(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182801
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】展開システムアクセスシース
(51)【国際特許分類】
A61M 25/01 20060101AFI20231219BHJP
A61M 25/09 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A61M25/01
A61M25/09
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023180123
(22)【出願日】2023-10-19
(62)【分割の表示】P 2021559922の分割
【原出願日】2020-04-10
(31)【優先権主張番号】62/832,235
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/845,068
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/845,256
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ アール.ブラック
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ ティー.アール
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン ピー.ダール
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン エル.フリードマン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】血管及び器官を横断するための拡張器及びカテーテルイントロデューサシステムを提供する。
【解決手段】本開示の様々な態様は、患者内の標的位置へのデバイスのデリバリーを容易にするための内腔を備えた長尺本体を含むアクセスシース400を含む装置、システム100及び方法を対象とする。長尺本体は、遠位開口部、及び、標的位置に対して遠位開口部を配向するように構成された複数の湾曲セグメントを有する遠位部分416を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者内の標的位置へのデバイスのデリバリーを容易にするための内腔を備えた長尺本体を含むアクセスシースを含む、デリバリーシステムであって、
前記長尺本体は、伸長方向に延在し、そして、
第一の平面内に延在する近位部分、及び、
遠位開口部と、前記遠位開口部を前記標的位置に対して配向するように構成された複数の湾曲セグメントとを有する遠位部分を含み、
前記遠位部分は、
前記長尺本体の伸長方向で近位公称角度オフセットを画定するように前記第一の平面内に延在している近位湾曲セグメント、及び、
前記長尺本体の伸長方向で遠位公称角度オフセットを画定するように第二の平面内に延在している遠位湾曲セグメントを含み、前記第一の平面と前記第二の平面とは、互いに角度的にオフセットされている、デリバリーシステム。
【請求項2】
前記近位公称角度オフセットは約65度~75度であり、前記遠位公称角度オフセットは約25度~35度である、請求項1記載のデリバリーシステム。
【請求項3】
前記近位公称角度オフセットは約70度であり、前記遠位公称角度オフセットは約30度である、請求項2記載のデリバリーシステム。
【請求項4】
前記近位湾曲セグメント及び前記遠位湾曲セグメントは異なる平面内にあり、約80~110度だけオフセットされている、請求項1~3のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項5】
前記近位湾曲セグメントはx-z平面内にあり、前記遠位湾曲セグメントはy-z平面内にある、請求項1~4のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項6】
前記長尺本体の内腔を通過するように構成されたカテーテルをさらに含み、前記長尺本体は、前記カテーテルが前記長尺本体の遠位部分内にあるときに、近位公称角度オフセット及び遠位公称角度オフセットを維持するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項7】
前記カテーテルは、インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリーを容易にする、請求項6記載のデリバリーシステム。
【請求項8】
前記インプラント可能なメディカルデバイスは、左心耳閉塞器、閉塞器、ステント、ステントグラフト、シャント、センサ、圧力検出デバイス及び診断デバイスからなる群より選ばれる、請求項7記載のデリバリーシステム。
【請求項9】
前記インプラント可能なメディカルデバイスは左心耳閉塞器であり、前記近位湾曲セグメントは、心臓内で中隔を通して左心耳に向けて曲がるように前記長尺本体を導くように構成され、前記遠位湾曲セグメントは、前記カテーテルを左心耳の長手方向軸に整列させるように構成されている、請求項7記載のデリバリーシステム。
【請求項10】
前記カテーテルは、メディカルデバイスデリバリーカテーテル、アブレージョンカテーテル、ドラッグデリバリーカテーテル及び造影剤溶液デリバリーカテーテルからなる群より選ばれる、請求項6記載のデリバリーシステム。
【請求項11】
前記近位湾曲セグメントの方向を示すように構成された前記長尺本体の近位部分に結合された突起部をさらに含む、請求項1~10のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項12】
前記突起部は、前記長尺本体の近位部分に結合されたポートであり、前記ポートは前記近位湾曲セグメントと共通の方向の前記長尺本体に対する方向に延在している、請求項11記載のデリバリーシステム。
【請求項13】
前記近位湾曲セグメントを面内で作動させるように構成された近位ステアリング要素をさらに含む、請求項1~12のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項14】
前記近位ステアリング要素は、前記近位湾曲セグメントに結合されたステアリングワイヤであり、前記ステアリングワイヤに加えられた力に応答して前記近位湾曲セグメントを作動させるように構成されている、請求項13記載のデリバリーシステム。
【請求項15】
前記近位ステアリング要素は、前記近位湾曲セグメントの周りに配置され、前記近位湾曲セグメントの湾曲をもたらすように個別に作動するように構成された一連の関節構造を含む、請求項13記載のデリバリーシステム。
【請求項16】
前記遠位湾曲セグメントを回転させるように構成された遠位ステアリング要素をさらに含む、請求項1~15のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項17】
前記遠位ステアリング要素は、前記遠位湾曲セグメントに結合されたステアリングワイヤであり、前記ステアリングワイヤに加えられた力に応答して前記遠位湾曲セグメントを回転させるように構成されている、請求項16記載のデリバリーシステム。
【請求項18】
前記遠位湾曲セグメントを約360度の範囲で偏向させるように構成された遠位ステアリング要素をさらに含む、請求項1~15のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項19】
前記遠位ステアリング要素は、前記遠位湾曲セグメントに結合されたステアリングワイヤであり、前記ステアリングワイヤに加えられた力に応答して前記遠位湾曲セグメントを偏向させるように構成されている、請求項18記載のデリバリーシステム。
【請求項20】
前記遠位ステアリング要素は、前記遠位湾曲セグメントの周りに配置され、前記遠位湾曲セグメントの偏向をもたらすように個別に作動するように構成された一連の関節構造を含む、請求項18記載のデリバリーシステム。
【請求項21】
前記遠位ステアリング要素は、前記遠位湾曲セグメントの周りに配置され、前記遠位湾曲セグメントの回転をもたらすように個別に作動するように構成された一連の関節構造を含む、請求項13記載のデリバリーシステム。
【請求項22】
前記アクセスシースは、近位ステアリング要素及び遠位ステアリング要素を含む、請求項13~21のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項23】
インプラント可能なメディカルデバイスを患者内の標的位置にデリバリーする方法であって、
患者内にアクセスシースを配置することであって、前記アクセスシースは、内腔、第一の平面内に延在する近位部分、及び、遠位開口部及び複数の湾曲セグメントを有する遠位部分を有する長尺本体を含む、配置すること、及び、
前記長尺本体の伸長方向における近位公称角度オフセットを画定するように第一の平面内に延在する遠位部分の近位湾曲セグメント、及び、前記長尺本体の伸長方向における遠位公称角度オフセットを画定するように第二の平面内に延在する遠位部分の遠位湾曲セグメントを使用して、前記アクセスシースの遠位開口部を前記標的位置に対して配向させることであって、前記第一の平面及び前記第二の平面は互いに角度的にオフセットされている、配向させること、
を含む、方法。
【請求項24】
前記アクセスシースの内腔を通してデリバリーカテーテルを配置すること、及び、前記デリバリーカテーテル上に配置されたインプラント可能なメディカルデバイスを前記アクセスシースの遠位開口部を通して前記標的位置へデリバリーすることをさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記インプラント可能なメディカルデバイスは左心耳閉塞器であり、前記近位湾曲セグメントは心臓内で中隔を通して左心耳に向けて曲がるように前記長尺本体を導くように構成され、前記遠位湾曲セグメントは、前記カテーテルを左心耳の長手方向軸に整列させるように構成されている、請求項24記載の方法。
【請求項26】
患者内の標的位置へのデバイスのデリバリーを容易にするための内腔を備えた長尺本体を含むアクセスシースを含む、デリバリーシステムであって、
前記長尺本体は、伸長方向に延在し、
第一の平面内に延在する近位部分、及び、
遠位開口部と、前記遠位開口部を前記標的位置に対して配向するように構成された複数のセグメントとを有する遠位部分、
前記長尺本体の伸長方向で近位公称角度オフセットを画定するように第一の平面内で延在するように複数のセグメントのうちの近位のセグメントを偏向させるように構成された近位ステアリング要素、及び、
前記長尺本体の伸長方向で遠位公称角度オフセットを画定するように第二の平面内で複数のセグメントのうちの遠位のセグメントを偏向させるように構成された遠位ステアリング要素を含む、デリバリーシステム。
【請求項27】
前記近位公称角度オフセットは約65度~75度であり、前記遠位公称角度オフセットは約25度~35度である、請求項26記載のデリバリーシステム。
【請求項28】
前記近位公称角度オフセットは約70度であり、前記遠位公称角度オフセットは約30度である、請求項27記載のデリバリーシステム。
【請求項29】
前記複数のセグメントのうちの近位のセグメント及び複数のセグメントのうちの遠位のセグメントのうちの少なくとも1つは、偏向前の前記長尺本体の伸長方向と実質的に整列されている、請求項26記載のデリバリーシステム。
【請求項30】
前記複数のセグメントのうちの近位のセグメントは、偏向前の近位湾曲セグメントである、請求項26記載のデリバリーシステム。
【請求項31】
前記複数のセグメントのうちの遠位のセグメントは、偏向前の遠位湾曲セグメントである、請求項30記載のデリバリーシステム。
【請求項32】
前記近位ステアリング要素及び前記遠位ステアリング要素は、前記近位湾曲セグメント及び前記遠位湾曲セグメントを、およそ80~110度でオフセットされた異なる平面に偏向させるように構成されている、請求項31記載のデリバリーシステム。
【請求項33】
前記第一の平面及び前記第二の平面は互いに角度的にオフセットされている、請求項26~33のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年4月10日に出願された米国出願第16/845,256号の優先権を主張し、これは、2019年5月8日に出願された仮出願第62/845,068号の利益を主張し、また、2019年4月10日に出願された仮出願第62/832,235号の利益を主張する。これらの両方とも、すべての目的のためにその全体を参照により本明細書に取り込む。
【0002】
分野
本開示はデリバリーシース及び方法に関する。より具体的には、本開示は、血管及び器官を横断するための拡張器及びカテーテルイントロデューサシステムならびに方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
カテーテルイントロデューサシステムは、管腔内診断、治療及びメディカルデバイス及び構造のデリバリーのために、血管及び器官内にしばしば導入される。使用されるカテーテルイントロデューサシステムのタイプは、他の要因の中でもとりわけ、実行される医療処置、取られる体内の経路及び個々の患者の解剖学的構造に依存する。
【発明の概要】
【0004】
要旨
1つの例(「例1」)によれば、デリバリーシステムは、患者内の標的位置へのデバイスのデリバリーを容易にするための内腔を備えた長尺本体を含むアクセスシースを含み、前記長尺本体は伸長方向に延在し、そして第一の平面内に延在する近位部分、及び、遠位開口部と、前記遠位開口部を前記標的位置に対して配向するように構成された複数の湾曲セグメントとを有する遠位部分を含み、前記遠位部分は、前記長尺本体の伸長方向で近位公称角度オフセットを画定するように前記第一の平面内に延在している近位湾曲セグメント、及び、前記長尺本体の伸長方向で遠位公称角度オフセットを画定するように第二の平面内に延在している遠位湾曲セグメントを含み、前記第一の平面と前記第二の平面とは、互いに角度的にオフセットされている。
【0005】
別の例(「例2」)によれば、例1のシステムに加えて、前記近位公称角度オフセットは約65度~75度であり、前記遠位公称角度オフセットは約25度~35度である。
【0006】
別の例(「例3」)によれば、例2のシステムに加えて、前記近位公称角度オフセットは約70度であり、前記遠位公称角度オフセットは約30度である。
【0007】
別の例(「例4」)によれば、例1~3のいずれか1つのシステムに加えて、前記近位湾曲セグメント及び前記遠位湾曲セグメントは異なる平面内にあり、約80~110度だけオフセットされている。
【0008】
別の例(「例5」)によれば、例1~4のいずれか1つのシステムに加えて、前記近位湾曲セグメントはx-z平面内にあり、前記遠位湾曲セグメントはy-z平面内にある。
【0009】
別の例(「例6」)によれば、例1~5のいずれか1つのシステムに加えて、前記システムはまた、前記長尺本体の内腔を通過するように構成されたカテーテルを含み、前記長尺本体は、前記カテーテルが前記長尺本体の遠位部分内にあるときに、近位公称角度オフセット及び遠位公称角度オフセットを維持するように構成されている。
【0010】
別の例(「例7」)によれば、例6のシステムに加えて、前記カテーテルは、インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリーを容易にする。
【0011】
別の例(「例8」)によれば、例7のシステムに加えて、前記インプラント可能なメディカルデバイスは、左心耳閉塞器、閉塞器、ステント、ステントグラフト、シャント、センサ、圧力検出デバイス及び診断デバイスからなる群より選ばれる。
【0012】
別の例(「例9」)によれば、例7のシステムに加えて、前記インプラント可能なメディカルデバイスは左心耳閉塞器であり、前記近位湾曲セグメントは、心臓内で中隔を通して左心耳に向けて曲がるように前記長尺本体を導くように構成され、前記遠位湾曲セグメントは、前記カテーテルを左心耳の長手方向軸に整列させるように構成されている。
【0013】
別の例(「例10」)によれば、例6のシステムに加えて、前記カテーテルは、メディカルデバイスデリバリーカテーテル、アブレージョンカテーテル、ドラッグデリバリーカテーテル及び造影剤(contrast)溶液デリバリーカテーテルからなる群より選ばれる。
【0014】
別の例(「例11」)によれば、例1~10のいずれか1つのシステムに加えて、前記システムはまた、前記近位湾曲セグメントの方向を示すように構成された前記長尺本体の近位部分に結合された突起部を含む。
【0015】
別の例(「例12」)によれば、例11のシステムに加えて、前記突起部は、前記長尺本体の近位部分に結合されたポートであり、前記ポートは前記近位湾曲セグメントと共通の方向の前記長尺本体に対する方向に延在している。
【0016】
別の例(「例13」)によれば、例1~12のいずれか1つのシステムに加えて、前記システムはまた、前記近位湾曲セグメントを面内で作動させるように構成された近位ステアリング要素を含む。
【0017】
別の例(「例14」)によれば、例13のシステムに加えて、前記近位ステアリング要素は、前記近位湾曲セグメントに結合されたステアリングワイヤであり、前記ステアリングワイヤに加えられた力に応答して前記近位湾曲セグメントを作動させるように構成されている。
【0018】
別の例(「例15」)によれば、例13のシステムに加えて、前記近位ステアリング要素は、前記近位湾曲セグメントの周りに配置され、前記近位湾曲セグメントの湾曲をもたらすように個別に作動するように構成された一連の関節構造を含む。
【0019】
別の例(「例16」)によれば、例1~15のいずれか1つのシステムに加えて、前記システムはまた、前記遠位湾曲セグメントを回転させるように構成された遠位ステアリング要素を含む。
【0020】
別の例(「例17」)によれば、例16のシステムに加えて、前記遠位ステアリング要素は、前記遠位湾曲セグメントに結合されたステアリングワイヤであり、前記ステアリングワイヤに加えられた力に応答して前記遠位湾曲セグメントを回転させるように構成されている。
【0021】
別の例(「例18」)によれば、例1~15のいずれか1つのシステムに加えて、前記システムはまた、前記遠位湾曲セグメントを約360度の範囲で偏向させるように構成された遠位ステアリング要素を含む。
【0022】
別の例(「例19」)によれば、例18のシステムに加えて、前記遠位ステアリング要素は、前記遠位湾曲セグメントに結合されたステアリングワイヤであり、前記ステアリングワイヤに加えられた力に応答して前記遠位湾曲セグメントを偏向させるように構成されている。
【0023】
別の例(「例20」)によれば、例18のシステムに加えて、前記遠位ステアリング要素は、前記遠位湾曲セグメントの周りに配置され、前記遠位湾曲セグメントの偏向をもたらすように個別に作動するように構成された一連の関節構造を含む。
【0024】
別の例(「例21」)によれば、例13のシステムに加えて、前記遠位ステアリング要素は、前記遠位湾曲セグメントの周りに配置され、前記遠位湾曲セグメントの回転をもたらすように個別に作動するように構成された一連の関節構造を含む。
【0025】
別の例(「例22」)によれば、例13~21のいずれか1つのシステムに加えて、前記アクセスシースは、近位ステアリング要素及び遠位ステアリング要素を含む。
【0026】
1つの例(「例23」)によれば、インプラント可能なメディカルデバイスを患者内の標的位置にデリバリーする方法は、患者内にアクセスシースを配置すること、ここで、前記アクセスシースは、内腔、第一の平面内に延在する近位部分、及び、遠位開口部及び複数の湾曲セグメントを有する遠位部分を有する長尺本体を含む、及び、前記長尺本体の伸長方向における近位公称角度オフセットを画定するように第一の平面内に延在する遠位部分の近位湾曲セグメント、及び、前記長尺本体の伸長方向における遠位公称角度オフセットを画定するように第二の平面内に延在する遠位部分の遠位湾曲セグメントを使用して、前記アクセスシースの遠位開口部を前記標的位置に対して配向させること、ここで、前記第一の平面及び前記第二の平面は互いに角度的にオフセットされている、を含む。
【0027】
別の例(「例24」)によれば、例23の方法に加えて、前記方法はまた、前記アクセスシースの内腔を通してデリバリーカテーテルを配置すること、及び、前記デリバリーカテーテル上に配置されたインプラント可能なメディカルデバイスを前記アクセスシースの遠位開口部を通して前記標的位置へデリバリーすることを含む。
【0028】
別の例(「例25」)によれば、例24の方法に加えて、前記インプラント可能なメディカルデバイスは左心耳閉塞器であり、前記近位湾曲セグメントは心臓内で中隔を通して左心耳に向けて曲がるように前記長尺本体を導くように構成され、前記遠位湾曲セグメントは、前記カテーテルを左心耳の長手方向軸に整列させるように構成されている。
【0029】
1つの例(「例26」)によれば、デリバリーシステムは、患者内の標的位置へのデバイスのデリバリーを容易にするための内腔を備えた長尺本体を含む、アクセスシースを含み、ここで、前記長尺本体は、伸長方向に延在し、第一の平面内に延在する近位部分、及び、遠位開口部と、前記遠位開口部を前記標的位置に対して配向するように構成された複数のセグメントとを有する遠位部分、前記長尺本体の伸長方向で近位公称角度オフセットを画定するように第一の平面内で延在するように複数のセグメントのうちの近位のセグメントを偏向させるように構成された近位ステアリング要素、及び、前記長尺本体の伸長方向で遠位公称角度オフセットを画定するように第二の平面内で複数のセグメントのうちの遠位のセグメントを偏向させるように構成された遠位ステアリング要素を含む。
【0030】
別の例(「例27」)によれば、例26のシステムに加えて、前記近位公称角度オフセットは約65度~75度であり、前記遠位公称角度オフセットは約25度~35度である。
【0031】
別の例(「例28」)によれば、例27のシステムに加えて、前記近位公称角度オフセットは約70度であり、前記遠位公称角度オフセットは約30度である。
【0032】
別の例(「例29」)によれば、例26のシステムに加えて、前記複数のセグメントのうちの近位のセグメント及び複数のセグメントのうちの遠位のセグメントのうちの少なくとも1つは、偏向前の前記長尺本体の伸長方向と実質的に整列されている。
【0033】
別の例(「例30」)によれば、例26のシステムに加えて、前記複数のセグメントのうちの近位のセグメントは、偏向前の近位湾曲セグメントである。
【0034】
別の例(「例31」)によれば、例30のシステムに加えて、前記複数のセグメントのうちの遠位のセグメントは、偏向前の遠位湾曲セグメントである。
【0035】
別の例(「例32」)によれば、例31のシステムに加えて、前記近位ステアリング要素及び前記遠位ステアリング要素は、前記近位湾曲セグメント及び前記遠位湾曲セグメントを、およそ80~110度でオフセットされた異なる平面に偏向させるように構成されている。
【0036】
別の例(「例33」)によれば、例26~33のいずれか1つのシステムに加えて、前記第一の平面及び前記第二の平面は互いに角度的にオフセットされている。
【0037】
前述の例はまさに実施例であり、本開示によって他の方法で提供される本発明の概念のいずれの範囲をも制限又はさもなければ狭めるように読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示して記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図面の簡単な説明
添付の図面は、開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに、開示の原理を説明するのに役立つ。
【0039】
【
図1】
図1は、本開示の様々な態様による、血管にアクセスするための例示的なデリバリーシステムの側面図である。
【0040】
【
図2】
図2は、本開示の様々な態様による、デリバリーシステムとともに使用することができる例示的なアクセスシースの遠位端部分の斜視図である。
【0041】
【
図3】
図3は、本開示の様々な態様による、
図2に示されるアクセスシースの遠位端部分の第一の平面における図である。
【0042】
【
図4】
図4は、本開示の様々な態様による、
図2~3に示されるアクセスシースの遠位端部分の第二の平面における図である。
【0043】
【
図5】
図5は、本開示の様々な態様による、
図2~4に示されるアクセスシースの遠位端部分の第三の平面における図である。
【0044】
【
図6】
図6は、本開示の様々な態様による、
図2~5に示されるアクセスシースの遠位端部分の別の斜視図である。
【0045】
【
図7】
図7は、本開示の様々な態様による、
図2~6に示されるアクセスシースの側面図である。
【0046】
【
図8】
図8は、本開示の様々な態様による、例示的なアクセスシースを含むデリバリーシステムが心臓のLAAへの閉塞デバイスの展開のための準備として配置されている、ヒトの心臓の断面図である。
【0047】
【
図9】
図9は、本開示の様々な態様による、操縦可能であることができる例示的なアクセスシースの遠位端部分の斜視図である。及び、
【0048】
【
図10】
図10は、本開示の様々な態様による別の例示的なアクセスシースの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
詳細な説明
定義及び用語
本開示は、限定的な方法で読まれることが意図されない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の用語がそのような用語に帰する意味の関係で広く読まれるべきである。
【0050】
不正確さの用語に関して、「約」及び「ほぼ」という用語は、交換可能に、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い測定値を含む測定値を指すために使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、合理的に少量だけ記載された測定値から逸脱している。このような逸脱は、例えば、測定誤差又は性能を最適化するために行われる微小な調整に起因することができる。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断される場合に、「約」及び「ほぼ」という用語は、記載された値の±10%を意味するように理解されうる。
【0051】
本明細書において、便宜上、特定の用語を使用している。例えば、「上部(top)」、「下部(bottom)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「左(left)」、「右(right)」、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」、「上向き(upward)」、「下向き(downward)」などの用語は、単に、図中に示される構成又は取り付け位置での部品の向きを記載する。実際、参照される構成要素は、任意の方向に配向されることができる。同様に、プロセス又は方法が示され又は記載される本開示全体を通して、方法が最初に実行される特定の動作に依存することが文脈から明らかでない限り、方法は任意の順序で又は同時に実行されうる。
【0052】
座標系は図に示され、記載において参照され、ここで、「Y」軸は垂直方向に対応し、「X」軸は水平又は横断方向に対応し、「Z」軸は内部/外部方向に対応する。
【0053】
様々な実施形態の説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現されうることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を例示するために誇張されていることがあり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0054】
図1は、患者内の標的位置にアクセスするための例示的なデリバリーシステム100を示している。デリバリーシステム100は、アクセスシース400内に配置された拡張器300を含むことができる。特定の例において、デリバリーシステム100はまた、アクセスシース400の患者内への導入を容易にするためにイントロデューサシース200を含むことができる。アクセスシース400は、イントロデューサシース200内に配置されうる。特定の例において、デリバリーシステム100はまた、患者内の標的位置にナビゲートするために使用されるガイドワイヤ600を含むことができる。
【0055】
イントロデューサシース200の管腔は、その中にアクセスシース400を摺動可能に受容し、アクセスシース400が管腔内で前進することを可能にするように動作可能な直径を有することができる。例えば、幾つかの実施形態において、イントロデューサシースの管腔は、実質的に1mm~実質的に10mm(例えば、実質的に4mm~実質的に8mm)の内直径を有することができる。特定の例において、イントロデューサシース200は、膨張可能な管腔弁と、イントロデューサシース200の近位端で又はその近位端に隣接してフラッシュポート付きハブとを含むことができるハブ210に結合することができる。ハブ210は、ルアーポートを介して作動可能な環状シールを有する管腔弁を含むことができる(例えば、ルアーポートを介した弁への生理食塩水又は空気などの流体の注入は、環状シールを拡張して、イントロデューサ200の管腔全体又はその一部を閉じ、流体の引込はイントロデューサの内腔200を開く)。
【0056】
特定の例において、拡張器300は、血管、空洞、管又は開口部などの身体部分を拡大又は伸長させるために使用されうる長尺管状部材であることができる。拡張器300は、シースを血管内に導入し、血管を通して案内するために使用することができる。特定の例において、拡張器300は、アクセスシース400よりも比較的剛性が低くてもよい。さらに、拡張器管腔は、実質的に0.038インチ~実質的に0.05インチの直径(例えば、0.035インチのガイドワイヤを受け入れるのに十分な大きさの直径)を有することができ、又は、拡張器300は管腔を含まなくてもよい。
【0057】
特定の例において、拡張器300の遠位端312は、拡張器遠位先端320を含むことができる。拡張器遠位先端320は、拡張器300の遠位端312の一体要素であっても、又は、拡張器300の遠位端312に結合された要素であってもよい。拡張器300の遠位端312はテーパー化されうるが、殆どの実施形態において、血管がステップ及びエッジに露出されないように、テーパーは拡張器遠位先端320の外直径上に提供される。
【0058】
特定の例において、拡張器300はまた、拡張器300の近位端に結合又は隣接するハブ310を含むことができる。ハブ310は、拡張器300をアクセスシース400に結合するように構成され(例えば、ハブ310及びアクセスシース400のキー付き機能を介して)、それにより、拡張器300とアクセスシース400との分離に抵抗し、及び/又は拡張器300とアクセスシース400との間の相対回転に抵抗することができる。
【0059】
示されるように、アクセスシース400は、拡張器300がアクセスシース400を通して挿入及び除去されることを依然として可能にしながら、アクセスシース400の近位端からの流れを制限するように構成された管腔シールを有するハブ410を含む。特定の例において、ハブ410の管腔シールは、拡張器300を挿入することができる1つ以上の中央スリットを有するアクセスシース400の管腔を横切って配置されたエラストマー性シートであることができる。特定の実施形態において、ハブ410は、例えば、アクセスシース管腔にフラッシュするために、アクセスシース400の管腔から液体を注入又は引き出すことができるルアーポートを含む。
【0060】
特定の例において、アクセスシース400の遠位端416は、1つ以上の湾曲又は方向の変化を含むことができる。アクセスシース400の遠位端416は、患者内の標的位置の治療を容易にするために(共通の平面内又は異なる平面内に)湾曲を含むことができる。アクセスシースは、診断デバイス、治療デバイス又はインプラント可能なメディカルデバイスのデリバリーカテーテル(一般にデバイス)を標的位置に送り又はデリバリーするために使用することができる。これらのデバイスは、例えば、アクセスシース400を介して配置されて、患者内の標的位置へのデバイスのデリバリーを容易にすることができる。アクセスシース400の遠位端416は、デバイスの位置合わせ又はデリバリーを容易にするために、1つ以上の湾曲を含むことができる。
【0061】
アクセスシース400は、例えば、患者の左心耳を閉塞するための左心耳閉塞器(LAAO)デバイスのデリバリーを容易にすることができる。これらの例において、LAAOデバイスは、患者の左心耳に送るために、デリバリーカテーテル上でデリバリー直径に崩潰されうる。デリバリーカテーテルは、ガイドワイヤ600を介して左心耳に隣接して配置されたアクセスシース400を通して配置される。以下でさらに詳細に説明されるように、アクセスシース400の遠位端416の1つ以上の湾曲は、左心耳に対してデリバリーカテーテルを位置合わせして、所望の展開を容易にすることができる。特定の例において、アクセスシース400は、カテーテル又はデバイスがアクセスシース400の管腔を通過するときに1つ以上の湾曲を維持するように構成されている。
【0062】
アクセスシース400は、治療又は診断のために使用されるデバイスに応じて、成形又は湾曲されうる。アクセスシース400は、閉塞器、ステント、ステントグラフト、シャントなどの他のインプラント可能なメディカルデバイスに使用することができ、アブレーションカテーテル、センサ、圧力/診断デバイス、ドラッグデリバリーシステム、造影剤溶液デリバリー又は他の同様のデバイスにも使用することができる。別の例として、アブレーションに使用されるときに、アクセスシース400は、アブレーションカテーテルを切除される心臓の部分と位置合わせするために1つ以上の湾曲を含むことができる。別の例として、心房中隔欠損症(ASD)の閉塞器のデリバリーのために使用されるときに、アクセスシース400は、アクセスシース400(及び心房中隔欠損症のための閉塞器を輸送するデリバリーカテーテル)を心房中隔欠損症と位置合わせするための1つ以上の湾曲を含むことができる。
【0063】
特定の例において、デリバリーシステム100は、それぞれが異なる湾曲断面を画定する複数のアクセスシース(例えば、400)を含むことができる。例えば、特定の処置(例えば、LAAOの閉塞又はASDの修復)のための本アクセスシースのシステム又はキットは、全体的な構成が類似しているが、患者の群内のサイズの変動(例えば、子供、青年期男性、成人女性など)に適したサイズのそれぞれの湾曲部分を有する複数のアクセスシースを含むことができる。そのようなキットに含まれるアクセスシースの数及びタイプは、意図される処置に依存しうる(例えば、処置が行われる患者の循環器系における特定の位置、及び/又は、そのような特定の位置に到着するために体内でとられる経路による)。
【0064】
幾つかの実施形態において、アクセスシース400は、例えば、アクセスシース400に結合されるか又は1つ以上のドーピング材料(例えば、硫酸バリウム)を構造に統合することによる要素などの1つ以上の放射線不透過性マーカーを含むことができ、それにより、例えば、X線技術による画像化を支援することができる。放射線不透過性要素は、アクセスシース400の遠位端416における湾曲の1つの始点又は終点に配置されて、1つ以上の湾曲位置を手術中の医師に示すことができる。
【0065】
アクセスシース400について本明細書に記載される特性(例えば、デフォルトの形状、剛性など)を達成するために、様々な材料を使用することができる。例えば、幾つかの実施形態において、アクセスシース本体部分404としては、ナイロン又はPEBAX(商標)mポリエーテルブロックアミドコポリマー(Arkema, Inc., King of Prussia、PA)などの熱可塑性材料(例えば、押出形態)、及び/又はステンレス鋼又はニッケルチタン合金(ニチノール)などの金属材料(例えば、コイル状又は編組ワイヤ形態又は管状形態)を挙げることができる。
【0066】
図2は、本開示の様々な態様による、デリバリーシステムとともに使用することができる例示的なアクセスシース400の遠位部分416の斜視図である。
図2に示されるように、アクセスシース400は、患者内の標的位置へのデバイスのデリバリーを容易にするために内腔214を備えた長尺本体202を含む。アクセスシース400は、患者の外側で少なくとも部分的にアクセス可能な近位部分212を含むことができる。近位部分212は、第一の平面であることができる伸長方向に延在する(
図4でさらに詳細に論じられるとおり)。
【0067】
遠位部分416は、遠位開口部216を有し、上記のように、遠位部分416は、標的位置に対して遠位開口部216を配向させるように構成された複数の湾曲セグメントを含むことができる。特定の例において、遠位部分418は、近位公称角度オフセットを画定する近位湾曲セグメント204と、長尺本体202の遠位部分416の伸長方向で遠位公称角度オフセットを画定する、第二の平面内に延在している遠位湾曲セグメント206とを含む。
【0068】
特定の例において、近位湾曲セグメント204及び遠位湾曲セグメント206は、異なる方向に湾曲されうる。異なる湾曲の方向は、同じ平面内又は異なる平面内であることができるが、アクセスシース400の別の部分に対して共通の方向であることができる。例えば、
図2に示されるように、近位湾曲セグメント204及び遠位湾曲セグメント206は、一般に、近位部分212の伸長方向とは異なる方向に長尺本体202を向ける。
【0069】
図3は、本開示の様々な態様による、
図2に示されるアクセスシース400の遠位端416の第一の平面における図である。x-y平面から(z方向から)見たときに、アクセスシース400の遠位端416は、長尺本体202の近位部分212に対して方向を変えることができる。示されるように、近位湾曲セグメント204及び遠位湾曲セグメント206の各々は、x-y平面から(z方向から)見たときに、長尺本体202を共通の方向に湾曲させる。他の例において、近位湾曲セグメント204及び遠位湾曲セグメント206は、x-y平面から(z方向から)見たときに、長尺本体202を異なる方向に湾曲させる。
【0070】
特定の例において、アクセスシース400の遠位端416は、x-y平面から(z方向から)見たときに、長尺本体202の近位部分212に対して複数の湾曲を含むことができる。特定の例において、アクセスシース400の遠位端416は、x-y平面から(z方向から)見たときに、長尺本体202の近位部分212に対して複数の湾曲内で複数回、方向を変えることができる。
【0071】
図4は、本開示の様々な態様による、
図2~3に示されるアクセスシース400の遠位端416の第二の平面における図である。y-z平面から(x方向から)見たときに、アクセスシース400の遠位端416は、長尺本体202の近位部分212に対して方向を変えることができる。示されるように、近位湾曲セグメント204及び遠位湾曲セグメント206の各々は、y-z平面から(x方向から)見たときに、長尺本体202を共通の方向に湾曲させる。近位湾曲セグメント204は、近位端212に対する長尺本体の湾曲を開始し、遠位湾曲セグメント206は湾曲を継続する。特定の例において、そして示されるように、近位湾曲セグメント204及び遠位湾曲セグメント206は、y-z平面内で方向を変更し又は湾曲している。例えば、そして示されるように、遠位湾曲セグメント206は、近位湾曲セグメント204に対して、y-z平面内で上向きに長尺本体を湾曲させる。
【0072】
特定の例において、アクセスシース400の遠位端416は、y-z平面から(x方向から)見たときに、長尺本体202の近位部分212に対して追加の湾曲を含むことができる。特定の例において、アクセスシース400の遠位端416は、y-z平面から(x方向から)見たときに、長尺本体202の近位部分212に対して複数の湾曲内で複数回、方向を変えることができる。
【0073】
図5は、本開示の様々な態様による、
図2~4に示されるアクセスシース400の遠位端416の第三の平面における図である。x-z平面から(y方向から)見たときに、アクセスシース400の遠位端416は、長尺本体202の近位部分212に対して方向を変えることができる。示されるように、近位湾曲セグメント204は、x-z平面において(y方向から)、長尺本体202の近位部分212に対して比較的に湾曲していない。遠位湾曲セグメント206は、比較的にx-z平面において(y方向から)、近位湾曲セグメント204に対して異なる方向に湾曲することができる。
【0074】
特定の例において、アクセスシース400の遠位端416は、x-z平面から(y方向から)見たときに、長尺本体202の近位部分212に対して追加の湾曲を含むことができる。特定の例において、アクセスシース400の遠位端416は、x-z平面から(y方向から)見たときに、長尺本体202の近位部分212に対して複数の湾曲内で複数回、方向を変えることができる。
【0075】
図6は、本開示の様々な態様による、
図2~5に示されるアクセスシースの遠位端416の別の斜視図である。
図3~5を比較し、
図2及び6の斜視図に示されるように、長尺本体202の遠位部分416は、長尺本体202の伸長方向における近位公称角度オフセット遠位部分を画定するように第一の平面内に延在する近位湾曲セグメント204を含み、そして長尺本体202の伸長方向における遠位公称角度オフセットを画定するように第二の平面内に延在する遠位湾曲セグメント206を含むことができる。さらに、第一の平面及び第二の平面は互いに角度的にオフセットされうる。
【0076】
長尺本体202の遠位部分416は、アクセスシース400の診断又は治療の使用に応じて、追加の湾曲又は異なる湾曲を含むことができる。特定の例において、遠位部分416の湾曲は、治療位置に対するアクセスシース400の特定の位置合わせを容易にすることができる。例えば、そして示されるように、アクセスシース400は、LAAOデバイスの展開のために使用されうる。これらの例において、近位湾曲セグメント204は、アクセスシース400を当該技術分野の隔壁を通して案内し(そして隔壁内に存在し)、アクセスシース400を左心耳に向けて曲げるように構成されている。さらに、遠位湾曲セグメント206は、アクセスシース400を左心耳と位置合わせするように構成されている。特定の例において、遠位湾曲セグメント206は、アクセスシース400を左心耳の長手方向軸と位置合わせするように構成されている。アクセスシース400の位置合わせは、アクセスシース400を通して配置されたデリバリーカテーテルを指向させ、収縮したLAAOデバイスを左心耳に運ぶことによって、LAAOデバイスの展開を容易にする。
【0077】
図7は、本開示の様々な態様による、
図2~6に示されるアクセスシース400の側面図である。
図7に示されるように、アクセスシース400の遠位端416は、上記に詳細に論じられた2つの湾曲を含む。近位湾曲セグメント204は近位公称角度オフセット220を画定し、遠位湾曲セグメント206は、遠位公称角度オフセット222を画定する。
【0078】
特定の例において、近位公称角度オフセット220は約65度~75度であり、遠位公称角度オフセット222は約25度~35度である。他の例において、近位公称角度オフセット220は約70度であり、遠位公称角度オフセット22は約30度である。特定の例において、これらの湾曲は、
図2~6に関連して上記した平面内にある。例えば、近位湾曲セグメント204及び遠位湾曲セグメント206は異なる平面内にあり、約80~110度だけオフセットされている。
【0079】
図7に示されるように、近位湾曲セグメント204及び遠位湾曲セグメント206は、示される平面に対して共通の方向に湾曲される。アクセスシース400は、近位湾曲セグメント204の湾曲方向を示す突起部を含むことができる。特定の例において、ポート410は、長尺本体202の近位部分212に結合され、ポート410は、近位湾曲セグメント204と共通の方向である長尺本体202に対する方向に延在している。
【0080】
図8は、本開示の様々な態様による、心臓の心耳18へのインプラント可能なデバイス30の展開のための準備においてアクセスシース400が配置されている、ヒト心臓10の断面図である。この描写は、心臓10の右心房14、左心房16、右心室32及び左心室34を含む。示されるように、心耳18は、心臓10の左心房16内に位置し、したがって、心耳18は左心耳18と考えることができる。以下の議論は、インプラント可能なデバイス30の左心耳18への展開に焦点を当てているが、インプラント可能なデバイス30は、ヒトの心臓10内の他の付属器官もしくは開口部又は人体の他の位置に配置することができる。
【0081】
左心耳18は、心臓10の左心房16の前外側壁36から延在する筋肉嚢と考えることができ、これは、左心房16の貯蔵所として機能する。正常心臓周期において、左心耳18は、心臓10の収縮中に左心房16の残りの部分とともにリズミカルに収縮することができる。したがって、正常心臓周期中に、左心耳18は左心房16とともに収縮し、左心耳18内に集まり又は回収して、そこから循環することができる血液を送り出す。しかしながら、不整脈(例えば、心房細動)を特徴とする心臓周期の間に、左心耳18は、左心房16とともに十分に収縮し損なうことがあり、これにより、血液が左心耳18内で停滞する可能性がある。左心耳18内の停滞した血流は、凝固して血栓を形成しやすく、この血栓は、心耳18から外れ、最終的に塞栓性脳卒中を引き起こす可能性がある。本開示の様々な態様と一貫するインプラント可能なデバイス30は、左心耳18内の血液停滞を防止及び緩和するのを助けるために、左心耳18にデリバリーされうる。
【0082】
特定の例において、そして
図8に示されるように、インプラント可能なデバイス30は、低侵襲性経カテーテル処置によって左心耳18にデリバリーされうる。より具体的には、アクセスシース400は、大静脈12を通って、右心房14内に入り、心房中隔15を通って、そして左心房16内で心耳18に向かってナビゲートされうる。幾つかの実施形態において、患者の血管系への経皮的アクセスは、例えば、患者の大腿静脈であってよい。この例示的な技術は単なる一例であり、本明細書で提供される閉塞デバイスを展開するために他の多くのアクセス技術も実行できることを理解されたい。展開プロセスのこの時点で、閉塞デバイスはアクセスシース400の管腔内に含まれ、崩潰された低プロファイルのデリバリー構成に構成されている。経カテーテルシステムが一般的に示され、記載されているが、他のデリバリーシステム(例えば、胸腔鏡)も考えられる。
【0083】
示されるように、デリバリーカテーテル22は、インプラント可能なデバイス30に解放可能に結合されることができ、アクセスシース400の管腔内に摺動可能に配置される。デリバリーカテーテル22は、アクセスシース400からインプラント可能なデバイス30を展開させるように臨床医操作者によって使用されうる。例えば、左心耳18の口38を通してインプラント可能なデバイス30を配置した後に、臨床医操作者は、インプラント可能なデバイス30をシースから解除しそして展開する。
【0084】
上記でさらに詳細に論じられたように、アクセスシース400は、患者内の標的位置へのデバイス300のデリバリーを容易にする。アクセスシース400の遠位部分416は、遠位開口部216と、上記のように、標的位置(この場合は、左心耳18)に対して遠位開口部216を配向するように構成された湾曲セグメント204、206とを有する。特定の例において、示されているように、デバイス30は心耳閉塞器であり、近位湾曲セグメント204は、長尺本体202を心臓10の中隔15を通して案内し、左心耳18に向かって曲がるように構成されている。さらに、そして特定の例において、遠位湾曲セグメント206は、カテーテル22を左心耳18の長手方向軸と整列させるように構成されている。
【0085】
特定の例において、デリバリーカテーテル22は長尺本体202の内腔を通過するように構成されており、長尺本体202は、カテーテル22が長尺本体202の遠位部分の中にあるときに、近位湾曲セグメント204及び遠位湾曲セグメント206の湾曲(例えば、近位公称角度オフセット及び遠位公称角度オフセット)を維持するように構成されている。
【0086】
アクセスシース400は、治療又は診断に使用されるデバイスに応じて、成形又は湾曲されうる。アクセスシース400は、閉塞器、ステント、ステントグラフト、シャントなどの他のインプラント可能なメディカルデバイスのために使用することができ、アブレーションカテーテル、センサ、圧力/診断デバイス、ドラッグデリバリーシステム、造影剤溶液デリバリー又は他の同様のデバイスにも使用することができる。
【0087】
図9は、本開示の様々な態様による、操縦可能であることができる例示的なアクセスシース400の斜視図である。アクセスシース400は、長尺本体202の形状を変更するための1つ以上のステアリング特徴部を含むことができる。アクセスシース400は、示されるように、アクセスシース400の遠位開口部216を標的位置に対して配向するように構成された複数のセグメントを有する遠位部分416を含むことができる。特定の例において、1つ以上のセグメントは湾曲を含むことができる。湾曲の量及び数は、アクセスシース400の使用に依存しうる(例えば、上行大動脈、下行大動脈及び腹部大動脈を含む大動脈デバイスデリバリー又は診断、デバイス又は診断器の経中隔デリバリー、中隔閉塞器デリバリー、静脈アクセスを伴う中隔閉塞器デリバリー、僧帽弁修復、大動脈弁修復、左心耳閉塞、左心室又は心房の他のデバイスデリバリー、修復又は診断、及び他の同様の用途)。
【0088】
特定の例において、アクセスシース400は、遠位部分416の複数のセグメントのうちの近位のセグメントを作動させるように構成された近位ステアリング要素904を含むことができる。示されるように、アクセスシース400は近位湾曲セグメント204を含み、近位ステアリング要素は、アクセスシース400の近位湾曲セグメント204を作動させるように構成されている。特定の例において、近位ステアリング要素904は、面内908でアクセスシース204の近位湾曲セグメント204を作動させるように構成されている。近位ステアリング要素904は、近位湾曲セグメント204の湾曲の量又は半径を変更することができる。
【0089】
特定の例において、アクセスシース400は、遠位部分416の複数のセグメントのうちの遠位のセグメントを作動させるように構成された遠位ステアリング要素906を含むことができる。示されるように、アクセスシース400は遠位湾曲セグメント206を含む。特定の例において、遠位ステアリング要素906は、アクセスシース400の遠位湾曲セグメント206を作動させるように構成されている。
【0090】
特定の例において、遠位ステアリング要素906は、アクセスシース204の遠位湾曲セグメント206を作動させて、遠位湾曲セグメント206を回転させるように構成されている。遠位ステアリング要素906は、遠位湾曲セグメント206を360度角度形成の範囲内(例えば、円錐)で回転させて、例えば、長尺本体202の端部が向いている方向を変えることができる。
【0091】
特定の例において、遠位ステアリング要素906は、遠位湾曲セグメント206を約360度の範囲で偏向させるように構成されている。例えば、遠位ステアリング要素906は、遠位湾曲セグメント206を約360度の範囲の位置に偏向させるように構成されうる。
【0092】
近位ステアリング要素904及び遠位ステアリング要素906は、アクセスシース400に埋め込まれ、それぞれ、近位湾曲セグメント204及び遠位湾曲セグメント206に結合されうる。
【0093】
特定の例において、アクセスシース400は、湾曲を変更するためのステアリング機構を含まない(例えば、湾曲セグメント204、206は固定されている)。他の例において、アクセスシース400は、近位ステアリング要素904のみ、遠位ステアリング要素906のみ、又は、近位ステアリング要素904と遠位ステアリング要素906との両方を含むことができる。特定の例において、近位湾曲セグメント204及び/又は遠位湾曲セグメント206の初期湾曲は、近位ステアリング要素904及び遠位ステアリング要素906によって可能である操舵の開始点を容易にし、そして操舵の量を制限する。
【0094】
特定の例において、近位ステアリング要素904は、張力に応答して近位湾曲セグメント204の湾曲を変化させるワイヤ又は繊維である。近位ステアリング要素904は、医師と反対の方向又は医師に向かう方向に力を加えると、近位湾曲セグメント204の湾曲を変化するように、双方向性であることができる。
【0095】
特定の例において、遠位ステアリング要素906は、張力に応答して遠位湾曲セグメント206を回転させるワイヤ又は繊維である。遠位ステアリング要素906は、医師と反対の方向又は医師に向かう方向に力を加えると、遠位湾曲セグメント206の回転が変化するように、双方向性であることができる。
【0096】
これらの例において、近位ステアリング要素904は、医師と反対の方向又は医師に向かう方向に力を加えると、
図2~6を参照して上記で記載されるように、事前設定された湾曲の量に対して曲線が設定されている平面内で、近位湾曲セグメント204の事前設定された湾曲を約-180°~+180°、通常は-90°~+90°の範囲、場合によっては-60°~+60°、-45°~+45°、-30°~+30°又はそれ以下の範囲内で変化するように双方向であることができる。カテーテルの事前設定された湾曲部分を操作するプルワイヤのさらなる議論については、米国特許第7,666,204号明細書(「Thortonら」)及びWO2019/023477(「Prabhuら」)を参照することができる。
【0097】
特定の例において、ステアリング要素904、906は、湾曲セグメント204、206の湾曲又は回転を行うためにアクセスシース400の選択された部分に配置される関節構造(例えば、シリーズ又はバルーン又はブラダ)を含むことができる。関節構造(例えば、シリーズ又はバルーン又はブラダ)は、湾曲セグメント204、206の湾曲又は回転を行うように個別に作動させることができる。関節構造のさらなる議論については、米国特許第4,982,165号明細書(「Loiterman」)、米国特許公開第2016/0279388号明細書(「Barrishら」)及び/又はWO2018/200738(「Labyら」)を参照することができる。
【0098】
ステアリング要素904、906は、アクセスシース400の近位端又はその近くに配置されたハンドル914に結合されうる。ハンドル914は、ユーザの介入に応答してステアリング要素904、906を作動させることができるステアリング要素904、906に結合されたステアリング構造910、912を含むことができる。ステアリング構造910、912は、ノブ、ダイヤル、レバー又は他の同様の構造であることができる。
【0099】
特定の例において、ステアリング要素904、906は、アクセスシース400を特定のオフセット又は湾曲に操縦するように構成されうる。例えば、近位ステアリング要素904は、長尺本体202の伸長方向で近位公称角度オフセットを画定するように第一の平面内に延在するように、遠位部分416のセグメント(例えば、上記の複数のセグメントのうちの近位のセグメント)を偏向させることができる。さらに、遠位ステアリング要素906は、長尺本体202の伸長方向で遠位公称角度オフセットを画定するように、第二の平面内で遠位部分416のセグメント(例えば、上記の複数のセグメントのうちの遠位のセグメント)を偏向させるように構成されうる。
【0100】
遠位部分416は、遠位部分416のセグメントの湾曲を変更するように構成されたステアリング要素904、906で曲がりを開始することができる。ステアリング要素904、906はまた、遠位部分416のセグメントを所望の湾曲の範囲内で偏向させるように構成されうる。例えば、ステアリング要素904、906は、近位公称角度が約25度及び35度になるように遠位部分416を偏向させるように構成されうる。さらに、ステアリング要素904、906は、近位公称角度オフセットが約70度であり、遠位公称角度オフセットが約30度になるように遠位部分416を偏向させるように構成されうる。
【0101】
湾曲セグメント204、206は、ステアリング要素904、906が、近位湾曲セグメント204及び遠位湾曲セグメント206を約80~110度でオフセットされた異なる平面に偏向するように構成されるような湾曲で開始することができる(例えば、
図2~7に示すとおり)。特定の例において、湾曲セグメント204、206は、ステアリング要素904、906が提供するように構成されている0~5%、5~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、90~99%の範囲内又はそれらの間の任意の範囲の最終偏向範囲である湾曲で開始することができる。したがって、ステアリング要素904、906は、湾曲セグメント204、206を開始時の湾曲からさらに偏向させて、近位湾曲セグメント204及び遠位湾曲セグメント206を約80~110度でオフセットされた異なる平面に偏向させるように構成されうる(例えば、
図2~7に示すとおり)。
【0102】
図10は、本開示の様々な態様による別の例示的なアクセスシース400の側面図である。
図10に示されるように、アクセスシース400の遠位部分416は、示される平面内に単一の湾曲を含む。アクセスシース400は、患者の外部で少なくとも部分的にアクセス可能な近位部分212を含むことができる。近位部分212は、第一の平面であることができる伸長方向に伸長している。特定の例において、ポート410は、長尺本体202の近位部分212に結合され、ポート410は、遠位部分416と共通の方向の長尺本体202に対する方向に延在している。
【0103】
特定の例において、遠位部分416は徐々に湾曲されうる。遠位部分416は、近位部分212に対して、約40~70度の全湾曲1050を含むことができる。特定の例において、全湾曲1050は約65度(+/-5%)であることができる。特定の例において、遠位部分416は、長尺本体202の外側曲線上で近位部分212に対して5~15度の第一の湾曲1052を含むことができる。特定の例において、第一の湾曲1052は、約10度(+/-5%)であることができる。特定の例において、遠位部分416は、長尺本体202の内側曲線上で近位部分212に対して5~15度の第二の湾曲1054を含むことができる。特定の例において、第二の湾曲1054は、約10度(+/-5%)であることができる。
【0104】
遠位部分416は、
図9を参照して詳細に記載された一方又は両方のステアリング要素904、906を使用することによって、全湾曲1050に対して偏向されうる。ステアリング要素912、914はまた、示される単一の湾曲よりも1つ以上の追加の湾曲を含むように遠位部分416を偏向させるように構成されることができ、及び/又は、代わりに、ステアリング要素912、914は、遠位部分416を異なる平面に偏向させるように構成されうる。
【0105】
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
患者内の標的位置へのデバイスのデリバリーを容易にするための内腔を備えた長尺本体を含むアクセスシースを含む、デリバリーシステムであって、
前記長尺本体は、伸長方向に延在し、そして、
第一の平面内に延在する近位部分、及び、
遠位開口部と、前記遠位開口部を前記標的位置に対して配向するように構成された複数の湾曲セグメントとを有する遠位部分を含み、
前記遠位部分は、
前記長尺本体の伸長方向で近位公称角度オフセットを画定するように前記第一の平面内に延在している近位湾曲セグメント、及び、
前記長尺本体の伸長方向で遠位公称角度オフセットを画定するように第二の平面内に延在している遠位湾曲セグメントを含み、前記第一の平面と前記第二の平面とは、互いに角度的にオフセットされている、デリバリーシステム。
(態様2)
前記近位公称角度オフセットは約65度~75度であり、前記遠位公称角度オフセットは約25度~35度である、態様1記載のデリバリーシステム。
(態様3)
前記近位公称角度オフセットは約70度であり、前記遠位公称角度オフセットは約30度である、態様2記載のデリバリーシステム。
(態様4)
前記近位湾曲セグメント及び前記遠位湾曲セグメントは異なる平面内にあり、約80~110度だけオフセットされている、態様1~3のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様5)
前記近位湾曲セグメントはx-z平面内にあり、前記遠位湾曲セグメントはy-z平面内にある、態様1~4のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様6)
前記長尺本体の内腔を通過するように構成されたカテーテルをさらに含み、前記長尺本体は、前記カテーテルが前記長尺本体の遠位部分内にあるときに、近位公称角度オフセット及び遠位公称角度オフセットを維持するように構成されている、態様1~5のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様7)
前記カテーテルは、インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリーを容易にする、態様6記載のデリバリーシステム。
(態様8)
前記インプラント可能なメディカルデバイスは、左心耳閉塞器、閉塞器、ステント、ステントグラフト、シャント、センサ、圧力検出デバイス及び診断デバイスからなる群より選ばれる、態様7記載のデリバリーシステム。
(態様9)
前記インプラント可能なメディカルデバイスは左心耳閉塞器であり、前記近位湾曲セグメントは、心臓内で中隔を通して左心耳に向けて曲がるように前記長尺本体を導くように構成され、前記遠位湾曲セグメントは、前記カテーテルを左心耳の長手方向軸に整列させるように構成されている、態様7記載のデリバリーシステム。
(態様10)
前記カテーテルは、メディカルデバイスデリバリーカテーテル、アブレージョンカテーテル、ドラッグデリバリーカテーテル及び造影剤溶液デリバリーカテーテルからなる群より選ばれる、態様6記載のデリバリーシステム。
(態様11)
前記近位湾曲セグメントの方向を示すように構成された前記長尺本体の近位部分に結合された突起部をさらに含む、態様1~10のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様12)
前記突起部は、前記長尺本体の近位部分に結合されたポートであり、前記ポートは前記近位湾曲セグメントと共通の方向の前記長尺本体に対する方向に延在している、態様11記載のデリバリーシステム。
(態様13)
前記近位湾曲セグメントを面内で作動させるように構成された近位ステアリング要素をさらに含む、態様1~12のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様14)
前記近位ステアリング要素は、前記近位湾曲セグメントに結合されたステアリングワイヤであり、前記ステアリングワイヤに加えられた力に応答して前記近位湾曲セグメントを作動させるように構成されている、態様13記載のデリバリーシステム。
(態様15)
前記近位ステアリング要素は、前記近位湾曲セグメントの周りに配置され、前記近位湾曲セグメントの湾曲をもたらすように個別に作動するように構成された一連の関節構造を含む、態様13記載のデリバリーシステム。
(態様16)
前記遠位湾曲セグメントを回転させるように構成された遠位ステアリング要素をさらに含む、態様1~15のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様17)
前記遠位ステアリング要素は、前記遠位湾曲セグメントに結合されたステアリングワイヤであり、前記ステアリングワイヤに加えられた力に応答して前記遠位湾曲セグメントを回転させるように構成されている、態様16記載のデリバリーシステム。
(態様18)
前記遠位湾曲セグメントを約360度の範囲で偏向させるように構成された遠位ステアリング要素をさらに含む、態様1~15のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様19)
前記遠位ステアリング要素は、前記遠位湾曲セグメントに結合されたステアリングワイヤであり、前記ステアリングワイヤに加えられた力に応答して前記遠位湾曲セグメントを偏向させるように構成されている、態様18記載のデリバリーシステム。
(態様20)
前記遠位ステアリング要素は、前記遠位湾曲セグメントの周りに配置され、前記遠位湾曲セグメントの偏向をもたらすように個別に作動するように構成された一連の関節構造を含む、態様18記載のデリバリーシステム。
(態様21)
前記遠位ステアリング要素は、前記遠位湾曲セグメントの周りに配置され、前記遠位湾曲セグメントの回転をもたらすように個別に作動するように構成された一連の関節構造を含む、態様13記載のデリバリーシステム。
(態様22)
前記アクセスシースは、近位ステアリング要素及び遠位ステアリング要素を含む、態様13~21のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様23)
インプラント可能なメディカルデバイスを患者内の標的位置にデリバリーする方法であって、
患者内にアクセスシースを配置することであって、前記アクセスシースは、内腔、第一の平面内に延在する近位部分、及び、遠位開口部及び複数の湾曲セグメントを有する遠位部分を有する長尺本体を含む、配置すること、及び、
前記長尺本体の伸長方向における近位公称角度オフセットを画定するように第一の平面内に延在する遠位部分の近位湾曲セグメント、及び、前記長尺本体の伸長方向における遠位公称角度オフセットを画定するように第二の平面内に延在する遠位部分の遠位湾曲セグメントを使用して、前記アクセスシースの遠位開口部を前記標的位置に対して配向させることであって、前記第一の平面及び前記第二の平面は互いに角度的にオフセットされている、配向させること、
を含む、方法。
(態様24)
前記アクセスシースの内腔を通してデリバリーカテーテルを配置すること、及び、前記デリバリーカテーテル上に配置されたインプラント可能なメディカルデバイスを前記アクセスシースの遠位開口部を通して前記標的位置へデリバリーすることをさらに含む、態様23記載の方法。
(態様25)
前記インプラント可能なメディカルデバイスは左心耳閉塞器であり、前記近位湾曲セグメントは心臓内で中隔を通して左心耳に向けて曲がるように前記長尺本体を導くように構成され、前記遠位湾曲セグメントは、前記カテーテルを左心耳の長手方向軸に整列させるように構成されている、態様24記載の方法。
(態様26)
患者内の標的位置へのデバイスのデリバリーを容易にするための内腔を備えた長尺本体を含むアクセスシースを含む、デリバリーシステムであって、
前記長尺本体は、伸長方向に延在し、
第一の平面内に延在する近位部分、及び、
遠位開口部と、前記遠位開口部を前記標的位置に対して配向するように構成された複数のセグメントとを有する遠位部分、
前記長尺本体の伸長方向で近位公称角度オフセットを画定するように第一の平面内で延在するように複数のセグメントのうちの近位のセグメントを偏向させるように構成された近位ステアリング要素、及び、
前記長尺本体の伸長方向で遠位公称角度オフセットを画定するように第二の平面内で複数のセグメントのうちの遠位のセグメントを偏向させるように構成された遠位ステアリング要素を含む、デリバリーシステム。
(態様27)
前記近位公称角度オフセットは約65度~75度であり、前記遠位公称角度オフセットは約25度~35度である、態様26記載のデリバリーシステム。
(態様28)
前記近位公称角度オフセットは約70度であり、前記遠位公称角度オフセットは約30度である、態様27記載のデリバリーシステム。
(態様29)
前記複数のセグメントのうちの近位のセグメント及び複数のセグメントのうちの遠位のセグメントのうちの少なくとも1つは、偏向前の前記長尺本体の伸長方向と実質的に整列されている、態様26記載のデリバリーシステム。
(態様30)
前記複数のセグメントのうちの近位のセグメントは、偏向前の近位湾曲セグメントである、態様26記載のデリバリーシステム。
(態様31)
前記複数のセグメントのうちの遠位のセグメントは、偏向前の遠位湾曲セグメントである、態様30記載のデリバリーシステム。
(態様32)
前記近位ステアリング要素及び前記遠位ステアリング要素は、前記近位湾曲セグメント及び前記遠位湾曲セグメントを、およそ80~110度でオフセットされた異なる平面に偏向させるように構成されている、態様31記載のデリバリーシステム。
(態様33)
前記第一の平面及び前記第二の平面は互いに角度的にオフセットされている、態様26~33のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者内の標的位置へのデバイスのデリバリーを容易にするための内腔を備えた長尺本体を含むアクセスシースを含む、デリバリーシステムであって、
前記長尺本体は、伸長方向に延在し、そして、
伸長方向に延在する近位湾曲部分、及び、
遠位開口部と、前記遠位開口部を前記標的位置に対して配向するように構成された複数セグメントとを有する遠位部分を含み、
前記複数のセグメントは、
前記長尺本体の伸長方向で近位公称角度オフセットを画定するように第二の平面内に延在している近位湾曲セグメント、及び
前記長尺本体の伸長方向で遠位公称角度オフセットを画定するように第三の平面内に延在している遠位湾曲セグメントを含み、前記第二の平面と前記第三の平面とは、互いに角度的にオフセットされており、前記遠位湾曲セグメントは、前記近位湾曲セグメントに対してy-z平面内で前記長尺本体を湾曲させている、デリバリーシステム。
【外国語明細書】