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特開2023-182686電子機器ケース、電子機器及び複合体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182686
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】電子機器ケース、電子機器及び複合体
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20231219BHJP
   C03C 27/04 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H05K5/02 C
H05K5/02 B
C03C27/04 B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023168944
(22)【出願日】2023-09-29
(62)【分割の表示】P 2021517564の分割
【原出願日】2019-05-16
(31)【優先権主張番号】201811161748.4
(32)【優先日】2018-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼▲蘭▼
(72)【発明者】
【氏名】金海燕
(72)【発明者】
【氏名】潘玲
(72)【発明者】
【氏名】▲喩▼娜
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼梁
(57)【要約】      (修正有)
【課題】封止層により異なる材質のフレームと背面ケースを結合し、結合効果が高く、外観効果がよく、信号に対する遮蔽作用が弱く、機械的特性が高く、応用範囲が広く、かつ、耐用年数が長く、消費者の消費体験を満たす電子機器ケース、電子機器及び複合体を提供する。
【解決手段】電子機器ケースは、フレーム10と、前記フレームの少なくとも一部の外面に設けられ、順に積層して設けられた複数のサブ封止層210、220を含む封止層200と、前記封止層により前記フレームに接続された背面ケース20とを含み、隣接する2つの前記サブ封止層の成分が異なる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームの少なくとも一部の外面に設けられ、順に積層して設けられた複数のサブ封止層を含む封止層と、
前記封止層を介して前記フレームに接触している背面ケースと、
を備え、
隣接する2つの前記サブ封止層の成分が異なる、
電子機器ケース。
【請求項2】
前記封止層の熱膨張係数は、前記フレームと前記背面ケースとの熱膨張係数の間にあり、かつ、前記フレーム、複数の前記サブ封止層及び前記背面ケースのうちの隣接する2層の構造の間の熱膨張係数の差が±10%以内である、
請求項1に記載の電子機器ケース。
【請求項3】
前記フレーム、前記封止層及び前記背面ケースの配置方向において、複数の前記サブ封止層の熱膨張係数の勾配が上昇するか又は低下する、
請求項1又は2に記載の電子機器ケース。
【請求項4】
前記フレームは、金属フレームであり、前記背面ケースは、無機背面ケースであり、
前記金属フレームと前記封止層との間には、さらに結合促進層が設けられる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の電子機器ケース。
【請求項5】
前記結合促進層は、次の少なくとも一つの条件を満たし、その条件は、
前記結合促進層と前記封止層が類似しており、かつ、互いに可溶であるという条件、
前記結合促進層の前記金属フレームから離れる面に凹凸構造を有する条件、
前記結合促進層が多孔質構造を有する条件、
前記結合促進層がM又はMを含み、ここで、MがFe、Al、Ti、Ni及びMoから選択される少なくとも1つであり、xが1、2又は3であり、nが1~6の整数である条件、および、
前記結合促進層の厚さが1~10μmである条件である、
請求項4に記載の電子機器ケース。
【請求項6】
前記金属フレームを形成する材料は、ステンレス鋼又はアルミニウム合金を含み、
前記無機背面ケースを形成する材料は、ガラス又はセラミックを含む、
請求項4又は5に記載の電子機器ケース。
【請求項7】
前記フレームは、セラミックフレームであり、前記背面ケースは、ガラス背面ケースである、
請求項1~3のいずれか一項に記載の電子機器ケース。
【請求項8】
前記サブ封止層を形成する材料は、それぞれ独立して、
ガラス粉末、及び
接着剤を含み、
前記ガラス粉末と前記接着剤の質量比が88~92:8~12であり、かつ隣接する2つの前記サブ封止層中の前記ガラス粉末の成分が異なる、
請求項1~7のいずれか一項に記載の電子機器ケース。
【請求項9】
前記ガラス粉末は、少なくとも以下の1の条件を満たし、その条件は、
前記ガラス粉末が鉛を含まない条件、および、
前記ガラス粉末がケイ酸塩酸化物系、リン酸塩系、ホウ酸塩系ガラス粉末、硫化物系ガラス粉末及びハロゲン化系ガラス粉末のうちの少なくとも1つを含む条件である、
請求項8に記載の電子機器ケース。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の電子機器ケースを含む、
電子機器。
【請求項11】
第1の部材と、
前記第1の部材の少なくとも一部の外面に設けられ、順に積層して設けられた複数のサブ封止層を含み、かつ隣接する2つの前記サブ封止層の成分が異なる封止層と、
前記封止層により前記第1の部材に接続された第2の部材と、
を含み、
前記封止層は、請求項1、8又は9に限定される通りである、
複合体。
【請求項12】
前記封止層の熱膨張係数は、前記第1の部材と前記第2の部材との熱膨張係数の間にあり、かつ前記第1の部材、複数の前記サブ封止層及び前記第2の部材のうちの隣接する2層の構造の間の熱膨張係数の差が±10%以内である、
請求項11に記載の複合体。
【請求項13】
前記第1の部材、前記封止層及び前記第2の部材の配置方向において、複数の前記サブ封止層の熱膨張係数の勾配が上昇するか又は低下する、
請求項11又は12に記載の複合体。
【請求項14】
前記第1の部材は、金属部材であり、前記第2の部材は、無機部材であり、前記金属部材と前記封止層との間には、さらに結合促進層が設けられ、前記結合促進層は、請求項3~5のいずれか一項に限定されるとおりである、
請求項11~13のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項15】
前記第1の部材は、セラミック部材であり、前記第2の部材は、ガラス部材である、
請求項11~13のいずれか一項に記載の複合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権情報)
本願は、2018年9月30日に中国国家知識産権局に提出された、中国特許出願第201811161748.4号の優先権と利益を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、電子機器の技術分野に関し、具体的には、電子機器ケース、電子機器及び複合体に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、5G及びワイヤレス充電技術が盛んになるに伴い、電子機器の信号に対する要求がますます高くなっている。現在、携帯電話ケースなどの電子機器ケースは、金属材質を採用することが多く、金属が電磁信号に対して強い遮蔽作用を有するため、信号が電子機器ケースを効果的に透過することができず、さらに現在の電子機器ケースが消費者の消費体験を満たすことができない。
【0004】
したがって、現在の電子機器ケースを改善する必要がまだある。
【発明の概要】
【0005】
本願は、電子機器ケースを提供し、該電子機器ケースにおいて封止層により異なる材質のフレームと背面ケースを結合し、結合効果が高く、外観効果がよく、信号に対する遮蔽作用が弱く、機械的特性が高く、応用範囲が広く、又は耐用年数が長く、消費者の消費体験を満たすことができる。
【0006】
本願の1つの態様において、本願は、電子機器ケースを提供する。本願の実施例によれば、該電子機器ケースは、フレームと、前記フレームの少なくとも一部の外面に設けられ、順に積層して設けられた複数のサブ封止層を含む封止層と、前記封止層により前記フレームに接続された背面ケースとを含み、隣接する2つの前記サブ封止層の成分が異なる。発明者は、該電子機器ケースにおいて、背面ケースとフレームとの結合が強固であり、機械的特性が高く、また外観効果が美しく、各サブ封止層が異なる成分を採用することで、材質が異なりかつ熱膨張係数の差が大きいフレームと背面ケースを封止層により強固に結合することができ、隣接する2層の構造の間の熱膨張係数の差が小さく、整合性がより高く、温度変化による不良が発生する可能性が顕著に低下し、耐用年数が長く、かつ信号使用要件をよく満たし、信号遮蔽の問題を回避し、ユーザーの高まっている審美的要件を満たすだけでなく、良好な使用性能を有し、ユーザー体験を向上させることができることを見出した。
【0007】
本願の別の態様において、本願は、電子機器を提供する。本願の実施例によれば、該電子機器は、前述の電子機器ケースを含む。発明者は、該電子機器の構造が簡単であり、実現しやすく、5G及びワイヤレス充電機能を実現することができ、信号を送受信する能力が高く、耐用年数が長く、かつ前述の電子機器ケースの全ての特徴及び利点を備え、市場競争力が強いことを見出した。
【0008】
本願は、複合体を提供する。本願の実施例によれば、該複合体は、第1の部材と、前記第1の部材の少なくとも一部の外面に設けられ、順に積層して設けられた複数のサブ封止層を含み、かつ隣接する2つの前記サブ封止層の成分が異なる封止層と、前記封止層により前記第1の部材に接続された第2の部材とを含む。発明者は、該複合体において、第1
の部材と第2の部材の結合力が強く、各サブ封止層が異なる成分を採用することで、材質が異なり、かつ熱膨張係数の差が大きい第1の部材と第2の部材を封止層により強固に結合することができ、隣接する2層の構造の間の熱膨張係数の差が小さく、整合性がより高く、温度変化による複合体の不良が発生する可能性が大幅に低下し、機械的特性が理想的であり、耐用年数が長く、かつ外観効果がよく、強度が高く、信号に対する遮蔽作用が弱く、使用効果が高い複合体が得られ、電子機器ケースを製造することに適することを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願の1つの実施例における電子機器ケースの概略構成図である。
図2】本願の1つの実施例における電子機器の概略構成図である。
図3】本願の別の実施例における電子機器ケースの概略構成図である。
図4】本願のいくつかの実施例における電子機器ケースの概略構成図である。
図5】本願の1つの実施例における複合体の概略構成図である。
図6】本願の別の実施例における複合体の概略構成図である。
図7】本願の1つの実施例における複合体を製造する方法のフローチャートである。
図8】本願の実施例におけるフレームと背面ケースとの間の結合強度の測定の概略図である。
図9】本願の1つの実施例における封止層の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図10】本願の1つの実施例におけるホウケイ酸塩ガラス粉末を含有するサブ封止層の走査型電子顕微鏡のラインスキャンスペクトルである。
図11】本願の1つの実施例におけるリン酸塩ガラス粉末を含有するサブ封止層の走査型電子顕微鏡のラインスキャンスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の実施例を詳細に説明する。以下、説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものであると理解すべきではない。実施例において具体的な技術又は条件が明記されていない場合、本分野の文献に記載されている技術、条件又は製品説明書に従って行われる。使用される試薬又は機器としては、メーカーが明記されていない場合、いずれも市販で入手できる一般的な製品である。
【0011】
本願は、発明者の以下の認識及び知見に基づいて完成されたものである。
【0012】
現在、電子機器ケース、例えば携帯電話ケースは、全金属部材を採用して加工し、金属部材に無機部材(例えば、ガラス又はセラミック)を射出成形し、TPとフレームとの間に接着剤をディスペンスすることにより金属部材と無機部材(例えば、ガラス又はセラミック)を結合する方式で製造されることが多く、製造された電子機器ケースの強度が高くなく、金属部材と無機部材との間の結合力が強くなく、破損しやすく、耐用年数が短い。上記技術的課題に対して、発明者は、鋭意研究を行った結果、金属部材と無機部材との間の結合力を向上させるために、金属部材と無機部材との間の封止層を多層構造にすることができ、かつ各サブ封止層が異なる成分を採用することで、隣接する2層の構造の間の熱膨張係数の差を調整することができることにより、隣接する2層の構造の間の整合度がより高く、破損が発生する確率が大幅に低下し、さらに結合力を向上させ、また、まず金属部材を前処理して、その表面に結合促進層を得ることにより、該結合促進層と封止層との間の結合力を強くし、さらに金属部材と無機部材との間に強い結合力を有することを見出した。
【0013】
これに鑑みて、本願の1つの態様において、本願は、電子機器ケースを提供する。本願の実施例によれば、図1図1は、図2中のA-A'線の断面図に対応する)及び図2
参照し、該電子機器ケースは、フレーム10と、上記フレーム10の少なくとも一部の外面に設けられ、順に積層して設けられた複数のサブ封止層(図1では、2つのサブ封止層210及び220を例として説明する)を含み、かつ隣接する2つの上記サブ封止層の成分が異なる封止層200と、前記封止層200により前記フレーム10に接続された背面ケース20と、を含みむ。発明者は、該電子機器ケースにおいて、背面ケースとフレームとの結合が強固であり、機械的特性が高く、また外観効果が美しく、サブ封止層が異なる成分を採用することで、サブ封止層の熱膨張係数及び背面ケースやフレームとの親和性を柔軟に調整することができ、さらに、材質が異なりかつ熱膨張係数の差が大きいフレームと背面ケースを封止層により強固に結合することができ、隣接する2層の構造の間の熱膨張係数の差が小さく、整合性がより高く、温度変化による不良が発生する可能性が顕著に低下し、結合強度が高く、耐用年数が長く、かつ信号使用要件をよく満たし、信号遮蔽の問題を回避し、ユーザーの高まっている審美的要件を満たすだけでなく、良好な使用性能を有し、ユーザー体験を向上させることができることを見出した。
【0014】
なお、本明細書で採用される記載方式「隣接する2層の構造」とは、電子機器ケース又は後述する複合体のうちの任意の隣接する2層を指し、例えば、フレームとそれに隣接するサブ封止層、2つの隣接するサブ封止層、背面ケースとそれに隣接するサブ封止層などを含むが、それらに限定されない。「隣接する2つの上記サブ封止層の成分が異なる」とは、隣接する2つのサブ封止層に含まれる成分が異なること、及び/又は各成分の含有量が異なることを指す。「隣接する2層の構造の間の熱膨張係数の差が±10%以内である」とは、隣接する2層の構造の熱膨張係数の差で、隣接する2層の構造の熱膨張係数の大きい方の値を割ると、10%以下になることを指し、具体的には、図1を参照し、フレーム10及びサブ封止層220は、隣接する2層の構造であり、両者の間の熱膨張係数の差=(フレーム10の熱膨張係数-サブ封止層220の熱膨張係数)/フレーム10及びサブ封止層220の熱膨張係数の大きい方の値である。「フレーム、封止層及び背面ケースの配置方向」とは、フレーム、封止層及び背面ケースが配列される(又は積層される)方向を指し、具体的には、図1中の矢印に示す方向を参照することができ、他の類似する記載は、意味が同様である。
【0015】
本願の実施例によれば、電子機器ケースにおける異なる層の構造の間の熱膨張係数の整合性がより優れるために、上記封止層200の熱膨張係数は、上記フレーム10と上記背面ケース20との熱膨張係数の間にあり、かつ上記フレーム10、複数の上記サブ封止層及び上記背面ケース20のうちの隣接する2層の構造の間の熱膨張係数の差が±10%以内である。これにより、各層の構造の熱膨張係数の整合性がより高く、フレームと背面ケースとの間の結合力がより強い。本願のいくつかの実施例において、上記フレーム10、上記封止層200及び上記背面ケース20の配置方向(図1中の矢印に示す方向を参照)において、複数の上記サブ封止層の熱膨張係数の勾配が上昇するか又は低下する。これにより、各層の構造の熱膨張係数が徐々に変化し、整合性がより高く、フレームと背面ケースとの間の結合力がより強く、背面ケースとフレームとの間の熱膨張係数が整合しないという問題をよく緩和し、熱振動による様々な不良及び欠陥をよく改善することができ、電子機器ケースの機械的特性がより優れ、かつ破損が発生する確率が顕著に低下する。具体的には、フレームの熱膨張係数が背面ケースの熱膨張係数より大きい場合、複数のサブ封止層の熱膨張係数は、上記方向において、勾配が低下する。フレームの熱膨張係数が背面ケースの熱膨張係数より小さい場合、複数のサブ封止層の熱膨張係数は、上記方向において、勾配が上昇する。これにより、フレームから背面ケースまでの方向において、熱膨張係数を徐々に上昇させるか又は徐々に低下させ、熱膨張による様々な問題を顕著に改善することができる。
【0016】
本願の実施例によれば、上記フレームは、金属フレームであり、上記背面ケースは、無機背面ケースである。図3を参照し、上記金属フレーム10と封止層200との間には、
さらに結合促進層30が設けられる。これにより、金属フレームと無機背面ケースとの間の結合を明らかに促進し、その結合力を強くし、シームレスな無段差結合を実現することができ、ケースの機械的特性が高く、外観が美しい。本願の実施例によれば、金属フレームと無機背面ケースとの間の結合力をさらに向上させるために、結合促進層は、上記結合促進層と上記封止層が類似しており、かつ、互いに可溶であるという条件、上記結合促進層の上記金属フレームから離れる面に凹凸構造を有する条件、上記結合促進層が多孔質構造を有する条件のうちの少なくとも1つを満たす。これにより、類似しており、かつ、互いに可溶であるということにより、結合促進層と封止層との間の濡れ性を高くし、凹凸構造により、結合促進層と封止層との間の結合力を効果的に増大させることができ、多孔質構造により、封止層の一部が該多孔質構造に充填されて、結合促進層と封止層との間の結合力をさらに増大させることにより、得られたケースの結合強度がより高く、使用性能がより優れる。
【0017】
本願の実施例によれば、金属フレームを形成する材料は、アルミニウム合金又はステンレス鋼を含む。これにより、材料の供給源が広く、価格が低く、強度が高く、使用性能が高い。本願のいくつかの実施例において、ステンレス鋼は、SUS301ステンレス鋼、SUS304ステンレス鋼、SUS316Lステンレス鋼から選択される少なくとも1つ、又は『GB/T 20878-2007ステンレス鋼及び耐熱鋼記号及び化学成分』における記号がS30110、S30408、S31603などのステンレス鋼から選択される少なくとも1つであってよい。アルミニウム合金は、5052アルミニウム合金、5182アルミニウム合金、6063アルミニウム合金、6061アルミニウム合金、6013アルミニウム合金、及び亜鉛含有量が1%~10%の範囲内にある7系アルミニウムなどから選択されてよい。
【0018】
本願の実施例によれば、上記結合促進層は、M又はMxOを含み、ここで、Mは、Al、Ti、Ni及びMoから選択される少なくとも1つであり、xは、1、2又は3であり、nは、1~6の整数である。具体的には、いくつかの実施例において、結合促進層は、金属層であってよく、具体的には、Al層、Ti層、Ni層又はMo層であってよい。他のいくつかの実施例において、結合促進層は、金属酸化物層であってよく、具体的には、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ニッケル又は酸化モリブデンなどであってよい。これにより、結合促進層と金属フレームとの結合力が強く、脱落しにくく、かつ結合促進層と封止層との濡れ性がより高く、結合力も強く、結合効果の高い電子機器ケースを得ることに役立つ。かつ上記成分の結合促進層と封止層が類似しており、かつ、互いに可溶であり、よりよく溶かして結合するだけでなく、凹凸構造及び多孔質構造をよりよく形成し、結合強度とケースの使用性能をさらに向上させることができる。当業者であれば理解できるように、結合促進層の具体的な成分は、金属フレームの材質に関連してもよく、例えば、金属フレームを形成する対応する金属の酸化物を含んでよく、例えば、金属フレームがアルミニウム合金である場合、結合促進層は、酸化アルミニウムとそのアルミニウム合金における合金元素の酸化物を含有することができる。
【0019】
本願の実施例によれば、上記結合促進層の厚さは、1~10μmであり、例えば、結合促進層の厚さは、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μmなどであってよい。これにより、結合促進層の厚さが適切であり、外観が美しく、金属フレームと封止層を強固に結合することができ、かつ結合促進層が温度の影響下で明らかに膨張せず、電子機器ケースの耐用年数を延長することに役立つ。上記厚さの範囲に対して、結合促進層の厚さが薄すぎると、前処理の程度が相対的に不足することを説明し、該結合促進層の性質が金属フレームとの結合性に近く、無機背面ケース(例えばガラス又はセラミック)との結合性が相対的に不足し、濡れ性が相対的に低く、無機背面ケースとの結合力が相対的に不足し、結合促進層の厚さが厚すぎると、前処理が相対的に過度であることを説明し、該結合促進層の性質が無機背面ケースとの結合性に近く、
金属フレームとの結合性が相対的に不足し、封止時に全て無機背面ケースに溶解しやすく、金属フレームとの結合力が相対的に不足する。
【0020】
本願のいくつかの実施例において、フレームの美観度を向上させるために、フレームに装飾処理を行うことができ、例えば、研磨、サンドブラスト、ヘアライン仕上げ、物理蒸着(PVD)めっき、レーザ彫刻、スプレー、指紋防止コーティング(AF Coating)などの方式のうちの少なくとも1つにより、フレームを処理して、装飾効果の高いフレームを取得し、フレームの美観性及び実用性をさらに向上させることができる。
【0021】
本願の実施例によれば、無機背面ケースを形成する材料は、ガラス又はセラミックなどを含む。これにより、材料の供給源が広く、強度が高く、信号をほとんど遮蔽せず、5G及びワイヤレス充電機能を実現することに役立つ。本願のいくつかの実施例において、無機背面ケースを形成する材料は、化学的及び物理的に強化された高アルミニウムガラス、相転移強化特性を有するZrO(3Y)セラミック、相変化転移特性を有するZrO(3Y)-Alセラミックから選択される少なくとも1つである。本願の実施例によれば、ガラス背面ケースを形成する材料は、化学的及び物理的に強化された高アルミニウムガラスを含む。これにより、無機背面ケースの強度がより優れ、使用需要をよりよく満たすことができ、耐用年数がより長く、信号の透過率が高い。
【0022】
本願のいくつかの実施例において、背面ケースの美観度を向上させるために、背面ケースに装飾処理を行うことができ、例えば、施釉、レーザ彫刻、PVDコーティング、AF
Coating、ヘアライン仕上げ、研磨などの方式のうちの少なくとも1つにより、背面ケースを処理して、装飾効果の高い背面ケースを取得し、背面ケースの美観性及び実用性をさらに向上させることができる。
【0023】
本願の実施例によれば、背面ケースの形状は、2次元、2.5次元又は3次元などであってよく、これにより、背面ケースの外観が美しい。
【0024】
本願のいくつかの実施例によれば、上記フレームは、セラミックフレームであり、上記背面ケースは、ガラス背面ケースである。具体的には、セラミックフレームを形成する材料は、相転移強化特性を有するZrO(3Y)セラミック、相転移強化特性を有するZrO(3Y)-Alセラミックから選択される少なくとも1つであり、ガラス背面ケースを形成する材料は、化学及び物理的に強化された高アルミニウムガラスなどから選択される。これにより、使用需要をよりよく満たすことができ、外観が美しく、耐用年数がより長く、信号の透過率が高い。
【0025】
本願の実施例によれば、上記サブ封止層を形成する材料は、それぞれ独立して、ガラス粉末及び接着剤を含み、隣接する2つの上記サブ封止層中の上記ガラス粉末の成分が異なる。例えば、封止層が2つのサブ封止層を含む場合、1つのサブ封止層がホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末で、別のサブ封止層がリン酸塩酸化物系ガラス粉末であってよく、1つのサブ封止層が硫化物系ガラス粉末で、別のサブ封止層がホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉であってよく、1つのサブ封止層がハロゲン化物系ガラス粉末で、別のサブ封止層がホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末であってよく、1つのサブ封止層がホウ酸塩系ガラス粉末で、別のサブ封止層がケイ酸塩酸化物系ガラス粉末であってよい。他のいくつかの実施例において、2つのサブ封止層がいずれも同じ系のガラス粉末(例えば、いずれもホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉である)であってよいが、ガラス粉末に含有される成分及び/又は含有量が異なり、具体的には、ホウ素ケイ酸塩酸化物系ガラス粉中の酸化物及び/又は他の物質の種類が同じであってよいが、様々な酸化物及び/又は他の物質の含有量が異なり、ホウ素ケイ酸塩酸化物系ガラス粉中の酸化物及び/又は他の物質の種類が異なってもよい。これにより、封止層は、フレームと背面ケースを強固に結合するとともに、各サブ封止
層の成分を調整することにより各層の構造の間の熱膨張係数の整合性及び親和性をより高くして、使用性能が高く、耐用年数が長い電子機器ケースを得ることができ、また、複数のサブ封止層の多層構造は、走査型電子顕微鏡(SEM)のラインスキャンによって容易に観察することができる。
【0026】
本願の実施例によれば、フレームと背面ケースとの間の結合強度をさらに向上させるために、上記サブ封止層を形成する材料において、前記ガラス粉末と前記接着剤との質量比は88~92:8-12である。これにより、上記各成分は、上記含有量の範囲内にあり、フレームと背面ケースとの間の結合強度がより高く、フレームと背面ケースとの間の一体化を実現することにさらに役立ち、さらに、フレームと背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することにより、電子機器ケースの外観がより美しく、きれいであり、かつ封止層の成分が上記範囲内にあることは、それとフレーム及び背面ケースとの間の膨張係数間の整合を実現することにさらに役立つ。
【0027】
本願の実施例によれば、サブ封止層を製造する過程において、ガラス粉末、接着剤及び溶剤を混合して封止スラリーに製造し、次に封止スラリーを利用してサブ封止層を形成することができる。上記溶剤の具体的な使用量は、特別な制限要件がなく、当業者は、サブ封止層を形成する封止スラリーの流動性に基づいて適切な溶剤使用量を決定することができる。
【0028】
本願の実施例によれば、上記ガラス粉末は、鉛を含まない。これにより、該ガラス粉末は、人体に危害がなく、環境にも優しく、消費者に愛されやすくなる。
【0029】
本願の実施例によれば、上記ガラス粉末は、ケイ酸塩酸化物系(例えば、高シリカガラス、ソーダライムガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス)、リン酸塩系、ホウ酸塩系ガラス粉末、硫化物系ガラス粉末及びハロゲン化系ガラス粉末のうちの少なくとも1つを含む。これにより、ガラス粉末の供給源が広く、接着力が強く、膨張係数が適切であり、使用性能が高い。
【0030】
本願の実施例によれば、背面ケースがガラス背面ケースである場合、性能がより高く、外観がより平坦で美しい電子機器ケースを得るために、封止層中のガラス粉末は、低融点ガラス粉末であり、具体的には、ガラス粉末が完全に溶融する温度は、ガラス背面ケースの軟化点より低い。これにより、フレームと背面ケースを封止すると、温度がまだガラス背面ケースの軟化点に達せず、ガラス背面ケースが軟化して変形しないため、電子機器の平坦性、外観及び光学性能に影響を与えず、温度が高すぎることによる不良及び欠陥が発生しない。
【0031】
本願の実施例によれば、フレームが金属フレームである場合、ガラス粉末と上記結合促進層が類似しており、かつ、互いに可溶であり、結合強度を向上させるために、必要に応じて結合促進層及び封止層の具体的な成分を調整することができ、本願のいくつかの具体的な実施例において、結合促進層は、金属酸化物層(即ちMであり、ここで、MはFe、Al、Ti、Ni及びMoのうちの少なくとも1つであり、xは1、2又は3であり、n=1~6の整数である)又は金属層(即ちMであり、ここで、MはAl、Ti、Ni及びMoのうちの少なくとも1つである)を含み、対応するガラス粉末は、ケイ酸塩酸化物系(例えば、高シリカガラス、ソーダライムガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス)、リン酸塩系、ホウ酸塩系ガラス粉末、硫化物系ガラス粉末及びハロゲン化系ガラス粉末から選択される少なくとも1つであってよい。これにより、封止層と結合促進層が類似しており、かつ、互いに可溶であり、封止層と結合促進層との間の良好な相互拡散及び浸透に役立ち、両者の間の結合をより緻密にし、さらに、封止層と結合促進層との間の結合強度を向上させることに役立つ。
【0032】
本願の実施例によれば、上記接着剤は、ケイ酸塩系無機接着剤(例えば、水ガラス等を含むが、それらに限定されない)及び水性ポリウレタンのうちの少なくとも1つを含む。これにより、接着剤の接着作用が強く、ガラス粉末を封止スラリーに効果的に調製することができ、かつ封止スラリーを結合促進層の表面に塗布することに役立つ。
【0033】
本願の実施例によれば、上記溶剤は、エタノール及び水のうちの少なくとも1つを含む。これにより、接着剤及びガラス粉末は、上記溶剤に均一に分散することができ、さらに、封止層、結合促進層及び背面ケースの間の結合を強固にすることができる。
【0034】
本願の実施例に係る上記電子機器ケースは、成分が異なる複数のサブ封止層で過渡することにより、材質が異なり、熱膨張係数の差が大きい背面ケースとフレームを効果的に結合することができ、ケースは、優れた結合強度を有し、また様々な複雑な形状及び構造を実現することができ、具体的には、図4(封止層が図示されていない)を参照し、電子機器ケースにおけるフレーム10と背面ケース20との接続位置は、内側直角構造(図4中のa)、内側階段構造(図4中のb)、外面曲面構造(図4中のc)、又は内面が外側に突起する曲面構造(図4中のf)であってよく、フレームの内面は、徐々に内向きに傾斜する構造(図4中のd)、徐々に外向きに傾斜する構造(図4中のe)、又は内側に突起する曲面構造(図4中のg)であってよい。これにより、様々な複雑な形状を実現して、内部素子との組み立てを容易にするか、又は特殊な照明効果を実現することができる。
【0035】
本願の別の態様において、本願は、電子機器を提供する。本願の実施例によれば、該電子機器は、前述の複合体又は前述の電子機器ケースを含む。発明者は、該電子機器の構造が簡単であり、実現しやすく、5G及びワイヤレス充電機能を実現することができ、信号を送受信する能力が高く、耐用年数が長く、かつ前述の複合体又は前述の電子機器ケースの全ての特徴及び利点を備え、市場競争力が強いことを見出した。
【0036】
本願の実施例によれば、該電子機器は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、VR(仮想現実)装置、AR(拡張現実)装置、ウェアラブルデバイス及びゲーム機のうちの少なくとも1つを含む。これにより、適用範囲が広く、消費者の消費体験を向上させることができる。
【0037】
なお、上記電子機器は、前述の電子機器ケースに加えて、従来の電子機器が備えるべき構造をさらに含んでよく、電子機器が携帯電話であることを例として、図2を参照し、指紋モジュール21、撮像モジュール22、制御モジュール23、CPU、接続回路、パッケージ構造等をさらに含んでよく、ここで説明を省略する。
【0038】
本願は、複合体を提供する。本願の実施例によれば、図5を参照し、該複合体は、第1の部材100と、上記第1の部材100の外面に設けられ、順に積層して設けられた複数のサブ封止層(図5では、2つのサブ封止層210及び220を例として説明する)を含み、かつ隣接する2つのサブ封止層の成分が異なる封止層200と、上記封止層200により上記第1の部材100に接続された第2の部材300と、を含む。発明者は、該複合体において、第1の部材と第2の部材の結合力が強く、成分が異なる複数のサブ封止層を設けることにより、サブ封止層の成分を柔軟に調整して熱膨張係数を調整することができ、このように熱膨張係数の差が小さいサブ封止層を形成し、第1の部材から第2の部材への熱膨張係数が徐々に遷移し、整合性がより高く、温度変化による複合体の不良が発生する可能性が大幅に低下し、機械的特性が理想的であり、耐用年数が長く、かつ外観効果が高く、強度が高く、かつ複合体の信号に対する遮蔽作用が弱く、電子機器ケースを製造することに適することを見出した。
【0039】
本願の実施例によれば、図6を参照し、第1の部材は金属部材であり、第2の部材は無機部材であり、かつ金属部材と封止層との間には、さらに結合促進層30が設けられる。これにより、金属部材と封止層との間の親和性がより高く、結合力がより強く、性能がより良好なケースを得ることに役立つ。本願のいくつかの実施例において、上記金属部材を形成する材料は、ステンレス鋼又はアルミニウム合金を含む。これにより、金属部材は、供給源が広く、価格が低く、強度が高く、膨張係数が適切であり、電子機器ケースのフレームを製造することに適する。本願のいくつかの実施例において、ステンレス鋼は、SUS301ステンレス鋼、SUS304ステンレス鋼、SUS316Lステンレス鋼から選択される少なくとも1つ、又は『GB/T 20878-2007ステンレス鋼及び耐熱鋼記号及び化学成分』における記号がS30110、S30408、S31603などのステンレス鋼から選択される少なくとも1つであってよい。アルミニウム合金は、5052アルミニウム合金、5182アルミニウム合金、6063アルミニウム合金、6061アルミニウム合金、6013アルミニウム合金、及び亜鉛含有量が1%~10%の範囲内にある7系アルミニウムなどから選択されてよい。
【0040】
本願の実施例によれば、上記無機部材を形成する材料は、ガラス又はセラミックを含む。これにより、無機部材の供給源が広く、価格が低く、膨張係数が適切であり、信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの背面ケースを製造することに適し、さらに5G及びワイヤレス充電機能を実現することに役立ち、かつ無機部材と封止層が類似しており、かつ、互いに可溶であり、封止時に両者の間に拡散や濡れが発生し、封止効果が高く、結合強度が強く、シームレスな結合と一体化を実現することに役立つ。本願のいくつかの実施例において、無機部材を形成する材料は、化学的及び物理的に強化された高アルミニウムガラス、相転移強化特性を有するZrO(3Y)セラミック、相転移強化特性を有するZrO(3Y)-Alセラミックから選択される少なくとも1つである。
【0041】
本願の実施例によれば、結合促進層は、金属部材の表面に対して前処理を行って得られたものであってよく、性能が良好な結合促進層を得るために、前処理の方式は、化学気相堆積法及び溶融塩電解法のうちの少なくとも1つを含む。これにより、結合促進層を形成する方法が簡単で、便利であり、実現しやすい。結合促進層の成分、厚さなどは、前述の結合促進層と一致し、ここで説明を省略する。
【0042】
本願の実施例によれば、第1の部材は、セラミック部材であり、かつ第2の部材は、ガラス部材である。具体的には、セラミック部材を形成する材料は、相転移強化特性を有するZrO(3Y)セラミック、相転移強化特性を有するZrO(3Y)-Alセラミックから選択される少なくとも1つであり、ガラス部材を形成する材料は、化学的及び物理的に強化された高アルミニウムガラスを含む。これにより、第1の部材と第2の部材の膨張係数がより適切であり、強度がより優れ、使用需要をよりよく満たすことができ、耐用年数が長く、信号の透過率が高い。
【0043】
本願の別の態様では、本願は、複合体を製造する方法を提供する。本願の実施例によれば、図7を参照し、該方法は、以下のステップS100~S200を含む。
【0044】
S100では、封止スラリーを用いて、上記第1の部材の少なくとも一部の外面に封止層を形成する。
【0045】
本願の実施例によれば、上記封止スラリーには、ガラス粉末が含まれる。これにより、該封止スラリーにより形成された封止層は、接着力が強いため、第1の部材と第2の部材との間の結合強度を向上させることに役立ち、かつガラス粉末は、前述の説明と一致し、ここで説明を省略する。
【0046】
本願の実施例によれば、封止スラリーは、ガラス粉末、接着剤及び溶剤を混合して形成されたものであり、かつガラス粉末、接着剤及び溶剤は、前述の説明と一致し、ここで説明を省略する。本願の実施例によれば、封止スラリーは、88~92重量部のガラス粉末、8~12重量部の接着剤及び適量の溶剤を含む。本願の実施例によれば、上記溶剤の具体的な使用量は、特別な制限要件がなく、当業者は、封止層を形成する封止スラリーの流動性に基づいて適切な溶剤使用量を決定することができる。これにより、封止スラリーの混合効果が優れ、粘度が優れ、それを結合促進層の表面に塗布することに役立つ。
【0047】
本願のいくつかの実施例において、各前記サブ封止層は、以下のステップにより形成される。上記封止スラリーを対応する外面(第1の部材又は他のサブ封止層の外面)に塗布し、上記サブ封止層を得て、上記操作を複数回繰り返して、複数のサブ封止層を含む封止層を取得することができる。これにより、操作しやすく、便利であり、実現しやすく、かつ性能が優れた封止層を取得することができる。本願の他のいくつかの実施例において、各前記サブ封止層は、以下のステップにより形成される。上記封止スラリーを対応する外面(第1の部材又は他のサブ封止層の外面)に塗布し、上記封止スラリー層を得て、上記封止スラリー層を溶融するまで加熱し、次に溶融した上記封止スラリー層を凝固させ、上記サブ封止層を得て、塗布ステップを複数回繰り返して複数の封止スラリー層を形成し、そして複数の封止スラリー層を溶融するまで加熱してから凝固させて、複数のサブ封止層を含む封止層を取得することができる。これにより、操作しやすく、便利であり、実現しやすく、封止層と第1の部材との結合強度をより高くすることができ、第1の部材と第2の部材との間のシームレスな結合を実現することにさらに役立つ。
【0048】
本願の実施例によれば、第1の部材が金属部材である場合、封止層を形成する前に、第1の部材を前処理することにより、上記第1の部材の少なくとも一部の表面に結合促進層を形成することをさらに含む。
【0049】
本願の実施例によれば、第1の部材を前処理する前に、第1の部材に対して脱脂、洗浄及び乾燥を行うステップをさらに含んでよく、これにより、清潔な第1の部材の表面を取得することができ、その表面に前処理を行うことに役立つ。
【0050】
本願の実施例によれば、第1の部材と結合促進層は、前述の説明と一致し、ここで説明を省略する。
【0051】
本願の実施例によれば、上記前処理は、上記第1の部材に対して酸化処理及びコーティング処理のうちの少なくとも1つを行うことを含む。これにより、操作しやすく、便利であり、実現しやすく、かつ膨張係数が適切で、封止層と類似しており、かつ、互いに可溶である結合促進層を形成することができ、後続の第1の部材と第2の部材との間のシームレスな結合に役立つ。
【0052】
本願の実施例によれば、上記コーティング処理は、化学気相堆積法及び溶融塩電解法のうちの少なくとも1つにより行うことができる。これにより、操作しやすく、便利であり、実現しやすく、性能が優れた結合促進層を取得することができる。本願の実施例によれば、化学気相堆積法により前処理を行う場合、第1の部材の表面に一層の金属層又は金属酸化物層を堆積する。これにより、結合促進層と第1の部材及び封止層との間の結合力が強い。本願の実施例によれば、溶融塩電解法により前処理を行う場合、第1の部材の表面に一層の金属層を単独で形成する。これにより、形成された結合促進層の性能がより優れ、第1の部材と第2の部材との間のシームレスな結合を実現し、一体化を実現することにさらに役立つ。
【0053】
本願のいくつかの実施例において、溶融塩電解法により結合促進層を形成する具体的な
操作は、第1の部材を陰極として溶融塩に浸漬し、溶融塩を電解することにより第1の部材の表面に薄層の異種金属被覆物を得ることであってよい。これにより、操作しやすく、便利であり、実現しやすく、性能が優れた結合促進層を取得することができる。
【0054】
本願の実施例によれば、酸化処理は、本分野の既知の金属酸化処理方法であってよく、これにより、金属部材の外面を直接酸化して金属酸化物層を形成することができ、結合強度がより高く、得られたケースの性能がより優れる。
【0055】
S200では、第2の部材を上記封止層に接触させ、上記封止層を溶融するまで加熱し、そして溶融した上記封止層を凝固させて、上記複合体を得る。
【0056】
本願の実施例によれば、第2の部材は、前述の説明と一致し、ここで説明を省略する。
【0057】
本願の実施例によれば、封止層が完全に溶融する温度は、第2の部材の軟化温度より低く、これにより、封止層と第2の部材との間に拡散や濡れが発生し、封止効果が高く、優れた結合効果を実現することができ、かつ第2の部材をほとんど破損せず、複合体の外観が美しい。なお、封止層が完全に溶融する温度とは、封止層が完全に溶融する時の最低温度値を指し、第2の部材の軟化温度とは、第2の部材が軟化し始める時の温度を指す。
【0058】
本願の実施例によれば、上記複合体製造方法は、操作しやすく、便利であり、実現しやすく、結合促進層をより強固に封止層に接続することができ、さらに第1の部材と第2の部材をより強固に結合することができ、かつ得られた複合体は、前述の全ての特徴及び利点を備え、ここで説明を省略する。そして、該方法は、第1の部材がフレームで、第2の部材が背面ケースである限り、同様に前述の電子機器ケースを製造することに適用され、具体的な操作は、完全に一致する。
【0059】
以下、本願の実施例を詳細に説明する。
【0060】
特に説明しない限り、後の実施例及び比較例において、以下の方法により電子機器ケースの性能を試験する。
【0061】
性能検出方法
【0062】
結合強度性能検出:引き抜き力試験。
【0063】
具体的な操作
【0064】
装置:万能試験機
【0065】
試験片:第1の部材と第2の部材をそれぞれ寸法が30mm*12mm*0.7mmの試験片に製造し、第1の部材と第2の部材の結合面積(又は封止層の面積)が6mm*12mmである。
【0066】
試験方法:試験片を試験台に固定し、第1の部材又は第2の部材の非結合部分が破断するか又は結合面が脱落するまで、5mm/minの速度で万能試験機を用いて負荷をかけ、試験概略図を図8に示す。
【0067】
複数のサブ封止層の特徴付け:走査型電子顕微鏡(SEM)のラインスキャン。
(実施例1)
【0068】
電子機器ケースの構成
【0069】
金属フレーム:形成材料は、ステンレス鋼であり、その表面の結合促進層は、金属酸化物層(酸化アルミニウム層)であり、結合促進層の厚さは1μmであり、結合促進層を形成する方式は化学気相堆積である。
【0070】
サブ封止層1:92重量部のホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、8重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、結合促進層の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0071】
サブ封止層2:92重量部のリン酸塩酸化物系ガラス粉末、8重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0072】
無機背面ケース:形成材料は、高アルミニウムガラスである。
【0073】
結合促進層と金属フレームの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、結合促進層とサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2と無機背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、かつ金属フレーム、サブ封止層1、サブ封止層2及び無機背面ケースの熱膨張係数は、徐々に減少する。
【0074】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、金属フレームと無機背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの金属フレームと無機背面ケースとの結合強度が100N以上である。
【0075】
ケースを切断して、図3に示すような断面を得て、走査型電子顕微鏡により封止層に対応する位置を観察し、走査型電子顕微鏡写真を図9に示し、図9において、横線の上方がサブ封止層2に対応し、横線の下方がサブ封止層1に対応し、それぞれサブ封止層1及びサブ封止層2をラインスキャンし、スキャンスペクトルをそれぞれ図10及び図11に示す。図9図10及び図11から分かるように、封止位置を拡大観察しても封止痕がなく、走査型電子顕微鏡のラインスキャンにより異なる成分のサブ封止層を検出し特徴付けることができる。
(実施例2)
【0076】
電子機器ケースの構成
【0077】
金属フレーム:形成材料は、アルミニウム合金であり、その表面の結合促進層は、金属酸化物層(酸化チタン層)であり、結合促進層の厚さは、1μmであり、結合促進層を形成する方式は、化学気相堆積である。
【0078】
サブ封止層1:88重量部のホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、12重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、結合促進層の外面に塗布し、次に溶融するまで加熱してから凝固させて、サブ封止層1を得ることである。
【0079】
サブ封止層2:88重量部のリン酸塩酸化物系ガラス粉末、12重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラ
リーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0080】
無機背面ケース:形成材料は、高アルミニウムガラスである。
【0081】
結合促進層と金属フレームの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、結合促進層とサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2と無機背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0082】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、金属フレームと無機背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの金属フレームと無機背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例3)
【0083】
電子機器ケースの構成
【0084】
金属フレーム:形成材料は、ステンレス鋼であり、その表面の結合促進層は、金属酸化物層(酸化ニッケル)であり、結合促進層の厚さは、5μmであり、結合促進層を形成する方式は、化学気相堆積である。
【0085】
サブ封止層1:90重量部のホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、結合促進層の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0086】
サブ封止層2:90重量部のリン酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0087】
無機背面ケース:形成材料はZrO(3Y)セラミックである。
【0088】
結合促進層と金属フレームの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、結合促進層とサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は±、10%以内であり、サブ封止層2と無機背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0089】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、金属フレームと無機背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの金属フレームと無機背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例4)
【0090】
電子機器ケースの構成
【0091】
金属フレーム:形成材料は、アルミニウム合金であり、その表面の結合促進層は、金属酸化物層(酸化モリブデン)であり、結合促進層の厚さは、1μmであり、結合促進層を形成する方式は、化学気相堆積である。
【0092】
サブ封止層1:90重量部のホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部のケイ酸塩
系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、結合促進層の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0093】
サブ封止層2:90重量部のリン酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0094】
無機背面ケース:形成材料は、ZrO(3Y)セラミックである。
【0095】
結合促進層と金属フレームの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、結合促進層とサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2と無機背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0096】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、金属フレームと無機背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの金属フレームと無機背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例5)
【0097】
電子機器ケースの構成
【0098】
金属フレーム:形成材料は、アルミニウム合金であり、その表面の結合促進層は、金属層(アルミニウム層)であり、結合促進層の厚さは、1μmであり、結合促進層を形成する方式は、化学気相堆積である。
【0099】
サブ封止層1:90重量部の硫化物系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、結合促進層の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0100】
サブ封止層2:90重量部のホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0101】
無機背面ケース:形成材料は、ZrO(3Y)-Alセラミックである。
【0102】
結合促進層と金属フレームの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、結合促進層とサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2と無機背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0103】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、金属フレームと無機背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの金属フレームと無機背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例6)
【0104】
電子機器ケースの構成
【0105】
金属フレーム:形成材料は、アルミニウム合金であり、その表面の結合促進層は、金属層(チタン層)であり、結合促進層の厚さは、10μmであり、結合促進層を形成する方式は、溶融塩電解である。
【0106】
サブ封止層1:90重量部のハロゲン化物系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、結合促進層の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0107】
サブ封止層2:90重量部のホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0108】
無機背面ケース:形成材料は、ZrO(3Y)-Alセラミックである。
【0109】
結合促進層と金属フレームの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、結合促進層とサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2と無機背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0110】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、金属フレームと無機背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの金属フレームと無機背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例7)
【0111】
電子機器ケースの構成
【0112】
金属フレーム:形成材料は、ステンレス鋼であり、その表面の結合促進層は、金属層(ニッケル層)であり、結合促進層の厚さは、10μmであり、結合促進層を形成する方式は、化学気相堆積である。
【0113】
サブ封止層1:90重量部のリン酸塩系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、結合促進層の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0114】
サブ封止層2:90重量部のホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0115】
無機背面ケース:形成材料は、ZrO(3Y)-Alセラミックである。
【0116】
結合促進層と金属フレームの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、結合促進層と封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2と無機背面ケースの熱膨張係数の差は、
±10%以内である。
【0117】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、金属フレームと無機背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの金属フレームと無機背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例8)
【0118】
電子機器ケースの構成
【0119】
金属フレーム:形成材料は、ステンレス鋼であり、その表面の結合促進層は、金属層(モリブデン層)であり、結合促進層の厚さは、10μmであり、結合促進層を形成する方式は、溶融塩電解である。
【0120】
サブ封止層1:90重量部のホウ酸塩系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、結合促進層の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0121】
サブ封止層2:90重量部のケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0122】
無機背面ケース:形成材料は、ZrO(3Y)-Alセラミックである。
【0123】
結合促進層と金属フレームの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、結合促進層とサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2と無機背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0124】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、金属フレームと無機背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの金属フレームと無機背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例9)
【0125】
電子機器ケースの構成
【0126】
金属フレーム:形成材料は、ステンレス鋼であり、その表面の結合促進層は、金属層(モリブデン層)であり、結合促進層の厚さは、10μmであり、結合促進層を形成する方式は、溶融塩電解である。
【0127】
サブ封止層1:90重量部のホウ酸塩系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、結合促進層の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0128】
サブ封止層2:90重量部のケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合
して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0129】
サブ封止層3:90重量部のリン酸塩系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層3を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層2の外面に塗布することである。
【0130】
無機背面ケース:形成材料は、ZrO(3Y)-Alセラミックである。
【0131】
結合促進層と金属フレームの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、結合促進層とサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層3と無機背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0132】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、金属フレームと無機背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの金属フレームと無機背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例10)
【0133】
電子機器ケースの構成
【0134】
金属フレーム:形成材料は、ステンレス鋼であり、その表面の結合促進層は、金属酸化物層(酸化アルミニウム層)であり、結合促進層の厚さは、1μmであり、結合促進層を形成する方式は、化学気相堆積である。
【0135】
サブ封止層1:92重量部のホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、8重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、結合促進層の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0136】
サブ封止層2:88重量部のホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末(サブ封止層1と同じガラス粉末を採用する)、12重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0137】
無機背面ケース:形成材料は、高アルミニウムガラスである。
【0138】
結合促進層と金属フレームの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、結合促進層とサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2と無機背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0139】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、金属フレームと無機背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの金属フレームと無機背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例11)
【0140】
電子機器ケースの構成
【0141】
金属フレーム:形成材料は、ステンレス鋼であり、その表面の結合促進層は、金属酸化物層(酸化アルミニウム層)であり、結合促進層の厚さは、1μmであり、結合促進層を形成する方式は、化学気相堆積である。
【0142】
サブ封止層1:92重量部のアルミノケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、8重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、結合促進層の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0143】
サブ封止層2:92重量部のホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、8重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0144】
無機背面ケース:形成材料は、高アルミニウムガラスである。
【0145】
結合促進層と金属フレームの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、結合促進層とサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2と無機背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0146】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、金属フレームと無機背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの金属フレームと無機背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例12)
【0147】
電子機器ケースの構成は、本比較例1における金属フレームの表面が結合促進層を含まないことを除いて、実施例1と同じである。
【0148】
サブ封止層1と金属フレームの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2と無機背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0149】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、金属フレームと無機背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースの金属フレームと無機背面ケースとの結合強度が60~80N以上である。
(実施例13)
【0150】
電子機器ケースの構成
【0151】
セラミックフレーム:形成材料は、ZrO(3Y)-Alセラミックである。
【0152】
サブ封止層1:90重量部のホウ酸塩系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、セラミック部材の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0153】
サブ封止層2:90重量部のケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0154】
ガラス背面ケース:形成材料は、高アルミニウムガラスである。
【0155】
セラミックフレームとサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2とガラス背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0156】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、セラミックフレームとガラス背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースのセラミックフレームとガラス背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例14)
【0157】
電子機器ケースの構成
【0158】
セラミックフレーム:形成材料は、ZrO(3Y)セラミックである。
【0159】
サブ封止層1:90重量部のホウ酸塩系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、セラミック部材の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0160】
サブ封止層2:90重量部のケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0161】
ガラス背面ケース:形成材料は、高アルミニウムガラスである。
【0162】
セラミックフレームとサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2とガラス背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0163】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、セラミックフレームとガラス背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースのセラミックフレームとガラス背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例15)
【0164】
電子機器ケースの構成
【0165】
セラミックフレーム:形成材料は、ZrO(3Y)-Alセラミックである。
【0166】
サブ封止層1:90重量部のホウ酸塩系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを
形成し、セラミック部材の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0167】
サブ封止層2:90重量部のケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部のケイ酸塩系無機接着剤及び適量のエタノールを含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0168】
サブ封止層3:90重量部のリン酸塩系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層3を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層2の外面に塗布することである。
【0169】
ガラス背面ケース:形成材料は、高アルミニウムガラスである。
【0170】
セラミックフレームとサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2とサブ封止層3の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層3とガラス背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内であり、かつセラミックフレーム、サブ封止層1、サブ封止層2、サブ封止層3及びガラス背面ケースの熱膨張係数は、徐々に減少する。
【0171】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、セラミックフレームとガラス背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースのセラミックフレームとガラス背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例16)
【0172】
電子機器ケースの構成
【0173】
セラミックフレーム:形成材料は、ZrO(3Y)セラミックである。
【0174】
サブ封止層1:90重量部のホウ酸塩系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、セラミック部材の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0175】
サブ封止層2:92重量部のホウ酸塩系ガラス粉末(サブ封止層1と同じガラス粉末を採用する)、8重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0176】
ガラス背面ケース:形成材料は、高アルミニウムガラスである。
【0177】
セラミックフレームとサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2とガラス背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0178】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、セラミックフレームとガラス背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースのセラミックフレームとガラス背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(実施例17)
【0179】
電子機器ケースの構成
【0180】
セラミックフレーム:形成材料は、ZrO(3Y)セラミックである。
【0181】
サブ封止層1:90重量部のホウケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層1を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、セラミック部材の外面に塗布し、溶融するまで加熱してから硬化させて、ガラス化されたサブ封止層1を得ることである。
【0182】
サブ封止層2:90重量部のアルミノケイ酸塩酸化物系ガラス粉末、10重量部の水性ポリウレタン及び適量の水を含み、サブ封止層2を形成する方式は、上記原料を混合して封止スラリーを形成し、上記ガラス化されたサブ封止層1の外面に塗布することである。
【0183】
ガラス背面ケース:形成材料は、高アルミニウムガラスである。
【0184】
セラミックフレームとサブ封止層1の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層1とサブ封止層2の熱膨張係数の差は、±10%以内であり、サブ封止層2とガラス背面ケースの熱膨張係数の差は、±10%以内である。
【0185】
本実施例の電子機器ケースは、外観が美しく、きれいであり、セラミックフレームとガラス背面ケースとの間のシームレスな無段差結合を実現することができ、かつ信号をほとんど遮蔽せず、電子機器ケースのセラミックフレームとガラス背面ケースとの結合強度が100N以上である。
(比較例1)
【0186】
封止層が単層構造であり、ホウケイ酸塩ガラス粉末を含み、金属フレームがアルミニウム合金であり、かつ金属フレームと封止層の熱膨張係数の差が30%であり、封止層と無機背面ケースの熱膨張係数の差が20%であることを除いて、実施例1と同様である。該比較例で得られたケースは、金属フレームと背面ケースの熱膨張係数の差が大きすぎ、封止後に割れやすい。
【0187】
本願の説明において、用語「第1の」、「第2の」は、目的を説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示するか又は暗示するものとして、或いは、指示された技術的特徴の数量を暗示するものとして理解すべきではない。これにより、「第1の」、「第2の」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含むことができる。本願の説明において、「複数」とは、明確かつ具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0188】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な形態で結合することができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例や例、及び異なる実施例や例の特徴を結合するか又は組み合わせることができる。
【0189】
以上、本願の実施例を示し、説明したが、上記実施例は、例示的なものであり、本願を
限定するものであると理解すべきではなく、当業者であれば、本願の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームの少なくとも一部の外面に設けられ、順に積層して設けられた複数のサブ封止層を含む封止層と、
前記封止層を介して前記フレームに接触している背面ケースと、
を備え、
隣接する2つの前記サブ封止層の成分が異なり、
前記フレームは、金属フレームであり、前記背面ケースは、無機背面ケースであり、
前記金属フレームと前記封止層との間には、さらに結合促進層が設けられ、
前記結合促進層と前記封止層が類似しており、かつ、互いに可溶である、
電子機器ケース。
【請求項2】
前記封止層の熱膨張係数は、前記フレームと前記背面ケースとの熱膨張係数の間にあり、かつ、前記フレーム、複数の前記サブ封止層及び前記背面ケースのうちの隣接する2層の構造の間の熱膨張係数の差が±10%以内である、
請求項1に記載の電子機器ケース。
【請求項3】
前記フレーム、前記封止層及び前記背面ケースの配置方向において、複数の前記サブ封止層の熱膨張係数の勾配が上昇するか又は低下する、
請求項に記載の電子機器ケース。
【請求項4】
前記結合促進層は、次の少なくとも一つの条件を満たし、その条件は、
前記結合促進層の前記金属フレームから離れる面に凹凸構造を有する条件、
前記結合促進層が多孔質構造を有する条件、
前記結合促進層がM又はMを含み、ここで、MがFe、Al、Ti、Ni及びMoから選択される少なくとも1つであり、xが1、2又は3であり、nが1~6の整数である条件、および、
前記結合促進層の厚さが1~10μmである条件である、
請求項に記載の電子機器ケース。
【請求項5】
前記金属フレームを形成する材料は、ステンレス鋼又はアルミニウム合金を含み、
前記無機背面ケースを形成する材料は、ガラス又はセラミックを含む、
請求項に記載の電子機器ケース。
【請求項6】
前記フレームは、セラミックフレームであり、前記背面ケースは、ガラス背面ケースである、
請求項に記載の電子機器ケース。
【請求項7】
前記サブ封止層を形成する材料は、それぞれ独立して、
ガラス粉末、及び
接着剤を含み、
前記ガラス粉末と前記接着剤の質量比が88~92:8~12であり、かつ隣接する2つの前記サブ封止層中の前記ガラス粉末の成分が異なる、
請求項に記載の電子機器ケース。
【請求項8】
前記ガラス粉末は、少なくとも以下の1の条件を満たし、その条件は、
前記ガラス粉末が鉛を含まない条件、および、
前記ガラス粉末がケイ酸塩酸化物系、リン酸塩系、ホウ酸塩系ガラス粉末、硫化物系ガラス粉末及びハロゲン化系ガラス粉末のうちの少なくとも1つを含む条件である、
請求項に記載の電子機器ケース。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項に記載の電子機器ケースを含む、
電子機器。
【請求項10】
第1の部材と、
前記第1の部材の少なくとも一部の外面に設けられ、順に積層して設けられた複数のサブ封止層を含み、かつ隣接する2つの前記サブ封止層の成分が異なる封止層と、
前記封止層により前記第1の部材に接続された第2の部材と、
を含み、
前記第1の部材は、金属部材であり、前記第2の部材は、無機部材であり、前記金属部材と前記封止層との間には、さらに結合促進層が設けられ、
前記結合促進層と前記封止層が類似しており、かつ、互いに可溶である、
複合体。
【請求項11】
前記封止層の熱膨張係数は、前記第1の部材と前記第2の部材との熱膨張係数の間にあり、かつ前記第1の部材、複数の前記サブ封止層及び前記第2の部材のうちの隣接する2層の構造の間の熱膨張係数の差が±10%以内である、
請求項10に記載の複合体。
【請求項12】
前記第1の部材、前記封止層及び前記第2の部材の配置方向において、複数の前記サブ封止層の熱膨張係数の勾配が上昇するか又は低下する、
請求項10に記載の複合体。
【請求項13】
前記結合促進層は、次の少なくとも一つの条件を満たし、その条件は、
前記結合促進層の前記第1の部材から離れる面に凹凸構造を有する条件、
前記結合促進層が多孔質構造を有する条件、
前記結合促進層がM又はM を含み、ここで、MがFe、Al、Ti、Ni及びMoから選択される少なくとも1つであり、xが1、2又は3であり、nが1~6の整数である条件、および、
前記結合促進層の厚さが1~10μmである条件である、
請求項10に記載の電子機器ケース。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0147
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0147】
電子機器ケースの構成は、本実施例における金属フレーム表面結合促進層を含まないことを除いて、実施例1と同じである。
【外国語明細書】