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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182861
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】端末、及び基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/04 20090101AFI20231220BHJP
   H04W 28/10 20090101ALI20231220BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20231220BHJP
   H04W 72/1268 20230101ALI20231220BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20231220BHJP
   H04L 1/16 20230101ALI20231220BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W28/10
H04W72/04 131
H04W72/12 150
H04L27/26 113
H04L27/26 320
H04L1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179249
(22)【出願日】2020-10-26
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 慎也
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】チン ラン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ピ チーピン
【テーマコード(参考)】
5K014
5K067
【Fターム(参考)】
5K014AA01
5K014BA01
5K014DA02
5K014FA03
5K014FA11
5K067AA21
5K067AA28
5K067BB04
5K067BB21
5K067DD11
5K067DD24
5K067DD34
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE61
5K067EE72
5K067FF16
5K067GG01
5K067HH22
5K067HH28
5K067JJ12
5K067JJ13
(57)【要約】
【課題】データを受信した端末が、データ受信に対するフィードバック情報を適切に基地局に送信することを可能とする技術を提供すること。
【解決手段】基地局から受信したデータに対するフィードバック情報を送信可能な1又は複数のアップリンクリソース領域を示すビットマップ情報を受信する受信部と、前記ビットマップ情報に基づいて、前記フィードバック情報を送信するための有効なアップリンクリソースが存在する時間位置まで前記フィードバック情報の送信を延期する制御部と、前記有効なアップリンクリソースで前記フィードバック情報を送信する送信部と、を備える端末。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局から受信したデータに対するフィードバック情報を送信可能な1又は複数のアップリンクリソース領域を示すビットマップ情報を受信する受信部と、
前記ビットマップ情報に基づいて、前記フィードバック情報を送信するための有効なアップリンクリソースが存在する時間位置まで前記フィードバック情報の送信を延期する制御部と、
前記有効なアップリンクリソースで前記フィードバック情報を送信する送信部と、
を備える端末。
【請求項2】
前記ビットマップ情報は、特定の時間間隔及び特定の帯域幅のリソースを、時間方向及び周波数方向に均等に分割することで得られる複数のリソース領域のうちの各リソース領域が前記フィードバック情報を送信するために使用可能か否かを示す、
請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記基地局から受信したパラメータに基づき、複数のビットマップを設定し、設定した複数のビットマップのうち、前記受信部が受信した制御情報により指定されるビットマップを、前記フィードバック情報を送信可能な1又は複数のアップリンクリソース領域を示すビットマップ情報として使用する、
請求項1に記載の端末。
【請求項4】
前記ビットマップ情報は、前記基地局からのセミパーシステントなデータ送信に対するフィードバック情報を送信可能な1又は複数のアップリンクリソース領域を示す、
請求項1に記載の端末。
【請求項5】
基地局から受信したデータに対するフィードバック情報を送信可能な1又は複数のアップリンクリソース領域を示すビットマップ情報を受信する受信部と、
送信したデータに対して端末がフィードバック情報を送信可能な1又は複数のアップリンクリソース領域を示すビットマップ情報を送信する送信部と、
前記ビットマップ情報に基づいて、前記フィードバック情報を受信するための有効なアップリンクリソースが存在する時間位置まで前記フィードバック情報の受信を延期する制御部と、
前記有効なアップリンクリソースで前記フィードバック情報を受信する受信部と、
を備える基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおける端末及び基地局に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、システム容量の更なる大容量化、データ伝送速度の更なる高速化、無線区間における更なる低遅延化等を実現するために、5GあるいはNR(New Radio)と呼ばれる無線通信方式(以下、当該無線通信方式を「NR」という。)の検討が進んでいる。5Gでは、10Gbps以上のスループットを実現しつつ無線区間の遅延を1ms以下にするという要求条件を満たすために、様々な無線技術及びネットワークアーキテクチャの検討が行われている。
【0003】
また、NRでは、端末に予めPDSCHのリソースを設定しておき、DCIでactivation/releaseを行うダウンリンクSPS(Semi-Persistent Scheduling)が規定されており、これにより、低遅延のデータ受信が可能となっている(例えば、非特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TS 38.213 V16.3.0 (2020-09)
【非特許文献2】3GPP TS 38.331 V16.2.0 (2020-09)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のDLのスロットが連続した後に、ULスロットが配置される場合、端末は、当該DLスロットの後のULスロットにおいて、複数のデータの受信に対応する複数のHARQ-ACKを送信する可能性があり、HARQ-ACKのペイロードの負荷(ペイロードに含まれる情報の密度)が高い場合において、HARQ-ACKの信頼性が低下する可能性がある。
【0006】
また、HARQ-ACKの送信を延期する場合において、次の最初に利用可能なPUCCHのリソースは、基地局に指示されることなく、端末が自律的に選択するため、1つの端末による、延期したHARQ-ACKの送信と、他の端末による、延期したHARQ-ACKの送信との間の衝突が発生し得る。
【0007】
1つの端末による、延期したHARQ-ACKの送信と、他の端末による、延期したHARQ-ACKの送信との間の衝突を回避するために、UL cancellation indication(CI)を使用した場合には、延期したHARQ-ACKの送信は、さらに延期されるのではなく、ドロップされることになる。つまり、1つの端末による、延期したHARQ-ACKの送信と、他の端末による、延期したHARQ-ACKの送信との間の衝突を回避するために、UL CIを使用することは想定されていない。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、データを受信した端末が、データ受信に対するフィードバック情報を適切に基地局に送信することを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示の技術によれば、基地局から受信したデータに対するフィードバック情報を送信可能な1又は複数のアップリンクリソース領域を示すビットマップ情報を受信する受信部と、
前記ビットマップ情報に基づいて、前記フィードバック情報を送信するための有効なアップリンクリソースが存在する時間位置まで前記フィードバック情報の送信を延期する制御部と、
前記有効なアップリンクリソースで前記フィードバック情報を送信する送信部と、
を備える端末が提供される。
【発明の効果】
【0010】
開示の技術によれば、データを受信した端末が、データ受信に対するフィードバック情報を適切に基地局に送信することを可能とする技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態における無線通信システムを説明するための図である。
図2】本発明の実施の形態における無線通信システムを説明するための図である。
図3】本発明の実施の形態における無線通信システムの基本的な動作を説明するための図である。
図4】SPS HARQ-ACKの例を示す図である。
図5】HARQ-ACKの信頼性が低下する可能性がある場合の例を示す図である。
図6】1つの端末による、延期したHARQ-ACKの送信と、他の端末による、延期したHARQ-ACKの送信との間の衝突の例を示す図である。
図7】UL cancellation indication(CI)を使用する場合の例を示す図である。
図8】適用可能リソース領域パターンの例を示す図である。
図9】特定の時間領域及び特定の帯域幅に含まれるリソースを、X×Y個のリソース領域に分割する例を示す図である。
図10】特定の時間領域及び特定の帯域幅に含まれるリソースを、Z個のリソース領域に分割する例を示す図である。
図11】SPS-Configの例を示す図である。
図12】PDSCH-Configの例を示す図である。
図13】本発明の実施の形態における基地局10の機能構成の一例を示す図である。
図14】本発明の実施の形態における端末20の機能構成の一例を示す図である。
図15】本発明の実施の形態における基地局10又は端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
【0013】
本発明の実施の形態の無線通信システムの動作にあたっては、適宜、既存技術が使用されてよい。当該既存技術は、例えば既存のNRあるいはLTEであるが、既存のNRあるいはLTEに限られない。
【0014】
(システム構成)
図1は、本発明の実施の形態における無線通信システムを説明するための図である。本発明の実施の形態における無線通信システムは、図1に示されるように、基地局10及び端末20を含む。図1には、基地局10及び端末20が1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数であってもよい。
【0015】
基地局10は、1つ以上のセルを提供し、端末20と無線通信を行う通信装置である。無線信号の物理リソースは、時間領域及び周波数領域で定義され、時間領域はOFDMシンボル数で定義されてもよいし、周波数領域はサブキャリア数又はリソースブロック数で定義されてもよい。また、時間領域におけるTTI(Transmission Time Interval)がスロットであってもよいし、TTIがサブフレームであってもよい。
【0016】
基地局10は、複数のセル(複数のCC(コンポーネントキャリア))を束ねて端末20と通信を行うキャリアアグリゲーションを行うことが可能である。キャリアアグリゲーションでは、1つのPCell(プライマリセル)と1以上のSCell(セカンダリセル)が使用される。
【0017】
基地局10は、同期信号及びシステム情報等を端末20に送信する。同期信号は、例えば、NR-PSS及びNR-SSSである。システム情報は、例えば、NR-PBCHあるいはPDSCHにて送信され、ブロードキャスト情報ともいう。図1に示されるように、基地局10は、DL(Downlink)で制御信号又はデータを端末20に送信し、UL(Uplink)で制御信号又はデータを端末20から受信する。なお、ここでは、PUCCH、PDCCH等の制御チャネルで送信されるものを制御信号と呼び、PUSCH、PDSCH等の共有チャネルで送信されるものをデータと呼んでいるが、このような呼び方は一例である。
【0018】
端末20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末、M2M(Machine-to-Machine)用通信モジュール等の無線通信機能を備えた通信装置である。図1に示されるように、端末20は、DLで制御信号又はデータを基地局10から受信し、ULで制御信号又はデータを基地局10に送信することで、無線通信システムにより提供される各種通信サービスを利用する。なお、端末20をUEと呼び、基地局10をgNBと呼んでもよい。
【0019】
端末20は、複数のセル(複数のCC(コンポーネントキャリア))を束ねて基地局10と通信を行うキャリアアグリゲーションを行うことが可能である。キャリアアグリゲーションでは、1つのPCell(プライマリセル)と1以上のSCell(セカンダリセル)が使用される。また、PUCCHを有するPUCCH-SCellが使用されてもよい。
【0020】
図2は、DC(Dual connectivity)が実行される場合における無線通信システムの構成例を示す。図2に示すとおり、MN(Master Node)となる基地局10Aと、SN(Secondary Node)となる基地局10Bが備えられる。基地局10Aと基地局10Bはそれぞれコアネットワークに接続される。端末20は基地局10Aと基地局10Bの両方と通信を行うことができる。
【0021】
MNである基地局10Aにより提供されるセルグループをMCG(Master Cell Group)と呼び、SNである基地局10Bにより提供されるセルグループをSCG(Secondary Cell Group)と呼ぶ。また、DCにおいて、MCGは1つのPCellと1以上のSCellから構成され、SCGは1つのPSCell(Primary SCell)と1以上のSCellから構成される。
【0022】
本実施の形態における処理動作は、図1に示すシステム構成で実行されてもよいし、図2に示すシステム構成で実行されてもよいし、これら以外のシステム構成で実行されてもよい。
【0023】
(基本的な動作例)
図3を参照して、本発明の実施の形態における通信システムの基本的な動作例を説明する。この動作は、後述する実施例1~実施例10に対して基本的に共通の動作である。
【0024】
S101において、RRCシグナリングにより、基地局10は端末20に、ダウンリンクSPSの設定情報、PUCCHリソースの設定情報、スロットフォーマットの設定情報等を送信し、端末20はこれらの設定情報を受信する。なお、本実施の形態は、ダウンリンクSPSを対象としているので、以降、「SPS」はダウンリンクSPSを意味する。
【0025】
スロットフォーマットの設定情報は、例えば、tdd-UL-DL-ConfigurationCommonあるいはtdd-UL-DL-ConfigurationDedicatedであり、この設定情報により1以上のスロットにおける各スロットの各シンボルにおけるTDD構成が、DL、UL、フレキシブルのいずれかであるかが設定される。以降、この設定情報をセミスタティックTDD設定情報と呼ぶ。また、フレキシブルのことをFと記載する場合がある。端末20は、基本的に、セミスタティックTDD設定情報に従って、各スロットの各シンボルのDL/UL/Fを判断する。
【0026】
また、S101における設定情報として、スロットフォーマットをダイナミックに切り替えることを可能とするための、スロットフォーマットの複数の候補が通知されてもよい。この設定情報は例えばSlotFormatCombinationsPerCellである。この情報は、スロットフォーマット(SF)のIDからなる情報なので、以降、これをSFI設定情報と呼ぶ。
【0027】
S102において、端末20は、SPSの設定をactivateするDCIを基地局10から受信し、S103において、SPSの設定によるPDSCHリソースでデータを受信する。S104において、端末20は、DCIにより指定された時間位置のスロットのPUCCHリソース(ULスケジューリングがある場合はPUSCHリソースでもよい)で、SPS HARQ-ACKを基地局10に送信する。なお、SPS HARQ-ACKをHARQ-ACKと呼ぶ場合がある。また、HARQ-ACKをHARQ情報、フィードバック情報等と呼んでもよい。
【0028】
端末20は、S102又はその前後において、スロットフォーマットをダイナミックに指定するDCIを基地局10から受信する場合もある。このDCIは、SFI設定情報で設定された複数のスロットフォーマットのIDのうち、実際に使用するIDを指定する制御情報である。端末20は、このDCIでスロットフォーマットを指定された場合には、セミスタティックTDD設定情報に代えて、当該スロットフォーマットに従って、各スロットの各シンボルのDL/UL/Fを判断する。このDCIの情報をダイナミックSFI指定情報(又は、ダイナミックSFI、又はSFI)と呼ぶ。
【0029】
(課題について)
前述したとおり、端末20は、SPSによるデータ受信の度に、activation DCIにより、PUCCHリソースでHARQ-ACKを送信する時間位置(スロット)を指定される。
【0030】
しかし、特に、端末20に複数の短周期のSPSが設定される場合には、指定された時間位置のスロットにおけるTDDのDL/ULの設定(セミスタティックTDD設定情報又はダイナミックSFI指定情報による設定)によっては、PUCCHリソースが設定されるシンボル位置が、DLシンボルあるいはFシンボルと衝突してしまい、HARQ-ACKを送信できないことが考えられる。
【0031】
PUCCHリソースと、DLシンボルあるいはFシンボルとが衝突した場合に、HARQ-ACKをドロップすることが考えられるが、HARQ-ACKをドロップすることでPDSCHの再送が必要となる。そのため、HARQ-ACKのドロップは遅延が大きくなり望ましくない。
【0032】
(実施の形態の概要)
図4に、上述したような衝突の例を示す。図4の例では、PDSCHを受信したスロットの直後のスロットから3スロット目のスロットが、HARQ-ACK送信のためのスロットとして指定されているが、当該スロットがDLに該当する場合に、HARQ-ACKがドロップされる。
【0033】
本実施の形態では、PUCCHリソースとDLシンボル/Fシンボルとの衝突によるHARQ-ACKのドロップを回避可能としている。
【0034】
具体的には、例えば、図4に示すように、端末20は、PUCCHリソースとDLシンボル/Fシンボルとの衝突が発生すると判断した場合に、次の利用可能なULのリソースまで延期してHARQ-ACKを送信する。
【0035】
(実施の形態に関わる詳細な課題)
3GPP会合にて、TDDにおいてPUCCHが少なくとも1つの「DL又はFシンボル」と衝突することによるSPSのHARQ-ACKのドロップを回避するために、R.17の強化(enhancement)を行うことが合意されている。
【0036】
PUCCHが少なくとも1つの「DL又はFシンボル」と衝突することによるSPSのHARQ-ACKのドロップを回避するためのenhancementの方法として下記の候補A~候補Gが考えられる。
【0037】
候補A:端末20は、最初に利用可能な有効なPUCCHリソースまでHARQ-ACKを延期する。
【0038】
候補B:端末20は、設定されたK1値のセットから最初の適用可能なK1値を選択して、HARQ-ACKロードバランシングを可能とする。
【0039】
候補C:基地局10が、延期されたHARQ-ACKの1つ以上の送信機会をダイナミックに端末20に通知する。
【0040】
候補D:基地局10が、RRCによって設定された時間ウィンドウ内の各SPS送信のK1値を端末20に通知する。
【0041】
候補E:SPS HARQプロセスのグループに対してワンショットHARQ-ACK要求(つまり、タイプ3 HARQ-ACK Codebook)をサポートする。
【0042】
候補F:ライセンススペクトラムでのDL SPS動作に対し、非正数値(つまり、Non Numerical K1)をサポートする。
【0043】
候補G:自律的にHARQ-ACKを再送信する、又は、ドロップされたHARQ-ACK情報を別のHARQ-ACK情報に多重化する。
【0044】
少なくとも候補Aと候補Bに関して、端末20は、activation DCIで指定されるK1値の適用により、HARQ-ACKと「DLシンボル又はFシンボル」との衝突が発生するかどうかを決定する必要がある。HARQ-ACKは、最初に利用可能な有効なPUCCHリソースで送信されるので、端末20は、PUCCHリソースの有効性(validity)も決定する必要がある。
【0045】
しかし、既存技術において、「DLシンボル又はFシンボル」の正確な意味は不明確である。つまり、端末20にとって、どのようにしてPUCCHリソースが有効であるかを決定したらよいのか不明確である。これを「課題1」とする。
【0046】
以下では、セミスタティックTDD設定情報により設定されるDL、UL、FをそれぞれセミスタティックDL、セミスタティックUL、セミスタティックFと記載する。また、ダイナミックSFI指定情報により指定されるDL、UL、FをそれぞれダイナミックDL、ダイナミックUL、ダイナミックFと記載する。また、スケジューリングにより設定されるULをダイナミックULスケジューリング等と記載する。
【0047】
以下、上述した「DLシンボル又はFシンボル」に関するPUCCHの有効性についての判断例をより具体的に、場合を分けて説明する。
【0048】
(1)セミスタティックFシンボル上でダイナミックULスケジューリングがない場合
<1-1:SFIが設定されていない場合>
SFIが設定されていない場合(SFI設定情報での設定がない場合)、SSB/CORESET#0の設定又はダイナミックDLスケジューリングの可能性があるため、セミスタティックFシンボルにおいて、PUCCHを送信できる場合と送信できない場合がある。
【0049】
つまり、もしも当該シンボルにSSB/CORESET#0受信が設定されている場合、あるいは、当該シンボルにおいてDCIによるDL受信がスケジュールされている場合、当該シンボルにおけるPUCCHは無効であり、PUCCHはドロップされる。これら以外の場合、当該シンボルにおけるPUCCHリソースは有効である。
【0050】
<1-2:SFIが設定されている場合>
SFIが設定されている場合において、基地局10が、セミスタティックFシンボルをダイナミックULとして指示した場合でも、端末20がダイナミックSFIを受信しない可能性があるため(SFI missingの可能性があるため)、PUCCHを送信できる場合と送信できない場合がある。すなわち、端末20が、SFIを検出した場合、当該シンボルはPUCCHに対して有効である。端末20が、SFIを検出できなかった場合、当該シンボルはPUCCHに対して無効であり、PUCCHはドロップされる。
【0051】
基地局10が、セミスタティックFシンボルをダイナミックDLとして指示した場合、PUCCHはドロップされる。基地局10が、セミスタティックFシンボルをダイナミックFとして指示した場合、PUCCHはドロップされる。
【0052】
(2)セミスタティックFシンボル上でダイナミックULスケジューリングがある場合
SFI設定の有無に依らずに、当該シンボルはPUCCHに対して常に有効である。なお、SFIが設定されている場合において、当該シンボルにダイナミックDLが設定されることは想定されない。
【0053】
<詳細な課題について>
3GPPのリリース16のUltra-Reliable and Low Latency Communication(URLLC)に関して、端末20に対して短周期の1又は複数の下りリンクのSemi-Persistent Scheduling(SPS)の設定が行われる場合、アクティベーションDCIにおいて、単一のHARQ-ACKフィードバックタイミングの値が示されるので、特に、下りリンクの通信が混雑している場合には、SPS Hybrid Automatic Repeat Request(HARQ)の送信のための複数のPhysical Uplink Control Channel(PUCCH)リソースと準静的時分割多重構成又は動的なスロットフォーマット識別子(SFI)により指定されるスロットフォーマットとの間の衝突が起こり得る。
【0054】
複数のSPS設定に対して、New Radio(NR)のリリース15のメカニズムを再利用する場合には、衝突したHARQ-ACK送信(HARQの送達確認情報の送信)をドロップしたことに伴う、Physical Downlink Shared Channel(PDSCH)の再送(retransmission)が行われることが想定される。
【0055】
3GPPの会合では、PUCCHの衝突(例えば、downlink(DL)又はフレキシブルシンボル(F)と、PUCCHを送信するリソースとの間の衝突)に起因する、TDDの場合におけるSPS HARQ-ACKのドロップを回避するために、リリース17の拡張を行うことが想定されている。
【0056】
(課題1)
HARQ-ACKのペイロードの負荷(ペイロードに含まれる情報の密度)が高い場合において、HARQ-ACKの信頼性が低下する可能性がある。
【0057】
図5は、HARQ-ACKの信頼性が低下する可能性がある場合の例を示す図である。図5の例では、時間領域において、DLのスロットが5つ連続し、その後に2つのULのスロットが設定されている。
【0058】
図5の例における時間領域で最初のDLスロットのSPS PDSCH1に対して、端末20は、K1値に基づいて、時間領域で最初から2番目のスロットでHARQ-ACKを送信しようと試みるが、当該2番目のスロットは、DLスロットであるため、端末20は、HARQ-ACKの送信を、次に利用可能な最初のULスロットである、時間領域で最初から6番目のスロットまで延期する。
【0059】
同様に、端末20は、図5の例に示される、SPS PDSCH3及びSPS PDSCH5に対するHARQ-ACKの送信を、時間領域で最初から6番目のスロットまで延期する。
【0060】
さらに、端末20は、K1値に基づいて、SPS PDSCH2、SPS PDSCH 4、SPS PDSCH 6の送信を、時間領域で最初から6番目のスロットで行う。
【0061】
その結果、図5の例では、時間領域で最初から6番目のスロットであるULリソースで送信されるHARQ-ACKのペイロードの負荷が高くなり、HARQ-ACKの信頼性が低下する可能性がある。
【0062】
(課題2)
1つのDLスロット/サブスロット又は連続する複数のDLスロット/サブスロットの後における最初に利用可能なULスロット/サブスロットのPUCCHの負荷は、複数の端末20が、延期したHARQ-ACKを、当該最初に利用可能なULスロット/サブスロットにおいて送信する可能性があるため、高くなる可能性がある。
【0063】
(課題3)
SPSのHARQ-ACKの送信を延期する場合において、次の最初に利用可能なPUCCHのリソースは、基地局10に指示されることなく、端末20が自律的に選択するため、1つの端末20による、延期したHARQ-ACKの送信と、他の端末20による、延期したHARQ-ACKの送信との間の衝突が発生し得る(動的なPDSCHについてのHARQ-ACKとSPS HARQとを多重しない場合、又は他の複数のPUCCH又はPUSCHとSPS HARQとを多重する場合を含む)。
【0064】
図6は、1つの端末20による、延期したHARQ-ACKの送信と、他の端末20による、延期したHARQ-ACKの送信との間の衝突の例を示す図である。
【0065】
図6の例では、時間領域において、時間方向における最初のスロットから5番目のスロットまでが、DLスロットとして設定されている。時間方向において、最初のスロットから6番目のスロットがULスロットとして設定されている。
【0066】
時間方向において最初のスロットにおいて、端末20#1は、SPS PDSCHの受信を行う。端末20#1は、K1値に基づいて、時間方向において、最初のスロットから3番目のスロットにおいてSPS PDSCHの受信についてのHARQ-ACKの送信を試みる。しかしながら、時間方向において、最初のスロットから3番目のスロットは、DLのスロットである。このため、端末20#1は、HARQ-ACKの送信を、DLスロットの後の、最初に利用可能なULスロットまで延期する。図6の例では、端末20#1は、時間方向における最初のスロットから6番目のスロットにおいて、HARQ-ACKの送信を行う。
【0067】
また、時間方向において最初のスロットの次のスロットにおいて、端末20#2は、SPS PDSCHの受信を行う。端末20#2は、K1値に基づいて、時間方向において、最初のスロットから5番目のスロットにおいてSPS PDSCHの受信についてのHARQ-ACKの送信を試みる。しかしながら、時間方向において、最初のスロットから5番目のスロットは、DLのスロットである。このため、端末20#2は、HARQ-ACKの送信を、DLスロットの後の、最初に利用可能なULスロットまで延期する。図6の例では、端末20#2は、時間方向における最初のスロットから6番目のスロットにおいて、HARQ-ACKの送信を行う。
【0068】
その結果、端末20#1によるHARQ-ACKの送信と、端末20#2によるHARQ-ACKの送信との間の衝突が発生し得る。
【0069】
図7は、UL cancellation indication(CI)を使用する場合の例を示す図である。
【0070】
図7の例に示される通り、Downlink Control Information(DCI)フォーマット2_4(UL cancellation indication(CI))を使用した場合、延期したHARQ-ACKの送信は、さらに延期されるのではなく、ドロップされることになる。UL CIは、URLLCの端末20をeMBBの端末20よりも優先させることを目的としている。SPS HARQの場合において、1つの端末20による、延期したHARQ-ACKの送信と、他の端末20による、延期したHARQ-ACKの送信との間の衝突を回避するために、UL CIを使用することは想定されていない。
【0071】
(提案1)
SPS PDSCHに対するHARQ-ACKの送信に適用可能なリソース領域のパターン(以下において、「適用可能リソース領域パターン」と呼ばれてもよい)を使用して、時間及び周波数領域のリソース領域を、SPS PDSCHに対するHARQ-ACKの送信に使用可能であるか否かが端末20に対して示されてもよい。
【0072】
シンボルの方向がULであるためSPS HARQリソース(SPS PDSCHに対するHARQ-ACKを送信するためのリソース)が有効であり、かつSPS HARQ送信(SPS PDSCHに対するHARQ-ACKの送信)の延期の追加の条件(例えば、K1の最大値を超えたPUCCHリソースは有効でないとするmax K1 limitation)が満たされる場合に、当該SPS HARQリソースは、端末20が、SPS PDSCHに対するHARQ-ACKを送信するために使用可能であってもよい。
【0073】
SPS HARQリソースのパターンに従うSPS HARQリソースが不適切なリソース領域と重なる場合には、端末20は、当該SPS HARQリソースをSPS HARQ送信に使用することはできず、端末20は、SPS HARQの送信を、SPS PDSCHに対するHARQ-ACKの送信のための条件を満たす次のSPS HARQリソースまで延期してもよい。
【0074】
SPS HARQリソースのパターンに従うSPS HARQリソースが不適切なリソース領域と重ならない場合、端末20は、当該SPS HARQリソースをSPS HARQの送信に使用してもよい。
【0075】
シンボルの方向がDLであるためSPS HARQリソースが無効である場合には、端末20は、当該SPS HARQリソースを、SPS HARQの送信に使用することは想定されていない。シンボルの方向がDLであるためSPS HARQリソースが無効である場合には、端末20は、SPS HARQの送信をさらに延期するか否かをmax K1 limitationが満たされるか否かに基づいて決定してもよい。
【0076】
例えば、K1の最大値を超えたPUCCHリソースは有効でないとするmax K1 limitationの条件に基づいて、SPS PDSCHを受信したリソースと次に利用可能なSPS HARQリソースとの間の時間間隔がK1の最大値を超えない場合には、端末20は、SPS HARQの送信を当該次に利用可能なSPS HARQリソースまで延期してもよく、SPS PDSCHを受信したリソースと次に利用可能なSPS HARQリソースとの間の時間間隔がK1の最大値を超える場合には、SPS HARQの送信をドロップしてもよい。
【0077】
適用可能リソース領域パターンは、SPS HARQリソースに対してのみ作用してもよい。言い換えると、延期されたSPS HARQの送信のためのリソースが他のPUCCHリソースと多重される場合(例えば、ダイナミックHARQリソースでのダイナミックHARQと共に延期されたSPS HARQが送信される場合、又はChannel State Information(CSI)リソースのCSIと延期されたSPS HARQの送信のためのリソースとが多重される場合)には、適用可能リソース領域パターンは、当該他のPUCCHリソースの送信には影響を与えないように設定されてもよい。
【0078】
図8は、適用可能リソース領域パターンの例を示す図である。図8の例では、時間領域において、時間方向における最初のスロットから5番目のスロットまでが、DLスロットとして設定されている。時間方向において、最初のスロットから6番目及び7番目のスロットがULスロットとして設定されている。
【0079】
図8の例において、時間方向における最初のスロットから6番目のスロットは、DLスロットの後の、最初に利用可能なULスロットである。しかしながら、時間方向における最初のスロットから6番目のスロットにおいて、周波数方向の高い方のリソース領域は、SPS HARQの送信には不適切なリソースである。このため、適用可能リソース領域パターンは、時間方向における最初のスロットから6番目のスロットにおける周波数の低い方のリソース領域と、時間方向における最初のスロットから7番目のスロットにおける、周波数の低い方のリソース領域及び周波数の高い方のリソース領域とによって構成される。図8の例では、端末20は、時間領域における最初のスロットで、SPS PDSCHの受信を行い、K1値に基づいて、時間方向において、最初のスロットから3番目のスロットにおいてSPS PDSCHの受信についてのHARQ-ACKの送信を試みる。しかしながら、時間方向において、最初のスロットから3番目のスロットは、DLのスロットである。このため、端末20は、適用可能リソース領域パターンに基づいて、PS PDSCHの受信についてのHARQ-ACKの送信に適用可能なリソース領域を選択して、選択したリソース領域でSPS HARQの送信を行う。図8の例では、端末20は、時間方向における最初のスロットから7番目のスロットにおける、周波数の低い方のリソース領域を、SPS HARQの送信を行うためのリソースとして選択する。
【0080】
(提案2)
基地局10が端末20に対して、SPS HARQの送信に適用可能なリソース領域パターンを示すために、ビットマップを使用してもよい。例えば、1つのリソース領域をSPS HARQの送信に適用可能か否かを示すために、1ビットを使用してもよい。
【0081】
(オプション1)
特定の時間領域及び特定の帯域幅に含まれるリソースは、X×Y個のリソース領域に均等に分割されてもよい。ここで、Xは、時間領域におけるリソース領域の数を示す正の整数であり、Yは、周波数領域におけるリソース領域の数を示す正の整数である。
【0082】
X×Y個のリソース領域のうちの各リソースに対して、ビットマップに含まれるX×Y個のビットのうちの1つの表示ビット(indication bit)が対応してもよい。例えば、X×Y個のリソース領域に対して、リソース位置の昇順に番号が付与されてもよく、ビットマップに含まれるX×Y個のビットのうちの第i番目のビットは、X×Y個のリソース領域のうちの当該昇順で第i番目のリソースに対応してもよい。なお、上述の例では、リソース位置の昇順に番号が付与されているが、本実施例はこの例には限定されない。例えば、リソース位置の降順に番号が付与されてもよい。
【0083】
ここで、X×Y個のリソース領域のリソース領域の昇順とは、まず時間領域においてリソース領域を1つカウントした後、周波数領域に含まれるリソース領域を全てカウントし、次に時間領域においてリソース領域を1つカウントした後に、周波数領域に含まれるリソース領域を全てカウントする、といった順番であってもよい。
【0084】
図9は、特定の時間領域及び特定の帯域幅に含まれるリソースを、X(=6)×Y(=2)個のリソース領域に分割する例を示す図である。図9の例において、SPS HARQの送信に適用可能なリソース領域はビット値1で示され、SPS HARQの送信に不適切なリソースはビット値0で示される。
【0085】
図9の例において、X×Y個のリソース領域のリソース領域の昇順とは、まず時間領域においてリソース領域を1つカウントした後、周波数領域においてリソース領域を全てカウントし、次に時間領域においてリソース領域を1つカウントした後に、周波数領域においてリソース領域を全てカウントする、といった順番であってもよい。この場合、SPS HARQの送信に適用可能なリソース領域パターンを示すビットマップは、000000011011であってもよい。
【0086】
代替的に、X×Y個のリソース領域のリソース領域の昇順とは、まず周波数領域においてリソース領域を1つカウントした後、時間領域においてリソース領域を全てカウントし、次に時間領域においてリソース領域を1つカウントした後に、周波数領域においてリソース領域を全てカウントする、といった順番であってもよい。この場合、図9の例におけるSPS HARQの送信に適用可能なリソース領域パターンを示すビットマップは、000011000101であってもよい。
【0087】
特定の時間領域及び特定の帯域幅に含まれるリソースを、X×Y個のリソース領域に均等に分割する場合において、基地局10は、専用のDCIフィールドを使用してXの値及びYの値を端末20に通知してもよい。代替的に、基地局10は、Radio Resource Control(RRC)シグナリング(RRC configurationであってもよい)を使用してXの値及びYの値を端末20に通知してもよい。代替的に、Xの値及びYの値は、事前に設定されてもよい(例えば、X=2、Y=1)。
【0088】
特定の時間領域及び特定の帯域幅に含まれるリソースを、X×Y個のリソース領域に均等に分割する場合において、基地局10は、専用のDCIフィールドを使用して、各リソース領域の時間領域のリソースサイズ及び周波数領域のリソースサイズを端末20に通知してもよい。代替的に、基地局10は、RRCシグナリング(RRC configurationであってもよい)を使用して各リソース領域の時間領域のリソースサイズ及び周波数領域のリソースサイズを端末20に通知してもよい。代替的に、各リソース領域の時間領域のリソースサイズ及び周波数領域のリソースサイズは、事前に設定されてもよい(例えば、周波数領域においてN個のリソースブロック(RB)であり、時間領域において1スロットであってもよい)。
【0089】
特定の時間領域及び特定の帯域幅に含まれるリソースを、X×Y個のリソース領域に均等に分割する場合において、基地局10は、専用のDCIフィールドを使用して、時間領域におけるリソース領域の開始位置及び周波数領域におけるリソース領域の開始位置を端末20に通知してもよい。代替的に、基地局10は、RRCシグナリング(RRC configurationであってもよい)を使用して時間領域におけるリソース領域の開始位置及び周波数領域におけるリソース領域の開始位置を端末20に通知してもよい。代替的に、時間領域におけるリソース領域の開始位置及び周波数領域におけるリソース領域の開始位置は、事前に設定されてもよい(例えば、2番目のスロットが時間領域におけるリソース領域の開始位置であり、Physical Resource Block(PRB)#0が周波数領域におけるリソース領域の開始位置であってもよい)。
【0090】
(オプション2)
基地局10が端末20に対して、SPS HARQの送信に適用可能なリソース領域パターンを示すために、ビットマップを使用してもよい。例えば、1つのリソース領域をSPS HARQの送信に適用可能か否かを示すために、1ビットを使用してもよい。
【0091】
特定の時間領域及び特定の帯域幅に含まれるリソースは、Z個のリソース領域に分割されてもよい。ここで、Z個のリソース領域のうちの1つのリソース領域の時間領域のリソースのサイズ及び/又は周波数領域のリソースサイズは、Z個のリソース領域のうちの他のリソース領域の時間領域のリソースサイズ及び/又は周波数領域のリソースサイズと異なっていてもよい。
【0092】
Z個のリソース領域のうちの各リソースに対して、ビットマップに含まれるZ個のビットのうちの1つの表示ビット(indication bit)が対応してもよい。例えば、Z個のリソース領域に対して、リソース開始位置(又はリソース終了位置)の昇順に番号が付与されてもよく、ビットマップに含まれるZ個のビットのうちの第i番目のビットは、Z個のリソース領域のうちの当該昇順で第i番目のリソースに対応してもよい。なお、上述の例では、リソース開始位置(又はリソース終了位置)の昇順に番号が付与されているが、本実施例はこの例には限定されない。例えば、リソース位置の降順に番号が付与されてもよい。
【0093】
ここで、Z個のリソース領域のリソース開始位置の昇順とは、まず時間領域においてリソース開始位置を1つカウントした後、その時間領域におけるリソース開始位置に対応する周波数領域に含まれるリソース開始位置を全てカウントし、次に時間領域において次のリソース開始位置を1つカウントした後に、その時間領域におけるリソース開始位置に対応する周波数領域に含まれるリソース開始位置を全てカウントする、といった順番であってもよい。Z個のリソース領域のリソース終了位置の昇順も同様に規定されてもよい。
【0094】
図10は、特定の時間領域及び特定の帯域幅に含まれるリソースを、Z(=6)個のリソース領域に分割する例を示す図である。図10の例において、SPS HARQの送信に適用可能なリソース領域はビット値1で示され、SPS HARQの送信に不適切なリソースはビット値0で示される。
【0095】
図10の例において、X個のリソース領域のリソース開始の昇順とは、まず時間領域においてリソース開始位置を1つカウントした後、その時間領域におけるリソース開始位置に対応する周波数領域に含まれるリソース開始位置を全てカウントし、次に時間領域において次のリソース開始位置を1つカウントした後に、その時間領域におけるリソース開始位置に対応する周波数領域に含まれるリソース開始位置を全てカウントする、といった順番であってもよい。この場合、SPS HARQの送信に適用可能なリソース領域パターンを示すビットマップは、001011であってもよい。
【0096】
代替的に、Z個のリソース領域のリソース開始位置の昇順とは、まず周波数領域においてリソース開始位置を1つカウントした後、その周波数領域におけるリソース開始位置に対応する時間領域に含まれるリソース開始位置を全てカウントし、次に周波数領域において次のリソース開始位置を1つカウントした後に、その周波数領域におけるリソース開始位置に対応する時間領域に含まれるリソース開始位置を全てカウントする、といった順番であってもよい。Z個のリソース領域のリソース終了位置の昇順も同様に規定されてもよい。
【0097】
この場合、図10の例におけるSPS HARQの送信に適用可能なリソース領域パターンを示すビットマップは、011010であってもよい。
【0098】
リソース割当ては、各リソース領域に対して定義されてもよい。リソース割当てを領域毎に定義する場合には、リソース割当て情報には、時間領域のリソースサイズ及び周波数領域のリソースサイズを示す情報、時間領域のリソースの開始位置及び周波数領域のリソース開始位置を示す情報(隣接する2つのリソース領域の間にギャップがない場合には、この情報は含まれなくてもよい)が含まれてもよい。
【0099】
特定の時間領域及び特定の帯域幅に含まれるリソースを、Z個のリソース領域に分割する場合において、基地局10は、専用のDCIフィールドを使用して、各リソース領域のリソース割当て情報を端末20に通知してもよい。リソース割当て情報は、専用のDCIフィールドにおいて直接示されてもよい。代替的に、専用のDCIフィールドにおいて、テーブルの行を示すインデックスが示され、当該テーブルの行を示すインデックスは、各行におけるリソース割当て情報を示してもよい。代替的に、基地局10は、RRCシグナリング(RRC configurationであってもよい)を使用して各リソース領域のリソース割当て情報を端末20に通知してもよい。代替的に、各リソース領域のリソース割当て情報は、事前に設定されてもよい。
【0100】
基地局10は、ビットマップを使用して、SPS HARQの適用可能リソース領域パターンを端末20に通知してもよい。
【0101】
以下において、基地局10が端末20にビットマップを通知する方法の例を説明する。
【0102】
(通知方法1)
基地局10は、端末20に対して、DCIを使用して、動的にビットマップを通知してもよい。
【0103】
基地局10が端末20に対して動的にビットマップを通知する際に使用するDCIフォーマットは、既存の端末20固有(UE-specific)のDCIフォーマットであってもよく、あるいは既存のグループ共通(group-common)のDCIフォーマットであってもよい。
【0104】
代替的に、基地局10が端末20にビットマップを通知するための新しいDCIフィールドが規定されてもよい。例えば、新しいRadio Network Temporary Identifier(RNTI)を導入することなく、既存の端末20固有(UE-specific)のDCIフォーマットに新しいDCIフィールドを追加してもよい。
【0105】
代替的に、例えば、新しいRNTIを使用して、ビットマップの通知のための新しいDCIフィールドを規定してもよい。代替的に、基地局10は、DCIフォーマットの既存のフィールドを使用して、ビットマップを端末20に通知してもよい。新しいフィールド、又はいくつかのフィールドの特定の値の組み合わせによって、SPS HARQの適用可能リソース領域パターンに使用されるDCIが特定されてもよい。
【0106】
基地局10が端末20に対して動的にビットマップを通知する際に使用するDCIフォーマットは、新しい端末20固有(UE-specific)のDCIフォーマットであってもよく、あるいは新しいグループ共通(group-common)のDCIフォーマットであってもよい。
【0107】
基地局10が端末20に対して動的にビットマップを通知する際に使用するDCIフォーマットとして、端末20固有(UE-specific)のDCIフォーマットが使用される場合には、スケジューリングデータと共にビットマップ情報が送信されてもよく、スケジューリングデータを伴わずにビットマップ情報が送信されてもよい。
【0108】
基地局10が端末20に対して動的にビットマップを通知する際に使用するDCIフォーマットとして、グループ共通(group-common)のDCIフォーマットが使用される場合には、従来の通知と共にビットマップを通知するDCIが送信されてもよく、従来の通知を伴わずにビットマップを通知するDCIが送信されてもよい。
【0109】
基地局10が端末20に対して動的にビットマップを通知する際に使用するDCIの内容として、専用のDCIフィールドにビットマップが含まれてもよく、この場合において当該ビットマップが直接端末20に通知されてもよい。
【0110】
代替的に、基地局10は、端末20に対して、RRCシグナリングによって、ビットマップのセットを設定してもよい。この場合において、基地局10は、当該ビットマップのセットの中のいずれか1つのビットマップを端末20に対して指定するために、専用のDCIフィールドにおいて、当該1つのビットマップに対応するビットマップインデックスを端末20に通知してもよい。なお、上記の例では、基地局10はビットマップセットの中の1つのビットマップを端末20に対して指定しているが、実施例はこの例には限定されない。例えば、基地局10は、ビットマップセットの中の2つ以上のビットマップを端末20に対して指定してもよい。
【0111】
基地局10が端末20に対して動的にビットマップを通知する際にDCIフォーマットを使用することが可能である。以下において、ビットマップと、そのビットマップの適用の対象となるSPS PDSCH送信の設定(以下において、「SPS設定」と呼ばれてもよい)との対応関係の例を示す。
【0112】
基地局10が端末20に対してDCIを使用して通知する1つのビットマップは、1つのSPS設定に対して適用されてもよい。
【0113】
例えば、基地局10が端末20に対してDCIを使用して通知する1つのビットマップについて、ビットマップの適用の対象となる1つのSPS設定は、新しいDCIフィールドに含まれるSPS設定のインデックスによって指定されてもよく、あるいは既存のDCIフィールドに含まれるSPS設定のインデックスによって指定されてもよい。
【0114】
代替的に、例えば、基地局10が端末20に対してDCIを使用して通知する1つのビットマップについて、ビットマップの適用の対象となる1つのSPS設定は、当該DCIの通知の直前に受信したSPS設定であってもよく、あるいは当該DCIの通知の直後に受信したSPS設定であってもよい。
【0115】
基地局10が端末20に対してDCIを使用して通知する1つのビットマップは、複数のSPS設定に対して適用されてもよい。
【0116】
例えば、基地局10が端末20に対してDCIを使用して通知する1つのビットマップについて、ビットマップの適用の対象となる複数のSPS設定は、新しいDCIフィールドに含まれる複数のSPS設定のインデックスによって指定されてもよく、あるいは既存のDCIフィールドに含まれる複数のSPS設定のインデックスによって指定されてもよい。
【0117】
例えば、基地局10が端末20に対してDCIを使用して通知する1つのビットマップについて、ビットマップの適用の対象となる複数のSPS設定は、アクティベートされている全てのSPS設定であってもよい。
【0118】
基地局10が端末20に対してDCIを使用して通知する複数のビットマップは、複数のSPS設定に対して適用されてもよい。
【0119】
例えば、基地局10が端末20に対してDCIを使用して通知する複数のビットマップについて、当該複数のビットマップの適用の対象となる複数のSPS設定は、新しいDCIフィールドに含まれる複数のSPS設定のインデックスによって指定されてもよく、あるいは既存のDCIフィールドに含まれる複数のSPS設定のインデックスによって指定されてもよい。
【0120】
例えば、基地局10が端末20に対してDCIを使用して通知する複数のビットマップについて、当該複数のビットマップの適用の対象となる複数のSPS設定は、アクティベートされている全てのSPS設定であってもよい。
【0121】
基地局10が端末20に対して動的にビットマップを通知する際にDCIフォーマットを使用することが可能である。以下において、SPS設定に対してビットマップが適用される条件の例を示す。
【0122】
(ビットマップが適用される前提条件1)
基地局10がDCIフォーマットを使用して、端末20にビットマップを通知する場合において、DCIによって通知されるSPS設定であって、ビットマップの適用対象である、SPS設定、がアクティブである場合に、端末20は当該アクティブなSPS設定に対してビットマップを適用してもよい。
【0123】
(ビットマップが適用される前提条件2)
基地局10がDCIフォーマットを使用して、端末20にビットマップを通知する場合において、DCIによって通知されるSPS設定であって、ビットマップの適用対象である、SPS設定、に対して、HARQの延期が既に有効とされているか、又はDCIによるビットマップの通知によって、当該SPS設定に対するHARQの延期が黙示的に有効とされている場合に、端末20は当該SPS設定に対してビットマップを適用してもよい。
【0124】
基地局10がDCIフォーマットを使用して、端末20にビットマップを通知する場合において、端末20は、上述の前提条件1及び前提条件2が満たされる場合に、ビットマップを通知するDCIの受信後に、当該ビットマップをSPS設定に適用してもよい。
【0125】
基地局10は、DCIフォーマットを使用して、端末20に対して動的にビットマップを通知することが可能である。端末20は、通知されたビットマップをSPS設定に対して適用する。その後、端末20はSPS設定に対するビットマップの適用を停止する。
【0126】
SPS設定に対するビットマップの適用が1回のみとなっている場合において、端末20は、以下の条件のうち、1つ以上の条件が満たされた場合に、SPS設定に対するビットマップの適用を停止してもよい。
【0127】
1.ビットマップで示されるリソースの(時間方向及び/又は周波数方向の)終了位置に達した場合。
【0128】
2.ビットマップが適用されるSPS設定が解放された場合。
【0129】
3.HARQを延期する動作が無効とされた場合。
【0130】
4.SPS設定に対するビットマップの適用を停止する明示的なDCIを受信した場合。この場合において、SPS設定に対するビットマップの適用を停止する明示的なDCIとして、ビットマップを通知するDCIのDCIフォーマットと同じDCIフォーマットが使用されてもよい。
【0131】
5.ビットマップを通知する別のDCIを受信し、新たなビットマップが使用される場合。
【0132】
基地局10は、DCIフォーマットを使用して、端末20に対して動的にビットマップを通知することが可能である。端末20は、通知されたビットマップをSPS設定に対して適用する。その後、端末20はSPS設定に対するビットマップの適用を停止する。
【0133】
例えば、基地局10は、SPS設定に対してビットマップを繰り返し適用する場合に、繰り返しの周期をDCIで通知するか、RRCシグナリングで通知するか、又は事前設定してもよい。端末20は、通知された繰り返しの周期に基づいて、SPS設定に対してビットマップを繰り返し適用してもよい。この場合において、端末20は、以下の条件のうち、1つ以上の条件が満たされた場合に、SPS設定に対するビットマップの適用を停止してもよい。
【0134】
1.ビットマップが適用されるSPS設定が解放された場合。
【0135】
2.HARQを延期する動作が無効とされた場合。
【0136】
3.SPS設定に対するビットマップの適用を停止する明示的なDCIを受信した場合。この場合において、SPS設定に対するビットマップの適用を停止する明示的なDCIとして、ビットマップを通知するDCIのDCIフォーマットと同じDCIフォーマットが使用されてもよい。
【0137】
4.ビットマップを通知する別のDCIを受信し、新たなビットマップが使用される場合。
【0138】
(通知方法2)
基地局10は、端末20に対して、RRCパラメータを使用して、ビットマップを設定してもよい。
【0139】
例えば、新たな情報要素である、SPS-Configが規定されてもよく、基地局10は、当該SPS-Configを端末20に通知することによって、端末20に対してビットマップを設定してもよい。
【0140】
図11は、SPS-Configの例を示す図である。図11の例に示されるように、ビットマップの最大の長さを設定するパラメータである「LengthN」が、RRCにより、SPS-Configの中で設定されてもよい。代替的に、「LengthN」は、SPS-Configの中で事前に設定されてもよい。
【0141】
図11の例に示されるSPS-Configを端末20に通知することによって端末20に設定されるビットマップは、1つのSPS設定に対してのみ適用されてもよい。すなわち、SPS設定毎に、SPS-Configによって、対応する1つのビットマップが適用されてもよい。
【0142】
基地局10は、端末20に対して、RRCパラメータを使用して、適用可能リソース領域パターンを示すビットマップを設定してもよい。この場合において、SPS設定がアクティベートされており、かつHARQの延期が有効となっていることを前提条件として、端末20は、ビットマップをSPS設定に適用してもよい。
【0143】
上述の前提条件が満たされている場合において、ビットマップがRRCによって設定された場合には、端末20は常に設定されたビットマップをSPS設定に適用してもよい。
【0144】
上述の前提条件が満たされている場合において、基地局10は、設定したビットマップをアクティベートするためのDCIを端末20に送信してもよく、端末20は、受信したDCIに基づいて、RRCで設定されたビットマップをアクティベートしてもよい。この場合において、DCIによって1つのビットマップが1つのSPS設定に適用されてもよく、DCIによって複数のビットマップが複数のSPS設定に適用されてもよい。
【0145】
RRCで設定されたビットマップをDCIでアクティベートする場合において、専用のDCIフィールドを使用してビットマップを適用するSPS設定を指定してもよい。また、RRCで設定されたビットマップをアクティベートするDCIに対して、上述の通知方法1と同様のDCIフォーマットが使用されてもよい。
【0146】
RRCで設定されたビットマップがSPS設定に対して適用された後、端末20は、以下の条件のうち、1つ以上の条件が満たされた場合に、SPS設定に対するビットマップの適用を停止してもよい。
【0147】
1.ビットマップが適用されるSPS設定が解放された場合。
【0148】
2.HARQを延期する動作が無効とされた場合。
【0149】
3.SPS設定に対するビットマップの適用を停止する明示的なDCIを受信した場合。この場合において、SPS設定に対するビットマップの適用を停止する明示的なDCIとして、上述の通知方法1のビットマップを通知するDCIのDCIフォーマットと同じDCIフォーマットが使用されてもよい。
【0150】
4.ビットマップを通知する別のDCIを受信し、新たなビットマップが使用される場合。
【0151】
例えば、新たな情報要素である、PDSCH-Configが規定されてもよく、基地局10は、当該PDSCH-Configを端末20に通知することによって、端末20に対してビットマップを設定してもよい。
【0152】
図12は、PDSCH-Configの例を示す図である。図12の例に示されるように、ビットマップの最大の長さを設定するパラメータである「LengthN」が、RRCにより、PDSCH-Configの中で設定されてもよい。代替的に、「LengthN」は、PDSCH-Configの中で事前に設定されてもよい。
【0153】
図12の例に示されるPDSCH-Configを端末20に通知することによって端末20に設定されるビットマップは、1又は複数のSPS設定に対して適用されてもよい。すなわち、(アクティベートされている)全てのSPS設定に対して、PDSCH-Configによって、共通のビットマップが適用されてもよい。
【0154】
基地局10は、端末20に対して、RRCパラメータを使用して、適用可能リソース領域パターンを示すビットマップを設定してもよい。この場合において、HARQの延期が有効となっていることを前提条件として、端末20は、ビットマップをSPS設定に適用してもよい。
【0155】
上述の前提条件が満たされている場合において、ビットマップがRRCによって設定された場合には、端末20は常に設定されたビットマップを、全てのアクティベートされたSPS設定に適用してもよい。
【0156】
上述の前提条件が満たされている場合において、基地局10は、設定したビットマップをアクティベートするためのDCIを端末20に送信してもよく、端末20は、受信したDCIに基づいて、RRCで設定されたビットマップをアクティベートしてもよい。この場合において、DCIによって1つのビットマップが1つ又は複数のSPS設定に適用されてもよい。
【0157】
RRCで設定されたビットマップをDCIでアクティベートする場合において、専用のDCIフィールドを使用してビットマップを適用するSPS設定を指定してもよい。また、RRCで設定されたビットマップをアクティベートするDCIに対して、上述の通知方法1と同様のDCIフォーマットが使用されてもよい。
【0158】
RRCで設定されたビットマップがSPS設定に対して適用された後、端末20は、以下の条件のうち、1つ以上の条件が満たされた場合に、SPS設定に対するビットマップの適用を停止してもよい。
【0159】
1.ビットマップが適用されるSPS設定が解放された場合。
【0160】
2.HARQを延期する動作が無効とされた場合。
【0161】
3.SPS設定に対するビットマップの適用を停止する明示的なDCIを受信した場合。この場合において、SPS設定に対するビットマップの適用を停止する明示的なDCIとして、上述の通知方法1のビットマップを通知するDCIのDCIフォーマットと同じDCIフォーマットが使用されてもよい。
【0162】
4.ビットマップを通知する別のDCIを受信し、新たなビットマップが使用される場合。
【0163】
上述の例では、SPS PDSCHに対するHARQ-ACKの送信に適用可能なリソース領域のパターンである、適用可能リソース領域パターンを使用して、時間及び周波数領域のリソース領域を、SPS PDSCHに対するHARQ-ACKの送信に使用可能であるか否かを端末20に対して示す方法が説明されている。基地局10が適用可能リソース領域パターンを端末20に通知する方法として、DCIを使用して、端末にビットマップを通知する方法、及びRRCシグナリングで端末に対してビットマップの設定を行う方法が提案されている。これらのDCIを使用する場合についてのオプション、及びRRCシグナリングを使用する場合のオプションが示されている。
【0164】
上述のオプションのうち、端末20において使用するオプションの設定が、上位レイヤのパラメータを使用して行われてもよい。また、上述のオプションのうち、いずれのオプションを使用することが可能であるかを示す情報を、端末20は、UE capabilityとして基地局10に通知してもよい。また、上述のオプションのうち、いずれのオプションを使用することが可能であるか、仕様において規定されてもよい。また、端末20は、上位レイヤのパラメータ及び送信したUE capabilityに基づいて、上述のオプションのうち、いずれのオプションを使用するかを決定してもよい。
【0165】
(UE能力情報について)
TDD方式の場合における、少なくとも1つの「DLシンボル又はFシンボル」とPUCCHリソースとの衝突によるSPS HARQ-ACKのドロップを回避するために、端末20が次の機能をサポートするかどうかを示すUE能力情報が使用されてもよい。当該UE能力情報は端末20から基地局10に通知され、基地局10は、当該UE能力情報に基づいて、例えば、適用可能リソース領域パターンを端末20に通知できる。
【0166】
・TDD方式の場合に、HARQ-ACKの延期をサポートしているかどうかを示すUE能力情報。
【0167】
・HARQ-ACKの延期に対する適用可能リソース領域パターンを設定する機能をサポートしているかどうかを示すUE能力情報。
【0168】
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行する基地局10及び端末20の機能構成例を説明する。基地局10及び端末20は上述した提案1~2を実施する機能を含む。ただし、基地局10及び端末20はそれぞれ、提案1~2のうちのいずれかの提案の機能のみを備えることとしてもよい。
【0169】
<基地局10>
図13は、基地局10の機能構成の一例を示す図である。図13に示されるように、基地局10は、送信部110と、受信部120と、設定部130と、制御部140とを有する。図13に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。送信部110と受信部120とを通信部と呼んでもよい。
【0170】
送信部110は、端末20側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部120は、端末20から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、送信部110は、端末20へNR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、DL/UL制御信号、DLデータ等を送信する機能を有する。また、送信部110は、提案1~2で説明した設定情報等を送信する。
【0171】
設定部130は、予め設定される設定情報、及び、端末20に送信する各種の設定情報を記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。制御部140は、例えば、リソース割り当て、基地局10全体の制御等を行う。なお、制御部140における信号送信に関する機能部を送信部110に含め、制御部140における信号受信に関する機能部を受信部120に含めてもよい。また、送信部110、受信部120をそれぞれ送信機、受信機と呼んでもよい。
【0172】
<端末20>
図14は、端末20の機能構成の一例を示す図である。図14に示されるように、端末20は、送信部210と、受信部220と、設定部230と、制御部240とを有する。図14に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。送信部210と受信部220とを通信部と呼んでもよい。
【0173】
送信部210は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部220は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、送信部210はHARQ-ACKを送信し、受信部220は、提案1~2で説明した設定情報等を受信する。
【0174】
設定部230は、受信部220により基地局10から受信した各種の設定情報を記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。また、設定部230は、予め設定される設定情報も格納する。制御部240は、端末20全体の制御等を行う。なお、制御部240における信号送信に関する機能部を送信部210に含め、制御部240における信号受信に関する機能部を受信部220に含めてもよい。また、送信部210、受信部220をそれぞれ送信機、受信機と呼んでもよい。
【0175】
端末20、基地局10は、例えば下記の各項に記載された端末、基地局として構成される。
(第1項)
基地局から受信したデータに対するフィードバック情報を送信可能な1又は複数のアップリンクリソース領域を示すビットマップ情報を受信する受信部と、
前記ビットマップ情報に基づいて、前記フィードバック情報を送信するための有効なアップリンクリソースが存在する時間位置まで前記フィードバック情報の送信を延期する制御部と、
前記有効なアップリンクリソースで前記フィードバック情報を送信する送信部と、
を備える端末。
(第2項)
前記ビットマップ情報は、特定の時間間隔及び特定の帯域幅のリソースを、時間方向及び周波数方向に均等に分割することで得られる複数のリソース領域のうちの各リソース領域が前記フィードバック情報を送信するために使用可能か否かを示す、
第1項に記載の端末。
(第3項)
前記制御部は、前記基地局から受信したパラメータに基づき、複数のビットマップを設定し、設定した複数のビットマップのうち、前記受信部が受信した制御情報により指定されるビットマップを、前記フィードバック情報を送信可能な1又は複数のアップリンクリソース領域を示すビットマップ情報として使用する、
第1項に記載の端末。
(第4項)
前記ビットマップ情報は、前記基地局からのセミパーシステントなデータ送信に対するフィードバック情報を送信可能な1又は複数のアップリンクリソース領域を示す、
第1項に記載の端末。
(第5稿)
基地局から受信したデータに対するフィードバック情報を送信可能な1又は複数のアップリンクリソース領域を示すビットマップ情報を受信する受信部と、
送信したデータに対して端末がフィードバック情報を送信可能な1又は複数のアップリンクリソース領域を示すビットマップ情報を送信する送信部と、
前記ビットマップ情報に基づいて、前記フィードバック情報を受信するための有効なアップリンクリソースが存在する時間位置まで前記フィードバック情報の受信を延期する制御部と、
前記有効なアップリンクリソースで前記フィードバック情報を受信する受信部と、
を備える基地局。
【0176】
上記のいずれの項に記載された構成によっても、データを受信した端末が、データ受信に対するフィードバック情報を適切に基地局に送信することを可能とする技術が提供される。
【0177】
(ハードウェア構成)
上記実施形態の説明に用いたブロック図(図13及び図14)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0178】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)あるいは送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0179】
例えば、本開示の一実施の形態における基地局10、端末20等は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図15は、本開示の一実施の形態に係る基地局10及び端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10及び端末20は、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0180】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。基地局10及び端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0181】
基地局10及び端末20における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0182】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の制御部140、制御部240等は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0183】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータ等を、補助記憶装置1003及び通信装置1004の少なくとも一方から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、図13に示した基地局10の制御部140は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、図14に示した端末20の制御部240は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0184】
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本開示の一実施の形態に係る通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
【0185】
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。補助記憶装置1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び補助記憶装置1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0186】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェース等は、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0187】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0188】
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0189】
また、基地局10及び端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0190】
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局10及び端末20は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局10が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従って端末20が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0191】
また、情報の通知は、本開示で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ等であってもよい。
【0192】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0193】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0194】
本明細書において基地局10によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局10を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末20との通信のために行われる様々な動作は、基地局10及び基地局10以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GW等が考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局10以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、他のネットワークノードは、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0195】
本開示において説明した情報又は信号等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0196】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0197】
本開示における判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0198】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0199】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0200】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0201】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0202】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0203】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0204】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUSCH、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0205】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0206】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0207】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「端末(user terminal)」、「端末(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0208】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0209】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0210】
また、本開示における基地局は、端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及び端末間の通信を、複数の端末20間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能を端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0211】
同様に、本開示における端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述の端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0212】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0213】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0214】
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0215】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0216】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0217】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0218】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0219】
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジ(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0220】
ニューメロロジは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0221】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジに基づく時間単位であってもよい。
【0222】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0223】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0224】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0225】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各端末20に対して、無線リソース(各端末20において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0226】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0227】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0228】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0229】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0230】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに基づいて決定されてもよい。
【0231】
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0232】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0233】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0234】
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジ用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0235】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0236】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0237】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0238】
本開示において、例えば、英語でのa,an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0239】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0240】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0241】
なお、本開示において、SSブロック又はCSI-RSは、同期信号又は参照信号の一例である。
【0242】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0243】
10 基地局
110 送信部
120 受信部
130 設定部
140 制御部
20 端末
210 送信部
220 受信部
230 設定部
240 制御部
1001 プロセッサ
1002 記憶装置
1003 補助記憶装置
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
図1
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