(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182758
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20231219BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20231219BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20231219BHJP
G11C 19/28 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G09G3/20 622E
G09G3/36
G09G3/20 621F
G09G3/20 611J
G09G3/20 670J
G09F9/30 338
G11C19/28 230
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023175809
(22)【出願日】2023-10-11
(62)【分割の表示】P 2022111220の分割
【原出願日】2013-09-06
(31)【優先権主張番号】P 2012197224
(32)【優先日】2012-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】梅崎 敦司
(57)【要約】
【課題】トランジスタの特性変化を抑制するとともに、トランジスタのW/Lを大きくす
ることなく、出力信号を急峻に変化させることができる半導体装置を提供する。
【解決手段】低電位が供給された配線と出力端子との間に二つのトランジスタを並列に接
続する。そして、低電位を出力端子から出力する場合、二つのトランジスタの双方をオン
にした後、一方のトランジスタをオフにする。こうして、トランジスタの特性変化を抑制
することができるとともに、トランジスタのW/Lを大きくすることなく、出力信号を急
峻に変化させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査線駆動回路と、画素と、を有し、
前記走査線駆動回路は、第1乃至第11のトランジスタを有し、
前記画素は、第12のトランジスタを有し、
前記第1のトランジスタのソース及びドレインの一方は、走査線と常に導通し、
前記第2のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記走査線と常に導通し、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第3のトランジスタのソース及びドレインの一方と常に導通し、
前記第2のトランジスタのゲートは、前記第4のトランジスタのソース及びドレインの一方と常に導通し、
前記第3のトランジスタのソース及びドレインの他方は、前記第4のトランジスタのソース及びドレインの他方と常に導通し、
前記第3のトランジスタのゲートは、第1の信号線と常に導通し、
前記第4のトランジスタのゲートは、第2の信号線と常に導通し、
前記第5のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記第1のトランジスタのゲートと常に導通し、
前記第5のトランジスタのゲートは、前記第2の信号線と常に導通し、
前記第6のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記第2のトランジスタのゲートと常に導通し、
前記第6のトランジスタのゲートは、前記第1の信号線と常に導通し、
前記第7のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記走査線と常に導通し、
前記第7のトランジスタのソース及びドレインの他方は、クロック信号線と常に導通し、
前記第8のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記第7のトランジスタのゲートと常に導通し、
前記第8のトランジスタのソース及びドレインの他方は、第3の信号線と常に導通し、
前記第8のトランジスタのゲートは、前記第3の信号線と常に導通し、
前記第9のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記第7のトランジスタのゲートと常に導通し、
前記第9のトランジスタのソース及びドレインの他方は、電源線と常に導通し、
前記第10のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記第3のトランジスタのソース及びドレインの他方と常に導通し、
前記第10のトランジスタのゲートは、前記第10のトランジスタのソース及びドレインの他方と常に導通し、
前記第11のトランジスタのソース及びドレイン一方は、前記第3のトランジスタのソース及びドレインの他方と常に導通し、
前記第11のトランジスタのソース及びドレインの他方は、前記電源線と常に導通し、
前記第11のトランジスタのゲートは、前記第7のトランジスタのゲートと常に導通し、
前記第10のトランジスタのソース及びドレインの一方は、画素電極と常に導通し、
前記第10のトランジスタのソース及びドレインの他方は、第4の信号線と常に導通し、
前記第12のトランジスタのゲートは、前記走査線と常に導通し、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方が少なくとも前記第1のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第12のトランジスタのゲートと導通状態であるとき、前記第12のトランジスタがオフする電位が少なくとも前記第1のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第12のトランジスタのゲートに入力され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方が少なくとも前記第2のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第12のトランジスタのゲートと導通状態であるとき、前記第12のトランジスタがオフする電位が少なくとも前記第2のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第12のトランジスタのゲートに入力され、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの他方が少なくとも前記第5のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第1のトランジスタのゲートと導通状態であるとき、前記第1のトランジスタがオン又はオフする電位が少なくとも前記第5のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第1のトランジスタのゲートに入力され、
前記第6のトランジスタのソース又はドレインの他方が少なくとも前記第6のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第2のトランジスタのゲートと導通状態であるとき、前記第2のトランジスタがオン又はオフする電位電位が少なくとも前記第6のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第2のトランジスタのゲートに入力され、
前記第9のトランジスタのゲートには、前記第9のトランジスタがオン又はオフする電位が入力され、
前記第10のトランジスタのソース又はドレインの他方が少なくとも前記第10のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第3のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第1のトランジスタのゲートと導通状態であるとき、前記第1のトランジスタがオンする電位が少なくとも前記第10のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第3のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第1のトランジスタのゲートに入力され、
前記第10のトランジスタのソース又はドレインの他方が少なくとも前記第10のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第4のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第2のトランジスタのゲートと導通状態であるとき、前記第2のトランジスタがオンする電位が少なくとも前記第10のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第4のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第2のトランジスタのゲートに入力される半導体装置。
【請求項2】
走査線駆動回路と、画素と、を有し、
前記走査線駆動回路は、第1乃至第11のトランジスタを有し、
前記画素は、第12のトランジスタを有し、
前記第1のトランジスタのソース及びドレインの一方は、走査線と常に導通し、
前記第2のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記走査線と常に導通し、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第3のトランジスタのソース及びドレインの一方と常に導通し、
前記第2のトランジスタのゲートは、前記第4のトランジスタのソース及びドレインの一方と常に導通し、
前記第3のトランジスタのソース及びドレインの他方は、前記第4のトランジスタのソース及びドレインの他方と常に導通し、
前記第3のトランジスタのゲートは、第1の信号線と常に導通し、
前記第4のトランジスタのゲートは、第2の信号線と常に導通し、
前記第5のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記第1のトランジスタのゲートと常に導通し、
前記第5のトランジスタのゲートは、前記第2の信号線と常に導通し、
前記第6のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記第2のトランジスタのゲートと常に導通し、
前記第6のトランジスタのゲートは、前記第1の信号線と常に導通し、
前記第7のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記走査線と常に導通し、
前記第7のトランジスタのソース及びドレインの他方は、クロック信号線と常に導通し、
前記第8のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記第7のトランジスタのゲートと常に導通し、
前記第8のトランジスタのソース及びドレインの他方は、第3の信号線と常に導通し、
前記第8のトランジスタのゲートは、前記第3の信号線と常に導通し、
前記第9のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記第7のトランジスタのゲートと常に導通し、
前記第9のトランジスタのソース及びドレインの他方は、電源線と常に導通し、
前記第10のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記第3のトランジスタのソース及びドレインの他方と常に導通し、
前記第10のトランジスタのゲートは、前記第10のトランジスタのソース及びドレインの他方と常に導通し、
前記第11のトランジスタのソース及びドレイン一方は、前記第3のトランジスタのソース及びドレインの他方と常に導通し、
前記第11のトランジスタのソース及びドレインの他方は、前記電源線と常に導通し、
前記第11のトランジスタのゲートは、前記第7のトランジスタのゲートと常に導通し、
前記第10のトランジスタのソース及びドレインの一方は、画素電極と常に導通し、
前記第10のトランジスタのソース及びドレインの他方は、第4の信号線と常に導通し、
前記第12のトランジスタのゲートは、前記走査線と常に導通し、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方が少なくとも前記第1のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第12のトランジスタのゲートと導通状態であるとき、前記第12のトランジスタがオフする電位が少なくとも前記第1のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第12のトランジスタのゲートに入力され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方が少なくとも前記第2のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第12のトランジスタのゲートと導通状態であるとき、前記第12のトランジスタがオフする電位が少なくとも前記第2のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第12のトランジスタのゲートに入力され、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの他方が少なくとも前記第5のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第1のトランジスタのゲートと導通状態であるとき、前記第1のトランジスタがオン又はオフする電位が少なくとも前記第5のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第1のトランジスタのゲートに入力され、
前記第6のトランジスタのソース又はドレインの他方が少なくとも前記第6のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第2のトランジスタのゲートと導通状態であるとき、前記第2のトランジスタがオン又はオフする電位電位が少なくとも前記第6のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第2のトランジスタのゲートに入力され、
前記第9のトランジスタのゲートには、前記第9のトランジスタがオン又はオフする電位が入力され、
前記第10のトランジスタのソース又はドレインの他方が少なくとも前記第10のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第3のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第1のトランジスタのゲートと導通状態であるとき、前記第1のトランジスタがオンする電位が少なくとも前記第10のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第3のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第1のトランジスタのゲートに入力され、
前記第10のトランジスタのソース又はドレインの他方が少なくとも前記第10のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第4のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第2のトランジスタのゲートと導通状態であるとき、前記第2のトランジスタがオンする電位が少なくとも前記第10のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第4のトランジスタのチャネル形成領域を介して前記第2のトランジスタのゲートに入力され、
前記第3のトランジスタがオン状態であり、前記第6のトランジスタがオン状態であり、前記第4のトランジスタがオフ状態であり、前記第5のトランジスタがオフ状態である第1の期間と、
前記第3のトランジスタがオフ状態であり、前記第6のトランジスタがオフ状態であり、前記第4のトランジスタがオン状態であり、前記第5のトランジスタがオン状態である第2の期間と、を有し、
前記クロック信号線の信号の周期は、前記第1の期間と前記第2の期間とを切り替える信号の周期よりも短い半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、半導体装置、及び該半導体装置を有する表示装置に関する。特に、順
序回路、及び該順序回路を有するシフトレジスタ等の半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、同じ極性のトランジスタで構成される順序回路の開発が活発に進められている。特
に、特許文献1には、トランジスタの特性変化を抑制することができる順序回路が開示さ
れている。
【0003】
図17(A)は、従来の順序回路の構成を示す。従来の順序回路は、トランジスタT13
と、並列に接続されたトランジスタT14及びトランジスタT15と、を有する。従来の
順序回路では、トランジスタT13がオンになり、トランジスタT14及びトランジスタ
T15がオフになることで、第1クロック信号C1を出力している。第1クロック信号C
1がハイレベルであれば、第1スキャン信号Vg1がハイレベルになる(
図17(B)参
照)。そして、奇数フレームでは、トランジスタT13がオフになり、トランジスタT1
4がオンになり、トランジスタT15がオフになることで、第1供給電圧VSSを出力し
ている(
図17(C)参照)。また、偶数フレームでは、トランジスタT13がオフにな
り、トランジスタT14がオフになり、トランジスタT15がオンになることで、第1供
給電圧VSSを出力している(
図17(D)参照)。このように、奇数フレームではトラ
ンジスタT15をオフにし、偶数フレームではトランジスタT14をオフにすることで、
トランジスタT14及びトランジスタT15の特性変化が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の順序回路では、並列に接続された二つのトランジスタの一方をオフ
にし、他方のトランジスタのみを駆動させるため、並列に接続された二つのトランジスタ
のそれぞれに十分な駆動能力が求められる。よって、トランジスタのW(Wはチャネル幅
)/L(Lはチャネル長)が大きくなるといった問題があった。また、トランジスタのW
/Lが十分に大きくなければ、出力信号の変化がゆるやかになり、出力信号に遅延やなま
りが生じるといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、トランジスタの特性変化を抑制するとともに、トランジスタ
のW/Lを大きくすることなく、出力信号を急峻に変化させることができる半導体装置を
提供することを課題の一とする。また、本発明の一態様は、新規の回路構成を含む半導体
装置を提供することを課題の一とする。なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を
妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はな
いものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ず
と明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を
抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ソース又はドレインの一方に第1の信号が入力された第1のトランジ
スタと、ソース又はドレインの一方に第1の電位が入力され、ソース又はドレインの他方
が第1のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続された第2のトランジ
スタと、ソース又はドレインの一方が第2のトランジスタのソース又はドレインの一方と
電気的に接続され、ソース又はドレインの他方が第1のトランジスタのソース又はドレイ
ンの他方と電気的に接続された第3のトランジスタと、第1のトランジスタ、第2のトラ
ンジスタ及び第3のトランジスタのオン又はオフを制御する手段と、を有する半導体装置
の駆動方法である。そして、当該半導体装置は、第1の信号を第1のトランジスタを介し
て出力する第1のステップと、第1の電位を第2のトランジスタ及び第3のトランジスタ
を介して出力する第2のステップと、第1の電位を第2のトランジスタを介して出力する
第3のステップと、を有する第1の期間と、第1の信号を第1のトランジスタを介して出
力する第4のステップと、第1の電位を第2のトランジスタ及び第3のトランジスタを介
して出力する第5のステップと、第1の電位を第3のトランジスタを介して出力する第6
のステップと、を有する第2の期間と、を順に繰り返す。
【0008】
上記本発明の一態様は、第1の期間において、第1のステップ、第2のステップ及び第3
のステップのそれぞれを2回以上行い、第2の期間において、第4のステップ、第5のス
テップ及び第6のステップのそれぞれを2回以上行ってもよい。また、上記本発明の一態
様は、第2のトランジスタのチャネル幅は、第3のトランジスタのチャネル幅の90%以
上、110%以下であってもよい。また、上記本発明の一態様において、第1のトランジ
スタのチャネル幅は、第2のトランジスタのチャネル幅よりも大きく、且つ第3のトラン
ジスタのチャネル幅よりも大きくてもよい。
【0009】
本発明の一態様は、ソース又はドレインの一方が第1の配線と電気的に接続され、ソース
又はドレインの他方が第2の配線と電気的に接続された第1のトランジスタと、ソース又
はドレインの一方が第1の配線と電気的に接続され、ソース又はドレインの他方が第2の
配線と電気的に接続された第2のトランジスタと、第1の端子が第1のトランジスタのゲ
ートと電気的に接続された第1のスイッチと、第1の端子が第2のトランジスタのゲート
と電気的に接続され、第2の端子が第1のスイッチの第2の端子と電気的に接続された第
2のスイッチと、第1の端子が第3の配線と電気的に接続され、第2の端子が第1のトラ
ンジスタのゲートと電気的に接続された第3のスイッチと、第1の端子が第3の配線と電
気的に接続され、第2の端子が第2のトランジスタのゲートと電気的に接続された第4の
スイッチと、を有することを特徴とする半導体装置である。
【0010】
上記本発明の一態様は、ソース又はドレインの一方が第4の配線と接続され、ソース又は
ドレインの他方が第1のスイッチの第2の端子と接続され、ゲートが第4の配線と接続さ
れた第3のトランジスタと、ソース又はドレインの一方が第2の配線と接続され、ソース
又はドレインの他方が第1のスイッチの第2の端子と接続された第4のトランジスタと、
を有していてもよい。また、上記本発明の一態様は、第1のスイッチ及び第4のスイッチ
がオンであり、第2のスイッチ及び第3のスイッチがオフである第1の期間と、第1のス
イッチ及び第4のスイッチがオフであり、第2のスイッチ及び第3のスイッチがオンであ
る第2の期間と、を有していてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様は、トランジスタの特性変化を抑制することができるとともに、トランジ
スタのW/Lを大きくすることなく、出力信号の変化を急峻にすることができる半導体装
置を提供することができる。また、本発明の一態様は、新規の回路構成を含む半導体装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び
詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明
は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0014】
なお、本発明は、集積回路、RFタグ、表示装置など、トランジスタを用いたあらゆる半
導体装置を、その範疇に含む。なお、集積回路には、マイクロプロセッサ、画像処理回路
、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロコントロー
ラを含むLSI(Large Scale Integrated Circuit)、
FPGA(Field Programmable Gate Array)やCPLD
(Complex PLD)などのプログラマブル論理回路(PLD:Programm
able Logic Device)が、その範疇に含まれる。また、表示装置には、
液晶表示装置、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子を各画素に備えた発光装
置、電子ペーパー、DMD(Digital Micromirror Device)
、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emi
ssion Display)などが、その範疇に含まれる。
【0015】
なお、本明細書において表示装置とは、液晶素子や発光素子などの表示素子が各画素に形
成されたパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュー
ルとを、その範疇に含む。
【0016】
なお、本明細書において接続とは電気的な接続を意味しており、電流、電圧または電位が
、供給可能、或いは伝送可能な状態に相当する。従って、接続している状態とは、直接接
続している状態を必ずしも指すわけではなく、電流、電圧または電位が、供給可能、或い
は伝送可能であるように、配線、抵抗、ダイオード、トランジスタなどの回路素子を介し
て間接的に接続している状態も、その範疇に含む。また、回路図上は独立している構成要
素どうしが接続されている場合であっても、実際には、例えば配線の一部が電極として機
能する場合など、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。本
明細書において接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っ
ている場合も、その範疇に含める。
【0017】
なお、トランジスタのソースとは、活性層として機能する半導体膜の一部であるソース領
域、或いは上記半導体膜に接続されたソース電極を意味する。同様に、トランジスタのド
レインとは、上記半導体膜の一部であるドレイン領域、或いは上記半導体膜に接続された
ドレイン電極を意味する。また、ゲートはゲート電極を意味する。
【0018】
なお、トランジスタが有するソースとドレインは、トランジスタの極性及び各端子に与え
られる電位の高低によって、その呼び方が入れ替わる。一般的に、nチャネル型トランジ
スタでは、低い電位が与えられる端子がソースと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がド
レインと呼ばれる。また、pチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子が
ドレインと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がソースと呼ばれる。本明細書では、便宜
上、ソースとドレインとが固定されているものと仮定して、トランジスタの接続関係を説
明する場合があるが、実際には上記電位の関係に従ってソースとドレインの呼び方が入れ
替わる。
【0019】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る順序回路(半導体装置ともいう)について説明
する。
【0020】
図1(A)は、本実施の形態の順序回路を示す。
図1(A)の順序回路は、トランジスタ
M1、トランジスタM2a、トランジスタM2b、スイッチS3a、スイッチS3b、ス
イッチS4a、スイッチS4b、及び回路10を有する。
【0021】
トランジスタM1は、第1の端子(ソース又はドレインの一方ともいう)が配線11と接
続され、第2の端子(ソース又はドレインの他方ともいう)が配線12と接続され、ゲー
トがノードN1と接続される。トランジスタM2aは、第1の端子が配線13と接続され
、第2の端子が配線12と接続され、ゲートがノードN2aと接続される。トランジスタ
M2bは、第1の端子が配線13と接続され、第2の端子が配線12と接続され、ゲート
がノードN2bと接続される。スイッチS3aは、第1の端子がノードN3と接続され、
第2の端子がノードN2aと接続される。スイッチS3bは、第1の端子がノードN3と
接続され、第2の端子がノードN2bと接続される。スイッチS4aは、第1の端子が配
線14と接続され、第2の端子がノードN2aと接続される。スイッチS4bは、第1の
端子が配線14と接続され、第2の端子がノードN2bと接続される。回路10は、第1
の端子が配線15と接続され、第2の端子が配線14と接続され、第3の端子がノードN
1と接続され、第4の端子がノードN3と接続される。
【0022】
回路10は、ノードN1にトランジスタM1のオン又はオフを制御するための電位を供給
する機能を有する。具体的には、回路10は、ノードN1にトランジスタM1がオンにな
る電位を供給した後、ノードN1を浮遊状態とする機能を有する。また、回路10は、ノ
ードN1にトランジスタM1がオフになる電位を供給する機能を有する。さらに、回路1
0は、ノードN3にトランジスタM2a又はトランジスタM2bのオン又はオフを制御す
るための電位を供給する機能を有する。具体的には、回路10は、ノードN3にトランジ
スタM2a又はトランジスタM2bがオンになる電位を供給する機能を有する。また、回
路10は、ノードN3にトランジスタM2a又はトランジスタM2bがオフになる電位を
供給する機能を有する。なお、回路10がノードN3に供給する電位は、スイッチS3a
がオンであればノードN2aに供給され、スイッチS3bがオンであればノードN2bに
供給される。また、回路10の接続関係は、回路10の構成により適宜変更することがで
きる。
【0023】
なお、順序回路が有するトランジスタは同じ極性とする。トランジスタの極性としては、
Nチャネル型又はPチャネル型がある。本実施の形態では、便宜上、トランジスタM1、
トランジスタM2a及びトランジスタM2bをNチャネル型とする。
【0024】
なお、トランジスタは、第1の端子の接続先と第2の端子の接続先との導通又は非導通を
制御する機能を有する。例えば、トランジスタM1は、配線11と配線12との導通又は
非導通を制御する機能を有する。トランジスタM2aは、配線13と配線12との導通又
は非導通を制御する機能を有する。トランジスタM2bは、配線13と配線12との導通
又は非導通を制御する機能を有する。
【0025】
なお、トランジスタは、ゲートの接続先と第1の端子又は第2の端子の接続先との間の電
位差を保持する機能を有する。例えば、トランジスタM1は、配線12とノードN1との
間の電位差を保持する機能を有する。
【0026】
なお、トランジスタをスイッチに置き換えてもよい。トランジスタの第1の端子がスイッ
チの第1の端子に対応し、トランジスタの第2の端子がスイッチの第2の端子に対応する
。例えば、トランジスタM2aを第1の端子が配線13と接続され、第2の端子が配線1
2と接続されたスイッチに置き換えてもよい。トランジスタM2bを第1の端子が配線1
3と接続され、第2の端子が配線12と接続されたスイッチに置き換えてもよい。
【0027】
なお、配線には信号又は電位等が入力され、配線は入力された信号又は電位等を伝達する
機能を有する。例えば、配線11の信号又は電位は、配線12の電位を上昇させる機能を
有することが好ましい。配線13の信号又は電位は、配線12の電位を下降させる機能を
有することが好ましい。配線14は、トランジスタM2aのオン若しくはオフを制御する
機能、トランジスタM2bのオン若しくはオフを制御する機能、又は回路10を制御する
機能を有することが好ましい。配線15の信号又は電位は、回路10を制御する機能を有
することが好ましい。
【0028】
本実施の形態では、便宜上、配線11には信号CK1(クロック信号ともいう)が入力さ
れ、配線12からは信号OUT(出力信号ともいう)が出力され、配線13には電位V1
(第1の電位ともいう)が供給され、配線14には信号RE(リセット信号ともいう)が
入力され、配線15には信号SP(スタート信号ともいう)が入力されるものとする。ま
た、便宜上、信号CK1、信号SP及び信号REは、ハイレベル及びロウレベルを有する
ものとする。そして、ロウレベルの電位が電位V1であり、ハイレベルの電位が電位V2
(第2の電位ともいう)であるものとする。電位V2は電位V1よりも高い電位である。
【0029】
次に、
図1(A)の順序回路の動作について説明する。
【0030】
図2及び
図3は、
図1(A)の順序回路の動作を説明するためのタイミングチャートの一
例を示す。
図2及び
図3のタイミングチャートは、期間Ta及び期間Tbを有する。そし
て、
図2は、期間T1a乃至期間T4aを有する期間Taのタイミングチャートを示し、
図3は、期間T1b乃至期間T4bを有する期間Tbのタイミングチャートを示す。また
、
図2及び
図3は、スイッチS3a及びスイッチS4bのオン又はオフの関係、スイッチ
S3b及びスイッチS4aのオン又はオフの関係、信号CK1、信号SP、信号RE、ノ
ードN1の電位VN1、ノードN2aの電位VN2a、ノードN2bの電位VN2b、並
びに信号OUTを示す。
【0031】
図4乃至
図7は、各期間(各ステップともいう)における
図1(A)の順序回路の動作の
模式図を示す。
図4(A)は期間T1a、
図4(B)は期間T2a、
図5(A)は期間T
3a、
図5(B)は期間T4a、
図6(A)は期間T1b、
図6(B)は期間T2b、図
7(A)は期間T3b、
図7(B)は期間T4bにおける
図1(A)の順序回路の動作の
模式図を示す。
【0032】
まず、期間Taにおける動作について説明する。期間Taでは、スイッチS3a及びスイ
ッチS4bがオンであり、スイッチS3b及びスイッチS4aがオフである。
【0033】
期間T1aでは、信号CK1がロウレベルになり、信号SPがハイレベルになり、信号R
Eがロウレベルになる。ノードN1にはトランジスタM1がオンになる電位が回路10か
ら供給されるため、トランジスタM1がオンになる。その後、ノードN1への回路10か
らの電位の供給が止まるため、ノードN1が浮遊状態になる。ノードN1の電位はトラン
ジスタM1がオンになる電位に維持されるため、トランジスタM1がオンのままになる。
また、ノードN2aにはトランジスタM2aがオフになる電位が回路10からスイッチS
3aを介して供給される。よって、トランジスタM2aがオフになる。また、ノードN2
bには信号REがスイッチS4bを介して供給される。信号REはロウレベルであるため
、トランジスタM2bがオフになる。また、配線12には信号CK1がトランジスタM1
を介して供給される。信号CK1はロウレベルであるため、配線12の電位が電位V1に
なる。つまり、信号OUTがロウレベルになる。
【0034】
期間T2aでは、信号CK1がハイレベルになり、信号SPがロウレベルになり、信号R
Eがロウレベルのままである。ノードN1への回路10からの電位の供給が止まったまま
なので、ノードN1が浮遊状態のままであり、トランジスタM1がオンのままである。ま
た、ノードN2aにはトランジスタM2aがオフになる電位が回路10からスイッチS3
aを介して供給されたままであるため、トランジスタM2aがオフのままである。また、
ノードN2bには信号REがスイッチS4bを介して供給されたままである。信号REは
ロウレベルのままであるため、トランジスタM2bがオフのままである。また、配線12
には信号CK1がトランジスタM1を介して供給されたままである。信号CK1はハイレ
ベルであるため、配線12の電位が電位V2になる。つまり、信号OUTがハイレベルに
なる。
【0035】
なお、ノードN1が浮遊状態であり、且つトランジスタM1が配線12とノードN1との
間の電位差を保持しているため、配線12の電位の上昇に伴ってノードN1の電位も上昇
する。いわゆるブートストラップ動作である。これにより、ノードN1の電位をトランジ
スタM1の第1の端子の電位(例えば電位V2)とトランジスタM1のしきい値電圧との
和を超えた値とすることができるため、配線12の電位を電位V2まで上昇させることが
できる。
【0036】
期間T3aでは、信号CK1がロウレベルになり、信号SPがロウレベルのままであり、
信号REがハイレベルになる。ノードN1にはトランジスタM1がオフになる電位が回路
10から供給されるため、トランジスタM1がオフになる。また、ノードN2aにはトラ
ンジスタM2aがオンになる電位が回路10からスイッチS3aを介して供給されるため
、トランジスタM2aがオンになる。また、ノードN2bには信号REがスイッチS4b
を介して供給されたままである。信号REはハイレベルであるため、トランジスタM2b
がオンになる。すなわち、トランジスタM2a及びトランジスタM2bの双方がオンにな
る。また、配線12には電位V1がトランジスタM2a及びトランジスタM2bの双方を
介して供給される。よって、配線12の電位が電位V1になる。つまり、信号OUTがロ
ウレベルになる。
【0037】
なお、配線12には電位V1がトランジスタM2a及びトランジスタM2bの双方を介し
て供給されるため、トランジスタM2a及びトランジスタM2bのW/Lを大きくするこ
となく、信号OUTの立ち下がり時間を短くすることができる。
【0038】
期間T4aでは、信号CK1がハイレベルとロウレベルとを繰り返し、信号SPがロウレ
ベルのままであり、信号REがロウレベルになる。ノードN1にはトランジスタM1がオ
フになる電位が回路10から供給されたままであるため、トランジスタM1がオフのまま
である。また、ノードN2aにはトランジスタM2aがオンになる電位が回路10からス
イッチS3aを介して供給されたままであるため、トランジスタM2aがオンのままであ
る。また、ノードN2bには信号REがスイッチS4bを介して供給されたままである。
信号REはロウレベルであるため、トランジスタM2bがオフになる。また、配線12に
は電位V1がトランジスタM2aを介して供給される。よって、配線12の電位が電位V
1のままである。つまり、信号OUTがロウレベルのままである。
【0039】
なお、期間T4aは期間T1a乃至期間T3aよりも長く、動作期間の大部分を占めてい
る。そして、トランジスタM2bは期間T4aにおいてオフである。よって、トランジス
タM2bがオンである時間を短くすることができ、トランジスタM2bの特性変化を抑制
することができる。
【0040】
次に、期間Tbにおける動作について説明する。期間Tbでは、スイッチS3a及びスイ
ッチS4bがオフであり、スイッチS3b及びスイッチS4aがオンである。
【0041】
期間T1bでは、信号CK1がロウレベルになり、信号SPがハイレベルになり、信号R
Eがロウレベルになる。ノードN1にはトランジスタM1がオンになる電位が回路10か
ら供給されるため、トランジスタM1がオンになる。その後、ノードN1への回路10か
らの電位の供給が止まるため、ノードN1が浮遊状態になる。ノードN1の電位はトラン
ジスタM1がオンになる電位に維持されるため、トランジスタM1がオンのままになる。
また、ノードN2bにはトランジスタM2bがオフになる電位が回路10からスイッチS
3bを介して供給される。よって、トランジスタM2bがオフになる。また、ノードN2
aには信号REがスイッチS4aを介して供給される。信号REはロウレベルであるため
、トランジスタM2aがオフになる。また、配線12には信号CK1がトランジスタM1
を介して供給される。信号CK1はロウレベルであるため、配線12の電位が電位V1に
なる。つまり、信号OUTがロウレベルになる。
【0042】
期間T2bでは、信号CK1がハイレベルになり、信号SPがロウレベルになり、信号R
Eがロウレベルのままである。ノードN1への回路10からの電位の供給が止まったまま
なので、ノードN1が浮遊状態のままであり、トランジスタM1がオンのままである。ま
た、ノードN2bにはトランジスタM2bがオフになる電位が回路10からスイッチS3
bを介して供給されたままであるため、トランジスタM2bがオフのままである。また、
ノードN2aには信号REがスイッチS4aを介して供給されたままである。信号REは
ロウレベルのままであるため、トランジスタM2aがオフのままである。また、配線12
には信号CK1がトランジスタM1を介して供給されたままである。信号CK1はハイレ
ベルであるため、配線12の電位が電位V2になる。つまり、信号OUTがハイレベルに
なる。
【0043】
なお、ノードN1が浮遊状態であり、且つトランジスタM1が配線12とノードN1との
間の電位差を保持しているため、配線12の電位の上昇に伴ってノードN1の電位も上昇
する。いわゆるブートストラップ動作である。これにより、ノードN1の電位をトランジ
スタM1の第1の端子の電位(例えば電位V2)とトランジスタM1のしきい値電圧との
和を超えた値とすることができるため、配線12の電位を電位V2まで上昇させることが
できる。
【0044】
期間T3bでは、信号CK1がロウレベルになり、信号SPがロウレベルのままであり、
信号REがハイレベルになる。ノードN1にはトランジスタM1がオフになる電位が回路
10から供給されるため、トランジスタM1がオフになる。また、ノードN2bにはトラ
ンジスタM2bがオンになる電位が回路10からスイッチS3bを介して供給されるため
、トランジスタM2bがオンになる。また、ノードN2aには信号REがスイッチS4a
を介して供給されたままである。信号REはハイレベルであるため、トランジスタM2a
がオンになる。すなわち、トランジスタM2a及びトランジスタM2bの双方がオンにな
る。また、配線12には電位V1がトランジスタM2a及びトランジスタM2bの双方を
介して供給される。よって、配線12の電位が電位V1になる。つまり、信号OUTがロ
ウレベルになる。
【0045】
なお、配線12には電位V1がトランジスタM2a及びトランジスタM2bの双方を介し
て供給されるため、トランジスタM2a及びトランジスタM2bのW/Lを大きくするこ
となく、信号OUTの立ち下がり時間を短くすることができる。
【0046】
期間T4bでは、信号CK1がハイレベルとロウレベルとを繰り返し、信号SPがロウレ
ベルのままであり、信号REがロウレベルになる。ノードN1にはトランジスタM1がオ
フになる電位が回路10から供給されたままであるため、トランジスタM1がオフのまま
である。また、ノードN2bにはトランジスタM2bがオンになる電位が回路10からス
イッチS3bを介して供給されたままであるため、トランジスタM2bがオンのままであ
る。また、ノードN2aには信号REがスイッチS4aを介して供給されたままである。
信号REはロウレベルであるため、トランジスタM2aがオフになる。また、配線12に
は電位V1がトランジスタM2bを介して供給される。よって、配線12の電位が電位V
1のままである。つまり、信号OUTがロウレベルのままである。
【0047】
なお、期間T4bは期間T1b乃至期間T3bよりも長く、動作期間の大部分を占めてい
る。そして、トランジスタM2aは期間T4bにおいてオフである。よって、トランジス
タM2aがオンである時間を短くすることができ、トランジスタM2aの特性変化を抑制
することができる。
【0048】
以上のとおり、
図1(A)の順序回路は、トランジスタの特性変化を抑制することができ
るとともに、トランジスタのW/Lを大きくすることなく出力信号の立ち下がり時間を短
くすることができる。
【0049】
なお、トランジスタM1がオンになる電位とは、トランジスタM1の第1の端子又は第2
の端子の電位(例えば電位V1)とトランジスタM1のしきい値電圧との和を超えた値で
ある。また、トランジスタM1がオフになる電位とは、トランジスタM1の第1の端子又
は第2の端子の電位(例えば電位V1)とトランジスタM1のしきい値電圧との和未満の
値である。例えば、トランジスタM1がオフになる電位としては、電位V1がある。また
、トランジスタM2a又はトランジスタM2bがオンになる電位とは、トランジスタM2
a又はトランジスタM2bの第1の端子の電位(例えば電位V1)とトランジスタM2a
又はトランジスタM2bのしきい値電圧との和を超えた値である。例えば、トランジスタ
M2a又はトランジスタM2bがオンになる電位としては、電位V2がある。また、トラ
ンジスタM2a又はトランジスタM2bがオフになる電位とは、トランジスタM2a又は
トランジスタM2bの第1の端子の電位(例えば電位V1)とトランジスタM2a又はト
ランジスタM2bのしきい値電圧との和未満の値である。例えば、トランジスタM2a又
はトランジスタM2bがオフになる電位としては、電位V1がある。なお、トランジスタ
M1がオフになる電位は、トランジスタM2a又はトランジスタM2bがオフになる電位
と等しくてもよいし、異なっていてもよい。また、トランジスタM2aがオンになる電位
は、トランジスタM2bがオンになる電位と等しくてもよいし、異なっていてもよい。ま
た、トランジスタM2aがオフになる電位は、トランジスタM2bがオフになる電位と等
しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0050】
なお、上述した動作の説明は一例であり、これに限定されない。例えば、回路10は、期
間T1aにおいてトランジスタM2aがオンになる電位をノードN2aに供給し、期間T
1bにおいてトランジスタM2bがオンになる電位をノードN2bに供給してもよい。こ
の場合、期間T1aにおいて、トランジスタM2aがオンになり、電位V1がトランジス
タM2aを介して配線12に供給される。また、期間T1bにおいて、トランジスタM2
bがオンになり、電位V1がトランジスタM2bを介して配線12に供給される。
【0051】
また、回路10は、期間T4a及び期間T4bにおいてノードN1への電位の供給を止め
てもよい。この場合、期間T4a及び期間T4bにおいて、ノードN1が浮遊状態になる
。ノードN1の電位は期間T3a又は期間T3bにおける電位(トランジスタM1がオフ
になる電位)に維持されるため、トランジスタM1がオフのままとなる。
【0052】
また、回路10は、期間T4a及び期間T4bにおいてノードN3への電位の供給を止め
てもよい。この場合、期間T4aにおいて、ノードN3及びノードN2aが浮遊状態にな
る。ノードN2aの電位はトランジスタM2aがオンになる電位に維持されるため、トラ
ンジスタM2aがオンのままとなる。また、期間T4bにおいて、ノードN3及びノード
N2bが浮遊状態になる。ノードN2bの電位はトランジスタM2bがオンになる電位に
維持されるため、トランジスタM2bがオンのままとなる。
【0053】
なお、トランジスタM1のW(Wはチャネル幅)/L(Lはチャネル長)は、
図1(A)
の順序回路が有するトランジスタの中で一番大きいことが好ましい。例えば、トランジス
タM1のW/Lは、トランジスタM2a及びトランジスタM2bのW/Lよりも大きいこ
とが好ましい。また、回路10がトランジスタを有する場合、トランジスタM1のW/L
は、回路10が有するトランジスタのW/Lよりも大きいことが好ましい。
【0054】
また、トランジスタM2aのW/Lは、トランジスタM2bのW/Lと概ね等しいことが
好ましい。例えば、トランジスタM2aのW/Lは、トランジスタM2bのW/Lの±1
0[%]以内であることが好ましい。より好ましくは±5[%]以内である。
【0055】
なお、本明細書等において、W/LをWと置き換えてもよい。なぜなら、トランジスタの
チャネル長は等しい又は概略等しいことが多いからである。
【0056】
なお、期間Ta及び期間Tbの切り替わりは期間T4a又は期間T4bにおいて行われる
ことが好ましい。具体的には、期間T4aにおいて、スイッチS3a及びスイッチS4b
がオンからオフになり、スイッチS3b及びスイッチS4aがオフからオンになることが
好ましい。また、期間T4bにおいて、スイッチS3b及びスイッチS4aがオフからオ
ンになり、スイッチS3a及びスイッチS4bがオンからオフになることが好ましい。こ
うすれば、期間Ta及び期間Tbの切り替わりによる誤動作を防止することができる。
【0057】
また、スイッチS3a及びスイッチS4bがオンからオフになった後に、スイッチS3b
及びスイッチS4aがオフからオンになってもよい。同様に、スイッチS3b及びスイッ
チS4aがオンからオフになった後に、スイッチS3a及びスイッチS4bがオフからオ
ンになってもよい。すなわち、スイッチS3a、スイッチS3b、スイッチS4a及びス
イッチS4bがオフである期間を有していてもよい。こうすれば、回路10の第4の端子
と配線14とが導通してしまうことを防止することができる。
【0058】
また、期間T1a乃至期間T4aを複数回(例えば100回以上、より好ましくは200
回以上、さらに好ましくは300回以上)繰り返した後に、期間Taから期間Tbに切り
替わることが好ましい。また、期間T1b乃至期間T4bを複数回(100回以上、より
好ましくは200回以上、さらに好ましくは300回以上)繰り返した後に、期間Tbか
ら期間Taに切り替わることが好ましい。すなわち、期間Taは、期間T1a乃至期間T
4aのいずれかを複数個(例えば100個以上、より好ましくは200個以上、さらに好
ましくは300個以上)有することが好ましい。また、期間Tbは、期間T1b乃至期間
T4bのいずれかを複数個(100個以上、より好ましくは200個以上、さらに好まし
くは300個以上)有することが好ましい。こうすれば、期間Ta及び期間Tbの切り替
わりに伴う消費電力の増加を抑制することができる。ただし、繰り返す回数が多すぎると
、トランジスタM2a及びトランジスタM2bの特性にばらつきを生じる恐れがある。そ
のため、期間T1a乃至期間T4aを繰り返す回数、又は期間T1b乃至期間T4bを繰
り返す回数は、1000回未満、より好ましくは700回未満、さらに好ましくは500
回未満であるとよい。
【0059】
なお、スイッチとしてはトランジスタを適用することができる。
図1(B)は、
図1(A
)において、スイッチS3a、スイッチS3b、スイッチS4a及びスイッチS4bとし
てトランジスタM3a、トランジスタM3b、トランジスタM4a及びトランジスタM4
bをそれぞれ適用した順序回路を示す。トランジスタM3a、トランジスタM3b、トラ
ンジスタM4a及びトランジスタM4bは、トランジスタM1と同じ極性である。トラン
ジスタM3aは、第1の端子がノードN3と接続され、第2の端子がノードN2aと接続
され、ゲートが配線16aと接続される。トランジスタM3bは、第1の端子がノードN
3と接続され、第2の端子がノードN2bと接続され、ゲートが配線16bと接続される
。トランジスタM4aは、第1の端子が配線14と接続され、第2の端子がノードN2a
と接続され、ゲートが配線16bと接続される。トランジスタM4bは、第1の端子が配
線14と接続され、第2の端子がノードN2bと接続され、ゲートが配線16aと接続さ
れる。配線16aの信号又は電位は、トランジスタM3aのオン若しくはオフを制御する
機能、又はトランジスタM4bのオン若しくはオフを制御する機能を有することが好まし
い。また、配線16bの信号又は電位は、トランジスタM3bのオン若しくはオフを制御
する機能、又はトランジスタM4aのオン若しくはオフを制御する機能を有することが好
ましい。本実施の形態では、便宜上、配線16aには信号SELaが入力され、配線16
bには信号SELbが入力されるものとする。
【0060】
期間Taでは、信号SELaがハイレベルであり、信号SELbがロウレベルである。よ
って、トランジスタM3a及びトランジスタM4bがオンであり、トランジスタM3b及
びトランジスタM4aがオフである。期間Tbでは、信号SELaがロウレベルであり、
信号SELbがハイレベルである。よって、トランジスタM3a及びトランジスタM4b
がオフであり、トランジスタM3b及びトランジスタM4aがオンである。すなわち、ト
ランジスタM3a、トランジスタM3b、トランジスタM4a及びトランジスタM4bは
、スイッチS3a、スイッチS3b、スイッチS4a及びスイッチS4bとそれぞれ同様
のタイミングでオン又はオフが制御される。よって、
図1(B)の順序回路は、
図1(A
)の順序回路と同様の動作を行うことができるため、
図1(A)の順序回路と同様の効果
を奏する。
【0061】
なお、信号SELa及び信号SELbのロウレベルの電位を電位V1としてもよい。ただ
し、これに限定されず、信号SELa及び信号SELbのロウレベルの電位を電位V1未
満の値としてもよい。こうすれば、トランジスタのゲートとソースとの間の電位差を0[
V]未満にすることができるため、トランジスタの特性変化を抑制することができる。
【0062】
また、信号SELa及び信号SELbのハイレベルの電位を電位V2としてもよい。ただ
し、これに限定されず、信号SELa及び信号SELbのハイレベルの電位を電位V2よ
りも高い値としてもよい。こうすれば、ノードN2a及びノードN2bの電位を高くする
ことができる。
【0063】
なお、信号SELaがハイレベルからロウレベルとなった後に、信号SELbがロウレベ
ルからハイレベルとなってもよい。また、信号SELbがハイレベルからロウレベルとな
った後に、信号SELaがロウレベルからハイレベルとなってもよい。すなわち、信号S
ELa及び信号SELbがロウレベルである期間を有していてもよい。こうすれば、回路
10の第4の端子と配線14とが導通してしまうことを防止することができる。
【0064】
なお、トランジスタM3aのW/Lは、トランジスタM3bのW/Lと概ね等しいことが
好ましい。例えば、トランジスタM3aのW/Lは、トランジスタM3bのW/Lの±1
0[%]以内であることが好ましい。より好ましくは±5[%]以内である。また、トラ
ンジスタM4aのW/Lは、トランジスタM4bのW/Lと概ね等しいことが好ましい。
例えば、トランジスタM4aのW/Lは、トランジスタM4bのW/Lの±10[%]以
内であることが好ましい。より好ましくは±5[%]以内である。また、トランジスタM
1のW/Lは、トランジスタM3a、トランジスタM3b、トランジスタM4a及びトラ
ンジスタM4bのW/Lよりも大きいことが好ましい。また、トランジスタM2a及びト
ランジスタM2bのW/Lは、トランジスタM3a、トランジスタM3b、トランジスタ
M4a及びトランジスタM4bのW/Lよりも大きいことが好ましい。また、トランジス
タM4a及びトランジスタM4bのW/Lは、トランジスタM3a及びトランジスタM3
bのW/Lよりも大きいことが好ましい。
【0065】
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することがで
きる。
【0066】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1の順序回路の回路10に適用することができる回路につ
いて説明する。
【0067】
図8(A)の回路10は、トランジスタM5、トランジスタM6及び回路20を有する。
トランジスタM5及びトランジスタM6は、トランジスタM1と同じ極性である。トラン
ジスタM5は、第1の端子が配線15と接続され、第2の端子がノードN1と接続され、
ゲートが配線15と接続される。トランジスタM6は、第1の端子が配線13と接続され
、第2の端子がノードN1と接続され、ゲートが配線14と接続される。回路20は、第
1の端子がノードN1と接続され、第2の端子がノードN3と接続される。
【0068】
回路20は、ノードN1の電位に応じて、ノードN3にトランジスタM2a又はトランジ
スタM2bのオン又はオフを制御するための電位を供給する機能を有する。具体的には、
回路20は、ノードN1の電位が低いとき(例えば期間T3a、期間T3b、期間T4a
又は期間T4b等)において、ノードN3にトランジスタM2a又はトランジスタM2b
がオンになる電位を供給する機能を有する。また、回路20は、ノードN1の電位が高い
とき(例えば期間T1a、期間T1b、期間T2a又は期間T2b等)において、ノード
N3にトランジスタM2a又はトランジスタM2bがオフになる電位を供給する機能を有
する。また、回路20を入力端子がノードN1と接続され、出力端子がノードN3と接続
されたインバータ回路に置き換えてもよい。
【0069】
期間T1a及び期間T1bにおいて、トランジスタM5がオンになり、トランジスタM6
がオフになる。ノードN1には信号SPがトランジスタM5を介して供給される。信号S
Pはハイレベルであるため、ノードN1の電位が上昇する。ノードN1の電位がトランジ
スタM5のゲートの電位(例えば電位V2)からトランジスタM5のしきい値電圧を引い
た値になると、トランジスタM5がオフになる。よって、ノードN1は浮遊状態になる。
また、回路20は、トランジスタM2a又はトランジスタM2bがオフになる電位をノー
ドN3に供給する。
【0070】
期間T2a及び期間T2bにおいて、トランジスタM5がオフのままであり、トランジス
タM6がオフのままである。また、回路20は、トランジスタM2a又はトランジスタM
2bがオフになる電位をノードN3に供給したままである。
【0071】
期間T3a及び期間T3bにおいて、トランジスタM5がオフのままであり、トランジス
タM6がオンになる。ノードN1には電位V1がトランジスタM6を介して供給されるた
め、ノードN1の電位が電位V1になる。また、回路20は、トランジスタM2a又はト
ランジスタM2bがオンになる電位をノードN3に供給する。
【0072】
期間T4a及び期間T4bにおいて、トランジスタM5がオフのままであり、トランジス
タM6がオフになる。また、回路20はトランジスタM2a又はトランジスタM2bがオ
ンになる電位をノードN3に供給したままである。
【0073】
図8(B)の回路10は、
図8(A)と比較して、トランジスタM7a及びトランジスタ
M7bを有するところが異なる。トランジスタM7a及びトランジスタM7bは、トラン
ジスタM1と同じ極性である。トランジスタM7aは、第1の端子が配線13と接続され
、第2の端子がノードN1と接続され、ゲートがノードN2aと接続される。トランジス
タM7bは、第1の端子が配線13と接続され、第2の端子がノードN1と接続され、ゲ
ートがノードN2bと接続される。
【0074】
期間T1a、期間T2a、期間T1b及び期間T2bにおいて、トランジスタM7a及び
トランジスタM7bがオフである。また、期間T3a及び期間T3bにおいて、トランジ
スタM7a及びトランジスタM7bがオンである。また、期間T4aにおいて、トランジ
スタM7aがオンであり、トランジスタM7bがオフである。また、期間T4bにおいて
、トランジスタM7aがオフであり、トランジスタM7bがオンである。
図8(B)の回
路10では、期間T3a、期間T4a、期間T3b及び期間T4bにおいて、電位V1が
ノードN1に供給される。よって、ノードN1の電位を電位V1に維持しやすくなる。
【0075】
図9(A)の回路10は、
図8(A)と比較して、トランジスタM5のゲートが配線17
と接続されるところが異なる。配線17の信号又は電位は、トランジスタM5のオン又は
オフを制御する機能を有することが好ましい。本実施の形態では、便宜上、配線17には
信号CK2が入力されるものとする。信号CK2としては、信号CK1が反転した信号、
信号CK1と位相が異なる信号等がある。例えば、信号CK2は、期間T1a及び期間T
1bではハイレベルであり、期間T2a及び期間T2bではロウレベルであり、期間T3
a及び期間T3bではハイレベル又はロウレベルであり、期間T4a及び期間T4bでは
ハイレベルとロウレベルとを繰り返す。
【0076】
期間T1a及び期間T1bにおいて、トランジスタM5がオンになる。よって、信号SP
がトランジスタM5を介してノードN1に供給される。信号SPはハイレベルであるため
、ノードN1の電位が上昇する。ただし、ノードN1の電位がトランジスタM5のゲート
の電位(例えば電位V2)からトランジスタM5のしきい値電圧を引いた値になると、ト
ランジスタM5がオフになる。また、期間T2a及び期間T2bにおいて、トランジスタ
M5がオフである。また、期間T3a及び期間T3bにおいて、信号CK2がハイレベル
であれば、トランジスタM5がオンである。よって、信号SPがトランジスタM5を介し
てノードN1に供給される。一方、信号CK2がロウレベルであれば、トランジスタM5
がオフである。また、期間T4a及び期間T4bにおいて、トランジスタM5はオンとオ
フとを繰り返す。トランジスタM5がオンであれば、信号SPがトランジスタM5を介し
てノードN1に供給される。
図9(A)の回路10では、期間T4a及び期間T4bにお
いて、信号SPがノードN1に供給される。信号SPはロウレベルであるため、ノードN
1の電位を電位V1に維持しやすくなる。
【0077】
図9(B)の回路10は、
図8(A)と比較して、トランジスタM5の第1の端子が配線
18と接続されるところが異なる。配線18の信号又は電位は、トランジスタM1をオン
にする機能を有する。本実施の形態では、便宜上、配線18には電位V2が供給されるも
のとする。
【0078】
期間T1a及び期間T1bにおいて、トランジスタM5がオンである。よって、電位V2
がトランジスタM5を介してノードN1に供給されるため、ノードN1の電位が上昇する
。ただし、ノードN1の電位がトランジスタM5のゲートの電位(例えば電位V2)から
トランジスタM5のしきい値電圧を引いた値になると、トランジスタM5がオフになる。
また、期間T2a乃至期間T4a、及び期間T2b乃至期間T4bにおいて、トランジス
タM5がオフである。
図9(B)の回路10では、期間T1a及び期間T1bにおいて、
電位V2がノードN1に供給される。よって、配線15に流れる電流を小さくすることが
できる。
【0079】
なお、
図8(B)において、
図9(A)と同様にトランジスタM5のゲートを配線17と
接続してもよいし、
図9(B)と同様にトランジスタM5の第1の端子を配線18と接続
してもよい。特に、
図8(B)において、トランジスタM5のゲートを配線17と接続す
ると、期間T4a及び期間T4bにおいて、ノードN1にトランジスタM7a又はトラン
ジスタM7bを介して供給された電位V1が、トランジスタM5を介して配線15に供給
される。よって、配線15の電位を電位V1に維持しやすくなる。
【0080】
なお、
図8(A)、
図8(B)及び
図9(B)において、トランジスタM5の第1の端子
を配線17と接続してもよい。こうすれば、例えば期間T1a、期間T4aの一部、期間
T1b、又は期間T4bの一部等において、トランジスタM5の第1の端子の電位が低く
なるため、トランジスタM5の特性変化を抑制することができる。
【0081】
なお、
図8(A)、
図8(B)及び
図9(B)において、第1の端子が配線15と接続さ
れ、第2の端子がノードN1と接続され、ゲートが配線17と接続されたトランジスタを
新たに設けてもよい。こうすれば、
図9(A)の回路10と同様の効果を奏することがで
きる。
【0082】
なお、
図8(A)、
図8(B)及び
図9(A)において、第1の端子が配線18又は配線
17と接続され、第2の端子がノードN1と接続され、ゲートが配線15と接続されたト
ランジスタを新たに設けてもよい。こうすれば、
図9(B)の回路10と同様の効果を奏
することができる。
【0083】
なお、
図9(A)のように回路10が第1の端子が配線15と接続され、第2の端子がノ
ードN1と接続され、ゲートが配線17と接続されるトランジスタを有する場合、トラン
ジスタM6を省略してもよい。
【0084】
なお、上述した回路10において、トランジスタM6の第1の端子を配線11と接続して
もよい。
【0085】
なお、上述した回路10において、回路20の第1の端子を配線12と接続してもよい。
【0086】
なお、上述した回路10において、トランジスタM6の第1の端子を配線18又は配線1
7と接続し、トランジスタM6の第2の端子をノードN3と接続してもよい。または、第
1の端子が配線18又は配線17と接続され、第2の端子がノードN3と接続され、ゲー
トが配線14と接続されたトランジスタを新たに設けてもよい。または、第1の端子が配
線18又は配線17と接続され、第2の端子がノードN2aと接続され、ゲートが配線1
4と接続されたトランジスタと、第1の端子が配線18又は配線17と接続され、第2の
端子がノードN2bと接続され、ゲートが配線14と接続されたトランジスタと、を新た
に設けてもよい。
【0087】
次に、回路20に適用することができる回路について説明する。
【0088】
図10(A)の回路20は、トランジスタM8、及びトランジスタM9を有する。トラン
ジスタM8及びトランジスタM9はトランジスタM1と同じ極性である。トランジスタM
8は、第1の端子が配線18と接続され、第2の端子が回路20の第2の端子と接続され
、ゲートが配線18と接続される。トランジスタM9は、第1の端子が配線13と接続さ
れ、第2の端子が回路20の第2の端子と接続され、ゲートが回路20の第1の端子と接
続される。期間T1a、期間T2a、期間T1b及び期間T2bにおいて、トランジスタ
M8がオンであり、トランジスタM9がオンである。また、期間T3a、期間T4a、期
間T3b及び期間T4bにおいて、トランジスタM8がオンの後にオフになり、トランジ
スタM9がオフである。
【0089】
なお、トランジスタM8の第1の端子を配線11又は配線17と接続してもよい。また、
トランジスタM8のゲートを配線11又は配線17と接続してもよい。また、トランジス
タM8の第1の端子及びゲートの双方を配線11又は配線17と接続してもよい。
【0090】
図10(B)の回路20は、トランジスタM10乃至トランジスタM13を有する。トラ
ンジスタM10乃至トランジスタM13は、トランジスタM1と同じ極性である。トラン
ジスタM10は、第1の端子が配線18と接続され、第2の端子が回路20の第2の端子
と接続される。トランジスタM11は、第1の端子が配線13と接続され、第2の端子が
回路20の第2の端子と接続され、ゲートが回路20の第1の端子と接続される。トラン
ジスタM12は、第1の端子が配線18と接続され、第2の端子がトランジスタM10の
ゲートと接続され、ゲートが配線18と接続される。トランジスタM13は、第1の端子
が配線13と接続され、第2の端子がトランジスタM10のゲートと接続され、ゲートが
回路20の第1の端子と接続される。期間T1a、期間T2a、期間T1b及び期間T2
bにおいて、トランジスタM10がオフであり、トランジスタM11がオンであり、トラ
ンジスタM12がオンであり、トランジスタM13がオンである。期間T3a、期間T4
a、期間T3b及び期間T4bにおいて、トランジスタM10がオンであり、トランジス
タM11がオフであり、トランジスタM12がオンの後にオフになり、トランジスタM1
3がオフである。
【0091】
なお、トランジスタM10の第1の端子、トランジスタM12の第1の端子、及びトラン
ジスタM12のゲートを配線11又は配線17と接続してもよい。こうすれば、期間T4
a及び期間T4bにおいて、回路20からハイレベルとロウレベルとを繰り返す信号を出
力することができる。よって、トランジスタM2a及びトランジスタM2bの特性変化を
抑制することができる。
【0092】
図10(C)の回路20は、トランジスタM14乃至トランジスタM18、及び容量素子
Cを有する。トランジスタM14乃至トランジスタM18は、トランジスタM1と同じ極
性である。トランジスタM14は、第1の端子が配線18と接続され、第2の端子が回路
20の第2の端子と接続される。トランジスタM15は、第1の端子が配線13と接続さ
れ、第2の端子が回路20の第2の端子と接続され、ゲートが回路20の第1の端子と接
続される。トランジスタM16は、第1の端子が配線18と接続され、ゲートがトランジ
スタM14のゲートと接続される。トランジスタM17は、第1の端子が配線13と接続
され、第2の端子がトランジスタM16の第2の端子と接続され、ゲートが回路20の第
1の端子と接続される。トランジスタM18は、第1の端子が配線13と接続され、第2
の端子がトランジスタM14のゲートと接続され、ゲートが回路20の第1の端子と接続
される。容量素子Cは、第1の電極が回路20の第1の端子と接続され、第2の電極がト
ランジスタM16の第2の端子と接続される。期間T1a、期間T2a、期間T1b及び
期間T2bにおいて、トランジスタM14がオフであり、トランジスタM15がオンであ
り、トランジスタM16がオフであり、トランジスタM17がオンであり、トランジスタ
M18がオンである。期間T3a、期間T4a、期間T3b及び期間T4bにおいて、ト
ランジスタM14がオンであり、トランジスタM15がオフであり、トランジスタM16
がオンであり、トランジスタM17がオフであり、トランジスタM18がオフである。図
10(C)の回路20は、期間T3a及び期間T3bにおいて、容量素子Cの容量結合を
用いてトランジスタM14及びトランジスタM16をオンにするため、回路20の第2の
端子の電位の立ち上がり時間を短くすることができる。よって、トランジスタM2a又は
トランジスタM2bがオンになるタイミングを早くすることができるため、信号OUTの
立ち下がり時間をより短くすることができる。
【0093】
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することがで
きる。
【0094】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る順序回路を適用したシフトレジスタ回路につい
て説明する。
【0095】
図11は、本実施の形態のシフトレジスタ回路を示す。
図11のシフトレジスタ回路は、
N(Nは3以上の自然数)個の順序回路30を有する。ただし、
図11には、順序回路3
0[1]乃至順序回路30[3]のみを示す。
【0096】
図11のシフトレジスタ回路は、順序回路30として
図1(B)の順序回路が適用される
。順序回路30[i](iは2以上N-1以下)において、配線15には信号SOUT[
i-1]が入力され、配線16aには信号SELaが入力され、配線16bには信号SE
Lbが入力され、配線14には信号SOUT[i+1]が入力され、配線13には電位V
1が入力され、配線12からは信号SOUT[i]が出力される。また、奇数段の順序回
路30において、配線11には信号SCK1が入力され、偶数段の順序回路30において
、配線11には信号SCK2が入力される。また、順序回路30[1]は、順序回路30
[i]と比較して、配線11に信号SSPが入力されるところが異なる。また、順序回路
30[N]は、順序回路30[i]と比較して、配線14にリセット信号又は信号SSP
が入力されるところが異なる。
【0097】
信号SCK1は信号CK1と同様の信号であり、信号SCK2は信号CK2と同様の信号
である。また、信号SSPはシフトレジスタ回路のスタートパルスであり、信号SPと同
様の信号である。また、信号SOUTは信号OUTと同様の信号である。
【0098】
なお、回路10として、
図9(A)のように配線17と接続された構成を適用する場合、
奇数段の順序回路30において、配線17に信号SCK2を入力し、偶数段の順序回路3
0において、配線17に信号SCK1を入力すればよい。
【0099】
なお、回路10として、
図9(B)のように配線18が接続された構成を適用する場合、
各段の順序回路30において、配線18に電位V2を供給すればよい。
【0100】
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することがで
きる。
【0101】
(実施の形態4)
本実施の形態では、表示素子として液晶素子を用いたパネルの構成を一例として示す。
【0102】
図12(A)に示すパネル60は、画素部61と、走査線駆動回路63と、信号線駆動回
路64と、を有する。また、画素部61は、複数の画素62と、画素62を行毎に選択す
るための複数の走査線Gと、選択された画素62に画像信号を供給するための複数の信号
線Sとを有する。各画素62は、走査線Gの少なくとも一つと、信号線Sの少なくとも一
つとに、それぞれ接続されている。また、走査線駆動回路63は、走査線Gへ信号を出力
する。信号線駆動回路64は、信号線Sへ画像信号を出力する。
【0103】
走査線駆動回路63は、シフトレジスタ回路を有する。シフトレジスタ回路の出力信号は
、走査線Gに順次入力される。この走査線駆動回路63のシフトレジスタ回路に、本発明
の一態様に係る順序回路を適用することができる。
【0104】
なお、画素部61に設けられる配線の種類及びその数は、画素62の構成、数及び配置に
よって決めることができる。具体的に、
図12(A)に示す画素部61の場合、x列×y
行の画素62がマトリクス状に配置されており、信号線S1乃至信号線Sx、走査線G1
乃至走査線Gyが、画素部61内に配置されている場合を例示している。
【0105】
図12(B)は、画素62の構成の一例を示す。画素62は、液晶素子65と、トランジ
スタ66と、容量素子67と、を有する。液晶素子65は、第1電極(画素電極ともいう
)と、第2電極(対向電極ともいう)と、第1電極と第2電極の間の電圧が印加される液
晶材料を含んだ液晶層とを有する。トランジスタ66は、ソース又はドレインの一方が信
号線S1乃至信号線Sxのいずれか一つと接続され、ソース又はドレインの他方が液晶素
子65の第1の電極と接続され、ゲートが走査線G1乃至Gyのいずれか一つと接続され
る。トランジスタ66は、信号線Sと液晶素子65の第1の電極との導通又は非導通を制
御する機能を有する。容量素子67は、第1の電極が液晶素子65の第1の電極と接続さ
れ、第2の電極が図示しない容量線と接続される。容量素子67は、液晶素子65の第1
の電極と容量線との電位差を保持する機能を有する。
【0106】
なお、各画素62において、液晶素子65の第2の電極を共通にしてもよい。また、各画
素62において、容量素子67の第2の電極を同一の容量配線と接続してもよい。また、
容量線には、液晶素子65の第2の電極と同じコモン電位を供給してもよい。
【0107】
なお、画素62は、トランジスタ、ダイオード、抵抗素子、容量素子、インダクタなどの
その他の素子を、さらに有していても良い。
【0108】
なお、本発明の一態様では、画素62において、液晶素子65及び容量素子67に蓄積さ
れた電荷を保持するためのスイッチとして、オフ電流の小さいトランジスタを用いること
が望ましい。具体的に、
図12(B)に示す画素62の場合、トランジスタ66のオフ電
流が小さいと、トランジスタ66を介して電荷がリークするのを防ぐことができる。よっ
て、液晶素子65及び容量素子67に与えられた画像信号に応じた電位をより確実に保持
することができるので、1フレーム期間内において電荷のリークにより液晶素子65の透
過率が変化するのを防ぎ、それにより、表示する画像の質を向上させることができる。ま
た、トランジスタ66のオフ電流が小さい場合、トランジスタ66を介して電荷がリーク
するのを防ぐことができるため、容量素子67の面積を小さく抑えることができる。よっ
て、パネル60の透過率を高め、それにより、バックライトやフロントライトなどの光供
給部から供給される光の、パネル60の内部における損失を低減し、液晶表示装置の消費
電力を低減させることができる。
【0109】
なお、本実施の形態では、表示素子として液晶素子を用いたパネルについて説明したが、
表示素子として発光素子を用いてもよい。発光素子は、LED(Light Emitt
ing Diode)やOLED(Organic Light Emitting D
iode)などの、電流または電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでい
る。例えば、OLEDは、EL層と、アノードと、カソードとを少なくとも有している。
EL層はアノードとカソードの間に設けられた単層または複数の層で構成されており、こ
れらの層の中に、発光性の物質を含む発光層を少なくとも含んでいる。EL層は、カソー
ドとアノード間の電位差が、発光素子の閾値電圧Vth以上になったときに供給される電
流により、エレクトロルミネッセンスが得られる。エレクトロルミネッセンスには、一重
項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際
の発光(リン光)とが含まれる。
【0110】
走査線駆動回路63に本発明の一態様に係る順序回路を適用することにより、走査線Gの
信号の立ち下がり時間を短くすることができる。よって、別の行に対応する画像信号が画
素62に入力されることを防止することができるため、より正確な画像信号を保持するこ
とができ、表示品位の向上を図ることができる。
【0111】
なお、走査線駆動回路63に本発明の一態様に係る順序回路を適用する場合、画素62が
有するトランジスタ66はトランジスタM1と同じ極性であることが好ましい。また、走
査線駆動回路63と同じ基板に設けられるトランジスタはトランジスタM1と同じ極性で
あることが好ましい。
【0112】
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することがで
きる。
【0113】
(実施の形態5)
本発明の一態様に係る半導体装置では、非晶質、微結晶、多結晶又は単結晶である、シリ
コン又はゲルマニウムなどの半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタが用いら
れていても良いし、シリコンよりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコン
よりも低い半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタが用いられていても良い。
【0114】
シリコンとしては、プラズマCVD法などの気相成長法若しくはスパッタリング法で作製
された非晶質シリコン、非晶質シリコンをレーザーアニールなどの処理により結晶化させ
た多結晶シリコン、単結晶シリコンウェハに水素イオン等を注入して表層部を剥離した単
結晶シリコンなどを用いることができる。
【0115】
電子供与体(ドナー)となる水分または水素などの不純物が低減され、なおかつ酸素欠損
が低減されることにより高純度化された酸化物半導体(purified OS)は、i
型(真性半導体)又はi型に限りなく近い。そのため、高純度化された酸化物半導体膜に
チャネル形成領域を有するトランジスタは、オフ電流が著しく小さく、信頼性が高い。
【0116】
具体的に、高純度化された酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタのオ
フ電流が小さいことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×1
06μmでチャネル長が10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧
(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナ
ライザの測定限界以下、すなわち1×10-13A以下という特性を得ることができる。
この場合、オフ電流をトランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流は、100zA/
μm以下であることが分かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に
流入または容量素子から流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ
電流の測定を行った。当該測定では、上記トランジスタに高純度化された酸化物半導体膜
をチャネル形成領域に用い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジ
スタのオフ電流を測定した。その結果、トランジスタのソース電極とドレイン電極間の電
圧が3Vの場合に、数十yA/μmという、さらに小さいオフ電流が得られることが分か
った。従って、高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタ
は、オフ電流が、結晶性を有するシリコンを用いたトランジスタに比べて著しく小さい。
【0117】
なお、特に断りがない限り、本明細書でオフ電流とは、nチャネル型トランジスタにおい
ては、ドレインをソースとゲートよりも高い電位とした状態において、ソースの電位を基
準としたときのゲートの電位が0以下であるときに、ソースとドレインの間に流れる電流
のことを意味する。或いは、本明細書でオフ電流とは、pチャネル型トランジスタにおい
ては、ドレインをソースとゲートよりも低い電位とした状態において、ソースの電位を基
準としたときのゲートの電位が0以上であるときに、ソースとドレインの間に流れる電流
のことを意味する。
【0118】
次いで、酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタの一例について、図面
を参照して説明する。
【0119】
図13(A)に、画素に設けられたトランジスタ201と、駆動回路に設けられたトラン
ジスタ202の断面構造を、一例として示す。
【0120】
図13(A)に示すトランジスタ201は、絶縁表面上に設けられた、ゲートとして機能
する導電膜204と、導電膜204上の絶縁膜205と、絶縁膜205上において導電膜
204と重なる位置に設けられた半導体膜206と、半導体膜206上においてソースま
たはドレインとして機能する導電膜207及び導電膜208と、を有する。また、
図13
(A)では、半導体膜206、導電膜207及び導電膜208上に、絶縁膜209及び絶
縁膜210が、順に積層するように設けられている。トランジスタ201は、絶縁膜20
9及び絶縁膜210をその構成要素に含んでいても良い。また、絶縁膜209及び絶縁膜
210上には、絶縁膜211が設けられている。そして、絶縁膜209、絶縁膜210、
及び絶縁膜211には開口部が設けられており、絶縁膜211上には、当該開口部におい
て導電膜207に接続された導電膜203が設けられている。
【0121】
なお、導電膜203は、表示素子の第1電極として機能する。例えば、液晶素子は第1電
極及び第2電極と、第1電極及び第2電極により電界が加えられる液晶層とを有する。よ
って、液晶素子をトランジスタ201上に形成する場合、導電膜203に加え、第2電極
として機能する導電膜と、液晶層とを、絶縁膜211上に設ければよい。また、表示素子
がOLEDである場合、アノードまたはカソードの一方として機能する導電膜203に加
え、アノードまたはカソードの他方として機能する導電膜と、EL層とを、絶縁膜211
上に設ければよい。
【0122】
なお、絶縁膜211に樹脂を用いることで、導電膜203の被形成表面に凹凸が生じるこ
とを防ぐことができる。すなわち、導電膜203の被形成表面の平坦性を高めることがで
きる。具体的に、絶縁膜211として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテ
ン系樹脂、ポリイミド、ポリアミド等の有機材料を用いることができる。また上記有機材
料の他に、シリコーン樹脂等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶
縁膜を複数積層させることで、より平坦性の高い絶縁膜211を形成することができる。
【0123】
なお、導電膜203として、酸化インジウム、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:In
dium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸
化スズ、酸化インジウム-酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、酸化タン
グステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、窒素を含ませたAl-Zn系酸化物半
導体、窒素を含ませたZn系酸化物半導体、窒素を含ませたSn-Zn系酸化物半導体、
金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、
モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)
、チタン(Ti)の他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウ
ム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシ
ウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金
(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金
属およびこれらを含む合金などを用いることができる。なお、導電膜203は、例えばス
パッタリング法や蒸着法等により上記材料を用いて導電膜を形成した後、フォトリソグラ
フィ法を用いたエッチングにより当該導電膜を所望の形状に加工することで、形成するこ
とができる。
【0124】
図13(A)に示すトランジスタ202は、絶縁表面上に設けられた、ゲートとして機能
する導電膜212と、導電膜212上の絶縁膜205と、絶縁膜205上において導電膜
212と重なる位置に設けられた半導体膜213と、半導体膜213上においてソースま
たはドレインとして機能する導電膜214及び導電膜215と、を有する。また、
図13
(A)では、半導体膜213、導電膜214及び導電膜215上に、絶縁膜209及び絶
縁膜210が順に積層するように設けられている。また、絶縁膜209及び絶縁膜210
上には、樹脂を用いた絶縁膜211が設けられている。
【0125】
なお、
図13(A)では、駆動回路が有するトランジスタ202のバックゲートとして機
能する導電膜を、画素において液晶素子の電極として機能する導電膜203と共に、絶縁
膜211上に形成しても良い。上記構成により、一の導電膜をエッチング等により所望の
形状に加工することにより、導電膜203と、バックゲートとして機能する導電膜とを形
成することができる。よって、半導体装置の作製工程を増やすことなく、バックゲートと
して機能する導電膜を設けることができる。バックゲートはフローティングの状態であっ
ても良いし、電位が他から与えられる状態であっても良い。後者の場合、通常のゲート(
フロントゲート)及びバックゲートに同じ高さの電位が与えられていても良いし、バック
ゲートにのみ接地電位などの固定の電位が与えられていても良い。バックゲートに与える
電位を制御することで、トランジスタ202の閾値電圧を制御することができる。また、
バックゲートを設けることで、チャネル形成領域が増え、ドレイン電流の増加を実現する
ことができる。また、バックゲートを設けることで、半導体膜に空乏層ができやすくなる
ため、S値の改善を図ることができる。
【0126】
なお、
図13(A)では、半導体膜206及び半導体膜213と絶縁膜211の間に、絶
縁膜209及び絶縁膜210が設けられている場合を例示しているが、半導体膜206及
び半導体膜213と絶縁膜211の間に設けられる絶縁膜は、一層であっても良いし、3
以上の複数層であっても良い。
【0127】
なお、絶縁膜210は、化学量論的組成以上の酸素が含まれており、加熱により上記酸素
の一部を半導体膜206に供給する機能を有する絶縁膜であることが望ましい。また、絶
縁膜210は、欠陥が少ないことが好ましく、代表的には、ESR測定により、シリコン
のダングリングボンドに由来するg=2.001に現れる信号のスピン密度が1×10
1
8spins/cm
3以下であることが好ましい。ただし、絶縁膜210を半導体膜20
6及び半導体膜213上に直接設けると、絶縁膜210の形成時に半導体膜206にダメ
ージが与えられる場合、
図13(A)に示すように、絶縁膜209を半導体膜206及び
半導体膜213と絶縁膜210の間に設けると良い。絶縁膜209は、その形成時に半導
体膜206に与えるダメージが絶縁膜210の場合よりも小さく、なおかつ、酸素を透過
する機能を有する絶縁膜であることが望ましい。ただし、半導体膜206及び半導体膜2
13に与えられるダメージを小さく抑えつつ、半導体膜206及び半導体膜213上に直
接絶縁膜210を形成することができるのであれば、絶縁膜209は必ずしも設けなくと
も良い。
【0128】
なお、絶縁膜209は、欠陥が少ないことが好ましく、代表的には、ESR測定により、
シリコンのダングリングボンドに由来するg=2.001に現れる信号のスピン密度が3
×1017spins/cm3以下であることが好ましい。これは、絶縁膜209に含ま
れる欠陥密度が多いと、当該欠陥に酸素が結合してしまい、絶縁膜209における酸素の
透過量が減少してしまうためである。
【0129】
なお、絶縁膜209と半導体膜206及び半導体膜213との界面に欠陥が少ないことが
好ましく、代表的には、磁場の向きを膜面に対して平行に印加したESR測定により、半
導体膜206及び半導体膜213に用いられる酸化物半導体中の酸素欠損に由来するg=
1.93に現れる信号のスピン密度が1×1017spins/cm3以下、更には検出
下限以下であることが好ましい。
【0130】
具体的に、絶縁膜209または絶縁膜210として、酸化シリコン膜または酸化窒化シリ
コン膜を用いることができる。
【0131】
次いで、
図13(B)に、
図13(A)に示した断面構造に、さらに絶縁膜210と絶縁
膜211の間に絶縁膜217を設けた場合の、トランジスタ201と、トランジスタ20
1に接続された導電膜203と、トランジスタ202の断面構造を、一例として示す。絶
縁膜217は、酸素、水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を有することが、望ましい
。或いは、絶縁膜217は、水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を有することが、望
ましい。
【0132】
絶縁膜は、密度が高くて緻密である程、また未結合手が少なく化学的に安定である程、よ
り高いブロッキング効果を示す。酸素、水素、水のブロッキング効果を示す絶縁膜は、例
えば、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸
化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等を用い
て、形成することができる。水素、水のブロッキング効果を示す絶縁膜は、例えば、窒化
シリコン、窒化酸化シリコン等を用いることができる。
【0133】
絶縁膜217が水、水素などのブロッキング効果を有する場合、樹脂を用いた絶縁膜21
1や、パネルの外部に存在する水、水素などの不純物が、半導体膜206または半導体膜
213に侵入するのを防ぐことができる。半導体膜206または半導体膜213に酸化物
半導体を用いる場合、酸化物半導体に侵入した水または水素の一部は電子供与体(ドナー
)となるため、上記ブロッキング効果を有する絶縁膜217を用いることで、トランジス
タ201及びトランジスタ202の閾値電圧がドナーの生成によりシフトするのを防ぐこ
とができる。
【0134】
半導体膜206または半導体膜213に酸化物半導体を用いる場合、絶縁膜217が酸素
のブロッキング効果を有することで、酸化物半導体からの酸素が外部に拡散するのを防ぐ
ことができる。よって、酸化物半導体中において、ドナーとなる酸素欠損が低減されるの
で、トランジスタ201及びトランジスタ202の閾値電圧がドナーの生成によりシフト
するのを防ぐことができる。
【0135】
絶縁膜217と絶縁膜211の密着性が、絶縁膜210と絶縁膜211の密着性よりも高
い場合、絶縁膜217を用いることで、絶縁膜211の剥離を防ぐことができる。
【0136】
なお、半導体膜206及び半導体膜213として酸化物半導体膜を用いる場合、酸化物半
導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好まし
い。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすための
スタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また
、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーと
してハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニ
ウム(Al)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてジルコニウム(Zr
)を含むことが好ましい。
【0137】
酸化物半導体の中でもIn-Ga-Zn系酸化物、In-Sn-Zn系酸化物などは、炭
化シリコン、窒化ガリウム、または酸化ガリウムとは異なり、スパッタリング法や湿式法
により電気的特性の優れたトランジスタを作製することが可能であり、量産性に優れると
いった利点がある。また、炭化シリコン、窒化ガリウム、または酸化ガリウムとは異なり
、上記In-Ga-Zn系酸化物は、ガラス基板上に、電気的特性の優れたトランジスタ
を作製することが可能である。また、基板の大型化にも対応が可能である。
【0138】
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(
Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム
(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホル
ミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ル
テチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を含んでいてもよい。
【0139】
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、I
n-Zn系酸化物、Sn-Zn系酸化物、Al-Zn系酸化物、Zn-Mg系酸化物、S
n-Mg系酸化物、In-Mg系酸化物、In-Ga系酸化物、In-Ga-Zn系酸化
物(IGZOとも表記する)、In-Al-Zn系酸化物、In-Sn-Zn系酸化物、
Sn-Ga-Zn系酸化物、Al-Ga-Zn系酸化物、Sn-Al-Zn系酸化物、I
n-Hf-Zn系酸化物、In-La-Zn系酸化物、In-Pr-Zn系酸化物、In
-Nd-Zn系酸化物、In-Sm-Zn系酸化物、In-Eu-Zn系酸化物、In-
Gd-Zn系酸化物、In-Tb-Zn系酸化物、In-Dy-Zn系酸化物、In-H
o-Zn系酸化物、In-Er-Zn系酸化物、In-Tm-Zn系酸化物、In-Yb
-Zn系酸化物、In-Lu-Zn系酸化物、In-Sn-Ga-Zn系酸化物、In-
Hf-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Ga-Zn系酸化物、In-Sn-Al-Zn
系酸化物、In-Sn-Hf-Zn系酸化物、In-Hf-Al-Zn系酸化物を用いる
ことができる。
【0140】
なお、例えば、In-Ga-Zn系酸化物とは、InとGaとZnを含む酸化物という意
味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素
を含んでいてもよい。In-Ga-Zn系酸化物は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電
流を十分に小さくすることが可能であり、また、移動度も高い。
【0141】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)あるいはIn:G
a:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)の原子比のIn-Ga-Zn系酸化
物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:
1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/
6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原
子比のIn-Sn-Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
【0142】
例えば、In-Sn-Zn系酸化物では比較的容易に高い移動度が得られる。しかしなが
ら、In-Ga-Zn系酸化物でも、バルク内欠陥密度を低減することにより移動度を上
げることができる。
【0143】
なお、本発明の一態様では、単結晶、多結晶(ポリクリスタルともいう。)または非晶質
などの状態を有する酸化物半導体膜を、トランジスタに用いることができる。好ましくは
、酸化物半導体膜は、CAAC-OS(C Axis Aligned Crystal
line Oxide Semiconductor)膜とする。
【0144】
CAAC-OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。なお、CAAC-
OS膜に含まれる結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであること
が多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electro
n Microscope)による観察像では、CAAC-OS膜に含まれる非晶質部と
結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC-OS膜には粒界(グレ
インバウンダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC-OS膜は、粒界に
起因する電子移動度の低下が抑制される。
【0145】
CAAC-OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC-OS膜の被形成面の法線ベクト
ルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、かつab面に垂直な方向から見て三角
形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または
金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸お
よびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、8
5°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、-5
°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
【0146】
なお、CAAC-OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAA
C-OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、被形
成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CA
AC-OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶
質化することもある。
【0147】
CAAC-OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC-OS膜の被形成面の法線ベクト
ルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC-OS膜の形状(被形成
面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。な
お、結晶部のc軸の方向は、CAAC-OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクト
ルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、また
は成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
【0148】
CAAC-OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気的特性の変
動を低減することが可能である。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
【0149】
CAAC-OS膜は、例えば、多結晶である酸化物半導体スパッタリング用ターゲットを
用い、スパッタリング法によって成膜する。当該スパッタリング用ターゲットにイオンが
衝突すると、スパッタリング用ターゲットに含まれる結晶領域がa-b面から劈開し、a
-b面に平行な面を有する平板状またはペレット状のスパッタリング粒子として剥離する
ことがある。この場合、当該平板状のスパッタリング粒子が、結晶状態を維持したまま基
板に到達することで、CAAC-OS膜を成膜することができる。
【0150】
また、CAAC-OS膜を成膜するために、以下の条件を適用することが好ましい。
【0151】
成膜時の不純物混入を低減することで、不純物によって結晶状態が崩れることを抑制でき
る。例えば、成膜室内に存在する不純物濃度(水素、水、二酸化炭素および窒素など)を
低減すればよい。また、成膜ガス中の不純物濃度を低減すればよい。具体的には、露点が
-80℃以下、好ましくは-100℃以下である成膜ガスを用いる。
【0152】
また、成膜時の基板加熱温度を高めることで、基板到達後にスパッタリング粒子のマイグ
レーションが起こる。具体的には、基板加熱温度を100℃以上740℃以下、好ましく
は200℃以上500℃以下として成膜する。成膜時の基板加熱温度を高めることで、平
板状のスパッタリング粒子が基板に到達した場合、基板上でマイグレーションが起こり、
スパッタリング粒子の平らな面が基板に付着する。
【0153】
また、成膜ガス中の酸素割合を高め、電力を最適化することで成膜時のプラズマダメージ
を軽減すると好ましい。成膜ガス中の酸素割合は、30体積%以上、好ましくは100体
積%とする。
【0154】
スパッタリング用ターゲットの一例として、In-Ga-Zn系酸化物ターゲットについ
て以下に示す。
【0155】
InOX粉末、GaOY粉末およびZnOZ粉末を所定のmol数比で混合し、加圧処理
後、1000℃以上1500℃以下の温度で加熱処理をすることで多結晶であるIn-G
a-Zn系酸化物ターゲットとする。なお、X、YおよびZは任意の正数である。ここで
、所定のmol数比は、例えば、InOX粉末、GaOY粉末およびZnOZ粉末が、2
:2:1、8:4:3、3:1:1、1:1:1、4:2:3または3:1:2である。
なお、粉末の種類、およびその混合するmol数比は、作製するスパッタリング用ターゲ
ットによって適宜変更すればよい。
【0156】
また、半導体膜206及び半導体膜213は、金属の原子数比が互いに異なる金属酸化物
のターゲットを用いて形成された複数の酸化物半導体膜が、積層された構造を有していて
も良い。例えば、ターゲットの原子数比は、1層目の酸化物半導体膜がIn:Ga:Zn
=1:1:1、2層目の酸化物半導体膜がIn:Ga:Zn=3:1:2となるように、
形成しても良い。また、ターゲットの原子数比は、1層目の酸化物半導体膜がIn:Ga
:Zn=1:3:2、2層目の酸化物半導体膜がIn:Ga:Zn=3:1:2、3層目
の酸化物半導体膜がIn:Ga:Zn=1:1:1となるように、形成しても良い。
【0157】
或いは、半導体膜206及び半導体膜213は、異なる金属を含む金属酸化物のターゲッ
トを用いて形成された複数の酸化物半導体膜が、積層された構造を有していても良い。
【0158】
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することがで
きる。
【0159】
(実施の形態6)
液晶表示装置を例に挙げて、本発明の一態様に係る半導体装置の外観について、
図14を
用いて説明する。
図14(A)は、基板4001と基板4006とを封止材4005によ
って接着させた液晶表示装置の上面図である。また、
図14(B)は、
図14(A)の破
線A1-A2における断面図に相当し、
図14(C)は、
図14(A)の破線B1-B2
における断面図に相当する。なお、
図14では、FFS(Fringe Field S
witching)モードの液晶表示装置を例示している。
【0160】
基板4001上に設けられた画素部4002と、一対の走査線駆動回路4004とを囲む
ように、封止材4005が設けられている。また、画素部4002、走査線駆動回路40
04の上に基板4006が設けられている。よって、画素部4002と、走査線駆動回路
4004とは、基板4001と封止材4005と基板4006とによって封止されている
。また、基板4001上の封止材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、
信号線駆動回路4003が実装されている。
【0161】
なお、走査線駆動回路4004に本発明の一態様に係る順序回路を適用することができる
。これにより、トランジスタのW/Lを小さくすることができるため、額縁を小さくでき
る。
【0162】
基板4001上に設けられた画素部4002、走査線駆動回路4004は、トランジスタ
を複数有している。
図14(B)では、画素部4002に含まれるトランジスタ4010
と、走査線駆動回路4004に含まれるトランジスタ4022とを例示している。また、
図14(C)では、画素部4002に含まれるトランジスタ4010を例示している。
【0163】
画素部4002及び走査線駆動回路4004において、トランジスタ4010及びトラン
ジスタ4022上には、樹脂を用いた絶縁膜4020が設けられている。そして、絶縁膜
4020上には、液晶素子4023の第1電極4021と、導電膜4024とが設けられ
ている。導電膜4024は、絶縁膜4020に蓄積された電荷の放電経路として機能させ
ることができる。或いは、導電膜4024及び絶縁膜4020をトランジスタ4022の
構成要素とし、導電膜4024をバックゲートとして機能させることもできる。
【0164】
絶縁膜4020、第1電極4021、及び導電膜4024上には、絶縁膜4025が設け
られている。絶縁膜4025は、水、水素などのブロッキング効果が高いことが望ましい
。絶縁膜4025として、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などを用いることができ
る。
【0165】
図14(B)及び
図14(C)に示すように、本発明の一態様では、絶縁膜4020は、
パネルの端部において除去されている。そして、絶縁膜4020上の絶縁膜4025は、
封止材4005と基板4001の間において、トランジスタ4010及びトランジスタ4
022のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜4026と接している。
【0166】
絶縁膜4025及び絶縁膜4026の、水、水素などのブロッキング効果が高い場合、パ
ネルの端部において絶縁膜4025と絶縁膜4026とが接することで、パネルの外部か
ら、または封止材4005から、水、水素などがトランジスタ4010及びトランジスタ
4022がそれぞれ有する半導体膜に侵入するのを、防ぐことができる。
【0167】
絶縁膜4025上には、液晶素子4023の第2電極4027が設けられている。そして
、第2電極4027及び絶縁膜4025と、基板4006との間には、液晶層4028が
設けられている。液晶素子4023は、第1電極4021、第2電極4027、及び液晶
層4028を有する。
【0168】
液晶素子4023では、第1電極4021と第2電極4027の間に与えられる電圧の値
に従って、液晶層4028に含まれる液晶分子の配向が変化し、透過率が変化する。よっ
て、液晶素子4023は、第1電極4021に与えられる画像信号の電位によって、その
透過率が制御されることで、階調を表示することができる。
【0169】
なお、本発明の一態様では、液晶表示装置の液晶層に、例えば、サーモトロピック液晶ま
たはリオトロピック液晶に分類される液晶材料を用いることができる。或いは、液晶層に
は、例えば、ネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、または、ディス
コチック液晶に分類される液晶材料を用いることができる。或いは、液晶層には、例えば
、強誘電性液晶、または反強誘電性液晶に分類される液晶材料を用いることができる。或
いは、液晶層には、例えば、主鎖型高分子液晶、側鎖型高分子液晶、或いは、複合型高分
子液晶などの高分子液晶、または低分子液晶に分類される液晶材料を用いることができる
。或いは、液晶層には、例えば、高分子分散型液晶(PDLC)に分類される液晶材料を
用いることができる。
【0170】
なお、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を液晶層に用いてもよい。ブルー相は液晶相
の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転
移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、カイラ
ル剤や紫外線硬化樹脂を添加して温度範囲を改善する。ブルー相を示す液晶とカイラル剤
とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため配向
処理が不要であり、視野角依存性が小さいため好ましい。
【0171】
なお、本発明の一態様では、液晶表示装置において、カラーフィルタを用いることでカラ
ーの画像を表示しても良いし、異なる色相の光を発する複数の光源を順次点灯させること
で、カラーの画像を表示しても良い。
【0172】
なお、信号線駆動回路4003からの画像信号や、FPC4018からの各種制御信号及
び電源電位は、引き回し配線4030及び4031を介して、走査線駆動回路4004ま
たは画素部4002に与えられる。
【0173】
なお、本実施の形態では、液晶の駆動方法としてFFS(Fringe Field S
witching)モードを用いる場合を例示したが、液晶の駆動方法としては、TN(
Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Ne
matic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、MVA(
Multi-domain Vertical Alignment)モード、IPS(
In-Plane Switching)モード、OCB(Optically Com
pensated Birefringence)モード、ブルー相モード、TBA(T
ransverse Bend Alignment)モード、VA-IPSモード、E
CB(Electrically Controlled Birefringence
)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モー
ド、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)
モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crysta
l)モード、PNLC(Polymer Network Liquid Crysta
l)モード、ゲストホストモード、ASV(Advanced Super View)
モードなどを適用することも可能である。
【0174】
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することがで
きる。
【0175】
(実施の形態7)
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備
えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc
等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いること
ができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器と
して、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジ
タルスチルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲー
ションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、
複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(AT
M)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を
図15に示す。
【0176】
図15(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体5001、筐体5002、表示部5003、
表示部5004、マイクロホン5005、スピーカー5006、操作キー5007、スタ
イラス5008等を有する。表示部5003または表示部5004に、或いはその他の回
路に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる。なお、
図15(A)に示
した携帯型ゲーム機は、2つの表示部5003と表示部5004とを有しているが、携帯
型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
【0177】
図15(B)は表示機器であり、筐体5201、表示部5202、支持台5203等を有
する。表示部5202に、或いはその他の回路に、本発明の一態様に係る半導体装置を用
いることができる。なお、表示機器には、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信用、
広告表示用などの全ての情報表示用表示機器が含まれる。
【0178】
図15(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体5401、表示部5402
、キーボード5403、ポインティングデバイス5404等を有する。表示部5402に
、或いはその他の回路に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる。
【0179】
図15(D)は携帯情報端末であり、第1筐体5601、第2筐体5602、第1表示部
5603、第2表示部5604、接続部5605、操作キー5606等を有する。第1表
示部5603は第1筐体5601に設けられており、第2表示部5604は第2筐体56
02に設けられている。そして、第1筐体5601と第2筐体5602とは、接続部56
05により接続されており、第1筐体5601と第2筐体5602の間の角度は、接続部
5605により可動となっている。第1表示部5603における映像の切り替えを、接続
部5605における第1筐体5601と第2筐体5602との間の角度に従って、切り替
える構成としても良い。第1表示部5603または第2表示部5604に、或いはその他
の回路に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる。なお、第1表示部5
603及び第2表示部5604の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加さ
れた半導体装置を用いるようにしても良い。なお、位置入力装置としての機能は、半導体
装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。或いは、位置入力装置として
の機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を半導体装置の画素部に設けることで
も、付加することができる。
【0180】
図15(E)はビデオカメラであり、第1筐体5801、第2筐体5802、表示部58
03、操作キー5804、レンズ5805、接続部5806等を有する。操作キー580
4及びレンズ5805は第1筐体5801に設けられており、表示部5803は第2筐体
5802に設けられている。そして、第1筐体5801と第2筐体5802とは、接続部
5806により接続されており、第1筐体5801と第2筐体5802の間の角度は、接
続部5806により可動となっている。表示部5803における映像の切り替えを、接続
部5806における第1筐体5801と第2筐体5802との間の角度に従って行う構成
としても良い。表示部5803に、或いはその他の回路に、本発明の一態様に係る半導体
装置を用いることできる。
【0181】
ここで、本発明の一態様は、以下に示す半導体装置をその範疇に含む。
【0182】
本発明の一態様は、トランジスタM2a、トランジスタM2b、スイッチS3a、スイッ
チS3b、スイッチS4a及びスイッチS4bを有する半導体装置である。トランジスタ
M2aは、第1の端子が配線13と接続され、第2の端子が配線12と接続される。トラ
ンジスタM2bは、第1の端子が配線13と接続され、第2の端子が配線12と接続され
る。スイッチS3aは、第2の端子がトランジスタM2aのゲートと接続される。スイッ
チS3bは、第1の端子がスイッチS3aの第1の端子と接続され、第2の端子がトラン
ジスタM2bのゲートと接続される。スイッチS4aは、第1の端子が配線14と接続さ
れ、第2の端子がトランジスタM2aのゲートと接続される。スイッチS4bは、第1の
端子が配線14と接続され、第2の端子がトランジスタM2bのゲートと接続される(図
16(A)参照)。
【0183】
なお、上記半導体装置は、スイッチS3a及びスイッチS4bがオンであり、スイッチS
3b及びスイッチS4aがオフである期間Taと、スイッチS3a及びスイッチS4bが
オフであり、スイッチS3b及びスイッチS4aがオンである期間Tbと、を有していて
もよい。また、スイッチS3a、スイッチS3b、スイッチS4a及びスイッチS4bが
オフである期間を有していてもよい。
【0184】
なお、上記半導体装置において、期間Taは、スイッチS3aの第1の端子の電位がトラ
ンジスタM2aがオンになる値であり、配線14の電位がトランジスタM2bがオンにな
る値である期間T3aと、スイッチS3aの第1の端子の電位がトランジスタM2aがオ
ンになる値であり、配線14の電位がトランジスタM2bがオフになる値である期間T4
aと、を有していてもよい。また、期間Tbは、スイッチS3bの第1の端子の電位がト
ランジスタM2bがオンになる値であり、配線14の電位がトランジスタM2aがオンに
なる値である期間T3bと、スイッチS3bの第1の端子の電位がトランジスタM2bが
オンになる値であり、配線14の電位がトランジスタM2aがオフになる値である期間T
4bと、を有していてもよい。
【0185】
なお、上記半導体装置は、トランジスタM8、及びトランジスタM9を有していてもよい
。トランジスタM8は、第1の端子が配線18と接続され、第2の端子がスイッチS3a
の第1の端子と接続され、ゲートが配線18と接続される。トランジスタM9は、第1の
端子が配線13と接続され、第2の端子がスイッチS3aの第1の端子と接続される(図
16(B)参照)。
【0186】
また、本発明の一態様は、トランジスタM1、トランジスタM2a及びトランジスタM2
bを有する半導体装置である。トランジスタM1は、第1の端子が配線11と接続され、
第2の端子が配線12と接続される。トランジスタM2aは、第1の端子が配線13と接
続され、第2の端子が配線12と接続される。トランジスタM2bは、第1の端子が配線
13と接続され、第2の端子が配線12と接続される(
図16(C)参照)。そして、上
記半導体装置は、トランジスタM1がオンであり、トランジスタM2a及びトランジスタ
M2bがオフである期間(期間T1a、期間T2a、期間T1b又は期間T2b)と、ト
ランジスタM1がオフであり、トランジスタM2a及びトランジスタM2bがオンである
期間(例えば期間T3a又は期間T3b)と、トランジスタM1及びトランジスタM2b
がオフであり、トランジスタM2aがオンである期間(例えば期間T4a)と、トランジ
スタM1及びトランジスタM2aがオフであり、トランジスタM2bがオンである期間(
例えば期間T4b)と、を有する。
【0187】
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することがで
きる。
【符号の説明】
【0188】
C1 クロック信号
C 容量素子
CK1 信号
CK2 信号
G 走査線
G1 走査線
Gy 走査線
M1 トランジスタ
M2a トランジスタ
M2b トランジスタ
M3a トランジスタ
M3b トランジスタ
M4a トランジスタ
M4b トランジスタ
M5 トランジスタ
M6 トランジスタ
M7a トランジスタ
M7b トランジスタ
M8 トランジスタ
M9 トランジスタ
M10 トランジスタ
M11 トランジスタ
M12 トランジスタ
M13 トランジスタ
M14 トランジスタ
M15 トランジスタ
M16 トランジスタ
M17 トランジスタ
M18 トランジスタ
N1 ノード
N2a ノード
N2b ノード
N3 ノード
S 信号線
Sx 信号線
S1 信号線
S3a スイッチ
S3b スイッチ
S4a スイッチ
S4b スイッチ
SCK1 信号
SCK2 信号
Ta 期間
Tb 期間
T1a 期間
T1b 期間
T2a 期間
T2b 期間
T3a 期間
T3b 期間
T4a 期間
T4b 期間
T13 トランジスタ
T14 トランジスタ
T15 トランジスタ
V1 電位
V2 電位
Vg1 スキャン信号
VN1 電位
VN2a 電位
VN2b 電位
SP 信号
RE 信号
OUT 信号
SELa 信号
SELb 信号
SSP 信号
SOUT 信号
10 回路
11 配線
12 配線
13 配線
14 配線
15 配線
16a 配線
16b 配線
17 配線
18 配線
20 回路
30 順序回路
60 パネル
61 画素部
62 画素
63 走査線駆動回路
64 信号線駆動回路
65 液晶素子
66 トランジスタ
67 容量素子
201 トランジスタ
202 トランジスタ
203 導電膜
204 導電膜
205 絶縁膜
206 半導体膜
207 導電膜
208 導電膜
209 絶縁膜
210 絶縁膜
211 絶縁膜
212 導電膜
213 半導体膜
214 導電膜
215 導電膜
217 絶縁膜
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 封止材
4006 基板
4010 トランジスタ
4018 FPC
4020 絶縁膜
4021 電極
4022 トランジスタ
4023 液晶素子
4024 導電膜
4025 絶縁膜
4026 絶縁膜
4027 電極
4028 液晶層
4030 配線
5001 筐体
5002 筐体
5003 表示部
5004 表示部
5005 マイクロホン
5006 スピーカー
5007 操作キー
5008 スタイラス
5201 筐体
5202 表示部
5203 支持台
5401 筐体
5402 表示部
5403 キーボード
5404 ポインティングデバイス
5601 筐体
5602 筐体
5603 表示部
5604 表示部
5605 接続部
5606 操作キー
5801 筐体
5802 筐体
5803 表示部
5804 操作キー
5805 レンズ
5806 接続部