(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182722
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】プロファイル作成方法、プロファイル作成システム、プロファイル及びプロファイル作成プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 7/02 20060101AFI20231219BHJP
G06T 7/521 20170101ALI20231219BHJP
【FI】
G01C7/02
G06T7/521
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023171535
(22)【出願日】2023-10-02
(62)【分割の表示】P 2019112108の分割
【原出願日】2019-06-17
(31)【優先権主張番号】P 2018194616
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】516225913
【氏名又は名称】株式会社エムアールサポート
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】草木 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】森 誉光
(57)【要約】 (修正有)
【課題】精度の高いプロファイルを容易に得る。
【解決手段】本発明の縦断プロファイル作成方法は、既知点に設置された3Dスキャナにより照射されるレーザ光により道路の路面における各点について3次元座標化された点群データを取得する点群データ取得ステップと、道路の路面における線状の調査箇所を指定する調査箇所指定ステップと、点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいて、調査箇所指定ステップで指定された線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、路面の縦断プロファイルを作成する縦断プロファイル作成ステップとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既知点に設置された3次元走査装置から照射されるレーザ光により地面における各点について3次元座標化された点群データを取得する点群データ取得ステップと、
前記地面における線状の調査箇所を指定する調査箇所指定ステップと、
前記点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいて、前記調査箇所指定ステップで指定された前記線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、地面の断面についてのプロファイルを作成するプロファイル作成ステップとを備えることを特徴とするプロファイル作成方法。
【請求項2】
前記プロファイル作成ステップでは、前記点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいて、前記調査箇所指定ステップで指定された前記線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータが導出されて、プロファイルが作成されることを特徴とする請求項1に記載のプロファイル作成方法。
【請求項3】
前記プロファイル作成ステップでは、前記点群データ取得ステップで取得された点群データを頂点として連結された3角形平面の集合体である三次元TINモデルに変換して、前記線状の調査箇所上にある複数の位置におけるデータを導出して、プロファイルが作成されることを特徴とする請求項1または2に記載のプロファイル作成方法。
【請求項4】
前記点群データ取得ステップでは、路面の縦断方向における各点を3次元座標化された点群データが取得され、
前記プロファイル作成ステップでは、路面の縦断プロファイルが作成されることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のプロファイル作成方法。
【請求項5】
前記調査箇所指定ステップでは、線状の調査箇所として、道路の車線における外側車輪通過位置または車線中央から路肩側に所定距離だけ離れた位置が指定されることを特徴とする請求項4に記載のプロファイル作成方法。
【請求項6】
前記点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいた3次元画像を表示部に表示する画像表示ステップを備え、
前記調査箇所指定ステップでは、前記表示部に表示された3次元画像において線状の調査箇所が指定されることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載のプロファイル作成方法。
【請求項7】
既知点に設置され、レーザ光を照射することにより地面における各点について3次元座標化された点群データを取得する3次元走査装置と、
前記地面における線状の調査箇所を指定する調査箇所指定手段と、
前記3次元走査装置で取得された点群データに基づいて、前記調査箇所指定手段で指定された前記線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、地面の断面についてのプロファイルを作成するプロファイル作成手段とを備えることを特徴とするプロファイル作成システム。
【請求項8】
前記プロファイル作成手段は、前記3次元走査装置で取得された点群データに基づいて、前記調査箇所指定手段で指定された前記線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータを導出して、プロファイルを作成することを特徴とする請求項7に記載のプロファイル作成システム。
【請求項9】
前記プロファイル作成手段は、前記3次元走査装置で取得された点群データを頂点として連結された3角形平面の集合体である三次元TINモデルに変換して、前記線状の調査箇所上にある複数の位置におけるデータを導出して、プロファイルを作成することを特徴とする請求項7または8に記載のプロファイル作成方法。
【請求項10】
前記3次元走査装置は、路面の縦断方向における各点を3次元座標化された点群データを取得し、
前記プロファイル作成手段は、路面の縦断プロファイルを作成することを特徴とする請求項7~9の何れかに記載のプロファイル作成システム。
【請求項11】
前記調査箇所指定手段は、線状の調査箇所として、道路の車線における外側車輪通過位置または車線中央から路肩側に所定距離だけ離れた位置を指定することを特徴とする請求項10に記載のプロファイル作成システム。
【請求項12】
前記3次元走査装置で取得された点群データに基づいた3次元画像を表示する表示部を備え、
前記調査箇所指定手段は、前記表示部に表示された3次元画像において線状の調査箇所を指定することを特徴とする請求項7~11の何れかに記載のプロファイル作成システム。
【請求項13】
既知点に設置された3次元走査装置から照射されるレーザ光により取得された点群データであり、且つ、地面における各点について3次元座標化された点群データに基づいて導出された、所定の線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータを含むことを特徴とするプロファイル。
【請求項14】
コンピュータに読み込まれることにより、当該コンピュータを、
既知点に設置された3次元走査装置から照射されるレーザ光により地面における各点について取得された3次元座標化された点群データを受け付ける点群データ受付手段、
前記地面における線状の調査箇所を指定する指定情報を受け付ける指定情報受付手段、
前記点群データ受付手段で受け付けた点群データに基づいて、前記指定情報受付手段で受け付けた指定情報により指定される前記線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、地面の断面についてのプロファイルを作成するプロファイル作成手段として機能させることを特徴とするプロファイル作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば地面の断面についてのプロファイルを作成するプロファイル作成方法、プロファイル作成システム、プロファイル及びプロファイル作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路は、車両等が通行することにより凹凸が生じることから補修する必要があり、その補修を行うためには、道路の路面の凹凸状態についてのデータを取得する必要がある。したがって、道路の補修を実施する際には、3次元スキャナを道路の周辺に設置して、レーザ光を路面に対して照射することにより、道路の路面における各点についての点群データを取得する。
【0003】
また、路面の凹凸状態について、自動車の乗り心地を評価するために路面の凹凸を指標で表わしたものとして、国際ラフネス指標(IRI:International Roughness Index)が知られている。国際ラフネス指標の計算には、道路の路面の縦断プロファイルが必要であり、縦断プロファイルは、道路の縦断方向に沿った断面(路面の高さの変化)を示したものである。国際ラフネス指標の計算は、路面の縦断プロファイルを用いて、計算プログラムを利用してコンピュータで処理されるのが一般的である。このプログラムの代表的なものとしては、Provalと呼ばれるソフトウェアがある。
【0004】
路面の縦断プロファイルは、路面の凹凸を示す高さの変化のデータを含んでおり、測定員がプロフィルメータを測定対象となる道路に沿って移動させて測定される(特許文献1参照)。また、路面の縦断プロファイルは、路面性状車を測定対象となる道路を走行させて測定することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
測定員による測定および路面性状車による測定のいずれにおいても、路面の縦断プロファイルを取得するためには、多くの手間と時間がかかる。特に、上述した路面性状車での測定は高価である。また、測定員による測定や路面性状車による測定に基づいた縦断プロファイルは、水準測量に基づいた縦断プロファイルと比べて、精度が低い。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、精度の高いプロファイルを容易に得られるプロファイル作成方法、プロファイル作成システム、プロファイル及びプロファイル作成プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明に係るプロファイル作成方法は、既知点に設置された3次元走査装置から照射されるレーザ光により地面における各点について3次元座標化された点群データを取得する点群データ取得ステップと、前記地面における線状の調査箇所を指定する調査箇所指定ステップと、前記点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいて、前記調査箇所指定ステップで指定された前記線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、地面の断面についてのプロファイルを作成するプロファイル作成ステップとを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るプロファイル作成システムは、既知点に設置され、レーザ光を照射することにより地面における各点について3次元座標化された点群データを取得する3次元走査装置と、前記地面における線状の調査箇所を指定する調査箇所指定手段と、前記3次元走査装置で取得された点群データに基づいて、前記調査箇所指定手段で指定された前記線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、地面の断面についてのプロファイルを作成するプロファイル作成手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るプロファイル作成プログラムは、コンピュータに読み込まれることにより、当該コンピュータを、既知点に設置された3次元走査装置から照射されるレーザ光により地面における各点について取得された3次元座標化された点群データを受け付ける点群データ受付手段、前記地面における線状の調査箇所を指定する指定情報を受け付ける指定情報受付手段、前記点群データ受付手段で受け付けた点群データに基づいて、前記指定情報受付手段で受け付けた指定情報により指定される前記線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、地面の断面についてのプロファイルを作成するプロファイル作成手段として機能させることを特徴とする。
【0012】
これにより、本発明に係るプロファイル作成方法、プロファイル作成システム及びプロファイル作成プログラムでは、地面の断面についてのプロファイル(地面の高さの変化を示したもの)が、地面を補修する際に通常取得される3次元点群データに基づいて作成される。したがって、地面の断面についてのプロファイルを取得するために、測定員による測定および路面性状車による測定を行う必要がないことから、多くの手間と時間をかける必要がない。特に路面性状車での測定が必要ないことから、費用の低減が可能である。また、本発明で得られるプロファイルは、測定員による測定や路面性状車による測定に基づいたプロファイルと比べて精度が高く、水準測量に基づいたプロファイルと同程度の精度である。
【0013】
本発明に係るプロファイル作成方法において、前記プロファイル作成ステップでは、前記点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいて、前記調査箇所指定ステップで指定された前記線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータが導出されて、プロファイルが作成されることを特徴とする。
【0014】
本発明に係るプロファイル作成システムにおいて、前記プロファイル作成手段は、前記3次元走査装置で取得された点群データに基づいて、前記調査箇所指定手段で指定された前記線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータを導出して、プロファイルを作成することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るプロファイルは、既知点に設置された3次元走査装置から照射されるレーザ光により取得された点群データであり、且つ、地面における各点について3次元座標化された点群データに基づいて導出された、所定の線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータを含むことを特徴とする。
【0016】
これにより、本発明に係るプロファイル作成方法及びプロファイル作成システムでは、プロファイルが、線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータに基づいて作成される。したがって、プロファイルの位置を緯度及び経度に基づいて特定可能である。
【0017】
本発明に係るプロファイル作成方法において、前記プロファイル作成ステップでは、前記点群データ取得ステップで取得された点群データを頂点として連結された3角形平面の集合体である三次元TINモデルに変換して、前記線状の調査箇所上にある複数の位置におけるデータを導出して、プロファイルが作成されることを特徴とする。
【0018】
本発明に係るプロファイル作成システムにおいて、前記プロファイル作成手段は、前記3次元走査装置で取得された点群データを頂点として連結された3角形平面の集合体である三次元TINモデルに変換して、前記線状の調査箇所上にある複数の位置におけるデータを導出して、プロファイルを作成することを特徴とする。
【0019】
これにより、本発明に係るプロファイル作成方法及びプロファイル作成システムでは、線状の調査箇所における点群データが、3次元走査装置で取得された点群データに含まれない場合でも、線状の調査箇所周辺の点群データに基づいて、線状の調査箇所におけるプロファイルを作成することが可能である。また、3次元走査装置により取得される点群データを低減することで、データ量を少なくすることが可能である。
【0020】
本発明に係るプロファイル作成方法において、前記点群データ取得ステップでは、路面の縦断方向における各点を3次元座標化された点群データが取得され、前記プロファイル作成ステップでは、路面の縦断プロファイルが作成されることを特徴とする。
【0021】
本発明に係るプロファイル作成方法において、前記3次元走査装置は、路面の縦断方向における各点を3次元座標化された点群データを取得し、前記プロファイル作成手段は、路面の縦断プロファイルを作成することを特徴とする。
【0022】
これにより、本発明に係るプロファイル作成方法及びプロファイル作成システムでは、路面の縦断プロファイルが、道路を補修する際に通常取得される3次元点群データに基づいて作成される。したがって、路面の縦断プロファイルを取得するために、測定員による測定および路面性状車による測定を行う必要がないことから、多くの手間と時間をかける必要がない。特に路面性状車での測定が必要ないことから、費用の低減が可能である。また、本発明で得られる縦断プロファイルは、測定員による測定や路面性状車による測定に基づいた縦断プロファイルと比べて精度が高く、水準測量に基づいた縦断プロファイルと同程度の精度である。
【0023】
本発明に係るプロファイル作成方法において、前記調査箇所指定ステップでは、線状の調査箇所として、道路の車線における外側車輪通過位置または車線中央から路肩側に所定距離だけ離れた位置が指定されることを特徴とする。
【0024】
本発明に係るプロファイル作成システムにおいて、前記調査箇所指定手段は、線状の調査箇所として、道路の車線における外側車輪通過位置または車線中央から路肩側に所定距離だけ離れた位置を指定することを特徴とする。
【0025】
これにより、本発明に係るプロファイル作成方法及びプロファイル作成システムでは、通常、国際ラフネス指標の計算に使用される縦断プロファイルを作成可能である。
【0026】
本発明に係るプロファイル作成方法において、前記点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいた3次元画像を表示部に表示する画像表示ステップを備え、前記調査箇所指定ステップでは、前記表示部に表示された3次元画像において線状の調査箇所が指定されることを特徴とする。
【0027】
本発明に係るプロファイル作成システムにおいて、前記3次元走査装置で取得された点群データに基づいた3次元画像を表示する表示部を備え、前記調査箇所指定手段は、前記表示部に表示された3次元画像において線状の調査箇所を指定することを特徴とする。
【0028】
これにより、本発明に係るプロファイル作成方法及びプロファイル作成システムでは、線状の調査箇所を、表示部に表示された3次元画像において容易に指定可能である。
【発明の効果】
【0029】
以上、本発明によれば、地面の断面についてのプロファイルを取得するために、測定員による測定および路面性状車による測定を行う必要がないことから、多くの手間と時間をかける必要がない。特に路面性状車での測定が必要ないことから、費用の低減が可能である。また、本発明で得られるプロファイルは、測定員による測定や路面性状車による測定に基づいたプロファイルと比べて精度が高く、水準測量に基づいたプロファイルと同程度の精度である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態に係る縦断プロファイル作成システムの概略構成を示した図である。
【
図2】
図2(a)は、色情報が補強された点群データに基づいて作成された3D画像であり、
図2(b)は、色情報が補強されてない点群データに基づいて作成された通常の3D画像である。
【
図3】道路の路面における線状の調査箇所の例を示す図である。
【
図4】
図4(a)は、表示部に表示された道路の路面の3D画像を示し、
図4(b)は、表示部に表示された道路の路面の3D画像において線状の調査箇所が指定された状態を示す図である。
【
図5】点群データを三次元TINモデルに変換して調査箇所における各点のデータを導出する方法を説明する図である。
【
図7】
図1の縦断プロファイル作成システムの縦断プロファイル作成方法を示す図である。
【
図8】点群データに基づいて調査箇所における各点のデータを導出する方法の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0032】
本発明の実施形態に係る縦断プロファイル作成システム1は、既知点に設置された3Dスキャナ2(3次元走査装置)と、撮影装置としての無人航空機であるUAV3(Unmanned Aerial Vehicle)と、3Dスキャナ2及びUAV3が無線接続された縦断プロファイル作成装置10とを有している。
【0033】
3Dスキャナ2は、レーザ光を照射することにより道路の路面及びその周辺の各点を3次元座標化された点群データ(平面位置座標を有する標高の集合)として取得し、点群データを縦断プロファイル作成装置10に供給する。3Dスキャナ2は、測定対象物(道路の路面)に対して、例えば垂直方向及び水平方向にラインレーザ光を出射し、測定対象物の測定点とセンサの間をレーザパルスが往復する時間を計測することで、測定点までの距離を求めることができる。上述したように国際ラフネス指標に基づいて評価するために、道路の路面の縦断プロファイル(路面の高さの変化を示したもの)が必要であるが、線状の経路において25cm以下の間隔でのデータが必要である。そのため、3Dスキャナ2により取得される点群データは、例えば25cm以下の間隔おきの位置におけるデータであり、本実施形態において、3Dスキャナ2は、例えば5ミリメートルの間隔おきの位置における点群データを取得する。そのため、路面表面の小さい間隔おきの標高が検知可能であり、道路の路面表面の凹凸を適正に検知可能となる。UAV3は、上空から道路の路面を撮影し、撮影データを取得し、撮影データを縦断プロファイル作成装置10に供給する。
【0034】
縦断プロファイル作成装置10は、
図1に示すように、制御部10aを有しており、制御部10aは、例えば、マイクロコンピュータなどで構成されており、CPUと、縦断プロファイル作成装置10の動作を制御するプログラムが格納されたROMと、上記プログラムを実行する際に用いられるデータ等が一時的に記憶されるRAMとを備えている。即ち、制御部10aは、CPU、メモリ及びインターフェースを含む通常のマイクロコンピュータを主体として構成されるもので、メモリに記憶されている縦断プロファイル作成プログラムに従い所定の演算、処理を行って、周辺ハードウェアとの協働の下に、3Dスキャナ2及びUAV3から取り込んだデータに基づいて、縦断プロファイルを作成する。
【0035】
縦断プロファイル作成装置10の制御部10aは、撮影データ記憶部11aを含む撮影データ受付部11と、点群データ記憶部12aを含む点群データ受付部12と、オルソ画像作成部13と、色情報補強部14aを含む3D画像作成部14と、表示制御部15と、調査箇所記憶部16aを含む指定情報受付部16と、縦断プロファイル作成部17とを有している。また、縦断プロファイル作成装置10の制御部10aには、表示画面などの表示部5aと、操作部5bとが接続されている。
【0036】
撮影データ受付部11は、UAV3から供給された撮影データを受け付ける。撮影データ受付部11aは、UAV3から供給された撮影データを記憶する。
【0037】
点群データ受付部12は、3Dスキャナ2から供給された道路の路面における各点についての点群データを受け付ける。点群データ記憶部12aは、3Dスキャナ2から供給された道路の路面における各点についての点群データを記憶する。点群データとして、道路の路面における各点についての緯度、経度及び高さに対応したデータを含んでいる。
【0038】
オルソ画像作成部13は、UAV3により撮影された撮影データに基づいて、オルソ画像を作成する。具体的には、オルソ画像作成部13は、撮影データに対してSfM(Structure from Motion)解析などを行うことにより、オルソ画像を作成する。
【0039】
3D画像作成部14は、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに基づいて、道路の路面の3D画像を作成する。3D画像作成部14は、色情報補強部14aを含んでいる。色情報補強部14aは、オルソ画像作成部13により作成されたオルソ画像に基づいて、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに対して色情報を補強する。
【0040】
3D画像作成部14は、色情報補強部14aにより色情報が補強された点群データに基づいて、
図2に示すように、道路の路面の3D画像を作成する。
図2(a)は、色情報が補強された点群データに基づいて作成された3D画像であり、
図2(b)は、色情報が補強されてない点群データに基づいて作成された通常の3D画像である。このように、本実施形態では、3D画像が、色情報が補強された点群データに基づいて作成されることにより、色情報が補強されてない点群データに基づいて作成された通常の3D画像と比べて、色が鮮明であり、道路の区画線などが詳細に分かる。
【0041】
表示制御部15は、表示部5aに表示される内容を制御する。例えば、表示制御部15は、3D画像作成部14により作成された3D画像を表示部5aに表示する。また、表示制御部15は、縦断プロファイル作成部17により作成された縦断プロファイルを表示部5aに表示する。
【0042】
指定情報受付部16は、操作部5bが操作されることにより指定された道路の路面における線状の調査箇所についての指定情報を受け付ける。調査箇所記憶部16aは、操作部5bが操作されることにより指定された道路の路面における線状の調査箇所を記憶する。具体的には、調査箇所記憶部16aは、表示部5aに表示された3D画像において、操作部5bが操作されることにより、始点(起点)と、終点と、始点と終点との間の経路とが指定された際に、その線状の調査箇所についての指定情報を記憶する。本実施形態では、道路の路面の平坦性を調査するために、
図3に示すように、車線中央から路肩側に100cmの位置a1、または、道路の車線における外側車輪通過位置a2において、直線状の調査箇所が指定される。
図4(a)は、表示部5aに表示された道路の路面の3D画像を示し、
図4(b)は、操作部5bが操作されることにより、表示部5aに表示された道路の路面の3D画像がおいて線状の調査箇所a1が指定された状態を示している。例えば、国際ラフネス指標は、1つの線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータに基づいて作成された縦断プロファイルがあれば計算可能である。
【0043】
縦断プロファイル作成部17は、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに基づいて、調査箇所記憶部16aに記憶された線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを導出して、道路の路面の縦断プロファイル(路面の高さの変化を示したもの)を作成する。本実施形態において、道路の路面の縦断プロファイルには、始点の緯度、経度及び高さに対応したデータと、終点の緯度、経度及び高さに対応したデータと、始点と終点との間の経路における等間隔おきの緯度、経度及び高さに対応したデータとを含んでいる。本実施形態において、縦断プロファイル作成部17は、始点と終点との間の経路において、25cm以下の間隔(本実施形態では、20cmおきの等間隔)でデータを取り出して、道路の路面の縦断プロファイルを作成する。始点と終点との間の経路においてデータを取り出す間隔は、任意に設定可能である。
【0044】
具体的には、縦断プロファイル作成部17では、
図5に示すように、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに基づいて、3Dスキャナ2により取得された点群データを頂点として連結された3角形平面の集合体である三次元TINモデル(不定形三角網)に変換して、調査箇所記憶部16aに記憶された線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを導出する。そのため、縦断プロファイル作成部17は、調査箇所記憶部16aに記憶された線状の調査箇所における各点の点群データが、点群データ記憶部12aに記憶されてない場合でも、線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを導出することが可能である。
図5において、A
1点、A
2点及びA
3点の点群データが点群データ記憶部12aに記憶されている場合、A
1点、A
2点及びA
3点を頂点として連結された3角形平面の集合体である三次元TINモデルに変換される。線状の調査箇所上にあるa
1点及びa
2点は、その3角形平面の内部にあり、A
1点、A
2点及びA
3点を通過する平面上にあるとして、a
1点及びa
2点における高さに対応したデータを導出する。
【0045】
縦断プロファイル作成部17により作成された縦断プロファイルは、
図6に示すように、線状の調査箇所における等間隔おきの緯度、経度及び高さに対応したデータを含む。
図6において、a、b及びcは、それぞれ、緯度、経度及び高さを示す数値である。
図6では、データNO.1が始点における緯度、経度及び高さに対応したデータであり、データNO.nが終点における緯度、経度及び高さに対応したデータであり、データNO.2~NO.n-1が始点と終点との間の経路における等間隔おきの緯度、経度及び高さに対応したデータである。
【0046】
本実施形態の縦断プロファイル作成システム1の縦断プロファイル作成方法について、
図7に基づいて説明する。
【0047】
ステップS1(点群データ取得ステップ)において、道路の周辺に設置された3Dスキャナ2で道路の路面のスキャニングが行われることにより、点群データが取得され、その点群データが縦断プロファイル作成装置10に供給される。
【0048】
ステップS2において、縦断プロファイル作成装置10において、点群データ受付部12は、3Dスキャナ2から供給された点群データを受け付けて、3Dスキャナ2から縦断プロファイル作成装置10に供給された点群データが点群データ記憶部12aに記憶される。
【0049】
ステップS3では、上空からUAV3で道路の路面が撮影されることにより、撮影データが取得され、その撮影データが縦断プロファイル作成装置10に供給される。
【0050】
ステップS4において、縦断プロファイル作成装置10において、撮影データ受付部11は、UAV3から供給された撮影データを受け付けて、UAV3から縦断プロファイル作成装置10に供給された撮影データが撮影データ記憶部11aに記憶される。その後、UAV3から縦断プロファイル作成装置10に供給された撮影データに基づいて、道路の路面のオルソ画像が作成され、その後、作成されたオルソ画像が記憶される。
【0051】
ステップS5において、オルソ画像作成部11で作成されたオルソ画像に基づいて、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに対して色情報が補強される。
【0052】
ステップS6(画像表示ステップ)において、色情報が補強された点群データに基づいて、道路の路面の3D画像が作成され、その3D画像が表示部5aに表示される。
【0053】
ステップS7(調査箇所指定ステップ)において、道路の路面の3D画像が表示部5aに表示された状態において、操作部5bが操作されることにより、道路の路面の3D画像上に線状の調査箇所が指定される。指定情報受付部16は、操作部5bの操作に基づいて指定された調査箇所についての指定情報を受け付けて、その指定情報が調査箇所記憶部16aに記憶される。
【0054】
ステップS8(プロファイル作成ステップ)において、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに基づいて、指定された線状の調査箇所における等間隔おきの緯度、経度及び高さに対応したデータが導出されて、縦断プロファイルが作成される。作成された縦断プロファイルは、例えば、表示部5aに表示されて出力される。
【0055】
本実施形態では、上述のようにして、縦断プロファイルが作成された後、その縦断プロファイルを用いて、例えばProvalなどの計算プログラムを利用してコンピュータで処理され、国際ラフネス指標が計算される。
【0056】
本実施形態の縦断プロファイル作成方法は、既知点に設置された3Dスキャナ2から照射されるレーザ光により路面の縦断方向における各点について3次元座標化された点群データを取得する点群データ取得ステップと、路面の縦断方向における線状の調査箇所を指定する調査箇所指定ステップと、点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいて、調査箇所指定ステップで指定された線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、路面の縦断プロファイルを作成する縦断プロファイル作成ステップとを備える。
【0057】
本実施形態の縦断プロファイル作成システムは、既知点に設置され、レーザ光を照射することにより路面の縦断方向における各点について3次元座標化された点群データを取得する3Dスキャナ2と、路面の縦断方向における線状の調査箇所を指定する操作部5bと、3Dスキャナ2で取得された点群データに基づいて、操作部5bで指定された線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、路面の縦断プロファイルを作成する縦断プロファイル作成部17とを備える。
【0058】
本実施形態の縦断プロファイル作成プログラムは、コンピュータに読み込まれることにより、当該コンピュータを、既知点に設置された3Dスキャナ2から照射されるレーザ光により路面における各点について取得された3次元座標化された点群データを受け付ける点群データ受付部12、路面における線状の調査箇所を指定する指定情報を受け付ける指定情報受付部17、点群データ受付部12で受け付けた点群データに基づいて、指定情報受付部17で受け付けた指定情報により指定される線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、路面の断面についてのプロファイルを作成するプロファイル作成部18として機能させる。
【0059】
これにより、本実施形態の縦断プロファイル作成方法、縦断プロファイル作成システム及び縦断プロファイル作成プログラムでは、路面の縦断プロファイルが、道路を補修する際に通常取得される3次元点群データに基づいて作成される。したがって、路面の縦断プロファイルを取得するために、測定員による測定および路面性状車による測定を行う必要がないことから、多くの手間と時間をかける必要がない。特に路面性状車での測定が必要ないことから、費用の低減が可能である。また、本発明で得られる縦断プロファイルは、測定員による測定や路面性状車による測定に基づいた縦断プロファイルと比べて精度が高く、水準測量に基づいた縦断プロファイルと同程度の精度である。
【0060】
本実施形態の縦断プロファイル作成方法において、縦断プロファイル作成ステップでは、点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいて、調査箇所指定ステップで指定された線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータが導出されて、縦断プロファイルが作成される。
【0061】
本実施形態の縦断プロファイル作成システムにおいて、縦断プロファイル作成部17は、3Dスキャナ2で取得された点群データに基づいて、操作部5bで指定された線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータを導出して、縦断プロファイルを作成する。
【0062】
本実施形態の縦断プロファイルは、既知点に設置された3Dスキャナ2から照射されるレーザ光により取得された点群データであり、且つ、路面における各点について3次元座標化された点群データに基づいて導出された、所定の線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータを含む。
【0063】
これにより、本実施形態の縦断プロファイル作成方法及び縦断プロファイル作成システムでは、縦断プロファイルが、線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータに基づいて作成される。したがって、縦断プロファイルの位置を緯度及び経度に基づいて特定可能である。緯度及び経度に対応したデータを含むことにより、例えばProvalと呼ばれるソフトウェアにおいて、地理情報機能が使用可能である。
【0064】
本実施形態の縦断プロファイル作成方法において、調査箇所指定ステップでは、線状の調査箇所として、道路の車線における外側車輪通過位置または車線中央から路肩側に所定距離だけ離れた位置が指定される。
【0065】
本実施形態の縦断プロファイル作成システムにおいて、操作部5bは、線状の調査箇所として、道路の車線における外側車輪通過位置または車線中央から路肩側に所定距離だけ離れた位置を指定する。
【0066】
これにより、本実施形態の縦断プロファイル作成方法及び縦断プロファイル作成システムでは、通常、国際ラフネス指標の計算に使用される縦断プロファイルを作成可能である。
【0067】
本実施形態の縦断プロファイル作成方法において、点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいた3次元画像を表示部5aに表示する画像表示ステップを備え、調査箇所指定ステップでは、表示部5aに表示された3次元画像において線状の調査箇所が指定される。
【0068】
本実施形態の縦断プロファイル作成システムにおいて、3Dスキャナ2で取得された点群データに基づいた3次元画像を表示する表示部5aを備え、操作部5bは、表示部5aに表示された3次元画像において線状の調査箇所を指定する。
【0069】
これにより、本実施形態の縦断プロファイル作成方法及び縦断プロファイル作成システムでは、線状の調査箇所を、表示部5aに表示された3次元画像において容易に指定可能である。
【0070】
以上、本発明の実施形態を説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0071】
上記実施形態では、点群データに基づいて線状の調査箇所における緯度、経度及び高さに対応したデータを導出して縦断プロファイルを作成しているが、点群データに基づいて線状の調査箇所における少なくとも高さに対応したデータを導出して縦断プロファイルを作成してよい。上記実施形態では、点群データに基づいて線状の調査箇所における等間隔おきの緯度、経度及び高さに対応したデータを導出して縦断プロファイルを作成しているが、点群データに基づいて線状の調査箇所における複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータは、等間隔おきのデータに限られない。また、車線中央から路肩側に所定距離の位置または道路の車線における外側車輪通過位置での路面の縦断プロファイルに基づいて、国際ラフネス指標を計算しているが、車線中央から路肩側に所定距離の位置、道路の車線における外側車輪通過位置及び道路の車線における内側車輪通過位置での路面の縦断プロファイルに基づいて、ハーフカーラフネス指標(HRI)や、左右車輪走行位置のIRI平均値(MRI)を計算可能である。したがって、本発明において、例えば、点群データのなかから線状の調査箇所における各点の緯度、経度、車線中央から路肩側に所定距離の位置、道路の車線における外側車輪通過位置及び道路の車線における内側車輪通過位置での高さに対応したデータを取り出して、道路の路面の縦断プロファイルを作成可能である。また、上記実施形態では、プロファイル(縦断プロファイル)を例えばProvalと呼ばれるソフトウェアを使用したが、プロファイル(縦断プロファイル)を解析する解析ソフトウェアとしては、Provalと呼ばれるソフトウェア以外を使用可能である。
【0072】
上記実施形態では、3Dスキャナでのスキャニングを行った後で、UAVでの撮影が行われているが、UAVでの撮影を行った後で、3Dスキャナでのスキャニングが行われてよい。
【0073】
上記実施形態では、オルソ画像に基づいて点群データに対して色情報が補強された後で、色情報が補強された点群データに基づいて3D画像が表示されているが、点群データに対して色情報が補強されないで、色情報が補強されてない点群データに基づいて3D画像が表示されてよい。
【0074】
上記実施形態では、縦断プロファイル作成部17において、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに基づいて、3角形平面の集合体である三次元TINモデル(不定形三角網)に変換して、線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを導出しているが、
図8に示すように、線状の調査箇所の両側にそれぞれ近接領域を形成し、その近接領域内にある点群データに基づいて、線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを導出してよい。
図8において、A
1点、A
2点及びA
3点の点群データが点群データ記憶部12aに記憶されている場合、線状の調査箇所上にあるa
1点及びa
2点は、近接領域内にある点群データのなかから、線状の調査箇所上にある点近傍にある点群データ(1または複数の点群データ)を選択し、その点群データに基づいて、線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを導出してよい。例えば、線状の調査箇所上にあるa
1点の高さに対応したデータは、A
1点及びA
2点の高さの平均値に基づいて導出し、a
2点の高さに対応したデータは、A
1点及びA
3点の高さの平均値に基づいて導出してよい。近接領域内にある点群データのなかから選択された線状の調査箇所上にある点近傍にある点群データに基づいて、線状の調査箇所における点の高さに対応したデータを導出する方法は、それに限られない。線状の調査箇所の両側の近接領域の幅は、任意に設定可能である。また、線状の調査箇所における各点の点群データが点群データ記憶部12に記憶された点群データに含まれる場合、点群データ記憶部12に記憶された点群データのなかから、線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを取り出してよい。
【0075】
上記実施形態では、路面の縦断プロファイルが作成されているが、地面の断面についてのプロファイルは、道路の路面以外の地面のプロファイル(地面の高さの変化を示したもの)であってよい。また、道路の路面のプロファイルである場合に、路面の縦断プロファイルに限らず、例えば路面の横断プロファイルであってよい。
【符号の説明】
【0076】
1 縦断プロファイル作成システム(プロファイル作成システム)
2 3Dスキャナ(3次元走査装置)
3 UAV
5a 表示部
5b 操作部(調査箇所指定手段)
10 縦断プロファイル作成装置(プロファイル作成装置)
11 撮影データ受付部
11a 撮影データ記憶部
12 点群データ受付部(点群データ受付手段)
12a 点群データ記憶部
13 オルソ画像作成部
14 3D画像作成部
14a 色情報補強部
15 表示制御部
16 指定情報受付部(指定情報受付手段)
16a 調査箇所記憶部
17 縦断プロファイル作成部(プロファイル作成手段)
【手続補正書】
【提出日】2023-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既知点に設置された3次元走査装置から照射されるレーザ光により地面における各点について3次元座標化された点群データを取得する点群データ取得ステップと、
前記地面における線状の調査箇所を指定する調査箇所指定ステップと、
前記点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいて、前記調査箇所指定ステップで指定された前記線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、地面の断面についてのプロファイルを作成するプロファイル作成ステップとを備えることを特徴とするプロファイル作成方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既知点に設置された3次元走査装置から照射されるレーザ光により地面における各点について3次元座標化された点群データを取得する点群データ取得ステップと、
上空からUAVで地面を撮影して、その撮影データに基づいて地面のオルソ画像を作成するオルソ画像作成ステップと、
前記オルソ画像作成ステップで作成されたオルソ画像に基づいて、前記点群データ取得ステップで取得された点群データに対して色情報を補強して、色情報が補強された地面の3D画像を作成する3D画像作成ステップとを備えることを特徴とする3D画像作成方法。
【請求項2】
前記3D画像作成ステップにより色情報が補強された点群データに基づいて、地面の画像を表示部に表示する画像表示ステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の3D画像作成方法。
【請求項3】
既知点に設置され、レーザ光を照射することにより地面における各点について3次元座標化された点群データを取得する3次元走査装置と、
上空からUAVで撮影された地面の撮影データに基づいて、地面のオルソ画像を作成するオルソ画像作成手段と、
前記オルソ画像作成手段で作成されたオルソ画像に基づいて、前記3次元走査装置で取得された点群データに対して色情報を補強して、色情報が補強された地面の3D画像を作成する3D画像作成手段とを備えることを特徴とする3D画像作成システム。
【請求項4】
前記3D画像作成手段により色情報が補強された点群データに基づいて、地面の画像を表示部に表示する画像表示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の3D画像作成システム。
【請求項5】
コンピュータに読み込まれることにより、当該コンピュータを、
既知点に設置された3次元走査装置から照射されるレーザ光により地面における各点に
ついて取得された3次元座標化された点群データを受け付ける点群データ受付手段、
上空からUAVで地面を撮影した撮影データに基づいて、地面のオルソ画像を作成する
オルソ画像作成手段、
前記オルソ画像作成手段で作成されたオルソ画像に基づいて、前記点群データ受付手段
で受け付けられた点群データに対して色情報を補強して、色情報が補強された地面の3D画像を作成する3D画像作成手段として機能させることを特徴とする3D画像作成プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば地面の断面についてのプロファイルを作成するプロファイル作成方法、プロファイル作成システム、プロファイル及びプロファイル作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路は、車両等が通行することにより凹凸が生じることから補修する必要があり、その補修を行うためには、道路の路面の凹凸状態についてのデータを取得する必要がある。したがって、道路の補修を実施する際には、3次元スキャナを道路の周辺に設置して、レーザ光を路面に対して照射することにより、道路の路面における各点についての点群データを取得する。
【0003】
また、路面の凹凸状態について、自動車の乗り心地を評価するために路面の凹凸を指標で表わしたものとして、国際ラフネス指標(IRI:International Roughness Index)が知られている。国際ラフネス指標の計算には、道路の路面の縦断プロファイルが必要であり、縦断プロファイルは、道路の縦断方向に沿った断面(路面の高さの変化)を示したものである。国際ラフネス指標の計算は、路面の縦断プロファイルを用いて、計算プログラムを利用してコンピュータで処理されるのが一般的である。このプログラムの代表的なものとしては、Provalと呼ばれるソフトウェアがある。
【0004】
路面の縦断プロファイルは、路面の凹凸を示す高さの変化のデータを含んでおり、測定員がプロフィルメータを測定対象となる道路に沿って移動させて測定される(特許文献1参照)。また、路面の縦断プロファイルは、路面性状車を測定対象となる道路を走行させて測定することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
測定員による測定および路面性状車による測定のいずれにおいても、路面の縦断プロファイルを取得するためには、多くの手間と時間がかかる。特に、上述した路面性状車での測定は高価である。また、測定員による測定や路面性状車による測定に基づいた縦断プロファイルは、水準測量に基づいた縦断プロファイルと比べて、精度が低い。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、精度の高いプロファイルを容易に得られるプロファイル作成方法、プロファイル作成システム、プロファイル及びプロファイル作成プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明に係る3D画像作成方法は、既知点に設置された3次元走査装置から照射されるレーザ光により地面における各点について3次元座標化された点群データを取得する点群データ取得ステップと、上空からUAVで地面を撮影して、その撮影データに基づいて地面のオルソ画像を作成するオルソ画像作成ステップと、前記オルソ画像作成ステップで作成されたオルソ画像に基づいて、前記点群データ取得ステップで取得された点群データに対して色情報を補強して、色情報が補強された地面の3D画像を作成する3D画像作成ステップとを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る3D画像作成システムは、既知点に設置され、レーザ光を照射することにより地面における各点について3次元座標化された点群データを取得する3次元走査装置と、上空からUAVで撮影された地面の撮影データに基づいて、地面のオルソ画像を作成するオルソ画像作成手段と、前記オルソ画像作成手段で作成されたオルソ画像に基づいて、前記3次元走査装置で取得された点群データに対して色情報を補強して、色情報が補強された地面の3D画像を作成する3D画像作成手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る3D画像作成プログラムは、コンピュータに読み込まれることにより、当該コンピュータを、既知点に設置された3次元走査装置から照射されるレーザ光により地面における各点について取得された3次元座標化された点群データを受け付ける点群データ受付手段、上空からUAVで地面を撮影した撮影データに基づいて、地面のオルソ画像を作成するオルソ画像作成手段、前記オルソ画像作成手段で作成されたオルソ画像に基づいて、前記点群データ受付手段で受け付けられた点群データに対して色情報を補強して、色情報が補強された地面の3D画像を作成する3D画像作成手段として機能させることを特徴とする。
【0012】
これにより、本発明に係る3D画像作成方法、3D画像作成システム及び3D画像作成プログラムでは、3D画像が、色情報が補強された点群データに基づいて作成されることにより、色情報が補強されてない点群データに基づいて作成された通常の3D画像と比べて、色が鮮明であり、道路の区画線などが詳細に分かる。
【0013】
本発明に係る3D画像作成方法において、前記3D画像作成ステップにより色情報が補強された点群データに基づいて、地面の画像を表示部に表示する画像表示ステップを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る3D画像作成システムにおいて、前記3D画像作成手段により色情報が補強された点群データに基づいて、地面の画像を表示部に表示する画像表示手段を備えることを特徴とする。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【発明の効果】
【0029】
以上、本発明によれば、3D画像が、色情報が補強された点群データに基づいて作成されることにより、色情報が補強されてない点群データに基づいて作成された通常の3D画像と比べて、色が鮮明であり、道路の区画線などが詳細に分かる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態に係る縦断プロファイル作成システムの概略構成を示した図である。
【
図2】
図2(a)は、色情報が補強された点群データに基づいて作成された3D画像であり、
図2(b)は、色情報が補強されてない点群データに基づいて作成された通常の3D画像である。
【
図3】道路の路面における線状の調査箇所の例を示す図である。
【
図4】
図4(a)は、表示部に表示された道路の路面の3D画像を示し、
図4(b)は、表示部に表示された道路の路面の3D画像において線状の調査箇所が指定された状態を示す図である。
【
図5】点群データを三次元TINモデルに変換して調査箇所における各点のデータを導出する方法を説明する図である。
【
図7】
図1の縦断プロファイル作成システムの縦断プロファイル作成方法を示す図である。
【
図8】点群データに基づいて調査箇所における各点のデータを導出する方法の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0032】
本発明の実施形態に係る縦断プロファイル作成システム1は、既知点に設置された3Dスキャナ2(3次元走査装置)と、撮影装置としての無人航空機であるUAV3(Unmanned Aerial Vehicle)と、3Dスキャナ2及びUAV3が無線接続された縦断プロファイル作成装置10とを有している。
【0033】
3Dスキャナ2は、レーザ光を照射することにより道路の路面及びその周辺の各点を3次元座標化された点群データ(平面位置座標を有する標高の集合)として取得し、点群データを縦断プロファイル作成装置10に供給する。3Dスキャナ2は、測定対象物(道路の路面)に対して、例えば垂直方向及び水平方向にラインレーザ光を出射し、測定対象物の測定点とセンサの間をレーザパルスが往復する時間を計測することで、測定点までの距離を求めることができる。上述したように国際ラフネス指標に基づいて評価するために、道路の路面の縦断プロファイル(路面の高さの変化を示したもの)が必要であるが、線状の経路において25cm以下の間隔でのデータが必要である。そのため、3Dスキャナ2により取得される点群データは、例えば25cm以下の間隔おきの位置におけるデータであり、本実施形態において、3Dスキャナ2は、例えば5ミリメートルの間隔おきの位置における点群データを取得する。そのため、路面表面の小さい間隔おきの標高が検知可能であり、道路の路面表面の凹凸を適正に検知可能となる。UAV3は、上空から道路の路面を撮影し、撮影データを取得し、撮影データを縦断プロファイル作成装置10に供給する。
【0034】
縦断プロファイル作成装置10は、
図1に示すように、制御部10aを有しており、制御部10aは、例えば、マイクロコンピュータなどで構成されており、CPUと、縦断プロファイル作成装置10の動作を制御するプログラムが格納されたROMと、上記プログラムを実行する際に用いられるデータ等が一時的に記憶されるRAMとを備えている。即ち、制御部10aは、CPU、メモリ及びインターフェースを含む通常のマイクロコンピュータを主体として構成されるもので、メモリに記憶されている縦断プロファイル作成プログラムに従い所定の演算、処理を行って、周辺ハードウェアとの協働の下に、3Dスキャナ2及びUAV3から取り込んだデータに基づいて、縦断プロファイルを作成する。
【0035】
縦断プロファイル作成装置10の制御部10aは、撮影データ記憶部11aを含む撮影データ受付部11と、点群データ記憶部12aを含む点群データ受付部12と、オルソ画像作成部13と、色情報補強部14aを含む3D画像作成部14と、表示制御部15と、調査箇所記憶部16aを含む指定情報受付部16と、縦断プロファイル作成部17とを有している。また、縦断プロファイル作成装置10の制御部10aには、表示画面などの表示部5aと、操作部5bとが接続されている。
【0036】
撮影データ受付部11は、UAV3から供給された撮影データを受け付ける。撮影データ受付部11aは、UAV3から供給された撮影データを記憶する。
【0037】
点群データ受付部12は、3Dスキャナ2から供給された道路の路面における各点についての点群データを受け付ける。点群データ記憶部12aは、3Dスキャナ2から供給された道路の路面における各点についての点群データを記憶する。点群データとして、道路の路面における各点についての緯度、経度及び高さに対応したデータを含んでいる。
【0038】
オルソ画像作成部13は、UAV3により撮影された撮影データに基づいて、オルソ画像を作成する。具体的には、オルソ画像作成部13は、撮影データに対してSfM(Structure from Motion)解析などを行うことにより、オルソ画像を作成する。
【0039】
3D画像作成部14は、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに基づいて、道路の路面の3D画像を作成する。3D画像作成部14は、色情報補強部14aを含んでいる。色情報補強部14aは、オルソ画像作成部13により作成されたオルソ画像に基づいて、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに対して色情報を補強する。
【0040】
3D画像作成部14は、色情報補強部14aにより色情報が補強された点群データに基づいて、
図2に示すように、道路の路面の3D画像を作成する。
図2(a)は、色情報が補強された点群データに基づいて作成された3D画像であり、
図2(b)は、色情報が補強されてない点群データに基づいて作成された通常の3D画像である。このように、本実施形態では、3D画像が、色情報が補強された点群データに基づいて作成されることにより、色情報が補強されてない点群データに基づいて作成された通常の3D画像と比べて、色が鮮明であり、道路の区画線などが詳細に分かる。
【0041】
表示制御部15は、表示部5aに表示される内容を制御する。例えば、表示制御部15は、3D画像作成部14により作成された3D画像を表示部5aに表示する。また、表示制御部15は、縦断プロファイル作成部17により作成された縦断プロファイルを表示部5aに表示する。
【0042】
指定情報受付部16は、操作部5bが操作されることにより指定された道路の路面における線状の調査箇所についての指定情報を受け付ける。調査箇所記憶部16aは、操作部5bが操作されることにより指定された道路の路面における線状の調査箇所を記憶する。具体的には、調査箇所記憶部16aは、表示部5aに表示された3D画像において、操作部5bが操作されることにより、始点(起点)と、終点と、始点と終点との間の経路とが指定された際に、その線状の調査箇所についての指定情報を記憶する。本実施形態では、道路の路面の平坦性を調査するために、
図3に示すように、車線中央から路肩側に100cmの位置a1、または、道路の車線における外側車輪通過位置a2において、直線状の調査箇所が指定される。
図4(a)は、表示部5aに表示された道路の路面の3D画像を示し、
図4(b)は、操作部5bが操作されることにより、表示部5aに表示された道路の路面の3D画像がおいて線状の調査箇所a1が指定された状態を示している。例えば、国際ラフネス指標は、1つの線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータに基づいて作成された縦断プロファイルがあれば計算可能である。
【0043】
縦断プロファイル作成部17は、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに基づいて、調査箇所記憶部16aに記憶された線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを導出して、道路の路面の縦断プロファイル(路面の高さの変化を示したもの)を作成する。本実施形態において、道路の路面の縦断プロファイルには、始点の緯度、経度及び高さに対応したデータと、終点の緯度、経度及び高さに対応したデータと、始点と終点との間の経路における等間隔おきの緯度、経度及び高さに対応したデータとを含んでいる。本実施形態において、縦断プロファイル作成部17は、始点と終点との間の経路において、25cm以下の間隔(本実施形態では、20cmおきの等間隔)でデータを取り出して、道路の路面の縦断プロファイルを作成する。始点と終点との間の経路においてデータを取り出す間隔は、任意に設定可能である。
【0044】
具体的には、縦断プロファイル作成部17では、
図5に示すように、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに基づいて、3Dスキャナ2により取得された点群データを頂点として連結された3角形平面の集合体である三次元TINモデル(不定形三角網)に変換して、調査箇所記憶部16aに記憶された線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを導出する。そのため、縦断プロファイル作成部17は、調査箇所記憶部16aに記憶された線状の調査箇所における各点の点群データが、点群データ記憶部12aに記憶されてない場合でも、線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを導出することが可能である。
図5において、A
1点、A
2点及びA
3点の点群データが点群データ記憶部12aに記憶されている場合、A
1点、A
2点及びA
3点を頂点として連結された3角形平面の集合体である三次元TINモデルに変換される。線状の調査箇所上にあるa
1点及びa
2点は、その3角形平面の内部にあり、A
1点、A
2点及びA
3点を通過する平面上にあるとして、a
1点及びa
2点における高さに対応したデータを導出する。
【0045】
縦断プロファイル作成部17により作成された縦断プロファイルは、
図6に示すように、線状の調査箇所における等間隔おきの緯度、経度及び高さに対応したデータを含む。
図6において、a、b及びcは、それぞれ、緯度、経度及び高さを示す数値である。
図6では、データNO.1が始点における緯度、経度及び高さに対応したデータであり、データNO.nが終点における緯度、経度及び高さに対応したデータであり、データNO.2~NO.n-1が始点と終点との間の経路における等間隔おきの緯度、経度及び高さに対応したデータである。
【0046】
本実施形態の縦断プロファイル作成システム1の縦断プロファイル作成方法について、
図7に基づいて説明する。
【0047】
ステップS1(点群データ取得ステップ)において、道路の周辺に設置された3Dスキャナ2で道路の路面のスキャニングが行われることにより、点群データが取得され、その点群データが縦断プロファイル作成装置10に供給される。
【0048】
ステップS2において、縦断プロファイル作成装置10において、点群データ受付部12は、3Dスキャナ2から供給された点群データを受け付けて、3Dスキャナ2から縦断プロファイル作成装置10に供給された点群データが点群データ記憶部12aに記憶される。
【0049】
ステップS3では、上空からUAV3で道路の路面が撮影されることにより、撮影データが取得され、その撮影データが縦断プロファイル作成装置10に供給される。
【0050】
ステップS4において、縦断プロファイル作成装置10において、撮影データ受付部11は、UAV3から供給された撮影データを受け付けて、UAV3から縦断プロファイル作成装置10に供給された撮影データが撮影データ記憶部11aに記憶される。その後、UAV3から縦断プロファイル作成装置10に供給された撮影データに基づいて、道路の路面のオルソ画像が作成され、その後、作成されたオルソ画像が記憶される。
【0051】
ステップS5において、オルソ画像作成部11で作成されたオルソ画像に基づいて、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに対して色情報が補強される。
【0052】
ステップS6(画像表示ステップ)において、色情報が補強された点群データに基づいて、道路の路面の3D画像が作成され、その3D画像が表示部5aに表示される。
【0053】
ステップS7(調査箇所指定ステップ)において、道路の路面の3D画像が表示部5aに表示された状態において、操作部5bが操作されることにより、道路の路面の3D画像上に線状の調査箇所が指定される。指定情報受付部16は、操作部5bの操作に基づいて指定された調査箇所についての指定情報を受け付けて、その指定情報が調査箇所記憶部16aに記憶される。
【0054】
ステップS8(プロファイル作成ステップ)において、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに基づいて、指定された線状の調査箇所における等間隔おきの緯度、経度及び高さに対応したデータが導出されて、縦断プロファイルが作成される。作成された縦断プロファイルは、例えば、表示部5aに表示されて出力される。
【0055】
本実施形態では、上述のようにして、縦断プロファイルが作成された後、その縦断プロファイルを用いて、例えばProvalなどの計算プログラムを利用してコンピュータで処理され、国際ラフネス指標が計算される。
【0056】
本実施形態の縦断プロファイル作成方法は、既知点に設置された3Dスキャナ2から照射されるレーザ光により路面の縦断方向における各点について3次元座標化された点群データを取得する点群データ取得ステップと、路面の縦断方向における線状の調査箇所を指定する調査箇所指定ステップと、点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいて、調査箇所指定ステップで指定された線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、路面の縦断プロファイルを作成する縦断プロファイル作成ステップとを備える。
【0057】
本実施形態の縦断プロファイル作成システムは、既知点に設置され、レーザ光を照射することにより路面の縦断方向における各点について3次元座標化された点群データを取得する3Dスキャナ2と、路面の縦断方向における線状の調査箇所を指定する操作部5bと、3Dスキャナ2で取得された点群データに基づいて、操作部5bで指定された線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、路面の縦断プロファイルを作成する縦断プロファイル作成部17とを備える。
【0058】
本実施形態の縦断プロファイル作成プログラムは、コンピュータに読み込まれることにより、当該コンピュータを、既知点に設置された3Dスキャナ2から照射されるレーザ光により路面における各点について取得された3次元座標化された点群データを受け付ける点群データ受付部12、路面における線状の調査箇所を指定する指定情報を受け付ける指定情報受付部17、点群データ受付部12で受け付けた点群データに基づいて、指定情報受付部17で受け付けた指定情報により指定される線状の調査箇所上にある複数の位置における高さに対応したデータを導出して、路面の断面についてのプロファイルを作成するプロファイル作成部18として機能させる。
【0059】
これにより、本実施形態の縦断プロファイル作成方法、縦断プロファイル作成システム及び縦断プロファイル作成プログラムでは、路面の縦断プロファイルが、道路を補修する際に通常取得される3次元点群データに基づいて作成される。したがって、路面の縦断プロファイルを取得するために、測定員による測定および路面性状車による測定を行う必要がないことから、多くの手間と時間をかける必要がない。特に路面性状車での測定が必要ないことから、費用の低減が可能である。また、本発明で得られる縦断プロファイルは、測定員による測定や路面性状車による測定に基づいた縦断プロファイルと比べて精度が高く、水準測量に基づいた縦断プロファイルと同程度の精度である。
【0060】
本実施形態の縦断プロファイル作成方法において、縦断プロファイル作成ステップでは、点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいて、調査箇所指定ステップで指定された線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータが導出されて、縦断プロファイルが作成される。
【0061】
本実施形態の縦断プロファイル作成システムにおいて、縦断プロファイル作成部17は、3Dスキャナ2で取得された点群データに基づいて、操作部5bで指定された線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータを導出して、縦断プロファイルを作成する。
【0062】
本実施形態の縦断プロファイルは、既知点に設置された3Dスキャナ2から照射されるレーザ光により取得された点群データであり、且つ、路面における各点について3次元座標化された点群データに基づいて導出された、所定の線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータを含む。
【0063】
これにより、本実施形態の縦断プロファイル作成方法及び縦断プロファイル作成システムでは、縦断プロファイルが、線状の調査箇所上にある複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータに基づいて作成される。したがって、縦断プロファイルの位置を緯度及び経度に基づいて特定可能である。緯度及び経度に対応したデータを含むことにより、例えばProvalと呼ばれるソフトウェアにおいて、地理情報機能が使用可能である。
【0064】
本実施形態の縦断プロファイル作成方法において、調査箇所指定ステップでは、線状の調査箇所として、道路の車線における外側車輪通過位置または車線中央から路肩側に所定距離だけ離れた位置が指定される。
【0065】
本実施形態の縦断プロファイル作成システムにおいて、操作部5bは、線状の調査箇所として、道路の車線における外側車輪通過位置または車線中央から路肩側に所定距離だけ離れた位置を指定する。
【0066】
これにより、本実施形態の縦断プロファイル作成方法及び縦断プロファイル作成システムでは、通常、国際ラフネス指標の計算に使用される縦断プロファイルを作成可能である。
【0067】
本実施形態の縦断プロファイル作成方法において、点群データ取得ステップで取得された点群データに基づいた3次元画像を表示部5aに表示する画像表示ステップを備え、調査箇所指定ステップでは、表示部5aに表示された3次元画像において線状の調査箇所が指定される。
【0068】
本実施形態の縦断プロファイル作成システムにおいて、3Dスキャナ2で取得された点群データに基づいた3次元画像を表示する表示部5aを備え、操作部5bは、表示部5aに表示された3次元画像において線状の調査箇所を指定する。
【0069】
これにより、本実施形態の縦断プロファイル作成方法及び縦断プロファイル作成システムでは、線状の調査箇所を、表示部5aに表示された3次元画像において容易に指定可能である。
【0070】
以上、本発明の実施形態を説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0071】
上記実施形態では、点群データに基づいて線状の調査箇所における緯度、経度及び高さに対応したデータを導出して縦断プロファイルを作成しているが、点群データに基づいて線状の調査箇所における少なくとも高さに対応したデータを導出して縦断プロファイルを作成してよい。上記実施形態では、点群データに基づいて線状の調査箇所における等間隔おきの緯度、経度及び高さに対応したデータを導出して縦断プロファイルを作成しているが、点群データに基づいて線状の調査箇所における複数の位置における緯度、経度及び高さに対応したデータは、等間隔おきのデータに限られない。また、車線中央から路肩側に所定距離の位置または道路の車線における外側車輪通過位置での路面の縦断プロファイルに基づいて、国際ラフネス指標を計算しているが、車線中央から路肩側に所定距離の位置、道路の車線における外側車輪通過位置及び道路の車線における内側車輪通過位置での路面の縦断プロファイルに基づいて、ハーフカーラフネス指標(HRI)や、左右車輪走行位置のIRI平均値(MRI)を計算可能である。したがって、本発明において、例えば、点群データのなかから線状の調査箇所における各点の緯度、経度、車線中央から路肩側に所定距離の位置、道路の車線における外側車輪通過位置及び道路の車線における内側車輪通過位置での高さに対応したデータを取り出して、道路の路面の縦断プロファイルを作成可能である。また、上記実施形態では、プロファイル(縦断プロファイル)を例えばProvalと呼ばれるソフトウェアを使用したが、プロファイル(縦断プロファイル)を解析する解析ソフトウェアとしては、Provalと呼ばれるソフトウェア以外を使用可能である。
【0072】
上記実施形態では、3Dスキャナでのスキャニングを行った後で、UAVでの撮影が行われているが、UAVでの撮影を行った後で、3Dスキャナでのスキャニングが行われてよい。
【0073】
上記実施形態では、オルソ画像に基づいて点群データに対して色情報が補強された後で、色情報が補強された点群データに基づいて3D画像が表示されているが、点群データに対して色情報が補強されないで、色情報が補強されてない点群データに基づいて3D画像が表示されてよい。
【0074】
上記実施形態では、縦断プロファイル作成部17において、点群データ記憶部12aに記憶された点群データに基づいて、3角形平面の集合体である三次元TINモデル(不定形三角網)に変換して、線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを導出しているが、
図8に示すように、線状の調査箇所の両側にそれぞれ近接領域を形成し、その近接領域内にある点群データに基づいて、線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを導出してよい。
図8において、A
1点、A
2点及びA
3点の点群データが点群データ記憶部12aに記憶されている場合、線状の調査箇所上にあるa
1点及びa
2点は、近接領域内にある点群データのなかから、線状の調査箇所上にある点近傍にある点群データ(1または複数の点群データ)を選択し、その点群データに基づいて、線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを導出してよい。例えば、線状の調査箇所上にあるa
1点の高さに対応したデータは、A
1点及びA
2点の高さの平均値に基づいて導出し、a
2点の高さに対応したデータは、A
1点及びA
3点の高さの平均値に基づいて導出してよい。近接領域内にある点群データのなかから選択された線状の調査箇所上にある点近傍にある点群データに基づいて、線状の調査箇所における点の高さに対応したデータを導出する方法は、それに限られない。線状の調査箇所の両側の近接領域の幅は、任意に設定可能である。また、線状の調査箇所における各点の点群データが点群データ記憶部12に記憶された点群データに含まれる場合、点群データ記憶部12に記憶された点群データのなかから、線状の調査箇所における各点の緯度、経度及び高さに対応したデータを取り出してよい。
【0075】
上記実施形態では、路面の縦断プロファイルが作成されているが、地面の断面についてのプロファイルは、道路の路面以外の地面のプロファイル(地面の高さの変化を示したもの)であってよい。また、道路の路面のプロファイルである場合に、路面の縦断プロファイルに限らず、例えば路面の横断プロファイルであってよい。
【符号の説明】
【0076】
1 縦断プロファイル作成システム(プロファイル作成システム)
2 3Dスキャナ(3次元走査装置)
3 UAV
5a 表示部
5b 操作部(調査箇所指定手段)
10 縦断プロファイル作成装置(プロファイル作成装置)
11 撮影データ受付部
11a 撮影データ記憶部
12 点群データ受付部(点群データ受付手段)
12a 点群データ記憶部
13 オルソ画像作成部
14 3D画像作成部
14a 色情報補強部
15 表示制御部
16 指定情報受付部(指定情報受付手段)
16a 調査箇所記憶部
17 縦断プロファイル作成部(プロファイル作成手段)