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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018283
(43)【公開日】2023-02-08
(54)【発明の名称】汚損検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/04 20060101AFI20230201BHJP
【FI】
G01N27/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122293
(22)【出願日】2021-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099933
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100124028
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 公雄
(74)【代理人】
【識別番号】100145207
【弁理士】
【氏名又は名称】酒本 裕明
(74)【代理人】
【識別番号】100078813
【弁理士】
【氏名又は名称】上代 哲司
(74)【代理人】
【識別番号】100094477
【弁理士】
【氏名又は名称】神野 直美
(72)【発明者】
【氏名】千林 暁
(72)【発明者】
【氏名】福永 哲也
【テーマコード(参考)】
2G060
【Fターム(参考)】
2G060AA08
2G060AE07
2G060AF07
2G060AG03
2G060AG10
2G060GA01
2G060HC04
2G060HC14
2G060HC15
2G060KA10
(57)【要約】
【課題】電気設備等の内部に設置された絶縁物の汚損程度を精度よく推定することが可能な汚損検出装置を提供する。
【解決手段】汚損検出装置は、絶縁基板に一対の電極が形成された電極基板と、電極基板に設けられ、湿度を測定する湿度センサと、一対の電極間の電極抵抗値及び湿度センサで測定された湿度をそれぞれ所定時間間隔で記録するための記録手段と、記録した電極抵抗値及び湿度のデータの中から、一定時間前から現時点までの時間範囲において、しきい値以下の電極抵抗値に対応する湿度の最高値を湿度移動最高値として抽出するための抽出手段と、抽出した湿度移動最高値のうち、低湿度の順にn個の湿度移動最高値を取り出してそれらの平均値を算出するための平均算出手段と、算出した平均値と、予め記憶されている汚損量推定情報とに基づいて、汚損量を推定するための汚損量推定手段とを含む。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板に一対の電極が形成された電極基板と、
前記電極基板に設けられ、湿度を測定する湿度センサと、
前記一対の電極間の電極抵抗値及び前記湿度センサで測定された湿度をそれぞれ所定時間間隔で記録するための記録手段と、
前記記録手段が記録した電極抵抗値及び湿度のデータの中から、一定時間前から現時点までの時間範囲において、予め設定されたしきい値以下の電極抵抗値に対応する湿度の最高値を湿度移動最高値として抽出するための抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した複数の前記湿度移動最高値のうち、低湿度の順にn個の前記湿度移動最高値を取り出してそれらの平均値を算出するための平均算出手段と、
前記平均算出手段が算出した前記平均値と、予め記憶されている汚損量推定情報とに基づいて、汚損量を推定するための汚損量推定手段とを含む、汚損検出装置。
【請求項2】
前記平均値をAVHM(1~n)とした場合に、
前記汚損量推定手段は、前記電極基板の表面の汚損量を、前記汚損量推定情報として記憶されている以下の式(1)に前記AVHM(1~n)を代入して得られるS(mg/cm)と推定する、
【数1】
請求項1に記載の汚損検出装置。
【請求項3】
前記記録手段が記録した湿度データを高湿度の順に上位から、前記n個のK倍(Kは自然数)の個数番目の湿度値Hmax(K×n)を特定するための特定手段と、
前記特定手段が特定した湿度値Hmax(K×n)に基づいて汚損量の検出感度を推定する感度推定手段とをさらに含み、
前記感度推定手段は、汚損量の検出感度を、予め記憶された以下の式(2)に前記湿度値Hmax(K×n)を代入して得られるS’(mg/cm)と推定する、
【数2】
請求項2に記載の汚損検出装置。
【請求項4】
前記一対の電極は前記電極基板の表面上に配置され、
前記湿度センサは前記電極基板における前記電極が形成された面とは反対側の面に配置される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の汚損検出装置。
【請求項5】
前記電極基板における電極間隔は0.5mm以上2.0mm以下であり、
前記電極基板における電極幅は前記電極間隔の10倍以上40倍以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の汚損検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚損検出装置に関し、特に、電気設備等の内部に設置された絶縁物の汚損を検出するのに好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
碍子等の絶縁物は、その表面に塩分が付着して汚損されると絶縁性が低下する。碍子が設置される発変電設備が塩害地区にある場合、塩分が付着し易いため絶縁性の低下が特に危惧される。そのため、碍子等の絶縁物の汚損程度を常に把握し、必要な時期にクリーニングを行う必要がある。
【0003】
碍子の汚損程度を検出する方法は種々提案されている。こうした方法の1つとして、従来、電極が形成された絶縁板における電極間抵抗値に基づいて、絶縁板表面の塩分付着量を検出する技術が知られている。しかし、電極間の抵抗は、汚損量によってのみ決定されるのではなく、周囲の相対湿度の影響を受ける。その抵抗の挙動は、相対湿度の上昇・下降の変動に対してヒステリシスを持つため、抵抗の測定時点での相対湿度で汚損度を換算すると誤差が生じる。
【0004】
そこで、出願人は、後掲の特許文献1において、一対の電極が設けられた電極基板の表面抵抗率、及び周囲の相対湿度に基づいて碍子等の絶縁物の汚損量を推定する場合に、一定期間の相対湿度の最高値と表面抵抗率との関係から汚損量(等価塩分付着量)を推定する技術を提案した。これにより、相対湿度の変動に対して抵抗の挙動がヒステリシスを持つ場合でも汚損量を精度よく推定することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-142470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術は、屋外環境における急速汚損を検知する場合に適している。一方、絶縁物の汚損は、屋外環境のみならずスイッチギヤ等の電気設備内部においても生じ得る。そのため、電気設備内部の絶縁物についても汚損程度を検出する必要がある。
【0007】
電気設備内部では、屋外環境に比べて絶縁物の汚損が徐々に進行する。加えて、電気設備内部は、雨により汚損が洗浄されるということがないため、強制的に絶縁物表面の汚損をクリーニングしない限りは汚損がキャンセルされない。こうした環境に設置された絶縁物の汚損程度を検出するために、特許文献1の技術を用いる場合、表面抵抗率の測定値にバラツキが生じることがあるため、汚損量の推定精度が低下することが懸念される。そのため、特許文献1の技術は、絶縁物の設置環境によっては改善の余地がある。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の1つの目的は、電気設備等の内部に設置された絶縁物の汚損程度を精度よく推定することが可能な汚損検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の局面に係る汚損検出装置は、絶縁基板に一対の電極が形成された電極基板と、電極基板に設けられ、湿度を測定する湿度センサと、一対の電極間の電極抵抗値及び湿度センサで測定された湿度をそれぞれ所定時間間隔で記録するための記録手段と、記録手段が記録した電極抵抗値及び湿度のデータの中から、一定時間前から現時点までの時間範囲において、予め設定されたしきい値以下の電極抵抗値に対応する湿度の最高値を湿度移動最高値として抽出するための抽出手段と、抽出手段が抽出した複数の湿度移動最高値のうち、低湿度の順にn個の湿度移動最高値を取り出してそれらの平均値を算出するための平均算出手段と、平均算出手段が算出した平均値と、予め記憶されている汚損量推定情報とに基づいて、汚損量を推定するための汚損量推定手段とを含む。
【0010】
記録手段は、一対の電極間の電極抵抗値及び湿度センサで測定された湿度をそれぞれ所定時間間隔で記録する。抽出手段は、記録手段が記録した電極抵抗値及び湿度のデータの中から、一定時間前から現時点までの時間範囲において、予め設定されたしきい値以下の電極抵抗値に対応する湿度の最高値を湿度移動最高値として抽出する。平均算出手段は、抽出手段が抽出した複数の湿度移動最高値のうち、低湿度の順にn個の湿度移動最高値を取り出してそれらの平均値を算出する。汚損量推定手段は、平均算出手段が算出した平均値と、予め記憶されている汚損量推定情報とに基づいて、汚損量を推定する。このように、低湿度側の湿度移動最高値の平均値を用いて汚損量を推定することにより、電極抵抗値にバラツキが生じた場合でも、絶縁物の汚損量を精度よく推定できる。さらに湿度センサを電極基板に設けることによって、電極基板と湿度センサとの設置場所による温度差を小さくできる。これにより、温度差に起因する湿度の測定誤差を小さくできるので、絶縁物の汚損量をより精度よく推定できる。したがって、電気設備等の内部に設置された絶縁物に対しても、その絶縁物の汚損程度を精度よく推定できる。
【0011】
好ましくは、平均値をAVHM(1~n)とした場合に、汚損量推定手段は、電極基板の表面の汚損量を、汚損量推定情報として記憶されている以下の式(1)にAVHM(1~n)を代入して得られるS(mg/cm)と推定する。
【数1】
【0012】
このように構成すれば、電気設備等の内部に設置された絶縁物の汚損量をより精度よく推定できる。
【0013】
より好ましくは、汚損検出装置は、記録手段が記録した湿度データを高湿度の順に上位から、n個のK倍(Kは自然数)の個数番目の湿度値Hmax(K×n)を特定するための特定手段と、特定手段が特定した湿度値Hmax(K×n)に基づいて汚損量の検出感度を推定する感度推定手段とをさらに含み、感度推定手段は、汚損量の検出感度を、予め記憶された以下の式(2)に湿度値Hmax(K×n)を代入して得られるS'(mg/cm)と推定する。
【数2】
【0014】
これにより、汚損量の検出感度を推定できる。そのため、しきい値以下に電極抵抗値が低下していない場合、すなわち、汚損が検出されない場合に、推定した検出感度に基づいて、その原因が、実際に絶縁物が汚損されていないことによるものなのか、汚損されているものの低湿度であるために検出感度が低下していることによるものなのかを判断できる。
【0015】
さらに好ましくは、一対の電極は電極基板の表面上に配置され、湿度センサは電極基板における電極が形成された面とは反対側の面に配置される。湿度センサを電極基板における電極が形成された面とは反対側の面(裏面)に設置することによって、電極基板との温度差をより小さくして電極基板上の湿度を正確に測定できるとともに、湿度センサに対する塵埃の影響も最小限にできる。湿度センサによる湿度の測定精度を高めることができるので、絶縁物の汚損量の推定精度をさらに高めることができる。
【0016】
さらに好ましくは、電極基板における電極間隔は0.5mm以上2.0mm以下であり、電極基板における電極幅は電極間隔の10倍以上40倍以下である。これにより、電子回路で容易に出力できる電圧で電極抵抗低下の感度低下を抑制できる。すなわち、抵抗低下の感度を確保できる。
【0017】
なお、本願に開示の技術は、このような特徴的な構成を含む汚損検出装置として実現できるだけではない。汚損検出装置が実行する特徴的なステップをコンピュータに実行させるためのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体として実現することもできる。また、汚損検出装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路としても実現できる。さらに、汚損検出装置を含むその他のシステムとして実現することもできる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、電気設備等の内部に設置された絶縁物の汚損程度を精度よく推定することが可能な汚損検出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】スイッチギヤの外観を示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る汚損検出装置の構成を示すブロック図である。
図3図2に示す汚損検出装置のセンサ部(電極基板)の構成を示す平面図であって、図3(A)は電極パターンが形成される上面側の平面図であり、図3(B)は湿度センサが設置される下面側の平面図である。
図4】塩分付着量を0.035mg/cmとしたときの相対湿度と電極抵抗のトレンドデータを示すグラフであって、上段に相対湿度測定事例を示し、下段に電極抵抗測定事例を示した図である。
図5】相対湿度移動最高値(48時間前~現在までの湿度最高値)と電極抵抗測定値の関係のデータをプロットしたグラフである。
図6】抵抗測定値が900kΩ以下になった時の相対湿度移動最高値を低い順に1番から10番まで並べた結果を示す図である。
図7】相対湿度移動最高値(低い順に1番から10番まで)の平均値を横軸に、各塩分付着量を縦軸(対数表示)にプロットしたグラフである。
図8】第2実施形態に係る汚損検出装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明及び図面においては、同一の部品又は構成要素には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0021】
(第1実施形態)
本実施の形態に係る汚損検出装置は、塩分(塩化ナトリウム)を主な計測対象とする。本汚損検出装置は、測定対象の絶縁物と同じ環境に設置されて、絶縁物の表面に付着した塩分付着量を汚損量として推定する。測定対象の絶縁物は、電気設備であるスイッチギヤ内に設置されているものとする。
【0022】
図1を参照して、スイッチギヤ10は、電気を安全に供給するために決められた電圧で受電し、使いやすい電圧に変圧して各負荷へ配電するための装置である。長期間安全に使用できるように金属で閉鎖された筐体に収納され、機器を操作するためのスイッチ、電圧・電流等を計測するためのメーター、及び、異常を検出するための保護継電器等が備えられている。スイッチギヤ10の内部には、電気を絶縁するための絶縁体(絶縁物:図示せず。)が設置されている。
【0023】
[全体構成]
図2を参照して、本実施の形態に係る汚損検出装置50は、センサ部100と、制御装置200とを含む。汚損検出装置50は、少なくともセンサ部100が測定対象の絶縁物と同じ環境、すなわちスイッチギヤ10の内部に設置される。制御装置200は、センサ部100とともにスイッチギヤ10の内部に設置されてもよいし、スイッチギヤ10の外部に設置されてもよい。
【0024】
センサ部100は、絶縁基板112の表面に一対の電極パターンが形成された電極基板110と、周囲の相対湿度を測定する湿度センサ120とを含む。湿度センサ120は電極基板110に設置されている。センサ部100は、有線又は無線により、制御装置200と通信可能に接続されている。本実施の形態では、センサ部100は、制御装置200と有線接続されている。センサ部100の詳細については後述する。
【0025】
制御装置200は、アナログ入力回路210、CPU(Central Processing Unit)220、メモリ230、通信機器240及び補助リレー250を含む。アナログ入力回路210は、電極基板110に形成された電極に接続されている。アナログ入力回路210は、一対の電極間に所定の電圧(例えば5V程度)を印加して電極基板110の絶縁率(電極間の抵抗値)を計測する。アナログ入力回路210はさらに、その計測値をアナログ/デジタル変換してデジタル信号の電極抵抗値としてCPU220に供給する。
【0026】
CPU220は、湿度センサ120、アナログ入力回路210、メモリ230、通信機器240及び補助リレー250が接続されており、これらを制御することによって汚損検出装置50全体を制御する。CPU220は、湿度センサ120及びアナログ入力回路210から供給されたデータ信号をもとに塩分付着量(汚損量)を推定する処理を実行する。
【0027】
メモリ230は、CPU220が汚損検出装置50を制御するためのプログラム及びデータを記憶する記憶装置を含む。メモリ230には、塩分付着量(汚損量)の推定処理時に用いられる汚損量推定情報が予め記憶されている。メモリ230はさらに、湿度センサ120を介して取得した相対湿度、アナログ入力回路210を介して取得した電極基板110の電極抵抗値、及びこれらのデータからCPU220が推定した塩分付着観測結果(塩分付着量)等のデータを記録するデータ記録装置を含む。
【0028】
通信機器240は、有線又は無線により上位装置との通信を行う。上位装置は、例えば、中央監視室等に設置された監視装置を含む。この場合、制御装置200は、データ記録装置に記録されたデータを、通信機器240を介して、上位装置(監視装置)にデータ伝送されるよう構成されていると好ましい。これにより、スイッチギヤ10内部に設置された絶縁物の汚損程度を監視できる。
【0029】
補助リレー250は、機械式リレー又は半導体リレーであって、接点出力の接点として機能する。補助リレー250はCPU220の制御のもとでON/OFFされ、例えば、塩分付着観測結果が所定の値以上である場合、又は異常を検出した場合等に、その先に接続されたブザーを鳴動させたり、ランプを点灯させたりすることによって警報出力を行う。
【0030】
[センサ部100の構成]
図3を参照して、センサ部100は、上記のように、上記電極基板110と、湿度センサ120とを含む。図3(A)を参照して、電極基板110は、ガラスエポキシ、又はセラミック等からなる絶縁基板112と、絶縁基板112の表面上に形成された一対の電極114とを含む。一対の電極114は、金属等の導体から構成されており、絶縁基板112の表面上に、所定の電極パターンに形成されている。本実施形態では、コンパクトな構成とする目的で、電極パターン(電極形状)は櫛型の電極形状としている。ただし、一対の電極の電極形状は、櫛型形状に限定されず、例えば同心円状等の他の形状であってもよい。電極基板110は、電極114の腐食防止を目的に、金メッキ等の処置が施されていると好ましい。
【0031】
一対の電極114間の距離(電極間隔)Dは、電子回路で容易に出力できる電圧(5V程度)で抵抗低下の感度を確保することを目的とすると、0.5mm以上2mm以下であるのが好ましい。本実施形態では、電極間隔Dは例えば0.9mmとしている。電極幅Lは、電極間隔Dに対して10倍以上とることが好ましい。上限値は任意である。上限値を設ける場合、電極幅Lは、電極間隔Dに対して40倍以下であるのが好ましい。図3(A)に示す電極パターンの場合、電極幅Lは、電極間隔Dの35倍(31.5mm)とすることができる。
【0032】
電極基板110は、一対の電極114が形成された面(電極形成面)側に塵埃堆積の影響を受けるように、電極形成面が上側(上面)となるように設置されるのが好ましい。
【0033】
湿度センサ120は、電極基板110における電極114が形成された面とは反対側の面(裏面)に設置される。湿度センサ120は、湿度測定精度が高い表面実装型のセンサを用いるのが好ましい。例えば、湿度センサ120には、センシリオン社 SHT-31のような湿度測定精度が高く、かつ基板表面に実装できる(電極基板110と湿度センサ120との温度差を最小限にできる)センサを用いるのが好ましい。これにより、電極基板110の裏面に湿度センサ120を実装するのが容易になる。このように、湿度センサ120を電極基板110の裏面に設置することによって、湿度センサ120と電極基板110との温度差を最小限にできるとともに、湿度センサ120に対する塵埃の影響の最小限に抑えることができる。
【0034】
湿度センサ120は、湿度の計測データをデジタル信号に変換する湿度計測回路を内蔵する。そのため、湿度センサ120は、湿度の計測データをデジタル信号としてCPU220に出力する。ただし、湿度センサ120は、湿度計測回路を内蔵しないタイプのセンサであってもよい。
【0035】
[塩分付着量の推定手法]
続いて、本実施の形態に係る汚損検出装置50において実行される塩分付着量の推定処理について説明する。
【0036】
再び図2を参照して、汚損検出装置50は、一対の電極114間の電極抵抗値及び湿度センサ120で測定された相対湿度をそれぞれ所定時間間隔(例えば1時間間隔)で記録する。具体的には、汚損検出装置50は、例えば1時間に1回の頻度で、電極基板110の電極抵抗値及び湿度センサ120で測定された相対湿度をメモリ230に記録する。汚損検出装置50は、所定の測定期間、相対湿度と電極抵抗値のトレンドデータを記録する。
【0037】
汚損検出装置50は、メモリ230に記録されている電極抵抗値及び湿度のデータの中から、一定時間前から現時点までの時間範囲において、予め設定されたしきい値以下の電極抵抗値に対応する湿度の最高値を湿度移動最高値HMmとして抽出し、メモリ230の別領域に記録する。具体的には、現時点から例えば48時間前~現時点までの間に記録された電極抵抗値及び湿度のデータの中から、しきい値以下の電極抵抗値に対応する湿度データを抽出し、そのうちの最も高い湿度データを湿度移動最高値HMmとして記録する。こうした処理を例えば1時間毎に繰返す。上記しきい値は、電極抵抗の測定上限値が1000kΩの場合、例えば900kΩとすることができる。
【0038】
次に、汚損検出装置50は、メモリ230に記録された複数の湿度移動最高値HMmを低湿度の順にn個ソートし、n個の湿度移動最高値HMmの平均値AVHM(1~n)を算出する。本実施形態ではnは例えば10とされる。
【0039】
メモリ230には、汚損量推定情報として、以下の式(3)に示す数式が記憶されている。
【数3】
【0040】
定数A及びBは、電極抵抗のしきい値、又は電極形状等によって異なる値であり、実験等によって予め算出されて、その値が設定されている。本実施形態では、例えば、定数Aは1.02、定数Bは0.032である。そのため、本実施形態では、汚損量推定情報として、実際には、以下の式(4)に示す数式が記憶されている。
【数4】
【0041】
汚損検出装置50は、平均値AVHM(1~n)を汚損量推定情報に代入することによって得られたS(mg/cm)を、測定対象の絶縁物に付着した塩分付着量と推定する。
【0042】
以上をまとめると、汚損検出装置50は以下の処理により塩分付着量を推定する。
(A)電極抵抗値と湿度を一定期間間隔(例えば1時間に1回)記録する。
(B)電極抵抗値が予め定めたしきい値以下となったときの湿度移動最高値HMm(現在値より一定期間(例えば48時間)前から現在値までの湿度最高値)を記録する。
(C)湿度移動最高値HMmを低湿度の順にn個ソートし、その平均値AVHM(1~n)を算出する。
(D)塩分付着量S(mg/cm)を上記式(3)(式(4))により推定する。具体的には、平均値AVHM(1~n)を式(4)に代入することにより塩分付着量S(mg/cm)を求める。
【0043】
なお、相対湿度について瞬時値ではなく湿度移動最高値HMmを用いたのは、電極抵抗値が低下した後、湿度の低下に対して電極抵抗値の上昇が時間的に遅れるためである。そのため、湿度移動最高値HMmを用いることによって、電極抵抗値のバラツキの影響が低減される。湿度移動最高値HMmを求めるための時間間隔(一定期間)は24時間以上72時間以下であるのが好ましい。本実施形態では、上記のように48時間としている。
【0044】
上記の推定手法では、測定期間中に電極抵抗値がしきい値以下に低下していない場合、塩分付着量が検出されない。この場合、以下の2つのケースが考えられる。ただし、いずれのケースでも、電気設備内の絶縁物において表面の絶縁が保たれた状態であることが確認できる。
1)電極に塩分が(ほとんど)付着していない。
2)電極に塩分は付着しているが、相対湿度が上昇していないので検出できていない。
【0045】
ここで、上記式(3)を用いて塩分付着量を推定するためには、湿度移動最高値HMmとなる湿度がある程度の頻度で発生していることが必要である。さらに平均処理によって上記平均値AVHM(1~n)を算出するためには、湿度移動最高値HMmとなる湿度は、n数(本実施形態では10)の3~5倍程度の頻度で発生している必要がある。
【0046】
こうした点を勘案すれば、測定期間における湿度トレンドから塩分付着量の検出感度を推定することが可能である。そして、塩分付着量の検出感度から、塩分付着量が検出されない場合に、その原因が上記1)によるものか、上記2)によるものかを判断できる。例えば、塩分付着量の検出感度が高い(実際の検出感度とほぼ同じである)場合は、上記1)の「電極に塩分が(ほとんど)付着していない」と判断できる。一方、塩分付着量の検出感度が(実際の検出感度より)低い場合は、上記2)の「電極に塩分は付着しているが、相対湿度が上昇していないので検出できていない」と判断できる。
【0047】
塩分付着量の検出感度は、以下の処理により算出される。
【0048】
汚損検出装置50は、測定期間の湿度データを高湿度の順にソートし、上位から、n個のK倍(Kは自然数)の個数番目の湿度値Hmax(K×n)を特定する。汚損検出装置50は、特定した湿度値Hmax(K×n)に基づいて汚損量の検出感度を推定する。
【0049】
メモリ230には、検出感度推定情報として、以下の式(5)に示す数式が記憶されている。
【数5】
【0050】
本実施形態では、上記したように、定数Aは1.02、定数Bは0.032である。そのため、本実施形態では、検出感度推定情報として、実際には、以下の式(6)に示す数式が記憶されている。
【数6】
【0051】
汚損検出装置50は、特定した湿度値Hmax(K×n)を検出感度推定情報に代入することによって得られるS'(mg/cm)を塩分付着量の検出感度と推定する。
【0052】
以上をまとめると、汚損検出装置50は以下の処理により塩分付着量の検出感度と推定する。
(a)測定期間の湿度測定値を高湿度順にソートする。
(b)ソートした上位からK×n番目の湿度値Hmax(K×n)を確認する。
このことは、この湿度値以上の湿度値が(確認した湿度値を含めて)K×n回発生していることを示している。
(c)湿度トレンドにおける塩分付着量の検出感度S’(mg/cm)を上記式(5)(式(6))により推定する。具体的には、湿度値Hmax(K×n)を式(6)に代入することにより塩分付着量の検出感度S’(mg/cm)を求める。
【0053】
本実施形態において、例えばn=10、K=4とすれば、おおよその検出感度が推定できる。そのため、推定した検出感度に基づいて、実際に塩分が付着していないのか、塩分は付着しているが低湿度であるために検出感度が低下しているのかを判断できる。
【0054】
[検証]
塩分付着量と湿度との相関性を確認することを目的に、電極表面に模擬的に塩分を付着させた状態の電極基板を屋外スイッチギヤに設置し、約1年間に亘って試験を実施した。試験に用いた電極基板は、上記した電極基板110と同様の構成である。電極表面への塩分付着量は、0.017mg/cm、0.035mg/cm、0.063mg/cm、0.072mg/cm、0.110mg/cmの5種類とした。すなわち、電極表面への塩分付着量を変えた5種類の電極基板を作成して屋外スイッチギヤに設置した。スイッチギヤ内部は塩害環境ではなく、機器(電極基板)設置以降の塩分付着の進行は実質的にない。試験では、各々の電極基板において、電極基板の電極抵抗値と湿度とを一定時間間隔(例えば1時間に1回)で記録した。
【0055】
図4に、一例として、塩分付着量を0.035mg/cmとしたときの相対湿度と電極抵抗のトレンドデータを示す。図4(A)は、相対湿度の測定事例であり、図4(B)は、電極抵抗の測定事例である。測定期間は2020年2月~2021年3月の約13カ月である。図4より、相対湿度の上昇時(図4(A)の一点鎖線で囲った部分)に電極抵抗の低下(図4(B)の一点鎖線で囲った部分)が確認できる。
【0056】
さらに、電極抵抗値と湿度とを記録しながら、記録したデータから、相対湿度移動最高値(48時間前~現在までの湿度最高値)とそれに対応する電極抵抗値とを抽出し、それらを別途記録した。なお、これらのデータの抽出は、検証試験では、電極抵抗値及び湿度のデータを全て記録した後でも行うことができる。
【0057】
図5に、相対湿度移動最高値(48時間前~現在までの湿度最高値)と電極抵抗測定値の関係のデータをプロットしたグラフを示す。図5の各グラフにおいて、横軸は相対湿度移動最高値(相対湿度48時間最高値(%RH))であり、縦軸は電極抵抗測定値(電極抵抗(kΩ)、測定上限値:1000kΩ)である。図5より、塩分付着量の増加とともに電極抵抗が測定上限値から低下し始める相対湿度移動最高値が低下することが実験的に確認された。
【0058】
続いて、各塩分付着量の測定値について、抵抗測定値がしきい値(900kΩ)以下になった時の相対湿度移動最高値を低い順に10個を抽出し、1番から10番の順に並べた。そして、塩分付着量の測定値毎に、10個の相対湿度移動最高値の平均値AVHM(1~10)を算出した。その結果を図6に示す。
【0059】
なお、抵抗測定値のしきい値は、図5の各グラフにおいて、二点鎖線で示されている。二点鎖線近傍の下向きの矢印は、抵抗測定値がしきい値以下の領域を示している。10個の相対湿度移動最高値は、図5の各グラフにおける低湿度側の破線で囲んだ部分に含まれる。
【0060】
図6より、塩分付着量の増加に伴い、平均値AVHM(1~10)が低下している。図7に、これらの関係をグラフ化した図を示す。図7のグラフは、平均値AVHM(1~10)を横軸に、各塩分付着量を縦軸(対数表示)にプロットしている。
【0061】
図7より、各塩分付着量と平均値AVHM(1~10)は対数的にほぼ直線近似できることが実験的に確認された。図7には、各プロットを直線近似した近似直線Pが示されている。塩分付着量をSとした場合、この実施の近似直線Pは、以下の式(7)となる。
【数7】
【0062】
上記した式(4)の定数A及び定数Bは、式(7)の値を用いている。
【0063】
以上より、定数A及び定数Bを予め求めておけば、平均値AVHM(1~10)を求めることによって、上記した式(3)により、塩分付着量を精度よく推定できることが確認された。
【0064】
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る汚損検出装置50を利用することにより、以下に述べる効果を奏する。
【0065】
汚損検出装置50は、一対の電極間の電極抵抗値及び湿度センサ120で測定された湿度をそれぞれ所定時間間隔で記録する。汚損検出装置50の制御装置200は、記録した電極抵抗値及び湿度のデータの中から、一定時間前から現時点までの時間範囲において、予め設定されたしきい値以下の電極抵抗値に対応する湿度の最高値を湿度移動最高値HMmとして抽出し、抽出した複数の湿度移動最高値HMmのうち、低湿度の順にn個(nは自然数)の湿度移動最高値HMmを取り出してそれらの平均値AVHM(1~10)を算出する。制御装置200はさらに、算出した平均値AVHM(1~10)と、予め記憶されている汚損量推定情報とに基づいて、汚損量を推定する。
【0066】
このように、汚損検出装置50は、低湿度側の湿度移動最高値HMmの平均値AVHM(1~10)を用いて汚損量(塩分付着量)を推定することにより、電極抵抗値にバラツキが生じた場合でも、絶縁物の汚損量を精度よく推定できる。さらに汚損検出装置50では、湿度センサ120が電極基板110に設けられる。これによって、電極基板110と湿度センサ120との設置場所による温度差を小さくできるので、温度差に起因する湿度の測定誤差を小さくできる。したがって、絶縁物の汚損量をより精度よく推定できるので、スイッチギヤ(電気設備)等の内部に設置された絶縁物に対しても、その絶縁物の汚損程度を精度よく推定できる。
【0067】
汚損量推定情報として、上記式(3)(式(4))に示される情報を用いることによって、電極基板110の表面の汚損量を、算出した平均値AVHM(1~10)に基づいてより精度よく推定できる。これにより、電気設備等の内部に設置された絶縁物の汚損量をより精度よく推定できる。
【0068】
さらに、湿度センサ120を電極基板110における電極114が形成された面とは反対側の面(裏面)に設置することによって、電極基板110との温度差をより小さくして電極基板110上の湿度を正確に測定でき、かつ、湿度センサ120に対する塵埃の影響も最小限にできる。これにより、湿度センサ120による湿度の測定精度を高めることができるので、絶縁物の汚損量の推定精度をさらに高めることができる。
【0069】
さらに電極基板110における電極間隔Dを0.5mm以上2.0mm以下とし、電極基板110における電極幅Lを電極間隔Dの10倍以上40倍以下とすることによって、電子回路で容易に出力できる電圧で電極抵抗低下の感度低下を抑制できる。すなわち、抵抗低下の感度を確保できる。
【0070】
汚損検出装置50はさらに、制御装置200が記録した湿度データを高湿度の順にソートし、上位から、n個のK倍(Kは自然数)の個数番目の湿度値Hmax(K×n)を特定し、特定した湿度値Hmax(K×n)に基づいて汚損量の検出感度を推定する。その際、制御装置200は、汚損量の検出感度を、予め記憶された上記した式(5)(式(6))に湿度値Hmax(K×n)を代入して得られるS'(mg/cm)と推定する。
【0071】
しきい値以下に電極抵抗値が低下していない場合、すなわち、汚損が検出されない場合に、推定した検出感度に基づいて、その原因が、実際に絶縁物が汚損されていないことによるものなのか、汚損されているものの、低湿度であるために検出感度が低下していることによるものなのかを判断できる。
【0072】
(第2実施形態)
上記した第1実施形態では、演算・塩分付着量推定は制御装置200のCPU220(図2参照)にて実行する例について示したが、本開示はこうした構成に限定されない。例えば、演算・塩分付着量推定は、制御装置のCPUとは別の処理装置で行うようにしてもよい。本実施形態では、こうした構成の汚損検出装置について説明する。すなわち、本実施形態に係る汚損検出装置は、制御装置に加えて、演算・塩分付着量推定を行う処理装置を含む。この点において、本実施形態に係る汚損検出装置は、第1実施形態とは異なる。
【0073】
図8を参照して、本実施形態に係る汚損検出装置50Aは、センサ部100と、制御装置200Aと、処理装置300とを含む。センサ部100Aは、第1実施形態のセンサ部100(図2参照)と同様の構成を有する。すなわち、センサ部100Aは、絶縁基板112の表面に一対の電極パターンが形成された電極基板110からなり、その裏面に湿度センサ120が設置されている。
【0074】
制御装置200Aは、第1実施形態の制御装置200(図2参照)と同様の構成を有する。ただし、本実施形態では、制御装置200Aは、第1実施形態とは異なり、演算・塩分付着量推定の処理は行わない。制御装置200Aは、一対の電極114間の電極抵抗値及び湿度センサ120で測定された相対湿度をそれぞれ所定時間間隔(例えば1時間間隔)で記録し、そのデータ(ロギングデータ)を処理装置300に送信する。
【0075】
処理装置300は、CPU310、メモリ320、及び通信機器330を含む。通信機器330は、制御装置200Aと有線又は無線による通信を行う。通信機器330は、制御装置200Aから送信されたロギングデータを受信してメモリ320に記録する。CPU310は処理装置300全体を制御する。CPU310は、制御装置200Aから送信されたロギングデータに対して演算処理を含む塩分付着量の推定処理を実行する。メモリ320は、CPU310が処理装置300を制御するためのプログラム及びデータを記憶する記憶装置を含む。メモリ320には、塩分付着量(汚損量)の推定処理時に用いられる汚損量推定情報が予め記憶されている。CPU310は、メモリ320に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、塩分付着量(汚損量)を推定するための演算処理及び塩分付着量推定処理を実行する。
【0076】
このように、本実施形態では、第1実施形態では制御装置のCPUが実行する演算・塩分付着量推定の処理を、処理装置300で実行する。これにより、制御装置200AにおけるCPU310の演算負担を減らすことができるので、装置を安価に提供することが可能となる。
【0077】
なお、処理装置300は汎用コンピュータ等であってもよい。この場合、別途提供されるコンピュータプログラムを汎用コンピュータ等にインストールすることによって、当該汎用コンピュータ等が、演算・塩分付着量推定の処理を実行する処理装置300として機能する。
【0078】
(変形例)
上記実施形態では、電気設備の一例であるスイッチギヤの内部に設置された絶縁物の汚損量を推定する例について示したが、本発明はそのような実施形態には限定されない。測定対象の絶縁物はスイッチギヤ以外の電気設備に設置されたものであってもよいし、電気設備以外の場所に設置されたものであってもよい。
【0079】
上記実施形態では、式(3)(式(4))を用いた演算により汚損量(塩分付着量)を推定する例について示したが、本発明はそのような実施形態には限定されない。例えば、平均値AVHM(1~n)に対する汚損量が示されたテーブルを汚損量推定情報として記憶しておき、このテーブルを参照して汚損量を推定するようにしてもよい。同様に、式(5)(式(6))を用いた汚損量(塩分付着量)の検出感度の推定に変えて、例えば、湿度値Hmax(K×n)に対する塩分付着量検出感度が示されたテーブルを検出感度推定情報として記憶しておき、このテーブルを参照して汚損量の検出感度を推定するようにしてもよい。また、上記式(1)から式(7)における変数の文字は適宜変更してもよい。
【0080】
上記実施形態では、n=10、K=4とする例について示したが、本発明はそのような実施形態には限定されない。n及びKの値は適宜変更できる。
【0081】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0082】
10 スイッチギヤ
50、50A 汚損検出装置
100、100A センサ部
110 電極基板
112 絶縁基板
114 電極
120 湿度センサ
200、200A 制御装置
210 アナログ入力回路
220、310 CPU
230、320 メモリ
240、330 通信機器
250 補助リレー
300 処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8