPV68 L1タンパク質の53~61位のアミノ酸残基」という表現は、配列番号2のポリペプチドの53~61位のアミノ酸残基を指す。しかしながら、野生型HPV68は多様な分離株を含み得ること、多様な分離株の間でL1タンパク質のアミノ酸配列が異なり得ることが、当業者には理解される。さらに、L1タンパク質のアミノ酸配列は、配列は異なり得るが、異なるHPV68分離株の間の同一性は非常に高く(一般的に、95%よりも高い、たとえば、96%よりも高い、97%よりも高い、98%よりも高い、または99%よりも高い)、実質的に同じ生物学的機能を有することが、当業者には理解される。したがって、本発明において、「野生型HPV68 L1タンパク質」という用語は、配列番号2のタンパク質だけでなく、多様なHPV68分離株のL1タンパク質(AAZ39498.1、AGU90717.1、P4669.1、およびAGU90703.1のHPV68 L1タンパク質など)をも含む。また、野生型HPV68 L1タンパク質の配列断片が記載される場合、これは、配列番号2の配列断片だけでなく、多様なHPV68分離株のL1タンパク質の対応配列断片をも含む。たとえば、「野生型HPV68 L1タンパク質の53~61位のアミノ酸残基」という表現は、配列番号2の53~61位のアミノ酸残基、および多様なHPV68分離株のL1タンパク質の対応断片を含む。
【0049】
本発明において、「野生型HPV70 L1タンパク質」という用語は、ヒトパピローマウイルス70型(HPV70)の天然の主要カプシドタンパク質L1を指す。野生型HPV70 L1タンパク質の配列は当技術分野において公知であり、公開データベース中に見つかる(NCBIデータベース中、受入番号AGU90846.1、AGU90854.1、AAC54879.1、およびP50793.1など)。
【0050】
本発明において、野生型HPV70 L1タンパク質のアミノ酸配列に言及される場合、配列番号3の配列を参照して説明される。たとえば、「野生型HPV70 L1タンパク質の117~141位のアミノ酸残基」という表現は、配列番号3のポリペプチドの117~141位のアミノ酸残基を指す。しかしながら、野生型HPV70は多様な分離株を含み得ること、多様な分離株の間でL1タンパク質のアミノ酸配列が異なり得ることが、当業者には理解される。さらに、L1タンパク質のアミノ酸配列は、配列は異なり得るが、異なるHPV70分離株の間の同一性は非常に高く(一般的に、95%よりも高い、たとえば、96%よりも高い、97%よりも高い、98%よりも高い、または99%よりも高い)、実質的に同じ生物学的機能を有することが、当業者には理解される。したがって、本発明において、「野生型HPV70 L1タンパク質」という用語は、配列番号3のタンパク質だけでなく、多様なHPV70分離株のL1タンパク質(AGU90846.1、AGU90854.1、AAC54879.1、およびP50793.1のHPV70 L1タンパク質など)をも含む。また、野生型HPV70 L1タンパク質の配列断片が記載される、これは、配列番号3の配列断片だけでなく、多様なHPV70分離株のL1タンパク質の対応配列断片をも含む。たとえば、「野生型HPV70 L1タンパク質の117~141位のアミノ酸残基」という表現は、配列番号3の117~141位のアミノ酸残基、および多様なHPV70分離株のL1タンパク質の対応断片を含む。
【0051】
本発明において、「対応配列断片」または「対応断片」という表現は、比較対象配列を最適に並べた際、すなわち比較対象配列を同一率が最大となるように並べた際の、比較対象配列上の同等の位置にある断片を指す。
【0052】
本発明において、「N末端におけるX個のアミノ酸の切断」または「N末端のX個のアミノ酸が切断されている」という表現は、タンパク質のN末端における1~X位のアミノ酸残基が、開始コドンによりコードされるメチオニン残基で置換されている(タンパク質翻訳を開始させるために)ことを指す。たとえば、N末端の15個のアミノ酸が切断されているHPV39 L1タンパク質とは、野生型HPV39 L1タンパク質のN末端における1~15位のアミノ酸残基が、開始コドンによりコードされるメチオニン残基で置換されているタンパク質を指す。
【0053】
本発明において、「バリアント」という用語は、本発明に係る変異HPV39 L1タンパク質(たとえば、配列番号7、10、11、または12のタンパク質)との比較において、アミノ酸配列が、1個以上(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、または9個)のアミノ酸の置換(好ましくは保存的置換)、付加、もしくは欠失を有し、または少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の同一性を有し、かつ、本発明に係る変異HPV39 L1タンパク質の機能を保持するような、タンパク質を指す。本発明において、「変異HPV39 L1タンパク質の機能」という用語は、少なくとも2つのHPV型(たとえば、HPV39およびHPV68、またはHPV39、HPV68、およびHPV70)に対する中和抗体の発生を誘発する能力を指す。「同一性」という用語は、ヌクレオチド配列同士またはアミノ酸配列同士の間の類似度についての尺度を指す。概して、マッチングが最大となるように配列を並べた。「同一性」は、当技術分野において知られる意味を有し、公開されているアルゴリズム(BLASTなど)によって計算できる。
【0054】
本発明において、「同一性」という用語は、2つのポリペプチドの間または2つの核酸の間のマッチ度を指す。比較される2つの配列が特定部位に同一の塩基またはアミノ酸のモノマーサブユニットを有する場合(たとえば、2つのDNA分子の各々が特定部位にアデニンを有する場合、または2つのポリペプチドの各々が特定部位にリシンを有する場合)、これら2つの分子は当該部位において同一である。2つの配列の間の同一率は、比較対象部位の総数に対する当該2つの配列に共通の同一部位の数(×100)と相関する。たとえば、2つの配列において10個の部位のうち6個が一致している場合、当該2つの配列は同一性が60%である。たとえば、DNA配列CTGACTとCAGGTTとは同一性が50%である(6個中3個の部位が一致している)。一般的に、2つの配列の比較は、同一性が最大となるような手法で行なう。このような配列比較は、たとえばNeedlemanら(J. Mol. Biol. 48:443-453, 1970)の方法に基づくAlignプログラム(DNA
star社)などのコンピュータプログラムを使用して実施できる。また、2つのアミノ酸配列の間の同一率は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれたE.MeyersおよびW.Miller(Comput. Appl. Biosci., 4:11-17 (1988))のアルゴリズムを用い
、PAM120 weight residue tableを使用し、gap length penaltyを12とし、gap penaltyを4とすることによって、求めることができる。加えて、2つのアミノ酸配列の間の同一率は、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comにて入手可能)中のGAPプログラムに組み込まれたNeedlemanおよびWunsch(J. Mol. Biol. 48:444-453 (1970))のアルゴリズムにより、Blossum 62 matrixまたはPAM250 matrixのいずれかを用い、gap weightを16、14、12、10、8、6、または4とし、length weightを1、2、3、
4、5、または6とすることによって、求めることができる。
【0055】
本明細書中において使用される場合、「保存的置換」という用語は、アミノ酸配列を含むタンパク質/ポリペプチドの本質的特性に不利な影響または変化を及ぼすことのないアミノ酸置換を指す。たとえば、保存的置換は、当技術分野において知られる標準的な技術(部位特異的変異誘発、およびPCRを用いた変異誘発など)によって導入されてよい。保存的アミノ酸置換は、アミノ酸残基を、類似する側鎖を有する別のアミノ酸残基で置換すること、たとえば、当該アミノ酸残基と物理的または機能的に類似する(たとえば、サイズ、形状、電荷、共有結合または水素結合形成能力を含む化学的特性などが類似する)残基で置換することを含む。類似する側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において定められている。こうしたファミリーは、塩基性側鎖を有するアミノ酸(たとえば、リシン、アルギニン、およびヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(たとえば、アスパラギン酸およびグルタミン酸)、無電荷極性側鎖を有するアミノ酸(たとえば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、およびトリプトファン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(たとえば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、およびメチオニン)、β分枝側鎖を有するアミノ酸(トレオニン、バリン、およびイソロイシンなど)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(たとえば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびヒスチジン)を含む。したがって、一般的に、保存的置換は、対応するアミノ酸残基を同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸残基で置換することを指す。アミノ酸の保存的置換を特定する方法は、当技術分野において公知である(たとえば、Brummell et al., Biochem. 32: 1180-1187 (1993); Kobayashi et al., Protein Eng. 12(10): 879-884 (1999); and
Burks et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 412-417 (1997)を参照;これらを引用により本明細書に援用する)。
【0056】
本発明において、「大腸菌発現系」という用語は、大腸菌(株)とベクターとからなる発現系であって、当該大腸菌(株)がER2566、BL21(DE3)、B834(DE3)、およびBLR(DE3)を含むがこれらに限定されない市販株に由来するものを指す。
【0057】
本発明において、「ベクター」という用語は、ポリヌクレオチドを挿入できる核酸担持手段を指す。ベクターが、挿入されたポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質を発現させることができる場合、このベクターは発現ベクターとよばれる。このベクターは、担持している遺伝物質要素を、宿主細胞中への形質転換、形質導入、またはトランスフェクションによって宿主細胞において発現させることができる。ベクターは当業者に知られており、プラスミド、ファージ、コスミドなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0058】
本発明において、「製薬学的に許容される担体および/または賦形剤」という用語は、対象および活性成分と薬理学的および/または生理学的に適合している担体および/または賦形剤を指し、これらは当技術分野において公知であり(たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences. Edited by Gennaro AR, 19th ed. Pennsylvania: Mack Publishing Company, 1995を参照)、pH調製剤、界面活性剤、アジュバント、およびイオン強度
エンハンサーを含むが、これらに限定されない。たとえば、pH調製剤はリン酸バッファーを含むがこれに限定されず、界面活性剤はカチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、またはたとえばTween-80などの非イオン性界面活性剤を含むがこれらに限定されず、アジュバントはアルミニウムアジュバント(たとえば、水酸化アルミニウム)およびフロイントアジュバント(たとえば、フロイント完全アジュバント)を含むがこれらに限定されず、イオン強度エンハンサーはNaClを含むがこれらに限定されない。
【0059】
本発明において、「有効量」という用語は、意図される目的を効果的に達成できる量を指す。たとえば、疾患(HPV感染など)を予防するのに有効な量とは、疾患(HPV感染など)の発生を予防、抑制、または遅延させるのに有効な量を指す。このような有効量を決定することは、当業者の能力の範囲内である。
【0060】
本発明において、「クロマトグラフィー」という用語は、イオン交換クロマトグラフィー(陽イオン交換クロマトグラフィーなど)、疎水性相互作用クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー(ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーなど)、ゲルろ過クロマトグラフィー(ゲル排除クロマトグラフィー)、およびアフィニティクロマトグラフィーを含むが、これらに限定されない。
【0061】
本発明において、「溶解物上清」という用語は、以下の工程によって得られる溶液を指す:宿主細胞(大腸菌など)を溶解バッファー中で破壊し、次いで、破壊された宿主細胞を含有する溶解物溶液から不溶性物質を除去する。様々な溶解バッファーが当技術分野において公知であり、トリスバッファー、リン酸バッファー、HEPESバッファー、MOPSバッファーなどが含まれるが、これらに限定されない。加えて、宿主細胞の破壊は、ホモジナイザーによる破壊、超音波処理、粉砕、高圧押出し、リゾチーム処理などを含むがこれらに限定されない当業者に知られる方法によって行うことができる。不溶性物質の除去方法も当業者に知られており、ろ過および遠心分離を含むが、これらに限定されない。
【発明の効果】
【0062】
発明の有益な効果
研究によれば、HPV39と他のHPV型(HPV68およびHPV70など)との間にはいくらか交差防御があるが、このような交差防御は非常に小さく、一般的には1パーセント未満であり、同じ型のHPVのVLPの防御レベルと比べて千分の一であることが示されている。したがって、HPV39ワクチンの接種を受けた対象は、依然として、他のHPV型(HPV68およびHPV70など)に感染するリスクが高い。
【0063】
本発明は、変異HPV39 L1タンパク質およびこれによって形成されるHPVウイ
ルス様粒子を提供する。本発明に係るHPVウイルス様粒子は、HPV39および他のHPV型(HPV68およびHPV70など)に対して著しい交差防御を提供する。特に、免疫量が同じである場合に、本発明に係るHPVウイルス様粒子は、生物において少なくとも2つのHPV型(たとえば、HPV39およびHPV68、またはHPV39、HPV68、およびHPV70)に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その効果は、複数のHPV型のVLPの混合物(たとえば、HPV39 VLPおよびHPV68 VLPの混合物、またはHPV39 VLP、HPV68 VLP、およびHPV70 VLPの混合物)の場合と同等である。したがって、本発明に係るHPVウイルス様粒子は、少なくとも2つのHPV型(たとえば、HPV39およびHPV68、またはHPV39、HPV68、およびHPV70)による感染と同時に当該感染に関連する疾患をも予防するために使用でき、非常に有益な技術的効果を有する。このことは、HPVワクチンの防御範囲を拡大してHPVワクチンの製造コストを低減するという観点において特に著しい利点を有する。
【0064】
本発明の実施形態がさらに、図面および実施例を参照して詳細に記載される。しかしながら、当業者には、以下の図面および実施例が本発明を例証することのみを意図したものであり、本発明の範囲を規定するものではないことが理解される。以下の図面および好ましい実施形態の詳細な説明から、当業者には、本発明の様々な目的および利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】実施例1における精製した変異タンパク質についてのSDS-PAGEの結果を示す。レーン1、タンパク質分子量マーカー;レーン2、HPV39N15(N末端の15個のアミノ酸が切断されたHPV39 L1タンパク質);レーン3、HPV68N0(N末端の0個のアミノ酸が切断されたHPV68 L1タンパク質、すなわち、全長野生型HPV68 L1タンパク質);レーン4、H39N15-68T1;レーン5、H39N15-68T2;レーン6、H39N15-68T3;レーン7、H39N15-68T4;レーン8、H39N15-68T5;レーン9、タンパク質分子量マーカー;レーン10、H39N15-68T4;レーン11、HPV70N10(N末端の10個のアミノ酸が切断されたHPV70 L1タンパク質);レーン12、H39N15-68T4-70S1;レーン13、H39N15-68T4-70S2;レーン14、H39N15-68T4-70S3;レーン15、H39N15-68T4-70S5。結果は、クロマトグラフィーによる精製後、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5タンパク質の純度が90%を超えたことを示した。
【
図2】実施例1において調製した変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5についてのウェスタンブロットの結果を示す(広域スペクトル抗体4B3を使用して行なった)。レーン1、HPV39N15;レーン2、HPV68N0;レーン3、H39N15-68T1;レーン4、H39N15-68T2;レーン5、H39N15-68T3;レーン6、H39N15-68T4;レーン7、H39N15-68T5;レーン8、H39N15-68T4;レーン9、HPV70N10;レーン10、H39N15-68T4-70S1;レーン11、H39N15-68T4-70S2;レーン12、H39N15-68T4-70S3;レーン13、H39N15-68T4-70S5。結果は、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5が広域スペクトル抗体4B3によって特異的に認識され得たことを示した。
【
図3】タンパク質HPV39N15、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、およびH39N15-68T5を含む試料について、モレキュラーシーブクロマトグラフィーによって分析した結果を示す。結果は、タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、またはH39N15-68T5を含む試料の第1のタンパク質ピークが、HPV39N15の場合と同等の約13~14分に現れたことを示した。このことから、これらのタンパク質はいずれも集合してVLPを形成できたことが示された。
【
図4】タンパク質HPV39N15、HPV68L1N0、HPV70N10、H39N15-68T4、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5を含む試料について、モレキュラーシーブクロマトグラフィーによって分析した結果を示す。結果は、タンパク質H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、またはH39N15-68T4-70S5を含む試料の第1のタンパク質ピークが、HPV39N15、HPV68L1N0、HPV70N10、およびH39N15-68T4 VLPの場合と同等の約13~14分に現れたことを示した。このことから、これらのタンパク質はいずれも集合してVLPを形成できたことが示された。
【
図5A】HPV39N15 VLP、HPV68L1N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降速度分析の結果を示す。
図5A、HPV39N15 VLP;
図5B、HPV68L1N0 VLP;
図5C、H39N15-68T1 VLP;
図5D、H39N15-68T2 VLP;
図5E、H39N15-68T3 VLP;
図5F、H39N15-68T4 VLP;
図5G、H39N15-68T5 VLP;
図5H、HPV70N10 VLP;
図5I、H39N15-68T4-70S1 VLP;
図5J、H39N15-68T4-70S2 VLP;
図5K、H39N15-68T4-70S3 VLP;
図5L、H39N15-68T4-70S5 VLP。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【
図5B】HPV39N15 VLP、HPV68L1N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降速度分析の結果を示す。
図5A、HPV39N15 VLP;
図5B、HPV68L1N0 VLP;
図5C、H39N15-68T1 VLP;
図5D、H39N15-68T2 VLP;
図5E、H39N15-68T3 VLP;
図5F、H39N15-68T4 VLP;
図5G、H39N15-68T5 VLP;
図5H、HPV70N10 VLP;
図5I、H39N15-68T4-70S1 VLP;
図5J、H39N15-68T4-70S2 VLP;
図5K、H39N15-68T4-70S3 VLP;
図5L、H39N15-68T4-70S5 VLP。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【
図5C】HPV39N15 VLP、HPV68L1N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降速度分析の結果を示す。
図5A、HPV39N15 VLP;
図5B、HPV68L1N0 VLP;
図5C、H39N15-68T1 VLP;
図5D、H39N15-68T2 VLP;
図5E、H39N15-68T3 VLP;
図5F、H39N15-68T4 VLP;
図5G、H39N15-68T5 VLP;
図5H、HPV70N10 VLP;
図5I、H39N15-68T4-70S1 VLP;
図5J、H39N15-68T4-70S2 VLP;
図5K、H39N15-68T4-70S3 VLP;
図5L、H39N15-68T4-70S5 VLP。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【
図5D】HPV39N15 VLP、HPV68L1N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降速度分析の結果を示す。
図5A、HPV39N15 VLP;
図5B、HPV68L1N0 VLP;
図5C、H39N15-68T1 VLP;
図5D、H39N15-68T2 VLP;
図5E、H39N15-68T3 VLP;
図5F、H39N15-68T4 VLP;
図5G、H39N15-68T5 VLP;
図5H、HPV70N10 VLP;
図5I、H39N15-68T4-70S1 VLP;
図5J、H39N15-68T4-70S2 VLP;
図5K、H39N15-68T4-70S3 VLP;
図5L、H39N15-68T4-70S5 VLP。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【
図5E】HPV39N15 VLP、HPV68L1N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降速度分析の結果を示す。
図5A、HPV39N15 VLP;
図5B、HPV68L1N0 VLP;
図5C、H39N15-68T1 VLP;
図5D、H39N15-68T2 VLP;
図5E、H39N15-68T3 VLP;
図5F、H39N15-68T4 VLP;
図5G、H39N15-68T5 VLP;
図5H、HPV70N10 VLP;
図5I、H39N15-68T4-70S1 VLP;
図5J、H39N15-68T4-70S2 VLP;
図5K、H39N15-68T4-70S3 VLP;
図5L、H39N15-68T4-70S5 VLP。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【
図5F】HPV39N15 VLP、HPV68L1N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降速度分析の結果を示す。
図5A、HPV39N15 VLP;
図5B、HPV68L1N0 VLP;
図5C、H39N15-68T1 VLP;
図5D、H39N15-68T2 VLP;
図5E、H39N15-68T3 VLP;
図5F、H39N15-68T4 VLP;
図5G、H39N15-68T5 VLP;
図5H、HPV70N10 VLP;
図5I、H39N15-68T4-70S1 VLP;
図5J、H39N15-68T4-70S2 VLP;
図5K、H39N15-68T4-70S3 VLP;
図5L、H39N15-68T4-70S5 VLP。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【
図5G】HPV39N15 VLP、HPV68L1N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降速度分析の結果を示す。
図5A、HPV39N15 VLP;
図5B、HPV68L1N0 VLP;
図5C、H39N15-68T1 VLP;
図5D、H39N15-68T2 VLP;
図5E、H39N15-68T3 VLP;
図5F、H39N15-68T4 VLP;
図5G、H39N15-68T5 VLP;
図5H、HPV70N10 VLP;
図5I、H39N15-68T4-70S1 VLP;
図5J、H39N15-68T4-70S2 VLP;
図5K、H39N15-68T4-70S3 VLP;
図5L、H39N15-68T4-70S5 VLP。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【
図5H】HPV39N15 VLP、HPV68L1N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降速度分析の結果を示す。
図5A、HPV39N15 VLP;
図5B、HPV68L1N0 VLP;
図5C、H39N15-68T1 VLP;
図5D、H39N15-68T2 VLP;
図5E、H39N15-68T3 VLP;
図5F、H39N15-68T4 VLP;
図5G、H39N15-68T5 VLP;
図5H、HPV70N10 VLP;
図5I、H39N15-68T4-70S1 VLP;
図5J、H39N15-68T4-70S2 VLP;
図5K、H39N15-68T4-70S3 VLP;
図5L、H39N15-68T4-70S5 VLP。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【
図5I】HPV39N15 VLP、HPV68L1N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降速度分析の結果を示す。
図5A、HPV39N15 VLP;
図5B、HPV68L1N0 VLP;
図5C、H39N15-68T1 VLP;
図5D、H39N15-68T2 VLP;
図5E、H39N15-68T3 VLP;
図5F、H39N15-68T4 VLP;
図5G、H39N15-68T5 VLP;
図5H、HPV70N10 VLP;
図5I、H39N15-68T4-70S1 VLP;
図5J、H39N15-68T4-70S2 VLP;
図5K、H39N15-68T4-70S3 VLP;
図5L、H39N15-68T4-70S5 VLP。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【
図5J】HPV39N15 VLP、HPV68L1N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降速度分析の結果を示す。
図5A、HPV39N15 VLP;
図5B、HPV68L1N0 VLP;
図5C、H39N15-68T1 VLP;
図5D、H39N15-68T2 VLP;
図5E、H39N15-68T3 VLP;
図5F、H39N15-68T4 VLP;
図5G、H39N15-68T5 VLP;
図5H、HPV70N10 VLP;
図5I、H39N15-68T4-70S1 VLP;
図5J、H39N15-68T4-70S2 VLP;
図5K、H39N15-68T4-70S3 VLP;
図5L、H39N15-68T4-70S5 VLP。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【
図5K】HPV39N15 VLP、HPV68L1N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降速度分析の結果を示す。
図5A、HPV39N15 VLP;
図5B、HPV68L1N0 VLP;
図5C、H39N15-68T1 VLP;
図5D、H39N15-68T2 VLP;
図5E、H39N15-68T3 VLP;
図5F、H39N15-68T4 VLP;
図5G、H39N15-68T5 VLP;
図5H、HPV70N10 VLP;
図5I、H39N15-68T4-70S1 VLP;
図5J、H39N15-68T4-70S2 VLP;
図5K、H39N15-68T4-70S3 VLP;
図5L、H39N15-68T4-70S5 VLP。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【
図5L】HPV39N15 VLP、HPV68L1N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降速度分析の結果を示す。
図5A、HPV39N15 VLP;
図5B、HPV68L1N0 VLP;
図5C、H39N15-68T1 VLP;
図5D、H39N15-68T2 VLP;
図5E、H39N15-68T3 VLP;
図5F、H39N15-68T4 VLP;
図5G、H39N15-68T5 VLP;
図5H、HPV70N10 VLP;
図5I、H39N15-68T4-70S1 VLP;
図5J、H39N15-68T4-70S2 VLP;
図5K、H39N15-68T4-70S3 VLP;
図5L、H39N15-68T4-70S5 VLP。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【
図6A】様々なVLP試料の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す(倍率100,000倍で撮影、バー=0.1μm)。
図6A、HPV39N15の集合によるVLP;
図6B、HPV68L1N0の集合によるVLP;
図6C、HPV70N10の集合によるVLP;
図6D、H39N15-68T1の集合によるVLP;
図6E、H39N15-68T2の集合によるVLP;
図6F、H39N15-68T3の集合によるVLP;
図6G、H39N15-68T4の集合によるVLP;
図6H、H39N15-68T5の集合によるVLP;
図6I、H39N15-68T4-70S1の集合によるVLP;
図6J、H39N15-68T4-70S2の集合によるVLP;
図6K、H39N15-68T4-70S3の集合によるVLP;
図6L、H39N15-68T4-70S5の集合によるVLP。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5がHPV39N15、HPV68L1N0、およびHPV70N10に類似し、集合して半径約25~30nmのVLPを形成できたことを示した。
【
図6B】様々なVLP試料の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す(倍率100,000倍で撮影、バー=0.1μm)。
図6A、HPV39N15の集合によるVLP;
図6B、HPV68L1N0の集合によるVLP;
図6C、HPV70N10の集合によるVLP;
図6D、H39N15-68T1の集合によるVLP;
図6E、H39N15-68T2の集合によるVLP;
図6F、H39N15-68T3の集合によるVLP;
図6G、H39N15-68T4の集合によるVLP;
図6H、H39N15-68T5の集合によるVLP;
図6I、H39N15-68T4-70S1の集合によるVLP;
図6J、H39N15-68T4-70S2の集合によるVLP;
図6K、H39N15-68T4-70S3の集合によるVLP;
図6L、H39N15-68T4-70S5の集合によるVLP。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5がHPV39N15、HPV68L1N0、およびHPV70N10に類似し、集合して半径約25~30nmのVLPを形成できたことを示した。
【
図6C】様々なVLP試料の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す(倍率100,000倍で撮影、バー=0.1μm)。
図6A、HPV39N15の集合によるVLP;
図6B、HPV68L1N0の集合によるVLP;
図6C、HPV70N10の集合によるVLP;
図6D、H39N15-68T1の集合によるVLP;
図6E、H39N15-68T2の集合によるVLP;
図6F、H39N15-68T3の集合によるVLP;
図6G、H39N15-68T4の集合によるVLP;
図6H、H39N15-68T5の集合によるVLP;
図6I、H39N15-68T4-70S1の集合によるVLP;
図6J、H39N15-68T4-70S2の集合によるVLP;
図6K、H39N15-68T4-70S3の集合によるVLP;
図6L、H39N15-68T4-70S5の集合によるVLP。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5がHPV39N15、HPV68L1N0、およびHPV70N10に類似し、集合して半径約25~30nmのVLPを形成できたことを示した。
【
図6D】様々なVLP試料の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す(倍率100,000倍で撮影、バー=0.1μm)。
図6A、HPV39N15の集合によるVLP;
図6B、HPV68L1N0の集合によるVLP;
図6C、HPV70N10の集合によるVLP;
図6D、H39N15-68T1の集合によるVLP;
図6E、H39N15-68T2の集合によるVLP;
図6F、H39N15-68T3の集合によるVLP;
図6G、H39N15-68T4の集合によるVLP;
図6H、H39N15-68T5の集合によるVLP;
図6I、H39N15-68T4-70S1の集合によるVLP;
図6J、H39N15-68T4-70S2の集合によるVLP;
図6K、H39N15-68T4-70S3の集合によるVLP;
図6L、H39N15-68T4-70S5の集合によるVLP。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5がHPV39N15、HPV68L1N0、およびHPV70N10に類似し、集合して半径約25~30nmのVLPを形成できたことを示した。
【
図6E】様々なVLP試料の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す(倍率100,000倍で撮影、バー=0.1μm)。
図6A、HPV39N15の集合によるVLP;
図6B、HPV68L1N0の集合によるVLP;
図6C、HPV70N10の集合によるVLP;
図6D、H39N15-68T1の集合によるVLP;
図6E、H39N15-68T2の集合によるVLP;
図6F、H39N15-68T3の集合によるVLP;
図6G、H39N15-68T4の集合によるVLP;
図6H、H39N15-68T5の集合によるVLP;
図6I、H39N15-68T4-70S1の集合によるVLP;
図6J、H39N15-68T4-70S2の集合によるVLP;
図6K、H39N15-68T4-70S3の集合によるVLP;
図6L、H39N15-68T4-70S5の集合によるVLP。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5がHPV39N15、HPV68L1N0、およびHPV70N10に類似し、集合して半径約25~30nmのVLPを形成できたことを示した。
【
図6F】様々なVLP試料の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す(倍率100,000倍で撮影、バー=0.1μm)。
図6A、HPV39N15の集合によるVLP;
図6B、HPV68L1N0の集合によるVLP;
図6C、HPV70N10の集合によるVLP;
図6D、H39N15-68T1の集合によるVLP;
図6E、H39N15-68T2の集合によるVLP;
図6F、H39N15-68T3の集合によるVLP;
図6G、H39N15-68T4の集合によるVLP;
図6H、H39N15-68T5の集合によるVLP;
図6I、H39N15-68T4-70S1の集合によるVLP;
図6J、H39N15-68T4-70S2の集合によるVLP;
図6K、H39N15-68T4-70S3の集合によるVLP;
図6L、H39N15-68T4-70S5の集合によるVLP。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5がHPV39N15、HPV68L1N0、およびHPV70N10に類似し、集合して半径約25~30nmのVLPを形成できたことを示した。
【
図6G】様々なVLP試料の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す(倍率100,000倍で撮影、バー=0.1μm)。
図6A、HPV39N15の集合によるVLP;
図6B、HPV68L1N0の集合によるVLP;
図6C、HPV70N10の集合によるVLP;
図6D、H39N15-68T1の集合によるVLP;
図6E、H39N15-68T2の集合によるVLP;
図6F、H39N15-68T3の集合によるVLP;
図6G、H39N15-68T4の集合によるVLP;
図6H、H39N15-68T5の集合によるVLP;
図6I、H39N15-68T4-70S1の集合によるVLP;
図6J、H39N15-68T4-70S2の集合によるVLP;
図6K、H39N15-68T4-70S3の集合によるVLP;
図6L、H39N15-68T4-70S5の集合によるVLP。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5がHPV39N15、HPV68L1N0、およびHPV70N10に類似し、集合して半径約25~30nmのVLPを形成できたことを示した。
【
図6H】様々なVLP試料の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す(倍率100,000倍で撮影、バー=0.1μm)。
図6A、HPV39N15の集合によるVLP;
図6B、HPV68L1N0の集合によるVLP;
図6C、HPV70N10の集合によるVLP;
図6D、H39N15-68T1の集合によるVLP;
図6E、H39N15-68T2の集合によるVLP;
図6F、H39N15-68T3の集合によるVLP;
図6G、H39N15-68T4の集合によるVLP;
図6H、H39N15-68T5の集合によるVLP;
図6I、H39N15-68T4-70S1の集合によるVLP;
図6J、H39N15-68T4-70S2の集合によるVLP;
図6K、H39N15-68T4-70S3の集合によるVLP;
図6L、H39N15-68T4-70S5の集合によるVLP。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5がHPV39N15、HPV68L1N0、およびHPV70N10に類似し、集合して半径約25~30nmのVLPを形成できたことを示した。
【
図6I】様々なVLP試料の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す(倍率100,000倍で撮影、バー=0.1μm)。
図6A、HPV39N15の集合によるVLP;
図6B、HPV68L1N0の集合によるVLP;
図6C、HPV70N10の集合によるVLP;
図6D、H39N15-68T1の集合によるVLP;
図6E、H39N15-68T2の集合によるVLP;
図6F、H39N15-68T3の集合によるVLP;
図6G、H39N15-68T4の集合によるVLP;
図6H、H39N15-68T5の集合によるVLP;
図6I、H39N15-68T4-70S1の集合によるVLP;
図6J、H39N15-68T4-70S2の集合によるVLP;
図6K、H39N15-68T4-70S3の集合によるVLP;
図6L、H39N15-68T4-70S5の集合によるVLP。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5がHPV39N15、HPV68L1N0、およびHPV70N10に類似し、集合して半径約25~30nmのVLPを形成できたことを示した。
【
図6J】様々なVLP試料の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す(倍率100,000倍で撮影、バー=0.1μm)。
図6A、HPV39N15の集合によるVLP;
図6B、HPV68L1N0の集合によるVLP;
図6C、HPV70N10の集合によるVLP;
図6D、H39N15-68T1の集合によるVLP;
図6E、H39N15-68T2の集合によるVLP;
図6F、H39N15-68T3の集合によるVLP;
図6G、H39N15-68T4の集合によるVLP;
図6H、H39N15-68T5の集合によるVLP;
図6I、H39N15-68T4-70S1の集合によるVLP;
図6J、H39N15-68T4-70S2の集合によるVLP;
図6K、H39N15-68T4-70S3の集合によるVLP;
図6L、H39N15-68T4-70S5の集合によるVLP。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5がHPV39N15、HPV68L1N0、およびHPV70N10に類似し、集合して半径約25~30nmのVLPを形成できたことを示した。
【
図6K】様々なVLP試料の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す(倍率100,000倍で撮影、バー=0.1μm)。
図6A、HPV39N15の集合によるVLP;
図6B、HPV68L1N0の集合によるVLP;
図6C、HPV70N10の集合によるVLP;
図6D、H39N15-68T1の集合によるVLP;
図6E、H39N15-68T2の集合によるVLP;
図6F、H39N15-68T3の集合によるVLP;
図6G、H39N15-68T4の集合によるVLP;
図6H、H39N15-68T5の集合によるVLP;
図6I、H39N15-68T4-70S1の集合によるVLP;
図6J、H39N15-68T4-70S2の集合によるVLP;
図6K、H39N15-68T4-70S3の集合によるVLP;
図6L、H39N15-68T4-70S5の集合によるVLP。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5がHPV39N15、HPV68L1N0、およびHPV70N10に類似し、集合して半径約25~30nmのVLPを形成できたことを示した。
【
図6L】様々なVLP試料の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す(倍率100,000倍で撮影、バー=0.1μm)。
図6A、HPV39N15の集合によるVLP;
図6B、HPV68L1N0の集合によるVLP;
図6C、HPV70N10の集合によるVLP;
図6D、H39N15-68T1の集合によるVLP;
図6E、H39N15-68T2の集合によるVLP;
図6F、H39N15-68T3の集合によるVLP;
図6G、H39N15-68T4の集合によるVLP;
図6H、H39N15-68T5の集合によるVLP;
図6I、H39N15-68T4-70S1の集合によるVLP;
図6J、H39N15-68T4-70S2の集合によるVLP;
図6K、H39N15-68T4-70S3の集合によるVLP;
図6L、H39N15-68T4-70S5の集合によるVLP。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5がHPV39N15、HPV68L1N0、およびHPV70N10に類似し、集合して半径約25~30nmのVLPを形成できたことを示した。
【
図7A】マウスにH39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、またはH39N15-68T5 VLPを接種した後におけるマウス血清中の中和抗体力価の結果を示す。
図7A、アルミニウムアジュバント群1(免疫量5μg、アルミニウムアジュバントを使用);
図7B、アルミニウムアジュバント群2(免疫量1μg、アルミニウムアジュバントを使用);
図7C、アルミニウムアジュバント群3(免疫量0.2μg、アルミニウムアジュバントを使用)。結果は、H39N15-68T4 VLPは、マウスにおいてHPV39に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合よりもわずかに弱かったが、同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV68に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合よりもわずかに弱かったが、同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合よりも大幅に優れていたことを示した。このことから、H39N15-68T4 VLPがHPV39およびHPV68に対して良好な交差免疫原性および交差防御を有していたことが示された。
【
図7B】マウスにH39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、またはH39N15-68T5 VLPを接種した後におけるマウス血清中の中和抗体力価の結果を示す。
図7A、アルミニウムアジュバント群1(免疫量5μg、アルミニウムアジュバントを使用);
図7B、アルミニウムアジュバント群2(免疫量1μg、アルミニウムアジュバントを使用);
図7C、アルミニウムアジュバント群3(免疫量0.2μg、アルミニウムアジュバントを使用)。結果は、H39N15-68T4 VLPは、マウスにおいてHPV39に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合よりもわずかに弱かったが、同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV68に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合よりもわずかに弱かったが、同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合よりも大幅に優れていたことを示した。このことから、H39N15-68T4 VLPがHPV39およびHPV68に対して良好な交差免疫原性および交差防御を有していたことが示された。
【
図7C】マウスにH39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、またはH39N15-68T5 VLPを接種した後におけるマウス血清中の中和抗体力価の結果を示す。
図7A、アルミニウムアジュバント群1(免疫量5μg、アルミニウムアジュバントを使用);
図7B、アルミニウムアジュバント群2(免疫量1μg、アルミニウムアジュバントを使用);
図7C、アルミニウムアジュバント群3(免疫量0.2μg、アルミニウムアジュバントを使用)。結果は、H39N15-68T4 VLPは、マウスにおいてHPV39に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合よりもわずかに弱かったが、同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV68に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合よりもわずかに弱かったが、同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合よりも大幅に優れていたことを示した。このことから、H39N15-68T4 VLPがHPV39およびHPV68に対して良好な交差免疫原性および交差防御を有していたことが示された。
【
図8A】マウスにH39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPを接種した後におけるマウス血清中の中和抗体力価の結果を示す。
図8A、アルミニウムアジュバント群1(免疫量5μg、アルミニウムアジュバントを使用);
図8B、アルミニウムアジュバント群2(免疫量1μg、アルミニウムアジュバントを使用);
図8C、アルミニウムアジュバント群3(免疫量0.2μg、アルミニウムアジュバントを使用)。結果は、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5 VLPは、マウスにおいてHPV39に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合よりもわずかに弱かったが、同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合およびHPV70N10 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV68に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合と同等であり、同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合およびHPV70N10 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV70に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV70N10 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合と同等であり、同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合およびHPV68N0 VLP単独の場合よりも大幅に優れていたことを示した。このことから、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPがHPV39、HPV68、およびHPV70に対して良好な交差免疫原性および交差防御を有していたことが示された。
【
図8B】マウスにH39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPを接種した後におけるマウス血清中の中和抗体力価の結果を示す。
図8A、アルミニウムアジュバント群1(免疫量5μg、アルミニウムアジュバントを使用);
図8B、アルミニウムアジュバント群2(免疫量1μg、アルミニウムアジュバントを使用);
図8C、アルミニウムアジュバント群3(免疫量0.2μg、アルミニウムアジュバントを使用)。結果は、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5 VLPは、マウスにおいてHPV39に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合よりもわずかに弱かったが、同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合およびHPV70N10 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV68に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合と同等であり、同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合およびHPV70N10 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV70に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV70N10 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合と同等であり、同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合およびHPV68N0 VLP単独の場合よりも大幅に優れていたことを示した。このことから、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPがHPV39、HPV68、およびHPV70に対して良好な交差免疫原性および交差防御を有していたことが示された。
【
図8C】マウスにH39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPを接種した後におけるマウス血清中の中和抗体力価の結果を示す。
図8A、アルミニウムアジュバント群1(免疫量5μg、アルミニウムアジュバントを使用);
図8B、アルミニウムアジュバント群2(免疫量1μg、アルミニウムアジュバントを使用);
図8C、アルミニウムアジュバント群3(免疫量0.2μg、アルミニウムアジュバントを使用)。結果は、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5 VLPは、マウスにおいてHPV39に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合よりもわずかに弱かったが、同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合およびHPV70N10 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV68に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合と同等であり、同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合およびHPV70N10 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV70に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV70N10 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合と同等であり、同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合およびHPV68N0 VLP単独の場合よりも大幅に優れていたことを示した。このことから、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPがHPV39、HPV68、およびHPV70に対して良好な交差免疫原性および交差防御を有していたことが示された。
【
図9】HPV39N15 VLP、HPV68N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの熱安定性の検出結果を示すものであり、AはHPV39N15 VLPの熱安定性の検出結果を示し、BはHPV68L1N0 VLPの熱安定性の検出結果を示し、CはHPV70N10 VLPの熱安定性の検出結果を示し、DはH39N15-68T4 VLP VLPの熱安定性の検出結果を示し、EはH39N15-68T4-70S2 VLPの熱安定性の検出結果を示し、FはH39N15-68T4-70S5 VLPの熱安定性の検出結果を示す。結果は、これらのタンパク質によって形成されるVLPがいずれも非常に高い熱安定性を有していたことを示した。
【
図10】H39N15-68T4-70S2 VLPおよびH39N15-68T4-70S5 VLPのクライオ電子顕微鏡(cryo-EM)写真と、それらの三次元構造を再構築したものを示すものであり、AはH39N15-68T4-70S2 VLPのクライオ電子顕微鏡(cryo-EM)写真を示し、BはH39N15-68T4-70S2 VLPの三次元構造を再構築したものを示し、CはH39N15-68T4-70S5 VLPのクライオ電子顕微鏡(cryo-EM)写真を示し、DはH39N15-68T4-70S5 VLPの三次元構造を再構築したものを示す。最構築した三次元構造は、H39N15-68T4-70S2 VLPおよびH39N15-68T4-70S5 VLPがいずれも72個のカプソメア(形態学的サブユニット、五量体)からなるT=7の二十面体構造(h=1、k=2)を有していたことを示した。準等価原理(quasi-equivalence principle)に合致する従来の二十面体のウイルスカプシドとは異なり、H39N15-68T4-70S2 VLPおよびH39N15-68T4-70S5 VLPの構造におけるすべての構成サブユニットは五量体であり、六量体はなかった。また、これらの2種のVLPは外径が約55nmであった。これらは、以前に報告された天然HPVウイルス粒子および真核生物発現系(たとえば、ポックスウイルス発現系)(Baker TS, Newcomb WW, Olson NH. et al. Biophys J. (1991), 60(6): 1445-1456. Hagensee ME, Olson NH, Baker TS, et al. J Virol. (1994), 68(7):4503-4505. Buck CB, Cheng N, Thompson CD. et al. J Virol. (2008), 82(11): 5190-7)により調製されたHPV VLPの三次元構造に類似していた。
【発明を実施するための形態】
【0066】
配列情報
本発明における関連する配列のいくつかが、以下の表1中に示される。
【0067】
【0068】
配列1(配列番号1):
MALWRSSDSMVYLPPPSVAKVVNTDDYVTRTGIYYYAGSSRLLTVGHPYFKVGMNGGRKQDIPKVSAYQYRVFRVTLPDPNKFSIPDASLYNPETQRLVWACVGVEVGRGQPLGVGISGHPLYNRQDDTENSPFSSTTNKDSRDNVSVDYKQTQLCIIGCVPAIGEHWGKGKACKPNNVSTGDCPPLELVNTPIEDGDMIDTGYGAMDFGALQETKSEVPLDICQSICKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRREQLFARHFWNRGGMVGDAIPAQLYIKGTDIRANPGSSVYCPSPSGSMVTSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFLTVVDTTRSTNFTLSTSIESSIPSTYDPSKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTVTLTTDVMSYIHTMNSSILDNWNFAVAPPPSASLVDTYRYLQSAAITCQKDAPAPEKKDPYDGLKFWNVDLREKFSLELDQFPLGRKFLLQARVRRRPTIGPRKRPAASTSSSSATKHKRKRVSK
配列2(配列番号2):
MALWRASDNMVYLPPPSVAKVVNTDDYVTRTGMYYYAGTSRLLTVGHPYFKVPMSGGRKQGIPKVSAYQYRVFRVTLPDPNKFSVPESTLYNPDTQRMVWACVGVEIGRGQPLGVGLSGHPLYNRLDDTENSPFSSNKNPKDSRDNVAVDCKQTQLCIIGCVPAIGEHWAKGKSCKPTNVQQGDCPPLELVNTPIEDGDMIDTGYGAMDFGTLQETKSEVPLDICQSVCKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRREQLFARHFWNRGGMVGDTIPTDMYIKGTDIRETPSSYVYAPSPSGSMVSSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFLTVVDTTRSTNFTLSTTTDSTVPAVYDSNKFKEYVRHVEEYDLQFIFQLCTITLSTDVMSYIHTMNPAILDDWNFGVAPPPSASLVDTYRYLQSAAITCQKDAPAPVKKDPYDGLNFWNVDLKEKFSSELDQFPLGRKFLLQAGVRRRPTIGPRKRTATAATTSTSKHKRKRVSK
配列3(配列番号3):
MALWRSSDNTVYLPPPSVAKVVNTDDYVTRTGIYYYAGSSRLLTVGHPYFKVPVNGGRKQEIPKVSAYQYRVFRVSLPDPNKFGLPDPSLYNPDTQRLVWACIGVEIGRGQPLGVGVSGHPLYNRLDDTENSHFSSAVNTQDSRDNVSVDYKQTQLCIIGCVPAMGEHWAKGKACKSTTVQQGDCPPLELVNTAIEDGDMIDTGYGAMDFRTLQETKSEVPLDICQSVCKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRKEQLFARHFWNRGGMVGDTIPSELYIKGTDIRDRPGTHVYSPSPSGSMVSSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFITVVDTTRSTNFTLSACTETAIPAVYSPTKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTITLTADVMAYIHTMNPAILDNWNIGVTPPPSASLVDTYRYLQSAAIACQKDAPAPEKKDPYDDLKFWNVDLKEKFSTELDQFPLGRKFLLQVGARRRPTIGPRKRPASAKSSSSASKHKRKRVSK
配列4(配列番号4):
MPSVAKVVNTDDYVTRTGIYYYAGSSRLLTVGHPYFKVPMSGGRKQGIPKVSAYQYRVFRVTLPDPNKFSIPDASLYNPETQRLVWACVGVEVGRGQPLGVGISGHPLYNRQDDTENSPFSSTTNKDSRDNVSVDYKQTQLCIIGCVPAIGEHWGKGKACKPNNVSTGDCPPLELVNTPIEDGDMIDTGYGAMDFGALQETKSEVPLDICQSICKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRREQLFARHFWNRGGMVGDAIPAQLYIKGTDIRANPGSSVYCPSPSGSMVTSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFLTVVDTTRSTNFTLSTSIESSIPSTYDPSKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTVTLTTDVMSYIHTMNSSILDNWNFAVAPPPSASLVDTYRYLQSAAITCQKDAPAPEKKDPYDGLKFWNVDLREKFSLELDQFPLGRKFLLQARVRRRPTIGPRKRPAASTSSSSATKHKRKRVSK
配列5(配列番号5):
MPSVAKVVNTDDYVTRTGIYYYAGSSRLLTVGHPYFKVGMNGGRKQDIPKVSAYQYRVFRVTLPDPNKFSIPDASLYNPETQRLVWACVGVEVGRGQPLGVGLSGHPLYNRLDDTENSPFSSNKNPKDSRDNVAVDCKQTQLCIIGCVPAIGEHWGKGKACKPNNVSTGDCPPLELVNTPIEDGDMIDTGYGAMDFGALQETKSEVPLDICQSICKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRREQLFARHFWNRGGMVGDAIPAQLYIKGTDIRANPGSSVYCPSPSGSMVTSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFLTVVDTTRSTNFTLSTSIESSIPSTYDPSKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTVTLTTDVMSYIHTMNSSILDNWNFAVAPPPSASLVDTYRYLQSAAITCQKDAPAPEKKDPYDGLKFWNVDLREKFSLELDQFPLGRKFLLQARVRRRPTIGPRKRPAASTSSSSATKHKRKRVSK
配列6(配列番号6):
MPSVAKVVNTDDYVTRTGIYYYAGSSRLLTVGHPYFKVGMNGGRKQDIPKVSAYQYRVFRVTLPDPNKFSIPDASLYNPETQRLVWACVGVEVGRGQPLGVGISGHPLYNRQDDTENSPFSSTTNKDSRDNVSVDYKQTQLCIIGCVPAIGEHWAKGKSCKPTNVQQGDCPPLELVNTPIEDGDMIDTGYGAMDFGALQETKSEVPLDICQSICKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRREQLFARHFWNRGGMVGDAIPAQLYIKGTDIRANPGSSVYCPSPSGSMVTSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFLTVVDTTRSTNFTLSTSIESSIPSTYDPSKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTVTLTTDVMSYIHTMNSSILDNWNFAVAPPPSASLVDTYRYLQSAAITCQKDAPAPEKKDPYDGLKFWNVDLREKFSLELDQFPLGRKFLLQARVRRRPTIGPRKRPAASTSSSSATKHKRKRVSK
配列7(配列番号7):
MPSVAKVVNTDDYVTRTGIYYYAGSSRLLTVGHPYFKVGMNGGRKQDIPKVSAYQYRVFRVTLPDPNKFSIPDASLYNPE
TQRLVWACVGVEVGRGQPLGVGISGHPLYNRQDDTENSPFSSTTNKDSRDNVSVDYKQTQLCIIGCVPAIGEHWGKGKACKPNNVSTGDCPPLELVNTPIEDGDMIDTGYGAMDFGALQETKSEVPLDICQSICKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRREQLFARHFWNRGGMVGDTIPTDMYIKGTDIRETPSSYVYCPSPSGSMVTSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFLTVVDTTRSTNFTLSTSIESSIPSTYDPSKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTVTLTTDVMSYIHTMNSSILDNWNFAVAPPPSASLVDTYRYLQSAAITCQKDAPAPEKKDPYDGLKFWNVDLREKFSLELDQFPLGRKFLLQARVRRRPTIGPRKRPAASTSSSSATKHKRKRVSK
配列8(配列番号8):
MPSVAKVVNTDDYVTRTGIYYYAGSSRLLTVGHPYFKVGMNGGRKQDIPKVSAYQYRVFRVTLPDPNKFSIPDASLYNPETQRLVWACVGVEVGRGQPLGVGISGHPLYNRQDDTENSPFSSTTNKDSRDNVSVDYKQTQLCIIGCVPAIGEHWGKGKACKPNNVSTGDCPPLELVNTPIEDGDMIDTGYGAMDFGALQETKSEVPLDICQSICKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRREQLFARHFWNRGGMVGDAIPAQLYIKGTDIRANPGSSVYCPSPSGSMVTSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFLTVVDTTRSTNFTLSTSTDSTVPAVYDSNKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTVTLTTDVMSYIHTMNSSILDNWNFAVAPPPSASLVDTYRYLQSAAITCQKDAPAPEKKDPYDGLKFWNVDLREKFSLELDQFPLGRKFLLQARVRRRPTIGPRKRPAASTSSSSATKHKRKRVSK
配列9(配列番号9):
MPSVAKVVNTDDYVTRTGIYYYAGSSRLLTVGHPYFKVPVNGGRKQEIPKVSAYQYRVFRVTLPDPNKFSIPDASLYNPETQRLVWACVGVEVGRGQPLGVGISGHPLYNRQDDTENSPFSSTTNKDSRDNVSVDYKQTQLCIIGCVPAIGEHWGKGKACKPNNVSTGDCPPLELVNTPIEDGDMIDTGYGAMDFGALQETKSEVPLDICQSICKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRREQLFARHFWNRGGMVGDTIPTDMYIKGTDIRETPSSYVYCPSPSGSMVTSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFLTVVDTTRSTNFTLSTSIESSIPSTYDPSKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTVTLTTDVMSYIHTMNSSILDNWNFAVAPPPSASLVDTYRYLQSAAITCQKDAPAPEKKDPYDGLKFWNVDLREKFSLELDQFPLGRKFLLQARVRRRPTIGPRKRPAASTSSSSATKHKRKRVSK
配列10(配列番号10):
MPSVAKVVNTDDYVTRTGIYYYAGSSRLLTVGHPYFKVGMNGGRKQDIPKVSAYQYRVFRVTLPDPNKFSIPDASLYNPETQRLVWACVGVEVGRGQPLGVGVSGHPLYNRLDDTENSHFSSAVNTQDSRDNVSVDYKQTQLCIIGCVPAIGEHWGKGKACKPNNVSTGDCPPLELVNTPIEDGDMIDTGYGAMDFGALQETKSEVPLDICQSICKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRREQLFARHFWNRGGMVGDTIPTDMYIKGTDIRETPSSYVYCPSPSGSMVTSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFLTVVDTTRSTNFTLSTSIESSIPSTYDPSKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTVTLTTDVMSYIHTMNSSILDNWNFAVAPPPSASLVDTYRYLQSAAITCQKDAPAPEKKDPYDGLKFWNVDLREKFSLELDQFPLGRKFLLQARVRRRPTIGPRKRPAASTSSSSATKHKRKRVSK
配列11(配列番号11):
MPSVAKVVNTDDYVTRTGIYYYAGSSRLLTVGHPYFKVGMNGGRKQDIPKVSAYQYRVFRVTLPDPNKFSIPDASLYNPETQRLVWACVGVEVGRGQPLGVGISGHPLYNRQDDTENSPFSSTTNKDSRDNVSVDYKQTQLCIIGCVPAIGEHWAKGKACKSTTVQQGDCPPLELVNTPIEDGDMIDTGYGAMDFGALQETKSEVPLDICQSICKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRREQLFARHFWNRGGMVGDTIPTDMYIKGTDIRETPSSYVYCPSPSGSMVTSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFLTVVDTTRSTNFTLSTSIESSIPSTYDPSKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTVTLTTDVMSYIHTMNSSILDNWNFAVAPPPSASLVDTYRYLQSAAITCQKDAPAPEKKDPYDGLKFWNVDLREKFSLELDQFPLGRKFLLQARVRRRPTIGPRKRPAASTSSSSATKHKRKRVSK
配列12(配列番号12):
MPSVAKVVNTDDYVTRTGIYYYAGSSRLLTVGHPYFKVGMNGGRKQDIPKVSAYQYRVFRVTLPDPNKFSIPDASLYNPETQRLVWACVGVEVGRGQPLGVGISGHPLYNRQDDTENSPFSSTTNKDSRDNVSVDYKQTQLCIIGCVPAIGEHWGKGKACKPNNVSTGDCPPLELVNTPIEDGDMIDTGYGAMDFGALQETKSEVPLDICQSICKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRREQLFARHFWNRGGMVGDTIPTDMYIKGTDIRETPSSYVYCPSPSGSMVTSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFLTVVDTTRSTNFTLSTSTETAIPAVYSPTKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTVTLTTDVMSYIHTMNSSILDNWNFAVAPPPSASLVDTYRYLQSAAITCQKDAPAPEKKDPYDGLKFWNVDLREKFSLELDQFPLGRKFLLQARVRRRPTIGPRKRPAASTSSSSATKHKRKRVSK
配列13(配列番号13):
ATGGCCCTCTGGCGCAGCTCCGATTCCATGGTCTACCTCCCCCCCCCCAGCGTCGCCAAGGTCGTGAACACCGACGACTACGTCACCCGCACCGGGATCTACTACTACGCCGGGTCCAGCCGCCTGCTGACCGTGGGCCACCCCTACTTCAAGGTCGGCATGAACGGCGGGCGCAAGCAGGATATCCCCAAGGTCAGCGCCTACCAGTACCGCGTGTTCCGCGTCACCCTCCCAGACCCC
AACAAGTTCTCCATCCCCGACGCCAGCCTGTACAACCCCGAGACCCAGCGCCTGGTGTGGGCCTGCGTGGGCGTCGAAGTCGGGCGCGGGCAGCCCCTCGGCGTCGGCATCTCCGGCCACCCCCTGTACAACCGCCAGGACGACACCGAGAATAGCCCCTTCAGCAGCACAACAAACAAGGATTCCCGCGACAACGTCAGCGTCGACTACAAGCAGACCCAGCTCTGTATCATCGGGTGCGTCCCAGCAATCGGCGAACACTGGGGCAAGGGCAAGGCCTGTAAGCCAAACAACGTGAGCACCGGCGATTGCCCCCCCCTGGAGCTGGTGAATACACCCATCGAAGACGGCGACATGATCGACACCGGGTACGGCGCCATGGATTTCGGCGCCCTCCAGGAGACAAAGTCCGAAGTCCCCCTGGACATCTGCCAGAGCATCTGCAAGTACCCCGACTACCTCCAGATGAGCGCCGACGTCTACGGCGATTCCATGTTCTTCTGCCTGCGCCGCGAGCAGCTCTTCGCCCGCCACTTCTGGAACCGCGGCGGCATGGTCGGCGATGCAATCCCCGCACAGCTCTACATCAAGGGGACCGACATCCGCGCCAATCCAGGCTCCAGCGTGTATTGTCCAAGCCCATCCGGCAGCATGGTGACAAGCGACAGCCAGCTGTTCAACAAGCCCTACTGGCTGCACAAGGCACAGGGGCATAATAACGGCATCTGCTGGCACAACCAGCTGTTCCTGACCGTCGTCGATACCACACGCTCCACAAATTTCACCCTGAGCACAAGCATCGAAAGCAGCATCCCCAGCACCTACGACCCCAGCAAGTTCAAGGAGTACACACGCCACGTCGAAGAATACGACCTGCAGTTCATCTTCCAGCTCTGCACCGTGACCCTGACCACCGACGTCATGAGCTACATCCACACCATGAACAGCAGCATCCTCGATAACTGGAACTTCGCCGTGGCCCCCCCCCCCAGCGCATCCCTCGTGGATACCTATCGCTATCTGCAGAGCGCCGCAATCACCTGCCAGAAGGACGCCCCCGCCCCCGAGAAGAAGGACCCCTACGATGGCCTGAAGTTCTGGAACGTCGATCTGCGCGAGAAGTTCTCCCTGGAGCTGGACCAGTTCCCCCTCGGCCGCAAGTTCCTCCTCCAGGCACGCGTGCGCCGCCGCCCCACCATCGGCCCACGCAAGCGCCCCGCCGCCAGCACCAGCAGCAGCAGCGCCACCAAGCACAAGCGCAAGCGCGTCAGCAAGTGA
配列14(配列番号14):
ATGGCACTGTGGAGAGCCAGCGACAACATGGTGTACCTGCCCCCTCCCAGCGTGGCCAAGGTGGTCAACACCGACGACTACGTGACCCGGACCGGCATGTACTACTACGCCGGCACCTCTCGGCTCCTGACCGTGGGCCACCCCTACTTCAAGGTGCCCATGAGCGGCGGCAGAAAGCAGGGCATCCCCAAGGTGTCCGCCTACCAGTACCGGGTGTTCAGAGTGACCCTGCCCGACCCCAACAAGTTCAGCGTGCCCGAGAGCACCCTGTACAACCCCGACACCCAGCGGATGGTCTGGGCCTGCGTGGGCGTGGAGATCGGCAGAGGCCAGCCCCTGGGCGTGGGCCTGAGCGGCCACCCCCTGTACAATCGGCTGGACGACACCGAGAACAGCCCCTTCAGCAGCAACAAGAACCCCAAGGACAGCCGGGACAACGTGGCCGTGGACTGCAAGCAGACCCAGCTGTGCATCATCGGCTGCGTGCCTGCCATTGGCGAGCACTGGGCCAAGGGCAAGAGCTGCAAGCCCACCAACGTGCAGCAGGGCGACTGCCCCCCTCTGGAACTGGTCAACACACCCATCGAGGACGGCGACATGATCGACACCGGCTACGGCGCCATGGACTTCGGCACCCTGCAGGAAACCAAGAGCGAGGTCCCCCTGGACATCTGCCAGAGCGTGTGCAAGTACCCCGACTACCTGCAGATGAGCGCCGACGTGTACGGCGACAGCATGTTCTTTTGCCTGCGGCGGGAGCAGCTGTTCGCCCGGCACTTCTGGAACAGAGGCGGCATGGTCGGCGACACCATCCCCACCGACATGTACATCAAGGGCACCGACATCAGAGAGACACCCAGCAGCTACGTGTACGCCCCCAGCCCCAGCGGCAGCATGGTGTCCAGCGACAGCCAGCTGTTCAACAAGCCCTACTGGCTGCACAAGGCCCAGGGCCACAACAACGGCATCTGCTGGCACAACCAGCTGTTTCTGACCGTGGTGGACACCACCAGAAGCACCAACTTCACCCTGAGCACCACCACCGACAGCACCGTGCCCGCCGTGTACGACAGCAATAAGTTCAAAGAATACGTGCGGCACGTGGAGGAATACGACCTGCAGTTCATCTTCCAGCTGTGTACCATCACCCTGTCCACCGACGTGATGAGCTACATCCACACCATGAACCCCGCCATCCTGGACGACTGGAACTTCGGCGTGGCCCCTCCCCCTAGCGCCAGCCTGGTGGATACCTACAGATACCTGCAGAGCGCCGCCATCACCTGCCAGAAGGACGCCCCTGCCCCCGTGAAGAAGGACCCCTACGACGGCCTGAACTTCTGGAATGTGGACCTGAAAGAGAAGTTCAGCAGCGAGCTGGACCAGTTCCCCCTGGGCCGGAAGTTCCTGCTGCAAGCCGGCGTGCGGAGAAGGCCCACCATCGGCCCCAGAAAGCGGACCGCCACCGCAGCCACAACCTCCACCTCCAAGCACAAGCGGAAGCGGGTGTCCAAGTGA
配列15(配列番号15):
ATGGCTTTGTGGCGGTCTAGTGACAACACGGTGTATTTGCCACCCCCTTCTGTGGCGAAGGTTGTCAATACAGATGATTATGTAACACGTACAGGCATATATTATTATGCTGGAAGCTCTCGCTTATTAACAGTAGGGCATCCTTATTTTAAGGTACCTGTAAATGGTGGCCGCAAGCAGGAAATACCTAAGGTGTCTGCATATCAGTATAGGGTATTTAGGGTATCCCTACCTGATCCTAATAAGTTTGGCCTTCCGGATCCTTCCCTTTATAATCCTGACACACAACGCCTGGTATGGGCCTGTATAGGTGTGGAAATTGGTAGAGGCCAGCCATTGGGCGTTGGTGTTAGTGGACATCCTTTATATAATAGATTGGATGATACTGAAAATTCACATTTTTCCTCTGCTGTTAATACACAGGACAGTAGGGACAATGTGTCTGTGGACTATAAGCAGACACAGTTATGTATTATAGGCTGTGTTCCTGCTATGGGAGAGCACTGGGCAAAGGGCAAGGCCTGTAAGTCCACTACTGTACAACAGGGCGATTGTCCACCATTAGAATTAGTTAATACTGCAATTGAGGATGGCGATATGATAGATACAGGCTATGGAGCCATGGACTTTCGTACATTGCAGGAAACCAAAAGTGAGGTACCACTAGATATTTGCCAATCCGTGTGTAAATATCCTGATTATTTGCAGATGTCTGCTGATGTATATGGGGACAGTATGTTTTTTTGTTTGCGCAAGGAACAGTTATTTGCCAGACACTTTTGGAATAGAGGTGGCATGGTGGGCGACACAATACCTTCAGAGTTATATATTAAAGGCACGGATATACGTGATCGTCCTGGTACTCATGTATATTCCCCTTCCCCAAGTGGCTCTATGGTTTCTTCTGATTCCCAGTTGTTTAATAAGCCCTATTGGTTGCATAAGGCCCAGGGACACAATAATGGCATTTGTTGGCATAACCAGTTGTTTATTACTGTGGTGGACACTACACGTAGTACTAATTTTACATTGTCTGCCTG
CACCGAAACAGCCATACCTGCTGTATATAGCCCTACAAAGTTTAAGGAATATACTAGGCATGTGGAGGAATATGATTTACAATTTATATTTCAGTTGTGTACTATCACATTAACTGCAGACGTTATGGCCTACATCCATACTATGAATCCTGCAATTTTGGACAATTGGAATATAGGCGTTACCCCTCCACCATCTGCAAGCTTGGTGGACACGTATAGGTATTTACAATCAGCAGCTATAGCATGTCAGAAGGATGCTCCTGCACCTGAAAAAAAGGATCCCTATGACGATTTAAAATTTTGGAATGTTGATTTAAAGGAAAAGTTTAGTACAGAACTAGATCAGTTTCCTTTGGGGCGCAAATTTTTACTACAGGTAGGGGCTCGCAGACGTCCTACTATAGGCCCTCGCAAACGCCCTGCATCAGCTAAATCGTCTTCCTCAGCCTCTAAACACAAACGGAAACGTGTGTCCAAGTAA
配列16(配列番号16):
ATGCCCAGCGTCGCCAAGGTCGTGAACACCGACGACTACGTCACCCGCACCGGGATCTACTACTACGCCGGGTCCAGCCGCCTGCTGACCGTGGGCCACCCCTACTTCAAGGTGCCCATGAGCGGCGGCAGAAAGCAGGGCATCCCCAAGGTGTCCGCCTACCAGTACCGCGTGTTCCGCGTCACCCTCCCAGACCCCAACAAGTTCTCCATCCCCGACGCCAGCCTGTACAACCCCGAGACCCAGCGCCTGGTGTGGGCCTGCGTGGGCGTCGAAGTCGGGCGCGGGCAGCCCCTCGGCGTCGGCATCTCCGGCCACCCCCTGTACAACCGCCAGGACGACACCGAGAATAGCCCCTTCAGCAGCACAACAAACAAGGATTCCCGCGACAACGTCAGCGTCGACTACAAGCAGACCCAGCTCTGTATCATCGGGTGCGTCCCAGCAATCGGCGAACACTGGGGCAAGGGCAAGGCCTGTAAGCCAAACAACGTGAGCACCGGCGATTGCCCCCCCCTGGAGCTGGTGAATACACCCATCGAAGACGGCGACATGATCGACACCGGGTACGGCGCCATGGATTTCGGCGCCCTCCAGGAGACAAAGTCCGAAGTCCCCCTGGACATCTGCCAGAGCATCTGCAAGTACCCCGACTACCTCCAGATGAGCGCCGACGTCTACGGCGATTCCATGTTCTTCTGCCTGCGCCGCGAGCAGCTCTTCGCCCGCCACTTCTGGAACCGCGGCGGCATGGTCGGCGATGCAATCCCCGCACAGCTCTACATCAAGGGGACCGACATCCGCGCCAATCCAGGCTCCAGCGTGTATTGTCCAAGCCCATCCGGCAGCATGGTGACAAGCGACAGCCAGCTGTTCAACAAGCCCTACTGGCTGCACAAGGCACAGGGGCATAATAACGGCATCTGCTGGCACAACCAGCTGTTCCTGACCGTCGTCGATACCACACGCTCCACAAATTTCACCCTGAGCACAAGCATCGAAAGCAGCATCCCCAGCACCTACGACCCCAGCAAGTTCAAGGAGTACACACGCCACGTCGAAGAATACGACCTGCAGTTCATCTTCCAGCTCTGCACCGTGACCCTGACCACCGACGTCATGAGCTACATCCACACCATGAACAGCAGCATCCTCGATAACTGGAACTTCGCCGTGGCCCCCCCCCCCAGCGCATCCCTCGTGGATACCTATCGCTATCTGCAGAGCGCCGCAATCACCTGCCAGAAGGACGCCCCCGCCCCCGAGAAGAAGGACCCCTACGATGGCCTGAAGTTCTGGAACGTCGATCTGCGCGAGAAGTTCTCCCTGGAGCTGGACCAGTTCCCCCTCGGCCGCAAGTTCCTCCTCCAGGCACGCGTGCGCCGCCGCCCCACCATCGGCCCACGCAAGCGCCCCGCCGCCAGCACCAGCAGCAGCAGCGCCACCAAGCACAAGCGCAAGCGCGTCAGCAAGTGA
配列17(配列番号17):
ATGCCCAGCGTCGCCAAGGTCGTGAACACCGACGACTACGTCACCCGCACCGGGATCTACTACTACGCCGGGTCCAGCCGCCTGCTGACCGTGGGCCACCCCTACTTCAAGGTCGGCATGAACGGCGGGCGCAAGCAGGATATCCCCAAGGTCAGCGCCTACCAGTACCGCGTGTTCCGCGTCACCCTCCCAGACCCCAACAAGTTCTCCATCCCCGACGCCAGCCTGTACAACCCCGAGACCCAGCGCCTGGTGTGGGCCTGCGTGGGCGTCGAAGTCGGCAGAGGCCAGCCCCTGGGCGTGGGCCTGAGCGGCCACCCCCTGTACAATCGGCTGGACGACACCGAGAACAGCCCCTTCAGCAGCAACAAGAACCCCAAGGACAGCCGGGACAACGTGGCCGTGGACTGCAAGCAGACCCAGCTCTGTATCATCGGGTGCGTCCCAGCAATCGGCGAACACTGGGGCAAGGGCAAGGCCTGTAAGCCAAACAACGTGAGCACCGGCGATTGCCCCCCCCTGGAGCTGGTGAATACACCCATCGAAGACGGCGACATGATCGACACCGGGTACGGCGCCATGGATTTCGGCGCCCTCCAGGAGACAAAGTCCGAAGTCCCCCTGGACATCTGCCAGAGCATCTGCAAGTACCCCGACTACCTCCAGATGAGCGCCGACGTCTACGGCGATTCCATGTTCTTCTGCCTGCGCCGCGAGCAGCTCTTCGCCCGCCACTTCTGGAACCGCGGCGGCATGGTCGGCGATGCAATCCCCGCACAGCTCTACATCAAGGGGACCGACATCCGCGCCAATCCAGGCTCCAGCGTGTATTGTCCAAGCCCATCCGGCAGCATGGTGACAAGCGACAGCCAGCTGTTCAACAAGCCCTACTGGCTGCACAAGGCACAGGGGCATAATAACGGCATCTGCTGGCACAACCAGCTGTTCCTGACCGTCGTCGATACCACACGCTCCACAAATTTCACCCTGAGCACAAGCATCGAAAGCAGCATCCCCAGCACCTACGACCCCAGCAAGTTCAAGGAGTACACACGCCACGTCGAAGAATACGACCTGCAGTTCATCTTCCAGCTCTGCACCGTGACCCTGACCACCGACGTCATGAGCTACATCCACACCATGAACAGCAGCATCCTCGATAACTGGAACTTCGCCGTGGCCCCCCCCCCCAGCGCATCCCTCGTGGATACCTATCGCTATCTGCAGAGCGCCGCAATCACCTGCCAGAAGGACGCCCCCGCCCCCGAGAAGAAGGACCCCTACGATGGCCTGAAGTTCTGGAACGTCGATCTGCGCGAGAAGTTCTCCCTGGAGCTGGACCAGTTCCCCCTCGGCCGCAAGTTCCTCCTCCAGGCACGCGTGCGCCGCCGCCCCACCATCGGCCCACGCAAGCGCCCCGCCGCCAGCACCAGCAGCAGCAGCGCCACCAAGCACAAGCGCAAGCGCGTCAGCAAGTGA
配列18(配列番号18):
ATGCCCAGCGTCGCCAAGGTCGTGAACACCGACGACTACGTCACCCGCACCGGGATCTACTACTACGCCGGGTCCAGCCGCCTGCTGACCGTGGGCCACCCCTACTTCAAGGTCGGCATGAACGGCGGGCGCAAGCAGGATATCCCCAAGGTCAGCGCCT
ACCAGTACCGCGTGTTCCGCGTCACCCTCCCAGACCCCAACAAGTTCTCCATCCCCGACGCCAGCCTGTACAACCCCGAGACCCAGCGCCTGGTGTGGGCCTGCGTGGGCGTCGAAGTCGGGCGCGGGCAGCCCCTCGGCGTCGGCATCTCCGGCCACCCCCTGTACAACCGCCAGGACGACACCGAGAATAGCCCCTTCAGCAGCACAACAAACAAGGATTCCCGCGACAACGTCAGCGTCGACTACAAGCAGACCCAGCTCTGTATCATCGGGTGCGTCCCAGCAATCGGCGAACACTGGGCCAAGGGCAAGAGCTGCAAGCCCACCAACGTGCAGCAGGGCGACTGCCCCCCTCTGGAGCTGGTGAATACACCCATCGAAGACGGCGACATGATCGACACCGGGTACGGCGCCATGGATTTCGGCGCCCTCCAGGAGACAAAGTCCGAAGTCCCCCTGGACATCTGCCAGAGCATCTGCAAGTACCCCGACTACCTCCAGATGAGCGCCGACGTCTACGGCGATTCCATGTTCTTCTGCCTGCGCCGCGAGCAGCTCTTCGCCCGCCACTTCTGGAACCGCGGCGGCATGGTCGGCGATGCAATCCCCGCACAGCTCTACATCAAGGGGACCGACATCCGCGCCAATCCAGGCTCCAGCGTGTATTGTCCAAGCCCATCCGGCAGCATGGTGACAAGCGACAGCCAGCTGTTCAACAAGCCCTACTGGCTGCACAAGGCACAGGGGCATAATAACGGCATCTGCTGGCACAACCAGCTGTTCCTGACCGTCGTCGATACCACACGCTCCACAAATTTCACCCTGAGCACAAGCATCGAAAGCAGCATCCCCAGCACCTACGACCCCAGCAAGTTCAAGGAGTACACACGCCACGTCGAAGAATACGACCTGCAGTTCATCTTCCAGCTCTGCACCGTGACCCTGACCACCGACGTCATGAGCTACATCCACACCATGAACAGCAGCATCCTCGATAACTGGAACTTCGCCGTGGCCCCCCCCCCCAGCGCATCCCTCGTGGATACCTATCGCTATCTGCAGAGCGCCGCAATCACCTGCCAGAAGGACGCCCCCGCCCCCGAGAAGAAGGACCCCTACGATGGCCTGAAGTTCTGGAACGTCGATCTGCGCGAGAAGTTCTCCCTGGAGCTGGACCAGTTCCCCCTCGGCCGCAAGTTCCTCCTCCAGGCACGCGTGCGCCGCCGCCCCACCATCGGCCCACGCAAGCGCCCCGCCGCCAGCACCAGCAGCAGCAGCGCCACCAAGCACAAGCGCAAGCGCGTCAGCAAGTGA
配列19(配列番号19):
ATGCCCAGCGTCGCCAAGGTCGTGAACACCGACGACTACGTCACCCGCACCGGGATCTACTACTACGCCGGGTCCAGCCGCCTGCTGACCGTGGGCCACCCCTACTTCAAGGTCGGCATGAACGGCGGGCGCAAGCAGGATATCCCCAAGGTCAGCGCCTACCAGTACCGCGTGTTCCGCGTCACCCTCCCAGACCCCAACAAGTTCTCCATCCCCGACGCCAGCCTGTACAACCCCGAGACCCAGCGCCTGGTGTGGGCCTGCGTGGGCGTCGAAGTCGGGCGCGGGCAGCCCCTCGGCGTCGGCATCTCCGGCCACCCCCTGTACAACCGCCAGGACGACACCGAGAATAGCCCCTTCAGCAGCACAACAAACAAGGATTCCCGCGACAACGTCAGCGTCGACTACAAGCAGACCCAGCTCTGTATCATCGGGTGCGTCCCAGCAATCGGCGAACACTGGGGCAAGGGCAAGGCCTGTAAGCCAAACAACGTGAGCACCGGCGATTGCCCCCCCCTGGAGCTGGTGAATACACCCATCGAAGACGGCGACATGATCGACACCGGGTACGGCGCCATGGATTTCGGCGCCCTCCAGGAGACAAAGTCCGAAGTCCCCCTGGACATCTGCCAGAGCATCTGCAAGTACCCCGACTACCTCCAGATGAGCGCCGACGTCTACGGCGATTCCATGTTCTTCTGCCTGCGCCGCGAGCAGCTCTTCGCCCGCCACTTCTGGAACAGAGGCGGCATGGTCGGCGACACCATCCCCACCGACATGTACATCAAGGGCACCGACATCAGAGAGACACCCAGCAGCTACGTGTACTGTCCAAGCCCATCCGGCAGCATGGTGACAAGCGACAGCCAGCTGTTCAACAAGCCCTACTGGCTGCACAAGGCACAGGGGCATAATAACGGCATCTGCTGGCACAACCAGCTGTTCCTGACCGTCGTCGATACCACACGCTCCACAAATTTCACCCTGAGCACAAGCATCGAAAGCAGCATCCCCAGCACCTACGACCCCAGCAAGTTCAAGGAGTACACACGCCACGTCGAAGAATACGACCTGCAGTTCATCTTCCAGCTCTGCACCGTGACCCTGACCACCGACGTCATGAGCTACATCCACACCATGAACAGCAGCATCCTCGATAACTGGAACTTCGCCGTGGCCCCCCCCCCCAGCGCATCCCTCGTGGATACCTATCGCTATCTGCAGAGCGCCGCAATCACCTGCCAGAAGGACGCCCCCGCCCCCGAGAAGAAGGACCCCTACGATGGCCTGAAGTTCTGGAACGTCGATCTGCGCGAGAAGTTCTCCCTGGAGCTGGACCAGTTCCCCCTCGGCCGCAAGTTCCTCCTCCAGGCACGCGTGCGCCGCCGCCCCACCATCGGCCCACGCAAGCGCCCCGCCGCCAGCACCAGCAGCAGCAGCGCCACCAAGCACAAGCGCAAGCGCGTCAGCAAGTGA
配列20(配列番号20):
ATGCCCAGCGTCGCCAAGGTCGTGAACACCGACGACTACGTCACCCGCACCGGGATCTACTACTACGCCGGGTCCAGCCGCCTGCTGACCGTGGGCCACCCCTACTTCAAGGTCGGCATGAACGGCGGGCGCAAGCAGGATATCCCCAAGGTCAGCGCCTACCAGTACCGCGTGTTCCGCGTCACCCTCCCAGACCCCAACAAGTTCTCCATCCCCGACGCCAGCCTGTACAACCCCGAGACCCAGCGCCTGGTGTGGGCCTGCGTGGGCGTCGAAGTCGGGCGCGGGCAGCCCCTCGGCGTCGGCATCTCCGGCCACCCCCTGTACAACCGCCAGGACGACACCGAGAATAGCCCCTTCAGCAGCACAACAAACAAGGATTCCCGCGACAACGTCAGCGTCGACTACAAGCAGACCCAGCTCTGTATCATCGGGTGCGTCCCAGCAATCGGCGAACACTGGGGCAAGGGCAAGGCCTGTAAGCCAAACAACGTGAGCACCGGCGATTGCCCCCCCCTGGAGCTGGTGAATACACCCATCGAAGACGGCGACATGATCGACACCGGGTACGGCGCCATGGATTTCGGCGCCCTCCAGGAGACAAAGTCCGAAGTCCCCCTGGACATCTGCCAGAGCATCTGCAAGTACCCCGACTACCTCCAGATGAGCGCCGACGTCTACGGCGATTCCATGTTCTTCTGCCTGCGCCGCGAGCAGCTCTTCGCCCGCCACTTCTGGAACCGCGGCGGCATGGTCGGCGATGCAATCCCCGCACAGCTCTACATCAAGGGGACCGACATCCGCGCCAATCCAGGCTCCAGCGTGTATTGTCCAAGCCCATCCGGCAGCATGGTGACAAGCGACAGCCAGCTGTTCAACAAGCCCTACTGGCTGCACAAGGCACAGGGGCATAATAACGGCATCTGCTGGCACAACCAGCTGTTCCTGACCGTCGTCGAT
ACCACACGCTCCACAAATTTCACCCTGAGCACAAGCACCGACAGCACCGTGCCCGCCGTGTACGACAGCAATAAGTTCAAGGAGTACACACGCCACGTCGAAGAATACGACCTGCAGTTCATCTTCCAGCTCTGCACCGTGACCCTGACCACCGACGTCATGAGCTACATCCACACCATGAACAGCAGCATCCTCGATAACTGGAACTTCGCCGTGGCCCCCCCCCCCAGCGCATCCCTCGTGGATACCTATCGCTATCTGCAGAGCGCCGCAATCACCTGCCAGAAGGACGCCCCCGCCCCCGAGAAGAAGGACCCCTACGATGGCCTGAAGTTCTGGAACGTCGATCTGCGCGAGAAGTTCTCCCTGGAGCTGGACCAGTTCCCCCTCGGCCGCAAGTTCCTCCTCCAGGCACGCGTGCGCCGCCGCCCCACCATCGGCCCACGCAAGCGCCCCGCCGCCAGCACCAGCAGCAGCAGCGCCACCAAGCACAAGCGCAAGCGCGTCAGCAAGTGA
配列21(配列番号21):
ATGCCCAGCGTCGCCAAGGTCGTGAACACCGACGACTACGTCACCCGCACCGGGATCTACTACTACGCCGGGTCCAGCCGCCTGCTGACCGTGGGCCACCCCTACTTTAAGGTACCTGTAAATGGTGGCCGCAAGCAGGAAATACCTAAGGTGTCTGCCTACCAGTACCGCGTGTTCCGCGTCACCCTCCCAGACCCCAACAAGTTCTCCATCCCCGACGCCAGCCTGTACAACCCCGAGACCCAGCGCCTGGTGTGGGCCTGCGTGGGCGTCGAAGTCGGGCGCGGGCAGCCCCTCGGCGTCGGCATCTCCGGCCACCCCCTGTACAACCGCCAGGACGACACCGAGAATAGCCCCTTCAGCAGCACAACAAACAAGGATTCCCGCGACAACGTCAGCGTCGACTACAAGCAGACCCAGCTCTGTATCATCGGGTGCGTCCCAGCAATCGGCGAACACTGGGGCAAGGGCAAGGCCTGTAAGCCAAACAACGTGAGCACCGGCGATTGCCCCCCCCTGGAGCTGGTGAATACACCCATCGAAGACGGCGACATGATCGACACCGGGTACGGCGCCATGGATTTCGGCGCCCTCCAGGAGACAAAGTCCGAAGTCCCCCTGGACATCTGCCAGAGCATCTGCAAGTACCCCGACTACCTCCAGATGAGCGCCGACGTCTACGGCGATTCCATGTTCTTCTGCCTGCGCCGCGAGCAGCTCTTCGCCCGCCACTTCTGGAACAGAGGCGGCATGGTCGGCGACACCATCCCCACCGACATGTACATCAAGGGCACCGACATCAGAGAGACACCCAGCAGCTACGTGTACTGTCCAAGCCCATCCGGCAGCATGGTGACAAGCGACAGCCAGCTGTTCAACAAGCCCTACTGGCTGCACAAGGCACAGGGGCATAATAACGGCATCTGCTGGCACAACCAGCTGTTCCTGACCGTCGTCGATACCACACGCTCCACAAATTTCACCCTGAGCACAAGCATCGAAAGCAGCATCCCCAGCACCTACGACCCCAGCAAGTTCAAGGAGTACACACGCCACGTCGAAGAATACGACCTGCAGTTCATCTTCCAGCTCTGCACCGTGACCCTGACCACCGACGTCATGAGCTACATCCACACCATGAACAGCAGCATCCTCGATAACTGGAACTTCGCCGTGGCCCCCCCCCCCAGCGCATCCCTCGTGGATACCTATCGCTATCTGCAGAGCGCCGCAATCACCTGCCAGAAGGACGCCCCCGCCCCCGAGAAGAAGGACCCCTACGATGGCCTGAAGTTCTGGAACGTCGATCTGCGCGAGAAGTTCTCCCTGGAGCTGGACCAGTTCCCCCTCGGCCGCAAGTTCCTCCTCCAGGCACGCGTGCGCCGCCGCCCCACCATCGGCCCACGCAAGCGCCCCGCCGCCAGCACCAGCAGCAGCAGCGCCACCAAGCACAAGCGCAAGCGCGTCAGCAAGTGA
配列22(配列番号22):
ATGCCCAGCGTCGCCAAGGTCGTGAACACCGACGACTACGTCACCCGCACCGGGATCTACTACTACGCCGGGTCCAGCCGCCTGCTGACCGTGGGCCACCCCTACTTCAAGGTCGGCATGAACGGCGGGCGCAAGCAGGATATCCCCAAGGTCAGCGCCTACCAGTACCGCGTGTTCCGCGTCACCCTCCCAGACCCCAACAAGTTCTCCATCCCCGACGCCAGCCTGTACAACCCCGAGACCCAGCGCCTGGTGTGGGCCTGCGTGGGCGTCGAAGTCGGTAGAGGCCAGCCATTGGGCGTTGGTGTTAGTGGACATCCTTTATATAATAGATTGGATGATACTGAAAATTCACATTTTTCCTCTGCTGTTAATACACAGGACAGTAGGGACAATGTGTCTGTGGACTATAAGCAGACCCAGCTCTGTATCATCGGGTGCGTCCCAGCAATCGGCGAACACTGGGGCAAGGGCAAGGCCTGTAAGCCAAACAACGTGAGCACCGGCGATTGCCCCCCCCTGGAGCTGGTGAATACACCCATCGAAGACGGCGACATGATCGACACCGGGTACGGCGCCATGGATTTCGGCGCCCTCCAGGAGACAAAGTCCGAAGTCCCCCTGGACATCTGCCAGAGCATCTGCAAGTACCCCGACTACCTCCAGATGAGCGCCGACGTCTACGGCGATTCCATGTTCTTCTGCCTGCGCCGCGAGCAGCTCTTCGCCCGCCACTTCTGGAACAGAGGCGGCATGGTCGGCGACACCATCCCCACCGACATGTACATCAAGGGCACCGACATCAGAGAGACACCCAGCAGCTACGTGTACTGTCCAAGCCCATCCGGCAGCATGGTGACAAGCGACAGCCAGCTGTTCAACAAGCCCTACTGGCTGCACAAGGCACAGGGGCATAATAACGGCATCTGCTGGCACAACCAGCTGTTCCTGACCGTCGTCGATACCACACGCTCCACAAATTTCACCCTGAGCACAAGCATCGAAAGCAGCATCCCCAGCACCTACGACCCCAGCAAGTTCAAGGAGTACACACGCCACGTCGAAGAATACGACCTGCAGTTCATCTTCCAGCTCTGCACCGTGACCCTGACCACCGACGTCATGAGCTACATCCACACCATGAACAGCAGCATCCTCGATAACTGGAACTTCGCCGTGGCCCCCCCCCCCAGCGCATCCCTCGTGGATACCTATCGCTATCTGCAGAGCGCCGCAATCACCTGCCAGAAGGACGCCCCCGCCCCCGAGAAGAAGGACCCCTACGATGGCCTGAAGTTCTGGAACGTCGATCTGCGCGAGAAGTTCTCCCTGGAGCTGGACCAGTTCCCCCTCGGCCGCAAGTTCCTCCTCCAGGCACGCGTGCGCCGCCGCCCCACCATCGGCCCACGCAAGCGCCCCGCCGCCAGCACCAGCAGCAGCAGCGCCACCAAGCACAAGCGCAAGCGCGTCAGCAAGTGA
配列23(配列番号23):
ATGCCCAGCGTCGCCAAGGTCGTGAACACCGACGACTACGTCACCCGCACCGGGATCTACTACTACGCCGGGTCCAGCCGCCTGCTGACCGTGGGCCACCCCTACTTCAAGGTCGGCATGAACGGCGGGCGCAAGCAGGATATCCCCAAGGTCAGCGCCT
ACCAGTACCGCGTGTTCCGCGTCACCCTCCCAGACCCCAACAAGTTCTCCATCCCCGACGCCAGCCTGTACAACCCCGAGACCCAGCGCCTGGTGTGGGCCTGCGTGGGCGTCGAAGTCGGGCGCGGGCAGCCCCTCGGCGTCGGCATCTCCGGCCACCCCCTGTACAACCGCCAGGACGACACCGAGAATAGCCCCTTCAGCAGCACAACAAACAAGGATTCCCGCGACAACGTCAGCGTCGACTACAAGCAGACCCAGCTCTGTATCATCGGGTGCGTCCCAGCAATCGGCGAACACTGGGCAAAGGGCAAGGCCTGTAAGTCCACTACTGTACAACAGGGCGATTGTCCACCACTGGAGCTGGTGAATACACCCATCGAAGACGGCGACATGATCGACACCGGGTACGGCGCCATGGATTTCGGCGCCCTCCAGGAGACAAAGTCCGAAGTCCCCCTGGACATCTGCCAGAGCATCTGCAAGTACCCCGACTACCTCCAGATGAGCGCCGACGTCTACGGCGATTCCATGTTCTTCTGCCTGCGCCGCGAGCAGCTCTTCGCCCGCCACTTCTGGAACAGAGGCGGCATGGTCGGCGACACCATCCCCACCGACATGTACATCAAGGGCACCGACATCAGAGAGACACCCAGCAGCTACGTGTACTGTCCAAGCCCATCCGGCAGCATGGTGACAAGCGACAGCCAGCTGTTCAACAAGCCCTACTGGCTGCACAAGGCACAGGGGCATAATAACGGCATCTGCTGGCACAACCAGCTGTTCCTGACCGTCGTCGATACCACACGCTCCACAAATTTCACCCTGAGCACAAGCATCGAAAGCAGCATCCCCAGCACCTACGACCCCAGCAAGTTCAAGGAGTACACACGCCACGTCGAAGAATACGACCTGCAGTTCATCTTCCAGCTCTGCACCGTGACCCTGACCACCGACGTCATGAGCTACATCCACACCATGAACAGCAGCATCCTCGATAACTGGAACTTCGCCGTGGCCCCCCCCCCCAGCGCATCCCTCGTGGATACCTATCGCTATCTGCAGAGCGCCGCAATCACCTGCCAGAAGGACGCCCCCGCCCCCGAGAAGAAGGACCCCTACGATGGCCTGAAGTTCTGGAACGTCGATCTGCGCGAGAAGTTCTCCCTGGAGCTGGACCAGTTCCCCCTCGGCCGCAAGTTCCTCCTCCAGGCACGCGTGCGCCGCCGCCCCACCATCGGCCCACGCAAGCGCCCCGCCGCCAGCACCAGCAGCAGCAGCGCCACCAAGCACAAGCGCAAGCGCGTCAGCAAGTGA
配列24(配列番号24):
ATGCCCAGCGTCGCCAAGGTCGTGAACACCGACGACTACGTCACCCGCACCGGGATCTACTACTACGCCGGGTCCAGCCGCCTGCTGACCGTGGGCCACCCCTACTTCAAGGTCGGCATGAACGGCGGGCGCAAGCAGGATATCCCCAAGGTCAGCGCCTACCAGTACCGCGTGTTCCGCGTCACCCTCCCAGACCCCAACAAGTTCTCCATCCCCGACGCCAGCCTGTACAACCCCGAGACCCAGCGCCTGGTGTGGGCCTGCGTGGGCGTCGAAGTCGGGCGCGGGCAGCCCCTCGGCGTCGGCATCTCCGGCCACCCCCTGTACAACCGCCAGGACGACACCGAGAATAGCCCCTTCAGCAGCACAACAAACAAGGATTCCCGCGACAACGTCAGCGTCGACTACAAGCAGACCCAGCTCTGTATCATCGGGTGCGTCCCAGCAATCGGCGAACACTGGGGCAAGGGCAAGGCCTGTAAGCCAAACAACGTGAGCACCGGCGATTGCCCCCCCCTGGAGCTGGTGAATACACCCATCGAAGACGGCGACATGATCGACACCGGGTACGGCGCCATGGATTTCGGCGCCCTCCAGGAGACAAAGTCCGAAGTCCCCCTGGACATCTGCCAGAGCATCTGCAAGTACCCCGACTACCTCCAGATGAGCGCCGACGTCTACGGCGATTCCATGTTCTTCTGCCTGCGCCGCGAGCAGCTCTTCGCCCGCCACTTCTGGAACAGAGGCGGCATGGTCGGCGACACCATCCCCACCGACATGTACATCAAGGGCACCGACATCAGAGAGACACCCAGCAGCTACGTGTACTGTCCAAGCCCATCCGGCAGCATGGTGACAAGCGACAGCCAGCTGTTCAACAAGCCCTACTGGCTGCACAAGGCACAGGGGCATAATAACGGCATCTGCTGGCACAACCAGCTGTTCCTGACCGTCGTCGATACCACACGCTCCACAAATTTCACCCTGAGCACAAGCACCGAAACAGCCATACCTGCTGTATATAGCCCTACAAAGTTCAAGGAGTACACACGCCACGTCGAAGAATACGACCTGCAGTTCATCTTCCAGCTCTGCACCGTGACCCTGACCACCGACGTCATGAGCTACATCCACACCATGAACAGCAGCATCCTCGATAACTGGAACTTCGCCGTGGCCCCCCCCCCCAGCGCATCCCTCGTGGATACCTATCGCTATCTGCAGAGCGCCGCAATCACCTGCCAGAAGGACGCCCCCGCCCCCGAGAAGAAGGACCCCTACGATGGCCTGAAGTTCTGGAACGTCGATCTGCGCGAGAAGTTCTCCCTGGAGCTGGACCAGTTCCCCCTCGGCCGCAAGTTCCTCCTCCAGGCACGCGTGCGCCGCCGCCCCACCATCGGCCCACGCAAGCGCCCCGCCGCCAGCACCAGCAGCAGCAGCGCCACCAAGCACAAGCGCAAGCGCGTCAGCAAGTGA
配列25(配列番号25):
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配列26(配列番号26):
VSGHPLYNRLDDTENSHFSSAVNTQ
配列27(配列番号27):
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配列28(配列番号28):
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配列29(配列番号29):
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TTRSTNFTLSTSIESSIPSTYDPSKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTVTLTTDVMSYIHTMNSSILDNWNFAVAPPPSASLVDTYRYLQSAAITCQKDAPAPEKKDPYDGLKFWNVDLREKFSLELDQFPLGRKFLLQARVRRRPTIGPRKRPAASTSSSSATKHKRKRVSK
配列30(配列番号30):
ATGCCCAGCGTCGCCAAGGTCGTGAACACCGACGACTACGTCACCCGCACCGGGATCTACTACTACGCCGGGTCCAGCCGCCTGCTGACCGTGGGCCACCCCTACTTCAAGGTCGGCATGAACGGCGGGCGCAAGCAGGATATCCCCAAGGTCAGCGCCTACCAGTACCGCGTGTTCCGCGTCACCCTCCCAGACCCCAACAAGTTCTCCATCCCCGACGCCAGCCTGTACAACCCCGAGACCCAGCGCCTGGTGTGGGCCTGCGTGGGCGTCGAAGTCGGGCGCGGGCAGCCCCTCGGCGTCGGCATCTCCGGCCACCCCCTGTACAACCGCCAGGACGACACCGAGAATAGCCCCTTCAGCAGCACAACAAACAAGGATTCCCGCGACAACGTCAGCGTCGACTACAAGCAGACCCAGCTCTGTATCATCGGGTGCGTCCCAGCAATCGGCGAACACTGGGGCAAGGGCAAGGCCTGTAAGCCAAACAACGTGAGCACCGGCGATTGCCCCCCCCTGGAGCTGGTGAATACACCCATCGAAGACGGCGACATGATCGACACCGGGTACGGCGCCATGGATTTCGGCGCCCTCCAGGAGACAAAGTCCGAAGTCCCCCTGGACATCTGCCAGAGCATCTGCAAGTACCCCGACTACCTCCAGATGAGCGCCGACGTCTACGGCGATTCCATGTTCTTCTGCCTGCGCCGCGAGCAGCTCTTCGCCCGCCACTTCTGGAACCGCGGCGGCATGGTCGGCGATGCAATCCCCGCACAGCTCTACATCAAGGGGACCGACATCCGCGCCAATCCAGGCTCCAGCGTGTATTGTCCAAGCCCATCCGGCAGCATGGTGACAAGCGACAGCCAGCTGTTCAACAAGCCCTACTGGCTGCACAAGGCACAGGGGCATAATAACGGCATCTGCTGGCACAACCAGCTGTTCCTGACCGTCGTCGATACCACACGCTCCACAAATTTCACCCTGAGCACAAGCATCGAAAGCAGCATCCCCAGCACCTACGACCCCAGCAAGTTCAAGGAGTACACACGCCACGTCGAAGAATACGACCTGCAGTTCATCTTCCAGCTCTGCACCGTGACCCTGACCACCGACGTCATGAGCTACATCCACACCATGAACAGCAGCATCCTCGATAACTGGAACTTCGCCGTGGCCCCCCCCCCCAGCGCATCCCTCGTGGATACCTATCGCTATCTGCAGAGCGCCGCAATCACCTGCCAGAAGGACGCCCCCGCCCCCGAGAAGAAGGACCCCTACGATGGCCTGAAGTTCTGGAACGTCGATCTGCGCGAGAAGTTCTCCCTGGAGCTGGACCAGTTCCCCCTCGGCCGCAAGTTCCTCCTCCAGGCACGCGTGCGCCGCCGCCCCACCATCGGCCCACGCAAGCGCCCCGCCGCCAGCACCAGCAGCAGCAGCGCCACCAAGCACAAGCGCAAGCGCGTCAGCAAGTGA
配列31(配列番号31):
MVYLPPPSVAKVVNTDDYVTRTGIYYYAGSSRLLTVGHPYFKVPVNGGRKQEIPKVSAYQYRVFRVSLPDPNKFGLPDPSLYNPDTQRLVWACIGVEIGRGQPLGVGVSGHPLYNRLDDTENSHFSSAVNTQDSRDNVSVDYKQTQLCIIGCVPAMGEHWAKGKACKSTTVQQGDCPPLELVNTAIEDGDMIDTGYGAMDFRTLQETKSEVPLDICQSVCKYPDYLQMSADVYGDSMFFCLRKEQLFARHFWNRGGMVGDTIPSELYIKGTDIRDRPGTHVYSPSPSGSMVSSDSQLFNKPYWLHKAQGHNNGICWHNQLFITVVDTTRSTNFTLSACTETAIPAVYSPTKFKEYTRHVEEYDLQFIFQLCTITLTADVMAYIHTMNPAILDNWNIGVTPPPSASLVDTYRYLQSAAIACQKDAPAPEKKDPYDDLKFWNVDLKEKFSTELDQFPLGRKFLLQVGARRRPTIGPRKRPASAKSSSSASKHKRKRVSK
配列32(配列番号32):
ATGGTGTATTTGCCACCCCCTTCTGTGGCGAAGGTTGTCAATACAGATGATTATGTAACACGTACAGGCATATATTATTATGCTGGAAGCTCTCGCTTATTAACAGTAGGGCATCCTTATTTTAAGGTACCTGTAAATGGTGGCCGCAAGCAGGAAATACCTAAGGTGTCTGCATATCAGTATAGGGTATTTAGGGTATCCCTACCTGATCCTAATAAGTTTGGCCTTCCGGATCCTTCCCTTTATAATCCTGACACACAACGCCTGGTATGGGCCTGTATAGGTGTGGAAATTGGTAGAGGCCAGCCATTGGGCGTTGGTGTTAGTGGACATCCTTTATATAATAGATTGGATGATACTGAAAATTCACATTTTTCCTCTGCTGTTAATACACAGGACAGTAGGGACAATGTGTCTGTGGACTATAAGCAGACACAGTTATGTATTATAGGCTGTGTTCCTGCTATGGGAGAGCACTGGGCAAAGGGCAAGGCCTGTAAGTCCACTACTGTACAACAGGGCGATTGTCCACCATTAGAATTAGTTAATACTGCAATTGAGGATGGCGATATGATAGATACAGGCTATGGAGCCATGGACTTTCGTACATTGCAGGAAACCAAAAGTGAGGTACCACTAGATATTTGCCAATCCGTGTGTAAATATCCTGATTATTTGCAGATGTCTGCTGATGTATATGGGGACAGTATGTTTTTTTGTTTGCGCAAGGAACAGTTATTTGCCAGACACTTTTGGAATAGAGGTGGCATGGTGGGCGACACAATACCTTCAGAGTTATATATTAAAGGCACGGATATACGTGATCGTCCTGGTACTCATGTATATTCCCCTTCCCCAAGTGGCTCTATGGTTTCTTCTGATTCCCAGTTGTTTAATAAGCCCTATTGGTTGCATAAGGCCCAGGGACACAATAATGGCATTTGTTGGCATAACCAGTTGTTTATTACTGTGGTGGACACTACACGTAGTACTAATTTTACATTGTCTGCCTGCACCGAAACAGCCATACCTGCTGTATATAGCCCTACAAAGTTTAAGGAATATACTAGGCATGTGGAGGAATATGATTTACAATTTATATTTCAGTTGTGTACTATCACATTAACTGCAGACGTTATGGCCTACATCCATACTATGAATCCTGCAATTTTGGACAATTGGAATATAGGCGTTACCCCTCCACCATCTGCAAGCTTGGTGGACACGTATAGGTATTTACAATCAGCAGCTATAGCATGTCAGAAGGATGCTCCTGCACCTGAAAAAAAGGATCCCTATGACGATTTAAAATTTTGGAATGTTGATTTAAAGGAAAAGTTTAGTACAGAACTAGATCAGTTTCCTTTGGGGCGCAAATTTTTACTACAGGTAGGGGCTCGCAGACGTCCTACTATAGGCCCTCGCAAACGCCCTGCATCA
GCTAAATCGTCTTCCTCAGCCTCTAAACACAAACGGAAACGTGTGTCCAAGTAA
配列33(配列番号33):
PMSGGRKQG
配列34(配列番号34):
LSGHPLYNRLDDTENSPFSSNKNPKDSRDNVAVDC
配列35(配列番号35):
AKGKSCKPTNVQQ
配列36(配列番号36):
TDSTVPAVYDSN
配列37(配列番号37):
PVNGGRKQE
【実施例0069】
発明を実施するための具体的な様式
実施例を参照して本発明が以下にさらに記載されるが、当該実施例は、本発明を例証するためにのみ使用されるものであり、本発明を限定するものではない。
【0070】
特記しない限り、本発明において使用する分子生物学的実験方法および免疫学的アッセイは、実質的に、Sambrook J et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Second Edition), Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989、およびF. M. Ausubel et al., Short Protocols in Molecular Biology, 3rd Edition, John Wiley & Sons, Inc., 1995中に記載される方法に従って行ない、制限酵素は製造元推奨の条件下において使用す
る。当業者には、当該実施例が本発明を例証するために使用されるものであり、本発明の保護範囲の限定を意図するものではないことが理解される。
【0071】
実施例1.変異HPV39 L1タンパク質の発現および精製
発現ベクターの構築
多部位変異誘発を目的として、HPV68 L1タンパク質由来のセグメントを含む変異HPV39 L1タンパク質をコードする発現ベクターをPCRによって構築し、最初に使用した鋳型は、プラスミドpTO-T7-HPV39N15Cであった(N末端の15個のアミノ酸が切断されたHPV39 L1タンパク質をコードする;表2中では39L1N15と略記される)。各PCRにおける鋳型およびプライマーは表2中に示される通りであり、PCRの増幅条件は以下の通りとした:変性を94℃において10分間;25サイクル(変性を94℃において50秒間、アニーリングを所与の温度において特定時間、伸長を72℃において7.5分間);最終の伸長を72℃において10分間。アニーリングの温度および時間が表2中に示される。使用したPCRプライマーの配列が表3中に示される。
【0072】
増幅産物(50μL)に、制限エンドヌクレアーゼDpnI(Fermentas(MBI)、Cat.No.FD1704、2500U/チューブ)2μLを添加し、得られた混合物を37℃において60分間インキュベートした。消化産物10μLを使用して、塩化カルシウム法で調製されたコンピテント大腸菌ER2566(New England Biolabsから購入)40μLを形質転換した。形質転換した大腸菌を、カナマイシン含有(最終濃度25μg/mL、以降でも同様)の固体LB培地(LB培地の成分:ペプトン10g/L、酵母粉末5g/L、NaCl 10g/L、以降でも同様)上に広げ、単一コロニーが明瞭に観察されるまで、37℃において10~12時間静置培養した。単一コロニーを選んで、液体LB培地(カナマイシン含有)4mLを入れたチューブ中に播種し、220rpmで37℃において10時間振とう培養した後、細菌溶液1mlを取り、-70℃において保存した。大腸菌からプラスミドを抽出し、プラスミド中に挿入された目的断片のヌクレオチド配列をT7プライマーを使用してシーケンシングした。
シーケンシング結果から、構築したプラスミド(発現ベクター)中に挿入された目的断片のヌクレオチド配列は配列番号16であり、これによってコードされるアミノ酸配列は配列番号4であることが示された(対応するタンパク質をH39N15-68T1と命名した)。変異タンパク質H39N15-68T1は、野生型HPV39 L1タンパク質の53~61位由来のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の53~61位由来のアミノ酸残基で置換されている点で、HPV39N15と異なる。
【0073】
Gibson assembly(Gibson DG, Young L, Chuang RY, Venter JC, Hutchison CA, Smith HO. Enzymatic assembly of DNA molecules up to several hundred kilobases. Nat Methods. 2009;6:343-5. doi: 10.1038/nmeth.1318)を使用して、他の変
異HPV39 L1タンパク質をコードする発現ベクターを構築した(ここで、この変異HPV39 L1タンパク質は、HPV68 L1由来の特定セグメントおよびHPV70L1由来の特定セグメントを含む)。簡潔には、変異を含む短い断片と変異を含まない長い断片とをPCRによって得て、次いでGibson assemblyシステムを使用してこれら2つの断片をライゲーションし、環を形成した。使用した最初の鋳型は、プラスミドpTO-T7-HPV39N15(N末端の15個のアミノ酸が切断されたHPV39 L1タンパク質をコードする;表2中では39L1N15と略記される)、プラスミドpTO-T7-HPV68L1(HPV68 L1タンパク質をコードする;表2中では68L1N0と略記される)、プラスミドpTO-T7-H39N15-68T4(変異タンパク質H39N15-68T4をコードする;表2中ではH39N15-68T4と略記される)、およびプラスミドpTO-T7-HPV70N10(N末端の10個のアミノ酸が切断されたHPV70 L1タンパク質をコードする;表2中では70L1N10と略記される)を含むものであった。各PCRにおける鋳型およびプライマーは表2中に示される通りであり、短い断片を増幅するためのPCRの増幅条件は以下の通りとした:変性を94℃において10分間;25サイクル(変性を94℃において50秒間、アニーリングを所与の温度において特定時間、伸長を72℃において1分間);最終の伸長を72℃において10分間。長い断片を増幅するためのPCRの増幅条件は以下の通りとした:変性を94℃において10分間;25サイクル(変性を94℃において50秒間、アニーリングを所与の温度において特定時間、伸長を72℃において7.5分間);最終の伸長を72℃において10分間。使用したPCRプライマーの配列が表3中に示される。増幅産物を電気泳動に供し、次いで、DNA Extraction Kit(BEYOTIME、Cat.No.D0033)を使用して目的断片を回収し、その濃度を求めた。増幅によって得た短い断片と長い断片とをモル比2:1で混合し(総体積3μL)、次いで3μLの2 X Gibson Assembly Master Mix(NEBから購入;T5 エキソヌクレアーゼ、Phusion DNAポリメラーゼ、Taq DNAリガーゼ含有)を添加して、50℃において1時間反応させた。
【0074】
繋ぎ合わせた産物(6μL)を使用して、塩化カルシウム法で調製されたコンピテント大腸菌ER2566(New England Biolabsから購入)40μLを形質転換した。形質転換した大腸菌をカナマイシン含有固体LB培地上に広げ、単一コロニーが明瞭に観察されるまで37℃で10~12時間にわたって静置培養した。単一コロニーを選んで、液体LB培地(カナマイシン含有)4mLを入れたチューブ中に播種し、220rpmで37℃において10時間振とう培養し、次いで細菌溶液1mlを取って-70℃において保存した。大腸菌からプラスミドを抽出し、プラスミド中に挿入された目的断片のヌクレオチド配列をT7プライマーを使用してシーケンシングした。シーケンシング結果から、構築したプラスミド(発現ベクター)中に挿入された目的断片のヌクレオチド配列はそれぞれ配列番号17、18、19、20、21、22、23、および24であり、これらによってコードされるアミノ酸配列はそれぞれ配列番号5、6、7、8、9、10、11、および12であることが示された(これらに対応するタンパク質をそれぞれH39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N
15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5と命名した)。
【0075】
変異タンパク質H39N15-68T2は、野生型HPV39 L1タンパク質の117~150位由来のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の117~151位由来のアミノ酸残基で置換されている点で、HPV39N15と異なる。変異タンパク質H39N15-68T3は、野生型HPV39 L1タンパク質の169~181位由来のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の170~182位由来のアミノ酸残基で置換されている点で、HPV39N15と異なる。変異タンパク質H39N15-68T4は、野生型HPV39 L1タンパク質の269~288位由来のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の270~289位由来のアミノ酸残基で置換されている点で、HPV39N15と異なる。変異タンパク質H39N15-68T5は、野生型HPV39 L1タンパク質の347~358位由来のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の348~359位由来のアミノ酸残基で置換されている点で、HPV39N15と異なる。
【0076】
変異タンパク質H39N15-68T4-70S1は、野生型HPV39 L1タンパク質の269~288位由来のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の270~289位由来のアミノ酸残基で置換されており、野生型HPV39 L1タンパク質の53~61位由来のアミノ酸残基が野生型HPV70 L1タンパク質の53~61位由来のアミノ酸残基で置換されている点で、HPV39N15と異なる。変異タンパク質H39N15-68T4-70S2は、野生型HPV39 L1タンパク質の269~288位由来のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の270~289位由来のアミノ酸残基で置換されており、野生型HPV39 L1タンパク質の117~140位由来のアミノ酸残基が野生型HPV70 L1タンパク質の117~141位由来のアミノ酸残基で置換されている点で、HPV39N15と異なる。変異タンパク質H39N15-68T4-70S3は、野生型HPV39 L1タンパク質の269~288位由来のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の270~289位由来のアミノ酸残基で置換されており、野生型HPV39 L1タンパク質の169~181位由来のアミノ酸残基が野生型HPV70 L1タンパク質の170~182位由来のアミノ酸残基で置換されている点で、HPV39N15と異なる。変異タンパク質H39N15-68T4-70S5は、野生型HPV39 L1タンパク質の269~288位由来のアミノ酸残基が野生型HPV68 L1タンパク質の270~289位由来のアミノ酸残基で置換されており、野生型HPV39 L1タンパク質の347~358位由来のアミノ酸残基が野生型HPV70 L1タンパク質の348~359位由来のアミノ酸残基で置換されている点で、HPV39N15と異なる。
【0077】
【0078】
【0079】
大スケールでの変異タンパク質の発現
組換えプラスミドpTO-T7-H39N15-68T1、pTO-T7-H39N15-68T2、pTO-T7-H39N15-68T3、pTO-T7-H39N15-68T4、pTO-T7-H39N15-68T5、pTO-T7-H39N15-68T4-70S1、pTO-T7-H39N15-68T4-70S2、pTO-T7-H39N15-68T4-70S3、およびpTO-T7-H39N15-68T4-70S5をそれぞれ含む大腸菌溶液を-70℃の冷蔵庫から取り出し、100mLのカナマイシン含有LB液体培地中に接種して、200rpmにおいて37℃で約8時間インキュベートした。次いで、培養物を500mLのカナマイシン含有LB培地に移し(細菌溶液1mlを移し)、さらにインキュベートした。細菌濃度がOD600約0.6に達したら、培養温度を下げて25℃とし、500μLのIPTGを各培養ボトルに添加した。インキュベーションをさらに8時間行なった。インキュベーション終了後、遠心分離によって細菌を集めた。H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5タンパク質をそれぞれ発現している細菌が得られた。
【0080】
変異タンパク質を発現している細菌の破壊
得られた細菌を、細菌1gに対して溶解バッファー(20mMトリスバッファー、pH7.2、300mM NaCl)10mLの比率で再懸濁した。超音波装置を使用して30分間かけて細菌を破壊した。破壊された細菌を含有する溶解溶液を13500rpm(30000g)で15分間遠心分離して、上清(すなわち、破壊された細菌の上清)を得た。
【0081】
クロマトグラフィーによる変異タンパク質の精製
機器:GE Healthcare(すなわち、元のAmershan Pharmacia社)製のAKTA Explorer 100 分取液体クロマトグラフィーシステム
クロマトグラフィー媒体:SP Sepharose 4 Fast Flow(GE
Healthcare社)、CHT-II(Bio-RADから購入)、およびButyl Sepharose 4 Fast Flow(GE Healthcare社)
バッファー:バッファーA(20mMリン酸バッファー、pH8.0、20mM DTT);およびバッファーB(20mMリン酸バッファー、pH8.0、20mM DTT、2M NaCl)。以下の溶出プロトコールにおいて使用した異なる濃度のNaClを含有するバッファーは、バッファーAとバッファーBとを特定の比率で混合することによって調製した。
【0082】
試料:上述されるとおりに得られた、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5をそれぞれ含有する破壊された細菌の上清。
【0083】
溶出プロトコール:
(1)破壊された細菌の上清のSP Sepharose 4 Fast Flowによる陽イオン交換精製:試料をカラムに載せ、次いで、400mM NaClを含有するバッファー(80%バッファーA+20%バッファーB)を用いて望ましくないタンパク質を溶出させ、続いて800mM NaClを含有するバッファー(60%バッファーA+40%バッファーB)を用いて目的のタンパク質を溶出させ、800mM NaClを
含有するバッファーを用いて、溶出させた画分を集めた。
【0084】
(2)工程(1)で得られた溶出画分のCHTII(ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー)によるクロマトグラフィー精製:工程(1)で得られた溶出画分を希釈してNaCl濃度を0.5Mに下げ、試料をカラムに載せ、次いで、500mM NaClを含有するバッファー(75%バッファーA+25%バッファーB)を用いて望ましくないタンパク質を溶出させ、続いて1000mM NaClを含有するバッファー(50%バッファーA+50%バッファーB)を用いて目的のタンパク質を溶出させ、1000mM NaClを含有するバッファーを用いて、溶出させた画分を集めた。
【0085】
(3)工程(2)で得られた溶出画分のHIC(疎水性相互作用クロマトグラフィー)によるクロマトグラフィー精製:試料をカラムに載せ、次いで、1000mM NaClを含有するバッファーを用いて望ましくないタンパク質を溶出させ、続いて200mM NaClを含有するバッファー(90%バッファーA+10%バッファーB)を用いて目的のタンパク質を溶出させ、200mM NaClを含有するバッファーを用いて、溶出させた画分を集めた。
【0086】
工程(3)で得られた溶出画分150μLを30μLの6×ローディングバッファー(その1Lは、300mlの1M TB 6.8、600mlの100%グリセリン、120gのSDS、6gのブロモフェノールブルー、および50mlのβ-メルカプトエタノールを含有)に添加した。得られた溶液を十分に混合して、80℃の水浴中で10分間、十分にインキュベートした。次いで、得られた試料の10μlを、120Vにて120分間、10%SDS-PAGEに供し、クマシーブリリアントブルーによって電気泳動バンドを染色した。電気泳動の結果が
図1中に示される。結果は、上述される精製工程の後、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5の純度が90%を超えたことを示した。
【0087】
同様の方法により、大腸菌およびプラスミドpTO-T7-HPV39N15を使用してHPV39N15タンパク質を調製および精製し、大腸菌およびプラスミドpTO-T7-HPV68L1N0を使用してHPV68N0タンパク質を調製および精製し、大腸菌およびプラスミドpTO-T7-HPV70N10を使用してHPV70N10タンパク質を調製および精製した。
【0088】
変異タンパク質のウェスタンブロットアッセイ
上述される方法によって精製したH39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5タンパク質を、電気泳動に供した。電気泳動後、HPV L1タンパク質に対する広域スペクトル抗体4B3を使用してウェスタンブロットアッセイを行ない、結果を
図2中に示す。結果は、H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5が広域スペクトル抗体4B3によって特異的に認識され得たことを示した。
【0089】
実施例2:HPVウイルス様粒子の集合と粒子の形態学的検出
HPVウイルス様粒子の集合
所与の体積(約2ml)のタンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T
2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、またはH39N15-68T4-70S5を、(1)2Lの保存バッファー(20mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.5)、0.5M NaCl)中、(2)2Lの再生バッファー(50mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.0)、2mM CaCl2、2mM MgCl2、0.5M NaCl)中、および(3)20mMリン酸ナトリウムバッファー(pH7.0)、0.5M NaCl中に、連続的に透析した。透析は、3種のバッファーそれぞれについて12時間行なった。
【0090】
同様の方法により、HPV39N15、HPV68N0、およびHPV70N10タンパク質を集合させて、それぞれHPV39N15 VLP、HPV68N0 VLP、およびHPV70N10 VLPとした。
【0091】
モレキュラーシーブクロマトグラフィーによる分析
透析した試料を、1120 Compact LC High Performance Liquid Chromatographic System(Agilent Technologies)を用いたモレキュラーシーブクロマトグラフィーによる分析に供した(使用した分析カラムはTSK Gel PW5000×l 7.8×300mm)。分析結果が
図3および
図4中に示される。結果は、タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、またはH39N15-68T4-70S5を含む試料の第1のタンパク質ピークが、HPV39N15 VLP、HPV68N0
VLP、およびHPV70N10 VLPの場合と同等の約13~14分に現れたことを示した。このことから、これらのタンパク質はいずれも集合してVLPを形成できたことが示された。
【0092】
沈降速度分析
沈降速度分析に用いた装置は、光学式検査システムとAn-50TiおよびAn-60Tiローターとを備えるBeckman XL-A Analytical Ultracentrifugeであった。HPV39N15 VLP、HPV68N0 VLP、HPV70N10 VLP、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2
VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数を沈降速度法によって分析した。結果が
図5A~
図5L中に示される。結果は、H39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、H39N15-68T5 VLP、H39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPの沈降係数がそれぞれ136S、151S、138S、145S、135S、124S、108S、99S、および127Sであったことを示した。このことから、上記で調製した変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は、集合して、サイズおよび形態の観点において野生型VLP(HPV39N15 VLP、115S;HPV68N0 VLP、153S;HPV70N10 VLP、144S)に類似するウイルス様粒子を形成できたことが示された。
【0093】
ウイルス様粒子の形態学的試験
VLPを含む試料100μLを透過電子顕微鏡(TEM)で観察した。使用した装置はJEOL社提供の100kV透過電子顕微鏡(倍率100,000倍)であった。簡潔には、試料13.5μLを2%リンタングステン酸(pH7.0)でネガティブ染色し、炭素被覆銅グリッドに固定した後、TEMで観察した。結果が
図6A~
図6L中に示される。結果は、変異タンパク質H39N15-68T1、H39N15-68T2、H39N15-68T3、H39N15-68T4、H39N15-68T5、H39N15-68T4-70S1、H39N15-68T4-70S2、H39N15-68T4-70S3、およびH39N15-68T4-70S5は集合してウイルス様粒子を形成でき、これらの変異タンパク質の集合によるウイルス様粒子はサイズが均一で半径が約25~30nmであったことを示した。野生型HPV39N15、HPV68N0、およびHPV70N10の集合によるウイルス様粒子も半径が約25~30nmでサイズが均一であった。このことから、これらの変異タンパク質は野生型HPV39、HPV68、およびHPV70のL1タンパク質と類似しており、集合して均一なサイズのVLPを形成できたことが示された。
【0094】
実施例3:ウイルス様粒子を接種したマウスの血清中における中和抗体力価の評価1
この実験において、使用したウイルス様粒子はH39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、およびH39N15-68T5 VLPであった。
【0095】
この実験における接種スケジュールが表4中に示される。すべてのマウス(6週齢BalB/c雌マウス)を3つの群に分けた:アルミニウムアジュバント群1(免疫量5μg、アルミニウムアジュバントを使用)、アルミニウムアジュバント群2(免疫量1μg、アルミニウムアジュバントを使用)、およびアルミニウムアジュバント群3(免疫量0.2μg、アルミニウムアジュバントを使用)。各群をさらに8つの小群に分けた。コントロール小群1および2にHPV39N15 VLP単独およびHPV68N0 VLP単独をそれぞれ接種し、コントロール小群3に混合HPV39/HPV68 VLP(すなわち、HPV39N15 VLPおよびHPV68N0 VLPの混合物、各VLPは所与の免疫量にて)を接種した。実験小群1、2、3、4、および5にH39N15-68T1 VLP、H39N15-68T2 VLP、H39N15-68T3 VLP、H39N15-68T4 VLP、およびH39N15-68T5 VLPをそれぞれ接種した。
【0096】
アルミニウムアジュバント群1~3において、1つの小群あたり5匹のマウスに、免疫量それぞれ5μg、1μg、および0.2μg、注射体積1mLにて、腹腔内注射により接種した。すべてのマウスに対して、0週目に1回目の接種を行ない、次いで2週目および4週目の各々において追加免疫接種を行なった。8週目に血液試料を眼窩採血(orbital bleeding)によって集め、血清中のHPV39およびHPV68に対する抗体の力価を分析した。分析結果が
図7A~
図7C中に示される。結果は、H39N15-68T4 VLPは、マウスにおいてHPV39に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合よりもわずかに弱かったが、同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV68に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合よりもわずかに弱かったが、同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合よりも大幅に優れていたことを示した。このことから、H39N15-68T4 VLPがHPV39およびHPV68に対して良好な交差免疫原性および交差防御を有していたことが示された。
【0097】
【0098】
実施例4:抗体陽転を誘発するウイルス様粒子のED50の評価1
この実験において、使用したウイルス様粒子はH39N15-68T4 VLPであった。
【0099】
6週齢BalB/c雌マウス(マウス8匹)に単回の腹腔内注射によってアルミニウムアジュバントを接種し、ここで、実験群にはH39N15-68T4 VLP(免疫量0.900μg、0.300μg、0.100μg、0.033μg、または0.011μg)を使用し、HPV68N0 VLP単独(免疫量0.900μg、0.300μg、0.100μg、0.033μg、または0.011μg)、HPV39N15 VLP
単独(免疫量0.900μg、0.300μg、0.100μg、0.033μg、または0.011μg)、または混合HPV39/HPV68 VLP(すなわち、HPV39N15 VLPおよびHPV68N0 VLPの混合物、各VLPは免疫量0.900μg、0.300μg、0.100μg、0.033μg、または0.011μgにて);免疫化体積は1mLとした。加えて、ワクチンの希釈に使用した希釈剤をブランクコントロールとして用いた。各群のマウス8匹に接種し、接種後5週目に眼球から静脈血を集めた。血清中のHPVに対する抗体を検出し、Reed-Muench法(Reed LJ MH. A simple method of estimating fifty percent endpoints. Am J Hyg. 1938; 27:493-7
)によって、抗体陽転を誘発する(すなわち、マウスにおいて抗体の発生を誘発する)ED50を各試料について計算した。結果が表5~8中に示される。
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
結果は、マウスに接種した後5週間で、マウスにおいてHPV39に対する抗体の発生を誘発するH39N15-68T4 VLPのED50はHPV39N15 VLP単独の場合と同等となり、HPV68N0 VLP単独の場合よりも大幅に優れており、HPV68に対する抗体の発生を誘発するED50はHPV68N0 VLP単独の場合よりもわずかに弱かったが、HPV39N15 VLP単独の場合よりも大幅に優れていたことを示した。このことから、H39N15-68T4 VLPがHPV68およびHPV39に対して良好な交差免疫原性および交差防御を有していたことが示された。
【0105】
実施例5:ウイルス様粒子を接種したマウスの血清中における中和抗体力価の評価2
この実験において、使用したウイルス様粒子はH39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3
VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPであった。
【0106】
この実験における接種スケジュールが表9中に示される。すべてのマウス(6週齢Ba
lB/c雌マウス)を3つの群に分けた:アルミニウムアジュバント群1(免疫量5μg、アルミニウムアジュバントを使用)、アルミニウムアジュバント群2(免疫量1μg、アルミニウムアジュバントを使用)、およびアルミニウムアジュバント群3(免疫量0.2μg、アルミニウムアジュバントを使用)。各群をさらに8つの小群に分けた。コントロール小群1、2、および3にHPV39N15 VLP単独、HPV68N0 VLP単独、およびHPV70N10 VLP単独をそれぞれ接種し、コントロール小群4に混合HPV39/HPV68/HPV70 VLP(すなわち、HPV39N15 VLP、HPV68N0 VLP、およびHPV70N10 VLPの混合物、各VLPは所与の免疫量にて)を接種した。実験小群1、2、3、および4にH39N15-68T4-70S1 VLP、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPをそれぞれ接種した。
【0107】
アルミニウムアジュバント群1~3において、1つの小群あたり5匹のマウスに、免疫量それぞれ5μg、1μg、および0.2μg、注射体積1mLにて、腹腔内注射により接種した。すべてのマウスに対して、0週目に1回目の接種を行ない、次いで2週目および4週目の各々において追加免疫接種を行なった。8週目に血液試料を眼窩採血によって集め、血清中のHPV39、およびHPV68、およびHPV70に対する抗体の力価を分析した。分析結果が
図8A~
図8C中に示される。結果は、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPは、マウスにおいてHPV39に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合よりもわずかに弱かったが、同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合およびHPV70N10 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV68に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV68N0 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合と同等であり、同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合およびHPV70N10 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV70に対する高力価中和抗体の発生を誘発でき、その防御効果は同一投与量のHPV70N10 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合と同等であり、同一投与量のHPV39N15 VLP単独の場合およびHPV68N0 VLP単独の場合よりも大幅に優れていたことを示した。このことから、H39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPがHPV39、HPV68、およびHPV70に対して良好な交差免疫原性および交差防御を有していたことが示された。
【0108】
【0109】
実施例6:抗体陽転を誘発するウイルス様粒子のED50の評価2
この実験において、使用したウイルス様粒子はH39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLPであった。
【0110】
6週齢BalB/c雌マウス(マウス8匹)に単回の腹腔内注射によってアルミニウムアジュバントを接種し、ここで、実験群にはH39N15-68T4-70S2 VLP、H39N15-68T4-70S3 VLP、およびH39N15-68T4-70S5 VLP(免疫量0.900μg、0.300μg、0.100μg、0.033μg
、または0.011μg)を使用し、HPV39N15 VLP単独、HPV68N0 VLP単独、HPV70N10 VLP単独(免疫量0.900μg、0.300μg、0.100μg、0.033μg、または0.011μg)または混合HPV39/HPV68/HPV70 VLP(すなわち、HPV39N15 VLP、HPV68N0 VLP、およびHPV70N10 VLPの混合物、各VLPは免疫量0.900μg、0.300μg、0.100μg、0.033μg、または0.011μgにて);免疫化体積は1mLとした。加えて、ワクチンの希釈に使用した希釈剤をブランクコントロールとして用いた。各群のマウス8匹に接種し、接種後5週目に眼球から静脈血を集めた。血清中のHPVに対する抗体を検出し、Reed-Muench法(Reed LJ MH. A simple method of estimating fifty percent endpoints. Am J Hyg. 1938; 27:493-7)によ
って、抗体陽転を誘発する(すなわち、マウスにおいて抗体の発生を誘発する)ED50を各試料について計算した。結果が表10~16中に示される。
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
結果は、マウスに接種した後5週間で、マウスにおいてHPV39に対する抗体の発生を誘発するH39N15-68T4-70S2 VLPおよびH39N15-68T4-70S5 VLPのED50はHPV39N15 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合と同等であり、HPV68N0 VLP単独の場合およびHPV70N10 VLP単独の場合よりも大幅に優れており;マウスにおいてHPV68に対する抗体の発生を誘発するED50はHPV68N0 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合と同等であり、HPV39N15 VLP単独の場合およびHPV70N10 VLP単独の場合よりも大幅
に優れており;マウスにおいてHPV70に対する抗体の発生を誘発するED50はHPV70N10 VLP単独の場合および混合HPV39/HPV68/HPV70 VLPの場合と同等であり、HPV39N15 VLP単独の場合およびHPV68N0 VLP単独の場合よりも大幅に優れていたことを示した。このことから、H39N15-68T4-70S2 VLPおよびH39N15-68T4-70S5 VLPがHPV39、HPV68、およびHPV70に対して良好な交差免疫原性および交差防御を有していたことが示された。
【0119】
実施例7:ウイルス様粒子の熱安定性の評価
HPV39N15タンパク質、HPV68N0タンパク質、HPV70N10タンパク質、H39N15-68T4タンパク質、H39N15-68T4-70S2タンパク質、およびH39N15-68T4-70S5タンパク質によって形成されるVLPについて、その熱安定性を、GE Company(すなわち、元のMicroCal社)から購入した示差走査熱量計VP Capillary DSCを使用して評価し、この際、タンパク質の保存バッファーをコントロールとして使用し、加熱速度1.5℃/分および温度範囲10℃~90℃にてタンパク質の走査を行なった。検出結果が
図9中に示される。結果は、H39N15-68T4タンパク質、H39N15-68T4-70S2タンパク質、およびH39N15-68T4-70S5によって形成される上記VLPがいずれも非常に高い熱安定性を有していたことを示した。
【0120】
実施例8:H39N15-68T4-70S2 VLPおよびH39N15-68T4-70S5 VLPの三次元構造の再構築
H39N15-68T4-70S2 VLPおよびH39N15-68T4-70S5
VLPの三次元構造を、クライオ電子顕微鏡法(cryo-EM)(Wolf M, Garcea RL, Grigorieff N. et al. Proc Natl Acad Sci U S A. (2010), 107(14): 6298-303)を
使用する三次元構造再構築実験によって再構築した。簡潔には、H39N15-68T4-70S2 VLPのクライオ電子顕微鏡(cryo-EM)写真(
図10のA)中で、サイズが均一で直径が50nmよりも大きい粒子を6410個選択し、コンピュータによるオーバーラップおよび構造再構築(computer overlapping and structural reconstruction)を行なうことによって、H39N15-68T4-70S2 VLPの三次元構造を得た。得られた三次元構造が
図10のBに示される(解像度は14.51Å)。加えて、H39N15-68T4-70S5 VLPのクライオ電子顕微鏡(cryo-EM)写真(
図10のC)中で、サイズが均一で直径が50nmよりも大きい粒子を617個選択し、コンピュータによるオーバーラップおよび構造再構築を行なうことによって、H39N15-68T4-70S5 VLPの三次元構造を得た。得られた三次元構造が
図10のDに示される(解像度は17.64Å)。結果は、H39N15-68T4-70S2 VLPおよびH39N15-68T4-70S5 VLPがいずれも72個のカプソメア(形態学的サブユニット、五量体)からなるT=7の二十面体構造(h=1、k=2)を有していたことを示した。準等価原理に合致する従来の二十面体のウイルスカプシドとは異なり、H39N15-68T4-70S2 VLPおよびH39N15-68T4-70S5 VLPの構造におけるすべての構成サブユニットは五量体であり、六量体はなかった。また、これらの2種のVLPは外径が約60nmであった。これらは、以前に報告された天然HPVウイルス粒子および真核生物発現系(たとえば、ポックスウイルス発現系)(Baker TS, Newcomb WW, Olson NH. et al. Biophys J. (1991), 60(6): 1445-1456. Hagensee ME, Olson NH, Baker TS, et al. J Virol. (1994), 68(7):4503-4505. Buck CB, Cheng N, Thompson CD. et al. J Virol. (2008), 82(11): 5190-7)により調
製されたHPV VLPの三次元構造に類似していた。
【0121】
以上に、本発明の具体的な実施形態が詳細に記載されているが、当業者には、本明細書中に開示される教示内容に従えば様々な改変および変更を加えることが可能であること、
このような改変および変更も本発明の範囲に含まれることが理解される。本発明の範囲は付属の請求項およびこれの同等物によってもたらされる。