IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

特開2023-182986ドライバー、電気光学装置及び電子機器
<>
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図1
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図2
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図3
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図4
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図5
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図6
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図7
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図8
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図9
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図10
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図11
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図12
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図13
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図14
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図15
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図16
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図17
  • 特開-ドライバー、電気光学装置及び電子機器 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182986
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】ドライバー、電気光学装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20231220BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231220BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20231220BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 623B
G09G3/20 621F
G09G3/20 621H
G09G3/20 623R
G09G3/20 641C
G09G3/20 611A
G09G3/20 612E
G09G3/20 642P
G09G3/20 621M
G09G3/20 680G
G09G3/20 611J
G09G3/20 612R
G02F1/133 550
H01L27/088 C
H01L27/06 102A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096320
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】森田 晶
(72)【発明者】
【氏名】番匠 遼太
【テーマコード(参考)】
2H193
5C006
5C080
5F048
【Fターム(参考)】
2H193ZA02
2H193ZC23
2H193ZD23
2H193ZF05
2H193ZF07
2H193ZF34
2H193ZR02
5C006AA16
5C006AC21
5C006AC26
5C006AF43
5C006AF46
5C006AF50
5C006AF51
5C006AF52
5C006AF53
5C006AF54
5C006AF64
5C006AF67
5C006AF83
5C006BB11
5C006BC03
5C006BC11
5C006BC23
5C006BF09
5C006BF14
5C006BF16
5C006BF24
5C006BF25
5C006BF31
5C006BF37
5C006BF46
5C006BF49
5C006BF50
5C006EB05
5C006EC02
5C006EC11
5C006FA14
5C006FA18
5C006FA37
5C006FA46
5C006FA47
5C006FA51
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB05
5C080DD08
5C080DD09
5C080DD19
5C080DD21
5C080DD25
5C080DD26
5C080DD28
5C080EE29
5C080GG01
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ05
5C080KK02
5C080KK07
5C080KK23
5C080KK50
5F048AA05
5F048AB10
5F048AC01
5F048AC10
5F048BB03
5F048BB16
5F048BD10
(57)【要約】
【課題】電気光学パネルの信号供給線を駆動する演算増幅器の増幅率と周波数応答特性を両立できるドライバー等を提供すること。
【解決手段】ドライバー100は、第1駆動回路60と第2駆動回路70とを含む。第2駆動回路70は、第1駆動回路60を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成される演算増幅器71と、演算増幅器71の出力ノードNAMQと信号供給線との間に配置される出力キャパシターCQと、演算増幅器71の反転入力ノードNANと信号供給線との間に配置される第1フィードバックキャパシターCfaと、を含む。第2駆動回路70は、一端が演算増幅器71の反転入力ノードNANに接続される第1~第m電圧出力用キャパシターCB1~CBmと、第1~第m電圧出力用キャパシターCB1~CBmの他端に、階調データに基づく電圧を出力する第1~第m電圧出力回路DB1~DBmと、を含む。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
階調データに基づいて、電気光学パネルの信号供給線にデータ信号を供給する第1駆動回路と、
前記第1駆動回路を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成される演算増幅器と、前記演算増幅器の出力ノードと前記信号供給線との間に配置される出力キャパシターと、前記演算増幅器の反転入力ノードと前記信号供給線との間に配置される第1フィードバックキャパシターと、一端が前記演算増幅器の前記反転入力ノードに電気的に接続される第1~第m電圧出力用キャパシター(mは2以上の整数)と、前記第1~第m電圧出力用キャパシターの他端に、前記階調データに基づく電圧を出力する第1~第m電圧出力回路と、を含み、前記信号供給線に電気的に接続された第2駆動回路と、
を含むことを特徴とするドライバー。
【請求項2】
請求項1に記載されたドライバーにおいて、
前記演算増幅器の非反転入力ノードに基準電圧が入力されることを特徴とするドライバー。
【請求項3】
請求項1に記載されたドライバーにおいて、
前記第2駆動回路は、
前記演算増幅器の前記反転入力ノードと所定電位ノードとの間に配置される第2フィードバックキャパシターを含むことを特徴とするドライバー。
【請求項4】
請求項3に記載されたドライバーにおいて、
前記第2駆動回路は、
一端が前記演算増幅器の前記反転入力ノードに電気的に接続される第m+1電圧出力用キャパシターと、
前記第m+1電圧出力用キャパシターの他端に、前記階調データに基づく電圧を出力する第m+1電圧出力回路と、
を含むことを特徴とするドライバー。
【請求項5】
請求項4に記載されたドライバーにおいて、
前記第2フィードバックキャパシター及び前記第1~第m+1電圧出力用キャパシターの合計容量は、
前記第1フィードバックキャパシターの容量より大きいことを特徴とするドライバー。
【請求項6】
請求項3に記載されたドライバーにおいて、
一端が前記演算増幅器の前記反転入力ノードに電気的に接続される第m+1電圧出力用キャパシターと、
前記第m+1電圧出力用キャパシターの他端に、極性反転信号に基づく電圧を出力する第m+1電圧出力回路と、
を含むことを特徴とするドライバー。
【請求項7】
請求項6に記載されたドライバーにおいて、
前記第2フィードバックキャパシター及び前記第1~第m+1電圧出力用キャパシターの合計容量は、
前記第1フィードバックキャパシターの容量より大きいことを特徴とするドライバー。
【請求項8】
請求項1に記載されたドライバーにおいて、
前記第1駆動回路を構成するトランジスターのソースードレイン間距離の長さが前記第2駆動回路を構成するトランジスターのソースードレイン間距離の長さよりも長い、または、前記第1駆動回路を構成するトランジスターのゲート絶縁膜の膜厚が前記第2駆動回路を構成するトランジスターのゲート絶縁膜の膜厚よりも厚いことを特徴とするドライバー。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載されたドライバーにおいて、
前記第1~第m電圧出力回路は、
前記第1駆動回路を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成されることを特徴とするドライバー。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載されたドライバーにおいて、
初期化期間においてオンになり、前記演算増幅器の前記反転入力ノードに基準電圧を供給する初期化スイッチを含むことを特徴とするドライバー。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載されたドライバーにおいて、
前記第1駆動回路は、
前記階調データに対応する第1~第nキャパシター駆動電圧(nは2以上の整数)を第1~第nキャパシター駆動用ノードに出力するキャパシター駆動回路と、
前記信号供給線と、前記第1~第nキャパシター駆動用ノードとの間に配置される第1~第nキャパシターを有するキャパシター回路と、
を含むことを特徴とするドライバー。
【請求項12】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載されたドライバーにおいて、
前記第1駆動回路を制御する制御回路を含み、
前記第1駆動回路は、
高電位側電源電圧が供給されるノードと前記信号供給線との間に配置される第1駆動トランジスター群と、
低電位側電源電圧が供給されるノードと前記信号供給線との間に配置される第2駆動トランジスター群と、
を含み、
前記制御回路は、
前記階調データに基づいて、前記第1駆動トランジスター群の各トランジスター又は前記第2駆動トランジスター群の各トランジスターを、オン又はオフに制御することを特徴とするドライバー。
【請求項13】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載されたドライバーと、
前記電気光学パネルと、
を含むことを特徴とする電気光学装置。
【請求項14】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載されたドライバーを含むことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバー、電気光学装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、容量駆動回路とアンプ回路とを含み、電気光学パネルを駆動するドライバーが開示されている。アンプ回路は、容量駆動回路により電気光学パネルを駆動する容量駆動が開始された後に、階調データに対応するデータ電圧をデータ電圧出力端子に出力する電圧駆動を行う。これにより、電気光学パネルのソース線スイッチがオフからオンになった後のデータ線の電圧低下が、アンプ回路により補われるので、容量駆動におけるデータ電圧の精度低下が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-80807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶パネルの形式によっては、その駆動に高い電圧が必要であることから、そのような液晶パネルを駆動する駆動回路には、高耐圧のトランジスターで構成された演算増幅器が用いられている。しかしながら、高耐圧のトランジスターは移動度が低いため、演算増幅器の増幅率と周波数応答特性の両立が難しいという課題がある。例えば、高解像化等に伴って駆動速度を速くするためには演算増幅器の周波数応答特性を高くする必要があるが、演算増幅器の増幅率を保ったまま周波数応答特性を高くすると演算増幅器の消費電力が大きくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、階調データに基づいて、電気光学パネルの信号供給線にデータ信号を供給する第1駆動回路と、前記第1駆動回路を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成される演算増幅器と、前記演算増幅器の出力ノードと前記信号供給線との間に配置される出力キャパシターと、前記演算増幅器の反転入力ノードと前記信号供給線との間に配置される第1フィードバックキャパシターと、一端が前記演算増幅器の前記反転入力ノードに接続される第1~第m電圧出力用キャパシター(mは2以上の整数)と、前記第1~第m電圧出力用キャパシターの他端に、前記階調データに基づく電圧を出力する第1~第m電圧出力回路と、を含み、前記信号供給線に電気的に接続された第2駆動回路と、を含むドライバーに関係する。
【0006】
また本開示の他の態様は、上記のドライバーと、前記電気光学パネルと、を含む電気光学装置に関係する。
【0007】
また本開示の更に他の態様は、上記のドライバーを含むことを特徴とする電子機器。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電気光学装置の構成例。
図2】ドライバーの第1詳細構成例。
図3】階調データとデータ電圧の関係を説明する図。
図4】第1駆動回路の第1詳細構成例。
図5】第2駆動回路の第1詳細構成例。
図6】第1駆動回路と第2駆動回路の動作を説明する第1波形例。
図7】第1駆動回路と第2駆動回路の動作を説明する第2波形例。
図8】第1駆動回路と第2駆動回路の動作を説明する第3波形例。
図9】ドライバーの第2詳細構成例。
図10】階調データ、設定データ及びデータ電圧の関係を説明する図。
図11】第1駆動回路の第2詳細構成例。
図12】第1駆動回路と第2駆動回路の動作を説明する第4波形例。
図13】第2駆動回路の第2詳細構成例。
図14】階調データとデータ線駆動回路の出力電圧との関係。
図15】第2駆動回路の第2詳細構成例。
図16】第1駆動回路と第2駆動回路の動作を説明する第5波形例。
図17】第1駆動回路と第2駆動回路の動作を説明する第6波形例。
図18】電子機器の構成例。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
【0010】
1.電気光学装置
図1に、電気光学装置の構成例を示す。電気光学装置400は、ドライバー100と電気光学パネル200とを含む。以下では、相展開駆動方式の電気光学装置400を例に説明するが、これに限定されず、例えば電気光学装置400はデマルチプレクス駆動方式であってもよい。
【0011】
ドライバー100は、電気光学パネル200の信号供給線にデータ信号を出力することで電気光学パネル200を駆動する。なお、1つの画素に1回に書き込まれる電圧をデータ電圧と呼ぶこととする。そして、複数の画素が時系列的に駆動されるときに、その各画素に対するデータ電圧が時系列的な信号として信号供給線に出力されるが、この信号供給線への信号をデータ信号と呼ぶこととする。
【0012】
電気光学パネル200の走査線を駆動する走査線駆動回路はドライバー100に含まれてもよいし、ドライバー100の外部に設けられてもよい。ドライバー100は、例えば、複数の回路素子が半導体基板に集積された集積回路装置である。ドライバー100は、制御回路40と、第1~第kデータ線駆動回路DD1~DDkとを含む。kは2以上の整数である。なお、以下ではk=8の場合を例に説明する。
【0013】
制御回路40は、データ線駆動回路DD1~DD8の各データ線駆動回路に対して、対応する階調データを出力する。また制御回路40は、データ線スイッチを制御する制御信号ENBXを、電気光学パネル200に出力する。
【0014】
データ線駆動回路DD1~DD8は、階調データをデータ電圧に変換し、そのデータ電圧を出力電圧VQ1~VQ8として電気光学パネル200の信号供給線SPL1~SPL8へ出力する。時系列の階調データに応じて出力電圧VQ1~VQ8が変化していくが、その変化する出力電圧VQ1~VQ8による信号が、上述したデータ信号に相当する。
【0015】
電気光学パネル200は、第1~第8信号供給線SPL1~SPL8と、第1~第1280データ線スイッチSWEP1~SWEP1280と、第1~第1280データ線DL1~DL1280と、を含む。データ線はk×t本であってよい。tは2以上の整数である。ここではWXGAを例にとり、t=160としている。
【0016】
データ線スイッチSWEP1~SWEP1280のうちデータ線スイッチSWEP((j-1)×k+1)~SWEP(j×k)の一端は、信号供給線SPL1~SPL8に接続される。jは160以下の整数である。例えばj=1の場合にはデータ線スイッチSWEP1~SWEP8である。
【0017】
データ線スイッチSWEP1~SWEP1280の各々は、例えばTFT等で構成され、制御信号ENBXに基づいて制御される。TFTはThin Film Transistorの略である。例えば、電気光学パネル200は不図示のスイッチ制御回路を含み、そのスイッチ制御回路が制御信号ENBXに基づいてデータ線スイッチSWEP1~SWEP1280をオン又はオフに制御する。
【0018】
データ線駆動回路DD1~DD8が水平走査期間において160回の駆動を行い、そのj番目の駆動においてデータ線スイッチSWEP((j-1)×k+1)~SWEP(j×k)がオンであり、それ以外のデータ線スイッチがオフである。これにより、j番目の駆動においてデータ線DL((j-1)×k+1)~DL(j×k)が駆動される。データ線駆動回路DD1に着目すると、水平走査期間においてデータ線スイッチSWEP1、SWEP2、・・・、SWEP1273が順次にオンになり、データ線駆動回路DD1がデータ線DL1、DL2、・・・、DL1273を順次に駆動する。
【0019】
2.第1実施形態
図2は、ドライバーの第1詳細構成例である。ドライバー100は、データ線駆動回路110と、制御回路40とを含む。データ線駆動回路110は、図1のデータ線駆動回路DD1~DD8のうち任意の1つに対応する。
【0020】
データ線駆動回路110は、第1駆動回路60と、第2駆動回路70と、可変容量回路30と、検出回路50とを含む。制御回路40は、処理回路42と、インターフェース回路44と、レジスター回路48とを含む。
【0021】
インターフェース回路44は、ドライバー100を制御する表示コントローラー300とドライバー100との間のインターフェース処理を行う。インターフェース回路44は、表示コントローラー300から受信した階調データGD[9:0]を処理回路42に出力する。なお、受信される階調データのビット数は任意であってよい。インターフェース回路44は、例えば、LVDS方式、パラレルRGB方式又はディスプレイポート方式等の画像インターフェース回路である。LVDSは、Low Voltage Differential Signalingの略である。
【0022】
処理回路42は、ドライバー100に電源が投入されたときの初期化処理等において、可変容量回路30の容量値の設定データCSW[4:0]を決定し、その設定データCSW[4:0]をレジスター回路48に記憶させる。処理回路42は、電気光学パネル200を駆動する通常動作時において、レジスター回路48から読み出した設定データCSW[4:0]により可変容量回路30の容量値を設定する。また処理回路42は、階調データGD[9:0]に基づいて、階調データDTH[10:0]を第1駆動回路60に出力すると共に、階調データDTL[10:0]を第2駆動回路70に出力する。また処理回路42は、極性反転信号FRを第2駆動回路70に出力する。なお、第2駆動回路70の構成に応じて、第2駆動回路70への極性反転信号FRの入力が省略されてもよい。
【0023】
出力ノードNVQはデータ電圧出力端子TVQに接続されるノードであり、この出力ノードNVQの電圧を出力電圧VQとする。データ電圧出力端子TVQの負荷容量を電気光学パネル側容量CPとする。
【0024】
第1駆動回路60は、キャパシターを用いた電荷再分配により、階調データDTH[10:0]に対応する電荷を出力ノードNVQに供給する。その電荷が可変容量回路30と電気光学パネル側容量CPに分配されることで、出力電圧VQが、階調データDTH[10:0]に対応したデータ電圧となる。第1駆動回路60は、電気光学パネル200を駆動できる高耐圧プロセスの回路素子で構成されている。一例として、電気光学パネル200が高温ポリシリコン型の液晶パネルである場合、第1駆動回路60の電源電圧は15V~20V程度であり、第1駆動回路60は、その電源電圧より高い耐圧の回路素子で構成される。
【0025】
第1駆動回路60が出力した電荷に誤差がある、或いは出力ノードNVQの電荷保存がわずかに成り立たない場合、第1駆動回路60が出力した電荷による出力電圧VQと、階調データDTH[10:0]に対応した目標電圧との間に誤差が生じる。第2駆動回路70は、演算増幅器を用いたフィードバック制御により出力電圧VQを目標電圧に補正する。このとき、出力電圧VQと目標電圧の誤差が小さいため、第2駆動回路70が出力する電荷が少なくて済む。これを利用して、演算増幅器と出力ノードNVQの間をキャパシターでDCカットしつつ、演算増幅器を低耐圧プロセスの回路素子で構成する。一例として、低耐圧プロセスの耐圧は、高耐圧プロセスの耐圧の1/3~1/10程度である。第2駆動回路70は、低耐圧プロセスの耐圧より低い電源電圧で動作する。
【0026】
可変容量回路30の容量値決定手法と、可変容量回路30及び検出回路50の構成例について説明する。
【0027】
検出回路50は、所与の検出電圧と出力電圧VQとを比較し、その結果を検出信号DETとして出力する。検出回路50は、例えばコンパレーターである。
【0028】
処理回路42は、所与のデータ電圧に対応した階調データDTH[10:0]をキャパシター駆動回路20に出力する。このとき、上記所与の検出電圧は、出力電圧VQの期待値である所与のデータ電圧と同じ電圧に設定される。処理回路42は、設定データCSW[4:0]の値を順次に変化させることで、可変容量回路30の容量値を順次に変化させる。処理回路42は、各容量値における検出信号DETに基づいて可変容量回路30の容量値を決定する。即ち、処理回路42は、出力電圧VQが所与の検出電圧となる容量値を、検出信号DETに基づいて判断し、その容量値の設定データCSW[4:0]をレジスター回路48に記憶させる。
【0029】
可変容量回路30は、第1~第5調整用キャパシターと第1~第5調整用スイッチとを含む。第1調整用スイッチの一端は出力ノードNVQに接続され、他端は第1調整用キャパシターの一端に接続される。第1調整用キャパシターの他端はグランドノードに接続される。第2~第5調整用キャパシターと第2~第5調整用スイッチについても同様である。第1~第5調整用キャパシターの容量値はバイナリに重み付けされている。第1調整用スイッチはCSW[0]によりオン又はオフに制御される。同様に、第2~第5調整用スイッチはCSW[1]~CSW[4]によりオン又はオフに制御される。
【0030】
以下、第1駆動回路60、第2駆動回路70、可変容量回路30及び検出回路50の詳細を説明する。
【0031】
図3は、階調データとデータ電圧の関係を説明する図である。
【0032】
処理回路42は、入力された階調データGD[9:0]を階調データDTH[10:0]、DTL[10:0]に変換する。具体的には、処理回路42は、負極性駆動のとき、階調値0~1023のGD[9:0]を階調値1023~0のDTH[10:0]、DTL[10:0]に変換し、正極性駆動のとき、階調値0~1023のGD[9:0]を階調値1024~2047のDTH[10:0]、DTL[10:0]に変換する。
【0033】
VSH=0Vは、第1駆動回路60の低電位側電源電圧である。VDH=15Vは、第1駆動回路60の高電位側電源電圧である。電気光学パネル200の対向電極に供給されるコモン電圧はVC=7.5Vである。画素に供給されるデータ電圧は、負極性駆動において7.5V~2.5Vであり、正極性駆動において7.5V~12.5Vである。
【0034】
図4は、第1駆動回路の第1詳細構成例を示す。なお以下では、キャパシターの容量値を表す符号として、そのキャパシターの符号と同じ符号を用いる。例えばキャパシターC1の容量値をC1と記載する。
【0035】
キャパシター回路10は、第1~第nキャパシターC1~Cnを含む。キャパシター駆動回路20は、第1~第n駆動回路DR1~DRnを含む。以下ではn=11の例を説明するが、nは2以上の整数であればよい。nは、階調データDTH[10:0]のビット数と同数に設定されればよい。
【0036】
キャパシターCiの一端は、出力ノードNVQに接続され、他端は、キャパシター駆動ノードNDRiに接続される。iは1以上でn=11以下の整数である。キャパシターC1~C10は、バイナリに重み付けされた容量値を有している。具体的にはキャパシターCiの容量値は2(i-1)×C1である。
【0037】
処理回路42は、階調データDTH[10:0]の第iビットDTH[i-1]を駆動回路DRiの入力ノードに出力する。駆動回路DRiは、ビットDTH[i-1]が第1論理レベルのとき第1電圧レベルをキャパシター駆動ノードNDRiに出力し、ビットDTH[i-1]が第2論理レベルのとき第2電圧レベルをキャパシター駆動ノードNDRiに出力する。例えば、第1論理レベルは“0”であり、第2論理レベルは“1”であり、第1電圧レベルは低電位側電源電圧VSHであり、第2電圧レベルは高電位側電源電圧VDHである。駆動回路DRiは、高耐圧プロセスのトランジスターで構成され、電源電圧VDHとVSHで動作する。駆動回路DRiは、例えば、入力された論理レベルを駆動回路DRiの出力電圧レベルにレベルシフトするレベルシフターと、そのレベルシフターの出力をバッファリングするバッファー回路と、で構成される。
【0038】
駆動回路DR1~DR11がキャパシターC1~C11を駆動することで、キャパシターC1~C11と可変容量回路30と電気光学パネル側容量CPとの間で電荷再分配が生じる。そして、その結果として出力ノードNVQにデータ電圧が出力される。
【0039】
電気光学パネル側容量CPは、データ電圧出力端子TVQから見える容量の合計である。例えば、電気光学パネル側容量CPは、プリント基板の寄生容量である基板容量CP1と、電気光学パネル200内の寄生容量であるパネル容量CP2と、を加算したものである。プリント基板は、ドライバー100が実装されると共に電気光学パネル200に接続される基板である。
【0040】
キャパシターC1~C11の容量値の合計がCtot=C1+C2+・・・+C11であり、可変容量回路30の容量値がCFであるとする。一例としては、Ctot/(CF+CP)=2となるようにCFが設定される。このとき、DTH[10:0]の最大階調値2047において、VQ=15V×{Ctot/(Ctot+CF+CP)}+2.5V=10V+2.5V=12.5Vとなる。DTH[10:0]の最小階調値0において、VQ=0V×{Ctot/(Ctot+CF+CP)}+2.5V=0V+2.5V=2.5Vとなる。これにより、図3の例と同じデータ電圧が実現されている。
【0041】
図5は、第2駆動回路の第1詳細構成例である。第2駆動回路70は、演算増幅器71と出力キャパシターCQと第1フィードバックキャパシターCfaと第2フィードバックキャパシターCfbと初期化スイッチSWRと第1~第m+1電圧出力用キャパシターCB1~CBm+1と第1~第m+1電圧出力回路DB1~DBm+1とを含む。なお、ここではm=10の例を説明するが、mは2以上の整数であればよい。第1実施形態においては、m+1が階調データDTL[10:0]のビット数と同数に設定されればよい。
【0042】
演算増幅器71は、低耐圧プロセスのトランジスターで構成されており、高電位側電源電圧VDLと低電位側電源電圧VSLで動作する。以下ではVDL=1.8V、VSL=0Vとするが、これに限定されず、VDLは低耐圧プロセスの耐圧より低い電圧であればよい。具体的には、第1駆動回路60を構成するトランジスターのソースードレイン間距離の長さは、演算増幅器71を含む第2駆動回路70を構成するトランジスターのソースードレイン間距離の長さよりも長い。または、第1駆動回路60を構成するトランジスターのゲート絶縁膜の膜厚は、演算増幅器71を含む第2駆動回路70を構成するトランジスターのゲート絶縁膜の膜厚よりも厚い。但し、上記はトランジスターの耐圧を異ならせる構成の一例であって、第2駆動回路70を構成するトランジスターの耐圧が、第1駆動回路60を構成するトランジスターの耐圧よりも低くなるように、各駆動回路のトランジスターが構成されていればよい。
【0043】
出力キャパシターCQの一端は演算増幅器71の出力ノードNAMQに接続され、他端はデータ線駆動回路110の出力ノードNVQに接続される。第1フィードバックキャパシターCfaの一端は演算増幅器71の反転入力ノードNANに接続され、他端はデータ線駆動回路110の出力ノードNVQに接続される。第2フィードバックキャパシターCfbの一端は演算増幅器71の反転入力ノードNANに接続され、他端は低電位側電源電圧VSLのノードに接続される。なお、第2フィードバックキャパシターCfbの他端は、一定電位が供給される所定電位ノードに接続されていればよい。
【0044】
電圧出力用キャパシターCBpの一端は、演算増幅器71の反転入力ノードNANに接続され、他端は、電圧出力回路DBpの出力ノードに接続される。pは1以上でm+1=11以下の整数である。電圧出力用キャパシターCB1~CB11は、バイナリに重み付けされた容量値を有している。具体的には電圧出力用キャパシターCBpの容量値は2(p-1)×CB1である。
【0045】
電圧出力回路DBpは、ビット信号DTL[p-1]の論理反転信号であるビット信号XDTL[p-1]が第1論理レベルのとき第1電圧レベルを出力し、ビット信号XDTL[p-1]が第2論理レベルのとき第2電圧レベルを出力する。例えば、第1論理レベルは“0”であり、第2論理レベルは“1”であり、第1電圧レベルは低電位側電源電圧VSHであり、第2電圧レベルは高電位側電源電圧VDHである。電圧出力回路DBpは、低耐圧プロセスのトランジスターで構成され、電源電圧VDLとVSLで動作する。電圧出力回路DBpは、入力された信号をバッファリングして出力するバッファー回路である。
【0046】
初期化スイッチSWRの一端は演算増幅器71の反転入力ノードNANに接続され、他端は、基準電圧VREFが供給されるノードNVREFに接続される。演算増幅器71の非反転入力ノードは、基準電圧VREFが供給されるノードNVREFに接続される。基準電圧VREFは、VSLより高くVDLより低い電圧である。ここではVREF=0.9Vとする。基準電圧VREFは、例えば、ドライバー100に含まれる不図示の電圧生成回路からノードNVREFに供給される。初期化スイッチSWRはアナログスイッチであり、例えば、N型トランジスター、P型トランジスター又はそれらを組み合わせたトランスファーゲートである。
【0047】
初期化スイッチSWRは画素駆動時にはオフである。このとき、演算増幅器71の反転入力ノードNANの電圧VFBがバーチャルショートにより基準電圧VREF=0.9Vとなるように、演算増幅器71がフィードバック制御を行う。これにより、階調データDTL[10:0]に応じてビット信号XDTL[10]~XDTL[0]が0又は1になることで、階調データDTL[10:0]に応じたデータ電圧が出力ノードNVQに出力される。
【0048】
各キャパシターの容量値について説明する。以下では、CB1~CB11の合計容量をCB=CB1+CB2+・・・+CB11と表記する。
【0049】
図3の例において、出力電圧VQの範囲は10Vである。このとき、XDTL[10]~XDTL[0]が全て1から0に変化したとき、即ち電圧出力回路DB1~DB11の出力電圧が全てVDL=1.8VからVSL=0Vに変化したとき、出力電圧VQが10V変化すればよいので、CB/Cfa=10V/1.8V=50/9である。
【0050】
逆に第1駆動回路60が出力ノードNVQの電圧を10V変化させたとき、第1フィードバックキャパシターCfaを介して演算増幅器71の反転入力ノードNANにフィードバックされる電圧変化を、Vfaとする。後述のようにVfa≦1.8Vであればよいが、ここではVfa=1Vとする。この場合、CfaとCfb+CBとにより10Vが9:1に分圧されればよいので、(Cfb+CB)/Cfa=9である。
【0051】
なお、XDTL[10]~XDTL[0]の変化による反転入力ノードNANの電圧変化は、最大で1.8Vなので、Vfa≦1.8Vであればよい。Vfa≦1.8Vであれば、XDTL[10]~XDTL[0]の変化による反転入力ノードNANの電圧変化と、第1駆動回路60が出力ノードNVQの電圧を変化させたときの反転入力ノードNANの電圧変化とを釣り合わせることができる。即ち、理想的に電圧変化が釣り合っている限りは、演算増幅器71が電荷を出力しなくても反転入力ノードNANの電圧がVFB=0.9Vに保たれ、釣り合いに誤差が有る場合にのみ、その誤差を補正する分だけの電荷を演算増幅器71が出力すればよいことになる。
【0052】
出力キャパシターCQの容量値は、演算増幅器71の出力電圧AMQがVSL~VDLの範囲内となるように設定されていれば、任意であってよい。例えば、出力キャパシターCQの容量値は、キャパシター回路10と可変容量回路30と電気光学パネル側容量CPの合計の1~10倍程度に設定される。一例として、出力キャパシターCQの容量値が上記合計の4倍である場合に、出力電圧VQの誤差0.1Vを補償するためには、演算増幅器71の出力電圧AMQは0.1V×(5/4)=0.125Vだけ変化すればよい。
【0053】
図6は、第1駆動回路と第2駆動回路の動作を説明する第1波形例である。階調データDTH[10:0]、DTL[10:0]の階調値が1024、1535、1024と変化したとする。階調値1535に対応する目標電圧は10.0Vである。
【0054】
仮に第2駆動回路70が無く第1駆動回路60のみで駆動した場合において、階調値が1024から1535になったとき、出力電圧VQが7.5Vから9.9Vになるとする。目標電圧10.0Vとの差は0.1Vである。以下、この場合における第2駆動回路70の動作を説明する。
【0055】
第1駆動回路60により出力電圧VQが7.5Vから目標電圧の10Vになったと仮定すると、演算増幅器71の反転入力ノードNANの電圧VFBは0.9Vから0.9V+(10V-7.5V)/10=1.15Vに変化しようとする。その上昇分は0.25Vである。このとき、第2駆動回路70の電圧出力用キャパシターCB1~CB11と電圧出力回路DB1~DB11は、反転入力ノードNANの電圧VFBを0.25Vだけ引き下げるように動作する。これにより、第1駆動回路60による電圧VFBの変化と第2駆動回路70による電圧VFBの変化がキャンセルし、電圧VFB=0.9Vで変化しない。
【0056】
しかし、第1駆動回路60により出力電圧VQが7.5Vから9.9Vになった場合には、電圧VFBは0.9Vから0.9V+(9.9V-7.5V)/10=1.14Vに変化しようとする。その上昇分は0.24Vである。そうすると、第2駆動回路70による引き下げ分0.25Vとの差によって、電圧VFB=0.9V+(0.24V-0.25V)=0.89Vとなる。演算増幅器71は、VFB=0.9Vにするために出力電圧AMQを0.9Vから0.9V+(10.0V-9.9V)×(5/4)=1.025Vにする。これにより、出力電圧VQが目標電圧の10.0Vになると共に、電圧VFB=0.9Vとなる。このように、演算増幅器71は、目標電圧10Vに対する誤差0.1Vに対応した電荷だけを出力キャパシターCQを介して出力ノードNVQに供給している。
【0057】
図7は、第1駆動回路と第2駆動回路の動作を説明する第2波形例である。図7には、極性反転駆動の正極性駆動期間における水平走査期間の波形例を示す。ここでは、9個の画素に対して順次に階調値0、127、・・・、1023を書き込む例を示しているが、水平走査期間に駆動する画素数、及び各画素に書き込まれる階調値は任意であってよい。
【0058】
水平同期信号HSYNCの立ち上がりエッジを水平走査期間の開始タイミングとする。水平走査期間が開始された後、処理回路42は、DTH[9:0]=DTL[9:0]=0を出力すると共に、DTH[10]=DTL[10]を0から1にする。ここでは、0をローレベルで示し、1をハイレベルで示している。これは、DTH[10:0]=DTL[10:0]=1024に相当するので、出力電圧VQ=7.5Vである。
【0059】
次に、初期化スイッチSWRがオフからオンになり、オンからオフになる。ここでは、オフをローレベルで示し、オンをハイレベルで示している。初期化スイッチSWRがオンのとき、演算増幅器71の反転入力ノードNANの電圧VFBが基準電圧VREF=0.9Vに初期化される。なお、電圧VFBの初期化が行われる期間を初期化期間と呼ぶ。図8では、初期化スイッチSWRがオンである期間が初期化期間に相当する。
【0060】
次に、画素への書き込みが開始される。処理回路42は、階調値0、127、・・・、1023のDTH[9:0]=DTL[9:0]を順次に出力する。これにより、出力電圧VQが7.5Vから12.5Vまで順次に変化する。なお、ここでは電圧範囲が分かりやすい階調値を例示しただけであり、上述したように各画素に書き込まれる階調値は任意であってよい。
【0061】
図8は、第1駆動回路と第2駆動回路の動作を説明する第3波形例である。図8には、極性反転駆動の負極性駆動期間における水平走査期間の波形例を示す。
【0062】
水平走査期間が開始された後、処理回路42は、DTH[9:0]=DTL[9:0]=0を出力すると共に、DTH[10]=DTL[10]を0から1にする。これは、DTH[10:0]=DTL[10:0]=1024に相当するので、出力電圧VQ=7.5Vである。
【0063】
次に、初期化スイッチSWRがオフからオンになり、オンからオフになる。初期化スイッチSWRがオンのとき、演算増幅器71の反転入力ノードNANの電圧VFBが基準電圧VREF=0.9Vに初期化される。
【0064】
次に、処理回路42は、DTH[10]=DTL[10]を1から0にする。これにより、DTH[10:0]=DTL[10:0]=0になるので、出力電圧VQが7.5Vから2.5Vになる。
【0065】
次に、画素への書き込みが開始される。処理回路42は、階調値0、127、・・・、1023のDTH[9:0]=DTL[9:0]を順次に出力する。これにより、出力電圧VQが2.5Vから7.5Vまで順次に変化する。なお、ここでは電圧範囲が分かりやすい階調値を例示しただけであり、各画素に書き込まれる階調値は任意であってよい。
【0066】
なお、以上ではDTH[10:0]=DTL[10:0]としたが、DTH[10:0]≠DTL[10:0]であってもよい。例えば、階調データDTH[10:0]に補正データが加算されることでDTH[10:0]≠DTL[10:0]となってもよい。補正データは、例えば、過不足電荷量を補正するデータである。過不足電荷量は、補正データが加算されない階調データDTH[10:0]で第1駆動回路60が出力した電荷と、出力電圧VQを目標電圧にするために必要な電荷との間の過不足である。補正データは、この過不足電荷量を階調値に換算したものである。階調データDTH[10:0]に補正データを加算することで、第1駆動回路60が出力した電荷による出力電圧VQと、階調データDTH[10:0]に対応した目標電圧との間の誤差を小さくできる。このような補正を行う場合には、その補正を行ってもなお出力電圧VQと目標電圧の誤差が生じるときに、第2駆動回路70が、その誤差を、演算増幅器71を用いたフィードバック制御によって補正する。
【0067】
以上の実施形態において、ドライバー100は、階調データに基づいて、電気光学パネル200の信号供給線にデータ信号を供給する第1駆動回路60と、信号供給線に電気的に接続された第2駆動回路70と、を含む。第2駆動回路70は、演算増幅器71と出力キャパシターCQと第1フィードバックキャパシターCfaと第1~第m電圧出力用キャパシターCB1~CBmと第1~第m電圧出力回路DB1~DBmとを含む。なお、第1実施形態においてはCB1~CB10がCB1~CBmに対応する。但しm≧2であればよい。演算増幅器71は、第1駆動回路60を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成される。出力キャパシターCQは、演算増幅器71の出力ノードNAMQと信号供給線との間に設けられる。第1フィードバックキャパシターCfaは、演算増幅器71の反転入力ノードNANと信号供給線との間に設けられる。第1~第m電圧出力用キャパシターCB1~CBmの一端は、演算増幅器71の反転入力ノードNANに接続される。第1~第m電圧出力回路DB1~DBmは、第1~第m電圧出力用キャパシターCB1~CBmの他端に、階調データに基づく電圧を出力する。
【0068】
本実施形態によれば、演算増幅器71の出力ノードNAMQと信号供給線が出力キャパシターCQによりカップリングされ、演算増幅器71の反転入力ノードNANと信号供給線が第1フィードバックキャパシターCfaによりカップリングされる。これにより、演算増幅器71と信号供給線がDC的に非接続になるので、演算増幅器71を、第1駆動回路60を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成できる。
【0069】
また、演算増幅器71を、第1駆動回路60を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成することで、演算増幅器71を高い移動度のトランジスターで構成できる。これにより、演算増幅器の増幅率と周波数応答特性を両立できる。例えば、高解像化等に伴って駆動速度を速くするためには演算増幅器の周波数応答特性を高くする必要があるが、演算増幅器の増幅率を保ったまま周波数応答特性を高くでき、演算増幅器の消費電力を抑えることが可能になる。
【0070】
なお、電気的な接続とは、電気信号が伝達可能に接続されていることであり、電気信号による情報の伝達が可能となる接続である。電気的な接続は能動素子等を介した接続であってもよい。
【0071】
また本実施形態では、演算増幅器71の非反転入力ノードに基準電圧VREFが入力される。
【0072】
本実施形態によれば、演算増幅器71の非反転入力ノードに基準電圧VREFが入力され、第1~第m電圧出力回路DB1~DBmが第1~第m電圧出力用キャパシターCB1~CBmの他端に階調データに基づく電圧を出力することで、第2駆動回路70が階調データに対応した電圧を出力できる。即ち、第2駆動回路70は、階調データをD/A変換するD/A変換回路として機能する。
【0073】
また本実施形態では、第2駆動回路70は、演算増幅器71の反転入力ノードNANと所定電位ノードとの間に設けられる第2フィードバックキャパシターCfbを含む。
【0074】
本実施形態によれば、第1フィードバックキャパシターCfaと第2フィードバックキャパシターCfbにより信号供給線の電圧が分圧されて演算増幅器71の反転入力ノードNANにフィードバックされる。これにより、信号供給線の電圧変化10Vよりも小さい電圧変化1Vが演算増幅器71の反転入力ノードNANにフィードバックされるので、演算増幅器71を、第1駆動回路60を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成できる。
【0075】
また本実施形態では、第2駆動回路70は、一端が演算増幅器71の反転入力ノードNANに電気的に接続される第m+1電圧出力用キャパシターCBm+1と、第m+1電圧出力用キャパシターCBm+1の他端に、階調データに基づく電圧を出力する第m+1電圧出力回路DBm+1と、を含む。なお、第1実施形態においてはCB11がCBm+1に対応する。
【0076】
本実施形態によれば、第1~第m+1電圧出力回路DB1~DBm+1が第1~第m+1電圧出力用キャパシターCB1~CBm+1の他端に階調データに基づく電圧を出力することで、第2駆動回路70が階調データに対応した電圧を出力できる。図3で説明したようにm=10ビットの階調データを1ビット拡張して負極性と正極性を合成したm+1=11ビットの階調データとすることで、第2駆動回路70が負極性と正極性の階調電圧を出力できる。
【0077】
また本実施形態では、第2フィードバックキャパシターCfb及び第1~第m+1電圧出力用キャパシターCB1~CBm+1の合計容量は、第1フィードバックキャパシターCfaの容量より大きい。例えば、第1実施形態においてはCB=CB1+CB2+・・・+CB11としたとき(Cfb+CB)/Cfa=9である。
【0078】
出力ノードNVQの電圧変化が演算増幅器71の反転入力ノードNANにフィードバックするゲインはCfa/(Cfa+Cfb+CB)である。本実施形態によれば、フィードバックのゲインが1/2より小さくなるので、演算増幅器71の反転入力ノードNANにフィードバックされる電圧範囲は、信号供給線の電圧範囲の1/2より小さくなる。これにより、演算増幅器71を、第1駆動回路60を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成できる。
【0079】
また本実施形態では、第1駆動回路60を構成するトランジスターのソースードレイン間距離の長さが、第2駆動回路70を構成するトランジスターのソースードレイン間距離の長さよりも長い。または、第1駆動回路60を構成するトランジスターのゲート絶縁膜の膜厚が、第2駆動回路70を構成するトランジスターのゲート絶縁膜の膜厚よりも厚い。
【0080】
本実施形態によれば、演算増幅器71を含む第2駆動回路70を構成するトランジスターを、第1駆動回路60を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターで構成できる。
【0081】
また本実施形態では、第1~第m電圧出力回路DB1~DBmは、第1駆動回路60を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成される。
【0082】
上述したように、本実施形態において演算増幅器71の反転入力ノードNANにフィードバックされる電圧変化はVfa=1V≦1.8V=VDLである。これにより、第1~第m電圧出力回路DB1~DBmを低耐圧トランジスターで構成できる。低耐圧トランジスターを用いることで画素駆動の高速化とドライバーの小面積化を実現できる。
【0083】
なお、第m+1電圧出力回路DBm+1は、第1駆動回路60を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成されてもよいし、第3実施形態で後述するように第1駆動回路60を構成するトランジスターの耐圧と同じ耐圧のトランジスターにより構成されてもよい。
【0084】
また本実施形態では、ドライバー100は初期化スイッチSWRを含む。初期化スイッチSWRは、初期化期間においてオンになり、演算増幅器71の反転入力ノードNANに基準電圧VREFを供給する。
【0085】
本実施形態によれば、演算増幅器71の反転入力ノードNANが初期化期間において基準電圧VREFに初期化された後、バーチャルショートにより基準電圧VREFに維持される。これにより、第1駆動回路60が出力した出力電圧VQが目標電圧からずれていた場合に、演算増幅器71の反転入力ノードNANの電圧が基準電圧VREFからずれ、そのずれを演算増幅器71が補正することで出力電圧VQが目標電圧になる。
【0086】
また本実施形態では、第1駆動回路60はキャパシター駆動回路20とキャパシター回路10とを含む。キャパシター駆動回路20は、階調データDTH[10:0]に対応する第1~第nキャパシター駆動電圧を第1~第nキャパシター駆動用ノードNDR1~NDRnに出力する。nは2以上の整数である。キャパシター回路10は、信号供給線と、第1~第nキャパシター駆動用ノードNDR1~NDRnとの間に設けられる第1~第nキャパシターC1~Cnを有する。
【0087】
本実施形態によれば、キャパシター駆動回路20が、階調データDTH[10:0]に対応する第1~第nキャパシター駆動電圧を出力することで、第1~第nキャパシターC1~Cnが、階調データDTH[10:0]に対応する電荷量の電荷を信号供給線に出力する。これにより、階調データDTH[10:0]に対応する電圧が信号供給線に出力される。この駆動はフィードバック制御されていないので、その駆動により出力される電圧と目標電圧との間に誤差が生じることがある。第2駆動回路70は、その誤差をフィードバック制御によって補正できる。
【0088】
3.第2実施形態
図9は、ドライバーの第2詳細構成例である。本構成例では、データ線駆動回路110は、第1駆動回路60と第2駆動回路70とを含む。また、処理回路42は、階調データGD[9:0]に基づいて、第1駆動回路60の駆動能力を設定する設定データDP[9:0]、DN[9:0]を出力する。なお、第2駆動回路70の構成と動作は第1実施形態と同様なので、以下では主に第1駆動回路60の構成と動作について説明する。
【0089】
図10は、階調データ、設定データ及びデータ電圧の関係を説明する図である。階調データGD[9:0]、階調データDTH[10:0]及びデータ電圧の関係は図3と同様である。
【0090】
ある画素が階調値DTH1で駆動され、次の画素が階調値DTH2で駆動され、DTH2-DTH1>0であるとする。このとき、処理回路42は、DP[9:0]=|DTH2-DTH1|、DN[9:0]=0を出力する。ある画素が階調値DTH3で駆動され、次の画素が階調値DTH4で駆動され、DTH4-DTH3<0であるとする。このとき、処理回路42は、DP[9:0]=0、DN[9:0]=|DTH4-DTH3|を出力する。図10には正極性駆動の例を示したが、負極性駆動についても同様である。
【0091】
なお、差分をとるときにDTH[10]がキャンセルするので、階調データGD[9:0]からDTH[10:0]を経由せずに直接にDP[9:0]とDN[9:0]を演算することも可能である。
【0092】
図11は、第1駆動回路の第2詳細構成例である。本構成例において、第1駆動回路60は、第1駆動トランジスター群TRG1と第2駆動トランジスター群TRG2とを含む。
【0093】
第1駆動トランジスター群TRG1は、高電位側電源電圧VDHのノードと出力ノードNVQの間に並列接続されたP型トランジスターTP1~TP10を含む。P型トランジスターTP1のゲートにはビット信号XDP[0]が入力される。同様に、P型トランジスターTP2~TP10のゲートにはビット信号XDP[1]~XDP[9]が入力される。XDP[9:0]は、DP[9:0]の各ビットを論理反転したデータである。P型トランジスターTP1~TP10の駆動能力はバイナリに重み付けされている。即ち、P型トランジスターTPiの駆動能力は、P型トランジスターTP1の駆動能力の2(i-1)倍である。駆動能力は、例えばトランジスターのゲート幅、或いはユニットトランジスターの並列接続数によって調整される。
【0094】
第2駆動トランジスター群TRG2は、出力ノードNVQと低電位側電源電圧VSHの間に並列接続されたN型トランジスターTN1~TN10を含む。N型トランジスターTN1のゲートにはビット信号DN[0]が入力される。同様に、N型トランジスターTN2~TN10のゲートにはビット信号DN[1]~DN[9]が入力される。N型トランジスターTN1~TN10の駆動能力はバイナリに重み付けされている。即ち、N型トランジスターTNiの駆動能力は、N型トランジスターTN1の駆動能力の2(i-1)倍である。
【0095】
例えばP型トランジスターTP1がオンしているときに流す電流をItp1とし、1画素を駆動するオン期間をtonとする。P型トランジスターTP1が出力ノードNVQに供給する電荷はItp1×tonであり、その電荷による出力電圧VQの変化は(Itp1×ton)/CPである。この電圧変化が1LSB分になるようにItp1が設定される、つまりP型トランジスターTP1の駆動能力が設定される。
【0096】
図12は、第1駆動回路と第2駆動回路の動作を説明する第4波形例である。図12には、正極性駆動期間における水平走査期間の波形例を示す。
【0097】
水平走査期間が開始された後、処理回路42は、DTL[9:0]=DP[9:0]=DN[9:0]=0を出力すると共に、DTL[10]を0から1にする。これは、DTL[10:0]=1024に相当するので、出力電圧VQ=7.5Vである。
【0098】
次に、初期化スイッチSWRがオフからオンになり、オンからオフになる。初期化スイッチSWRがオンのとき、演算増幅器71の反転入力ノードNANの電圧VFBが基準電圧VREF=0.9Vに初期化される。
【0099】
次に、画素への書き込みが開始される。処理回路42は、階調値0、127、・・・、1023のDTL[9:0]を順次に出力すると共に、DP[9:0]=0、127、128、・・・、128を順次に出力する。これにより、出力電圧VQが7.5Vから12.5Vまで順次に変化する。なお、図12にはDP[9:0]>0、DN[9:0]=0の例を示したが、DTL[9:0]の階調値が下がる場合にはDP[9:0]=0、DN[9:0]>0となる。なお、ここでは電圧範囲が分かりやすい階調値を例示しただけであり、各画素に書き込まれる階調値は任意であってよい。
【0100】
負極性駆動期間については、波形の図示を省略する。負極性駆動期間において、SWR、DTL[9:0]、DP[9:0]、DN[9:0]の波形は図12と同様である。DTL[10]、VQの波形は図8と同様である。
【0101】
以上の実施形態において、ドライバー100は、第1駆動回路60を制御する制御回路40を含む。第1駆動回路60は、高電位側電源電圧VDHが供給されるノードと信号供給線の間に設けられる第1駆動トランジスター群TRG1と、低電位側電源電圧VSHが供給されるノードと信号供給線の間に設けられる第2駆動トランジスター群TRG2と、を含む。制御回路40は、階調データGD[9:0]に基づいて、第1駆動トランジスター群TRG1の各トランジスター又は第2駆動トランジスター群TRG2の各トランジスターを、オン又はオフに制御する。
【0102】
本実施形態によれば、階調データGD[9:0]に基づいて第1駆動トランジスター群TRG1又は第2駆動トランジスター群TRG2のうちオンされたトランジスターが、階調データGD[9:0]に対応する電荷量の電荷を信号供給線に出力する。これにより、階調データGD[9:0]に対応する電圧が信号供給線に出力される。この駆動はフィードバック制御されていないので、その駆動により出力される電圧と目標電圧との間に誤差が生じることがある。第2駆動回路70は、その誤差をフィードバック制御によって補正できる。
【0103】
4.第3実施形態
第3実施形態において、第1駆動回路60の構成と動作は第1実施形態又は第2実施形態と同様である。以下、第2駆動回路70の構成と動作について、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0104】
図13は、第2駆動回路の第2詳細構成例である。本構成例では、処理回路42は、階調データGD[9:0]に基づいて階調データDTM[9:0]を出力する。電圧出力回路DB10、DB9、・・・、DB1には、ビット信号DTM[9]、DTM[8]、・・・、DTM[0]の論理反転信号であるビット信号XDTM[9]、XDTM[8]、・・・、XDTM[0]が入力される。また処理回路42は、駆動極性を示す極性反転信号FRを出力する。電圧出力回路DB11には、極性反転信号FRの論理反転信号である信号XFRが入力される。
【0105】
図14に、階調データとデータ線駆動回路の出力電圧との関係を示す。正極性駆動において、処理回路42はDTM[9:0]=GD[9:0]とし、第2駆動回路70は、DTM[9:0]=0~1023に対して出力電圧VQ=7.5V~15Vを出力する。負極性駆動において、処理回路42はDTM[9:0]=XGD[9:0]とし、第2駆動回路70はDTM[9:0]=0~1023に対して出力電圧VQ=2.5V~7.5Vを出力する。
【0106】
本構成例では、第1駆動回路60が出力ノードNVQの電圧を5V変化させたとき、第1フィードバックキャパシターCfaを介して演算増幅器71の反転入力ノードNANにフィードバックされる電圧変化は、Vfa=1Vである。この場合、CfaとCfb+CBとにより10Vが4:1に分圧されればよいので、(Cfb+CB)/Cfa=4である。なお、上述したようにVfa≦1.8Vであればよい。また本構成例では、電圧出力用キャパシターCB11と電圧出力回路DB11がVfa=1V/2=0.5Vに相当する電圧シフトを生じさせればよいので、電圧出力用キャパシターCB11の容量値はCB11=CB10である。
【0107】
図15は、第2駆動回路の第2詳細構成例である。本構成例では、第2駆動回路70はレベルシフターLSB11、LSB10を更に含む。なお、ここでは電圧出力回路DB11とDB10の前段にレベルシフターが設けられる例を示すが、これに限定されず、例えば電圧出力回路DB11の前段のみにレベルシフターが設けられてもよいし、或いは、電圧出力回路DB10~DB1のうち上位側から任意個数の電圧出力回路の前段にレベルシフターが設けられてもよい。
【0108】
レベルシフターLSB11は、信号XFRを高耐圧プロセスの電源電圧VDH、VSHにレベルシフトする。即ち、信号XFRがローレベルつまりVSL=0Vのとき、レベルシフターLSB11はVSH=0Vの信号を出力し、電圧出力回路DB11はVSH=0Vの信号を電圧出力用キャパシターCB11の他端に出力する。信号XFRがハイレベルつまりVDL=1.8Vのとき、レベルシフターLSB11はVDH=15Vの信号を出力し、電圧出力回路DB11はVDH=15Vの信号を電圧出力用キャパシターCB11の他端に出力する。
【0109】
レベルシフターLSB10は、ビット信号XDTM[9]を高耐圧プロセスの電源電圧VDH、VSHにレベルシフトする。即ち、信号XDTM[9]がローレベルつまりVSL=0Vのとき、レベルシフターLSB10はVSH=0Vの信号を出力し、電圧出力回路DB10はVSH=0Vの信号を電圧出力用キャパシターCB10の他端に出力する。信号XDTM[9]がハイレベルつまりVDL=1.8Vのとき、レベルシフターLSB10はVDH=15Vの信号を出力し、電圧出力回路DB10はVDH=15Vの信号を電圧出力用キャパシターCB10の他端に出力する。
【0110】
電圧出力回路DB11、DB10が出力する電圧の振幅が15Vになるので、第2詳細構成例に比べて電圧出力用キャパシターCB11、CB10の容量値を1.8V/15V=3/25倍にできる。
【0111】
図16は、第1駆動回路と第2駆動回路の動作を説明する第5波形例である。図16には、正極性駆動期間における水平走査期間の波形例を示す。
【0112】
水平走査期間が開始された後、処理回路42は、DTH[9:0]=0、DTM[9:0]=512を出力すると共に、DTH[10]を0から1にする。このとき、出力電圧VQ=7.5Vである。
【0113】
次に、処理回路42は、信号XFRをローレベルからハイレベルにした後、初期化スイッチSWRをオフからオンに、オンからオフにする。信号XFRがハイレベルであり且つ初期化スイッチSWRがオンのとき、演算増幅器71の反転入力ノードNANの電圧VFBが基準電圧VREF=0.9Vに初期化される。次に、処理回路42は、信号XFRをハイレベルからローレベルにし、例えばDTM[9:0]を512から0にする。XFRがハイレベルからローレベルになり、XDTM[9]がローレベルからハイレベルになり、上述のようにCB11=CB10なので、電荷がキャンセルされて第2駆動回路70の出力電圧VQは変わらない。なお、図16において、初期化スイッチSWRがオフからオンになった後、信号XFRがハイレベルからローレベルになるまでの期間が、初期化期間に相当する。
【0114】
次に、画素への書き込みが開始される。処理回路42は、階調値0、127、・・・、1023のDTH[9:0]=DTM[9:0]を順次に出力する。これにより、出力電圧VQが7.5Vから12.5Vまで順次に変化する。なお、ここでは電圧範囲が分かりやすい階調値を例示しただけであり、各画素に書き込まれる階調値は任意であってよい。
【0115】
第3実施形態において、出力電圧VQから演算増幅器71の反転入力ノードNANの電圧VFBへのフィードバックゲインは1/5である。即ち、出力電圧VQの変化5Vは、Vfa=1Vの電圧変化として演算増幅器71の反転入力ノードNANにフィードバックされる。このVfa=1Vは、電圧出力用キャパシターCB1~CB10の電荷入出力によってキャンセルされている。一方、第1実施形態では、フィードバックゲインは1/10なので、出力電圧VQの変化5VはVfa=0.5Vの電圧変化としてフィードバックされる。このVfa=0.5Vは、同様に、電圧出力用キャパシターCB1~CB10の電荷入出力によってキャンセルされている。これらのことから、第3実施形態は実質的に10ビットのデータを1Vの電圧範囲にD/A変換しており、第1実施形態は実質的に10ビットのデータを0.5Vの電圧範囲にD/A変換していると言える。従って、LSB辺りの電圧ステップは第3実施形態の方が大きくなり、D/A変換の精度を向上できる。
【0116】
図17は、第1駆動回路と第2駆動回路の動作を説明する第6波形例である。図17には、負極性駆動期間における水平走査期間の波形例を示す。
【0117】
水平走査期間が開始された後、処理回路42は、DTH[9:0]=0、DTM[9:0]=512を出力すると共に、DTH[10]を0から1にする。このとき、出力電圧VQ=7.5Vである。
【0118】
次に、処理回路42は、信号XFRをハイレベルからローレベルにした後、初期化スイッチSWRをオフからオンに、オンからオフにする。信号XFRがローレベルであり且つ初期化スイッチSWRがオンのとき、演算増幅器71の反転入力ノードNANの電圧VFBが基準電圧VREF=0.9Vに初期化される。次に、処理回路42は、信号XFRをローレベルからハイレベルにし、DTH[10]を1から0にし、例えばDTH[9:0]=DTM[9:0]を1023にする。このとき、第1駆動回路60の出力電圧と第2駆動回路70の出力電圧は共に変化しないので、出力ノードNVQの電圧VQは変わらない。
【0119】
次に、画素への書き込みが開始される。処理回路42は、DTH[10]を1から0にした後、階調値1023、895、・・・、0のDTH[9:0]=DTM[9:0]を順次に出力する。これにより、出力電圧VQが7.5Vから2.5Vまで順次に変化する。なお、ここでは電圧範囲が分かりやすい階調値を例示しただけであり、各画素に書き込まれる階調値は任意であってよい。
【0120】
なお、第1実施形態に比べてD/A変換の精度を向上できる点は、上述した正極性駆動の場合と同様である。
【0121】
以上の実施形態において、第2駆動回路70は、一端が演算増幅器71の反転入力ノードNANに電気的に接続される第m+1電圧出力用キャパシターCBm+1と、第m+1電圧出力用キャパシターCBm+1の他端に、極性反転信号FRに基づく電圧を出力する第m+1電圧出力回路DBm+1と、を含む。なお、第3実施形態においてはCB11がCBm+1に対応する。またCB11には極性反転信号FRの論理反転信号が入力されているので、CB11は、極性反転信号FRに基づく電圧を出力している。
【0122】
本実施形態によれば、第m+1電圧出力回路DBm+1が極性反転信号FRに基づく電圧を出力することで第m+1電圧出力用キャパシターCBm+1から演算増幅器71の反転入力ノードNANに極性反転信号FRに基づく電荷が出力される。これにより、上述したように出力ノードNVQから演算増幅器71の反転入力ノードNANへのフィードバックゲインを第1実施形態より小さくすることが可能となるので、第2駆動回路70のD/A変換の精度向上などが可能になる。
【0123】
また本実施形態では、第2フィードバックキャパシターCfb及び第1~第m+1電圧出力用キャパシターCB1~CBm+1の合計容量は、第1フィードバックキャパシターCfaの容量より大きい。例えば、第1実施形態においてはCB=CB1+CB2+・・・+CB11としたとき(Cfb+CB)/Cfa=4である。
【0124】
出力ノードNVQの電圧変化が演算増幅器71の反転入力ノードNANにフィードバックするゲインはCfa/(Cfa+Cfb+CB)である。本実施形態によれば、フィードバックのゲインが1/2より小さくなるので、演算増幅器71の反転入力ノードNANにフィードバックされる電圧範囲は、信号供給線の電圧範囲の1/2より小さくなる。これにより、演算増幅器71を、第1駆動回路60を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成できる。
【0125】
5.電子器機
図18は、本実施形態のドライバーを含む電子機器の構成例である。本実施形態の電子機器として、表示装置を搭載する種々の電子機器を想定できる。例えば、電子器機は、プロジェクター、テレビション装置、情報処理装置、携帯型情報端末、カーナビゲーションシステム、又は携帯型ゲーム端末等である。
【0126】
電子機器500は、電気光学装置400、表示コントローラー300と、処理装置310と、記憶部320と、ユーザーインターフェース部330と、データインターフェース部340とを含む。電気光学装置400は、ドライバー100と電気光学パネル200とを含む。
【0127】
電気光学パネル200は例えばマトリックス型の液晶表示パネルである。或は、電気光学パネル200は自発光素子を用いたEL表示パネルであってもよい。ELはElectro-Luminescenceの略である。ユーザーインターフェース部330は、ユーザーからの種々の操作を受け付けるインターフェース部である。例えば、ボタン、マウス、キーボード、又は電気光学パネル200に装着されたタッチパネル等で構成される。データインターフェース部340は、画像データ又は制御データの入出力を行うインターフェース部である。例えばUSB等の有線通信インターフェース、或は無線LAN等の無線通信インターフェースである。記憶部320は、データインターフェース部340から入力された画像データを記憶する。或は、記憶部320は、処理装置310又は表示コントローラー300のワーキングメモリーとして機能する。処理装置310は、電子機器の各部の制御処理や種々のデータ処理を行う。処理装置310は、例えばCPU又はマイクロコンピューター等のプロセッサーである。表示コントローラー300はドライバー100の制御処理を行う。例えば、表示コントローラー300は、データインターフェース部340又は記憶部320から転送された画像データを、ドライバー100が受け付け可能な形式に変換し、その変換された画像データをドライバー100へ出力する。ドライバー100は、表示コントローラー300から転送された画像データに基づいて電気光学パネル200を駆動する。
【0128】
以上に説明した本実施形態のドライバーは、階調データに基づいて、電気光学パネルの信号供給線にデータ信号を供給する第1駆動回路と、信号供給線に電気的に接続された第2駆動回路と、を含む。第2駆動回路は、第1駆動回路を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成される演算増幅器と、演算増幅器の出力ノードと信号供給線との間に配置される出力キャパシターと、を含む。また第2駆動回路は、演算増幅器の反転入力ノードと信号供給線との間に配置される第1フィードバックキャパシターと、一端が演算増幅器の反転入力ノードに接続される第1~第m電圧出力用キャパシターと、を含む。mは2以上の整数である。また第2駆動回路は、第1~第m電圧出力用キャパシターの他端に、階調データに基づく電圧を出力する第1~第m電圧出力回路を含む。
【0129】
本実施形態によれば、出力キャパシターと第1フィードバックキャパシターにより演算増幅器と信号供給線がDC的に非接続になる。これにより、演算増幅器を、第1駆動回路を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成できる。また、演算増幅器を低い耐圧のトランジスターにより構成することで、演算増幅器を高い移動度のトランジスターで構成できる。これにより、演算増幅器の増幅率と周波数応答特性を両立できる。また、それによって演算増幅器の消費電力を抑えることが可能になる。
【0130】
また本実施形態では、演算増幅器の非反転入力ノードに基準電圧が入力されてもよい。
【0131】
本実施形態によれば、演算増幅器の非反転入力ノードに基準電圧が入力され、第1~第m電圧出力回路が第1~第m電圧出力用キャパシターの他端に階調データに基づく電圧を出力することで、第2駆動回路が階調データに対応した電圧を出力できる。即ち、第2駆動回路は、階調データをD/A変換するD/A変換回路として機能する。
【0132】
また本実施形態では、第2駆動回路は、演算増幅器の反転入力ノードと所定電位ノードとの間に配置される第2フィードバックキャパシターを含んでもよい。
【0133】
本実施形態によれば、第1フィードバックキャパシターと第2フィードバックキャパシターにより信号供給線の電圧が分圧されて演算増幅器の反転入力ノードにフィードバックされる。これにより、信号供給線の電圧変化よりも小さい電圧変化が演算増幅器の反転入力ノードにフィードバックされるので、演算増幅器を、第1駆動回路を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成できる。
【0134】
また本実施形態では、第2駆動回路は、一端が演算増幅器の反転入力ノードに電気的に接続される第m+1電圧出力用キャパシターと、第m+1電圧出力用キャパシターの他端に、階調データに基づく電圧を出力する第m+1電圧出力回路と、を含んでもよい。
【0135】
本実施形態によれば、第1~第m+1電圧出力回路が第1~第m+1電圧出力用キャパシターの他端に階調データに基づく電圧を出力することで、第2駆動回路が階調データに対応した電圧を出力できる。mビットの階調データを1ビット拡張して負極性と正極性を合成したm+1ビットの階調データとすることで、第2駆動回路が負極性と正極性の階調電圧を出力できる。
【0136】
また本実施形態では、第2フィードバックキャパシター及び第1~第m+1電圧出力用キャパシターの合計容量は、第1フィードバックキャパシターの容量より大きくてもよい。
【0137】
本実施形態によれば、第1駆動回路の出力ノードの電圧変化が演算増幅器の反転入力ノードにフィードバックするゲインは1/2より小さくなる。これにより、演算増幅器の反転入力ノードにフィードバックされる電圧範囲は、信号供給線の電圧範囲の1/2より小さくなる。これにより、演算増幅器を、第1駆動回路を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成できる。
【0138】
また本実施形態では、ドライバーは、一端が演算増幅器の反転入力ノードに電気的に接続される第m+1電圧出力用キャパシターと、第m+1電圧出力用キャパシターの他端に、極性反転信号に基づく電圧を出力する第m+1電圧出力回路と、を含んでもよい。
【0139】
本実施形態によれば、第m+1電圧出力回路が極性反転信号に基づく電圧を出力することで第m+1電圧出力用キャパシターから演算増幅器の反転入力ノードに極性反転信号に基づく電荷が出力される。これにより、第1駆動回路の出力ノードから演算増幅器の反転入力ノードへのフィードバックゲインを小さくすることが可能となるので、第2駆動回路のD/A変換の精度向上などが可能になる。
【0140】
また本実施形態では、第1駆動回路を構成するトランジスターのソースードレイン間距離の長さが、第2駆動回路を構成するトランジスターのソースードレイン間距離の長さよりも長くてもよい。または、第1駆動回路を構成するトランジスターのゲート絶縁膜の膜厚が、第2駆動回路を構成するトランジスターのゲート絶縁膜の膜厚よりも厚くてもよい。
【0141】
本実施形態によれば、演算増幅器を含む第2駆動回路構成するトランジスターを、第1駆動回路を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターで構成できる。
【0142】
また本実施形態では、第1~第m電圧出力回路は、第1駆動回路を構成するトランジスターの耐圧より低い耐圧のトランジスターにより構成されてもよい。
【0143】
本実施形態において演算増幅器の反転入力ノードにフィードバックされる電圧変化は、演算増幅器の電源電圧以下である。これにより、第1~第m電圧出力回路を低耐圧トランジスターで構成できる。低耐圧トランジスターを用いることで画素駆動の高速化とドライバーの小面積化を実現できる。
【0144】
また本実施形態では、ドライバーは初期化スイッチを含んでもよい。初期化スイッチは、初期化期間においてオンになり、演算増幅器の反転入力ノードに基準電圧を供給してもよい。
【0145】
本実施形態によれば、演算増幅器の反転入力ノードが初期化期間において基準電圧に初期化された後、バーチャルショートにより基準電圧に維持される。これにより、第1駆動回路が出力した出力電圧が目標電圧からずれていた場合に、演算増幅器の反転入力ノードの電圧が基準電圧からずれ、そのずれを演算増幅器が補正することで出力電圧が目標電圧になる。
【0146】
また本実施形態では、第1駆動回路は、階調データに対応する第1~第nキャパシター駆動電圧を第1~第nキャパシター駆動用ノードに出力するキャパシター駆動回路と、信号供給線と、第1~第nキャパシター駆動用ノードとの間に配置される第1~第nキャパシターを有するキャパシター回路と、を含んでもよい。nは2以上の整数である。
【0147】
本実施形態によれば、キャパシター駆動回路が、階調データに対応する第1~第nキャパシター駆動電圧を出力することで、第1~第nキャパシターが、階調データに対応する電荷量の電荷を信号供給線に出力する。これにより、階調データに対応する電圧が信号供給線に出力される。この駆動はフィードバック制御されていないので、その駆動により出力される電圧と目標電圧との間に誤差が生じることがある。第2駆動回路は、その誤差をフィードバック制御によって補正できる。
【0148】
また本実施形態では、ドライバーは、第1駆動回路を制御する制御回路を含んでもよい。第1駆動回路は、高電位側電源電圧が供給されるノードと信号供給線との間に配置される第1駆動トランジスター群と、低電位側電源電圧が供給されるノードと信号供給線との間に配置される第2駆動トランジスター群と、を含んでもよい。制御回路は、階調データに基づいて、第1駆動トランジスター群の各トランジスター又は第2駆動トランジスター群の各トランジスターを、オン又はオフに制御してもよい。
【0149】
本実施形態によれば、階調データに基づいて第1駆動トランジスター群又は第2駆動トランジスター群のうちオンされたトランジスターが、階調データに対応する電荷量の電荷を信号供給線に出力する。これにより、階調データに対応する電圧が信号供給線に出力される。この駆動はフィードバック制御されていないので、その駆動により出力される電圧と目標電圧との間に誤差が生じることがある。第2駆動回路は、その誤差をフィードバック制御によって補正できる。
【0150】
また本実施形態の電気光学装置は、上記のいずれかに記載されたドライバーと、電気光学パネルと、を含む。
【0151】
また本実施形態の電子機器は、上記のいずれかに記載されたドライバーを含む。
【0152】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また制御回路、データ線駆動回路、ドライバー、電気光学パネル、電気光学装置、及び電子器機等の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0153】
10…キャパシター回路、20…キャパシター駆動回路、30…可変容量回路、40…制御回路、42…処理回路、44…インターフェース回路、48…レジスター回路、50…検出回路、60…第1駆動回路、70…第2駆動回路、71…演算増幅器、100…ドライバー、110…データ線駆動回路、200…電気光学パネル、300…表示コントローラー、310…処理装置、320…記憶部、330…ユーザーインターフェース部、340…データインターフェース部、400…電気光学装置、500…電子機器、C1~C11…キャパシター、CB1~CB11…電圧出力用キャパシター、CQ…出力キャパシター、Cfa…第1フィードバックキャパシター、Cfb…第2フィードバックキャパシター、DB1~DB11…電圧出力回路、DR1~DR11…駆動回路、DTH[10:0],DTL[10:0]…階調データ、FR…極性反転信号、GD[9:0]…階調データ、LSB10,LSB11…レベルシフター、NAN…演算増幅器の反転入力ノード、NDR1~NDR10…キャパシター駆動用ノード、SPL1~SPL8…信号供給線、SWR…初期化スイッチ、TRG1…第1駆動トランジスター群、TRG2…第2駆動トランジスター群、VFB…電圧、VREF…基準電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18