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特開2023-182652操作された細胞の治療用組成物を生成するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182652
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】操作された細胞の治療用組成物を生成するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/10 20060101AFI20231219BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20231219BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20231219BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231219BHJP
   C12N 15/48 20060101ALN20231219BHJP
【FI】
C12N5/10 ZNA
A61K35/17
A61K48/00
A61P43/00 111
C12N15/48
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023163684
(22)【出願日】2023-09-26
(62)【分割の表示】P 2020543731の分割
【原出願日】2018-10-31
(31)【優先権主張番号】62/580,409
(32)【優先日】2017-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/596,771
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/721,603
(32)【優先日】2018-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516316897
【氏名又は名称】ジュノー セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】リー サラ ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】ボーシェヌ パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ボニーハディ マーク エル.
(72)【発明者】
【氏名】クリスマン ライアン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ラーソン ライアン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】マラニー メアリー
(72)【発明者】
【氏名】ラムスボルグ クリストファー グレン
(72)【発明者】
【氏名】ウェーバー クリントン
(72)【発明者】
【氏名】ウェズナー ジョン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】イー ネイサン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】操作された細胞の組成物を作製するための方法を提供する。
【解決手段】方法は、(a)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬、および(ii)少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+初代ヒトT細胞が濃縮されたT細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程;ならびに(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作された細胞の組成物を作製するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬、および(ii)少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+初代ヒトT細胞が濃縮されたT細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程;ならびに
(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程。
【請求項2】
インプット組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
組換えIL-2の濃度が、10IU/mL~200IU/mL、または約10IU/mL~約200IU/mLである、請求項1または請求項2記載の方法。
【請求項4】
1つまたは複数のサイトカインがIL-7および/またはIL-15をさらに含み、
任意でIL-7の濃度が100IU/mL~1000IU/mLもしくは約100IU/mL~約1000IU/mLである、および/またはIL-15の濃度が1IU/mL~50IU/mLもしくは約1IU/mL~約50IU/mLである、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
インキュベートする工程が、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で行われる、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
操作された細胞の組成物を作製するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)CD4+およびCD8+初代ヒトT細胞の一方または両方が濃縮されたT細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程、ここで、該インキュベートする工程は、
(1)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬、および(ii)1つもしくは複数のサイトカインの存在を含む1つもしくは複数の刺激条件下で;ならびに/あるいは
(2)1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で
行われる;ならびに
(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程。
【請求項7】
インプット組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞を含む;ならびに/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞からなる、
請求項6記載の方法。
【請求項8】
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15から選択される、請求項6または請求項7記載の方法。
【請求項9】
組換えIL-2の濃度が10IU/mL~200IU/mLもしくは約10IU/mL~約200IU/mLである;
組換えIL-7の濃度が100IU/mL~1000IU/mLもしくは約100IU/mL~約1000IU/mLである;および/または
組換えIL-15の濃度が1IU/mL~25IU/mLもしくは約1IU/mL~約25IU/mLである、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
インプット組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
請求項6記載の方法。
【請求項11】
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および組換えIL-15から選択される、請求項6または請求項10記載の方法。
【請求項12】
インプット組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD8+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD8+初代ヒトT細胞からなる、
請求項6記載の方法。
【請求項13】
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2および組換えIL-15から選択される、請求項6または請求項12記載の方法。
【請求項14】
刺激試薬が、TCR複合体のメンバーに特異的に結合する、任意でCD3に特異的に結合する一次剤を含む、請求項1~13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
刺激試薬が、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次剤をさらに含み、任意で、該共刺激分子がCD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSから選択される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
一次および/または二次剤が抗体を含み、任意で、刺激試薬が抗CD3抗体および抗CD28抗体、またはその抗原結合断片とのインキュベーションを含む、請求項14または請求項15記載の方法。
【請求項17】
一次剤および/または二次剤が固体支持体の表面上に存在する、請求項14~16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
固体支持体がビーズであるか、またはビーズを含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
ビーズが、3.5μmを超えるかまたは約3.5μmを超えるが、約9μm以下または約8μm以下または約7μm以下または約6μm以下または約5μm以下の直径を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
ビーズが、4.5μmまたは約4.5μmの直径を含む、請求項18または請求項19記載の方法。
【請求項21】
ビーズが不活性である、請求項18~20のいずれか一項記載の方法。
【請求項22】
ビーズがポリスチレン表面であるか、またはポリスチレン表面を含む、請求項18~21のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
ビーズが磁性または超常磁性である、請求項18~22のいずれか一項記載の方法。
【請求項24】
ビーズ対細胞の比が3:1未満または約3:1未満である、請求項18~23のいずれか一項記載の方法。
【請求項25】
ビーズ対細胞の比が2:1~0.5:1、または約2:1~約0.5:1である、請求項18~24のいずれか一項記載の方法。
【請求項26】
ビーズ対細胞の比が1:1または約1:1である、請求項18~25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
1つまたは複数の抗酸化剤が硫黄含有抗酸化剤を含む、請求項5~26のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
1つまたは複数の抗酸化剤がグルタチオン前駆体を含む、請求項5~27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
1つまたは複数の抗酸化剤がN-アセチルシステイン(NAC)を含み、任意で、該NACが0.2mg/mL~2.0mg/mL、または約0.2mg/mL~約2.0mg/mLの濃度である、請求項5~28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
導入する工程が、刺激された組成物の細胞に、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むウイルスベクターで形質導入することを含む、請求項1~29のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである、請求項30記載の方法。
【請求項32】
ウイルスベクターがレンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターである、請求項30または請求項31記載の方法。
【請求項33】
導入する工程が形質導入アジュバントの存在下で行われる、請求項30~32のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
形質導入アジュバントが、硫酸プロタミン、任意で1μg/ml~50μg/mlもしくは約1μg/ml~約50μg/mlの硫酸プロタミン、フィブロネクチン由来の形質導入アジュバント、および/またはRetroNectinであるか、あるいはそれを含む、請求項33記載の方法。
【請求項35】
導入する工程が、刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターでトランスフェクトすることを含む、請求項1~34のいずれか一項記載の方法。
【請求項36】
ベクターがトランスポゾンであり、任意でSleeping Beauty(SB)トランスポゾンまたはPiggybacトランスポゾンである、請求項35記載の方法。
【請求項37】
操作された細胞の増殖または拡大を促進する条件下で該操作された組成物を培養する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含むアウトプット組成物を作製する、工程
をさらに含む、請求項1~36のいずれか一項記載の方法。
【請求項38】
培養する工程が1つまたは複数のサイトカインの存在下で行われ、少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、請求項37記載の方法。
【請求項39】
刺激試薬が、培養する工程の前に操作された組成物から除去される、請求項37または請求項38記載の方法。
【請求項40】
刺激剤が、インキュベートする工程の開始後7日以内または7日未満に除去される、請求項39記載の方法。
【請求項41】
刺激試薬が、インキュベートする工程の開始から3日~6日後または約3日~約6日後に除去される、請求項39または請求項40記載の方法。
【請求項42】
刺激試薬が、インキュベートする工程の開始から4日後または約4日後に除去される、請求項37~41のいずれか一項記載の方法。
【請求項43】
ビーズを除去することが、操作された組成物の細胞を磁場に曝露することを含む、請求項39~42のいずれか一項記載の方法。
【請求項44】
操作された細胞の組成物を作製するための方法であって、
1つまたは複数のサイトカインの存在下で、組換え受容体で操作された細胞を含むCD4+初代ヒトT細胞を含有する操作された細胞組成物を培養する工程であって、該少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、工程
を含み、
該組成物中の細胞の増殖または拡大をもたらして、操作されたCD4+細胞を含有するアウトプット組成物を作製する、方法。
【請求項45】
増殖または拡大が、組換え受容体で操作されたCD4+T細胞の数の2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍、または5倍を超える増加をもたらす、請求項44記載の方法。
【請求項46】
操作された細胞組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞またはCD4+組換え受容体発現細胞を含む、および/あるいは
操作された細胞組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
請求項44または45記載の方法。
【請求項47】
組換えIL-2の濃度が、50IU/mL~500IU/mlまたは約50IU/mL~約500IU/mlである、請求項44~46のいずれか一項記載の方法。
【請求項48】
1つまたは複数のサイトカインがIL-7および/またはIL-15をさらに含み、
任意で、IL-7の濃度が500IU/mL~2000IU/mLもしくは約500IU/mL~約2000IU/mLである、および/またはIL-15の濃度が5IU/mL~50IU/mLもしくは約5IU/mL~約50IU/mLである、請求項38~47のいずれか一項記載の方法。
【請求項49】
操作された細胞組成物が、
(a)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬、および(ii)少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+初代ヒトT細胞が濃縮された初代T細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程;ならびに
(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程
を含む方法によって作製される、請求項44~48のいずれか一項記載の方法。
【請求項50】
インプット組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
請求項49記載の方法。
【請求項51】
1つまたは複数のサイトカインが、IL-7および/またはIL-15をさらに含む、請求項49または請求項50記載の方法。
【請求項52】
培養する工程が界面活性剤の存在下で行われる、請求項37~51のいずれか一項記載の方法。
【請求項53】
培養する工程の少なくとも一部が、連続混合および/または灌流を用いて行われる、請求項37~52のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
操作された細胞の組成物を作製するための方法であって、
1つまたは複数のサイトカインの存在下で、組換え受容体で操作された細胞を含むCD4+およびCD8+初代ヒトT細胞の一方または両方を含有する操作された細胞組成物を培養する工程であって、該培養が界面活性剤の存在下で行われ、ならびに/または該培養の少なくとも一部が連続混合および/もしくは灌流を用いて行われる、工程
を含み、
該組成物中の細胞の増殖または拡大をもたらして、操作されたCD4+および/またはCD8+T細胞を含むアウトプット組成物を作製する、方法。
【請求項55】
操作された細胞組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞あるいはCD4+および/またはCD8+組換え受容体発現初代T細胞を含む、ならびに/あるいは
操作された細胞組成物が本質的にCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞からなる、
請求項54記載の方法。
【請求項56】
増殖または拡大が、組換え受容体で操作されたCD4+および/またはCD8+T細胞の数の2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍、または5倍を超える増加をもたらす、請求項54または請求項55記載の方法。
【請求項57】
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15から選択される、請求項55記載の方法。
【請求項58】
組換えIL-2の濃度が50~500IU/mLもしくは約50~約500IU/mLである;
組換えIL-7の濃度が500IU/mL~2000IU/mLもしくは約500IU/mL~約2000IU/mLである;および/または
組換えIL-15の濃度が5IU/mL~50IU/mLまたは約5IU/mL~約50IU/mLである、
請求項56または請求項57記載の方法。
【請求項59】
操作された細胞組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞またはCD4+かつ組換え受容体発現初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいは
操作された細胞組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
請求項54記載の方法。
【請求項60】
増殖または拡大が、組換え受容体で操作されたCD8+T細胞の数の2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍、または5倍を超える増加をもたらす、請求項59記載の方法。
【請求項61】
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および組換えIL-15から選択される、請求項54または請求項55記載の方法。
【請求項62】
操作された細胞組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD8+初代ヒトT細胞またはCD8+かつ組換え受容体発現初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいは
操作された細胞組成物が本質的にCD8+初代ヒトT細胞からなる、
請求項54記載の方法。
【請求項63】
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2および組換えIL-15から選択される、請求項54または請求項62記載の方法。
【請求項64】
界面活性剤がポロキサマーを含み、任意で、該ポロキサマーが0.5μL/mL~5μL/mLまたは約0.5μL/mL~約5μL/mLの濃度で存在する、請求項52~63のいずれか一項記載の方法。
【請求項65】
ポロキサマーがポロキサマー188である、請求項64記載の方法。
【請求項66】
操作された細胞組成物が、
(a)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬および(ii)1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+およびCD8+初代ヒトT細胞の一方または両方が濃縮された初代T細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程;ならびに
(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程
を含む方法によって作製される、請求項54~65のいずれか一項記載の方法。
【請求項67】
インプット組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞からなる、
請求項66記載の方法。
【請求項68】
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15から選択される、請求項66または請求項67記載の方法。
【請求項69】
インプット組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
請求項66記載の方法。
【請求項70】
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および組換えIL-15から選択される、請求項66または請求項69記載の方法。
【請求項71】
インプット組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD8+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD8+初代ヒトT細胞からなる、
請求項66記載の方法。
【請求項72】
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2および組換えIL-15から選択される、請求項66または請求項71記載の方法。
【請求項73】
刺激試薬が、TCR複合体のメンバーに特異的に結合する、任意でCD3に特異的に結合する一次剤を含む、請求項49~53および66~72のいずれか一項記載の方法。
【請求項74】
刺激試薬が、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次剤をさらに含み、任意で、該共刺激分子がCD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSから選択される、請求項73記載の方法。
【請求項75】
一次および/または二次剤が抗体を含み、任意で、刺激試薬が抗CD3抗体および抗CD28抗体、またはその抗原結合断片とのインキュベーションを含む、請求項73または請求項74記載の方法。
【請求項76】
一次剤および/または二次剤が固体支持体の表面上に存在する、請求項73~75のいずれか一項記載の方法。
【請求項77】
固体支持体がビーズであるか、またはビーズを含む、請求項76記載の方法。
【請求項78】
ビーズが、3.5μmを超えるかまたは約3.5μmを超えるが、約9μm以下または約8μm以下または約7μm以下または約6μm以下または約5μm以下の直径を含む、請求項77記載の方法。
【請求項79】
ビーズが、4.5μmまたは約4.5μmの直径を含む、請求項77または請求項78記載の方法。
【請求項80】
ビーズが不活性である、請求項77~79のいずれか一項記載の方法。
【請求項81】
ビーズがポリスチレン表面であるか、またはポリスチレン表面を含む、請求項77~80のいずれか一項記載の方法。
【請求項82】
ビーズが磁性または超常磁性である、請求項77~81のいずれか一項記載の方法。
【請求項83】
ビーズ対細胞の比が3:1未満または約3:1未満である、請求項77~82のいずれか一項記載の方法。
【請求項84】
ビーズ対細胞の比が2:1~0.5:1または約2:1~約0.5:1である、請求項77~83のいずれか一項記載の方法。
【請求項85】
ビーズ対細胞の比が1:1または約1:1である、請求項77~84のいずれか一項記載の方法。
【請求項86】
インキュベートする工程が、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で行われる、請求項49~53および66~85のいずれか一項記載の方法。
【請求項87】
1つまたは複数の抗酸化剤が硫黄含有抗酸化剤を含む、請求項86記載の方法。
【請求項88】
1つまたは複数の抗酸化剤がグルタチオン前駆体を含む、請求項86または請求項87記載の方法。
【請求項89】
1つまたは複数の抗酸化剤がN-セチルシステイン(NAC)を含み、任意で、該NACが0.2mg/mL~2.0mg/mLまたは約0.2mg/mL~約2.0mg/mLの濃度である、請求項86~88のいずれか一項記載の方法。
【請求項90】
導入する工程が、刺激された組成物の細胞に、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むウイルスベクターで形質導入することを含む、請求項49~53および66~89のいずれか一項記載の方法。
【請求項91】
ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである、請求項90記載の方法。
【請求項92】
ウイルスベクターがレンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターである、請求項90または請求項91記載の方法。
【請求項93】
導入する工程が形質導入アジュバントの存在下で行われる、請求項49~53および66~92のいずれか一項記載の方法。
【請求項94】
形質導入アジュバントが、硫酸プロタミン、任意で1μg/ml~50μg/mlもしくは約1μg/ml~約50μg/mlの硫酸プロタミン、フィブロネクチン由来の形質導入アジュバント、および/またはRetroNectinであるか、あるいはそれを含む、請求項93記載の方法。
【請求項95】
導入する工程が、刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターでトランスフェクトすることを含む、請求項49~53および66~89のいずれか一項記載の方法。
【請求項96】
ベクターがトランスポゾンであり、任意でSleeping Beauty(SB)トランスポゾンまたはPiggybacトランスポゾンである、請求項95記載の方法。
【請求項97】
操作された細胞組成物が刺激試薬を含まず、および/または該刺激試薬が培養する工程の前に該組成物から実質的に除去されており、該刺激試薬が、TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる試薬を含む、請求項44~69のいずれか一項記載の方法。
【請求項98】
培養する工程が、少なくともアウトプット組成物が閾値数のT細胞、閾値数の生存T細胞、閾値濃度のT細胞、または閾値濃度の生存T細胞を含むまで行われる、請求項37~97のいずれか一項記載の方法。
【請求項99】
培養する工程が、T細胞の閾値数、生存T細胞の閾値数、T細胞の閾値濃度、または生存T細胞の閾値濃度に達した後、少なくとも1日間継続される、請求項98記載の方法。
【請求項100】
T細胞の閾値数、生存T細胞の閾値数、T細胞の閾値濃度、または生存T細胞の閾値濃度が、培養前の操作された細胞組成物の数もしくは濃度、または生存可能な数もしくは濃度より少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍またはそれ以上である、請求項98または請求項99記載の方法。
【請求項101】
培養する工程が、両端の値を含む2日間~10日間行われる、および/または培養する工程が少なくとも10日間行われる、請求項37~100のいずれか一項記載の方法。
【請求項102】
培養する工程が、両端の値を含む2日間~10日間行われる、および/または培養する工程が、インキュベートする工程の開始から少なくとも9日後まで行われる、請求項37~100のいずれか一項記載の方法。
【請求項103】
培養する工程が少なくとも4日間行われる、請求項37~100のいずれか一項記載の方法。
【請求項104】
培養する工程の後に、アウトプット組成物の細胞を収集する、請求項37~101のいずれか一項記載の方法。
【請求項105】
アウトプット組成物のインキュベートする工程の開始と細胞の収集との間の時間が、7日~15日または約7日~約15日である、請求項104記載の方法。
【請求項106】
アウトプット組成物のインキュベートする工程の開始と細胞の収集との間の時間が、9日~13日または約9日~約13日である、請求項104または請求項105記載の方法。
【請求項107】
アウトプット組成物のインキュベートする工程の開始と細胞の収集との間の時間が、8日~13日または約8日~約13日である、請求項104~106のいずれか一項記載の方法。
【請求項108】
任意で薬学的に許容される賦形剤の存在下で、凍結保存および/または対象への投与のためのアウトプット組成物の細胞を製剤化する工程をさらに含む、請求項37~107のいずれか一項記載の方法。
【請求項109】
アウトプット組成物の細胞が、凍結保護剤の存在下で製剤化される、請求項108記載の方法。
【請求項110】
凍結保護剤がDMSOを含む、請求項109記載の方法。
【請求項111】
アウトプット組成物の細胞が、容器中に、任意でバイアルまたはバッグ中に製剤化される、請求項108~110のいずれか一項記載の方法。
【請求項112】
インキュベートする工程の前に生物学的試料からCD4+および/またはCD8+T細胞を単離する工程をさらに含む、請求項1~43および49~53および66~89のいずれか一項記載の方法。
【請求項113】
単離する工程が、任意で陽性選択または陰性選択によって、CD4および/またはCD8の表面発現に基づいて細胞を選択することを含む、請求項112記載の方法。
【請求項114】
単離する工程が、免疫親和性に基づく選択を行うことを含む、請求項112または請求項113記載の方法。
【請求項115】
生物学的試料が、対象から得られた初代T細胞を含む、請求項112~114のいずれか一項記載の方法。
【請求項116】
対象がヒト対象である、請求項115記載の方法。
【請求項117】
生物学的試料が、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、アフェレーシス産物、もしくは白血球アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む、請求項112~114のいずれか一項記載の方法。
【請求項118】
組換え受容体が、疾患、障害もしくは病態の細胞もしくは組織に関連する、疾患、障害もしくは病態の細胞もしくは組織に特異的である、および/または疾患、障害もしくは病態の細胞もしくは組織の上に発現される標的抗原に結合することができる、請求項1~117のいずれか一項記載の方法。
【請求項119】
疾患、障害または病態が、感染性疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症性疾患、または腫瘍もしくはがんである、請求項118記載の方法。
【請求項120】
標的抗原が腫瘍抗原である、請求項118または119記載の方法。
【請求項121】
標的抗原が、5T4、8H9、avb6インテグリン、B7-H6、B細胞成熟抗原(BCMA)、CA9、がん精巣抗原、炭酸脱水酵素9(CAIX)、CCL-1、CD19、CD20、CD22、CEA、B型肝炎表面抗原、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD138、CD171、がん胎児性抗原(CEA)、CE7、サイクリン、サイクリンA2、c-Met、二重抗原、EGFR、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、EPHa2、エフリンB2、erb-B2、erb-B3、erb-B4、erbB二量体、EGFR vIII、エストロゲン受容体、胎児AchR、葉酸受容体α、葉酸結合タンパク質(FBP)、FCRL5、FCRH5、胎児アセチルコリン受容体、G250/CAIX、GD2、GD3、gp100、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerbB2)、HMW-MAA、IL-22R-α、IL-13受容体α2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、κ軽鎖、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MART-1、メソテリン、マウスCMV、ムチン1(MUC1)、MUC16、NCAM、NKG2D、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、O-アセチル化GD2(OGD2)、胎児腫瘍性抗原、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、PSCA、プロゲステロン受容体、サバイビン、ROR1、TAG72、tEGFR、VEGF受容体、VEGF-R2、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原およびユニバーサルタグに関連する抗原の中から選択される、請求項118~120のいずれか一項記載の方法。
【請求項122】
組換え受容体が、機能的非TCR抗原受容体もしくはTCRもしくはその抗原結合断片であるか、または機能的非TCR抗原受容体もしくはTCRもしくはその抗原結合断片を含む、請求項1~121のいずれか一項記載の方法。
【請求項123】
組換え受容体がキメラ抗原受容体(CAR)である、請求項1~122のいずれか一項記載の方法。
【請求項124】
組換え受容体が抗CD19 CARである、請求項1~123のいずれか一項記載の方法。
【請求項125】
キメラ抗原受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメインを含む、請求項123記載の方法。
【請求項126】
抗原結合ドメインが、抗体もしくは任意で単鎖断片であるその抗体断片であるか、または抗体もしくは任意で単鎖断片であるその抗体断片を含む、請求項125記載の方法。
【請求項127】
断片が、フレキシブルリンカーによって連結された抗体可変領域を含む、請求項126記載の方法。
【請求項128】
断片がscFvを含む、請求項126または請求項127記載の方法。
【請求項129】
キメラ抗原受容体が、スペーサーおよび/またはヒンジ領域をさらに含む、請求項125~128のいずれか一項記載の方法。
【請求項130】
キメラ抗原受容体が細胞内シグナル伝達領域を含む、請求項125~129のいずれか一項記載の方法。
【請求項131】
細胞内シグナル伝達領域が細胞内シグナル伝達ドメインを含む、請求項130記載の方法。
【請求項132】
細胞内シグナル伝達ドメインが、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分のシグナル伝達ドメイン、および/もしくは免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む、請求項131記載の方法。
【請求項133】
細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメイン、もしくはそのシグナル伝達部分であるか、またはそれを含む、請求項132記載の方法。
【請求項134】
キメラ抗原受容体が、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、請求項130~133のいずれか一項記載の方法。
【請求項135】
細胞内シグナル伝達領域が共刺激シグナル伝達領域をさらに含む、請求項130~134のいずれか一項記載の方法。
【請求項136】
共刺激シグナル伝達領域が、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、請求項135記載の方法。
【請求項137】
共刺激シグナル伝達領域が、CD28、4-1BBもしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、請求項135または請求項136記載の方法。
【請求項138】
共刺激シグナル伝達領域が、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間にある、請求項135~137のいずれか一項記載の方法。
【請求項139】
閾値数またはそれより大きい数の細胞を含むアウトプット組成物が、該方法の85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超の繰り返しで作製される、請求項98~101のいずれか一項記載の方法。
【請求項140】
請求項1~137のいずれか一項記載の方法によって作製される操作された細胞を含む組成物。
【請求項141】
薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項140記載の組成物。
【請求項142】
凍結保護剤、任意でDMSOを含む、請求項140または請求項141記載の組成物。
【請求項143】
請求項138~140のいずれか一項記載の組成物と、該アウトプット組成物を対象に投与するための説明書とを含む、製品。
【請求項144】
対象が疾患または病態を有し、任意で、組換え受容体が該疾患もしくは病態に関連する、または該疾患もしくは病態の細胞上に発現されるもしくは存在する抗原を特異的に認識するまたは該抗原に特異的に結合する、請求項143記載の製品。
【請求項145】
アウトプット組成物が、操作されたCD4+T細胞の組成物である、請求項143または144記載の製品。
【請求項146】
アウトプット組成物が、操作されたCD8+T細胞の組成物である、請求項143または144記載の製品。
【請求項147】
請求項1~11、13~60、63~70、または72~139のいずれか一項記載の方法によって作製された操作されたCD4+T細胞の組成物と、請求項6~8、11~43、54~58、60~68、または70~139のいずれか一項記載の方法によって作製された操作されたCD8+T細胞の組成物と、該操作されたCD4+T細胞および該操作されたCD8+T細胞を対象に投与するための説明書とを含む、製品。
【請求項148】
説明書が、前記CD4+T細胞およびCD8+T細胞を対象に別々に投与することを指定する、請求項147記載の製品。
【請求項149】
説明書が、前記CD4+T細胞およびCD8+T細胞を所望の比率で対象に投与することを指定する、請求項147または148記載の製品。
【請求項150】
21日を含む21日未満で行われる、請求項1~139のいずれか一項記載の方法。
【請求項151】
21日を含む21日未満の95%信頼区間内で、対象に投与されるおよび/または対象に投与される準備ができているアウトプット組成物を作製する、請求項1~139のいずれか一項記載の方法。
【請求項152】
培養する工程の少なくとも一部の間、細胞が、細胞生存率、濃度、密度、数、またはそれらの組合せについてモニターされる、請求項37~137のいずれか一項記載の方法。
【請求項153】
モニタリングが、光学的方法、任意で顕微鏡法によって行われる、請求項152記載の方法。
【請求項154】
モニタリングが、明視野顕微鏡法、蛍光顕微鏡法、微分干渉コントラスト顕微鏡法、位相差顕微鏡法、デジタルホログラフィ顕微鏡法(DHM)、微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)、またはそれらの組合せによって行われる、請求項152または請求項153記載の方法。
【請求項155】
モニタリングが微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)によって行われる、請求項152~154のいずれか一項記載の方法。
【請求項156】
モニタリングが、培養の少なくとも一部の間、断続的または連続的に行われ、任意で培養中少なくとも1時間ごと、少なくとも6時間ごと、少なくとも12時間ごと、少なくとも18時間ごと、少なくとも24時間ごと、または少なくとも26時間ごとに行われる、請求項152~155のいずれか一項記載の方法。
【請求項157】
モニタリングが、細胞がT細胞の閾値数、生存T細胞の閾値数、T細胞の閾値濃度または生存T細胞の閾値濃度に達するまで行われる、請求項152~156のいずれか一項記載の方法。
【請求項158】
モニタリングおよび培養が閉鎖系で行われる、請求項152~157のいずれか一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「PROCESS FOR GENERATING THERAPEUTIC COMPOSITIONS OF ENGINEERED CELLS」を表題とする2017年11月1日に出願された米国仮特許出願第62/580,409号、「PROCESS FOR GENERATING THERAPEUTIC COMPOSITIONS OF ENGINEERED CELLS」を表題とする2017年12月8日に出願された米国仮特許出願第62/596,771,号、および「PROCESS FOR GENERATING THERAPEUTIC COMPOSITIONS OF ENGINEERED CELLS」を表題とする2018年8月22日に出願された米国仮特許出願第62/721,603号に基づく優先権を主張し、それらの内容の全体があらゆる目的のために参照により組み入れられる。
【0002】
配列表の参照による組み入れ
本願は電子形式の配列表とともに出願される。配列表は、2018年10月31日に作成された735042013240SeqList.txtという名称のファイルとして提供され、35,994バイトのサイズである。配列表の電子形式の情報は、その全体が参照により組み入れられる。
【0003】
分野
本開示は、細胞療法で使用するために、CD4+T細胞および/またはCD8+T細胞などのT細胞を遺伝子操作するための方法を提供する。いくつかの局面において、提供される方法は、刺激条件下で細胞をインキュベートし、形質導入またはトランスフェクションを介して組換えポリペプチドを細胞に導入し、増殖および/または拡大(expansion)を促進する条件下で細胞を培養するための1つまたは複数の工程を含む。いくつかの局面において、インキュベーションおよび/または培養は、組換えIL-2の存在下で行われる。いくつかの局面において、提供される方法は、遺伝子操作されたT細胞を高い成功率で作製するための、効率的で信頼できる手段である。
【背景技術】
【0004】
背景
疾患および病態を処置するために様々な細胞治療法が利用可能である。細胞治療法には、キメラ抗原受容体などの組換え受容体を用いて遺伝子操作された、T細胞などの免疫細胞を含む、方法がある。より効率的なプロセスおよび/または改善された細胞組成物製品を提供することを含む、かかる細胞療法を製造および/または操作するための改善された方法が必要とされている。かかる必要を満たす方法、キットおよび製品が提供される。
【発明の概要】
【0005】
概要
いくつかの局面において、操作された細胞の組成物を作製するための方法が提供され、この方法は、(a)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬および(ii)少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+初代ヒトT細胞が濃縮されたT細胞を含むインプット組成物をインキュベートし、それにより、刺激された組成物を生成すること;ならびに(b)刺激された組成物に組換え受容体を導入し、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成すること、を含む。
【0006】
本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、インプット組成物は、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいはインプット組成物は本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる。いくつかの態様において、組換えIL-2の濃度は、10IU/mL~200IU/mLまたは約10~約200IU/mLである。本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインはIL-7および/またはIL-15をさらに含み、任意で、IL-7の濃度は100IU/mL~1000IU/mLもしくは約100IU/mL~約1000IU/mLであり、および/またはIL-15の濃度は1IU/mL~50IU/mLもしくは約1IU/mL~約50IU/mLである。本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、インキュベーションは、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で行われる。
【0007】
いくつかの局面において、操作された細胞の組成物を作製するための方法が提供され、この方法は、(a)CD4+およびCD8+初代ヒトT細胞の一方または両方が濃縮されたT細胞を含むインプット組成物をインキュベートし、それにより、刺激された組成物を生成し、該インキュベーションは、(1)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬および(ii)1つもしくは複数のサイトカインの存在を含む1つもしくは複数の刺激条件下で;ならびに/あるいは(2)1つもしくは複数の抗酸化剤の存在下で行われ;ならびに(b)刺激された組成物に組換え受容体を導入し、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成すること、を含む。
【0008】
本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、インプット組成物は、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいはインプット組成物は本質的にCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞からなる。本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15から選択される。いくつかの態様において、組換えIL-2の濃度は10~200IU/mLもしくは約10~約200IU/mLであり、組換えIL-7の濃度は100IU/mL~1000IU/mLもしくは約100IU/mL~約1000IU/mLであり、および/または組換えIL-15の濃度は1IU/mL~25IU/mLもしくは約1IU/mL~約25IU/mLである。
【0009】
本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、インプット組成物は、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいはインプット組成物は本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、組換えIL-2、組換えIL-7および組換えIL-15から選択される。いくつかの態様において、インプット組成物は、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD8+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいはインプット組成物は本質的にCD8+初代ヒトT細胞からなる。本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、組換えIL-2および組換えIL-15から選択される。
【0010】
本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、刺激試薬は、TCR複合体のメンバーに特異的に結合する、任意でCD3に特異的に結合する一次剤を含む。いくつかの態様において、刺激試薬は、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次剤をさらに含み、任意で、共刺激分子は、CD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSから選択される。本明細書で提供される方法のいくつかの態様では、一次剤および/または二次剤は抗体を含み、任意で、刺激試薬は抗CD3抗体および抗CD28抗体、またはその抗原結合断片とのインキュベーションを含む。いくつかの態様において、一次剤および/または二次剤は、固体支持体の表面上に存在する。
【0011】
本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、固体支持体はビーズであるか、またはビーズを含む。いくつかの態様において、ビーズは、3.5μmを超えるかまたは約3.5μmを超えるが、約9μm以下または約8μm以下または約7μm以下または約6μm以下または約5μm以下の直径を有する。いくつかの態様において、ビーズは、4.5μmまたは約4.5μmの直径を有する。いくつかの態様において、ビーズは不活性である。いくつかの態様において、ビーズはポリスチレン表面であるか、またはポリスチレン表面を含む。いくつかの態様において、ビーズは磁性または超常磁性である。いくつかの態様において、ビーズ対細胞の比は、3:1未満または約3:1未満である。いくつかの態様において、ビーズ対細胞の比は、2:1~0.5:1または約2:1~約0.5:1である。いくつかの態様において、ビーズ対細胞の比は、1:1または約1:1である。
【0012】
本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤は硫黄含有抗酸化剤を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤はグルタチオン前駆体を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤はN-アセチルシステイン(NAC)を含み、任意で、NACは、0.2mg/mL~2.0mg/mLまたは約0.2mg/mL~約2.0mg/mLの濃度である。
【0013】
本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、導入は、刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むウイルスベクターで形質導入することを含む。いくつかの態様において、ウイルスベクターはレトロウイルスベクターである。いくつかの態様において、ウイルスベクターは、レンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターである。本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、導入は、形質導入アジュバントの存在下で行われる。いくつかの態様において、形質導入アジュバントは、硫酸プロタミン、任意で1μg/ml~50μg/mlもしくは約1μg/ml~約50μg/mlの硫酸プロタミン、フィブロネクチン由来の形質導入アジュバント、および/もしくはRetroNectinであるか、またはそれを含む。本明細書で提供される方法の他の態様において、導入は、刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターでトランスフェクトすることを含む。いくつかの態様において、ベクターはトランスポゾンであり、任意でSleeping Beauty(SB)トランスポゾンまたはPiggybacトランスポゾンである。
【0014】
本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、方法は、操作された細胞の増殖または拡大を促進する条件下で、操作された組成物を培養し、それにより、操作されたT細胞を含むアウトプット組成物を作製すること、をさらに含む。いくつかの態様において、培養は、1つまたは複数のサイトカインの存在下で行われ、少なくとも1つのサイトカインは、組換えヒトIL-2であるか、または組換えヒトIL-2を含む。いくつかの態様において、刺激試薬は、培養の前に、操作された組成物から除去される。
【0015】
いくつかの態様において、刺激剤は、インキュベーションの開始後7日以内または7日未満に除去される。いくつかの態様において、刺激試薬は、インキュベーションの開始から3日~6日後または約3日~約6日後に除去される。いくつかの態様において、刺激試薬は、インキュベーションの開始から4日後または約4日後に除去される。いくつかの態様において、ビーズを除去することは、操作された組成物の細胞を磁場に曝露することを含む。
【0016】
他の局面において、操作された細胞の組成物を作製するための方法が提供され、この方法は、1つまたは複数のサイトカインの存在下で、組換え受容体で操作された細胞を含むCD4+初代ヒトT細胞を含有する操作された細胞組成物を培養することを含み、該少なくとも1つのサイトカインは組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含み、この方法は、組成物中の細胞の増殖または拡大をもたらして、操作されたCD4+細胞を含有するアウトプット組成物を作製する。いくつかの態様において、増殖または拡大は、組換え受容体で操作されたCD4+T細胞の数の2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍、または5倍を超える増加をもたらす。
【0017】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、操作された細胞組成物は、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞またはCD4+組換え受容体発現細胞を含む、および/あるいは操作された細胞組成物は本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる。本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、組換えIL-2の濃度は、50IU/mL~500IU/mlまたは約50IU/mL~約500IU/mlである。本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインはIL-7および/またはIL-15をさらに含み、任意で、IL-7の濃度は500IU/mL~2000IU/mLもしくは約500IU/mL~約2000IU/mLであり、および/またはIL-15の濃度は5IU/mL~50IU/mLもしくは約5IU/mL~約50IU/mLである。
【0018】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、操作された細胞組成物は、(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬、および(ii)少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+初代ヒトT細胞が濃縮された初代T細胞を含むインプット組成物をインキュベートし、それにより、刺激された組成物を生成すること;ならびに(b)刺激された組成物に組換え受容体を導入し、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成すること、を含む方法によって作製される。
【0019】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、インプット組成物は、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいはインプット組成物は本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる。本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、IL-7および/またはIL-15をさらに含む。本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、培養は界面活性剤の存在下で行われる。いくつかの態様において、培養の少なくとも一部は、連続混合および/または灌流を用いて行われる。
【0020】
別の局面において、1つまたは複数のサイトカインの存在下で、組換え受容体で操作された細胞を含むCD4+およびCD8+初代ヒトT細胞の一方または両方を含有する、操作された細胞組成物を培養することを含み、培養が界面活性剤の存在下でならびに/または連続混合および/もしくは灌流を用いて行われる、操作された細胞の組成物を作製する方法が提供され、この方法は、組成物中の細胞の増殖または拡大をもたらして、操作されたCD4+および/またはCD8+T細胞を含む、アウトプット組成物を作製する。
【0021】
上述したこれらの方法のいずれかのいくつかの態様において、操作された細胞組成物は、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞あるいはCD4+および/またはCD8+組換え受容体発現初代T細胞を含む、ならびに/あるいは操作された細胞組成物は本質的にCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞からなる。
【0022】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、増殖または拡大は、組換え受容体で操作されたCD4+および/またはCD8+T細胞の数の2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍、または5倍を超える増加をもたらす。
【0023】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15から選択される。いくつかの態様において、組換えIL-2の濃度は50IU/mL~500IU/mLもしくは約50IU/mL~約500IU/mLであり、組換えIL-7の濃度は500IU/mL~2000IU/mLもしくは約500IU/mL~約2000IU/mLであり、および/または組換えIL-15の濃度は5IU/mL~50IU/mLもしくは約5IU/mL~約50IU/mLである。
【0024】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、操作された細胞組成物は、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞またはCD4+および組換え受容体発現初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいは操作された細胞組成物は本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる。
【0025】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、増殖または拡大は、組換え受容体で操作されたCD8+T細胞の数の2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍、または5倍を超える増加をもたらす。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、組換えIL-2、組換えIL-7および組換えIL-15から選択される。
【0026】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、操作された細胞組成物は、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD8+初代ヒトT細胞またはCD8+および組換え受容体発現初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいは操作された細胞組成物は本質的にCD8+初代ヒトT細胞からなる。
【0027】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、組換えIL-2および組換えIL-15から選択される。本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤はポロキサマーを含み、任意で、ポロキサマーは0.5μL/mL~5μL/mLまたは約0.5μL/mL~約5μL/mLの濃度で存在する。いくつかの態様において、ポロキサマーはポロキサマー188である。
【0028】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、操作された細胞組成物は、(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬、および(ii)1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+およびCD8+初代ヒトT細胞の一方または両方が濃縮された初代T細胞を含有するインプット組成物をインキュベートし、それにより、刺激された組成物を生成すること;ならびに(b)刺激された組成物に組換え受容体を導入し、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成すること、を含む方法によって作製される。
【0029】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、インプット組成物は、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいはインプット組成物は本質的にCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞からなる。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15から選択される。
【0030】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、インプット組成物は、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいはインプット組成物は本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、組換えIL-2、組換えIL-7および組換えIL-15から選択される。
【0031】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、インプット組成物は、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD8+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいはインプット組成物は本質的にCD8+初代ヒトT細胞からなる。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、組換えIL-2および組換えIL-15から選択される。
【0032】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、刺激試薬は、TCR複合体のメンバーに特異的に結合する、任意でCD3に特異的に結合する一次剤を含む。いくつかの態様において、刺激試薬は、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次剤をさらに含み、任意で、共刺激分子は、CD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSから選択される。
【0033】
いくつかの態様において、一次剤および/または二次剤は抗体を含み、任意で、刺激試薬は、抗CD3抗体および抗CD28抗体、またはその抗原結合断片とのインキュベーションを含む。いくつかの態様において、一次剤および/または二次剤は、固体支持体の表面上に存在する。いくつかの態様において、固体支持体はビーズであるか、またはビーズを含む。いくつかの態様において、ビーズは、3.5μmを超えるかまたは約3.5μmを超えるが、約9μm以下または約8μm以下または約7μm以下または約6μm以下または約5μm以下の直径を有する。いくつかの態様において、ビーズは、4.5μmまたは約4.5μmの直径を含む。いくつかの態様において、ビーズは不活性である。いくつかの態様において、ビーズはポリスチレン表面であるか、またはポリスチレン表面を含む。いくつかの態様において、ビーズは磁性または超常磁性である。いくつかの態様において、ビーズ対細胞の比は、3:1未満または約3:1未満である。いくつかの態様において、ビーズ対細胞の比は、2:1~0.5:1または約2:1~約0.5:1である。いくつかの態様において、ビーズ対細胞の比は、1:1または約1:1である。
【0034】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、インキュベーションは、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で行われる。いくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤は硫黄含有抗酸化剤を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤はグルタチオン前駆体を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤はN-アセチルシステイン(NAC)を含み、任意で、NACは、0.2mg/mL~2.0mg/mLまたは約0.2mg/mL~約2.0mg/mLの濃度である。
【0035】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、導入は、刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むウイルスベクターで形質導入することを含む。いくつかの態様において、ウイルスベクターはレトロウイルスベクターである。いくつかの態様において、ウイルスベクターは、レンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターである。本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、導入は、形質導入アジュバントの存在下で行われる。いくつかの態様において、形質導入アジュバントは、硫酸プロタミン、任意で1μg/ml~50μg/mlもしくは約1μg/ml~約50μg/mlの硫酸プロタミン、フィブロネクチン由来の形質導入アジュバント、および/もしくはRetroNectinであるか、またはそれを含む。本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、導入は、刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターでトランスフェクトすることを含む。いくつかの態様において、ベクターはトランスポゾンであり、任意でSleeping Beauty(SB)トランスポゾンまたはPiggybacトランスポゾンである。
【0036】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、操作された細胞組成物は刺激試薬を含まず、および/または刺激試薬は培養の前に組成物から実質的に除去されており、前記刺激試薬は、TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる試薬を含む。
【0037】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、培養は、少なくともアウトプット組成物が閾値数のT細胞を含むまで行われる。いくつかの態様において、培養は、T細胞の閾値数に達した後、少なくとも1日継続される。いくつかの態様において、閾値数は、培養前の操作された細胞組成物の数よりも少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍であるか、またはそれより多い。本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、培養は、両端の値を含む2日間~10日間行われる、および/または培養は少なくとも10日間行われる。本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、培養の後に、アウトプット組成物の細胞を収集する。いくつかの態様において、アウトプット組成物のインキュベーションの開始と細胞の収集との間の時間は、7日~15日または約7日~約15日である。いくつかの態様において、アウトプット組成物のインキュベーションの開始と細胞の収集との間の時間は、9日~13日または約9日~約13日である。いくつかの態様において、アウトプット組成物のインキュベーションの開始と細胞の収集との間の時間は、8日~13日または約8日~約13日である。
【0038】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、方法は、任意で薬学的に許容される賦形剤の存在下で、凍結保存および/または対象への投与のためにアウトプット組成物の細胞を製剤化することをさらに含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞は、凍結保護剤の存在下で製剤化される。いくつかの態様において、凍結保護剤はDMSOを含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞は、容器中に、任意でバイアルまたはバッグ中に製剤化される。
【0039】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、方法は、インキュベーションの前に生物学的試料からCD4+および/またはCD8+T細胞を単離することをさらに含む。いくつかの態様において、単離は、任意で陽性選択または陰性選択によって、CD4および/またはCD8の表面発現に基づいて細胞を選択することを含む。いくつかの態様において、単離は、免疫親和性に基づく選択を行うことを含む。いくつかの態様において、生物学的試料は、対象から得られる初代T細胞を含む。いくつかの態様において、対象はヒト対象である。いくつかの態様において、生物学的試料は、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、アフェレーシス産物、もしくは白血球アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む。
【0040】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、組換え受容体は、疾患、障害もしくは病態の細胞もしくは組織に関連する、該細胞もしくは組織に特異的である、および/または該細胞もしくは組織上に発現される標的抗原に結合することができる。いくつかの態様において、疾患、障害または病態は、感染性疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症性疾患、または腫瘍もしくはがんである。いくつかの態様において、標的抗原は腫瘍抗原である。いくつかの態様において、標的抗原は、5T4、8H9、avb6インテグリン、B7-H6、B細胞成熟抗原(BCMA)、CA9、がん精巣抗原、炭酸脱水酵素9(CAIX)、CCL-1、CD19、CD20、CD22、CEA、B型肝炎表面抗原、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD138、CD171、がん胎児性抗原(CEA)、CE7、サイクリン、サイクリンA2、c-Met、二重抗原、EGFR、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、EPHa2、エフリンB2、erb-B2、erb-B3、erb-B4、erbB二量体、EGFR vIII、エストロゲン受容体、胎児AchR、葉酸受容体α、葉酸結合タンパク質(FBP)、FCRL5、FCRH5、胎児アセチルコリン受容体、G250/CAIX、GD2、GD3、gp100、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerbB2)、HMW-MAA、IL-22R-α、IL-13受容体α2(IL-13Ra2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、κ軽鎖、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MART-1、メソテリン、マウスCMV、ムチン1(MUC1)、MUC16、NCAM、NKG2D、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、O-アセチル化GD2(OGD2)、胎児腫瘍性抗原、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、PSCA、プロゲステロン受容体、サバイビン、ROR1、TAG72、tEGFR、VEGF受容体、VEGF-R2、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原およびユニバーサルタグに関連する抗原の中から選択される。
【0041】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、組換え受容体は、機能的非TCR抗原受容体もしくはTCRもしくはその抗原結合断片であるか、またはそれを含む。本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、組換え受容体はキメラ抗原受容体(CAR)である。本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、組換え受容体は抗CD19 CARである。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメインを含む。いくつかの態様において、抗原結合ドメインは、抗体もしくは任意で単鎖断片であるその抗体断片であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、断片は、フレキシブルリンカーによって連結された抗体可変領域を含む。いくつかの態様において、断片はscFvを含む。
【0042】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、スペーサーおよび/またはヒンジ領域をさらに含む。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は細胞内シグナル伝達領域を含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達領域は細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分のシグナル伝達ドメイン、および/もしくは免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3鎖、任意でCD3ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメイン、もしくはそのシグナル伝達部分であるか、またはそれを含む。
【0043】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達領域は、共刺激シグナル伝達領域をさらに含む。いくつかの態様において、共刺激シグナル伝達領域は、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む。いくつかの態様において、共刺激シグナル伝達領域は、CD28、4-1BBもしくはICOSのシグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む。いくつかの態様において、共刺激シグナル伝達領域は、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間にある。
【0044】
本明細書で提供される方法のいずれかのいくつかの態様において、閾値数またはより大きい数の細胞を含むアウトプット組成物は、本方法の85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超の繰り返しで作製される。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの態様において、方法は、21日を含む21日未満で行われる。
【0045】
他の局面において、本明細書の態様のいずれかに記載される方法によって作製された操作された細胞を含む組成物が提供される。いくつかの態様において、組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、凍結保護剤、任意でDMSOを含む。
【0046】
別の局面において、本明細書に記載の組成物のいずれか、およびアウトプット組成物を対象に投与するための説明書を含む製品が提供される。製品のいくつかの態様において、対象は疾患または病態を有し、任意で、組換え受容体は、疾患もしくは病態に関連する、または疾患もしくは病態の細胞上に発現されるもしくは存在する抗原を特異的に認識するかまたは該抗原に特異的に結合する。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、操作されたCD4+T細胞の組成物である。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、CD8+T細胞の操作された組成物である。
【0047】
いくつかの局面において、本明細書に記載の方法のいずれかによって作製された操作されたCD4+T細胞の組成物、本明細書に記載の方法のいずれかによって作製された操作されたCD8+T細胞の組成物、ならびに操作されたCD4+T細胞および操作されたCD8+T細胞を対象に投与するための説明書を含む製品が提供される。いくつかの態様において、説明書は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を対象に別々に投与することを指定する。他の態様において、説明書は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を所望の比率で対象に投与することを指定する。
【0048】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの態様において、方法は、21日を含む21日未満で行われる。
[本発明1001]
操作された細胞の組成物を作製するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬、および(ii)少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+初代ヒトT細胞が濃縮されたT細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程;ならびに
(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程。
[本発明1002]
インプット組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
本発明1001の方法。
[本発明1003]
組換えIL-2の濃度が、10IU/mL~200IU/mL、または約10IU/mL~約200IU/mLである、本発明1001または本発明1002の方法。
[本発明1004]
1つまたは複数のサイトカインがIL-7および/またはIL-15をさらに含み、
任意でIL-7の濃度が100IU/mL~1000IU/mLもしくは約100IU/mL~約1000IU/mLである、および/またはIL-15の濃度が1IU/mL~50IU/mLもしくは約1IU/mL~約50IU/mLである、本発明1001~1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
インキュベートする工程が、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で行われる、本発明1001~1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
操作された細胞の組成物を作製するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)CD4+およびCD8+初代ヒトT細胞の一方または両方が濃縮されたT細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程、ここで、該インキュベートする工程は、
(1)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬、および(ii)1つもしくは複数のサイトカインの存在を含む1つもしくは複数の刺激条件下で;ならびに/あるいは
(2)1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で
行われる;ならびに
(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程。
[本発明1007]
インプット組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞を含む;ならびに/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞からなる、
本発明1006の方法。
[本発明1008]
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15から選択される、本発明1006または本発明1007の方法。
[本発明1009]
組換えIL-2の濃度が10IU/mL~200IU/mLもしくは約10IU/mL~約200IU/mLである;
組換えIL-7の濃度が100IU/mL~1000IU/mLもしくは約100IU/mL~約1000IU/mLである;および/または
組換えIL-15の濃度が1IU/mL~25IU/mLもしくは約1IU/mL~約25IU/mLである、
本発明1008の方法。
[本発明1010]
インプット組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
本発明1006の方法。
[本発明1011]
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および組換えIL-15から選択される、本発明1006または本発明1010の方法。
[本発明1012]
インプット組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD8+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD8+初代ヒトT細胞からなる、
本発明1006の方法。
[本発明1013]
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2および組換えIL-15から選択される、本発明1006または本発明1012の方法。
[本発明1014]
刺激試薬が、TCR複合体のメンバーに特異的に結合する、任意でCD3に特異的に結合する一次剤を含む、本発明1001~1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
刺激試薬が、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次剤をさらに含み、任意で、該共刺激分子がCD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSから選択される、本発明1014の方法。
[本発明1016]
一次および/または二次剤が抗体を含み、任意で、刺激試薬が抗CD3抗体および抗CD28抗体、またはその抗原結合断片とのインキュベーションを含む、本発明1014または本発明1015の方法。
[本発明1017]
一次剤および/または二次剤が固体支持体の表面上に存在する、本発明1014~1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
固体支持体がビーズであるか、またはビーズを含む、本発明1017の方法。
[本発明1019]
ビーズが、3.5μmを超えるかまたは約3.5μmを超えるが、約9μm以下または約8μm以下または約7μm以下または約6μm以下または約5μm以下の直径を含む、本発明1018の方法。
[本発明1020]
ビーズが、4.5μmまたは約4.5μmの直径を含む、本発明1018または本発明1019の方法。
[本発明1021]
ビーズが不活性である、本発明1018~1020のいずれかの方法。
[本発明1022]
ビーズがポリスチレン表面であるか、またはポリスチレン表面を含む、本発明1018~1021のいずれかの方法。
[本発明1023]
ビーズが磁性または超常磁性である、本発明1018~1022のいずれかの方法。
[本発明1024]
ビーズ対細胞の比が3:1未満または約3:1未満である、本発明1018~1023のいずれかの方法。
[本発明1025]
ビーズ対細胞の比が2:1~0.5:1、または約2:1~約0.5:1である、本発明1018~1024のいずれかの方法。
[本発明1026]
ビーズ対細胞の比が1:1または約1:1である、本発明1018~1025のいずれかの方法。
[本発明1027]
1つまたは複数の抗酸化剤が硫黄含有抗酸化剤を含む、本発明1005~1026のいずれかの方法。
[本発明1028]
1つまたは複数の抗酸化剤がグルタチオン前駆体を含む、本発明1005~1027のいずれかの方法。
[本発明1029]
1つまたは複数の抗酸化剤がN-アセチルシステイン(NAC)を含み、任意で、該NACが0.2mg/mL~2.0mg/mL、または約0.2mg/mL~約2.0mg/mLの濃度である、本発明1005~1028のいずれかの方法。
[本発明1030]
導入する工程が、刺激された組成物の細胞に、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むウイルスベクターで形質導入することを含む、本発明1001~1029のいずれかの方法。
[本発明1031]
ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである、本発明1030の方法。
[本発明1032]
ウイルスベクターがレンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターである、本発明1030または本発明1031の方法。
[本発明1033]
導入する工程が形質導入アジュバントの存在下で行われる、本発明1030~1032のいずれかの方法。
[本発明1034]
形質導入アジュバントが、硫酸プロタミン、任意で1μg/ml~50μg/mlもしくは約1μg/ml~約50μg/mlの硫酸プロタミン、フィブロネクチン由来の形質導入アジュバント、および/またはRetroNectinであるか、あるいはそれを含む、本発明1033の方法。
[本発明1035]
導入する工程が、刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターでトランスフェクトすることを含む、本発明1001~1034のいずれかの方法。
[本発明1036]
ベクターがトランスポゾンであり、任意でSleeping Beauty(SB)トランスポゾンまたはPiggybacトランスポゾンである、本発明1035の方法。
[本発明1037]
操作された細胞の増殖または拡大を促進する条件下で該操作された組成物を培養する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含むアウトプット組成物を作製する、工程
をさらに含む、本発明1001~1036のいずれかの方法。
[本発明1038]
培養する工程が1つまたは複数のサイトカインの存在下で行われ、少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、本発明1037の方法。
[本発明1039]
刺激試薬が、培養する工程の前に操作された組成物から除去される、本発明1037または本発明1038の方法。
[本発明1040]
刺激剤が、インキュベートする工程の開始後7日以内または7日未満に除去される、本発明1039の方法。
[本発明1041]
刺激試薬が、インキュベートする工程の開始から3日~6日後または約3日~約6日後に除去される、本発明1039または本発明1040の方法。
[本発明1042]
刺激試薬が、インキュベートする工程の開始から4日後または約4日後に除去される、本発明1037~1041のいずれかの方法。
[本発明1043]
ビーズを除去することが、操作された組成物の細胞を磁場に曝露することを含む、本発明1039~1042のいずれかの方法。
[本発明1044]
操作された細胞の組成物を作製するための方法であって、
1つまたは複数のサイトカインの存在下で、組換え受容体で操作された細胞を含むCD4+初代ヒトT細胞を含有する操作された細胞組成物を培養する工程であって、該少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、工程
を含み、
該組成物中の細胞の増殖または拡大をもたらして、操作されたCD4+細胞を含有するアウトプット組成物を作製する、方法。
[本発明1045]
増殖または拡大が、組換え受容体で操作されたCD4+T細胞の数の2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍、または5倍を超える増加をもたらす、本発明1044の方法。
[本発明1046]
操作された細胞組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞またはCD4+組換え受容体発現細胞を含む、および/あるいは
操作された細胞組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
本発明1044または1045の方法。
[本発明1047]
組換えIL-2の濃度が、50IU/mL~500IU/mlまたは約50IU/mL~約500IU/mlである、本発明1044~1046のいずれかの方法。
[本発明1048]
1つまたは複数のサイトカインがIL-7および/またはIL-15をさらに含み、
任意で、IL-7の濃度が500IU/mL~2000IU/mLもしくは約500IU/mL~約2000IU/mLである、および/またはIL-15の濃度が5IU/mL~50IU/mLもしくは約5IU/mL~約50IU/mLである、本発明1038~1047のいずれかの方法。
[本発明1049]
操作された細胞組成物が、
(a)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬、および(ii)少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+初代ヒトT細胞が濃縮された初代T細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程;ならびに
(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程
を含む方法によって作製される、本発明1044~1048のいずれかの方法。
[本発明1050]
インプット組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
本発明1049の方法。
[本発明1051]
1つまたは複数のサイトカインが、IL-7および/またはIL-15をさらに含む、本発明1049または本発明1050の方法。
[本発明1052]
培養する工程が界面活性剤の存在下で行われる、本発明1037~1051のいずれかの方法。
[本発明1053]
培養する工程の少なくとも一部が、連続混合および/または灌流を用いて行われる、本発明1037~1052のいずれかの方法。
[本発明1054]
操作された細胞の組成物を作製するための方法であって、
1つまたは複数のサイトカインの存在下で、組換え受容体で操作された細胞を含むCD4+およびCD8+初代ヒトT細胞の一方または両方を含有する操作された細胞組成物を培養する工程であって、該培養が界面活性剤の存在下で行われ、ならびに/または該培養の少なくとも一部が連続混合および/もしくは灌流を用いて行われる、工程
を含み、
該組成物中の細胞の増殖または拡大をもたらして、操作されたCD4+および/またはCD8+T細胞を含むアウトプット組成物を作製する、方法。
[本発明1055]
操作された細胞組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞あるいはCD4+および/またはCD8+組換え受容体発現初代T細胞を含む、ならびに/あるいは
操作された細胞組成物が本質的にCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞からなる、
本発明1054の方法。
[本発明1056]
増殖または拡大が、組換え受容体で操作されたCD4+および/またはCD8+T細胞の数の2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍、または5倍を超える増加をもたらす、本発明1054または本発明1055の方法。
[本発明1057]
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15から選択される、本発明1055の方法。
[本発明1058]
組換えIL-2の濃度が50~500IU/mLもしくは約50~約500IU/mLである;
組換えIL-7の濃度が500IU/mL~2000IU/mLもしくは約500IU/mL~約2000IU/mLである;および/または
組換えIL-15の濃度が5IU/mL~50IU/mLまたは約5IU/mL~約50IU/mLである、
本発明1056または本発明1057の方法。
[本発明1059]
操作された細胞組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞またはCD4+かつ組換え受容体発現初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいは
操作された細胞組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
本発明1054の方法。
[本発明1060]
増殖または拡大が、組換え受容体で操作されたCD8+T細胞の数の2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍、または5倍を超える増加をもたらす、本発明1059の方法。
[本発明1061]
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および組換えIL-15から選択される、本発明1054または本発明1055の方法。
[本発明1062]
操作された細胞組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD8+初代ヒトT細胞またはCD8+かつ組換え受容体発現初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいは
操作された細胞組成物が本質的にCD8+初代ヒトT細胞からなる、
本発明1054の方法。
[本発明1063]
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2および組換えIL-15から選択される、本発明1054または本発明1062の方法。
[本発明1064]
界面活性剤がポロキサマーを含み、任意で、該ポロキサマーが0.5μL/mL~5μL/mLまたは約0.5μL/mL~約5μL/mLの濃度で存在する、本発明1052~1063のいずれかの方法。
[本発明1065]
ポロキサマーがポロキサマー188である、本発明1064の方法。
[本発明1066]
操作された細胞組成物が、
(a)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬および(ii)1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+およびCD8+初代ヒトT細胞の一方または両方が濃縮された初代T細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程;ならびに
(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程
を含む方法によって作製される、本発明1054~1065のいずれかの方法。
[本発明1067]
インプット組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞からなる、
本発明1066の方法。
[本発明1068]
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15から選択される、本発明1066または本発明1067の方法。
[本発明1069]
インプット組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
本発明1066の方法。
[本発明1070]
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および組換えIL-15から選択される、本発明1066または本発明1069の方法。
[本発明1071]
インプット組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD8+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD8+初代ヒトT細胞からなる、
本発明1066の方法。
[本発明1072]
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2および組換えIL-15から選択される、本発明1066または本発明1071の方法。
[本発明1073]
刺激試薬が、TCR複合体のメンバーに特異的に結合する、任意でCD3に特異的に結合する一次剤を含む、本発明1049~1053および1066~1072のいずれかの方法。
[本発明1074]
刺激試薬が、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次剤をさらに含み、任意で、該共刺激分子がCD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSから選択される、本発明1073の方法。
[本発明1075]
一次および/または二次剤が抗体を含み、任意で、刺激試薬が抗CD3抗体および抗CD28抗体、またはその抗原結合断片とのインキュベーションを含む、本発明1073または本発明1074の方法。
[本発明1076]
一次剤および/または二次剤が固体支持体の表面上に存在する、本発明1073~1075のいずれかの方法。
[本発明1077]
固体支持体がビーズであるか、またはビーズを含む、本発明1076の方法。
[本発明1078]
ビーズが、3.5μmを超えるかまたは約3.5μmを超えるが、約9μm以下または約8μm以下または約7μm以下または約6μm以下または約5μm以下の直径を含む、本発明1077の方法。
[本発明1079]
ビーズが、4.5μmまたは約4.5μmの直径を含む、本発明1077または本発明1078の方法。
[本発明1080]
ビーズが不活性である、本発明1077~1079のいずれかの方法。
[本発明1081]
ビーズがポリスチレン表面であるか、またはポリスチレン表面を含む、本発明1077~1080のいずれかの方法。
[本発明1082]
ビーズが磁性または超常磁性である、本発明1077~1081のいずれかの方法。
[本発明1083]
ビーズ対細胞の比が3:1未満または約3:1未満である、本発明1077~1082のいずれかの方法。
[本発明1084]
ビーズ対細胞の比が2:1~0.5:1または約2:1~約0.5:1である、本発明1077~1083のいずれかの方法。
[本発明1085]
ビーズ対細胞の比が1:1または約1:1である、本発明1077~1084のいずれかの方法。
[本発明1086]
インキュベートする工程が、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で行われる、本発明1049~1053および1066~1085のいずれかの方法。
[本発明1087]
1つまたは複数の抗酸化剤が硫黄含有抗酸化剤を含む、本発明1086の方法。
[本発明1088]
1つまたは複数の抗酸化剤がグルタチオン前駆体を含む、本発明1086または本発明1087の方法。
[本発明1089]
1つまたは複数の抗酸化剤がN-セチルシステイン(NAC)を含み、任意で、該NACが0.2mg/mL~2.0mg/mLまたは約0.2mg/mL~約2.0mg/mLの濃度である、本発明1086~1088のいずれかの方法。
[本発明1090]
導入する工程が、刺激された組成物の細胞に、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むウイルスベクターで形質導入することを含む、本発明1049~1053および1066~1089のいずれかの方法。
[本発明1091]
ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである、本発明1090の方法。
[本発明1092]
ウイルスベクターがレンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターである、本発明1090または本発明1091の方法。
[本発明1093]
導入する工程が形質導入アジュバントの存在下で行われる、本発明1049~1053および1066~1092のいずれかの方法。
[本発明1094]
形質導入アジュバントが、硫酸プロタミン、任意で1μg/ml~50μg/mlもしくは約1μg/ml~約50μg/mlの硫酸プロタミン、フィブロネクチン由来の形質導入アジュバント、および/またはRetroNectinであるか、あるいはそれを含む、本発明1093の方法。
[本発明1095]
導入する工程が、刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターでトランスフェクトすることを含む、本発明1049~1053および1066~1089のいずれかの方法。
[本発明1096]
ベクターがトランスポゾンであり、任意でSleeping Beauty(SB)トランスポゾンまたはPiggybacトランスポゾンである、本発明1095の方法。
[本発明1097]
操作された細胞組成物が刺激試薬を含まず、および/または該刺激試薬が培養する工程の前に該組成物から実質的に除去されており、該刺激試薬が、TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる試薬を含む、本発明1044~1069のいずれかの方法。
[本発明1098]
培養する工程が、少なくともアウトプット組成物が閾値数のT細胞、閾値数の生存T細胞、閾値濃度のT細胞、または閾値濃度の生存T細胞を含むまで行われる、本発明1037~1097のいずれかの方法。
[本発明1099]
培養する工程が、T細胞の閾値数、生存T細胞の閾値数、T細胞の閾値濃度、または生存T細胞の閾値濃度に達した後、少なくとも1日間継続される、本発明1098の方法。
[本発明1100]
T細胞の閾値数、生存T細胞の閾値数、T細胞の閾値濃度、または生存T細胞の閾値濃度が、培養前の操作された細胞組成物の数もしくは濃度、または生存可能な数もしくは濃度より少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍またはそれ以上である、本発明1098または本発明1099の方法。
[本発明1101]
培養する工程が、両端の値を含む2日間~10日間行われる、および/または培養する工程が少なくとも10日間行われる、本発明1037~1100のいずれかの方法。
[本発明1102]
培養する工程が、両端の値を含む2日間~10日間行われる、および/または培養する工程が、インキュベートする工程の開始から少なくとも9日後まで行われる、本発明1037~1100のいずれかの方法。
[本発明1103]
培養する工程が少なくとも4日間行われる、本発明1037~1100のいずれかの方法。
[本発明1104]
培養する工程の後に、アウトプット組成物の細胞を収集する、本発明1037~1101のいずれかの方法。
[本発明1105]
アウトプット組成物のインキュベートする工程の開始と細胞の収集との間の時間が、7日~15日または約7日~約15日である、本発明1104の方法。
[本発明1106]
アウトプット組成物のインキュベートする工程の開始と細胞の収集との間の時間が、9日~13日または約9日~約13日である、本発明1104または本発明1105の方法。
[本発明1107]
アウトプット組成物のインキュベートする工程の開始と細胞の収集との間の時間が、8日~13日または約8日~約13日である、本発明1104~1106のいずれかの方法。
[本発明1108]
任意で薬学的に許容される賦形剤の存在下で、凍結保存および/または対象への投与のためのアウトプット組成物の細胞を製剤化する工程をさらに含む、本発明1037~1107のいずれかの方法。
[本発明1109]
アウトプット組成物の細胞が、凍結保護剤の存在下で製剤化される、本発明1108の方法。
[本発明1110]
凍結保護剤がDMSOを含む、本発明1109の方法。
[本発明1111]
アウトプット組成物の細胞が、容器中に、任意でバイアルまたはバッグ中に製剤化される、本発明1108~1110のいずれかの方法。
[本発明1112]
インキュベートする工程の前に生物学的試料からCD4+および/またはCD8+T細胞を単離する工程をさらに含む、本発明1001~1043および1049~1053および1066~1089のいずれかの方法。
[本発明1113]
単離する工程が、任意で陽性選択または陰性選択によって、CD4および/またはCD8の表面発現に基づいて細胞を選択することを含む、本発明1112の方法。
[本発明1114]
単離する工程が、免疫親和性に基づく選択を行うことを含む、本発明1112または本発明1113の方法。
[本発明1115]
生物学的試料が、対象から得られた初代T細胞を含む、本発明1112~1114のいずれかの方法。
[本発明1116]
対象がヒト対象である、本発明1115の方法。
[本発明1117]
生物学的試料が、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、アフェレーシス産物、もしくは白血球アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む、本発明1112~1114のいずれかの方法。
[本発明1118]
組換え受容体が、疾患、障害もしくは病態の細胞もしくは組織に関連する、疾患、障害もしくは病態の細胞もしくは組織に特異的である、および/または疾患、障害もしくは病態の細胞もしくは組織の上に発現される標的抗原に結合することができる、本発明1001~1117のいずれかの方法。
[本発明1119]
疾患、障害または病態が、感染性疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症性疾患、または腫瘍もしくはがんである、本発明1118の方法。
[本発明1120]
標的抗原が腫瘍抗原である、本発明1118または1119の方法。
[本発明1121]
標的抗原が、5T4、8H9、avb6インテグリン、B7-H6、B細胞成熟抗原(BCMA)、CA9、がん精巣抗原、炭酸脱水酵素9(CAIX)、CCL-1、CD19、CD20、CD22、CEA、B型肝炎表面抗原、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD138、CD171、がん胎児性抗原(CEA)、CE7、サイクリン、サイクリンA2、c-Met、二重抗原、EGFR、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、EPHa2、エフリンB2、erb-B2、erb-B3、erb-B4、erbB二量体、EGFR vIII、エストロゲン受容体、胎児AchR、葉酸受容体α、葉酸結合タンパク質(FBP)、FCRL5、FCRH5、胎児アセチルコリン受容体、G250/CAIX、GD2、GD3、gp100、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerbB2)、HMW-MAA、IL-22R-α、IL-13受容体α2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、κ軽鎖、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MART-1、メソテリン、マウスCMV、ムチン1(MUC1)、MUC16、NCAM、NKG2D、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、O-アセチル化GD2(OGD2)、胎児腫瘍性抗原、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、PSCA、プロゲステロン受容体、サバイビン、ROR1、TAG72、tEGFR、VEGF受容体、VEGF-R2、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原およびユニバーサルタグに関連する抗原の中から選択される、本発明1118~1120のいずれかの方法。
[本発明1122]
組換え受容体が、機能的非TCR抗原受容体もしくはTCRもしくはその抗原結合断片であるか、または機能的非TCR抗原受容体もしくはTCRもしくはその抗原結合断片を含む、本発明1001~1121のいずれかの方法。
[本発明1123]
組換え受容体がキメラ抗原受容体(CAR)である、本発明1001~1122のいずれかの方法。
[本発明1124]
組換え受容体が抗CD19 CARである、本発明1001~1123のいずれかの方法。
[本発明1125]
キメラ抗原受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメインを含む、本発明1123の方法。
[本発明1126]
抗原結合ドメインが、抗体もしくは任意で単鎖断片であるその抗体断片であるか、または抗体もしくは任意で単鎖断片であるその抗体断片を含む、本発明1125の方法。
[本発明1127]
断片が、フレキシブルリンカーによって連結された抗体可変領域を含む、本発明1126の方法。
[本発明1128]
断片がscFvを含む、本発明1126または本発明1127の方法。
[本発明1129]
キメラ抗原受容体が、スペーサーおよび/またはヒンジ領域をさらに含む、本発明1125~1128のいずれかの方法。
[本発明1130]
キメラ抗原受容体が細胞内シグナル伝達領域を含む、本発明1125~1129のいずれかの方法。
[本発明1131]
細胞内シグナル伝達領域が細胞内シグナル伝達ドメインを含む、本発明1130の方法。
[本発明1132]
細胞内シグナル伝達ドメインが、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分のシグナル伝達ドメイン、および/もしくは免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む、本発明1131の方法。
[本発明1133]
細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメイン、もしくはそのシグナル伝達部分であるか、またはそれを含む、本発明1132の方法。
[本発明1134]
キメラ抗原受容体が、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、本発明1130~1133のいずれかの方法。
[本発明1135]
細胞内シグナル伝達領域が共刺激シグナル伝達領域をさらに含む、本発明1130~1134のいずれかの方法。
[本発明1136]
共刺激シグナル伝達領域が、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、本発明1135の方法。
[本発明1137]
共刺激シグナル伝達領域が、CD28、4-1BBもしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、本発明1135または本発明1136の方法。
[本発明1138]
共刺激シグナル伝達領域が、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間にある、本発明1135~1137のいずれかの方法。
[本発明1139]
閾値数またはそれより大きい数の細胞を含むアウトプット組成物が、該方法の85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超の繰り返しで作製される、本発明1098~1101のいずれかの方法。
[本発明1140]
本発明1001~1137のいずれかの方法によって作製される操作された細胞を含む組成物。
[本発明1141]
薬学的に許容される担体をさらに含む、本発明1140の組成物。
[本発明1142]
凍結保護剤、任意でDMSOを含む、本発明1140または本発明1141の組成物。
[本発明1143]
本発明1138~1140のいずれかの組成物と、該アウトプット組成物を対象に投与するための説明書とを含む、製品。
[本発明1144]
対象が疾患または病態を有し、任意で、組換え受容体が該疾患もしくは病態に関連する、または該疾患もしくは病態の細胞上に発現されるもしくは存在する抗原を特異的に認識するまたは該抗原に特異的に結合する、本発明1143の製品。
[本発明1145]
アウトプット組成物が、操作されたCD4+T細胞の組成物である、本発明1143または1144の製品。
[本発明1146]
アウトプット組成物が、操作されたCD8+T細胞の組成物である、本発明1143または1144の製品。
[本発明1147]
本発明1001~1011、1013~1060、1063~1070、または1072~1139のいずれかの方法によって作製された操作されたCD4+T細胞の組成物と、本発明1006~1008、1011~1043、1054~1058、1060~1068、または1070~1139のいずれかの方法によって作製された操作されたCD8+T細胞の組成物と、該操作されたCD4+T細胞および該操作されたCD8+T細胞を対象に投与するための説明書とを含む、製品。
[本発明1148]
説明書が、前記CD4+T細胞およびCD8+T細胞を対象に別々に投与することを指定する、本発明1147の製品。
[本発明1149]
説明書が、前記CD4+T細胞およびCD8+T細胞を所望の比率で対象に投与することを指定する、本発明1147または1148の製品。
[本発明1150]
21日を含む21日未満で行われる、本発明1001~1139のいずれかの方法。
[本発明1151]
21日を含む21日未満の95%信頼区間内で、対象に投与されるおよび/または対象に投与される準備ができているアウトプット組成物を作製する、本発明1001~1139のいずれかの方法。
[本発明1152]
培養する工程の少なくとも一部の間、細胞が、細胞生存率、濃度、密度、数、またはそれらの組合せについてモニターされる、本発明1037~1137のいずれかの方法。
[本発明1153]
モニタリングが、光学的方法、任意で顕微鏡法によって行われる、本発明1152の方法。
[本発明1154]
モニタリングが、明視野顕微鏡法、蛍光顕微鏡法、微分干渉コントラスト顕微鏡法、位相差顕微鏡法、デジタルホログラフィ顕微鏡法(DHM)、微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)、またはそれらの組合せによって行われる、本発明1152または本発明1153の方法。
[本発明1155]
モニタリングが微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)によって行われる、本発明1152~1154のいずれかの方法。
[本発明1156]
モニタリングが、培養の少なくとも一部の間、断続的または連続的に行われ、任意で培養中少なくとも1時間ごと、少なくとも6時間ごと、少なくとも12時間ごと、少なくとも18時間ごと、少なくとも24時間ごと、または少なくとも26時間ごとに行われる、本発明1152~1155のいずれかの方法。
[本発明1157]
モニタリングが、細胞がT細胞の閾値数、生存T細胞の閾値数、T細胞の閾値濃度または生存T細胞の閾値濃度に達するまで行われる、本発明1152~1156のいずれかの方法。
[本発明1158]
モニタリングおよび培養が閉鎖系で行われる、本発明1152~1157のいずれかの方法。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】実施例1に記載されている抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)発現細胞を生成するための代替的(三角形)および例示的(丸)プロセスにおける、細胞の刺激、形質導入および拡大中の異なる時点で測定された、同じ白血球アフェレーシス試料から得られたCD4+(黒い記号)およびCD8+(白い記号)細胞組成物の総細胞数を表示するグラフを示す。横破線は、採取の基準を満たすために必要な閾値細胞数を示す。
図2A】実験1のドナー1からのCD4+細胞(図2A)における、微分DHMによる連続モニタリング(「連続」、直線)、または手動サンプリング(「手動」、点を使用して評価された生細胞数(VCC;×106細胞/mL)および細胞生存率(%)を示す。上のパネルはそれぞれの測定値を示し、下のパネルは、連続モニタリングと手動サンプリングを比較するための線形回帰分析ならびにR2および勾配(1つまたは複数)を示す。
図2B】実験1のドナー2からのCD4+細胞(図2B)における、微分DHMによる連続モニタリング(「連続」、直線)、または手動サンプリング(「手動」、点を使用して評価された生細胞数(VCC;×106細胞/mL)および細胞生存率(%)を示す。上のパネルはそれぞれの測定値を示し、下のパネルは、連続モニタリングと手動サンプリングを比較するための線形回帰分析ならびにR2および勾配(1つまたは複数)を示す。
図2C】実験2のドナー3からのCD4+細胞(図2C)における、微分DHMによる連続モニタリング(「連続」、直線)、または手動サンプリング(「手動」、点を使用して評価された生細胞数(VCC;×106細胞/mL)および細胞生存率(%)を示す。上のパネルはそれぞれの測定値を示し、下のパネルは、連続モニタリングと手動サンプリングを比較するための線形回帰分析ならびにR2および勾配(1つまたは複数)を示す。
図2D】実験2のドナー3からのCD8+細胞(図2D)における、微分DHMによる連続モニタリング(「連続」、直線)、または手動サンプリング(「手動」、点を使用して評価された生細胞数(VCC;×106細胞/mL)および細胞生存率(%)を示す。上のパネルはそれぞれの測定値を示し、下のパネルは、連続モニタリングと手動サンプリングを比較するための線形回帰分析ならびにR2および勾配(1つまたは複数)を示す。
図3】手動拡大プロセスと比較した自動化拡大プロセスにおける、微分DHMによる連続モニタリングを使用して評価された生細胞数(VCC;×106細胞/mL)および細胞生存率(%)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
詳細な説明
組換え受容体を発現する、操作されたCD4+および/またはCD8+T細胞などの操作された細胞の組成物を生成または作製するための方法が本明細書で提供される。特定の態様において、方法は、刺激条件下で細胞をインキュベートすること、例えば組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを導入することによって細胞を遺伝子操作すること、ならびに/または細胞増殖および/もしくは拡大を促進する条件下で操作された細胞を培養することを含む方法に関連して使用される。いくつかの態様において、細胞は、CD4+T細胞が濃縮された細胞の組成物(本明細書中以下では濃縮CD4+T細胞の組成物とも称される)である。いくつかの態様において、細胞は、CD8+T細胞が濃縮された細胞の組成物(本明細書中以下では濃縮CD8+T細胞の組成物とも称される)である。いくつかの態様において、方法は、操作されたT細胞の2つのまたは別々の組成物を生成または作製するために実施され、それぞれが、CD4+T細胞およびCD8+T細胞の別々の組成物を別々にインキュベートし、操作し、培養することなどによって、同じ生物学的試料由来(例えば同じ対象由来)の細胞からの同じ組換え受容体で操作される。
【0051】
キメラ抗原受容体を発現する操作されたT細胞を生成することを含む、遺伝子操作されたT細胞集団を生成するための様々な方法が利用可能である。しかしながら、いくつかの態様において、これらのプロセスのいくつかは、操作された細胞を生成するのに長い時間または比較的長い時間を必要とし得る。いくつかの態様において、既存のプロセスのいくつかは、異なる対象から得られた試料から操作されたT細胞を生成するのに必要な時間が異なり得る。例えば、いくつかの態様において、同じプロセスが、ある対象についての操作された細胞を生成するために、別の対象の場合よりも5日、6日、7日、またはそれより長い日数を必要とし得る。一部の特定の態様において、プロセスのいくつかは、様々な対象から治療に適した操作された細胞を成功裏に生成する能力が異なり得る。特定の態様において、いくつかのプロセスの変動性および/または予測可能性の欠如は、例えば所与の対象のために細胞療法を生成し得るかどうかを決定することの難しさ、または例えばその利用可能となるタイミングが不明である場合に細胞療法の投与を計画もしくは調整することの難しさなどの問題を臨床医に対して提起し得る。
【0052】
提供される態様は、これらの問題の1つまたは複数に対処する。特定の態様において、提供される方法は、いくつかの既存のプロセスと比較して短い時間または比較的短い時間で、療法、例えば自己細胞療法に適した操作されたT細胞を生成する。さらに、いくつかの態様において、提供される方法は、様々な対象から収集された試料から操作された細胞を作製するのに必要な時間に関して、より一貫性があり、より変動が少ないプロセスをもたらす。特定の態様において、提供される方法は、高い割合の対象から細胞療法に適した操作されたT細胞を成功裏に生成することができる。したがって、一部の特定の態様において、本明細書に記載の方法は、治療のための操作されたT細胞を生成するための比較的迅速で効率的な手段を提供する。これらの特徴は、より多くの潜在的な対象が自己T細胞療法などのT細胞療法で処置されることを可能にし得、対象のための細胞療法を計画および調整することに関連する困難さの一部を改善し得る。
【0053】
いくつかの態様において、提供されるプロセスは、拡大の期間を短縮し、および/またはより広い範囲の出発試料(さもなければ採取閾値が達成されない可能性があるものを含む)にわたって、他の製品と比較してより狭い期間ウィンドウ内で製品を生成することができ、いくつかの局面では不十分な細胞拡大による失敗を低減することができる。
【0054】
一部の特定の態様において、提供される方法は、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体を発現する操作されたCD4+T細胞を生成するプロセスに関連して使用される。特定の態様において、CD4+T細胞は、組換えIL-2の存在下でインキュベートおよび/または培養される。一般に、操作されたCD4+T細胞を生成するための代替的プロセスは、いくつかの態様において、培養されたCD4+T細胞はIL-2を産生および/または分泌すると一般に理解されているため、CD4+T細胞に関して組換えIL-2の添加を含まないかまたは必要としない。しかし、理論に拘束されることを望まないが、いくつかの態様は、罹患した対象および/またはそのT細胞が不健康な細胞に関連する1つまたは複数の特徴を含む対象などの一部の患者に由来するCD4+T細胞が十分な量のIL-2を産生または分泌しないことを企図する。一部の特定の態様において、かかるCD4+T細胞は、組換えIL-2の補充なしでは成長、増殖、および/または拡大することができない。したがって、一部の特定の態様において、CD4+T細胞を培養および操作するためのプロセスに組換えIL-2を含めることにより、提供される方法は、操作され得るCD4+T細胞を提供し得る対象のプールを拡大し、したがって操作されたCD4+T細胞を含む自己細胞療法で処置され得る対象のプールを拡大する。
【0055】
一部の特定の態様において、細胞は、細胞を遺伝子操作する、例えば形質導入またはトランスフェクトする前に、刺激試薬、例えば抗CD3および抗CD28抗体結合ビーズとともに刺激条件下でインキュベートされる。いくつかの態様において、刺激試薬は、培養工程の開始前、およびインキュベーションの出発または開始後7日以内またはより早くに、例えば4日目もしくは約4日目または5日目もしくは約5日目に細胞から分離または除去される。特定の態様は、刺激試薬がプロセス中のより早い時点で細胞から除去または分離された場合、細胞は生存率が改善し、刺激試薬を分離もしくは除去しないかまたはプロセス中のより後の時点で分離もしくは除去する代替的プロセスで培養される細胞よりも、培養工程中により堅固な増殖および/または拡大がおこることを企図する。かかる態様において、培養された細胞は、代替的プロセスで培養される細胞よりも速く標的もしくは閾値細胞数、密度、および/または拡大を達成する。したがって、いくつかの態様において、インキュベーションの出発または開始から7日以内またはより早くに細胞から刺激試薬を除去または分離することは、操作された細胞を生成または作製するプロセスが代替的プロセスよりも短い時間で完了されることを可能にする。
【0056】
いくつかの態様において、本明細書で提供される方法は、遺伝子操作されたT細胞を短い期間で生成するプロセスに関連して使用される。一部の特定の態様において、プロセスの短い期間は、細胞療法のために対象に投与することができる操作されたT細胞の組成物を生成する速度、事例、および/または確率を増加させ得る。いくつかの態様において、治療用細胞組成物の製造プロトコルは、細胞組成物が、ある特定の時間内に注入のために作製および放出される、例えば対象への投与に適することが検証および/または決定されることを必要とし得る。いくつかの局面において、提供されるプロセスの短い期間は、必要な時間内に拡大することができない細胞組成物から起こるであろうプロセスの失敗を低減または排除すると期待できる。
【0057】
特定の態様において、本明細書で提供される方法は、増殖および/または拡大を促進する条件下で、操作された細胞を培養することに関連して使用される。いくつかの態様において、培養は、例えばバイオリアクター内でまたはバイオリアクターに関連して、培養される細胞の一定な混合および/または灌流を可能にする設定で行われる。いくつかの態様において、培養の少なくとも一部は、一定な混合および使用済み培地を新鮮な培地に置き換える緩やかで一定な灌流を用いて行われる。一部の特定の態様において、細胞は、最初は静的条件下で、例えば灌流または混合なしで培養され、次いで、培養細胞が所定の細胞数もしくは密度に達したとき、および/または細胞が最初にほぼ所定の時間培養されると、一定な混合および灌流を用いて培養される。いくつかのかかる態様において、培養される細胞は、代替的プロセスで培養される細胞よりも速く標的または閾値細胞数、密度、および/または拡大を達成する。したがって、いくつかの態様において、一定な混合および/または灌流での培養は、操作された細胞を生成または作製するプロセスが、細胞が静的条件下で培養される代替的プロセスよりも短い時間で完了されることを可能にする。
【0058】
特定の態様において、提供される方法は、細胞療法での使用に適した操作された細胞を効率的に作製または生成するためのプロセスに関連して使用される。一部の特定の態様において、プロセスの各工程に使用されるタイミング、条件、および試薬は、その後の各工程および/またはプロセス全体の効率を改善する。例えば、いくつかの態様において、細胞は、所望の効果、例えば細胞の刺激または改善された形質導入効率を達成するのに十分に高い濃度であるが、その後の加工処理工程で成長の遅延または生存率の低下を回避するのに十分に低い濃度で、試薬、例えば刺激試薬または形質導入アジュバントとともにインキュベートされ得る。さらに、いくつかの態様において、プロセスの工程は、その後のプロセス工程および/またはプロセス全体の効率を改善するために特定の時点で開始または終了するように時間調整される。例えば、いくつかの態様において、インキュベーションおよび操作(例えば細胞の形質導入またはトランスフェション)の工程は、代替的方法におけるよりもプロセスのより早期に完了し、これは、一部の特定の態様において、その後の培養工程中の細胞の生存および/もしくは健康、ならびに/または増殖と拡大の速度を改善する。したがって、一局面において、各工程の特定のタイミング、条件、および試薬は、個々の工程を超えて細胞に影響を及ぼし、一部の特定の態様において、プロセス全体の成績に影響を及ぼす。
【0059】
いくつかの態様において、方法は、代替的プロセスよりも迅速で効率的であり得る方法で、細胞療法に適した遺伝子操作された細胞を生成または作製するプロセスに関連して使用される。一部の特定の態様において、本明細書で提供される方法は、代替的プロセスから可能であり得るよりも幅広い対象の集団から操作された細胞の組成物を生成または作製するための高い成功率を有する。一部の特定の態様において、提供される方法によって作製または生成される操作された細胞は、代替的方法によって作製される細胞よりも高い健康、生存能力、活性化を有する可能性があり、組換え受容体のより高い発現を有し得る。したがって、いくつかの局面において、細胞療法用の操作された細胞を生成するために提供される方法の速度および効率は、いくつかの代替的方法によって可能であり得るよりも幅広い対象集団に対する、自己療法などの細胞療法治療の計画および調整をより容易にする。
【0060】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語、表記法ならびに他の技術および科学用語または専門用語は、特許請求される主題が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有することが意図されている。いくつかの場合において、一般的に理解される意味を有する用語は、明確化および/または参照を容易にするために本明細書で定義され、本明細書にかかる定義を含むことは、必ずしも当技術分野で一般的に理解されているものに対する実質的な相違を表すと解釈されるべきではない。
【0061】
本明細書中で言及される特許文書、科学論文およびデータベースを含むすべての刊行物は、あたかも各々個々の刊行物が個別に参照により組み入れられるのと同程度に、すべての目的のためにそれらの全体が参照により組み入れられる。本明細書に示す定義が、参照により本明細書に組み入れられる特許、出願、公開出願、および他の刊行物に示す定義と相反する、またはそうでなければ矛盾する場合、本明細書に示す定義が、参照により本明細書に組み入れられる定義に優先する。
【0062】
本明細書で使用される章の見出しは、構成目的のためだけであり、記載されている主題を限定すると解釈されるべきではない。
【0063】
I.操作された細胞を生成するためのプロセス
組換えタンパク質、例えばT細胞受容体(TCR)またはキメラ抗原受容体(CAR)などの組換え受容体を発現する、操作されたCD4+T細胞および/または操作されたCD8+T細胞などの操作された細胞のアウトプット組成物を生成するための方法が本明細書で提供される。いくつかの態様において、本明細書で提供される方法は、細胞療法の製造、生成、または作製に関連して使用され、ならびに細胞の単離、分離、選択、活性化もしくは刺激、形質導入、洗浄、懸濁、希釈、濃縮、および/または製剤化のための工程などの追加の加工処理工程に関連して使用され得る。いくつかの態様において、操作された細胞、例えば操作されたCD4+T細胞および/または操作されたCD8+T細胞を生成または作製する方法は、対象からの細胞の単離、細胞の調製、加工処理、刺激条件下でのインキュベーション、および/または操作(例えば形質導入)の1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、この方法は、次の順序で実施される加工処理工程を含む:インプット細胞、例えば初代細胞を最初に生物学的試料から単離する、例えば選択または分離すること;インプット細胞を刺激条件下でインキュベートし、ベクター粒子、例えばウイルスベクター粒子で操作して、例えば形質導入またはトランスフェクションによって組換えポリヌクレオチドを細胞に導入すること;細胞を拡大させるなどのために、操作された細胞、例えば形質導入された細胞を培養すること;ならびに細胞をアウトプット組成物に製剤化するために、細胞の全部または一部を収集、採取、および/または容器に充填すること。いくつかの態様において、生成されたアウトプット組成物の細胞は、凍結保存の前または後に、同じ対象に再導入される。いくつかの態様において、操作された細胞のアウトプット組成物は、例えば自己細胞療法などの療法での使用に適する。
【0064】
特定の態様において、提供される方法は、細胞の初期またはインプット組成物から、組換え受容体を発現する細胞のアウトプット組成物を生成することに関連して使用される。いくつかの態様において、細胞の組成物は、濃縮されたT細胞、濃縮されたCD4+T細胞、および/または濃縮されたCD8+T細胞の組成物(本明細書中以下では、それぞれ濃縮T細胞の組成物、濃縮CD4+T細胞の組成物、および濃縮CD8+T細胞の組成物とも称される)である。いくつかの態様において、提供される方法は、以下のうちの1つまたは複数に関連して使用される:T細胞が濃縮された細胞の組成物を活性化もしくは刺激すること;例えば形質導入もしくはトランスフェクションによって組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチドを導入するために、濃縮T細胞の組成物を遺伝子操作すること;ならびに/または例えば増殖および/もしくは拡大を促進する条件下で、濃縮T細胞の操作された組成物を培養すること。一部の特定の態様において、方法はまた、対象から採取、収集、および/または取得された生物学試料などの、生物学的試料から細胞を単離または選択して濃縮T細胞のインプット組成物を生成することに関連して使用され得る。特定の態様において、提供される方法は、細胞がインキュベート、活性化、刺激、操作、形質導入、トランスフェクト、および/または培養された後に、濃縮T細胞の組成物を採取、収集、および/または製剤化することに関連して使用され得る。
【0065】
いくつかの態様において、提供される方法は、濃縮T細胞の単一の組成物の単離、分離、選択、活性化もしくは刺激、形質導入、洗浄、懸濁、希釈、濃縮、および/または製剤化に関連して使用される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD4+T細胞を含む細胞の組成物である。一部の特定の態様において、濃縮CD4+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%のCD4+T細胞を含む。特定の態様において、濃縮CD4+T細胞の組成物は、100%のCD4+T細胞を含むか、または約100%のCD4+T細胞を含む。一部の特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD8+T細胞を含むかもしくは含有する、および/またはCD8+T細胞を含有しない、および/またはCD8+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。いくつかの態様において、細胞の集団は、本質的にCD4+T細胞からなる。
【0066】
いくつかの態様において、提供される方法は、濃縮T細胞の2つまたはそれより多くの別個のアウトプット組成物を生成することに関連して使用される。いくつかの態様において、提供される方法は、濃縮T細胞の2つまたはそれより多くの別個の組成物、例えば濃縮CD4+T細胞の1つまたは複数の別個の組成物および濃縮CD8+T細胞の1つまたは複数の別個の組成物について別々に行われる。一部の特定の態様において、方法は、濃縮T細胞の2つもしくはそれより多くの組成物を別々に活性化および/もしくは刺激すること;濃縮T細胞の2つもしくはそれより多くの組成物を別々に操作すること;ならびに/または濃縮T細胞の2つもしくはそれより多くの組成物を別々に培養することに関連して使用され得る。一部の特定の態様において、この方法はまた、生物学的試料から異なる細胞を単離または選択して、濃縮CD4+T細胞および濃縮CD8+T細胞の別個の組成物などの濃縮T細胞の別個のインプット組成物を生成することに関連して使用され得る。特定の態様において、提供される方法は、T細胞がインキュベート、活性化、刺激、操作、形質導入、トランスフェクト、および/または培養された後に、濃縮T細胞の別個の組成物を別々に採取、収集、および/または製剤化することに関連して使用され得る。
【0067】
一部の特定の態様において、方法は、濃縮CD4+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物および濃縮CD8+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物を別々にインキュベートすること;インキュベーション後に、濃縮CD4+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物および濃縮CD8+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物を別々に活性化および/または刺激すること;活性化および/または刺激後に、濃縮CD4+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物および濃縮CD8+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物を別々に操作、形質導入、および/またはトランスフェクトすること;操作、形質導入、および/またはトランスフェクション後に、濃縮CD4+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物および濃縮CD8+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物を別々に培養すること;培養後に、濃縮CD4+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物および濃縮CD8+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物を別々に採取および/または収集すること;採取および/または収集後に、濃縮CD4+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物および濃縮CD8+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物を別々に製剤化すること;ならびに/あるいは製剤化された組成物を、それを必要とする対象に別々に投与することに関連して使用され得る。
【0068】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の2つまたはそれより多くの別個の組成物は、濃縮CD4+T細胞の組成物を含む。一部の特定の態様において、2つまたはそれより多くの別個の組成物は、CD8+T細胞を含む。いくつかの態様において、2つまたはそれより多くの別個の組成物は、濃縮CD4+T細胞の組成物および濃縮CD8+T細胞の組成物を含む。特定の態様において、創製された濃縮CD4+T細胞の別個の組成物および濃縮CD8+T細胞の別個の組成物は、例えば、単一の対象から取得、収集、および/または採取された同じ生物学的試料などの、同じ生物学的試料から最初に単離、選択、および/または濃縮された。いくつかの態様において、同じ生物学的試料は最初にCD4+T細胞の選択に供され、ここで陰性画分と陽性画分の両方が保持され、陰性画分はさらにCD8+T細胞の選択に供される。他の態様において、同じ生物学的試料は最初にCD8+T細胞の選択に供され、ここで陰性画分と陽性画分の両方が保持され、陰性画分はさらにCD4+T細胞の選択に供される。
【0069】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD8+T細胞の組成物である。一部の特定の態様において、濃縮CD8+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも99.9%のCD8+T細胞を含むか、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。一部の特定の態様において、濃縮CD8+T細胞の組成物は、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD4+T細胞を含むかもしくは含有する、および/またはCD4+T細胞を含有しない、および/またはCD4+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。いくつかの態様において、細胞の集団は、本質的にCD8+T細胞からなる。
【0070】
いくつかの態様において、濃縮CD4+T細胞の組成物および/または濃縮CD4+T細胞の操作された組成物は、組換えIL-2とともにおよび/または組換えIL-2の存在下でインキュベート、活性化、刺激、操作、形質導入、トランスフェクト、および/または培養される。特定の態様において、方法は、組換えIL-2とともにおよび/または組換えIL-2の存在下で、刺激条件下で濃縮CD4+T細胞のインプット組成物をインキュベートすることに関連して使用される。いくつかの態様において、方法は、組換えIL-2とともにおよび/または組換えIL-2の存在下で、増殖および/または拡大を促進する条件下で濃縮CD4+T細胞の操作された組成物を培養することに関連して使用される。
【0071】
いくつかの態様において、刺激条件下で濃縮T細胞のインプット組成物をインキュベートすることは、刺激試薬、例えばセクションI-B-1に記載される刺激試薬とともに細胞をインキュベートすることであるか、またはそれを含む。一部の特定の態様において、刺激試薬は、培養工程の前に細胞から除去または分離される。一部の特定の態様において、刺激試薬は、遺伝子操作後、例えばトランスフェクションまたは形質導入後に細胞から除去または分離される。いくつかの態様において、刺激試薬は、刺激試薬とのインキュベーションの出発または開始から設定された時間内、例えばインキュベーションの出発または開始から7日以内またはより少ない日数以内に細胞から除去される。特定の態様において、刺激条件下でのインキュベーションは、1つまたは複数の抗酸化剤、例えば硫黄含有抗酸化剤および/またはグルタチオン前駆体の存在下で行われる。
【0072】
特定の態様において、濃縮T細胞の組成物、例えば濃縮T細胞の刺激された組成物は、例えばトランスフェクションまたは形質導入の効率を改善するために、ポリカチオンの存在下で操作される。一部の特定の態様において、ポリカチオンは、低いおよび/または比較的低い量および/または濃度で存在する。
【0073】
一部の特定の態様において、培養工程の少なくとも一部は、一定な混合および/または灌流で、例えば閉鎖系のバイオリアクターを用いて行われる。一部の特定の態様において、混合および/または灌流は、使用済みまたは古い細胞培地または溶液の新鮮な培地または溶液との安定したおよび/または段階的な交換を組み込む。特定の態様において、細胞は、界面活性剤ならびに/または一定な混合および/もしくは灌流中の剪断などの細胞剪断を低減または防止する剤の存在下で培養される。
【0074】
いくつかの態様において、提供される方法は、例えば養子細胞療法などの臨床使用のための細胞の調製における1つ、複数、またはすべての工程が、細胞を非滅菌状態に曝露することなく行われるように実施される。かかるプロセスのいくつかの態様において、細胞は、すべて閉鎖系内で、単離、分離または選択、形質導入、洗浄、任意で活性化または刺激および製剤化される。いくつかの態様において、工程の1つまたは複数は、閉鎖系またはデバイスとは別に実施される。いくつかのかかる態様において、濃縮細胞の組成物は、別の閉鎖系への無菌移送などによって、無菌条件下で閉鎖系またはデバイスとは別に移送される。
【0075】
特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、組換え受容体を発現する濃縮T細胞のアウトプット組成物を生成するためのプロセスの任意の段階または工程の前、その間、またはその後に収集され、凍結保護のために製剤化され、クライオ凍結され、および/または0℃未満、-20℃未満、または-70Cもしくは‐70C未満または-80℃もしくは‐80℃未満で保存され得る。いくつかの態様において、細胞は、1日未満、2日未満、3日未満、4日未満、5日未満、6日未満、7日未満、8日未満、9日未満、もしくは10日未満の期間、または1週間未満、2週間未満、3週間未満、4週間未満、5週間未満、6週間未満、7週間未満、8週間未満の期間、または少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、もしくは少なくとも8週間の期間、または8週間を超える期間、保存され得る。保存後、濃縮T細胞の組成物は解凍され得、プロセスの同じ時点から加工処理を再開され得る。いくつかの態様において、濃縮T細胞のインプット組成物は、さらなる加工処理、例えば刺激条件下でのインキュベーションの前にクライオ凍結され、保存される。特定の態様において、濃縮T細胞の培養および/または製剤化された組成物は、例えば自己細胞療法として対象に投与される前にクライオ凍結され、保存される。
【0076】
一部の特定の態様において、濃縮T細胞の別個の細胞組成物は、単一の組成物に組み合わされる。例えば、いくつかの態様において、濃縮CD4+T細胞の組成物は、濃縮CD8+T細胞の組成物と組み合わされて、濃縮CD4+およびCD8+T細胞の単一の組成物になる。一部の特定の態様において、創製された別個の組成物は、例えば、単一の対象から取得、収集、および/または採取された同じ生物学的試料などの、同じ生物学的試料から最初に単離、選択および/または濃縮された。いくつかの態様において、別個の組成物は、アウトプット組成物を生成するためのプロセス、例えば提供される方法に関連するプロセスの1つまたは複数の工程または段階のために別々に加工処理される。いくつかの態様において、別個の組成物は、アウトプット組成物を生成するためのプロセスの任意の工程または段階の前、その間、またはその後に、単一の組成物に組み合わされ得る。したがって、いくつかの態様において、同じ生物学的試料からの濃縮T細胞の別個のインプット、刺激、操作、培養、製剤化、および/または採取された組成物が単一の組成物に組み合わされ、一部の特定の態様では、単一の組成物としてさらに加工処理される。一部の特定の態様において、濃縮細胞の別個のアウトプット組成物は、細胞を対象に投与する前に単一のアウトプット組成物に組み合わされる。
【0077】
一部の特定の態様において、プロセスの任意の段階または工程で、細胞の一部をサンプリングまたは収集してもよく、例えば単離、インキュベーション、操作、培養、および/または製剤化の間などの組成物が閉鎖系に留まっている間に、細胞を濃縮T細胞の組成物から採取し得る。一部の特定の態様において、かかる細胞は、生存能力、アポトーシス、活性化、刺激、成長、および/または消耗を含むがこれらに限定されるわけではないマーカー、特徴、または特性について分析され得る。いくつかの態様において、細胞は、濃縮T細胞の組成物が閉鎖系に留まっている間に、自動化プロセスによってサンプリングまたは収集される。いくつかの態様において、サンプリングまたは収集された細胞の分析は自動化されている。特定の態様において、分析は、無菌条件下で、閉鎖系で行われる。
【0078】
いくつかの態様において、提供される方法によって作製および/または加工処理される細胞または細胞の組成物は、例示的および/または代替的プロセスによって加工処理または作製される細胞または細胞の組成物と比較され得る。いくつかの態様において、代替的および/または例示的プロセスは、1つまたは複数の特定の局面において異なり得るが、さもなければ比較される提供される方法の態様または局面の類似または同じ特徴、局面、工程、段階、試薬、および/または条件を含む。例えば、提供される方法が試薬の存在下で細胞をインキュベートすることに関連して使用される場合、かかる細胞は、例示的および/または代替的プロセスにおいて試薬とともにインキュベートされない細胞と比較され得る。いくつかの態様において、別段の指定がない限り、提供される方法ならびに例示的および/または代替的プロセスは、単離、選択、濃縮、活性化、刺激、操作、トランスフェクション、形質導入、培養、および/または製剤化のための類似または同一の工程を用いるなどの、他の点では類似および/または同一である。いくつかの態様において、別段の指定がない限り、提供される方法および代替的プロセスは、同じまたは類似の種類の生物学的試料から細胞を単離、選択、および/もしくは濃縮し、ならびに/または同じ細胞型の細胞および/もしくはインプット細胞を加工処理する。
【0079】
薬学的組成物および製剤を含む方法によって調製された細胞および組成物、ならびに方法を実施するためのキット、システム、およびデバイスも提供される。また、養子細胞療法のための方法などの治療法を含む、細胞の使用のための方法および該方法によって調製される組成物、ならびに対象への投与のための薬学的組成物も提供される。
【0080】
A.試料および細胞の調製
特定の態様において、提供される方法は、濃縮された細胞、例えばT細胞の1つまたは複数のインプット組成物を生成するために生物学的試料から細胞を単離、選択、および/または濃縮することに関連して使用される。いくつかの態様において、提供される方法は、特定の疾患もしくは病態を有する対象、または細胞療法を必要とするもしくは細胞療法が投与される対象などの対象から得られるまたは由来するものなどの、生物学的試料からの細胞またはその組成物の単離を含む。いくつかの局面において、対象は、細胞が単離、加工処理、および/または操作されている養子細胞療法などの特定の治療的介入を必要とする患者である対象などのヒトである。したがって、いくつかの態様における細胞は初代細胞、例えば初代ヒト細胞である。試料は、対象から直接採取された組織、体液、および他の試料を含む。生物学的試料は、生物学的供給源から直接得られた試料または加工処理される試料であり得る。生物学的試料は、血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗などの体液、組織および器官試料に由来する加工処理された試料を含む組織および器官試料を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0081】
いくつかの局面において、試料は、血液もしくは血液由来の試料であるか、またはアフェレーシスもしくは白血球アフェレーシス産物であるかもしくはそれに由来する。例示的な試料としては、全血、末梢血単核細胞(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、腸管関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、脾臓、他のリンパ組織、肝臓、肺、胃、腸、結腸、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、子宮頸、精巣、卵巣、扁桃腺、もしくは他の器官、および/またはそれに由来する細胞が挙げられる。試料は、細胞療法、例えば養子細胞療法の状況において、自己由来および同種異系供給源由来の試料を含む。
【0082】
いくつかの例では、対象の循環血液由来の細胞は、例えばアフェレーシスまたは白血球アフェレーシスによって得られる。試料は、いくつかの局面において、T細胞を含むリンパ球、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球、および/または血小板を含み、いくつかの局面において、赤血球および血小板以外の細胞を含む。
【0083】
いくつかの態様において、対象から収集された血球は、例えば血漿画分を除去し、その後の加工処理工程のために細胞を適切な緩衝液または培地に入れるために洗浄される。いくつかの態様において、細胞はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄される。いくつかの態様において、洗浄溶液は、カルシウムおよび/またはマグネシウムおよび/または多くのもしくはすべての二価カチオンを含まない。いくつかの局面において、洗浄工程は、製造者の指示に従って半自動「フロースルー」遠心分離機(例えばCobe 2991細胞プロセッサー、Baxter)によって達成される。いくつかの局面において、洗浄工程は、製造者の指示に従って接線流濾過(TFF)によって達成される。いくつかの態様において、細胞は、洗浄後に、例えばCa++/Mg++を含まないPBSなどの様々な生体適合性緩衝液に再懸濁される。一部の特定の態様において、血球試料の成分は除去され、細胞は直接培養培地に再懸濁される。
【0084】
いくつかの態様において、調製方法は、形質導入および操作のための単離、選択および/もしくは濃縮および/もしくはインキュベーションの前もしくは後に、ならびに/または操作された細胞の培養および/もしくは採取後に、細胞を凍結する、例えば凍結保存するための工程を含む。いくつかの態様において、凍結およびその後の解凍工程は、細胞集団中の顆粒球および、ある程度まで、単球を除去する。いくつかの態様において、細胞は、例えば血漿および血小板を除去するための洗浄工程の後に、凍結溶液中に懸濁される。いくつかの局面では様々な公知の凍結溶液およびパラメータのいずれかを使用し得る。いくつかの態様において、細胞は、例えば、最終濃度が12.5%もしくは約12.5%、12.0%もしくは約12.0%、11.5%もしくは約11.5%、11.0%もしくは約11.0%、10.5%もしくは約10.5%、10.0%もしくは約10.0%、9.5%もしくは約9.5%、9.0%もしくは約9.0%、8.5%もしくは約8.5%、8.0%もしくは約8.0%、7.5%もしくは約7.5%、7.0%もしくは約7.0%、6.5%もしくは約6.5%、6.0%もしくは約6.0%、5.5%もしくは約5.5%、または5.0%もしくは約5.0%DMSO、あるいは1%~15%、6%~12%、5%~10%、または6%~8%DMSOである培地および/または溶液中で凍結、例えばクライオ凍結または凍結保存される。特定の態様において、細胞は、例えば、最終濃度が5.0%もしくは約5.0%、4.5%もしくは約4.5%、4.0%もしくは約4.0%、3.5%もしくは約3.5%、3.0%もしくは約3.0%、2.5%もしくは約2.5%、2.0%もしくは約2.0%、1.5%もしくは約1.5%、1.25%もしくは約1.25%、1.0%もしくは約1.0%、0.75%もしくは約0.75%、0.5%もしくは約0.5%、または0.25%もしくは約0.25%HSA、あるいは0.1%~-5%、0.25%~4%、0.5%~2%、または1%~2%HSAである培地および/または溶液中で凍結、例えばクライオ凍結または凍結保存される。一例は、20%DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBS、または他の適切な細胞凍結培地を使用することを含む。次にこれを培地で1:1に希釈して、DMSOおよびHSAの最終濃度がそれぞれ10%および4%になるようにする。次いで細胞を一般に毎分1°または約1°の速度で-80℃または約-80℃に凍結し、液体窒素貯蔵タンクの蒸気相で保存する。
【0085】
いくつかの態様において、細胞または集団の単離は、1つまたは複数の調製および/または非親和性ベースの細胞分離工程を含む。いくつかの例では、細胞は、例えば不要な成分を除去する、所望の成分を濃縮する、特定の試薬に感受性の細胞を溶解または除去するために、洗浄、遠心分離、および/または1つもしくは複数の試薬の存在下でインキュベートされる。いくつかの例では、細胞は、密度、付着特性、サイズ、感受性、および/または特定の成分に対する耐性などの1つまたは複数の特性に基づいて分離される。いくつかの態様において、方法は、密度に基づく細胞分離方法、例えば赤血球を溶解することによる末梢血からの白血球の調製、およびパーコールまたはフィコール勾配による遠心分離を含む。
【0086】
いくつかの態様において、選択工程の少なくとも一部は、細胞と選択試薬とのインキュベーションを含む。例えば、表面マーカー、例えば表面タンパク質、細胞内マーカー、または核酸などの1つまたは複数の特定の分子の細胞内または細胞上の発現または存在に基づいて1つまたは複数の異なる細胞型を選択するために、1つまたは複数の選択試薬を使用して行われ得る選択方法の一部としての、1つまたは複数の選択試薬とのインキュベーション。いくつかの態様において、かかるマーカーに基づく分離のための1つまたは複数の選択試薬を使用する任意の公知の方法を使用し得る。いくつかの態様において、1つまたは複数の選択試薬は、親和性または免疫親和性に基づく分離である分離をもたらす。例えば、いくつかの局面における選択は、細胞の発現または1つもしくは複数のマーカー、典型的には細胞表面マーカーの発現レベルに基づく細胞および細胞集団の分離のための1つまたは複数の試薬とのインキュベーション、例えばかかるマーカーに特異的に結合する抗体または結合パートナーとのインキュベーション、続いて一般に、洗浄工程および抗体または結合パートナーに結合していない細胞からの抗体または結合パートナーに結合した細胞の分離によるものを含む。
【0087】
かかるプロセスのいくつかの局面において、一定の体積の細胞が一定の量の所望の親和性に基づく選択試薬と混合される。免疫親和性に基づく選択は、分離される細胞と細胞上のマーカーに特異的に結合する分子、例えば固体表面、例えば粒子上の抗体または他の結合パートナーとの間に有利なエネルギー相互作用をもたらす任意のシステムまたは方法を使用して実施することができる。いくつかの態様において、方法は、細胞のマーカーに特異的な選択剤(例えば抗体)で被覆されたビーズ、例えば磁気ビーズなどの粒子を使用して行われる。粒子(例えばビーズ)は、エネルギー的に有利な相互作用を促進するのに役立つ一定な細胞密度対粒子(例えばビーズ)比で、振とうまたは混合しながら、チューブまたはバッグなどの容器内で細胞とインキュベートまたは混合され得る。他の場合には、方法は、選択のすべてまたは一部が遠心チャンバーの内部キャビティで、例えば遠心回転下で行われる細胞の選択を含む。いくつかの態様において、免疫親和性に基づく選択試薬などの選択試薬との細胞のインキュベーションは、遠心チャンバー内で行われる。一部の特定の態様において、単離または分離は、国際公開公報第2009/072003号、または米国特許出願第20110003380A1号に記載されているシステム、デバイス、または装置を使用して実施される。一例では、システムは、国際公開公報第2016/073602号に記載されているシステムである。
【0088】
いくつかの態様において、遠心チャンバーのキャビティでかかる選択工程またはその一部(例えば抗体被覆粒子、例えば磁気ビーズとのインキュベーション)を行うことにより、ユーザは、様々な溶液の容量、加工処理中の溶液の添加およびそのタイミングなどの特定のパラメータを制御することができ、これは他の利用可能な方法と比較して利点を提供し得る。例えば、インキュベーション中にキャビティ内の液体容量を減少させる能力は、選択に使用される粒子(例えばビーズ試薬)の濃度を高めることができ、したがってキャビティ内の総細胞数に影響を及ぼすことなく溶液の化学的潜在能を高めることができる。これは次に、加工処理されている細胞と選択に使用される粒子間の対相互作用を増強することができる。いくつかの態様において、例えば本明細書に記載のシステム、回路、および制御に関連する場合、チャンバー内でインキュベーション工程を実施することは、インキュベーション中にユーザが所望の時間(1つまたは複数)に溶液の撹拌を実施することを可能にし、これも相互作用を改善することができる。
【0089】
いくつかの態様において、細胞を選択試薬とともにインキュベートすることを含む、選択工程の少なくとも一部は、遠心チャンバー内で行われる。かかるプロセスのいくつかの局面において、一定の体積の細胞は、製造者の指示に従って同じ数の細胞および/または同じ体積の細胞の選択のためにチューブまたは容器において同様の選択を行う場合に通常使用されるよりもはるかに少ない量の、所望の親和性に基づく選択試薬と混合される。いくつかの態様において、製造者の指示に従った同じ数の細胞および/または同じ体積の細胞のチューブまたは容器ベースのインキュベーションにおいて細胞の選択に使用される同じ選択試薬(1つまたは複数)の量の5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、25%以下、50%以下、60%以下、70%以下、または80%以下の1つまたは複数の選択試薬の量が使用される。
【0090】
いくつかの態様において、細胞の選択、例えば免疫親和性に基づく選択のために、細胞は、抗体などの、任意でポリマーまたは表面などの足場、例えばビーズ、例えば磁気ビーズ、例えばCD4およびCD8に特異的なモノクローナル抗体に結合した磁気ビーズに結合した、濃縮するおよび/または枯渇させることを所望する細胞上の表面マーカーに特異的に結合するが、組成物中の他の細胞上の表面マーカーには特異的に結合しない分子などの、選択試薬とともに選択緩衝液も含む組成物中で、チャンバーのキャビティ内でインキュベートされる。いくつかの態様において、記載されているように、選択試薬は、振とうまたは回転しながらチューブ内で選択を行う場合に、同じ数の細胞または同じ体積の細胞の選択についてほぼ同じまたは同様の効率を達成するために典型的に使用されるまたは必要となる選択試薬の量と比較して、実質的により少ない量(例えば5%以下、10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下または80%以下の量)でチャンバーのキャビティ内の細胞に添加される。いくつかの態様において、インキュベーションは、細胞および選択試薬への選択緩衝液の添加を用いて行われ、例えば10mL~200mL、例えば少なくとも10mLもしくは少なくとも約10mLもしくは約10mL、少なくとも20mLもしくは少なくとも約20mLもしくは約20mL、少なくとも30mLもしくは少なくとも約30mLもしくは約30mL、少なくとも40mLもしくは少なくとも約40mLもしくは約40mL、少なくとも50mLもしくは少なくとも約50mLもしくは約50mL、少なくとも60mLもしくは少なくとも約60mLもしくは約60mL、少なくとも70mLもしくは少なくとも約70mLもしくは約70mL、少なくとも80mLもしくは少なくとも約80mLもしくは約80mL、少なくとも90mLもしくは少なくとも約90mLもしくは約90mL、少なくとも100mLもしくは少なくとも約100mLもしくは約100mL、少なくとも150mLもしくは少なくとも約150mLもしくは約150mL、または少なくとも200mLもしくは少なくとも約200mLもしくは約200mLの試薬のインキュベーションで標的体積を達成する。いくつかの態様において、選択緩衝液および選択試薬は、細胞に添加する前にあらかじめ混合される。いくつかの態様において、選択緩衝液および選択試薬は、細胞に別々に添加される。いくつかの態様において、選択インキュベーションは、周期的な穏やかな混合条件で行われ、これは、エネルギー的に有利な相互作用を促進するのに役立ち、それにより、高い選択効率を達成しながらより少ない全体的な選択試薬の使用を可能にすることができる。
【0091】
いくつかの態様において、選択試薬とのインキュベーションの総持続時間は、5分~6時間または約5分から約6時間、例えば30分~3時間、例えば少なくとも30分もしくは少なくとも約30分、少なくとも60分もしくは少なくとも約60分、少なくとも120分もしくは少なくとも約120分、または少なくとも180分もしくは少なくとも約180分である。
【0092】
いくつかの態様において、インキュベーションは一般に、混合条件下で、例えば一般に比較的低い力または速度、例えば細胞をペレット化するために使用される速度よりも低い速度、例えば600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpm(例えば600rpmもしくは約600rpmもしくは少なくとも600rpm、1000rpmもしくは約1000rpmもしくは少なくとも1000rpm、または1500rpmもしくは約1500rpmもしくは少なくとも1500rpm、または1700rpmもしくは約1700rpmもしくは少なくとも1700rpm)、例えば80g~100gまたは約80g~約100g(例えば80gもしくは約80gもしくは少なくとも80g、85gもしくは約85gもしくは少なくとも85g、90gもしくは約90gもしくは少なくとも90g、95gもしくは約95gもしくは少なくとも95g、または100gもしくは約100gもしくは少なくとも100g)のチャンバーまたは他の容器の試料または壁におけるRCFでのスピンの存在下で行われる。いくつかの態様において、スピンは、かかる低い速度でのスピンとそれに続く休止期間、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10秒間のスピンおよび/または休止、例えば約1または2秒間のスピンとそれに続く約5、約6、約7、または約8秒間の休止という間隔の繰り返しを用いて行われる。
【0093】
いくつかの態様において、かかるプロセスは、チャンバーが一体化されている完全に閉鎖されたシステム内で実施される。いくつかの態様において、このプロセス(およびいくつかの局面では、アフェレーシス試料などの細胞を含有する試料を洗浄する先の洗浄工程などの1つまたは複数の追加の工程も)は、自動化されたプログラムを使用して単一の閉鎖系内で洗浄および結合工程を完了するために、細胞、試薬、および他の構成要素が適切な時間にチャンバーに引き込まれ、チャンバーから押し出され、遠心分離が行われるように、自動化された方式で実施される。
【0094】
いくつかの態様において、細胞と1つおよび/または複数の選択試薬のインキュベーションおよび/または混合の後、インキュベートされた細胞は、特定の1つまたは複数の試薬の存在の有無に基づいて細胞を選択するために分離に供される。いくつかの態様において、分離は、選択試薬との細胞のインキュベーションが行われたのと同じ閉鎖系内で行われる。いくつかの態様において、選択試薬とのインキュベーション後、選択試薬が結合した細胞を含むインキュベートされた細胞は、細胞の免疫親和性に基づく分離のためのシステムに移される。いくつかの態様において、免疫親和性に基づく分離のためのシステムは、磁気分離カラムであるか、または磁気分離カラムを含む。
【0095】
かかる分離工程は、試薬、例えば抗体もしくは結合パートナーに結合した細胞がさらなる使用のために保持される陽性選択、および/または試薬、例えば抗体もしくは結合パートナーに結合していない細胞が保持される陰性選択に基づき得る。いくつかの例では、両方の画分がさらなる使用のために保持される。いくつかの局面において、陰性選択は、不均一集団において細胞型を特異的に同定する抗体が利用可能でない場合に特に有用であり得、そのため分離は、所望の集団以外の細胞によって発現されるマーカーに基づいて最も良好に行われる。
【0096】
いくつかの態様において、プロセス工程は、親和性に基づく選択を実施することができるシステムまたは装置を使用することなどの、インキュベートされた細胞の陰性および/または陽性選択をさらに含む。いくつかの態様において、単離は、陽性選択による特定の細胞集団の濃縮、または陰性選択による特定の細胞集団の枯渇によって行われる。いくつかの態様において、陽性または陰性選択は、それぞれ陽性または陰性選択された細胞上に発現される(マーカー+)または比較的高いレベルで発現される(マーカー)1つまたは複数の表面マーカーに特異的に結合する1つまたは複数の抗体または他の結合剤とともに細胞をインキュベートすることによって達成される。同じ選択工程、例えば陽性または陰性選択工程を複数回行うことができる。一部の特定の態様において、陽性または陰性選択工程を繰り返すことなどによって選択のためのプロセスに供される陽性または陰性選択された画分。いくつかの態様において、選択は、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または9回より多く繰り返される。一部の特定の態様では、同じ選択が最大5回実施される。一部の特定の態様では、同じ選択工程が3回実施される。
【0097】
分離は、特定の細胞集団または特定のマーカーを発現する細胞の100%の濃縮または除去をもたらす必要はない。例えば、マーカーを発現する細胞などの特定の種類の細胞の陽性選択または濃縮は、かかる細胞の数またはパーセンテージを増加させることを指すが、マーカーを発現しない細胞の完全な非存在をもたらす必要はない。同様に、マーカーを発現する細胞などの特定の種類の細胞の陰性選択、除去、または枯渇は、かかる細胞の数またはパーセンテージを減少させることを指すが、かかる細胞すべての完全な除去をもたらす必要はない。
【0098】
いくつかの例では、1回の工程から陽性または陰性選択された画分が、その後の陽性または陰性選択などの別の分離工程に供される場合、複数回の分離工程が行われる。いくつかの例では、それぞれが陰性選択の標的となるマーカーに特異的な複数の抗体または結合パートナーとともに細胞をインキュベートすることなどによって、複数のマーカーを同時に発現する細胞を単一の分離工程で枯渇させることができる。同様に、様々な細胞型上に発現された複数の抗体または結合パートナーとともに細胞をインキュベートすることによって、複数の細胞型が同時に陽性選択され得る。一部の特定の態様において、1つまたは複数の分離工程が1回より多く繰り返されるおよび/または実施される。いくつかの態様において、分離工程から得られる陽性または陰性選択された画分は、陽性または陰性選択工程を繰り返すことなどによって、同じ分離工程に供される。いくつかの態様において、例えば陽性選択された細胞の収量を増加させ、陰性選択された細胞の純度を増加させ、および/または陰性選択された画分から陽性選択された細胞をさらに除去するために、単一の分離工程が1回より多く繰り返されるおよび/または実施される。一部の特定の態様において、1つまたは複数の分離工程が2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、または10回より多く実施されるおよび/または繰り返される。一部の特定の態様において、1つまたは複数の選択工程は、1回~10回、1回~5回、または3回~5回実施されるおよび/または繰り返される。一部の特定の態様において、1つまたは複数の選択工程は3回繰り返される。
【0099】
例えば、いくつかの局面において、T細胞の特定の亜集団、例えば1つまたは複数の表面マーカーに陽性であるかまたはそれを高レベルに発現する細胞、例えばCD28+、CD62L+、CCR7+、CD27+、CD127+、CD4+、CD8+、CD45RA+、および/またはCD45RO+T細胞は、陽性または陰性選択技術によって単離される。いくつかの態様において、かかる細胞は、かかるマーカーに特異的に結合する1つまたは複数の抗体または結合パートナーとのインキュベーションによって選択される。いくつかの態様において、抗体または結合パートナーを、選択を実施するための固体支持体またはマトリックス、例えば磁気ビーズまたは常磁性ビーズに、例えば直接的または間接的にコンジュゲートさせることができる。例えば、CD3+、CD28+T細胞は、CD3/CD28結合磁気ビーズ(例えばDYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expander、および/またはExpACT(登録商標)ビーズ)を使用して陽性選択することができる。
【0100】
いくつかの態様において、T細胞は、B細胞、単球、または他の白血球などの非T細胞上に発現されるマーカー、例えばCD14の陰性選択によってPBMC試料から分離される。いくつかの局面において、CD4+またはCD8+選択工程を使用してCD4+ヘルパーT細胞およびCD8+細胞傷害性T細胞を分離する。かかるCD4+およびCD8+集団は、1つまたは複数のナイーブT細胞、メモリーT細胞、および/またはエフェクターT細胞亜集団上に発現されるまたは比較的高い程度に発現されるマーカーについての陽性または陰性選択によって、亜集団にさらに分類することができる。
【0101】
いくつかの態様において、CD8+T細胞は、それぞれの亜集団に関連する表面抗原に基づく陽性または陰性選択などによって、ナイーブ、中央メモリー、エフェクターメモリー、および/または中央メモリー幹細胞がさらに濃縮または枯渇される。いくつかの態様において、中央メモリーT(TCM)細胞の濃縮は、有効性を高めるため、例えば長期生存、拡大、および/または投与後の生着を改善するために行われ、これは、いくつかの局面ではかかる亜集団において特に堅固である。Terakura et al.,(2012)Blood.1:72-82;Wang et al.(2012)J Immunother.35(9):689-701参照。いくつかの態様において、TCMが濃縮されたCD8+T細胞とCD4+T細胞を組み合わせることは、有効性をさらに増強する。
【0102】
態様において、メモリーT細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+およびCD62L-サブセットの両方に存在する。PBMCは、抗CD8抗体および抗CD62L抗体などを使用して、CD62L-CD8+および/またはCD62L+CD8+画分を濃縮または枯渇させることができる。
【0103】
いくつかの態様において、中央メモリーT(TCM)細胞の濃縮は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、および/またはCD127の陽性または高い表面発現に基づく;いくつかの局面では、CD45RAおよび/またはグランザイムBを発現または高発現する細胞の陰性選択に基づく。いくつかの局面において、TCM細胞が濃縮されたCD8+集団の単離は、CD4、CD14、CD45RAを発現する細胞の枯渇、およびCD62Lを発現する細胞の陽性選択または濃縮によって行われる。一局面において、中央メモリーT(TCM)細胞の濃縮は、CD4発現に基づいて選択された細胞の陰性画分から出発して、これをCD14およびCD45RAの発現に基づく陰性選択、ならびにCD62Lに基づく陽性選択に供して行われる。
【0104】
いくつかの局面ではかかる選択は同時に行われ、他の局面ではいずれかの順序で連続的に行われる。いくつかの局面において、CD8+T細胞集団または亜集団を調製するのに使用されるのと同じCD4発現に基づく選択工程が、CD4+T細胞集団または亜集団を生成するためにも使用され、そのためCD4に基づく分離からの陽性および陰性画分の両方が保持され、方法のその後の工程で使用され、任意で1つまたは複数のさらなる陽性または陰性選択工程が続く。いくつかの態様において、CD4+T細胞集団の選択およびCD8+T細胞集団の選択は同時に行われる。いくつかの態様において、CD4+T細胞集団およびCD8+T細胞集団の選択は、いずれかの順序で連続的に行われる。いくつかの態様において、細胞を選択するための方法は、米国特許出願公開第20170037369号に記載されているものを含み得る。いくつかの態様において、選択後に、選択されたCD4+T細胞集団および選択されたCD8+T細胞集団を組み合わせてもよい。いくつかの局面において、選択されたCD4+T細胞集団および選択されたCD8+T細胞集団は、本明細書に記載されるようにバイオリアクターバッグ内で組み合わされてもよい。いくつかの態様において、選択されたCD4+T細胞集団および選択されたCD8+T細胞集団は別々に加工処理され、それにより選択されたCD4+T細胞集団は、CD4+T細胞が濃縮され、刺激試薬(例えば抗CD3/抗CD28磁気ビーズ)とともにインキュベートされ、組換えタンパク質(例えばCAR)をコードするウイルスベクターで形質導入され、T細胞を拡大する条件下で培養され、および選択されたCD8+T細胞集団は、CD8+T細胞が濃縮され、刺激試薬(例えば抗CD3/抗-CD28磁気ビーズ)とともにインキュベートされ、同じドナーからのCD4+T細胞の操作の場合と同じ組換えタンパク質などの組換えタンパク質(例えばCAR)をコードするウイルスベクターで形質導入され、提供される方法に従うなどのT細胞を拡大する条件下で培養される。
【0105】
特定の態様において、生物学的試料、例えばPBMCまたは他の白血球の試料は、陰性画分および陽性画分の両方が保持されるCD4+T細胞の選択に供される。一部の特定の態様において、CD8+T細胞は陰性画分から選択される。いくつかの態様において、生物学的試料は、陰性画分および陽性画分の両方が保持されるCD8+T細胞の選択に供される。一部の特定の態様において、CD4+T細胞は陰性画分から選択される。
【0106】
特定の例では、PBMCの試料または他の白血球試料は、陰性画分および陽性画分の両方が保持されるCD4+T細胞の選択に供される。次いで、陰性画分は、CD14およびCD45RAまたはCD19の発現に基づく陰性選択、ならびにCD62LまたはCCR7などの中央メモリーT細胞に特徴的なマーカーに基づく陽性選択に供され、ここで陽性選択と陰性選択はいずれの順序でも行われる。
【0107】
CD4+Tヘルパー細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を同定することによって、ナイーブ細胞、中央メモリー細胞、およびエフェクター細胞に分類され得る。CD4+リンパ球は標準的な方法によって得ることができる。いくつかの態様において、ナイーブCD4+Tリンパ球は、CD45RO-、CD45RA+、CD62L+、またはCD4+T細胞である。いくつかの態様において、中央メモリーCD4+T細胞は、CD62L+およびCD45RO+である。いくつかの態様において、エフェクターCD4+T細胞は、CD62L-およびCD45RO-である。
【0108】
一例では、陰性選択によってCD4+T細胞を濃縮するために、モノクローナル抗体カクテルは、典型的にはCD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DR、およびCD8に対する抗体を含む。いくつかの態様において、抗体または結合パートナーは、陽性および/または陰性選択のための細胞の分離を可能にする、磁気ビーズまたは常磁性ビーズなどの固体支持体またはマトリックスに結合される。例えば、いくつかの態様において、細胞および細胞集団は、免疫磁気(または親和性磁気)分離技術(Methods in Molecular Medicine,vol.58:Metastasis Research Protocols,Vol.2:Cell Behavior In Vitro and In Vivo,p 17-25 Edited by:S.A.Brooks and U.Schumacher(著作権)Humana Press Inc.,Totowa,NJに総説されている)を用いて分離または単離される。
【0109】
いくつかの局面において、分離される細胞のインキュベートされた試料または組成物は、小型の磁化可能または磁気応答性材料、例えば磁気応答性粒子または微粒子、例えば常磁性ビーズ(例えばDynalbeadsまたはMACS(登録商標)ビーズなど)を含有する選択試薬とともにインキュベートされる。磁気応答性材料、例えば粒子は、一般に、分離することを所望する、例えば陰性または陽性選択することを所望する1つまたは複数の細胞、または細胞集団上に存在する分子、例えば表面マーカーに特異的に結合する結合パートナー、例えば抗体に直接的または間接的に結合される。
【0110】
いくつかの態様において、磁性粒子またはビーズは、抗体または他の結合パートナーなどの特異的結合メンバーに結合した磁気応答性材料を含む。磁気分離法で使用するための多くの周知の磁気応答性材料、例えば参照により本明細書に組み入れられる、Moldayの米国特許第4,452,773号、および欧州特許第452342B号に記載されているものが知られている。Owenの米国特許第4,795,698号およびLibertiらの米国特許第5,200,084号に記載されているものなどのコロイドサイズの粒子も使用され得る。
【0111】
インキュベーションは、一般に、抗体もしくは結合パートナー、または磁性粒子もしくはビーズに付着している、かかる抗体もしくは結合パートナーに特異的に結合する分子、例えば二次抗体もしくは他の試薬が、試料中の細胞上に存在する場合は細胞表面分子に特異的に結合する条件下で行われる。
【0112】
一部の特定の態様において、磁気応答性粒子は、一次抗体もしくは他の結合パートナー、二次抗体、レクチン、酵素、またはストレプトアビジンで被覆される。一部の特定の態様において、磁性粒子は、1つまたは複数のマーカーに特異的な一次抗体のコーティングを介して細胞に付着される。一部の特定の態様において、ビーズではなく細胞が一次抗体または結合パートナーで標識され、次いで細胞型特異的二次抗体または他の結合パートナー(例えばストレプトアビジン)で被覆された磁性粒子が添加される。一部の特定の態様において、ストレプトアビジン被覆磁性粒子が、ビオチン化一次抗体または二次抗体と組み合わせて使用される。
【0113】
いくつかの局面において、分離は、試料を磁場に置き、磁気応答性または磁化可能粒子が付着している細胞を磁石に引き付け、非標識細胞から分離する手順で達成される。陽性選択の場合は、磁石に引き付けられる細胞が保持され、陰性選択の場合は、引き付けられない細胞(非標識細胞)が保持される。いくつかの局面において、陽性選択と陰性選択の組合せは同じ選択工程中に行われ、その場合は陽性画分と陰性画分が保持され、さらに加工処理されるかまたはさらなる分離工程に供される。
【0114】
いくつかの態様において、親和性に基づく選択は、磁気活性化細胞選別(MACS)(Miltenyi Biotech,Auburn,CA)による。磁気活性化細胞選別(MACS)、例えばCliniMACSシステムは、磁化された粒子が付着した細胞の高純度の選択が可能である。一部の特定の態様において、MACSは、外部磁場の印加後に非標的種と標的種が連続的に溶出されるモードで動作する。すなわち、磁化粒子に付着した細胞は、付着していない種が溶出される間、適所に保持される。次に、この最初の溶出工程が完了した後、磁場に捕捉されて溶出が妨げられていた種は、それらが溶出され、回収され得るように何らかの方法で遊離される。一部の特定の態様において、非標的細胞は標識され、細胞の不均一な集団から除去される。
【0115】
いくつかの態様において、磁気応答性粒子は、その後インキュベート、培養および/または操作されることになる細胞に付着したままであり、いくつかの局面において、粒子は、患者に投与するための細胞に付着したままである。いくつかの態様において、磁化可能粒子または磁気応答性粒子は細胞から除去される。細胞から磁化可能粒子を除去する方法は公知であり、例えば競合する非標識抗体、磁化可能粒子または切断可能なリンカーにコンジュゲートされた抗体などの使用を含む。いくつかの態様において、磁化可能粒子は生分解性である。
【0116】
いくつかの態様において、単離および/または選択は、濃縮されたT細胞、例えばCD3+T細胞、CD4+T細胞、および/またはCD8+T細胞の1つまたは複数のインプット組成物をもたらす。いくつかの態様において、2つまたはそれより多くの別個のインプット組成物が、単一の生物学的試料から単離、選択、濃縮、または取得される。いくつかの態様において、別々のインプット組成物は、同じ対象から収集、採取、および/または取得された別々の生物学的試料から単離、選択、濃縮、および/または取得される。
【0117】
一部の特定の態様において、1つまたは複数のインプット組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、もしくは100%もしくは約100%のCD3+T細胞を含む濃縮T細胞の組成物であるか、またはそれを含む。特定の態様において、濃縮T細胞のインプット組成物は、本質的にCD3+T細胞からなる。
【0118】
一部の特定の態様において、1つまたは複数のインプット組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、もしくは100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む濃縮CD4+T細胞の組成物であるか、またはそれを含む。一部の特定の態様において、CD4+T細胞のインプット組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD8+T細胞を含む、および/またはCD8+T細胞を含まない、および/またはCD8+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、本質的にCD4+T細胞からなる。
【0119】
一部の特定の態様において、1つまたは複数の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、もしくは100%もしくは約100%のCD8+T細胞であるかまたはそれを含む、CD8+T細胞の組成物であるか、またはそれを含む。一部の特定の態様において、CD8+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD4+T細胞を含む、および/またはCD4+T細胞を含まない、および/またはCD4+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。いくつかの態様において、濃縮されたT細胞の組成物は、本質的にCD8+T細胞からなる。
【0120】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の1つまたは複数のインプット組成物は、単離、選択、および/または濃縮後に、凍結、例えば凍結保存および/またはクライオ凍結される。いくつかの態様において、1つまたは複数のインプット組成物は、細胞の組成物のインキュベーション、活性化、刺激、操作、形質導入、トランスフェクション、培養、拡大、採取、および/または製剤化のいずれかの工程の前に、凍結、例えば凍結保存および/またはクライオ凍結される。特定の態様において、1つまたは複数のクライオ凍結されたインプット組成物は、例えば-80℃または約-80℃で、12時間~7日間、24時間~120時間、または2日~5日間保存される。特定の態様において、1つまたは複数のクライオ凍結されたインプット組成物は、-80℃または約-80℃で、10日未満、9日未満、8日未満、7日未満、6日未満、または5日未満、4日未満、3日未満、2日未満、または1日未満の期間保存される。いくつかの態様において、1つまたは複数のクライオ凍結されたインプット組成物は、-80℃または約-80℃で、1日間もしくは約1日間、2日間もしくは約2日間、3日間もしくは約3日間、4日間もしくは約4日間、5日間もしくは約5日間、または6日間もしくは約6日間保存される。
【0121】
B.細胞の活性化および刺激
いくつかの態様において、提供される方法は、刺激条件下で細胞をインキュベートすることに関連して使用される。いくつかの態様において、刺激条件は、TCRおよび/または共受容体から生成されるシグナルなどの、細胞、例えばCD4+T細胞またはCD8+T細胞におけるシグナルを活性化もしくは刺激する、および/または活性化もしくは刺激することができる条件を含む。いくつかの態様において、刺激条件は、刺激試薬、例えば細胞におけるシグナルを活性化もしくは刺激する、および/または活性化もしくは刺激することができる試薬とともにおよび/またはその存在下で細胞を培養(culturing)、培養(cultivating)、インキュベート、活性化、増殖する1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様において、刺激試薬は、TCRおよび/または共受容体を刺激および/または活性化する。特定の態様において、刺激試薬は、セクションI-B-1に記載されている試薬である。
【0122】
一部の特定の態様において、濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物は、細胞を遺伝子操作する前に、例えばセクションI-Cで提供される技術などによって細胞をトランスフェクトおよび/または形質導入する前に、刺激条件下でインキュベートされる。特定の態様において、濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物は、1つまたは複数の組成物が生物学的試料から単離、選択、濃縮、または取得された後に、刺激条件下でインキュベートされる。特定の態様において、1つまたは複数の組成物はインプット組成物である。特定の態様において、1つまたは複数のインプット組成物は、あらかじめクライオ凍結され、保存されており、インキュベーションの前に解凍される。
【0123】
一部の特定の態様において、濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物は、濃縮T細胞の2つの別個の組成物、例えば別個のインプット組成物であるか、またはそれを含む。特定の態様において、濃縮T細胞の2つの別個の組成物、例えば同じ生物学的試料から選択、単離、および/または濃縮された濃縮T細胞の2つの別個の組成物は、刺激条件下で別々にインキュベートされる。一部の特定の態様において、2つの別個の組成物は、濃縮CD4+T細胞の組成物を含む。特定の態様において、2つの別個の組成物は、濃縮CD8+T細胞の組成物を含む。いくつかの態様において、濃縮CD4+T細胞および濃縮CD8+T細胞の2つの別個の組成物は、刺激条件下で別々にインキュベートされる。
【0124】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の単一の組成物が刺激条件下でインキュベートされる。一部の特定の態様において、単一の組成物は、濃縮CD4+T細胞の組成物である。いくつかの態様において、単一の組成物は、インキュベーションの前に別個の組成物から組み合わされた濃縮CD4+およびCD8+T細胞の組成物である。
【0125】
いくつかの態様において、刺激条件下でインキュベートされる濃縮CD4+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む。一部の特定の態様において、刺激条件下でインキュベートされる濃縮CD4+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD8+T細胞を含む、および/またはCD8+T細胞を含まない、および/またはCD8+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0126】
いくつかの態様において、刺激条件下でインキュベートされる濃縮CD8+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。一部の特定の態様において、刺激条件下でインキュベートされる濃縮CD8+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD4+T細胞を含む、および/またはCD4+T細胞を含まない、および/またはCD4+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0127】
いくつかの態様において、濃縮CD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、単一の組成物に組み合わされ、刺激条件下でインキュベートされる。一部の特定の態様において、濃縮CD4+および濃縮CD8+T細胞の別個の刺激された組成物は、インキュベーションが行われたおよび/または完了した後に単一の組成物に組み合わされる。いくつかの態様において、刺激されたCD4+および刺激されたCD8+T細胞の別個の刺激された組成物は、インキュベーションが行われたおよび/または完了した後に別々に加工処理され、それにより刺激されたCD4+T細胞集団(例えば刺激性抗CD3/抗CD28磁気ビーズ刺激試薬とともにインキュベートされた)は、組換えタンパク質(例えばCAR)をコードするウイルスベクターで形質導入され、T細胞を拡大する条件下で培養され、刺激されたCD8+T細胞集団(例えば刺激性抗CD3/抗CD28磁気ビーズ刺激試薬とともにインキュベートされた)は、同じドナーからのCD4+T細胞の操作の場合と同じ組換えタンパク質などの組換えタンパク質(例えばCAR)をコードするウイルスベクターで形質導入され、提供される方法に従うなどのT細胞を拡大する条件下で培養される。
【0128】
いくつかの態様において、刺激条件下でのインキュベーションは、刺激条件、例えば集団における細胞の増殖、拡大、活性化、および/もしくは生存を誘導する、抗原曝露を模倣する、ならびに/または組換え抗原受容体の導入などの遺伝子操作のために細胞をプライミングするように設計された条件の存在下でのインキュベーションによるものを含む、培養(culture)、培養(cultivation)、刺激、活性化、増殖を含み得る。特定の態様において、刺激条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、および細胞を活性化するように設計された他の任意の剤の1つまたは複数を含み得る。
【0129】
いくつかの局面において、刺激条件下での刺激および/またはインキュベーションは、Riddellらの米国特許第6,040,177号、Klebanoff et al.(2012)J Immunother.35(9):651-660、Terakura et al.(2012)Blood.1:72-82、および/またはWang et al.(2012)J Immunother.35(9):689-701に記載されているような技術に従って行われる。
【0130】
いくつかの態様において、細胞、例えばT細胞、細胞の組成物、ならびに/あるいはCD4およびCD8T細胞またはその組成物、集団、もしくは亜集団などの細胞集団は、培養開始組成物に非分裂末梢血単核細胞(PBMC)などのフィーダ細胞を添加すること(例えば、得られる細胞の集団が、拡大される初期集団中の各Tリンパ球につき少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約20、または少なくとも約40またはそれより多くのPBMCフィーダ細胞を含むように)、および培養物をインキュベートすること(例えばT細胞の数を拡大するのに十分な時間)によって拡大される。いくつかの局面において、非分裂フィーダ細胞は、γ線照射PBMCフィーダ細胞を含み得る。いくつかの態様において、PBMCは、細胞分裂を防ぐために約3000~3600ラドの範囲のγ線を照射される。いくつかの局面において、フィーダ細胞は、T細胞集団の添加の前に培地に添加される。
【0131】
いくつかの態様において、刺激条件は、ヒトTリンパ球の増殖に適した温度、例えば少なくとも約25℃、一般に少なくとも約30℃、一般に37℃または約37℃を含む。いくつかの態様において、培養中に、温度シフト、例えば37℃から35℃への温度シフトが行われる。任意で、インキュベーションは、非分裂EBV形質転換リンパ芽球様細胞(LCL)をフィーダ細胞として添加することをさらに含み得る。LCLは、約6000~10,000ラドの範囲のγ線で照射することができる。いくつかの局面におけるLCLフィーダ細胞は、少なくとも約10:1のLCLフィーダ細胞対初期Tリンパ球比などの、任意の適切な量で提供される。
【0132】
態様において、抗原特異的であるCD4およびCD8の集団は、ナイーブまたは抗原特異的Tリンパ球を抗原で刺激することによって得ることができる。例えば、サイトメガロウイルス抗原に対する抗原特異的T細胞株またはクローンは、感染した対象からT細胞を単離し、同じ抗原で細胞をインビトロで刺激することによって生成することができる。ナイーブT細胞も使用し得る。
【0133】
特定の態様において、刺激条件は、細胞を刺激試薬とともにインキュベート、培養(culturing)、および/または培養(cultivating)することを含む。特定の態様において、刺激試薬は、セクションI-B-1に記載されている試薬である。一部の特定の態様において、刺激試薬はビーズを含むかまたは含有する。例示的な刺激試薬は、抗CD3/抗CD28磁気ビーズであるか、または抗CD3/抗CD28磁気ビーズを含む。一部の特定の態様において、刺激条件下での細胞のインキュベーション、培養(culturing)、および/または培養(cultivating)の出発および/または開始は、細胞が刺激試薬と接触するときおよび/または刺激試薬とともにインキュベートされるときに起こる。特定の態様において、細胞は、細胞を遺伝子操作する、例えば形質導入またはトランスフェクションなどによって組換えポリヌクレオチドを細胞に導入する前、その間、および/またはその後にインキュベートされる。
【0134】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、刺激試薬および/またはビーズ、例えば抗CD3/抗CD28磁気ビーズ対細胞の3:1もしくは約3:1、2.5:1もしくは約2.5:1、2:1もしくは約2:1、1.5:1もしくは約1.5:1、1.25:1もしくは約1.25:1、1.2:1もしくは約1.2:1、1.1:1もしくは約1.1:1、1:1もしくは約1:1、0.9:1もしくは約0.9:1、0.8:1もしくは約0.8:1、0.75:1もしくは約0.75:1、0.67:1もしくは約0.67:1、0.5:1もしくは約0.5:1、0.3:1もしくは約0.3:1、または0.2:1もしくは約0.2:1の比率でインキュベートされる。特定の態様において、刺激試薬および/またはビーズ対細胞の比率は、2.5:1~0.2:1、2:1~0.5:1、1.5:1~0.75:1、1.25:1~0.8:1、1.1:1~0.9:1である。特定の態様において、刺激試薬対細胞の比率は、約1:1または1:1である。
【0135】
特定の態様において、3:1未満の比率または細胞あたり3未満の刺激試薬、例えば抗CD3/抗CD28磁気ビーズで、例えば1:1の比率で細胞をインキュベートすることは、例えば活性化誘導性細胞死などによる、インキュベーション中に起こる細胞死の量を低減する。いくつかの態様において、細胞は、刺激試薬、例えば抗CD3/抗CD28磁気ビーズとともに、3未満のビーズ対細胞比(または3:1または細胞あたり3未満のビーズ)でインキュベートされる。特定の態様において、3:1未満の比率または細胞あたり3未満のビーズ、例えば1:1の比率で細胞をインキュベートすることは、例えば活性化誘導性細胞死などによる、インキュベーション中に起こる細胞死の量を低減する。
【0136】
特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、刺激試薬、例えば抗CD3/抗CD28磁気ビーズとともに、細胞あたり3:1未満の刺激試薬および/またはビーズの比率、例えば1:1の比率でインキュベートされ、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%のT細胞が、インキュベーションが完了した後1日間もしくは少なくとも1日間、2日間もしくは少なくとも2日間、3日間もしくは少なくとも3日間、4日間もしくは少なくとも4日間、5日間もしくは少なくとも5日間、6日間もしくは少なくとも6日間、7日間もしくは少なくとも7日間、または7日間を超えて生存する、例えば生存可能である、および/または壊死、プログラムされた細胞死、もしくはアポトーシスを受けない。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、細胞あたり3:1未満の刺激試薬および/またはビーズの比率、例えば1:1の比率で刺激試薬とともにインキュベートされ、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満の細胞が、インキュベーション中に活性化誘導性細胞死を受ける。
【0137】
一部の特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、刺激試薬、例えば抗CD3/抗CD28磁気ビーズとともに、細胞あたり3:1未満のビーズの比率、例えば1:1の比率でインキュベートされ、組成物の細胞は、濃縮T細胞の組成物が3:1またはより大きい比率で刺激試薬とともにインキュベートされる例示的および/または代替的プロセスを受ける細胞と比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍大きい生存率を有する。
【0138】
いくつかの態様において、刺激試薬とともにインキュベートされる濃縮T細胞の組成物は、1.0×105細胞/mL~1.0×108細胞/mLまたは約1.0×105細胞/mL~約1.0×108細胞/mL、例えば少なくとも1.0×105細胞/mLもしくは少なくとも約1.0×105細胞/mLもしくは約1.0×105細胞/mL、少なくとも5×105細胞/mLもしくは少なくとも約5×105細胞/mLもしくは約5×105細胞/mL、少なくとも1×106細胞/mLもしくは少なくとも約1×106細胞/mLもしくは約1×106細胞/mL、少なくとも5×106細胞/mLもしくは少なくとも約5×106細胞/mLもしくは約5×106細胞/mL、少なくとも1×107細胞/mLもしくは少なくとも約1×107細胞/mLもしくは約1×107細胞/mL、少なくとも5×107細胞/mLもしくは少なくとも約5×107細胞/mLもしくは約5×107細胞/mL、または少なくとも1×108細胞/mLもしくは少なくとも約1×108細胞/mLもしくは約1×108細胞/mLを含む。いくつかの態様において、刺激性試薬とともにインキュベートされる濃縮T細胞の組成物は、約0.5×106細胞/mL、約1×106細胞/mL、約1.5×106細胞/mL、約2×106細胞/mL、約2.5×106細胞/mL、約3×106細胞/mL、約3.5×106細胞/mL、約4×106細胞/mL、約4.5×106細胞/mL、約5×106細胞/mL、約5.5×106細胞/mL、約6×106細胞/mL、約6.5×106細胞/mL、約7×106細胞/mL、約7.5×106細胞/mL、約8×106細胞/mL、約8.5×106細胞/mL、約9×106細胞/mL、約9.5×106細胞/mL、または約10×106細胞/mL、例えば約2.4×106細胞/mLを含む。
【0139】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、約25~約38℃、例えば約30~約37℃、例えば37℃±2℃または約37℃±2℃の温度で刺激試薬とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、約2.5%~約7.5%、例えば約4%~約6%、例えば5%±0.5%または約5%±0.5%のCO2レベルで刺激試薬とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、37℃もしくは約37℃の温度および/または5%もしくは約5%のCO2レベルで刺激試薬とともにインキュベートされる。
【0140】
特定の態様において、刺激条件は、1つまたは複数のサイトカインとともにおよび/またはその存在下で濃縮T細胞の組成物をインキュベート、培養(culuring)、および/または培養(cultivating)することを含む。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは組換えサイトカインである。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインはヒト組換えサイトカインである。一部の特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、T細胞によって発現されるおよび/またはT細胞に内因性である受容体に結合するおよび/または結合することができる。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、サイトカインの4-αヘリックスバンドルファミリーのメンバーであるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、サイトカインの4-αヘリックスバンドルファミリーのメンバーとしては、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン15(IL-15)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、IL-15であるか、またはIL-15を含む。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、IL-7であるか、またはIL-17を含む。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、IL-2であるか、またはIL-2を含む。いくつかの態様において、刺激条件は、記載されているように、刺激試薬、例えば抗CD3/抗CD28磁気ビーズの存在下で、および1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で、濃縮CD4+T細胞または濃縮CD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物をインキュベートすることを含む。
【0141】
特定の態様において、濃縮CD4+T細胞の組成物は、IL-2、例えば組換えIL-2とともにインキュベートされる。理論に拘束されることを望まないが、特定の態様は、一部の対象から得られたCD4+T細胞が、アウトプット細胞、例えば細胞療法での使用に適した操作された細胞の組成物を生成するプロセス全体を通じて成長、分裂、および拡大を可能にする量でIL-2を産生しない、または十分に産生しないことを企図する。いくつかの態様において、組換えIL-2の存在下に刺激条件下で濃縮CD4+T細胞の組成物をインキュベートすることは、組成物のCD4+T細胞がインキュベーション工程中およびプロセス全体を通じて生存、成長、拡大、および/または活性化し続ける確率または可能性を高める。いくつかの態様において、組換えIL-2の存在下で濃縮CD4+T細胞の組成物をインキュベートすることは、組換えIL-2の存在下で濃縮CD4+T細胞の組成物をインキュベートしない代替的および/または例示的方法と比較して、濃縮CD4+T細胞、例えば細胞療法に適した操作されたCD4+T細胞のアウトプット組成物が濃縮CD4+T細胞の組成物から作製される確率および/または可能性を、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍高める。
【0142】
一部の特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインの量または濃度は、国際単位(IU)で測定および/または定量化される。国際単位は、ビタミン、ホルモン、サイトカイン、ワクチン、血液製剤、および類似の生物活性物質を定量化するために使用し得る。いくつかの態様において、IUは、特定の重量および強度の国際参照標準、例えばWHOの1st International Standard for Human IL-2、86/504との比較による生物学的製剤の効力の測定単位であるか、またはそれを含む。国際単位は、国際的な共同研究の成果から公開され、導かれる生物活性単位を報告するための唯一の認識され、標準化された方法である。特定の態様において、サイトカインの組成物、試料、または供給源のIUは、類似のWHO標準品を用いた製品比較試験によって得られ得る。例えば、いくつかの態様において、ヒト組換えIL-2、IL-7、またはIL-15の組成物、試料、または供給源のIU/mgは、それぞれWHO標準IL-2製品(NIBSCコード:86/500)、WHO標準IL-17製品(NIBSCコード:90/530)およびWHO標準IL-15製品(NIBSCコード:95/554)と比較される。
【0143】
いくつかの態様において、IU/mgでの生物活性は、(ng/ml単位でのED50-1×106に等しい。特定の態様において、組換えヒトIL-2またはIL-15のED50は、CTLL-2細胞による細胞増殖(XTT切断)の半最大刺激に必要な濃度に等しい。一部の特定の態様において、組換えヒトIL-7のED50は、PHA活性化ヒト末梢血リンパ球の増殖のための半最大刺激に必要な濃度に等しい。IL-2についてのIUのアッセイおよび計算に関する詳細は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Wadhwa et al.,Journal of Immunological Methods(2013),379(1-2):1-7;およびGearing and Thorpe,Journal of Immunological Methods(1988),114(1-2):3-9で論じられており、IL-15についてのIUのアッセイおよび計算に関する詳細は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Soman et al.Journal of Immunological Methods(2009)348(1-2):83-94で論じられている。
【0144】
特定の態様において、濃縮CD8+T細胞の組成物は、IL-2および/またはIL-15の存在下に刺激条件下でインキュベートされる。一部の特定の態様において、濃縮CD4+T細胞の組成物は、IL-2、IL-7、および/またはIL-15の存在下に刺激条件下でインキュベートされる。いくつかの態様において、IL-2、IL-7、および/またはIL-15は組換え型である。一部の特定の態様において、IL-2、IL-7、および/またはIL-15はヒトのものである。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、ヒト組換えIL-2、IL-7、および/もしくはIL-15であるか、またはそれを含む。いくつかの局面において、濃縮T細胞組成物のインキュベーションはまた、刺激試薬、例えば抗CD3/抗CD28磁気ビーズの存在も含む。
【0145】
いくつかの態様において、細胞は、1IU/ml~1,000IU/ml、10IU/ml~50IU/ml、50IU/ml~100IU/ml、100IU/ml~200IU/ml、100IU/ml~500IU/ml、250IU/ml~500IU/ml、または500IU/ml~1,000IU/mlの濃度のサイトカイン、例えば組換えヒトサイトカインとともにインキュベートされる。
【0146】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、1IU/ml~200IU/ml、10IU/ml~200IU/ml、10IU/ml~100IU/ml、50IU/ml~150IU/ml、80IU/ml~120IU/ml、60IU/ml~90IU/ml、または70IU/ml~90IU/mlの濃度のIL-2、例えばヒト組換えIL-2とともにインキュベートされる。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、50IU/mlもしくは約50IU/ml、55IU/mlもしくは約55IU/ml、60IU/mlもしくは約60IU/ml、65IU/mlもしくは約65IU/ml、70IU/mlもしくは約70IU/ml、75IU/mlもしくは約75IU/ml、80IU/mlもしくは約80IU/ml、85IU/mlもしくは約85IU/ml、90IU/mlもしくは約90IU/ml、95IU/mlもしくは約95IU/ml、100IU/mlもしくは約100IU/ml、110IU/mlもしくは約110IU/ml、120IU/mlもしくは約120IU/ml、130IU/mlもしくは約130IU/ml、140IU/mlもしくは約140IU/ml、または150IU/mlもしくは約150IU/mlの濃度の組換えIL-2とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、85IU/mlまたは約85IU/mlの組換えIL-2の存在下でインキュベートされる。いくつかの態様において、組換えIL-2とともにインキュベートされた組成物は、T細胞の集団、例えばCD4+T細胞および/またはCD8+T細胞が濃縮されている。いくつかの態様において、T細胞の集団は、CD4+T細胞の集団である。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD8+T細胞の組成物である。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、CD8+T細胞が濃縮されており、CD4+T細胞は濃縮されていない、および/またはCD4+T細胞は組成物から陰性選択されるかもしくは枯渇されている。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD4+T細胞の組成物である。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、CD4+T細胞が濃縮されており、CD8+T細胞は濃縮されていない、および/またはCD8+T細胞は組成物から陰性選択されるかもしくは組成物から枯渇されている。いくつかの態様において、組換えIL-2とともにインキュベートされた濃縮CD4+T細胞組成物はまた、記載された量などの、組換えIL-7および/または組換えIL-15とともにインキュベートされ得る。いくつかの態様において、組換えIL-2とともにインキュベートされた濃縮CD8+T細胞組成物はまた、記載された量などの、組換えIL-15とともにインキュベートされ得る。
【0147】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、100IU/ml~2,000IU/ml、500IU/ml~1,000IU/ml、100IU/ml~500IU/ml、500IU/ml~750IU/ml、750IU/ml~1,000IU/ml、または550IU/ml~650IU/mlの濃度の組換えIL-7、例えばヒト組換えIL-7とともにインキュベートされる。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、50IU/mlもしくは約50IU/ml、100IU/mlもしくは約100IU/ml、150IU/mlもしくは約150IU/ml、200IU/mlもしくは約200IU/ml、250IU/mlもしくは約250IU/ml、300IU/mlもしくは約300IU/ml、350IU/mlもしくは約350IU/ml、400IU/mlもしくは約400IU/ml、450IU/mlもしくは約450IU/ml、500IU/mlもしくは約500IU/ml、550IU/mlもしくは約550IU/ml、600IU/mlもしくは約600IU/ml、650IU/mlもしくは約650IU/ml、700IU/mlもしくは約700IU/ml、750IU/mlもしくは約750IU/ml、800IU/mlもしくは約800IU/ml、750IU/mlもしくは約750IU/ml、750IU/mlもしくは約750IU/ml、750IU/mlもしくは約750IU/ml、または1,000IU/mlもしくは約1,000IU/mlの濃度の組換えIL-7とともにインキュベートされる。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、600IU/mlまたは約600IU/mlの組換えIL-7の存在下でインキュベートされる。いくつかの態様において、組換えIL-7とともにインキュベートされた組成物は、T細胞、例えばCD4+T細胞の集団が濃縮されている。いくつかの態様において、組換えIL-7とともにインキュベートされた濃縮CD4+T細胞組成物はまた、記載された量などの、組換えIL-2および/または組換えIL-15とともにインキュベートされ得る。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、CD4+T細胞が濃縮されており、CD8+T細胞は濃縮されていない、および/またはCD8+T細胞は組成物から陰性選択されるかもしくは組成物から枯渇されている。いくつかの態様において、濃縮CD8+T細胞組成物は、組換えIL-7とともにインキュベートされない。
【0148】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、0.1IU/ml~100IU/ml、1IU/ml~100IU/ml、1IU/ml~50IU/ml、5IU/ml~25IU/ml、25IU/ml~50IU/ml、5IU/ml~15IU/ml、または10IU/ml~100IU/mlの濃度の組換えIL-15、例えばヒト組換えIL-15とともにインキュベートされる。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、1IU/mlもしくは約1IU/ml、2IU/mlもしくは約2IU/ml、3IU/mlもしくは約3IU/ml、4IU/mlもしくは約4IU/ml、5IU/mlもしくは約5IU/ml、6IU/mlもしくは約6IU/ml、7IU/mlもしくは約7IU/ml、8IU/mlもしくは約8IU/ml、9IU/mlもしくは約9IU/ml、10IU/mlもしくは約10IU/ml、11IU/mlもしくは約11IU/ml、12IU/mlもしくは約12IU/ml、13IU/mlもしくは約13IU/ml、14IU/mlもしくは約14IU/ml、15IU/mlもしくは約15IU/ml、20IU/mlもしくは約20IU/ml、25IU/mlもしくは約25IU/ml、30IU/mlもしくは約30IU/ml、40IU/mlもしくは約40IU/ml、または50IU/mlもしくは約50IU/mlの濃度の組換えIL-15とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、10IU/mlまたは約10IU/mlの組換えIL-15中でインキュベートされる。いくつかの態様において、組換えIL-15とともにインキュベートされる組成物は、T細胞、例えばCD4+T細胞および/またはCD8+T細胞の集団が濃縮されている。いくつかの態様において、T細胞の集団は、CD4+T細胞の集団である。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD8+T細胞の組成物である。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、CD8+T細胞が濃縮されており、CD4+T細胞は濃縮されていない、および/またはCD4+T細胞は組成物から陰性選択されるかもしくは枯渇されている。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD4+T細胞の組成物である。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、CD4+T細胞が濃縮されており、CD8+T細胞は濃縮されていない、および/またはCD8+T細胞は組成物から陰性選択されるかもしくは組成物から枯渇されている。いくつかの態様において、組換えIL-15とともにインキュベートされた濃縮CD4+T細胞組成物はまた、記載された量などの、組換えIL-7および/または組換えIL-2とともにインキュベートされ得る。いくつかの態様において、組換えIL-15とともにインキュベートされた濃縮CD8+T細胞組成物はまた、記載された量などの、組換えIL-2とともにインキュベートされ得る。
【0149】
特定の態様において、濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの細胞は、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で刺激試薬とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤としては、トコフェロール、トコトリエノール、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、α-トコフェロールキノン、トロロックス(6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、フラボノイド、イソフラボン、リコピン、β-カロテン、セレン、ユビキノン、ルエチン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオン、タウリン、N-アセチルシステイン(NAC)、クエン酸、L-カルニチン、BHT、モノチオグリセロール、アスコルビン酸、没食子酸プロピル、メチオニン、システイン、ホモシステイン、グルタチオン、シスタミンおよびシスタチオニン、ならびに/またはグリシン-グリシン-ヒスチジンが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの局面において、濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの濃縮T細胞組成物の抗酸化剤とのインキュベーションはまた、刺激試薬、例えば抗CD3/抗CD28磁気ビーズ、および記載されるような1つまたは複数の組換えサイトカインの存在も含む。
【0150】
いくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤は、硫黄含有酸化剤であるか、または硫黄含有酸化剤を含む。一部の特定の態様において、硫黄含有抗酸化剤は、チオール含有抗酸化剤および/または、例えば環構造内に1つまたは複数の硫黄部分を示す抗酸化剤を含み得る。いくつかの態様において、硫黄含有抗酸化剤は、例えばN-アセチルシステイン(NAC)および2,3-ジメルカプトプロパノール(DMP)、L-2-オキソ-4-チアゾリジンカルボキシレート(OTC)およびリポ酸を含み得る。特定の態様において、硫黄含有抗酸化剤はグルタチオン前駆体である。いくつかの態様において、グルタチオン前駆体は、細胞内の1つまたは複数の工程で修飾されてグルタチオンをもたらし得る分子である。特定の態様において、グルタチオン前駆体は、N-アセチルシステイン(NAC)、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸(プロシステイン)、リポ酸、S-アリルシステイン、または塩化メチルメチオニンスルホニウムを含み得るが、これらに限定されるわけではない。
【0151】
いくつかの態様において、刺激条件下で、濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの細胞をインキュベートすることは、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で細胞をインキュベートすることを含む。特定の態様において、細胞は、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で、刺激試薬で刺激される。いくつかの態様において、細胞は、1ng/ml~100ng/ml、10ng/ml~1μg/ml、100ng/ml~10μg/ml、1μg/ml~100μg/ml、10μg/ml~1mg/ml、100μg/ml~1mg/ml、1500μg/ml~2mg/ml、500μg/ml~5mg/ml、1mg/ml~10mg/ml、または1mg/ml~100mg/mlの1つまたは複数の抗酸化剤の存在下でインキュベートされる。いくつかの態様において、細胞は、1ng/mlもしくは約1ng/ml、10ng/mlもしくは約10ng/ml、100ng/mlもしくは約100ng/ml、1μg/mlもしくは約1μg/ml、10μg/mlもしくは約10μg/ml、100μg/mlもしくは約100μg/ml、0.2mg/mlもしくは約0.2mg/ml、0.4mg/mlもしくは約0.4mg/ml、0.6mg/mlもしくは約0.6mg/ml、0.8mg/mlもしくは約0.8mg/ml、1mg/mlもしくは約1mg/ml、2mg/mlもしくは約2mg/ml、3mg/mlもしくは約3mg/ml、4mg/mlもしくは約4mg/ml、5mg/mlもしくは約5mg/ml、10mg/mlもしくは約10mg/ml、20mg/mlもしくは約20mg/ml、25mg/mlもしくは約25mg/ml、50mg/mlもしくは約50mg/ml、100mg/mlもしくは約100mg/ml、200mg/mlもしくは約200mg/ml、300mg/mlもしくは約300mg/ml、400mg/mlもしくは約400mg/ml、500mg/mlもしくは約500mg/mlの1つまたは複数の抗酸化剤の存在下でインキュベートされる。いくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤は、硫黄含有抗酸化剤であるか、または硫黄含有抗酸化剤を含む。特定の態様において、1つまたは複数の抗酸化剤は、グルタチオン前駆体であるか、またはグルタチオン前駆体を含む。
【0152】
いくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤は、N-アセチルシステイン(NAC)であるか、またはN-アセチルシステイン(NAC)を含む。いくつかの態様において、濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの細胞を刺激条件下でインキュベートすることは、NACの存在下で細胞をインキュベートすることを含む。特定の実施形態では、細胞は、NACの存在下で、刺激試薬で刺激される。いくつかの実施形態では、細胞は、1ng/ml~100ng/ml、10ng/ml~1μg/ml、100ng/ml~10μg/ml、1μg/ml~100μg/ml、10μg/ml~1mg/ml、100μg/ml~1mg/ml、1-500μg/ml~2mg/ml、500μg/ml~5mg/ml、1mg/ml~10mg/ml、または1mg/ml~100mg/mlのNACの存在下でインキュベートされる。いくつかの態様において、細胞は、1ng/mlもしくは約1ng/ml、10ng/mlもしくは約10ng/ml、100ng/mlもしくは約100ng/ml、1μg/mlもしくは約1μg/ml、10μg/mlもしくは約10μg/ml、100μg/mlもしくは約100μg/ml、0.2mg/mlもしくは約0.2mg/ml、0.4mg/mlもしくは約0.4mg/ml、0.6mg/mlもしくは約0.6mg/ml、0.8mg/mlもしくは約0.8mg/ml、1mg/mlもしくは約1mg/ml、2mg/mlもしくは約2mg/ml、3mg/mlもしくは約3mg/ml、4mg/mlもしくは約4mg/ml、5mg/mlもしくは約5mg/ml、10mg/mlもしくは約10mg/ml、20mg/mlもしくは約20mg/ml、25mg/mlもしくは約25mg/ml、50mg/mlもしくは約50mg/ml、100mg/mlもしくは約100mg/ml、200mg/mlもしくは約200mg/ml、300mg/mlもしくは約300mg/ml、400mg/mlもしくは約400mg/ml、500mg/mlもしくは約500mg/mlのNACの存在下でインキュベートされる。いくつかの実施形態において、細胞は、0.8mg/mlまたは約0.8mg/mlとともにインキュベートされる。
【0153】
特定の態様において、1つまたは複数の抗酸化剤、例えばNACの存在下で濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物をインキュベートすることは、抗酸化剤が存在しない代替的および/または例示的プロセスでインキュベートされる細胞と比較して、細胞の活性化を低減する。一部の特定の態様において、活性化の低減は、細胞における1つまたは複数の活性化マーカーの発現によって測定される。一部の特定の態様において、活性化のマーカーは、細胞内の複雑性の増加(例えば側方散乱(SSC)を測定することによって決定される)、細胞サイズの増加(例えば細胞直径および/もしくは前方散乱(FSC)を測定することによって決定される)、CD27の発現の増加、ならびに/またはCD25の発現の減少を含むが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、組成物の細胞は、インキュベーション、操作、形質導入、トランスフェクション、拡大、または製剤化中もしくはその後に、またはインキュベーション後に行われるプロセスの任意の段階中またはその後に検査した場合、活性化のマーカーの陰性、低減した、または低い発現および/または程度を有する。いくつかの態様において、組成物の細胞は、プロセスが完了した後、活性化のマーカーの陰性、低減した、または低い発現および/または程度を有する。特定の態様において、アウトプット組成物の細胞は、活性化のマーカーの陰性、低減した、または低い発現および/または程度を有する。
【0154】
いくつかの態様において、フローサイトメトリーを使用して細胞の相対サイズを決定する。特定の態様において、FSCおよびSSCパラメータを使用して、細胞を分析し、サイズおよび内部の複雑性に基づいて細胞を互いに区別する。特定の態様において、公知のサイズの粒子またはビーズを標準として測定して、細胞の実際のサイズを決定することができる。いくつかの態様において、フローサイトメトリーは、活性化のマーカー、例えばCD25またはCD27などの表面タンパク質の発現を測定または定量化するために、染色、例えば標識抗体と組み合わせて使用される。
【0155】
いくつかの態様において、濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化剤、例えばNACの存在下でインキュベートされ、細胞直径は、インキュベーションが抗酸化剤の存在下で行われない代替的および/または例示的プロセスでインキュベートされる細胞と比較して、少なくとも0.25μm、少なくとも0.5μm、少なくとも0.75μm、少なくとも1.0μm、少なくとも1.5μm、少なくとも2μm、少なくとも2.5μm、少なくとも3μm、少なくとも3.5μm、少なくとも4μm、少なくとも4.5μm、少なくとも5μm、または5μm超減少する。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化剤、例えばNACの存在下でインキュベートされ、FSCによって測定される細胞サイズは、インキュベーションが抗酸化剤の存在下で行われない代替的および/または例示的プロセスでインキュベートされる細胞と比較して、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、または少なくとも90%減少する。
【0156】
いくつかの態様において、濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化剤、例えばNACの存在下でインキュベートされ、SSCによって測定される細胞内の複雑性は、インキュベーションが抗酸化剤の存在下で行われない代替的および/または例示的プロセスでインキュベートされる細胞と比較して、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、または少なくとも90%減少する。
【0157】
特定の態様において、濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化剤、例えばNACの存在下でインキュベートされ、例えばフローサイトメトリーによって測定されるCD27の発現は、インキュベーションが抗酸化剤の存在下で行われない代替的および/または例示的プロセスでインキュベートされる細胞と比較して、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%減少する。
【0158】
一部の特定の態様において、濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化剤、例えばNACの存在下でインキュベートされ、例えばフローサイトメトリーによって測定されるCD25の発現は、インキュベーションが抗酸化剤の存在下で行われない代替的および/または例示的プロセスでインキュベートされる細胞と比較して、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍増加する。
【0159】
特定の態様において、濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物を1つまたは複数の抗酸化剤、例えばNACの存在下でインキュベートすることは、例えばセクションI-Dに記載されているインキュベーションもしくは培養工程または段階中に拡大を増加させる。いくつかの態様において、濃縮細胞の組成物は、培養の開始から14日以内、12日以内、10日以内、9日以内、8日以内、7日以内、6日以内、5日以内、4日以内、または3日以内に2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、または10倍を超える拡大を達成する。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下でインキュベートされ、組成物の細胞は、培養中に、インキュベーションが抗酸化剤の存在下で行われない代替的および/または例示的プロセスでインキュベートされた培養細胞よりも、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍速い速度の拡大がおこる。
【0160】
特定の態様において、濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの濃縮細胞の組成物を1つまたは複数の抗酸化剤、例えばNACの存在下でインキュベートすることは、例えばアポトーシスによる細胞死の量を減少させる。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化剤、例えばNACの存在下でインキュベートされ、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%の細胞が、インキュベーションが完了した後1日間もしくは少なくとも1日間、2日間もしくは少なくとも2日間、3日間もしくは少なくとも3日間、4日間もしくは少なくとも4日間、5日間もしくは少なくとも5日間、6日間もしくは少なくとも6日間、7日間もしくは少なくとも7日間、または7日間を超えて生存する、例えばアポトーシスを受けない。いくつかの態様において、組成物は、1つまたは複数の抗酸化剤、例えばNACの存在下でインキュベートされ、組成物の細胞は、細胞が1つまたは複数の抗酸化剤の存在下でインキュベートされない代替的および/または例示的プロセスを受ける細胞と比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍大きい生存率を有する。
【0161】
特定の態様において、濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化剤、例えばNACの存在下でインキュベートされ、カスパーゼ発現、例えばカスパーゼ3発現は、インキュベーションが抗酸化剤の存在下で行われない代替的および/または例示的プロセスでインキュベートされる細胞と比較して、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%減少する。
【0162】
いくつかの態様において、濃縮CD4+T細胞および/または濃縮CD8+T細胞などの組成物または細胞は、記載されているような刺激条件または刺激剤の存在下でインキュベートされる。かかる条件は、集団中の細胞の増殖、拡大、活性化、および/もしくは生存を誘導する、抗原曝露を模倣する、ならびに/または組換え抗原受容体の導入などの遺伝子操作のために細胞をプライミングするように設計されたものを含む。抗CD3/抗CD28磁気ビーズなどの例示的な刺激試薬を以下で説明する。刺激試薬とのインキュベーションはまた、1つまたは複数の刺激性サイトカインの存在下で、例えば組換えIL-2、組換えIL-7および/もしくは組換えIL-15の1つもしくは複数の存在下で、ならびに/または上記のようなNACなどの少なくとも1つの抗酸化剤の存在下で行われ得る。いくつかの態様において、濃縮CD4+T細胞の組成物は、刺激条件下で、記載されている量などの刺激剤、組換えIL-2、組換えIL-7、組換えIL-15およびNACとともにインキュベートされる。いくつかの態様において、濃縮CD8+T細胞の組成物は、刺激条件下で、記載されている量などの刺激剤、組換えIL-2、組換えIL-15およびNACとともにインキュベートされる。
【0163】
いくつかの態様において、刺激および/または活性化のための条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、および細胞を活性化するように設計された他の任意の剤の1つまたは複数を含み得る。
【0164】
いくつかの局面において、インキュベーションは、Riddellらの米国特許第6,040,177号、Klebanoff et al.(2012)J Immunother.35(9):651-660、Terakura et al.(2012)Blood.1:72-82、および/またはWang et al.(2012)J Immunother.35(9):689-701に記載されているような技術に従って行われる。
【0165】
いくつかの態様において、1つまたは複数の刺激条件または刺激剤の存在下でのインキュベーションの少なくとも一部は、例えば国際公開公報第2016/073602号に記載されているような遠心回転下で、遠心チャンバーの内部キャビティで行われる。いくつかの態様において、遠心チャンバーで行われるインキュベーションの少なくとも一部は、刺激および/または活性化を誘導するための1つまたは複数の試薬と混合することを含む。いくつかの態様において、選択された細胞などの細胞は、遠心チャンバー内で刺激条件または刺激剤と混合される。かかるプロセスのいくつかの局面において、一定の体積の細胞は、細胞培養プレートまたは他のシステムで同様の刺激を行う場合に通常使用されるよりもはるかに少ない量の1つまたは複数の刺激条件または刺激剤と混合される。
【0166】
いくつかの態様において、刺激剤は、選択が、周期的に振とうまたは回転しながら遠心チャンバー内、例えばチューブまたはバッグ内で混合することなく行われる場合に、同じ数の細胞または同じ体積の細胞の選択についてほぼ同じまたは同様の効率を達成するために典型的に使用されるまたは必要となる刺激剤の量と比較して、実質的により少ない量(例えば5%以下、10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下または80%以下の量)でチャンバーのキャビティ内の細胞に添加される。いくつかの態様において、インキュベーションは、細胞および刺激剤へのインキュベーション緩衝液の添加を用いて行われ、例えば約10mL~約200mL、または約20mL~約125mL、例えば少なくとも10mLもしくは少なくとも約10mLもしくは約10mL、少なくとも20mLもしくは少なくとも約20mLもしくは約20mL、少なくとも30mLもしくは少なくとも約30mLもしくは約30mL、少なくとも40mLもしくは少なくとも約40mLもしくは約40mL、少なくとも50mLもしくは少なくとも約50mLもしくは約50mL、少なくとも60mLもしくは少なくとも約60mLもしくは約60mL、少なくとも70mLもしくは少なくとも約70mLもしくは約70mL、少なくとも80mLもしくは少なくとも約80mLもしくは約80mL、少なくとも90mLもしくは少なくとも約90mLもしくは約90mL、少なくとも100mLもしくは少なくとも約100mLもしくは約100mL、少なくとも105mLもしくは少なくとも約105mLもしくは約105mL、少なくとも110mLもしくは少なくとも約110mLもしくは約110mL、少なくとも115mLもしくは少なくとも約115mLもしくは約115mL、少なくとも120mLもしくは少なくとも約120mLもしくは約120mL、少なくとも125mLもしくは少なくとも約125mLもしくは約125mL、少なくとも130mLもしくは少なくとも約130mLもしくは約130mL、少なくとも135mLもしくは少なくとも約135mLもしくは約135mL、少なくとも140mLもしくは少なくとも約140mLもしくは約140mL、少なくとも145mLもしくは少なくとも約145mLもしくは約145mL、少なくとも150mLもしくは少なくとも約150mLもしくは約150mL、少なくとも160mLもしくは少なくとも約160mLもしくは約160mL、少なくとも170mLもしくは少なくとも約170mLもしくは約170mL、少なくとも180mLもしくは少なくとも約180mLもしくは約180mL、少なくとも190mLもしくは少なくとも約190mLもしくは約190mL、または少なくとも200mLもしくは少なくとも約200mLもしくは約200mLの試薬のインキュベーションで標的体積を達成する。いくつかの態様において、インキュベーション緩衝液および刺激剤は、細胞に添加する前にあらかじめ混合される。いくつかの態様において、インキュベーション緩衝液および刺激剤は、細胞に別々に添加される。いくつかの態様において、刺激インキュベーションは、周期的な穏やかな混合条件で行われ、これはエネルギー的に有利な相互作用を促進するのに役立ち、それにより、細胞の刺激および活性化を達成しながら、より少ない全体的な刺激剤の使用を可能にすることができる。
【0167】
いくつかの態様において、インキュベーションは一般に、混合条件下で、例えば一般に比較的低い力または速度、例えば細胞をペレット化するために使用される速度よりも低い速度、例えば600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpm(例えば600rpmもしくは約600rpmもしくは少なくとも600rpm、1000rpmもしくは約1000rpmもしくは少なくとも1000rpm、または1500rpmもしくは約1500rpmもしくは少なくとも1500rpm、または1700rpmもしくは約1700rpmもしくは少なくとも1700rpm)、例えば80g~100gまたは約80g~約100g(例えば80gもしくは約80gもしくは少なくとも80g、85gもしくは約85gもしくは少なくとも85g、90gもしくは約90gもしくは少なくとも90g、95gもしくは約95gもしくは少なくとも95g、または100gもしくは約100gもしくは少なくとも100g)のチャンバーまたは他の容器の試料または壁におけるRCFでのスピンの存在下で行われる。いくつかの態様において、スピンは、かかる低い速度でのスピンとそれに続く休止期間、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10秒間のスピンおよび/または休止、例えば約1または2秒間のスピンとそれに続く約5、約6、約7、または約8秒間の休止という間隔の繰り返しを用いて行われる。
【0168】
いくつかの態様において、例えば刺激剤とのインキュベーションの総持続時間は、1時間~96時間もしくは約1時間~約96時間、1時間~72時間もしくは約1時間~約72時間、1時間~48時間もしくは約1時間~約48時間、4時間~36時間もしくは約4時間~約36時間、8時間~30時間もしくは約8時間~約30時間、18時間~30時間もしくは約18時間~約30時間、または12時間~24時間もしくは約12時間~約24時間、例えば少なくとも6時間もしくは少なくとも約6時間もしくは約6時間、少なくとも12時間もしくは少なくとも約12時間もしくは約12時間、少なくとも18時間もしくは少なくとも約18時間もしくは約18時間、少なくとも24時間もしくは少なくとも約24時間もしくは約24時間、少なくとも36時間もしくは少なくとも約36時間もしくは約36時間、または少なくとも72時間もしくは少なくとも約72時間もしくは約72時間である。いくつかの態様において、さらなるインキュベーションは、両端の値を含む、1時間~48時間もしくは約1時間~約48時間、4時間~36時間もしくは約4時間~約36時間、8時間~30時間もしくは約8時間~約30時間、または12時間~24時間もしくは約12時間~約24時間である。
【0169】
いくつかの態様において、細胞は、セクションI-Cで説明されているように、例えば形質導入および/またはトランスフェクションによってポリヌクレオチド、例えば組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを細胞に導入するための工程の前および/または工程中に、刺激条件下で培養(cultured)、培養(cultivated)および/またはインキュベートされる。一部の特定の態様において、細胞は、遺伝子操作の前に30分~2時間、1時間~8時間、1時間~6時間、6時間~12時間、12時間~18時間、16時間~24時間、12時間~36時間、24時間~48時間、24時間~72時間、42時間~54時間、60時間~120時間、96時間~120時間、90時間、1日間~7日間、3日間~8日間、1日間~3日間、4日間~6日間、または4日間~5日間の期間にわたって、刺激条件下で培養(cultured)、培養(cultivated)、および/またはインキュベートされる。いくつかの態様において、細胞は、操作の前に2日間または約2日間インキュベートされる。
【0170】
一部の特定の態様において、細胞は、細胞を遺伝子操作する前および/または遺伝子操作中に、刺激試薬とともにおよび/または刺激試薬の存在下でインキュベートされる。一部の特定の態様において、細胞は、刺激試薬とともにおよび/または刺激試薬の存在下で、12時間~36時間、24時間~48時間、24時間~72時間、42時間~54時間、60時間~120時間、96時間~120時間、90時間、2日間~7日間、3日間~8日間、1日間~8日間、4日間~6日間、または4日間~5日間の期間にわたってインキュベートされる。特定の態様において、細胞は、細胞を遺伝子操作する前および/または遺伝子操作中に、10日未満、9日未満、8日未満、7日未満、6日未満、5日未満、4日未満、または168時間未満、162時間未満、156時間未満、144時間未満、138時間未満、132時間未満、120時間未満、114時間未満、108時間未満、102時間未満、または96時間未満の期間にわたって刺激条件下で培養(cultured)、培養(cultivated)、および/またはインキュベートされる。特定の態様において、細胞は、刺激試薬とともにおよび/または刺激試薬の存在下で、4日間もしくは約4日間、5日間もしくは約5日間、6日間もしくは約6日間、または7日間もしくは約7日間インキュベートされる。いくつかの態様において、細胞は、刺激試薬とともにおよび/または刺激試薬の存在下で、4日間または約4日間インキュベートされる。特定の態様において、細胞は、刺激試薬とともにおよび/または刺激試薬の存在下で、5日間または約5日間インキュベートされる。一部の特定の態様において、細胞は、刺激試薬とともにおよび/または刺激試薬の存在下で7日未満インキュベートされる。
【0171】
いくつかの態様において、刺激条件下で細胞をインキュベートすることは、セクションI-B-1に記載されている刺激試薬とともに細胞をインキュベートすることを含む。いくつかの態様において、刺激試薬は、常磁性ビーズなどのビーズを含有するかまたは含み、細胞は、3:1(ビーズ:細胞)未満の比率、例えば1:1の比率で刺激試薬とともにインキュベートされる。特定の態様において、細胞は、1つもしくは複数のサイトカインおよび/または1つもしくは複数の抗酸化剤の存在下で刺激試薬とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、濃縮CD4+T細胞の組成物は、組換えIL-2、IL-7、IL-15、およびNACの存在下で、1:1(ビーズ:細胞)の比率で刺激試薬とともにインキュベートされる。一部の特定の態様において、濃縮CD8+T細胞の組成物は、組換えIL-2、IL-15、およびNACの存在下で、1:1(ビーズ:細胞)の比率で刺激試薬とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、刺激試薬は、インキュベーションの出発または開始から、例えば刺激試薬が細胞に添加されるかまたは細胞と接触した時間から6日目もしくは6日以内もしくは約6日以内に、5日目もしくは5日以内もしくは約5日以内に、または4日目もしくは4日以内もしくは約4日以内に、細胞から除去および/または分離される。
【0172】
1.刺激試薬
いくつかの態様において、刺激条件下で濃縮細胞の組成物をインキュベートすることは、濃縮細胞の組成物を、T細胞を活性化および/または拡大することができる刺激試薬とインキュベートするおよび/もしくは接触させることであるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、刺激試薬は、細胞内の1つまたは複数のシグナルを刺激および/または活性化することができる。いくつかの態様において、1つまたは複数のシグナルは、受容体によって媒介される。特定の態様において、1つまたは複数のシグナルは、シグナル伝達ならびに/または二次メッセンジャー、例えばcAMPおよび/もしくは細胞内カルシウムのレベルもしくは量の変化、1つもしくは複数の細胞タンパク質の量、細胞局在、確認、リン酸化、ユビキチン化、および/もしくはトランケーションの変化、ならびに/または細胞活性、例えば転写、翻訳、タンパク質分解、細胞形態、活性化状態、および/もしくは細胞分裂の変化であるか、またはそれに関連する。特定の態様において、刺激試薬は、TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化するおよび/または活性化することができる。
【0173】
一部の特定の態様において、刺激試薬は、細胞、例えばT細胞を活性化および/または拡大することができる1つまたは複数の剤、例えば生体分子にコンジュゲートまたは連結される粒子、例えばビーズを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の剤はビーズに結合される。いくつかの態様において、ビーズは生体適合性である、すなわち生物学的使用に適した材料で構成される。いくつかの態様において、ビーズは、培養細胞、例えば培養T細胞に対して非毒性である。いくつかの態様において、ビーズは、剤と細胞との間の相互作用を可能にする方法で剤を付着させることができる任意の粒子であり得る。
【0174】
いくつかの態様において、刺激試薬は、ビーズ、例えばビーズの表面に結合しているまたはさもなければ付着している細胞、例えばT細胞を活性化および/または拡大することができる1つまたは複数の剤を含む。一部の特定の態様において、ビーズは非細胞粒子である。特定の態様において、ビーズは、コロイド粒子、ミクロスフェア、ナノ粒子、磁性ビーズなどを含み得る。いくつかの態様において、ビーズはアガロースビーズである。一部の特定の態様において、ビーズはセファロースビーズである。
【0175】
特定の態様において、刺激試薬は、単分散であるビーズを含む。一部の特定の態様において、単分散であるビーズは、互いから5%未満の直径標準偏差を有するサイズ分散を含む。
【0176】
いくつかの態様において、ビーズは、ビーズの表面に(直接的または間接的に)共役、コンジュゲート、または連結された剤などの1つまたは複数の剤を含む。いくつかの態様において、本明細書で企図される剤は、RNA、DNA、タンパク質(例えば酵素)、抗原、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗体断片、炭水化物、脂質、レクチン、または所望の標的に親和性を有する他の任意の生体分子を含み得るが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、所望の標的は、T細胞受容体および/またはT細胞受容体の成分である。一部の特定の態様において、所望の標的はCD3である。一部の特定の態様において、所望の標的は、T細胞共刺激分子、例えばCD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSである。1つまたは複数の剤は、当技術分野で公知であり、利用可能な様々な方法によって、ビーズに直接的または間接的に付着させ得る。付着は、共有結合、非共有結合、静電的、または疎水性であり得、例えば化学的手段、機械的手段、または酵素的手段を含む様々な付着手段によって達成され得る。いくつかの態様において、生体分子(例えばビオチン化抗CD3抗体)は、ビーズに直接付着している別の生体分子(例えば抗ビオチン抗体)を介して間接的にビーズに付着させ得る。
【0177】
いくつかの態様において、刺激試薬は、ビーズおよび細胞の表面上の高分子と直接相互作用する1つまたは複数の剤を含む。一部の特定の態様において、ビーズ(例えば常磁性ビーズ)は、細胞上の1つまたは複数の高分子(例えば1つまたは複数の細胞表面タンパク質)に特異的な1つまたは複数の剤(例えば抗体)を介して細胞と相互作用する。一部の特定の態様において、ビーズ(例えば常磁性ビーズ)は、一次抗体(例えば抗ビオチン抗体)または他の生体分子などの本明細書に記載の第1の剤で標識され、次に、二次抗体(例えばビオチン化抗CD3抗体)または他の二次生体分子(例えばストレプトアビジン)などの第2の剤が添加され、それにより二次抗体または他の二次生体分子が粒子上のかかる一次抗体または他の生体分子に特異的に結合する。
【0178】
いくつかの態様において、刺激試薬は、ビーズ(例えば常磁性ビーズ)に付着し、細胞(例えばT細胞)上の以下の高分子:CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD25、CD27、CD28、CD29、CD31、CD44、CD45RA、CD45RO、CD54(ICAM-1)、CD127、MHCI、MHCII、CTLA-4、ICOS、PD-1、OX40、CD27L(CD70)、4-1BB(CD137)、4-1BBL、CD30L、LIGHT、IL-2R、IL-12R、IL-1R、IL-15R;IFN-γR、TNF-αR、IL-4R、IL-10R、CD18/CDl la(LFA-1)、CD62L(L-セレクチン)、CD29/CD49d(VLA-4)、Notchリガンド(例えばデルタ様1/4、Jagged 1/2など)、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、およびCXCR3、またはこれらの高分子もしくはその断片に対応するリガンドを含むその断片の1つまたは複数に特異的に結合する1つまたは複数の剤(例えば抗体)を含む。いくつかの態様において、ビーズに付着した剤(例えば抗体)は、細胞(例えばT細胞)上の以下の高分子:CD28、CD62L、CCR7、CD27、CD127、CD3、CD4、CD8、CD45RA、および/またはCD45ROの1つまたは複数に特異的に結合する。
【0179】
いくつかの態様において、ビーズに付着した剤の1つまたは複数は抗体である。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する完全長抗体を含む)、ポリエピトープ特異性を有する抗体組成物、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体、ダイアボディ、および単鎖分子、ならびに抗体断片(例えばFab、F(ab’)2、およびFv)を含み得る。いくつかの態様において、刺激試薬は、抗体断片(抗原結合断片を含む)、例えばFab、Fab’-SH、Fv、scFv、または(Fab’)2断片である。IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE定常領域を含む、任意のアイソタイプの定常領域が本明細書で企図される抗体に使用でき、かかる定常領域は任意のヒトまたは動物種(例えばマウス種)から入手できることが理解されるであろう。いくつかの態様において、剤は、T細胞受容体の1つまたは複数の成分に結合するおよび/またはそれを認識する抗体である。特定の態様において、剤は抗CD3抗体である。一部の特定の態様において、剤は、共受容体に結合するおよび/または共受容体を認識する抗体である。いくつかの態様において、刺激試薬は抗CD28抗体を含む。いくつかの態様において、ビーズは、約0.001μm超、約0.01μm超、約0.1μm超、約1.0μm超、約10μm超、約50μm超、約100μm超、または約1000μm超、および約1500μm以下の直径を有する。いくつかの態様において、ビーズは、約1.0μm~約500μm、約1.0μm~約150μm、約1.0μm~約30μm、約1.0μm~約10μm、約1.0μm~約5.0μm、約2.0μm~約5.0μm、または約3.0μm~約5.0μmの直径を有する。いくつかの態様において、ビーズは、約3μm~約5μmの直径を有する。いくつかの態様において、ビーズは、少なくとも0.001μmもしくは少なくとも約0.001μmもしくは約0.001μm、少なくとも0.01μmもしくは少なくとも約0.01μmもしくは約0.01μm、少なくとも0.1μmもしくは少なくとも約0.1μmもしくは約0.1μm、少なくとも0.5μmもしくは少なくとも約0.5μmもしくは約0.5μm、少なくとも1.0μmもしくは少なくとも約1.0μmもしくは約1.0μm、少なくとも1.5μmもしくは少なくとも約1.5μmもしくは約1.5μm、少なくとも2.0μmもしくは少なくとも約2.0μmもしくは約2.0μm、少なくとも2.5μmもしくは少なくとも約2.5μmもしくは約2.5μm、少なくとも3.0μmもしくは少なくとも約3.0μmもしくは約3.0μm、少なくとも3.5μmもしくは少なくとも約3.5μmもしくは約3.5μm、少なくとも4.0μmもしくは少なくとも約4.0μmもしくは約4.0μm、少なくとも4.5μmもしくは少なくとも約4.5μmもしくは約4.5μm、少なくとも5.0μmもしくは少なくとも約5.0μmもしくは約5.0μm、少なくとも5.5μmもしくは少なくとも約5.5μmもしくは約5.5μm、少なくとも6.0μmもしくは少なくとも約6.0μmもしくは約6.0μm、少なくとも6.5μmもしくは少なくとも約6.5μmもしくは約6.5μm、少なくとも7.0μmもしくは少なくとも約7.0μmもしくは約7.0μm、少なくとも7.5μmもしくは少なくとも約7.5μmもしくは約7.5μm、少なくとも8.0μmもしくは少なくとも約8.0μmもしくは約8.0μm、少なくとも8.5μmもしくは少なくとも約8.5μmもしくは約8.5μm、少なくとも9.0μmもしくは少なくとも約9.0μmもしくは約9.0μm、少なくとも9.5μmもしくは少なくとも約9.5μmもしくは約9.5μm、少なくとも10μmもしくは少なくとも約10μmもしくは約10μm、少なくとも12μmもしくは少なくとも約12μmもしくは約12μm、少なくとも14μmもしくは少なくとも約14μmもしくは約14μm、少なくとも16μmもしくは少なくとも約16μmもしくは約16μm、少なくとも18μmもしくは少なくとも約18μmもしくは約18μmまたは少なくとも20μmもしくは少なくとも約20μmもしくは約20μmの直径を有する。一部の特定の態様において、ビーズは、4.5μmまたは約4.5μmの直径を有する。一部の特定の態様において、ビーズは、2.8μmまたは約2.8μmの直径を有する。
【0180】
いくつかの態様において、ビーズは、0.001g/cm3超、0.01g/cm3超、0.05g/cm3超、0.1g/cm3超、0.5g/cm3超、0.6g/cm3超、0.7g/cm3超、0.8g/cm3超、0.9g/cm3超、1g/cm3超、1.1g/cm3超、1.2g/cm3超、1.3g/cm3超、1.4g/cm3超、1.5g/cm3超、2g/cm3超、3g/cm3超、4g/cm3超、または5g/cm3超の密度を有する。いくつかの態様において、ビーズは、約0.001g/cm3~約100g/cm3、約0.01g/cm3~約50g/cm3、約0.1g/cm3~約10g/cm3、約0.1g/cm3~約.5g/cm3、約0.5g/cm3~約1g/cm3、約0.5g/cm3~約1.5g/cm3、約1g/cm3~約1.5g/cm3、約1g/cm3~約2g/cm3、または約1g/cm3~約5g/cm3の密度を有する。いくつかの態様において、ビーズは、約0.5g/cm3、約0.5g/cm3、約0.6g/cm3、約0.7g/cm3、約0.8g/cm3、約0.9g/cm3、約1.0g/cm3、約1.1g/cm3、約1.2g/cm3、約1.3g/cm3、約1.4g/cm3、約1.5g/cm3、約1.6g/cm3、約1.7g/cm3、約1.8g/cm3、約1.9g/cm3、または約2.0g/cm3の密度を有する。一部の特定の態様において、ビーズは、約1.6g/cm3の密度を有する。特定の態様において、ビーズまたは粒子は、約1.5g/cm3の密度を有する。一部の特定の態様において、粒子は、約1.3g/cm3の密度を有する。
【0181】
一部の特定の態様において、複数のビーズは均一な密度を有する。一部の特定の態様において、均一な密度は、平均ビーズ密度の10%未満、5%未満、または1%未満の密度標準偏差を含む。
【0182】
いくつかの態様において、ビーズは、粒子の各グラムあたり(m2/g)約0.001m2~約1,000m2/g、約.010m2/g~約100m2/g、約0.1m2/g~約10m2/g、約0.1m2/g~約1m2/g、約1m2/g~約10m2/g、約10m2/g~約100m2/g、約0.5m2/g~約20m2/g、約0.5m2/g~約5m2/g、または約1m2/g~約4m2/gの表面積を有する。いくつかの態様において、粒子またはビーズは、約1m2/g~約4m2/gの表面積を有する。
【0183】
いくつかの態様において、ビーズは、剤に共役、連結、またはコンジュゲートすることができる少なくとも1つの材料をビーズ表面またはその近くに含む。いくつかの態様において、ビーズは表面官能化されている、すなわち結合分子、例えばポリヌクレオチドまたはポリペプチドと共有結合を形成することができる官能基を含む。特定の態様において、ビーズは、表面に露出されたカルボキシル、アミノ、ヒドロキシル、トシル、エポキシ、および/またはクロロメチル基を含む。特定の態様において、ビーズは、表面に露出されたアガロースおよび/またはセファロースを含む。一部の特定の態様において、ビーズ表面は、結合分子に結合または付着することができる付着刺激試薬を含む。特定の態様において、生体分子はポリペプチドである。いくつかの態様において、ビーズは、表面に露出されたプロテインA、プロテインG、またはビオチンを含む。
【0184】
いくつかの態様において、ビーズは磁場中で反応する。いくつかの態様において、ビーズは磁気ビーズである。いくつかの態様において、磁気ビーズは常磁性である。特定の態様において、磁気ビーズは超常磁性である。一部の特定の態様において、ビーズは、磁場に曝露されない限り、いかなる磁気特性も示さない。
【0185】
特定の態様において、ビーズは、磁気コア、常磁性コア、または超常磁性コアを含む。いくつかの態様において、磁気コアは金属を含む。いくつかの態様において、金属は、鉄、ニッケル、銅、コバルト、ガドリニウム、マンガン、タンタル、亜鉛、ジルコニウム、またはそれらの任意の組合せであり得るが、これらに限定されるわけではない。一部の特定の態様において、磁気コアは、金属酸化物(例えば酸化鉄)、フェライト(例えばマンガンフェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライトなど)、ヘマタイトおよび金属合金(例えばCoTaZn)を含む。いくつかの態様において、磁気コアは、フェライト、金属、金属合金、酸化鉄、または二酸化クロムのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、磁気コアは元素鉄またはその化合物を含む。いくつかの態様において、磁気コアは、マグネタイト(Fe3O4)、マグヘマイト(γFe2O3)、またはグレイジャイト(Fe3S4)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、内部コアは酸化鉄(例えばFe3O4)を含む。
【0186】
一部の特定の態様において、ビーズは、表面官能化コートまたはコーティングで覆われた磁性、常磁性、および/または超常磁性コアを含む。いくつかの態様において、コートは、ポリマー、多糖、シリカ、脂肪酸、タンパク質、炭素、アガロース、セファロース、またはそれらの組合せを含み得るが、これらに限定されるわけではない材料を含むことができる。いくつかの態様において、ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリグルタルアルデヒド、ポリウレタン、ポリスチレン、またはポリビニルアルコールであり得る。一部の特定の態様において、外側コートまたはコーティングはポリスチレンを含む。特定の態様において、外側コーティングは表面官能化されている。
【0187】
いくつかの態様において、刺激試薬は、金属酸化物コア(例えば酸化鉄コア)およびコートを含有するビーズを含み、金属酸化物コアは、少なくとも1つの多糖(例えばデキストラン)を含み、コートは、少なくとも1つの多糖(例えばアミノデキストラン)、少なくとも1つのポリマー(例えばポリウレタン)およびシリカを含む。いくつかの態様において、金属酸化物コアはコロイド状酸化鉄コアである。一部の特定の態様において、1つまたは複数の剤は、抗体またはその抗原結合断片を含む。特定の態様において、1つまたは複数の剤は、抗CD3抗体および抗CD28抗体を含む。いくつかの態様において、刺激試薬は、抗CD3抗体、抗CD28抗体、および抗ビオチン抗体を含む。いくつかの態様において、刺激試薬は抗ビオチン抗体を含む。いくつかの態様において、ビーズは、約3μm~約10μmの直径を有する。いくつかの態様において、ビーズは、約3μm~約5μmの直径を有する。一部の特定の態様において、ビーズは約3.5μmの直径を有する。
【0188】
いくつかの態様において、刺激試薬は、金属酸化物コア(例えば酸化鉄内部コア)およびコート(例えば保護コート)を含有するビーズに付着する1つまたは複数の剤を含み、コートはポリスチレンを含む。一部の特定の態様において、ビーズは、常磁性(例えば超常磁性)鉄コア、例えばマグネタイト(Fe3O4)および/またはマグヘマイト(γFe2O3)cおよびポリスチレンコートまたはコーティングを含有するコアを含む単分散常磁性(例えば超常磁性)ビーズである。いくつかの態様において、ビーズは非多孔性である。いくつかの態様において、ビーズは、1つまたは複数の剤が付着する官能化表面を含む。一部の特定の態様において、1つまたは複数の剤は、表面でビーズに共有結合される。いくつかの態様において、1つまたは複数の剤は、抗体またはその抗原結合断片を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の剤は、抗CD3抗体および抗CD28抗体を含む。いくつかの態様において、刺激試薬は、抗CD3/抗CD28磁気ビーズであるか、または抗CD3/抗CD28磁気ビーズを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の剤は、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体、ならびに標識抗CD3または抗CD28抗体などの標識抗体(例えばビオチン化抗体)に結合することができる抗体またはその抗原断片を含む。一部の特定の態様において、ビーズは、約1.5g/cm3の密度および約1m2/g~約4m2/gの表面積を有する。特定の態様において、ビーズは、約4.5μmの直径および約1.5g/cm3の密度を有する単分散超常磁性ビーズである。いくつかの態様において、ビーズは、約2.8μmの平均直径および約1.3g/cm3の密度を有する単分散超常磁性ビーズである。
【0189】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、ビーズ対細胞の3:1もしくは約3:1、2.5:1もしくは約2.5:1、2:1もしくは約2:1、1.5:1もしくは約1.5:1、1.25:1もしくは約1.25:1、1.2:1もしくは約1.2:1、1.1:1もしくは約1.1:1、1:1もしくは約1:1、0.9:1もしくは約0.9:1、0.8:1もしくは約0.8:1、0.75:1もしくは約0.75:1、0.67:1もしくは約0.67:1、0.5:1もしくは約0.5:1、0.3:1もしくは約0.3:1、または0.2:1もしくは約0.2:1の比率で刺激試薬とともにインキュベートされる。特定の態様において、ビーズ対細胞の比率は、2.5:1~0.2:1、2:1~0.5:1、1.5:1~0.75:1、1.25:1~0.8:1、1.1:1~0.9:1である。特定の態様において、刺激試薬対細胞の比率は、約1:1または1:1である。
【0190】
2.細胞からの刺激試薬の除去
一部の特定の態様において、刺激試薬、例えば抗CD3/抗CD28磁気ビーズは、細胞から除去および/または分離される。理論に拘束されることを望まないが、特定の態様は、刺激試薬と細胞との間の結合および/または会合が、いくつかの状況では、インキュベーションの間に経時的に減少し得ることを企図する。一部の特定の態様において、1つまたは複数の剤を添加して、刺激試薬と細胞との間の結合および/または会合を減少させ得る。特定の態様において、細胞培養条件、例えば培地の温度またはpHの変化は、刺激試薬と細胞との間の結合および/または会合を減少させ得る。したがって、いくつかの態様において、刺激試薬は、例えば細胞をインキュベーション、細胞培養系、および/または溶液からも取り出さずに、細胞とは別途にインキュベーション、細胞培養系、および/または溶液から除去し得る。
【0191】
細胞から刺激試薬(例えばビーズ粒子または磁化可能粒子などの粒子であるかまたはそれを含む刺激試薬)を除去する方法は公知である。いくつかの態様において、例えば刺激試薬の一次抗体に結合し、細胞上のその抗原に対する親和性を変化させ、それにより穏やかな分離を可能にする、非標識抗体などの競合する抗体を使用することができる。いくつかの場合において、分離後、競合する抗体は粒子(例えばビーズ粒子)と結合したままであり得るが、未反応の抗体は洗い流されるまたは洗い流される可能性があり、細胞は抗体を単離、選択、濃縮および/または活性化しない。かかる試薬の例は、DETACaBEAD(Friedl et al.1995;Entschladen et al.1997)である。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、切断可能なリンカー(例えばDNAリンカー)の存在下で除去され得、それにより粒子に結合した抗体はリンカー(例えばCELLection、Dynal)にコンジュゲートされる。いくつかの場合において、リンカー領域は、例えばDNaseまたは他の放出緩衝液の添加により、単離後に細胞から粒子(例えばビーズ粒子)を除去するための切断可能な部位を提供する。いくつかの態様において、他の酵素的方法も、細胞からの粒子(例えばビーズ粒子)の放出のために使用することができる。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子または磁化可能粒子)は生分解性である。
【0192】
いくつかの態様において、刺激試薬は、磁性、常磁性、および/もしくは超常磁性であり、ならびに/または磁性、常磁性、および/もしくは超常磁性であるビーズを含み、刺激試薬は、細胞を磁場に曝露することによって細胞から除去され得る。磁場を生成するための磁石を含む適切な装置の例としては、DynaMag CTS(Thermo Fisher)、Magnetic Separator(Takara)およびEasySep Magnet(Stem Cell Technologies)が挙げられる。
【0193】
特定の態様において、刺激試薬は、提供される方法の完了前、例えば本明細書に提供される方法によって作製される操作された細胞を採取、収集、および/または製剤化する前に、細胞から除去または分離される。いくつかの態様において、刺激試薬は、細胞を操作する、例えば形質導入またはトランスフェクトする前に、細胞から除去および/または分離される。特定の態様において、刺激試薬は、細胞を操作する工程の後に、細胞から除去および/または分離される。一部の特定の態様において、刺激試薬は、細胞を培養する前に、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で操作された、例えばトランスフェクトまたは形質導入された細胞を培養する前に除去される。
【0194】
一部の特定の態様において、刺激試薬は、一定の時間後に細胞から分離および/または除去される。特定の態様において、時間は、刺激条件下でのインキュベーションの出発および/または開始からの時間である。特定の態様において、インキュベーションの開始は、細胞が刺激試薬および/または刺激試薬を含有する培地もしくは溶液と接触した時点またはほぼその時点と見なされる。特定の態様において、刺激試薬は、インキュベーションの出発または開始後10日以内もしくは約10日以内、9日以内もしくは約9日以内、8日以内もしくは約8日以内、7日以内もしくは約7日以内、6日以内もしくは約6日以内、5日以内もしくは約5日以内、4日以内もしくは約4日以内、3日以内もしくは約3日以内、または2日以内もしくは約2日以内に細胞から除去または分離される。特定の態様において、刺激試薬は、インキュベーションの出発または開始後9日目もしくは約9日目、8日目もしくは約8日目、7日目もしくは約7日目、6日目もしくは約6日目、5日目もしくは約5日目、4日目もしくは約4日目、3日目もしくは約3日目、または2日目もしくは約2日目に細胞から除去および/または分離される。一部の特定の態様において、刺激試薬は、インキュベーションの出発または開始後168時間もしくは約168時間、162時間もしくは約162時間、156時間もしくは約156時間、144時間もしくは約144時間、138時間もしくは約138時間、132時間もしくは約132時間、120時間もしくは約120時間、114時間もしくは約114時間、108時間もしくは約108時間、102時間もしくは約102時間、または96時間もしくは約96時間で細胞から除去および/または分離される。特定の態様において、刺激試薬は、インキュベーションの出発および/または開始後5日目または約5日目に細胞から除去および/または分離される。いくつかの態様において、刺激試薬は、インキュベーションの出発および/または開始後4日目または約4日目に細胞から除去および/または分離される。
【0195】
C.細胞の操作
いくつかの態様において、提供される方法は、疾患または病態を有する対象に、組換え抗原受容体を発現する細胞を投与することを含む。遺伝子操作成分、例えば抗原受容体、例えばCARまたはTCRを導入するための様々な方法が周知であり、提供される方法および組成物とともに使用し得る。例示的な方法は、ウイルス、例えばレトロウイルスまたはレンチウイルス、形質導入、トランスポゾン、およびエレクトロポレーションを介することを含む、受容体をコードする核酸の移入のための方法を含む。
【0196】
受容体を発現し、提供される方法によって投与される細胞の中には、操作された細胞がある。遺伝子操作は一般に、レトロウイルス形質導入、トランスフェクション、または形質転換などによる、細胞を含有する組成物への組換えまたは操作された成分をコードする核酸の導入を含む。
【0197】
いくつかの態様において、本明細書で提供される方法は、濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物を操作することに関連して使用される。一部の特定の態様において、操作は、ポリヌクレオチド、例えば組換えタンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドの導入であるか、またはそれを含む。特定の態様において、組換えタンパク質は、セクションIIに記載されているものなどの組換え受容体である。組換え受容体などの組換えタンパク質をコードする核酸分子の細胞への導入は、いくつかの公知のベクターのいずれかを使用して実施され得る。かかるベクターは、レンチウイルスおよびガンマレトロウイルス系を含むウイルスおよび非ウイルス系、ならびにPiggyBacまたはSleeping Beautyベースの遺伝子導入システムなどのトランスポゾンベースのシステムを含む。例示的な方法は、ウイルス、例えばレトロウイルスまたはレンチウイルス、形質導入、トランスポゾン、およびエレクトロポレーションを介することを含む、受容体をコードする核酸の移入のための方法を含む。いくつかの態様において、操作は、濃縮T細胞の1つまたは複数の操作された組成物を作製する。
【0198】
一部の特定の態様において、濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物は、例えば、セクションI-Dで提供される方法などによって、増殖および/または拡大を促進する条件下で細胞を培養する前に、操作、例えば形質導入またはトランスフェクトされる。特定の態様において、濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物は、該1つまたは複数の組成物がセクションI.B.で提供される方法に記載されている刺激条件下で刺激、活性化、および/またはインキュベートされた後に操作される。特定の態様において、1つまたは複数の組成物は刺激された組成物である。特定の態様において、1つまたは複数の刺激された組成物は、あらかじめクライオ凍結され、保存されており、操作の前に解凍される。
【0199】
一部の特定の態様において、刺激されたT細胞の1つまたは複数の組成物は、濃縮T細胞の2つの別個の刺激された組成物であるか、またはそれを含む。特定の態様において、濃縮T細胞の2つの別個の組成物、例えば同じ生物学的試料から選択、単離、および/または濃縮された濃縮T細胞の2つの別個の組成物は、別々に操作される。一部の特定の態様において、2つの別個の組成物は、濃縮CD4+T細胞の組成物を含む。特定の態様において、2つの別個の組成物は、濃縮CD8+T細胞の組成物を含む。いくつかの態様において、上記の刺激条件下でのインキュベーション後などの、濃縮CD4+T細胞および濃縮CD8+T細胞の2つの別個の組成物は、別々に遺伝子操作される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の単一の組成物が遺伝子操作される。一部の特定の態様において、単一の組成物は、濃縮CD4+T細胞の組成物である。いくつかの態様において、単一の組成物は、操作の前に別個の組成物から組み合わされた濃縮CD4+およびCD8+T細胞の組成物である。
【0200】
いくつかの態様において、操作される、例えば形質導入またはトランスフェクトされる、刺激されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む。一部の特定の態様において、操作される、刺激されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD8+T細胞を含む、および/またはCD8+T細胞を含まない、および/またはCD8+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0201】
いくつかの態様において、操作される、例えば形質導入またはトランスフェクトされる、刺激されたCD8+T細胞などの濃縮CD8+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。一部の特定の態様において、操作される、刺激されたCD8+T細胞などの濃縮CD8+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD4+T細胞を含む、および/またはCD4+T細胞を含まない、および/またはCD4+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0202】
いくつかの態様において、濃縮CD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、単一の組成物に組み合わされ、遺伝子操作、例えば形質導入またはトランスフェクトされる。一部の特定の態様において、濃縮CD4+および濃縮CD8+T細胞の別個の操作された組成物は、遺伝子操作が行われたおよび/または完了した後に単一の組成物に組み合わされる。特定の態様において、刺激されたDD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物などの、濃縮CD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、別々に操作され、遺伝子操作が行われたおよび/または完了した後にT細胞の培養および/または拡大のために別々に加工処理される。
【0203】
いくつかの態様において、ポリヌクレオチド、例えば組換えタンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドの導入は、刺激されたCD4+またはCD8+T細胞などの濃縮CD4+またはCD8+T細胞を、ポリヌクレオチドを含むウイルス粒子と接触させることによって行われる。いくつかの態様において、接触は、スピノキュレーション(例えば遠心接種)などの遠心分離を用いて実施することができる。いくつかの態様において、細胞、ウイルス粒子および試薬を含む組成物は、一般に比較的低い力または速度で、例えば細胞をペレット化するために使用される速度よりも低い速度、例えば600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpm(例えば600rpmもしくは約600rpmもしくは少なくとも600rpm、1000rpmもしくは約1000rpmもしくは少なくとも1000rpm、または1500rpmもしくは約1500rpmもしくは少なくとも1500rpm、または1700rpmもしくは約1700rpmもしくは少なくとも1700rpm)の速度で回転させることができる。いくつかの態様において、回転は、例えばチャンバーまたはキャビティの内壁または外壁で測定される、100g~3200gまたは約100g~約3200g(例えば100gもしくは約100gもしくは少なくとも100gもしくは少なくとも約100g、200gもしくは約200gもしくは少なくとも200gもしくは少なくとも約200g、300gもしくは約300gもしくは少なくとも300gもしくは少なくとも約300g、400gもしくは約400gもしくは少なくとも400gもしくは少なくとも約400g、500gもしくは約500gもしくは少なくとも500gもしくは少なくとも約500g、1000gもしくは約1000gもしくは少なくとも1000gもしくは少なくとも約1000g、1500gもしくは約1500gもしくは少なくとも1500gもしくは少なくとも約1500g、2000gもしくは約2000gもしくは少なくとも2000gもしくは少なくとも約2000g、2500gもしくは約2500gもしくは少なくとも2500gもしくは少なくとも約2500g、3000gもしくは約3000gもしくは少なくとも3000gもしくは少なくとも約3000g、または3200gもしくは約3200gもしくは少なくとも3200gもしくは少なくとも約3200g)、例えば693gまたは約693gの力、例えば相対遠心力で行われる。「相対遠心力」またはRCFという用語は、回転軸と比較して空間内の特定の点における地球の重力に対する、物体または物質(細胞、試料、もしくはペレット、および/または回転しているチャンバーもしくは他の容器内の点など)に与えられる有効力と一般的に理解される。この値は、重力、回転速度および回転半径(回転軸と、RCFが測定されている物体、物質、または粒子からの距離)を考慮に入れて、周知の式を使用して決定され得る。いくつかの態様において、細胞、例えば濃縮CD4+T細胞または濃縮CD8+T細胞の刺激された組成物由来の細胞の、ウイルスとの接触、ウイルスとのインキュベーション、および/またはウイルスによる操作の少なくとも一部は、約100g~3200g、約1000g~2000g、約1000g~3200g、約500g~1000g、約400g~1200g、約600g~800g、約600~700g、または約500g~700gの回転で行われる。いくつかの態様において、回転は、600g~700g、例えば693gまたは約693gである。
【0204】
一部の特定の態様において、操作、形質導入、および/またはトランスフェクションの少なくとも一部は、回転、例えばスピノキュレーションおよび/または遠心分離を用いて行われる。いくつかの態様において、回転は、5分間もしくは約5分間もしくは少なくとも5分間もしくは少なくとも約5分間、10分間もしくは約10分間もしくは少なくとも10分間もしくは少なくとも約10分間、15分間もしくは約15分間もしくは少なくとも15分間もしくは少なくとも約15分間、30分間もしくは約30分間もしくは少なくとも30分間もしくは約30分間、60分間もしくは約60分間もしくは少なくとも60分間もしくは少なくとも約60分間、90分間もしくは約90分間もしくは少なくとも90分間もしくは少なくとも約90分間、1時間もしくは約1時間もしくは少なくとも1時間もしくは少なくとも約1時間、2時間もしくは約2時間もしくは少なくとも2時間もしくは少なくとも約2時間、3時間もしくは約3時間もしくは少なくとも3時間もしくは少なくとも約3時間、4時間もしくは約4時間もしくは少なくとも4時間もしくは少なくとも約4時間、6時間もしくは約6時間もしくは少なくとも6時間もしくは少なくとも約6時間、8時間もしくは約8時間もしくは少なくとも8時間もしくは少なくとも約8時間、12時間もしくは約12時間もしくは少なくとも12時間もしくは少なくとも約12時間、24時間もしくは約24時間もしくは少なくとも24時間もしくは少なくとも約24時間、48時間もしくは約48時間もしくは少なくとも48時間もしくは少なくとも約48時間、72時間もしくは約72時間もしくは少なくとも72時間もしくは少なくとも約72時間、2日間もしくは約2日間もしくは少なくとも2日間もしくは少なくとも約2日間、3日間もしくは約3日間もしくは少なくとも3日間もしくは少なくとも約3日間、4日間もしくは約4日間もしくは少なくとも4日間もしくは少なくとも約4日間、5日間もしくは約5日間もしくは少なくとも5日間もしくは少なくとも約5日間、6日間もしくは約6日間もしくは少なくとも6日間もしくは少なくとも約6日間、または少なくとも7日間行われる。いくつかの態様において、回転は、60分間または約60分間行われる。一部の特定の態様において、回転は約30分間行われる。いくつかの態様において、回転は、600g~700g、例えば693gまたは約693gで約30分間行われる。
【0205】
一部の特定の態様において、操作、形質導入、および/またはトランスフェクトされる生細胞の数は、約5×106細胞~約100×107細胞、例えば約10×106細胞~約100×106細胞、約100×106細胞~約200×106細胞、約200×106細胞~約300×106細胞、約300×106細胞~約400×106細胞、約400×106細胞~約500×106細胞、または約500×106細胞~約100×107細胞の範囲にわたる。特定の例では、操作、形質導入、および/またはトランスフェクトされる生細胞の数は、約300×106細胞または約300×106細胞未満である。
【0206】
一部の特定の態様において、操作、形質導入、および/またはトランスフェクションの少なくとも一部は、約5mL~約100mL、例えば約10mL~約50mL、約15mL~約45mL、約20mL~約40mL、約25mL~約35mL、または30mLもしくは約30mLの体積(例えばスピノキュレーション体積)で行われる。一部の特定の態様において、スピノキュレーション後の細胞ペレット体積は、約1mL~約25mL、例えば約5mL~約20mL、約5mL~約15mL、約5mL~約10mL、または10mLもしくは約10mLの範囲にわたる。
【0207】
いくつかの態様において、遺伝子導入は、例えばサイトカインまたは活性化マーカーの発現によって測定されるように、細胞を増殖、生存、および/または活性化などの応答を誘導する刺激と組み合わせることなどによって最初に細胞を刺激すること、続いて活性化した細胞に形質導入すること、ならびに培養下で臨床適用に十分な数まで拡大させることによって達成される。一部の特定の態様において、遺伝子導入は、セクションI-Bに記載されている方法のいずれかなどにより、最初に刺激条件下で細胞をインキュベートすることによって達成される。
【0208】
いくつかの態様において、遺伝子操作のための方法は、組成物の1つまたは複数の細胞を、組換えタンパク質、例えば組換え受容体をコードする核酸分子と接触させることによって行われる。いくつかの態様において、接触は、スピノキュレーション(例えば遠心接種)などの遠心分離を用いて行うことができる。かかる方法は、国際公開公報第2016/073602号に記載されている方法のいずれかを含む。例示的な遠心チャンバーとしては、A-200/FおよびA-200遠心チャンバーを含むSepax(登録商標)およびSepax(登録商標)2システムで使用するためのもの、およびかかるシステムで使用するための様々なキットを含む、Biosafe SAによって製造および販売されたものが挙げられる。例示的なチャンバー、システム、および加工処理機器およびキャビネットは、例えば米国特許第6,123,655号、米国特許第6,733,433号および米国特許出願公開第2008/0171951号、ならびに国際公開公報第00/38762号に記載されており、これらのそれぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。かかるシステムで使用するための例示的なキットとしては、BioSafe SAからCS-430.1、CS-490.1、CS-600.1またはCS-900.2の製品名で販売されている単回使用キットが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0209】
いくつかの態様において、システムは、形質導入工程ならびにシステムで実施される1つまたは複数の様々な他の加工処理工程、例えば本明細書または国際公開公報第2016/073602号に記載されている遠心チャンバーシステムとともにまたはそれと関連して実施され得る1つまたは複数の加工処理工程の局面を操作、自動化、制御および/またはモニターする機器を含む他の機器とともに含まれるおよび/または他の機器に関連して配置される。いくつかの態様におけるこの機器は、キャビネット内に含まれている。いくつかの態様において、機器は、制御回路を含有するハウジング、遠心分離機、カバー、モーター、ポンプ、センサー、ディスプレイ、およびユーザインターフェースを含むキャビネットを含む。例示的なデバイスは、米国特許第6,123,655号、米国特許第6,733,433号および米国特許出願第2008/0171951号に記載されている。
【0210】
いくつかの態様において、システムは、一連の容器、例えばバッグ、チューブ類、停止コック、クランプ、コネクタ、および遠心チャンバーを含む。いくつかの態様において、バッグなどの容器は、同じ容器または別個の容器中に、例えば同じバッグまたは別個のバッグ中に、形質導入される細胞およびウイルスベクター粒子を含む1つまたは複数の容器、例えばバッグを含む。いくつかの態様において、システムは、1つまたは複数の容器、例えばチャンバーに引き込まれる希釈剤および/もしくは洗浄溶液などの媒体、ならびに/または方法の間に構成要素および/もしくは組成物を希釈、再懸濁、および/もしくは洗浄するための他の構成要素を含有するバッグをさらに含む。容器は、システム内の1つまたは複数の位置、例えばインプットライン、希釈剤ライン、洗浄ライン、廃棄物ラインおよび/またはアウトプットラインに対応する位置に接続することができる。
【0211】
いくつかの態様において、チャンバーは、その回転軸の周りなどの、チャンバーの回転をもたらすことができる遠心分離機と結合される。回転は、細胞の形質導入に関連するインキュベーションの前、インキュベーション中、および/もしくはインキュベーション後に、ならびに/または他の加工処理工程の1つもしくは複数において行われ得る。したがって、いくつかの態様において、様々な加工処理工程の1つまたは複数は、回転下で、例えば特定の力で実施される。チャンバーは、遠心分離中チャンバーが垂直に位置し、側壁と軸が垂直または概ね垂直であり、端壁(1つまたは複数)が水平または概ね水平であるように、典型的には垂直または概ね垂直の回転が可能である。
【0212】
いくつかの態様において、細胞を含む組成物およびウイルスベクター粒子を含む組成物、および任意で空気は、組成物をキャビティに提供する前に組み合わされ得るかまたは混合され得る。いくつかの態様において、細胞を含む組成物およびウイルスベクター粒子を含む組成物、および任意で空気は、別々に提供され、キャビティ内で組み合わされ、混合される。いくつかの態様において、細胞を含む組成物、ウイルスベクター粒子を含む組成物、および任意で空気は、任意の順序で内部キャビティに提供され得る。かかるいくつかの態様のいずれかにおいて、細胞およびウイルスベクター粒子を含む組成物は、遠心チャンバーの内部もしくは外部で組み合わされるもしくは混合されるかどうか、ならびに/または細胞およびウイルスベクター粒子が一緒にもしくは別々に、例えば同時にもしくは連続的に遠心チャンバーに提供されるかどうかにかかわらず、一緒に組み合わされるまたは混合されると、インプット組成物である。
【0213】
いくつかの態様において、空気などの一定の体積のガスの取り込みは、形質導入法における回転などの細胞およびウイルスベクター粒子のインキュベーションの前に行われる。いくつかの態様において、空気などの一定の体積のガスの取り込みは、形質導入法における回転などの細胞およびウイルスベクター粒子のインキュベーション中に行われる。
【0214】
いくつかの態様において、形質導入組成物を構成する細胞またはウイルスベクター粒子の液体体積、および任意で空気の体積は、所定の体積であり得る。体積は、システムに関連する回路にプログラムされるおよび/またはシステムによって制御される体積であり得る。
【0215】
いくつかの態様において、形質導入組成物、および任意で空気などのガスの取り込みは、所望のまたは所定の体積がチャンバーの内部キャビティに取り込まれるまで、手動、半自動および/または自動で制御される。いくつかの態様において、システムに関連するセンサーは、遠心チャンバーに出入りする液体および/またはガスを、その色、流速および/または密度などによって検出することができ、関連する回路と通信して、かかる所望のまたは所定の体積の取り込みが達成されるまで、必要に応じて取り込みを停止または継続させることができる。一部の局面において、システム内の液体のみを検出し、ガス(例えば空気)は検出しないようにプログラムされているかまたはそのように検出することができるセンサーは、取り込みを停止することなく空気などのガスをシステムに通過させることができるようにし得る。いくつかのかかる態様において、空気などのガスの取り込みを所望する間、チューブ類の不透明な部分をセンサーの近くのラインに配置することができる。いくつかの態様において、空気などのガスの取り込みは手動で制御することができる。
【0216】
提供される方法の局面において、遠心チャンバーの内部キャビティは高速回転に供される。いくつかの態様において、回転は、液体インプット組成物、および任意で空気の取り込みの前に、それと同時に、その後に、または断続的に実施される。いくつかの態様において、回転は、液体インプット組成物、および任意で空気の取り込みの後に実施される。いくつかの態様において、回転は、800gもしくは約800gもしくは少なくとも800gもしくは少なくとも約800g、1000gもしくは約1000gもしくは少なくとも1000gもしくは少なくとも約1000g、1100gもしくは約1100gもしくは少なくとも1100gもしくは少なくとも約1100g、1500もしくは約1500もしくは少なくとも1500もしくは少なくとも約1500、1600gもしくは約1600gもしくは少なくとも1600gもしくは少なくとも約1600g、1800gもしくは約1800gもしくは少なくとも1800gもしくは少なくとも約1800g、2000gもしくは約2000gもしくは少なくとも2000gもしくは少なくとも約2000g、2200gもしくは約2200gもしくは少なくとも2200gもしくは少なくとも約2200g、2500gもしくは約2500gもしくは少なくとも2500gもしくは少なくとも約2500g、3000gもしくは約3000gもしくは少なくとも3000gもしくは少なくとも約3000g、3500gもしくは約3500gもしくは少なくとも3500gもしくは少なくとも約3500g、または4000gもしくは約4000gもしくは少なくとも4000gもしくは少なくとも約4000gの、内部キャビティの側壁の内面および/または細胞の表面層における相対遠心力での、遠心チャンバーの遠心分離によるものである。いくつかの態様において、回転は、1100g超または約1100g、例えば1200g超もしくは約1200g、1400g超もしくは約1400g、1600g超もしくは約1600g、1800g超もしくは約1800g、2000g超もしくは約2000g、2400g超もしくは約2400g、2800g超もしくは約2800g、3000g超もしくは約3000g、または3200g超もしくは約3200gの力での遠心分離によるものである。いくつかの態様において、回転は、1600gまたは約1600gの力での遠心分離によるものである。
【0217】
いくつかの態様において、形質導入の方法は、5分間超もしくは約5分間、例えば10分間超もしくは約10分間、15分間超もしくは約15分間、20分間超もしくは約20分間、30分間超もしくは約30分間、45分間超もしくは約45分間、60分間超もしくは約60分間、90分間超もしくは約90分間、または120分間超もしくは約120分間の、遠心チャンバー内での形質導入組成物、および任意で空気の回転または遠心分離を含む。いくつかの態様において、形質導入組成物、および任意で空気は、5分間より長いが、60分間以下、45分間以下、30分間以下または15分間以下の間、遠心チャンバー内で回転または遠心分離される。特定の態様において、形質導入は、60分間または約60分間の回転または遠心分離を含む。
【0218】
いくつかの態様において、形質導入の方法は、それぞれ両端の値を含む、10分間~60分間もしくは約10分間~約60分間、15分間~60分間もしくは約15分間~約60分間、15分間~45分間もしくは約15分間~約45分間、30分間~60分間もしくは約30分間~約60分間、または45分間~60分間もしくは約45分間~約60分間にわたる、少なくとも1000gもしくは1000g超もしくは約1000g、少なくとも1100gもしくは1100g超もしくは約1100g、少なくとも1200gもしくは1200g超もしくは約1200g、少なくとも1400gもしくは1400g超もしくは約1400g、少なくとも1500gもしくは1500g超もしくは約1500g、少なくとも1600gもしくは1600g超もしくは約1600g、少なくとも1800gもしくは1800g超もしくは約1800g、少なくとも2000gもしくは2000g超もしくは約2000g、少なくとも2200gもしくは2200g超もしくは約2200g、少なくとも2400gもしくは2400g超もしくは約2400g、少なくとも2800gもしくは2800g超もしくは約2800g、少なくとも3200gもしくは3200g超もしくは約3200g、または少なくとも3600gもしくは3600g超もしくは約3600gの内部キャビティの側壁の内面および/または細胞の表面層における力での、遠心チャンバー内での形質導入組成物、および任意で空気の回転または遠心分離を含む。特定の態様において、形質導入の方法は、1600gまたは約1600gで60分間または約60分間の、形質導入組成物、例えば細胞およびウイルスベクター粒子の回転または遠心分離を含む。
【0219】
いくつかの態様において、チャンバーのキャビティ内の空気などのガスは、チャンバーから放出される。いくつかの態様において、空気などのガスは、閉鎖系の一部として遠心チャンバーと機能的に連結された容器に放出される。いくつかの態様において、容器は、何も含まないまたは空の容器である。いくつかの態様において、チャンバーのキャビティ内のガスなどの空気は、無菌のチューブラインを介してチャンバーの内部キャビティに機能的に接続されているフィルターを通して放出される。いくつかの態様において、空気は、手動、半自動化または自動化プロセスを使用して放出される。いくつかの態様において、チャンバーのキャビティから、形質導入が開始された細胞またはウイルスベクターで形質導入された細胞などのインキュベートされた細胞およびウイルスベクター粒子を含むアウトプット組成物を圧出する前に、圧出と同時に、断続的にまたは圧出の後に、チャンバーから空気が放出される。
【0220】
いくつかの態様において、形質導入および/または他のインキュベーションは、連続的もしくは半連続的プロセスとして、またはその一部として行われる。いくつかの態様において、連続プロセスは、インキュベーションの少なくとも一部の間、例えば遠心分離中、細胞およびウイルスベクター粒子、例えば形質導入組成物(単一の既存の組成物として、もしくは連続的に同じ容器、例えばキャビティに引き込み、それにより混合することによる)の連続取り込み、ならびに/または容器からの液体の連続的圧出もしくは排出、および任意でガス(例えば空気)の放出を含む。いくつかの態様において、連続的取り込みおよび連続的圧出は、少なくとも部分的には同時に実施される。いくつかの態様において、連続的取り込みは、インキュベーションの一部の間に、例えば遠心分離の一部の間に行われ、連続的圧出は、インキュベーションの別の一部の間に行われる。これら2つは交互に行われ得る。したがって、連続的な取り込みおよび圧出は、インキュベーションを実施しながら、より大きな全体体積の試料を加工処理する、例えば形質導入することを可能にする。
【0221】
いくつかの態様において、インキュベーションは連続的プロセスの一部であり、本方法は、インキュベーションの少なくとも一部の間に、チャンバーの回転中およびインキュベーションの一部の間に前記形質導入組成物のキャビティへの連続的取り込みを実施すること、チャンバーの回転中に少なくとも1つの開口部を通してキャビティからの液体の連続的圧出、および任意でガス(例えば空気)の放出を実施することを含む。
【0222】
いくつかの態様において、半連続的インキュベーションは、組成物のキャビティへの取り込み、インキュベーション、アウトプット容器などへのキャビティからの液体の圧出、および任意でキャビティからのガス(例えば空気)の放出を実施することと、次に、加工処理のためのより多くの細胞および他の試薬、例えばウイルスベクター粒子を含有する後続(例えば第2、第3など)の組成物の取り込みとを交互に行うこと、ならびにプロセスを繰り返すことによって実施される。例えば、いくつかの態様において、インキュベーションは半連続的プロセスの一部であり、本方法は、インキュベーションの前に、前記少なくとも1つの開口部を通してキャビティへの形質導入組成物の取り込みを実施すること、およびインキュベーションの後に、キャビティからの液体の圧出を実施すること;前記内部キャビティへの細胞およびウイルスベクター粒子を含む別の形質導入組成物の取り込みを実施すること;ならびに前記別の形質導入組成物中の細胞が前記ベクターで形質導入される条件下で、内部キャビティ内で前記別の形質導入組成物をインキュベートすることを含む。このプロセスは、数回のさらなるラウンドにわたって反復的に継続され得る。この点で、半連続的または連続的方法は、さらにより大きな体積および/または数の細胞の作製を可能にし得る。
【0223】
いくつかの態様において、形質導入インキュベーションの一部は遠心チャンバー内で行われ、回転または遠心分離を含む条件下で行われる。
【0224】
いくつかの態様において、方法は、細胞およびウイルスベクター粒子のインキュベーションのさらなる一部が回転または遠心分離なしで行われるインキュベーションを含み、これは一般に、チャンバーの回転または遠心分離を含むインキュベーションの少なくとも一部の後に行われる。一部の特定の態様において、細胞およびウイルスベクター粒子のインキュベーションは、回転または遠心分離なしで、少なくとも1時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも32時間、少なくとも48時間、少なくとも60時間、少なくとも72時間、少なくとも90時間、少なくとも96時間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、または5日を超えて行われる。一部の特定の態様において、インキュベーションは、72時間または約72時間行われる。
【0225】
いくつかのかかる態様において、さらなるインキュベーションは、1つまたは複数の細胞の宿主ゲノムへのウイルスベクターの組み込みをもたらす条件下で実施される。インキュベーションが宿主ゲノムへのウイルスベクター粒子の組み込みをもたらしたかどうかを評価または決定すること、したがってさらなるインキュベーションのための条件を経験的に決定することは、当業者のレベルの範囲内である。いくつかの態様において、ウイルスベクターの宿主ゲノムへの組み込みは、インキュベーション後にウイルスベクター粒子のゲノムに含まれる核酸によってコードされる、異種タンパク質などの組換えタンパク質の発現レベルを測定することによって評価できる。組換え分子の発現レベルを評価するための多くの周知の方法、例えば細胞表面タンパク質に関連して、例えば親和性に基づく方法、例えば免疫親和性に基づく方法による検出、例えばフローサイトメトリーによる検出を使用し得る。いくつかの例では、発現は、形質導入マーカーおよび/またはレポーター構築物の検出によって測定される。いくつかの態様において、短縮型表面タンパク質をコードする核酸がベクター内に含まれ、発現および/またはその増強のマーカーとして使用される。
【0226】
いくつかの態様において、細胞、ベクター、例えばウイルス粒子、および試薬を含む組成物は、一般に比較的低い力または速度で、例えば細胞をペレット化するために使用される速度よりも低い速度、例えば600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpm(例えば600rpmもしくは約600rpmもしくは少なくとも600rpm、1000rpmもしくは約1000rpmもしくは少なくとも1000rpm、または1500rpmもしくは約1500rpmもしくは少なくとも1500rpm、または1700rpmもしくは約1700rpmもしくは少なくとも1700rpm)の速度で回転させることができる。いくつかの態様において、回転は例えばチャンバーまたはキャビティの内壁または外壁で測定される、100g~3200gまたは約100g~約3200g(例えば100gもしくは約100gもしくは少なくとも100gもしくは少なくとも約100g、200gもしくは約200gもしくは少なくとも200gもしくは少なくとも約200g、300gもしくは約300gもしくは少なくとも300gもしくは少なくとも約300g、400gもしくは約400gもしくは少なくとも400gもしくは少なくとも約400g、500gもしくは約500gもしくは少なくとも500gもしくは少なくとも約500g、1000gもしくは1000gもしくは少なくとも1000gもしくは少なくとも約1000g、1500gもしくは約1500gもしくは少なくとも1500gもしくは少なくとも約1500g、2000gもしくは約2000gもしくは少なくとも2000gもしくは少なくとも約2000g、2500gもしくは約2500gもしくは少なくとも2500gもしくは少なくとも約2500g、3000gもしくは約3000gもしくは少なくとも3000gもしくは少なくとも約3000g、または3200gもしくは約3200gもしくは少なくとも3200gもしくは少なくとも約3200g)の力、例えば相対遠心力で行われる。「相対遠心力」またはRCFという用語は、回転軸と比較して空間内の特定の点における地球の重力に対する、物体または物質(細胞、試料、もしくはペレット、および/または回転しているチャンバーもしくは他の容器内の点など)に与えられる有効力と一般的に理解される。この値は、重力、回転速度および回転半径(回転軸と、RCFが測定されている物体、物質、または粒子からの距離)を考慮に入れて、周知の式を使用して決定され得る。
【0227】
いくつかの態様において、遺伝子操作の少なくとも一部、例えば形質導入の間、および/または遺伝子操作に続いて、細胞は、上記のように細胞の培養または拡大などの遺伝子操作された細胞の培養のためにバイオリアクターバッグアセンブリに移される。
【0228】
一部の特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、形質導入アジュバントの存在下で操作され、例えば形質導入またはトランスフェクトされる。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数のポリカチオンの存在下で操作される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数の形質導入アジュバントの存在下で形質導入され、例えばウイルスベクター粒子とともにインキュベートされる。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数の形質導入アジュバントの存在下でトランスフェクトされ、例えば非ウイルスベクターとともにインキュベートされる。一部の特定の態様において、1つまたは複数の形質導入アジュバントの存在は、操作される(例えば形質導入またはトランスフェクトされる)組成物の細胞の量、部分、および/またはパーセンテージを増加させることなどによって、遺伝子送達の効率を高める。一部の特定の態様において、1つまたは複数の形質導入アジュバントの存在は、トランスフェクションの効率を高める。一部の特定の態様において、1つまたは複数の形質導入アジュバントの存在は、形質導入の効率を高める。特定の態様において、ポリカチオンの存在下で操作される細胞の少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%は、組換えポリヌクレオチドを含むかまたは組換えポリヌクレオチドを発現する。いくつかの態様において、形質導入アジュバントの存在なしで細胞を操作する代替的および/または例示的方法と比較して、組成物の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍多い細胞が、ポリカチオンの存在下で組換え形質導入アジュバントを含むまたは発現するように操作される。
【0229】
いくつかの態様において、濃縮細胞の組成物は、100μg/ml未満、90μg/ml未満、80μg/ml未満、75μg/ml未満、70μg/ml未満、60μg/ml未満、50μg/ml未満、40μg/ml未満、30μg/ml未満、25μg/ml未満、20μg/ml未満、またはμg/ml未満、10μg/ml未満の形質導入アジュバントの存在下で操作される。一部の特定の態様において、提供される方法での使用に適した形質導入アジュバントとしては、ポリカチオン、フィブロネクチンまたはフィブロネクチン由来の断片もしくは変異体、RetroNectin、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0230】
いくつかの態様において、細胞は、1IU/ml~1,000IU/ml、10IU/ml~50IU/ml、50IU/ml~100IU/ml、100IU/ml~200IU/ml、100IU/ml~500IU/ml、250IU/ml~500IU/ml、または500IU/ml~1,000IU/mlの濃度のサイトカイン、例えば組換えヒトサイトカインの存在下で操作される。
【0231】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、1IU/ml~200IU/ml、10IU/ml~100IU/ml、50IU/ml~150IU/ml、80IU/ml~120IU/ml、60IU/ml~90IU/ml、または70IU/ml~90IU/mlの濃度のIL-2、例えばヒト組換えIL-2の存在下で操作される。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、50IU/mlもしくは約50IU/ml、55IU/mlもしくは約55IU/ml、60IU/mlもしくは約60IU/ml、65IU/mlもしくは約65IU/ml、70IU/mlもしくは約70IU/ml、75IU/mlもしくは約75IU/ml、80IU/mlもしくは約80IU/ml、85IU/mlもしくは約85IU/ml、90IU/mlもしくは約90IU/ml、95IU/mlもしくは約95IU/ml、100IU/mlもしくは約100IU/ml、110IU/mlもしくは約110IU/ml、120IU/mlもしくは約120IU/ml、130IU/mlもしくは約130IU/ml、140IU/mlもしくは約140IU/ml、または150IU/mlもしくは約150IU/mlの濃度の組換えIL-2の存在下で操作される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、85IU/mlまたは約85IU/mlの存在下で操作される。いくつかの態様において、T細胞の集団は、CD4+T細胞の集団である。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、CD4+T細胞が濃縮されており、CD8+T細胞は濃縮されていない、および/またはCD8+T細胞は組成物から陰性選択されるかもしくは組成物から枯渇されている。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD8+T細胞の組成物である。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、CD8+T細胞が濃縮されており、CD4+T細胞は濃縮されていない、および/またはCD4+T細胞は組成物から陰性選択されるかもしくは枯渇されている。
【0232】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、100IU/ml~2,000IU/ml、500IU/ml~1,000IU/ml、100IU/ml~500IU/ml、500IU/ml~750IU/ml、750IU/ml~1,000IU/ml、または550IU/ml~650IU/mlの濃度の組換えIL-7、例えばヒト組換えIL-7の存在下で操作される。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、50IU/mlもしくは約50IU/ml、100IU/mlもしくは約100IU/ml、150IU/mlもしくは約150IU/ml、200IU/mlもしくは約200IU/ml、250IU/mlもしくは約250IU/ml、300IU/mlもしくは約300IU/ml、350IU/mlもしくは約350IU/ml、400IU/mlもしくは約400IU/ml、450IU/mlもしくは約450IU/ml、500IU/mlもしくは約500IU/ml、550IU/mlもしくは約550IU/ml、600IU/mlもしくは約600IU/ml、650IU/mlもしくは約650IU/ml、700IU/mlもしくは約700IU/ml、750IU/mlもしくは約750IU/ml、800IU/mlもしくは約800IU/ml、750IU/mlもしくは約750IU/ml、750IU/mlもしくは約750IU/ml、750IU/mlもしくは約750IU/ml、または1,000IU/mlもしくは約1,000IU/mlの濃度のIL-7の存在下で操作される。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、600IU/mlまたは約600IU/mlのIL-7の存在下で操作される。いくつかの態様において、組換えIL-7の存在下で操作された組成物は、T細胞、例えばCD4+T細胞の集団が濃縮されている。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、CD4+T細胞が濃縮されており、CD8+T細胞は濃縮されていない、および/またはCD8+T細胞は組成物から陰性選択されるかもしくは組成物から枯渇されている。
【0233】
いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、0.1IU/ml~100IU/ml、1IU/ml~50IU/ml、5IU/ml~25IU/ml、25IU/ml~50IU/ml、5IU/ml~15IU/ml、または10IU/ml~100IU/mlの濃度の組換えIL-15、例えばヒト組換えIL-15の存在下で操作される。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、1IU/mlもしくは約1IU/ml、2IU/mlもしくは約2IU/ml、3IU/mlもしくは約3IU/ml、4IU/mlもしくは約4IU/ml、5IU/mlもしくは約5IU/ml、6IU/mlもしくは約6IU/ml、7IU/mlもしくは約7IU/ml、8IU/mlもしくは約8IU/ml、9IU/mlもしくは約9IU/ml、10IU/mlもしくは約10IU/ml、11IU/mlもしくは約11IU/ml、12IU/mlもしくは約12IU/ml、13IU/mlもしくは約13IU/ml、14IU/mlもしくは約14IU/ml、15IU/mlもしくは約15IU/ml、20IU/mlもしくは約20IU/ml、25IU/mlもしくは約25IU/ml、30IU/mlもしくは約30IU/ml、40IU/mlもしくは約40IU/ml、または50IU/mlもしくは約50IU/mlの濃度のIL-15の存在下で操作される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、10IU/mlまたは約10IU/mlのIL-15中で操作される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、10IU/mlまたは約10IU/mlの組換えIL-15中でインキュベートされる。いくつかの態様において、組換えIL-15の存在下で操作された組成物は、T細胞、例えばCD4+T細胞および/またはCD8+T細胞の集団が濃縮されている。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD8+T細胞の組成物である。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、CD8+T細胞が濃縮されており、CD4+T細胞は濃縮されていない、および/またはCD4+T細胞は組成物から陰性選択されるかもしくは枯渇されている。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD4+T細胞の組成物である。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、CD4+T細胞が濃縮されており、CD8+T細胞は濃縮されていない、および/またはCD8+T細胞は組成物から陰性選択されるかもしくは組成物から枯渇されている。
【0234】
特定の態様において、濃縮CD8+T細胞の組成物は、IL-2および/またはIL-15の存在下で操作される。一部の特定の態様において、濃縮CD4+T細胞の組成物は、IL-2、IL-7、および/またはIL-15の存在下で操作される。いくつかの態様において、IL-2、IL-7、および/またはIL-15は組換え型である。一部の特定の態様において、IL-2、IL-7、および/またはIL-15はヒトのものである。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、ヒト組換えIL-2、IL-7、および/もしくはIL-15であるか、またはそれを含む。
【0235】
特定の態様において、細胞は、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で操作される。いくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤としては、トコフェロール、トコトリエノール、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、α-トコフェロールキノン、トロロックス(6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、フラボノイド、イソフラボン、リコピン、β-カロテン、セレン、ユビキノン、ルエチン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオン、タウリン、N-アセチルシステイン(NAC)、クエン酸、L-カルニチン、BHT、モノチオグリセロール、アスコルビン酸、没食子酸プロピル、メチオニン、システイン、ホモシステイン、グルタチオン、シスタミンおよびシスタチオニン、ならびに/またはグリシン-グリシン-ヒスチジンが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0236】
いくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤は、硫黄含有酸化剤であるか、または硫黄含有酸化剤を含む。一部の特定の態様において、硫黄含有抗酸化剤は、チオール含有抗酸化剤および/または、例えば環構造内に1つまたは複数の硫黄部分を示す抗酸化剤を含み得る。いくつかの態様において、硫黄含有抗酸化剤は、例えばN-アセチルシステイン(NAC)および2,3-ジメルカプトプロパノール(DMP)、L-2-オキソ-4-チアゾリジンカルボキシレート(OTC)およびリポ酸を含み得る。特定の態様において、硫黄含有抗酸化剤はグルタチオン前駆体である。いくつかの態様において、グルタチオン前駆体は、細胞内の1つまたは複数の工程で修飾されてグルタチオンをもたらし得る分子である。特定の態様において、グルタチオン前駆体は、N-アセチルシステイン(NAC)、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸(プロシステイン)、リポ酸、S-アリルシステイン、または塩化メチルメチオニンスルホニウムを含み得るが、これらに限定されるわけではない。
【0237】
いくつかの態様において、細胞は、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で操作される。いくつかの態様において、細胞は、1ng/ml~100ng/ml、10ng/ml~1μg/ml、100ng/ml~10μg/ml、1μg/ml~100μg/ml、10μg/ml~1mg/ml、100μg/ml~1mg/ml、1500μg/ml~2mg/ml、500μg/ml~5mg/ml、1mg/ml~10mg/ml、または1mg/ml~100mg/mlの1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で操作される。いくつかの態様において、細胞は、1ng/mlもしくは約1ng/ml、10ng/mlもしくは約10ng/ml、100ng/mlもしくは約100ng/ml、1μg/mlもしくは約1μg/ml、10μg/mlもしくは約10μg/ml、100μg/mlもしくは約100μg/ml、0.2mg/mlもしくは約0.2mg/ml、0.4mg/mlもしくは約0.4mg/ml、0.6mg/mlもしくは約0.6mg/ml、0.8mg/mlもしくは約0.8mg/ml、1mg/mlもしくは約1mg/ml、2mg/mlもしくは約2mg/ml、3mg/mlもしくは約3mg/ml、4mg/mlもしくは約4mg/ml、5mg/mlもしくは約5mg/ml、10mg/mlもしくは約10mg/ml、20mg/mlもしくは約20mg/ml、25mg/mlもしくは約25mg/ml、50mg/mlもしくは約50mg/ml、100mg/mlもしくは約100mg/ml、200mg/mlもしくは約200mg/ml、300mg/mlもしくは約300mg/ml、400mg/mlもしくは約400mg/ml、500mg/mlもしくは約500mg/mlの1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で操作される。いくつかの態様において、1つまたは複数の抗酸化剤は、硫黄含有抗酸化剤であるか、または硫黄含有抗酸化剤を含む。特定の態様において、1つまたは複数の抗酸化剤は、グルタチオン前駆体であるか、またはグルタチオン前駆体を含む。
【0238】
いくつかの態様において、細胞は、NACの存在下で操作される。いくつかの態様において、細胞は、1ng/ml~100ng/ml、10ng/ml~1μg/ml、100ng/ml~10μg/ml、1μg/ml~100μg/ml、10μg/ml~1mg/ml、100μg/ml~1mg/ml、1500μg/ml~2mg/ml、500μg/ml~5mg/ml、1mg/ml~10mg/ml、または1mg/ml~100mg/mlのNACの存在下で操作される。いくつかの態様において、細胞は、1ng/mlもしくは約1ng/ml、10ng/mlもしくは約10ng/ml、100ng/mlもしくは約100ng/ml、1μg/mlもしくは約1μg/ml、10μg/mlもしくは約10μg/ml、100μg/mlもしくは約100μg/ml、0.2mg/mlもしくは約0.2mg/ml、0.4mg/mlもしくは約0.4mg/ml、0.6mg/mlもしくは約0.6mg/ml、0.8mg/mlもしくは約0.8mg/ml、1mg/mlもしくは約1mg/ml、2mg/mlもしくは約2mg/ml、3mg/mlもしくは約3mg/ml、4mg/mlもしくは約4mg/ml、5mg/mlもしくは約5mg/ml、10mg/mlもしくは約10mg/ml、20mg/mlもしくは約20mg/ml、25mg/mlもしくは約25mg/ml、50mg/mlもしくは約50mg/ml、100mg/mlもしくは約100mg/ml、200mg/mlもしくは約200mg/ml、300mg/mlもしくは約300mg/ml、400mg/mlもしくは約400mg/ml、500mg/mlもしくは約500mg/mlのNACの存在下で操作される。いくつかの実施形態において、細胞は、0.8mg/mlまたは約0.8mg/mlで操作される。
【0239】
いくつかの態様において、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD4+T細胞または刺激されたCD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数のポリカチオンの存在下で操作される。いくつかの態様において、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD4+T細胞または刺激されたCD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数のポリカチオンの存在下で形質導入され、例えばウイルスベクター粒子とともにインキュベートされる。特定の態様において、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD4+T細胞または刺激されたCD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数のポリカチオンの存在下でトランスフェクトされ、例えば非ウイルスベクターとともにインキュベートされる。一部の特定の態様において、1つまたは複数のポリカチオンの存在は、操作される(例えば形質導入またはトランスフェクトされる)組成物の細胞の量、部分、および/またはパーセンテージを増加させることなどによって、遺伝子送達の効率を高める。一部の特定の態様において、1つまたは複数のポリカチオンの存在は、トランスフェクションの効率を高める。一部の特定の態様において、1つまたは複数のポリカチオンの存在は、形質導入の効率を高める。特定の態様において、ポリカチオンの存在下で操作される細胞の少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%は、組換えポリヌクレオチドを含むかまたは組換えポリヌクレオチドを発現する。いくつかの態様において、ポリカチオンの存在なしで細胞を操作する代替的および/または例示的方法と比較して、組成物の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍多い細胞が、ポリカチオンの存在下で組換えポリヌクレオチドを含むまたは発現するように操作される。
【0240】
一部の特定の態様において、濃縮細胞の組成物、例えば濃縮CD4+T細胞または濃縮CD8+T細胞、例えばその刺激されたT細胞の組成物は、例えばポリカチオンの存在下で細胞を操作する例示的および/または代替的方法と比較して、低い濃度または低い量のポリカチオンの存在下で操作される。一部の特定の態様において、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD4+T細胞または刺激されたCD8+T細胞などの濃縮細胞の組成物は、細胞を操作するための例示的および/または代替的プロセスのポリカチオンの量および/または濃度の90%未満、80%未満、75%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満の量および/または濃度のポリカチオンの存在下で操作される。いくつかの態様において、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD4+T細胞または刺激されたCD8+T細胞などの濃縮細胞の組成物は、100μg/ml未満、90μg/ml未満、80μg/ml未満、75μg/ml未満、70μg/ml未満、60μg/ml未満、50μg/ml未満、40μg/ml未満、30μg/ml未満、25μg/ml未満、20μg/ml未満、またはμg/ml未満、10μg/ml未満のポリカチオンの存在下で操作される。特定の態様において、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD4+T細胞または刺激されたCD8+T細胞などの濃縮細胞の組成物は、1μg/mlもしくは約1μg/ml、5μg/mlもしくは約5μg/ml、10μg/mlもしくは約10μg/ml、15μg/mlもしくは約15μg/ml、20μg/mlもしくは約20μg/ml、25μg/mlもしくは約25μg/ml、30μg/mlもしくは約30μg/ml、35μg/mlもしくは約35μg/ml、40μg/mlもしくは約40μg/ml、45μg/mlもしくは約45μg/ml、または50μg/mlもしくは約50μg/mlのポリカチオンの存在下で操作される。
【0241】
特定の態様において、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD4+T細胞または刺激されたCD8+T細胞などの濃縮細胞の組成物をポリカチオンの存在下で操作することは、例えば壊死、プログラムされた細胞死、またはアポトーシスによる細胞死の量を低減する。いくつかの態様において、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD4+T細胞または刺激されたCD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、少量のポリカチオン、例えば100μg/ml未満、50μg/ml未満、または10μg/ml未満のポリカチオンの存在下で操作され、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%の細胞が、操作工程が完了した後1日間もしくは少なくとも1日間、2日間もしくは少なくとも2日間、3日間もしくは少なくとも3日間、4日間もしくは少なくとも4日間、5日間もしくは少なくとも5日間、6日間もしくは少なくとも6日間、7日間もしくは少なくとも7日間、または7日間を超えて生存する、例えば壊死、プログラムされた細胞死、またはアポトーシスを受けない。いくつかの態様において、組成物は、より高い量または濃度のポリカチオン、例えば50μg/ml超、100μg/ml超、500μg/ml超、または1,000μg/ml超のポリカチオンの存在下で細胞を操作する代替的および/または例示的方法と比較して、低い濃度または量のポリカチオンの存在下で操作され、組成物の細胞は、例示的および/または代替的プロセスを受ける細胞と比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍高い生存率を有する。
【0242】
いくつかの態様において、ポリカチオンは正に帯電している。一部の特定の態様において、ポリカチオンは、細胞とベクター、例えばウイルスまたは非ウイルスベクターとの間の反発力を低減し、細胞表面へのベクターの接触および/または結合を媒介する。いくつかの態様において、ポリカチオンは、ポリブレン、DEAE-デキストラン、硫酸プロタミン、ポリ-L-リジン、またはカチオン性リポソームである。
【0243】
特定の態様において、ポリカチオンは硫酸プロタミンである。いくつかの態様において、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD4+T細胞または刺激されたCD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、500μg/ml未満もしくは約500μg/ml、400μg/ml未満もしくは約400μg/ml、300μg/ml未満もしくは約300μg/ml、200μg/ml未満もしくは約200μg/ml、150μg/ml未満もしくは約150μg/ml、100μg/ml未満もしくは約100μg/ml、90μg/ml未満もしくは約90μg/ml、80μg/ml未満もしくは約80μg/ml、75μg/ml未満もしくは約75μg/ml、70μg/ml未満もしくは約70μg/ml、60μg/ml未満もしくは約60μg/ml、50μg/ml未満もしくは約50μg/ml、40μg/ml未満もしくは約40μg/ml、30μg/ml未満もしくは約30μg/ml、25μg/ml未満もしくは約25μg/ml、20μg/ml未満もしくは約20μg/ml、15μg/ml未満もしくは約15μg/ml、または10μg/ml未満もしくは約10μg/mlの硫酸プロタミンの存在下で操作される。特定の態様において、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD4+T細胞または刺激されたCD8+T細胞などの濃縮細胞の組成物は、1μg/mlもしくは約1μg/ml、5μg/mlもしくは約5μg/ml、10μg/mlもしくは約10μg/ml、15μg/mlもしくは約15μg/ml、20μg/mlもしくは約20μg/ml、25μg/mlもしくは約25μg/ml、30μg/mlもしくは約30μg/ml、35μg/mlもしくは約35μg/ml、40μg/mlもしくは約40μg/ml、45μg/mlもしくは約45μg/ml、50μg/mlもしくは約50μg/ml、55μg/mlもしくは約55μg/ml、60μg/mlもしくは約60μg/ml、75μg/mlもしくは約75μg/ml、80μg/mlもしくは約80μg/ml、85μg/mlもしくは約85μg/ml、90μg/mlもしくは約90μg/ml、95μg/mlもしくは約95μg/ml、100μg/mlもしくは約100μg/ml、105μg/mlもしくは約105μg/ml、110μg/mlもしくは約110μg/ml、115μg/mlもしくは約115μg/ml、120μg/mlもしくは約120μg/ml、125μg/mlもしくは約125μg/ml、130μg/mlもしくは約130μg/ml、135μg/mlもしくは約135μg/ml、140μg/mlもしくは約140μg/ml、145μg/mlもしくは約145μg/ml、または150μg/mlもしくは約150μg/mlの硫酸プロタミンの存在下で操作される。
【0244】
いくつかの態様において、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の操作された組成物は、少なくとも40、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む。一部の特定の態様において、操作される、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD8+T細胞を含む、および/またはCD8+T細胞を含まない、および/またはCD8+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0245】
いくつかの態様において、操作される、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD8+T細胞などの濃縮CD8+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。一部の特定の態様において、操作される、刺激されたT細胞、例えば刺激されたCD8+T細胞などの濃縮CD8+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD4+T細胞を含む、および/またはCD4+T細胞を含まない、および/またはCD4+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0246】
いくつかの態様において、細胞を操作することは、ベクター、例えばウイルスベクターまたは非ウイルスベクターと培養する、接触させる、またはインキュベートすることを含む。一部の特定の態様において、操作は、細胞をベクターと培養する、接触させる、および/またはインキュベートすることを含み、4時間もしくは約4時間もしくは少なくとも4時間、6時間もしくは約6時間もしくは少なくとも6時間、8時間もしくは約8時間もしくは少なくとも8時間、12時間もしくは約12時間もしくは少なくとも12時間、16時間もしくは約16時間もしくは少なくとも16時間、18時間もしくは約18時間もしくは少なくとも18時間、24時間もしくは約24時間もしくは少なくとも24時間、30時間もしくは約30時間もしくは少なくとも30時間、36時間もしくは約36時間もしくは少なくとも36時間、40時間もしくは約40時間もしくは少なくとも40時間、48時間もしくは約48時間もしくは少なくとも48時間、54時間もしくは約54時間もしくは少なくとも54時間、60時間もしくは約60時間もしくは少なくとも60時間、72時間もしくは約72時間もしくは少なくとも72時間、84時間もしくは約84時間もしくは少なくとも84時間、1日間もしくは約1日間もしくは少なくとも1日間、2日間もしくは約2日間もしくは少なくとも2日間、3日間もしくは約3日間もしくは少なくとも3日間、4日間もしくは約4日間もしくは少なくとも4日間、5日間もしくは約5日間もしくは少なくとも5日間、6日間もしくは約6日間もしくは少なくとも6日間、または7日間もしくは約7日間もしくは少なくとも7日間、または7日間を超えて行われる。特定の態様において、操作は、細胞をベクターと24時間もしくは約24時間、36時間もしくは約36時間、48時間もしくは約48時間、60時間もしくは約60時間、72時間もしくは約72時間、84時間もしくは約84時間、または2日間もしくは約2日間、3日間もしくは約3日間、4日間もしくは約4日間、または5日間もしくは約5日間培養する、接触させる、および/またはインキュベートすることを含む。いくつかの態様において、操作工程は、24時間もしくは約24時間、36時間もしくは約36時間、48時間もしくは約48時間、60時間もしくは約60時間、72時間もしくは約72時間、または84時間もしくは約84時間行われる。一部の特定の態様において、操作は、約60時間、または約84時間、72時間もしくは約72時間、または2日間もしくは約2日間行われる。
【0247】
いくつかの態様において、操作は、約25~約38℃、例えば約30~約37℃、約36~約38℃、または37℃±2℃もしくは約37℃±2℃の温度で行われる。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、約2.5%~約7.5%、例えば約4%~約6%、例えば5%±0.5%または約5%±0.5%のCO2レベルで操作される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、37℃もしくは約37℃の温度および/または5%もしくは約5%のCO2レベルで操作される。
【0248】
いくつかの態様において、細胞、例えばCD4+および/またはCD8+T細胞は、遺伝子操作、例えば組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むように、細胞に形質導入またはトランスフェクトするために1つまたは複数の工程が行われた後に、培養される。いくつかの態様において、培養は、培養、インキュベーション、刺激、活性化、拡大、および/または増殖を含み得る。いくつかのかかる態様において、さらなる培養は、1つまたは複数の細胞の宿主ゲノムへのウイルスベクターの組み込みをもたらす条件下で実施される。インキュベーションおよび/または操作は、ユニット、チャンバー、ウェル、カラム、チューブ、チューブセット、バルブ、バイアル、培養皿、バッグ、または培養のためもしくは細胞を培養するための他の容器などの培養容器中で実施され得る。いくつかの態様において、組成物または細胞は、刺激条件または刺激剤の存在下でインキュベートされる。かかる条件は、集団中の細胞の増殖、拡大、活性化、および/もしくは生存を誘導する、抗原曝露を模倣する、ならびに/または組換え抗原受容体の導入などの遺伝子操作のために細胞をプライミングするように設計されたものを含む。
【0249】
いくつかの態様において、さらなるインキュベーションは、室温より高い、例えば25℃より高いもしくは約25℃より高い、例えば一般に32℃より高いもしくは約32℃より高い、35℃より高いもしくは約35℃より高い、または37℃より高いもしくは約37℃より高い温度で行われる。いくつかの態様において、さらなるインキュベーションは、37℃±2℃または約37℃±2℃、例えば37℃または約37℃の温度で実施される。
【0250】
いくつかの態様において、さらなるインキュベーションは、細胞の刺激および/または活性化のための条件下で行われ、その条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、および細胞を活性化するように設計された他の任意の剤の1つまたは複数を含み得る。
【0251】
いくつかの態様において、刺激条件または刺激剤は、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる1つまたは複数の作用物質(例えば刺激性物質および/または補助物質)、例えばリガンドを含む。いくつかの局面において、一次シグナルを送達するのに適した、例えばTCR成分に特異的なものなどのITAM誘導性シグナルの活性化を開始するのに適した作用物質、ならびに/または例えば、任意でビーズなどの固体支持体に結合した、T細胞共刺激受容体に特異的なもの、例えば抗CD3、抗CD28、もしくは抗41-BBなどの共刺激シグナルを促進する作用物質、ならびに/または1つもしくは複数のサイトカインなどの作用物質は、T細胞におけるTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードを作動または開始する。刺激剤の中には、抗CD3/抗CD28ビーズ(例えばDYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expander、および/またはExpACT(登録商標)ビーズ)がある。任意で、拡大方法は、抗CD3および/または抗CD28抗体を培養培地に添加する工程をさらに含み得る。いくつかの態様において、刺激剤は、IL-2および/またはIL-15、例えば少なくとも約10単位/mLのIL-2濃度を含む。
【0252】
いくつかの態様において、刺激条件または刺激剤は、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる1つまたは複数の作用物質、例えばリガンドを含む。いくつかの局面において、作用物質は、T細胞におけるTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードを作動または開始する。かかる作用物質は、例えばビーズなどの固体支持体に結合した、TCR成分および/もしくは共刺激受容体に特異的なもの、例えば抗CD3、抗CD28などの抗体、ならびに/または1つもしくは複数のサイトカインを含み得る。任意で、拡大方法は、抗CD3および/または抗CD28抗体を培養培地に添加する(例えば少なくとも約0.5ng/mlの濃度で)工程をさらに含み得る。いくつかの態様において、刺激剤は、IL-2および/またはIL-15、例えば少なくとも約10単位/mL、少なくとも約50単位/mL、少なくとも約100単位/mL、または少なくとも約200単位/mLのIL-2濃度を含む。
【0253】
条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、および細胞を活性化するように設計された他の任意の剤の1つまたは複数を含み得る。
【0254】
いくつかの局面において、インキュベーションは、Riddellらの米国特許第6,040,177号、Klebanoff et al.(2012)J Immunother.35(9):651-660、Terakura et al.(2012)Blood.1:72-82、および/またはWang et al.(2012)J Immunother.35(9):689-701に記載されているような技術に従って行われる。
【0255】
いくつかの態様において、さらなるインキュベーションは、接触が起こったのと同じ容器または装置で行われる。いくつかの態様において、さらなるインキュベーションは、回転または遠心分離なしで行われ、これは一般に、例えば遠心分離またはスピノキュレーションに関連して、回転下で行われるインキュベーションの少なくとも一部に続いて行われる。いくつかの態様において、さらなるインキュベーションは、クロマトグラフィマトリックスの外側などの固定相の外側で、例えば溶液中で行われる。
【0256】
いくつかの態様において、さらなるインキュベーションは、ウイルス粒子および試薬との接触後に細胞組成物を異なる容器または装置に移す、例えば自動的に移すことなどにより、接触が起こったものとは異なる容器または装置で行われる。
【0257】
いくつかの態様において、例えばエクスビボ拡大を促進するためのさらなる培養またはインキュベーションは、24時間超もしくは約24時間超、2日超もしくは約2日超、3日超もしくは約3日超、4日超もしくは約4日超、5日超もしくは約5日超、6日超もしくは約6日超、7日超もしくは約7日超、8日超もしくは約8日超、9日超もしくは約9日超、10日超もしくは約10日超、11日超もしくは約11日超、12日超もしくは約12日超、13日超もしくは約13日超、または14日超もしくは約14日超の間行われる。いくつかの態様において、さらなる培養またはインキュベーションは、6日以下、5日以下、4日以下、3日以下、2日以下または24時間以下の間行われる。
【0258】
いくつかの態様において、例えば刺激剤とのインキュベーションの総持続時間は、1時間~96時間もしくは約1時間~約96時間、1時間~72時間もしくは約1時間~約72時間、1時間~48時間もしくは約1時間~約48時間、4時間~36時間もしくは約4時間~約36時間、8時間~30時間もしくは約8時間~約30時間、または12時間~24時間もしくは約12時間~約24時間、例えば少なくとも6時間もしくは少なくとも約6時間もしくは約6時間、少なくとも12時間もしくは少なくとも約12時間もしくは約12時間、少なくとも18時間もしくは少なくとも約18時間もしくは約18時間、少なくとも24時間もしくは少なくとも約24時間もしくは約24時間、少なくとも36時間もしくは少なくとも約36時間もしくは約36時間、または少なくとも72時間もしくは少なくとも約72時間もしくは約72時間である。いくつかの態様において、さらなるインキュベーションは、両端の値を含む、1時間~48時間もしくは約1時間~約48時間、4時間~36時間もしくは約4時間~約36時間、8時間~30時間もしくは約8時間~約30時間、または12時間~24時間もしくは約12時間~約24時間である。
【0259】
いくつかの態様において、本明細書で提供される方法は、さらなる培養またはインキュベーションを含まず、例えばエクスビボ拡大工程を含まないか、または実質的により短いエクスビボ拡大工程を含む。
【0260】
いくつかの態様において、刺激試薬は、操作の前に細胞から除去および/または分離される。特定の態様において、刺激試薬は、操作後に細胞から除去および/または分離される。一部の特定の態様において、刺激剤は、操作に続いて、ならびに例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で操作された細胞を培養する前に、細胞から除去および/または分離される。一部の特定の態様において、刺激試薬は、セクションI-B-1に記載されている刺激試薬である。特定の態様において、刺激試薬は、セクションI-B-2に記載されるように細胞から除去および/または分離される。
【0261】
1.ベクターおよび方法
組換え受容体をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチド(例えば核酸分子)、遺伝子操作された細胞を作製するために、提供される方法に従ってかかる受容体を発現するように細胞を遺伝子操作するためのベクターも提供される。いくつかの態様において、ベクターは、組換え受容体をコードする核酸を含む。特定の態様において、ベクターは、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターである。いくつかの場合において、ベクターは、レトロウイルスベクターなどのウイルスベクター、例えばレンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターである。
【0262】
いくつかの場合において、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列は、シグナルペプチドをコードするシグナル配列を含む。シグナルペプチドの非限定的な例示的例としては、例えばSEQ ID NO:61に示され、SEQ ID NO:60に示されるヌクレオチド配列によってコードされるGMCSFRアルファ鎖シグナルペプチド、SEQ ID NO:59に示されるCD8アルファシグナルペプチド、またはSEQ ID NO:58に示されるCD33シグナルペプチドが挙げられる。
【0263】
いくつかの態様において、ベクターは、ウイルスベクター、例えばレトロウイルスまたはレンチウイルスベクター、非ウイルスベクターまたはトランスポゾン、例えばSleeping Beautyトランスポゾンシステム、シミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクター、レンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクター、例えばガンマレトロウイルスベクター、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚性幹細胞ウイルス(MESV)、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、脾臓フォーカス形成ウイルス(SFFV)またはアデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するレトロウイルスベクターを含む。
【0264】
いくつかの態様において、ウイルスベクターまたは非ウイルスDNAは、異種組換えタンパク質をコードする核酸を含む。いくつかの態様において、異種組換え分子は、組換え受容体、例えば抗原受容体、例えば遺伝子サイレンシングのためのSBトランスポゾン、キャプシド封入トランスポゾン、例えばゲノム組換えもしくはレポーター遺伝子(例えばGFP)もしくはルシフェラーゼなどの蛍光タンパク質)のための相同二本鎖核酸であるか、またはそれを含む。
【0265】
a.ウイルスベクター粒子
いくつかの態様において、組換え核酸は、例えばシミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクターなどの組換え感染性ウイルス粒子を使用して細胞に移入される。いくつかの態様において、組換え核酸は、組換えレンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクター、例えばガンマレトロウイルスベクターを使用してT細胞に移入される(例えば、Koste et al.(2014)Gene Therapy 2014 Apr 3.doi:10.1038/gt.2014.25;Carlens et al.(2000)Exp Hematol 28(10):1137-46;Alonso-Camino et al.(2013)Mol Ther Nucl Acids 2,e93;Park et al.,Trends Biotechnol.2011 November 29(11):550-557参照。
【0266】
いくつかの態様において、レトロウイルスベクター、例えばモロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚性幹細胞ウイルス(MESV)、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、脾臓フォーカス形成ウイルス(SFFV)、またはアデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するレトロウイルスベクターは、長い末端反復配列(LTR)を有する。ほとんどのレトロウイルスベクターはマウスレトロウイルスに由来する。いくつかの態様において、レトロウイルスは、任意の鳥類または哺乳動物細胞供給源に由来するものを含む。レトロウイルスは、典型的には両向性であり、ヒトを含むいくつかの種の宿主細胞に感染できることを意味する。一態様において、発現される遺伝子は、レトロウイルスのgag、polおよび/またはenv配列を置き換える。多くの例示的なレトロウイルス系が記載されている(例えば米国特許第5,219,740号、同第6,207,453号、同第5,219,740号;Miller and Rosman(1989)BioTechniques 7:980-990;Miller,A.D.(1990)Human Gene Therapy 1:5-14;Scarpa et al.(1991)Virology 180:849-852;Burns et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:8033-8037;およびBoris-Lawrie and Temin(1993)Cur.Opin.Genet.Develop.3:102-109参照。
【0267】
レンチウイルス形質導入の方法は公知である。例示的な方法は、例えばWang et al.(2012)J.Immunother.35(9):689-701;Cooper et al.(2003)Blood.101:1637-1644;Verhoeyen et al.(2009)Methods Mol Biol.506:97-114;およびCavalieri et al.(2003)Blood.102(2):497-505に記載されている。
【0268】
いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子は、レトロウイルスゲノムに基づくベクターに由来する、例えばレンチウイルスゲノムに基づくベクターに由来するゲノムを含む。提供されるウイルスベクターのいくつかの局面において、CARなどの抗原受容体などの組換え受容体をコードする異種核酸は、ベクターゲノムの5’LTR配列と3’LTR配列の間に含まれるおよび/または位置する。
【0269】
いくつかの態様において、ウイルスベクターゲノムは、HIV-1ゲノムまたはSIVゲノムなどのレンチウイルスゲノムである。例えば、レンチウイルスベクターは、ビルレンス遺伝子を多重弱毒化することによって生成されており、例えば遺伝子env、vif、vpu、およびnefを欠失させて、ベクターを治療目的のためにより安全にすることができる。レンチウイルスベクターは公知である。Naldini et al.,(1996 and 1998);Zufferey et al.,(1997);Dull et al.,1998、米国特許第6,013,516号;および同第5,994,136号参照)。いくつかの態様において、これらのウイルスベクターは、プラスミドベースまたはウイルスベースであり、外来核酸の組み込みのため、選択のため、および宿主細胞への核酸の移入のために必須の配列を運ぶように構成される。公知のレンチウイルスは、American Type Culture Collection(「ATCC」;10801 University Blvd.,Manassas,Va.20110-2209)などの寄託機関またはコレクションから容易に入手できるか、または一般に利用可能な技術を使用して公知の供給源から単離することができる。
【0270】
レンチウイルスベクターの非限定的な例としては、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)、HIV-2、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1(HTLV-1)、HTLV-2またはウマ感染性貧血ウイルス(E1AV)などのレンチウイルスに由来するものが挙げられる。例えば、レンチウイルスベクターは、HIVビルレンス遺伝子を多重弱毒化することによって生成されており、例えば遺伝子env、vif、vpr、vpu、およびnefを欠失させて、ベクターを治療目的のためにより安全にすることができる。レンチウイルスベクターは当技術分野で公知であり、Naldini et al.,(1996 and 1998);Zufferey et al.,(1997);Dull et al.,1998、米国特許第6,013,516号;および同第5,994,136号参照)。いくつかの態様において、これらのウイルスベクターは、プラスミドベースまたはウイルスベースであり、外来核酸の組み込みのため、選択のため、および宿主細胞への核酸の移入のために必須の配列を運ぶように構成される。公知のレンチウイルスは、American Type Culture Collection(「ATCC」;10801 University Blvd.,Manassas,Va.20110-2209)などの寄託機関またはコレクションから容易に入手できるか、または一般に利用可能な技術を使用して公知の供給源から単離することができる。
【0271】
いくつかの態様において、ウイルスゲノムベクターは、レンチウイルスなどのレトロウイルスの5’LTRおよび3’LTRの配列を含み得る。いくつかの局面において、ウイルスゲノム構築物は、レンチウイルスの5’LTRおよび3’LTRからの配列を含み得、特に、レンチウイルスの5’LTRからのRおよびU5配列ならびにレンチウイルスからの不活性化または自己不活性化3’LTRを含み得る。LTR配列は、任意の種由来の任意のレンチウイルスからのLTR配列であり得る。例えば、それらはHIV、SIV、FIVまたはBIVからのLTR配列であり得る。典型的には、LTR配列はHIV LTR配列である。
【0272】
いくつかの態様において、HIVウイルスベクターなどのウイルスベクターの核酸は、追加の転写単位を欠く。ベクターゲノムは、不活性化または自己不活性化3’LTRを含み得る(Zufferey et al.J Virol 72:9873,1998;Miyoshi et al.,J Virol 72:8150,1998)。例えば、ウイルスベクターRNAを作製するために使用される核酸の3’LTRのU3領域における欠失は、自己不活性化(SIN)ベクターを生成するために使用することができる。次に、この欠失を逆転写中にプロウイルスDNAの5’LTRに移入することができる。自己不活性化ベクターは一般に、3’側の長い末端反復配列(LTR)からのエンハンサーおよびプロモーター配列の欠失を有し、これはベクターの組み込み中に5’LTRにコピーされる。いくつかの態様において、LTRの転写活性を無効にするために、TATAボックスの除去を含む十分な配列を排除することができる。これは、形質導入された細胞における完全長ベクターRNAの産生を防止することができる。いくつかの局面において、3’LTRのU3エレメントは、そのエンハンサー配列、TATAボックス、Sp1、およびNF-κ B部位の欠失を含む。自己不活性化3’LTRの結果として、進入および逆転写の後に生成されるプロウイルスは、不活性化5’LTRを含むこれは、ベクターゲノムの動員のリスク、および近傍の細胞プロモーターへのLTRの影響を低減することによって安全性を改善することができる。自己不活性化3’LTRは、当技術分野で公知の任意の方法によって構築することができる。一部の態様において、これは、ベクター力価またはベクターのインビトロもしくはインビボ特性に影響を及ぼさない。
【0273】
任意で、レンチウイルス5’LTRからのU3配列は、異種プロモーター配列などのウイルス構築物中のプロモーター配列で置き換えることができる。これは、パッケージング細胞株から回収されたウイルスの力価を高めることができる。エンハンサー配列も含めることができる。パッケージング細胞株におけるウイルスRNAゲノムの発現を増加させる任意のエンハンサー/プロモーターの組合せを使用し得る。一例では、CMVエンハンサー/プロモーター配列が使用される(米国特許第5,385,839号および米国特許第5,168,062号)。
【0274】
一部の特定の態様において、レンチウイルスベクターゲノムなどのレトロウイルスベクターゲノムを組み込み欠損になるように構築することによって、挿入変異誘発のリスクを最小限に抑えることができる。非組み込みベクターゲノムを作製するために、様々なアプローチを追求することができる。いくつかの態様において、変異(1つまたは複数)は、それが不活性なインテグラーゼを有するタンパク質をコードするように、pol遺伝子のインテグラーゼ酵素成分に操作することができる。いくつかの態様において、ベクターゲノム自体を修飾して、例えば一方もしくは両方の付着部位を変異もしくは欠失させることによって、または欠失もしくは修飾を介して3’LTR近位ポリプリントラクト(PPT)を非機能性にすることによって、組み込みを防止することができる。いくつかの態様において、非遺伝的アプローチが利用可能であり、これらは、インテグラーゼの1つまたは複数の機能を阻害する薬理学的剤を含む。これらのアプローチは相互排他的ではなく、すなわちそれらの複数を一度に使用することができる。例えば、インテグラーゼと付着部位の両方が非機能性であり得るか、またはインテグラーゼとPPT部位が非機能性であり得るか、または付着部位とPPT部位が非機能性であり得るか、またはそれらのすべてが非機能性であり得る。かかる方法およびウイルスベクターゲノムは公知であり、利用可能である(Philpott and Thrasher,Human Gene Therapy 18:483,2007;Engelman et al.J Virol 69:2729,1995;Brown et al.J Virol 73:9011(1999);国際公開公報第2009/076524号;McWilliams et al.,J Virol 77:11150,2003;Powell and Levin J Virol 70:5288,1996参照)。
【0275】
いくつかの態様において、ベクターは、原核生物宿主細胞などの宿主細胞における増殖のための配列を含む。いくつかの態様において、ウイルスベクターの核酸は、細菌細胞などの原核細胞における増殖のための1つまたは複数の複製起点を含む。いくつかの態様において、原核生物の複製起点を含むベクターはまた、その発現が薬剤耐性などの検出可能または選択可能なマーカーを与える遺伝子を含み得る。
【0276】
ウイルスベクターゲノムは、典型的にはパッケージングまたはプロデューサー細胞株にトランスフェクトすることができるプラスミドの形態で構築される。ゲノムがウイルスベクターゲノムのRNAコピーを含むレトロウイルス粒子を作製するために、様々な公知の方法のいずれかを使用することができる。いくつかの態様において、少なくとも2つの成分がウイルスベースの遺伝子送達システムの作製に関与する:第1に、構造タンパク質およびウイルスベクター粒子を生成するために必要な酵素を包含するパッケージングプラスミド、ならびに、第2に、ウイルスベクター自体、すなわち移入される遺伝物質。バイオセーフティセーフガードが、これらの成分の一方または両方の設計に導入できる。
【0277】
いくつかの態様において、パッケージングプラスミドは、エンベロープタンパク質以外のすべてのレトロウイルスタンパク質、例えばHIV-1タンパク質を含むことができる(Naldini et al.,1998)。他の態様において、ウイルスベクターは、ビルレンスに関連するもの、例えばvpr、vif、vpuおよびnef、ならびに/またはHIVの主要なトランス活性化因子であるTatなどの追加のウイルス遺伝子を欠いていてもよい。いくつかの態様において、HIVベースのレンチウイルスベクターなどのレンチウイルスベクターは、親ウイルスの3つの遺伝子:gag、polおよびrevのみを含み、これは、組換えによる野生型ウイルスの再構成の可能性を低減または排除する。
【0278】
いくつかの態様において、ウイルスベクターゲノムは、ウイルスベクターゲノムから転写されたウイルスゲノムRNAをウイルス粒子にパッケージングするために必要なすべての成分を含むパッケージング細胞株に導入される。あるいは、ウイルスベクターゲノムは、関心対象の1つまたは複数の配列、例えば組換え核酸に加えて、ウイルス成分をコードする1つまたは複数の遺伝子を含み得る。いくつかの局面において、しかしながら、標的細胞におけるゲノムの複製を防ぐために、複製に必要な内因性ウイルス遺伝子が除去され、パッケージング細胞株中で別途に提供される。
【0279】
いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、粒子を生成するために必要な成分を含む1つまたは複数のプラスミドベクターでトランスフェクトされる。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、LTR、シス作用性パッケージング配列および関心対象の配列、すなわちCARなどの抗原受容体をコードする核酸を含むウイルスベクターゲノムを含有するプラスミド、ならびにGag、polおよび/またはrevなどのウイルスの酵素成分および/または構造成分をコードする1つまたは複数のヘルパープラスミドでトランスフェクトされる。いくつかの態様において、レトロウイルスベクター粒子を生成する様々な遺伝的成分を分離するために複数のベクターが利用される。いくつかのかかる態様において、パッケージング細胞に別個のベクターを提供することは、さもなければ複製能を有するウイルスを生成し得る組換え事象の可能性を低減する。いくつかの態様において、レトロウイルス成分のすべてを有する単一のプラスミドベクターを使用することができる。
【0280】
いくつかの態様において、レンチウイルスベクター粒子などのレトロウイルスベクター粒子は、宿主細胞の形質導入効率を高めるために偽型化される。例えば、レンチウイルスベクター粒子などのレトロウイルスベクター粒子は、いくつかの態様において、VSV-G糖タンパク質で偽型化され、これは、形質導入され得る細胞型を拡大する幅広い細胞宿主範囲を提供する。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、例えばシンドビスウイルスエンベロープ、GALVまたはVSV-Gなどの異栄養性、多栄養性または両栄養性エンベロープを含むように、非天然エンベロープ糖タンパク質をコードするプラスミドまたはポリヌクレオチドでトランスフェクトされる。
【0281】
いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、ウイルスゲノムRNAをレンチウイルスベクター粒子にパッケージングするためにトランスで必要とされるウイルス調節タンパク質および構造タンパク質を含む成分を提供する。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、レンチウイルスタンパク質を発現し、機能性レンチウイルスベクター粒子を産生することができる任意の細胞株であり得る。いくつかの態様において、適切なパッケージング細胞株としては、293(ATCC CCL X)、293T、HeLA(ATCC CCL 2)、D17(ATCC CCL 183)、MDCK(ATCC CCL 34)、BHK(ATCC CCL-10)およびCf2Th(ATCC CRL 1430)細胞が挙げられる。
【0282】
いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、ウイルスタンパク質(1つまたは複数)を安定して発現する。例えば、いくつかの局面において、gag、pol、rev、および/または他の構造遺伝子を含むが、LTRおよびパッケージング成分を含まないパッケージング細胞株を構築することができる。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、異種タンパク質をコードする核酸分子、および/またはエンベロープ糖タンパク質をコードする核酸を含むウイルスベクターゲノムとともに、1つまたは複数のウイルスタンパク質をコードする核酸分子で一過性にトランスフェクトされ得る。
【0283】
いくつかの態様において、ウイルスベクターならびにパッケージングおよび/またはヘルパープラスミドは、トランスフェクションまたは感染を介してパッケージング細胞株に導入される。パッケージング細胞株は、ウイルスベクターゲノムを含むウイルスベクター粒子を産生する。トランスフェクションまたは感染の方法は周知である。非限定的な例としては、リン酸カルシウム、DEAE-デキストランおよびリポフェクション法、エレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションが挙げられる。
【0284】
組換えプラスミドとレトロウイルスLTRおよびパッケージング配列が特別な細胞株に導入された場合(例えばリン酸カルシウム沈殿などによって)、パッケージング配列は、組換えプラスミドのRNA転写物がウイルス粒子にパッケージングされることを可能にし、ウイルス粒子はその後培養培地に分泌され得る。次に、いくつかの態様では組換えレトロウイルスを含む培地を収集し、任意で濃縮し、遺伝子導入に使用する。例えば、いくつかの局面において、パッケージングプラスミドと導入ベクターのパッケージング細胞株への同時トランスフェクション後、ウイルスベクター粒子は培養培地から回収され、当業者によって使用される標準的な方法によって力価測定される。
【0285】
いくつかの態様において、レンチウイルスベクターなどのレトロウイルスベクターは、レンチウイルス粒子の生成を可能にするプラスミドの導入により、例示的なHEK 293T細胞株などのパッケージング細胞株において作製することができる。いくつかの態様において、パッケージング細胞は、gagおよびpolをコードするポリヌクレオチド、ならびに抗原受容体、例えばCARなどの組換え受容体をコードするポリヌクレオチドでトランスフェクトされるおよび/またはそれを含む。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、任意でおよび/またはさらに、revタンパク質をコードするポリヌクレオチドでトランスフェクトされるおよび/またはそれを含む。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、任意でおよび/またはさらに、VSV-Gなどの非天然エンベロープ糖タンパク質をコードするポリヌクレオチドでトランスフェクトされるおよび/またはそれを含む。いくつかのかかる態様において、細胞、例えばHEK 293T細胞のトランスフェクションの約2日後、細胞上清は組換えレンチウイルスベクターを含み、これを回収し、力価測定することができる。
【0286】
回収および/または作製されたレトロウイルスベクター粒子は、記載されている方法を使用して標的細胞に形質導入するために使用することができる。標的細胞に入ると、ウイルスRNAは逆転写され、核内に輸送され、宿主ゲノムに安定に組み込まれる。ウイルスRNAの組み込みの1日または2日後、組換えタンパク質、例えばCARなどの抗原受容体の発現を検出することができる。
【0287】
いくつかの態様において、提供される方法は、複数の細胞を含む細胞組成物をウイルス粒子と接触させる、例えばインキュベートすることによって細胞に形質導入する方法を含む。いくつかの態様において、トランスフェクトまたは形質導入される細胞は、対象から濃縮および/または選択された細胞などの、対象から得られた初代細胞であるか、またはそれを含む。
【0288】
いくつかの態様において、組成物の形質導入される細胞の濃度は、1.0×105細胞/mL~1.0×108細胞/mLまたは約1.0×105細胞/mL~約1.0×108細胞/mL、例えば少なくとも1.0×105細胞/mLもしくは少なくとも約1.0×105細胞/mLもしくは約1.0×105細胞/mL、少なくとも5×105細胞/mLもしくは少なくとも約5×105細胞/mLもしくは約5×105細胞/mL、少なくとも1×106細胞/mLもしくは少なくとも約1×106細胞/mLもしくは約1×106細胞/mL、少なくとも5×106細胞/mLもしくは少なくとも約5×106細胞/mLもしくは約5×106細胞/mL、少なくとも1×107細胞/mLもしくは少なくとも約1×107細胞/mLもしくは約1×107細胞/mL、少なくとも5×107細胞/mLもしくは少なくとも約5×107細胞/mLもしくは約5×107細胞/mL、または少なくとも1×108細胞/mLもしくは少なくとも約1×108細胞/mLもしくは約1×108細胞/mLである。
【0289】
いくつかの態様において、ウイルス粒子は、形質導入される細胞の総数あたり、ウイルスベクター粒子のコピーまたはその感染単位(IU)の特定の比率(IU/細胞)で提供される。例えば、いくつかの態様において、ウイルス粒子は、接触中、細胞1個あたり0.5IUもしくは約0.5IUもしくは少なくとも0.5IUもしくは少なくとも約0.5IU、1IUもしくは約1IUもしくは少なくとも1IUもしくは少なくとも約1IU、2IUもしくは約2IUもしくは少なくとも2IUもしくは少なくとも約2IU、3IUもしくは約3IUもしくは少なくとも3IUもしくは少なくとも約3IU、4IUもしくは約4IUもしくは少なくとも4IUもしくは少なくとも約4IU、5IUもしくは約5IUもしくは少なくとも5IUもしくは少なくとも約5IU、10IUもしくは約10IUもしくは少なくとも10IUもしくは少なくとも約10IU、15IUもしくは約15IUもしくは少なくとも15IUもしくは少なくとも約15IU、20IUもしくは約20IUもしくは少なくとも20IUもしくは少なくとも約20IU、30IUもしくは約30IUもしくは少なくとも30IUもしくは少なくとも約30IU、40IUもしくは約40IUもしくは少なくとも40IUもしくは少なくとも約40IU、50IUもしくは約50IUもしくは少なくとも50IUもしくは少なくとも約50IU、または60IUもしくは約60IUもしくは少なくとも60IUもしくは少なくとも約60IUのウイルスベクター粒子で存在する。
【0290】
いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子の力価は、1×106IU/mL~1×108IU/mまたは約1×106IU/mL~約1×108IU/mL、例えば5×106IU/mL~5×107IU/mLまたは約5×106IU/mL~約5×107IU/mL、例えば少なくとも6×106IU/mL、少なくとも7×106IU/mL、少なくとも8×106IU/mL、少なくとも9×106IU/mL、少なくとも1×107IU/mL、少なくとも2×107IU/mL、少なくとも3×107IU/mL、少なくとも4×107IU/mL、または少なくとも5×107IU/mLである。
【0291】
いくつかの態様において、形質導入は、100未満、例えば一般に60未満、50未満、40未満、30未満、20未満、10未満、5未満またはより低い感染多重度(MOI)で達成することができる。
【0292】
いくつかの態様において、方法は、細胞をウイルス粒子と接触させるまたはインキュベートすることを含む。いくつかの態様において、接触は、30分間~72時間、例えば30分間~48時間、30分間~24時間、または1時間~24時間、例えば少なくとも30分間もしくは少なくとも約30分間もしくは約30分間、少なくとも1時間もしくは少なくとも約1時間もしくは約1時間、少なくとも2時間もしくは少なくとも約2時間もしくは約2時間、少なくとも6時間もしくは少なくとも約6時間もしくは約6時間、少なくとも12時間もしくは少なくとも約12時間もしくは約12時間、少なくとも24時間もしくは少なくとも約24時間もしくは約24時間、または少なくとも36時間もしくは少なくとも約36時間もしくは約36時間またはそれより長い間である。
【0293】
いくつかの態様において、接触は溶液中で行われる。いくつかの態様において、細胞とウイルス粒子は、0.5mL~500mLまたは約0.5mL~約500mL、例えば0.5mL~200mLもしくは約0.5mL~約200mL、0.5mL~100mLもしくは約0.5mL~約100mL、0.5mL~50mLもしくは約0.5mL~約50mL、0.5mL~10mLもしくは約0.5mL~約10mL、0.5mL~5mLもしくは約0.5mL~約5mL、5mL~500mLもしくは約5mL~約500mL、5mL~200mLもしくは約5mL~約200mL、5mL~100mLもしくは約5mL~約100mL、5mL~50mLもしくは約5mL~約50mL、5mL~10mLもしくは約5mL~約10mL、10mL~500mLもしくは約10mL~約500mL、10mL~200mLもしくは約10mL~約200mL、10mL~100mLもしくは約10mL~約100mL、10mL~50mLもしくは約10mL~約50mL、50mL~500mLもしくは約50mL~約500mL、50mL~200mLもしくは約50mL~約200mL、50mL~100mLもしくは約50mL~約100mL、100mL~500mLもしくは約100mL~約500mL、100mL~200mLもしくは約100mL~約200mL、または200mL~500mLもしくは約200mL~約500mLの体積で接触される。
【0294】
一部の特定の態様において、インプット細胞は、ウイルスDNAによってコードされる組換え受容体に結合するまたはそれを認識する結合分子を含む粒子で処理されるか、該粒子とインキュベートまたは接触される。
【0295】
いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子との細胞のインキュベーションは、ウイルスベクター粒子で形質導入された細胞を含むアウトプット組成物をもたらすかまたは作製する。
【0296】
b.非ウイルスベクター
いくつかの態様において、組換え核酸はエレクトロポレーションを介してT細胞に移入される(例えばChicaybam et al,(2013)PLoS ONE 8(3):e60298およびVan Tedeloo et al.(2000)Gene Therapy 7(16):1431-1437参照)。いくつかの態様において、組換え核酸は転位を介してT細胞に移入される(例えばManuri et al.(2010)Hum Gene Ther 21(4):427-437;Sharma et al.(2013)Molec Ther Nucl Acids 2,e74;およびHuang et al.(2009)Methods Mol Biol 506:115-126参照)。免疫細胞において遺伝物質を導入および発現させる他の方法としては、リン酸カルシウムトランスフェクション(例えばCurrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,New York.N.Y.に記載されている)、プロトプラスト融合、カチオン性リポソーム媒介トランスフェクション、タングステン粒子促進微粒子銃(Johnston,Nature,346:776-777(1990));およびリン酸ストロンチウムDNA共沈(Brash et al.,Mol.Cell Biol.,7:2031-2034(1987))が挙げられる。
【0297】
組換え産物をコードする核酸の移入のための他のアプローチおよびベクターは、例えば国際公開公報第2014055668号、および米国特許第7,446,190号に記載されているものである。
【0298】
いくつかの態様において、組換え核酸はトランスポゾンを介してT細胞に移入される。トランスポゾン(転位可能なエレメント)は、ゲノム内のある遺伝子座から別の遺伝子座に移動することができるDNAの可動セグメントである。これらのエレメントは、保存的な「カットアンドペースト」機構を介して移動する:トランスポザーゼは、トランスポゾンの元の場所からの切り出しを触媒し、ゲノムの他の場所での再組み込みを促進する。トランスポザーゼ欠損エレメントは、トランスポザーゼが別のトランスポザーゼ遺伝子によって提供される場合、動員され得る。したがって、トランスポゾンを利用して、ウイルス形質導入系を使用せずに外来DNAを宿主ゲノムに組み込むことができる。哺乳動物細胞、例えばヒト初代白血球での使用に適したトランスポゾンの例としては、Sleeping BeautyおよびPiggybacが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0299】
トランスポゾンベースのトランスフェクションは、トランスポザーゼとトランスポゾンからなる2成分系である。いくつかの態様において、系は、外来DNA(本明細書ではカーゴDNAとも称される)、例えば付随するトランスポザーゼによって認識される逆方向反復/直列反復(IR/DR)配列が隣接する組換え受容体をコードする遺伝子を含むように操作されたトランスポゾンを含む。いくつかの態様において、非ウイルスプラスミドは、プロモーターの制御下でトランスポザーゼをコードする。プラスミドの宿主細胞へのトランスフェクションは、トランスポザーゼの一過性の発現をもたらし、したがって、トランスフェクション後の初期には、トランスポザーゼはトランスポゾンをゲノムDNAに組み込むのに十分なレベルで発現される。いくつかの態様において、トランスポザーゼ自体はゲノムDNAに組み込まれないため、トランスポザーゼの発現は経時的に減少する。いくつかの態様において、トランスポザーゼ発現は、対応するトランスポゾンを約4時間未満、約8時間未満、約12時間未満、約24時間未満、約2日間未満、約3日間未満、約4日間未満、約5日間未満、約6日間未満、約7日間未満、約2週間未満、約3週間未満、約4週間未満、約数週間未満、または約8週間未満の間、対応するトランスポゾンを組み込むのに十分なレベルで宿主細胞によって発現される。いくつかの態様において、宿主ゲノムに導入されたカーゴDNAは、少なくとも宿主がカーゴDNAを切り出すことができる内因性トランスポザーゼを発現しないため、その後宿主のゲノムから除去されない。
【0300】
Sleeping Beauty(SB)は、サケ科魚類ゲノムに保有される休眠エレメントから再構築された、トランスポゾンのTc/1-マリナースーパーファミリーの合成メンバーである。SBトランスポゾンベースのトランスフェクションは、トランスポザーゼと、TAジヌクレオチドへの正確な組み込みをもたらす逆方向反復/直列反復(IR/DR)配列を含むトランスポゾンからなる2成分系である。トランスポゾンは、IR/DRが隣接する関心対象の発現カセットを用いて設計される。SBトランスポザーゼは、Sleeping beautyトランスポゾンのIRに位置する特異的結合部位に結合する。SBトランスポザーゼは、触媒酵素(SB)の結合部位を保有する逆方向末端反復配列で両側を挟まれたカーゴ配列をコードする可動性エレメントである、トランスポゾンの組み込みを媒介する。SBがカットアンドペースト機構を介してTA標的ジヌクレオチドで脊椎動物染色体に遺伝子配列を挿入すると、安定な発現が生じる。このシステムは、初代ヒト末梢血白血球を含む、様々な脊椎動物の細胞型を操作するために使用されてきた。いくつかの態様において、細胞は、カーゴ遺伝子、例えばSB IR配列が隣接する組換え受容体またはCARをコードする遺伝子を含むSBトランスポゾンと接触され、インキュベートされ、および/または該SBトランスポゾンで処理される。特定の態様において、トランスフェクトされる細胞は、SB IR配列が隣接するカーゴ遺伝子、例えばCARをコードする遺伝子を含むSBトランスポゾンを含むプラスミドと接触され、インキュベートされ、および/または該プラスミドで処理される。一部の特定の態様において、プラスミドは、SB IR配列が隣接していないSBトランスポザーゼをコードする遺伝子をさらに含む。
【0301】
PiggyBac(PB)は、カーゴDNAを宿主の、例えばヒトのゲノムDNAに組み込むために使用できる別のトランスポゾンシステムである。PBトランスポザーゼは、トランスポゾンの両端に位置するPBトランスポゾン特異的逆方向末端反復配列(ITR)を認識し、内容物を元の部位から効率的に移動させ、それらをTTAA染色体部位に効率的に組み込む。PBトランスポゾンシステムは、PBベクター内の2つのITRの間の関心対象の遺伝子が標的ゲノムに動員されることを可能にする。PBシステムは、初代ヒト細胞を含む様々な脊椎動物の細胞型を操作するために使用されてきた。いくつかの態様において、トランスフェクトされる細胞は、PB IR配列が隣接するカーゴ遺伝子、例えばCARをコードする遺伝子を含むPBトランスポゾンと接触され、インキュベートされ、および/または該PBトランスポゾンで処理される。特定の態様において、トランスフェクトされる細胞は、PB IR配列が隣接するカーゴ遺伝子、例えばCARをコードする遺伝子を含むPBトランスポゾンを含むプラスミドと接触、インキュベートされ、および/または該プラスミドで処理される。一部の特定の態様において、プラスミドは、PB IR配列が隣接していないSBトランスポザーゼをコードする遺伝子をさらに含む。
【0302】
いくつかの態様において、本発明の方法で使用されるトランスポゾン/トランスポザーゼの様々なエレメント、例えばSBまたはPBベクター(1つまたは複数)は、制限酵素切断、ライゲーションおよび分子クローニングの標準的な方法によって作製され得る。本発明のベクターを構築するための1つのプロトコルは、以下の工程を含む。第1に、所望の成分のヌクレオチド配列および外来配列を含む精製された核酸断片は、最初の供給源、例えばトランスポザーゼ遺伝子を含むベクターからの制限エンドヌクレアーゼで切断される。次に、所望のヌクレオチド配列を含む断片は、従来の分離方法を使用して、例えばアガロースゲル電気泳動によって、異なるサイズの不要な断片から分離される。所望の断片をゲルから切り出し、適切な立体配置で一緒に連結して、所望の配列、例えば上記のような本発明のベクターの様々なエレメントに対応する配列を含む環状核酸またはプラスミドを作製する。所望する場合は、そのように構築された環状分子を、その後、原核生物宿主、例えば大腸菌(E.coli)において増幅する。これらの工程に含まれる切断、プラスミド構築、細胞形質転換およびプラスミド作製の手順は当業者に周知であり、制限およびライゲーションに必要な酵素は市販されている。(例えば、R.Wu,Ed.,Methods in Enzymology,Vol.68,Academic Press,N.Y.(1979);T.Maniatis,E.F.Fritsch and J.Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1982);Catalog 1982-83,New England Biolabs,Inc.;Catalog 1982-83,Bethesda Research Laboratories,Inc.参照。本発明の方法で使用されるベクターを構築する方法の一例が以下の実験のセクションで提供される。代表的なSleeping Beautyトランスポゾンシステムの調製は、国際公開公報第98/40510号および国際公開公報第99/25817にも開示されている)。
【0303】
いくつかの態様において、トランスポゾンによる形質導入は、トランスポザーゼ遺伝子を含むプラスミド、およびトランスポザーゼによって認識される逆方向反復/直列反復(IR/DR)配列が隣接するカーゴDNA配列を含むトランスポゾンを含むプラスミドを用いて行われる。一部の特定の態様において、カーゴDNA配列は、異種タンパク質、例えば組換えT細胞受容体またはCARをコードする。いくつかの態様では、プラスミドは、トランスポザーゼおよびトランスポゾンを含む。いくつかの態様において、トランスポザーゼは、ユビキタスプロモーター、または標的細胞におけるトランスポザーゼの発現を駆動するのに適した任意のプロモーターの制御下にある。ユビキタスプロモーターとしては、EF1a、CMB、SV40、PGK1、Ubc、ヒトβ-アクチン、CAG、TRE、UAS、Ac5、CaMKIIa、およびU6が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、カーゴDNAは、カーゴDNAのゲノムDNAへの安定な組み込みを伴う細胞の選択を可能にする選択カセットを含む。適切な選択カセットとしては、カナマイシン耐性遺伝子、スペクチノマイシン耐性遺伝子、ストレプトマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、カルベニシリン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ブレオマイシン耐性遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子、およびポリミキシンB耐性遺伝子をコードする選択カセットが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0304】
いくつかの態様において、トランスポゾンによる形質導入のための成分、例えば、SBトランスポザーゼおよびSBトランスポゾンを含むプラスミドが、標的細胞に導入される。標的細胞の位置に応じて、標的細胞へのシステム成分のインビトロまたはインビボ導入を提供し得る、任意の好都合なプロトコルを使用し得る。例えば、標的細胞が単離された細胞である場合、システムは、例えば標準的な形質転換技術を使用することによって、標的細胞の生存能力を許容する細胞培養条件下で細胞に直接導入され得る。かかる技術としては、ウイルス感染、形質転換、接合、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、パーティクルガン技術、リン酸カルシウム沈殿、直接マイクロインジェクション、ウイルスベクター送達などが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるわけではない。方法の選択は、一般に、形質転換される細胞の種類および形質転換が行われている状況(つまりインビトロ、エクスビボ、またはインビボ)に依存する。これらの方法の一般的な考察は、Ausubel,et al,Short Protocols in Molecular Biology,3rd ed.,Wiley&Sons,1995に記載されている。
【0305】
いくつかの態様において、SBトランスポゾンおよびSBトランスポザーゼ供給源は、トランスポゾンを運ぶベクターからの逆方向反復隣接核酸の切り出し、および切り出された核酸の標的細胞のゲノムへのその後の組み込みに十分な条件下で、多細胞生物、例えば哺乳動物またはヒトの標的細胞に導入される。いくつかの態様は、必要なトランスポザーゼ活性が導入されたトランスポゾンとともに標的細胞中に存在することを確実にする工程をさらに含む。トランスポゾンベクター自体の構造、すなわちベクターがトランスポザーゼ活性を有する産物をコードする領域を含むかどうかに依存して、方法は、必要なトランスポザーゼ活性をコードする第2のベクターを標的細胞に導入することをさらに含み得る。
【0306】
いくつかの態様において、トランスポゾンを含むベクター核酸の量および細胞に導入されるトランスポザーゼをコードするベクター核酸の量は、トランスポゾン核酸の所望の切り出しおよび標的細胞ゲノムへの挿入を提供するのに十分である。そのため、導入されるベクター核酸の量は、十分な量のトランスポザーゼ活性および標的細胞に挿入されることを所望する核酸の十分なコピー数を提供するべきである。標的細胞に導入されるベクター核酸の量は、使用される特定の導入プロトコル、例えば使用される特定のエクスビボ投与プロトコルの効率に依存して異なる。
【0307】
ベクターDNAが必要なトランスポザーゼとともにターゲット細胞に入れば、逆方向反復配列が隣接するベクターの核酸領域、すなわちSleeping Beautyトランスポザーゼと認識される逆方向反復配列の間に位置するベクター核酸が、提供されたトランスポザーゼを介してベクターから切り出され、標的細胞のゲノムに挿入される。そのため、標的細胞へのベクターDNAの導入の後に、ベクターによって運ばれる外因性核酸の、トランスポザーゼを介した切り出しおよび標的細胞のゲノムへの挿入が続く。特定の態様において、ベクターは、SBトランスポゾンおよび/またはSBトランスポザーゼでトランスフェクトされた細胞の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、または少なくとも20%のゲノムに組み込まれる。いくつかの態様において、標的細胞ゲノムへの核酸の組み込みは安定である、すなわちベクター核酸は、一過性の期間を超えて標的細胞ゲノムに存在し続け、染色体遺伝物質の一部として標的細胞の子孫に伝えられる。
【0308】
一部の特定の態様において、トランスポゾンは、様々なサイズの核酸、すなわちポリヌクレオチドを標的細胞ゲノムに組み込むために使用される。いくつかの態様において、本発明の方法を使用して標的細胞ゲノムに挿入されるDNAのサイズは、約0.1kb~200kb、約0.5kb~100kb、約1.0kb~約8.0kb、約1.0~約200kb、約1.0~約10kb、約10kb~約50kb、約50kb~約100kb、または約100kb~約200kbの範囲である。いくつかの態様において、本発明の方法を使用して標的細胞ゲノムに挿入されるDNAのサイズは、約1.0kb~約8.0kbの範囲である。いくつかの態様において、本発明の方法を使用して標的細胞ゲノムに挿入されるDNAのサイズは、約1.0~約200kbの範囲である。特定の態様において、本発明の方法を使用して標的細胞ゲノムに挿入されるDNAのサイズは、約1.0kb~約8.0kbの範囲である。
【0309】
D.細胞の培養および/または拡大
いくつかの態様において、提供される方法は、細胞を培養する、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で細胞を培養するための1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様において、細胞は、遺伝子操作、例えば形質導入またはトランスフェクションによって組換えポリペプチドを細胞に導入する工程の後に、増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される。特定の態様において、細胞は、刺激条件下でインキュベートされ、組換えポリヌクレオチド、例えば組換え受容体をコードするポリヌクレオチドで形質導入またはトランスフェクトされた後に培養される。いくつかの態様において、培養は、濃縮T細胞の1つまたは複数の培養された組成物を作製する。
【0310】
一部の特定の態様において、刺激および形質導入されたT細胞を含む濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物、例えばかかるCD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、例えば、細胞を製剤化する前に増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される。いくつかの態様において、増殖および/または拡大を促進するためなどの培養方法は、セクションI-Fなどの本明細書で提供される方法を含む。特定の態様において、濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物は、1つまたは複数の組成物が操作された、例えば形質導入またはトランスフェクトされた後に培養される。特定の態様において、1つまたは複数の組成物は、操作された組成物である。特定の態様において、1つまたは複数の操作された組成物は、あらかじめクライオ凍結され、保存されており、培養前に解凍される。
【0311】
一部の特定の態様において、操作されたT細胞の1つまたは複数の組成物は、濃縮T細胞の2つの別個の組成物であるか、またはそれを含む。特定の態様において、濃縮T細胞の2つの別個の組成物、例えば組換え受容体(例えばCAR)とともに導入される、同じ生物学的試料から選択、単離、および/または濃縮された濃縮T細胞の2つの別個の組成物は、細胞の増殖および/または拡大を促進する条件下で別々に培養される。いくつかの態様において、条件は刺激条件である。一部の特定の態様において、2つの別個の組成物は、組換え受容体をコードする核酸とともに導入されたおよび/または組換え受容体を発現する、操作されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物を含む。特定の態様において、2つの別個の組成物は、組換え受容体をコードする核酸とともに導入されたおよび/または組換え受容体を発現する、操作されたCD8+T細胞などの濃縮CD8+T細胞の組成物を含む。いくつかの態様において、操作されたCD4+T細胞および操作されたCD8+T細胞などの濃縮CD4+T細胞および濃縮CD8+T細胞の2つの別個の組成物は、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で別々に培養される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の単一の組成物が培養される。一部の特定の態様において、単一の組成物は、濃縮CD4+T細胞の組成物である。いくつかの態様において、単一の組成物は、培養の前に別個の組成物から組み合わされた濃縮CD4+およびCD8+T細胞の組成物である。
【0312】
いくつかの態様において、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される、操作されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%の、組換え受容体を発現し、および/または組換え受容体をコードする組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされたCD4+T細胞を含む。一部の特定の態様において、培養される濃縮CD4+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD8+T細胞を含む、および/またはCD8+T細胞を含まない、および/またはCD8+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0313】
いくつかの態様において、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される、操作されたCD8+T細胞などの濃縮CD8+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。特定の態様において、組成物は、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%の、組換え受容体を発現する、および/または組換え受容体をコードする組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされたCD8+T細胞を含む。一部の特定の態様において、刺激条件下でインキュベートされる濃縮CD8+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD4+T細胞を含む、および/またはCD4+T細胞を含まない、および/またはCD4+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0314】
いくつかの態様において、操作されたCD4+および操作されたCD8+T細胞の別個の組成物などの、濃縮CD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、単一の組成物に組み合わされ、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される。一部の特定の態様において、濃縮CD4+および濃縮CD8+T細胞の別個の培養された組成物は、培養が行われたおよび/または完了した後に単一の組成物に組み合わされる。特定の態様において、操作されたCD4+および操作されたCD8+T細胞の別個の組成物などの、濃縮CD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で別々に培養される。
【0315】
いくつかの態様において、細胞、例えば操作された細胞は、100mLもしくは約100mLもしくは少なくとも100mL、200mLもしくは約200mLもしくは少なくとも200mL、300mLもしくは約300mLもしくは少なくとも300mL、400mLもしくは約400mLもしくは少なくとも400mL、500mLもしくは約500mLもしくは少なくとも500mL、600mLもしくは約600mLもしくは少なくとも600mL、700mLもしくは約700mLもしくは少なくとも700mL、800mLもしくは約800mLもしくは少なくとも800mL、900mLもしくは約900mLもしくは少なくとも900mL、1,000mLもしくは約1,000mLもしくは少なくとも1,000mL、1,200mLもしくは約1,200mLもしくは少なくとも1,200mL、1,400mLもしくは約1,400mLもしくは少なくとも1,400mL、1,600mLもしくは約1,600mLもしくは少なくとも1,600mL、1,800mLもしくは約1,800mLもしくは少なくとも1,800mL、2,000mLもしくは約2,000mLもしくは少なくとも2,000mL、2,200mLもしくは約2,200mLもしくは少なくとも2,200mL、または2,400mLもしくは約2,400mLもしくは少なくとも2,400mLの容量の培地で培養される。いくつかの態様において、細胞は初期容量で培養され、初期容量は後で異なる容量に調整される。特定の態様において、容量は培養中に後で調整される。特定の態様において、容量は、培養中に初期容量から増加される。一部の特定の態様において、細胞が培養中にある密度を達成したとき、容量が増加される。一部の特定の態様において、初期容量は500mLまたは約500mLである。
【0316】
特定の態様において、細胞が培養中にある密度または濃度を達成したとき、容量が初期容量から増加される。特定の態様において、容量は、細胞が0.1×106細胞/mlもしくは約0.1×106細胞/mlもしくは少なくとも0.1×106細胞/ml、0.2×106細胞/mlもしくは約0.2×106細胞/mlもしくは少なくとも0.2×106細胞/ml、0.4×106細胞/mlもしくは約0.4×106細胞/mlもしくは少なくとも0.4×106細胞/ml、0.6×106細胞/mlもしくは約0.6×106細胞/mlもしくは少なくとも0.6×106細胞/ml、0.8×106細胞/mlもしくは約0.8×106細胞/mlもしくは少なくとも0.8×106細胞/ml、1×106細胞/mlもしくは約1×106細胞/mlもしくは少なくとも1×106細胞/ml、1.2×106細胞/mlもしくは約1.2×106細胞/mlもしくは少なくとも1.2×106細胞/ml、1.4×106細胞/mlもしくは約1.4×106細胞/mlもしくは少なくとも1.4×106細胞/ml、1.6×106細胞/mlもしくは約1.6×106細胞/mlもしくは少なくとも1.6×106細胞/ml、1.8×106細胞/mlもしくは約1.8×106細胞/mlもしくは少なくとも1.8×106細胞/ml、2.0×106細胞/mlもしくは約2.0×106細胞/mlもしくは少なくとも2.0×106細胞/ml、2.5×106細胞/mlもしくは約2.5×106細胞/mlもしくは少なくとも2.5×106細胞/ml、3.0×106細胞/mlもしくは約3.0×106細胞/mlもしくは少なくとも3.0×106細胞/ml、3.5×106細胞/mlもしくは約3.5×106細胞/mlもしくは少なくとも3.5×106細胞/ml、4.0×106細胞/mlもしくは約4.0×106細胞/mlもしくは少なくとも4.0×106細胞/ml、4.5×106細胞/mlもしくは約4.5×106細胞/mlもしくは少なくとも4.5×106細胞/ml、5.0×106細胞/mlもしくは約5.0×106細胞/mlもしくは少なくとも5.0×106細胞/ml、6×106細胞/mlもしくは約6×106細胞/mlもしくは少なくとも6×106細胞/ml、8×106細胞/mlもしくは約8×106細胞/mlもしくは少なくとも8×106細胞/ml、または10×106細胞/mlもしくは約10×106細胞/mlもしくは少なくとも10×106細胞/mlの密度および/または濃度を達成したとき、容量が増加される。いくつかの態様において、細胞が、0.6×106細胞/ml、少なくとも0.6×106細胞/ml、または約0.6×106細胞/mlの密度および/または濃度を達成したとき、容量が初期容量から増加される。いくつかの態様において、密度および/または濃度は、培養物中の生細胞の密度および/または濃度である。特定の態様において、容量は、細胞が0.1×106生細胞/mlもしくは約0.1×106生細胞/mlもしくは少なくとも0.1×106生細胞/ml、0.2×106生細胞/mlもしくは約0.2×106生細胞/mlもしくは少なくとも0.2×106生細胞/ml、0.4×106生細胞/mlもしくは約0.4×106生細胞/mlもしくは少なくとも0.4×106生細胞/ml、0.6×106生細胞/mlもしくは約0.6×106生細胞/mlもしくは少なくとも0.6×106生細胞/ml、0.8×106生細胞/mlもしくは約0.8×106生細胞/mlもしくは少なくとも0.8×106生細胞/ml、1×106生細胞/mlもしくは約1×106生細胞/mlもしくは少なくとも1×106生細胞/ml、1.2×106生細胞/mlもしくは約1.2×106生細胞/mlもしくは少なくとも1.2×106生細胞/ml、1.4×106生細胞/mlもしくは約1.4×106生細胞/mlもしくは少なくとも1.4×106生細胞/ml、1.6×106生細胞/mlもしくは約1.6×106生細胞/mlもしくは少なくとも1.6×106生細胞/ml、1.8×106生細胞/mlもしくは約1.8×106生細胞/mlもしくは少なくとも1.8×106生細胞/ml、2.0×106生細胞/mlもしくは約2.0×106生細胞/mlもしくは少なくとも2.0×106生細胞/ml、2.5×106生細胞/mlもしくは約2.5×106生細胞/mlもしくは少なくとも2.5×106生細胞/ml、3.0×106生細胞/mlもしくは約3.0×106生細胞/mlもしくは少なくとも3.0×106生細胞/ml、3.5×106生細胞/mlもしくは約3.5×106生細胞/mlもしくは少なくとも3.5×106生細胞/ml、4.0×106生細胞/mlもしくは約4.0×106生細胞/mlもしくは少なくとも4.0×106生細胞/ml、4.5×106生細胞/mlもしくは約4.5×106生細胞/mlもしくは少なくとも4.5×106生細胞/ml、5.0×106生細胞/mlもしくは約5.0×106生細胞/mlもしくは少なくとも5.0×106生細胞/ml、6×106生細胞/mlもしくは約6×106生細胞/mlもしくは少なくとも6×106生細胞/ml、8×106生細胞/mlもしくは約8×106生細胞/mlもしくは少なくとも8×106生細胞/ml、または10×106生細胞/mlもしくは約10×106生細胞/mlもしくは少なくとも10×106生細胞/mlの密度および/または濃度を達成したとき、容量が増加される。いくつかの態様において、生細胞が、0.6×106生細胞/ml、少なくとも0.6×106生細胞/ml、または約0.6×106生細胞/mlの密度および/または濃度を達成したとき、容量が初期容量から増加される。いくつかの態様において、細胞または生細胞の密度および/または濃度は、デジタルホログラフィ顕微鏡法(DHM)または微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)を含む光学的方法を含む、記載されている方法を使用することなどによって、培養中に決定またはモニターされ得る。
【0317】
いくつかの態様において、細胞は、ある密度および/または濃度を達成し、容量は、100mLもしくは約100mLもしくは少なくとも100mL、200mLもしくは約200mLもしくは少なくとも200mL、300mLもしくは約300mLもしくは少なくとも300mL、400mLもしくは約400mLもしくは少なくとも400mL、500mLもしくは約500mLもしくは少なくとも500mL、600mLもしくは約600mLもしくは少なくとも600mL、700mLもしくは約700mLもしくは少なくとも700mL、800mLもしくは約800mLもしくは少なくとも800mL、900mLもしくは約900mLもしくは少なくとも900mL、1,000mLもしくは約1,000mLもしくは少なくとも1,000mL、1,200mLもしくは約1,200mLもしくは少なくとも1,200mL、1,400mLもしくは約1,400mLもしくは少なくとも1,400mL、1,600mLもしくは約1,600mLもしくは少なくとも1,600mL、1,800mLもしくは約1,800mLもしくは少なくとも1,800mL、2,000mLもしくは約2,000mLもしくは少なくとも2,000mL、2,200mLもしくは約2,200mLもしくは少なくとも2,200mL、または2,400mLもしくは約2,400mLもしくは少なくとも2,400mL増加される。一部の態様において、容量は500mL増加される。特定の態様において、容量は、500mLもしくは約500mLもしくは少なくとも500mL、600mLもしくは約600mLもしくは少なくとも600mL、700mLもしくは約700mLもしくは少なくとも700mL、800mLもしくは約800mLもしくは少なくとも800mL、900mLもしくは約900mLもしくは少なくとも900mL、1,000mLもしくは約1,000mLもしくは少なくとも1,000mL、1,200mLもしくは約1,200mLもしくは少なくとも1,200mL、1,400mLもしくは約1,400mLもしくは少なくとも1,400mL、1,600mLもしくは約1,600mLもしくは少なくとも1,600mL、1,800mLもしくは約1,800mLもしくは少なくとも1,800mL、2,000mLもしくは約2,000mLもしくは少なくとも2,000mL、2,200mLもしくは約2,200mLもしくは少なくとも2,200mL、または2,400mLもしくは約2,400mLもしくは少なくとも2,400mLの容量に増加される。一部の特定の態様において、容量は、1,000mLの容量に増加される。特定の態様において、容量は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10分ごとに、5mLもしくは少なくとも5mLもしくは約5mL、10mLもしくは少なくとも10mLもしくは約10mL、20mLもしくは少なくとも20mLもしくは約20mL、25mLもしくは少なくとも25mLもしくは約25mL、30mLもしくは少なくとも30mLもしくは約30mL、40mLもしくは少なくとも40mLもしくは約40mL、50mLもしくは少なくとも50mLもしくは約50mL、60mLもしくは少なくとも60mLもしくは約60mL、70mLもしくは少なくとも70mLもしくは約70mL、75mLもしくは少なくとも75mLもしくは約75mL、80mLもしくは少なくとも80mLもしくは約80mL、90mLもしくは少なくとも90mLもしくは約90mL、または100mLもしくは少なくとも100mLもしくは約100mLの割合で増加される。一部の特定の態様において、割合は、8分ごとに50mLまたは約50mLである。
【0318】
いくつかの態様において、操作されたT細胞などの濃縮T細胞の組成物は、増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される。いくつかの態様において、かかる条件は、集団中の細胞の増殖、拡大、活性化、および/または生存を誘導するように設計され得る。特定の態様において、刺激条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、および細胞の成長、分裂、および/または拡大を促進するように設計された他の任意の剤の1つまたは複数を含み得る。
【0319】
いくつかの態様において、培養は、ヒトTリンパ球などの初代免疫細胞の成長に適した温度、例えば少なくとも約25℃、一般に少なくとも約30℃、および一般に37℃または約37℃を含む。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、25~38℃、例えば30~37℃、例えば37℃±2℃または約37℃±2℃の温度でインキュベートされる。いくつかの態様において、インキュベーションは、培養(culture)、例えば、培養(cultivation)または拡大が細胞の所望のまたは閾値の密度、濃度、数または用量をもたらすまでの期間行われる。いくつかの態様において、インキュベーションは、培養(culture)、例えば培養(cultivation)または拡大が、生細胞の所望のまたは閾値の密度、濃度、数または用量をもたらすまでの期間行われる。いくつかの態様において、インキュベーションは、24時間超もしくは約24時間超または約24時間もしくは24時間、48時間超もしくは約48時間超または約48時間もしくは48時間、72時間超もしくは約72時間超または約72時間もしくは72時間、96時間超もしくは約96時間超または約96時間もしくは96時間、5日間超もしくは約5日間超または約5日間もしくは5日間、6日間超もしくは約6日間超または約6日間もしくは6日間、7日間超もしくは約7日間超または約7日間もしくは7日間、8日間超もしくは約8日間超または約8日間もしくは8日間、9日間超もしくは約9日間超または約9日間もしくは9日間であるか、あるいはそれを上回る。いくつかの態様において、細胞の密度、濃度および/または数もしくは用量は、デジタルホログラフィ顕微鏡法(DHM)または微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)を含む光学的方法を含む、記載されている方法を使用することなどによって、培養中に決定またはモニターされ得る。
【0320】
いくつかの態様において、刺激試薬は、培養の前に細胞から除去および/または分離される。一部の特定の態様において、刺激剤は、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で、操作後および操作された細胞を培養する前に、細胞から除去および/または分離される。いくつかの態様において、刺激試薬は、本明細書、例えばセクションI-B-1に記載されている刺激試薬である。特定の態様において、刺激試薬は、本明細書、例えばセクションI-B-2に記載されているように細胞から除去および/または分離される。
【0321】
特定の態様において、操作されたT細胞などの濃縮T細胞の組成物、例えば操作されたCD4+T細胞および操作されたCD8+T細胞の別個の組成物は、1つまたは複数のサイトカインの存在下で培養される。一部の特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは組換えサイトカインである。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインはヒト組換えサイトカインである。一部の特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、T細胞によって発現されるおよび/またはT細胞に内因性である受容体に結合するおよび/または結合することができる。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、サイトカインの4-αヘリックスバンドルファミリーのメンバーであるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、サイトカインの4-αヘリックスバンドルファミリーのメンバーとしては、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン15(IL-15)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、IL-15であるか、またはIL-15を含む。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、IL-7であるか、またはIL-17を含む。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、組換えIL-2であるか、または組換えIL-2を含む。
【0322】
特定の態様において、操作されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物は、組換えIL-2とともに培養される。いくつかの態様において、組換えIL-2の存在下で操作されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物を培養することは、組成物のCD4+T細胞が培養工程中およびプロセス全体を通じて生存、成長、拡大、および/または活性化し続ける確率または可能性を高める。いくつかの態様において、操作されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物を組換えIL-2の存在下で培養することは、濃縮CD4+T細胞の組成物を組換えIL-2の存在下で培養しない代替的および/または例示的方法と比較して、濃縮CD4+T細胞、例えば細胞療法に適した操作されたCD4+T細胞のアウトプット組成物が、濃縮CD4+T細胞の組成物から作製される確率および/または可能性を、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、または少なくとも200%CD4+高める。
【0323】
いくつかの態様において、操作されたCD4+T細胞および操作されたCD8+T細胞の別個の組成物などの細胞は、1IU/ml~2,000IU/ml、10IU/ml~100IU/ml、50IU/ml~500IU/ml、100IU/ml~200IU/ml、500IU/ml~1400IU/ml、250IU/ml~500IU/ml、または500IU/ml~2,500IU/mlの濃度のサイトカイン、例えば組換えヒトサイトカインとともに培養される。
【0324】
いくつかの態様において、操作されたCD4+T細胞およびCD8+T細胞の別個の組成物などの濃縮T細胞の組成物は、2IU/ml~500IU/ml、10IU/ml~250IU/ml、100IU/ml~500IU/ml、または100IU/ml~400IU/mlの濃度の組換えIL-2、例えばヒト組換えIL-2とともに培養される。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、50IU/mlもしくは約50IU/ml、75IU/mlもしくは約75IU/ml、100IU/mlもしくは約100IU/ml、125IU/mlもしくは約125IU/ml、150IU/mlもしくは約150IU/ml、175IU/mlもしくは約175IU/ml、200IU/mlもしくは約200IU/ml、225IU/mlもしくは約225IU/ml、250IU/mlもしくは約250IU/ml、300IU/mlもしくは約300IU/ml、または400IU/mlもしくは約400IU/mlの濃度のIL-2とともに培養される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、200IU/mlの濃度の組換えIL-2とともに培養される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、操作されたCD4+T細胞の組成物などの濃縮CD4+T細胞の組成物である。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、操作されたCD8+T細胞の組成物などの濃縮CD8+T細胞の組成物である。
【0325】
いくつかの態様において、操作されたCD4+T細胞およびCD8+T細胞の別個の組成物などの濃縮T細胞の組成物は、10IU/ml~5,000IU/ml、500IU/ml~2,000IU/ml、600IU/ml~1,500IU/ml、500IU/ml~2,500IU/ml、750IU/ml~1,500IU/ml、または1,000IU/ml~2,000IU/mlの濃度のIL-7、例えばヒト組換えIL-7とともに培養される。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、100IU/mlもしくは約100IU/ml、200IU/mlもしくは約200IU/ml、300IU/mlもしくは約300IU/ml、または400IU/mlもしくは約400IU/ml、500IU/mlもしくは約500IU/ml、600IU/mlもしくは約600IU/ml、700IU/mlもしくは約700IU/ml、800IU/mlもしくは約800IU/ml、900IU/mlもしくは約900IU/ml、1,000IU/mlもしくは約1,000IU/ml、1,200IU/mlもしくは約1,200IU/ml、1,400IU/mlもしくは約1,400IU/ml、または1,600IU/mlもしくは約1,600IU/mlの濃度のIL-7とともに培養される。いくつかの態様において、細胞は、約1,200IU/mlまたは約1,200IU/mlの濃度の組換えIL-7の存在下で培養される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、操作されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物である。
【0326】
いくつかの態様において、操作されたCD4+T細胞およびCD8+T細胞の別個の組成物などの濃縮T細胞の組成物は、0.1IU/ml~200IU/ml、1IU/ml~50IU/ml、5IU/ml~25IU/ml、25IU/ml~50IU/ml、5IU/ml~15IU/ml、または10IU/ml~00IU/mlの濃度のIL-15、例えばヒト組換えIL-15とともに培養される。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、1IU/mlもしくは約1IU/ml、2IU/mlもしくは約2IU/ml、3IU/mlもしくは約3IU/ml、4IU/mlもしくは約4IU/ml、5IU/mlもしくは約5IU/ml、6IU/mlもしくは約6IU/ml、7IU/mlもしくは約7IU/ml、8IU/mlもしくは約8IU/ml、9IU/mlもしくは約9IU/ml、10IU/mlもしくは約10IU/ml、11IU/mlもしくは約11IU/ml、12IU/mlもしくは約12IU/ml、13IU/mlもしくは約13IU/ml、14IU/mlもしくは約14IU/ml、15IU/mlもしくは約15IU/ml、20IU/mlもしくは約20IU/ml、25IU/mlもしくは約25IU/ml、30IU/mlもしくは約30IU/ml、40IU/mlもしくは約40IU/ml、50IU/mlもしくは約50IU/ml、100IU/mlもしくは約100IU/ml、または200IU/mlもしくは約200IU/mlの濃度のIL-15とともに培養される。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、20IU/mlの濃度の組換えIL-15とともに培養される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、操作されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物である。特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、操作されたCD8+T細胞などの濃縮CD8+T細胞の組成物である。
【0327】
特定の態様において、操作されたCD8+T細胞などの濃縮CD8+T細胞の組成物は、記載されている量などのIL-2および/またはIL-15の存在下で培養される。一部の特定の態様において、操作されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物は、記載されている量などのIL-2、IL-7、および/またはIL-15の存在下で培養される。いくつかの態様において、IL-2、IL-7、および/またはIL-15は組換え型である。一部の特定の態様において、IL-2、IL-7、および/またはIL-15はヒトのものである。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、ヒト組換えIL-2、IL-7、および/もしくはIL-15であるか、またはそれを含む。
【0328】
特定の態様において、培養は閉鎖系で行われる。一部の特定の態様において、培養は、無菌条件下で、閉鎖系で行われる。特定の態様において、培養は、提供される系の1つまたは複数の工程と同じ閉鎖系で行われる。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、閉鎖系から取り出され、培養のためにバイオリアクターに配置および/または接続される。培養に適したバイオリアクターの例としては、GE Xuri W25、GE Xuri W5、Sartorius BioSTAT RM 20/50、Finesse SmartRocker Bioreactor Systems、およびPall XRS Bioreactor Systemsが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、バイオリアクターは、培養工程の少なくとも一部の間に細胞を灌流および/または混合するために使用される。
【0329】
いくつかの態様において、バイオリアクターに閉鎖されて、接続されて、および/またはバイオリアクターの制御下で培養される細胞は、バイオリアクターなしで培養された細胞、例えば混合、揺動、運動、および/または灌流を伴わないなどの静的条件下で培養される細胞よりも急速に、培養中の拡大がおこる。いくつかの態様において、バイオリアクターに閉鎖されて、接続されて、および/またはバイオリアクターの制御下で培養される細胞は、14日以内、10日以内、9日以内、8日以内、7日以内、6日以内、5日以内、4日以内、3日以内、2日以内、60時間以内、48時間以内、36時間以内、24時間以内、または12時間以内に閾値拡大、細胞数、および/または密度に到達するまたはこれらを達成する。いくつかの態様において、バイオリアクターに閉鎖されて、接続されて、および/またはバイオリアクターの制御下で培養される細胞は、細胞がバイオリアクターに閉鎖されて、接続されて、および/またはバイオリアクターの制御下で培養されない例示的および/または代替的プロセスで培養される細胞よりも少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍の閾値拡大、細胞数、および/または密度に到達するまたはこれらを達成する。
【0330】
いくつかの態様において、混合は、揺動および/もしくは運動であるか、または揺動および/もしくは運動を含む。いくつかの場合において、バイオリアクターは、運動または揺動に供することができ、これは、いくつかの局面では、酸素移動を増加させ得る。バイオリアクターを動かすことは、水平軸に沿って回転すること、垂直軸に沿って回転すること、バイオリアクターの傾いたまたは傾斜した水平軸に沿った揺動運動、またはそれらの任意の組合せを含み得るが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、インキュベーションの少なくとも一部は、揺動しながら行われる。揺動速度および揺動角度は、所望の撹拌を達成するように調整され得る。いくつかの態様において、揺動角度は、20°、19°、18°、17°、16°、15°、14°、13°、12°、11°、10°、9°、8°、7°、6°、5°、4°、3°、2°、または1°である。一部の特定の態様において、揺動角度は6~16°である。他の態様において、揺動角度は7~16°である。他の態様において、揺動角度は8~12°である。いくつかの態様において、揺動速度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、1 12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40rpmである。いくつかの態様において、揺動速度は、両端の値を含む、4~12rpm、例えば4~6rpmである。
【0331】
いくつかの態様において、バイオリアクターは、0.01L/分もしくは約0.01L/分もしくは少なくとも0.01L/分、0.05L/分もしくは約0.05L/分もしくは少なくとも0.05L/分、0.1L/分もしくは約0.1L/分もしくは少なくとも0.1L/分、0.2L/分もしくは約0.2L/分もしくは少なくとも0.2L/分、0.3L/分もしくは約0.3L/分もしくは少なくとも0.3L/分、0.4L/分もしくは約0.4L/分もしくは少なくとも0.4L/分、0.5L/分もしくは約0.5L/分もしくは少なくとも0.5L/分、1.0L/分もしくは約1.0L/分もしくは少なくとも1.0L/分、1.5L/分もしくは約1.5L/分もしくは少なくとも1.5L/分、または2.0L/分もしくは約2.0L/分もしくは少なくとも2.0L/分、または2.0L/分を超える一定な空気流で、37°Cまたはその付近の温度および約5%またはその近くのCO2レベルを維持する。一部の特定の態様において、培養の少なくとも一部は、例えば培養の開始および/または培養される細胞の密度に関するタイミングに依存して、例えば290ml/日、580ml/日、および/または1160ml/日の速度での灌流で行われる。いくつかの態様において、細胞培養物拡大の少なくとも一部は、例えば5°~10°、例えば6°の角度、例えば5~15RPM、例えば6RMPまたは10RPMの速度などの一定な揺動速度で揺動運動しながら行われる。
【0332】
いくつかの態様において、培養工程の少なくとも一部は、一定な灌流、例えば緩やかな定常速度での灌流下で行われる。いくつかの態様において、灌流は、液体、例えば使用済み培地の流出、および新鮮な培地の流入であるか、またはそれを含む。一部の特定の態様において、灌流は、使用済み培地を新鮮な培地に置き換える。いくつかの態様において、培養の少なくとも一部は、100ml/日もしくは約100ml/日もしくは少なくとも100ml/日、200ml/日もしくは約200ml/日もしくは少なくとも200ml/日、250ml/日もしくは約250ml/日もしくは少なくとも250ml/日、275ml/日もしくは約275ml/日もしくは少なくとも275ml/日、290ml/日もしくは約290ml/日もしくは少なくとも290ml/日、300ml/日もしくは約300ml/日もしくは少なくとも300ml/日、350ml/日もしくは約350ml/日もしくは少なくとも350ml/日、400ml/日もしくは約400ml/日もしくは少なくとも400ml/日、450ml/日もしくは約450ml/日もしくは少なくとも450ml/日、500ml/日もしくは約500ml/日もしくは少なくとも500ml/日、550ml/日もしくは約550ml/日もしくは少なくとも550ml/日、575ml/日もしくは約575ml/日もしくは少なくとも575ml/日、580ml/日もしくは約580ml/日もしくは少なくとも580ml/日、600ml/日もしくは約600ml/日もしくは少なくとも600ml/日、650ml/日もしくは約650ml/日もしくは少なくとも650ml/日、700ml/日もしくは約700ml/日もしくは少なくとも700ml/日、750ml/日もしくは約750ml/日もしくは少なくとも750ml/日、800ml/日もしくは約800ml/日もしくは少なくとも800ml/日、850ml/日もしくは約850ml/日もしくは少なくとも850ml/日、900ml/日もしくは約900ml/日もしくは少なくとも900ml/日、950ml/日もしくは約950ml/日もしくは少なくとも950ml/日、1000ml/日もしくは約1000ml/日もしくは少なくとも1000ml/日、1100ml/日もしくは約1100ml/日もしくは少なくとも1100ml/日、1160ml/日もしくは約1160ml/日もしくは少なくとも1160ml/日、1200ml/日もしくは約1200ml/日もしくは少なくとも1200ml/日、1400ml/日もしくは約1400ml/日もしくは少なくとも1400ml/日、1600ml/日もしくは約1600ml/日もしくは少なくとも1600ml/日、1800ml/日もしくは約1800ml/日もしくは少なくとも1800ml/日、2000ml/日もしくは約2000ml/日もしくは少なくとも2000ml/日、2200ml/日もしくは約2200ml/日もしくは少なくとも2200ml/日、または2400ml/日もしくは約2400ml/日もしくは少なくとも2400ml/日の定常速度の灌流下で行われる。
【0333】
特定の態様において、培養は、灌流のない条件下で開始され、灌流は、設定された時間および/または所定の時間後に、例えば培養の出発または開始後12時間もしくは約12時間もしくは少なくとも12時間、24時間もしくは約24時間もしくは少なくとも24時間、36時間もしくは約36時間もしくは少なくとも36時間、48時間もしくは約48時間もしくは少なくとも48時間、60時間もしくは約60時間もしくは少なくとも60時間、72時間もしくは約72時間もしくは少なくとも72時間、または72時間超に開始される。特定の態様において、灌流は、細胞の密度または濃度が設定されたまたは所定の密度または濃度に達したときに開始される。いくつかの態様において、灌流は、培養される細胞が、0.1×106細胞/mlもしくは約0.1×106細胞/mlもしくは少なくとも0.1×106細胞/ml、0.2×106細胞/mlもしくは約0.2×106細胞/mlもしくは少なくとも0.2×106細胞/ml、0.4×106細胞/mlもしくは約0.4×106細胞/mlもしくは少なくとも0.4×106細胞/ml、0.6×106細胞/mlもしくは約0.6×106細胞/mlもしくは少なくとも0.6×106細胞/ml、0.8×106細胞/mlもしくは約0.8×106細胞/mlもしくは少なくとも0.8×106細胞/ml、1×106細胞/mlもしくは約1×106細胞/mlもしくは少なくとも1×106細胞/ml、1.2×106細胞/mlもしくは約1.2×106細胞/mlもしくは少なくとも1.2×106細胞/ml、1.4×106細胞/mlもしくは約1.4×106細胞/mlもしくは少なくとも1.4×106細胞/ml、1.6×106細胞/mlもしくは約1.6×106細胞/mlもしくは少なくとも1.6×106細胞/ml、1.8×106細胞/mlもしくは約1.8×106細胞/mlもしくは少なくとも1.8×106細胞/ml、2.0×106細胞/mlもしくは約2.0×106細胞/mlもしくは少なくとも2.0×106細胞/ml、2.5×106細胞/mlもしくは約2.5×106細胞/mlもしくは少なくとも2.5×106細胞/ml、3.0×106細胞/mlもしくは約3.0×106細胞/mlもしくは少なくとも3.0×106細胞/ml、3.5×106細胞/mlもしくは約3.5×106細胞/mlもしくは少なくとも3.5×106細胞/ml、4.0×106細胞/mlもしくは約4.0×106細胞/mlもしくは少なくとも4.0×106細胞/ml、4.5×106細胞/mlもしくは約4.5×106細胞/mlもしくは少なくとも4.5×106細胞/ml、5.0×106細胞/mlもしくは約5.0×106細胞/mlもしくは少なくとも5.0×106細胞/ml、6×106細胞/mlもしくは約6×106細胞/mlもしくは少なくとも6×106細胞/ml、8×106細胞/mlもしくは約8×106細胞/mlもしくは少なくとも8×106細胞/ml、または10×106細胞/mlもしくは約10×106細胞/mlもしくは少なくとも10×106細胞/mlの密度または濃度に達したときに開始される。特定の態様において、灌流は、生細胞の密度または濃度が設定されたまたは所定の密度または濃度に達したときに開始される。いくつかの態様において、灌流は、培養される生細胞が、0.1×106生細胞/mlもしくは約0.1×106生細胞/mlもしくは少なくとも0.1×106生細胞/ml、0.2×106生細胞/mlもしくは約0.2×106生細胞/mlもしくは少なくとも0.2×106生細胞/ml、0.4×106生細胞/mlもしくは約0.4×106生細胞/mlもしくは少なくとも0.4×106生細胞/ml、0.6×106生細胞/mlもしくは約0.6×106生細胞/mlもしくは少なくとも0.6×106生細胞/ml、0.8×106生細胞/mlもしくは約0.8×106生細胞/mlもしくは少なくとも0.8×106生細胞/ml、1×106生細胞/mlもしくは約1×106生細胞/mlもしくは少なくとも1×106生細胞/ml、1.2×106生細胞/mlもしくは約1.2×106生細胞/mlもしくは少なくとも1.2×106生細胞/ml、1.4×106生細胞/mlもしくは約1.4×106生細胞/mlもしくは少なくとも1.4×106生細胞/ml、1.6×106生細胞/mlもしくは約1.6×106生細胞/mlもしくは少なくとも1.6×106生細胞/ml、1.8×106生細胞/mlもしくは約1.8×106生細胞/mlもしくは少なくとも1.8×106生細胞/ml、2.0×106生細胞/mlもしくは約2.0×106生細胞/mlもしくは少なくとも2.0×106生細胞/ml、2.5×106生細胞/mlもしくは約2.5×106生細胞/mlもしくは少なくとも2.5×106生細胞/ml、3.0×106生細胞/mlもしくは約3.0×106生細胞/mlもしくは少なくとも3.0×106生細胞/ml、3.5×106生細胞/mlもしくは約3.5×106生細胞/mlもしくは少なくとも3.5×106生細胞/ml、4.0×106生細胞/mlもしくは約4.0×106生細胞/mlもしくは少なくとも4.0×106生細胞/ml、4.5×106生細胞/mlもしくは約4.5×106生細胞/mlもしくは少なくとも4.5×106生細胞/ml、5.0×106生細胞/mlもしくは約5.0×106生細胞/mlもしくは少なくとも5.0×106生細胞/ml、6×106生細胞/mlもしくは約6×106生細胞/mlもしくは少なくとも6×106生細胞/ml、8×106生細胞/mlもしくは約8×106生細胞/mlもしくは少なくとも8×106生細胞/ml、または10×106生細胞/mlもしくは約10×106生細胞/mlもしくは少なくとも10×106生細胞/mlの密度または濃度に達したときに開始される。
【0334】
特定の態様において、灌流は、培養中に様々な速度で行われる。例えば、いくつかの態様において、灌流の速度は、培養される細胞の密度および/または濃度に依存する。一部の特定の態様において、灌流の速度は、細胞が設定されたまたは所定の密度または濃度に達したときに増加される。灌流速度は、培養中に変化させてもよく、例えば培養中に1回、2回、3回、4回、5回、5回超、10回超、15回超、20回超、25回超、50回超、または100回超にわたって、ある定常灌流速度から増加された定常灌流速度に変化させ得る。いくつかの態様において、定常灌流速度は、細胞が、0.6×106細胞/mlもしくは約0.6×106細胞/mlもしくは少なくとも0.6×106細胞/ml、0.8×106細胞/mlもしくは約0.8×106細胞/mlもしくは少なくとも0.8×106細胞/ml、1×106細胞/mlもしくは約1×106細胞/mlもしくは少なくとも1×106細胞/ml、1.2×106細胞/mlもしくは約1.2×106細胞/mlもしくは少なくとも1.2×106細胞/ml、1.4×106細胞/mlもしくは約1.4×106細胞/mlもしくは少なくとも1.4×106細胞/ml、1.6×106細胞/mlもしくは約1.6×106細胞/mlもしくは少なくとも1.6×106細胞/ml、1.8×106細胞/mlもしくは約1.8×106細胞/mlもしくは少なくとも1.8×106細胞/ml、2.0×106細胞/mlもしくは約2.0×106細胞/mlもしくは少なくとも2.0×106細胞/ml、2.5×106細胞/mlもしくは約2.5×106細胞/mlもしくは少なくとも2.5×106細胞/ml、3.0×106細胞/mlもしくは約3.0×106細胞/mlもしくは少なくとも3.0×106細胞/ml、3.5×106細胞/mlもしくは約3.5×106細胞/mlもしくは少なくとも3.5×106細胞/ml、4.0×106細胞/mlもしくは約4.0×106細胞/mlもしくは少なくとも4.0×106細胞/ml、4.5×106細胞/mlもしくは約4.5×106細胞/mlもしくは少なくとも4.5×106細胞/ml、5.0×106細胞/mlもしくは約5.0×106細胞/mlもしくは少なくとも5.0×106細胞/ml、6×106細胞/mlもしくは約6×106細胞/mlもしくは少なくとも6×106細胞/ml、8×106細胞/mlもしくは約8×106細胞/mlもしくは少なくとも8×106細胞/ml、または10×106細胞/mlもしくは約10×106細胞/mlもしくは少なくとも10×106細胞/mlの設定されたまたは所定の細胞密度または濃度に達したときに増加する。いくつかの態様において、定常灌流速度は、細胞が、0.6×106生細胞/mlもしくは約0.6×106生細胞/mlもしくは少なくとも0.6×106生細胞/ml、0.8×106生細胞/mlもしくは約0.8×106生細胞/mlもしくは少なくとも0.8×106生細胞/ml、1×106生細胞/mlもしくは約1×106生細胞/mlもしくは少なくとも1×106生細胞/ml、1.2×106生細胞/mlもしくは約1.2×106生細胞/mlもしくは少なくとも1.2×106生細胞/ml、1.4×106生細胞/mlもしくは約1.4×106生細胞/mlもしくは少なくとも1.4×106生細胞/ml、1.6×106生細胞/mlもしくは約1.6×106生細胞/mlもしくは少なくとも1.6×106生細胞/ml、1.8×106生細胞/mlもしくは約1.8×106生細胞/mlもしくは少なくとも1.8×106生細胞/ml、2.0×106生細胞/mlもしくは約2.0×106生細胞/mlもしくは少なくとも2.0×106生細胞/ml、2.5×106生細胞/mlもしくは約2.5×106生細胞/mlもしくは少なくとも2.5×106生細胞/ml、3.0×106生細胞/mlもしくは約3.0×106生細胞/mlもしくは少なくとも3.0×106生細胞/ml、3.5×106生細胞/mlもしくは約3.5×106生細胞/mlもしくは少なくとも3.5×106生細胞/ml、4.0×106生細胞/mlもしくは約4.0×106生細胞/mlもしくは少なくとも4.0×106生細胞/ml、4.5×106生細胞/mlもしくは約4.5×106生細胞/mlもしくは少なくとも4.5×106生細胞/ml、5.0×106生細胞/mlもしくは約5.0×106生細胞/mlもしくは少なくとも5.0×106生細胞/ml、6×106生細胞/mlもしくは約6×106生細胞/mlもしくは少なくとも6×106生細胞/ml、8×106生細胞/mlもしくは約8×106生細胞/mlもしくは少なくとも8×106生細胞/ml、または10×106生細胞/mlもしくは約10×106生細胞/mlもしくは少なくとも10×106生細胞/mlの設定されたまたは所定の生細胞密度または濃度に達したときに増加する。いくつかの態様において、灌流下などの培養中の細胞または生細胞の密度および/または濃度は、デジタルホログラフィ顕微鏡法(DHM)または微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)を含む光学的方法を含む、記載されている方法を使用することなどによって決定またはモニターされ得る。
【0335】
いくつかの態様において、培養は灌流のない条件下で開始され、灌流は、細胞の密度または濃度が設定されたまたは所定の密度または濃度に達したときに開始される。いくつかの態様において、灌流は、細胞の密度または濃度が設定されたまたは所定の密度または濃度に達したときに、100ml/日もしくは約100ml/日もしくは少なくとも100ml/日、200ml/日もしくは約200ml/日もしくは少なくとも200ml/日、250ml/日もしくは約250ml/日もしくは少なくとも250ml/日、275ml/日もしくは約275ml/日もしくは少なくとも275ml/日、290ml/日もしくは約290ml/日もしくは少なくとも290ml/日、300ml/日もしくは約300ml/日もしくは少なくとも300ml/日、350ml/日もしくは約350ml/日もしくは少なくとも350ml/日、400ml/日もしくは約400ml/日もしくは少なくとも400ml/日、450ml/日もしくは約450ml/日もしくは少なくとも450ml/日、500ml/日もしくは約500ml/日もしくは少なくとも500ml/日、550ml/日もしくは約550ml/日もしくは少なくとも550ml/日、575ml/日もしくは約575ml/日もしくは少なくとも575ml/日、580ml/日もしくは約580ml/日もしくは少なくとも580ml/日、600ml/日もしくは約600ml/日もしくは少なくとも600ml/日、650ml/日もしくは約650ml/日もしくは少なくとも650ml/日、700ml/日もしくは約700ml/日もしくは少なくとも700ml/日、750ml/日もしくは約750ml/日もしくは少なくとも750ml/日、800ml/日もしくは約800ml/日もしくは少なくとも800ml/日、850ml/日もしくは約850ml/日もしくは少なくとも850ml/日、900ml/日もしくは約900ml/日もしくは少なくとも900ml/日、950ml/日もしくは約950ml/日もしくは少なくとも950ml/日、1000ml/日もしくは約1000ml/日もしくは少なくとも1000ml/日、1100ml/日もしくは約1100ml/日もしくは少なくとも1100ml/日、1160ml/日もしくは約1160ml/日もしくは少なくとも1160ml/日、1200ml/日もしくは約1200ml/日もしくは少なくとも1200ml/日、1400ml/日もしくは約1400ml/日もしくは少なくとも1400ml/日、1600ml/日もしくは約1600ml/日もしくは少なくとも1600ml/日、1800ml/日もしくは約1800ml/日もしくは少なくとも1800ml/日、2000ml/日もしくは約2000ml/日もしくは少なくとも2000ml/日、2200ml/日もしくは約2200ml/日もしくは少なくとも2200ml/日、または2400ml/日もしくは約2400ml/日もしくは少なくとも2400ml/日の速度で開始される。いくつかの態様において、灌流は、培養される細胞または培養される生細胞が、0.1×106細胞/mlもしくは約0.1×106細胞/mlもしくは少なくとも0.1×106細胞/ml、0.2×106細胞/mlもしくは約0.2×106細胞/mlもしくは少なくとも0.2×106細胞/ml、0.4×106細胞/mlもしくは約0.4×106細胞/mlもしくは少なくとも0.4×106細胞/ml、0.6×106細胞/mlもしくは約0.6×106細胞/mlもしくは少なくとも0.6×106細胞/ml、0.8×106細胞/mlもしくは約0.8×106細胞/mlもしくは少なくとも0.8×106細胞/ml、1×106細胞/mlもしくは約1×106細胞/mlもしくは少なくとも1×106細胞/ml、1.2×106細胞/mlもしくは約1.2×106細胞/mlもしくは少なくとも1.2×106細胞/ml、1.4×106細胞/mlもしくは約1.4×106細胞/mlもしくは少なくとも1.4×106細胞/ml、1.6×106細胞/mlもしくは約1.6×106細胞/mlもしくは少なくとも1.6×106細胞/ml、1.8×106細胞/mlもしくは約1.8×106細胞/mlもしくは少なくとも1.8×106細胞/ml、2.0×106細胞/mlもしくは約2.0×106細胞/mlもしくは少なくとも2.0×106細胞/ml、2.5×106細胞/mlもしくは約2.5×106細胞/mlもしくは少なくとも2.5×106細胞/ml、3.0×106細胞/mlもしくは約3.0×106細胞/mlもしくは少なくとも3.0×106細胞/ml、3.5×106細胞/mlもしくは約3.5×106細胞/mlもしくは少なくとも3.5×106細胞/ml、4.0×106細胞/mlもしくは約4.0×106細胞/mlもしくは少なくとも4.0×106細胞/ml、4.5×106細胞/mlもしくは約4.5×106細胞/mlもしくは少なくとも4.5×106細胞/ml、5.0×106細胞/mlもしくは約5.0×106細胞/mlもしくは少なくとも5.0×106細胞/ml、6×106細胞/mlもしくは約6×106細胞/mlもしくは少なくとも6×106細胞/ml、8×106細胞/mlもしくは約8×106細胞/mlもしくは少なくとも8×106細胞/ml、または10×106細胞/mlもしくは約10×106細胞/mlもしくは少なくとも10×106細胞/mlの密度または濃度に達したときに開始される。
【0336】
一部の特定の態様において、培養の少なくとも一部はある特定の速度で灌流して行われ、灌流速度は、細胞の密度または濃度が設定されたまたは所定の密度または濃度に達したときに、100ml/日もしくは約100ml/日もしくは少なくとも100ml/日、200ml/日もしくは約200ml/日もしくは少なくとも200ml/日、250ml/日もしくは約250ml/日もしくは少なくとも250ml/日、275ml/日もしくは約275ml/日もしくは少なくとも275ml/日、290ml/日もしくは約290ml/日もしくは少なくとも290ml/日、300ml/日もしくは約300ml/日もしくは少なくとも300ml/日、350ml/日もしくは約350ml/日もしくは少なくとも350ml/日、400ml/日もしくは約400ml/日もしくは少なくとも400ml/日、450ml/日もしくは約450ml/日もしくは少なくとも450ml/日、500ml/日もしくは約500ml/日もしくは少なくとも500ml/日、550ml/日もしくは約550ml/日もしくは少なくとも550ml/日、575ml/日もしくは約575ml/日もしくは少なくとも575ml/日、580ml/日もしくは約580ml/日もしくは少なくとも580ml/日、600ml/日もしくは約600ml/日もしくは少なくとも600ml/日、650ml/日もしくは約650ml/日もしくは少なくとも650ml/日、700ml/日もしくは約700ml/日もしくは少なくとも700ml/日、750ml/日もしくは約750ml/日もしくは少なくとも750ml/日、800ml/日もしくは約800ml/日もしくは少なくとも800ml/日、850ml/日もしくは約850ml/日もしくは少なくとも850ml/日、900ml/日もしくは約900ml/日もしくは少なくとも900ml/日、950ml/日もしくは約950ml/日もしくは少なくとも950ml/日、1000ml/日もしくは約1000ml/日もしくは少なくとも1000ml/日、1100ml/日もしくは約1100ml/日もしくは少なくとも1100ml/日、1160ml/日もしくは約1160ml/日もしくは少なくとも1160ml/日、1200ml/日もしくは約1200ml/日もしくは少なくとも1200ml/日、1400ml/日もしくは約1400ml/日もしくは少なくとも1400ml/日、1600ml/日もしくは約1600ml/日もしくは少なくとも1600ml/日、1800ml/日もしくは約1800ml/日もしくは少なくとも1800ml/日、2000ml/日もしくは約2000ml/日もしくは少なくとも2000ml/日、2200ml/日もしくは約2200ml/日もしくは少なくとも2200ml/日、または2400ml/日もしくは約2400ml/日もしくは少なくとも2400ml/日に増加される。いくつかの態様において、灌流は、培養される細胞または培養される生細胞が、0.1×106細胞/mlもしくは約0.1×106細胞/mlもしくは少なくとも0.1×106細胞/ml、0.2×106細胞/mlもしくは約0.2×106細胞/mlもしくは少なくとも0.2×106細胞/ml、0.4×106細胞/mlもしくは約0.4×106細胞/mlもしくは少なくとも0.4×106細胞/ml、0.6×106細胞/mlもしくは約0.6×106細胞/mlもしくは少なくとも0.6×106細胞/ml、0.8×106細胞/mlもしくは約0.8×106細胞/mlもしくは少なくとも0.8×106細胞/ml、1×106細胞/mlもしくは約1×106細胞/mlもしくは少なくとも1×106細胞/ml、1.2×106細胞/mlもしくは約1.2×106細胞/mlもしくは少なくとも1.2×106細胞/ml、1.4×106細胞/mlもしくは約1.4×106細胞/mlもしくは少なくとも1.4×106細胞/ml、1.6×106細胞/mlもしくは約1.6×106細胞/mlもしくは少なくとも1.6×106細胞/ml、1.8×106細胞/mlもしくは約1.8×106細胞/mlもしくは少なくとも1.8×106細胞/ml、2.0×106細胞/mlもしくは約2.0×106細胞/mlもしくは少なくとも2.0×106細胞/ml、2.5×106細胞/mlもしくは約2.5×106細胞/mlもしくは少なくとも2.5×106細胞/ml、3.0×106細胞/mlもしくは約3.0×106細胞/mlもしくは少なくとも3.0×106細胞/ml、3.5×106細胞/mlもしくは約3.5×106細胞/mlもしくは少なくとも3.5×106細胞/ml、4.0×106細胞/mlもしくは約4.0×106細胞/mlもしくは少なくとも4.0×106細胞/ml、4.5×106細胞/mlもしくは約4.5×106細胞/mlもしくは少なくとも4.5×106細胞/ml、5.0×106細胞/mlもしくは約5.0×106細胞/mlもしくは少なくとも5.0×106細胞/ml、6×106細胞/mlもしくは約6×106細胞/mlもしくは少なくとも6×106細胞/ml、8×106細胞/mlもしくは約8×106細胞/mlもしくは少なくとも8×106細胞/ml、または10×106細胞/mlもしくは約10×106細胞/mlもしくは少なくとも10×106細胞/mlの密度または濃度に達したときに開始される。いくつかの態様において、灌流は、細胞が、300mLもしくは約300mLもしくは少なくとも300mL、400mLもしくは約400mLもしくは少なくとも400mL、500mLもしくは約500mLもしくは少なくとも500mL、600mLもしくは約600mLもしくは少なくとも600mL、700mLもしくは約700mLもしくは少なくとも700mL、800mLもしくは約800mLもしくは少なくとも800mL、900mLもしくは約900mLもしくは少なくとも900mL、または1,000mLもしくは約1,000mLもしくは少なくとも1,000mLの容量で培養される場合に行われる。いくつかの態様において、容量は1000mLである。
【0337】
一部の特定の態様において、培養は、灌流がない条件下またはある特定の速度での灌流を伴う条件下で開始され、灌流速度は、細胞の密度または濃度が0.61×106細胞/mlまたは約0.61×106細胞/mlまたは少なくとも0.61×106細胞/mlの濃度に達したときに、290ml/日または約290ml/日または少なくとも290ml/日に増加される。一部の特定の態様において、細胞が1000mLまたは約1000mLまたは少なくとも1000mLの容量で培養される場合、細胞の密度または濃度が0.61×106細胞/mlまたは約0.61×106細胞/mlまたは少なくとも0.61×106細胞/mlの濃度に達したときに、細胞は、290ml/日または約290ml/日または少なくとも290ml/日の速度で灌流される。いくつかの態様において、灌流速度は、細胞の密度または濃度が0.81×106細胞/mlまたは約0.81×106細胞/mlまたは少なくとも0.81×106細胞/mlの濃度に達したときに、580ml/日または約580ml/日または少なくとも580ml/日に増加される。一部の特定の態様において、灌流速度は、細胞の密度または濃度が1.01×106細胞/mlまたは約1.01×106細胞/mlまたは少なくとも1.01×106細胞/mlの濃度に達したときに、1160ml/日または約1160ml/日または少なくとも1160ml/日に増加される。いくつかの態様において、灌流速度は、細胞の密度または濃度が1.2×106細胞/mlまたは約1.2×106細胞/mlまたは少なくとも1.2×106細胞/mlの濃度に達したときに、1160ml/日または約1160ml/日または少なくとも1160ml/日に増加される。
【0338】
提供される態様の局面において、本明細書に記載されるようにおよび上記のように、開始または増加されるタイミングを含む灌流の速度は、培養中の細胞の密度および/もしくは濃度を評価すること、または培養中の生細胞の密度および/もしくは濃度を評価することから決定される。いくつかの態様において、細胞の密度および/または濃度は、デジタルホログラフィ顕微鏡法(DHM)または微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)を含む光学的方法を含む、記載されている方法を使用して決定され得る。
【0339】
いくつかの態様において、操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞などの濃縮細胞の組成物は、界面活性剤の存在下で培養される。特定の態様において、組成物の細胞を培養することは、例えば混合、揺動、運動、および/または灌流に起因して培養中に起こり得る剪断応力の量を低減する。特定の態様において、操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、界面活性剤とともに培養され、培養が完了した後1日間もしくは少なくとも1日間、2日間もしくは少なくとも2日間、3日間もしくは少なくとも3日間、4日間もしくは少なくとも4日間、5日間もしくは少なくとも5日間、6日間もしくは少なくとも6日間、7日間もしくは少なくとも7日間、または7日間を超えて、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%のT細胞が生存する、例えば生存可能である、および/または壊死、プログラムされた細胞死、またはアポトーシスを受けない。特定の態様において、操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、界面活性剤の存在下で培養され、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満の細胞が、剪断または剪断誘導応力などに起因する細胞死、例えばプログラムされた細胞死、アポトーシス、および/または壊死を受ける。
【0340】
特定の態様において、操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、0.1μl/ml~10.0μl/ml、0.2μl/ml~2.5μl/ml、0.5μl/ml~5μl/ml、1μl/ml~3μl/ml、または2μl/ml~4μl/mlの界面活性剤の存在下で培養される。いくつかの態様において、操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、0.1μl/mlもしくは約0.1μl/mlもしくは少なくとも0.1μl/ml、0.2μl/mlもしくは約0.2μl/mlもしくは少なくとも0.2μl/ml、0.4μl/mlもしくは約0.4μl/mlもしくは少なくとも0.4μl/ml、0.6μl/mlもしくは約0.6μl/mlもしくは少なくとも0.6μl/ml、0.8μl/mlもしくは約0.8μl/mlもしくは少なくとも0.8μl/ml、1μl/mlもしくは約1μl/mlもしくは少なくとも1μl/ml、1.5μl/mlもしくは約1.5μl/mlもしくは少なくとも1.5μl/ml、2.0μl/mlもしくは約2.0μl/mlもしくは少なくとも2.0μl/ml、2.5μl/mlもしくは約2.5μl/mlもしくは少なくとも2.5μl/ml、5.0μl/mlもしくは約5.0μl/mlもしくは少なくとも5.0μl/ml、10μl/mlもしくは約10μl/mlもしくは少なくとも10μl/ml、25μl/mlもしくは約25μl/mlもしくは少なくとも25μl/ml、または50μl/mlもしくは約50μl/mlもしくは少なくとも50μl/mlの界面活性剤の存在下で培養される。一部の特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、2μl/mlまたは約2μl/mlの界面活性剤の存在下で培養される。
【0341】
いくつかの態様において、界面活性剤は、液体および/または固体の表面張力を低下させる剤であるか、または該剤を含む。例えば、界面活性剤は、脂肪アルコール(例えばステリルアルコール)、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル(例えばトリトンX-100)、またはポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(例えばポリソルベート20、40、60)を含む。一部の特定の態様において、界面活性剤は、ポリソルベート80(PS80)、ポリソルベート20(PS20)、ポロキサマー188(P188)からなる群より選択される。例示的な態様において、化学的に成分が明らかなフィード培地中の界面活性剤の濃度は、PS80の約0.0025%~約0.25%(v/v)、PS20の約0.0025%~約0.25%(v/v)、またはP188の約0.1%~約5.0%(w/v)である。
【0342】
いくつかの態様において、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、もしくはそれに添加された非イオン性界面活性剤であるか、またはそれを含む。適切なアニオン性界面活性剤としては、スルホン酸アルキル、リン酸アルキル、ホスホン酸アルキル、ラウリン酸カリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硫酸アルキル、アルギン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸およびその塩、カルボキシメチルセルロースナトリウム、コール酸および他の胆汁酸(例えばコール酸、デオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、グリコデオキシコール酸)およびその塩(例えばデオキシコール酸ナトリウム)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0343】
いくつかの態様において、適切な非イオン性界面活性剤としては、グリセリルエステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタンエステル、モノステアリン酸グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アリールアルキルポリエーテルアルコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマー)、ポロキサミン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、非結晶性セルロース、デンプンおよびヒドロキシエチルデンプン(HES)などのデンプン誘導体を含む多糖類、ポリビニルアルコール、ならびにポリビニルピロリドンが挙げられる。一部の特定の態様において、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンコポリマー、好ましくはプロピレングリコールとエチレングリコールのブロックコポリマーである。かかるポリマーは、時にPLURONIC(登録商標)F68またはKolliphor(登録商標)P188とも称される、POLOXAMERの商品名で販売されている。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの中には、短いアルキル鎖を有するものが含まれる。かかる界面活性剤の一例は、SOLUTOL(登録商標)HS 15、ポリエチレン-660-ヒドロキシステアレートである。
【0344】
いくつかの態様において、適切なカチオン性界面活性剤としては、天然リン脂質、合成リン脂質、第四級アンモニウム化合物、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、キトサン、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、アシルカルニチン塩酸塩、臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDAB)、ジオレオールトリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)、ジミリストイルトリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、ジメチルアミノエタンカルバモイルコレステロール(DC-Chol)、1,2-ジアシルグリセロ-3-(O-アルキル)ホスホコリン、O-アルキルホスファチジルコリン、ハロゲン化アルキルピリジニウム、または長鎖アルキルアミン、例えばn-オクチルアミンおよびオレイルアミンが挙げられ得るが、これらに限定されるわけではない。
【0345】
両性イオン界面活性剤は、電気的に中性であるが、同じ分子内に局所的な正電荷と負電荷を有する。適切な両性イオン性界面活性剤としては、両性イオン性リン脂質が挙げられるが、これに限定されるわけではない。適切なリン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ジアシル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(ジミリストイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DSPE)、およびジオレオイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DOPE)など)が挙げられる。アニオン性および双性イオン性リン脂質を含むリン脂質の混合物が本発明で使用され得る。かかる混合物は、リゾリン脂質、卵またはダイズリン脂質またはそれらの任意の組合せを含むが、これらに限定されるわけではない。リン脂質は、アニオン性、双性イオン性、またはリン脂質の混合物のいずれであるかにかかわらず、加塩もしくは脱塩、水素化もしくは部分水素化されていてもよく、または天然、半合成もしくは合成であってもよい。
【0346】
一部の特定の態様において、界面活性剤はポロキサマー、例えばポロキサマー188である。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、特定の態様において、0.1μl/ml~10.0μl/ml、0.2μl/ml~2.5μl/ml、0.5μl/ml~5μl/ml、1μl/ml~3μl/ml、または2μl/ml~4μl/mlのポロキサマーの存在下で培養される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の組成物は、0.1μl/mlもしくは約0.1μl/mlもしくは少なくとも0.1μl/ml、0.2μl/mlもしくは約0.2μl/mlもしくは少なくとも0.2μl/ml、0.4μl/mlもしくは約0.4μl/mlもしくは少なくとも0.4μl/ml、0.6μl/mlもしくは約0.6μl/mlもしくは少なくとも0.6μl/ml、0.8μl/mlもしくは約0.8μl/mlもしくは少なくとも0.8μl/ml、1μl/mlもしくは約1μl/mlもしくは少なくとも1μl/ml、1.5μl/mlもしくは約1.5μl/mlもしくは少なくとも1.5μl/ml、2.0μl/mlもしくは約2.0μl/mlもしくは少なくとも2.0μl/ml、2.5μl/mlもしくは約2.5μl/mlもしくは少なくとも2.5μl/ml、5.0μl/mlもしくは約5.0μl/mlもしくは少なくとも5.0μl/ml、10μl/mlもしくは約10μl/mlもしくは少なくとも10μl/ml、25μl/mlもしくは約25μl/mlもしくは少なくとも25μl/ml、または50μl/mlもしくは約50μl/mlもしくは少なくとも50μl/mlの界面活性剤の存在下で培養される。一部の特定の態様において、濃縮T細胞の組成物は、2μl/mlまたは約2μl/mlのポロキサマーの存在下で培養される。
【0347】
特定の態様において、培養は、細胞が閾値量、濃度、および/または拡大に達したときに、細胞を採取することなどによって終了する。特定の態様において、培養は、細胞が、培養の出発時または開始時の細胞の密度の量に関しておよび/またはそれに関連して、1.5倍もしくは約1.5倍もしくは少なくとも1.5倍の拡大、2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍の拡大、2.5倍もしくは約2.5倍もしくは少なくとも2.5倍の拡大、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍の拡大、3.5倍もしくは約3.5倍もしくは少なくとも3.5倍の拡大、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍の拡大、4.5倍もしくは約4.5倍もしくは少なくとも4.5倍の拡大、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍の拡大、6倍もしくは約6倍もしくは少なくとも6倍の拡大、7倍もしくは約7倍もしくは少なくとも7倍の拡大、8倍もしくは約8倍もしくは少なくとも8倍の拡大、9倍もしくは約9倍もしくは少なくとも9倍の拡大、10倍もしくは約10倍もしくは少なくとも10倍の拡大、または10倍を超える拡大に達したときに終了する。いくつかの態様において、閾値拡大は、例えば培養の出発時または開始時の細胞の密度の量に関しておよび/またはそれに関連して、4倍の拡大である。
【0348】
いくつかの態様において、培養は、細胞が閾値総細胞量、例えば閾値細胞数に達したときに、細胞を採取することなどによって終了する。いくつかの態様において、培養は、細胞が閾値総有核細胞(TNC)数に達したときに終了する。いくつかの態様において、培養は、細胞が閾値生細胞量、例えば閾値生細胞数に達したときに終了する。いくつかの態様において、閾値細胞数は、50×106細胞もしくは約50×106細胞もしくは少なくとも50×106細胞、100×106細胞もしくは約100×106細胞もしくは少なくとも100×106細胞、200×106細胞もしくは約200×106細胞もしくは少なくとも200×106細胞、300×106細胞もしくは約300×106細胞もしくは少なくとも300×106細胞、400×106細胞もしくは約400×106細胞もしくは少なくとも400×106細胞、600×106細胞もしくは約600×106細胞もしくは少なくとも600×106細胞、800×106細胞もしくは約800×106細胞もしくは少なくとも800×106細胞、1000×106細胞もしくは約1000×106細胞もしくは少なくとも1000×106細胞、1200×106細胞もしくは約1200×106細胞もしくは少なくとも1200×106細胞、1400×106細胞もしくは約1400×106細胞もしくは少なくとも1400×106細胞、1600×106細胞もしくは約1600×106細胞もしくは少なくとも1600×106細胞、1800×106細胞もしくは約1800×106細胞もしくは少なくとも1800×106細胞、2000×106細胞もしくは約2000×106細胞もしくは少なくとも2000×106細胞、2500×106細胞もしくは約2500×106細胞もしくは少なくとも2500×106細胞、3000×106細胞もしくは約3000×106細胞もしくは少なくとも3000×106細胞、4000×106細胞もしくは約4000×106細胞もしくは少なくとも4000×106細胞、5000×106細胞もしくは約5000×106細胞もしくは少なくとも5000×106細胞、10,000×106細胞もしくは約10,000×106細胞もしくは少なくとも10,000×106細胞、12,000×106細胞もしくは約12,000×106細胞もしくは少なくとも12,000×106細胞、15,000×106細胞もしくは約15,000×106細胞もしくは少なくとも15,000×106細胞,または20,000×106細胞もしくは約20,000×106細胞もしくは少なくとも20,000×106細胞、または生細胞の前記閾値のいずれかである。特定の態様において、培養は、細胞が閾値細胞数に達したときに終了する。いくつかの態様において、培養は、閾値細胞数に達した後、6時間目もしくは約6時間目もしくは6時間以内に、12時間目もしくは約12時間目もしくは12時間以内に、24時間目もしくは約24時間目もしくは24時間以内に、36時間目もしくは約36時間目もしくは36時間以内に、1日目もしくは約1日目もしくは1日以内に、2日目もしくは約2日目もしくは2日以内に、3日目もしくは約3日目もしくは3日以内に、4日目もしくは約4日目もしくは4日以内に、5日目もしくは約5日目もしくは5日以内に、6日目もしくは約6日目もしくは6日以内に、または7日目もしくは約7日目もしくは7日以内に、または7日超の日に終了する。特定の態様において、培養は、閾値細胞数に達した後、1日でまたは約1日で終了する。一部の特定の態様において、閾値密度は、0.1×106細胞/mlもしくは約0.1×106細胞/mlもしくは少なくとも0.1×106細胞/ml、0.5×106細胞/mlもしくは約0.5×106細胞/mlもしくは少なくとも0.5×106細胞/ml、1×106細胞/mlもしくは約1×106細胞/mlもしくは少なくとも1×106細胞/ml、1.2×106細胞/mlもしくは約1.2×106細胞/mlもしくは少なくとも1.2×106細胞/ml、1.5×106細胞/mlもしくは約1.5×106細胞/mlもしくは少なくとも1.5×106細胞/ml、1.6×106細胞/mlもしくは約1.6×106細胞/mlもしくは少なくとも1.6×106細胞/ml、1.8×106細胞/mlもしくは約1.8×106細胞/mlもしくは少なくとも1.8×106細胞/ml、2.0×106細胞/mlもしくは約2.0×106細胞/mlもしくは少なくとも2.0×106細胞/ml、2.5×106細胞/mlもしくは約2.5×106細胞/mlもしくは少なくとも2.5×106細胞/ml、3.0×106細胞/mlもしくは約3.0×106細胞/mlもしくは少なくとも3.0×106細胞/ml、3.5×106細胞/mlもしくは約3.5×106細胞/mlもしくは少なくとも3.5×106細胞/ml、4.0×106細胞/mlもしくは約4.0×106細胞/mlもしくは少なくとも4.0×106細胞/ml、4.5×106細胞/mlもしくは約4.5×106細胞/mlもしくは少なくとも4.5×106細胞/ml、5.0×106細胞/mlもしくは約5.0×106細胞/mlもしくは少なくとも5.0×106細胞/ml、6×106細胞/mlもしくは約6×106細胞/mlもしくは少なくとも6×106細胞/ml、8×106細胞/mlもしくは約8×106細胞/mlもしくは少なくとも8×106細胞/ml、または10×106細胞/mlもしくは約10×106細胞/mlもしくは少なくとも10×106細胞/ml、または生細胞の前記閾値のいずれかである。特定の態様において、培養は、細胞が閾値密度に達したときに終了する。いくつかの態様において、培養は、閾値密度に達した後、6時間でもしくは約6時間でもしくは6時間以内に、12時間でもしくは約12時間でもしくは12時間以内に、24時間でもしくは約24時間でもしくは24時間以内に、36時間でもしくは約36時間でもしくは36時間以内に、1日でもしくは約1日でもしくは1日以内に、2日でもしくは約2日でもしくは2日以内に、3日でもしくは約3日でもしくは3日以内に、4日でもしくは約4日でもしくは4日以内に、5日でもしくは約5日でもしくは5日以内に、6日でもしくは約6日でもしくは6日以内に、または7日でもしくは約7日でもしくは7日以内に、または7日超で終了する。特定の態様において、培養は、閾値密度に達した後、1日でまたは約1日で終了する。
【0349】
いくつかの態様において、培養工程は、細胞が閾値量、密度、および/または拡大を達成するのに必要な時間行われる。いくつかの態様において、培養は、6時間もしくは約6時間もしくは6時間未満、12時間もしくは約12時間もしくは12時間未満、18時間もしくは約18時間もしくは18時間未満、24時間もしくは約24時間もしくは24時間未満、36時間もしくは約36時間もしくは36時間未満、48時間もしくは約48時間もしくは48時間未満、60時間もしくは約60時間もしくは60時間未満、72時間もしくは約72時間もしくは72時間未満、2日間もしくは約2日間もしくは2日間未満、3日間もしくは約3日間もしくは3日間未満、4日間もしくは約4日間もしくは4日間未満、5日間もしくは約5日間もしくは5日間未満、6日間もしくは約6日間もしくは6日間未満、7日間もしくは約7日間もしくは7日間未満、7日間もしくは約7日間もしくは7日間未満、8日間もしくは約8日間もしくは8日間未満、9日間もしくは約9日間もしくは9日間未満、10日間もしくは約10日間もしくは10日間未満、1週間もしくは約1週間もしくは1週間未満、2週間もしくは約2週間もしくは2週間未満、3週間もしくは約3週間もしくは3週間未満、または4週間もしくは約4週間もしくは4週間未満、行われる。特定の態様において、異なる生物学的試料から単離、濃縮、および/または選択された濃縮T細胞の複数の別個の組成物の細胞が閾値密度に達するために必要とされる平均時間は、6時間もしくは約6時間もしくは6時間未満、12時間もしくは約12時間もしくは12時間未満、18時間もしくは約18時間もしくは18時間未満、24時間もしくは約24時間もしくは24時間未満、36時間もしくは約36時間もしくは36時間未満、48時間もしくは約48時間もしくは48時間未満、60時間もしくは約60時間もしくは60時間未満、72時間もしくは約72時間もしくは72時間未満、2日間もしくは約2日間もしくは2日間未満、3日間もしくは約3日間もしくは3日間未満、4日間もしくは約4日間もしくは4日間未満、5日間もしくは約5日間もしくは5日間未満、6日間もしくは約6日間もしくは6日間未満、7日間もしくは約7日間もしくは7日間未満、7日間もしくは約7日間もしくは7日間未満、8日間もしくは約8日間もしくは8日間未満、9日間もしくは約9日間もしくは9日間未満、10日間もしくは約10日間もしくは10日間未満、1週間もしくは約1週間もしくは1週間未満、2週間もしくは約2週間もしくは2週間未満、3週間もしくは約3週間もしくは3週間未満、または4週間もしくは約4週間もしくは4週間未満である。一部の特定の態様において、異なる生物学的試料から単離、濃縮、および/または選択された濃縮T細胞の複数の別個の組成物の細胞が閾値密度に達するために必要とされる平均時間は、6時間もしくは約6時間もしくは6時間未満、12時間もしくは約12時間もしくは12時間未満、18時間もしくは約18時間もしくは18時間未満、24時間もしくは約24時間もしくは24時間未満、36時間もしくは約36時間もしくは36時間未満、48時間もしくは約48時間もしくは48時間未満、60時間もしくは約60時間もしくは60時間未満、72時間もしくは約72時間もしくは72時間未満、2日間もしくは約2日間もしくは2日間未満、3日間もしくは約3日間もしくは3日間未満、4日間もしくは約4日間もしくは4日間未満、5日間もしくは約5日間もしくは5日間未満、6日間もしくは約6日間もしくは6日間未満、7日間もしくは約7日間もしくは7日間未満、7日間もしくは約7日間もしくは7日間未満、8日間もしくは約8日間もしくは8日間未満、9日間もしくは約9日間もしくは9日間未満、10日間もしくは約10日間もしくは10日間未満、1週間もしくは約1週間もしくは1週間未満、2週間もしくは約2週間もしくは2週間未満、3週間もしくは約3週間もしくは3週間未満、または4週間もしくは約4週間もしくは4週間未満である。
【0350】
一部の特定の態様において、培養工程は、最低4日間、最低5日間、最低6日間、最低7日間、最低7日間、最低8日間、最低9日間、もしくは最低10日間、および/または細胞が、1000×106細胞もしくは約1000×106細胞、1200×106細胞もしくは約1200×106細胞、1400×106細胞もしくは約1400×106細胞もしくは、1600×106細胞もしくは約1600×106細胞、1800×106細胞もしくは約1800×106細胞、2000×106細胞もしくは約2000×106細胞、2500×106細胞もしくは約2500×106細胞、3000×106細胞もしくは約3000×106細胞、4000×106細胞もしくは約4000×106細胞、または5000×106細胞もしくは約5000×106細胞の閾値細胞計数(もしくは閾値細胞数)または閾値生細胞計数(もしくは閾値生細胞数)に達した後12時間まで、24時間まで、36時間まで、1日まで、2日まで、もしくは3日まで行われる。いくつかの態様において、培養工程は、細胞が1200×106細胞または約1200×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで行われ、ならびに最低10日間、および/または細胞が5000×106細胞もしくは約5000×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで培養される。いくつかの態様において、培養工程は、細胞が1200×106細胞または約1200×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで行われ、ならびに最低9日間、および/または細胞が5000×106細胞もしくは約5000×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで培養される。いくつかの態様において、培養工程は、細胞が1000×106細胞または約1000×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで行われ、ならびに最低8日間、および/または細胞が4000×106細胞もしくは約4000×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで培養される。一部の特定の態様において、培養は拡大工程であり、最低4日間、最低5日間、最低6日間、最低7日間、最低7日間、最低8日間、最低9日間、もしくは最低10日間、および/または細胞が、1000×106細胞もしくは約1000×106細胞、1200×106細胞もしくは約1200×106細胞、1400×106細胞もしくは約1400×106細胞もしくは、1600×106細胞もしくは約1600×106細胞、1800×106細胞もしくは約1800×106細胞、2000×106細胞もしくは約2000×106細胞、2500×106細胞もしくは約2500×106細胞、3000×106細胞もしくは約3000×106細胞、4000×106細胞もしくは約4000×106細胞、または5000×106細胞もしくは約5000×106細胞の閾値細胞計数(もしくは閾値細胞数)または閾値生細胞計数(もしくは閾値生細胞数)に達した後12時間まで、24時間まで、36時間まで、1日まで、2日まで、もしくは3日まで行われる。いくつかの態様において、拡大工程は、細胞が1200×106細胞または約1200×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで行われ、ならびに最低10日間、および/または細胞が5000×106細胞もしくは約5000×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで拡大される。いくつかの態様において、拡大工程は、細胞が1200×106細胞または約1200×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで行われ、ならびに最低9日間、および/または細胞が5000×106細胞もしくは約5000×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで拡大される。いくつかの態様において、拡大工程は、細胞が1000×106細胞または約1000×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで行われ、ならびに最低8日間、および/または細胞が4000×106細胞もしくは約4000×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで拡大される。いくつかの態様において、拡大工程は、細胞が1400×106細胞または約1400×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで行われ、ならびに最低5日間、および/または細胞が4000×106細胞もしくは約4000×106細胞の閾値細胞数に達した後1日まで拡大される。
【0351】
いくつかの態様において、培養は、少なくとも最小限の時間行われる。いくつかの態様において、培養は、最小限の時間より前に閾値が達成された場合でも、少なくとも14日間、少なくとも12日間、少なくとも10日間、少なくとも7日間、少なくとも6日間、少なくとも5日間、少なくとも4日間、少なくとも3日間、少なくとも2日間、少なくとも36時間、少なくとも24時間、少なくとも12時間、または少なくとも6時間、行われる。いくつかの態様において、培養が行われる最小限の時間を増加することは、いくつかの場合において、培養された細胞、製剤化された細胞、および/またはアウトプット組成物の細胞において、活性化を低減し得るおよび/または1つもしくは複数の活性化マーカーのレベルを低下させ得る。いくつかの態様において、最小培養時間は、例示的プロセスの決定された時点(例えば選択工程、解凍工程および/または活性化工程)から細胞が採取される日までを数える。
【0352】
提供される態様の局面において、培養中の細胞または生細胞の密度および/または濃度は、培養中、例えば記載されているように閾値量、密度、および/または拡大が達成されるまで、モニターまたは実施される。いくつかの態様において、かかる方法は、デジタルホログラフィ顕微鏡法(DHM)または微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)を含む光学的方法を含む、記載されている方法を含む。
【0353】
一部の特定の態様において、培養された細胞はアウトプット細胞である。いくつかの態様において、培養された、操作されたT細胞などの濃縮T細胞の組成物は、濃縮T細胞のアウトプット組成物である。特定の態様において、培養されたCD4+T細胞および/またはCD8+T細胞は、アウトプットCD4+および/またはCD8+T細胞である。特定の態様において、培養された、操作されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物は、濃縮CD4+T細胞のアウトプット組成物である。いくつかの態様において、培養された、操作されたCD8+T細胞などの濃縮CD8+T細胞の組成物は、濃縮CD8+T細胞のアウトプット組成物である。
【0354】
いくつかの態様において、細胞は、1つまたは複数のサイトカインの存在下で増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される。特定の態様において、培養の少なくとも一部は、バイオリアクターによって制御される混合または灌流などの一定な混合および/または灌流で行われる。いくつかの態様において、細胞は、一定な混合および/または灌流から剪断および/または剪断応力を低減するために、1つまたは複数のサイトカインの存在下で、界面活性剤、例えばポロキサマー188などのポロキサマーとともに培養される。いくつかの態様において、操作されたCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物は、組換えIL-2、IL-7、IL-15、およびポロキサマーの存在下で培養され、培養の少なくとも一部は、一定な混合および/または灌流で行われる。一部の特定の態様において、操作されたCD8+T細胞などの濃縮CD8+T細胞の組成物は、組換えIL-2、IL-15、およびポロキサマーの存在下で培養され、培養の少なくとも一部は、一定な混合および/または灌流で行われる。いくつかの態様において、培養は、細胞が、例えば培養の開始時と比較して、少なくとも4倍の閾値拡大に達するまで行われる。
【0355】
培養中の細胞のモニタリング
いくつかの態様において、細胞は培養工程中モニターされる。モニタリングは、例えば細胞形態、細胞生存能、細胞死、および/または細胞濃度(例えば生存細胞濃度)を確認する(例えば測定する、定量化する)ために行われ得る。いくつかの態様において、モニタリングは、人間のオペレータなどによって手動で行われる。いくつかの態様において、モニタリングは自動化システムによって行われる。自動化システムは、培養される細胞をモニターするために最小限の手動入力を必要とし得るかまたは必要としない。いくつかの態様において、モニタリングは手動および自動化システムの両方で行われる。
【0356】
一部の特定の態様において、細胞は、手動入力を必要としない自動化システムによってモニターされる。いくつかの態様において、自動化システムは、培養中の細胞をバイオリアクターから取り出し、モニターし、その後バイオリアクターに戻すことができるように、バイオリアクター、例えば本明細書に記載のバイオリアクターと適合性である。いくつかの態様において、モニタリングおよび培養は閉ループ構成で行われる。いくつかの局面において、閉ループ構成では、自動化システムおよびバイオリアクターは無菌のままである。態様において、自動化システムは無菌である。いくつかの態様において、自動システムはインラインシステムである。
【0357】
いくつかの態様において、自動化システムは、細胞形態、細胞生存能、細胞死、および/または細胞濃度(例えば生細胞濃度)を検出するための光学技術(例えば顕微鏡法)の使用を含む。例えば細胞の特徴、生存能力、および濃度を決定するのに適した、任意の光学技術が本明細書で企図される。有用な光学技術の非限定的な例としては、明視野顕微鏡法、蛍光顕微鏡法、微分干渉コントラスト(DIC)顕微鏡法、位相差顕微鏡法、デジタルホログラフィ顕微鏡法(DHM)、微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)、またはそれらの組合せが挙げられる。微分デジタルホログラフィ顕微鏡法、DDHM、および微分DHMは、本明細書では交換可能に使用され得る。一部の特定の態様において、自動化システムは、微分デジタルホログラフィ顕微鏡を含む。一部の特定の態様において、自動化システムは、照明手段(例えばレーザー、LED)を含む微分デジタルホログラフィ顕微鏡を含む。DDHMの方法と使用の説明は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第7,362,449号、欧州特許第1,631,788号、米国特許第9,904,248号、および米国特許第9,684,281号に見出され得る。
【0358】
DDHMは、ラベルフリーの非破壊的な細胞の画像化を可能にし、高コントラストのホログラフィ画像をもたらす。画像は、画像化されたオブジェクト(例えば培養細胞、細胞デブリ)を定量的に記述する複数の形態学的特徴を取得するために、オブジェクトセグメンテーションおよびさらなる分析を受け得る。したがって、様々な特徴(例えば細胞形態、細胞生存能力、細胞濃度)は、例えば画像取得、画像処理、画像セグメンテーション、および特徴抽出の工程を使用して、DDHMから直接評価または計算され得る。いくつかの態様において、自動化システムは、ホログラフィ画像を記録するためのデジタル記録装置を含む。いくつかの態様において、自動化システムは、ホログラフィ画像を分析するためのアルゴリズムを含むコンピュータを含む。いくつかの態様において、自動化システムは、ホログラフィ画像分析の結果を表示するためのモニターおよび/またはコンピュータを含む。いくつかの態様において、分析は自動化されている(すなわちユーザ入力の非存在下で実施することができる)。培養工程中に細胞をモニタリングするための適切な自動化システムの例としては、Ovizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA,Brussels,Belgium)が挙げられるが、これに限定されるわけではない。
【0359】
一部の特定の態様において、モニタリングは、培養工程中に連続的に行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程中にリアルタイムで行われる。いくつかの態様において、モニタリングは培養工程中の別々の時点で行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも15分ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも30分ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも45分ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも1時間ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも2時間ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも4時間ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも6時間ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも8時間ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも10時間ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも12時間ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも14時間ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも16時間ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも18時間ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも20時間ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも22時間ごとに行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも1日1回行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも1日おきに1回行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも3日ごとに1回行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも4日ごとに1回行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも5日ごとに1回行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも6日ごとに1回行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも7日ごとに1回行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも8日ごとに1回行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも9日ごとに1回行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程の期間中、少なくとも10日ごとに1回行われる。いくつかの態様において、モニタリングは、培養工程中に少なくとも1回行われる。
【0360】
いくつかの態様において、DHMまたはDDHMなどの光学技術の使用を含む、モニタリングによって決定することができる細胞の特徴は、細胞生存能力、細胞濃度、細胞数および/または細胞密度を含む。いくつかの態様において、細胞生存能力が特徴付けられるまたは決定される。いくつかの態様において、細胞濃度、密度および/または数が特徴付けられるまたは決定される。いくつかの態様において、生細胞濃度、生細胞数および/または生細胞密度が特徴付けられるまたは決定される。いくつかの態様において、培養された細胞は、上記のように、拡大の閾値に達するまで自動化システムによってモニターされる。いくつかの態様において、拡大の閾値に達すると、培養された細胞は、例えば自動または手動の方法によって、例えば人間のオペレータによって採取される。拡大の閾値は、自動化システムによって決定される培養細胞の総濃度、密度、および/または数に依存し得る。あるいは、拡大の閾値は、生細胞濃度、密度および/または数に依存し得る。
【0361】
いくつかの態様において、採取された細胞は、薬学的に許容される担体の存在下などで、記載されているように製剤化される。いくつかの態様において、採取された細胞は、凍結保護剤の存在下で製剤化される。
【0362】
E.細胞の製剤化
いくつかの態様において、細胞療法および/または操作された細胞を製造、生成または作製するための提供される方法は、インキュベーション、操作、および培養、ならびに/または記載されるような1つもしくは複数の他の加工処理工程の前または後に、提供される加工処理工程から生じる遺伝子操作された細胞の製剤化などの細胞の製剤化を含み得る。いくつかの態様において、細胞の製剤化に関連する提供される方法は、閉鎖系で、上記の加工処理工程を使用して形質導入および/または拡大された細胞などの形質導入細胞を加工処理することを含む。いくつかの態様において、組換え抗原受容体、例えばCARまたはTCRで操作された細胞を含む細胞の用量は、薬学的組成物または製剤などの組成物または製剤として提供される。かかる組成物は、提供される方法に従って、例えば疾患、病態、および障害の予防もしくは処置において、または検出、診断、および予後判定方法において使用することができる。
【0363】
いくつかの場合において、細胞は、細胞療法を製造、生成または作製するための1つもしくは複数の工程(例えば遠心チャンバーおよび/もしくは閉鎖系で行われる)で加工処理され、ならびに/または操作された細胞は、培養(culturing)、例えば培養(cultivation)および拡大、および/または記載されるような1つもしくは複数の他の加工処理工程の前または後に、提供される形質導入処理工程から生じる遺伝子操作された細胞の製剤化などの細胞の製剤化を含み得る。いくつかの場合において、細胞は、単回単位用量投与または複数回用量投与などの投薬のための量で製剤化され得る。いくつかの態様において、細胞の製剤化に関連する提供される方法は、閉鎖系で、上記の加工処理工程を使用して形質導入および/または拡大された細胞などの形質導入細胞を加工処理することを含む。
【0364】
一部の特定の態様において、操作および培養されたT細胞、例えばアウトプットT細胞などの濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物が製剤化される。特定の態様において、操作および培養されたT細胞、例えばアウトプットT細胞などの濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物は、1つまたは複数の組成物が操作および/または培養された後に製剤化される。特定の態様において、1つまたは複数の組成物はインプット組成物である。いくつかの態様において、1つまたは複数のインプット組成物は、あらかじめクライオ凍結され、保存されており、インキュベーションの前に解凍される。
【0365】
一部の特定の態様において、操作および培養されたT細胞、例えばアウトプットT細胞などの濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物は、濃縮T細胞の2つの別個の組成物、例えば別個の操作および/または培養された組成物であるか、またはそれを含む。特定の態様において、濃縮T細胞の2つの別個の組成物、例えば同じ生物学的試料から選択、単離、および/または濃縮され、別々に操作され、別々に培養された濃縮CD4+T細胞およびCD8+T細胞の2つの別個の組成物は、別々に製剤化される。一部の特定の態様において、2つの別個の組成物は、操作および/または培養されたCD4+T細胞の組成物などの濃縮CD4+T細胞の組成物を含む。特定の態様において、2つの別個の組成物は、操作および/または培養されたCD8+T細胞の組成物などの濃縮CD8+T細胞の組成物を含む。いくつかの態様において、操作および培養されたCD4+T細胞および操作および培養されたCD8+T細胞の別個の組成物などの、濃縮CD4+T細胞および濃縮CD8+T細胞の2つの別個の組成物は、別々に製剤化される。いくつかの態様において、濃縮T細胞の単一の組成物が製剤化される。一部の特定の態様において、単一の組成物は、操作および/または培養されたCD4+T細胞の組成物などの濃縮CD4+T細胞の組成物である。いくつかの態様において、単一の組成物は、製剤化の前に別個の組成物から組み合わされた濃縮CD4+およびCD8+T細胞の組成物である。
【0366】
いくつかの態様において、操作および培養されたCD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物などの、濃縮CD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、単一の組成物に組み合わされ、製剤化される。一部の特定の態様において、濃縮CD4+および濃縮CD8+T細胞の別個の製剤化された組成物は、製剤化が行われたおよび/または完了した後に単一の組成物に組み合わされる。特定の態様において、操作および培養されたCD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物などの、濃縮CD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、別個の組成物として別々に製剤化される。
【0367】
いくつかの態様において、製剤化される、操作および培養されたCD4+T細胞、例えばアウトプットCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む。いくつかの態様において、組成物は、組換え受容体を発現し、および/または組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされた、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む。一部の特定の態様において、製剤化される、操作および培養されたCD4+T細胞、例えばアウトプットCD4+T細胞などの濃縮CD4+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD8+T細胞を含む、および/またはCD8+T細胞を含まない、および/またはCD8+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0368】
いくつかの態様において、製剤化される、操作および培養されたCD8+T細胞、例えばアウトプットCD8+T細胞などの濃縮CD8+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。一部の特定の態様において、組成物は、組換え受容体を発現し、および/または組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされた、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。一部の特定の態様において、刺激条件下でインキュベートされる、操作および培養されたCD8+T細胞、例えばアウトプットCD8+T細胞などの濃縮CD8+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD4+T細胞を含む、および/またはCD4+T細胞を含まない、および/またはCD4+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0369】
一部の特定の態様において、製剤化された細胞はアウトプット細胞である。いくつかの態様において、操作および培養されたT細胞の製剤化された組成物などの、濃縮T細胞の製剤化された組成物は、濃縮T細胞のアウトプット組成物である。特定の態様において、製剤化されたCD4+T細胞および/または製剤化されたCD8+T細胞は、アウトプットCD4+および/またはアウトプットCD8+T細胞である。特定の態様において、濃縮CD4+T細胞の製剤化された組成物は、濃縮CD4+T細胞のアウトプット組成物である。いくつかの態様において、濃縮CD8+T細胞の製剤化された組成物は、濃縮CD8+T細胞のアウトプット組成物である。
【0370】
いくつかの態様において、細胞は、バッグまたはバイアルなどの容器中に、製剤化することができる。いくつかの態様において、細胞は、培養中に閾値細胞数、密度、および/または拡大が達成された後0日~10日、0日~5日、2日~7日、0.5日~4日、または1日~3日に製剤化される。一部の特定の態様において、細胞は、培養中に閾値細胞数、密度、および/または拡大が達成された後、12時間目もしくは約12時間目もしくは12時間以内に、18時間目もしくは約18時間目もしくは18時間以内に、24時間目もしくは約24時間目もしくは24時間以内に、1日目もしくは約1日目もしくは1日以内に、2日目もしくは約2日目もしくは2日以内に、3日目もしくは約3日目もしくは3日以内に製剤化される。いくつかの態様において、細胞は、培養中に閾値細胞数、密度、および/または拡大が達成された後、1日以内または約1日以内に製剤化される。
【0371】
特定の態様は、細胞が培養中の後期よりも培養中の初期により活性化された状態であることを企図する。さらに、いくつかの態様において、培養中に起こるまたは起こり得るピーク活性化よりも低い活性化状態にある細胞を製剤化することが望ましい場合がある。一部の特定の態様において、細胞は、例えば、閾値がいつ達成されるかにかかわらず、細胞が培養中のより早い時点で製剤化された場合よりも低い活性化状態で採取されるように、最小期間または最小時間の間培養される。いくつかの態様において、細胞は、培養中に閾値細胞数、密度、および/または拡大が達成された後、1日~3日間培養される。一部の特定の態様において、細胞は、製剤化の前に閾値細胞数、密度、および/または拡大に達し、最小時間または最小期間の間、引き続き培養される。いくつかの態様において、閾値に達した細胞は、最小期間もしくは最小時間、例えば1日~14日、2日~7日、もしくは3日~6日の最小期間もしくは最小時間培養されるまで、または2日もしくは約2日、3日もしくは約3日、4日もしくは約4日、5日もしくは約5日、6日もしくは約6日、7日もしくは約7日、もしくは7日超の最小培養時間もしくは最小培養期間まで、製剤化されない。いくつかの態様において、培養の最小時間または最小期間は、3日~6日である。
【0372】
いくつかの態様において、いくつかの局面では薬学的に許容される担体または賦形剤を含有し得る、薬学的に許容される緩衝液中で、細胞は製剤化される。いくつかの態様において、加工処理は、対象への投与のために薬学的に許容されるまたは所望の培地または製剤化緩衝液への培地の交換を含む。いくつかの態様において、加工処理工程は、形質導入および/または拡大された細胞を洗浄して、1つまたは複数の任意の薬学的に許容される担体または賦形剤を含有し得る薬学的に許容される緩衝液中の細胞を置き換えることを含み得る。薬学的に許容される担体または賦形剤を含むかかる薬学的形態の例は、細胞および組成物を対象に投与するために許容される形態と併せて、以下に記載される任意のものであり得る。いくつかの態様における薬学的組成物は、治療上有効な量または予防上有効な量などの、疾患または病態を処置または予防するために有効な量の細胞を含有する。
【0373】
「薬学的に許容される担体」は、対象に対して非毒性である、活性成分以外の薬学的製剤における成分を指す。薬学的に許容される担体としては、緩衝剤、賦形剤、安定剤、または防腐剤が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0374】
いくつかの局面において、担体の選択は、一部には特定の細胞によっておよび/または投与方法によって決定される。したがって、種々の適切な製剤が存在する。例えば、薬学的組成物は防腐剤を含み得る。適切な防腐剤には、例えばメチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、および塩化ベンザルコニウムが含まれ得る。いくつかの局面において、2つまたはそれより多くの防腐剤の混合物が使用される。防腐剤またはその混合物は、典型的には全組成物の約0.0001重量%~約2重量%の量で存在する。担体は、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に記載されている。薬学的に許容される担体は一般に、用いられる投与量および濃度でレシピエントに非毒性であり、以下のものを含むが、これらに限定されるわけではない:リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール、メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノールおよびm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンもしくはリジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノースもしくはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えばZn-タンパク質錯体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン界面活性剤。
【0375】
いくつかの局面では、緩衝剤が組成物に含まれる。適切な緩衝剤は、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、ならびに他の様々な酸および塩を含む。いくつかの局面では、2つまたはそれより多くの緩衝剤の混合物が使用される。緩衝剤またはその混合物は、典型的には全組成物の約0.001重量%~約4重量%の量で存在する。投与可能な薬学的組成物を調製するための方法は公知である。例示的な方法は、例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott Williams&Wilkins;21st ed.(May 1,2005)により詳細に記載されている。
【0376】
製剤は水溶液を含み得る。製剤または組成物はまた、それぞれの活性が互いに悪影響を及ぼさない場合、細胞で処置される特定の適応症、疾患、または病態に有用な複数の活性成分、好ましくは細胞に相補的な活性を有するものを含み得る。かかる活性成分は、意図される目的のために有効な量で組み合わせて適切に存在する。したがって、いくつかの態様において、薬学的組成物は、他の薬学的に活性な剤または薬物、例えば化学療法剤、例えばアスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、パクリタキセル、リツキシマブ、ビンブラスチン、および/またはビンクリスチンをさらに含む。
【0377】
いくつかの態様における組成物は、いくつかの局面では選択されたpHに緩衝され得る、滅菌液体調製物、例えば等張水溶液、懸濁液、エマルジョン、分散液、または粘性組成物として提供される。液体組成物は担体を含むことができ、担体は、例えば水、食塩水、リン酸緩衝食塩水、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)およびそれらの適切な混合物を含む溶媒または分散媒であり得る。滅菌注射溶液は、適切な担体、希釈剤、または賦形剤、例えば滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースなどと混合して溶媒中に細胞を組み込むことによって調製することができる。組成物は、所望される投与経路および調製物に応じて、湿潤剤、分散剤または乳化剤(例えばメチルセルロース)、pH緩衝剤、ゲル化または増粘添加剤、防腐剤、香味剤、および/または着色剤などの補助物質を含有し得る。いくつかの局面において、標準的なテキストを参考にして適切な調製物が調製され得る。
【0378】
抗菌防腐剤、抗酸化剤、キレート剤、および緩衝剤を含む、組成物の安定性および無菌性を高める様々な添加剤を添加することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸によって確実にすることができる。注射用薬学的形態の持続的吸収は、吸収を遅延させる剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらされ得る。
【0379】
一部の態様において、製剤化緩衝液は凍結保存剤を含む。いくつかの態様において、細胞は、1.0%~30%のDMSO溶液、例えば5%~20%のDMSO溶液または5%~10%のDMSO溶液を含む凍結保存溶液で製剤化される。いくつかの態様において、凍結保存溶液は、例えば、20%のDMSOおよび8%のヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBS、もしくは他の適切な細胞凍結培地であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、凍結保存溶液は、例えば少なくとも7.5%もしくは約7.5%のDMSOであるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、加工処理工程は、形質導入および/または拡大された細胞を洗浄して、凍結保存溶液中の細胞を置き換えることを含み得る。いくつかの態様において、細胞は、例えば、最終濃度が12.5%もしくは約12.5%、12.0%もしくは約12.0%、11.5%もしくは約11.5%、11.0%もしくは約11.0%、10.5%もしくは約10.5%、10.0%もしくは約10.0%、9.5%もしくは約9.5%、9.0%もしくは約9.0%、8.5%もしくは約8.5%、8.0%もしくは約8.0%、7.5%もしくは約7.5%、7.0%もしくは約7.0%、6.5%もしくは約6.5%、6.0%もしくは約6.0%、5.5%もしくは約5.5%、または5.0%もしくは約5.0%DMSO、あるいは1%~15%、6%~12%、5%~10%、または6%~8%DMSOである培地および/または溶液中で凍結、例えばクライオ凍結または凍結保存される。特定の態様において、細胞は、例えば、最終濃度が5.0%もしくは約5.0%、4.5%もしくは約4.5%、4.0%もしくは約4.0%、3.5%もしくは約3.5%、3.0%もしくは約3.0%、2.5%もしくは約2.5%、2.0%もしくは約2.0%、1.5%もしくは約1.5%、1.25%もしくは約1.25%、1.0%もしくは約1.0%、0.75%もしくは約0.75%、0.5%もしくは約0.5%、または0.25%もしくは約0.25%HSA、あるいは0.1%~-5%、0.25%~4%、0.5%~2%、または1%~2%HSAである培地および/または溶液中で凍結、例えばクライオ凍結または凍結保存される。
【0380】
特定の態様において、濃縮T細胞、例えば刺激され、操作され、および/または培養されたT細胞の組成物は、製剤化され、クライオ凍結され、その後一定の時間保存される。一部の特定の態様において、製剤化され、クライオ凍結された細胞は、細胞が注入のために放出されるまで保存される。特定の態様において、製剤化されたクライオ凍結細胞は、1日~6ヶ月間、1ヶ月~3ヶ月間、1日~14日間、1日~7日間、3日~6日間、6ヶ月~12ヶ月間、または12ヶ月間より長く保存される。いくつかの態様において、細胞はクライオ凍結され、1日間もしくは約1日間もしくは1日未満、2日間もしくは約2日間もしくは2日未満、3日間もしくは約3日間もしくは3日未満、4日間もしくは約4日間もしくは4日未満、5日間もしくは約5日間もしくは5日未満、6日間もしくは約6日間もしくは6日未満、または7日間もしくは約7日間もしくは7日未満保存される。一部の特定の態様において、細胞は、保存後に解凍され、対象に投与される。一部の特定の態様において、細胞は5日間または約5日間保存される。
【0381】
いくつかの態様において、製剤化は、培養または拡大された細胞などの細胞の洗浄、希釈または濃縮を含む1つまたは複数の加工処理工程を使用して行われる。いくつかの態様において、加工処理は、所与の用量またはその分画での投与のための細胞の数を含む単位用量形態組成物などの、所望の濃度または数への細胞の希釈または濃縮を含み得る。いくつかの態様において、加工処理工程は容量減少を含み、それにより所望に応じて細胞の濃度を増加させることができる。いくつかの態様において、加工処理工程は容量追加を含み、それにより所望に応じて細胞の濃度を減少させることができる。いくつかの態様において、加工処理は、形質導入および/または拡大された細胞に一定量の製剤化緩衝液を添加することを含む。いくつかの態様において、製剤化緩衝液の容量は、10mL~1000mLまたは約10mL~約1000mL、例えば少なくとも50mLもしくは少なくとも約50mLもしくは約50mL、少なくとも100mLもしくは少なくとも約100mLもしくは約100mL、少なくとも200mLもしくは少なくとも約200mLもしくは約200mL、少なくとも300mLもしくは少なくとも約300mLもしくは約300mL、少なくとも400mLもしくは少なくとも約400mLもしくは約400mL、少なくとも500mLもしくは少なくとも約500mLもしくは約500mL、少なくとも600mLもしくは少なくとも約600mLもしくは約600mL、少なくとも700mLもしくは少なくとも約700mLもしくは約700mL、少なくとも800mLもしくは少なくとも約800mLもしくは約800mL、少なくとも900mLもしくは少なくとも約900mLもしくは約900mL、または少なくとも1000mLもしくは少なくとも約1000mLもしくは約1000mLである。
【0382】
いくつかの態様において、細胞組成物を製剤化するためのかかる加工処理工程は、閉鎖系で行われる。かかる加工処理工程の例は、Sepax(登録商標)またはSepax 2(登録商標)細胞処理システムで使用するためのものを含む、Biosafe SAによって生産および販売されている遠心チャンバーなどの細胞処理システムに関連する1つまたは複数のシステムまたはキットとともに遠心チャンバーを使用して実施され得る。例示的なシステムおよびプロセスは、国際公開公報第2016/073602号に記載されている。いくつかの態様において、方法は、遠心チャンバーの内部キャビティから製剤化された組成物を圧出させることを含み、これは、記載されている上記の態様のいずれかにおいて、薬学的に許容される緩衝液などの製剤化緩衝液中で製剤化された、得られる細胞の組成物である。いくつかの態様において、製剤化された組成物の圧出は、閉鎖系の一部として遠心チャンバーと機能的に連結された、本明細書に記載の生物医学材料容器のバイアルなどの容器に対してである。いくつかの態様において、生物医学材料容器は、1つもしくは複数の加工処理工程を実施する閉鎖系もしくはデバイスへの組み込みおよび/もしくは機能的な接続用に構成されており、ならびに/または前記閉鎖系もしくはデバイスに組み込まれるかもしくは機能的に接続されている。いくつかの態様において、生物医学材料容器は、アウトプットラインまたはアウトプット位置でシステムに接続されている。いくつかの場合において、閉鎖系は、入口管で生物医学材料容器のバイアルに接続されている。本明細書に記載される生物医学材料の容器とともに使用するための例示的な閉鎖系は、Sepax(登録商標)およびSepax(登録商標)2システムを含む。
【0383】
いくつかの態様において、遠心チャンバーまたは細胞処理システムに連結されたものなどの閉鎖系は、製剤化された組成物の圧出のために1つまたは複数の容器が接続され得るポートとチューブラインの各端部で連結された多方向チューブマニホールドを含むマルチポートアウトプットキットを含む。いくつかの局面において、所望の数または複数のバイアルを、マルチポートアウトプットのポートの1つまたは複数、一般に2つまたはそれより多く、例えば少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8またはそれより多くに無菌的に接続することができる。例えば、いくつかの態様では、1つまたは複数の容器、例えば生物医学材料の容器をポートに、またはすべてよりは少ない数のポートに取り付けることができる。したがって、いくつかの態様において、系は、生物医学材料容器の複数のバイアルへのアウトプット組成物の圧出をもたらすことができる。
【0384】
いくつかの局面において、細胞は、複数のアウトプット容器の1つまたは複数、例えば生物医学材料容器のバイアルに、単回単位用量投与または複数回用量投与などの投与のための量で圧出され得る。例えば、いくつかの態様において、生物医学材料容器のバイアルはそれぞれ、所与の用量またはその分画で投与するための細胞の数を含み得る。したがって、各バイアルは、いくつかの局面では、投与のための単回単位用量を含み得るか、または複数のバイアルのうちの1つより多く、例えばバイアルのうちの2つまたは3つが一緒になって投与量を構成するように、所望の用量の分画を含んでもよい。
【0385】
したがって、本明細書に記載のバイアルは、一般に、投与される細胞、例えばその1つまたは複数の単位用量を含む。単位用量は、対象に投与される細胞の量または数、または投与される細胞の数の2倍(またはそれより多く)であり得る。それは、対象に投与される細胞の最低用量または最低可能用量であり得る。
【0386】
いくつかの態様において、容器のそれぞれ、例えばバイアルのバッグは、単位用量の細胞を個別に含む。したがって、いくつかの態様において、各容器は、同じまたはほぼまたは実質的に同じ数の細胞を含む。いくつかの態様において、各単位用量は、少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106、少なくとも2×106もしくは少なくとも約2×106、少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106、少なくとも1×107もしくは少なくとも約1×107、少なくとも5×107もしくは少なくとも約5×107、または少なくとも1×108もしくは少なくとも約1×108個の操作された細胞、全細胞、T細胞、またはPBMCを含む。いくつかの態様において、各容器、例えばバッグまたはバイアル中の製剤化された細胞組成物の容量は、10mL~100mL、例えば少なくとも20mLもしくは少なくとも約20mLもしくは約20mL、少なくとも30mLもしくは少なくとも約30mLもしくは約30mL、少なくとも40mLもしくは少なくとも約40mLもしくは約40mL、少なくとも50mLもしくは少なくとも約50mLもしくは約50mL、少なくとも60mLもしくは少なくとも約60mLもしくは約60mL、少なくとも70mLもしくは少なくとも約70mLもしくは約70mL、少なくとも80mLもしくは少なくとも約80mLもしくは約80mL、少なくとも90mLもしくは少なくとも約90mLもしくは約90mL、または少なくとも100mLもしくは少なくとも約100mLもしくは約100mLである。いくつかの態様において、容器、例えばバッグまたはバイアル中の細胞は凍結保存することができる。いくつかの態様において、容器、例えばバイアルは、さらに使用するまで液体窒素中で保存することができる。
【0387】
いくつかの態様において、方法によって作製されるかかる細胞、またはかかる細胞を含む組成物は、疾患または病態を処置するために対象に投与される。
【0388】
F.プロセスおよび/またはアウトプット組成物の例示的な特徴
特定の態様において、提供される方法は、1つまたは複数のインプット組成物から、および/または単一の生物学的試料から、濃縮T細胞の1つまたは複数のアウトプット組成物を作製または生成するプロセスに関連して使用される。一部の特定の態様において、1つまたは複数のアウトプット組成物は、組換え受容体、例えばTCRまたはCARを発現する細胞を含む。特定の態様において、アウトプット組成物の細胞は、治療法、例えば自己細胞療法として対象に投与するのに適する。いくつかの態様において、1つまたは複数のアウトプット組成物は、濃縮CD4+およびCD8+T細胞の組成物である。一部の特定の態様において、1つまたは複数のアウトプット組成物は、濃縮CD4+T細胞の組成物を含む。特定の態様において、1つまたは複数のアウトプット組成物は、濃縮CD8+T細胞の組成物を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数のアウトプット組成物は、濃縮CD4+T細胞のアウトプット組成物および濃縮CD8+T細胞のアウトプット組成物を含む。
【0389】
いくつかの態様において、提供される方法は、アウトプット細胞および/または濃縮T細胞のアウトプット組成物を生成または作製するためのプロセス全体、例えば以下の工程のいくつかまたはすべてを含むプロセスに関連して使用される:生物学的試料を収集もしくは入手すること;生物学的試料からインプット細胞を単離、選択、もしくは濃縮すること;インプット細胞をクライオ凍結し、保存すること;インプット細胞を刺激条件下で解凍および/もしくはインキュベートすること;刺激された細胞を、組換えポリヌクレオチド、例えばCARなどの組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを発現もしくは含有するように操作すること;操作された細胞を閾値量、密度、もしくは拡大まで培養すること;培養された細胞をアウトプット組成物に製剤化すること;ならびに/または細胞が対象への注入および/もしくは投与のために放出されるまで、製剤化されたアウトプット細胞をクライオ凍結し、保存すること。いくつかの態様において、プロセス全体は、濃縮T細胞、例えばCD4+T細胞またはCD4+およびCD8+T細胞の単一の組成物を用いて行われる。特定の態様において、プロセス全体は、濃縮T細胞の2つまたはそれより多くの組成物、例えば濃縮CD4+T細胞の組成物および濃縮CD8+T細胞の組成物を用いて行われる。一部の特定の態様において、プロセスは、濃縮T細胞の単一のアウトプット組成物を生成または作製するためにプロセスの前および/またはプロセス中に組み合わされる濃縮T細胞の2つまたはそれより多くのインプット組成物を用いて行われる。
【0390】
いくつかの態様において、濃縮CD4+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物および濃縮CD8+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物は、患者または健常ドナーなどの同じ対象から入手、収集、および/または採取された同じ生物学的試料(例えば自己PBMCを含む同じアフェレーシスまたは白血球アフェレーシス産物)から単離、選択、および/または濃縮される。一局面において、同じ生物学的試料は、最初にCD4+T細胞の陽性選択に供され、ここで、陰性画分と陽性画分の両方が保持され、陰性画分は、CD8+T細胞の陽性選択にさらに供される。別の局面において、同じ生物学的試料は、最初にCD8+T細胞の陽性選択に供され、ここで、陰性画分と陽性画分の両方が保持され、陰性画分は、CD4+T細胞の陽性選択にさらに供される。いくつかの局面において、同じドナー由来の濃縮CD4+T細胞の別個の組成物および濃縮CD8+T細胞の別個の組成物は、別々に凍結される、例えば凍結保存培地でクライオ凍結または凍結保存される。いくつかの局面において、別々に凍結保存された細胞組成物は、別々の容器で保存および/または輸送される。他の局面において、凍結保存された細胞組成物は、解凍され、任意で洗浄される。いくつかの局面において、少なくとも1つが濃縮CD4+T細胞の組成物であり、および少なくとも1つが同じドナー由来の濃縮CD8+T細胞の別個の組成物である、濃縮T細胞の2つまたはそれより多くの別個の組成物は、刺激試薬と接触させることによって(例えばT細胞活性化のためのCD3/CD28結合磁気ビーズとのインキュベーションによって)別々に活性化および/または刺激され、活性化/刺激後の別個の濃縮細胞組成物の容量は、標的用量を達成するために、任意で調整される、例えば低減される。いくつかの局面において、活性化/刺激された濃縮細胞組成物は、例えば組換えタンパク質(例えばCAR)をコードする同じレトロウイルスベクターを使用して、別個のCD4+T細胞およびCD8+T細胞組成物中で同じ組換えタンパク質を発現するように別々に操作、形質導入、および/またはトランスフェクトされる。いくつかの局面において、操作後の別個の濃縮細胞組成物の容量は、標的容量を達成するために、任意で調整される、例えば低減される。いくつかの局面において、方法は、別個の組成物から刺激試薬、例えば磁気ビーズを除去することを含み得る。いくつかの局面において、別々に操作されたCD4+T細胞を含む組成物および別々に操作されたCD8+T細胞を含む組成物は、例えばその中のCD4+またはCD8+T細胞集団の拡大のために別々に培養される。特定の態様において、培養後の別個の細胞組成物は、例えば細胞組成物を製剤化緩衝液中で洗浄することによって、別々に採取および/または収集および/または別々に製剤化される。一部の特定の態様において、少なくとも1つの別々に製剤化された濃縮CD4+T細胞組成物および少なくとも1つの別々に製剤化された濃縮CD8+T細胞組成物は、凍結される、例えば凍結保存培地でクライオ凍結または凍結保存される。いくつかの局面において、別々に凍結保存された製剤は、別々の容器で保存および/または輸送され得る。いくつかの局面において、同じドナーに由来し、同じ組換えタンパク質(例えばCAR)を発現する少なくとも1つのCD4+T細胞製剤および少なくとも1つのCD8+T細胞製剤は、それを必要とする対象に別々に投与される。いくつかの局面において、別々の投与は、同時に、または任意の順序で連続的に行われる。
【0391】
いくつかの態様において、濃縮CD4+T細胞のアウトプット組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む。一部の特定の態様において、アウトプット組成物は、組換え受容体を発現する、および/または組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされた、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む。一部の特定の態様において、濃縮CD4+T細胞のアウトプット組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD8+T細胞を含む、および/またはCD8+T細胞を含まない、および/またはCD8+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0392】
いくつかの態様において、濃縮CD8+T細胞のアウトプット組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。特定の態様において、組成物は、組換え受容体を発現する、および/または組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされた、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。一部の特定の態様において、濃縮CD8+T細胞のアウトプット組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD4+T細胞を含む、および/またはCD4+T細胞を含まない、および/またはCD4+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0393】
いくつかの態様において、提供される方法に関連するプロセスは、例示的および/または代替的プロセスと比較される。特定の態様において、代替的および/または例示的プロセスは、1つまたは複数の特定の態様において異なり得るが、提供される方法に関連するプロセスの類似または同じ特徴、局面、工程、段階、試薬、および/または条件を含む。いくつかの態様において、代替的および/または例示的プロセスは、以下の点を除いて、提供される方法に関連するプロセスと類似または同じである:濃縮CD4+T細胞の組成物は、組換えIL-2とともにインキュベートおよび/もしくは培養されない;細胞は、刺激試薬対細胞の3(もしくは3:1)を超える刺激試薬の比率でインキュベートされる;刺激試薬は、培養前および/もしくは刺激条件下でのインキュベーションの開始から6日以内、5日以内、もしくは4日以内に細胞から除去もしくは分離されない;細胞は抗酸化剤の存在下ではインキュベートされない;細胞は、低い量もしくは低い濃度、例えば1μg/ml~50μg/mlのポリカチオンで操作されない;細胞は界面活性剤とともに培養されない;ならびに/または細胞は、一定な灌流および/もしくは混合を伴う条件下では培養されない。
【0394】
一部の特定の態様において、プロセスは、35日もしくは約35日、34日もしくは約34日、33日もしくは約33日、32日もしくは約32日、31日もしくは約31日、30日もしくは約30日、29日もしくは約29日、28日もしくは約28日、27日もしくは約27日、26日もしくは約26日、25日もしくは約25日、24日もしくは約24日、23日もしくは約23日、22日もしくは約22日、21日もしくは約21日、20日もしくは約20日、19日もしくは約19日、18日もしくは約18日、17日もしくは約17日、16日もしくは約16日、15日もしくは約15日、14日もしくは約14日、13日もしくは約13日、12日もしくは約12日、11日もしくは約11日、10日もしくは約10日、9日もしくは約9日、または9日未満の期間内および/または時間内に完了する。一部の特定の態様において、プロセスは21日以内に完了する。いくつかの態様において、プロセスは、組成物が採取および/もしくは製剤化されるとき;組成物が採取および/もしくは製剤化される準備ができたとき;組成物が採取の標的閾値に達したとき;ならびに/または組成物が放出されるおよび/もしくは製剤化後試験の準備ができたときに完了したと見なされる。
【0395】
いくつかの態様において、プロセスは、生物学的試料の開始もしくは収集、ならびに/または生物学的試料からのインプット細胞の単離、選択、刺激、および/もしくは濃縮から、アウトプット細胞が注入のために放出されるとき、アウトプット細胞が採取および/もしくは製剤化されるとき、アウトプット細胞が採取および/もしくは製剤化される準備ができたとき、アウトプット細胞が採取の標的閾値に達したとき、ならびに/またはクライオ凍結組成物の保存時間を含む、アウトプット細胞が放出されるおよび/もしくは製剤化後試験の準備ができたときまで測定して、35日もしくは約35日、34日もしくは約34日、33日もしくは約33日、32日もしくは約32日、31日もしくは約31日、30日もしくは約30日、29日もしくは約29日、28日もしくは約28日、27日もしくは約27日、26日もしくは約26日、25日もしくは約25日、24日もしくは約24日、23日もしくは約23日、22日もしくは約22日、21日もしくは約21日、20日もしくは約20日、19日もしくは約19日、18日もしくは約18日、17日もしくは約17日、16日もしくは約16日、15日もしくは約15日、14日もしくは約14日、13日もしくは約13日、12日もしくは約12日、11日もしくは約11日、10日もしくは約10日、9日もしくは約9日、または9日未満の期間内および/または時間内に完了する。特定の態様において、同じ生物学的試料から得られた濃縮T細胞の1つより多い組成物についてプロセスが行われる場合、同じ生物学的試料からの各組成物の少なくとも1つの代表的な試料がプロセスを完了したとき、プロセスは完了する。いくつかの態様において、プロセスは、生物学的試料の開始もしくは収集、ならびに/または生物学的試料からのインプット細胞の単離、選択、刺激、および/もしくは濃縮から、アウトプット細胞が注入のために放出されるときまで測定して、21日以内に完了する。
【0396】
いくつかの態様において、プロセスは、生物学的試料、例えばアフェレーシスもしくは白血球アフェレーシス試料の開始もしくは収集から、アウトプット組成物が対象に投与されるかもしくは対象に投与される準備ができたとき、アウトプット細胞が採取および/もしくは製剤化されるとき、アウトプット細胞が採取されるおよび/もしくは製剤化される準備ができたとき、アウトプット細胞が採取の標的閾値に達したとき、ならびに/またはクライオ凍結組成物の保存時間を含む、アウトプット組成物が試験のために放出されるときまで測定して、35日もしくは約35日、34日もしくは約34日、33日もしくは約33日、32日もしくは約32日、31日もしくは約31日、30日もしくは約30日、29日もしくは約29日、28日もしくは約28日、27日もしくは約27日、26日もしくは約26日、25日もしくは約25日、24日もしくは約24日、23日もしくは約23日、22日もしくは約22日、21日もしくは約21日、20日もしくは約20日、19日もしくは約19日、18日もしくは約18日、17日もしくは約17日、16日もしくは約16日、15日もしくは約15日、14日もしくは約14日、13日もしくは約13日、12日もしくは約12日、11日もしくは約11日、10日もしくは約10日、9日もしくは約9日、または9日未満の期間内および/または時間内に完了する。いくつかの態様において、プロセスは、生物学的試料の開始または収集から、アウトプット細胞が対象への注入のために準備ができるおよび/または放出されるときまで測定して、21日以内に完了する。
【0397】
一部の特定の態様において、プロセスを完了するための期間および/または時間は、1人の対象から得られた試料、複数の対象からの試料、および/または特定の適応症もしくは疾患を有する対象などの少なくとも特定のパーセンテージの対象、例えば少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%もしくはそれより多くのかかる対象から得られた試料について、例えば保存時間が含まれる場合、10日~35日、12日~33日、17日~25日、19日~23日である。一部の特定の態様において、異なる生物学的試料からの複数の出発組成物についてプロセスを完了するための時間および/または期間の中央値(例えば対象からの試料の採取から、製品が対象への注入のために準備ができるかまたは放出されるときまで測定した場合)は、例えば保存時間が含まれる場合、15日~27日、17日~25日、もしくは19日~23日であるか、または19日もしくは約19日、20日もしくは約20日、21日もしくは約21日、22日もしくは約22日、もしくは23日もしくは約23日である。特定の態様において、異なる生物学的試料からの複数の組成物についてプロセスを完了するための平均時間および/または期間は、例えば輸送および/または保存時間が含まれる場合、15日~27日、17日~25日、もしくは19日~23日であるか、または19日もしくは約19日、20日もしくは約20日、21日もしくは約21日、22日もしくは約22日、もしくは23日もしくは約23日である。特定の態様において、異なる生物学的試料からの複数の組成物についてプロセスを完了するための期間は、例えば保存時間が含まれる場合、15日~27日、17日~25日、もしくは19日~23日であるか、または19日もしくは約19日、20日もしくは約20日、21日もしくは約21日、22日もしくは約22日、もしくは23日もしくは約23日である。一部の特定の態様において、例えば、異なる生物学的試料および/または異なる疾患を有する対象由来などの、ある範囲の出発組成物にわたるプロセスの期間は、21日未満もしくは21日以下であり、いくつかの局面では、かかる結果は、かかる試料または患者にわたる製品の製造において85%超、90%超、91%超、92%超、93%超、94%超、または95%超の成功率で達成される。
【0398】
いくつかの態様において、プロセスを完了するための期間および/または時間は、クライオ凍結細胞の保存時間が含まれないかまたは考慮されない場合、7日~27日、9日~25日、11日~18日、または11日~15日である。一部の特定の態様において、異なる生物学的試料からの複数の組成物についてプロセスを完了するのに必要な時間および/または期間の中央値は、クライオ凍結細胞の保存時間が含まれないかまたは考慮されない場合、7日~27日、9日~25日、11日~18日、もしくは11日~15日であるか、または11日もしくは約11日、12日もしくは約12日、13日もしくは約13日、14日もしくは約14日、もしくは15日もしくは約15日である。特定の態様において、異なる生物学的試料からの複数の組成物についてプロセスを完了するのに必要な平均時間および/または期間は、クライオ凍結細胞の保存時間が含まれないかまたは考慮されない場合、7日~27日、9日~25日、11日~18日、もしくは11日~15日であるか、または11日もしくは約11日、12日もしくは約12日、13日もしくは約13日、14日もしくは約14日、もしくは15日もしくは約15日である。いくつかの態様において、異なる生物学的試料からの複数の組成物についてプロセスを完了するのに必要な平均時間および/または期間は、クライオ凍結細胞の保存時間が含まれない場合、21日未満である。
【0399】
特定の態様において、異なる供給源、例えば異なる生物学的試料ならびに/または異なる生物学的試料から単離、濃縮、および/もしくは選択された濃縮T細胞の異なるインプット組成物から得られた複数の組成物の少なくとも10%についてプロセスを完了するための時間は、クライオ凍結細胞の保存時間が含まれないかまたは考慮されない場合、7日~18日、10日~17日、もしくは11日~15日であるか、または11日もしくは約11日、12日もしくは約12日、13日もしくは約13日である。特定の態様において、異なる生物学的供給源からの複数の組成物の少なくとも50%についてプロセスを完了するのに必要な時間は、クライオ凍結細胞の保存時間が含まれないかまたは考慮されない場合、7日~27日、9日~25日、11日~18日、もしくは11日~15日であるか、または11日もしくは約11日、12日もしくは約12日、13日もしくは約13日、14日もしくは約14日、もしくは15日もしくは約15日である。一部の特定の態様において、異なる生物学的供給源からの複数の組成物の少なくとも90%についてプロセスを完了するのに必要な時間は、クライオ凍結細胞の保存時間が含まれないかまたは考慮されない場合、7日~27日、9日~25日、11日~18日、もしくは11日~15日であるか、または11日もしくは約11日、12日もしくは約12日、13日もしくは約13日、14日もしくは約14日、もしくは15日もしくは約15日である。一部の特定の態様において、異なる供給源からの複数の組成物の少なくとも90%についてプロセスを完了するのに必要な時間は、クライオ凍結細胞の保存時間が含まれない場合、21日未満である。
【0400】
いくつかの態様において、刺激条件下でのインキュベーションの出発または開始から、培養中に閾値量、密度、および/または拡大の程度(例えば4倍または特定の用量などの特定の倍数拡大)が達成される時点までに生じるプロセス中の期間および/または時間は、5日~25日、7日~18日、8日~15日、8日~14日、または8日~15日、例えば8~13日または9~13日である。一部の特定の態様において、インキュベーションの出発または開始から閾値が達成される時点までに生じるプロセスの時間および/または期間の中央値は、5日~25日、7日~18日、もしくは9日~13日、または8日もしくは約8日、9日もしくは約9日、10日もしくは約10日、11日もしくは約11日、12日もしくは約12日、もしくは13日もしくは約13日である。特定の態様において、インキュベーションの出発または開始から閾値が達成される時点までに生じるプロセスの平均時間および/または期間は、5日~25日、7日~18日、8日~13日、もしくは9日~13日、または8日もしくは約8日、9日もしくは約9日、10日もしくは約10日、11日もしくは約11日、12日もしくは約12日、もしくは13日もしくは約13日である。
【0401】
一部の特定の態様において、刺激条件下でのインキュベーションの出発または開始から、アウトプット細胞が収集、製剤化、および/またはクライオ凍結される時点までに生じるプロセス中の期間および/または時間は、5日~25日、7日~18日、8日~15日、8日~14日、または8日~15日、例えば8~13日または9~13日である。一部の特定の態様において、インキュベーションの出発または開始から閾値が達成される時点までに生じるプロセスの時間および/または期間の中央値は、5日~25日、7日~18日、もしくは9日~13日、または8日もしくは約8日、9日もしくは約9日、10日もしくは約10日、11日もしくは約11日、12日もしくは約12日、もしくは13日もしくは約13日である。特定の態様において、インキュベーションの出発または開始から閾値が達成される時点までに生じるプロセスの平均時間および/または期間は、5日~25日、7日~18日、8日~13日、もしくは9日~13日、または8日もしくは約8日、9日もしくは約9日、10日もしくは約10日、11日もしくは約11日、12日もしくは約12日、もしくは13日もしくは約13日である。いくつかの態様において、刺激条件下でのインキュベーションの出発または開始から、アウトプット細胞が収集、製剤化、および/またはクライオ凍結される時点までに生じるプロセス中の期間および/または時間は、対象の85%もしくは約85%もしくは少なくとも85%、90%もしくは約90%もしくは少なくとも90%、95%もしくは約95%もしくは少なくとも95%について9日~15日である。
【0402】
いくつかの態様において、生物学的試料、例えばアフェレーシスおよび/または白血球アフェレーシスからの濃縮CD4+およびCD8+細胞の組成物の単離、濃縮、および/または選択から、アウトプット細胞が収集、製剤化、および/またはクライオ凍結される時点までに生じるプロセス中の期間および/または時間は、5日~25日、7日~18日、8日~19日、8日~14日、または10日~16日である。一部の特定の態様において、アウトプット細胞は、対象の少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%について、単離、濃縮、および/または選択後10~16日に収集、製剤化、および採取される。
【0403】
いくつかの態様において、刺激条件下でのインキュベーションの出発または開始から、培養中に閾値量、密度、および/または拡大が達成される時点までのプロセスの期間および/または時間は、例示的および/または代替的プロセスのものよりも少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、または少なくとも90%短い時間である。特定の態様において、刺激条件下でのインキュベーションの出発または開始から、培養中に閾値量、密度、および/または拡大が達成される時点までのプロセス中の期間および/または時間は、例示的および/または代替的プロセスの期間および/または時間よりも0.5日もしくは約0.5日もしくは少なくとも0.5日、1日もしくは約1日もしくは少なくとも1日、1.5日もしくは約1.5日もしくは少なくとも1.5日、2日もしくは約2日もしくは少なくとも2日、3日もしくは約3日もしくは少なくとも3日、4日もしくは約4日もしくは少なくとも4日、5日もしくは約5日もしくは少なくとも5日、6日もしくは約6日もしくは少なくとも6日、7日もしくは約7日もしくは少なくとも7日、8日もしくは約8日もしくは少なくとも8日、9日もしくは約9日もしくは少なくとも9日、10日もしくは約10日もしくは少なくとも10日、11日もしくは約11日もしくは少なくとも11日、12日もしくは約12日もしくは少なくとも12日、13日もしくは約13日もしくは少なくとも13日、14日もしくは約14日もしくは少なくとも14日、または14日超短い。
【0404】
一部の特定の態様において、異なる生物学的試料からの複数の組成物の少なくとも10%が、培養中に閾値量、密度、および/または拡大が達成される時点までの刺激条件下でのインキュベーションの出発または開始から閾値量、密度、および/または拡大に達するのに必要な時間は、5日~20日、7日~15日、もしくは9日~11日であるか、または7日もしくは約7日、8日もしくは約8日、9日もしくは約9日、もしくは10日もしくは約10日である。特定の態様において、異なる生物学的試料からの複数の組成物の少なくとも50%が、刺激条件下でのインキュベーションの出発または開始から閾値量、密度、および/または拡大に達するのに必要な時間は、5日~25日、7日~18日、もしくは9日~13日であるか、または7日もしくは約7日、8日もしくは約8日、9日もしくは約9日、10日もしくは約10日、11日もしくは約11日、12日もしくは約12日、もしくは13日もしくは約13日である。いくつかの態様において、異なる生物学的試料からの複数の組成物の少なくとも90%が、刺激条件下でのインキュベーションの出発または開始から閾値量、密度、および/または拡大に達するのに必要な時間は、5日~25日、7日~18日、もしくは9日~13日であるか、または7日もしくは約7日、8日もしくは約8日、9日もしくは約9日、10日もしくは約10日、11日もしくは約11日、12日もしくは約12日、もしくは3日もしくは約13日である。
【0405】
いくつかの態様において、本明細書で提供される方法は、例示的な代替的プロセスよりも短い時間にわたって、遺伝子操作されたT細胞を生成するプロセスに関連して使用される。いくつかの態様において、プロセスの短い期間は、細胞療法のために対象に投与することができる操作されたT細胞の組成物を生成する速度、事例、および/または確率を増加させ得る。一部の特定の態様において、治療用細胞組成物の製造プロトコルは、細胞組成物がある特定の時間内に注入のために作製および放出されることを必要とし得る。したがって、いくつかの態様において、プロセスのより短い期間は、必要な時間内に拡大することができない細胞組成物から起こるであろうプロセスの失敗を低減または排除することが期待され得る。
【0406】
本明細書で提供されるプロセスのいくつかの態様において、細胞組成物が培養中に閾値量、密度、および/または拡大が達成される時点までの刺激条件下でのインキュベーションの出発または開始から閾値量、密度、および/または拡大に達するのに必要な時間は、約9日~約13日、または9日~13日、または9日であるが、代替的プロセスでは、対応する時間は、約12日~約23日、または12日~23日、または約15日、または15日である。いくつかの態様において、提供されるプロセスおよび代替的プロセスの両方における試料収集、細胞組成物の単離、およびクライオ凍結に必要な時間は、約1日~約2日、または1日~2日である。いくつかの態様において、提供されるプロセスおよび代替的プロセスの両方におけるクライオ凍結細胞組成物は、約3日間または3日間保存される。いくつかの態様において、提供されるプロセスおよび代替的プロセスの両方において、閾値量、密度、および/もしくは拡大が達成されたときから、または細胞組成物が採取されたときから、アウトプット組成物が対象に投与されるまたは対象に投与される準備ができるときまでに必要な時間は、5日または約5日である。いくつかの態様において、提供されるプロセスにおいて試料収集からアウトプット組成物が対象に投与されるまたは対象に投与される準備ができるときまでに必要な総時間は、19日または約19日であるが、代替的プロセスでは、対応する総時間は25日または約25日である。
【0407】
一部の特定の態様において、提供されるプロセスにおいて複数の細胞組成物の50%または約50%が、試料収集からアウトプット組成物が対象に投与されるまたは対象に投与される準備ができる(これには、細胞組成物が閾値量、密度、および/もしくは拡大に達する必要がある)ときまでに必要な総時間は、19日または約19日であるが、代替的プロセスでは、対応する総時間は25日または約25日である。一部の特定の態様において、提供されるプロセスにおいて複数の細胞組成物の80%または約80%が、試料収集からアウトプット組成物が対象に投与されるまたは対象に投与される準備ができる(これには、細胞組成物が閾値量、密度、および/もしくは拡大に達する必要がある)ときまでに必要な総時間は、21日または約21日であるが、代替的プロセスでは、対応する総時間は27日または約27日である。一部の特定の態様において、提供されるプロセスにおいて複数の細胞組成物の90%または約90%が、試料収集からアウトプット組成物が対象に投与されるまたは対象に投与される準備ができる(これには、細胞組成物が閾値量、密度、および/もしくは拡大に達する必要がある)ときまでに必要な総時間は、21日または約21日であるが、代替的プロセスでは、対応する総時間は33日または約33日である。
【0408】
刺激条件下でのインキュベーションの出発または開始から、培養中に閾値量、密度、および/または拡大が達成される時点まで。
【0409】
一部の特定の態様において、提供される方法は、細胞療法での使用に適した操作されたT細胞のアウトプット組成物を成功裏に生成または作製することに関連して使用される。いくつかの態様において、組成物の細胞が培養中に閾値細胞数、密度、および/または拡大を達成する場合、アウトプット組成物は成功裏に生成される。特定の態様において、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の細胞が組換え受容体を発現する場合、アウトプット組成物は成功裏に生成される。特定の態様において、アウトプット組成物が、例えば自己細胞療法としての治療用途に適する場合、アウトプット組成物は成功裏に作製または生成される。特定の態様において、アウトプット組成物の細胞が1つまたは複数の基準を満たす場合、アウトプット組成物は治療用途に適する。いくつかの態様において、細胞療法での使用に適した細胞および/または細胞組成物は、無菌であり(例えば検出可能な微生物汚染がない)、エンドトキシンを含まず、複製能力のあるウイルスを含まず、生存可能であり、活性であり(例えば細胞溶解活性を有するおよび/もしくは標的抗原に応答してサイトカインを放出する)、ならびに/または組換え受容体を発現する細胞の高い割合を含む。
【0410】
特定の態様において、提供される方法は、インプット細胞の組成物および/または生物学的試料から濃縮T細胞のアウトプット組成物を成功裏に生成または作製する、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の確率または可能性を有する。一部の特定の態様において、確率または可能性は、85%~100%、90%~95%、または92%~94%である。一部の特定の態様において、提供される方法は、インプット細胞の複数の組成物からのおよび/または複数の生物学的試料の組成物および/または試料の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%から、濃縮T細胞のアウトプット組成物を成功裏に生成または作製する。いくつかの態様において、提供される方法は、インプット細胞の複数の組成物からのおよび/または複数の生物学的試料の組成物および/または試料の85%~100%、90%~95%、または92%~94%から、濃縮T細胞のアウトプット組成物を成功裏に生成または作製する。
【0411】
一部の特定の態様において、プロセスは21日以内に完了し、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれより高い成功率を有する。いくつかの態様において、プロセスは、アウトプット細胞が対象に投与されるとき、および/または対象に投与される準備ができたときに完了したと見なされる。いくつかの態様において、プロセスは、アウトプット組成物が採取されたとき、および/または例えば放出アッセイなどために、試験および/または評価される準備ができたときに完了したと見なされる。
【0412】
特定の態様において、提供される方法に関連するプロセスは、アウトプット組成物を成功裏に生成または作製する代替的および/または例示的プロセスの確率または可能性よりも、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも2.5%、少なくとも3%、少なくとも3.5%、少なくとも4.0%、少なくとも4.5%、少なくとも5%、少なくとも5.5%、少なくとも6%、少なくとも6.5%、少なくとも7%、少なくとも7.5%、少なくとも8%、少なくとも8.5%、少なくとも9%、少なくとも9.5%、または少なくとも10%、または10%超高い、アウトプット組成物を成功裏に生成または作製する確率または可能性を有する。
【0413】
一部の特定の態様において、提供される方法に関連するプロセスは、濃縮CD4+T細胞のアウトプット組成物を成功裏に生成または作製する代替的および/または例示的プロセスの確率または可能性よりも、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも2.5%、少なくとも3%、少なくとも3.5%、少なくとも4.0%、少なくとも4.5%、少なくとも5%、少なくとも5.5%、少なくとも6%、少なくとも6.5%、少なくとも7%、少なくとも7.5%、少なくとも8%、少なくとも8.5%、少なくとも9%、少なくとも9.5%、または少なくとも10%、または10%超高い、濃縮CD4+T細胞のアウトプット細胞を成功裏に生成または作製する確率または可能性を有する。
【0414】
特定の態様において、提供される方法に関連するプロセスは、濃縮CD8+T細胞のアウトプット組成物を成功裏に生成または作製する代替的および/または例示的プロセスの確率または可能性よりも、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも2.5%、少なくとも3%、少なくとも3.5%、少なくとも4.0%、少なくとも4.5%、少なくとも5%、少なくとも5.5%、少なくとも6%、少なくとも6.5%、少なくとも7%、少なくとも7.5%、少なくとも8%、少なくとも8.5%、少なくとも9%、少なくとも9.5%、または少なくとも10%、または10%超高い、濃縮CD8+T細胞のアウトプット細胞を成功裏に生成または作製する確率または可能性を有する。
【0415】
いくつかの態様において、提供される方法に関連して生成または作製される1つまたは複数のアウトプット組成物は、組換え受容体、例えばTCRまたはCARを発現する細胞を含む。いくつかの態様において、組換え受容体を発現することは、細胞膜および/もしくは細胞表面に局在する1つもしくは複数の組換え受容体タンパク質を有すること、検出可能な量の組換え受容体タンパク質を有すること、検出可能な量の組換え受容体をコードするmRNAを有すること、組換え受容体をコードする組換えポリヌクレオチドを有するかもしくは含有すること、ならびに/または組換え受容体発現の代理マーカーであるmRNAもしくはタンパク質を有するかもしくは含有することを含み得るが、これらに限定されるわけではない。
【0416】
いくつかの態様において、1つまたは複数のアウトプット組成物の細胞の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または99%超が組換え受容体を発現する。特定の態様において、アウトプット組成物のCD4+T細胞の少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または99%超が組換え受容体を発現する。いくつかの態様において、CD4+T細胞の30%~90%、40%~85%、50%~80%、または60%~80%が組換え受容体を発現する。特定の態様において、濃縮CD4+T細胞のアウトプット組成物の細胞の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%が組換え受容体を発現する。一部の特定の態様において、濃縮CD4+T細胞のアウトプット組成物の細胞の30%~90%、40%~85%、50%~80%、または60%~80%が組換え受容体を発現する。
【0417】
一部の特定の態様において、アウトプット組成物のCD8+T細胞の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または99%超が組換え受容体を発現する。いくつかの態様において、CD8+T細胞の30%~90%、40%~85%、50%~80%、または60%~80%が組換え受容体を発現する。特定の態様において、濃縮CD8+T細胞のアウトプット組成物の細胞の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%が組換え受容体を発現する。一部の特定の態様において、濃縮CD8+T細胞のアウトプット組成物の細胞の30%~90%、40%~85%、50%~80%、または60%~80%が組換え受容体を発現する。
【0418】
いくつかの態様において、組換え受容体を発現するアウトプット組成物の細胞のパーセンテージは、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成された組換え受容体を発現する細胞のパーセンテージよりも、例えば少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも2.5%、少なくとも3%、少なくとも3.5%、少なくとも4.0%、少なくとも4.5%、少なくとも5%、少なくとも5.5%、少なくとも6%、少なくとも6.5%、少なくとも7%、少なくとも7.5%、少なくとも8%、少なくとも8.5%、少なくとも9%、少なくとも9.5%、または少なくとも10%、または10%超大きい。
【0419】
一部の特定の態様において、組換え受容体を発現するアウトプット組成物のCD4+T細胞のパーセンテージは、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成された組換え受容体を発現するCD4+T細胞のパーセンテージよりも、例えば少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも2.5%、少なくとも3%、少なくとも3.5%、少なくとも4.0%、少なくとも4.5%、少なくとも5%、少なくとも5.5%、少なくとも6%、少なくとも6.5%、少なくとも7%、少なくとも7.5%、少なくとも8%、少なくとも8.5%、少なくとも9%、少なくとも9.5%、または少なくとも10%、または10%超大きい。
【0420】
いくつかの態様において、組換え受容体を発現するアウトプット組成物のCD8+T細胞のパーセンテージは、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成された組換え受容体を発現するCD8+T細胞のパーセンテージよりも、例えば少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも2.5%、少なくとも3%、少なくとも3.5%、少なくとも4.0%、少なくとも4.5%、少なくとも5%、少なくとも5.5%、少なくとも6%、少なくとも6.5%、少なくとも7%、少なくとも7.5%、少なくとも8%、少なくとも8.5%、少なくとも9%、少なくとも9.5%、または少なくとも10%、または10%超大きい。
【0421】
いくつかの態様において、提供される方法によって生成または作製される1つまたは複数のアウトプット組成物は、活性化細胞を含み、および/または1つもしくは複数の活性化マーカーを有するかまたは表示する細胞を含む。特定の態様において、提供される方法によって作製または生成されるアウトプット組成物の細胞は、例示的および/または代替的プロセスによって生成または作製される細胞よりも活性化されている、および/またはより大きな量もしくは程度の1つもしくは複数の活性化マーカーを有するかまたは表示する。活性化のマーカーは、T細胞などの免疫細胞における活性化状態を示す、活性化状態と相関する、および/または活性化状態に関連する任意の公知のマーカーを含み得る。いくつかの態様において、活性化のマーカーは、細胞内の複雑性の増加(例えば側方散乱(SSC)を測定することによって決定される)、細胞サイズの増加(例えば細胞直径および/もしくは前方散乱(FSC)を測定することによって決定される)、CD27の発現の増加、ならびに/またはCD25の発現の減少を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0422】
いくつかの態様において、提供される方法によって生成または作製されるアウトプット細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製される細胞よりも大きい。いくつかの態様において、フローサイトメトリーなどによって、FSCおよび/またはSSCパラメータを測定し、参照および/または標準と比較して細胞のサイズを評価する。一部の特定の態様において、FSCパラメータを測定し、参照または標準と比較して細胞のサイズを評価する。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞の細胞直径、例えば中央値または平均細胞直径は、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製される細胞の直径よりも少なくとも0.25μm、少なくとも0.5μm、少なくとも0.75μm、少なくとも1.0μm、少なくとも1.5μm、少なくとも2μm、少なくとも2.5μm、少なくとも3μm、少なくとも3.5μm、少なくとも4μm、少なくとも4.5μm、少なくとも5μm、または5μm超大きい。
【0423】
一部の特定の態様において、アウトプット細胞は、対象に投与された場合、インビボで活性であり、拡大され、ならびに/またはインビボで活性化および拡大することができる。特定の態様において、アウトプット細胞は、インビボでの有効性、活性、および/または拡大を示す、および/またはそれに関連する特徴および/または特性を表示する。例えば、いくつかの態様において、かかる特徴または特性は、活性化、増殖、および/または拡大に関連する、表面タンパク質などのタンパク質の発現を含み得る。いくつかの態様において、かかる特徴または特性は、例えば抗原への曝露に応答した、サイトカインなどの因子の産生または分泌を含み得る。
【0424】
一部の特定の態様において、提供される方法によって生成または作製されるアウトプット細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製される細胞よりもCD25の発現が高い。いくつかの態様において、アウトプットCD4+T細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製されるCD4+T細胞よりもCD25の発現が高い。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも100%がCD25染色に陽性であり、例えば検出可能な量のCD25を発現する。特定の態様において、アウトプット組成物は、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成される細胞の組成物よりも、CD25に対して陽性である細胞のより大きな割合を含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞は、例えばフローサイトメトリーによってアウトプット組成物の細胞におけるCD25の平均または中央値発現を測定することによって示されるように、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成される細胞と比較して、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、または少なくとも5倍多くのCD25を発現する。
【0425】
いくつかの態様において、提供される方法によって生成または作製されるアウトプット細胞によるCD27の発現は、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製される細胞におけるCD27発現と比較して減少する。いくつかの態様において、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製される細胞の割合よりも、アウトプット組成物の細胞のより多くの割合がCD27陰性であり、および/または低いもしくは検出不能なレベルのCD27を有する。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞によるCD27の発現、例えばフローサイトメトリーによって測定されるCD27の平均または中央値発現は、代替的および/または例示的プロセスで生成または作製される細胞と比較して、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%減少する。
【0426】
一部の特定の態様において、提供される方法によって生成または作製されるアウトプット細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製される細胞よりも細胞分裂に関連するマーカーの発現が高い。いくつかの態様において、アウトプット細胞はKi67を発現する。いくつかの態様において、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製されるCD4+T細胞の割合よりも、アウトプットCD4+T細胞のより多くの割合がKi67を発現する。一部の特定の態様において、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製されるCD8+T細胞の割合よりも、アウトプットCD8+T細胞のより多くの割合がKi67を発現する。特定の態様において、アウトプット組成物は、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成される細胞の組成物よりも、Ki67に対して陽性である細胞のより多くの割合を含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも100%がKi67染色に陽性であり、例えば検出可能な量のki67を発現する。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞は、例えばフローサイトメトリーによってアウトプット組成物の細胞におけるKi67の平均または中央値発現を測定することによって示されるように、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成される細胞と比較して、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍多くのKi67を発現する。
【0427】
いくつかの態様において、アウトプット細胞は、例えば抗原への曝露に応答して、1つまたは複数のサイトカインの産生および/または分泌が増加する、および/または1つまたは複数のサイトカインの産生および/または分泌を増加させることができる。いくつかの態様において、アウトプット細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成される細胞と比較して、IFN-γの産生および/または分泌が増加する、および/またはIFN-γの産生および/または分泌を増加させることができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物のCD8+T細胞、例えば組換え受容体を発現するCD8+T細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成される細胞と比較して、IFN-γの産生および/または分泌が増加する、および/またはIFN-γの産生および/または分泌を増加させることができる。いくつかの態様において、アウトプット細胞による産生または分泌は、代替的および/または例示的プロセスによって作製される細胞による産生または分泌よりも、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、または少なくとも5倍多い。
【0428】
一部の特定の態様において、アウトプット細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成される細胞と比較して、TNF-αの産生および/または分泌が増加する、および/またはTNF-αの産生および/または分泌を増加させることができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物のCD8+T細胞、例えば組換え受容体を発現するCD8+T細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成される細胞と比較して、TNF-αの産生および/または分泌が増加する、および/またはTNF-αの産生および/または分泌を増加させることができる。いくつかの態様において、アウトプット細胞による産生または分泌は、代替的および/または例示的プロセスによって作製される細胞による産生または分泌よりも、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、または少なくとも5倍多い。
【0429】
一部の特定の態様において、アウトプット細胞は、例えば抗原への曝露に応答した、1つまたは複数のサイトカインの産生および/または分泌が、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成される細胞と比較して低下している。特定の態様において、アウトプット細胞は、INF-γの産生および/または分泌が低下している。一部の特定の態様において、アウトプット組成物のCD4+T細胞、例えば組換え受容体を発現するCD4+T細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成されるCD4+T細胞と比較して、INF-γの産生および/または分泌が低下している。いくつかの態様において、アウトプット細胞、例えば組換え受容体を発現するCD4+T細胞によるINF-γの産生または分泌は、代替的および/または例示的プロセスによって作製される細胞による産生または分泌と比較して、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも99%低下している。
【0430】
特定の態様において、アウトプット細胞は、IL-2の産生および/または分泌が低下している。いくつかの態様において、アウトプット組成物のCD4+T細胞、例えば組換え受容体を発現するCD4+T細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成されるCD4+T細胞と比較して、IL-2の産生および/または分泌が低下している。いくつかの態様において、アウトプット細胞、例えば組換え受容体を発現するCD4+T細胞によるIL-2の産生または分泌は、代替的および/または例示的プロセスによって作製される細胞による産生または分泌と比較して、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも99%低下している。
【0431】
特定の態様において、アウトプット細胞は、GM-CSFの産生および/または分泌が低下している。特定の態様において、アウトプット組成物のCD4+T細胞、例えば組換え受容体を発現するCD4+T細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成されるCD4+T細胞と比較して、GM-CSFの産生および/または分泌が低下している。一部の特定の態様において、アウトプット細胞、例えば組換え受容体を発現するCD4+T細胞によるGM-CSFの産生または分泌は、代替的および/または例示的プロセスによって作製される細胞による産生または分泌と比較して、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも99%低下している。
【0432】
特定の態様において、アウトプット細胞は、MIP1-αの産生および/または分泌が低下している。いくつかの態様において、アウトプット組成物のCD4+T細胞、例えば組換え受容体を発現するCD4+T細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって作製または生成されるCD4+T細胞と比較して、MIP1-αの産生および/または分泌が低下している。一部の特定の態様において、アウトプット細胞、例えば組換え受容体を発現するCD4+T細胞によるMIP1-αの産生または分泌は、代替的および/または例示的プロセスによって作製される細胞による産生または分泌と比較して、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも99%低下している。
【0433】
特定の態様において、提供される方法によって生成または作製されるアウトプット細胞は、アポトーシスに関連するマーカーの発現、例えば活性化カスパーゼのレベルおよび/またはアネキシンVによる陽性染色が、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製される細胞よりも少ない。
【0434】
いくつかの態様において、アウトプットCD4+T細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製されるCD4+T細胞よりも少ないアネキシンV+細胞を含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物のCD4+細胞の25%未満、20%未満、18%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、8%未満、6%未満、5%未満、3%未満、1%未満、または0.1%未満が、アネキシンV染色に陽性であり、例えば組換えおよび/または標識アネキシンVなどのアネキシンVに結合するおよび/または結合することができる。一部の特定の態様において、組換え受容体を発現するアウトプット組成物のCD4+細胞の25%未満、20%未満、18%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、8%未満、6%未満、5%未満、3%未満、1%未満、または0.1%未満が、アネキシンV染色に陽性である。
【0435】
一部の特定の態様において、アウトプットCD8+T細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製されるCD4+T細胞よりも少ないアネキシンV+細胞を含む。特定の態様において、アウトプット組成物のCD8+細胞の25%未満、20%未満、18%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、8%未満、6%未満、5%未満、3%未満、1%未満、または0.1%未満が、アネキシンV染色に陽性である。一部の特定の態様において、組換え受容体を発現するアウトプット組成物のCD8+細胞の25%未満、20%未満、18%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、8%未満、6%未満、5%未満、3%未満、1%未満、または0.1%未満が、アネキシンV染色に陽性である。
【0436】
一部の特定の態様において、アウトプットCD4+T細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製されるCD4+T細胞よりも、活性化カスパーゼ、例えば活性化カスパーゼ3に対して陽性である細胞が少ない。特定の態様において、アウトプット組成物のCD4+細胞の25%未満、20%未満、18%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、8%未満、6%未満、5%未満、3%未満、1%未満、または0.1%未満が、活性化カスパーゼ、例えば活性化カスパーゼ3に対して陽性である。一部の特定の態様において、組換え受容体を発現するアウトプット組成物のCD4+細胞の25%未満、20%未満、18%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、8%未満、6%未満、5%未満、3%未満、1%未満、または0.1%未満が、活性化カスパーゼ、例えば活性化カスパーゼ3に対して陽性である。
【0437】
いくつかの態様において、アウトプットCD8+T細胞は、代替的および/または例示的プロセスによって生成または作製されるCD4+T細胞よりも、活性化カスパーゼ、例えば活性化カスパーゼ3に対して陽性である細胞が少ない。一部の特定の態様において、アウトプット組成物のCD8+細胞の25%未満、20%未満、18%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、8%未満、6%未満、5%未満、3%未満、1%未満、または0.1%未満が、活性化カスパーゼ、例えば活性化カスパーゼ3に対して陽性である。一部の特定の態様において、組換え受容体を発現するアウトプット組成物のCD8+細胞の25%未満、20%未満、18%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、8%未満、6%未満、5%未満、3%未満、1%未満、または0.1%未満が、活性化カスパーゼ、例えば活性化カスパーゼ3に対して陽性である。
【0438】
一部の特定の態様において、アウトプット組成物の細胞は対象に投与される。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞は、疾患または病態を処置するために投与される。いくつかの態様において、疾患または病態はがんである。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞は対象に投与され、対象は、がん細胞および/または腫瘍体積の減少を経験する。いくつかの態様において、対象は、例えば投与前の対象におけるがん細胞の量および/または腫瘍体積と比較して、アウトプット組成物の細胞の投与後に、25%もしくは約25%もしくは少なくとも25%、50%もしくは約50%もしくは少なくとも50%、60%もしくは約60%もしくは少なくとも60%、70%もしくは約70%もしくは少なくとも70%、75%もしくは約75%もしくは少なくとも75%、80%もしくは約80%もしくは少なくとも80%、85%もしくは約85%もしくは少なくとも85%、90%もしくは約90%もしくは少なくとも90%、95%もしくは約95%もしくは少なくとも95%、97%もしくは約97%もしくは少なくとも97%、98%もしくは約98%もしくは少なくとも98%、99%もしくは約99%もしくは少なくとも99%、100%もしくは約100%もしくは少なくとも100%のがん細胞の量の減少および/または腫瘍減少を有する。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞の投与は、例示的な代替的プロセスによって作製されたアウトプット細胞の投与後の対象における腫瘍体積および/またはがん細胞の量の減少と比較して、対象における腫瘍体積および/またはがん細胞の量の減少の増大をもたらす。
【0439】
特定の態様において、アウトプット組成物の細胞の投与は、例示的な代替的プロセスによって作製されたアウトプット細胞の投与後の対象における腫瘍体積および/またはがん細胞の量の減少と比較して、5%もしくは約5%もしくは少なくとも5%、10%もしくは約10%もしくは少なくとも10%、20%もしくは約20%もしくは少なくとも20%、30%もしくは約30%もしくは少なくとも30%、40%もしくは約40%もしくは少なくとも40%、50%もしくは約50%もしくは少なくとも50%、60%もしくは約60%もしくは少なくとも60%、70%もしくは約70%もしくは少なくとも70%、80%もしくは約80%もしくは少なくとも80%、90%もしくは約90%もしくは少なくとも90%、100%もしくは約100%もしくは少なくとも100%、125%もしくは約125%もしくは少なくとも125%、150%もしくは約150%もしくは少なくとも150%、1倍もしくは約1倍もしくは少なくとも1倍、2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍の、対象における腫瘍体積および/またはがん細胞の量の減少の増大をもたらす。
【0440】
特定の態様において、アウトプット組成物の細胞、例えばアウトプット組成物の細胞の一部および/または用量は、対象に投与される。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞を投与される対象は、完全奏効(CR)を達成および/または経験する確率および/または可能性を有する。一部の特定の態様において、CRを達成および/または経験する可能性および/または確率は、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%である。一部の特定の態様において、CRを達成および/または経験する確率および/または可能性は、少なくとも25%である。特定の態様において、CRを達成する確率および/または可能性は、少なくとも50%である。
【0441】
一部の特定の態様において、アウトプット組成物の細胞を投与される対象は、ORRを達成および/または経験する確率および/または可能性を有する。一部の特定の態様において、ORRを達成および/または経験する確率および/または可能性は、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%である。一部の特定の態様において、ORRを達成および/または経験する確率および/または可能性は、少なくとも80%である。特定の態様において、ORRを達成する確率および/または可能性は、少なくとも90%である。一部の特定の態様において、ORRを達成する確率および/または可能性は、100%または約100%である。
【0442】
いくつかの態様において、アウトプット細胞の有効性、例えば対象が、アウトプット組成物の細胞の投与後にCRまたはORRを達成および/または経験する確率は、代替的プロセスによって作製される組換え受容体を発現する細胞を含む治療用細胞組成物のものよりも大きい。一部の特定の態様において、代替的プロセスによって作製される治療用細胞組成物の細胞の投与と比較して、アウトプット細胞の投与後には、CRまたはORRを達成する確率が少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍高い。
【0443】
いくつかの態様において、本明細書で提供される方法によって作製されるアウトプット細胞は、高い安全性および/または比較的高い安全性を有する。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞、例えばアウトプット組成物の細胞の一部および/または用量は、対象に投与される。いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞を投与される対象は、毒性、例えばCRSまたは神経毒性を経験する、80%未満、75%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満のリスク、確率、および/または可能性を有する。いくつかの態様において、毒性は、任意のグレードの神経毒性またはCRSである。一部の特定の態様において、アウトプット組成物の細胞を投与される対象は、いずれかのグレードのCRSまたは神経毒性を経験する80%未満のリスク、確率、および/または可能性を有する。特定の態様において、アウトプット組成物の細胞を投与される対象は、いずれかのグレードのCRSまたは神経毒性を経験する80%未満のリスク、確率、および/または可能性を有する。
【0444】
いくつかの態様において、アウトプット組成物の細胞、例えばアウトプット組成物の細胞の一部および/または用量は、代替的プロセスによって作製されるアウトプット組成物の細胞よりも安全である。いくつかの態様において、いずれかのグレード、グレード3もしくはそれより高い、長期グレード3もしくはそれより高い、グレード4もしくはそれより高い、またはグレード5の神経毒性の発生率または経験確率は、代替的プロセスによって作製されたアウトプット細胞の投与後の発生率および/または確率の10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、90%未満、95%未満、または95%未満である。
【0445】
一部の特定の態様において、提供される方法は、少なくとも85%の成功率(例えば複数の異なる生物学的試料および/またはインプット細胞の組成物の少なくとも85%からアウトプット細胞の組成物を成功裏に生成する)、例えば92%~94%の成功率で、組換え受容体を発現するように操作された濃縮T細胞の1つまたは複数のアウトプット組成物を生成するプロセスに関連して使用される。いくつかの態様において、プロセスは、刺激条件下で細胞をインキュベートする;刺激された細胞を、組換えポリヌクレオチド、例えばCARなどの組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを発現または含有するように操作する;および操作された細胞を閾値量、密度、または拡大まで培養するための工程を含む。いくつかの態様において、これらの工程を完了するのに必要な期間および/または時間は、8~15日または9~13日である。一部の特定の態様において、プロセスは、生物学的試料を収集または入手する;生物学的試料からインプット細胞を単離、選択、または濃縮する;インプット細胞をクライオ凍結し、保存する;インプット細胞を刺激条件下で解凍および/またはインキュベートする;刺激された細胞を、組換えポリヌクレオチド、例えばCARなどの組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを発現または含有するように操作する;操作された細胞を閾値量、密度、または拡大まで培養する;培養された細胞をアウトプット組成物に製剤化する;ならびに細胞が対象への注入および/または投与のために放出されるまで、製剤化されたアウトプット細胞をクライオ凍結し、保存するための工程を含む。いくつかの態様において、プロセスは、生物学的試料を入手または収集してから19~23日以内に完了する。
【0446】
いくつかの態様において、提供される方法は、単一の供給源、例えば生物学的試料および/または生物学的試料から単離、選択、または濃縮されたインプット組成物などから、濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物を生成するプロセスに関連して使用される。特定の態様において、濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物は、少なくとも80%のCD4+T細胞および組換え受容体を発現する少なくとも50%のCD4+T細胞を含む濃縮CD4+T細胞の組成物であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物は、濃縮CD4+Tの組成物、ならびに少なくとも80%のCD8+T細胞および組換え受容体を発現する少なくとも50%のCD8+T細胞を含む濃縮CD8+T細胞の組成物を含む。
【0447】
II.組換えタンパク質
いくつかの態様において、本明細書で提供される方法によって処置、加工処理、操作、および/または作製される細胞は、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)、またはT細胞受容体(TCR)などの組換えタンパク質を含有もしくは発現するか、または含有もしくは発現するように操作される。一部の特定の態様において、本明細書で提供される方法は、組換えタンパク質を発現もしくは含有するように操作される細胞、または該細胞を含有するおよび/もしくは該細胞が濃縮された集団もしくは組成物を作製するおよび/または作製することができる。いくつかの態様において、CD4+T細胞、またはCD4+T細胞の集団または組成物が、処置、加工処理、操作、および/または作製される。
【0448】
いくつかの態様において、細胞は、遺伝子操作によって導入された1つまたは複数の核酸を含み、それによりかかる核酸の組換え産物または遺伝子操作された産物を発現する。いくつかの態様において、遺伝子導入は、例えばサイトカインまたは活性化マーカーの発現によって測定されるように、細胞の増殖、生存、および/または活性化などの応答を誘導する刺激と組み合わせることなどによって、最初に細胞を刺激し、続いて活性化した細胞に形質導入し、培養下で臨床適用に十分な数まで拡大することによって達成される。
【0449】
細胞は一般に、組換え受容体、例えば機能的非TCR抗原受容体を含む抗原受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)、およびトランスジェニックT細胞受容体(TCR)などの他の抗原結合受容体を発現する。また、受容体の中には他のキメラ受容体もある
【0450】
A.キメラ抗原受容体
提供される方法および使用のいくつかの態様において、キメラ抗原受容体などのキメラ受容体は、所望の抗原(例えば腫瘍抗原)に対する特異性を提供するリガンド結合ドメイン(例えば抗体または抗体断片)を細胞内シグナル伝達ドメインと組み合わせる1つまたは複数のドメインを含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、T細胞活性化ドメインなどの活性化細胞内ドメイン部分であり、一次活性化シグナルを提供する。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、エフェクター機能を促進するための共刺激シグナル伝達ドメインを含むか、または付加的に含む。いくつかの態様において、免疫細胞に遺伝子操作された場合のキメラ受容体はT細胞活性を調節することができ、いくつかの場合には、T細胞分化またはホメオスタシスを調節することができ、それにより、養子細胞治療法での使用などのために、インビボでの寿命、生存および/または持続性が改善された、遺伝子操作された細胞をもたらす。
【0451】
CARを含む例示的な抗原受容体、およびかかる受容体を操作して細胞に導入するための方法は、例えば国際公開公報第200014257号、同第2013126726号、同第2012/129514号、同第2014031687号、同第2013/166321号、同第2013/071154号、同第2013/123061号、米国特許出願公開第2002131960号、同第2013287748号、同第20130149337号、米国特許第6,451,995号、同第7,446,190号、同第8,252,592号、同第8,339,645号、同第8,398,282号、同第7,446,179号、同第6,410,319号、同第7,070,995号、同第7,265,209号、同第7,354,762号、同第7,446,191号、同第8,324,353号、および同第8,479,118号、および欧州特許出願第2537416号に記載されているもの、ならびに/またはSadelain et al.,Cancer Discov.2013 April;3(4):388-398;Davila et al.(2013)PLoS ONE 8(4):e61338;Turtle et al.,Curr.Opin.Immunol.,2012 October;24(5):633-39;Wu et al.,Cancer,2012 March 18(2):160-75によって記載されているものを含む。いくつかの局面において、抗原受容体は、米国特許第7,446,190号に記載されているCAR、および国際公開公報第2014055668A1号に記載されているものを含む。CARの例としては、国際公開公報第2014031687号、米国特許第8,339,645号、同第7,446,179号、米国特許出願公開第2013/0149337号、米国特許第7,446,190号、同第8,389,282号、Kochenderfer et al.,2013,Nature Reviews Clinical Oncology,10,267-276(2013);Wang et al.(2012)J.Immunother.35(9):689-701;およびBrentjens et al.,Sci Transl Med.2013 5(177)などの前述の刊行物のいずれかに開示されているCARが挙げられる。国際公開公報第2014031687号、米国特許第8,339,645号、同第7,446,179号、米国特許出願公開第2013/0149337号、米国特許第7,446,190号、および米国特許第8,389,282号も参照のこと。
【0452】
CARなどのキメラ受容体は、一般に、抗体分子の一部などの細胞外抗原結合ドメイン、一般に抗体の可変重(VH)鎖領域および/または可変軽(VL)鎖領域、例えばscFv抗体断片を含む。
【0453】
いくつかの態様において、受容体が標的とする抗原は、ポリペプチドである。いくつかの態様において、抗原は炭水化物または他の分子である。いくつかの態様において、抗原は、正常または非標的細胞または組織と比較して、疾患または病態の細胞、例えば腫瘍または病原性細胞上に選択的に発現されるかまたは過剰発現される。他の態様において、抗原は正常細胞上に発現され、および/または操作された細胞上に発現される。
【0454】
いくつかの態様において、抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸アンヒドラーゼ9(CA9、CAIXまたはG250として知られる)、がん-精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られる)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5もしくはFCRH5としても知られる)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体α、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン3(GPC3)、Gタンパク質共役型受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体α(IL-22Rα)、IL-13受容体α2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、κ軽鎖、L1細胞接着分子(L1ーCAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソテリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、胎児腫瘍性抗原、黒色腫の優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養芽層糖タンパク質(TPBG、5T4としても知られる)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシン関連タンパク質1(TRP1、TYRP1もしくはgp75としても知られる)、チロシン関連タンパク質2(TRP2、ドーパクロムトートメラーゼ、ドーパクロムδイソメラーゼもしくはDCTとしても知られる)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原もしくは病原体発現抗原、またはユニバーサルタグに関連する抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において受容体によって標的とされる抗原は、いくつかの公知のB細胞マーカーのいずれかなどの、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原を含む。いくつかの態様において、抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igκ、Igλ、CD79a、CD79bもしくはCD30であるか、またはそれを含む。
【0455】
いくつかの態様において、抗原は、病原体特異的抗原もしくは病原体発現抗原であるか、または病原体特異的抗原もしくは病原体発現抗原を含む。いくつかの態様において、抗原は、ウイルス抗原(例えばHIV、HCV、HBVなどからのウイルス抗原)、細菌抗原、および/または寄生虫抗原である。いくつかの態様において受容体によって標的とされる抗原は、いくつかの公知のB細胞マーカーのいずれかなどの、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原を含む。いくつかの態様において、受容体によって標的とされる抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igκ、Igλ、CD79a、CD79bまたはCD30である。
【0456】
いくつかの態様において、抗原または抗原結合ドメインはCD19である。いくつかの態様において、scFvは、CD19に特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含む。いくつかの態様において、CD19に結合する抗体または抗体断片は、FMC63およびSJ25C1などのマウス由来の抗体である。いくつかの態様において、抗体または抗体断片は、例えば米国特許出願公開第2016/0152723号に記載されているヒト抗体である。
【0457】
本明細書における「抗体」という用語は最も広い意味で使用され、無傷の抗体、ならびに断片抗原結合(Fab)断片、F(ab’)2断片、Fab’断片、Fv断片、組換えIgG(rIgG)断片、抗原に特異的に結合することができる重鎖可変(VH)領域、単鎖可変断片(scFv)を含む単鎖抗体断片、および単一ドメイン抗体(例えばsdAb、sdFv、ナノボディ)断片を含む機能的(抗原結合)抗体断片を含む、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体を含む。この用語は、遺伝子操作されたおよび/またはさもなければ修飾形態の免疫グロブリン、例えばイントラボディ、ペプチボディ、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、およびヘテロコンジュゲート抗体、多重特異性抗体、例えば二重特異性もしくは三重特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディ、タンデムdi-scFv、タンデムtri-scFvを包含する。特に明記されない限り、「抗体」という用語は、本明細書では「抗原結合断片」とも称されるその機能的抗体断片を包含すると理解されるべきである。この用語はまた、IgGおよびそのサブクラス、IgM、IgE、IgA、およびIgDを含む任意のクラスまたはサブクラスの抗体を含む、無傷または完全長抗体を包含する。
【0458】
「超可変領域」または「HVR」と同義である、「相補性決定領域」および「CDR」という用語は、抗原特異性および/または結合親和性を付与する抗体可変領域内のアミノ酸の不連続配列を指すことが当技術分野において公知である。一般に、各重鎖可変領域に3つのCDR(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)があり、各軽鎖可変領域に3つのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)がある。「フレームワーク領域」および「FR」は、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を指すことが当技術分野において公知である。一般に、各完全長重鎖可変領域に4つのFR(FR-H1、FR-H2、FR-H3、およびFR-H4)があり、各完全長軽鎖可変領域に4つのFR(FR-L1、FR-L2、FR-L3、およびFR-L4)がある。
【0459】
所与のCDRまたはFRの正確なアミノ酸配列の境界は、Kabat et al.(1991),“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(「Kabat」番号付けスキーム);Al-Lazikani et al.,(1997)JMB 273,927-948(「Chothia」番号付けスキーム);MacCallum et al.,J.Mol.Biol.262:732-745(1996),“Antibody-antigen interactions:Contact analysis and binding site topography,”J.Mol.Biol.262,732-745”(「Contact」番号付けスキーム);Lefranc MP et al.,“IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains,”Dev Comp Immunol,2003 Jan;27(1):55-77(「IMGT」番号付けスキーム);Honegger A and Pluckthun A,“Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains:an automatic modeling and analysis tool,”J Mol Biol,2001 Jun 8;309(3):657-70(「Aho」番号付けスキーム);Martin et al.,“Modeling antibody hypervariable loops:a combined algorithm,”PNAS,1989,86(23):9268-9272(「AbM」番号付けスキーム)によって記載されているものを含む、いくつかの周知のスキームのいずれかを使用して容易に決定することができる。
【0460】
所与のCDRまたはFRの境界は、同定のために使用されるスキームによって異なり得る。例えば、Kabatスキームは構造アラインメントに基づいており、一方Chothiaスキームは構造情報に基づく。KabatスキームとChothiaスキームの両方の番号付けは、最も一般的な抗体領域の配列の長さに基づいており、挿入には挿入文字、例えば「30a」によって対応し、一部の抗体では欠失が出現する。2つのスキームは、特定の挿入と欠失(「インデル」)を異なる位置に配置するため、結果として異なる番号付けになる。Contactスキームは、複雑な結晶構造の分析に基づいており、多くの点でChothia番号付けスキームに類似する。AbMスキームは、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアで使用されているものに基づく、KabatとChothiaの定義の妥協案である。
【0461】
以下の表1は、それぞれKabat、Chothia、AbM、およびContactスキームによって同定されるCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3およびCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3の例示的な位置境界を列挙する。CDR-H1については、KabatとChothiaの両方の番号付けスキームを使用した残基番号付けが列挙されている。FRはCDRの間に位置し、例えばFR-L1はCDR-L1の前に位置し、FR-L2はCDR-L1とCDR-L2の間に位置し、FR-L3はCDR-L2とCDR-L3の間に位置する、などである。示されているKabat番号付けスキームではH35AとH35Bに挿入を配置するため、示されているKabat番号付け規則を使用して番号付けした場合のChothia CDR-H1ループの末端は、ループの長さに依存してH32とH34の間で異なることが注目される。
【0462】
(表1)様々な番号付けスキームによるCDRの境界
1-Kabat et al.(1991),“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD
2-Al-Lazikani et al.,(1997)JMB 273,927-948
【0463】
したがって、特に指定されない限り、所与の抗体またはその領域、例えばその可変領域の「CDR」または「相補性決定領域」または個々の指定されるCDR(例えばCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)は、前述のスキームのいずれかまたは他の公知のスキームによって定義される、(または特定の)相補性決定領域を包含すると理解されるべきである。例えば、特定のCDR(例えばCDR-H3)が、所与のVHまたはVL領域のアミノ酸配列内の対応するCDRのアミノ酸配列を含むと述べられている場合、かかるCDRは、前述のスキームのいずれかまたは他の公知のスキームによって定義される、可変領域内の対応するCDR(例えばCDR-H3)の配列を有すると理解される。いくつかの態様において、特定のCDR配列が指定される。提供される抗体の例示的なCDR配列は、様々な番号付けスキームを使用して表されるが、提供される抗体は、他の前述の番号付けスキームのいずれかまたは当業者に公知の他の番号付けスキームに従って表されるCDRを含み得ることが理解される。
【0464】
同様に、特に指定されない限り、所与の抗体またはその領域、例えばその可変領域のFRまたは個々の指定されるFR(1つまたは複数)(例えばFR-H1、FR-H2、FR-H3、FR-H4)は、公知のスキームのいずれかによって定義される、(または特定の)フレームワーク領域を包含すると理解されるべきである。いくつかの場合には、Kabat、Chothia、AbMまたはContact法、または他の公知のスキームによって定義されるCDRなどの、特定のCDR(1つもしくは複数)またはFR(1つもしくは複数)を同定するためのスキームが指定される。他の場合には、CDRまたはFRの特定のアミノ酸配列が与えられる。
【0465】
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗体の抗原への結合に関与する、抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然抗体の重鎖および軽鎖の可変領域(それぞれVHおよびVL)は、一般に類似の構造を有し、各ドメインは4つの保存されたフレームワーク領域(FR)および3つのCDRを含む。(例えば、Kindt et al.Kuby Immunology,6th ed.,W.H.Freeman and Co.,page 91(2007)参照。単一のVHまたはVLドメインが、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体を、抗原に結合する抗体からのVHまたはVLドメインを用いて単離して、それぞれ相補的VLまたはVHドメインのライブラリーをスクリーニングし得る。例えば、Portolano et al.,J.Immunol.150:880-887(1993);Clarkson et al.,Nature 352:624-628(1991)参照。
【0466】
提供されるCARに含まれる抗体の中には、抗体断片がある。「抗体断片」または「抗原結合断片」とは、無傷の抗体が結合する抗原に結合する無傷の抗体の一部を含む、無傷の抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;直鎖抗体;重鎖可変(VH)領域、scFvおよびVH領域だけを含む単一ドメイン抗体などの単鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、提供されるCARの抗原結合ドメインは、可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)領域を含む抗体断片であるか、または該抗体断片を含む。特定の態様において、抗体は、scFvなどの、重鎖可変(VH)領域および/または軽鎖可変(VL)領域を含む単鎖抗体断片である。
【0467】
いくつかの態様において、scFvはFMC63に由来する。FMC63は一般に、ヒト起源のCD19を発現するNalm-1およびNalm-16細胞に対して惹起されるマウスモノクローナルIgG1抗体を指す(Ling,N.R.,et al.(1987)Leucocyte typing III.302)。いくつかの態様において、FMC63抗体は、それぞれSEQ ID NO:38および39に示されるCDRH1およびCDRH2、SEQ ID NO:40または54に示されるCDRH3、ならびにSEQ ID NO:35に示されるCDRL1、SEQ ID NO:36または55に示されるCDRL2、およびSEQ ID NO:37または34に示されるCDRL3を含む。FMC63抗体は、SEQ ID NO:41のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)およびSEQ ID NO:42のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0468】
いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:35のCDRL1配列、SEQ ID NO:36のCDRL2配列、およびSEQ ID NO:37のCDRL3配列を含む可変軽鎖、ならびに/またはSEQ ID NO:38のCDRH1配列、SEQ ID NO:39のCDRH2配列、およびSEQ ID NO:40のCDRH3配列を含む可変重鎖を含む。いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:41に示される可変重鎖領域およびSEQ ID NO:42に示される可変軽鎖領域を含む。いくつかの態様において、可変重鎖と可変軽鎖はリンカーによって接続されている。いくつかの態様において、リンカーはSEQ ID NO:56に示されている。いくつかの態様において、scFvは、順にVH、リンカー、およびVLを含む。いくつかの態様において、scFvは、順にVL、リンカー、およびVHを含む。いくつかの態様において、svFcは、SEQ ID NO:57に示されるヌクレオチドの配列、またはSEQ ID NO:57と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を示す配列によってコードされる。いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:43に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:43と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を示す配列を含む。
【0469】
いくつかの態様において、scFvはSJ25C1に由来する。SJ25C1は、ヒト起源のCD19を発現するNalm-1およびNalm-16細胞に対して惹起されるマウスモノクローナルIgG1抗体である(Ling,N.R.,et al.(1987)Leucocyte typing III.302)。いくつかの態様において、SJ25C1抗体は、それぞれSEQ ID NO:47~49に示されるCDRH1、CDRH2およびCDRH3、ならびにそれぞれSEQ ID NO:44~46に示されるCDRL1、CDRL2およびCDRL3配列を含む。SJ25C1抗体は、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)およびSEQ ID NO:51のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0470】
いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:44のCDRL1配列、SEQ ID NO:45のCDRL2配列、およびSEQ ID NO:46のCDRL3配列を含む可変軽鎖、ならびに/またはSEQ ID NO:47のCDRH1配列、SEQ ID NO:48のCDRH2配列、およびSEQ ID NO:49のCDRH3配列を含む可変重鎖を含む。いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:50に示される可変重鎖領域およびSEQ ID NO:51に示される可変軽鎖領域を含む。いくつかの態様において、可変重鎖と可変軽鎖はリンカーによって接続されている。いくつかの態様において、リンカーはSEQ ID NO:52に示されている。いくつかの態様において、scFvは、順にVH、リンカー、およびVLを含む。いくつかの態様において、scFvは、順にVL、リンカー、およびVHを含む。いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:53に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:53と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を示す配列を含む。
【0471】
いくつかの態様において、抗原または抗原結合ドメインはBCMAである。いくつかの態様において、scFvは、BCMAに特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含む。いくつかの態様において、BCMAに結合する抗体または抗体断片は、国際公開公報第2016/090327号および国際公開公報第2016/090320号に記載されている抗体または抗体断片由来のVHおよびVLであるか、または該VHおよびVLを含む。
【0472】
いくつかの態様において、抗原または抗原結合ドメインはGPRC5Dである。いくつかの態様において、scFvは、GPRC5Dに特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含む。いくつかの態様において、GPRC5Dに結合する抗体または抗体断片は、国際公開公報第2016/090329号および国際公開公報第2016/090312号に記載されている抗体または抗体断片由来のVHおよびVLであるか、または該VHおよびVLを含む。
【0473】
いくつかの態様において、抗原はCD20である。いくつかの態様において、scFvは、CD20に特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含む。いくつかの態様において、CD20に結合する抗体または抗体断片は、リツキシマブscFvなどの、リツキシマブであるかまたはリツキシマブに由来する抗体である。
【0474】
いくつかの態様において、抗原はCD22である。いくつかの態様において、scFvは、CD22に特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含む。いくつかの態様において、CD22に結合する抗体または抗体断片は、m971 scFvなどの、m971であるかまたはm971に由来する抗体である。
【0475】
いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、抗体または抗体断片を含む細胞外部分を含む。いくつかの局面において、キメラ抗原受容体は、抗体または断片を含む細胞外部分および細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、抗体または断片はscFvを含む。
【0476】
いくつかの態様において、組換え受容体、例えばCARの抗体部分は、免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部、例えばヒンジ領域、例えばIgG4ヒンジ領域、ならびに/またはCH1/CLおよび/もしくはFc領域をさらに含む。いくつかの態様において、定常領域またはその部分は、IgG4またはIgG1などのヒトIgGのものである。いくつかの局面において、定常領域の一部は、抗原認識成分、例えばscFvと膜貫通ドメインとの間のスペーサー領域として機能する。スペーサーは、スペーサーが存在しない場合と比較して、抗原結合後の細胞の応答性の増大をもたらす長さのものであり得る。例示的なスペーサーとしては、Hudecek et al.(2013)Clin.Cancer Res.,19:3153、国際公開公報第2014031687号、米国特許第8,822,647号、または米国特許出願公開第2014/0271635号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0477】
いくつかの態様において、定常領域またはその部分は、IgG4またはIgG1などのヒトIgGのものである。いくつかの態様において、スペーサーは、配列ESKYGPPCPPCP(SEQ ID NO:1に示す)を有し、SEQ ID NO:2に示される配列によってコードされる。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:3に示される配列を有する。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:4に示される配列を有する。いくつかの態様において、定常領域またはその部分はIgDのものである。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:5に示される配列を有する。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:1、3、4または5のいずれかと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:25~33に示される配列を有する。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:25~33のいずれかと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸配列を有する。
【0478】
いくつかの態様において、抗原受容体は、細胞外ドメインに直接または間接的に連結された細胞内ドメインを含む。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインを連結する膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインはITAMを含む。例えば、いくつかの局面において、抗原認識ドメイン(例えば細胞外ドメイン)は一般に、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達成分、例えばCARの場合には、TCR複合体などの抗原受容体複合体を介して活性化を模倣し、および/または別の細胞表面受容体を介してシグナル伝達するシグナル伝達成分に連結されている。いくつかの態様において、キメラ受容体は、細胞外ドメイン(例えばscFv)と細胞内シグナル伝達ドメインとの間に連結または融合された膜貫通ドメインを含む。したがって、いくつかの態様において、抗原結合成分(例えば抗体)は、1つまたは複数の膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインに連結されている。
【0479】
一態様において、受容体、例えばCAR中のドメインの1つと天然に関連する膜貫通ドメインが使用される。いくつかの場合には、膜貫通ドメインは、同じまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへのかかるドメインの結合を回避して、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限に抑えるように選択されるかまたはアミノ酸置換によって改変される。
【0480】
いくつかの態様における膜貫通ドメインは、天然の供給源または合成供給源のいずれかに由来する。供給源が天然である場合、いくつかの局面におけるドメインは、任意の膜結合または膜貫通タンパク質に由来する。膜貫通領域は、T細胞受容体、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154のα鎖、β鎖またはζ鎖に由来する(すなわち少なくともその膜貫通領域(1つまたは複数)を含む)ものを含む。あるいは、いくつかの態様における膜貫通ドメインは合成である。いくつかの局面において、合成膜貫通ドメインは、ロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を主に含む。いくつかの局面において、フェニルアラニン、トリプトファンおよびバリンのトリプレットが合成膜貫通ドメインの各末端にみられる。いくつかの態様において、結合は、リンカー、スペーサー、および/または膜貫通ドメイン(1つまたは複数)による。いくつかの局面において、膜貫通ドメインはCD28の膜貫通部分を含む。
【0481】
いくつかの態様において、細胞外ドメインと膜貫通ドメインは直接または間接的に連結され得る。いくつかの態様において、細胞外ドメインと膜貫通ドメインは、本明細書に記載されるものなどのスペーサーによって連結されている。いくつかの態様において、受容体は、膜貫通ドメインが由来する分子の細胞外部分、例えばCD28細胞外部分を含む。
【0482】
細胞内シグナル伝達ドメインの中には、天然の抗原受容体を介するシグナル、共刺激受容体と組み合わせたかかる受容体を介するシグナル、および/または共刺激受容体のみを介するシグナルを模倣するまたはそれらに近似するものがある。いくつかの態様において、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、例えばグリシンおよびセリンを含むもの、例えばグリシン-セリンダブレットなどの2~10アミノ酸長のリンカーが存在し、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインとの間の結合を形成する。
【0483】
T細胞活性化は、いくつかの局面において、2つのクラスの細胞質シグナル伝達配列:TCRを介して抗原依存性の一次活性化を開始するもの(一次細胞質シグナル伝達配列)、および抗原非依存的に作用して二次または共刺激シグナルを提供するもの(二次細胞質シグナル伝達配列)によって媒介されると説明される。いくつかの局面において、CARは、かかるシグナル伝達成分の一方または両方を含む。
【0484】
受容体、例えばCARは、一般に少なくとも1つの細胞内シグナル伝達成分を含む。いくつかの局面において、CARは、TCR複合体の一次活性化を調節する一次細胞質シグナル伝達配列を含む。刺激性に作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフまたはITAMとして公知のシグナル伝達モチーフを含み得る。一次細胞質シグナル伝達配列を含むITAMの例としては、CD3ζ鎖、FcRγ、CD3γ、CD3δおよびCD3εに由来するものが挙げられる。いくつかの態様において、CAR中の細胞質シグナル伝達分子(1つまたは複数)は、細胞質シグナル伝達ドメイン、その一部、またはCD3ζに由来する配列を含む。
【0485】
いくつかの態様において、受容体は、T細胞活性化および細胞毒性を媒介するTCR CD3鎖、例えばCD3ζ鎖などの、TCR複合体の細胞内成分を含む。したがって、いくつかの局面において、抗原結合部分は1つまたは複数の細胞シグナル伝達モジュールに連結されている。いくつかの態様において、細胞シグナル伝達モジュールは、CD3膜貫通ドメイン、CD3細胞内シグナル伝達ドメイン、および/または他のCD3膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様において、受容体、例えばCARは、Fc受容体γ、CD8、CD4、CD25、またはCD16などの1つまたは複数の追加の分子の一部をさらに含む。例えば、いくつかの局面において、CARまたは他のキメラ受容体は、CD3ゼータ(CD3ζ)またはFc受容体γとCD8、CD4、CD25またはCD16との間のキメラ分子を含む。
【0486】
いくつかの態様において、CARまたは他のキメラ受容体の連結時に、受容体の細胞質ドメインまたは細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫細胞、例えばCARを発現するように操作されたT細胞の正常なエフェクター機能または応答の少なくとも1つを活性化する。例えば、いくつかの状況において、CARは、T細胞の機能、例えば細胞溶解活性またはTヘルパー活性、例えばサイトカインまたは他の因子の分泌を誘導する。いくつかの態様において、抗原受容体成分または共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインの短縮部分は、例えばそれがエフェクター機能シグナルを伝達する場合、無傷の免疫刺激鎖の代わりに使用される。いくつかの態様において、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達ドメインは、T細胞受容体(TCR)の細胞質配列、およびいくつかの局面において、天然の状況でかかる受容体と協調的に作用して、抗原受容体係合後にシグナル伝達を開始する共受容体のものも含む。
【0487】
天然のTCRの状況では、完全な活性化は一般に、TCRを介したシグナル伝達だけでなく、共刺激シグナルも必要とする。したがって、いくつかの態様において、完全な活性化を促進するために、二次シグナルまたは共刺激シグナルを生成するための成分もCARに含まれる。他の態様では、CARは、共刺激シグナルを生成するための成分を含まない。いくつかの局面において、追加のCARが同じ細胞中で発現され、二次シグナルまたは共刺激シグナルを生成するための成分を提供する。
【0488】
いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、T細胞共刺激分子の細胞内ドメインを含む。いくつかの態様において、CARは、CD28、4-1BB、OX40、DAP10、およびICOSなどの共刺激受容体のシグナル伝達ドメインおよび/または膜貫通部分を含む。いくつかの局面において、同じCARが活性化成分と共刺激成分の両方を含む。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、T細胞共刺激分子またはその機能性の変異体に由来する細胞内ドメインを、例えば膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に含む。いくつかの局面において、T細胞共刺激分子はCD28または41BBである。
【0489】
いくつかの態様において、活性化ドメインは1つのCAR内に含まれ、一方共刺激成分は、別の抗原を認識する別のCARによって提供される。いくつかの態様において、CARは、ともに同じ細胞上に発現される、活性化または刺激性CAR、共刺激性CARを含む(国際公開公報第2014/055668号参照)。いくつかの局面において、細胞は、1つまたは複数の刺激性または活性化CARおよび/または共刺激CARを含む。いくつかの態様において、細胞は、阻害性CAR(iCAR、Fedorov et al.,Sci.Transl.Medicine,5(215)(December,2013)参照、例えば疾患もしくは病態に関連するおよび/または疾患もしくは病態に特異的な抗原以外の抗原を認識するCARをさらに含み、それにより、疾患標的指向CARを介して送達される活性化シグナルが、阻害性CARのそのリガンドへの結合によって減少または阻害されて、例えばオフターゲット効果が低減される。
【0490】
いくつかの態様において、2つの受容体はそれぞれ、細胞への活性化シグナルおよび阻害性シグナルを誘導し、その結果、一方の受容体によるその抗原への結合は、細胞を活性化するまたは応答を誘導するが、第2の阻害性受容体によるその抗原への結合は、その応答を抑制または減弱させるシグナルを誘導する。例は、活性化CARと阻害性CAR(iCAR)の組合せである。かかる戦略は、例えば、活性化CARが、疾患または病態において発現されるが正常細胞上でも発現される抗原に結合し、阻害性受容体が、正常細胞上で発現されるが疾患または病態の細胞上では発現されない別の抗原に結合する状況で、オフターゲット効果の可能性を低減するために使用され得る。
【0491】
いくつかの局面において、キメラ受容体は、阻害性CAR(例えばiCAR)であるか、または阻害性CAR(例えばiCAR)を含み、ならびに細胞内のITAMおよび/または共刺激促進応答などの免疫応答を減弱または抑制する細胞内成分を含む。かかる細胞内シグナル伝達成分の例は、PD-1、CTLA4、LAG3、BTLA、OX2R、TIM-3、TIGIT、LAIR-1、PGE2受容体、A2ARを含むEP2/4アデノシン受容体を含む、免疫チェックポイント分子上にみられるものである。いくつかの局面において、操作された細胞は、かかる阻害分子のシグナル伝達ドメインまたはかかる阻害分子に由来するシグナル伝達ドメインを含む阻害性CARを含み、その結果、例えば活性化および/または共刺激CARによって誘導される細胞の応答を減弱させる働きをする。
【0492】
一部の特定の態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3(例えばCD3ζ)細胞内ドメインに連結されたCD28膜貫通ドメインおよびシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζ細胞内ドメインに連結された、キメラCD28およびCD137(4-1BB、TNFRSF9)共刺激ドメインを含む。
【0493】
いくつかの態様において、CARは、細胞質部分に1つまたは複数、例えば2つまたはそれより多くの共刺激ドメインおよび活性化ドメイン、例えば一次活性化ドメインを包含する。例示的なCARは、CD3ζ、CD28、および4-1BBの細胞内成分を含む。
【0494】
いくつかの態様において、抗原受容体は、CARまたは他の抗原受容体を発現するマーカーおよび/または細胞をさらに含み、受容体を発現するための細胞の形質導入または操作を確認するために使用され得る、細胞表面マーカーなどの代理マーカーをさらに含む。いくつかの局面において、マーカーは、CD34、NGFR、または上皮成長因子受容体の全部または一部(例えば短縮型)、例えばかかる細胞表面受容体の短縮型バージョン(例えばtEGFR)を含む。いくつかの態様において、マーカーをコードする核酸は、切断可能なリンカー配列、例えばT2Aなどのリンカー配列をコードするポリヌクレオチドに機能的に連結される。例えば、マーカー、および任意でリンカー配列は、国際公開公報第2014031687号に開示されている任意のものであり得る。例えば、マーカーは、任意でリンカー配列、例えばT2A切断可能リンカー配列に連結された短縮型EGFR(tEGFR)であり得る。
【0495】
短縮型EGFR(例えばtEGFR)の例示的なポリペプチドは、SEQ ID NO:7もしくは16に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:7もしくは16と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。例示的なT2Aリンカー配列は、SEQ ID NO:6もしくは17に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:6もしくは17と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。
【0496】
いくつかの態様において、マーカーは、T細胞上に天然ではみられない、もしくはT細胞の表面上に天然ではみられない分子、例えば細胞表面タンパク質、またはその一部分である。いくつかの態様において、分子は非自己分子、例えば非自己タンパク質、すなわち細胞が養子移入される宿主の免疫系によって「自己」として認識されないものである。
【0497】
いくつかの態様において、マーカーは、治療機能を果たさない、および/または例えば、成功裏に操作された細胞を選択するための遺伝子操作のマーカーとして使用されること以外の効果はもたらさない。他の態様において、マーカーは、治療用分子または何らかの所望の効果を奏する分子、例えば細胞がインビボで遭遇するリガンド、例えば養子移入時またはリガンドとの遭遇時に細胞の応答を増強するおよび/または減弱させる共刺激分子または免疫チェックポイント分子であり得る。
【0498】
いくつかの場合には、CARは、第1、第2、および/または第3世代のCARと称される。いくつかの局面において、第1世代のCARは、抗原結合するとCD3鎖誘導シグナルのみを提供するものである;いくつかの局面において、第2世代のCARは、かかるシグナルと共刺激シグナルを提供するもの、例えばCD28またはCD137などの共刺激受容体由来の細胞内シグナル伝達ドメインを含むものである;いくつかの局面において、第3世代のCARは、異なる共刺激受容体の複数の共刺激ドメインを含むものである。
【0499】
例えば、いくつかの態様において、CARは、記載されているいずれかを含む抗原に特異的な抗体、例えばscFvなどの抗体断片、CD28の膜貫通部分またはその機能性の変異体であるかまたはそれを含む膜貫通ドメイン、ならびにCD28のシグナル伝達部分またはその機能性の変異体およびCD3ζのシグナル伝達部分またはその機能性の変異体を含む細胞内シグナル伝達ドメインを含有する。いくつかの態様において、CARは、記載されているいずれかを含む抗原に特異的な抗体、例えばscFvなどの抗体断片、CD28の膜貫通部分またはその機能性の変異体であるかまたはそれを含む膜貫通ドメイン、ならびに4-1BBのシグナル伝達部分またはその機能性の変異体およびCD3ζのシグナル伝達部分またはその機能性の変異体を含む細胞内シグナル伝達ドメインを含有する。いくつかのかかる態様において、受容体は、ヒトIg分子などのIg分子の一部、例えばIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジを含有するスペーサー、例えばヒンジのみのスペーサーをさらに含む。
【0500】
いくつかの態様において、組換え受容体、例えばCARの膜貫通ドメインは、ヒトCD28の膜貫通ドメイン(例えばアクセッション番号P01747.1)またはその変異体、例えばSEQ ID NO:8に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:8と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸配列を含む膜貫通ドメインであるか、またはそれを含む;いくつかの態様において、組換え受容体の膜貫通ドメイン含有部分は、SEQ ID NO:9に示されるアミノ酸配列、またはそれと少なくとも85%もしくは約85%、少なくとも86%もしくは約86%、少なくとも87%もしくは約87%、少なくとも88%もしくは約88%、少なくとも89%もしくは約89%、少なくとも90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは約98%、少なくとも99%もしく約99%、もしくはそれより高い配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0501】
いくつかの態様において、組換え受容体、例えばCARの細胞内シグナル伝達成分(1つまたは複数)は、ヒトCD28の細胞内共刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能性の変異体もしくは部分、例えば天然CD28タンパク質の186~187位にLLからGGへの置換を有するドメインを含む。例えば、細胞内シグナル伝達ドメインは、SEQ ID NO:10もしくは11に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:10もしくは11と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸配列を含み得る。いくつかの態様において、細胞内ドメインは、4-1BB(例えばアクセッション番号Q07011.1)の細胞内共刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能性の変異体もしくは部分、例えばSEQ ID NO:12に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:12と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。
【0502】
いくつかの態様において、組換え受容体、例えばCARの細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ζ刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能性の変異体、例えばヒトCD3ζのアイソフォーム3(アクセッション番号P20963.2)の112AA細胞質ドメイン、または米国特許第7,446,190号もしくは米国特許第8,911,993号に記載されているCD3ζシグナル伝達ドメインを含む。例えば、いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、SEQ ID NO:13、14もしくは15に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:13、14もしくは15と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。
【0503】
いくつかの局面において、スペーサーは、IgGのヒンジ領域のみ、例えばIgG4またはIgG1のヒンジのみ、例えばSEQ ID NO:1に示されるヒンジのみのスペーサーを含む。他の態様において、スペーサーは、任意でCH2および/またはCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4由来のヒンジであるか、または該ヒンジを含む。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:4に示されるような、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:3に示されるような、CH3ドメインのみに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様において、スペーサーは、グリシン-セリンリッチ配列または他のフレキシブルリンカー、例えば公知のフレキシブルリンカーであるか、またはそれを含む。
【0504】
例えば、いくつかの態様において、CARは、scFvを含む抗体断片などの抗体、スペーサー、例えば重鎖分子のヒンジ領域および/または1つもしくは複数の定常領域などの免疫グロブリン分子の一部を含有するスペーサー、例えばIgヒンジ含有スペーサー、CD28由来の膜貫通ドメインの全部または一部を含有する膜貫通ドメイン、CD28由来の細胞内シグナル伝達ドメイン、ならびにCD3ζシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、CARは、抗体またはscFvなどの断片、任意のIgヒンジ含有スペーサーなどのスペーサー、CD28由来の膜貫通ドメイン、4-1BB由来の細胞内シグナル伝達ドメイン、およびCD3ζ由来のシグナル伝達ドメインを含む。
【0505】
例示的な代理マーカーは、短縮型の細胞表面ポリペプチド、例えば、非機能性であり、シグナルもしくは完全長型の細胞表面ポリペプチドによって通常形質導入されるシグナルを形質導入しないかもしくは形質導入することができない、ならびに/またはインターナライズしないかもしくはインターナライズすることができない短縮型を含み得る。短縮型の成長因子または他の受容体、例えば短縮型ヒト上皮成長因子受容体2(tHER2)、短縮型上皮成長因子受容体(tEGFR、7もしくは16に示される例示的なtEGFR配列)、または前立腺特異的膜抗原(PSMA)もしくはその修飾形態を含む例示的な短縮型表面ポリペプチド。tEGFRは、抗体セツキシマブ(Erbitux(登録商標))または他の治療用抗EGFR抗体または結合分子によって認識されるエピトープを含んでもよく、これは、tEGFR構築物およびコードされる外因性タンパク質を発現するように、ならびに/またはコードされる外因性タンパク質を発現する細胞を排除または分離するように、操作された細胞を同定または選択するために使用できる。米国特許第8,802,374号およびLiu et al.,Nature Biotech.2016 April;34(4):430-434参照)。いくつかの局面において、マーカー、例えば代理マーカーは、CD34、NGFR、CD19または短縮型CD19、例えば短縮型非ヒトCD19、または上皮成長因子受容体(例えばtEGFR)の全部または一部(例えば短縮型)を含む。いくつかの態様において、マーカーは、蛍光タンパク質、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、例えばスーパーフォールドGFP(sfGFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、例えばtdTomato、mCherry、mStrawberry、AsRed2、DsRedまたはDsRed2、シアン蛍光タンパク質(CFP)、青緑色蛍光タンパク質(BFP)、高感度青色蛍光タンパク質(EBFP)、および黄色蛍光タンパク質(YFP)、ならびに蛍光タンパク質の種変異体、単量体変異体、およびコドン最適化および/または高感度変異体を含むその変異体であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、マーカーは、酵素、例えばルシフェラーゼ、大腸菌(E.coli)由来のlacZ遺伝子、アルカリホスファターゼ、分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)であるか、またはそれを含む。例示的な発光レポーター遺伝子としては、ルシフェラーゼ(luc)、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β-グルクロニダーゼ(GUS)またはその変異体が挙げられる。
【0506】
いくつかの態様において、マーカーは選択マーカーである。いくつかの態様において、選択マーカーは、外因性作用物質または薬物に対する耐性を付与するポリペプチドであるか、または該ポリペプチドを含む。いくつかの態様において、選択マーカーは抗生物質耐性遺伝子である。いくつかの態様において、選択マーカーは、哺乳動物細胞に抗生物質耐性を付与する抗生物質耐性遺伝子である。いくつかの態様において、選択マーカーは、ピューロマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ブラスチシジン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、ジェネティシン耐性遺伝子もしくはゼオシン耐性遺伝子もしくはその修飾形態であるか、またはそれを含む。
【0507】
いくつかの態様において、マーカーをコードする核酸は、切断可能なリンカー配列、例えばT2Aなどのリンカー配列をコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されている。例えば、マーカー、および任意でリンカー配列は、国際公開公報第2014031687号に開示されている任意のものであり得る。
【0508】
いくつかの態様において、かかるCAR構築物をコードする核酸分子は、T2Aリボソームスキップエレメントおよび/またはtEGFR配列をコードする配列を、例えばCARをコードする配列の下流にさらに含む。いくつかの態様では、配列は、SEQ ID NO:6もしくは17に示されるT2Aリボソームスキップエレメント、またはSEQ ID NO:6もしくは17と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸配列をコードする。
【0509】
いくつかの態様において、抗原受容体(例えばCAR)を発現するT細胞はまた、短縮型EGFR(EGFRt)を非免疫原性選択エピトープとして発現するように生成することもでき(例えば同じ構築物から2つのタンパク質を発現するためにT2Aリボソームスイッチによって隔てられたCARとEGFRtをコードする構築物の導入によって)、これはその後、かかる細胞を検出するためのマーカーとして使用することができる(例えば米国特許第8,802,374号参照)。いくつかの態様において、配列は、SEQ ID NO:7もしくは16に示されるtEGFR配列、またはSEQ ID NO:7もしくは16と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸配列をコードする。いくつかの場合において、T2Aなどのペプチドは、リボソームに2AエレメントのC末端におけるペプチド結合の合成をスキップさせることができ(リボソームスキップ機構)、2A配列の末端と下流の次のペプチドとの間の分離をもたらす(例えばde Felipe.Genetic Vaccines and Ther.2:13(2004)およびdeFelipe et al.Traffic 5:616-626(2004)参照)。多くの2Aエレメントが公知である。本明細書で開示される方法および核酸において使用できる2A配列の例としては、限定されることなく、米国特許出願公開第20070116690号に記載されている口蹄疫ウイルス(F2A、例えばSEQ ID NO:21)、ウマ鼻炎Aウイルス(E2A、例えばSEQ ID NO:20)、トセア・アシグナ(Thosea asigna)ウイルス(T2A、例えばSEQ ID NO:6または17)、およびブタテスコウイルス1(P2A、例えばSEQ ID NO:18または19)からの2A配列。
【0510】
対象に投与される細胞によって発現されるCARなどの組換え受容体は、一般に、処置される疾患もしくは病態またはその細胞において発現される、処置される疾患もしくは病態またはその細胞に関連する、および/または処置される疾患もしくは病態またはその細胞に特異的な分子を認識するまたは該分子に特異的に結合する。分子、例えば抗原に特異的に結合すると、受容体は一般に、ITAM形質導入シグナルなどの免疫刺激シグナルを細胞内に送達し、それにより、疾患または病態を標的とする免疫応答を促進する。例えば、いくつかの態様において、細胞は、疾患もしくは病態の細胞もしくは組織によって発現されるか、または疾患もしくは病態に関連する抗原に特異的に結合するCARを発現する。
【0511】
B.TCR
いくつかの態様において、腫瘍の抗原、ウイルスまたは自己免疫タンパク質などの標的ポリペプチドのペプチドエピトープまたはT細胞エピトープを認識するT細胞受容体(TCR)またはその抗原結合部分を発現する、T細胞などの操作された細胞が提供される。
【0512】
いくつかの態様において、「T細胞受容体」または「TCR」は、可変α鎖およびβ鎖(それぞれTCRαおよびTCRβとしても知られる)または可変γ鎖およびδ鎖(それぞれTCRαおよびTCRβとしても知られる)またはそれらの抗原結合部分を含み、MHC分子に結合したペプチドに特異的に結合することができる分子である。いくつかの態様において、TCRはαβ形態である。典型的には、αβおよびγδ形態で存在するTCRは、一般に構造的に類似するが、それらを発現するT細胞は異なる解剖学的位置または機能を有し得る。TCRは、細胞の表面上にまたは可溶性形態で認められ得る。一般に、TCRは、それが一般に主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に結合した抗原を認識することに関与する場合、T細胞(またはTリンパ球)の表面上にみられる。
【0513】
特に明記されない限り、「TCR」という用語は、完全なTCR、ならびにその抗原結合部分または抗原結合断片を包含すると理解されるべきである。いくつかの態様において、TCRは、αβ形態またはγδ形態のTCRを含む、無傷または完全長のTCRである。いくつかの態様において、TCRは、完全長未満のTCRであるが、MHC分子に結合した特定のペプチドに結合する、例えばMHC-ペプチド複合体に結合する抗原結合部分である。いくつかの場合において、TCRの抗原結合部分または断片は、完全長または無傷のTCRの構造ドメインの一部のみを含み得るが、それでもなお、完全なTCRが結合するペプチドエピトープ、例えばMHC-ペプチド複合体に結合することができる。いくつかの場合において、抗原結合部分は、特定のMHC-ペプチド複合体に結合するための結合部位を形成するのに十分なTCRの可変ドメイン、例えばTCRの可変α鎖および可変β鎖を含む。一般に、TCRの可変鎖は、ペプチド、MHCおよび/またはMHC-ペプチド複合体の認識に関与する相補性決定領域を含む。
【0514】
いくつかの態様において、TCRの可変ドメインは、一般に抗原認識ならびに結合能力および特異性に対する主な寄与因子である、超可変ループまたは相補性決定領域(CDR)を含む。いくつかの態様において、TCRのCDRまたはそれらの組合せは、所与のTCR分子の抗原結合部位の全部または実質的に全部を形成する。TCR鎖の可変領域内の様々なCDRは、一般に、CDRと比較してTCR分子間で一般により少ない変動性を示すフレームワーク領域(FR)によって隔てられている(例えばJores et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.U.S.A.87:9138,1990;Chothia et al.,EMBO J.7:3745,1988参照;またLefranc et al.,Dev.Comp.Immunol.27:55,2003も参照のこと)。いくつかの態様において、CDR3は、抗原結合もしくは特異性に関与する主なCDRであるか、または抗原認識および/もしくはペプチド-MHC複合体のプロセシングされたペプチド部分との相互作用のために、所与のTCR可変領域上の3つのCDRのうちで最も重要である。いくつかの状況では、α鎖のCDR1は、特定の抗原ペプチドのN末端部分と相互作用することができる。いくつかの状況では、β鎖のCDR1は、ペプチドのC末端部分と相互作用することができる。いくつかの状況では、CDR2は、MHC-ペプチド複合体のMHC部分との相互作用またはMHC部分の認識に最も強く寄与するか、または関与する主要なCDRである。いくつかの態様において、β鎖の可変領域は、一般にスーパー抗原結合に関与し、抗原認識には関与しないさらなる超可変領域(CDR4またはHVR4)を含み得る(Kotb(1995)Clinical Microbiology Reviews,8:411-426)。
【0515】
いくつかの態様において、TCRはまた、定常ドメイン、膜貫通ドメインおよび/または短い細胞質尾部を含み得る(例えば、Janeway et al.,Immunobiology:The Immune System in Health and Disease,3rd Ed.,Current Biology Publications,p.4:33,1997参照)。いくつかの局面において、TCRの各々の鎖は、1つのN末端免疫グロブリン可変ドメイン、1つの免疫グロブリン定常ドメイン、膜貫通領域、およびC末端の短い細胞質尾部を有し得る。いくつかの態様において、TCRは、シグナル伝達の媒介に関与するCD3複合体の不変タンパク質と会合する。
【0516】
いくつかの態様において、TCR鎖は、1つまたは複数の定常ドメインを含む。例えば、所与のTCR鎖(例えばα鎖またはβ鎖)の細胞外部分は、2つの免疫グロブリン様ドメイン、例えば可変ドメイン(例えばVαまたはVβ;典型的にはKabat番号付けに基づき鎖のアミノ酸1~116、Kabat et al.,“Sequences of Proteins of Immunological Interest,US Dept.Health and Human Services,Public Health Service National Institutes of Health,1991,5th ed.)、および細胞膜に隣接する定常ドメイン(例えばα鎖定常ドメインもしくはCα、典型的にはKabat番号付けに基づき鎖の117~259位、またはβ鎖定常ドメインもしくはCβ、典型的にはKabatに基づき鎖の117~295位)を含み得る。例えば、いくつかの場合において、2本の鎖によって形成されるTCRの細胞外部分は、2つの膜近位定常ドメイン、および2つの膜遠位可変ドメインを含み、これらの可変ドメインはそれぞれCDRを含む。TCRの定常ドメインは、システイン残基がジスルフィド結合を形成し、それにより、TCRの2本の鎖を連結する短い接続配列を含み得る。いくつかの態様において、TCRは、定常ドメイン内に2つのジスルフィド結合を含むように、α鎖およびβ鎖のそれぞれに追加のシステイン残基を有し得る。
【0517】
いくつかの態様において、TCR鎖は膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様において、膜貫通ドメインは正に帯電している。いくつかの場合において、TCR鎖は細胞質尾部を含む。いくつかの場合において、該構造は、TCRがCD3およびそのサブユニットのような他の分子と会合することを可能にする。例えば、膜貫通領域を有する定常ドメインを含むTCRは、タンパク質を細胞膜に固定し、CD3シグナル伝達装置または複合体の不変サブユニットと会合し得る。CD3シグナル伝達サブユニット(例えばCD3γ、CD3δ、CD3εおよびCD3ζ鎖)の細胞内尾部は、TCR複合体のシグナル伝達能力に関与する1つまたは複数の免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフまたはITAMを含む。
【0518】
いくつかの態様において、TCRは、2本の鎖αおよびβ(または任意でγおよびδ)のヘテロ二量体であり得るか、または単鎖TCR構築物であり得る。いくつかの態様において、TCRは、1つまたは複数のジスルフィド結合などによって連結されている2本の別々の鎖(α鎖とβ鎖またはγ鎖とδ鎖)を含むヘテロ二量体である。
【0519】
いくつかの態様において、TCRは、実質的に完全長のコード配列が容易に利用可能であるVα,β鎖の配列などの公知のTCR配列(1つまたは複数)から生成することができる。細胞供給源から、V鎖配列を含む完全長TCR配列を得るための方法は周知である。いくつかの態様において、TCRをコードする核酸は、所与の1つまたは複数の細胞内のもしくは細胞から単離されたTCRコード核酸のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、または公的に入手可能なTCR DNA配列の合成などによって、様々な供給源から得ることができる。
【0520】
いくつかの態様において、TCRは、生物学的供給源から、例えばT細胞(例えば細胞傷害性T細胞)などの細胞、T細胞ハイブリドーマ、または他の公的に入手可能な供給源から得られる。いくつかの態様において、T細胞は、インビボで単離された細胞から得ることができる。いくつかの態様において、TCRは胸腺から選択されたTCRである。いくつかの態様において、TCRはネオエピトープ拘束性TCRである。いくつかの態様において、T細胞は、培養されたT細胞ハイブリドーマまたはクローンであり得る。いくつかの態様において、TCRまたはその抗原結合部分またはその抗原結合断片は、TCRの配列の知識から合成的に生成することができる。
【0521】
いくつかの態様において、TCRは、その標的ポリペプチド抗原または標的T細胞エピトープに対して候補TCRのライブラリーをスクリーニングすることから同定または選択されたTCRから生成される。TCRライブラリーは、PBMC、脾臓または他のリンパ系器官に存在する細胞を含む、対象から単離されたT細胞からのVαおよびVβのレパートリーの増幅によって生成することができる。いくつかの場合において、T細胞は腫瘍浸潤リンパ球(TIL)から増幅することができる。いくつかの態様において、TCRライブラリーは、CD4+またはCD8+細胞から生成することができる。いくつかの態様において、TCRは、正常なまたは健康な対象のT細胞供給源、すなわち正常なTCRライブラリーから増幅することができる。いくつかの態様において、TCRは、罹患対象のT細胞供給源、すなわち罹患TCRライブラリーから増幅することができる。いくつかの態様において、縮重プライマーを使用して、ヒトから得られたT細胞などの試料におけるRT-PCRなどによって、VαおよびVβの遺伝子レパートリーを増幅する。いくつかの態様において、scTvライブラリーは、増幅産物がクローニングされるかまたはリンカーによって隔てられるように構築されるナイーブVαおよびVβライブラリーから構築することができる。対象および細胞の供給源に依存して、ライブラリーはHLA対立遺伝子特異的であり得る。あるいは、いくつかの態様において、TCRライブラリーは、親または骨格TCR分子の突然変異誘発または多様化によって生成することができる。いくつかの局面において、TCRは、例えばα鎖またはβ鎖の突然変異誘発などによる指向性進化に供される。いくつかの局面では、TCRのCDR内の特定の残基が改変されている。いくつかの態様において、選択されたTCRを親和性成熟によって改変することができる。いくつかの態様において、ペプチドに対するCTL活性を評価するためのスクリーニングなどによって、抗原特異的T細胞を選択し得る。いくつかの局面において、TCR、例えば抗原特異的T細胞上に存在するTCRは、結合活性、例えば抗原に対する特定の親和性またはアビディティなどによって選択し得る。
【0522】
いくつかの態様において、TCRまたはその抗原結合部分は、修飾または操作されているものである。いくつかの態様において、指向性進化法を使用して、特定のMHC-ペプチド複合体に対するより高い親和性などの変化した特性を有するTCRを生成する。いくつかの態様において、指向性進化は、酵母ディスプレイ(Holler et al.(2003)Nat Immunol,4,55-62;Holler et al.,(2000)Proc Natl Acad Sci USA,97,5387-92)、ファージディスプレイ(Li et al.(2005)Nat Biotechnol,23,349-54)、またはT細胞ディスプレイ(Chervin et al.(2008)J Immunol Methods,339,175-84)を含むがこれらに限定されるわけではないディスプレイ法によって達成される。いくつかの態様において、ディスプレイアプローチは、公知のTCR、親TCR、または参照TCRを操作するまたは修飾することを含む。例えば、いくつかの場合において、野生型TCRを、CDRの1つまたは複数の残基が変異している変異誘発されたTCRを生成するための鋳型として使用することができ、所望の標的抗原に対するより高い親和性などの所望の改変された特性を有する変異体を選択する。
【0523】
いくつかの態様において、関心対象のTCRを作製または生成する際に使用するための標的ポリペプチドのペプチドは、公知であるかまたは容易に同定することができる。いくつかの態様において、TCRまたは抗原結合部分を生成する際に使用するのに適したペプチドは、関心対象の標的ポリペプチド、例えば下記の標的ポリペプチド中のHLA拘束性モチーフの存在に基づいて決定することができる。いくつかの態様において、ペプチドは、利用可能なコンピュータ予測モデルを使用して同定される。いくつかの態様において、MHCクラスI結合部位を予測するために、かかるモデルとしては、ProPred1(Singh and Raghava(2001)Bioinformatics 17(12):1236-1237)、およびSYFPEITHI(Schuler et al.(2007)Immunoinformatics Methods in Molecular Biology,409(1):75-93 2007)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、MHC拘束性エピトープは、全白人の約39~46%で発現されるHLA-A0201であり、したがって、TCRまたは他のMHC-ペプチド結合分子を調製するのに使用するためのMHC抗原の適切な選択である。
【0524】
コンピュータ予測モデルを用いたHLA-A0201結合モチーフならびにプロテアソームおよび免疫プロテアソームの切断部位は公知である。MHCクラスI結合部位を予測するために、かかるモデルとしては、ProPred1(Singh and Raghava,ProPred:prediction of HLA-DR binding sites.BIOINFORMATICS 17(12):1236-1237 2001により詳細に記載されている)、およびSYFPEITHI(Schuler et al.SYFPEITHI,Database for Searching and T-Cell Epitope Prediction.in Immunoinformatics Methods in Molecular Biology,vol 409(1):75-93 2007参照)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0525】
いくつかの態様において、TCRまたはその抗原結合部分は、結合特性などの1つまたは複数の特性が改変されている、組換え生産された天然タンパク質またはその変異形態であり得る。いくつかの態様において、TCRは、ヒト、マウス、ラット、または他の哺乳動物などの様々な動物種の1つに由来し得る。TCRは細胞結合形態でも可溶性形態でもよい。いくつかの態様において、提供される方法の目的のために、TCRは、細胞の表面上に発現される細胞結合形態である。
【0526】
いくつかの態様において、TCRは完全長TCRである。いくつかの態様において、TCRは抗原結合部分である。いくつかの態様において、TCRは二量体TCR(dTCR)である。いくつかの態様において、TCRは単鎖TCR(sc-TCR)である。いくつかの態様において、dTCRまたはscTCRは、国際公開公報第03/020763号、国際公開公報第04/033685号、国際公開公報第2011/044186号に記載されている構造を有する。
【0527】
いくつかの態様において、TCRは膜貫通配列に対応する配列を含む。いくつかの態様において、TCRは細胞質配列に対応する配列を含む。いくつかの態様において、TCRは、CD3とTCR複合体を形成することができる。いくつかの態様において、dTCRまたはscTCRを含む任意のTCRは、T細胞の表面上に活性TCRを生じるシグナル伝達ドメインに連結され得る。いくつかの態様において、TCRは細胞の表面上に発現される。
【0528】
いくつかの態様において、dTCRは、TCR α鎖可変領域配列に対応する配列がTCR α鎖定常領域細胞外配列に対応する配列のN末端に融合している第1のポリペプチド、およびTCR β鎖可変領域配列に対応する配列がTCR β鎖定常領域細胞外配列に対応する配列のN末端に融合している第2のポリペプチドを含み、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドはジスルフィド結合によって連結されている。いくつかの態様において、結合は、天然の二量体αβTCR中に存在する天然の鎖間ジスルフィド結合に対応し得る。いくつかの態様において、鎖間ジスルフィド結合は、天然のTCRには存在しない。例えば、いくつかの態様において、1つまたは複数のシステインをdTCRポリペプチド対の定常領域細胞外配列に組み込むことができる。いくつかの場合において、天然および非天然の両方のジスルフィド結合が望ましいことがあり得る。いくつかの態様において、TCRは、膜に固定するための膜貫通配列を含む。
【0529】
いくつかの態様において、dTCRは、可変αドメイン、定常αドメイン、および定常αドメインのC末端に結合した第1の二量体化モチーフを含むTCR α鎖、ならびに可変βドメイン、定常βドメイン、および定常βドメインのC末端に結合した第1の二量体化モチーフを含むTCR β鎖を含み、ここで、第1と第2の二量体化モチーフは容易に相互作用して、第1の二量体化モチーフ中のアミノ酸と第2の二量体化モチーフ中のアミノ酸との間に共有結合を形成し、TCR α鎖とTCR β鎖を一緒に連結する。
【0530】
いくつかの態様において、TCRはscTCRである。典型的には、scTCRは公知の方法を使用して生成することができる。例えば、Soo Hoo,W.F.et al.PNAS(USA)89,4759(1992);Wulfing,C.and Pluckthun,A.,J.Mol.Biol.242,655(1994);Kurucz,I.et al.PNAS(USA)90 3830(1993);国際公開公報第96/13593号、同第96/18105号、同第99/60120号、同第99/18129号、同第03/020763号、同第2011/044186号;およびSchlueter,C.J.et al.,J.Mol.Biol.256,859(1996)参照。いくつかの態様において、scTCRは、TCR鎖の会合を促進するために導入された非天然ジスルフィド鎖間結合を含む(例えば国際公開公報第03/020763号参照)。いくつかの態様において、scTCRは、そのC末端に融合した異種ロイシンジッパーが鎖の会合を促進する、非ジスルフィド結合短縮型TCRである(例えば国際公開公報第99/60120号参照)。いくつかの態様において、scTCRは、ペプチドリンカーを介してTCR β可変ドメインに共有結合したTCR α可変ドメインを含む(例えば国際公開公報第99/18129号参照)。
【0531】
いくつかの態様において、scTCRは、TCR α鎖可変領域に対応するアミノ酸配列によって構成される第1のセグメント、TCR β鎖定常ドメイン細胞外配列に対応するアミノ酸配列のN末端に融合したTCR β鎖可変領域配列に対応するアミノ酸配列によって構成される第2のセグメント、および第1のセグメントのC末端を第2のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含む。
【0532】
いくつかの態様において、scTCRは、α鎖細胞外定常ドメイン配列のN末端に融合したα鎖可変領域配列によって構成される第1のセグメント、およびβ鎖細胞外定常配列および膜貫通配列のN末端に融合したβ鎖可変領域配列によって構成される第2のセグメント、および任意で、第1のセグメントのC末端を第2のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含む。
【0533】
いくつかの態様において、scTCRは、β鎖細胞外定常ドメイン配列のN末端に融合したTCR β鎖可変領域配列によって構成される第1のセグメント、およびα鎖細胞外定常配列および膜貫通配列のN末端に融合されたα鎖可変領域配列によって構成される第2のセグメント、および任意で、第1のセグメントのC末端を第2のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含む。
【0534】
いくつかの態様において、第1および第2のTCRセグメントを連結するscTCRのリンカーは、TCRの結合特異性を保持しながら、単一のポリペプチド鎖を形成することができる任意のリンカーであり得る。いくつかの態様において、リンカー配列は、例えば式-P-AA-P-を有してよく、式中、Pはプロリンであり、AAはアミノ酸配列を表し、アミノ酸はグリシンおよびセリンである。いくつかの態様において、第1および第2のセグメントは、その可変領域配列がかかる結合のために配向されるように対合される。したがって、いくつかの場合において、リンカーは、第1のセグメントのC末端と第2のセグメントのN末端との間、またはその逆の間の距離を橋渡しするのに十分な長さを有するが、scTCRの標的リガンドへの結合を遮断または低減するほどには長くない。いくつかの態様において、リンカーは、10~45個のアミノ酸または約10~約45個のアミノ酸、例えば10~30個のアミノ酸または26~41個のアミノ酸残基、例えば29、30、31もしくは32個のアミノ酸を含み得る。いくつかの態様において、リンカーは、式-PGGG-(SGGGG)5-P-を有し、式中、Pはプロリンであり、Gはグリシンであり、およびSはセリンである(SEQ ID NO:28)。いくつかの態様において、リンカーは、配列GSADDAKKDAAKKDGKS(SEQ ID NO:29)を有する。
【0535】
いくつかの態様において、scTCRは、α鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基をβ鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基に連結する共有ジスルフィド結合を含む。いくつかの態様において、天然TCR中の鎖間ジスルフィド結合は存在しない。例えば、いくつかの態様において、1つまたは複数のシステインを、scTCRポリペプチドの第1および第2のセグメントの定常領域細胞外配列に組み込むことができる。いくつかの場合において、天然および非天然の両方のジスルフィド結合が望ましいことがあり得る。
【0536】
導入された鎖間ジスルフィド結合を含むdTCRまたはscTCRのいくつかの態様において、天然のジスルフィド結合は存在しない。いくつかの態様において、天然の鎖間ジスルフィド結合を形成する天然のシステインの1つまたは複数は、セリンまたはアラニンなどの別の残基に置換されている。いくつかの態様において、導入されるジスルフィド結合は、第1および第2のセグメント上の非システイン残基をシステインに変異させることによって形成することができる。TCRの例示的な非天然ジスルフィド結合は、国際公開公報第2006/000830号に記載されている。
【0537】
いくつかの態様において、TCRまたはその抗原結合断片は、10-5~10-12Mまたは約10-5~10-12Mならびにその中のすべての個々の値および範囲の、標的抗原に対する平衡結合定数の親和性を示す。いくつかの態様において、標的抗原はMHC-ペプチド複合体またはリガンドである。
【0538】
いくつかの態様において、α鎖およびβ鎖などのTCRをコードする1つまたは複数の核酸は、PCR、クローニングまたは他の適切な手段によって増幅され得、適切な1つまたは複数の発現ベクターにクローニングされ得る。発現ベクターは、任意の適切な組換え発現ベクターであり得、任意の適切な宿主を形質転換またはトランスフェクトするために使用することができる。適切なベクターは、増殖および拡大のため、または発現のため、またはその両方のために設計されたもの、例えばプラスミドおよびウイルスを含む。
【0539】
いくつかの態様において、ベクターは、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences)、pBluescriptシリーズ(Stratagene,LaJolla,Calif.)、pETシリーズ(Novagen,Madison,Wis.)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech,Uppsala,Sweden)、またはpEXシリーズ(Clontech,Palo Alto,Calif.)のベクターであり得る。いくつかの場合において、バクテリオファージベクター、例えばλG10、λGT11、λZapII(Stratagene)、λEMBL4、およびλNM1149も使用することができる。いくつかの態様において、植物発現ベクターを使用することができ、これは、pBI01、pBI101.2、pBI101.3、pBI121およびpBIN19(Clontech)を含む。いくつかの態様において、動物発現ベクターは、pEUK-Cl、pMAMおよびpMAMneo(Clontech)を含む。いくつかの態様において、ウイルスベクター、例えばレトロウイルスベクターが使用される。
【0540】
いくつかの態様において、組換え発現ベクターは、標準的な組換えDNA技術を用いて調製することができる。いくつかの態様において、ベクターは、適宜、該ベクターがDNAベースであるかRNAベースであるかを考慮に入れて、該ベクターが導入される宿主の種類(例えば細菌、真菌、植物、または動物)に特異的な転写および翻訳開始および終止コドンなどの調節配列を含み得る。いくつかの態様において、ベクターは、TCRまたは抗原結合部分(または他のMHC-ペプチド結合分子)をコードするヌクレオチド配列に機能的に連結された非天然プロモーターを含み得る。いくつかの態様において、プロモーターは、非ウイルスプロモーターまたはウイルスプロモーター、例えばサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーター、およびマウス幹細胞ウイルスの長い末端反復配列中にみられるプロモーターであり得る。他の公知のプロモーターも企図される。
【0541】
いくつかの態様において、TCRをコードするベクターを作製するために、α鎖およびβ鎖を、関心対象のTCRを発現するT細胞クローンから単離された全cDNAからPCR増幅し、発現ベクターにクローニングする。いくつかの態様において、α鎖とβ鎖は同じベクターにクローニングされる。いくつかの態様において、α鎖とβ鎖は異なるベクターにクローニングされる。いくつかの態様において、生成されたα鎖およびβ鎖は、レトロウイルスベクター、例えばレンチウイルスベクターに組み込まれる。
【0542】
III.投与方法
いくつかの態様において、セクションIで提供されるような、提供される方法によって作製される濃縮T細胞のアウトプット組成物、例えばCD4+およびCD8アウトプット組成物の分離された組成物は、細胞療法、例えば養子細胞療法として投与される。特定の態様において、1つまたは複数の細胞組成物、例えば本明細書に記載のアウトプット細胞組成物は、細胞療法として投与される。いくつかの態様において、養子T細胞療法の方法は、例えばGruenbergらの米国特許出願公開第2003/0170238号;Rosenbergの米国特許第4,690,915号;Rosenberg(2011)Nat Rev Clin Oncol.8(10):577-85)に記載されている。例えば、Themeli et al.(2013)Nat Biotechnol.31(10):928-933;Tsukahara et al.(2013)Biochem Biophys Res Commun 438(1):84-9;Davila et al.(2013)PLoS ONE 8(4):e61338参照。
【0543】
一部の特定の態様において、本明細書で提供される方法は、細胞療法として投与される単一の生物学的試料から単離、選択および/または濃縮されたインプット細胞から、濃縮T細胞の単一のアウトプット組成物を作製する。特定の態様において、単一のアウトプット組成物は、濃縮CD4+T細胞の組成物である。一部の特定の態様において、単一のアウトプット組成物は、濃縮CD4+およびCD8+T細胞の組成物である。いくつかの態様において、本明細書で提供される方法は、単一の供給源、例えば生物学的試料および/または生物学的試料から単離、選択、もしくは濃縮されたインプット組成物から、対象に投与される2つまたはそれより多くのアウトプット組成物を作製する。いくつかの態様において、2つまたはそれより多くのアウトプット組成物は、対象に別々に投与される。一部の特定の態様において、2つまたはそれより多くのアウトプット組成物は、単一の組成物に組み合わされ、対象に投与される。一部の特定の態様において、2つまたはそれより多くのアウトプット組成物は、濃縮CD4+T細胞のアウトプット組成物および濃縮CD8+T細胞のアウトプット組成物を含む。
【0544】
いくつかの態様において、対象に投与される濃縮CD4+T細胞のアウトプット組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む。一部の特定の態様において、アウトプット組成物は、組換え受容体を発現する、および/または組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされた、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む。一部の特定の態様において、対象に投与される濃縮CD4+T細胞のアウトプット組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD8+T細胞を含む、および/またはCD8+T細胞を含まない、および/またはCD8+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0545】
いくつかの態様において、対象に投与される濃縮CD8+T細胞のアウトプット組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。特定の態様において、組成物は、組換え受容体を発現する、および/または組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされた、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。一部の特定の態様において、対象に投与される濃縮CD8+T細胞のアウトプット組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD4+T細胞を含む、および/またはCD4+T細胞を含まない、および/またはCD4+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。いくつかの態様において、抗原は病原体特異的抗原である。
【0546】
処置される疾患または病態は、抗原の発現が疾患、病態、もしくは障害の病因と関連する、および/または疾患、病態、もしくは障害の病因に関与する、例えば、そのような疾患、病態、または障害を引き起こす、悪化させる、あるいは別の様式で関与する任意のものであり得る。例示的な疾患および病態としては、悪性腫瘍もしくは細胞の形質転換と関連する疾患もしくは病態(例えば、がん)、自己免疫疾患もしくは炎症性疾患、または例えば細菌病原体、ウイルス病原体もしくは他の病原体によって引き起こされる感染性疾患が挙げられ得る。処置され得る種々の疾患および病態に関連する抗原を含む例示的な抗原は以前に記載している。特定の態様において、キメラ抗原受容体または遺伝子導入TCRは、当該疾患または病態に関連する抗原に特異的に結合する。
【0547】
当該疾患、病態、および障害の中には、腫瘍、例えば充実性腫瘍、造血器悪性腫瘍、およびメラノーマ、ならびに例えば、限局性および転移性の腫瘍、感染性疾患、例えばウイルスもしくは他の病原体、例えばHIV、HCV、HBV、CMV、HPVによる感染、ならびに寄生虫症、ならびに自己免疫疾患および炎症性疾患がある。いくつかの態様において、疾患、障害または病態は腫瘍、がん、悪性腫瘍、新生物または他の増殖性の疾患もしくは障害である。そのような疾患としては、限定するわけではないが、白血病、リンパ腫、例えば、急性骨髄性(myeloid)(または骨髄性(myelogenous))白血病(AML)、慢性骨髄性(myeloid)(または骨髄性(myelogenous))白血病(CML)、急性リンパ球性(またはリンパ芽球性)白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ヘアリー細胞白血病(HCL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯リンパ腫、バーキット リンパ腫、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)、濾胞性リンパ腫、難治性濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)および多発性骨髄腫(MM)が挙げられる。いくつかの態様において、疾患または病態は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、成人ALL、慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の中から選択されるB細胞悪性腫瘍である。いくつかの態様において、当該疾患または病態はNHLであり、NHLは、アグレッシブNHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、NOS(デノボおよびインドレントからの形質転換型)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)、T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫(TCHRBCL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、および/または濾胞性リンパ腫(FL)、任意で濾胞性リンパ腫グレード3B(FL3B)からなる群より選択される。
【0548】
いくつかの態様において、当該疾患または病態は、感染性の疾患または病態、例えば限定するわけではないが、ウイルス感染、レトロウイルス感染、細菌感染および原虫感染、免疫不全、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、アデノウイルス、BKポリオーマウイルスである。いくつかの態様において、当該疾患または病態は、自己免疫性または炎症性の疾患または病態、例えば関節炎、例えば、関節リウマチ(RA)、I型糖尿病、全身性エリテマトーデス(SLE)、炎症性腸疾患、乾癬、強皮症、自己免疫性甲状腺疾患、グレーブス病、クローン病、多発性硬化症、喘息および/または移植と関連する疾患もしくは病態である。
【0549】
いくつかの態様において、当該疾患または障害に関連する抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、CAIXもしくはG250としても知られる)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られる)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフ型ケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD138、CD171、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、切断された上皮成長因子タンパク質(tEGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5もしくはFCRH5としても知られる)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、胎児アセチルコリン受容体、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerbB2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼインサートドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メソテリン、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養芽層糖タンパク質(TPBG、5T4としても知られる)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原、またはユニバーサルタグに関連する抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子の中から選択される。いくつかの態様における受容体によって標的とされる抗原としては、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、例えばいくつかの公知のB細胞マーカーのいずれかが挙げられる。いくつかの態様において、受容体によって標的とされる抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79b、もしくはCD30である。いくつかの態様において、抗原は、病原体特異的抗原である。いくつかの態様において、抗原は、ウイルス抗原(例えばHIV、HCV、HBVなどからのウイルス抗原)、細菌抗原、および/または寄生虫抗原である。
【0550】
いくつかの態様において、疾患または病態はB細胞悪性腫瘍である。いくつかの態様において、B細胞悪性腫瘍は白血病またはリンパ腫である。いくつかの局面において、疾患または病態は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、成人ALL、慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの場合において、疾患または病態は、攻撃性NHLであるNHLなどのもしくは攻撃性NHLであるNHLを含むNHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、NOS(デノボおよび低悪性度から形質変換したもの)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)、T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫(TCHRBCL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、および/または濾胞性リンパ腫(FL)、任意で濾胞性リンパ腫グレード3B(FL3B)である。いくつかの局面において、CARなどの組換え受容体は、疾患または病態に関連する、またはB細胞悪性腫瘍に関連する病変の環境の細胞で発現される抗原に特異的に結合する。いくつかの態様において受容体によって標的とされる抗原は、いくつかの公知のB細胞マーカーのいずれかなどの、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原を含む。いくつかの態様において、受容体によって標的とされる抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igκ、Igλ、CD79a、CD79bまたはCD30、またはそれらの組合せである。
【0551】
いくつかの態様において、疾患または病態は、多発性骨髄腫などの骨髄腫である。いくつかの局面において、CARなどの組換え受容体は、疾患または病態に関連する、または多発性骨髄腫に関連する病変の環境の細胞で発現される抗原に特異的に結合する。いくつかの態様における受容体によって標的とされる抗原は、多発性骨髄腫に関連する抗原を含む。いくつかの局面において、抗原、例えば二次抗原または追加の抗原、例えば疾患特異的抗原および/または関連抗原は、多発性骨髄腫、例えばB細胞成熟抗原(BCMA)、Gタンパク質共役受容体クラスCグループ5メンバーD(GPRC5D)、CD38(環状ADPリボースヒドロラーゼ)、CD138(シンデカン-1、シンデカン、SYN-1)、CS-1(CS1、CD2サブセット1、CRACC、SLAMF7、CD319、および19A24)、BAFF-R、TACI、および/またはFcRH5で発現される。他の例示的な多発性骨髄腫抗原としては、CD56、TIM-3、CD33、CD123、CD44、CD20、CD40、CD74、CD200、EGFR、β2-ミクログロブリン、HM1.24、IGF-1R、IL-6R、TRAIL-R1、およびアクチビン受容体IIA型(ActRIIA)が挙げられる。Benson and Byrd,J.Clin.Oncol.(2012)30(16):2013-15;Tao and Anderson,Bone Marrow Research(2011):924058;Chu et al.,Leukemia(2013)28(4):917-27;Garfall et al.,Discov Med.(2014)17(91):37-46参照。いくつかの態様において、抗原は、リンパ系腫瘍、骨髄腫、エイズ関連リンパ腫、および/または移植後リンパ球増殖に存在するもの、例えばCD38を含む。かかる抗原に対する抗体または抗原結合断片は公知であり、例えば、米国特許第8,153,765号、同第8,603,477号、同第8,008,450号;米国特許出願公開第20120189622号もしくは同第20100260748号;および/または国際公開公報第2006099875号、同第2009080829号もしくは同第2012092612号もしくは同第2014210064号に記載されているものを含む。いくつかの態様において、かかる抗体またはその抗原結合断片(例えばscFv)は、多重特異性抗体、多重特異性キメラ受容体、例えば多重特異性CAR、および/または多重特異性細胞に含まれる。
【0552】
いくつかの態様において、抗原は、病原体特異的抗原または病原体発現抗原である。いくつかの態様において、抗原は、ウイルス抗原(例えばHIV、HCV、HBVなどからのウイルス抗原)、細菌抗原、および/または寄生虫抗原である。
【0553】
いくつかの態様において、細胞療法、例えば養子T細胞療法は、細胞が、細胞療法を受けることになっている対象からまたはかかる対象に由来する試料から単離されるおよび/またはさもなければ調製される、自己移植によって行われる。したがって、いくつかの局面において、細胞は、処置を必要とする対象、例えば患者に由来し、単離および加工処理後に同じ対象に投与される。
【0554】
いくつかの態様において、細胞療法、例えば養子T細胞療法は、細胞が、細胞療法を受けることになっているまたは最終的に細胞療法を受ける対象、例えば第1の対象以外の対象から単離されるおよび/またはさもなければ調製される、同種異系移植によって行われる。かかる態様において、細胞は、次いで、同じ種の異なる対象、例えば第2の対象に投与される。いくつかの態様において、第1および第2の対象は遺伝的に同一である。いくつかの態様において、第1および第2の対象は遺伝的に類似する。いくつかの態様において、第2の対象は、第1の対象と同じHLAクラスまたはスーパータイプを発現する。
【0555】
細胞、例えば、セクションIに記載されるような本明細書で提供される方法によって生成された操作された細胞は、任意の適切な手段によって投与され得る。特定の態様において、2つまたはそれより多くの別個のアウトプット組成物、例えば、セクションIに記載されるような本明細書で提供される方法によって作製された濃縮T細胞の組成物からの細胞は、細胞の単一の組成物に組み合わされて投与される。一部の特定の態様において、別個のアウトプット組成物からの細胞は、それぞれ別々に対象に投与される。一部の特定の態様において、CD4+T細胞は、CD8+T細胞とは別に投与される。
【0556】
いくつかの態様において、細胞は、いずれかの適切な手段によって、例えばボーラス輸注によって、注射、例えば、静脈内もしくは皮下注射、眼内注射、眼球周囲注射、網膜下注射、硝子体内注射、経中隔注射、強膜下注射、脈絡膜内注射、嚢内投与注射、サブコンジェクトバル(subconjectval)注射、サブコンジュンティバル(subconjuntival)注射、テノン嚢下注射、眼球後注射、球周囲注射または後強膜近傍(posterior juxtascleral)送達によって投与され得る。いくつかの態様において、細胞は、非経口、肺内および鼻腔内ならびに、局所処置が所望される場合は病巣内投与によって投与される。非経口輸注としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内または皮下投与が挙げられる。いくつかの態様において、所与の用量は該細胞の単回ボーラス投与によって投与される。いくつかの態様において、当該用量は、例えば3日以下の期間にわたる該細胞の反復ボーラス投与によって、または該細胞の連続輸注投与によって投与される。いくつかの態様において、当該細胞用量またはいずれかの追加の治療、例えばリンパ球除去療法、介入治療および/または併用療法の施行は外来患者の通院によって行われる。
【0557】
疾患の予防または処置のためには、適切な投与量は、処置される疾患の型、細胞または組換え受容体の型、細胞の投与が予防目的であれ治療目的であれ、疾患の重症度および経過、前の治療、対象の病歴および該細胞に対する奏効、ならびに担当医の裁量に依存し得る。組成物および細胞はいくつかの態様において、対象に1回で、または一連の処置で適切に投与される。
【0558】
いくつかの態様において、細胞は、併用治療の一部として、例えば別の治療的介入、例えば抗体または操作された細胞または受容体または剤、例えば細胞傷害性薬剤もしくは治療薬と同時にまたは任意の順序で連続的に投与される。いくつかの態様における細胞は、1つまたは複数の追加の治療薬とともに、または別の治療的介入と組み合わせて、同時にまたは任意の順序で連続的に共投与される。いくつかの状況では、細胞は、細胞集団が1つもしくは複数の追加の治療薬の効果を増強するように、またはその逆も同様であるように、時間的に十分に近い別の療法と共投与される。いくつかの態様において、細胞は、1つまたは複数の追加の治療薬の前に投与される。いくつかの態様において、細胞は、1つまたは複数の追加の治療薬の後に投与される。いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の剤は、例えば持続性を高めるための、IL-2などのサイトカインを含む。いくつかの態様において、方法は、化学療法剤の投与を含む。
【0559】
いくつかの態様において、方法は、例えば、当該投与の前に腫瘍負荷を低減させるための化学療法剤、例えば前処置化学療法剤の投与を含む。
【0560】
免疫除去(例えば、リンパ球除去)治療での対象の前処置により、いくつかの局面において養子細胞療法(ACT)の効果が改善され得る。
【0561】
したがって、いくつかの態様において、方法は、前処置剤、例えばリンパ球除去剤または化学療法剤、例えばシクロホスファミド、フルダラビン、またはそれらの組合せを、細胞療法の開始前に対象に投与することを含む。例えば、細胞療法の開始の少なくとも2日前、例えば少なくとも3日前、少なくとも4日前、少なくとも5日前、少なくとも6日前、または少なくとも7日前に、前処置剤が対象に投与され得る。いくつかの態様において、細胞療法の開始前7日以内、例えば6日以内、5日以内、4日以内、3日以内、または2日以内に、前処置剤が対象に投与される。
【0562】
いくつかの態様において、対象は、20 mg/kgまたは約20 mg/kg~100 mg/kg、例えば40 mg/kgまたは約40 mg/kg~80 mg/kgまたは約80 mg/kgの用量のシクロホスファミドで前処置される。いくつかの局面において、対象は、60 mg/kgまたは約60 mg/kgのシクロホスファミドで前処置される。いくつかの態様において、シクロホスファミドは、単回用量で投与され得るか、または複数回の用量で投与され得る、例えば毎日、1日おき、もしくは3日毎に投与される。いくつかの態様において、シクロホスファミドは、1日または2日間にわたって1日1回、投与される。いくつかの態様において、リンパ球除去剤がシクロホスファミドを含む場合、シクロホスファミドは、100または約100 mg/m2~500または約500 mg/m2、例えば、200もしくは約200 mg/m2~400もしくは約400 mg/m2、または250もしくは約250 mg/m2~350もしくは約350 mg/m2の用量(両端の値を含む)で対象に投与される。いくつかの場合において、対象に約300 mg/m2のシクロホスファミドが投与される。いくつかの態様において、シクロホスファミドは、単回用量で投与され得るか、または複数回の用量で投与され得る、例えば毎日、1日おき、もしくは3日毎に投与され得る。いくつかの態様において、シクロホスファミドは、例えば1~5日間、例えば3~5日間にわたって、毎日、投与される。いくつかの場合において、細胞療法の開始前に約300 mg/m2のシクロホスファミドが3日間にわたって毎日、対象に投与される。
【0563】
いくつかの態様において、リンパ球除去剤がフルダラビンを含む場合、フルダラビンは、1または約1 mg/m2~100または約100 mg/m2、例えば、10もしくは約10 mg/m2~75もしくは約75 mg/m2、15もしくは約15 mg/m2~50もしくは約50 mg/m2、20もしくは約20 mg/m2~40もしくは約40 mg/m2、または24もしくは約24 mg/m2~35もしくは約35 mg/m2の用量(両端の値を含む)で対象に投与される。いくつかの場合において、約30 mg/m2のフルダラビンが対象に投与される。いくつかの態様において、フルダラビンは、単回用量で投与され得るか、または複数回の用量で投与され得る、例えば、毎日、1日おき、もしくは3日毎に投与され得る。いくつかの態様において、フルダラビンは、例えば1~5日間、例えば3~5日間にわたって、毎日、投与される。いくつかの場合において、細胞療法の開始前に約30 mg/m2のフルダラビンが3日間にわたって毎日、対象に投与される。
【0564】
いくつかの態様において、リンパ球除去剤は、剤の組合せ、例えばシクロホスファミドとフルダラビンの組合せを含む。したがって、剤の組合せは、任意の用量または投与スケジュール、例えば前記のもののシクロホスファミドと、任意の用量または投与スケジュール、例えば前記のもののフルダラビンを含み得る。例えば、いくつかの局面において、初回用量または後続用量の前に、60 mg/kg(約2 g/m2)のシクロホスファミドと3~5回用量の25 mg/m2のフルダラビンが対象に投与される。
【0565】
当該細胞の投与後、いくつかの態様における操作された細胞集団の生物学的活性が、例えば、いくつかの公知の方法のいずれかによって測定される。評価するパラメータとしては、例えば画像診断によるインビボまたは例えばELISAもしくはフローサイトメトリーによるエキソビボでの、操作されたT細胞もしくは天然のT細胞または他の免疫細胞の抗原に対する特異的結合が挙げられる。特定の態様において、操作された細胞が標的細胞を破壊する能力は、例えば、Kochenderfer et al., J.Immunotherapy, 32(7):689-702(2009)およびHerman et al.J.Immunological Methods, 285(1):25-40(2004)に記載の細胞毒性アッセイなどのいずれかの適切な公知の方法を用いて測定され得る。特定の態様において、細胞の生物学的活性は、1つまたは複数のサイトカイン(例えば、CD107a、IFNγ、IL-2、およびTNF)の発現および/または分泌をアッセイすることにより測定される。いくつかの局面において、生物学的活性は、臨床転帰、例えば腫瘍負荷または腫瘍細胞量の低減を評価することにより測定される。
【0566】
特定の態様において、操作された細胞は、任意の数の方法で、その治療有効性または予防有効性が高まるようにさらに修飾される。例えば、当該集団によって発現される操作されたCARまたはTCRは、直接またはリンカーを介して間接的のいずれかで標的指向部分にコンジュゲートされ得る。化合物、例えばCARまたはTCRを標的指向部分にコンジュゲートさせる実務は公知である。例えば、Wadwa et al., J.Drug Targeting 3:1 1 1(1995)および米国特許5,087,616を参照のこと。
【0567】
いくつかの態様において、ある用量の細胞が、提供される方法に従って、および/または提供される製造物品もしくは組成物で、対象に投与される。いくつかの態様において、用量のサイズまたはタイミングは、対象の具体的な疾患または病態の関数として決定される。いくつかの場合において、提供される説明に鑑みた具体的な疾患のための用量のサイズまたはタイミングは経験的に決定され得る。
【0568】
いくつかの態様において、当該用量の細胞は、2×105または約2×105個/kg~2×106または約2×106個/kg、例えば4×105もしくは約4×105個/kg~1×106もしくは約1×106個/kg、または6×105もしくは約6×105個/kg~8×105もしくは約8×105個/kgの細胞を含む。いくつかの態様において、当該用量の細胞は、対象の体重1キログラムあたり2×105個(個/kg)以下の細胞(例えば、抗原提示細胞、例えばCAR発現細胞)、例えば3×105もしくは約3×105個/kg以下の細胞、4×105もしくは約4×105個/kg以下の細胞、5×105もしくは約5×105個/kg以下の細胞、6×105もしくは約6×105個/kg以下の細胞、7×105もしくは約7×105個/kg以下の細胞、8×105もしくは約8×105個/kg以下の細胞、9×105もしくは約9×105個/kg以下の細胞、1×106もしくは約1×106個/kg以下の細胞、または2×106もしくは約2×106個/kg以下の細胞を含む。いくつかの態様において、当該用量の細胞は、対象の体重1キログラムあたり少なくとも2×105または少なくとも約2×105または2×105または約2×105個(個/kg)の細胞(例えば、抗原提示細胞、例えばCAR発現細胞)、例えば少なくとも3×105もしくは少なくとも約3×105もしくは3×105もしくは約3×105個/kgの細胞、少なくとも4×105もしくは少なくとも約4×105もしくは4×105もしくは約4×105個/kgの細胞、少なくとも5×105もしくは少なくとも約5×105もしくは5×105もしくは約5×105個/kgの細胞、少なくとも6×105もしくは少なくとも約6×105もしくは6×105もしくは約6×105個/kgの細胞、少なくとも7×105もしくは少なくとも約7×105もしくは7×105もしくは約7×105個/kgの細胞、少なくとも8×105もしくは少なくとも約8×105もしくは8×105もしくは約8×105個/kgの細胞、少なくとも9×105もしくは少なくとも約9×105もしくは9×105もしくは約9×105個/kgの細胞、少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106もしくは1×106もしくは約1×106個/kgの細胞、または少なくとも2×106もしくは少なくとも約2×106もしくは2×106もしくは約2×106個/kgの細胞を含む。
【0569】
特定の態様において、細胞または個々のサブタイプの細胞集団は、約100万~約1000億個の範囲の細胞および/または体重1キログラムあたり前記量の細胞、例えば、100万~約500億個(例えば、約500万個、約2500万個、約5億個、約10億個、約50億個、約200億個、約300億個、約400億個、あるいは前述の値のいずれか2つによって規定される範囲)の細胞、例えば約1000万~約1000億個(例えば、約2000万個、約3000万個、約4000万個、約6000万個、約7000万個、約8000万個、約9000万個、約100億個、約250億個、約500億個、約750億個、約900億個、あるいは前述の値のいずれか2つによって規定される範囲)の細胞、ならびにいくつかの場合において、約1億個~約500億個(例えば、約1億2000万個、約2億5000万個、約3億5000万個、約4億5000万個、約6億5000万個、約8億個、約9億個、約30億個、約300億個、約450億個)の細胞、あるいはこれらの範囲の間のいずれかの値、および/または体重1キログラムあたり前記値の細胞で、対象に投与される。投与量は、疾患もしくは障害および/または患者および/または他の処置に特定の属性に応じて異なり得る。
【0570】
いくつかの態様において、当該用量の細胞は、細胞用量が対象の体表面積もしくは体重に関係しない、または対象の体表面積もしくは体重を基準にしないような、一律用量の細胞または固定用量の細胞である。
【0571】
いくつかの態様において、当該用量の遺伝子操作された細胞は、1×105もしくは約1×105~5×108もしくは約5×108個の全CAR発現T細胞、1×105~2.5×108個の全CAR発現T細胞、1×105~1×108個の全CAR発現T細胞、1×105~5×107個の全CAR発現T細胞、1×105~2.5×107個の全CAR発現T細胞、1×105~1×107個の全CAR発現T細胞、1×105~5×106個の全CAR発現T細胞、1×105~2.5×106個の全CAR発現T細胞、1×105~1×106個の全CAR発現T細胞、1×106~5×108個の全CAR発現T細胞、1×106~2.5×108個の全CAR発現T細胞、1×106~1×108個の全CAR発現T細胞、1×106~5×107個の全CAR発現T細胞、1×106~2.5×107個の全CAR発現T細胞、1×106~1×107個の全CAR発現T細胞、1×106~5×106個の全CAR発現T細胞、1×106~2.5×106個の全CAR発現T細胞、2.5×106~5×108個の全CAR発現T細胞、2.5×106~2.5×108個の全CAR発現T細胞、2.5×106~1×108個の全CAR発現T細胞、2.5×106~5×107個の全CAR発現T細胞、2.5×106~2.5×107個の全CAR発現T細胞、2.5×106~1×107個の全CAR発現T細胞、2.5×106~5×106個の全CAR発現T細胞、5×106~5×108個の全CAR発現T細胞、5×106~2.5×108個の全CAR発現T細胞、5×106~1×108個の全CAR発現T細胞、5×106~5×107個の全CAR発現T細胞、5×106~2.5×107個の全CAR発現T細胞、5×106~1×107個の全CAR発現T細胞、1×107~5×108個の全CAR発現T細胞、1×107~2.5×108個の全CAR発現T細胞、1×107~1×108個の全CAR発現T細胞、1×107~5×107個の全CAR発現T細胞、1×107~2.5×107個の全CAR発現T細胞、2.5×107~5×108個の全CAR発現T細胞、2.5×107~2.5×108個の全CAR発現T細胞、2.5×107~1×108個の全CAR発現T細胞、2.5×107~5×107個の全CAR発現T細胞、5×107~5×108個の全CAR発現T細胞、5×107~2.5×108個の全CAR発現T細胞、5×107~1×108個の全CAR発現T細胞、1×108~5×108個の全CAR発現T細胞、1×108~2.5×108個の全CAR発現T細胞、または2.5×108~5×108個の全CAR発現T細胞を含む。
【0572】
いくつかの態様において、例えば対象がヒトである場合、用量は、約1×108未満の全組換え受容体(例えばCAR)発現細胞、T細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)、例えば約1×106~1×108の範囲のかかる細胞、例えば2×106、5×106、1×107、5×107、もしくは1×108のかかる細胞もしくはかかる全細胞、または前記値のいずれか2つの間の範囲のかかる細胞を含む。いくつかの態様において、対象がヒトである場合、用量は、約1×106~3×108の全組換え受容体(例えばCAR)発現細胞、例えば約1×107~2×108の範囲のかかる細胞、例えば1×107、5×107、1×108もしくは1.5×108のかかる全細胞、または前記値のいずれか2つの間の範囲のかかる細胞を含む。いくつかの態様において、患者は複数回用量を投与され、それぞれの用量または総用量は、前記値のいずれかの範囲内であり得る。いくつかの態様において、細胞の用量は、それぞれ両端の値を含む、1×105~5×108もしくは約1×105~約5×108の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、1×105~1×108もしくは約1×105~約1×108の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、5×105~1×107もしくは約5×105~約1×107の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、または1×106~1×107もしくは約1×106~約1×107の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞の投与を含む。
【0573】
いくつかの態様において、用量のT細胞は、CD4+T細胞、CD8+T細胞、またはCD4+およびCD8+T細胞を含む。
【0574】
いくつかの態様において、例えば対象がヒトである場合、CD4+およびCD8+T細胞を含む用量を含む、用量のCD8+T細胞は、約1×106~1×108の全組換え受容体(例えばCAR)発現CD8+細胞、例えば約5×106~1×108の範囲のかかる細胞、例えば1×107、2.5×107、5×107、7.5×107、もしくは1×108のかかる全細胞、または前記の値のいずれか2つの間の範囲のかかる細胞を含む。いくつかの態様において、患者は複数回用量を投与され、それぞれの用量または総用量は、前記値のいずれかの範囲内であり得る。いくつかの態様において、細胞の用量は、それぞれ両端の値を含む、1×107~0.75×108または約1×107~約0.75×108の全組換え受容体発現CD8+T細胞、1×107~2.5×107または約1×107~約2.5×107の全組換え受容体発現CD8+T細胞、1×107~0.75×108または約1×107~約0.75×108の全組換え受容体発現CD8+T細胞の投与を含む。いくつかの態様において、細胞の用量は、1×107もしくは約1×107、2.5×107もしくは約2.5×107、5×107もしくは約5×107、7.5×107もしくは約7.5×107、または1×108もしくは約1×108の全組換え受容体発現CD8+T細胞の投与を含む。
【0575】
いくつかの態様において、例えば対象がヒトである場合、CD4+およびCD8+T細胞を含む用量を含む、用量のCD4+T細胞は、約1×106~1×108の全組換え受容体(例えばCAR)発現CD4+細胞、例えば約5×106~1×108の範囲のかかる細胞、例えば1×107、2.5×107、5×107、7.5×107、もしくは1×108のかかる全細胞、または前記の値のいずれか2つの間の範囲のかかる細胞を含む。いくつかの態様において、患者は複数回用量を投与され、それぞれの用量または総用量は、前記値のいずれかの範囲内であり得る。いくつかの態様において、細胞の用量は、それぞれ両端の値を含む、1×107~0.75×108または約1×107~約0.75×108の全組換え受容体発現CD4+T細胞、1×107~2.5×107または約1×107~約2.5×107の全組換え受容体発現CD4+T細胞、1×107~0.75×108または約1×107~約0.75×108の全組換え受容体発現CD4+T細胞の投与を含む。いくつかの態様において、細胞の用量は、1×107もしくは約1×107、2.5×107もしくは約2.5×107、5×107もしくは約5×107、7.5×107もしくは約7.5×107、または1×108もしくは約1×108の全組換え受容体発現CD4+T細胞の投与を含む。
【0576】
いくつかの態様において、当該用量の細胞(例えば組換え受容体発現T細胞)は、対象に単回用量として投与されるか、または2週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、もしくはそれより長い期間内に1回だけ投与される。
【0577】
養子細胞療法の文脈において、所与の「用量」の投与は、所与の量もしくは数の細胞の単一の組成物としての投与および/または単一の中断されない投与、例えば単回の注射もしくは連続輸注を包含し、また、複数の個々の組成物または輸注で提供される所与の量または数の細胞の分割用量としての、または複数の組成物としての指定された期間(例えば3日以下)にわたる投与も包含する。したがって、いくつかの状況において、当該用量は、単一の時間点に施行または開始される指定された数の細胞の単回投与または連続投与である。しかしながら、いくつかの状況において、当該用量は、3日以下の期間にわたる、複数回注射もしくは複数回輸注(例えば、1日1回を3日間もしくは2日間)で、または1日間にわたる複数回輸注によって投与される。
【0578】
したがって、いくつかの局面において、当該用量の細胞は単一の薬学的組成物で投与される。いくつかの態様において、当該用量の細胞は、合わせて該用量の細胞を含む複数の組成物で投与される。
【0579】
いくつかの態様において、用語「分割用量」は、1日より長くにわたって投与されるように分割された用量を示す。この型の投与は本方法に包含され、単回用量であるとみなす。
【0580】
したがって、当該用量の細胞は、分割用量、例えば経時的に投与される分割用量として投与され得る。例えば、いくつかの態様において、当該用量は対象に2日間にわたって、または3日間にわたって投与され得る。分割投与のための例示的な方法は、当該用量の25%を初日に投与し、当該用量の残りの75%を2日目に投与することを含む。他の態様において、当該用量の33%が初日に投与され得、残りの67%が2日目に投与され得る。いくつかの局面において、当該用量10%が初日に投与され、当該用量の30%が2日目に投与され、当該用量の60%が3日目投与される。いくつかの態様において、分割用量は3日より長くにわたって延長されない。
【0581】
いくつかの態様において、当該用量の細胞は、各々が該用量のうちのいくらかの細胞を含む複数の、例えば第1および第2、任意でそれより多くの組成物または溶液の投与によって投与され得る。いくつかの局面において、各々が異なる集団および/またはサブタイプの細胞を含む該複数の組成物は別々に、または独立して、任意で一定期間内に投与される。例えば、当該集団またはサブタイプの細胞は、それぞれCD8およびCD4T細胞および/またはそれぞれCD8濃縮集団およびCD4濃縮集団を含み得、例えば、CD4および/またはCD8T細胞は各々が個々に、組換え受容体を発現するように遺伝子操作された細胞を含み得る。いくつかの態様において、当該用量の投与は、ある用量のCD8T細胞またはある用量のCD4T細胞を含む第1の組成物の投与と、当該用量のCD4T細胞とCD8T細胞の他方を含む第2の組成物の投与を含む。
【0582】
いくつかの態様において、当該組成物または用量の投与、例えば複数の細胞組成物の投与は、当該細胞組成物の別々の投与を伴う。いくつかの態様において、細胞組成物は、提供される方法、例えばセクションIで説明されるようなものによって作製される別々のアウトプット組成物である。いくつかの局面において、別々の投与は、同時に、または任意の順序で逐次的に行われる。いくつかの態様において、当該用量は第1の組成物と第2の組成物を含み、第1の組成物と第2の組成物は、0~12時間あけて、0~6時間あけて、または0~2時間あけて投与される。いくつかの態様において、第1の組成物の投与の開始と第2の組成物の投与の開始は、2時間以下、1時間以下、もしくは30分以下あけて、15分以下、10分以下、または5分以下あけて行われる。いくつかの態様において、第1の組成物の投与の開始および/または終了と第2の組成物の投与の終了および/または開始は、2時間以下、1時間以下、もしくは30分以下あけて、15分以下、10分以下、または5分以下あけて行われる。
【0583】
いくつかの組成物において、第1の組成物、例えば当該用量の第1の組成物はCD4T細胞を含む。いくつかの組成物において、第1の組成物、例えば当該用量の第1の組成物はCD8T細胞を含む。いくつかの態様において、第1の組成物は第2の組成物の前に投与される。
【0584】
いくつかの態様において、当該用量または組成の細胞は、規定の比もしくは目標の比の、組換え受容体を発現するCD4T細胞と組換え受容体を発現するCD8T細胞、および/または規定の比もしくは目標の比のCD4T細胞とCD8T細胞を含み、当該比は任意で約1:1であるか、または約1:3~約3:1であり、例えば約1:1である。いくつかの局面において、目標の比または所望の比(例えば、CD4:CD8比またはCARCD4:CARCD8比、例えば1:1)の異なる細胞集団を有する組成物または用量の投与は、当該集団の一方を含む細胞組成物の投与、次いで、当該集団の他方を含む別個の細胞組成物の投与を伴い、ここで、当該投与は、目標の比もしくは所望の比または概ね目標の比もしくは所望の比での投与である。いくつかの局面において、規定の比でのある用量または組成の細胞の投与により、T細胞療法の拡大増殖、持続性、および/または抗腫瘍活性の改善がもたらされる。
【0585】
いくつかの態様において、対象は、反復用量、例えば、2回以上の用量または複数回の後続用量での該細胞の投与を受ける。いくつかの態様において、2回用量が対象に投与される。いくつかの態様において、対象は後続用量の投与を受け、例えば、2回目の用量が初回用量の約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18, 19、20または21日後に投与される。いくつかの態様において、初回用量後、後続用量の投与後に追加の用量が投与されるような複数の後続用量が投与される。いくつかの局面において、追加の用量で対象に投与される細胞数が初回用量および/または後続用量と同じか、または同様である。いくつかの態様において、追加の用量は前回用量より多い。
【0586】
いくつかの局面において、初回用量サイズおよび/または後続用量サイズは、1つまたは複数の基準、例えば以前の処置、例えば化学療法に対する対象の奏効、対象の疾病負荷、例えば腫瘍細胞量、腫瘍の大きさ、腫瘍サイズ、または転移の度合、程度もしくは型、病期、および/または対象が中毒性転帰、例えば、CRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍崩壊症候群、神経毒性を発現する可能性もしくは発生率および/または投与される細胞および/または組換え受容体に対する宿主の免疫応答に基づいて決定される。
【0587】
いくつかの局面において、初回用量の投与と後続用量の投与間の時間は約9~約35日、約14~約28日または15~27日である。いくつかの態様において、後続用量の投与は、初回用量の投与後、約14日より後であって約28日より前の時点である。いくつかの局面において、初回用量と後続用量間の時間は約21日である。いくつかの態様において、追加の用量、例えば後続用量は、後続用量の投与後に投与される。いくつかの局面において、追加の後続用量は、前回用量の投与後、少なくとも約14日であって約28日より前に投与される。いくつかの態様において、追加の用量は、前回用量後、約14日より前、例えば、前回用量の4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13日後に投与される。いくつかの態様において、前回用量後、約14日より前に用量の投与は行われず、かつ/または前回用量後、約28日より後に用量の投与は行われない。
【0588】
いくつかの態様において、細胞、例えば組換え受容体発現細胞の該用量は、T細胞の第1の用量およびT細胞の後続用量を含む2回用量(例えば、二重用量)を含み、ここで、第1の用量および第2の用量の一方または両方は、T細胞の分割用量の投与を構成する。
【0589】
いくつかの態様において、細胞の該用量は一般的に、疾病負荷の低減に有効であるのに充分に大きい。
【0590】
いくつかの態様において、細胞は、いくつかの局面において所望の用量または数の細胞あるいは細胞型および/または所望の比の細胞型を含む所望の投与量で投与される。したがって、いくつかの態様における細胞の投与量は、細胞の総数(または体重1kgあたりの数)および個々の集団またはサブタイプの所望の比、例えばCD8に対するCD4の比に基づく。いくつかの態様において、細胞の投与量は、個々の集団内または個々の細胞型の細胞の所望の総数(または体重1kgあたりの数)に基づく。いくつかの態様において、投与量は、個々の集団における全細胞の所望数、所望の比および所望の細胞総数などのそのような特徴の組合せに基づく。
【0591】
いくつかの態様において、集団またはサブタイプの細胞、例えばCD8およびCD4T細胞は、全細胞の所望の用量、例えばT細胞の所望の用量の許容差で、または全細胞の所望の用量、例えばT細胞の所望の用量の許容差の範囲内で投与される。いくつかの局面において、所望の用量は、所望の細胞数または細胞が投与される対象の単位体重あたりの所望の細胞数、例えば細胞/kgである。いくつかの局面において、所望の用量は、最小細胞数もしくは単位体重あたりの最小細胞数または最小細胞数もしくは単位体重あたりの最小細胞数より上である。いくつかの局面において、全細胞のうち、所望の用量で投与される個々の集団または個々のサブタイプは、所望のアウトプット比(例えば、CD8に対するCD4の比)またはほぼ所望のアウトプット比(例えば、CD8に対するCD4の比)、例えば、そのような比の特定の許容差または許容誤差の範囲内で存在させる。
【0592】
いくつかの態様において、細胞は、個々の集団またはサブタイプの細胞の1つまたは複数の所望の用量、例えばCD4T細胞の所望の用量および/またはCD8T細胞の所望の用量で、あるいは個々の集団またはサブタイプの細胞の1つまたは複数の所望の用量、例えばCD4T細胞の所望の用量および/またはCD8T細胞の所望の用量の許容差の範囲内で投与される。いくつかの局面において、所望の用量は、サブタイプもしくは集団の所望の細胞数、または細胞が投与される対象の単位体重あたりのそのような細胞の所望数、例えば細胞/kgである。いくつかの局面において、所望の用量は、集団もしくはサブタイプの最小細胞数または単位体重あたりの集団もしくはサブタイプの最小細胞数あるいは集団もしくはサブタイプの最小細胞数または単位体重あたりの集団もしくはサブタイプの最小細胞数より上である。
【0593】
したがって、いくつかの態様において、投与量は、全細胞の所望の固定用量および所望の比に基づく、および/または個々のサブタイプもしくは亜集団の1つもしくは複数、例えば各々の所望の固定用量に基づく。したがって、いくつかの態様において、投与量は、T細胞の所望の固定用量もしくは所望の最小用量およびCD8T細胞に対するCD4T細胞の所望の比に基づく、および/またはCD4Tおよび/またはCD8T細胞の所望の固定用量もしくは所望の最小用量に基づく。
【0594】
いくつかの態様において、細胞は、複数の細胞集団もしくはサブタイプ、例えばCD4T細胞およびCD8T細胞もしくはサブタイプの所望のアウトプット比で、またはその許容範囲内で投与される。いくつかの局面において、所望の比は特定の比であり得るか、またはある範囲の比であり得る。例えば、いくつかの態様において、所望の比(例えば、CD4T細胞:CD8T細胞の比)は、5:1もしくは約5:1~5:1もしくは約5:1(あるいは約1:5より大きく約5:1より小さい)、または1:3もしくは約1:3~3:1もしくは約3:1(あるいは約1:3より大きく約3:1より小さい)、例えば2:1もしくは約2:1~1:5もしくは約1:5(あるいは約1:5より大きく2:1より小さい)、例えば、5:1、4.5:1、4:1、3.5:1、3:1、2.5:1、2:1、1.9:1、1.8:1、1.7:1、1.6:1、1.5:1、1.4:1、1.3:1、1.2:1、1.1:1、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9:1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、もしくは1:5、または概ねこれらの比である。いくつかの局面において、許容差は、所望の比の約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%の範囲内であり、これらの範囲間のいずれかの値を含む。ある態様において、濃縮されたCD4+T細胞および濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、所望の比で組み合わされており、対象に対して1種類の細胞組成物として投与される。特定の態様において、濃縮されたCD4+T細胞および濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、所望の比での別々の組成物として投与される。
【0595】
特定の態様において、細胞の数および/または濃度は、組換え受容体(例えば、CAR)発現細胞の数を示す。他の態様において、細胞の数および/または濃度は、投与されるすべての細胞、T細胞または末梢血単核球(PBMC)の数または濃度を示す。
【0596】
いくつかの局面において、用量サイズは、1つまたは複数の基準、例えば以前の処置、例えば化学療法に対する対象の奏効、対象の疾病負荷、例えば腫瘍細胞量、腫瘍の大きさ、腫瘍サイズ、または転移の度合、程度もしくは型、病期、および/または対象が中毒性転帰、例えば、CRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍崩壊症候群、神経毒性を発現する可能性もしくは発生率および/または投与される細胞および/または組換え受容体に対する宿主の免疫応答に基づいて決定される。
【0597】
いくつかの態様において、方法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現する細胞および/またはリンパ球除去療法を1回または複数回の追加の用量で適用する工程も含み、かつ/または当該方法の1つまたは複数の工程が繰り返される。いくつかの態様において、当該1つまたは複数の追加の用量は、初期用量と同じである。いくつかの態様において、当該1つまたは複数の追加の用量は、初期用量と異なる、例えば、初期用量より例えば2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、もしくは10倍、またはそれより大幅に多いか、あるいは例えば、初期用量より例えば2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、もしくは10倍、またはそれより大幅に少ない。いくつかの態様において、1回または複数回の追加の用量の投与は、初期の処置もしくはいずれかの以前の処置に対する対象の奏効、対象の疾病負荷、例えば腫瘍細胞量、腫瘍の大きさ、腫瘍サイズ、または転移の度合、程度、もしくは型、病期、および/または対象が中毒性転帰、例えば、CRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍崩壊症候群、神経毒性を発現する可能性もしくは発生率および/または投与される細胞および/または組換え受容体に対する宿主の免疫応答に基づいて決定される。
【0598】
A.奏効、活性、および生存率
いくつかの態様において、例えばセクションIに記載されるような、本明細書で提供される方法によって作製される細胞、例えばアウトプット細胞が対象に投与され、該対象は、奏効、生存率、および/または毒性の徴候もしくは症状についてモニターされる。
【0599】
いくつかの態様において、細胞の組成物、例えばCAR+CD4+およびCD8+T細胞を含む治療用細胞組成物で処置された対象の少なくとも35%、少なくとも40%もしくは少なくとも50%は寛解(CR)を生じ、および/または本発明の方法に従って処置された対象の少なくとも50%、少なくとも60%もしくは少なくとも70%は客観的奏効率(ORR)を達成する。いくつかの態様において、本発明の方法に従って処置された対象の少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、対象の少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、対象の少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、対象の少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または対象の少なくとも90%もしくは少なくとも約90%は、完全寛解(CR)および/または客観的奏効(OR)を達成する。いくつかの態様において、有効な治療について評価される基準は、全奏効率(ORR)、完全奏効(CR)、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、および/または全生存期間(OS)を含む。
【0600】
いくつかの態様において、本明細書において提供する方法に従って処置された対象の少なくとも40%もしくは少なくとも50%が、完全寛解(CR)を達成し、3もしくは約3ヶ月より長い、6もしくは約6ヶ月より長い、12もしくは約12ヶ月より長い、無増悪生存期間(PFS)および/または全生存期間(OS)を示し;平均して、当該方法に従って処置された対象は、6もしくは約6ヶ月より長い、12もしくは約12ヶ月より長い、または18もしくは約18ヶ月より長いPFSまたはOSの中央値を示し;かつ/あるいは対象は、少なくとも6もしくは約6ヶ月、少なくとも12もしくは約12ヶ月、少なくとも18もしくは約18ヶ月間、治療後PFSもしくはOSを示す。
【0601】
いくつかの局面において、対象(例えばNHLを有する対象)の奏効率は、Lugano基準に基づく。(Cheson et al., (2014)JCO 32(27):3059-3067;Johnson et al., (2015)Radiology 2:323-338;Cheson, B.D.(2015)Chin Clin Oncol 4(1):5)。いくつかの局面において、臨床的、血液学的、および/または分子的方法のうちのいずれかが、奏効性の評価に使用される。いくつかの局面において、Lugano基準を用いて評価される奏効性は、適宜、陽電子放出断層撮影(PET)-コンピュータ断層撮影(CT)および/またはCTの使用を伴う。PET-CTでの評価は、FDG集積性リンパ腫に対するフルオロデオキシグルコース(FDG)の使用をさらに含み得る。いくつかの局面において、FDG集積性組織学における奏効性を評価するためにPET-CTが使用される場合、5ポイントスケールが使用され得る。いくつかの点において、5ポイントスケールは、以下の基準:1、バックグラウンドを超える取込みなし;2、取込み≦縦隔;3、取込み>縦隔だが≦肝臓;4、>肝臓の中程度の取込み;5、肝臓より顕著に高い取込みおよび/または新たな病変;X、リンパ腫と関連がなさそうな新たな取込み領域を含む。
【0602】
いくつかの局面において、Lugano基準を用いて示される完全奏効は、種々の測定可能な部位における代謝的完全奏効および放射線学的完全奏効を伴う。いくつかの局面において、このような部位としてはリンパ節およびリンパ外部位が挙げられ、この場合、CRは、PET-CTを使用した場合に残存塊あり、またはなしの5ポイントスケールのスコア1、2または3として示される。いくつかの局面において、高い生理学的取込みを有するか、または脾臓内もしくは髄内における活性化を有する(例えば、化学療法または骨髄コロニー刺激因子を伴う)ワルダイエル咽頭輪またはリンパ節外部位では、取込みは正常な縦隔および/または肝臓より多くなり得る。この状況において、初期浸潤の部位における取込みが正常組織周囲を超えない場合、組織が高い生理学的取込みを有する場合であっても代謝的完全奏効が推断され得る。いくつかの局面において、奏効はリンパ節内においてCTを用いて評価され、この場合、CRは、リンパ外疾患部位なしおよび標的リンパ節/リンパ節腫瘤は病変部の最長横径(LDi)が≦1.5 cmまで退縮しなければならないと示される。さらなる評価部位としては骨髄が挙げられ、この場合、PET-CTベースの評価で、髄内のFDG集積性疾患の形跡がないことが示されるはずであり、CTベースの評価で、正常な形態構造が示されるはずであり、不確定な場合はIHC陰性であるはずである。さらなる部位としては器官肥大の評価が挙げられ得、これは正常まで退縮するはずである。いくつかの局面において、未測定病変部および新たな病変部が評価され、これは、CRの場合、存在しないはずである(Cheson et al., (2014)JCO 32(27):3059-3067;Johnson et al., (2015)Radiology 2:323-338;Cheson, B.D.(2015)Chin Clin Oncol 4(1):5)。
【0603】
いくつかの局面において、Lugano基準を用いて示される部分奏効(PR;いくつかの場合において部分寛解としても知られる)は、種々の測定可能な部位における代謝的および/または放射線学的部分奏効を伴う。いくつかの局面において、このような部位としてはリンパ節およびリンパ外部位が挙げられ、この場合、PRは、PET-CT を使用した場合にベースラインと比べて取込みの低減およびいずれかのサイズの残存塊の縮小を有するスコア4または5として示される。暫定的には、そのような所見は奏効性の疾患を示し得る。処置の終了時、そのような所見は残存病変を示し得る。いくつかの局面において、奏効は、リンパ節においてCTを用いて評価され、この場合、PRは、最大6つの測定可能な標的リンパ節およびリンパ節外部位のSPDの≧50%の減少として示される。病変部が小さすぎてCTで測定できない場合、5 mm×5 mmがデフォルト値として割り当てられ;病変部がもはや視認可能でない場合、この値は0 mm×0 mmであり;>5 mm×5 mmだが正常より小さいリンパ節では、実際の測定値が計算に使用される。さらなる評価部位としては骨髄が挙げられ、この場合、PET-CTベースの評価で、正常な髄内への取込みより高いがベースラインと比べて低い残存取込み(許容される化学療法による反応性変化と同等の広汎性の取込み)が示されるはずである。いくつかの局面において、リンパ節奏効の状況で髄内における持続的病巣変化がみられる場合、MRIもしくは生検でのさらなる評価、またはインターバルスキャンを考慮すべきである。いくつかの局面において、さらなる部位は器官肥大の評価を含み得、この場合、脾臓は長さが正常を超えて>50%退縮していなければならない。いくつかの局面において、未測定病変部および新たな病変部が評価され、これは、PRの場合、存在しないはず/正常であるはず、退縮しており増大がないはずである。また、奏効なし/安定(SD)または進行性疾患(PD)を、PET-CTおよび/またはCTベースの評価を用いて測定してもよい。(Cheson et al., (2014)JCO 32(27):3059-3067;Johnson et al., (2015)Radiology 2:323-338;Cheson, B.D.(2015)Chin Clin Oncol 4(1):5)。
【0604】
いくつかの点において、無増悪生存期間(PFS)は、疾患(例えばがん)の処置中および処置後において対象が、当該疾患を有するが悪化することなく生きている時間の長さとして示される。いくつかの局面において、客観的奏効(OR)は測定可能な奏効として示される。いくつかの局面において、客観的奏効率(ORR)は、CRまたはPRを達成した患者の割合として示される。いくつかの局面において、全生存期間(OS)は、疾患(例えばがん)の診断日または処置開始のいずれかからの、当該疾患と診断された対象がなお生存している時間の長さとして示される。いくつかの局面において、無事象生存期間(EFS)は、予防または遅延が意図されたものであったがんの処置が終了した後、対象が、特定の合併症または事象がないままである時間の長さとして示される。このような事象としては、がんのぶり返しもしくは特定の症状、例えば骨に拡散したがんによる骨痛の発生、または死亡が挙げられ得る。
【0605】
いくつかの態様において、奏効持続期間(DOR)の測定は、腫瘍奏効の文書化から疾患進行までの時間を含む。いくつかの態様において、奏効性を評価するためのパラメータとしては、持続的奏効、例えば、治療開始から一定期間後、持続している奏効が挙げられ得る。いくつかの態様において、持続的奏効は、治療開始後、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18または24ヶ月目の奏効率によって示される。いくつかの態様において、奏効は3ヶ月超もしくは6ヶ月超にわたって持続的である。
【0606】
いくつかの局面において、RECIST基準が腫瘍の客観的奏効を調べるために;いくつかの局面において、充実性腫瘍に使用される。(Eisenhauer et al., European Journal of Cancer 45(2009)228-247)。いくつかの局面において、RECIST基準は、標的病変部の腫瘍の客観的奏効を調べるために使用される。いくつかの点において、RECIST基準を用いて調べられる完全奏効は、すべての標的病変部の消失として示され、いずれかの病的リンパ節(標的であれ非標的であれ)は、<10 mmまでの短軸の縮小を有していなければならない。他の局面において、RECIST基準を用いて調べられる部分奏効は、ベースラインの直径の和を基準にして標的病変部の直径の和の少なくとも30%の減少として示される。他の局面において、進行性疾患(PD)は、試験時の最小の和を基準にして(これは、ベースライン時の和が試験時の最小の和である場合を含む)、標的病変部の直径の和の少なくとも20%の増大として示される。20%という相対的増大に加えて、和はまた、少なくとも5 mmという絶対的増大も示していなければならない(いくつかの局面において、1つまたは複数の新たな病変部の出現もまた進行とみなされる)。他の局面において、安定(SD)は、試験時の直径の最小和を基準にして、PRであるとするのに充分な縮小もPDであるとするのに充分な増大もなしと示される。
【0607】
疾病負荷には、対象における、または対象の器官、組織もしくは体液中、例えば腫瘍がある器官もしくは組織中あるいは例えば転移が示され得る別の箇所における罹病細胞の総数が包含され得る。例えば、腫瘍細胞は、特定の造血器悪性腫瘍の状況では血中または骨髄中において検出および/または定量され得る。疾病負荷としては、いくつかの態様において、腫瘍質量、転移の数もしくは程度および/または骨髄中に存在する芽細胞の割合(%)が挙げられ得る。
【0608】
いくつかの態様において、対象は白血病を有する。疾病負荷の程度は、血中または骨髄中における残存白血病の評価によって測定され得る。
【0609】
いくつかの局面において、対象、例えばCLLを有する対象の奏効率は、慢性リンパ球性白血病に関する国際ワークショップ(IWCLL)の奏効基準に基づく(Hallek, et al., Blood 2008, Jun 15;111(12):5446-5456)。いくつかの局面において、このような基準は以下のとおりに示される:完全寛解(CR;いくつかの場合において完全奏効としても知られる)、これは、いくつかの局面において、免疫表現型解析による末梢血クローンリンパ球の非存在、リンパ節腫大の非存在、肝肥大または脾肥大の非存在、全身症状の非存在および満足な血球数が必要とされる;髄回復が不完全な完全寛解(CRi)、これは、いくつかの局面において、正常な血球数を有しない前記のCRとして示される;部分寛解(PR;いくつかの場合において部分奏効としても知られる)、これは、いくつかの局面において、リンパ球数の≧50%減少、リンパ節腫大の≧50%縮小または肝臓もしくは脾臓の≧50%縮小とともに末梢血球数の改善を有すると示される;進行性疾患(PD)、これは、いくつかの局面において、>5×109/Lまでのリンパ球数の≧50%の上昇、リンパ節腫大の≧50%の増大、肝臓もしくは脾臓の大きさの≧50%の増大、リヒター形質転換、またはCLLによる新たな血球減少として示される;ならびに安定、これは、いくつかの局面において、CR、CRi、PRまたはPDの基準を満たさないと示される。
【0610】
いくつかの態様において、対象は、当該用量の細胞の投与の1ヶ月以内に、対象のリンパ節の大きさが20 mm未満もしくは約20 mm未満、大きさが10 mm未満もしくは約10 mm未満、または大きさが10 mm未満もしくは約10 mm未満となる場合、CRまたはORを示す。
【0611】
いくつかの態様において、CLLの指標クローンは、対象の骨髄中(または該方法に従って処置された対象の50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、またはそれより多くの骨髄中)に検出されない。いくつかの態様において、CLLの指標クローンは、IgHディープシーケンシングによって評価される。いくつかの態様において、指標クローンは、細胞の投与後、1ヶ月目もしくは約1ヶ月目または少なくとも1ヶ月目もしくは少なくとも約1ヶ月目、2ヶ月目もしくは約2ヶ月目または少なくとも2ヶ月目もしくは少なくとも約2ヶ月目、3ヶ月目もしくは約3ヶ月目または少なくとも3ヶ月目もしくは少なくとも約3ヶ月目、4ヶ月目もしくは約4ヶ月目または少なくとも4ヶ月目もしくは少なくとも約4ヶ月目、5ヶ月目もしくは約5ヶ月目または少なくとも5ヶ月目もしくは少なくとも約5ヶ月目、6ヶ月目もしくは約6ヶ月目または少なくとも6ヶ月目もしくは少なくとも約6ヶ月目、12ヶ月目もしくは約12ヶ月目または少なくとも12ヶ月目もしくは少なくとも約12ヶ月目、18ヶ月目もしくは約18ヶ月目または少なくとも18ヶ月目もしくは少なくとも約18ヶ月目、あるいは24ヶ月目もしくは約24ヶ月目または少なくとも24ヶ月目もしくは少なくとも約24ヶ月目の時点で検出されない。
【0612】
いくつかの態様において、例えば光学顕微鏡検査により検出して、骨髄中に5%以上の芽細胞、例えば骨髄中に10%以上の芽細胞、骨髄中に20%以上の芽細胞、骨髄中に30%以上の芽細胞、骨髄中に40%以上の芽細胞、または骨髄中に50%以上の芽細胞がみられる場合、対象は形態学的疾患を示す。いくつかの態様において、骨髄中にみられる芽細胞が5%未満である場合、対象は完全寛解または臨床的寛解を示す。
【0613】
いくつかの態様において、対象は白血病を有する。疾病負荷の程度は、血中または骨髄中における残存白血病の評価によって測定され得る。
【0614】
いくつかの態様において、例えば光学顕微鏡検査により検出して、骨髄中に5%以上の芽細胞、例えば骨髄中に10%以上の芽細胞、骨髄中に20%以上の芽細胞、骨髄中に30%以上の芽細胞、骨髄中に40%以上の芽細胞、または骨髄中に50%以上の芽細胞がみられる場合、対象は形態学的疾患を示す。いくつかの態様において、骨髄中にみられる芽細胞が5%未満である場合、対象は完全寛解または臨床的寛解を示す。
【0615】
いくつかの態様において、対象は完全寛解を示し得るが、少量割合の形態学的に検出不可能な(光学顕微鏡検査手法によって)残存白血病性細胞が存在する。対象は、当該対象が骨髄中に5%未満の芽細胞を示し、分子的に検出可能ながんを示す場合、最小残存病変(MRD)を示すと言える。いくつかの態様において、分子的に検出可能ながんは、少数細胞の感度のよい検出を可能にするさまざまな分子的手法のいずれかを用いて評価され得る。いくつかの局面において、そのような手法としては、特有のIg/T細胞受容体の遺伝子再編成または染色体転座によって生じる融合転写物を測定することができるPCRアッセイが挙げられる。いくつかの態様において、フローサイトメトリーは、白血病特異的免疫表現型に基づいてがん細胞を特定するために使用され得る。いくつかの態様において、がんの分子的検出により、100,000個の正常細胞の中のわずか1個の白血病細胞を検出することができる。いくつかの態様において、対象は、例えばPCRまたはフローサイトメトリーによって100,000個の細胞の中の少なくとも1個または1個より多い白血病細胞が検出される場合、分子的に検出可能なMRDを示す。いくつかの態様において、対象の疾病負荷は、いくつかの場合では該対象においてPCRまたはフローサイトメトリー手法を用いて白血病細胞を検出することができないような分子的に検出不可能なMRDまたはMRD-である。
【0616】
いくつかの態様において、白血病、例えばCLLの指標クローンは対象の骨髄中(または該方法に従って処置された対象の50%超、60%、70%、80%、90%またはそれより多くの骨髄中に検出されない。いくつかの態様において、白血病、例えばCLLの指標クローンはIGHディープシーケンシングによって評価される。いくつかの態様において、指標クローンは、細胞の投与後1ヶ月もしくは約1ヶ月あるいは少なくとも1ヶ月もしくは少なくとも約1ヶ月、2、3、4、5、6、12、18または24ヶ月目である時点で検出されない。
【0617】
いくつかの局面において、MRDはフローサイトメトリーによって検出される。フローサイトメトリーは、骨髄試料および末梢血試料をがん細胞についてモニタリングするために使用され得る。特定の局面において、フローサイトメトリーは、骨髄中のがん細胞の存在を検出またはモニタリングするために使用される。いくつかの局面において、フローサイトメトリーによるマルチパラメータ免疫学的検出が、がん細胞を検出するために使用される(例えば、Coustan-Smith et al., (1998)Lancet 351:550-554を参照)。いくつかの局面において、マスサイトメトリーによるマルチパラメータ免疫学的検出が、がん細胞を検出するために使用される。いくつかの例では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45または50種類のパラメータが、がん細胞を検出するために使用され得る。検出に使用される抗原は、検出されるがんに基づいて選択される(Foon and Todd(1986)Blood 68:1-31)。
【0618】
いくつかの態様において、本明細書で提供される方法によって作製される細胞の用量または組成物を投与することは、代替的プロセスによって生成された細胞を使用する同等の方法で観察される減少と比較して、疾患または病態の負荷、例えば腫瘍細胞の数、腫瘍のサイズ、患者の生存期間または無イベント生存期間をより大きな程度におよび/またはより長い期間にわたって減少させる。いくつかの態様において、対象における疾患または病態の負荷が検出、評価、または測定される。疾患負荷は、いくつかの局面において、対象中の、または対象の器官、組織もしくは体液、例えば血液もしくは血清中の疾患細胞または疾患関連細胞、例えば腫瘍細胞の総数を検出することによって検出され得る。いくつかの局面において、対象の生存、ある一定期間内の生存、生存の程度、無イベントもしくは無症状生存の存在もしくは持続期間、または無再発生存が評価される。いくつかの態様において、疾患または病態の任意の症状が評価される。いくつかの態様において、疾患または病態の負荷の程度が特定される。
【0619】
いくつかの態様において、対象の無イベント生存率または全生存率は、提供される方法、例えばセクションIに記載される方法から作製される細胞を投与することによって、代替的方法によって生成される細胞と比較して改善される。例えば、いくつかの態様において、投与の6ヶ月後の、本発明の方法によって処置された対象の無イベント生存率または確率は、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、または約95%超である。いくつかの局面において、全生存率は、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、または約95%超である。いくつかの態様において、提供される方法によって作製された細胞で処置された対象は、少なくとも6ヶ月まで、または少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、もしくは少なくとも10年までの無イベント生存、無再発生存、または生存を示す。いくつかの態様において、進行までの時間が改善され、例えば進行までの時間は、6ヶ月超もしくは約6ヶ月超、または少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、もしくは少なくとも10年である。
【0620】
いくつかの態様において、本発明の方法による処置後、再発の可能性は、他の方法、例えば対象が代替的方法によって作製された細胞を含む細胞療法を受ける方法と比較して低減される。例えば、いくつかの態様において、最初の投与後6ヶ月での再発の可能性は、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、または約10%未満である。
【0621】
B.毒性
一部の特定の態様において、例えばセクションIに記載されるような本明細書で提供される方法によって作製される細胞、例えばアウトプット細胞が対象に投与され、該対象は、毒性の徴候または症状についてモニターされる。
【0622】
一部の特定の態様において、提供される方法によって作製される細胞、例えばアウトプット細胞の用量または組成物は、例えば代替的プロセスによって作製されるCAR+T細胞組成物などの代替的細胞療法の投与と比較して、毒性、毒性の転帰または症状、毒性促進プロフィール、因子または特性、例えばサイトカイン放出症候群(CRS)または神経毒性に関連するまたはそれを示す症状または転帰のより低い割合および/またはより低い程度をもたらす。
【0623】
いくつかの態様において、提供される方法によって作製される細胞を投与することは、毒性もしくは毒性の転帰の高い割合もしくは可能性をもたらさないか、または、例えば他の特定の細胞療法および/もしくは代替的方法によって作製される細胞と比較して、神経毒性(NT)、サイトカイン放出症候群(CRS)などの毒性もしくは毒性の転帰の割合または可能性を低減する。いくつかの態様において、提供される方法によって作製される細胞、例えばアウトプット細胞を投与することは、重度のNT(sNT)、重度のCRS(sCRS)、マクロファージ活性化症候群、腫瘍溶解症候群、3日間またはそれより多い日数にわたる少なくとも38℃または約38℃の発熱、および少なくとも20mg/dLまたは約20mg/dLのCRPの血漿レベルをもたらすか、またはそのリスクを増大させない。いくつかの態様において、提供される方法に従って処置された対象の30%超もしくは約30%超、35%超もしくは約35%超、40%超もしくは約40%超、50%超もしくは約50%超、55%超もしくは約55%超、60%超もしくは約60%超、またはそれより多くは、いずれのグレードのCRSもいずれのグレードの神経毒性も示さない。いくつかの態様において、処置された対象の50%より多く(例えば処置された対象の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれより多く)は、グレード2より高いサイトカイン放出症候群(CRS)および/またはグレード2より高い神経毒性を示さない。いくつかの態様において、当該方法に従って処置された対象の少なくとも50%(例えば処置された対象の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれより多く)は重度の中毒性転帰(例えば、重度のCRSまたは重度の神経毒性)を示さず、例えばグレード3以上の神経毒性を示さず、かつ/または重度のCRSを示さない、あるいは処置後の一定期間内、例えば細胞投与の1週間以内、2週間以内、または1ヶ月以内に示さない。いくつかの態様において、特定の毒性を調べるために評価されるパラメータとしては、有害事象(AE)、用量制限毒性(DLT)、CRSおよびNTが挙げられる。
【0624】
養子T細胞療法の適用、例えばキメラ抗原受容体を発現するT細胞での処置により、毒性効果または中毒性転帰、例えばサイトカイン放出症候群および神経毒性が誘導される場合があり得る。いくつかの例では、そのような効果または転帰は、観測された毒性の原因であり得る高レベルの循環サイトカインと並行する。
【0625】
いくつかの局面において、中毒性転帰はサイトカイン放出症候群(CRS)もしくは重度のCRS(sCRS)であるか、またはサイトカイン放出症候群(CRS)もしくは重度のCRS(sCRS)と関連するか、またはサイトカイン放出症候群(CRS)もしくは重度のCRS(sCRS)を示す。CRS、例えばsCRSは、いくつかの場合において、養子T細胞療法後および対象への他の生物学的製造物の投与後に起こり得る。Davila et al., Sci Transl Med 6, 224ra25(2014);Brentjens et al., Sci.Transl.Med.5, 177ra38(2013);Grupp et al., N.Engl.J.Med.368, 1509-1518(2013);およびKochenderfer et al., Blood 119, 2709-2720(2012);Xu et al., Cancer Letters 343(2014)172-78を参照のこと。
【0626】
典型的には、CRSは、例えばT細胞、B細胞、NK細胞、単球および/またはマクロファージによって媒介される過度な全身性免疫応答によって引き起こされる。そのような細胞は、大量の炎症性メディエータ、例えばサイトカインおよびケモカインを放出し得る。サイトカインは、急性炎症性応答を誘発し得る、および/または微小血管漏出、心不全もしくは死亡をもたらし得る内皮器官損傷を誘導し得る。命にかかわる重度のCRSは、肺浸潤および肺傷害、腎不全または播種性血管内凝固症候群に至る場合があり得る。他の命にかかわる重度の毒性としては、心毒性、呼吸困難、神経毒性および/または肝毒性が挙げられ得る。
【0627】
CRSは、抗炎症治療薬、例えば抗IL-6療法薬、例えば抗IL-6抗体、例えばトシリズマブ、または記載の抗生物質もしくは他の作用物質を用いて処置され得る。CRSの転帰、徴候および症状は公知であり、本明細書に記載のものが挙げられる。いくつかの態様において、特定の投与レジメンまたは投与が所与のCRS関連転帰をもたらすか、またはもたらさない場合、徴候または症状、特定の転帰、徴候ならびに症状および/またはその四分位数もしくは度合が指定され得る。
【0628】
CAR発現細胞を投与する状況では、CRSは典型的には、CARを発現する細胞の輸注の6~20日後に起こる。Xu et al., Cancer Letters 343(2014)172-78を参照のこと。いくつかの場合において、CRSは、CAR T細胞輸注後6日より前、または20日を過ぎてから起こる。CRSの発生およびタイミングは、輸注の際のベースライン時のサイトカインレベルまたは腫瘍負荷と関連し得る。一般的に、CRSは、インターフェロン(IFN)-γ、腫瘍壊死因子(TNF)-αおよび/またはインターロイキン(IL)-2の高値の血清レベルを伴う。CRSにおいて急速に誘導され得る他のサイトカインはIL-1β、IL-6、IL-8およびIL-10である。
【0629】
CRSと関連する例示的な転帰としては、熱、硬直、悪寒、低血圧、呼吸困難、急性呼吸困難 症候群(ARDS)、脳障害、ALT/AST上昇、腎不全、心臓の障害、低酸素症、神経系の障害および死亡が挙げられる。神経系の合併症としては、せん妄、発作様活性、錯乱、換語困難、失語および/または鈍麻になることが挙げられる。他のCRS関連転帰としては、疲労感、悪心、頭痛、発作、頻脈、筋肉痛、発疹、急性血管漏出症候群、肝臓機能障害および腎不全が挙げられる。いくつかの局面において、CRSは、1つもしくは複数の因子、例えば血清フェリチン、d-ダイマー、アミノトランスフェラーゼ、乳酸脱水素酵素およびトリグリセリドの増加と、または低フィブリノゲン血症もしくは肝脾肥大と関連する。
【0630】
どの患者がsCRSの発現リスクの可能性が高いかを予測するための、CRSの発現と相関すると思われるCRS基準が開発されている(Davilla et al.Science translational medicine.2014;6(224):224ra25参照)。要因としては、熱、低酸素症、低血圧、神経系の変化、高値の血清レベルの炎症性サイトカイン、例えば、処置誘導性上昇が処置前の腫瘍負荷とsCRS症状の両方とよく相関し得る7種類のサイトカインの組(IFNγ、IL-5、IL-6、IL-10、Flt-3L、フラクタルカインおよびGM-CSF)が挙げられる。CRSの診断およびマネージメントに関する他のガイドラインは公知である(例えば、Lee et al, Blood.2014;124(2):188-95参照)。いくつかの態様において、CRSグレードを反映する基準は、以下の表2に詳述したものである。
【0631】
(表2)CRSの例示的なグレード分類基準
【0632】
いくつかの態様において、対象は、投与後、当該対象が:(1)少なくとも3日間の少なくとも摂氏38度の熱;(2)(a)以下の7種類のサイトカインの群:インターフェロンガンマ(IFNγ)、GM-CSF、IL-6、IL-10、Flt-3L、フラクタルカインおよびIL-5のうちの少なくとも2種類について投与直後のレベルと比べて少なくとも75の最大変化倍数および/または(b)以下の7種類のサイトカインの群:インターフェロンガンマ(IFNγ)、GM-CSF、IL-6、IL-10、Flt-3L、フラクタルカインおよびIL-5のうちの少なくとも1種類について投与直後のレベルと比べて少なくとも250の最大変化倍数;ならびに(c)毒性の少なくとも1つの臨床徴候、例えば低血圧(少なくとも1種類の静脈内血管作用性昇圧薬が必要とされる)または低酸素症(PO2<90%)または1つもしくは複数の神経系の障害(例えば、精神状態の変化、鈍麻、および/または発作)のいずれかを含むサイトカイン上昇を示すならば、細胞療法の適用もしくはその細胞用量に応答した、または細胞療法の適用もしくはその細胞用量に副次的な「重度のCRS」(“sCRS”)を発現するとみなされる。いくつかの態様において、重度のCRSは、例えば表2に示す、グレード3以上のCRSを含む。
【0633】
いくつかの態様において、重度のCRSまたはグレード3以上の、例えばグレード4以上のCRSと関連する転帰は、持続性の熱、例えば、2日間もしくはそれより長い、例えば3日間もしくはそれより長い、例えば4日間もしくはそれより長い、または少なくとも3日間連続の指定された温度、例えば、摂氏38度超もしくは摂氏約38度超の熱;摂氏38度超もしくは摂氏約38度超の熱;例えば、少なくとも2種類のサイトカイン(例えばインターフェロンガンマ(IFNγ)、GM-CSF、IL-6、IL-10、Flt-3L、フラクタルカインおよびIL-5、および/または腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)からなる群のうちの少なくとも2種類)の処置前レベルと比べて少なくとも75もしくは少なくとも約75の最大変化倍数、あるいは、例えば、そのようなサイトカインの少なくとも1種類の少なくとも250もしくは少なくとも約250の最大変化倍数などのサイトカイン上昇;および/または毒性の少なくとも1つの臨床徴候、例えば低血圧(例えば、少なくとも1種類の静脈内血管作用性昇圧薬による測定時);低酸素症(例えば、90%未満もしくは約90%未満の血漿酸素(PO2)レベル);および/または1つもしくは複数の神経系の障害(例えば、精神状態の変化、鈍麻および発作)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、重度のCRSは、マネージメントまたは集中治療室(ICU)での治療を必要とするCRSを含む。
【0634】
いくつかの態様において、CRS、例えば重度のCRSは、(1)持続性の熱(少なくとも3日間の少なくとも摂氏38度の熱)と(2)少なくとも20 mg/dLまたは少なくとも約20 mg/dLの血清CRPレベルの組合せを包含している。いくつかの態様において、CRSは、2種類またはそれより多くの昇圧剤の使用を必要とする低血圧または機械的人工呼吸を必要とする呼吸不全を包含している。いくつかの態様において、昇圧剤の投与量を2回目の投与または後続投与で増大させる。
【0635】
いくつかの態様において、重度のCRSまたはグレード3のCRSは、アラニンアミノトランスフェラーゼの増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの増加、悪寒、発熱性好中球減少症、頭痛、左心室機能障害、脳障害、水頭および/または振戦を包含している。
【0636】
これらの種々の転帰を測定または検出する方法は指定され得る。
【0637】
いくつかの局面において、中毒性転帰は神経毒性であるか、または神経毒性と関連する。いくつかの態様において、神経毒性の臨床的リスクと関連する症状としては、錯乱、せん妄、失語、表出性失語、鈍麻、ミオクローヌス、無気力、精神状態の変化、痙攣、発作様活性、発作(任意で脳波図[EEG]によって確認される)、ベータアミロイド(Aβ)レベルの上昇、グルタミン酸レベルの上昇、および酸素ラジカルレベルの上昇が挙げられる。いくつかの態様において、神経毒性は重症度に基づいて評点付けされる(例えば、グレード1~5のスケールを用いて(例えば、Guido Cavaletti & Paola Marmiroli Nature Reviews Neurology 6, 657-666(2010年12月);米国立がん研究所の共通毒性規準バージョン4.03(NCI-CTCAE v4.03参照)。
【0638】
いくつかの場合において、神経症状はsCRSの最も早期の症状であり得る。いくつかの態様において、神経症状は、細胞療法輸注の5~7日後にみられ始める。いくつかの態様において、神経系の変化の持続期間は3~19日の範囲であり得る。いくつかの場合において、神経系の変化の回復は、sCRSの他の症状が消退した後に起こる。いくつかの態様において、神経系の変化の消退の時期または度合は、抗IL-6および/またはステロイド(1種類もしくは複数種)での処置によって早まらない。
【0639】
いくつかの態様において、対象は、投与後、当該対象が:1)末梢運動神経障害の症状、例えば、末梢運動神経の炎症または変性;2)末梢感覚神経障害の症状、例えば、末梢感覚神経の炎症または変性、異常感覚、例えば異常な感覚および不快な感覚をもたらす知覚の誤認識、神経痛、例えば神経または神経群に沿った激しい有痛感覚、および/または錯感覚、例えば、刺激がないのにチクチクする異常な皮膚感覚、しびれ感、圧覚、冷覚および温覚をもたらす感覚神経細胞の機能障害の中の身辺動作(例えば、入浴、服の着脱、食事、排泄行為、服薬)が制限される症状を示すならば、細胞療法の適用もしくはその細胞用量に応答した、または細胞療法の適用もしくはその細胞用量に副次的な「重度の神経毒性」を発現するとみなされる。いくつかの態様において、重度の神経毒性は、例えば表3に示す、グレード3以上の神経毒性を含む。
【0640】
(表3)神経毒性の例示的なグレード分類基準
【0641】
いくつかの態様において、方法により、CRSまたは神経毒性と関連する症状が他の方法と比べて低減される。いくつかの局面において、提供される方法により、CRSと関連する症状、転帰または因子、例えば、重度のCRSまたはグレード3以上のCRSと関連する症状、転帰または因子が他の方法と比べて低減される。例えば、本方法に従って処置された対象は、CRS、例えば重度のCRSまたはグレード3以上のCRS、例えば記載の、例えば表2に示すいずれかの症状、転帰または因子が検出可能でない対象であり得る、および/または該症状、転帰または因子が少ない対象であり得る。いくつかの態様において、本方法に従って処置された対象は、神経毒性の症状、例えば肢部脱力またはしびれ感、記憶力、視力および/または知力の低下、制御不能な強迫観念行動および/または強迫行為行動、妄想、頭痛、認知上および行動上の問題、例えば、運動制御の低下、認知力低下および自律神経系機能不全、ならびに性的機能不全が他の方法によって処置された対象と比べて少ない対象であり得る。いくつかの態様において、本方法に従って処置された対象は、末梢運動神経障害、末梢感覚神経障害、ジセテジア(dysethesia)、神経痛または錯感覚と関連する症状が少ない対象であり得る。
【0642】
いくつかの態様において、提供される方法によって産生される細胞の投与は、神経毒性と関連する転帰、例えば、神経系および/または脳の損傷、例えば神経細胞の死滅を低減する。いくつかの局面において、方法により、神経毒性と関連する因子、例えばベータアミロイド(Aβ)、グルタミン酸および酸素ラジカルのレベルが低減される。
【0643】
いくつかの態様において、毒性を処置するための1つまたは複数の介入または作用物質(例えば毒性ターゲティング療法)は、例えば前述の態様のいずれかにより測定されて、対象が稽留熱を示すと判断もしくは確認された時点またはその直後(例えば、最初に判断もしくは確認された時点またはその直後)に適用される。いくつかの態様において、当該1つまたは複数の毒性ターゲティング療法は、そのような確認または判断の一定期間内、例えば30分、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、または8時間以内に適用される。
【0644】
IV.製品
また、セクションIに記載される方法などの本明細書で提供される方法によって作製される組換え受容体を発現する操作された細胞、および/またはセクションI‐Fに記載される細胞のアウトプット組成物、ならびに任意で使用のための説明書、例えばセクションIIIに記載される方法などによって操作された細胞を対象に投与するための説明書を含む製品およびキットも提供される。
【0645】
いくつかの態様において、本明細書に記載の操作された細胞のいずれかの治療有効量を含有する組成物、および疾患または病態を処置するために対象に投与するための説明書を含む製品および/またはキットが本明細書で提供される。いくつかの態様において、説明書は、本明細書で提供される細胞を投与するための方法の要素のいくつかまたはすべてを指定することができる。いくつかの態様において、説明書は、細胞療法のための細胞の投与のための詳細な指示、例えば投与のための用量、タイミング、対象の選択および/または同定ならびに投与のための条件を指定する。いくつかの態様において、製品および/またはキットは、リンパ球除去療法のための剤をさらに含み、任意でリンパ球除去療法を投与するための説明書をさらに含む。いくつかの態様において、説明書は、投与のための組成物に付随するラベルまたは添付文書として含まれ得る。
【0646】
いくつかの態様において、製品は、組換え受容体を発現する濃縮CD4+T細胞の組成物を含む容器、任意でバイアルを有し得る。いくつかの態様において、製品またはキットは、任意で、組換え受容体を発現する濃縮CD8+T細胞の組成物を含む第2の容器、任意で第2のバイアルを含む。いくつかの態様において、凍結保護剤が細胞とともに含まれる。いくつかの局面において、容器はバイアルまたはバッグである。いくつかの態様において、容器は、濃縮CD4+およびCD8+T細胞の組成物を含む。
【0647】
いくつかの態様において、容器内の濃縮CD4+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む。一部の特定の態様において、容器の組成物は、組換え受容体を発現する、および/または組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされた、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む。一部の特定の態様において、容器内の濃縮CD4+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD8+T細胞を含む、および/またはCD8+T細胞を含まない、および/またはCD8+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0648】
いくつかの態様において、容器内の濃縮CD8+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。特定の態様において、容器を有する組成物は、組換え受容体を発現する、および/または組換えポリヌクレオチドで形質導入またはトランスフェクトされた、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞を含む。一部の特定の態様において、対象に投与される濃縮CD8+T細胞のアウトプット組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD4+T細胞を含む、および/またはCD4+T細胞を含まない、および/またはCD4+T細胞不含であるかもしくは実質的に不含である。
【0649】
いくつかの態様において、説明書は、投与されるべき細胞用量を指定する。例えば、いくつかの態様において、説明書が指定する用量としては、約1×106~約3×108個の全組換え受容体(例えば、CAR)発現細胞、例えば、約1×107~約2×108個の範囲の当該細胞、例えば1×107、5×107、1×108、もしくは1.5×108個の当該全細胞、または前述の値のいずれか2つの間の範囲が挙げられる。いくつかの態様において、患者は反復用量を投与され、当該用量の各々または総用量は、前記の値のいずれかの範囲内であり得る。
【0650】
いくつかの態様において、容器(例えばバイアル)は、10×106または約10×106個より多くの、15×106または約15×106個より多くの、25×106または約25×106個より多くのT細胞または組換え受容体発現T細胞を含む。いくつかの局面において、バイアルは、約1000万個/ml~約7000万個/ml、約1000万個/ml~約5000万個/ml、約1000万個/ml~約2500万個/ml、約1000万個/ml~約1500万個/ml、1500万個/ml~約7000万個/ml、約1500万個/ml~約5000万個/ml、約1500万個/ml~約2500万個/ml、約2500万個/ml~約7000万個/ml、約2500万個/ml~約5000万個/ml、および約5000万個/ml~約7000万個/mlの細胞を含む。
【0651】
いくつかの態様において、投与のための指定された該複数のバイアルまたは該複数の細胞もしくは単位用量の細胞は合わせて、1×105~5×108個の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、または約1×105~約5×108個の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、1×105~1×108個の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、または約1×105~約1×108個の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、5×105~1×107個の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、または約5×105~約1×107個の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、あるいは、1×106~1×107個の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、または約1×106~1×107個の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞を含む、ある用量の細胞を含み、各々は両端の値を含む。いくつかの局面において、当該物品は、1つまたは複数の単位用量のCD4T細胞およびCD8T細胞またはCD4受容体T細胞およびCD8受容体T細胞を備え、ここで、当該単位用量は、1×107もしくは約1×107~2×108もしくは約2×108個の組換え受容体発現T細胞、5×107もしくは約5×107~1.5×108もしくは約1.5×108個の組換え受容体発現T細胞、5×107もしくは約5×107個の組換え受容体発現T細胞、1×108もしくは約1×108個の組換え受容体発現T細胞、または1.5×108もしくは約1.5×108個の組換え受容体発現T細胞を含み、ここで任意で、当該物品の該情報には、1つもしくは複数の単位用量および/またはそのような1つもしくは複数の単位用量に相当する体積の投与が指定されている。いくつかの場合において、当該物品は1つまたは複数の単位用量のCD8T細胞を備え、当該用量が、5×106もしくは約5×106~1×108もしくは約1×108個の組換え受容体発現CD8T細胞を含むか、当該用量が、1×107もしくは約1×107~0.75×108もしくは約0.75×108個の組換え受容体発現CD8T細胞を含むか、当該用量が、2.5×107もしくは約2.5×107個の組換え受容体発現CD8T細胞を含むか、または該用量が、5×107もしくは約5×107個の組換え受容体発現CD8T細胞を含むか、または該用量が、0.75×108もしくは約0.75×108個の組換え受容体発現CD8T細胞を含み、ここで任意で、当該物品の該情報には、1つもしくは複数の単位用量および/またはそのような1つもしくは複数の単位用量に相当する体積の投与が指定されている。いくつかの態様において、当該物品内の細胞が、合わせて、1×108個以下の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、1×107個以下の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、0.5×107個以下の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、1×106個以下の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞、0.5×106個以下の全組換え受容体発現T細胞もしくは全T細胞を含む、ある用量の細胞を含む。
【0652】
いくつかの態様において、説明書に、投与の投与レジメンおよびタイミングが指定され得る。例えば、いくつかの態様において、説明書に、当該対象に反復用量、例えば、2回またはそれより多くの用量の細胞を投与することが指定され得る。いくつかの態様において、説明書に、反復用量のタイミング、例えば、第2の用量は第1の用量の約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18, 19、20もしくは21日後に投与されること;および/または各用量の投与量の量が指定されている。
【0653】
いくつかの態様において、製品またはキットは、組換え受容体を発現する濃縮CD4+T細胞の組成物、ならびに疾患または病態を有する対象に、濃縮CD4+T細胞の組成物の全部または一部を投与するため、および組換え受容体を発現するCD8+T細胞をさらに投与するための説明書を含む。いくつかの態様において、説明書は、CD8+T細胞を投与する前にCD4+T細胞を投与することを指定する。いくつかの場合において、説明書は、CD4+T細胞を投与する前にCD8+T細胞を投与することを指定する。いくつかの態様において、製品またはキットは、組換え受容体を発現する複数のCD8+T細胞、ならびに疾患または病態を有する対象に、組換え受容体を発現する複数のCD8+T細胞およびCD4+T細胞の全部または一部を投与するための説明書を含む。いくつかの態様において、説明書は、細胞の投与の投薬レジメンおよびタイミングを指定する。
【0654】
いくつかの局面において、説明書は、CD4+T細胞の全部または一部およびCD8+T細胞の全部または一部を0~12時間間隔、0~6時間間隔または0~2時間間隔で投与することを指定する。いくつかの場合において、説明書は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を2時間以内、1時間以内、30分以内、15分以内、10分以内、または5分以内の間隔で投与することを指定する。
【0655】
いくつかの態様において、説明書は、細胞の用量もしくは数または細胞型(1つもしくは複数)および/もしくは細胞型の比率、例えばCD4+対CD8+比などの個々の集団もしくはサブタイプを指定する。いくつかの態様において、CD8およびCD4T細胞などの細胞の集団またはサブタイプ。例えば、いくつかの態様において、説明書は、細胞が、5:1もしくは約5:1~5:1もしくは約5:1(または約1:5超~約5:1未満)、または1:3もしくは約1:3~3:1もしくは約3:1(または約1:3超~約3:1未満)、例えば2:1もしくは約2:1~1:5もしくは約1:5(または約1:5超~約2:1未満、例えば5:1もしくは約5:1、4.5:1もしくは約4.5:1、4:1もしくは約4:1、3.5:1もしくは約3.5:1、3:1もしくは約3:1、2.5:1もしくは約2.5:1、2:1もしくは約2:1、1.9:1もしくは約1.9:1、1.8:1もしくは約1.8:1、1.7:1もしくは約1.7:1、1.6:1もしくは約1.6:1、1.5:1もしくは約1.5:1、1.4:1もしくは約1.4:1、1.3:1もしくは約1.3:1、1.2:1もしくは約1.2:1、1.1:1もしくは約1.1:1、1:1もしくは約1:1、1:1.1もしくは約1:1.1、1:1.2もしくは約1:1.2、1:1.3もしくは約1:1.3、1:1.4もしくは約1:1.4、1:1.5もしくは約1:1.5、1:1.6もしくは約1:1.6、1:1.7もしくは約1:1.7、1:1.8もしくは約1:1.8、1:1.9:1:2もしくは約1:1.9:1:2、1:2.5もしくは約1:2.5、1:3もしくは約1:3、1:3.5もしくは約1:3.5、1:4もしくは約1:4、1:4.5もしくは約1:4.5、または1:5もしくは約1:5の、CD4+およびCD8+T細胞またはサブタイプなどの複数の細胞集団またはサブタイプのアウトプット比の許容範囲でまたは許容範囲内で投与されることを指定する。一部の特定の態様において、説明書は、濃縮CD4+T細胞および濃縮CD8+T細胞の組成物が所望の比率で組み合わされ、単一細胞組成物として対象に投与されることを指定する。特定の態様において、説明書は、濃縮CD4+T細胞および濃縮CD8+T細胞の組成物が、所望の比率で別個の組成物として投与されることを指定する。いくつかの局面において、許容差は、所望の比率の約1%以内、約2%以内、約3%以内、約4%以内、約5%以内、約10%以内、約15%以内、約20%以内、約25%以内、約30%以内、約35%以内、約40%以内、約45%以内、約50%以内であり、これらの範囲の間の任意の値を含む。
【0656】
V. 定義
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを示すために互換的に使用され、最小限の長さに限定はない。ポリペプチド、例えば提供される受容体および他のポリペプチド、例えばリンカーまたはペプチドは、天然および/または非天然のアミノ酸残基を含むアミノ酸残基を含み得る。この用語は、ポリペプチドの発現後修飾、例えばグリコシル化、シアリル化、アセチル化およびリン酸化もまた包含している。いくつかの局面において、ポリペプチドは、そのタンパク質が所望の活性を維持している限り、天然状態の配列または天然の配列に対する修飾を含み得る。このような修飾は、部位特異的変異誘発によるような意図的なものであってもよく、例えばPCR増幅によるタンパク質またはエラーをもたらす宿主の変異による偶発的なものであってもよい。
【0657】
本明細書において使用する場合、「対象」は哺乳動物、例えばヒトまたは他の動物であり、典型的にはヒトである。いくつかの態様において、作用物質(1つもしくは複数)、細胞、細胞集団または組成物が投与される対象、例えば患者は哺乳動物、典型的には霊長類、例えばヒトである。いくつかの態様において、霊長類はサルまたは類人猿である。対象は男性/雄または女性/雌であり得、任意の適切な年齢、例えば幼児/幼獣、年少、青年期、成人/成獣および老齢期の対象であり得る。いくつかの態様において、対象は非霊長類哺乳動物、例えば齧歯類である。
【0658】
本明細書において使用する場合、「処置」(およびその文法的語尾変化形、例えば「処置する」または「処置すること」)は、疾患もしくは病態もしくは障害または症状、有害効果もしくは転帰またはこれらに関連する表現型の完全軽快もしくは一部軽快または低減を示す。望ましい処置効果としては、限定するわけではないが、疾患の発生または再発の予防、症状の緩和、疾患のいずれかの直接または間接的な病理学的帰結の減衰、転移の予防、疾患進行の減速、疾患状態の軽快または待期、および寛解または予後の改善が挙げられる。この用語は、疾患の完全な治癒あるいはいずれかの症状またはすべての症状もしくは転帰に対する効果(1つもしくは複数)の完全な消去を示唆するものではない。
【0659】
本明細書において使用する場合、「疾患の発病を遅延させる」とは、疾患(例えば、がん)の発病を延ばす、妨害する、遅滞させる、遅らせる、安定させる、抑制する、および/または延期することを意味する。この遅延は、処置対象の疾患および/または個体の病歴に応じていろいろな長さの時間であり得る。いくつかの態様において、充分または有意な遅延には、事実上、個体が疾患を発病しないという点で予防が包含され得る。例えば、末期がん、例えば転移の発生が遅延され得る。
【0660】
「予防する」とは、本明細書において使用する場合、疾患に対して素因があるかもしれないが、まだ該疾患と診断されていない対象において、疾患の発生または再発に関して予防をもたらすことを包含している。いくつかの態様において、提供される細胞および組成物は、疾患の発病を遅延させるため、または疾患の進行を遅滞させるために使用される。
【0661】
本明細書において使用する場合、機能または活性を「抑制する」とは、関心対象の条件もしくはパラメータ以外、その他は同じ条件と比べた場合、または代替的に、別の条件と比べて該機能または活性を低下させることである。例えば、腫瘍の成長を抑制する細胞は、腫瘍の成長速度を、該細胞の非存在下での腫瘍の成長速度と比べて低下させる。
【0662】
投与の状況における作用物質、例えば薬学的製剤、細胞または組成物の「有効な量」は、必要な投与量/量および期間で、所望の結果、例えば治療結果または予防結果が得られるのに有効な量を示す。
【0663】
作用物質、例えば薬学的製剤または細胞の「治療上有効な量」は、必要な投与量および期間で、例えば疾患、病態、もしくは障害の処置および/または処置の薬物動態的もしくは薬力学的効果のための所望の治療結果が得られるのに有効な量を示す。治療上有効な量は、対象の疾患状態、年齢、性別および体重ならびに投与される細胞集団などの要素に応じて異なり得る。いくつかの態様において、提供される方法は、細胞および/または組成物を有効な量、例えば治療上有効な量で投与することを伴う。
【0664】
「予防上有効な量」は、必要な投与量および期間で、所望の予防結果が得られるのに有効な量を示す。典型的には、必ずしもそうではないが、予防用量は疾患前または疾患の初期の対象に使用されるため、予防上有効な量は治療上有効な量より少ない。低腫瘍負荷の状況では、いくつかの局面における予防上有効な量は治療上有効な量より高い。
【0665】
用語「約」は、本明細書において使用する場合、この技術分野における当業者には容易に理解されるそれぞれの値についての通常の誤差範囲を示す。「約」を伴って値またはパラメータが本明細書において示される場合、その値またはパラメータそのものに向けられる態様が含まれる(記載される)。
【0666】
本明細書において使用する場合、単数形である「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈がそうではないことを明確に示す場合を除き、複数形の言及物を包含する。例えば、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。
【0667】
本開示の全体を通して、請求項に記載されている主題のさまざまな局面が範囲形式で示される。範囲形式での記載は単に便宜および簡潔性のためであり、請求項に記載されている主題の範囲に関して柔軟性のない限定として解釈してはならないことを理解しなければならない。したがって、範囲の記載は、可能な部分範囲、同様にまた、その範囲に含まれる個々の数値をすべて具体的に開示しているとみなされなければならない。例えば、値の範囲が与えられる場合、その範囲の上限と、下限との間におけるそれぞれの中間の値、およびその指定された範囲における任意の他の指定された値または中間の値が、請求項に記載されている主題の範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限がこれらのより小さい範囲に独立して含まれてもよく、これらもまた、指定された範囲における任意の具体的に除外された限界点に従うことを条件にして、請求項に記載されている主題の範囲内に包含される。指定された範囲が限界点の一方または両方を含む場合、そのような含まれる限界点のどちらかまたは両方を除外する範囲もまた、請求項に記載されている主題の範囲内に含まれる。このことは、範囲の広さにかかわらず、当てはまる。
【0668】
本明細書において使用する場合、組成物は、細胞を含めて、2つ以上の製造物、物質または化合物の混合物をどのようなものであっても示す。組成物は、溶液、懸濁物、液体、粉末、ペースト、水性、非水性、またはそれらの任意の組合せであり得る。
【0669】
本明細書において使用する場合、「濃縮する」とは、1つまたは複数の特定の細胞型または細胞集団に言及している場合、細胞型または細胞集団の数または割合(%)を、例えば、組成物中の細胞総数もしくは容量と比べて、または他の細胞型と比べて、例えば該集団もしくは細胞により発現されるマーカーに基づいた陽性選択によって、または枯渇させる該細胞集団もしくは細胞上に存在するマーカーがないことに基づいた陰性選択によって増大させることを示す。この用語は、組成物からの他の細胞、細胞型または集団の完全な除去を必要とするものではなく、そのように濃縮された細胞が、濃縮された組成物中に100%またはさらにはほぼ100%で存在することを必要とするものではない。
【0670】
本明細書において使用する場合、細胞または細胞の集団が特定のマーカーについて「陽性」であると述べられることは、特定のマーカー(典型的には表面マーカー)が細胞表面または細胞において検出可能に存在していることを示す。表面マーカーが言及されるとき、この用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体を用いて染色し、前記抗体を検出することによって検出されるような表面発現の存在を示し、この場合、染色が、イソタイプの一致する対照または蛍光数-1の(FMO)ゲーティングコントロールを、それ以外の点では同一の条件のもとで用いる、同じ手順を行って検出される染色を実質的に超えるレベルでフローサイトメトリーによって検出可能であり、かつ/またはマーカーについて陽性であることが知られている細胞についてのレベルと実質的に類似するレベルであり、かつ/またはマーカーについて陰性であることが知られている細胞についてのレベルよりも実質的に高いレベルである。
【0671】
本明細書において使用する場合、細胞または細胞の集団が特定のマーカーについて「陰性」であると述べられることは、特定のマーカー(典型的には表面マーカー)が細胞表面または細胞において実質的に検出可能に存在していることが認められないことを示す。表面マーカーが言及されるとき、この用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体を用いて染色し、前記抗体を検出することによって検出されるような表面発現の非存在を示し、この場合、染色が、イソタイプの一致する対照または蛍光数-1の(FMO)ゲーティングコントロールを、それ以外の点では同一の条件のもとで用いる、同じ手順を行って検出される染色を実質的に超えるレベルでフローサイトメトリーによって検出されず、かつ/またはマーカーについて陽性であることが知られている細胞についてのレベルよりも実質的に低いレベルであり、かつ/またはマーカーについて陰性であることが知られている細胞についてのレベルと比較して実質的に類似するレベルである。
【0672】
用語「ベクター」は、本明細書において使用する場合、連結される別の核酸を増やすことができる核酸分子を示す。この用語には、自己複製する核酸構造物としてのベクター、同様にまた、導入されている宿主細胞のゲノムに組み込まれるベクターが含まれる。ある種のベクターは、機能的に連結される核酸の発現を導くことができる。そのようなベクターは本明細書において「発現ベクター」として示される。
【0673】
VI.例示的態様
以下の態様が提供される:
1.
操作された細胞の組成物を作製するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬、および(ii)少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+初代ヒトT細胞が濃縮されたT細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程;ならびに
(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程。
2.
インプット組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
態様1記載の方法。
3.
組換えIL-2の濃度が、10IU/mL~200IU/mL、または約10IU/mL~約200IU/mLである、態様1または態様2記載の方法。
4.
1つまたは複数のサイトカインがIL-7および/またはIL-15をさらに含み、
任意でIL-7の濃度が100IU/mL~1000IU/mLもしくは約100IU/mL~約1000IU/mLである、および/またはIL-15の濃度が1IU/mL~50IU/mLもしくは約1IU/mL~約50IU/mLである、態様1~3のいずれかに記載の方法。
5.
インキュベートする工程が、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で行われる、態様1~4のいずれかに記載の方法。
6.
操作された細胞の組成物を作製するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)CD4+およびCD8+初代ヒトT細胞の一方または両方が濃縮されたT細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程、ここで、該インキュベートする工程は、
(1)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬、および(ii)1つもしくは複数のサイトカインの存在を含む1つもしくは複数の刺激条件下で;ならびに/あるいは
(2)1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で
行われる;ならびに
(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程。
7.
インプット組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞を含む;ならびに/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞からなる、
態様6記載の方法。
8.
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15から選択される、態様6または態様7記載の方法。
9.
組換えIL-2の濃度が10IU/mL~200IU/mLもしくは約10IU/mL~約200IU/mLである;
組換えIL-7の濃度が100IU/mL~1000IU/mLもしくは約100IU/mL~約1000IU/mLである;および/または
組換えIL-15の濃度が1IU/mL~25IU/mLもしくは約1IU/mL~約25IU/mLである、
態様8記載の方法。
10.
インプット組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
態様6記載の方法。
11.
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および組換えIL-15から選択される、態様6または態様10記載の方法。
12.
インプット組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD8+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD8+初代ヒトT細胞からなる、
態様6記載の方法。
13.
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2および組換えIL-15から選択される、態様6または態様12記載の方法。
14.
刺激試薬が、TCR複合体のメンバーに特異的に結合する、任意でCD3に特異的に結合する一次剤を含む、態様1~13のいずれかに記載の方法。
15.
刺激試薬が、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次剤をさらに含み、任意で、該共刺激分子がCD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSから選択される、態様14記載の方法。
16.
一次および/または二次剤が抗体を含み、任意で、刺激試薬が抗CD3抗体および抗CD28抗体、またはその抗原結合断片とのインキュベーションを含む、態様14または態様15記載の方法。
17.
一次剤および/または二次剤が固体支持体の表面上に存在する、態様14~16のいずれかに記載の方法。
18.
固体支持体がビーズであるか、またはビーズを含む、態様17記載の方法。
19.
ビーズが、3.5μmを超えるかまたは約3.5μmを超えるが、約9μm以下または約8μm以下または約7μm以下または約6μm以下または約5μm以下の直径を含む、態様18記載の方法。
20.
ビーズが、4.5μmまたは約4.5μmの直径を含む、態様18または態様19記載の方法。
21.
ビーズが不活性である、態様18~20のいずれかに記載の方法。
22.
ビーズがポリスチレン表面であるか、またはポリスチレン表面を含む、態様18~21のいずれかに記載の方法。
23.
ビーズが磁性または超常磁性である、態様18~22のいずれかに記載の方法。
24.
ビーズ対細胞の比が3:1未満である、態様18~23のいずれかに記載の方法。
25.
ビーズ対細胞の比が2:1~0.5:1、または約2:1~約0.5:1である、態様18~24のいずれかに記載の方法。
26.
ビーズ対細胞の比が1:1または約1:1である、態様18~25のいずれかに記載の方法。
27.
1つまたは複数の抗酸化剤が硫黄含有抗酸化剤を含む、態様5~26のいずれかに記載の方法。
28.
1つまたは複数の抗酸化剤がグルタチオン前駆体を含む、態様5~27のいずれかに記載の方法。
29.
1つまたは複数の抗酸化剤がN-アセチルシステイン(NAC)を含み、任意で、該NACが0.2mg/mL~2.0mg/mL、または約0.2mg/mL~約2.0mg/mLの濃度である、態様5~28のいずれかに記載の方法。
30.
導入する工程が、刺激された組成物の細胞に、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むウイルスベクターで形質導入することを含む、態様1~29のいずれかに記載の方法。
31.
ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである、態様30記載の方法。
32.
ウイルスベクターがレンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターである、態様30または態様31記載の方法。
33.
導入する工程が形質導入アジュバントの存在下で行われる、態様30~32のいずれかに記載の方法。
34.
形質導入アジュバントが、硫酸プロタミン、任意で1μg/ml~50μg/mlもしくは約1μg/ml~約50μg/mlの硫酸プロタミン、フィブロネクチン由来の形質導入アジュバント、および/またはRetroNectinであるか、あるいはそれを含む、態様33記載の方法。
35.
導入する工程が、刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターでトランスフェクトすることを含む、態様1~34のいずれかに記載の方法。
36.
ベクターがトランスポゾンであり、任意でSleeping Beauty(SB)トランスポゾンまたはPiggybacトランスポゾンである、態様35記載の方法。
37.
操作された細胞の増殖または拡大を促進する条件下で該操作された組成物を培養する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含むアウトプット組成物を作製する、工程
をさらに含む、態様1~36のいずれかに記載の方法。
38.
培養する工程が1つまたは複数のサイトカインの存在下で行われ、少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、態様37記載の方法。
39.
刺激試薬が、培養する工程の前に操作された組成物から除去される、態様37または態様38記載の方法。
40.
刺激剤が、インキュベートする工程の開始後7日以内または7日未満に除去される、態様39記載の方法。
41.
刺激試薬が、インキュベートする工程の開始から3日~6日後または約3日~約6日後に除去される、態様39または態様40記載の方法。
42.
刺激試薬が、インキュベートする工程の開始から4日後または約4日後に除去される、態様37~41のいずれかに記載の方法。
43.
ビーズを除去することが、操作された組成物の細胞を磁場に曝露することを含む、態様39~42のいずれかに記載の方法。
44.
操作された細胞の組成物を作製するための方法であって、
1つまたは複数のサイトカインの存在下で、組換え受容体で操作された細胞を含むCD4+初代ヒトT細胞を含有する操作された細胞組成物を培養する工程であって、該少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、工程
を含み、
該組成物中の細胞の増殖または拡大をもたらして、操作されたCD4+細胞を含有するアウトプット組成物を作製する、方法。
45.
増殖または拡大が、組換え受容体で操作されたCD4+T細胞の数の2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍、または5倍を超える増加をもたらす、態様44記載の方法。
46.
操作された細胞組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞またはCD4+組換え受容体発現細胞を含む、および/あるいは
操作された細胞組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
態様44または45記載の方法。
47.
組換えIL-2の濃度が、50IU/mL~500IU/mlまたは約50IU/mL~約500IU/mlである、態様44~46のいずれかに記載の方法。
48.
1つまたは複数のサイトカインがIL-7および/またはIL-15をさらに含み、
任意で、IL-7の濃度が500IU/mL~2000IU/mLもしくは約500IU/mL~約2000IU/mLである、および/またはIL-15の濃度が5IU/mL~50IU/mLもしくは約5IU/mL~約50IU/mLである、態様38~47のいずれかに記載の方法。
49.
操作された細胞組成物が、
(a)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬、および(ii)少なくとも1つのサイトカインが組換えヒトIL-2であるかまたは組換えヒトIL-2を含む、1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+初代ヒトT細胞が濃縮された初代T細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程;ならびに
(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程
を含む方法によって作製される、態様44~48のいずれかに記載の方法。
50.
インプット組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
態様49記載の方法。
51.
1つまたは複数のサイトカインが、IL-7および/またはIL-15をさらに含む、態様49または態様50記載の方法。
52.
培養する工程が界面活性剤の存在下で行われる、態様37~51のいずれかに記載の方法。
53.
培養する工程の少なくとも一部が、連続混合および/または灌流を用いて行われる、態様37~52のいずれかに記載の方法。
54.
操作された細胞の組成物を作製するための方法であって、
1つまたは複数のサイトカインの存在下で、組換え受容体で操作された細胞を含むCD4+およびCD8+初代ヒトT細胞の一方または両方を含有する操作された細胞組成物を培養する工程であって、該培養が界面活性剤の存在下で行われ、ならびに/または該培養の少なくとも一部が連続混合および/もしくは灌流を用いて行われる、工程
を含み、
該組成物中の細胞の増殖または拡大をもたらして、操作されたCD4+および/またはCD8+T細胞を含むアウトプット組成物を作製する、方法。
55.
操作された細胞組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞あるいはCD4+および/またはCD8+組換え受容体発現初代T細胞を含む、ならびに/あるいは
操作された細胞組成物が本質的にCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞からなる、
態様48記載の方法。
56.
増殖または拡大が、組換え受容体で操作されたCD4+および/またはCD8+T細胞の数の2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍、または5倍を超える増加をもたらす、態様48記載の方法。
57.
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15から選択される、態様55記載の方法。
58.
組換えIL-2の濃度が50IU/mL~500IU/mLもしくは約50IU/mL~約500IU/mLである;
組換えIL-7の濃度が500IU/mL~2000IU/mLもしくは約500IU/mL~約2000IU/mLである;および/または
組換えIL-15の濃度が5IU/mL~50IU/mLまたは約5IU/mL~約50IU/mLである、
態様56または態様57記載の方法。
59.
操作された細胞組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞またはCD4+かつ組換え受容体発現初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいは
操作された細胞組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
態様54記載の方法。
60.
増殖または拡大が、組換え受容体で操作されたCD8+T細胞の数の2倍もしくは約2倍もしくは少なくとも2倍、3倍もしくは約3倍もしくは少なくとも3倍、4倍もしくは約4倍もしくは少なくとも4倍、5倍もしくは約5倍もしくは少なくとも5倍、または5倍を超える増加をもたらす、態様59記載の方法。
61.
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および組換えIL-15から選択される、態様54または態様55記載の方法。
62.
操作された細胞組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD8+初代ヒトT細胞またはCD8+かつ組換え受容体発現初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいは
操作された細胞組成物が本質的にCD8+初代ヒトT細胞からなる、
態様54記載の方法。
63.
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2および組換えIL-15から選択される、態様54または態様62記載の方法。
64.
界面活性剤がポロキサマーを含み、任意で、該ポロキサマーが0.5μL/mL~5μL/mLまたは約0.5μL/mL~約5μL/mLの濃度で存在する、態様52~63のいずれかに記載の方法。
65.
ポロキサマーがポロキサマー188である、態様64記載の方法。
66.
操作された細胞組成物が、
(a)(i)TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激試薬および(ii)1つまたは複数のサイトカインの存在を含む刺激条件下で、CD4+およびCD8+初代ヒトT細胞の一方または両方が濃縮された初代T細胞を含むインプット組成物をインキュベートする工程であって、それにより、刺激された組成物を生成する、工程;ならびに
(b)該刺激された組成物に組換え受容体を導入する工程であって、それにより、操作されたT細胞を含む操作された組成物を生成する、工程
を含む方法によって作製される、態様54~65のいずれかに記載の方法。
67.
インプット組成物が、70%超もしくは約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞を含む、ならびに/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+および/またはCD8+初代ヒトT細胞からなる、
態様66記載の方法。
68.
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15から選択される、態様66または態様67記載の方法。
69.
インプット組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD4+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD4+初代ヒトT細胞からなる、
態様66記載の方法。
70.
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7および組換えIL-15から選択される、態様66または態様69記載の方法。
71.
インプット組成物が、約70%超、75%超もしくは約75%超、80%超もしくは約80%超、85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、95%超もしくは約95%超、または98%超もしくは約98%超のCD8+初代ヒトT細胞を含む、および/あるいは
インプット組成物が本質的にCD8+初代ヒトT細胞からなる、
態様66記載の方法。
72.
1つまたは複数のサイトカインが、組換えIL-2および組換えIL-15から選択される、態様66または態様71記載の方法。
73.
刺激試薬が、TCR複合体のメンバーに特異的に結合する、任意でCD3に特異的に結合する一次剤を含む、態様49~53および66~72のいずれかに記載の方法。
74.
刺激試薬が、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次剤をさらに含み、任意で、該共刺激分子がCD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSから選択される、態様73記載の方法。
75.
一次および/または二次剤が抗体を含み、任意で、刺激試薬が抗CD3抗体および抗CD28抗体、またはその抗原結合断片とのインキュベーションを含む、態様73または態様74記載の方法。
76.
一次剤および/または二次剤が固体支持体の表面上に存在する、態様73~75のいずれかに記載の方法。
77.
固体支持体がビーズであるか、またはビーズを含む、態様76記載の方法。
78.
ビーズが、3.5μmを超えるかまたは約3.5μmを超えるが、約9μm以下または約8μm以下または約7μm以下または約6μm以下または約5μm以下の直径を含む、態様77記載の方法。
79.
ビーズが、4.5μmまたは約4.5μmの直径を含む、態様77または態様78記載の方法。
80.
ビーズが不活性である、態様77~79のいずれかに記載の方法。
81.
ビーズがポリスチレン表面であるか、またはポリスチレン表面を含む、態様77~80のいずれかに記載の方法。
82.
ビーズが磁性または超常磁性である、態様77~81のいずれかに記載の方法。
83.
ビーズ対細胞の比が3:1未満である、態様77~82のいずれかに記載の方法。
84.
ビーズ対細胞の比が2:1~0.5:1または約2:1~約0.5:1である、態様77~83のいずれかに記載の方法。
85.
ビーズ対細胞の比が1:1または約1:1である、態様77~84のいずれかに記載の方法。
86.
インキュベートする工程が、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で行われる、態様49~53および66~85のいずれかに記載の方法。
87.
1つまたは複数の抗酸化剤が硫黄含有抗酸化剤を含む、態様86記載の方法。
88.
1つまたは複数の抗酸化剤がグルタチオン前駆体を含む、態様86または態様87記載の方法。
89.
1つまたは複数の抗酸化剤がN-セチルシステイン(NAC)を含み、任意で、該NACが0.2mg/mL~2.0mg/mLまたは約0.2mg/mL~約2.0mg/mLの濃度である、態様86~88のいずれかに記載の方法。
90.
導入する工程が、刺激された組成物の細胞に、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むウイルスベクターで形質導入することを含む、態様49~53および66~89のいずれかに記載の方法。
91.
ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである、態様90記載の方法。
92.
ウイルスベクターがレンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターである、態様90または態様91記載の方法。
93.
導入する工程が形質導入アジュバントの存在下で行われる、態様49~53および66~92のいずれかに記載の方法。
94.
形質導入アジュバントが、硫酸プロタミン、任意で1μg/ml~50μg/mlもしくは約1μg/ml~約50μg/mlの硫酸プロタミン、フィブロネクチン由来の形質導入アジュバント、および/またはRetroNectinであるか、あるいはそれを含む、態様93記載の方法。
95.
導入する工程が、刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターでトランスフェクトすることを含む、態様49~53および66~89のいずれかに記載の方法。
96.
ベクターがトランスポゾンであり、任意でSleeping Beauty(SB)トランスポゾンまたはPiggybacトランスポゾンである、態様95記載の方法。
97.
操作された細胞組成物が刺激試薬を含まず、および/または該刺激試薬が培養する工程の前に該組成物から実質的に除去されており、該刺激試薬が、TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる試薬を含む、態様44~69のいずれかに記載の方法。
98.
培養する工程が、少なくともアウトプット組成物が閾値数のT細胞を含むまで行われる、態様37~97のいずれかに記載の方法。
99.
培養する工程が、T細胞の閾値数に達した後、少なくとも1日間継続される、態様98記載の方法。
100.
前記閾値数が、培養前の操作された細胞組成物の数より少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍またはそれ以上である、態様98または態様99記載の方法。
101.
培養する工程が、両端の値を含む2日間~10日間行われる、および/または培養する工程が少なくとも10日間行われる、態様37~100のいずれかに記載の方法。
102.
培養する工程の後に、アウトプット組成物の細胞を収集する、態様37~101のいずれかに記載の方法。
103.
アウトプット組成物のインキュベートする工程の開始と細胞の収集との間の時間が、7日~15日または約7日~約15日である、態様102記載の方法。
104.
アウトプット組成物のインキュベートする工程の開始と細胞の収集との間の時間が、9日~13日または約9日~約13日である、態様102または態様102記載の方法。
105.
アウトプット組成物のインキュベートする工程の開始と細胞の収集との間の時間が、8日~13日または約8日~約13日である、態様102~104のいずれかに記載の方法。
106.
任意で薬学的に許容される賦形剤の存在下で、凍結保存および/または対象への投与のためのアウトプット組成物の細胞を製剤化する工程をさらに含む、態様37~105のいずれかに記載の方法。
107.
アウトプット組成物の細胞が、凍結保護剤の存在下で製剤化される、態様106記載の方法。
108.
凍結保護剤がDMSOを含む、態様107記載の方法。
109.
アウトプット組成物の細胞が、容器中に、任意でバイアルまたはバッグ中に製剤化される、態様106~108のいずれかに記載の方法。
110.
インキュベートする工程の前に生物学的試料からCD4+および/またはCD8+T細胞を単離する工程をさらに含む、態様1~43および49~53および66~89のいずれかに記載の方法。
111.
単離する工程が、任意で陽性選択または陰性選択によって、CD4および/またはCD8の表面発現に基づいて細胞を選択することを含む、態様110記載の方法。
112.
単離する工程が、免疫親和性に基づく選択を行うことを含む、態様110または態様111記載の方法。
113.
生物学的試料が、対象から得られた初代T細胞を含む、態様110~112のいずれかに記載の方法。
114.
対象がヒト対象である、態様113記載の方法。
115.
生物学的試料が、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、アフェレーシス産物、もしくは白血球アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む、態様110~112のいずれかに記載の方法。
116.
組換え受容体が、疾患、障害もしくは病態の細胞もしくは組織に関連する、疾患、障害もしくは病態の細胞もしくは組織に特異的である、および/または疾患、障害もしくは病態の細胞もしくは組織の上に発現される標的抗原に結合することができる、態様1~115のいずれかに記載の方法。
117.
疾患、障害または病態が、感染性疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症性疾患、または腫瘍もしくはがんである、態様116記載の方法。
118.
標的抗原が腫瘍抗原である、態様116または117記載の方法。
119.
標的抗原が、5T4、8H9、avb6インテグリン、B7-H6、B細胞成熟抗原(BCMA)、CA9、がん精巣抗原、炭酸脱水酵素9(CAIX)、CCL-1、CD19、CD20、CD22、CEA、B型肝炎表面抗原、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD138、CD171、がん胎児性抗原(CEA)、CE7、サイクリン、サイクリンA2、c-Met、二重抗原、EGFR、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、EPHa2、エフリンB2、erb-B2、erb-B3、erb-B4、erbB二量体、EGFR vIII、エストロゲン受容体、胎児AchR、葉酸受容体α、葉酸結合タンパク質(FBP)、FCRL5、FCRH5、胎児アセチルコリン受容体、G250/CAIX、GD2、GD3、gp100、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerbB2)、HMW-MAA、IL-22R-α、IL-13受容体α2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、κ軽鎖、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MART-1、メソテリン、マウスCMV、ムチン1(MUC1)、MUC16、NCAM、NKG2D、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、O-アセチル化GD2(OGD2)、胎児腫瘍性抗原、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、PSCA、プロゲステロン受容体、サバイビン、ROR1、TAG72、tEGFR、VEGF受容体、VEGF-R2、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原およびユニバーサルタグに関連する抗原の中から選択される、態様116~118のいずれかに記載の方法。
120.
組換え受容体が、機能的非TCR抗原受容体もしくはTCRもしくはその抗原結合断片であるか、または機能的非TCR抗原受容体もしくはTCRもしくはその抗原結合断片を含む、態様1~119のいずれかに記載の方法。
121.
組換え受容体がキメラ抗原受容体(CAR)である、態様1~120のいずれかに記載の方法。
122.
組換え受容体が抗CD19 CARである、態様1~121のいずれかに記載の方法。
123.
キメラ抗原受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメインを含む、態様121記載の方法。
124.
抗原結合ドメインが、抗体もしくは任意で単鎖断片であるその抗体断片であるか、または抗体もしくは任意で単鎖断片であるその抗体断片を含む、態様123記載の方法。
125.
断片が、フレキシブルリンカーによって連結された抗体可変領域を含む、態様124記載の方法。
126.
断片がscFvを含む、態様124または態様125記載の方法。
127.
キメラ抗原受容体が、スペーサーおよび/またはヒンジ領域をさらに含む、態様123~126のいずれかに記載の方法。
128.
キメラ抗原受容体が細胞内シグナル伝達領域を含む、態様123~127のいずれかに記載の方法。
129.
細胞内シグナル伝達領域が細胞内シグナル伝達ドメインを含む、態様128記載の方法。
130.
細胞内シグナル伝達ドメインが、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分のシグナル伝達ドメイン、および/もしくは免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む、態様129記載の方法。
131.
細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメイン、もしくはそのシグナル伝達部分であるか、またはそれを含む、態様130記載の方法。
132.
キメラ抗原受容体が、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、態様128~131のいずれかに記載の方法。
133.
細胞内シグナル伝達領域が共刺激シグナル伝達領域をさらに含む、態様128~132のいずれかに記載の方法。
134.
共刺激シグナル伝達領域が、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、態様133記載の方法。
135.
共刺激シグナル伝達領域が、CD28、4-1BBもしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、態様133または態様134記載の方法。
136.
共刺激シグナル伝達領域が、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間にある、態様133~135のいずれかに記載の方法。
137.
閾値数またはそれより大きい数の細胞を含むアウトプット組成物が、該方法の85%超もしくは約85%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超の繰り返しで作製される、態様98~101のいずれかに記載の方法。
138.
態様1~137のいずれかに記載の方法によって作製される操作された細胞を含む組成物。
139.
薬学的に許容される担体をさらに含む、態様138記載の組成物。
140.
凍結保護剤、任意でDMSOを含む、態様138または態様139記載の組成物。
141.
態様138~140のいずれかに記載の組成物と、該アウトプット組成物を対象に投与するための説明書とを含む、製品。
142.
対象が疾患または病態を有し、任意で、組換え受容体が該疾患もしくは病態に関連する、または該疾患もしくは病態の細胞上に発現されるもしくは存在する抗原を特異的に認識するまたは該抗原に特異的に結合する、態様141記載の製品。
143.
アウトプット組成物が、操作されたCD4+T細胞の組成物である、態様141または142記載の製品。
144.
アウトプット組成物が、操作されたCD8+T細胞の組成物である、態様141または142記載の製品。
145.
態様1~11、13~60、63~70、または72~137のいずれかに記載の方法によって作製された操作されたCD4+T細胞の組成物と、態様6~8、11~43、54~58、60~68、または70~137のいずれかに記載の方法によって作製された操作されたCD8+T細胞の組成物と、該操作されたCD4+T細胞および該操作されたCD8+T細胞を対象に投与するための説明書とを含む、製品。
146.
説明書が、前記CD4+T細胞およびCD8+T細胞を対象に別々に投与することを指定する、態様145記載の製品。
147.
説明書が、前記CD4+T細胞およびCD8+T細胞を所望の比率で対象に投与することを指定する、態様145または146記載の製品。
148.
21日を含む21日未満で行われる、態様1~137のいずれかに記載の方法。
【実施例0674】
VII.実施例
以下の実施例は、例示のみを目的として含まれるものであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0675】
実施例1:抗CD19 CARを発現するCD4+およびCD8+細胞の治療用組成物を生成するためのプロセス
同じ抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)をそれぞれ発現する、操作されたCD4+T細胞および操作されたCD8+T細胞を、濃縮CD4+細胞集団および濃縮CD8+細胞集団を個別に加工処理工程に供することを含むプロセスによって作製した。CD4+およびCD8+細胞は、白血球アフェレーシスによって得られたヒト末梢血単核細胞(PBMC)から個別に選択し、個別の濃縮CD4+および濃縮CD8+細胞組成物を生成し、次いでクライオ凍結した。その後、CD4+およびCD8+組成物を解凍し、刺激、形質導入、および拡大のための工程を個別に行った。
【0676】
解凍したCD4+およびCD8+細胞を、1:1のビーズ対細胞比で、抗CD3および抗CD28抗体に結合した常磁性ポリスチレン被覆ビーズの存在下で別々に刺激した。刺激は、ヒト組換えIL-2、ヒト組換えIL-15、およびN-アセチルシステイン(NAC)を含む培地で行った。CD4+細胞培地は、ヒト組換えIL-7も含有した。
【0677】
ビーズの導入後、CD4+およびCD8+細胞に、同じ抗CD19 CARをコードするレンチウイルスベクターで別々に形質導入した。CARは、マウス抗体由来の抗CD19 scFv、免疫グロブリンスペーサー、CD28由来の膜貫通ドメイン、4-1BB由来の共刺激領域、およびCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインを含んだ。ベクターはまた、T2A配列によってCAR構築物に結合されたCAR発現の代理マーカーとして機能する短縮型EGFR(EGFRt)をコードした。10μg/mlの硫酸プロタミンの存在下で細胞に形質導入した。
【0678】
形質導入後、磁場への曝露によってビーズを細胞組成物から除去した。次に、CD4+およびCD8+細胞組成物を、バイオリアクター(Xuri W25 Bioreactor)による連続混合および酸素移動を用いて拡大のために別々に培養した。ポロキサマーを培地に添加した。両方の細胞組成物をIL-2およびIL-15の存在下で培養した。CD4+細胞培地はIL-7も含有した。CD4+細胞およびCD8+細胞を、採取の前にそれぞれ培養して4倍に拡大させた。閾値に達した1日後、各組成物からの細胞を別々に採取し、製剤化し、クライオ凍結した。例示的プロセスを表E1に要約する。
【0679】
(表E1)CD4+およびCD8+CAR-T細胞を生成するための例示的プロセスの概要
*おおよそ
【0680】
表E1に要約されている例示的プロセスを例示的な代替的プロセスと比較した。代替的プロセスは次の点で異なっていた:刺激中にNACを培地に添加しなかった;CD4+細胞培地はIL-2を含まなかった;細胞を3:1のビーズ対細胞比で刺激した;細胞をより高濃度の硫酸プロタミンで形質導入した;約7日目にビーズの除去を行った;ならびに拡大を静的な設定で、すなわち連続混合または灌流(例えば半連続的および/または段階的灌流)なしで、およびポロキサマーなしで実施した。
【0681】
実施例2:CD4+およびCD8+CAR-T細胞の治療用組成物を生成するためのプロセス期間の評価
実施例1に記載される例示的および代替的プロセスの様々な属性を評価した。1つの実験において、同じDLBCLヒト白血球アフェレーシス試料から得られた別個のCD4+およびCD8+細胞組成物を用いて、例示的および代替的プロセスについてプロセスの実行を行った。各プロセスの刺激、形質導入、および拡大段階中の様々な時点で総細胞数を測定した。図1に示すように、例示的プロセスに供したCD4+およびCD8+細胞組成物はより迅速に拡大し、この試験で採取前に到達するように指定された例示的な拡大の程度(4倍の拡大)に、代替的プロセスで観察されたよりも短い時間で到達した。
【0682】
実施例1の例示的プロセスおよび代替的プロセスの拡大段階(この試験では4倍拡大まで実行された)の期間を、DLBCLを有する対象から収集した白血球アフェレーシス試料から得られた個別のCD4+およびCD8+の細胞組成物の複数回のプロセス実行から評価した。例示的プロセスのこの段階の期間は、健常対象とDLBCLを有する対象から収集した白血球アフェレーシス試料から得られた個別のCD4+およびCD8+細胞組成物による一連の例示的実行に基づいて評価した。期間は、刺激の開始から採取(この例示的な試験では、4倍の拡大に達した1日後に行われた)までの時間の長さとして測定した。この試験では、例示的プロセスの実行は、代替的プロセスの期間と比較して、拡大の開始から4倍の拡大または採取までの期間がより短く、この期間中の異なる実行の間でより狭い分布(1つの試験では9~13日など)であることが観察された。
【0683】
例示的および代替的プロセスを利用する例示的な製造プロトコル(それぞれ例示的および代替的製造プロトコル)の期間をモデル化した。一般に、モデリングの結果は、例示的プロセスが他の製造プロトコルよりも変動が少なく、比較的短いプロトコル期間を達成できるという解釈と一致した。
【0684】
実施例3:CD4+およびCD8+CAR-T細胞の治療用組成物を生成するためのプロセスの評価
試料(代替的プロセスのものを含む)から得られたCD4+およびCD8+細胞組成物の例示的なセットは、17日を超える拡大段階(採取(4倍の拡大)までの拡大)の期間を示し、17日または17日未満の拡大段階期間を示したものを、例示的プロセスを使用して加工処理した。採取閾値が達成されるまで、刺激、形質導入、および拡大段階の様々な時点で総細胞数を測定した。
【0685】
4倍に拡大したCD4+およびCD8+細胞組成物は、期間の変動の範囲が小さい、両方のタイプの組成物(17日未満で4倍または4倍超に拡大することが観察されたもの、および他のプロセスにおいて17日超で4倍または4倍超に拡大することが観察されたもの)の試料から、例示的プロセスを用いて生成した。
【0686】
実施例4:慢性リンパ性白血病を有する対象から得られた生物学的試料からのCD4+およびCD8+CAR-T細胞の治療用組成物の生成
慢性リンパ性白血病(CCL)を有する対象から得られたヒト白血球アフェレーシス試料から単離されたPBMCから選択されたCD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物を、実施例Iに記載されている例示的プロセスによってインキュベート、形質導入、および培養した。同じ抗CD19 CARをそれぞれ発現する、操作されたCD4+T細胞および操作されたCD8+T細胞の別個の組成物を生成した。
【0687】
実施例5:培養中の細胞生存率を決定するための連続インラインイメージング
組換え受容体の発現を操作するプロセスにおけるT細胞の様々な光学パラメータを、インライン微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DHM)を使用して取得した。微分DHMは、オブジェクトのセグメンテーションのための高コントラスト画像を用いて、細胞のラベルフリーイメージングを可能にし、例えば細胞数および生存率を決定するために、画像化されたオブジェクトを定量的に記述する複数の光学的または形態学的特徴を取得することを可能にする。
【0688】
健常ヒトドナーからの初代T細胞を、概して上記の実施例1に記載されているように、例示的な操作プロセスを使用して抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作した。2つの実験を実施した:2人の異なる健常ドナー(ドナー1またはドナー2)からのCD4+細胞を用いた2つの実験実行による実験1、ならびに3番目のドナー(ドナー3)からのCD4+細胞およびCD8+細胞のそれぞれの実験実行による実験2。細胞を、バイオリアクター(例えばロッキングモーションバイオリアクター)に移すことによって拡大のために培養した。培養は、半連続灌流および連続混合による培地交換を含んだ。
【0689】
細胞のホログラフィ画像および光学パラメータを、インライン微分DHMイメージングシステム(「連続」)、例えばOvizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA,Brussels,Belgium)を使用して、最大約120時間の培養の間、連続的に取得した。インライン微分DHMシステムは、バイオリアクターに接続された使い捨てのチューブシステムを含み、試料はバイオリアクターからチューブシステムを通って流れることができ、イメージングシステムは、通過する細胞のホログラフィ画像と光学パラメータを取得し、試料をバイオリアクターに戻す。細胞生存率および生細胞数(VCC)を画像から決定した。操作された細胞の生存率を、最大約120時間の培養の様々な時点でサンプリングした、手動サンプリング(「手動」)および自動セルカウンターを使用した細胞計数による結果とも比較した。時間経過分析および線形回帰に基づいて2つの方法を比較した。
【0690】
図2A~2Dは、実験1のドナー1(図2A)、実験1のドナー2(図2B)もしくは実験2のドナー3(図2C)からのCD4+細胞、または実験2のドナー3からのCD8+細胞(図2D)における、微分DHMによる連続モニタリングまたは手動サンプリングを使用して評価した生細胞数(VCC)および生存率の比較を示す。比較のR2および勾配を以下の表E2に示す。
【0691】
(表E2)サンプリング方法間の比較のR2および勾配
【0692】
結果は、連続モニタリングおよび手動サンプリングとしてのVCCおよび生存率が、CD4+とCD8+細胞についておよび異なるドナーからの細胞について、高度に相関していることを示した。結果は、細胞操作プロセスにおける細胞の拡大のための培養中の微分DHMによる連続モニタリングの有用性と一致した。
【0693】
実施例6:連続インラインイメージングを使用した手動拡大と自動化拡大の比較
インラインイメージングと自動化灌流による細胞の連続モニタリングを用いる完全に自動化されたオペレータ不要の細胞拡大法を手動拡大法と比較した。
【0694】
例示的な操作プロセスを使用して、健常ヒトドナーからの初代T細胞を活性化し、例示的なキメラ抗原受容体(CAR)を発現するようにベクターで形質導入した。形質導入後、細胞をプールし、2つの異なる培養物に接種した:1つは微分DHMを使用した連続インラインイメージングに基づく自動化拡大であり、1つは手動拡大法であった。
【0695】
自動化拡大培養では、細胞をロッキングモーションバイオリアクターで培養し、灌流と連続混合を用いて培地交換した。細胞生存率および生細胞数(VCC)を、概して上記の実施例5に記載されているように、自動微分DHMイメージングシステムを使用してモニターした。接種時の最初のVCCは両方の培養で類似していた(自動培養では0.12×106細胞/mL、手動培養では0.14×106細胞/mL)。自動化拡大での灌流は、ソフトウェアアルゴリズムによって計算したVCCの4時間のローリング平均に基づき、方法の進行には、標的VCCよりも大きいVCC平均が必要であった。標的VCCは、3つの灌流工程で0.6×106細胞/mL、1×106細胞/mLおよび4×106細胞/mLであった。接種後、追加のオペレータ介入は行わなかった。手動拡大培養では、手動サンプリングとVCCの評価に基づいて灌流を行い、閾値VCCに達した後に特定の量の培地を添加した。細胞を、フローサイトメトリーによってマーカーの細胞表面発現についても評価した。
【0696】
図3に示されるように、自動化拡大システムでより高いT細胞増殖が観察された。連続微分DHMイメージングによって評価した細胞生存率、およびフローサイトメトリーによって評価した細胞表現型は、自動化拡大プロセス対手動の拡大プロセスの間で類似していた。
【0697】
結果は、人間のオペレータを必要としない、T細胞操作プロセス中の細胞の培養およびモニタリングのための連続DHMイメージングおよび自動化拡大プロセスの有用性と一致した。いくつかの局面において、かかる方法は、初代T細胞の増殖動態を決定し、投与の操作のための細胞を採取する時間を決定するために使用することができる。
【0698】
本発明は、特定の開示される態様に範囲を限定されることを意図せず、それらは、例えば本発明の様々な局面を例示するために提供される。記載される組成物および方法に対する様々な変更が、本明細書中の説明および教示から明らかになるであろう。かかる変形は、本開示の真の範囲および精神から逸脱することなく実施され得、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0699】
配列
【0700】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> Juno Therapeutics, Inc.
<120> PROCESS FOR GENERATING THERAPEUTIC COMPOSITIONS OF ENGINEERED CELLS
<150> US 62/580,409
<151> 2017-11-01
<150> US 62/596,771
<151> 2017-12-08
<150> US 62/721,603
<151> 2018-08-22
<160> 61
<170> FastSEQ for Windows Version 4.0

<210> 1
<211> 12
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> Spacer (IgG4hinge) (aa)
<400> 1
Glu Ser Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro
1 5 10

<210> 2
<211> 36
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<220>
<223> Spacer (IgG4hinge) (nt)
<400> 2
gaatctaagt acggaccgcc ctgcccccct tgccct 36

<210> 3
<211> 119
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> Hinge-CH3 spacer
<400> 3
Glu Ser Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro Gly Gln Pro Arg
1 5 10 15
Glu Pro Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Gln Glu Glu Met Thr Lys
20 25 30
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Cys Ser Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser
100 105 110
Leu Ser Leu Ser Leu Gly Lys
115

<210> 4
<211> 229
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> Hinge-CH2-CH3 spacer
<400> 4
Glu Ser Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro Ala Pro Glu Phe
1 5 10 15
Leu Gly Gly Pro Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp Thr
20 25 30
Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys Val Val Val Asp Val
35 40 45
Ser Gln Glu Asp Pro Glu Val Gln Phe Asn Trp Tyr Val Asp Gly Val
50 55 60
Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu Gln Phe Asn Ser
65 70 75 80
Thr Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu His Gln Asp Trp Leu
85 90 95
Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn Lys Gly Leu Pro Ser
100 105 110
Ser Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly Gln Pro Arg Glu Pro
115 120 125
Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Gln Glu Glu Met Thr Lys Asn Gln
130 135 140
Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro Ser Asp Ile Ala
145 150 155 160
Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn Tyr Lys Thr Thr
165 170 175
Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser Arg Leu
180 185 190
Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Glu Gly Asn Val Phe Ser Cys Ser
195 200 205
Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser Leu Ser
210 215 220
Leu Ser Leu Gly Lys
225

<210> 5
<211> 282
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> IgD-hinge-Fc
<400> 5
Arg Trp Pro Glu Ser Pro Lys Ala Gln Ala Ser Ser Val Pro Thr Ala
1 5 10 15
Gln Pro Gln Ala Glu Gly Ser Leu Ala Lys Ala Thr Thr Ala Pro Ala
20 25 30
Thr Thr Arg Asn Thr Gly Arg Gly Gly Glu Glu Lys Lys Lys Glu Lys
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50 55 60
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165 170 175
Leu Ser Leu Asn Leu Leu Ala Ser Ser Asp Pro Pro Glu Ala Ala Ser
180 185 190
Trp Leu Leu Cys Glu Val Ser Gly Phe Ser Pro Pro Asn Ile Leu Leu
195 200 205
Met Trp Leu Glu Asp Gln Arg Glu Val Asn Thr Ser Gly Phe Ala Pro
210 215 220
Ala Arg Pro Pro Pro Gln Pro Gly Ser Thr Thr Phe Trp Ala Trp Ser
225 230 235 240
Val Leu Arg Val Pro Ala Pro Pro Ser Pro Gln Pro Ala Thr Tyr Thr
245 250 255
Cys Val Val Ser His Glu Asp Ser Arg Thr Leu Leu Asn Ala Ser Arg
260 265 270
Ser Leu Glu Val Ser Tyr Val Thr Asp His
275 280

<210> 6
<211> 24
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> T2A
<400> 6
Leu Glu Gly Gly Gly Glu Gly Arg Gly Ser Leu Leu Thr Cys Gly Asp
1 5 10 15
Val Glu Glu Asn Pro Gly Pro Arg
20

<210> 7
<211> 357
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> tEGFR
<400> 7
Met Leu Leu Leu Val Thr Ser Leu Leu Leu Cys Glu Leu Pro His Pro
1 5 10 15
Ala Phe Leu Leu Ile Pro Arg Lys Val Cys Asn Gly Ile Gly Ile Gly
20 25 30
Glu Phe Lys Asp Ser Leu Ser Ile Asn Ala Thr Asn Ile Lys His Phe
35 40 45
Lys Asn Cys Thr Ser Ile Ser Gly Asp Leu His Ile Leu Pro Val Ala
50 55 60
Phe Arg Gly Asp Ser Phe Thr His Thr Pro Pro Leu Asp Pro Gln Glu
65 70 75 80
Leu Asp Ile Leu Lys Thr Val Lys Glu Ile Thr Gly Phe Leu Leu Ile
85 90 95
Gln Ala Trp Pro Glu Asn Arg Thr Asp Leu His Ala Phe Glu Asn Leu
100 105 110
Glu Ile Ile Arg Gly Arg Thr Lys Gln His Gly Gln Phe Ser Leu Ala
115 120 125
Val Val Ser Leu Asn Ile Thr Ser Leu Gly Leu Arg Ser Leu Lys Glu
130 135 140
Ile Ser Asp Gly Asp Val Ile Ile Ser Gly Asn Lys Asn Leu Cys Tyr
145 150 155 160
Ala Asn Thr Ile Asn Trp Lys Lys Leu Phe Gly Thr Ser Gly Gln Lys
165 170 175
Thr Lys Ile Ile Ser Asn Arg Gly Glu Asn Ser Cys Lys Ala Thr Gly
180 185 190
Gln Val Cys His Ala Leu Cys Ser Pro Glu Gly Cys Trp Gly Pro Glu
195 200 205
Pro Arg Asp Cys Val Ser Cys Arg Asn Val Ser Arg Gly Arg Glu Cys
210 215 220
Val Asp Lys Cys Asn Leu Leu Glu Gly Glu Pro Arg Glu Phe Val Glu
225 230 235 240
Asn Ser Glu Cys Ile Gln Cys His Pro Glu Cys Leu Pro Gln Ala Met
245 250 255
Asn Ile Thr Cys Thr Gly Arg Gly Pro Asp Asn Cys Ile Gln Cys Ala
260 265 270
His Tyr Ile Asp Gly Pro His Cys Val Lys Thr Cys Pro Ala Gly Val
275 280 285
Met Gly Glu Asn Asn Thr Leu Val Trp Lys Tyr Ala Asp Ala Gly His
290 295 300
Val Cys His Leu Cys His Pro Asn Cys Thr Tyr Gly Cys Thr Gly Pro
305 310 315 320
Gly Leu Glu Gly Cys Pro Thr Asn Gly Pro Lys Ile Pro Ser Ile Ala
325 330 335
Thr Gly Met Val Gly Ala Leu Leu Leu Leu Leu Val Val Ala Leu Gly
340 345 350
Ile Gly Leu Phe Met
355

<210> 8
<211> 27
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> CD28 (amino acids 153-179 of Accession No. P10747)
<400> 8
Phe Trp Val Leu Val Val Val Gly Gly Val Leu Ala Cys Tyr Ser Leu
1 5 10 15
Leu Val Thr Val Ala Phe Ile Ile Phe Trp Val
20 25

<210> 9
<211> 66
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> CD28 (amino acids 114-179 of Accession No. P10747)
<400> 9
Ile Glu Val Met Tyr Pro Pro Pro Tyr Leu Asp Asn Glu Lys Ser Asn
1 5 10 15
Gly Thr Ile Ile His Val Lys Gly Lys His Leu Cys Pro Ser Pro Leu
20 25 30
Phe Pro Gly Pro Ser Lys Pro Phe Trp Val Leu Val Val Val Gly Gly
35 40 45
Val Leu Ala Cys Tyr Ser Leu Leu Val Thr Val Ala Phe Ile Ile Phe
50 55 60
Trp Val
65

<210> 10
<211> 41
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> CD28 (amino acids 180-220 of P10747)
<400> 10
Arg Ser Lys Arg Ser Arg Leu Leu His Ser Asp Tyr Met Asn Met Thr
1 5 10 15
Pro Arg Arg Pro Gly Pro Thr Arg Lys His Tyr Gln Pro Tyr Ala Pro
20 25 30
Pro Arg Asp Phe Ala Ala Tyr Arg Ser
35 40

<210> 11
<211> 41
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> CD28 (LL to GG)
<400> 11
Arg Ser Lys Arg Ser Arg Gly Gly His Ser Asp Tyr Met Asn Met Thr
1 5 10 15
Pro Arg Arg Pro Gly Pro Thr Arg Lys His Tyr Gln Pro Tyr Ala Pro
20 25 30
Pro Arg Asp Phe Ala Ala Tyr Arg Ser
35 40

<210> 12
<211> 42
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> 4-1BB (amino acids 214-255 of Q07011.1)
<400> 12
Lys Arg Gly Arg Lys Lys Leu Leu Tyr Ile Phe Lys Gln Pro Phe Met
1 5 10 15
Arg Pro Val Gln Thr Thr Gln Glu Glu Asp Gly Cys Ser Cys Arg Phe
20 25 30
Pro Glu Glu Glu Glu Gly Gly Cys Glu Leu
35 40

<210> 13
<211> 112
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> CD3 zeta
<400> 13
Arg Val Lys Phe Ser Arg Ser Ala Asp Ala Pro Ala Tyr Gln Gln Gly
1 5 10 15
Gln Asn Gln Leu Tyr Asn Glu Leu Asn Leu Gly Arg Arg Glu Glu Tyr
20 25 30
Asp Val Leu Asp Lys Arg Arg Gly Arg Asp Pro Glu Met Gly Gly Lys
35 40 45
Pro Arg Arg Lys Asn Pro Gln Glu Gly Leu Tyr Asn Glu Leu Gln Lys
50 55 60
Asp Lys Met Ala Glu Ala Tyr Ser Glu Ile Gly Met Lys Gly Glu Arg
65 70 75 80
Arg Arg Gly Lys Gly His Asp Gly Leu Tyr Gln Gly Leu Ser Thr Ala
85 90 95
Thr Lys Asp Thr Tyr Asp Ala Leu His Met Gln Ala Leu Pro Pro Arg
100 105 110

<210> 14
<211> 112
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> CD3 zeta
<400> 14
Arg Val Lys Phe Ser Arg Ser Ala Glu Pro Pro Ala Tyr Gln Gln Gly
1 5 10 15
Gln Asn Gln Leu Tyr Asn Glu Leu Asn Leu Gly Arg Arg Glu Glu Tyr
20 25 30
Asp Val Leu Asp Lys Arg Arg Gly Arg Asp Pro Glu Met Gly Gly Lys
35 40 45
Pro Arg Arg Lys Asn Pro Gln Glu Gly Leu Tyr Asn Glu Leu Gln Lys
50 55 60
Asp Lys Met Ala Glu Ala Tyr Ser Glu Ile Gly Met Lys Gly Glu Arg
65 70 75 80
Arg Arg Gly Lys Gly His Asp Gly Leu Tyr Gln Gly Leu Ser Thr Ala
85 90 95
Thr Lys Asp Thr Tyr Asp Ala Leu His Met Gln Ala Leu Pro Pro Arg
100 105 110

<210> 15
<211> 112
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> CD3 zeta
<400> 15
Arg Val Lys Phe Ser Arg Ser Ala Asp Ala Pro Ala Tyr Lys Gln Gly
1 5 10 15
Gln Asn Gln Leu Tyr Asn Glu Leu Asn Leu Gly Arg Arg Glu Glu Tyr
20 25 30
Asp Val Leu Asp Lys Arg Arg Gly Arg Asp Pro Glu Met Gly Gly Lys
35 40 45
Pro Arg Arg Lys Asn Pro Gln Glu Gly Leu Tyr Asn Glu Leu Gln Lys
50 55 60
Asp Lys Met Ala Glu Ala Tyr Ser Glu Ile Gly Met Lys Gly Glu Arg
65 70 75 80
Arg Arg Gly Lys Gly His Asp Gly Leu Tyr Gln Gly Leu Ser Thr Ala
85 90 95
Thr Lys Asp Thr Tyr Asp Ala Leu His Met Gln Ala Leu Pro Pro Arg
100 105 110

<210> 16
<211> 335
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> tEGFR
<400> 16
Arg Lys Val Cys Asn Gly Ile Gly Ile Gly Glu Phe Lys Asp Ser Leu
1 5 10 15
Ser Ile Asn Ala Thr Asn Ile Lys His Phe Lys Asn Cys Thr Ser Ile
20 25 30
Ser Gly Asp Leu His Ile Leu Pro Val Ala Phe Arg Gly Asp Ser Phe
35 40 45
Thr His Thr Pro Pro Leu Asp Pro Gln Glu Leu Asp Ile Leu Lys Thr
50 55 60
Val Lys Glu Ile Thr Gly Phe Leu Leu Ile Gln Ala Trp Pro Glu Asn
65 70 75 80
Arg Thr Asp Leu His Ala Phe Glu Asn Leu Glu Ile Ile Arg Gly Arg
85 90 95
Thr Lys Gln His Gly Gln Phe Ser Leu Ala Val Val Ser Leu Asn Ile
100 105 110
Thr Ser Leu Gly Leu Arg Ser Leu Lys Glu Ile Ser Asp Gly Asp Val
115 120 125
Ile Ile Ser Gly Asn Lys Asn Leu Cys Tyr Ala Asn Thr Ile Asn Trp
130 135 140
Lys Lys Leu Phe Gly Thr Ser Gly Gln Lys Thr Lys Ile Ile Ser Asn
145 150 155 160
Arg Gly Glu Asn Ser Cys Lys Ala Thr Gly Gln Val Cys His Ala Leu
165 170 175
Cys Ser Pro Glu Gly Cys Trp Gly Pro Glu Pro Arg Asp Cys Val Ser
180 185 190
Cys Arg Asn Val Ser Arg Gly Arg Glu Cys Val Asp Lys Cys Asn Leu
195 200 205
Leu Glu Gly Glu Pro Arg Glu Phe Val Glu Asn Ser Glu Cys Ile Gln
210 215 220
Cys His Pro Glu Cys Leu Pro Gln Ala Met Asn Ile Thr Cys Thr Gly
225 230 235 240
Arg Gly Pro Asp Asn Cys Ile Gln Cys Ala His Tyr Ile Asp Gly Pro
245 250 255
His Cys Val Lys Thr Cys Pro Ala Gly Val Met Gly Glu Asn Asn Thr
260 265 270
Leu Val Trp Lys Tyr Ala Asp Ala Gly His Val Cys His Leu Cys His
275 280 285
Pro Asn Cys Thr Tyr Gly Cys Thr Gly Pro Gly Leu Glu Gly Cys Pro
290 295 300
Thr Asn Gly Pro Lys Ile Pro Ser Ile Ala Thr Gly Met Val Gly Ala
305 310 315 320
Leu Leu Leu Leu Leu Val Val Ala Leu Gly Ile Gly Leu Phe Met
325 330 335

<210> 17
<211> 18
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> T2A
<400> 17
Glu Gly Arg Gly Ser Leu Leu Thr Cys Gly Asp Val Glu Glu Asn Pro
1 5 10 15
Gly Pro

<210> 18
<211> 22
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> P2A
<400> 18
Gly Ser Gly Ala Thr Asn Phe Ser Leu Leu Lys Gln Ala Gly Asp Val
1 5 10 15
Glu Glu Asn Pro Gly Pro
20

<210> 19
<211> 19
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> P2A
<400> 19
Ala Thr Asn Phe Ser Leu Leu Lys Gln Ala Gly Asp Val Glu Glu Asn
1 5 10 15
Pro Gly Pro

<210> 20
<211> 20
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> E2A
<400> 20
Gln Cys Thr Asn Tyr Ala Leu Leu Lys Leu Ala Gly Asp Val Glu Ser
1 5 10 15
Asn Pro Gly Pro
20

<210> 21
<211> 22
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> F2A
<400> 21
Val Lys Gln Thr Leu Asn Phe Asp Leu Leu Lys Leu Ala Gly Asp Val
1 5 10 15
Glu Ser Asn Pro Gly Pro
20

<210> 22
<211> 10
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Exemplary linker
<220>
<221> REPEAT
<222> (5)...(9)
<223> SGGGG is repeated 5 times
<400> 22
Pro Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Gly Pro
1 5 10

<210> 23
<211> 17
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Exemplary Linker
<400> 23
Gly Ser Ala Asp Asp Ala Lys Lys Asp Ala Ala Lys Lys Asp Gly Lys
1 5 10 15
Ser

<210> 24
<211> 18
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Exemplary Linker
<400> 24
Gly Ser Thr Ser Gly Ser Gly Lys Pro Gly Ser Gly Glu Gly Ser Thr
1 5 10 15
Lys Gly

<210> 25
<211> 14
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Exemplary IgG Hinge
<400> 25
Glu Val Val Val Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro
1 5 10

<210> 26
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Exemplary IgG Hinge
<220>
<221> VARIANT
<222> (1)...(1)
<223> Xaa is glycine, cysteine, or arginine
<220>
<221> VARIANT
<222> (4)...(4)
<223> Xaa is cysteine or threonine
<400> 26
Xaa Pro Pro Xaa Pro
1 5

<210> 27
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Exemplary IgG Hinge
<400> 27
Glu Pro Lys Ser Cys Asp Lys Thr His Thr Cys Pro Pro Cys Pro
1 5 10 15

<210> 28
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Exemplary IgG Hinge
<400> 28
Glu Arg Lys Cys Cys Val Glu Cys Pro Pro Cys Pro
1 5 10

<210> 29
<211> 61
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Exemplary IgG Hinge
<400> 29
Glu Leu Lys Thr Pro Leu Gly Asp Thr His Thr Cys Pro Arg Cys Pro
1 5 10 15
Glu Pro Lys Ser Cys Asp Thr Pro Pro Pro Cys Pro Arg Cys Pro Glu
20 25 30
Pro Lys Ser Cys Asp Thr Pro Pro Pro Cys Pro Arg Cys Pro Glu Pro
35 40 45
Lys Ser Cys Asp Thr Pro Pro Pro Cys Pro Arg Cys Pro
50 55 60

<210> 30
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Exemplary IgG Hinge
<400> 30
Glu Ser Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Ser Cys Pro
1 5 10

<210> 31
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Exemplary IgG Hinge
<400> 31
Glu Ser Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro
1 5 10

<210> 32
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Exemplary IgG Hinge
<400> 32
Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro
1 5

<210> 33
<211> 10
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Exemplary IgG Hinge
<400> 33
Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro
1 5 10

<210> 34
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L3
<400> 34
Gln Gln Gly Asn Thr Leu Pro Tyr Thr
1 5

<210> 35
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L1
<400> 35
Arg Ala Ser Gln Asp Ile Ser Lys Tyr Leu Asn
1 5 10

<210> 36
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L2
<400> 36
Ser Arg Leu His Ser Gly Val
1 5

<210> 37
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L3
<400> 37
Gly Asn Thr Leu Pro Tyr Thr Phe Gly
1 5

<210> 38
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H1
<400> 38
Asp Tyr Gly Val Ser
1 5

<210> 39
<211> 16
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H2
<400> 39
Val Ile Trp Gly Ser Glu Thr Thr Tyr Tyr Asn Ser Ala Leu Lys Ser
1 5 10 15

<210> 40
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H3
<400> 40
Tyr Ala Met Asp Tyr Trp Gly
1 5

<210> 41
<211> 120
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> VH
<400> 41
Glu Val Lys Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Ala Pro Ser Gln
1 5 10 15
Ser Leu Ser Val Thr Cys Thr Val Ser Gly Val Ser Leu Pro Asp Tyr
20 25 30
Gly Val Ser Trp Ile Arg Gln Pro Pro Arg Lys Gly Leu Glu Trp Leu
35 40 45
Gly Val Ile Trp Gly Ser Glu Thr Thr Tyr Tyr Asn Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Leu Thr Ile Ile Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Phe Leu
65 70 75 80
Lys Met Asn Ser Leu Gln Thr Asp Asp Thr Ala Ile Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Lys His Tyr Tyr Tyr Gly Gly Ser Tyr Ala Met Asp Tyr Trp Gly Gln
100 105 110
Gly Thr Ser Val Thr Val Ser Ser
115 120

<210> 42
<211> 107
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> VL
<400> 42
Asp Ile Gln Met Thr Gln Thr Thr Ser Ser Leu Ser Ala Ser Leu Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Ser Cys Arg Ala Ser Gln Asp Ile Ser Lys Tyr
20 25 30
Leu Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Asp Gly Thr Val Lys Leu Leu Ile
35 40 45
Tyr His Thr Ser Arg Leu His Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Asn Leu Glu Gln
65 70 75 80
Glu Asp Ile Ala Thr Tyr Phe Cys Gln Gln Gly Asn Thr Leu Pro Tyr
85 90 95
Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Thr
100 105

<210> 43
<211> 245
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> scFv
<400> 43
Asp Ile Gln Met Thr Gln Thr Thr Ser Ser Leu Ser Ala Ser Leu Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Ser Cys Arg Ala Ser Gln Asp Ile Ser Lys Tyr
20 25 30
Leu Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Asp Gly Thr Val Lys Leu Leu Ile
35 40 45
Tyr His Thr Ser Arg Leu His Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Asn Leu Glu Gln
65 70 75 80
Glu Asp Ile Ala Thr Tyr Phe Cys Gln Gln Gly Asn Thr Leu Pro Tyr
85 90 95
Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Thr Gly Ser Thr Ser Gly
100 105 110
Ser Gly Lys Pro Gly Ser Gly Glu Gly Ser Thr Lys Gly Glu Val Lys
115 120 125
Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Ala Pro Ser Gln Ser Leu Ser
130 135 140
Val Thr Cys Thr Val Ser Gly Val Ser Leu Pro Asp Tyr Gly Val Ser
145 150 155 160
Trp Ile Arg Gln Pro Pro Arg Lys Gly Leu Glu Trp Leu Gly Val Ile
165 170 175
Trp Gly Ser Glu Thr Thr Tyr Tyr Asn Ser Ala Leu Lys Ser Arg Leu
180 185 190
Thr Ile Ile Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Phe Leu Lys Met Asn
195 200 205
Ser Leu Gln Thr Asp Asp Thr Ala Ile Tyr Tyr Cys Ala Lys His Tyr
210 215 220
Tyr Tyr Gly Gly Ser Tyr Ala Met Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Ser
225 230 235 240
Val Thr Val Ser Ser
245

<210> 44
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L1
<400> 44
Lys Ala Ser Gln Asn Val Gly Thr Asn Val Ala
1 5 10

<210> 45
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L2
<400> 45
Ser Ala Thr Tyr Arg Asn Ser
1 5

<210> 46
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L3
<400> 46
Gln Gln Tyr Asn Arg Tyr Pro Tyr Thr
1 5

<210> 47
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H1
<400> 47
Ser Tyr Trp Met Asn
1 5

<210> 48
<211> 17
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H2
<400> 48
Gln Ile Tyr Pro Gly Asp Gly Asp Thr Asn Tyr Asn Gly Lys Phe Lys
1 5 10 15
Gly

<210> 49
<211> 13
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H3
<400> 49
Lys Thr Ile Ser Ser Val Val Asp Phe Tyr Phe Asp Tyr
1 5 10

<210> 50
<211> 122
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> VH
<400> 50
Glu Val Lys Leu Gln Gln Ser Gly Ala Glu Leu Val Arg Pro Gly Ser
1 5 10 15
Ser Val Lys Ile Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Ala Phe Ser Ser Tyr
20 25 30
Trp Met Asn Trp Val Lys Gln Arg Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Gln Ile Tyr Pro Gly Asp Gly Asp Thr Asn Tyr Asn Gly Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Gln Ala Thr Leu Thr Ala Asp Lys Ser Ser Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Gln Leu Ser Gly Leu Thr Ser Glu Asp Ser Ala Val Tyr Phe Cys
85 90 95
Ala Arg Lys Thr Ile Ser Ser Val Val Asp Phe Tyr Phe Asp Tyr Trp
100 105 110
Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120

<210> 51
<211> 108
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> VL
<400> 51
Asp Ile Glu Leu Thr Gln Ser Pro Lys Phe Met Ser Thr Ser Val Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Ser Val Thr Cys Lys Ala Ser Gln Asn Val Gly Thr Asn
20 25 30
Val Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ser Pro Lys Pro Leu Ile
35 40 45
Tyr Ser Ala Thr Tyr Arg Asn Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Thr Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Thr Ile Thr Asn Val Gln Ser
65 70 75 80
Lys Asp Leu Ala Asp Tyr Phe Cys Gln Gln Tyr Asn Arg Tyr Pro Tyr
85 90 95
Thr Ser Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys Arg
100 105

<210> 52
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Linker
<400> 52
Gly Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Gly Ser
1 5 10 15

<210> 53
<211> 245
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> scFv
<400> 53
Glu Val Lys Leu Gln Gln Ser Gly Ala Glu Leu Val Arg Pro Gly Ser
1 5 10 15
Ser Val Lys Ile Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Ala Phe Ser Ser Tyr
20 25 30
Trp Met Asn Trp Val Lys Gln Arg Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Gln Ile Tyr Pro Gly Asp Gly Asp Thr Asn Tyr Asn Gly Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Gln Ala Thr Leu Thr Ala Asp Lys Ser Ser Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Gln Leu Ser Gly Leu Thr Ser Glu Asp Ser Ala Val Tyr Phe Cys
85 90 95
Ala Arg Lys Thr Ile Ser Ser Val Val Asp Phe Tyr Phe Asp Tyr Trp
100 105 110
Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser Gly Gly Gly Gly Ser Gly
115 120 125
Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Gly Ser Asp Ile Glu Leu Thr Gln Ser
130 135 140
Pro Lys Phe Met Ser Thr Ser Val Gly Asp Arg Val Ser Val Thr Cys
145 150 155 160
Lys Ala Ser Gln Asn Val Gly Thr Asn Val Ala Trp Tyr Gln Gln Lys
165 170 175
Pro Gly Gln Ser Pro Lys Pro Leu Ile Tyr Ser Ala Thr Tyr Arg Asn
180 185 190
Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe
195 200 205
Thr Leu Thr Ile Thr Asn Val Gln Ser Lys Asp Leu Ala Asp Tyr Phe
210 215 220
Cys Gln Gln Tyr Asn Arg Tyr Pro Tyr Thr Ser Gly Gly Gly Thr Lys
225 230 235 240
Leu Glu Ile Lys Arg
245

<210> 54
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H3
<400> 54
His Tyr Tyr Tyr Gly Gly Ser Tyr Ala Met Asp Tyr
1 5 10

<210> 55
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L2
<400> 55
His Thr Ser Arg Leu His Ser
1 5

<210> 56
<211> 18
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Linker
<400> 56
Gly Ser Thr Ser Gly Ser Gly Lys Pro Gly Ser Gly Glu Gly Ser Thr
1 5 10 15
Lys Gly

<210> 57
<211> 735
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Sequence encoding scFv
<400> 57
gacatccaga tgacccagac cacctccagc ctgagcgcca gcctgggcga ccgggtgacc 60
atcagctgcc gggccagcca ggacatcagc aagtacctga actggtatca gcagaagccc 120
gacggcaccg tcaagctgct gatctaccac accagccggc tgcacagcgg cgtgcccagc 180
cggtttagcg gcagcggctc cggcaccgac tacagcctga ccatctccaa cctggaacag 240
gaagatatcg ccacctactt ttgccagcag ggcaacacac tgccctacac ctttggcggc 300
ggaacaaagc tggaaatcac cggcagcacc tccggcagcg gcaagcctgg cagcggcgag 360
ggcagcacca agggcgaggt gaagctgcag gaaagcggcc ctggcctggt ggcccccagc 420
cagagcctga gcgtgacctg caccgtgagc ggcgtgagcc tgcccgacta cggcgtgagc 480
tggatccggc agccccccag gaagggcctg gaatggctgg gcgtgatctg gggcagcgag 540
accacctact acaacagcgc cctgaagagc cggctgacca tcatcaagga caacagcaag 600
agccaggtgt tcctgaagat gaacagcctg cagaccgacg acaccgccat ctactactgc 660
gccaagcact actactacgg cggcagctac gccatggact actggggcca gggcaccagc 720
gtgaccgtga gcagc 735

<210> 58
<211> 16
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> CD33 signal peptide
<400> 58
Met Pro Leu Leu Leu Leu Leu Pro Leu Leu Trp Ala Gly Ala Leu Ala
1 5 10 15

<210> 59
<211> 18
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CD8 alpha signal peptide
<400> 59
Met Ala Leu Pro Val Thr Ala Leu Leu Leu Pro Leu Ala Leu Leu Leu
1 5 10 15
His Ala

<210> 60
<211> 66
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> GMCSFR alpha chain signal sequence
<400> 60
atgcttctcc tggtgacaag ccttctgctc tgtgagttac cacacccagc attcctcctg 60
atccca 66

<210> 61
<211> 22
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> GMCSFR alpha chain signal sequence
<400> 61
Met Leu Leu Leu Val Thr Ser Leu Leu Leu Cys Glu Leu Pro His Pro
1 5 10 15
Ala Phe Leu Leu Ile Pro
20
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
【配列表】
2023182652000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-10-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。