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特開2023-182936メンテナンス管理方法、メンテナンス管理システム、及びメンテナンス管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182936
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】メンテナンス管理方法、メンテナンス管理システム、及びメンテナンス管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20231220BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALI20231220BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096208
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】古市 光洋
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】ユーザによるメンテナンス時期の決定を支援する。
【解決手段】メンテナンス管理方法は、第1作業装置100が過去に稼働した稼働履歴と、第1作業装置100により行われる作業の作業計画とに基づき、作業計画で計画された計画期間において、第1作業装置100が駆動する推定実稼働時間を推定することを含む。また、メンテナンス管理方法は、推定実稼働時間に基づき、第1作業装置100が計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することを含む。作業計画は、計画期間において第1作業装置100により作業が行われる予定面積を含んでもよい。
【選択図】図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1作業装置が過去に稼働した稼働履歴と、前記第1作業装置により行われる作業の作業計画とに基づき、前記作業計画で計画された計画期間において、前記第1作業装置が駆動する推定実稼働時間を推定することと、
前記推定実稼働時間に基づき、前記第1作業装置が前記計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することと、
を含むメンテナンス管理方法。
【請求項2】
前記作業計画は、前記計画期間において前記第1作業装置により作業が行われる予定面積を含む請求項1に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項3】
前記稼働履歴は、前記第1作業装置が前記計画期間に対応する第1期間あたりに稼働した第1稼働時間と、前記第1作業装置が前記第1期間あたりに作業を行った第1作業面積とを含み、
前記推定実稼働時間を推定することは、
前記予定面積と、前記第1作業面積と、前記第1稼働時間とに基づき、前記推定実稼働時間を推定すること
を含む請求項2に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項4】
前記予定面積は、前記計画期間において前記第1作業装置が作業を行う予定総面積を含み、
前記推定実稼働時間を推定することは、
前記予定総面積と、前記第1作業面積との差が閾値以下のとき、前記第1稼働時間を前記推定実稼働時間として推定すること
を含む請求項3に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項5】
前記推定実稼働時間を推定することは、
前記稼働履歴に基づき、前記第1作業装置が単位面積の作業を行うために要した実稼働時間を表す単位実稼働時間を決定することと、
前記予定面積と、前記単位実稼働時間とに基づき、前記推定実稼働時間を推定することと、
を含む請求項2に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項6】
前記稼働履歴は、前記第1作業装置が第2期間に稼働した第2稼働時間と、前記第1作業装置が前記第2期間に作業を行った第2作業面積とを含み、
前記単位実稼働時間を推定することは、
前記第2作業面積と、前記第2稼働時間とに基づき、前記単位実稼働時間を決定すること
を含む請求項5に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項7】
前記稼働履歴は、1つ以上の第2作業装置の各々が稼働した第3稼働時間と、前記1つ以上の第2作業装置の各々が作業を行った第3作業面積とを含み、
前記単位実稼働時間を推定することは、
前記第3稼働時間と、前記第3作業面積とに基づき、前記第1作業装置の前記単位実稼働時間を推定すること
を含む請求項5に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項8】
前記作業計画は、複数の圃場において作業を行うことを表し、
前記予定面積は、前記複数の圃場のうちの第1圃場の第1面積を含み、
前記第1作業装置が駆動する前記推定実稼働時間を推定することは、
前記第1面積に基づき、前記第1圃場における作業において前記第1作業装置が駆動する第1推定実稼働時間を推定すること
を含み、
前記計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することは、
前記第1推定実稼働時間に基づき、前記第1圃場における作業中に前記第1作業装置のメンテナンスの要否を判定すること
を含む請求項2から7のいずれか1項に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項9】
前記作業計画は、前記第1圃場における作業を開始する直前に、前記第1作業装置を使用しない休止期間を含み、
前記第1圃場における作業中にメンテナンスの要否を判定することは、
前記第1圃場における作業中に前記第1作業装置のメンテナンスが必要であると判定されたとき、前記休止期間における前記第1作業装置のメンテナンスを推奨することを決定すること
を含む請求項8に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項10】
前記計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することは、
前記稼働履歴に基づき、仮想稼働係数を決定することと、
前記仮想稼働係数と、前記推定実稼働時間とに基づき、前記第1作業装置の負荷に応じた推定仮想稼働時間を決定することと、
前記推定仮想稼働時間に基づき、前記第1作業装置が前記計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することと、
を含む請求項1から7のいずれか1項に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項11】
前記稼働履歴は、前記第1作業装置が稼働した累積実稼働時間と、前記第1作業装置の負荷に応じた累積仮想稼働時間とを含み、
前記仮想稼働係数を決定することは、
前記累積実稼働時間と、前記累積仮想稼働時間とに基づき、前記仮想稼働係数を決定すること
を含む請求項10に記載のメンテナンス管理方法。
【請求項12】
第1作業装置が過去に稼働した稼働履歴と、前記第1作業装置により行われる作業の作業計画とに基づき、前記作業計画で計画された計画期間において、前記第1作業装置が駆動する推定実稼働時間を推定する時間推定部と、
前記推定実稼働時間に基づき、前記第1作業装置が前記計画期間におけるメンテナンスの要否を判定する判定部と、
を備えるメンテナンス管理システム。
【請求項13】
第1作業装置が過去に稼働した稼働履歴と、前記第1作業装置により行われる作業の作業計画とに基づき、前記作業計画で計画された計画期間において、前記第1作業装置が駆動する推定実稼働時間を推定することと、
前記推定実稼働時間に基づき、前記第1作業装置が前記計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することと、
を演算装置に実行させるメンテナンス管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンテナンス管理方法、メンテナンス管理システム、及びメンテナンス管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理を用いて、作業装置のメンテナンスを行う時期を決定することが研究されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、圃場で作業を行う作業装置の累積稼働時間に応じて、メンテナンスの要否を端末に報知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-48788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、累積稼働時間は作業装置が稼働されることで決定される。同じ圃場で作業を行い続ける場合は、作業装置の稼働時間が容易に予想できるが、作業を行う圃場が変わる場合、作業装置の稼働時間を予想できない場合がある。この場合、累積稼働時間が作業の途中でメンテナンスが必要となる時間に達してしまい、メンテナンスを行わずに故障が生じる場合がある。また、メンテナンスを行う場合、その期間、作業装置による作業が行えなくなる。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、作業計画からメンテナンスの要否を判定することで、ユーザによるメンテナンス時期の決定を支援することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態によるメンテナンス管理方法は、第1作業装置(100)が過去に稼働した稼働履歴と、第1作業装置(100)により行われる作業の作業計画とに基づき、作業計画で計画された計画期間において、第1作業装置(100)が駆動する推定実稼働時間を推定することを含む。また、メンテナンス管理方法は、推定実稼働時間に基づき、第1作業装置(100)が計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することを含む。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態によるメンテナンス管理システム(1000)は、時間推定部(260)と、判定部(270)とを備える。時間推定部(260)は、第1作業装置(100)が過去に稼働した稼働履歴と、第1作業装置(100)により行われる作業の作業計画とに基づき、作業計画で計画された計画期間において、第1作業装置(100)が駆動する推定実稼働時間を推定する。判定部(270)は、推定実稼働時間に基づき、第1作業装置(100)が計画期間におけるメンテナンスの要否を判定する。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態によるメンテナンス管理プログラム(420)は、第1作業装置(100)が過去に稼働した稼働履歴と、第1作業装置(100)により行われる作業の作業計画とに基づき、作業計画で計画された計画期間において、第1作業装置(100)が駆動する推定実稼働時間を推定することを演算装置(220、320)に実行させる。また、メンテナンス管理プログラム(420)は、推定実稼働時間に基づき、第1作業装置(100)が計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することを演算装置(220、320)に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記の形態によれば、ユーザはメンテナンス時期の決定の支援を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施の形態におけるメンテナンス管理システムの概略図である。
図2】一実施の形態におけるメンテナンスデータの構成を表す図である。
図3】一実施の形態における作業装置の構成を表す図である。
図4】一実施の形態におけるメンテナンス管理装置の構成を表す図である。
図5】一実施の形態におけるメンテナンス管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
図6】一実施の形態における端末の構成を表す図である。
図7】一実施の形態におけるメンテナンス管理システムが稼働履歴を記憶する処理を表すフローチャートである。
図8A】一実施の形態におけるメンテナンス管理システムがメンテナンスの要否を判定する処理を表すフローチャートである。
図8B】一実施の形態におけるメンテナンス管理システムがメンテナンスの要否を判定する処理を表すフローチャートである。
図9】一実施の形態における端末が表示する入力画面を説明するための図である。
図10】一実施の形態における時間推定部が決定する近似直線を説明するための図である。
図11】一実施の形態におけるメンテナンス管理装置の構成を表す図である。
図12】一実施の形態における端末が表示する入力画面を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
本発明の本実施の形態によるメンテナンス管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、図1に示すように、メンテナンス管理システム1000は、1つ以上の作業装置100と、メンテナンス管理装置200と、端末300とを備える。作業装置100は、圃場500内を移動しつつ、作業を行う。メンテナンス管理装置200は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、作業装置100と、端末300と通信可能に接続されている。
【0014】
作業装置100の機能を維持するために、作業装置100の各部位についてメンテナンスが行われる。各部位のメンテナンス時期は、作業装置100が稼働された時間の累積を表す累積稼働時間に基づき設定される。例えば、図2に示すように、「部位A」のメンテナンスは、作業装置100の累積稼働時間が100時間に達したときに行われる。「部位A」のメンテナンスが次に行われるのは、作業装置100の累積稼働時間が200時間に達したときである。また、累積稼働時間が300時間に達したとき、「部位A」のメンテナンスが行われる。また、「部位B」のメンテナンスは、作業装置100の累積稼働時間が200時間、600時間、1000時間のそれぞれに達したときに行われる。
【0015】
このように、作業装置100のメンテナンス時期は、作業装置100が実際に稼働した時間を表す実稼働時間に基づいて決定されるため、圃場500における作業中に到来する場合がある。圃場500の作業中にメンテナンス時期が到来すると、作業を中断して作業装置100のメンテナンスが行われる。また、作業装置100のメンテナンスが行われないとき、作業装置100の故障、例えば部品の破損、劣化などにより、作業装置100による作業の効率が低下する場合がある。このため、メンテナンス管理システム1000は、作業装置100の作業計画に基づき、メンテナンスの要否を判定し、判定された結果をユーザ、例えば作業装置100の所有者、管理者、サービスマンなどに報知する。ユーザは、判定されたメンテナンスの要否を確認し、作業中にメンテナンス時期が到来しないように、作業前に作業装置100のメンテナンスを行うことができる。このように、メンテナンス管理システム1000は、圃場500における作業中にメンテナンス時期の到来を低減するようにユーザを支援する。
【0016】
(メンテナンス管理システムの構成)
メンテナンス管理システム1000に含まれる作業装置100の構成を説明する。作業装置100は、圃場500において作業を行う。作業装置100は、作業機械と一体に形成された装置、例えば田植機、コンバインなど、作業機械を牽引して作業を行う装置、例えばトラクターを含む。また、作業装置100は、飛行して作業を行う装置、例えば農薬散布を行うドローンを含んでもよい。
【0017】
作業装置100は、圃場500において移動しつつ作業を行うための各部を有する。例えば、作業装置100は、図3に示すように、刈取部110と、脱穀部120と、貯留部130と、搬送部140と、排藁処理部150と、走行部160と、測位装置170と、通信装置180とを備える。刈取部110は、圃場500の穀稈を刈り取りながら後方の脱穀部120に搬送する。脱穀部120は、搬送された穀稈の穂先にある穀粒を脱穀選別する。脱穀選別された穀粒は、貯留部130に搬送され、貯留される。搬送部140は、穂先が脱穀された穀稈を後方の排藁処理部150に搬送する。搬送された穀稈は、排藁として細断処理される。
【0018】
走行部160は、作業装置100を支持し、作業装置100を移動させる。例えば、走行部160は、無限軌道、例えばクローラを備えてもよく、車輪を備えてもよい。
【0019】
測位装置170は、作業装置100の位置を測定する。測位装置170は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機であり、人口衛星などからの電波を受信して、圃場500を移動する各時刻における作業装置100の位置を測定する。
【0020】
通信装置180は、作業装置100の状態を表す稼働情報をメンテナンス管理装置200に送信する。稼働情報は、例えば、各時刻における作業装置100の位置を表す位置情報を含む。また、稼働情報は、作業装置100の速度、操舵角、エンジンの回転数、各種クラッチのON/OFF状況などを表す情報を含んでもよい。稼働情報は、実稼働時間、例えばエンジンが起動してから停止するまでの時間を表す情報を含んでもよい。
【0021】
次に、メンテナンス管理装置200の構成を説明する。メンテナンス管理装置200は、図4に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。メンテナンス管理装置200は、例えば、コンピュータである。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置210は省略されてもよい。
【0022】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置230は、作業装置100から取得する稼働情報を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を端末300に転送する。通信装置230は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0023】
記憶装置240は、メンテナンスの要否を判定するための様々なデータ、例えばメンテナンスデータ400と、稼働履歴データ410と、メンテナンス管理プログラム420とを格納する。記憶装置240は、メンテナンス管理プログラム420を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。メンテナンス管理プログラム420は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0024】
メンテナンスデータ400は、図2に示すように、作業装置100の部位をメンテナンスする稼働時間を表す。稼働時間は、例えば部位をメンテナンスするときの累積仮想稼働時間を表す。累積仮想稼働時間は仮想稼働時間の累積を表し、仮想稼働時間は、作業装置100の各部位に加えられる負荷に応じて算出され、相対的に高い負荷で稼働しているときに実際の稼働時間より長くなるように算出される。図2において、「部位A」に表された稼働時間は、「部位A」に対応する累積仮想稼働時間が100時間、200時間、300時間に達したときに「部位A」をメンテナンスすることを表す。「部位B」に表された稼働時間は、「部位B」に対応する累積仮想稼働時間が200時間、600時間、1000時間に達したときに「部位B」をメンテナンスすることを表す。「部位C」に表された稼働時間は、「部位C」に対応する累積仮想稼働時間が300時間、400時間、500時間に達したときに、「部位C」をメンテナンスすることを表す。
【0025】
図4に示す稼働履歴データ410は、各作業装置100の稼働履歴、例えば作業面積と、累積実稼働時間と、累積仮想稼働時間と、メンテナンス情報とを表す。作業面積は、作業装置100が過去に作業を行った面積の合計を示す総面積を表す。累積実稼働時間は、作業装置100が過去に実際に駆動した時間の合計である総時間を表し、例えば作業装置100が道路上を移動した時間を含んでもよい。累積仮想稼働時間は、実稼働時間から算出され、負荷に応じた作業装置100の各部位における稼働時間の総時間を表す。メンテナンス情報は、各部位のメンテナンスの状況を表し、例えばメンテナンスが行われた回数を表す。また、稼働履歴データ410は、各時刻における作業装置100の稼働情報を含んでもよい。
【0026】
演算装置220は、メンテナンス管理プログラム420を記憶装置240から読み出し実行して、メンテナンスの要否を判定するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置220は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0027】
演算装置220は、メンテナンス管理プログラム420を読み出し実行することで、図5に示すように、データ記憶部250と、時間推定部260と、判定部270とを実現する。データ記憶部250は、メンテナンスデータ400と、稼働履歴データ410とを記憶し、作業装置100の稼働情報に基づき、稼働履歴データ410に表される各種情報を決定する。なお、メンテナンス情報は、ユーザにより端末300に入力される情報に基づき、稼働履歴データ410に記憶される。時間推定部260は、作業計画に基づき、作業計画において計画された期間において、作業装置100が稼働する予定の時間を表す推定実稼働時間を推定する。
【0028】
判定部270は、推定実稼働時間に基づき、作業計画において計画された期間を表す計画期間において、作業装置100のメンテナンスの要否を判定する。判定部270は、仮想時間決定部271と、メンテナンス判定部272とを備える。仮想時間決定部271は、推定実仮想時間に基づき、計画期間における作業装置100の仮想稼働時間を表す推定仮想稼働時間を決定する。メンテナンス判定部272は、推定仮想稼働時間に基づき、計画期間における作業装置100のメンテナンスの要否を判定する。
【0029】
次に、端末300の構成を説明する。端末300は、図6に示すように、入出力装置310と、演算装置320と、通信装置330と、記憶装置340とを備える。端末300は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置310には、演算装置320が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置310は、演算装置320が処理を実行した結果を出力する。入出力装置310は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0030】
通信装置330は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置330は、メンテナンス管理装置200から取得する信号を演算装置320に転送する。また、演算装置320が生成した信号をメンテナンス管理装置200に転送する。通信装置330は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラーネットワークなどの無線通信に用いられる送受信機、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0031】
記憶装置340は、作業装置100のメンテナンスの要否をユーザに報知するための様々なデータ、例えば報知プログラム430を格納する。記憶装置340は、報知プログラム430を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。報知プログラム430は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0032】
演算装置320は、報知プログラム430を読み出し実行することで、図5に示すように、入出力装置310と協働して、報知部350を実現する。報知部350は、メンテナンス管理装置200から作業装置100の1つ以上の部位のメンテナンスの要否を表す情報を取得して、ユーザにメンテナンスの要否を報知する。例えば、メンテナンス管理装置200が電子メールを用いてメンテナンスの要否を報知するとき、報知部350は電子メールを閲覧するソフトウェアを含む。
【0033】
(メンテナンス管理システムの動作)
最初に、メンテナンス管理システム1000が稼働履歴データ410に各種情報を記憶する動作を説明する。作業者は、圃場500で作物を収穫するために、作業装置100のエンジンを起動して、圃場500における作業を行う。作業装置100のエンジンが起動されると、作業装置100の測位装置170は、作業装置100の各時刻における位置を測定する。また、作業装置100は、作業装置100の状態、例えばエンジンの回転数、操舵角などを測定する。測定された各情報を含む稼働情報は、作業装置100の通信装置180からメンテナンス管理装置200に出力される。例えば、作業装置100のエンジンが停止されたときに、稼働情報はメンテナンス管理装置200に出力される。
【0034】
メンテナンス管理装置200の演算装置220は、作業装置100の通信装置180から稼働情報を受信すると、メンテナンス管理プログラム420を実行して、メンテナンス管理方法の一部である図7に示す処理を実行する。演算装置220により実現されるデータ記憶部250は、ステップS110において、作業装置100の稼働情報を取得する。データ記憶部250は、送信元の作業装置100と関連付けて取得された稼働情報を稼働履歴データ410に記憶する。
【0035】
ステップS120において、データ記憶部250は、稼働情報に基づき、作業装置100の作業面積と、実稼働時間とを決定する。例えば、データ記憶部250は、稼働情報に含まれる位置情報に基づき、作業装置100が作業を行った作業領域を決定し、決定された領域の面積を作業面積として決定する。例えば、データ記憶部250は、稼働情報に含まれる位置情報に表される1つ以上の位置に対する凸包を作業領域として決定し、決定された作業領域の面積を算出する。データ記憶部250は、算出された作業面積を稼働履歴データ410に送信元の作業装置100と関連付けて記憶する。
【0036】
また、データ記憶部250は、作業装置100の稼働情報に基づき、作業装置100が実際に稼働した実稼働時間を決定する。例えば、データ記憶部250は、作業装置100のエンジンが起動されてから停止するまでの期間を実稼働時間として決定する。データ記憶部250は、決定された実稼働時間を稼働履歴データ410に送信元の作業装置100と関連付けて記憶する。例えば、データ記憶部250は、決定された実稼働時間を、稼働履歴データ410に記憶された累積実稼働時間に加算して、稼働履歴データ410に記憶された累積実稼働時間を更新する。
【0037】
ステップS130において、データ記憶部250は、実稼働時間に基づき、仮想稼働時間を決定する。例えば、データ記憶部250は、稼働情報、例えば作業装置100の各種クラッチのON/OFF状態、エンジンの回転数などに基づき、部位ごとに、負荷に応じた係数を決定する。データ記憶部250は、決定された係数と、実稼働時間とに基づき、仮想稼働時間を決定する。例えば、データ記憶部250は、実稼働時間と係数とを引数とする関数を用いて、仮想稼働時間を決定する。データ記憶部250は、決定された仮想稼働時間を稼働履歴データ410に送信元の作業装置100と関連付けて記憶する。例えば、データ記憶部250は、決定された仮想稼働時間を、稼働履歴データ410に記憶された累積仮想稼働時間に加算して、稼働履歴データ410に記憶された累積仮想稼働時間を更新する。
【0038】
仮想稼働時間を決定するために用いられる係数は、作業装置100が稼働した環境、例えば操作状況、天気、湿度などに基づき決定されてもよい。例えば、係数は、作業装置100と同じ種類(例えば同じ型式)の作業装置100が稼働している環境と、作業装置100が稼働している環境との違いに基づき、決定される。係数は、作業装置100の稼働情報と、同じ種類の作業装置100の稼働情報とを比較して決定されてもよい。例えば、データ記憶部250は、作業装置100と同じ種類の作業装置100の稼働情報の分布、例えば平均値、分散などを決定する。データ記憶部250は、稼働情報の分布が正規分布であると仮定したときに作業装置100の稼働情報が含まれるランクに基づき、係数を決定する。例えば、係数は、作業装置100の稼働情報が下位5%未満のとき最も小さくなるように決定され、上位5%以上のとき最も大きくなるように決定される。
【0039】
このように、メンテナンス管理システム1000は、作業装置100の稼働情報に基づき、稼働履歴データ410に記憶される各情報を決定する。
【0040】
次に、メンテナンス管理システム1000が計画期間におけるメンテナンスの要否を判定する動作を説明する。ユーザは、計画期間において、作業装置100のメンテナンスの要否を確認するため、端末300の入出力装置310に、報知プログラム430を起動するための操作を入力する。端末300の演算装置320は、ユーザの操作が入力されると、報知プログラム430を実行して、メンテナンス管理方法の一部である図8A、8Bに示す処理を実行する。
【0041】
ステップS210において、演算装置320により実現される報知部350は、作業装置100による作業計画を受け付ける。例えば、報知部350は、入出力装置310に図9に示す入力画像600を表示して、ユーザによる作業計画の入力を受け付ける。例えば、ユーザは、入出力装置310を用いて入力画像600の各入力欄に作業計画の各情報を入力する。ユーザは、例えば、作業を行う作業装置100の種類、例えば型式を型式入力欄601に入力する。また、作業を行う作業装置100を識別する識別情報、例えば作業装置100の号機番号、シリアル番号が装置番号入力欄602に入力される。作業計画で計画されている計画期間、例えば作業を行う年が、計画期間入力欄603に入力される。計画期間に作業装置100により作業を行う予定の総面積を表す予定総面積が、予定面積入力欄604に入力される。
【0042】
また、ユーザは、計画期間において、作業を行う圃場500の面積を入出力装置310に入力する。例えば、ユーザは、作業装置100により最初に作業が行われる圃場500の面積を第1圃場面積入力欄605-1に入力する。ユーザは、2番目に作業装置100により作業が行われる圃場500の面積を第2圃場面積入力欄605-2に入力し、3番目に作業が行われる圃場500の面積を第3圃場面積入力欄605-3に入力する。このように、ユーザは、作業装置100により作業が行われる圃場500の面積を、それぞれ圃場面積入力欄605に入力する。
【0043】
各々の圃場500で栽培している作物により、休止期間が発生する。例えば、圃場500で栽培する作物の種類が他の圃場500で栽培する作物の種類と異なるとき、同じ作物でも品種が異なるとき、同じ作物で同じ品種でも植付時期がずらされているときなどに休止期間が発生する。このため、ユーザは、計画期間において、作業装置100を使用しない休止期間を入出力装置310に入力する。例えば、ユーザは、最初に作業が行われる圃場500の作業が終了する時期と、2番目に作業が行われる圃場500の作業が開始される時期とを入力する。例えば、ユーザは、最初に作業が行われる圃場500の作業が終了する時期を第1休止開始入力欄606-1に入力する。また、ユーザは、次に作業が行われる圃場500の作業が開始される時期を第1休止終了入力欄607-1に入力する。このため、作業装置100を使用しない休止期間は、第1休止開始入力欄606-1から第1休止終了入力欄607-1までの期間を表す。同様に、ユーザは、2番目に作業が行われる圃場500の作業が終了する時期を第2休止開始入力欄606-2に入力し、3番目に作業が行われる圃場500の作業が開始される時期を第2休止終了入力欄607-2に入力する。このように、ユーザは、休止期間の開始時期を休止開始入力欄606に入力し、休止期間の終了時期を休止終了入力欄607に入力する。
【0044】
報知部350は、入力された各情報をメンテナンス管理装置200に出力する。
【0045】
図8Aに示すステップS220において、メンテナンス管理装置200の時間推定部260は、稼働履歴データ410に基づき、作業装置100の例年の作業面積と、実稼働時間とを決定する。例えば、時間推定部260は、装置番号入力欄602に入力された識別情報に基づき、メンテナンス要否を判定する対象の作業装置100を特定する。時間推定部260は、稼働履歴データ410に記憶された作業面積と、実稼働時間とに基づき、特定された作業装置100が各年において作業を行った作業面積を表す年間作業面積と、各年において稼働した実稼働時間を表す年間実稼働時間とを決定する。例えば、時間推定部260は、1年間に作業装置100が作業を行った作業面積を合算して年間作業面積を決定する。また、時間推定部260は、1年間に作業装置100が稼働した実稼働時間を合算して年間実稼働時間を決定する。時間推定部260は、決定された各年の年間作業面積の平均値を例年の作業面積として決定し、年間実稼働時間の平均値を例年の実稼働時間として決定してもよい。
【0046】
ステップS230において、仮想時間決定部271は、稼働履歴データ410に基づき、各部位における実稼働時間に対する仮想稼働時間の比率を表す仮想稼働係数を決定する。例えば、仮想時間決定部271は、メンテナンス要否を判定する作業装置100に関して、稼働履歴データ410に記憶された累積仮想稼働時間を累積実稼働時間で除算することで、各部位における仮想稼働係数を決定する。仮想時間決定部271は、所定の期間、例えば1年間の実稼働時間と、仮想稼働時間とに基づき、仮想稼働係数を決定してもよい。
【0047】
例えば、作業装置100の累積実稼働時間が800時間であり、かつ、作業装置100の刈取部110の累積仮想稼働時間が1600時間であるとき、仮想時間決定部271は、作業装置100の刈取部110に関する仮想稼働係数を「2.00」に決定する。また、作業装置100の累積実稼働時間が800時間であり、かつ、作業装置100の脱穀部120の累積仮想稼働時間が1160時間であるとき、仮想時間決定部271は、作業装置100の脱穀部120に関する仮想稼働係数を「1.45」に決定する。作業装置100の累積実稼働時間が800時間であり、かつ、作業装置100の貯留部130の累積仮想稼働時間が720時間であるとき、仮想時間決定部271は、作業装置100の貯留部130に関する仮想稼働係数を「0.90」に決定する。このように、仮想時間決定部271は、各部位に関する仮想稼働係数を決定する。
【0048】
ステップS240において、時間推定部260は、ユーザにより入力された予定総面積が例年の作業面積より大きいか否かを判定する。予定総面積が例年の作業面積より大きいとき、時間推定部260は、図8Bに示すステップS310の処理を実行する。予定総面積が例年の作業面積以下のとき、時間推定部260は、図8Aに示すステップS250の処理を実行する。
【0049】
ステップS250において、時間推定部260は、例年の実稼働時間に基づき、作業計画で計画された計画期間、例えば1年間に作業装置100が稼働する推定実稼働時間を推定する。例えば、時間推定部260は、例年の実稼働時間を推定実稼働時間として推定する。
【0050】
ステップS260において、仮想時間決定部271は、推定実稼働時間と、ステップS230の処理で決定された仮想稼働係数とに基づき、計画期間、例えば1年間に作業装置100の各部位に関する推定仮想稼働時間を決定する。例えば、仮想時間決定部271は、推定実稼働時間に、仮想稼働係数を乗算することで、推定仮想稼働時間を決定する。
【0051】
例えば、推定実稼働時間が100時間であり、かつ、作業装置100の刈取部110に関する仮想稼働係数が「2.00」のとき、仮想時間決定部271は、刈取部110の推定仮想稼働時間を200時間に決定する。また、推定実稼働時間が100時間であり、かつ、作業装置100の脱穀部120に関する仮想稼働係数が「1.45」のとき、仮想時間決定部271は、脱穀部120の推定仮想稼働時間を145時間に決定する。推定実稼働時間が100時間であり、かつ、作業装置100の貯留部130に関する仮想稼働係数が「0.90」のとき、仮想時間決定部271は、貯留部130の推定仮想稼働時間を90時間に決定する。このように、仮想時間決定部271は、各部位に関する推定仮想稼働時間を決定する。
【0052】
ステップS270において、メンテナンス判定部272は、推定仮想稼働時間に基づき、作業装置100の各部位における計画期間のメンテナンスの要否を判定する。例えば、メンテナンス判定部272は、最初に、図2に示すメンテナンスデータ400と、稼働履歴データ410のメンテナンス情報とに基づき、作業装置100の各部位について、次にメンテナンスを行う累積仮想稼働時間を表すメンテナンス稼働時間を決定する。
【0053】
例えば、稼働履歴データ410のメンテナンス情報が作業装置100の「部位A」についてメンテナンスが2回行われていることを表すとき、メンテナンス判定部272は、メンテナンス稼働時間を300時間に決定する。稼働履歴データ410のメンテナンス情報が作業装置100の「部位B」についてメンテナンスが行われていないことを表すとき、メンテナンス判定部272は、メンテナンス稼働時間を200時間に決定する。
【0054】
次に、メンテナンス判定部272は、推定仮想稼働時間と、稼働履歴データ410の累積仮想稼働時間とに基づき、計画期間が終了したときの作業装置100の累積仮想稼働時間を表す推定累積仮想稼働時間を推定する。例えば、メンテナンス判定部272は、稼働履歴データ410の累積仮想稼働時間に推定仮想稼働時間を加算した稼働時間を推定累積仮想稼働時間として決定する。
【0055】
続いて、メンテナンス判定部272は、推定累積仮想稼働時間と、メンテナンス稼働時間とに基づき、計画期間におけるメンテナンスの要否を作業装置100の部位ごとに判定する。推定累積仮想稼働時間がメンテナンス稼働時間より短いとき、メンテナンス判定部272は、計画期間におけるメンテナンスは不要と判定する。推定累積仮想稼働時間がメンテナンス稼働時間以上であるとき、メンテナンス判定部272は、計画期間におけるメンテナンスが必要と判定する。メンテナンス判定部272は、部位ごとのメンテナンス要否を表す情報を端末300に出力する。
【0056】
図8Aに示すステップS280において、端末300の報知部350は、計画期間における部位ごとのメンテナンス要否を表す情報を入出力装置310に出力する。例えば、報知部350は、計画期間において、メンテナンスが必要な部位を表す情報を入出力装置310に表示する。ユーザは、入出力装置310に表示された情報に基づき、計画期間中にメンテナンスが必要となる部位を確認する。これにより、ユーザは、作業装置100の作業を開始する前に、メンテナンスの要否を判断することができる。
【0057】
時間推定部260は、ステップS240において、予定総面積が例年の作業面積より大きいとき、図8Bに示すステップS310の処理を実行する。ステップS310において、時間推定部260は、メンテナンス要否を判定する対象の作業装置100における単位面積当たりの実稼働時間を推定する。単位面積当たりの実稼働時間は、作業装置100が単位面積の作業を行うために要した実稼働時間を表す。例えば、時間推定部260は、例年の実稼働時間と、例年の作業面積とに基づき、単位面積当たりの実稼働時間を決定する。例えば、単位面積当たりの実稼働時間は、例年の実稼働時間を例年の作業面積で除算して算出される。
【0058】
ステップS320において、時間推定部260は、メンテナンス要否を判定する対象の作業装置100と同じ種類の作業装置100、例えば同じ作業を行う作業装置100、型式が同じ作業装置100などにおける単位面積当たりの実稼働時間を決定する。稼働履歴データ410には、複数の作業装置100に関する作業面積と累積実稼働時間とが記憶されている。時間推定部260は、稼働履歴データ410に格納されている情報から、対象の作業装置100と同じ種類の複数の作業装置100に関する情報を抽出する。時間推定部260は、抽出された情報に含まれる複数の作業装置100の作業面積と累積実稼働時間とに基づき、複数の作業装置100における単位面積当たりの実稼働時間を決定する。例えば、時間推定部260は、図10に示すように、稼働履歴データ410に基づき、各作業装置100の年間作業総面積に対する年間総稼働時間をグラフに描画する。例えば、点610は、1つの作業装置100の年間作業総面積に対する年間総稼働時間を表す。時間推定部260は、点610の近似直線611を決定し、近似直線611の傾きを複数の作業装置100における単位面積当たりの実稼働時間として決定する。ここで、年間総稼働時間は作業装置100が1年間に稼働した総時間を表し、年間作業総面積は作業装置100が1年間に作業を行った総面積を表す。
【0059】
図8Bに示すステップS330において、時間推定部260は、作業装置100が作業を行う予定の圃場500の面積を表す予定圃場面積と、作業装置100の単位面積当たりの実稼働時間を表す単位実稼働時間とに基づき、圃場500ごとの推定実稼働時間を推定する。例えば、時間推定部260は、対象の作業装置100の単位面積当たりの実稼働時間と、同種類の作業装置100の単位面積当たりの実稼働時間とを比較して、相対的に大きい単位面積当たりの実稼働時間を単位実稼働時間として選択する。時間推定部260は、選択された単位実稼働時間に予定圃場面積を積算することで、各圃場500の作業に要する実稼働時間を表す推定実稼働時間を推定する。
【0060】
例えば、時間推定部260は、単位実稼働時間に、図9に示す第1圃場面積入力欄605-1に入力された面積を積算することで、第1圃場の作業に要する推定実稼働時間を推定する。また、第2圃場の作業に要する推定実稼働時間は、単位実稼働時間に、第2圃場面積入力欄605-2に入力された面積を積算することで推定される。同様に、第3圃場の作業に要する推定実稼働時間は、単位実稼働時間に、第3圃場面積入力欄605-3に入力された面積を積算することで推定される。
【0061】
図8Bに示すステップS340において、仮想時間決定部271は、圃場500ごとの推定実稼働時間と、ステップS230の処理で決定された仮想稼働係数とに基づき、圃場500ごとの推定仮想稼働時間を決定する。例えば、仮想時間決定部271は、圃場500ごとの推定実稼働時間に、各部位に関する仮想稼働係数を乗算することで、各圃場500の作業を行ったときの各部位に関する推定仮想稼働時間を決定する。
【0062】
例えば、時間推定部260は、各部位に関する仮想稼働係数に、第1圃場の作業に要する推定実稼働時間を積算することで、第1圃場の作業を行ったときの各部位に関する推定仮想稼働時間を決定する。また、第2圃場の作業を行ったときの各部位に関する推定実稼働時間は、各部位に関する仮想稼働係数に、第2圃場の推定実稼働時間を積算することで決定される。同様に、第3圃場の作業を行ったときの各部位に関する推定実稼働時間は、各部位に関する仮想稼働係数に、第3圃場の推定実稼働時間を積算することで決定される。
【0063】
図8Bに示すステップS350において、メンテナンス判定部272は、圃場500ごとの推定仮想稼働時間に基づき、作業装置100の各部位に対して、各圃場500における作業中のメンテナンスの要否を判定する。例えば、メンテナンス判定部272は、最初に、図2に示すメンテナンスデータ400と、稼働履歴データ410のメンテナンス情報とに基づき、作業装置100の各部位について、次にメンテナンスを行う累積仮想稼働時間を表すメンテナンス稼働時間を決定する。
【0064】
次に、メンテナンス判定部272は、最初に作業が行われる圃場500の推定仮想稼働時間と、稼働履歴データ410の累積仮想稼働時間とに基づき、圃場500の作業が終了したときの作業装置100の累積仮想稼働時間を表す推定累積仮想稼働時間を推定する。例えば、メンテナンス判定部272は、稼働履歴データ410の累積仮想稼働時間に推定仮想稼働時間を加算した稼働時間を推定累積仮想稼働時間として決定する。
【0065】
次に、メンテナンス判定部272は、最初に作業が行われる圃場500の推定累積仮想稼働時間と、メンテナンス稼働時間とに基づき、最初の圃場500の作業中におけるメンテナンスの要否を作業装置100の部位ごとに判定する。推定累積仮想稼働時間がメンテナンス稼働時間より短いとき、メンテナンス判定部272は、圃場500の作業中におけるメンテナンスは不要と判定する。推定累積仮想稼働時間がメンテナンス稼働時間以上であるとき、メンテナンス判定部272は、圃場500の作業中におけるメンテナンスが必要と判定する。この場合、メンテナンス判定部272は、圃場500における作業の開始前に対応する部位のメンテナンスを推奨することを決定する。
【0066】
また、メンテナンス判定部272は、圃場500の作業中におけるメンテナンスが必要と判定したとき、メンテナンスの推奨を決定するとともに、図2に示すメンテナンスデータ400に基づき、対応する部位のメンテナンス稼働時間を変更する。例えば、メンテナンス判定部272は、メンテナンス稼働時間を次にメンテナンスを行う累積仮想稼働時間に更新する。例えば、「部位A」に関するメンテナンス稼働時間が200時間であるときに、圃場500の作業中にメンテナンスが必要と判定されると、メンテナンス判定部272は、メンテナンス稼働時間を次にメンテナンスを行う300時間に更新する。
【0067】
続いて、メンテナンス判定部272は、最初の圃場500の推定累積仮想稼働時間と同様に、2番目に作業が行われる圃場500の推定仮想時間と、稼働履歴データ410の累積仮想稼働時間とに基づき、2番目の圃場500の作業が終了したときの推定累積仮想稼働時間を推定する。メンテナンス判定部272は、2番目に作業が行われる圃場500の推定累積仮想稼働時間と、メンテナンス稼働時間とに基づき、2番目の圃場500の作業中におけるメンテナンスの要否を作業装置100の部位ごとに判定する。メンテナンス判定部272は、圃場500の作業中におけるメンテナンスが必要と判定すると、2番目の圃場500における作業の開始前に対応する部位のメンテナンスを推奨することを決定する。例えば、メンテナンス判定部272は、図9に示す第1休止開始入力欄606-1から第1休止終了入力欄607-1までの休止期間に、対応する部位のメンテナンスを推奨することを決定する。また、メンテナンス判定部272は、圃場500の作業中におけるメンテナンスが必要と判定すると、メンテナンスデータ400に基づき、対応する部位のメンテナンス稼働時間を変更する。
【0068】
メンテナンス判定部272は、3番目以降の圃場500についても同様に、メンテナンスの要否を判定する。メンテナンス判定部272は、各圃場500の作業中における部位ごとのメンテナンス要否と、メンテナンスを推奨する時期とを表す情報を端末300に出力する。
【0069】
図8Bに示すステップS360において、端末300の報知部350は、各圃場500の作業中における部位ごとのメンテナンス要否と、メンテナンスを推奨する時期とを表す情報を入出力装置310に出力する。例えば、報知部350は、各休止期間にメンテナンスを推奨する部位を表す情報を入出力装置310に表示する。ユーザは、入出力装置310に表示された情報に基づき、各休止期間にメンテナンスが必要となる部位を確認する。これにより、ユーザは、作業装置100の休止期間に、メンテナンスの要否を判断することができる。また、推奨された休止期間にメンテナンスを行うことで、作業装置100による圃場500の作業が効率的に行われる。このように、メンテナンス管理システム1000は、作業計画で作業装置100が作業を行う予定の総面積と、圃場面積との少なくとも一方を含む予定面積に基づき、圃場500での作業中におけるメンテナンスの要否を判定することで、ユーザの作業を支援する。
【0070】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、図7に示すステップS120において、データ記憶部250は、作業装置100が作業を行った圃場500の面積に基づき、作業装置100の作業面積を決定してもよい。例えば、データ記憶部250は、作業装置100の位置情報に表される位置を領域に含む圃場500を特定し、特定された圃場500において作業装置100が作業を行ったと判定する。データ記憶部250は、特定された圃場500の面積を作業装置100の作業面積として決定する。この場合、メンテナンス管理装置200の記憶装置240は、図11に示すように、1つ以上の圃場500の面積と、領域とを表す圃場データ440を格納する。
【0071】
また、作業装置100の作業面積は、ユーザにより入力されてもよい。この場合、ユーザは、端末300の入出力装置310に作業装置100の作業面積を入力する。端末300の報知部350は、入出力装置310に入力された作業面積を表す情報をメンテナンス管理装置200に出力する。メンテナンス管理装置200のデータ記憶部250は、端末300から取得した情報に基づき、作業装置100の作業面積を決定する。
【0072】
また、図8Aに示すステップS210において、報知部350は、ユーザから作業を行う圃場500を選択する選択操作を受け付けてもよい。例えば、メンテナンス管理装置200の記憶装置240は、図11に示すように、1つ以上の圃場500の名称と、面積とを表す圃場データ440を格納する。報知部350は、メンテナンス管理装置200から圃場データ440に表された1つ以上の圃場500の名称と面積とを取得する。報知部350は、取得された圃場500の名称を入出力装置310に表示する。例えば、報知部350は、図12に示すように、圃場500の名称を選択する圃場選択欄608を表示する。ユーザは、表示された圃場500の名称から作業を行う圃場500を選択する選択操作を入出力装置310に入力する。報知部350は、選択された圃場500の面積を作業装置100が作業を行う面積として決定する。
【0073】
図8Aに示すステップS220において、メンテナンス管理装置200の時間推定部260は、計画期間に対応した期間における作業装置100の作業面積と、実稼働時間とを決定してもよい。例えば、作業計画において計画された計画期間が6か月のとき、時間推定部260は、通常の6か月間における作業装置100の作業面積と、実稼働時間とを決定してもよい。この場合、時間推定部260は、稼働履歴データ410に格納された作業装置100による作業に関する情報を6か月間隔で分類し、分類された情報ごとに作業装置100の作業面積と、実稼働時間とを決定する。決定された複数の作業面積と、複数の実稼働時間とに基づき、時間推定部260は、6か月における作業面積と実稼働時間とを決定する。例えば、時間推定部260は、複数の作業面積の統計値、例えば平均値、中央値などを6か月における作業面積として決定し、複数の実稼働時間の統計値、例えば平均値、中央値などを6か月における作業面積として決定してもよい。
【0074】
また、時間推定部260は、計画期間に対応した期間として、計画期間と対応する各年の期間、例えば計画期間を年単位でずらした期間を用いてもよい。例えば、計画期間が2022年6月から10月のとき、時間推定部260は、稼働履歴データ410に格納された各年の6月から10月までの期間における作業装置100の作業面積と、実稼働時間とを決定し、決定された複数の作業面積と、複数の実稼働時間とに基づき、通常の6月から10月までの期間における作業装置100の作業面積と、実稼働時間とを決定する。
【0075】
また、時間推定部260は、稼働履歴データ410に格納された一部の期間の情報に基づき、計画期間に対応した期間における作業面積と、実稼働時間とを決定してもよい。例えば、時間推定部260は、現時点から1年前までの期間における稼働履歴データ410の情報に基づき、計画期間に対応した期間における作業面積と、実稼働時間とを決定する。計画期間に対応した期間が1年のとき、時間推定部260は、前年に作業装置100が作業を行った作業面積を例年の作業面積として決定し、前年に作業装置100が稼働した実稼働時間を例年の実稼働時間として決定してもよい。
【0076】
図8Bに示すステップS310において、メンテナンス管理装置200の時間推定部260は、任意の方法で、対象の作業装置100における単位面積当たりの実稼働時間を決定してもよい。例えば、時間推定部260は、ステップS220の処理で用いた計画期間に対応した期間における実稼働時間と作業面積とに基づき、単位面積当たりの実稼働時間を決定してもよい。また、時間推定部260は、ステップS220の処理で用いた計画期間に対応した期間と異なる期間における実稼働時間と作業面積とに基づき、単位面積当たりの実稼働時間を決定してもよい。例えば、時間推定部260は、過去に作業装置100が稼働した実稼働時間の合計である累積実稼働時間を、作業装置100が作業を行った作業面積の合計である総作業面積で除算した値を単位面積当たりの実稼働時間として決定してもよい。
【0077】
図8Bに示すステップS320において、メンテナンス管理装置200の時間推定部260は、ステップS310と同様に、任意の方法で、同じ種類の作業装置100における単位面積当たりの実稼働時間を決定してもよい。例えば、時間推定部260は、ステップS220の処理で用いた計画期間に対応した期間における複数の作業装置100の実稼働時間と作業面積とに基づき、単位面積当たりの実稼働時間を決定してもよい。また、時間推定部260は、ステップS220の処理で用いた計画期間に対応した期間と異なる期間における複数の作業装置100の実稼働時間と作業面積とに基づき、単位面積当たりの実稼働時間を決定してもよい。
【0078】
図8Aに示すステップS240において、メンテナンス管理装置200の時間推定部260は、予定総面積が例年の作業面積に所定の係数を乗算した値より大きいか否かを判定し、次に行う処理を決定してもよい。例えば、時間推定部260は、予定総面積が例年の作業面積の1.2倍より大きいときステップS310の処理を実行し、予定総面積が例年の作業面積の1.2倍以下のときステップS250の処理を実行してもよい。また、時間推定部260は、予定総面積が例年の作業面積の0.9倍より大きいときステップS310の処理を実行し、予定総面積が例年の作業面積の0.9倍以下のときステップS250の処理を実行してもよい。所定の係数が1.0であるとき、時間推定部260は、図8Aに示すステップS240の処理を実行する。
【0079】
図8Bに示すステップS320において、メンテナンス管理装置200の時間推定部260は、任意の方法で、メンテナンス要否を判定する対象の作業装置100と同じ種類の作業装置100における単位面積当たりの実稼働時間を決定してもよい。例えば、時間推定部260は、同じ種類の作業装置100が稼働した総稼働時間を同じ種類の作業装置100が作業を行った総面積で除算した値を、同じ種類の作業装置100における単位面積当たりの実稼働時間として決定してもよい。
【0080】
また、同じ種類の作業装置100は、対象の作業装置100の位置に基づき、限定されてよい。例えば同じ種類の作業装置100は、対象の作業装置100と同じ地域、例えば対象の作業装置100と同じ行政地域に存在する作業装置100や、対象の作業装置100の位置からの距離が所定の距離以内の作業装置100などに限定されてもよい。また、年間総稼働時間と年間作業総面積とを算出する複数の作業装置100は、メンテナンス要否を判定する対象の作業装置100を含んでもよく、メンテナンス要否を判定する対象の作業装置100を含まなくてもよい。
【0081】
図8Bに示すステップS320において、時間推定部260により決定される近似直線611は、同じ種類の作業装置100の作業面積と、実稼働時間との関係を表すための任意の方法で決定されてもよい。例えば、近似直線611は、年間総稼働時間が年間作業総面積に比例するように原点を通ってもよく、年間総稼働時間が年間作業総面積に比例しないように原点を通らなくてもよい。また、近似直線611を決定するための同じ種類の作業装置100は、1つであってもよい。同じ種類の作業装置100が1つのとき、近似直線611は、原点と、1つの作業装置100の作業面積と実稼働時間とを表す点610とを通る。
【0082】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、図8Bに示すステップS310の処理またはステップS320の処理を省略してもよい。この場合、ステップS330において、メンテナンス管理装置200の時間推定部260は、ステップS310またはステップS320において決定された単位面積当たりの実稼働時間を用いて、圃場500ごとの推定実稼働時間を推定する。このため、時間推定部260は、対象の作業装置100の単位面積当たりの実稼働時間と、同種類の作業装置100の単位面積当たりの実稼働時間とを比較する処理を省略する。
【0083】
また、図8Aに示すステップS240からステップS280までの処理を省略してもよい。この場合、処理は、ステップS230の次に図8Bに示すステップS310に移行する。このため、作業計画において作業装置100が作業を行う予定の予定総面積によらず、メンテナンス管理装置200は、各圃場500の作業中におけるメンテナンスの要否を判定し、メンテナンスを推奨する時期、例えば作業装置100の休止期間を決定する。
【0084】
また、図8Aに示すステップS260の処理と、図8Bに示すステップS340の処理とのいずれか一方または両方を省略してもよい。ステップS260の処理が省力された場合、ステップS270において、メンテナンス判定部272は、推定実稼働時間を用いて、各部位におけるメンテナンスの要否を判定する。例えば、メンテナンス判定部272は、稼働履歴データ410に格納された累積実稼働時間に推定実稼働時間を加算して、計画期間が終了したときの作業装置100の累積実稼働時間を表す推定累積実稼働時間を決定する。推定累積実稼働時間とメンテナンス稼働時間とを比較することで、メンテナンス判定部272はメンテナンスの要否を判定する。
【0085】
ステップS340の処理が省略された場合、ステップS350において、メンテナンス判定部272は、推定実稼働時間を用いて、圃場500ごとのメンテナンスの要否を判定する。例えば、メンテナンス判定部272は、稼働履歴データ410に格納された累積実稼働時間に、最初に作業が行われる圃場500に対応する推定実稼働時間を加算して、圃場500の作業が終了したときの作業装置100の推定累積実稼働時間を決定する。推定累積実稼働時間とメンテナンス稼働時間とを比較することで、メンテナンス判定部272はメンテナンスの要否を判定する。メンテナンス判定部272は、2番目以降に作業が行われるの圃場500についても同様に、推定実稼働時間を用いて、メンテナンスの要否を判定する。
【0086】
また、図1に示すメンテナンス管理システム1000は、端末300を含まず、外部の装置にメンテナンスの要否を表す情報を出力してもよい。また、メンテナンス管理システム1000は、作業装置100を含まなくてもよい。
【0087】
また、メンテナンス管理装置200の処理は、すべてまたは一部が端末300で実行されてもよい。また、端末300の処理は、すべてまたは一部がメンテナンス管理装置200で実行されてもよい。メンテナンス管理プログラム420は、報知プログラム430を含んでもよい。
【0088】
また、メンテナンスの要否を判定される部位は、複数の部品により構成される部分、例えば刈取部110、脱穀部120などを表してもよく、1つの部品を表してもよい。
【0089】
(付記)
各実施の形態で記載したメンテナンス管理方法と、メンテナンス管理システムと、メンテナンス管理プログラムとは以下のように言うことができる。
【0090】
第1の態様に係るメンテナンス管理方法は、
第1作業装置が過去に稼働した稼働履歴と、前記第1作業装置により行われる作業の作業計画とに基づき、前記作業計画で計画された計画期間において、前記第1作業装置が駆動する推定実稼働時間を推定することと、
前記推定実稼働時間に基づき、前記第1作業装置が前記計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することと、
を含む。
【0091】
第2の態様に係るメンテナンス管理方法は、第1の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記作業計画は、前記計画期間において前記第1作業装置により作業が行われる予定面積を含む。
【0092】
第3の態様に係るメンテナンス管理方法は、第2の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記稼働履歴は、前記第1作業装置が前記計画期間に対応する第1期間あたりに稼働した第1稼働時間と、前記第1作業装置が前記第1期間あたりに作業を行った第1作業面積とを含み、
前記推定実稼働時間を推定することは、
前記予定面積と、前記第1作業面積と、前記第1稼働時間とに基づき、前記推定実稼働時間を推定すること
を含む。
【0093】
第4の態様に係るメンテナンス管理方法は、第3の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記予定面積は、前記計画期間において前記第1作業装置が作業を行う予定総面積を含み、
前記推定実稼働時間を推定することは、
前記予定総面積と、前記第1作業面積との差が閾値以下のとき、前記第1稼働時間を前記推定実稼働時間として推定すること
を含む。
【0094】
第5の態様に係るメンテナンス管理方法は、第2から4のいずれか1つの態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記推定実稼働時間を推定することは、
前記稼働履歴に基づき、前記第1作業装置が単位面積の作業を行うために要した実稼働時間を表す単位実稼働時間を決定することと、
前記予定面積と、前記単位実稼働時間とに基づき、前記推定実稼働時間を推定することと、
を含む。
【0095】
第6の態様に係るメンテナンス管理方法は、第5の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記稼働履歴は、前記第1作業装置が第2期間に稼働した第2稼働時間と、前記第1作業装置が第2期間に作業を行った第2作業面積とを含み、
前記単位実稼働時間を推定することは、
前記第2作業面積と、前記第2稼働時間とに基づき、前記単位実稼働時間を決定すること
を含む。
【0096】
第7の態様に係るメンテナンス管理方法は、第5または6の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記稼働履歴は、1つ以上の第2作業装置の各々が稼働した第3稼働時間と、前記1つ以上の第2作業装置の各々が作業を行った第3作業面積とを含み、
前記単位実稼働時間を推定することは、
前記第3稼働時間と、前記第3作業面積とに基づき、前記第1作業装置の前記単位実稼働時間を推定すること
を含む。
【0097】
第8の態様に係るメンテナンス管理方法は、第7の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記1つ以上の第2作業装置は、前記第1作業装置を含む。
【0098】
第9の態様に係るメンテナンス管理方法は、第7の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記1つ以上の第2作業措置は、前記第1作業装置を含まない。
【0099】
第10の態様に係るメンテナンス管理方法は、第2から9のいずれか1つの態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記作業計画は、複数の圃場において作業を行うことを表し、
前記予定面積は、前記複数の圃場のうちの第1圃場の第1面積を含み、
前記第1作業装置が駆動する前記推定実稼働時間を推定することは、
前記第1面積に基づき、前記第1圃場における作業において前記第1作業装置が駆動する第1推定実稼働時間を推定すること
を含み、
前記計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することは、
前記第1推定実稼働時間に基づき、前記第1圃場における作業中に前記第1作業装置のメンテナンスの要否を判定すること
を含む。
【0100】
第11の態様に係るメンテナンス管理方法は、第10の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記作業計画は、前記第1圃場における作業を開始する直前に、前記作業装置を使用しない休止期間を含み、
前記第1圃場における作業中にメンテナンスの要否を判定することは、
前記第1圃場における作業中に前記第1作業装置のメンテナンスが必要であると判定されたとき、前記休止期間における前記第1作業装置のメンテナンスを推奨することを決定すること
を含む。
【0101】
第12の態様に係るメンテナンス管理方法は、第1から11のいずれか1つの態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することは、
前記稼働履歴に基づき、仮想稼働係数を決定することと、
前記仮想稼働係数と、前記推定実稼働時間とに基づき、前記第1作業装置の負荷に応じた推定仮想稼働時間を決定することと、
前記推定仮想稼働時間に基づき、前記第1作業装置が前記計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することと、
を含む。
【0102】
第13の態様に係るメンテナンス管理方法は、第12の態様に係るメンテナンス管理方法であって、
前記稼働履歴は、前記第1作業装置が稼働した累積実稼働時間と、前記第1作業装置の負荷に応じた累積仮想稼働時間とを含み、
前記仮想稼働係数を決定することは、
前記累積実稼働時間と、前記累積仮想稼働時間とに基づき、前記仮想稼働係数を決定すること
を含む。
【0103】
第14の態様に係るメンテナンス管理システムは、
第1作業装置が過去に稼働した稼働履歴と、前記第1作業装置により行われる作業の作業計画とに基づき、前記作業計画で計画された計画期間において、前記第1作業装置が駆動する推定実稼働時間を推定する時間推定部と、
前記推定実稼働時間に基づき、前記第1作業装置が前記計画期間におけるメンテナンスの要否を判定する判定部と、
を備える。
【0104】
第15の態様に係るメンテナンス管理プログラムは、
第1作業装置が過去に稼働した稼働履歴と、前記第1作業装置により行われる作業の作業計画とに基づき、前記作業計画で計画された計画期間において、前記第1作業装置が駆動する推定実稼働時間を推定することと、
前記推定実稼働時間に基づき、前記第1作業装置が前記計画期間におけるメンテナンスの要否を判定することと、
を演算装置に実行させる。
【符号の説明】
【0105】
1、2 :記憶媒体
20 :ネットワーク
100 :作業装置
110 :刈取部
120 :脱穀部
130 :貯留部
140 :搬送部
150 :排藁処理部
160 :走行部
170 :測位装置
180 :通信装置
200 :メンテナンス管理装置
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :データ記憶部
260 :時間推定部
270 :判定部
271 :仮想時間決定部
272 :メンテナンス判定部
300 :端末
310 :入出力装置
320 :演算装置
330 :通信装置
340 :記憶装置
350 :報知部
400 :メンテナンスデータ
410 :稼働履歴データ
420 :メンテナンス管理プログラム
430 :報知プログラム
440 :圃場データ
500 :圃場
600 :入力画像
601 :型式入力欄
602 :装置番号入力欄
603 :計画期間入力欄
604 :予定面積入力欄
605 :圃場面積入力欄
606 :休止開始入力欄
607 :休止終了入力欄
608 :圃場選択欄
610 :点
611 :近似直線
1000 :メンテナンス管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12