(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182846
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】センサ制御装置
(51)【国際特許分類】
G01S 7/489 20060101AFI20231219BHJP
G01S 17/931 20200101ALI20231219BHJP
【FI】
G01S7/489
G01S17/931
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183757
(22)【出願日】2023-10-26
(62)【分割の表示】P 2022071471の分割
【原出願日】2019-03-14
(31)【優先権主張番号】P 2018047577
(32)【優先日】2018-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】竹村 到
(72)【発明者】
【氏名】松丸 誠
(72)【発明者】
【氏名】永田 宏
(72)【発明者】
【氏名】石川 雄悟
(57)【要約】
【課題】反射光のピークパワーが低くなる状況でも道路面等の検出精度を高める。
【解決手段】センサ制御装置2は、現在位置を取得可能な車両Cに設置され、所定の領域へ光を照射する光源11及び照射した光の反射光を受光する受光素子17を有するライダ1を制御するセンサ制御装置2であって、地図情報21aを取得し、受光素子17の受光信号の受光レベルを調整する調整部22を備えている。そして、調整部22は、地図情報21aに基づいて、受光信号に対する受光レベルを調整する領域を定めている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置及び向きを取得可能な移動体に設置され、所定の領域へ光を照射する照射部及び照射した光の反射光を受光する受光部を有するセンサを制御するセンサ制御装置であって、
前記現在位置及び前記向きに対応する地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記受光部の受光信号の受光レベルを調整する調整部と、を備え、
前記調整部は、前記地図情報に基づいて、受光信号に対する受光レベルを調整する領域を定める、
ことを特徴とするセンサ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライダ(LiDAR:Light Detection And Ranging)等のセンサを制御するセンサ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)や自動運転等における、車両等の移動体の周囲の障害物や走行路面の検出のためのセンサとしてライダが用いられている。ライダは、例えば移動体前方にレーザ光を照射し、移動体前方に存在する物体からの反射光を受光することにより、移動体前方に存在する障害物等を検出するセンサである(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ライダは、照射したレーザ光の反射光を受光することで障害物等の対象物を検出する。そのため、道路上の障害物等はレーザ光の入射角が垂直に近くなるため、反射光のピークパワーが十分に得られるが、道路面自体の場合は、レーザ光の入射角が小さくなるため反射光のピークパワーが低くなる。そのため、道路面の検出は遠方なほど困難となる。
【0004】
そこで、特許文献2には、近傍に配置されたTOF画素GTの間のTOFのずれ量を補正し、複数のTOF画素GTからの受光信号を合成する手法により、測定対象物が路面の場合には、受光信号のピーク値同士が加算され、受光信号がさらに増大されることで、受光信号のS/N比をさらに高めることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-220479号公報
【特許文献2】特開2016-176750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載の方法の場合、受光素子として複数のTOF画素や複数の参照画素が必要である。したがって、例えばパルス光により所定の範囲を走査するように照射して、各パルス光の反射光を順次1つの受光素子で受光するように構成の場合には適用ができない。
【0007】
本発明が解決しようとする課題としては、反射光のピークパワーが低くなる状況でも道路面等の検出精度を高めることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、現在位置及び向きを取得可能な移動体に設置され、所定の領域へ光を照射する照射部及び照射した光の反射光を受光する受光部を有するセンサを制御するセンサ制御装置であって、前記現在位置及び前記向きに対応する地図情報を取得する地図情報取得部と、前記受光部の受光信号の受光レベルを調整する調整部と、を備え、前記調整部は、前記地図情報に基づいて、受光信号に対する受光レベルを調整する領域を定める、ことを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の発明は、現在位置及び向きを取得可能な移動体に設置され、所定の領域へ光を照射する照射部及び照射した光の反射光を受光する受光部を有するセンサを制御するセンサ制御装置で実行されるセンサ制御方法であって、前記現在位置及び前記向きに対応する地図情報を取得する地図情報取得工程と、前記受光部の受光信号の受光レベルを調整する調整工程と、を含み、前記調整工程は、前記地図情報に基づいて、受光信号に対する受光レベルを調整する領域を定める、ことを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のセンサ制御方法を、コンピュータにより実行させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施例にかかるセンサ制御装置とライダが車両に搭載されていることを示す説明図である。
【
図2】
図1に示されたライダの構成例を示す説明図である。
【
図3】
図1に示されたセンサ調整装置の機能構成図である。
【
図4】直進道路を走行中の車両のライダから進行方向の所定領域を走査した状態を示した説明図ある。
【
図5】
図3に示された調整部におけるセンサ制御方法のフローチャートである。
【
図6】道路がカーブしている場合のライダから進行方向の所定領域を走査した状態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態にかかるセンサ制御装置を説明する。本発明の一実施形態にかかるセンサ制御装置は、現在位置及び向きを取得可能な移動体に設置され、所定の領域へ光を照射する照射部及び照射した光の反射光を受光する受光部を有するセンサを制御するセンサ制御装置であって、現在位置及び向きに対応する地図情報を取得する地図情報取得部と、受光部の受光信号の受光レベルを調整する調整部と、を備えている。そして、調整部は、地図情報に基づいて、受光信号に対する受光レベルを調整する領域を定めている。このようにすることにより、地図情報に基づいて光を照射する所定の領域において道路に相当する領域は受光レベルを調整することが可能となる。したがって、道路面等の反射光のピークパワーが低くなる状況でも検出精度を高めることができる。
【0013】
また、調整部は、地図情報に基づいて、道路と推定される領域に対する受光信号の受光レベルを調整してもよい。このようにすることにより、光を照射する所定の領域において地図情報により道路と推定される領域は受光レベルを例えば上げるように調整することができる。つまり、実質的に道路と推定される領域の受光感度を上げることができるため、道路面等の検出精度を高めることができる。
【0014】
また、調整部は、地図情報に基づいて受光レベルを調整した領域の少なくとも一部について、受光部の受光量に基づき受光レベルを調整するようにしてもよい。このようにすることにより、例えば、道路と推定される領域について、他車両等が検出された場合には、その他車両等が検出された領域は受光レベルを下げて飽和しないように調整することができる。
【0015】
また、本発明の一実施形態にかかるセンサ制御方法は、現在位置及び向きを取得可能な移動体に設置され、所定の領域へ光を照射する照射部及び照射した光の反射光を受光する受光部を有するセンサを制御するセンサ制御装置で実行されるセンサ制御方法であって、現在位置及び向きに対応する地図情報を取得する地図情報取得工程と、受光部の受光信号の受光レベルを調整する調整工程と、を含んでいる。そして、調整工程は、地図情報に基づいて、受光信号に対する受光レベルを調整する領域を定めている。このようにすることにより、地図情報に基づいて光を照射する所定の領域において道路に相当する領域は受光レベルを調整することが可能となる。したがって、道路面等の反射光のピークパワーが低くなる状況でも検出精度を高めることができる。
【0016】
また、上述したセンサ制御方法を、コンピュータにより実行させてもよい。このようにすることにより、コンピュータを用いて、地図情報に基づいて光を照射する所定の領域において道路に相当する領域は受光レベルを調整することが可能となる。したがって、道路面等の反射光のピークパワーが低くなる状況でも検出精度を高めることができる。
【実施例0017】
本発明の一実施例にかかるセンサ制御装置を
図1~
図6を参照して説明する。センサ制御装置2は、
図1に示したように例えば移動体としての車両Cに搭載されている。センサ制御装置2は、車両Cに設置されたセンサとしてのライダ1の受光レベルを調整する。
【0018】
ライダ1は、
図1の破線で示した領域(所定の領域)へ光を照射し、その反射光を受光することで道路面Rや道路上の障害物等を検出する。ライダ1の構成を
図2に示す。
【0019】
ライダ1は、
図2に示したように、光源11と、コリメートレンズ12と、ビームスプリッタ13と、MEMSミラー14と、投受光レンズ15と、集光レンズ16と、受光素子17と、を備えている。
【0020】
照射部としての光源11は、例えばレーザダイオードで構成されている。光源11は、所定の波長のレーザ光をパルス状に発光(照射)する。
【0021】
コリメートレンズ12は、光源11から出射されたレーザ光を平行光束にする。ビームスプリッタ13は、コリメートレンズ12で平行光にされたレーザ光をMEMSミラー14へ出力し、MEMSミラー14で反射された入射光を集光レンズ16へ向けて反射する。
【0022】
MEMSミラー14は、ビームスプリッタ13から出射したレーザ光を対象物100が存在する領域へ向けて水平方向および垂直方向に走査する。ここで、対象物100は、
図1に示した道路面Rや不図示の障害物等を示す。また、MEMSミラー14は、対象物100で反射した光が投受光レンズ15に入射した入射光をビームスプリッタ13へ反射する。MEMSミラー14は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)により構成されたミラーであり、ミラーと一体的に形成されたアクチュエータ(不図示)によって駆動される。また、MEMSミラー14はガルバノミラーやポリゴンミラーなど他のビーム偏向手段でもよい。
【0023】
投受光レンズ15は、MEMSミラー14で反射されたレーザ光を対象物100が存在する領域へ照射(投光)する。また、投受光レンズ15には、対象物100で反射したレーザ光である反射光等が入射光として入射(受光)する。
【0024】
集光レンズ16は、ビームスプリッタ13と受光素子17との間に設けられ、ビームスプリッタ13で反射された反射光を受光素子17へ集光する。
【0025】
受光部としての受光素子17は、集光レンズ16で集光された反射光を受光する。受光素子17は、例えば1つ(単画素)のアバランシェフォトダイオード(APD)により構成されている。受光素子17は、受光した光の強度に応じたレベルとなる信号(受光信号)を出力する。
【0026】
ライダ1は、周知のように、レーザ光を間欠的に所定の領域を走査するように照射することで、走査領域における対象物100の状態を点群として取得することができる。
【0027】
図3にセンサ制御装置2の機能構成を示す。センサ制御装置2は、
図3に示したように、記憶装置21と、調整部22と、出力部23と、を備えている。
【0028】
記憶装置21は、例えば半導体メモリやハードディスク等の不揮発性記憶媒体で構成されている。記憶装置21は、地図情報21aが記憶されている。地図情報21は、例えば上述したライダ1で取得した点群に基づいて生成された三次元地図として構成されている。そして、地図情報21は、道路ネットワークや車線ネットワークの情報、道路のカーブの曲率や路面の傾斜角といった路面情報が含まれている。さらに地図情報21は、標識や信号機、ガードレール、道路標示、或いは建物といった地物の位置等の地物に関する情報も含まれている。また、地図情報21は、地物毎にBRDF(Bidirectional Reflectance Distribution Function:双方向反射率分布関数)等の物体の反射特性に関する情報を含んでもよい。
【0029】
調整部22は、記憶装置21に記憶されている地図情報21aに基づいて、ライダ1から調整部22に入力される受光信号の受光レベルを調整する。調整部22は、
図2に示したGPS受信機3から入力される現在位置情報に基づいて地図情報21aから取得すべき地域を特定する。調整部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等を有するマイクロコンピュータで構成されている。
【0030】
出力部23は、調整部22で調整された受光信号を、例えばADASや自動運転等の制御装置へ出力する。
【0031】
GPS受信機3は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波に基づいて車両Cの現在位置を検出する周知の機器である。また、GPS受信機3だけでなく、車両Cの向き等の姿勢を検出するジャイロセンサがセンサ制御装置2に接続されていてもよい。なお、車両Cの向きは、ジャイロセンサに限らずGPS受信機3で検出した現在位置の履歴に基づいて判定してもよい。
【0032】
次に、上述した構成のセンサ制御装置2におけるライダ1の受光信号の受光レベルの調整方法について
図4を参照して説明する。
図4は、例えば直進道路を走行中の車両Cのライダ1から進行方向の所定領域(検出領域)を走査した結果得られる車両前方の状態を示した図である。
図4に示したようにライダ1は、検出領域の略下側の中央部に道路面(道路)Rを検出し、その道路に沿って建てられている建物Bを検出する。また、検出領域の略上側には、反射光が検出されないことで道路面R上の空間Sとして検出される。
【0033】
ここで、建物Bは、ライダ1から照射されるレーザ光の入射角が垂直に近いので反射光のピークパワーは十分に得られるが、道路面Rの部分については、レーザ光の入射角が小さいので反射光のピークパワーが十分に得られない場合がある。
【0034】
そこで、地図情報21aを参照して、ライダ1のレーザ光の照射領域のうち、道路面Rの領域を推定し、道路面Rと推定された領域からの反射光に基づく受光信号の受光レベルを他の領域よりも上げるように調整する。具体的には、受光素子17が出力した受光信号に対するゲインを他の領域よりも上がるように増幅する。このようにすることにより、実質的に道路面Rと推定された領域について受光素子17の感度を他の領域よりも上げることができる。
【0035】
上述したセンサ制御装置2におけるライダ1の受光信号の受光レベルの調整方法(センサ制御方法)について
図5のフローチャートを参照して説明する。
図5のフローチャートは、調整部22で実行される。つまり、
図5のフローチャートを調整部22のCPUで実行するコンピュータプログラムとして構成することで、センサ制御プログラムとすることができる。
【0036】
まず、ステップS11において、車両Cの現在位置及び向き(進行方向)をGPS受信機3やジャイロセンサから取得する。
【0037】
次に、ステップS12において、ステップS11で取得した車両Cの現在位置及び向きに基づいて、地図情報21aを記憶装置21から取得する。つまり、車両Cの現在位置から進行方向の地域の地図情報を記憶装置21から読み出す。即ち、調整部22は、地図情報を取得する地図情報取得部として機能する。
【0038】
次に、ステップS13において、ステップS12で取得した地図情報に基づいて、ライダ1の検出領域から道路と推定される領域を把握する。つまり、
図4に示した道路面Rの領域を定める。
【0039】
次に、ステップS14において、ステップS13で把握した道路と推定される領域について受光レベルを調整する。具体的には上述したように受光レベルを他の領域よりも上がるようにゲインを変更する。道路と推定される領域以外の領域については受光レベルの変更をしない(ゲインの変更なし)。即ち、調整部13は、地図情報に基づいて受光部の受光信号の受光レベルを調整する調整部として機能する。
【0040】
次に、ステップS15において、ステップS14で調整した受光レベルで反射光を受光する。勿論受光レベルを調整しない領域(例えば建物B等)は調整されない受光レベル(デフォルト値)で受光する。
【0041】
次に、ステップS16において、ステップS15で受光した受光レベルのうち、ステップS14で調整した領域の受光レベルが所定の閾値以上であったか否かを判断し、所定の閾値以上であった場合(YESの場合)は、ステップS17において、検出領域において、所定の閾値以上であった受光レベルが観測された部分について、受光レベルを調整する。この調整とは、受光レベルを下げるようにする。具体的には、受光素子17が出力した受光信号に対してゲインを下げるように調整する。このゲインを下げる量は、予め定めた所定値だけ下げるようにしてもよいし、ゲインを上げる前の値に戻すようにしてもよい。また、所定の閾値は、受光レベルが飽和しない範囲(例えば飽和直前等)で適宜定めればよい。
【0042】
このステップS17を実行するケースとしては、例えば、道路面Rの領域についてレーザ光を照射したところ、他車両等の障害物が検出された場合等が該当する。このような場合、障害物等は上述したように入射角が垂直に近く、反射光のピークパワーも十分に得られるため、ゲインを上げる必要が無い。そこで、検出領域において、所定の閾値以上の受光レベルを検出した部分についてはゲインを下げるように調整する。
【0043】
一方、ステップS16において、所定の閾値未満であった場合(NOの場合)は、ステップS17は実行せずにステップS11に戻る。
【0044】
以上の説明から明らかなように、ステップS11が地図情報取得工程、ステップS14が調整工程として機能する。
【0045】
なお、上述したフローチャートは、ステップS17の実行後には再びステップS11に戻る。したがって、ステップS11に戻った場合は、車両Cの現在位置及び向き(進行方向)に基づいて再度地図情報21aを取得し(ステップS11、S12)、再度取得した地図情報21aに基づいて受光レベルが調整される(ステップS13、S14)。
【0046】
具体例を示すと、車両Cが
図5のフローチャートを実行しながら走行しているときに地図情報からこの先の道路がカーブしていたことが判明したとする。この場合、
図6に示したように、道路面Rの領域が
図4の状態から変化し、
図4では道路面Rと推定される領域が
図6では建物Bとなることがある。このような場合は、建物Bとなった領域のゲインを道路面Rと推定された場合のゲインのままとすると、受光レベルが上がり過ぎで飽和するおそれがある。そのため、道路面Rから建物Bとなる領域は受光レベルを下げるようにゲインを調整する。また、新たに道路面Rと推定される領域は、受光レベルを上げるようにゲインを調整する。そして、引き続き道路面Rと推定される領域の受光レベルは変えない(ゲインの調整なし)。即ち、調整部22は、地図情報21aに基づいて受光レベルを調整した(上げた)領域の少なくとも一部について受光部の受光量に基づき受光レベルを調整している(受光レベルを下げている)。
【0047】
本実施例によれば、センサ制御装置2は、現在位置を取得可能な車両Cに設置され、所定の領域へ光を照射する光源11及び照射した光の反射光を受光する受光素子17を有するライダ1を制御するセンサ制御装置2であって、地図情報21aを取得し、受光素子17の受光信号の受光レベルを調整する調整部22を備えている。そして、調整部22は、地図情報21aに基づいて、受光信号に対する受光レベルを調整する領域を定めている。このようにすることにより、地図情報21aに基づいて光を照射する所定の領域において道路に相当する領域は受光レベルを調整することが可能となる。したがって、道路面等の反射光のピークパワーが低くなる状況でも検出精度を高めることができる。
【0048】
また、調整部22は、地図情報21aに基づいて、道路と推定される領域に対する受光信号の受光レベルを調整している。このようにすることにより、光を照射する所定の領域において地図情報21aにより道路と推定される領域は受光レベルを例えば上げるように調整することができる。つまり、実質的に道路と推定される領域の受光感度を上げることができるため、道路面等の検出精度を高めることができる。
【0049】
また、調整部22は、地図情報21aに基づいて受光レベルを調整した領域の少なくとも一部について、受光素子17の受光量に基づき受光レベルを調整している。このようにすることにより、例えば、道路面Rと推定される領域について、他車両等が検出された場合には、その他車両が検出された領域は受光レベルが飽和してしまうことがあるため、受光レベルを下げて飽和しないように調整することができる。
【0050】
なお、上述した実施例では、地図情報21aは、センサ制御装置2の記憶装置21に記憶されていたが、例えば外部サーバ等から通信により必要に応じてダウンロードするようにしてもよい。外部サーバを利用することにより、センサ制御装置2では走行に必要な地域のみの地図情報21aを記憶するようにすれば良く、記憶装置21の記憶容量を削減することができる。
【0051】
また、上述した実施例では、ライダ1とセンサ制御装置2は別体に構成されているものとして説明したが、一体的に構成されていてもよい。
【0052】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のセンサ制御装置を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。