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  • 特開-水路用流向計 図1
  • 特開-水路用流向計 図2
  • 特開-水路用流向計 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182908
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】水路用流向計
(51)【国際特許分類】
   G01P 13/02 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
G01P13/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096138
(22)【出願日】2022-06-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】520105164
【氏名又は名称】山崎 明美
(72)【発明者】
【氏名】山崎 貴志
【テーマコード(参考)】
2F034
【Fターム(参考)】
2F034AA04
2F034DB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】特に開水路における流れの方向を、簡易な方法で、かつ、ほとんど流れを阻害しない方法で確認することができ、かつ、構造が簡易で、かつ、流木などの異物の衝突に対しても破損しにくい、水路用流向計を提供する。
【解決手段】略鉛直に配置する棒状部材1と、棒状部材1上の重心よりも上部に配置する水平軸2と、を備え、棒状部材1は水平軸2を軸として回動自在とし、棒状部材1の水平軸2より下部が水流に接触して、棒状部材1が傾くことで流向を確認できることを特徴とする、水路用流向計とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略鉛直に配置する棒状部材(1)と、棒状部材(1)上の重心よりも上部に配置する水平軸(2)とで構成し、棒状部材(1)は水平軸(2)を軸として回動自在とし、棒状部材(1)の水平軸(2)より下部が水流に接触して、棒状部材(1)が傾くことで流向を確認できることを特徴とする、水路用流向計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に開水路における流れの方向を確認するために好適な、水路用流向計に関する。
【背景技術】
【0002】
河川設備の樋門などでは、水路の水の流れの方向によって樋門等の開閉を行うため、水の流れ方向の見極めが重要だが、流速が遅かったり、周囲環境が暗かったり、風で水面が波立っている場合などでは、流れの方向を確認しにくい場合も多い。水路において流れの方向を確認する方法として、特許文献1に流向検知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6-2240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水路における流れの方向を確認する方法として、特許文献1に流向検知装置が開示されているが、構造が複雑であるとともに、水の流れに流木などの異物が混入している場合、フロートに異物が引っかかったり、異物の衝突により流向検知装置が破損する恐れが大きいものとなっている。
【0005】
本発明は、特に開水路における流れの方向を、簡易な方法で、かつ、ほとんど流れを阻害しない方法で確認することができ、かつ、構造が簡易で、かつ、流木などの異物の衝突に対しても破損しにくい、水路用流向計を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
略鉛直に配置する棒状部材1と、棒状部材1上の重心よりも上部に配置する水平軸2とで構成し、棒状部材1は水平軸2を軸として回動自在とし、棒状部材1の水平軸2より下部が水流に接触して、棒状部材1が傾くことで流向を確認できることを特徴とする、水路用流向計とする。
【発明の効果】
【0007】
水路において、本水路用流向計の棒状部材1の水平軸2より下部が水流に接触して、棒状部材1が傾くことで流向を確認することができる。また、水流に流木等の異物の混入があって、棒状部材1への異物の衝突があった場合でも、棒状部材1の傾きが大きくなり異物を受け流すため、異物は棒状部材1に引っかかることなく下流に流れていく。このため、本水路用流向計は破損しにくく、かつ、水路の流れの阻害にもなりにくい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1の平面図および側面図である。(a)は平面図、(b)は側面図。
図2】異物衝突時における実施例1の側面図である。
図3】実施例2の平面図および側面図である。(a)は平面図、(b)は側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
略鉛直に配置する棒状部材1と、棒状部材1上の重心よりも上部に配置する水平軸2とで構成し、棒状部材1は水平軸2を軸として回動自在とし、棒状部材1の水平軸2より下部が水流に接触して、棒状部材1が傾くことで流向を確認できることを特徴とする、水路用流向計とする。
【0010】
図1に、本水路用流向計の実施例1を示す。実施例1では、棒状部材1に設置した軸受3に水平軸2を貫通させることで、棒状部材1と水平軸2を回動自在に接続している。また、水平軸2を開水路の側壁に片持ち梁的に据付している。
【0011】
図2に、本水路用流向計の実施例1において、異物の衝突があった場合の状態を示す。この場合でも、棒状部材1の傾きが大きくなり異物を受け流すため、異物は棒状部材1に引っかかることなく下流に流れていく。このため、本水路用流向計は破損しにくく、かつ、水路の流れの阻害にもなりにくい。
【0012】
図3に、本水路用流向計の実施例2を示す。実施例2では、棒状部材1と水平軸2を固定的に接続し、水平軸2の両端に配置した軸受3により、棒状部材1が回動自在となる構造としている。また、水平軸2を開水路の両側の側壁に据付しており、水平軸2の両端に設置した指示針4により、棒状部材1の傾きを確認できるようにしている。
【0013】
本水路用流向計では、棒状部材1の傾斜を検出するセンサーを設置したり、棒状部材1と水平軸2の相対位置を検出するセンサーを設置したり、水平軸2の回転角を検出するセンサーを設置したりすることなどにより、流向を信号データとして出力することができる。
【0014】
棒状部材1を回動自在とする方法としては、実施例1に示すような、棒状部材1と水平軸2との間で回動自在とする方法のほか、実施例2に示すような、棒状部材1と水平軸2を固定接続として、水平軸2の据付箇所に軸受3を設けるなどにより回動自在とする方法も考えられる。後者の方法の場合、水平軸2は棒状部材1の回動と同時に回転するので、水平軸2の端部に実施例2に示すような指示針4を設けたり、水平軸2の据付箇所でセンサー等による検出を行うことができる。
【0015】
本水路用流向計では、1本の水平軸2に対して、複数の棒状部材1を設置することも考えられる。この場合、水路横断方向の流向分布を把握することができる。また、水平軸2の据付方法は、実施例1に示すような片持ち梁的な据付でも、実施例2に示すような両端固定の据付でもよい。
【0016】
棒状部材1や水平軸2の材質としては、金属を想定するが、破損対策や軽量化のために棒状部材1を適度な柔軟性を持つ樹脂やゴムなどとすることも考えられるため、材質を限定しない。
【0017】
図1~3に示した実施例1~2は、本発明の実施例に過ぎず、棒状部材1や水平軸2の形状・材質、棒状部材1と水平軸2の接続方法、水平軸2の据付方法、指示針4の有無、等を限定するものではない。
【符号の説明】
【0018】
1 棒状部材
2 水平軸
3 軸受
4 指示針
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
略鉛直に配置する棒状部材1と、棒状部材1上の重心よりも上部に配置する水平軸2と、を備え、棒状部材1は水平軸2を軸として回動自在とし、棒状部材1の水平軸2より下部が水流に接触して、棒状部材1が傾くことで流向を確認できることを特徴とする、水路用流向計とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
略鉛直に配置する棒状部材1と、棒状部材1上の重心よりも上部に配置する水平軸2と、を備え、棒状部材1は水平軸2を軸として回動自在とし、棒状部材1の水平軸2より下部が水流に接触して、棒状部材1が傾くことで流向を確認できることを特徴とする、水路用流向計とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略鉛直に配置する棒状部材(1)と、棒状部材(1)上の重心よりも上部に配置する水平軸(2)と、を備え、棒状部材(1)は水平軸(2)を軸として回動自在とし、棒状部材(1)の水平軸(2)より下部が水流に接触して、棒状部材(1)が傾くことで流向を確認できることを特徴とする、水路用流向計。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略鉛直に配置する棒状部材(1)と、棒状部材(1)上の重心よりも上部に配置する水平軸(2)と、を備え、棒状部材(1)は自身に固定接続する水平軸(2)を軸として、水流方向に係わらず棒状部材(1)が略水平となる位置以上まで回動自在とし、棒状部材(1)の水平軸(2)より下部が水流に接触して、棒状部材(1)が傾くことで流向を確認できることを特徴とする、水路用流向計。