(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182859
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】施術用ベッド
(51)【国際特許分類】
A47C 20/08 20060101AFI20231220BHJP
A47C 23/34 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
A47C20/08 Z
A47C23/34
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176382
(22)【出願日】2020-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】520411984
【氏名又は名称】吉田 敬
(71)【出願人】
【識別番号】520410688
【氏名又は名称】跡地 源太
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 敬
(72)【発明者】
【氏名】跡地 源太
(57)【要約】 (修正有)
【課題】被施術者が快適に施術を受けることができるベッドを提供する。
【解決手段】マッサージや医療行為等の施術の際に用いられる施術ベッドであって、ベッド本体1を備え、ベッド本体1は、被施術者が横たわる施術面11と、可動部12と、を有し、可動部12は、施術面11の一部である可動部本体と、可動部本体を上下往復運動させる制御部と、を含むベッドである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ等の施術に用いられるベッドであって、
ベッド本体を備え、
前記ベッド本体は、被施術者が横たわる施術面と、可動部と、を有し、
前記可動部は、前記施術面の一部である可動部本体と、可動部本体を上下往復運動させる制御部と、を含むベッド。
【請求項2】
前記可動部は、前記被施術者が前記施術面に横たわった際に、前記被施術者の胸部に位置する、請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記可動部は、前記制御部の上下運動可能な範囲のうち、任意の位置で停止可能に構成される、請求項1又は2に記載のベッド。
【請求項4】
前記制御部は、上下運動するジャッキを含む、請求項1~3の何れかに記載のベッド。
【請求項5】
前記ベッド本体は、頭部載置部を有し
前記頭部載置部は、前記被施術者の頭部を載置する頭部載置部本体と、前記頭部載置部本体の位置調整を行う位置調整機構と、を含む、請求項1~4の何れかに記載のベッド。
【請求項6】
前記頭部載置部本体と、前記施術面との間には、空隙部が設けられている、請求項5に記載のベッド。
【請求項7】
前記位置調整機構には、前記頭部載置部本体を前記施術面に向かって回転させる回転動作部が設けられ、
前記頭部載置部本体は、前記施術面に向かって回転することで、前記空隙部に格納される、請求項6に記載のベッド。
【請求項8】
前記位置調整機構には、前記頭部載置部本体を前記施術面の面方向に沿って摺動させるスライド動作部が設けられている、請求項5~7の何れかに記載のベッド。
【請求項9】
前記頭部載置部本体には、被施術者の頭部を篏合して固定する凹部が設けられている、請求項5~8の何れかに記載のベッド。
【請求項10】
前記ベッドは、前記ベッド本体を振動させる振動モーターを含む、請求項5~9の何れかに記載のベッド。
【請求項11】
前記ベッド本体は、前記ベッド本体に横たわった前記被施術者の身体の情報を測定する身体情報測定部を有する、請求項1~10の何れかに記載のベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージや医療行為等の施術の際に用いられるベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
人間の身体の腹側には、胸部や腹部があり、例えば妊婦などは、胸部や腹部が周辺の部位に比べて大きく膨らんだ凸部を有する。
【0003】
一方で、マッサージや医療行為等の施術を行う際には、施術者は、被施術者をベッドの上に腹ばいに横たわらせる。
【0004】
このとき、被施術者が腹側に凸部を有していた場合、身体の重さが凸部に集中してかかるため、凸部において身体が受ける圧力が高まり、被施術者はその圧迫感から苦痛を感じるようになる。
【0005】
このような問題を踏まえ、例えば特許文献1には、被施術者の凸部と当接する部位を軟質素材で構成し、凸部における圧迫感を抑えた施術に用いられるベッドが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように、凸部と当接する部位の素材を変更しただけのベッドでは、特に凸部が大きい被施術者には、未だ圧迫感が感じられるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑み、被施術者が快適に施術を受けることができるベッドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明は、ベッド本体を備え、前記ベッド本体は、被施術者が横たわる施術面と、可動部と、を有し、前記可動部は、前記施術面の一部である可動部本体と、可動部本体を上下往復運動させる制御部と、を含むベッドである。
【0010】
このような構成にすることによって、被施術者の凸部の大きさに合わせて可動部本体を移動させることができるため、被施術者は快適に施術を受けることができるようになる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記可動部は、前記被施術者が前記施術面に横たわった際に、前記被施術者の胸部に位置する。
【0012】
このような構成にすることによって、被施術者の凸部のうち、特に胸部の圧迫感を軽減することができるようになり、例えば、被施術者が胸の大きな女性である場合、被施術者に対する施術時の不快感を軽減させることができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記可動部は、前記制御部の上下運動可能な範囲のうち、任意の位置で固定可能に構成される。
【0014】
このように構成することによって、可動部を、被施術者の凸部に当接される位置において固定し、凸部において身体にかかる荷重を分散できるようになる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記制御部は、上下運動するジャッキを含む。
【0016】
このような構成にすることによって、可動部本体を簡易な構造で上下往復運動させることができるようになる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記ベッド本体は、頭部載置部を有し、前記頭部載置部は、前記被施術者の頭部を載置する頭部載置部本体と、前記頭部載置部本体を操作する位置調整機構と、を含む。
【0018】
このような構成にすることによって、被施術者の身体のみならず、頭部も載置することができるようになる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記頭部載置部本体と、前記施術面との間には、空隙部が設けられている。
【0020】
このような構成にすることによって、被施術者は、腹ばいになっていても容易に呼吸することができるようになる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記位置調整機構には、前記頭部載置部本体を前記施術面に向かって回転させる回転動作部が設けられ、前記頭部載置部本体は、前記施術面に向かって回転することで、前記空隙部に格納される。
【0022】
このような構成にすることによって、被施術者はあおむけの状態においても快適に施術を受けることができるようになる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記位置調整機構には、前記頭部載置部本体を前記施術面の面方向に沿って摺動させるスライド動作部が設けられている。
【0024】
このような構成にすることによって、被施術者の体型の違いによらず容易に呼吸できるように頭部を載置することができるようになる。
【0025】
本発明の好ましい形態では、前記頭部載置部本体には、前記被施術者の頭部を篏合して固定する凹部が設けられている。
【0026】
このような構成にすることによって、被施術者は自身の頭部を前記頭部載置部に預け、安心して施術を受けることができるようになる。
【0027】
本発明の好ましい形態では、前記ベッドは、前記ベッド本体を振動させる振動モーターを含む。
【0028】
このような構成にすることによって、被施術者は身体を振動させることでより快適に施術を受けられるようになる。
【0029】
本発明の好ましい形態では、前記ベッド本体は、前記ベッド本体に横たわった前記被施術者の身体の情報を測定する身体情報測定部を有する。
【0030】
このような構成にすることによって、被施術者は施術を行いつつ、体重などの情報を把握し、健康管理を行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0031】
以上の構成によって、被施術者が快適に施術を受けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る、ベッド本体の非使用時の斜視図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態に係る、ベッド本体の使用時の斜視図である。
【
図3】本発明の第一の実施形態に係る、制御部の説明図である。
【
図4】本発明の第一の実施形態に係る、頭部載置部の説明図である。
【
図5】本発明の第一の実施形態に係る、頭部載置部の説明図である。
【
図6】本発明の第二の実施形態に係る、制御部の説明図である。
【
図7】本発明の第三の実施形態に係る、制御部の説明図である。
【
図8】本発明の第四の実施形態に係る、ベッド本体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態に係るベッドについて説明を行う。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。
また、これらの図において、符号1はベッド本体を表している。
【0034】
《第一の実施形態》
以下、
図1~
図5を用いて、本発明の第一の実施形態に係るベッドについて説明を行う。
【0035】
図1は、本発明が操作されていない状態を表す斜視図である。すなわち、後述する可動部12およびレバー14が操作されていない状態にある。
また、
図2は、本発明が操作された後の状態を表す斜視図であり、後述する可動部12およびレバー14が操作された状態にある。
【0036】
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係るベッドは、ベッド本体1と、ベッド本体1を支持する支持部2と、を備える。
ベッド本体1は、被施術者を載置可能な大きさをもつ、略直方体型の部材である。
また、支持部2は、ベッド本体1の各頂点の付近から下方に向かって延びる棒状の部材であり、ベッド本体1を中空に支持し、施術者の作業性を向上させる。
【0037】
ベッド本体1は、被施術者を載せ置く施術面11と、可動部12と、可動部12を操作する操作部Dと、頭部載置部13と、頭部載置部13を操作するレバー14と、を有する。
施術面11は、被施術者が快適に横たわることができるように、クッション等の柔らかい素材で構成することが好ましい。
【0038】
また、
図2の状態において、施術面11と、頭部載置部13と、の間には、何も設けられていない空間である空隙部Vがある。
【0039】
図3は、本実施形態に係る可動部12の説明図である。
図3(a)および
図3(b)は、ベッド本体1の可動部12を、短辺方向において切断した断面図を表しており、
図3(a)は可動部12が動作していない状態を表し、
図3(b)は可動部12が動作して、後述する可動部本体121が下降したときの状態を表している。
また、
図3(c)は、後述するレール部J7の断面を表す説明図である。
【0040】
可動部12は、施術面11の一部である可動部本体121と、可動部本体121を上下往復運動させる制御部122と、可動部本体121が載せ置かれ、制御部122の上に設けられる、上下方向に移動可能なブラケット板123と、可動部12の底面において制御部122を支持する底板124と、底板124に連接し、底板124に垂直に設けられた側面板125と、を含む。
なお、可動部本体121は、施術面11と同様に柔らかい素材で構成することが好ましい。
また、ブラケット板123は可動部本体121が載せ置かれても変形しない程度の剛性を有し、底板124は、制御部122が載せ置かれても変形しない程度の剛性を有することが望ましい。
【0041】
本実施形態においては、制御部122は、ジャッキ機構Jとして構成されており、ジャッキ機構Jは、略同一の長さを持つ4本の棒状のフレーム部材J1を有する。
フレーム部材J1は、ブラケット板123と、上面接続部J2を介して回転可能に接続される2本の上フレームJ11と、底板124と、下面接続部を介して回転可能に接続される2本の下フレームJ12と、を含む。
上フレームJ11と、下フレームJ12と、は、それぞれ結節部J4に回転可能に接続され、これによりジャッキ機構Jは略ひし形の変形可能な部材となる。
【0042】
さらに、ジャッキ機構Jには、長ネジ様の部材である調整ネジJ5が設けられ、2つの結節部J4を同時に貫通し螺着するように取り付けられる。
また、調整ネジJ5の一端には結節部J4に当接する、調整ネジJ5よりも太い止め具J51を有し、調整ネジJ5を回転させることによって、結節部J4を押圧し、二つの結節部J4間の距離を調整することができるように構成されている。
また、調整ネジJ5の他端には、調整ネジJ5を電動で回転させるモーターJ6がレール部J7上に設けられている。
なお、ジャッキ機構Jは可動部12一つにつき2つ以上取り付けることもできる。
【0043】
モーターJ6は、調整ネジJ5に接続して回転させるモーター本体J61と、モーター本体J61に電力を供給する電力供給部J62と、レール部J7上を摺動する摺動部J63と、によって構成されている。
【0044】
電力供給部J62は、モーターJ6が摺動可能な範囲内で変形可能な長さを有する導線によって形成されており、通電状態が操作部Dにより操作され、モーター本体J61を自由な位置で静止させることができる。
【0045】
また、摺動部J63は略円柱形状で、その軸を中心に回転可能な部材であって、ベアリングであることが好ましい。
【0046】
レール部J7は、底板124から側面板125へかけて、ジャッキ機構Jの上下往復運動に合わせてモーターJ6が移動する線上に斜めに設けられている。
【0047】
また、レール部J7は、凹状のレール上部J71と、凹状のレール下部J72と、によって構成されており、摺動部J63は、
図3(c)に示すようにレール上部J71と、レール下部J72と、によって挟み込まれるように設けられている。
このように構成することによって、モーターJ6の回転方向によらず、モーターJ6自身の回転を抑えて調整ネジJ5を回転させることができるようになる。
【0048】
なお、レール部J7は、底板124から突設して設けられたレール支持部J73が設けられている。
【0049】
図4および
図5は、頭部載置部13の構造について説明する斜視図であり、頭部載置部13がレバー14によって制御される様子を表している。
なお、
図4(a)は
図1と対応し、レバー14を操作していない状態を表しており、
図4(b)は
図2と対応し、レバー14を操作した後の状態を表している。また、
図5は、
図4(b)を操作した後に頭部載置部13の位置を調整する方法について表している。
【0050】
頭部載置部13は、実際に被施術者の頭部を乗せる頭部載置部本体131と、頭部載置部本体131の位置調整を行う位置調整機構Lと、により構成される。
また、頭部載置部本体131は、被施術者の頭部を篏合して固定する凹部131aが設けられており、頭部載置部13の内部には、頭部載置部本体131を振動させる振動モーターが設けられている。
【0051】
位置調整機構Lは、上下動作部L1と、回転動作部L2と、スライド動作部L3と、により構成されている。
【0052】
上下動作部L1は、レバー14に接続され、レバー14の操作に応じて回転するI字金具L11と、I字金具L11が有する長穴上に貫入して接続され、上下方向のみに動作するように固定された上下部材L12と、によって構成されている。
このような構成にすることによって、レバー14を回動操作することによって上下部材L12を上下に動作させることができる。
【0053】
回転動作部L2は、L字状の支持金具L21と、側面板125に設けられた、後述する平行長穴L24bと略同一形状の穴に貫入されることによって上下方向の位置が固定された固定ピンL22と、頭部載置部本体131と、支持金具L21と、を回転可能に接続する、支持金具L21の端部に設けられたヒンジ部L23と、内部にL字状の長穴が設けられた誘導金具L24と、を有する。
【0054】
また、誘導金具L24に設けられるL字状の長穴は、後述する支持金具L21が摺動する方向に垂直な垂直長穴L24aと、垂直長穴L24aの上端部に設けられ、支持金具L21が摺動する方向に平行な平行長穴L24bと、によって構成され、その直角部分はヒンジ部L23がある向きに向けられている。
【0055】
さらに、
図4(a)および
図4(b)の状態において、固定ピンL22は、誘導金具L24の垂直長穴L24aに貫入された状態で固定されている。
【0056】
ヒンジ部L23は、丸棒状の部材であるヒンジ軸L23aと、ヒンジ軸L23aを篏合し、支持金具L21と結合して設けられた支持平板L23bと、ヒンジ軸L23aと一体に構成され、頭部載置部本体131と結合して設けられた載置平板L23cと、を有する。
なお、ヒンジ部L23には、
図4(b)の状態以上に頭部載置部本体131が回転することがないよう制限を設けることが好ましい。
【0057】
さらに、回転動作部L2は、I字状の金具である第一リンク部L25と、第二リンク部L26と、によるリンク機構を有している。第一リンク部L25と、第二リンク部L26と、は、その一端同士が回転自在に接続されており、第一リンク部L25の他端は固定ピンL22に回転自在に接続され、第二リンク部L26の他端はヒンジ軸L23aを回転させるように接続されている。
なお、第一リンク部L25は第二リンク部L26よりも長く構成されていることが好ましい。
【0058】
スライド動作部L3は、支持金具L21をベッド本体の長軸方向に摺動させる載置レールL31と、載置レールL31を支持する載置レール支持部L32と、によって構成されている。
上下部材L12および誘導金具L24は、載置レール支持部L32に、支持金具L21の摺動を阻まない位置に固定されて設けられている。
【0059】
このような構成にすることで、
図4(a)の状態からレバー14を操作することによって上下部材L12が移動し、固定ピンL22を除いた位置調整機構L全体が下降する。
【0060】
位置調整機構Lが下降し、固定ピンL22が垂直長穴L24a長穴の上端部に達すると、第一リンク部L25の下降に制限が生じる。一方、第二リンク部L26の移動には制限がかからないため、第二リンク部L26は第一リンク部L25に対して、相対的な移動を起こす。このとき、ヒンジ軸L23aが回転し、ヒンジ部L23に接続された頭部載置部本体131が回転する。
【0061】
さらに、
図4(b)の状態において、平行長穴L24bの範囲内で支持金具L21を移動させることができるため、頭部載置部本体131の角度を保った状態で、頭部載置部13を施術面11の方向へ摺動させることができる。
【0062】
なお、レバー14を操作した後の、
図4(b)や
図4(c)に示す状態において、頭部載置部本体131の最も低い位置が、施術面11の高さと略同一であることが好ましい。
このような構成にすることによって、被施術者は首の位置を適切に保った状態で施術を受けることができる。
【0063】
また、本実施形態に係るベッド本体1には、施術面11に横たわった被施術者の体重や体脂肪率、筋肉量等の身体情報を測定可能な、重量測定部Xを有する。
【0064】
以下、実施形態に係る発明の使用方法について説明を行う。本発明は、施術を行う施術者と、施術を受ける被施術者とにより使用される。
【0065】
まず、施術者はレバー14を操作し、頭部載置部本体131を回転させることで、頭部載置部13を
図4(b)の状態にする。
【0066】
次に、施術者はベッド本体1の上に被施術者の胸部が可動部12の上に位置するように、被施術者を腹ばいに横たわらせる。
【0067】
次に、施術者は、操作部Dを操作することで被施術者の胸部の形状に合わせて可動部12を上下に動かし、被施術者が快適に施術を受けられるように調整を行う。
【0068】
最後に、施術者は被施術者の頭部に合わせて頭部載置部13を載置レールL31にそって摺動させ、被施術者の顔が空隙部V上に適切に位置するよう調整を行い、施術を開始する。
【0069】
上記の構成によって、被施術者は、腹ばいになっても胸部の圧迫感を気にすることがなく、呼吸もしやすくなるため、快適に施術を受けることができるようになる。
【0070】
また、可動部12が上下運動可能であり、任意の位置で停止可能であることによって、様々な体型の被施術者に快適な施術環境を提供することができる。
【0071】
また、頭部載置部13が設けられ、施術面11と頭部載置部13との間に空隙部Vが設けられていることにより、被施術者は施術中に呼吸しやすくなり、より快適に施術を受けられるようになる。
【0072】
また、頭部載置部本体131を施術面11の面方向に沿って摺動させるスライド動作部が設けられていることにより、被施術者の頭部の形状に合わせて頭部を載置できるようになるため、様々な身体的特徴をもつ施術者に快適な施術を提供することができる。
【0073】
また、頭部載置部13は、被施術者の頭部を篏合して固定する凹部131aが設けられていることにより、より自然に頭部を載置できるようになる。
【0074】
また、頭部載置部13は、頭部載置部本体131を振動させる振動モーターを含むことによって、被施術者は身体が揺さぶられてより大きな快適性を得られるようになる。
なお、振動モーターの設置個所は頭部に限られず、ベッド本体1の何れに含まれていても良い。
【0075】
また、身体情報測定部Xを有することによって、被施術者は施術前に別途体重計等の健康管理のための機器に乗る必要がなくなり、施術までに要する時間を短縮することができるようになる。
【0076】
なお、施術者が腹ばいの被施術者を仰向けにして施術を行う際には、被施術者はレバー14を操作し、頭部載置部13を空隙部Vに格納し、操作部Dを操作することで可動部12の昇降状態を、施術面11略同一高さとなるように調整を行う。
【0077】
≪第二の実施形態≫
以下に、本願発明の第二の実施形態に係る発明を、
図1、
図2および
図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態に係る可動部12の説明図であり、
図1あるいは
図2における可動部12の、ベッド本体1の短辺方向における断面図を表すものである。
【0078】
本実施形態に係るベッドは、制御部122をエア機構Aとして昇降させるものである。
エア機構Aは、ブラケット板123と、底板124と、の間に設けられる膨張部材A1と、膨張部材A1に接続されるエアポンプA2と、によって構成されている。
【0079】
膨張部材A1は、ゴムや可塑性を持つプラスチックなどにより形成された内部が密閉された部材であり、内部に空気を送り込むことによって任意の大きさまで膨張する。
【0080】
エアポンプA2は、側面板の下方を切り抜いて設けられ、ベッド本体1外部の空気を膨張部材A1に送り込む。
なお、エアポンプA2は電動式であることが望ましく、操作部Dによって制御される。
【0081】
以下に、本実施形態に係る発明の使用方法について説明を行う。
まず、施術者は、レバー14を操作し頭部載置部13を使用状態にし、被施術者を、その胸部が可動部12に位置するように施術面11に横たわらせる。
【0082】
次に、施術者は、操作部Dを操作し、被施術者の胸部の大きさに合わせて、可動部12を上下に動かす。
【0083】
上記の構成によって、被施術者は、腹ばいになっても胸部を気にすることがなく、快適に施術を受けることができるようになる。
【0084】
特に、緩衝作用のあるエア機構Aを用いることによって、被施術者の胸部にかかる圧力を調整することが容易になる。
【0085】
《第三の実施形態》
以下に、本願発明の第三の実施形態に係る発明を、
図1、
図2および
図7を用いて説明する。
図7は、本実施形態に係る可動部12の説明図であり、
図1あるいは
図2における可動部12の、ベッド本体1の短辺方向における断面図を表すものである。
【0086】
本実施形態に係るベッドは、制御部122を滑車機構Eとして昇降させるものである。
滑車機構Eは、ブラケット板123の端部に取り付けられる動滑車E1と、可動部本体121とブラケット板123との合計重量の半分よりも大きい重量を持つおもりE2と、側面板125の内側に設けられた定滑車E3と、一端を定滑車E3が設けられていない側面板125の上端に固定され、動滑車E1及び定滑車E3を通じて、他端をおもりE2に接続するワイヤーE4と、によって構成されている。
【0087】
これにおいて、おもりE2は、ワイヤーE4によって定滑車E3から吊り下げられており、下端が底板124に達したときに、可動部本体121が施術面11と略同一の高さまで持ち上がるように構成される。
【0088】
以下に、本実施形態に係る発明の使用方法について説明を行う。
まず施術者は、レバー14を操作し頭部載置部13を使用状態にし、被施術者を、その胸部が可動部12に位置するように施術面11に横たわらせる。
【0089】
すると、可動部12は、胸部の大きさに合わせて自動的に下降する。
【0090】
上記の構成によって、被施術者は、腹ばいになっても胸部を気にすることがなく、快適に施術を受けることができるようになる。
【0091】
特に、本実施形態においては、可動部本体121は、おもりE2の重量により施術面11まで上昇し、可動部に胸部が載せ置かれた際に、胸部の大きさに従って可動部本体121が自動的に下降する。
これにより施術者は被施術者に合わせて可動部を操作する必要がなくなり、被施術者は、胸部に適切な圧力を受けながら施術を受けることができる。
【0092】
なお、定滑車E3は、ワイヤーE4を巻き取るモーターを設け、操作部Dによって、施術者が可動部本体121を上下運動させることができるように構成してもよく、これにより、施術者によって可動部12を適切な高さに調整することもできるようになる。
【0093】
≪第四の実施形態≫
以下に、本発明の第四の実施形態に係る発明を、
図7を用いて説明する。
図8は本実施形態に係るベッド本体1の斜視図を表している。
【0094】
本実施形態に係るベッドは、複数の可動部12が設けられ、それぞれの可動部12を被施術者が自分で操作できるようにするものである。
ベッド本体1には、被施術者の胸部、腹部、臀部にそれぞれ対応する位置に可動部12が設けられ、それらは頭部載置部13の付近に設けられたリモコンRによって操作できるように構成されている。
【0095】
以下に、本実施形態に係る発明の使用方法について説明を行う。
まず施術者は、レバー14を操作し頭部載置部13を使用状態にする。
【0096】
次に、被施術者は、ベッド本体1にうつ伏せに横たわり、自らの胸部、腹部、臀部の形状に合わせてリモコンRを操作し、快適な状態となるように可動部12の高さを調節する。
【0097】
このように構成することによって、被施術者は自身が思う良好な状態で施術を受けられるようになり、施術の途中であっても可動部12を調整できるようになる。
【0098】
なお、ベッド本体1には被施術者毎に可動部12の高さのデータを記憶する記憶装置を設けてもよく、被施術者のデータを呼び出すことで可動部12が動くように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 ベッド本体
11 施術面
12 可動部
121 可動部本体
122 制御部
123 ブラケット板
124 底板
125 側面板
13 頭部載置部
131 頭部載置部本体
14 レバー
2 支持部
J ジャッキ機構
J1 フレーム部材
J11 上フレーム
J12 下フレーム
J2 上面接続部
J3 下面接続部
J4 結節部
J5 調整ネジ
J51 止め具
J6 モーター
J7 レール部
L 位置調整機構
L1 上下動作部
L11 I字金具
L12 上下部材
L2 回転動作部
L21 支持金具
L22 固定ピン
L23 ヒンジ部
L24 誘導金具
L25 第一リンク部
L26 第二リンク部
L3 スライド動作部
L31 載置レール
A エア機構
A1 膨張部材
A2 エアポンプ
E 滑車機構
E1 動滑車
E2 おもり
E3 定滑車
E4 ワイヤー
D 操作部
V 空隙部
X 重量測定部
R リモコン
【手続補正書】
【提出日】2021-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ等の施術に用いられるベッドであって、ベッド本体を備え、
前記ベッド本体は、被施術者が横たわる施術面と、可動部と、を有し、
前記可動部は、前記施術面の一部である可動部本体と、ジャッキ機構によって可動部本体を上下往復運動させる制御部と、を含み、
前記ジャッキ機構の結節部分には、前記ジャッキ機構を動作させるモーターが接続されており、
前記モーターは、前記ジャッキ機構の上下往復運動に合わせて移動可能な経路上に設けられているベッド。
【請求項2】
前記可動部は、前記被施術者が前記施術面に横たわった際に、前記被施術者の胸部に位置する、請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記可動部は、前記制御部の上下運動可能な範囲のうち、任意の位置で停止可能に構成される、請求項1又は2に記載のベッド。
【請求項4】
前記制御部は、上下運動するジャッキを含む、請求項1~3の何れかに記載のベッド。
【請求項5】
前記ベッド本体は、頭部載置部を有し
前記頭部載置部は、前記被施術者の頭部を載置する頭部載置部本体と、前記頭部載置部本体の位置調整を行う位置調整機構と、を含む、請求項1~4の何れかに記載のベッド。
【請求項6】
前記頭部載置部本体と、前記施術面との間には、空隙部が設けられている、請求項5に記載のベッド。
【請求項7】
前記位置調整機構には、前記頭部載置部本体を前記施術面の面方向に沿って摺動させるスライド動作部が設けられている、請求項5又は6に記載のベッド。
【請求項8】
前記頭部載置部本体には、前記被施術者の頭部を篏合して固定する凹部が設けられている、請求項5~7の何れかに記載のベッド。
【請求項9】
前記ベッドは、前記ベッド本体を振動させる振動モーターを含む、請求項5~8の何れかに記載のベッド。
【請求項10】
前記ベッド本体は、前記ベッド本体に横たわった前記被施術者の身体の情報を測定する身体情報測定部を有する、請求項1~9の何れかに記載のベッド。