(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182968
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラム
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20231220BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20231220BHJP
【FI】
A01B69/00 Z
G05D1/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096279
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】田中 泰史
(72)【発明者】
【氏名】山口 雄司
(72)【発明者】
【氏名】石川 航平
(72)【発明者】
【氏名】村山 昌章
【テーマコード(参考)】
2B043
5H301
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043AB20
2B043BA02
2B043BA05
2B043BB14
2B043DC01
2B043EA04
2B043EA13
2B043EC12
2B043EC18
2B043ED12
5H301AA03
5H301BB01
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD17
5H301HH18
(57)【要約】
【課題】作業領域の端部付近を自動走行する作業車両の作業領域外への飛び出しを防ぐとともに自動走行を継続させることが可能な自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムを提供する。
【解決手段】走行処理部111は、圃場において旋回経路を含む目標経路に従ってコンバイン1を自動走行させる。取得処理部113は、前記旋回経路の旋回中心点から圃場の端部までの距離を取得する。設定処理部112は、前記旋回中心点から圃場の端部までの距離が所定距離以下となる旋回経路Rb2におけるコンバイン1の車速を、前記旋回中心点から圃場の端部までの距離が前記所定距離を超える旋回経路Rb1におけるコンバイン1の車速よりも遅い所定速度に設定する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業領域において旋回経路を含む目標経路に従って作業車両を自動走行させることと、
前記旋回経路の基準点から前記作業領域の端部までの距離を取得することと、
前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が所定距離以下となる第1旋回経路における前記作業車両の車速を、前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が前記所定距離を超える第2旋回経路における前記作業車両の車速よりも遅い所定速度に設定することと、
を実行する自動走行方法。
【請求項2】
前記作業車両の進行方向の所定位置に仮想点を設定し、前記仮想点が前記作業領域外に出た場合に前記作業車両の走行を停止させ、
前記作業車両の車速が速くなるほど前記作業車両から離れた位置に前記仮想点を設定し、
前記所定速度を、前記第1旋回経路において前記仮想点が前記作業領域内に収まる速度に設定する、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項3】
前記仮想点を、前記作業車両の車体から前記進行方向に前記作業車両の制動距離だけ離れた前記所定位置に設定する、
請求項2に記載の自動走行方法。
【請求項4】
自動走行中の前記作業車両の車速を予め設定された設定速度から変更する操作を受け付けることをさらに実行し、
前記第1旋回経路では前記作業車両の車速を前記設定速度よりも遅い前記所定速度以内の範囲で変更する操作を許可し、
前記第2旋回経路では前記作業車両の車速を前記設定速度以内の範囲で変更する操作を許可する、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項5】
前記第1旋回経路に続く直進経路が前記作業領域の端部に沿った経路である場合に、前記直進経路における前記作業車両の車速を前記第1旋回経路における前記作業車両の車速に設定する、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項6】
前記第1旋回経路に続く直進経路が前記作業領域の端部に沿った経路であって、前記直進経路の長さが所定長さ以上である場合に、前記直進経路における前記作業車両の車速を前記所定速度よりも速い速度に設定する、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項7】
前記直進経路の長さが所定長さ以上である場合に、前記直進経路における前記作業車両の車速を前記直進経路の長さに応じた速度に設定する、
請求項6に記載の自動走行方法。
【請求項8】
前記第1旋回経路において、前記作業車両の現在位置から前記作業領域の端部までの距離が閾値を超える場合に、前記作業車両を前記所定速度以下の第1車速で走行させる一方、
前記第1旋回経路において、前記作業車両の現在位置から前記作業領域の端部までの距離が前記閾値以下の場合に、前記作業車両を前記第1車速未満の第2車速で走行させる、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項9】
前記基準点は、前記旋回経路の旋回中心点、前記旋回経路の開始点、及び前記旋回経路の終了点のいずれかである、
請求項1~8のいずれかに記載の自動走行方法。
【請求項10】
作業領域において旋回経路を含む目標経路に従って作業車両を自動走行させる走行処理部と、
前記旋回経路の基準点から前記作業領域の端部までの距離を取得する取得処理部と、
前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が所定距離以下となる第1旋回経路における前記作業車両の車速を、前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が前記所定距離を超える第2旋回経路における前記作業車両の車速よりも遅い所定速度に設定する設定処理部と、
を備える自動走行システム。
【請求項11】
作業領域において旋回経路を含む目標経路に従って作業車両を自動走行させることと、
前記旋回経路の基準点から前記作業領域の端部までの距離を取得することと、
前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が所定距離以下となる第1旋回経路における前記作業車両の車速を、前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が前記所定距離を超える第2旋回経路における前記作業車両の車速よりも遅い所定速度に設定することと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための自動走行プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両を自動走行させることが可能な自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場などの作業領域において、作業車両の位置情報に基づいて、予め設定された目標経路を自動走行する作業車両が知られている。例えば、前記作業車両は、予め設定された前進走行時の車速、後進走行時の車速、及び旋回走行時の車速に基づいて、車速を制御しながら目標経路に沿って自動走行する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、例えば作業車両が圃場端付近を旋回走行する場合において、作業車両は、現在の車速で走行すると圃場外へ飛び出す恐れがあると判断した場合に自動走行を停止する場合がある。この場合、作業車両の自動走行を復帰させるために時間を要し、作業効率が低下してしまう問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、作業領域の端部付近を自動走行する作業車両の作業領域外への飛び出しを防ぐとともに自動走行を継続させることが可能な自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る自動走行方法は、作業領域において旋回経路を含む目標経路に従って作業車両を自動走行させることと、前記旋回経路の基準点から前記作業領域の端部までの距離を取得することと、前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が所定距離以下となる第1旋回経路における前記作業車両の車速を、前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が前記所定距離を超える第2旋回経路における前記作業車両の車速よりも遅い所定速度に設定することと、を実行する。
【0007】
本発明に係る自動走行システムは、走行処理部と取得処理部と設定処理部とを備える。前記走行処理部は、作業領域において旋回経路を含む目標経路に従って作業車両を自動走行させる。前記取得処理部は、前記旋回経路の基準点から前記作業領域の端部までの距離を取得する。前記設定処理部は、前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が所定距離以下となる第1旋回経路における前記作業車両の車速を、前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が前記所定距離を超える第2旋回経路における前記作業車両の車速よりも遅い所定速度に設定する。
【0008】
本発明に係る自動走行プログラムは、作業領域において旋回経路を含む目標経路に従って作業車両を自動走行させることと、前記旋回経路の基準点から前記作業領域の端部までの距離を取得することと、前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が所定距離以下となる第1旋回経路における前記作業車両の車速を、前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が前記所定距離を超える第2旋回経路における前記作業車両の車速よりも遅い所定速度に設定することと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業領域の端部付近を自動走行する作業車両の作業領域外への飛び出しを防ぐとともに自動走行を継続させることが可能な自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る自動走行システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るコンバインの構成を示す外観図である。
【
図3】
図3は、従来のコンバインの排出作業時の走行方法の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される設定画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される設定画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される設定画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係るコンバインの排出作業時の走行方法の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る自動走行システムによって実行される自動走行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される設定画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係るコンバインの排出作業時の走行方法の他の例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係るコンバインの排出作業時の走行方法の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
本発明の作業車両の一例として、コンバイン1を挙げて説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る自動走行システム10は、コンバイン1と操作端末3とを含んでいる。コンバイン1及び操作端末3は、通信網N1を介して通信可能である。例えば、コンバイン1及び操作端末3は、携帯電話回線網、パケット回線網、又は無線LANを介して通信可能である。
【0013】
コンバイン1は、圃場(作業領域の一例)において刈取等の農作業を行う作業車両である。コンバイン1は、走行しながら作業を行うとともに、コンバイン1に搭載されたGNSSアンテナのGNSS情報、すなわちコンバイン1の自車位置を計測点データとして操作端末3に送信する。
【0014】
また、コンバイン1は、予め設定された目標経路に沿って自動走行を行う自動走行車両として構成される。また、コンバイン1は、操作端末3から各種の設定情報を受信して、設定情報に従って自動走行を行う。
【0015】
操作端末3は、コンバイン1を遠隔操作可能な携帯端末であって、例えば、タブレット端末、ノート型のパーソナルコンピュータ、スマートフォン等で構成される。なお、操作端末3と同様の操作装置がコンバイン1に搭載されていてもよい。
【0016】
作業者(オペレータ)は、操作端末3において、各種の設定項目について設定操作を行うことが可能である。また、操作端末3は、自動走行中のコンバイン1の作業状況、走行状況などの情報を表示させる。作業者は、操作端末3において作業状況、走行状況を把握することが可能である。
【0017】
ところで、コンバイン1は、貯留タンク24(
図2参照)に貯留されている穀粒を圃場内の所定の排出位置において、圃場外に設置された排出場又は排出場に停車された搬送車に排出する。前記排出位置は、一般的に圃場端部に設定されるため、コンバイン1は、排出作業を行う場合に圃場端付近を走行する。従来の技術では、コンバイン1が圃場端付近を走行する場合に、自動走行が停止し作業効率が低下してしまう問題がある。この問題の具体例について
図3を用いて説明する。
図3には、従来のコンバイン1の排出作業時の走行方法の一例を示している。
【0018】
例えば、コンバイン1が貯留タンク24の貯留量が所定量に達する位置(排出移行位置)に到達すると、コンバイン1は刈取作業を中断して排出作業を開始する。なお、前記排出移行位置は、貯留タンク24の空き容量に基づく刈取走行可能距離に基づいて特定することができる。前記排出作業において、コンバイン1は、例えば
図3に示すように、排出経路である直進経路Ra1、旋回経路Rb1、直進経路Ra2、旋回経路Rb2、及び直進経路Ra3に沿って排出位置Peまで走行する。コンバイン1は、排出位置Peに到達すると停止して、排出位置Peにおいて貯留タンク24に貯留されている穀粒を排出場に排出する。
【0019】
ここで、コンバイン1には、進行方向の所定位置に仮想点Psが設定されている。仮想点Psは、仮想点Psが圃場外に出た場合にコンバイン1の走行を停止させる目印(停止判定用基準点)であり、コンバイン1が圃場外に飛び出すことを防止する役割を担っている。例えば、コンバイン1は、自動走行中に仮想点Psが圃場端部に到達すると減速して停止する。
【0020】
図3において、コンバイン1が、排出位置Peまでの排出経路のうち旋回経路Rb2を予め設定された設定速度(旋回車速)で旋回する場合に、仮想点Psが圃場外に出ると、コンバイン1は圃場外への飛び出しを防ぐために停止する。この場合、コンバイン1の自動走行が停止してしまうため、作業者が手動運転してコンバイン1の位置を補正したり、コンバイン1を排出位置Peまで手動運転しなければならなくなり作業効率が低下する。
【0021】
これに対して、本実施形態に係る自動走行システム10は、以下に示すように、圃場端付近を自動走行するコンバイン1の圃場外への飛び出しを防ぐとともに自動走行を継続させることが可能な構成を備える。以下、コンバイン1及び操作端末3のそれぞれについて、上記構成を実現するための具体的構成について説明する。
【0022】
[操作端末3]
図1に示すように、操作端末3は、操作制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信部34などを備える情報処理装置である。操作端末3は、例えばタブレット端末で構成される。
【0023】
通信部34は、操作端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して一又は複数のコンバイン1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0024】
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。作業者は、前記表示部に表示される操作画面において、前記操作部を操作して各種の設定情報を登録する操作を行うことが可能である。また、作業者は、前記操作部を操作してコンバイン1に対する自動走行指示を行うことが可能である。さらに、作業者は、コンバイン1から離れた場所において、操作端末3に表示される走行軌跡により、圃場内を自動走行するコンバイン1の走行状態を把握することが可能である。
【0025】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。記憶部32には、操作制御部31に所定の制御処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、フラッシュROM、EEPROM、CD、又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、操作端末3が備える所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部32に記憶される。なお、前記制御プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して操作端末3にダウンロードされて記憶部32に記憶されてもよい。また、記憶部32は、コンバイン1から送信される作業情報を記憶してもよい。
【0026】
また、記憶部32には、コンバイン1を自動走行させるための専用アプリケーションがインストールされている。操作制御部31は、前記専用アプリケーションを起動させて、コンバイン1に関する各種設定情報の設定処理、コンバイン1に対する自動走行指示などを行う。
【0027】
操作制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリーとして使用される。そして、操作制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより操作端末3を制御する。
【0028】
図1に示すように、操作制御部31は、設定処理部311、出力処理部312などの各種の処理部を含む。なお、操作制御部31は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0029】
設定処理部311は、コンバイン1が自動走行を行うための各種の設定情報を設定する。具体的には、設定処理部311は、圃場に関する圃場情報を設定する。前記圃場情報は、例えば、圃場最外周の形状、大きさ、及び位置情報(座標など)、圃場最外周を構成する計測点データ、圃場で作業を行う圃場内作業領域の形状、大きさ、及び位置情報(座標など)などを含む。また、前記圃場情報は、圃場の住所、圃場情報の登録名及び登録日、圃場内作業領域の登録名及び登録日などを含む。設定処理部311は、作業者による圃場情報の登録操作を受け付けて圃場情報を設定する。
【0030】
また、設定処理部311は、作業経路(本発明の目標経路の一例)を作成する。例えば、作業者は、
図4に示す設定画面D1において、経路パターン、旋回タイプなどを選択する。前記経路パターンには、複数の行程を往復する「往復刈り」と、圃場内作業領域の内周に沿った行程の周回を中央側にずらしながら繰り返す「回り刈り」とが含まれ、作業者はいずれかの経路パターンを選択する。前記旋回タイプには、コンバイン1が通常時に旋回可能な状態を最小旋回半径とする「標準タイプ」と、標準タイプよりも小さい旋回半径となる「小回りタイプ」と、標準タイプよりも大きい旋回半径でコンバイン1が悪条件(ぬかるみ等)で安全に旋回する状態を最小旋回半径とする「ソフトタイプ」とが含まれ、作業者はいずれかの旋回タイプを選択する。また、作業者は、設定画面D1において、往復刈り及び回り刈りの作業経路で旋回する際の旋回半径を補正することが可能である。
【0031】
また、設定処理部311は、排出位置Peを設定する。例えば、作業者は、
図5に示す設定画面D2において、圃場内の端部の任意の位置に排出位置Peを設定することができる。設定処理部311は、作業者により指定された排出位置Peの位置情報(座標)を圃場に対応付けて登録する。
【0032】
また、設定処理部311は、前記圃場情報、前記経路パターン、前記旋回タイプ、前記旋回半径、排出位置Peなどの情報に基づいて作業経路を作成する。設定処理部311は、作成した作業経路を圃場に対応付けて登録する。
【0033】
また、設定処理部311は、コンバイン1の走行速度(車速)を設定する。例えば、作業者は、
図6に示す設定画面D3において、コンバイン1の車速を設定することが可能である。設定画面D3には、コンバイン1の主変速レバーで設定された設定速度に対して自動走行時の車速の割合、自動走行時の加速度の段階などを設定する設定欄が含まれる。なお、自動走行時の車速には、作業時及び非作業時の直進車速、旋回車速、後進車速などが含まれる。作業者は、設定画面D3において、主変速レバーの設定速度に対する各車速の割合を百分率で設定することが可能である。また、作業者は、設定画面D3において、自動走行時の加速度を、「ソフト」、「標準」、「クイック」などの複数段階からいずれかを選択することが可能である。
【0034】
設定処理部311は、上述の情報に加えて、コンバイン1の種類(最大刈取条数)、車幅、車両長さなど周知の情報を設定する。
【0035】
出力処理部312は、設定処理部311により設定された各種の設定情報をコンバイン1に出力する。また、出力処理部312は、作業者の操作に基づいて、作業開始指示及び作業終了指示をコンバイン1に出力する。
【0036】
操作制御部31が作業者から前記作業開始指示操作を受け付けると、出力処理部312は前記作業開始指示をコンバイン1に出力する。これにより、コンバイン1の制御装置11は、操作端末3から前記作業開始指示を取得する。制御装置11は、前記作業開始指示を取得すると、コンバイン1の作業及び走行を開始させる。また、操作制御部31が作業者から前記作業停止指示操作を受け付けると、出力処理部312は前記作業停止指示をコンバイン1に出力する。これにより、コンバイン1の制御装置11は、操作端末3から前記作業停止指示を取得する。制御装置11は、前記作業停止指示を取得すると、コンバイン1の作業及び走行を停止させる。
【0037】
なお、操作端末3は、サーバー(不図示)が提供する農業支援サービスのウェブサイト(農業支援サイト)に通信網N1を介してアクセス可能であってもよい。この場合、操作端末3は、操作制御部31によってブラウザプログラムが実行されることにより、前記サーバーの操作用端末として機能することが可能である。そして、前記サーバーは、上述の各処理部を備え、各処理を実行する。
【0038】
[コンバイン1]
図2には、コンバイン1を側方から見た外観図を示している。
図1及び
図2に示すように、コンバイン1は、脱穀部4、選別部5、排藁処理部6、動力部8、操縦部9、制御装置11、記憶部12、測位ユニット13、走行部14、刈取部15、貯留部16、通信部17などを備える。コンバイン1は、いわゆる自脱型コンバインで構成される。コンバイン1は、走行部14によって走行しつつ、刈取部15によって刈り取った穀稈を脱穀部4で脱穀し、選別部5で穀粒を選別して貯留部16に貯える。コンバイン1は、脱穀後の排藁を排藁処理部6によって処理する。コンバイン1は、動力部8が供給する動力によって、走行部14、刈取部15、貯留部16、脱穀部4、選別部5、及び排藁処理部6を駆動する。
【0039】
走行部14は、機体フレーム29の下方に設けられており、左右一対のクローラ式走行装置2と、トランスミッション(不図示)とを備える。走行部14は、動力部8のエンジン27から伝達される動力(例えば回転動力)によって、クローラ式走行装置2のクローラを回転することで、コンバイン1を前後方向に走行させたり、左右方向に旋回させたりする。トランスミッションは、動力部8の動力(回転動力)をクローラ式走行装置2に伝達するものであり、回転動力を変速することもできる。
【0040】
刈取部15は、走行部14の前方に設けられ、刈取可能条数以内の条列の刈取作業を行う。刈取部15は、デバイダ28と、引起装置20と、切断装置23と、搬送装置7とを備える。デバイダ28は、圃場の穀稈を一条毎に分草して、刈取可能条数以内の所定条数分の穀稈を引起装置20へ案内する。引起装置20は、デバイダ28によって案内された穀稈を引き起こす。切断装置23は、引起装置20によって引き起こされた穀稈を切断する。搬送装置7は、切断装置23によって切断された穀稈を脱穀部4へ搬送する。
【0041】
脱穀部4は、刈取部15の後方に設けられる。脱穀部4は、フィードチェーン18と、扱胴19とを備える。フィードチェーン18は、刈取部15の搬送装置7から搬送された穀稈を脱穀のために搬送し、更に脱穀後の穀稈、すなわち排藁を排藁処理部6へ搬送する。扱胴19は、フィードチェーン18によって搬送されている穀稈を脱穀する。
【0042】
選別部5は、脱穀部4の下方に設けられる。選別部5は、揺動選別装置21と、送風選別装置22と、穀粒搬送装置(不図示)と、藁屑排出装置(不図示)とを備える。揺動選別装置21は、脱穀部4から落下した脱穀物をふるいにかけて穀粒と藁屑等に選別する。送風選別装置22は、揺動選別装置21によって選別された脱穀物を送風によって更に穀粒と藁屑等に選別する。穀粒搬送装置は、揺動選別装置21及び送風選別装置22によって選別された穀粒を貯留部16へ搬送する。藁屑排出装置は、揺動選別装置21及び送風選別装置22によって選別された藁屑等を機外へ排出する。
【0043】
貯留部16は、脱穀部4の右側方に設けられる。貯留部16は、貯留タンク(グレンタンク)24と、排出装置25とを備える。貯留タンク24は、選別部5から搬送されてきた穀粒を貯留する。排出装置25は、排出位置Pe(
図7参照)において、オーガ等で構成され、貯留タンク24に貯留されている穀粒を排出場又は搬送車に排出する。
【0044】
排藁処理部6は、脱穀部4の後方に設けられる。排藁処理部6は、排藁搬送装置(不図示)と、排藁切断装置(不図示)とを備える。排藁搬送装置は、脱穀部4のフィードチェーン18から搬送された排藁を排藁切断装置へ搬送する。排藁切断装置は、排藁搬送装置によって搬送された排藁を切断して機外へ排出する。
【0045】
動力部8は、走行部14の上方、かつ、貯留部16の前方に設けられる。動力部8は、回転動力を発生させるエンジン27を備える。動力部8は、エンジン27が発生させた回転動力を、走行部14、刈取部15、貯留部16、脱穀部4、選別部5、及び排藁処理部6に伝達する。
【0046】
操縦部9は、動力部8の上方に設けられる。操縦部9は、作業者が座る座席である運転席の周囲に、コンバイン1の走行を操縦するための操作具として、コンバイン1の機体の旋回を指示するためのハンドル、コンバイン1の前後進の速度変更を指示するための主変速レバー及び副変速レバー等を備える。コンバイン1の手動走行は、操縦部9のハンドル、主変速レバー、及び副変速レバーの操作を受け付けた走行部14によって実行される。また、操縦部9は、刈取部15による刈取作業、脱穀部4による脱穀作業、貯留部16の排出装置25による排出作業等を操作するための機構を備える。
【0047】
測位ユニット13は、GPS等の衛星測位システムを利用してコンバイン1の自車位置を取得する。例えば、測位ユニット13は、測位アンテナを介して測位衛星から測位信号を受信し、測位信号に基づいて測位ユニット13の位置情報、すなわちコンバイン1の自車位置(計測点データ)を取得する。
【0048】
通信部17(
図1参照)は、コンバイン1を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して操作端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0049】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどの不揮発性の記憶部である。記憶部12には、制御装置11に後述の自動走行処理(
図8参照)を実行させるための自動走行プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記自動走行プログラムは、フラッシュROM、EEPROM、CD、又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。なお、前記自動走行プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介してコンバイン1にダウンロードされて記憶部12に記憶されてもよい。また、記憶部12には、操作端末3から取得する各種設定情報が記憶される。
【0050】
制御装置11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリーとして使用される。そして、制御装置11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりコンバイン1を制御する。
【0051】
具体的には、
図1に示すように、制御装置11は、走行処理部111、設定処理部112、取得処理部113、受付処理部114などの各種の処理部を含む。なお、制御装置11は、前記CPUで前記自動走行プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記自動走行プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0052】
走行処理部111は、圃場に対して設定された目標経路に従ってコンバイン1を自動走行させる。具体的には、走行処理部111は、圃場に対して設定される各種設定情報を操作端末3から取得する。例えば、走行処理部111は、刈取作業において、測位ユニット13からコンバイン1の自車位置を取得し、自車位置と目標経路に含まれる作業経路とに基づいて、コンバイン1が作業経路に沿って自動走行及び刈取作業を行うように動力部8、走行部14、及び刈取部15を制御する。また、走行処理部111は、排出作業において、測位ユニット13からコンバイン1の自車位置を取得し、自車位置と目標経路に含まれる排出経路とに基づいて、コンバイン1が排出経路に沿って自動走行を行うように動力部8及び走行部14を制御する。
【0053】
設定処理部112は、自動走行中のコンバイン1の車速を制御する。具体的には、設定処理部112は、コンバイン1が圃場端付近を走行する際に圃場外に飛び出さないように車速を制御するとともに、コンバイン1が圃場端付近で不要に停止せず自動走行を継続するように車速を制御する。
【0054】
例えば、設定処理部112は、旋回経路の基準点から圃場端までの距離が所定距離以下の場合に、当該旋回経路におけるコンバイン1の車速を、基準点から圃場端までの距離が前記所定距離を超える旋回経路におけるコンバイン1の車速よりも遅い所定速度に設定する。なお、取得処理部113は、旋回経路の基準点から圃場端までの距離を取得する。例えば、取得処理部113は、コンバイン1が自動走行している間、所定の周期で旋回経路の基準点から圃場端までの距離を取得する。
【0055】
前記基準点は、旋回経路と圃場端との位置関係を特定するための旋回経路の位置を表す情報であり、例えば旋回中心点である。前記旋回中心点は、予め設定される旋回半径に基づいて特定することが可能である。取得処理部113は、コンバイン1の現在位置と前記旋回半径とに基づいて、旋回中心点から圃場端までの距離を取得する。
【0056】
受付処理部114は、自動走行中に作業者の操作を受け付ける。例えば、コンバイン1が自動走行中にコンバイン1に搭乗している作業者が主変速レバーを操作した場合に、受付処理部114は、当該操作を受け付ける。受付処理部114が主変速レバーの操作を受け付けると、設定処理部112は、予め設定された車速(
図6参照)に基づいて、コンバイン1の車速を変更する。
【0057】
次に、本実施形態に係るコンバイン1の排出作業時の走行方法の一例について、
図7を用いて説明する。
【0058】
図7に示すように、コンバイン1は、排出作業を行う際に排出移行位置から排出位置Peまでの排出経路(本発明の目標経路の一例)を作成し、排出経路に従って自動走行する。前記排出経路には、直進経路Ra1、旋回経路Rb1、直進経路Ra2、旋回経路Rb2、及び直進経路Ra3が含まれる。設定処理部112は、コンバイン1が前記排出移行位置に到達すると、排出位置Peまでの排出経路を作成する。
【0059】
また、設定処理部112は、受付処理部114が作業者の主変速レバーによる車速の変更操作を受け付けると、予め設定された車速(設定車速)に従ってコンバイン1の車速を制御する。具体的には、コンバイン1は、主変速レバーの設定速度に対する車速の割合が100%(
図6参照)に設定された直進経路Ra1を直進し、旋回開始点Paから旋回中心点C1を中心として旋回半径r1で、主変速レバーの設定速度に対する車速の割合が80%(
図6参照)に設定された旋回経路Rb1を旋回する。この場合、例えばコンバイン1が直進経路Ra1を走行する際に作業者が主変速レバーを最高速度の位置に操作すると、設定処理部112は、コンバイン1の車速を予め設定された100%の速度(例えば上限速度4km/h)に設定する。また例えばコンバイン1が旋回経路Rb1を走行する際に作業者が主変速レバーを最高速度の位置に操作すると、設定処理部112は、コンバイン1の車速を上限速度に対して予め設定された80%の速度(例えば3.2km/h)に設定する。すなわち、作業者は、旋回経路Rb1において、コンバイン1の車速を3.2km/hを上限速度として変速させることができる。ここでは、旋回経路Rb1の旋回中心点C1から圃場端までの距離L1が所定距離を超えるため、旋回経路Rb1におけるコンバイン1の車速を、予め設定された車速(80%)に対して制限することなく設定することが可能となる。
【0060】
続いて、コンバイン1は、旋回経路Rb1の終点(旋回終了点Pb)に到達すると、主変速レバーの設定速度に対する車速の割合が100%に設定された直進経路Ra2を直進する。直進経路Ra2では、作業者は、主変速レバーを操作して、上限速度4km/h以下の範囲で車速を変更することが可能である。
【0061】
続いて、直進経路Ra2に続く旋回経路Rb2では、旋回中心点C2から圃場端までの距離L2が所定距離以下となる。この場合、設定処理部112は、旋回経路Rb2におけるコンバイン1の車速を、予め設定された車速(80%)に対して制限する。例えば、設定処理部112は、主変速レバーの設定速度に対する車速の割合を50%に制限する。これにより、コンバイン1の車速の上限速度が2km/hとなる。設定処理部112は、主変速レバーの操作に応じて、コンバイン1の車速を最高速度(4km/h)に対して50%(2km/h)以下の範囲内に制限する。コンバイン1は、車速が制限された状態で、旋回開始点Pcから旋回中心点C2を中心として旋回半径r2で、主変速レバーの設定速度に対する車速の割合が50%以下に設定された旋回経路Rb2を旋回する。すなわち、コンバイン1は、旋回経路Rb2を2km/h以下で走行する。旋回経路Rb1は本発明の第2旋回経路の一例であり、旋回経路Rb2は本発明の第1旋回経路の一例である。
【0062】
ここで、設定処理部112は、コンバイン1の進行方向の所定位置に仮想点Psを設定する。走行処理部111は、仮想点Psが圃場外に出た場合にコンバイン1の走行を停止させる(
図3参照)。
【0063】
具体的には、設定処理部112は、コンバイン1の車体から進行方向にコンバイン1の制動距離だけ離れた位置に仮想点Psを設定する。また、設定処理部112は、コンバイン1の車速が速くなるほどコンバイン1から離れた位置に仮想点Psを設定し、コンバイン1の車速が遅くなるほどコンバイン1に近い位置に仮想点Psを設定する。
【0064】
図7に示す例によれば、設定処理部112は、旋回経路Rb2における車速を旋回経路Rb1における車速よりも遅い速度に設定するため、コンバイン1が旋回経路Rb2を走行する際の仮想点Psの位置を、コンバイン1が旋回経路Rb1を走行する際の仮想点Psの位置よりもコンバイン1に近い位置に設定する。
【0065】
これにより、コンバイン1が旋回経路Rb2を走行する際に仮想点Psがコンバイン1の車体に近付くため、特に圃場端付近を走行する際に仮想点Psが圃場外に出にくくなる。これにより、コンバイン1が圃場端付近で停止してしまうことを防ぐことができる。
【0066】
コンバイン1が旋回経路Rb2を停止することなく旋回終了点Pdまで走行すると、続いて、設定処理部112は、直進経路Ra3におけるコンバイン1の車速を旋回経路Rb2と同じ車速に設定する。これにより、コンバイン1は、最高速度に対して50%(2km/h)以下の範囲内の車速で排出位置Peまで直進走行する。
【0067】
このように、仮想点Psは車速に応じた位置に設定されるため、例えば、設定処理部112は、旋回経路Rb2の車速を、仮想点Psが圃場内に収まる速度に設定してもよい。具体的には、旋回中心点C2が圃場端に近いほど、コンバイン1が旋回経路Rb2を旋回する際に仮想点Psが圃場外に出易くなり、旋回中心点C2が圃場端から遠いほど、コンバイン1が旋回経路Rb2を旋回する際に仮想点Psが圃場外に出にくくなる。そこで、設定処理部112は、旋回中心点C2が圃場端に近いほど、旋回経路Rb2における車速を低速に設定する。すなわち、設定処理部112は、旋回経路Rb2における車速を、旋回経路Rb2において仮想点Psが圃場内に収まる速度に設定する。これにより、コンバイン1が圃場端付近を走行する際に仮想点Psが圃場外に出なくなるため、確実に自動走行を継続することができる。なお、設定処理部112は、旋回経路Rb2の車速を、コンバイン1の走行経路が旋回経路Rb2に対して外側に膨らまない速度に設定してもよい。
【0068】
以上のように、設定処理部112は、旋回中心点から圃場端までの距離が所定距離以下の旋回経路(
図7の旋回経路Rb2)におけるコンバイン1の車速を、旋回中心点から圃場端までの距離が前記所定距離を超える旋回経路(
図7の旋回経路Rb1)におけるコンバイン1の車速よりも遅い速度に設定する。
【0069】
また、受付処理部114は、自動走行中のコンバイン1の車速を予め設定された設定速度から変更する操作を受け付ける。また、受付処理部114は、旋回中心点から圃場端までの距離が前記所定距離を超える旋回経路(
図7の旋回経路Rb1)ではコンバイン1の車速を前記設定速度以内(例えば80%以内)の範囲で変更する操作を許可し、旋回中心点から圃場端までの距離が前記所定距離以下の旋回経路(
図7の旋回経路Rb2)ではコンバイン1の車速を前記設定速度よりも遅い速度以内(例えば50%以内)の範囲で変更する操作を許可する。
【0070】
他の実施形態として、作業経路(直進経路及び旋回経路)の車速が割合ではなく具体的な速度として設定され、コンバイン1が設定速度に応じて作業経路を自動走行(無人走行)してもよい。この場合には、設定処理部112は、コンバイン1の位置情報に基づいて車速を制御してもよい。例えば、設定処理部112は、コンバイン1が旋回中心点から圃場端までの距離が所定距離を超える旋回経路(
図7の旋回経路Rb1)を走行する場合にコンバイン1の車速を予め設定された第1車速に設定し、コンバイン1が旋回中心点から圃場端までの距離が所定距離以下の旋回経路(
図7の旋回経路Rb2)を走行する場合にコンバイン1の車速を前記第1車速よりも遅い第2速度に設定する。
【0071】
[自動走行処理]
以下、
図8を参照しつつ、自動走行システム10が実行する前記自動走行処理の一例について説明する。
【0072】
なお、本発明は、前記自動走行処理に含まれる一又は複数のステップを実行する自動走行方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記自動走行処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記自動走行処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御装置11が前記自動走行処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサーが当該自動走行処理における各ステップを分散して実行する自動走行方法も他の実施形態として考えられる。
【0073】
ステップS1において、制御装置11は、作業開始指示を取得したか否かを判定する。制御装置11は、操作端末3から前記作業開始指示を取得すると(S1:Yes)、処理をステップS2に移行させる。制御装置11は、前記作業開始指示を取得するまで待機する(S1:No)。
【0074】
ステップS2において、制御装置11は、自動走行処理を実行する。具体的には、制御装置11は、操作端末3から取得する設定情報に含まれる目標経路に従って、コンバイン1を自動走行させる。例えば、制御装置11は、圃場内作業領域において、コンバイン1を作業経路に従って自動走行させながら作業(刈取作業)を実行させる。なお、制御装置11は、コンバイン1に搭乗する作業者による主変速レバーの操作を受け付け可能であってもよい。この場合、制御装置11は、作業者の操作に応じて、自動走行するコンバイン1の車速を変更する。例えば、前記設定情報において、直進車速が100%に設定され、旋回車速が80%に設定されている場合に(
図6参照)、制御装置11は、コンバイン1が直進経路を走行する際に作業者が主変速レバーを最高速度の位置に操作すると、コンバイン1の車速を100%の速度(上限速度)に設定し、コンバイン1が旋回経路を走行する際に作業者が主変速レバーを最高速度の位置に操作すると、コンバイン1の車速を上限速度の80%の速度に設定する。
【0075】
次にステップS3において、制御装置11は、コンバイン1が排出移行位置に到達したか否かを判定する。制御装置11は、コンバイン1が貯留タンク24の貯留量が所定量に達する位置に到達した場合に、排出移行位置に到達したと判定する。制御装置11は、コンバイン1が排出移行位置に到達したと判定すると(S3:Yes)、処理をステップS4に移行させる。一方、制御装置11は、コンバイン1が排出移行位置に到達していないと判定すると(S3:No)、処理をステップS31に移行させる。他の実施形態として、ステップS3において、制御装置11は、貯留タンク24の空き容量が所定量未満になったか否かを判定してもよい。
【0076】
ステップS31では、制御装置11は、コンバイン1が作業終了位置に到達したか否かを判定する。制御装置11は、コンバイン1が作業終了位置(作業経路の終点)に到達したと判定すると(S31:Yes)、処理を終了する。一方、制御装置11は、コンバイン1が作業終了位置に到達していないと判定すると(S31:No)、処理をステップS2に移行させる。
【0077】
ステップS4では、制御装置11は、コンバイン1に排出走行を開始させる。例えば
図7に示すように、制御装置11は、排出移行位置から排出位置Peまでの排出経路を作成し、コンバイン1を排出経路に従って自動走行させる。具体的には、制御装置11は、コンバイン1を、直進経路Ra1、旋回経路Rb1、直進経路Ra2、旋回経路Rb2、及び直進経路Ra3に沿って排出位置Peまで自動走行させる。また、制御装置11は、予め設定された車速(
図6参照)に従って、コンバイン1の車速を制御して排出位置Peまで自動走行させる。
【0078】
ステップS5において、制御装置11は、旋回経路の基準点(旋回中心点)から圃場端までの距離が所定距離以下であるか否かを判定する。制御装置11は、旋回経路の旋回中心点から圃場端までの距離を取得し、当該距離が所定距離以下であると判定すると(S5:Yes)、処理をステップS6に移行させる。一方、制御装置11は、走行経路が直進経路であると判定した場合、又は、旋回経路の旋回中心点から圃場端までの距離が所定距離よりも大きいと判定した場合(S5:No)、処理をステップS7に移行させる。
【0079】
図7に示す例では、コンバイン1が旋回経路Rb1を走行する場合には、制御装置11は、旋回経路Rb1の旋回中心点C1から圃場端までの距離L1が所定距離を超えるため、処理をステップS7に移行させる。これに対して、コンバイン1が旋回経路Rb2を走行する場合には、制御装置11は、旋回経路Rb2の旋回中心点C2から圃場端までの距離L2が所定距離以下となるため、処理をステップS6に移行させる。
【0080】
ステップS6では、制御装置11は、コンバイン1の車速を制限する処理を実行する。具体的には、制御装置11は、旋回経路におけるコンバイン1の車速を所定速度以下に制限する。例えば、制御装置11は、旋回経路Rb2において仮想点Psが圃場内に収まる速度を、旋回経路Rb2の車速の上限速度に設定する。
【0081】
例えば、制御装置11は、旋回経路Rb2におけるコンバイン1の車速を、予め設定された車速(80%)未満の50%に制限する。すなわち、制御装置11は、主変速レバーの操作に応じて、コンバイン1の車速を最高速度に対して50%以下の範囲内で設定する。このように、制御装置11は、コンバイン1が圃場端から遠い旋回経路Rb1を走行する場合には予め設定された車速(例えば80%)に対して制限を設けない一方、コンバイン1が圃場端に近い旋回経路Rb2を走行する場合には予め設定された車速(80%)に対して上限速度(例えば50%)の制限を設ける。このようにして、制御装置11は、旋回中心点から圃場端までの距離が所定距離以下となる旋回経路におけるコンバイン1の車速を、旋回中心点から圃場端までの距離が前記所定距離を超える旋回経路におけるコンバイン1の車速よりも遅い速度に設定する。
【0082】
ステップS7において、制御装置11は、コンバイン1が排出位置Peに到達したか否かを判定する。制御装置11は、コンバイン1が排出位置Peに到達したと判定すると(S7:Yes)、処理をステップS8に移行させる。一方、制御装置11は、コンバイン1が排出位置Peに到達していないと判定すると(S7:No)、処理をステップS5に移行させる。制御装置11は、コンバイン1が排出位置Peに到達するまでステップS5及びS6の処理を繰り返し実行する。
【0083】
ステップS8において、制御装置11は、排出処理を実行する。具体的には、制御装置11は、貯留部16を駆動させて、貯留タンク24に貯留されている穀粒を排出場に排出させる。
【0084】
次にステップS9において、制御装置11は、排出処理が完了したか否かを判定する。制御装置11は、排出処理が完了したと判定すると(S9:Yes)、処理をステップS10に移行させる。一方、制御装置11は、排出処理が完了していないと判定すると(S9:No)、処理をステップS8に移行させる。
【0085】
ステップS10において、制御装置11は、復帰走行指示を取得したか否かを判定する。例えば、制御装置11は、排出処理が完了すると作業者に排出処理の完了を通知し、作業者から復帰走行の指示を受け付ける。制御装置11は、前記復帰走行指示を取得すると(S10:Yes)、処理をステップS11に移行させる。制御装置11は、前記復帰走行指示を取得するまで待機する(S10:No)。
【0086】
ステップS11において、制御装置11は、復帰走行を開始させる。具体的には、制御装置11は、排出位置Peから所定の復帰位置までの復帰経路を作成し、コンバイン1を復帰経路に従って自動走行させる。なお、前記復帰位置は、前記排出移行位置と同じ位置に設定されてもよいし、作業状況と排出位置Peとを考慮した上で、作業経路上の排出位置Peにより近い位置に設定されてもよい。
【0087】
次にステップS12において、制御装置11は、コンバイン1が復帰位置に到達したか否かを判定する。制御装置11は、コンバイン1が復帰位置に到達したと判定すると(S12:Yes)、処理をステップS2に移行させる。一方、制御装置11は、コンバイン1が復帰位置に到達するまでコンバイン1に復帰走行を継続させる(S12:No)。
【0088】
コンバイン1が復帰位置に到達すると(S12:Yes)、制御装置11は、コンバイン1を作業経路に従って自動走行を再開させる(S2)。制御装置11は、作業終了位置に到達するまで、上述の処理を繰り返し実行する(S31:No)。以上のようにして、自動走行システム10は、前記自動走行処理を実行する。
【0089】
以上説明したように、本実施形態に係る自動走行システム10は、圃場において旋回経路を含む目標経路に従ってコンバイン1を自動走行させる。また、自動走行システム10は、前記旋回経路の基準点から圃場端までの距離を取得し、前記基準点から圃場端までの距離が所定距離以下となる第1旋回経路におけるコンバイン1の車速を、前記基準点から圃場端までの距離が前記所定距離を超える第2旋回経路におけるコンバイン1の車速よりも遅い所定速度に設定する。
【0090】
上記構成によれば、旋回経路を自動走行するコンバイン1が圃場端に近付いた場合に、コンバイン1の車速が低速に設定される。これにより、コンバイン1に設定される仮想点Psの位置をコンバイン1の車体に近づけることができるため(
図7参照)、コンバイン1が圃場端付近を走行する際に仮想点Psが圃場外に出ることによりコンバイン1が停止することを防ぐことができる。よって、圃場端付近を自動走行するコンバイン1の圃場外への飛び出しを防ぐとともに自動走行を継続させることが可能となる。また、コンバイン1の不要な停止を抑制しつつ、自動走行の安全性を向上させることができる。
【0091】
[他の実施形態]
本発明は上述した実施形態に限定されない。本発明の他の実施形態について、以下に説明する。
【0092】
上述の実施形態では、制御装置11が、コンバイン1が自動走行中において、旋回中心点から圃場端までの距離が所定距離以下となる旋回経路を走行する際に、当該旋回経路の車速を設定している。他の実施形態として、旋回中心点から圃場端までの距離が所定距離以下となる旋回経路の車速が、予め設定されてもよい。例えば
図9に示すように、作業者は、設定画面D3において、旋回中心点から圃場端までの距離が所定距離を超える通常の旋回経路の車速を80%に設定し、旋回中心点から圃場端までの距離が所定距離以下となる圃場端付近の旋回経路の車速を50%に設定する。この場合、制御装置11は、操作端末3において予め設定された車速に基づいて、各旋回経路におけるコンバイン1の車速を設定する。なお、通常の旋回経路の車速と圃場端付近の旋回経路の車速とは、割合ではなく具体的な速度として設定されてもよい。
【0093】
また、上述の実施形態では、制御装置11は、圃場端付近の旋回経路Rb2に続く直進経路Ra3におけるコンバイン1の車速を、旋回経路Rb2におけるコンバイン1の車速と同じ速度に設定している。他の実施形態として、例えば
図10に示すように、制御装置11は、旋回経路Rb2に続く直進経路Ra3が圃場の端部に沿った経路であって、直進経路Ra3の長さL1が所定長さLth以上である場合に、直進経路Ra3におけるコンバイン1の車速を、旋回経路Rb2におけるコンバイン1の車速よりも速い速度(例えば非作業時の直進車速(
図6参照))に設定してもよい。これにより、コンバイン1の圃場外への飛び出しを防ぎつつ、コンバイン1を排出位置Peに早く到達させることができるため、作業効率を向上させることができる。なお、制御装置11は、直進経路Ra3の長さが所定長さ以上である場合に、直進経路Ra3におけるコンバイン1の車速を直進経路Ra3の長さL1に応じた速度に設定してもよい。
【0094】
また、上述の実施形態では、制御装置11は、旋回中心点から圃場端までの距離が所定距離以下となる旋回経路Rb2を走行する際に、旋回開始点Pcから旋回経路Rb2の車速を低速に設定している(
図7参照)。他の実施形態として、制御装置11は、旋回経路Rb2の途中から車速を低速に設定してもよい。具体的には、制御装置11は、旋回経路Rb2において、コンバイン1の現在位置から圃場端までの距離が閾値を超える場合には、コンバイン1を所定速度以下の第1車速(例えば設定速度80%(
図6参照))で走行させる一方、コンバイン1の現在位置から圃場端までの距離が前記閾値以下の場合に、コンバイン1を前記第1車速未満の第2車速(例えば50%)で走行させる。前記閾値は、例えば
図11に示すように、旋回中心点C2から圃場端までの距離L2に設定されてもよい。
図11に示すように、旋回経路Rb2において、コンバイン1から圃場端までの距離が距離L2よりも大きい場合には仮想点Psがコンバイン1から遠い位置に設定され、コンバイン1から圃場端までの距離が距離L2以下になると仮想点Psがコンバイン1に近い位置に設定される。これにより、仮想点Psが圃場外に出る可能性の低い位置ではコンバイン1を通常の速度で走行させ、仮想点Psが圃場外に出る可能性の高くなる位置からコンバイン1を低速に走行させることができるため、コンバイン1の圃場外への飛び出しを防ぎつつ、作業効率を向上させることができる。なお、前記閾値は、前記設定速度及び旋回中心点の位置に基づいて設定される。
【0095】
また、他の実施形態として、操作端末3の操作制御部31は、作業経路を表示する作業画面(不図示)において、旋回中心点から圃場端までの距離が所定距離以下となる圃場端付近の旋回経路を、他の経路とは異なる表示態様(色、線種など)で表示させてもよい。また、操作制御部31は、コンバイン1が前記圃場端付近の旋回経路を走行する際に、注意を促すメッセージを、作業画面に表示させたり音声出力させたりしてもよい。これにより、作業者に注意喚起することができる。なお、操作制御部31は、コンバイン1が前記圃場端付近の旋回経路に続く直進経路を走行する際にも、同様に、前記メッセージを作業画面に表示させたり音声出力させたりしてもよい。
【0096】
また、上述の実施形態では、旋回経路の基準点の一例として、旋回中心点を挙げたが、前記基準点は、旋回中心点に限定されず、旋回開始点(例えば
図7に示すPa、Pcなど)又は旋回終了点(例えば
図7に示すPb、Pdなど)であってもよい。また、本発明における所定距離は、旋回中心点、旋回開始点、旋回終了点ごとに異なる値が設定されてもよい。制御装置11は、旋回中心点、旋回開始点、旋回終了点のいずれかが、対応する所定距離以下になるか否かを判定してもよい(
図8のステップS5に対応)。また、制御装置11は、旋回中心点、旋回開始点、旋回終了点の全てが、それぞれに対応する所定距離以下になるか否かを判定してもよい。
【0097】
上述の実施形態では、作業車両の一例としてコンバイン1を挙げたが、本発明の作業車両は、コンバイン1に限定されず、トラクタ、田植機、建設機械など様々な作業車両であってもよい。
【0098】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態1から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0099】
<付記1>
作業領域において旋回経路を含む目標経路に従って作業車両を自動走行させることと、
前記旋回経路の基準点から前記作業領域の端部までの距離を取得することと、
前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が所定距離以下となる第1旋回経路における前記作業車両の車速を、前記基準点から前記作業領域の端部までの距離が前記所定距離を超える第2旋回経路における前記作業車両の車速よりも遅い所定速度に設定することと、
を実行する自動走行方法。
【0100】
<付記2>
前記作業車両の進行方向の所定位置に仮想点を設定し、前記仮想点が前記作業領域外に出た場合に前記作業車両の走行を停止させ、
前記作業車両の車速が速くなるほど前記作業車両から離れた位置に前記仮想点を設定し、
前記所定速度を、前記第1旋回経路において前記仮想点が前記作業領域内に収まる速度に設定する、
付記1に記載の自動走行方法。
【0101】
<付記3>
前記仮想点を、前記作業車両の車体から前記進行方向に前記作業車両の制動距離だけ離れた前記所定位置に設定する、
付記2に記載の自動走行方法。
【0102】
<付記4>
自動走行中の前記作業車両の車速を予め設定された設定速度から変更する操作を受け付けることをさらに実行し、
前記第1旋回経路では前記作業車両の車速を前記設定速度よりも遅い前記所定速度以内の範囲で変更する操作を許可し、
前記第2旋回経路では前記作業車両の車速を前記設定速度以内の範囲で変更する操作を許可する、
付記1~3のいずれかに記載の自動走行方法。
【0103】
<付記5>
前記第1旋回経路に続く直進経路が前記作業領域の端部に沿った経路である場合に、前記直進経路における前記作業車両の車速を前記第1旋回経路における前記作業車両の車速に設定する、
付記1~4のいずれかに記載の自動走行方法。
【0104】
<付記6>
前記第1旋回経路に続く直進経路が前記作業領域の端部に沿った経路であって、前記直進経路の長さが所定長さ以上である場合に、前記直進経路における前記作業車両の車速を前記所定速度よりも速い速度に設定する、
付記1~5のいずれかに記載の自動走行方法。
【0105】
<付記7>
前記直進経路の長さが所定長さ以上である場合に、前記直進経路における前記作業車両の車速を前記直進経路の長さに応じた速度に設定する、
付記6に記載の自動走行方法。
【0106】
<付記8>
前記第1旋回経路において、前記作業車両の現在位置から前記作業領域の端部までの距離が閾値を超える場合に、前記作業車両を前記所定速度以下の第1車速で走行させる一方、
前記第1旋回経路において、前記作業車両の現在位置から前記作業領域の端部までの距離が前記閾値以下の場合に、前記作業車両を前記第1車速未満の第2車速で走行させる、
付記1~7のいずれかに記載の自動走行方法。
【0107】
<付記9>
前記基準点は、前記旋回経路の旋回中心点、前記旋回経路の開始点、及び前記旋回経路の終了点のいずれかである、
付記1~8のいずれかに記載の自動走行方法。
【符号の説明】
【0108】
1 :コンバイン(作業車両)
3 :操作端末
10 :自動走行システム
11 :制御装置
31 :操作制御部
111 :走行処理部
112 :設定処理部
113 :取得処理部
114 :受付処理部
215 :出力処理部
311 :設定処理部
312 :出力処理部
C1 :旋回中心点(基準点)
C2 :旋回中心点(基準点)
L1 :距離
L2 :距離
Pa :旋回開始点(基準点)
Pb :旋回終了点(基準点)
Pc :旋回開始点(基準点)
Pd :旋回終了点(基準点)
Pe :排出位置
Ps :仮想点
Ra1 :直進経路
Ra2 :直進経路
Ra3 :直進経路
Rb1 :旋回経路(第2旋回経路)
Rb2 :旋回経路(第1旋回経路)
r1 :旋回半径
r2 :旋回半径