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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182980
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20231220BHJP
【FI】
H02M7/48 M
H02M7/48 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096309
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】常盤 歩夢
(72)【発明者】
【氏名】柏木 航平
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA17
5H770AA28
5H770AA29
5H770BA11
5H770CA02
5H770DA01
5H770DA03
5H770DA10
5H770DA31
5H770DA41
5H770GA01
5H770GA19
5H770HA01Z
5H770HA02Y
5H770HA03W
5H770HA03X
5H770HA06X
5H770HA14W
5H770HA19Z
5H770JA11W
5H770LB10
(57)【要約】
【課題】点検作業を省力化できる電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力の変換を行う主回路部と、前記主回路部の健全性に関する情報の取得を行い、前記主回路部の健全性の時間的な変化を確認できるようにする監視装置と、を備えた電力変換装置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力の変換を行う主回路部と、
前記主回路部の健全性に関する情報の取得を行い、前記主回路部の健全性の時間的な変化を確認できるようにする監視装置と、
を備えた電力変換装置。
【請求項2】
前記主回路部は、
交流電力から直流電力への変換及び直流電力から交流電力への変換の少なくとも一方を行う変換器と、
前記変換器の直流側に設けられた電荷蓄積素子と、
前記電荷蓄積素子の直流電圧値を検出する電圧検出器と、
を有し、
前記監視装置は、前記電圧検出器の検出した前記電荷蓄積素子の直流電圧値の情報を前記主回路部の健全性に関する情報として取得し、前記電荷蓄積素子の健全性の時間的な変化を確認できるようにする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記主回路部の動作を制御する制御装置をさらに備え、
前記主回路部は、
複数のスイッチング素子と、
前記複数のスイッチング素子のそれぞれを駆動するための複数の駆動回路と、
を有し、前記複数のスイッチング素子のスイッチングにより、電力の変換を行い、
前記制御装置は、前記複数のスイッチング素子のそれぞれに対応した複数の制御信号を生成し、生成した前記複数の制御信号を前記主回路部に入力し、前記複数のスイッチング素子のそれぞれのスイッチングを制御することにより、前記主回路部による電力の変換を制御し、
前記複数の駆動回路は、前記複数の制御信号に応じた複数の駆動信号を生成し、前記複数の駆動信号をそれぞれ対応する前記複数のスイッチング素子に入力することにより、前記複数の制御信号に応じて前記複数のスイッチング素子を駆動するとともに、前記複数の駆動信号の検出を行い、検出した前記複数の駆動信号に応じた複数の帰還信号を前記制御装置に入力し、
前記監視装置は、前記複数の制御信号の情報及び前記複数の帰還信号の情報を前記主回路部の健全性に関する情報として取得し、前記複数の制御信号の情報及び前記複数の帰還信号の情報を基に、前記複数の駆動回路の健全性の時間的な変化を確認できるようにする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記主回路部は、
直流電力から交流電力への変換及び交流電力から直流電力への変換の少なくとも一方を行うとともに、交流側が並列に接続された複数の変換器と、
前記複数の変換器のそれぞれの交流側に設けられ、前記複数の変換器のそれぞれの交流電流値を検出する複数の電流検出器と、
を有し、
前記監視装置は、前記複数の電流検出器の検出した交流電流値の情報を前記主回路部の健全性に関する情報として取得し、前記複数の電流検出器の検出した交流電流値の情報を基に、前記複数の変換器の健全性の時間的な変化を確認できるようにする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記主回路部は、
複数のスイッチング素子と、
前記複数のスイッチング素子のそれぞれを駆動するための複数の駆動回路と、
を有し、前記複数のスイッチング素子のスイッチングにより、電力の変換を行い、
前記複数のスイッチング素子は、一対の主端子と、制御端子と、を有するとともに、前記一対の主端子間に電流を流すオン状態と、前記一対の主端子間の電流の流れを遮断したオフ状態と、を有し、前記一対の主端子間に印加される電圧の大きさ、及び前記制御端子に印加される電圧の大きさに応じて、前記オン状態と前記オフ状態とを切り替え、
前記監視装置は、前記複数のスイッチング素子のそれぞれの前記制御端子の電圧値の情報を前記主回路部の健全性に関する情報として取得し、前記複数のスイッチング素子及び前記複数の駆動回路の健全性の時間的な変化を確認できるようにする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記主回路部の外観の撮影を行い、前記主回路部の外観を撮影した撮影画像を取得する撮影装置をさらに備え、
前記監視装置は、前記撮影装置で取得された前記撮影画像の情報を前記主回路部の健全性に関する情報として取得し、取得した前記撮影画像の情報を基に、前記主回路部の外観の時間的な変化を確認できるようにする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記主回路部の温度の検出を行い、前記主回路部の温度に関する温度情報を取得する温度検出装置をさらに備え、
前記監視装置は、前記温度検出装置で取得された前記温度情報を前記主回路部の健全性に関する情報として取得し、取得した前記温度情報を基に、前記主回路部の温度の時間的な変化を確認できるようにする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記主回路部から発せられる異音の検出を行い、前記主回路部から発せられる異音に関する異音情報を取得する異音検出装置をさらに備え、
前記監視装置は、前記異音検出装置で取得された前記異音情報を前記主回路部の健全性に関する情報として取得し、取得した前記異音情報を基に、前記主回路部から発せられる異音の時間的な変化を確認できるようにする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記主回路部の周囲のにおいの検出を行い、前記主回路部の周囲のにおいに関するにおい情報を取得するにおい検出装置をさらに備え、
前記監視装置は、前記におい検出装置で取得された前記におい情報を前記主回路部の健全性に関する情報として取得し、取得した前記におい情報を基に、前記主回路部の周囲のにおいの時間的な変化を確認できるようにする請求項1記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力の変換を行う電力変換装置がある。電力変換装置では、長寿命が要求されている。特に、電力系統と連系する電力変換装置など、公共性の高い設備に用いられる電力変換装置においては、長期にわたって安定して動作し、故障などによる意図しない動作の停止を極力抑制することが求められている。このため、電力変換装置では、定期的な点検によって健全性を確認し、必要に応じて部分的に部品を交換することが行われている。
【0003】
電力変換装置の健全性の確認には、作業員による点検作業が必要である。しかしながら、電力変換装置は、半導体デバイスやコンデンサなど、数多くの部品から構成されている。また、確認する健全性の内容によっては、電力変換装置に外部機器を接続して点検作業を行わなければならない場合もある。このため、電力変換装置の点検は、作業工数が多く、点検に長い時間や高い費用が必要となっている。また、電力変換装置の点検においては、電力変換装置の運転を停止させる必要があり、電力変換装置の運用にも影響を与えてしまう。
【0004】
例えば、所定の閾値を超過したか否かによって、部品の異常を検知することが提案されている。この場合には、作業員が点検を行うことなく、部品の異常を検知することができる。しかしながら、このような異常の検知では、長期使用による部品の変化の傾向などを把握することはできず、閾値を超過したタイミングで突然異常が検知されることとなる。従って、例えば、任意のタイミングで電力変換装置を停止させることが難しく、決められたタイミングで定期的に点検を行う場合などには、次の点検のタイミングまでに異常が発生しないように、異常が検知されていない箇所の部品の健全性を点検で確認しなければならない可能性がある。このように、所定の閾値を設定した異常の検知では、必ずしも点検作業の省力化にはつながらない可能性がある。
【0005】
このため、電力変換装置では、点検作業を省力化し、点検作業の作業時間の短縮や点検作業に必要となる費用の削減などを図れるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-254017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、点検作業を省力化できる電力変換装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態によれば、電力の変換を行う主回路部と、前記主回路部の健全性に関する情報の取得を行い、前記主回路部の健全性の時間的な変化を確認できるようにする監視装置と、を備えた電力変換装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
点検作業を省力化できる電力変換装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図2】第2の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図3】第2の実施形態に係る駆動回路の一例を模式的に表すブロック図である。
図4】第2の実施形態に係る制御装置の動作の一例を模式的に表す波形図である。
図5】第3の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図6】第4の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図7】第5の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図8】第6の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図9】第7の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図10】第8の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
【0011】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、電力変換装置10は、主回路部12と、監視装置14と、を備える。
【0013】
主回路部12は、電力の変換を行う。主回路部12は、第1変換器21と、第2変換器22と、電荷蓄積素子23と、電圧検出器24と、を有する。第1変換器21は、第2変換器22、及び交流の電力系統2と接続されている。第1変換器21は、電力系統2から供給された交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を第2変換器22に出力する。第1変換器21は、換言すれば、順変換器である。
【0014】
第2変換器22は、第1変換器21、及び交流の負荷4に接続されている。第2変換器22は、第1変換器21から出力された直流電力を負荷4に応じた交流電力に変換し、変換後の交流電力を負荷4に出力する。第2変換器22は、例えば、直流電力を電力系統2の交流電力と異なる別の交流電力に変換する。第2変換器22は、換言すれば、逆変換器である。
【0015】
電荷蓄積素子23は、第1変換器21及び第2変換器22のそれぞれの直流側に設けられる。換言すれば、電荷蓄積素子23は、第1変換器21と第2変換器22との間に設けられる。電荷蓄積素子23は、例えば、第1変換器21及び第2変換器22の直流電圧の変動を抑制する。電荷蓄積素子23は、例えば、直流コンデンサである。
【0016】
このように、主回路部12は、電力系統2の交流電力を負荷4に対応した別の交流電力に変換し、変換後の交流電力を負荷4に供給する。負荷4は、誘導機などの交流負荷でもよいし、電力系統2とは別の電力系統などでもよい。
【0017】
主回路部12は、例えば、負荷4側の交流電力を変換して電力系統2に出力する機能をさらに有してもよい。第2変換器22は、負荷4の交流電力を直流電力に変換して第1変換器21に出力する機能を有してもよい。第1変換器21は、直流電力を電力系統2に応じた交流電力に変換して電力系統2に出力する機能を有してもよい。
【0018】
第1変換器21及び第2変換器22は、例えば、ブリッジ接続された複数のスイッチング素子(半導体素子)と、複数のスイッチング素子のそれぞれに逆並列に接続された複数の整流素子と、を有する。電力変換装置10(主回路部12)は、例えば、半導体電力変換装置である。
【0019】
電圧検出器24は、電荷蓄積素子23の直流電圧値を検出する。電圧検出器24は、検出した電荷蓄積素子23の直流電圧値の情報を監視装置14に入力する。
【0020】
監視装置14は、主回路部12の健全性に関する情報の取得を行い、主回路部12の健全性の時間的な変化を確認できるようにする。この例において、監視装置14は、電圧検出器24の検出した電荷蓄積素子23の直流電圧値の情報を主回路部12の健全性に関する情報として取得し、直流電圧値の情報を基に、電荷蓄積素子23の健全性の時間的な変化を、主回路部12の健全性の時間的な変化として確認できるようにする。
【0021】
電荷蓄積素子23の劣化が進行すると、静電容量が低減し、電荷蓄積素子23の直流電圧に重畳する電圧リプルやノイズの成分が増加する。監視装置14は、例えば、電圧検出器24から入力された直流電圧値の情報に対して周波数解析を行うことにより、電圧リプルやノイズの成分の状態を電荷蓄積素子23の健全性(劣化具合)として確認する。
【0022】
監視装置14は、例えば、取得した情報を基に、主回路部12の健全性の確認を行い、主回路部12の健全性の確認結果を記憶する。この例において、監視装置14は、電荷蓄積素子23の健全性の確認結果を記憶する。監視装置14は、例えば、電圧リプルやノイズの成分の状態を確認結果として記憶する。電圧リプルやノイズの成分の状態とは、例えば、電荷蓄積素子23の直流電圧に重畳するリプルやノイズの周波数の大きさや振幅の大きさなどである。
【0023】
但し、確認結果として記憶する情報は、これに限ることなく、電荷蓄積素子23の健全性を確認可能な任意の情報でよい。例えば、電圧リプルの状態などから電荷蓄積素子23の静電容量の大きさを推定できる場合には、電荷蓄積素子23の静電容量の推定値を確認結果として記憶してもよい。例えば、電圧リプルやノイズの成分の状態から電荷蓄積素子23の劣化の度合いを演算し、演算した劣化の度合いを確認結果として記憶してもよい。劣化の度合いは、例えば、電荷蓄積素子23の劣化を0%~100%などの数値で表してもよいし、電荷蓄積素子23の劣化を1段階~5段階などの段階で表してもよい。
【0024】
監視装置14は、例えば、主回路部12の健全性の確認を定期的又は連続的に行い、確認を行う毎に確認結果を記憶する。これにより、監視装置14は、時間の経過に応じて取得される複数の確認結果を記憶する。
【0025】
監視装置14は、換言すれば、主回路部12(電荷蓄積素子23)の健全性を監視する。監視装置14は、主回路部12の健全性を常時監視してもよいし、所定のタイミングで随時監視してもよい。電圧検出器24は、主回路部12の健全性に関する情報の取得、及び取得した情報の監視装置14への入力を常時行ってもよいし、所定のタイミングで随時行ってもよい。
【0026】
監視装置14は、時間の経過に応じて取得される複数の確認結果を記憶することにより、確認結果の時間的な変化を確認できるようにする。これにより、監視装置14は、主回路部12の健全性の時間的な変化を確認できるようにする。
【0027】
監視装置14は、例えば、入力された情報を基に主回路部12の健全性の確認を行う演算部と、確認結果を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された確認結果を出力する出力部と、を有する。
【0028】
出力部は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示部である。これにより、例えば、電力変換装置10の点検作業を行う作業員などは、表示部に表示された確認結果を参照することで、主回路部12の健全性の時間的な変化を確認することができる。この場合、監視装置14は、例えば、作業員などからの操作指示の入力を受け付けるための操作部をさらに有し、操作部からの操作指示の入力に応じて表示部に主回路部12の健全性の時間的な変化を表示するようにしてもよい。操作部は、例えば、マウスやキーボードなどの周知の入力装置でよい。
【0029】
出力部は、例えば、外部機器と通信を行うための通信部などでもよい。監視装置14は、例えば、作業員などが常駐する部屋に設置された据え置き型の端末や、作業員などの所有する携帯端末などに主回路部12の健全性の時間的な変化を出力し、主回路部12の健全性の時間的な変化を外部機器で参照できるようにしてもよい。この場合、監視装置14は、通信部を介して外部機器と通信を行い、外部機器からの要求に応じて主回路部12の健全性の時間的な変化を外部機器に出力するようにしてもよい。
【0030】
但し、監視装置14において、主回路部12の健全性の時間的な変化を確認できるようにする方法は、上記に限ることなく、作業員などが確認結果の時間的な変化を適切に確認することができる任意の方法でよい。
【0031】
このように、本実施形態に係る電力変換装置10では、監視装置14が、主回路部12の健全性に関する情報の取得を行い、主回路部12の健全性の時間的な変化を確認できるようにする。これにより、本実施形態に係る電力変換装置10では、電力変換装置10の点検作業を行う作業員などは、例えば、主回路部12の健全性に変化が現れた場合にのみ点検を行えばよく、主回路部12の健全性に変化が出ていない場合などには、点検作業を省略することができる。この例では、電荷蓄積素子23の劣化具合などを容易に把握することができ、電荷蓄積素子23の健全性の点検を省略することができる。電荷蓄積素子23の点検を行い、電荷蓄積素子23の劣化具合を確認する手間を省略することができる。
【0032】
従って、本実施形態に係る電力変換装置10では、点検時の項目を絞り込むことができ、点検作業を省力化することができる。例えば、点検作業の作業時間の短縮や点検作業に必要となる費用の削減などを図ることができる。また、点検作業の作業時間を短縮させることにより、点検作業によって電力変換装置10の運転を停止させる期間を短くし、電力変換装置10の運用に影響を与えてしまうことを抑制することもできる。
【0033】
この例において、監視装置14は、電圧検出器24の検出した電荷蓄積素子23の直流電圧値の情報を主回路部12の健全性に関する情報として取得する。電圧検出器24は、第1変換器21及び第2変換器22の制御のために電力変換装置10に設けられている場合がある。この場合には、センサの追加などを行うことなく、電荷蓄積素子23の健全性の確認を行うことができる。例えば、主回路部12の健全性の確認を行う際にも、部品点数の増加などを抑制することができる。
【0034】
なお、電荷蓄積素子23の健全性の確認を行う場合、主回路部12の構成は、必ずしも上記に限定されるものではない。主回路部12は、第1変換器21及び第2変換器22の2台の変換器を有する構成に限ることなく、1台の変換器を有する構成でもよい。主回路部12の構成は、交流電力から直流電力への変換及び直流電力から交流電力への変換の少なくとも一方を行う変換器と、変換器の直流側に設けられた電荷蓄積素子と、電荷蓄積素子の直流電圧値を検出する電圧検出器と、を少なくとも有する任意の構成でよい。
【0035】
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、電力変換装置30は、主回路部32と、監視装置34と、を備えるとともに、制御装置36をさらに備える。
【0036】
主回路部32は、電力の変換を行う。主回路部32は、複数のスイッチング素子40を有する。複数のスイッチング素子40は、換言すれば、半導体素子である。主回路部32は、複数のスイッチング素子40のスイッチングにより、電力の変換を行う。
【0037】
主回路部32は、例えば、三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子40と、6つのスイッチング素子40のそれぞれに逆並列に接続された6つの整流素子42と、6つのスイッチング素子40のそれぞれに対して並列に接続された電荷蓄積素子44と、を有する。主回路部32は、各スイッチング素子40のスイッチングにより、三相交流電力から直流電力への変換、及び直流電力から三相交流電力への変換の少なくとも一方を行う。主回路部32は、例えば、三相ブリッジ変換器である。
【0038】
但し、主回路部32の構成は、三相ブリッジ変換器に限るものではない。主回路部32の構成は、複数のスイッチング素子40を有し、複数のスイッチング素子40のスイッチングによって電力の変換を行う任意の構成でよい。主回路部32は、例えば、単相ブリッジ変換器や、3レベルインバータなどのマルチレベルインバータなどでもよい。主回路部32による電力の変換は、上記に限ることなく、単相交流電力から直流電力への変換など、任意の変換でよい。
【0039】
制御装置36は、主回路部32の動作を制御する。制御装置36は、複数のスイッチング素子40のそれぞれに対応した複数の制御信号を生成し、生成した複数の制御信号を主回路部32に入力し、複数のスイッチング素子40のそれぞれのスイッチングを制御することにより、主回路部32による電力の変換を制御する。
【0040】
主回路部32は、複数のスイッチング素子40のそれぞれを駆動するための複数の駆動回路46をさらに有する。主回路部32は、制御装置36から入力された複数の制御信号を対応する複数の駆動回路46にそれぞれ入力する。複数の駆動回路46は、入力された制御信号に基づいて対応するスイッチング素子40のスイッチングを駆動する。
【0041】
複数のスイッチング素子40は、例えば、一対の主端子と、制御端子と、を有するとともに、一対の主端子間に電流を流すオン状態と、一対の主端子間の電流の流れを遮断したオフ状態と、を有する。なお、オフ状態は、一対の主端子間の電流の流れを完全に停止した状態に限ることなく、主回路部32の動作に影響の無い範囲の微弱な電流が流れる状態でもよい。オフ状態は、換言すれば、一対の主端子間に流れる電流の大きさが、オン状態よりも低い状態である。複数のスイッチング素子40は、一対の主端子間に印加される電圧の大きさ、及び制御端子に印加される電圧の大きさに応じて、オン状態とオフ状態とを切り替える。なお、複数のスイッチング素子40は、自励式のスイッチング素子でもよいし、他励式のスイッチング素子でもよい。
【0042】
複数の駆動回路46のそれぞれは、複数のスイッチング素子40のそれぞれの制御端子と接続され、制御装置36から入力された制御信号に応じて制御端子に印加する電圧の大きさ(駆動信号の大きさ)を変化させることにより、対応するスイッチング素子40のスイッチングを駆動する。換言すれば、複数の駆動回路46は、制御端子に印加する電圧の大きさを変化させることにより、スイッチング素子40のオン状態及びオフ状態を切り替える。
【0043】
図3は、第2の実施形態に係る駆動回路の一例を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、駆動回路46は、例えば、受光素子50と、駆動信号生成部52と、駆動信号検出器54と、発光素子56と、を有する。
【0044】
駆動回路46は、制御信号線を介して制御装置36と接続される。制御信号線は、例えば、光ファイバなどの光信号線である。制御装置36と駆動回路46との間の通信は、例えば、光通信である。制御装置36は、例えば、光信号の制御信号を駆動回路46に入力する。
【0045】
受光素子50は、制御装置36から入力された光信号の制御信号を受光し、電気信号に変換して駆動信号生成部52に入力する。駆動信号生成部52は、受光素子50から入力された電気信号の制御信号に応じた駆動信号を生成し、スイッチング素子40の制御端子に入力することにより、制御信号に応じてスイッチング素子40を駆動する。
【0046】
駆動信号検出器54は、駆動信号生成部52からスイッチング素子40の制御端子に入力される駆動信号を検出し、検出信号を発光素子56に入力する。発光素子56は、駆動信号検出器54から入力された検出信号に応じて発光及び消灯を切り替えることにより、光信号の帰還信号を制御装置36に入力する。
【0047】
このように、複数の駆動回路46は、複数の制御信号に応じた複数の駆動信号を生成し、複数の駆動信号をそれぞれ対応する複数のスイッチング素子40に入力することにより、複数の制御信号に応じて複数のスイッチング素子40を駆動するとともに、複数の駆動信号の検出を行い、検出した複数の駆動信号に応じた複数の帰還信号を制御装置36に入力する。
【0048】
制御装置36は、例えば、光信号の制御信号を駆動回路46に入力するための発光部と、駆動回路46から入力された光信号の帰還信号を受光して電気信号に変換する受光部と、を有する。
【0049】
制御装置36は、駆動回路46から入力された帰還信号に基づいて、スイッチング素子40及び駆動回路46の異常の検知を行う。制御装置36は、駆動回路46に入力した制御信号に対して、帰還信号が正しく応答しない場合に、スイッチング素子40及び駆動回路46の少なくとも一方に異常が起こったことを検知する。
【0050】
図4は、第2の実施形態に係る制御装置の動作の一例を模式的に表す波形図である。
図4に表したように、スイッチング素子40及び駆動回路46が正常である場合には、帰還信号は、制御信号に対して所定の遅れ時間を有する実質的に同じ波形の信号となる。一方、スイッチング素子40及び駆動回路46などの部品に劣化などの異常がある場合には、制御信号に対する帰還信号の遅れ時間が増大したり、パルス自体が消失したりする。
【0051】
制御装置36は、このように、遅れ時間の増大やパルスの消失が発生した際に、スイッチング素子40及び駆動回路46の少なくとも一方の異常を検知する。制御装置36は、例えば、遅れ時間が所定の閾値以上となった場合やパルスの消失が発生した際に、スイッチング素子40及び駆動回路46の少なくとも一方の異常を検知する。
【0052】
制御装置36は、異常を検知した場合には、例えば、異常の検知を報知する。異常の検知の報知は、表示部に表示することなどにより、制御装置36において行ってもよいし、異常の検知を上位のコントローラなどの外部機器に出力することにより、外部機器で行ってもよい。また、制御装置36は、異常を検知した場合には、例えば、主回路部32の動作を停止させてもよい。
【0053】
監視装置34は、複数の制御信号の情報及び複数の帰還信号の情報を主回路部32の健全性に関する情報として取得する。監視装置34は、例えば、複数の制御信号の情報及び複数の帰還信号の情報を基に、複数の駆動回路46の健全性の確認を行う。
【0054】
監視装置34は、例えば、制御装置36と接続され、制御装置36によって電気信号に変換された帰還信号を、帰還信号の情報として取得するとともに、制御装置36から駆動回路46に入力される電気信号の制御信号の情報を取得する。
【0055】
監視装置34は、複数の駆動回路46の健全性の確認結果を記憶する。監視装置34は、例えば、制御信号に対する帰還信号の遅れ時間や制御信号に含まれるパルスの消失の有無を確認結果として記憶する。但し、確認結果として記憶する情報は、これに限ることなく、複数の駆動回路46の健全性を確認可能な任意の情報でよい。
【0056】
上記第1の実施形態と同様に、監視装置34は、例えば、主回路部32の健全性の確認を定期的又は連続的に行い、確認を行う毎に確認結果を記憶する。これにより、監視装置34は、時間の経過に応じて取得される複数の確認結果を記憶する。監視装置34は、時間の経過に応じて取得される複数の確認結果を記憶することにより、複数の駆動回路46の健全性の時間的な変化を、主回路部32の健全性の時間的な変化として確認できるようにする。複数の駆動回路46の健全性の時間的な変化を確認できるようにする方法は、上記第1の実施形態と同様に、任意の方法でよい。
【0057】
このように、本実施形態に係る電力変換装置30では、制御装置36によって異常が検知されていない場合にも、監視装置34による複数の駆動回路46の健全性の時間的な変化を確認することで、複数の駆動回路46の劣化具合などを容易に把握することができる。
【0058】
例えば、制御信号に対する帰還信号の遅れ時間は、受光素子50の受光量の低下や発光素子56の発光量の低下などによって増大する。このため、監視装置34による複数の駆動回路46の健全性の時間的な変化を確認することで、受光素子50や発光素子56などの劣化具合を把握することができる。
【0059】
これにより、本実施形態に係る電力変換装置30では、複数の駆動回路46の健全性の点検を省略することができる。各駆動回路46を点検し、受光素子50や発光素子56などの劣化具合を確認する手間を省くことができる。従って、上記第1の実施形態と同様に、点検作業を省力化することができる。
【0060】
この例において、監視装置34は、複数の制御信号の情報及び複数の帰還信号の情報を主回路部32の健全性に関する情報として取得する。複数の帰還信号は、例えば、制御装置36での異常の検知のために、各駆動回路46から制御装置36に入力されている場合がある。この場合には、センサの追加などを行うことなく、複数の駆動回路46の健全性の確認を行うことができる。例えば、主回路部32の健全性の確認を行う際にも、部品点数の増加などを抑制することができる。
【0061】
なお、監視装置34は、制御装置36から電気信号の制御信号及び帰還信号を取得する構成に限ることなく、例えば、信号線からビームスプリッタで分岐させることなどにより、光信号の制御信号及び帰還信号を取得し、監視装置34の内部で電気信号に変換してもよい。複数の制御信号の情報及び複数の帰還信号の情報は、これらを表す任意の情報でよい。また、制御装置36と各駆動回路46との間の通信は、光通信に限ることなく、電気信号を利用した通信などでもよい。
【0062】
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図5に表したように、電力変換装置60は、主回路部62と、監視装置64と、制御装置66と、を備える。
【0063】
主回路部62は、電力の変換を行う。主回路部62は、複数の変換器71、72を有する。複数の変換器71、72は、直流電力から交流電力への変換及び交流電力から直流電力への変換の少なくとも一方を行うとともに、交流側が並列に接続されている。複数の変換器71、72は、例えば、それぞれ交流の負荷4に接続される。この例では、複数の変換器71、72の直流側も、並列に接続されている。
【0064】
主回路部62は、変換器73と、電荷蓄積素子74と、複数の電流検出器75、76と、をさらに有する。変換器73は、各変換器71、72、及び交流の電力系統2と接続されている。変換器73は、電力系統2から供給された交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を変換器71、72に出力する。
【0065】
電荷蓄積素子74は、変換器71、72の直流側、及び変換器73の直流側に設けられる。換言すれば、電荷蓄積素子74は、各変換器71、72と変換器73との間に設けられる。電荷蓄積素子74は、例えば、変換器71、72の直流電圧、及び変換器73の直流電圧の変動を抑制する。
【0066】
複数の電流検出器75、76は、複数の変換器71、72のそれぞれの交流側に設けられ、複数の変換器71、72のそれぞれの交流電流値を検出する。電流検出器75、76は、検出した複数の変換器71、72のそれぞれの交流電流値の情報を監視装置64及び制御装置66に入力する。
【0067】
制御装置66は、主回路部62の動作を制御する。制御装置66は、各変換器71、72、73による電力の変換を制御する。制御装置66は、電流検出器75、76から入力された複数の変換器71、72のそれぞれの交流電流値の情報を基に、各変換器71、72、73の動作を制御する。
【0068】
制御装置66は、例えば、電流検出器75、76から入力された交流電流値の情報を基に、各変換器71、72の異常の検知を行う。制御装置66は、例えば、電流検出器75、76で検出された交流電流の電流バランスを演算し、演算した電流バランスが閾値(例えば±10%など)を超えた際に、各変換器71、72の異常を検知する。電流検出器75、76で検出された交流電流の電流バランスとは、換言すれば、電流検出器75、76で検出された交流電流の振幅の偏差である。
【0069】
制御装置66は、各変換器71、72の異常を検知した場合、主回路部62の動作を停止させる。換言すれば、制御装置66は、各変換器71、72の異常を検知した場合、各変換器71、72、73による電力の変換を停止させる。なお、制御装置66は、各変換器71、72の異常を検知した場合に、例えば、主回路部62の停止に限ることなく、異常の検知の報知などを行ってもよい。
【0070】
監視装置64は、複数の電流検出器75、76の検出した交流電流値の情報を主回路部62の健全性に関する情報として取得する。監視装置64は、例えば、複数の電流検出器75、76の検出した交流電流値の情報を基に、複数の変換器71、72の健全性の確認を行う。
【0071】
監視装置64は、複数の変換器71、72の健全性の確認結果を記憶する。監視装置64は、例えば、電流検出器75、76で検出された交流電流の電流バランスを確認結果として記憶する。監視装置64は、例えば、電流検出器75、76で検出された交流電流の振幅の偏差を確認結果として記憶する。例えば、各変換器71、72の交流側が変圧器を介して負荷4などと接続される場合などには、電流検出器75、76で検出された交流電流の位相の偏差を確認結果として記憶してもよい。換言すれば、電流検出器75、76で検出された交流電流の電流バランスは、交流電流の位相の偏差でもよい。電流バランスは、例えば、交流電流の振幅及び位相のそれぞれの偏差としてもよい。但し、確認結果として記憶する情報は、これらに限ることなく、交流電流値の情報を基に複数の変換器71、72の健全性を確認可能な任意の情報でよい。
【0072】
上記各実施形態と同様に、監視装置64は、例えば、主回路部62の健全性の確認を定期的又は連続的に行い、確認を行う毎に確認結果を記憶する。これにより、監視装置64は、時間の経過に応じて取得される複数の確認結果を記憶する。監視装置64は、時間の経過に応じて取得される複数の確認結果を記憶することにより、複数の変換器71、72の健全性の時間的な変化を、主回路部62の健全性の時間的な変化として確認できるようにする。複数の変換器71、72の健全性の時間的な変化を確認できるようにする方法は、上記各実施形態と同様に、任意の方法でよい。
【0073】
本実施形態に係る電力変換装置60では、制御装置66によって異常が検知されていない場合にも、監視装置64による複数の変換器71、72の健全性の時間的な変化を確認することで、複数の変換器71、72の劣化具合などを容易に把握することができる。
【0074】
例えば、電流検出器75、76で検出された交流電流の振幅や位相の偏差は、各変換器71、72のスイッチング素子や駆動回路、あるいは電流検出器75、76の異常などによって大きくなる。換言すれば、これらの要因によって、各変換器71、72の電流バランスが崩れる可能性がある。このため、監視装置64による複数の変換器71、72の健全性の時間的な変化を確認することで、各変換器71、72のスイッチング素子や駆動回路、電流検出器75、76などの劣化具合を把握することができる。
【0075】
これにより、本実施形態に係る電力変換装置60では、複数の変換器71、72の健全性の点検を省略することができる。制御装置66によって異常が検知されていない場合に、各変換器71、72及び各電流検出器75、76を点検し、これらの劣化具合を確認する手間を省くことができる。従って、上記各実施形態と同様に、点検作業を省力化することができる。
【0076】
この例において、監視装置64は、複数の電流検出器75、76の検出した交流電流値の情報を主回路部62の健全性に関する情報として取得する。複数の電流検出器75、76は、例えば、各変換器71、72の異常の検知のために設けられている場合がある。この場合には、センサの追加などを行うことなく、複数の変換器71、72の健全性の確認を行うことができる。例えば、主回路部62の健全性の確認を行う際にも、部品点数の増加などを抑制することができる。
【0077】
なお、監視装置64は、複数の電流検出器75、76の検出した交流電流値の情報を主回路部62の健全性に関する情報として取得する場合に、主回路部62の構成は、上記に限定されるものではない。例えば、複数の変換器71、72の直流側は、直列に接続してもよいし、それぞれ個別に直流負荷や電荷蓄積素子などと接続してもよい。主回路部62の構成は、交流側が並列に接続された複数の変換器と、複数の変換器のそれぞれの交流電流値を検出する複数の電流検出器と、を少なくとも有する任意の構成でよい。
【0078】
また、この例では、監視装置64は、複数の電流検出器75、76から交流電流値の情報を取得している。監視装置64は、例えば、制御装置66から電流検出器75、76の検出した交流電流値の情報を取得してもよい。監視装置64は、複数の電流検出器75、76から直接的に交流電流値の情報を取得する構成に限ることなく、他の装置などを介して交流電流値の情報を取得する構成としてもよい。
【0079】
(第4の実施形態)
図6は、第4の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図6に表したように、電力変換装置80は、主回路部82と、監視装置84と、制御装置86と、を備える。なお、主回路部82及び制御装置86の構成は、図2に関して説明した主回路部32及び制御装置36の構成と同様とすることができるから、詳細な説明は省略する。
【0080】
監視装置84は、複数のスイッチング素子40のそれぞれの制御端子の電圧値の情報を主回路部82の健全性に関する情報として取得する。換言すれば、監視装置84は、複数の駆動回路46から複数のスイッチング素子40に入力される複数の駆動信号の電圧値の情報を主回路部82の健全性に関する情報として取得する。監視装置84は、取得した複数のスイッチング素子40のそれぞれの制御端子の電圧値の情報を基に、複数のスイッチング素子40及び複数の駆動回路46の健全性の時間的な変化を、主回路部82の健全性の時間的な変化として確認できるようにする。
【0081】
監視装置84は、例えば、複数のスイッチング素子40のそれぞれの制御端子と接続されることにより、複数のスイッチング素子40のそれぞれの制御端子の電圧値の情報を取得する。例えば、複数のスイッチング素子40のそれぞれの制御端子の電圧を検出する複数の電圧検出器を主回路部82に設け、監視装置84は、複数のスイッチング素子40のそれぞれの制御端子の電圧値の情報を複数の電圧検出器から取得してもよい。監視装置84の複数のスイッチング素子40のそれぞれの制御端子の電圧値の情報の取得方法は、制御端子の電圧値の情報を適切に取得可能な任意の方法でよい。
【0082】
監視装置84は、例えば、取得した複数のスイッチング素子40のそれぞれの制御端子の電圧値の情報を記憶する。スイッチング素子40の制御端子の電圧は、スイッチング素子40や駆動回路46の劣化によって変化する。このため、スイッチング素子40の制御端子の電圧の時間的な変化を確認することで、複数のスイッチング素子40及び複数の駆動回路46の健全性の時間的な変化を確認することができる。
【0083】
このように、監視装置84は、時間の経過に応じて取得される複数の主回路部82の健全性に関する情報を記憶することにより、主回路部82の健全性の時間的な変化を確認できるようにしてもよい。
【0084】
但し、監視装置84の記憶する情報は、これに限定されるものではない。例えば、取得した情報を基に、複数のスイッチング素子40及び複数の駆動回路46の健全性の確認を行い、確認結果を記憶してもよい。監視装置84は、例えば、取得した制御端子の電圧値と、制御端子の電圧値の基準値と、の偏差を確認結果として記憶してもよい。監視装置84の記憶する情報は、これに限ることなく、複数のスイッチング素子40及び複数の駆動回路46の健全性を確認可能な任意の情報でよい。
【0085】
本実施形態に係る電力変換装置80では、監視装置84による複数のスイッチング素子40及び複数の駆動回路46の健全性の時間的な変化を確認することで、複数のスイッチング素子40及び複数の駆動回路46の劣化具合などを容易に把握することができる。
【0086】
これにより、本実施形態に係る電力変換装置80では、複数のスイッチング素子40及び複数の駆動回路46の健全性の点検を省略することができる。複数のスイッチング素子40及び複数の駆動回路46を点検し、これらの劣化具合を確認する手間を省くことができる。例えば、点検時に作業員が外部機器を接続して行っていた複数のスイッチング素子40や複数の駆動回路46の点検作業を省略することができる。従って、上記各実施形態と同様に、点検作業を省力化することができる。
【0087】
(第5の実施形態)
図7は、第5の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図7に表したように、電力変換装置90は、主回路部92と、監視装置94と、撮影装置96と、を備える。主回路部92の構成は、図1に関して説明した主回路部12の構成などと同様とすることができるから、詳細な説明は省略する。主回路部92の構成は、電力の変換を行う任意の構成でよい。
【0088】
撮影装置96は、主回路部92の外観の撮影を行い、主回路部92の外観を撮影した撮影画像を取得する。撮影装置96は、取得した撮影画像を監視装置94に入力する。撮影装置96は、例えば、主回路部92の周囲に設けられた定点式のカメラである。撮影装置96は、例えば、主回路部92の周囲を移動しながら主回路部92の外観の撮影を行うドローンなどの移動体などでもよい。撮影装置96の構成は、主回路部92の外観の撮影を行うことが可能な任意の構成でよい。電力変換装置90は、例えば、複数の撮影装置96を備え、複数の撮影装置96のそれぞれで撮影された複数の撮影画像を監視装置94に入力する構成としてもよい。撮影装置96から監視装置94に入力する撮影画像は、静止画像でもよいし、動画像でもよい。
【0089】
監視装置94は、撮影装置96で取得された撮影画像の情報を主回路部92の健全性に関する情報として取得する。監視装置94は、取得した撮影画像の情報を基に、主回路部92の外観の時間的な変換を、主回路部92の健全性の時間的な変化として確認できるようにする。
【0090】
監視装置94は、例えば、撮影画像の情報を基に、主回路部92の外観の健全性の確認を行う。主回路部92に使用する部品は、長期間使用すると、熱疲労によりクラックが発生したり、周囲環境の影響などにより錆や変色などが発生したりする。また、堆積した塵埃が、装置の異常につながる可能性もある。監視装置94は、例えば、撮影画像の情報に対して画像処理を行うことにより、クラック、錆、変色、塵埃などの主回路部92の外観の異常の有無や異常の程度などを主回路部92の外観の健全性として確認する。
【0091】
監視装置94は、主回路部92の外観の健全性の確認結果を記憶する。監視装置94は、例えば、撮影画像の画像処理の結果を確認結果として記憶する。画像処理の結果は、例えば、異常の有無などを文字情報として記憶してもよいし、異常の程度を段階などで記憶してもよい。画像処理の結果は、例えば、異常の予兆などが現れた場合に、予兆の現れた場所の情報などを含んでもよい。但し、確認結果として記憶する情報は、これらに限ることなく、撮影画像の情報を基に主回路部92の外観の健全性を確認可能な任意の情報でよい。
【0092】
上記各実施形態と同様に、監視装置94は、例えば、主回路部92の外観の健全性の確認を定期的又は連続的に行い、確認を行う毎に確認結果を記憶する。これにより、監視装置94は、時間の経過に応じて取得される複数の確認結果を記憶する。監視装置94は、時間の経過に応じて取得される複数の確認結果を記憶することにより、主回路部92の外観の時間的な変化を確認できるようにする。主回路部92の外観の時間的な変化を確認できるようにする方法は、上記各実施形態と同様に、任意の方法でよい。
【0093】
監視装置94は、例えば、撮影装置96で取得された撮影画像の情報を記憶するとともに、時間の経過に応じて取得される複数の撮影画像を記憶し、複数の撮影画像を並べて表示したりすることにより、主回路部92の外観の時間的な変化を確認できるようにしてもよい。監視装置94は、必ずしも画像処理などを行わなくてもよい。
【0094】
本実施形態に係る電力変換装置90では、主回路部92の外観の時間的な変化を監視装置94によって確認できるようにすることで、主回路部92の外観の劣化具合などを容易に把握することができる。
【0095】
これにより、本実施形態に係る電力変換装置90では、主回路部92の外観に関する点検を省略することができる。例えば、主回路部92に使用される部品の外観にクラックや変色などが発生していないかを作業員が逐一目視で確認する手間を省くことができる。従って、上記各実施形態と同様に、点検作業を省力化することができる。また、例えば、塵埃の堆積などの予兆が現れた場合には、点検時に該当箇所の清掃作業のみを行えばよいため、点検時の作業を削減することもできる。
【0096】
(第6の実施形態)
図8は、第6の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図8に表したように、電力変換装置100は、主回路部102と、監視装置104と、温度検出装置106と、を備える。主回路部102の構成は、図1に関して説明した主回路部12の構成などと同様とすることができるから、詳細な説明は省略する。主回路部102の構成は、電力の変換を行う任意の構成でよい。
【0097】
温度検出装置106は、主回路部102の温度の検出を行い、主回路部102の温度に関する温度情報を取得する。温度検出装置106は、取得した温度情報を監視装置104に入力する。
【0098】
温度検出装置106は、例えば、赤外線熱画像装置(サーモグラフィ)である。温度検出装置106は、例えば、主回路部102の表面温度の検出を行う。温度検出装置106は、例えば、主回路部102に用いられた複数の部品の表面温度の検出を行う。温度検出装置106が赤外線熱画像装置である場合、温度検出装置106は、主回路部102の撮影を行い、主回路部102の表面温度に応じて表示の態様を変化させる熱画像を温度情報として取得する。表示の態様とは、例えば、表示の色や、色の濃淡などである。表示の態様は、画像上において温度を識別可能な任意の態様でよい。
【0099】
監視装置104は、温度検出装置106で取得された温度情報を主回路部102の健全性に関する情報として取得する。監視装置104は、取得した温度情報を基に、主回路部102の温度の時間的な変化を、主回路部102の健全性の時間的な変化として確認できるようにする。
【0100】
例えば、温度情報が熱画像である場合には、監視装置104は、熱画像に対して画像処理を行うことにより、主回路部102の温度を確認する。監視装置104は、例えば、熱画像に対して画像処理を行うことにより、主回路部102の複数の箇所の温度を確認する。換言すれば、監視装置104は、熱画像に対して画像処理を行うことにより、主回路部102に用いられた複数の部品の温度を確認する。
【0101】
監視装置104は、例えば、主回路部102の温度の確認結果を記憶する。監視装置104は、例えば、主回路部102の温度の確認を定期的又は連続的に行い、確認を行う毎に確認結果を記憶する。これにより、監視装置104は、時間の経過に応じて取得される複数の確認結果を記憶する。監視装置104は、時間の経過に応じて取得される複数の確認結果を記憶することにより、主回路部102の温度の時間的な変化を確認できるようにする。主回路部102の温度の時間的な変化を確認できるようにする方法は、上記各実施形態と同様に、任意の方法でよい。
【0102】
監視装置104は、例えば、温度検出装置106で取得された熱画像を記憶するとともに、時間の経過に応じて取得される複数の熱画像を記憶し、複数の熱画像を並べて表示したりすることにより、主回路部102の温度の時間的な変化を確認できるようにしてもよい。監視装置104は、必ずしも画像処理などを行わなくてもよい。
【0103】
主回路部102に用いられる部品の温度の上昇は、部品の劣化や故障などにつながる可能性がある。また、主回路部102に用いられる部品の温度は、部品の劣化や異常などに応じて上昇する可能性がある。このため、本実施形態に係る電力変換装置100では、監視装置104が、主回路部102の温度の時間的な変化を確認できるようにする。これにより、本実施形態に係る電力変換装置100では、例えば、異常な温度の上昇がない時には、主回路部102の点検を省略することができる。例えば、主回路部102に用いられた複数の部品の温度の時間的な変化を確認できる場合には、特定の部品の点検を省略することができる。そして、作業員などは、異常な温度の上昇などがある時にのみ、該当箇所の点検を行えばよい。従って、上記各実施形態と同様に、点検作業を省力化することができる。
【0104】
なお、温度検出装置106は、赤外線熱画像装置に限ることなく、例えば、熱電対などの温度センサを用いて主回路部102の温度を検出してもよい。温度検出装置106は、例えば、複数の温度センサを用いることにより、主回路部102に用いられた複数の部品の温度を検出してもよい。この場合、温度検出装置106は、主回路部102の表面温度に限ることなく、主回路部102に用いられた部品の内部の温度などを検出してもよい。温度検出装置106の検出する温度は、主回路部102の任意の温度でよい。温度検出装置106の構成は、主回路部102の温度の検出を行い、主回路部102の温度に関する温度情報を取得可能な任意の構成でよい。
【0105】
温度情報は、例えば、温度センサによって検出された主回路部102の温度の検出値でもよい。この場合、監視装置104は、時間の経過に応じて取得される複数の温度情報を記憶することにより、主回路部102の温度の時間的な変化を確認できるようにしてもよい。温度情報は、主回路部102の温度に関する任意の情報でよい。
【0106】
(第7の実施形態)
図9は、第7の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図9に表したように、電力変換装置110は、主回路部112と、監視装置114と、異音検出装置116と、を備える。主回路部112の構成は、図1に関して説明した主回路部12の構成などと同様とすることができるから、詳細な説明は省略する。主回路部112の構成は、電力の変換を行う任意の構成でよい。
【0107】
異音検出装置116は、主回路部112から発せられる異音の検出を行い、主回路部112から発せられる異音に関する異音情報を取得する。異音検出装置116は、取得した異音情報を監視装置114に入力する。
【0108】
異音検出装置116は、例えば、音を電気信号に変換するマイクと、マイクから出力された電気信号を解析することによって異音を検出する信号処理部と、を有する。信号処理部は、例えば、電気信号の解析を行い、音の大きさや音に含まれる周波数の成分などを解析することにより、異音の発生具合を検出する。信号処理部は、主回路部112において異音が発生しているか否かを検出してもよいし、異音を発している主回路部112の部品を特定できるようにしてもよい。但し、異音検出装置116の構成は、上記に限ることなく、主回路部112から発せられる異音を検出可能な任意の構成でよい。異音検出装置116は、例えば、複数のマイクを有することなどにより、主回路部112に用いられた特定の部品の異音の発生具合を検出できるようにしてもよい。
【0109】
監視装置114は、異音検出装置116で取得された異音情報を主回路部112の健全性に関する情報として取得する。監視装置114は、取得した異音情報を基に、主回路部112から発せられる異音の時間的な変化を、主回路部112の健全性の時間的な変化として確認できるようにする。
【0110】
監視装置114は、例えば、異音検出装置116で取得された異音情報を記憶する。異音検出装置116は、例えば、異音情報の取得を定期的又は連続的に行う。監視装置114は、例えば、異音検出装置116によって異音情報が取得される毎に、取得された異音情報を記憶する。監視装置114は、時間の経過に応じて取得される複数の異音情報を記憶することにより、主回路部112から発せられる異音の時間的な変化を確認できるようにする。主回路部112から発せられる異音の時間的な変化を確認できるようにする方法は、上記各実施形態と同様に、任意の方法でよい。
【0111】
主回路部112から発せられる異音は、主回路部112に用いられた部品の劣化具合によって大きくなる可能性がある。主回路部112から発せられる異音は、例えば、冷却ファンやリアクトルなどの劣化や異常の発生によって大きくなる可能性がある。このため、本実施形態に係る電力変換装置110では、監視装置114が、主回路部112から発せられる異音の時間的な変化を確認できるようにする。これにより、本実施形態に係る電力変換装置110では、例えば、異音の発生がない時には、主回路部112の点検を省略することができる。そして、作業員などは、異音の発生がある時にのみ、主回路部112の点検を行えばよい。従って、上記各実施形態と同様に、点検作業を省力化することができる。
【0112】
(第8の実施形態)
図10は、第8の実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図10に表したように、電力変換装置120は、主回路部122と、監視装置124と、におい検出装置126と、を備える。主回路部122の構成は、図1に関して説明した主回路部12の構成などと同様とすることができるから、詳細な説明は省略する。主回路部122の構成は、電力の変換を行う任意の構成でよい。
【0113】
におい検出装置126は、主回路部122の周囲のにおいの検出を行い、主回路部122の周囲のにおいに関するにおい情報を取得する。におい検出装置126は、取得したにおい情報を監視装置124に入力する。
【0114】
におい検出装置126は、例えば、センサ部分に取り込んだ気体中に含まれる成分に応じて、センサ部分の抵抗値や電位差などを変化させることにより、取り込んだ気体のにおいの強さを数値化し、におい情報として出力する。但し、におい検出装置126の構成は、上記に限ることなく、主回路部122の周囲のにおいを検出可能な任意の構成でよい。におい検出装置126は、例えば、においの強さを数値化して出力するものに限ることなく、例えば、主回路部122の周囲の空気中に含まれる成分に応じて、主回路部122の周囲のにおいの種類をにおい情報として出力するものなどでもよい。におい検出装置126は、例えば、主回路部122の周囲のにおいの種類毎に、においの強さを数値化してにおい情報として出力するものなどでもよい。
【0115】
監視装置124は、におい検出装置126で取得されたにおい情報を主回路部122の健全性に関する情報として取得する。監視装置124は、取得したにおい情報を基に、主回路部122の周囲のにおいの時間的な変化を、主回路部122の健全性の時間的な変化として確認できるようにする。
【0116】
監視装置124は、例えば、におい検出装置126で取得されたにおい情報を記憶する。監視装置124は、例えば、においの強さの数値をにおい情報として記憶する。におい検出装置126は、例えば、におい情報の取得を定期的又は連続的に行う。監視装置124は、例えば、におい検出装置126によってにおい情報が取得される毎に、取得されたにおい情報を記憶する。監視装置124は、時間の経過に応じて取得される複数のにおい情報を記憶することにより、主回路部122の周囲のにおいの時間的な変化を確認できるようにする。主回路部122の周囲のにおいの時間的な変化を確認できるようにする方法は、上記各実施形態と同様に、任意の方法でよい。
【0117】
主回路部122の周囲のにおいは、主回路部122に用いられた部品の劣化具合によって変化する可能性がある。主回路部122においては、例えば、部品の劣化にともなう温度の上昇により、化学物質などの放出量が増加し、においが強くなる可能性がある。このため、本実施形態に係る電力変換装置120では、監視装置124が、主回路部122の周囲のにおいの時間的な変化を確認できるようにする。これにより、本実施形態に係る電力変換装置120では、例えば、においの発生がない時には、主回路部122の点検を省略することができる。そして、作業員などは、においの発生がある時にのみ、主回路部122の点検を行えばよい。従って、上記各実施形態と同様に、点検作業を省力化することができる。
【0118】
撮影装置96、温度検出装置106、異音検出装置116、におい検出装置126などを設ける構成においては、これらの導入により、初期費用が増加する可能性がある。しかしながら、上記のように点検作業を省力化できることにより、点検毎に必要な作業員のコストや現地までの移動時間を含む作業時間を削減可能である。このため、初期費用が増加したとしても、点検に必要なコストを含む総合的なライフサイクルコストを抑制することができる。
【0119】
なお、上記各実施形態は、任意に組み合わせ可能である。例えば、撮影装置96と温度検出装置106とを設けることにより、監視装置は、撮影画像の情報と温度情報とを取得し、主回路部の外観の時間的な変化及び主回路部の温度の時間的な変化を確認できるようにしてもよい。これにより、例えば、点検作業をより省力化することができる。
【0120】
また、監視装置の取得する主回路部の健全性に関する情報は、上記に限ることなく、主回路部の健全性の時間的な変化を確認することができる任意の情報でよい。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0122】
2…電力系統、 4…負荷、 10、30、60、80、90、100、110、120…電力変換装置、 12、32、62、82、92、102、112、122…主回路部、 14、34、64、84、94、104、114、124…監視装置、 21…第1変換器、 22…第2変換器、 23…電荷蓄積素子、 24…電圧検出器、 36、66、86…制御装置、 40…スイッチング素子、 42…整流素子、 44…電荷蓄積素子、 46…駆動回路、 50…受光素子、 52…駆動信号生成部、 54…駆動信号検出器、 56…発光素子、 71~73…変換器、 74…電荷蓄積素子、 75、76…電流検出器、 96…撮影装置、 106…温度検出装置、 116…異音検出装置、 126…におい検出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10