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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182856
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0258 20160101AFI20231219BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20231219BHJP
   H01M 8/04302 20160101ALI20231219BHJP
   H01M 8/2483 20160101ALI20231219BHJP
【FI】
H01M8/0258
H01M8/04 J
H01M8/04302
H01M8/2483
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023184957
(22)【出願日】2023-10-27
(62)【分割の表示】P 2020071195の分割
【原出願日】2020-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】根岸 史幸
(57)【要約】
【課題】燃料電池起動時のカソード触媒層の部分的な劣化進行を抑える。
【解決手段】燃料電池スタックの複数のセルを貫く第1から第3のマニホールドが形成され、第1マニホールドの上流には燃料ガスタンクが接続され、第1マニホールドの下流には燃料ガス排出口が接続され、第2マニホールドの下流には燃料ガス排出口が接続され、第3マニホールドの上流には燃料ガスタンクが接続され、各セルのセパレータ32は、第1及び第2のマニホールドの一部をそれぞれ構成する第1及び第2の開口部A1、A2と、第1及び第2の開口部を接続し、流路長の異なる複数の燃料ガス流路C1~C6と、第3マニホールドの一部を構成する第3開口部A3と、第3開口部に対し、複数の燃料ガス流路の各々における途中部分を、流路長が長い順に接続する接続流路C7とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池スタックと燃料ガスタンクとを備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池スタックは積み重ねられた複数のセルを有し、前記複数のセルを貫くように第1マニホールドと第2マニホールドと第3マニホールドとが形成され、
前記第1マニホールドの上流には前記燃料ガスタンクが接続され、
前記第1マニホールドの下流には燃料ガス排出口が接続され、
前記第2マニホールドの下流には前記燃料ガス排出口が接続され、
前記第3マニホールドの上流には前記燃料ガスタンクが接続され、
前記複数のセルの各々は、アノード側のセパレータを有し、
前記セパレータは、
前記第1マニホールドの一部を構成する第1開口部と、
前記第2マニホールドの一部を構成する第2開口部と、
前記第1開口部と前記第2開口部とを接続し、流路長の異なる複数の燃料ガス流路と、
前記第3マニホールドの一部を構成する第3開口部と、
前記第3開口部に対し、前記複数の燃料ガス流路の各々における途中部分を、流路長が長い順に接続する接続流路と
を備える、
燃料電池システム。
【請求項2】
前記燃料電池システムの起動時において、前記第3開口部から前記燃料ガス流路を経て前記第1開口部又は前記第2開口部へと燃料ガスが流れる、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記第1マニホールドの上流には第1バルブを通して前記燃料ガスタンクが接続され、
前記第1マニホールドの下流には第2バルブを通して燃料ガス排出口が接続され、
前記第2マニホールドの下流には第3バルブを通して前記燃料ガス排出口が接続され、
前記第3マニホールドの上流には第4バルブを通して前記燃料ガスタンクが接続され、
前記燃料電池システムの起動時においては、前記第1バルブが閉められ、前記第2バルブと前記第3バルブと前記第4バルブとが開けられる、
請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記接続流路は、前記第3開口部に近い側にある第1端部と、前記第3開口部から離れた側にある第2端部とを有し、前記第1端部の断面積は前記第2端部の断面積よりも大きい、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記接続流路における前記複数の燃料ガス流路との連通部位が、前記接続流路の長さ方向視において部分的にオーバーラップしている、請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記接続流路は前記複数の燃料ガス流路の各々を接続する度に断面積が減少し、
前記第3開口部から前記第1開口部までの圧力損失と前記第3開口部から前記第2開口部までの圧力損失とが前記複数の燃料ガス流路間で略同じである、
請求項4又は5に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、燃料極と空気極とで電解質層を挟持した燃料電池本体を有する燃料電池発電装置が記載されている。この燃料電池発電装置は、燃料極に面して形成され燃料ガスを供給する燃料ガス流路と、燃料ガス流路の途中に接続され燃料ガス流路内のガスを排出する排出用配管とを備え、起動時に燃料ガス流路の入口と出口の双方から燃料ガスが導入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-258036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池における一対のセパレータのアノードセパレータに、複数の燃料ガス流路と、これらの流路の途中部分と接続する開口部とを設けた場合に、カソード触媒層において燃料電池起動時に劣化が部分的に進行する可能性がある。本発明はかかる劣化の部分的な進行を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る燃料電池システムは燃料電池スタックと燃料ガスタンクとを備え、前記燃料電池スタックは積み重ねられた複数のセルを有し、前記複数のセルを貫くように第1マニホールドと第2マニホールドと第3マニホールドとが形成され、前記第1マニホールドの上流には前記燃料ガスタンクが接続され、前記第1マニホールドの下流には燃料ガス排出口が接続され、前記第2マニホールドの下流には前記燃料ガス排出口が接続され、前記第3マニホールドの上流には前記燃料ガスタンクが接続される。前記複数のセルの各々は、アノード側のセパレータを有し、前記セパレータは、前記第1マニホールドの一部を構成する第1開口部と、前記第2マニホールドの一部を構成する第2開口部と、前記第1開口部と前記第2開口部とを接続し、流路長の異なる複数の燃料ガス流路と、前記第3マニホールドの一部を構成する第3開口部と、前記第3開口部に対し、前記複数の燃料ガス流路の各々における途中部分を、流路長が長い順に接続する接続流路とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、燃料電池における一対のセパレータのアノードセパレータに、複数の燃料ガス流路と、これらの流路の途中部分と接続する開口部とを設けた場合に、カソード触媒層における燃料電池起動時の劣化の部分的な進行を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】燃料電池システムの説明図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3】セパレータの平面図である。
図4図3の部分拡大図である。
図5】セルの断面図である。
図6】比較例となるセパレータの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
【0009】
図1及び図2に示すように、燃料電池システム1は、水素タンク2と、燃料電池スタック3と、水素希釈ボックス4とを備えている。水素タンク2内の水素は燃料電池スタック3に供給され、燃料電池スタック3から排出された水素は水素希釈ボックス4にて希釈されたのち燃料電池システム1の外部に排出される。
【0010】
燃料電池スタック3は、複数のセル31を備えている。セル31は板状部材であり、その長辺方向をX軸方向とし、短辺方向をY軸方向とし、厚さ方向をZ軸方向とする。燃料電池スタック3において、複数のセル31はZ軸方向に積み重ねられている。
【0011】
燃料電池スタック3には、複数のセル31をZ軸方向に貫くように、第1マニホールドM1と第2マニホールドM2と第3マニホールドM3とが形成されている。第1マニホールドM1及び第2マニホールドM2は、燃料電池スタック3のX軸方向に向かい合う2つの短辺のうち、一方の短辺付近においてY軸方向に並ぶように設けられており、第3マニホールドM3は他方の短辺付近に設けられている。
【0012】
第1マニホールドM1の上流側端部には、配管及び第1バルブV1を通して水素タンク2が接続される。第1マニホールドM1の下流側端部には、配管及び第2バルブV2を通して水素希釈ボックス4が接続される。このように第1マニホールドM1は、燃料ガスである水素の供給及び排出のためのマニホールドである。
【0013】
第2マニホールドM2の上流側端部は閉塞されている。第2マニホールドM2の下流側端部には、配管及び第3バルブV3を通して水素希釈ボックス4が接続される。このように第2マニホールドM2は、水素排出のためのマニホールドである。
【0014】
第3マニホールドM3の上流側端部には、配管及び第4バルブV4を通して水素タンク2が接続される。第3マニホールドM3の下流側端部は閉塞されている。このように第3マニホールドM3は、水素供給のためのマニホールドである。
【0015】
図3に、セル31が備えている一対のセパレータのうち、アノード側のセパレータ32を示す。セパレータ32には、Z軸方向に貫くように第1開口部A1と第2開口部A2と第3開口部A3と形成されている。第1開口部A1は第1マニホールドM1の一部を構成し、第2開口部A2は第2マニホールドM2の一部を構成し、第3開口部A3は第3マニホールドM3の一部を構成している。
【0016】
セパレータ32において、第1開口部A1と第2開口部A2とを接続するように、燃料ガスが流れる溝、すなわち燃料ガス流路が6本、形成されている。これらの燃料ガス流路は、互いに交わらないように並行し、かつZ軸方向視において略U字状となるように形成されている。これらの6本の燃料ガス流路(単に「流路」とも呼ぶ)を区別するために、内側から外側へ向かって順に、第1流路C1、第2流路C2、第3流路C3、第4流路C4、第5流路C5、第6流路C6と呼ぶ。第1流路C1から第6流路C6は、この順に流路長が長い。6本の流路C1~C6の断面積は略同じである。
【0017】
Z軸方向視において略U字状に形成されている6本の流路は、サーペンタイン型(蛇行型)の流路の一種である。なお、6本という流路の本数は一例に過ぎず、流路の本数は複数であればよい。
【0018】
セパレータ32にはさらに、第3開口部A3に対し、6本の流路C1~C6の各々における途中部分を、流路長が長い順に接続する接続流路C7が形成されている。すなわち、接続流路C7は、第3開口部A3から離れるにつれ、第6流路C6、第5流路C5、第4流路C4、第3流路C3、第2流路C2、第1流路C1の順に、6本の流路を第3開口部A3に対して接続する。
【0019】
図3の破線部分の拡大図である図4に示すように、接続流路C7の断面積は部位によって異なり、6本の流路の各々を第3開口部A3に接続する度に断面積が減少するように形成されている。すなわち、次式が成り立つ。
>S>S>S>S>S (1)
ただし、以下の通りである。
: 第3開口部A3と、第6流路C6との連通部位との間の部位C76の断面積
: 第6流路C6との連通部位と、第5流路C5との連通部位との間の部位C75の断面積
: 第5流路C5との連通部位と、第4流路C4との連通部位との間の部位C74の断面積
: 第4流路C4との連通部位と、第3流路C3との連通部位との間の部位C73の断面積
: 第3流路C3との連通部位と、第2流路C2との連通部位との間の部位C72の断面積
: 第2流路C2との連通部位と、第1流路C1との連通部位との間の部位C71の断面積
【0020】
図5に示すように、セル31は、上述のアノード側のセパレータ32に加えて、カソード側のセパレータ33と、アノード側のガス拡散層(GDL)34と、カソード側のガス拡散層35と、膜・電極接合体(MEA)36とを備えている。膜・電極接合体36はガス拡散層34及び35により挟持され、ガス拡散層34及び35並びに膜・電極接合体36はセパレータ32及び33により挟持されている。膜・電極接合体(MEA)36は、アノード触媒層37と、カソード触媒層38と、両触媒層に挟まれた電解質膜39とを備えている。
【0021】
以上のような燃料電池システム1の動作について説明する。燃料電池システム1の起動前は、全てのバルブV1~V4が閉められていることを前提とする。そして、燃料電池システム1の起動時には、第2バルブV2と第3バルブV3と第4バルブV4とが開けられる。
【0022】
これにより、水素タンク2内の水素ガスは、第4バルブV4を経て第3マニホールドM3に流れる。第3マニホールドM3に流れ込んだ水素ガスは、セパレータ32の第3開口部A3、第7流路C7へと順に流れる。第7流路C7の水素ガスはさらに、6本の流路C1~C6を経て、第1開口部A1又は第2開口部A2へ流れる。
【0023】
第1開口部A1へ流れ込んだ水素ガスは、さらに第1マニホールドM1及び第2バルブV2を経て、水素希釈ボックス4へと流れる。第2開口部A2へ流れ込んだガスは、さらに第2マニホールドM2及び第3バルブV3を経て、水素希釈ボックス4へと流れる。水素ガスは、水素希釈ボックス4において希釈されたのち燃料電池システム1の外部に排出される。
【0024】
このようにして、各セル31のセパレータ32の燃料ガス流路C1~C6及び接続流路C7が水素ガスで満たされると、燃料電池システム1の起動が完了する。燃料電池システム1の起動後においては、第1バルブV1が開けられ、第2バルブV2及び第4バルブV4が閉められる。第3バルブV3は開けられたままである。
【0025】
これにより、水素タンク2内の水素ガスは、第1バルブV1を経て第1マニホールドM1に流れる。第1マニホールドM1に流れ込んだ水素ガスは、セパレータ32の第1開口部A1及び6本の流路C1~C6を経て第2開口部A2へと流れる。第2開口部A2へ流れ込んだガスは、第2マニホールドM2及び第3バルブV3を経て、水素希釈ボックス4において希釈されたのち、燃料電池システム1の外部に排出される。
【0026】
かかる燃料電池システム1においては、各セル31における一対のセパレータ32及び33のうち、一方のセパレータ32に、6本の燃料ガス流路C1~C6と、第3開口部A3と、第3開口部に対して6本の燃料ガス流路を接続する接続流路C7が設けられている。式(1)が成り立っていることにより、システム起動時においてセパレータ32の水素入口となる第3開口部A3から、水素出口となる第1開口部A1及び第2開口部A2までの圧力損失が6本の流路間で略同じとなる。そのため、カソード触媒層38における第1開口部A1及び第2開口部A2の近傍部の、燃料電池システム起動時の劣化の部分的な進行を抑えることができる。
【0027】
一般に、燃料電池システムの起動時において、カソード触媒層に用いられているカーボン材の劣化が進行することが知られている。具体的には、各セルに使われている電解質膜は、カソード側の空気とアノード側の水素を遮断しているものの、微量の気体を透過させてしまう性質がある。システム停止時(すなわち水素ガスの供給停止時)にアノード側(水素極側)のバルブとカソード側(酸素極側)のバルブが閉められるが、水素極にある水素が電解質膜を透過して酸素極側に流れ込み、同時に酸素極の空気が水素極側に流れ込む。実験では、水素供給停止後、40分程度で水素極が空気で満たされることがわかっている。この状態でシステムを起動すると、水素極に水素が供給されて、水素極に、システム停止後に流れ込んだ空気中の酸素と供給された水素との界面が出来る。この界面が存在することによって、酸素極にある白金担持カーボン材の劣化が進行する。また、この劣化は、水素流れ方向の下流側で生じることがわかっている。
【0028】
白金担持カーボン材の劣化とは、具体的には、白金を担持しているカーボンが酸化して二酸化炭素になることである。カーボンが酸化すると白金は担持されなくなり、白金が膜の中へ移動することなどにより発電に有効な白金が減って、出力が低下する。
【0029】
図3に示したアノード側セパレータ32の比較例となるアノード側セパレータ321を図6に示す。セパレータ321には、第1開口部A11と第2開口部A12と第3開口部A13とが設けられている。また、第1開口部A11と第2開口部A12とを接続する第1流路C11ないし第6流路C16が設けられている。さらに、第3開口部A13に対し、6本の流路C11~C16の各々における途中部分を、流路長が長い順に接続する接続流路C17が形成されている。この接続流路C17は、図3の接続流路C7とは異なり、断面積が部位にかかわらず一定である。
【0030】
このようなセパレータ321において、第3開口部A13を水素入口とし、第1開口部A11及び第2開口部A12を水素出口とすることについて検討する。略U字状の6本の流路は、内側から外側に向かって、つまり流路C11から流路C16の順に流路長が長い。流路長が長いほど、当該流路における圧力損失が大きくなり、水素ガスの流れ(すなわち水素と酸素との界面の移動速度)が遅くなる。その結果、流路長が長いほど、水素出口にあたる開口部A11及びA12近辺の流路の部位に対峙するカソード触媒層38の第1開口部A1及び第2開口部A2の近傍部の劣化が進行する。つまり、劣化が部分的に進んでしまうという問題がある。
【0031】
これに対し、図1から図5を参照して説明した実施形態においては、断面積に関して上記式(1)が成り立つように接続流路C7が設けられている。つまり、流路長が長いほど、その流路を第3開口部に接続する接続流路の断面積が段階的に増加するため、各流路の圧力損失が略同じになる。その結果、流路長に応じた部分的な劣化進行を抑えることができる。
【0032】
[その他]
水素希釈ボックス4の有無にかかわらず、第2バルブV2及び第3バルブV3の下流側に、燃料電池システム4の外部へ水素を排出するための排出口が設けられていればよい。
【0033】
流路の形状は略U字状に限られず、サーペンタイン型(蛇行型)であればよい。
【0034】
接続流路C7は、第3開口部A3に対し、6本の流路C1~C6の各々における中点部分を接続するように形成することができる。6本の流路C1~C6の各々において、中点部分から第1開口部A1までの流路長と、中点部分から第2開口部A2までの流路長とは等しい。これにより、第3開口部A3から第1開口部A1までの流路長と第3開口部A3から第2開口部までの流路長とに比較的大きな差がある場合に比べて短時間で、6本の流路C1~C6の全体を水素で満たすことができる。
【0035】
燃料電池システムの燃料ガスは水素以外のガスでもよい。
【0036】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 燃料電池システム
2 水素タンク
3 燃料電池スタック
31 セル
32 セパレータ
4 水素希釈ボックス
M1~M3 マニホールド
V1~V4 バルブ
A1~A3 開口部
C1~C6 流路
C7 接続流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6