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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182916
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】廃棄物管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0833 20230101AFI20231220BHJP
   B65F 5/00 20060101ALI20231220BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20231220BHJP
【FI】
G06Q10/08 306
B65F5/00
G06Q50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096162
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】519205361
【氏名又は名称】株式会社エヌ・クラフト
(71)【出願人】
【識別番号】506033791
【氏名又は名称】株式会社木下カンセー
(74)【代理人】
【識別番号】110002424
【氏名又は名称】ケー・ティー・アンド・エス弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林 憲昌
(72)【発明者】
【氏名】木下 昌秀
【テーマコード(参考)】
3E025
5L049
【Fターム(参考)】
3E025AA07
3E025CA01
3E025DC06
3E025EA03
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】コンピュータによって廃棄物の管理を行うことができる廃棄物管理システムを提供する。
【解決手段】廃棄物管理システムは、廃棄物を収容するコンテナと、前記コンテナ内に収容される廃棄物を撮像するカメラと、前記カメラによって取得した画像を取得するコンピュータと、を備える。前記コンピュータは、前記カメラから前記画像を取得し、前記画像から前記廃棄物の種類を特定するステップと、前記廃棄物の種類毎に前記廃棄物を管理するステップと、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を収容するコンテナと、
前記コンテナ内に収容される廃棄物を撮像するカメラと、
前記カメラによって取得した画像を取得するコンピュータと、
を備え、
前記コンピュータは、
前記カメラから前記画像を取得し、前記画像から前記廃棄物の種類を特定するステップと、
前記廃棄物の種類毎に前記廃棄物を管理するステップと、
を有する、
廃棄物管理システム。
【請求項2】
前記コンピュータは、前記廃棄物の種類と、前記種類に応じた前記廃棄物の量と、を関連づけるステップを有する、
請求項1に記載の廃棄物管理システム。
【請求項3】
前記コンピュータは、
前記廃棄物の総量をカウントするステップと、
前記総量が所定総量以上となった場合に、前記コンテナを回収するための情報を生成するステップと、
を有する
請求項1に記載の廃棄物管理システム。
【請求項4】
前記廃棄物を選別する選別装置をさらに備え、
前記コンピュータは、前記種類に応じた前記廃棄物の量に関する情報である選別情報を生成し、前記選別装置に送付信するステップを有し、
前記選別装置は、前記選別情報に基づいて、前記廃棄物を選別する、
請求項1に記載の廃棄物管理システム。
【請求項5】
前記カメラが前記コンテナに取り付けられる、
請求項1に記載の廃棄物管理システム。
【請求項6】
前記コンピュータは、電子マニュフェスト情報を生成するステップを有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の廃棄物管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、廃棄物管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から廃棄物を回収するコンテナが知られている。このようなコンテナは、廃棄物回収業者が廃棄物排出業者の敷地内に設置し回収している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6892720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
廃棄物回収業者は、このようなコンテナに収容された廃棄物を種類ごとに管理する必要がある。しかし、このようなコンテナに廃棄される廃棄物は、金属、木材、石材など様々な種類がある。このため、このような廃棄物は人手によって選別し管理する必要がある。
【0005】
本開示の課題は、コンピュータによって廃棄物の管理を行うことができる廃棄物管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る廃棄物管理システムは、廃棄物を収容するコンテナと、前記コンテナ内に収容される廃棄物を撮像するカメラと、前記カメラによって取得した画像を取得するコンピュータと、を備える。前記コンピュータは、前記カメラから前記画像を取得し、前記画像から前記廃棄物の種類を特定するステップと、前記廃棄物の種類毎に前記廃棄物を管理するステップと、を有する。
【0007】
この廃棄物管理システムによれば、コンピュータが廃棄物の種類毎に廃棄物を管理することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、コンピュータによって廃棄物の管理を行うことができる廃棄物管理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第1実施形態による廃棄物管理システムを示す図。
図2】本開示の第1実施形態によるコンピュータによる処理手順を示すフローチャート。
図3】本開示の第1実施形態によるカメラ制御コンピュータの処理手順を示すフローチャート。
図4】本開示の第1実施形態による選別装置の制御コンピュータの処理手順を示すフローチャート。
図5】本開示の第1実施形態による画像の一例を示す図。
図6】本開示の第1実施形態による廃棄物の種類特定画面の一例を示す図。
図7】本開示の第1実施形態によるリストの一例。
図8】本開示の第2実施形態による廃棄物管理システムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1に示すように、本開示の第1実施形態に係る廃棄物管理システム1は、廃棄物を収容するコンテナ2と、コンテナ2内に収容される廃棄物を撮像するカメラ4と、コンピュータ6と、廃棄物を選別する選別装置8と、を備える。
【0012】
コンテナ2は、廃棄物回収事業者が廃棄物を排出する廃棄物排出事業者に設置し、廃棄物が一定度溜まると廃棄物回収事業者が回収するための箱である。コンテナ2は、例えば鉄製の箱であり、例えば、金属、木材、石材、プラスチック材、紙類、その他の材料の廃棄物など種々様々な種類の材料が混合して収容される。
【0013】
カメラ4は、コンテナ2内が撮像可能な位置に設置される。本実施形態では、カメラ4は、コンテナ2の上部に取付金具を介して固定される。カメラ4は、カメラ4が取得した画像をコンピュータ6に送信可能なカメラ制御コンピュータ4aを有する。カメラ制御コンピュータ4aはネットワークNに無線、または有線によって電気的に接続される。なお、カメラ4は、必ずしもコンテナ2に固定される必要はなく、コンテナ2内が撮像可能な位置であれば、例えばコンテナ2を設置する場所の近くに設置されてもよい。
【0014】
コンピュータ6は、ネットワークNと無線、または有線によって電気的に接続され、少なくともカメラ4から送信された画像を取得し、画像処理によって廃棄物の種類を特定し、廃棄物の種類に応じた電子マニュフェスト情報を生成可能なプログラムを記憶している。本実施形態では、コンピュータ6は、廃棄物の種類に応じた画像を教師データとして記憶している。コンピュータ6は、カメラ4から取得した画像と教師データを比較し、廃棄物の種類を特定する。コンピュータ6は、廃棄物の種類とその量を関連づけたリストを生成する。コンピュータ6は、廃棄物の種類とその量に対して識別記号を付し、廃棄物を管理するための電子マニュフェスト情報を生成する。
【0015】
コンピュータ6は、ディスプレイ6aと無線または有線によって電気的に接続され、取得した画像をディスプレイ6aに表示してもよい。コンピュータ6は、廃棄物の種類が特定できない場合、コンピュータ6のユーザによって廃棄物の種類を特定させる画面を表示してもよい。本実施形態では、コンピュータ6は、廃棄物回収事業者に設置される。
【0016】
選別装置8は、廃棄物回収事業者によって搬入されたコンテナ2内の廃棄物を選別する装置である。選別装置8は、廃棄物処分事業者が所有する中間処分場、または最終処分場などに設置される装置である。本実施形態の選別装置8は、ガントリー型のアーム8a、カメラ8b、アーム8aおよびカメラ8bを制御する制御コンピュータ8c、および各選別エリア8dを有する。アーム8aは、ガントリー型の他、ロボットアームなどの種々の装置によって廃棄物を選別できる装置であってもよい。制御コンピュータ8cは、ネットワークNに接続され、少なくともコンピュータ6から選別情報を取得し、アーム8aおよびカメラ8bを制御可能なプログラムを記録していればよい。各選別エリア8dは、廃棄物の種類毎に廃棄物を保管するエリアであればよい。
【0017】
次に、図2から図4のフローチャートを用いて、コンピュータ6、カメラ4のカメラ制御コンピュータ4a、および選別装置8の制御コンピュータ8cが実行する処理について説明する。
【0018】
図2に示すように、ステップS1においてコンピュータ6は、前回の撮像した時間から所定時間経過したか否か判断する。コンピュータ6は、所定時間経過している場合(ステップS1 YES)、ステップS2に処理を進める。コンピュータ6は、所定時間経過していない場合(ステップS1 NO)、所定時間経過するまで待つ。ステップS2では、コンピュータ6は、カメラ4に画像を取得させるための情報である画像取得信号を生成し、カメラ4のカメラ制御コンピュータ4aにネットワークNを介して送信する。本実施形態では、コンピュータ6は、所定時間毎に画像取得信号を生成するタイマープログラムを有する。しかし、コンピュータ6は、例えば所定の時刻になった際に画像取得信号を生成するプログラムなど、他のプログラムによって画像取得信号を生成してもよい。
【0019】
図3に示すように、ステップS21においてカメラ制御コンピュータ4aは、画像取得信号を取得すると、ステップS22に処理を進め、カメラ4を起動させてコンテナ2内を撮像し画像を取得する。画像は、静止画、動画のどちらであってもよい。カメラ制御コンピュータ4aは、画像を取得するとステップS23に処理を進め、画像を、ネットワークNを介してコンピュータ6に送信する。
【0020】
ステップS3では、コンピュータ6は、カメラ制御コンピュータ4aから画像を取得し、ステップS4に処理を進める。ステップS4では、コンピュータ6は、記憶している教師データと取得した画像を比較し、ステップS5に処理を進める。
【0021】
ステップS5では、コンピュータ6は、画像から教師データとの一致率が所定一致率以上の廃棄物を検索する。より具体的には、コンピュータ6は、教師データと合致する形状や色彩の廃棄物を検索し、教師データと所定一致率(例えば90%)で合致する廃棄物を特定する。ここで、所定一致率とは、教師データとして記憶している色や形状との一致率である。
【0022】
このとき、図5に示すように、コンピュータ6は、廃棄物の種類に応じた色の枠で廃棄物を囲って表示してもよい。例えば、コンピュータ6は、廃棄物が金属である場合は赤の枠(図6の実線の枠参照)、廃棄物が木材である場合は緑の枠(図6の破線参照)、廃棄物が石材である場合は青の枠(図6の二点鎖線参照)、のようにディスプレイ6aに表示してもよい。これによって、コンピュータ6のユーザは、廃棄物の種類の特定が的確に行われていることを確認しやすい。
【0023】
コンピュータ6は、一致率が所定一致率以上であると判断した場合(ステップS5 YES)、ステップS6に処理を進め、種類を特定する。例えば、コンピュータ6が教師データとして金属の色、形状を記憶している場合、コンピュータ6は、画像の中から、教師データとして記憶した金属の色と形状に合致する廃棄物を検索する。コンピュータ6は、教師データに対して廃棄物の色と形状が90%一致する場合、金属であると特定する。
【0024】
一方、コンピュータ6は、一致率が所定一致率未満であると判断した場合(ステップS5 NO)、ステップS15に処理を進めてもよい。ステップS15において、コンピュータ6は、コンピュータ6のユーザに種類を特定させる種類特定画面を生成し、ディスプレイ6aに表示してもよい。図6に示すように、種類特定画面は、廃棄物の種類が特定できない廃棄物を黄色(図6の一点鎖線参照)で囲い、その横に廃棄物の種類を特定するための種類ごとのアイコンを表示するような画面であってもよい。アイコンは、例えばA、B、Cと表示し、それが金属、木材、石材に対応する記号であってもよい。コンピュータ6は、廃棄物の種類が特定されると、色、大きさ、形状など廃棄物の種類を関連づけて記憶してもよい。コンピュータ6は、このようにコンピュータ6のユーザによって種類が特定されると、ステップS6に処理を進めてもよい。
【0025】
コンピュータ6は、廃棄物の種類を特定するとステップS7に処理を進める。ステップS7では、コンピュータ6は、廃棄物の種類毎の量をカウントする。量は、個数、重量などであってもよい。個数は、コンピュータ6が種類を特定した廃棄物の個数をカウントし、それらを種類毎に再カウントしてもよい。重量は、例えばコンピュータ6が種類を特定した廃棄物の面積を計算し、面積から体積を推定し、推定した体積に基づいて質量を掛け合わせ、廃棄物の概算の重量を算出してもよい。また、コンテナ2に取り付けた重量計などの数値をコンピュータ6が取得するようにしてもよい。コンピュータ6は、種類毎の量をカウントするとステップS8に処理を進める。
【0026】
ステップS8では、コンピュータ6は、総量をカウントする。総量は、ステップS7でカウントした廃棄物の種類毎の量を積算したものであってもよい。総量は、個数の総量、および重量の総量であってもよい。コンピュータ6は、総量をカウントするとステップS9に処理を進める。
【0027】
ステップS9では、コンピュータ6は、総量が所定総量以上か否か判断する。所定総量は、例えばコンテナ2の積載量に応じて決定される値である。すなわち、コンテナ2にこれ以上の廃棄物が投下できない状態である。コンピュータ6は、総量が所定総量以上であると判断した場合(ステップS9 YES)、ステップS10に処理を進める。
【0028】
コンピュータ6は、総量が所定総量未満であると判断した場合(ステップS9 NO)、処理をステップS1に戻し、所定時間経過した場合に、画像を取得する。コンピュータ6は、このように総量が所定数量以上となるまで、所定時間毎に画像を取得しながら、廃棄物の種類を特定し、その量を記録し管理し続ける。
【0029】
ステップS10では、コンピュータ6は、回収情報を生成する。回収情報は、コンテナ2を回収するための情報である。コンピュータ6は、例えば、ディスプレイ6aにコンテナ2の配置場所などの情報を表示する画面を、回収情報として生成してもよい。これによって、コンピュータ6のユーザは、コンテナ2を回収するための情報を認識できる。コンピュータ6は、回収情報を生成するとステップS11に処理を進める。
【0030】
ステップS11では、コンピュータ6は、電子マニュフェスト情報を生成するためのリスト情報を生成する。コンピュータ6は、少なくとも、画像に基づいてコンピュータ6が特定した廃棄物の種類と、コンピュータ6がカウントした廃棄物の種類に応じた廃棄物の量と、を関連づけ、リスト情報を生成する。コンピュータ6は、さらに、取得した画像がどの場所に設置されているコンテナ2であるかを示すコンテナ配置場所と、廃棄物の種類と量を示す情報を関連づけ、リスト情報を生成してもよい。
【0031】
図6に示すように、本実施形態のリスト情報の一例では、コンテナ2毎のコンテナ配置場所と、金属、木材、および石材の割合と、総重量とが関連付けられたデータベースである。コンテナ設置場所には、例えば、コンテナ設置場所の廃棄物排出事業者の名称などや、コンテナ2の識別コードなどがデータベースに記録されている。割合は、例えばステップS7でカウントした金属、木材、および石材のそれぞれの量と、ステップS8でカウントした総量に基づいてコンピュータ6が算出したコンテナ2毎の金属、木材、および石材の割合である。総量はステップS8でカウントした総量である。コンピュータ6は、このようなリスト情報を生成し、ステップS12に処理を進める。
【0032】
ステップS12では、コンピュータ6は、廃棄物の種類に応じた廃棄物の量に関する情報である選別情報を生成する。本実施形態では、コンピュータ6は、リスト情報からコンテナ2毎の廃棄物の種類とそれに関連付けられた廃棄物の量を抜き出すとともに、抜き出した情報とそれら廃棄物を特定した際の画像とを関連づけて選別情報を生成する。コンピュータ6は、選別情報を生成するとステップS13に処理を進め、選別情報を選別装置8の制御コンピュータ8cに送信する。
【0033】
図5に示すように、ステップS31において制御コンピュータ8cは、コンピュータ6から選別情報を取得し、ステップS32に処理を進める。ステップS32では、制御コンピュータ8cは、カメラ8bを制御し、コンテナ2によって搬送され処理場におかれた廃棄物の画像を取得し、ステップS33に処理を進める。ステップS33では、制御コンピュータ8cは、選別情報に基づいて廃棄物を選別し、アーム8aを作動させて各選別エリア8dに廃棄物を搬送する。例えば、制御コンピュータ8cは、カメラ8bによって廃棄物の画像を取得し、取得した画像とコンピュータ6から取得した画像とを比較し、一致する廃棄物の種類の情報を選別情報から取得する。制御コンピュータ8cは、アーム8aを作動させて廃棄物を把持し、選別情報から取得した種類に該当する選別エリア8dに搬送する。制御コンピュータ8cはこのような制御を繰り返し、ステップS35に処理を進める。
【0034】
ステップS35では制御コンピュータ8cは、搬送した廃棄物が選別情報と一致したか否か判断する。すなわち、搬送した廃棄物が選別情報と一致しない場合、コンテナ2内の廃棄物が紛失したこととなる。このため制御コンピュータ8cは、搬送した廃棄物が選別情報と一致したか否か判断し、一致する場合は(ステップS35 YES)、ステップS36に処理を進め、認証情報を生成する。制御コンピュータ8cは、認証情報を生成するとステップS37に処理を進め、認証情報をコンピュータ6に送信する。
【0035】
制御コンピュータ8cは、搬送した廃棄物が選別情報と一致しない場合は(ステップS35 NO)、ステップS38に処理を進め、廃棄物を紛失したおそれを警告する警告情報を生成する。制御コンピュータ8cは、警告情報を生成するとステップS39に処理を進め、警告情報をコンピュータ6に送信する。コンピュータ6は警告情報を取得するとディスプレイ6aに表示させるための画面を生成してもよい。
【0036】
図2に示すように、コンピュータ6は、ステップS14では、認証情報を受け取ると、リスト情報に識別情報(ID)を付与し、電子マニュフェスト情報を生成する。電子マニュフェスト情報とは、廃棄物が排出されてから処分されるまでの間に、不法投棄などによって処理されていない廃棄物がないことを証明するための情報である。図6に示すように、本実施形態ではコンピュータ6は、例えば、コンテナ2毎に関連づけられた金属、木材、および石材の割合の情報と、これら情報に関連づけられた総量の情報に識別情報を付与し、電子マニュフェスト情報を生成する。これによって、このコンテナ2内の廃棄物が適正に処分されたことが証明できる。コンピュータ6は、電子マニュフェスト情報を生成するとステップS1に処理を進め、次に設置されたコンテナ2の画像取得を進める。
【0037】
<第2実施形態>
次に図7を用いて第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0038】
第2実施形態においては、コンピュータ6が生成するリスト情報が第1実施形態と異なる。図7に示すように、第2実施形態では、コンピュータ6が廃棄物毎のコンテナ設置場所、種類、大きさ、重量を関連づけてリスト情報を生成する。すなわち、コンピュータ6は、廃棄物を特定する毎にリスト情報の廃棄物を追加していく。さらに、コンピュータ6は、廃棄物毎に認証情報を取得し、IDを付与していく。このような廃棄物管理システム1によれば、廃棄物を漏れなく管理できる。
【0039】
以上説明した通り、本開示による、廃棄物管理システム1によれば、コンピュータ6が廃棄物の種類毎に廃棄物を管理することができる。
【0040】
また、このようにコンテナ2内にカメラを設置することで、廃棄物排出事業者は、廃棄物を、責任を持って出すようになり、廃棄物の分別マナーを守ることにつながる。さらに、コンテナ2内にカメラ4を設置することで、コンピュータ6が記憶した危険物の画像と一致する廃棄物を特定した場合、廃棄物排出事業者に警告を出すこともできる。これによってコンテナ2内に危険物の混入を防ぐことができる。
【0041】
さらに、本開示の廃棄物管理システム1によれば、コンピュータ6が電子マニュフェスト情報を生成するためペーパーレス化につながる。
【0042】
また、本開示の廃棄物管理システム1によれば、廃棄物排出工程から廃棄物処理工程までがコンピュータ6によって一連化され、自動で管理できる。これによって、従来、廃棄物排出行程から廃棄物処理工程までの各行程ごとに必要だった人手を減らすことができ、各工程の透明性が持てる。また、本開示の廃棄物管理システム1では、廃棄物排出行程における廃棄物の情報が廃棄物処理工程において使用できるため、廃棄物処理工程における選別工程において選別装置8を用いて無人化でき、安全な廃棄物の選別が可能となるとともに、人手不足の解消にもなる。
【0043】
さらに、このような廃棄物管理システム1を導入する廃棄物処理事業者は、電子マニュフェスト情報の認証情報を通じて的確な廃棄物処理を実行していることが証明される。これによって、優良な廃棄物処理事業者として、廃棄物排出事業者からの信用を得やすい。
【0044】
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能である。
【0045】
例えば、上記第1実施形態および第2実施形態において、カメラ制御コンピュータ4a、コンピュータ6、および制御コンピュータ8cが実行した各ステップの処理は、それぞれの別のコンピュータによって実行してもよい。すなわち、ステップS1からステップS39までの処理をどのコンピュータが実行するかは、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 :廃棄物管理システム
2 :コンテナ
4 :カメラ
4a :カメラ制御コンピュータ
6 :コンピュータ
6a :ディスプレイ
8 :選別装置
8a :アーム
8b :カメラ
8c :制御コンピュータ
8d :選別エリア
N :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8