(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183037
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】表示装置、表示方法および表示プログラム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20231220BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20231220BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G5/36 520D
G09G5/38 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096406
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂野 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】深井 悠介
(72)【発明者】
【氏名】大秋 大輔
(72)【発明者】
【氏名】城戸 武志
【テーマコード(参考)】
5C182
【Fターム(参考)】
5C182AB33
5C182AC03
5C182AC38
5C182BA29
5C182CB42
5C182CB47
5C182CB54
5C182CC21
5C182DA52
(57)【要約】
【課題】表示装置においては、操作者が、表示装置に表示される現実画像の基準位置から対象オブジェクトまでの距離にかかわらず、基準位置から対象オブジェクトへの方向を、表示画像上において把握可能であることが好ましい。
【解決手段】現実画像における第1基準位置から対象オブジェクトへの第1方向を示す方向指示オブジェクトを表示する表示部と、第1基準位置から対象オブジェクトまでの第1距離を取得する距離取得部と、第1距離と、第1基準位置から対象オブジェクトまでの予め定められた距離との大小関係を判定する判定部とを備え、判定部により、第1距離が予め定められた距離未満であると判定された場合、表示部は、方向指示オブジェクトの第1基準位置側の第1端部から、方向指示オブジェクトの対象オブジェクト側の第2端部までの長さが予め定められた距離以上になる位置に第1端部を表示する、表示装置を提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実画像における第1基準位置から対象オブジェクトへの第1方向を示す方向指示オブジェクトを表示する表示部と、
前記第1基準位置から前記対象オブジェクトまでの第1距離を取得する距離取得部と、
前記第1距離と、前記第1基準位置から前記対象オブジェクトまでの予め定められた距離との大小関係を判定する判定部と、
を備え、
前記判定部により、前記第1距離が前記予め定められた距離未満であると判定された場合、前記表示部は、前記方向指示オブジェクトの前記第1基準位置側の第1端部から、前記方向指示オブジェクトの前記対象オブジェクト側の第2端部までの長さが前記予め定められた距離以上になる位置に、前記第1端部を表示する、
表示装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記対象オブジェクトと前記第1基準位置とが重なるかをさらに判定し、
前記判定部により、前記対象オブジェクトと前記第1基準位置とが重なると判定された場合、前記表示部は、前記長さが前記距離以上になる位置に前記第1端部を表示する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記方向指示オブジェクトの前記第1端部から前記第2端部までの前記長さが一定である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記現実画像における前記第1基準位置から予め定められた一または複数の第2基準位置の候補へのそれぞれの方向を示す、一または複数の候補線分と、前記第1基準位置と前記対象オブジェクトの表示位置とを結ぶ基準線とのなす角度が90度以上270度以下であるかを判定し、
前記判定部により、前記一の候補線分と前記基準線とがなす前記角度が90度以上270度以下と判定された場合、前記判定部は、前記一の候補線分を第1線分に設定する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記判定部により、前記複数の候補線分と前記基準線とのそれぞれがなす前記角度が90度以上270度以下と判定された場合、前記判定部は、前記複数の候補線分のそれぞれに対応する、前記複数の第2基準位置の候補うち、前記対象オブジェクトから最も遠い候補を第2基準位置と判定する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記判定部により、前記対象オブジェクトから最も遠い、前記複数の第2基準位置の候補が判定された場合、前記判定部は、前記複数の第2基準位置の候補に対応する前記複数の候補線分のうち、前記角度の最も大きい候補線分に対応する位置を第2基準位置と判定する、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記距離取得部は、前記第1線分と前記第2端部との第2距離を取得し、
前記判定部は、前記第2距離と、前記方向指示オブジェクトの前記長さとの大小関係を判定し、
前記判定部により、前記第2距離が前記長さ以下であると判定された場合、前記表示部は、前記第1線分上に前記第1端部を表示する、
請求項4から6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記判定部により、前記第2距離が前記長さよりも大きいと判定された場合、前記表示部は、前記第1端部と前記第1線分との距離が最小になる位置に、前記第1端部を表示する、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記現実画像の予め定められた第1領域に固定オブジェクトを表示し、
前記判定部は、前記一または複数の候補線分と前記固定オブジェクトとが重なるかを判定し、
前記判定部により、前記複数の候補線分のうちの一の候補線分と前記固定オブジェクトとが重ならないと判定された場合、前記判定部は、前記一の候補線分を前記第1線分に設定する、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項10】
前記判定部により、前記複数の候補線分のうちの一の候補線分と前記固定オブジェクトとが重なると判定された場合、前記判定部は、前記現実画像における前記固定オブジェクトの位置に基づいて、前記第1基準位置を更新する、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記判定部により、前記第1距離が前記予め定められた距離以上であると判定された場合、前記表示部は、前記第1端部を前記第1基準位置に表示する、請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記予め定められた距離と、前記方向指示オブジェクトの前記第1端部から前記第2端部までの前記長さとが等しい、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記判定部により、前記第1距離が前記予め定められた距離以上であると判定された場合、前記表示部は、前記第2端部を前記対象オブジェクトの位置に表示し、前記第1端部を、前記第1端部から前記第2端部までの前記長さが一定となる位置に表示する、請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記予め定められた距離と、前記方向指示オブジェクトの前記第1端部から前記第2端部までの前記長さとが等しい、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記判定部は、前記第1基準位置を含む予め定められた第2領域と、前記対象オブジェクトとが重なるかを判定し、
前記判定部により、前記第2領域と前記対象オブジェクトとが重なると判定された場合、前記表示部は、前記方向指示オブジェクトを表示しない、請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項16】
前記判定部は、前記第1基準位置を含む予め定められた第2領域と、前記方向指示オブジェクトとが重なるかを判定し、
前記判定部により、前記第1距離が前記予め定められた距離以上であり、且つ、前記第2領域と前記方向指示オブジェクトとが重なると判定された場合、前記表示部は、前記方向指示オブジェクトを表示しない、
請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項17】
距離取得部が、現実画像における第1基準位置から対象オブジェクトまでの第1距離を取得する第1距離取得ステップと、
判定部が、前記第1距離と、前記第1基準位置から前記対象オブジェクトまでの予め定められた距離との大小関係を判定する第1判定ステップと、
前記第1判定ステップにおいて前記第1距離が前記予め定められた距離未満であると判定された場合、表示部が、方向指示オブジェクトの前記第1基準位置側の第1端部から、前記方向指示オブジェクトの前記対象オブジェクト側の第2端部までの長さが前記予め定められた距離以上になる位置に、前記第1端部を表示する第1表示ステップであって、前記方向指示オブジェクトは、前記第1基準位置から前記対象オブジェクトへの方向を示す、第1表示ステップと、
を備える表示方法。
【請求項18】
コンピュータに、
現実画像における第1基準位置から対象オブジェクトまでの第1距離を取得する第1距離取得ステップと、
前記第1距離と、前記第1基準位置から前記対象オブジェクトまでの予め定められた距離との大小関係を判定する第1判定ステップと、
前記第1判定ステップにおいて前記第1距離が前記予め定められた距離未満であると判定された場合、方向指示オブジェクトの前記第1基準位置側の第1端部から、前記方向指示オブジェクトの前記対象オブジェクト側の第2端部までの長さが前記予め定められた距離以上になる位置に、前記第1端部を表示する第1表示ステップであって、前記方向指示オブジェクトは、前記第1基準位置から前記対象オブジェクトへの方向を示す、第1表示ステップと、
を実行させるための表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「他のユーザによって指示された位置に関する情報を、・・・提示可能とする。」と記載されている(要約書)。
特許文献2には、「第1の仮想空間上の所望の位置を、・・・第2のヘッドマウントディスプレイで識別可能に表示させる」と記載されている(要約書)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2005-174021号公報
[特許文献2] 特開2016-035742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
表示装置においては、操作者が、表示装置に表示される現実画像の基準位置から対象オブジェクトまでの距離にかかわらず、基準位置から対象オブジェクトへの方向を、表示画像上において把握可能であることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、表示装置を提供する。表示装置は、現実画像における第1基準位置から対象オブジェクトへの第1方向を示す方向指示オブジェクトを表示する表示部と、第1基準位置から対象オブジェクトまでの第1距離を取得する距離取得部と、第1距離と、第1基準位置から対象オブジェクトまでの予め定められた距離との大小関係を判定する判定部とを備える。判定部により、第1距離が予め定められた距離未満であると判定された場合、表示部は、方向指示オブジェクトの第1基準位置側の第1端部から、方向指示オブジェクトの対象オブジェクト側の第2端部までの長さが予め定められた距離以上になる位置に、第1端部を表示する。
【0005】
判定部は、対象オブジェクトと第1基準位置とが重なるかをさらに判定してよい。判定部により、対象オブジェクトと第1基準位置とが重なると判定された場合、表示部は、長さが予め定められた距離以上になる位置に第1端部を表示してよい。
【0006】
方向指示オブジェクトの第1端部から第2端部までの長さは、一定であってよい。
【0007】
判定部は、現実画像における第1基準位置から予め定められた一または複数の第2基準位置の候補へのそれぞれの方向を示す、一または複数の候補線分と、第1基準位置と対象オブジェクトの表示位置とを結ぶ基準線とのなす角度が90度以上270度以下であるかを判定してよい。判定部により、一の候補線分と基準線とがなす角度が90度以上270度以下と判定された場合、判定部は、一の候補線分を第1線分に設定してよい。
【0008】
判定部により、複数の候補線分と基準線とのそれぞれがなす角度が90度以上270度以下と判定された場合、判定部は、複数の候補線分のそれぞれに対応する、複数の第2基準位置の候補うち、対象オブジェクトから最も遠い候補を第2基準位置と判定してよい。
【0009】
判定部により、対象オブジェクトから最も遠い、複数の第2基準位置の候補が判定された場合、判定部は、複数の第2基準位置の候補に対応する複数の候補線分のうち、角度の最も大きい候補線分に対応する位置を第2基準位置と判定してよい。
【0010】
距離取得部は、第1線分と第2端部との第2距離を取得してよい。判定部は、第2距離と、方向指示オブジェクトの長さとの大小関係を判定してよい。判定部により、第2距離が長さ以下であると判定された場合、表示部は、第1線分上に第1端部を表示してよい。
【0011】
判定部により、第2距離が長さよりも大きいと判定された場合、表示部は、第1端部と第1線分との距離が最小になる位置に、第1端部を表示してよい。
【0012】
表示部は、現実画像の予め定められた第1領域に固定オブジェクトを表示してよい。判定部は、一または複数の候補線分と固定オブジェクトとが重なるかを判定してよい。判定部により、複数の候補線分のうちの一の候補線分と固定オブジェクトとが重ならないと判定された場合、判定部は、一の候補線分を第1線分に設定してよい。
【0013】
判定部により、複数の候補線分のうちの一の候補線分と固定オブジェクトとが重なると判定された場合、判定部は、現実画像における固定オブジェクトの位置に基づいて、第1基準位置を更新してよい。
【0014】
判定部により、第1距離が予め定められた距離以上であると判定された場合、表示部は、第1端部を第1基準位置に表示してよい。
【0015】
予め定められた距離と、方向指示オブジェクトの第1端部から第2端部までの長さとは、等しくてよい。
【0016】
判定部により、第1距離が予め定められた距離以上であると判定された場合、表示部は、第2端部を対象オブジェクトの位置に表示し、第1端部を、第1端部から第2端部までの長さが一定となる位置に表示してよい。
【0017】
予め定められた距離と、方向指示オブジェクトの第1端部から第2端部までの長さとは、等しくてよい。
【0018】
判定部は、第1基準位置を含む予め定められた第2領域と、対象オブジェクトとが重なるかを判定してよい。判定部により、第2領域と対象オブジェクトとが重なると判定された場合、表示部は、方向指示オブジェクトを表示しなくてよい。
【0019】
判定部は、第1基準位置を含む予め定められた第2領域と、方向指示オブジェクトとが重なるかを判定してよい。判定部により、第1距離が予め定められた距離以上であり、且つ、第2領域と方向指示オブジェクトとが重なると判定された場合、表示部は、方向指示オブジェクトを表示しなくてよい。
【0020】
本発明の第2の態様においては、表示方法を提供する。表示方法は、距離取得部が、現実画像における第1基準位置から対象オブジェクトまでの第1距離を取得する第1距離取得ステップと、判定部が、第1距離と、第1基準位置から対象オブジェクトまでの予め定められた距離との大小関係を判定する第1判定ステップと、第1判定ステップにおいて第1距離が予め定められた距離未満であると判定された場合、表示部が、方向指示オブジェクトの第1基準位置側の第1端部から、方向指示オブジェクトの対象オブジェクト側の第2端部までの長さが予め定められた距離以上になる位置に、第1端部を表示する第1表示ステップであって、方向指示オブジェクトは、第1基準位置から対象オブジェクトへの方向を示す、第1表示ステップとを備える。
【0021】
本発明の第3の態様においては、表示プログラムを提供する。表示プログラムは、コンピュータに、現実画像における第1基準位置から対象オブジェクトまでの第1距離を取得する第1距離取得ステップと、第1距離と、第1基準位置から対象オブジェクトまでの予め定められた距離との大小関係を判定する第1判定ステップと、第1判定ステップにおいて第1距離が予め定められた距離未満であると判定された場合、方向指示オブジェクトの第1基準位置側の第1端部から、方向指示オブジェクトの対象オブジェクト側の第2端部までの長さが予め定められた距離以上になる位置に、第1端部を表示する第1表示ステップであって、方向指示オブジェクトは、第1基準位置から対象オブジェクトへの方向を示す、第1表示ステップとを実行させる。
【0022】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の一例を示す図である。
【
図2】表示装置100のブロック図の一例を示す図である。
【
図3】
図1における第1基準位置P0および表示位置Pnの近傍を示す図である。
【
図4】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10における位置Pcの一例を示す図である。
【
図5A】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図5B】基準線S0と複数の候補線分Scのそれぞれとのなす角度を説明する図である。
【
図5C】三次元の現実画像10における方向指示オブジェクト12の一例を示す斜視図である。
【
図6】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図7】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図8】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図9】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図10】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図11】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図12】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図13】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図14】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10における領域の一例を示す図である。
【
図15A】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図15B】基準線S0と複数の候補線分Scのそれぞれとのなす角度を説明する図である。
【
図15C】
図15Bにおいて固定オブジェクト40-2が表示されていない場合の図である。
【
図16】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図17】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図18A】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図18B】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図19】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図20A】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図20B】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
【
図21】本発明の一つの実施形態に係る表示方法の一例を含むフローチャートである。
【
図22】
図21に示される表示方法における第2基準位置P0'取得ステップの詳細の一例を示す図である。
【
図23】本発明の一つの実施形態に係る表示方法の他の一例を含むフローチャートである。
【
図24】本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0025】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100(後述)が表示する現実画像10の一例を示す図である。現実画像10は、拡張現実空間に表示される拡張現実画像であってよい。現実画像10は、3次元空間を表示する画像であってよい。現実画像10は、3次元ホログラフィーであってよく、両眼に提示する画像の視差等を利用した疑似的な3次元画像であってもよい。
図1においては、現実画像10により表示される3次元空間がXYZ座標系で示されている。XY面は水平面であってよく、Z軸方向は鉛直方向に平行な方向であってよい。
【0026】
表示装置100(後述)は、例えば、操作者に装着されるヘッドマウントディスプレイ(HMD)方式のウェアラブル端末である。表示装置100(後述)が当該ウェアラブル端末である場合、現実画像10は当該ヘッドマウントディスプレイ(HMD)に表示される。現実画像10は、表示装置100(後述)の操作者が視認する視界の一例である。
【0027】
現実画像10には、方向指示オブジェクト12および対象オブジェクト14が表示される。方向指示オブジェクト12は、仮想オブジェクトである。仮想オブジェクトは、現実世界には存在しないオブジェクトである。対象オブジェクト14は、現実オブジェクトであってよく、仮想オブジェクトであってもよい。現実オブジェクトは、現実世界に存在する構造物が現実画像10に表示されたオブジェクトであってよい。現実オブジェクトは、現実世界に存在する構造物であってもよい。
【0028】
方向指示オブジェクト12は、操作者の操作支援として表示装置100(後述)によって表示されるオブジェクトであってよい。
図1の例においては、方向指示オブジェクト12は、対象オブジェクト14における操作箇所を示す、テーパ状の矢印である。方向指示オブジェクト12は、3次元空間を表示する現実画像10に表示される角錐であってよく、円錐であってもよい。
【0029】
方向指示オブジェクト12の表示位置を、表示位置Pnとする。表示位置Pnは、対象オブジェクト14の表示位置である。本例においては、表示位置Pnは、テーパ状の矢印である方向指示オブジェクト12の先端の位置である。現実画像10における第1基準位置を、第1基準位置P0とする。第1基準位置P0は、方向指示オブジェクト12の表示位置Pnの基準位置である。第1基準位置P0は、例えば現実画像10の中央位置である。第1基準位置P0は、予め定められてよい。方向指示オブジェクト12は、第1基準位置P0から対象オブジェクト14への方向を示す。
【0030】
第1基準位置P0と表示位置Pnとを結ぶ線分を、基準線S0とする。
図1においては、基準線S0は、方向指示オブジェクト12の第1端部E1(後述)から第2端部E2(後述)への方向に平行である。
【0031】
現実画像10における対象オブジェクト14に対応する、現実世界の構造物は、例えば非可動構造物である。非可動構造物とは、構造物の位置が変化する蓋然性の低い構造物を指す。当該非可動構造物は、例えば、建物の床、壁、床に載置された装置等である。対象オブジェクト14に対応する、現実世界の構造物は、可動構造物であってもよい。
【0032】
現実画像10には、基準領域16および副方向指示オブジェクト13がさらに表示されてよい。基準領域16は、第1基準位置P0を含む、予め定められた面積の領域であってよい。基準領域16は、表示装置100(後述)の操作者が第1基準位置P0を認識しやすくするための領域である。副方向指示オブジェクト13は、当該操作者が、第1基準位置P0から対象オブジェクト14への方向を認識しやすくするためのオブジェクトである。副方向指示オブジェクト13は、仮想オブジェクトである。副方向指示オブジェクト13は、基準領域16に表示されてよい。
【0033】
図2は、表示装置100のブロック図の一例を示す図である。表示装置100は、表示部66、距離取得部60および判定部64を備える。表示装置100は、制御部63を備えてよい。表示装置100は、コンピュータにより実現されてよい。制御部63は、当該コンピュータのCPUであってよい。制御部63および判定部64が、一つの当該CPUであってもよい。表示装置100がコンピュータにより実現される場合、当該コンピュータには、当該コンピュータを表示装置100として機能させるための処理プログラムがインストールされていてよく、後述する表示方法を実行させるため処理プログラムがインストールされていてもよい。
【0034】
表示装置100の各ブロックは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)等の単一の筐体に収容されてよく、複数の筐体に分散されて収容されてもよい。表示装置100の各ブロックが複数の筐体に分散されて収容される場合、各ブロックは無線により通信してよい。
【0035】
表示部66は、方向指示オブジェクト12を表示する。表示部66は、表示装置100の操作者に対して、方向指示オブジェクト12、対象オブジェクト14、副方向指示オブジェクト13および基準領域16を含む3次元空間の現実画像10を提供する。表示部66は、液晶表示装置、有機EL表示装置、ホログラム表示装置、または、その他の表示装置であってよい。制御部63は、現実画像10を表示するように表示部66を制御する。制御部63は、表示部66に表示させる現実画像10のデータを出力してよい。
【0036】
図3は、
図1における第1基準位置P0および表示位置Pnの近傍を示す図である。
図3において、対象オブジェクト14は省略されている。方向指示オブジェクト12における第1基準位置P0側の端部を第1端部E1とし、対象オブジェクト14側の端部を第2端部E2とする。第2端部E2の位置は、表示位置Pnと同じであってよい。基準位置P0から対象オブジェクト14までの距離を、第1距離d1とする。本例においては、第1距離d1は基準位置P0から表示位置Pnまでの距離である。
【0037】
第1基準位置P0から対象オブジェクト14への方向を、第1方向dr1とする。第1方向dr1において、第1端部E1の位置を位置P1とし、第2端部E2の位置を位置P2とする。方向指示オブジェクト12の第1端部E1から第2端部E2までの長さを、長さLとする。長さLは、位置P1と位置P2との間の距離である。
【0038】
表示部66(
図2参照)は、方向指示オブジェクト12の第1端部E1を基準領域16に表示してよい表示部66(
図2参照)は、方向指示オブジェクト12の第1端部E1を第1基準位置P0に表示してもよい。表示部66は、方向指示オブジェクト12の第2端部E2を、対象オブジェクト14の位置(表示位置Pn)に表示してよい。
【0039】
距離取得部60(
図2参照)は、基準位置P0から対象オブジェクト14までの第1距離d1を取得する。本例においては、基準位置P0(
図1参照)から表示位置Pn(
図1参照)までの第1距離d1を取得する。
【0040】
第1基準位置P0から対象オブジェクト14までの予め定められた距離を、距離dmとする。距離dmは、第1基準位置P0から対象オブジェクト14までの予め定められた最小距離であってよい。方向指示オブジェクト12の第1端部E1が基準領域16に表示され、第2端部E2が表示位置Pnに表示される場合、第1距離d1が小さくなるほど、長さLが短くなる。長さLが短くなるほど、表示装置100の操作者は、現実画像10(
図1参照)における対象オブジェクト14の方向を認識しにくくなる。距離dmとは、表示装置100の操作者が、現実画像10において対象オブジェクト14の方向を認識可能な、最小の距離d1であってよい。
【0041】
図4は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10における位置Pcの一例を示す図である。位置Pcは、後述するとおり第2基準位置P0'の候補位置である。
【0042】
現実画像10には、複数の位置Pcが予め定められていてよい。本例の現実画像10には、六つの位置Pc(位置Pc1~位置Pc6)が定められている。位置Pcは、現実画像10において設定し易い場所に設定されてよい。本例においては、位置Pcは現実画像の四つの角の位置、および、現実画像10の外縁のうちZ軸方向に平行な二つの辺の、それぞれの中点の位置に設定されている。
【0043】
図5Aは、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。本例においては、第1距離d1が距離dm未満であるとする。
【0044】
判定部64(
図2参照)は、第1距離d1と距離dmとの大小関係を判定する。判定部64により、第1距離d1が距離dm未満であると判定された場合、表示部66(
図2参照)は、方向指示オブジェクト12の第1端部E1から第2端部E2までの長さLが距離dm以上になる位置に、第1端部E1を表示する。これにより、長さLが距離dm以上となる。これにより、表示装置100の操作者は、現実画像10(
図1参照)における対象オブジェクト14の方向を認識しやすくなる。
【0045】
判定部64(
図2参照)は、対象オブジェクト14と第1基準位置P0とが重なるかをさらに判定してよい。判定部64は、表示位置Pnと第1基準位置P0とが重なるかをさらに判定してよい。判定部64により、対象オブジェクト14と第1基準位置P0とが重なると判定された場合、表示部66(
図2参照)は、長さLが距離dm以上になる位置に第1端部E1を表示してもよい。
【0046】
判定部64(
図2参照)により、第1距離d1が距離dm未満であると判定された場合、表示部66(
図2参照)は、方向指示オブジェクト12の長さLが距離dmと等しくなる位置に、第1端部E1を表示してもよい。表示部66は、第1端部E1および第2端部E2の位置を、第1方向dr1(
図3参照)における第1基準位置P0と表示位置Pnとの間に表示してよい。表示部66は、第1端部E1を第1基準位置P0に表示してもよい。表示部66は、第2端部E2の位置を表示位置Pnに維持しつつ、第1端部E1の位置を、第1方向dr1(
図3参照)における第1基準位置P0と表示位置Pnとの間に表示してもよい。
【0047】
第1基準位置P0から、第2基準位置P0'への方向を、第2方向dr2とする。第2基準位置P0'は、現実画像10における、第1基準位置P0とは異なる他の基準位置である。第2基準位置P0'は、位置Pc1~位置Pc6のいずれかであってよい。
【0048】
図5Bは、基準線S0と複数の候補線分Scのそれぞれとのなす角度を説明する図である。
図5Bにおいては、
図5Aにおける方向指示オブジェクト12、副方向指示オブジェクト13、基準領域16を省略している。基準線S0と複数の候補線分Scのそれぞれとのなす角度を、角度θとする。当該角度θは、時計回りの角度とする。本例において、基準線S0と、候補線分Sc1~候補線分Sc6とのなす角度を、それぞれ角度θ1~角度θ6とする。
図5Bには、角度θ1および角度θ4~角度θ6が示されている。
【0049】
判定部64は、基準線S0と候補線分Sc1~候補線分Sc6のそれぞれとのなす角度θを判定してよい。判定部64により、角度θが90度以上270度以下であると判定された場合、判定部64は、当該角度θの候補線分Scを第1線分S1と判定してよい。判定部64は、当該角度θの候補線分Scが一つである場合、当該候補線分Scを第1線分S1に設定してよい。本例においては、判定部64は角度θ4~角度θ6を90度以上270度以下と判定し、角度θ1を鋭角と判定し、角度θ2および角度θ3を270度より大きく360度未満と判定する。このため、判定部64は、候補線分Sc4~候補線分Sc6を第1線分S1に設定し得る。
【0050】
判定部64は、位置Pc1~位置Pc6のうち対象オブジェクト14から最も遠い位置を、第2基準位置P0'と判定してよい。角度θが90度以上270度以下である候補線分Scが複数存在する場合、判定部64は、当該複数の候補線分Sc1のそれぞれに対応する位置Pcのうち、対象オブジェクト14から最も遠い位置Pcを第2基準位置P0'と判定してよい。本例においては、判定部64は位置Pc6を第2基準位置P0'と判定する。角度θが90度以上270度以下である候補線分Scが複数存在し、且つ、対象オブジェクト14から最も遠い位置が複数存在する場合、判定部64は、それぞれの位置に対応する候補線分Scのうち、角度θの最も大きい候補線分Scに対応する位置を第2基準位置P0'と判定してよい。第1基準位置P0と第2基準位置P0'とを結ぶ線分を、第1線分S1とする。
【0051】
判定部64(
図2参照)により、第1距離d1が距離dm未満であると判定された場合、表示部66(
図2参照)は、方向指示オブジェクト12の第1端部E1から第2端部E2までの長さLが距離dm以上になる位置、且つ、線分S1上の位置に、第1端部E1を表示してよい。
【0052】
図5Cは、三次元の現実画像10における方向指示オブジェクト12の一例を示す斜視図である。本例において、XYZ空間の原点は現実画像10の面19にあるとする。面19は、XZ面に平行な面である。本例において、第1基準位置P0はXYZ空間の原点にあるとする。表示位置PnがY>0の位置に配置されている場合、距離取得部60(
図2参照)は、第1基準位置P0から、表示位置PnがY=0の位置に投影された表示位置Pn'までの距離を、第1距離d1として取得してよい。
図5C以降の実施形態では、現実画像10が二次元であるとして説明する。
図5C以降の実施形態において現実画像10が三次元である場合、距離取得部60は、
図5Cに示されるように、Y=0の位置における二次元平面上の第1距離d1を取得してよい。
【0053】
第2方向dr2(
図5A参照)は、第1方向dr1(
図5A参照)とは反対の方向であってよい。第2方向dr2が第1方向dr1とは反対の方向であるとは、上述したとおり、基準線S0と候補線分Scとのなす角度θが90度以上270度以下である場合に、第1基準位置P0から、当該候補線分Scに対応する位置Pcへの方向を指す。表示部66(
図2参照)が、第1端部E1を線分S1上、且つ、第1方向dr1とは反対の方向に表示することにより、第1端部E1は、第1基準位置P0を基準に対象オブジェクト14から遠ざかる方向に表示される。これにより、表示装置100の操作者は、第1端部E1が移動後の方向指示オブジェクト12を視認しやすくなる。
【0054】
図6は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
図6は、対象オブジェクト14の位置が
図5Aに表示された位置から移動した場合の例である。
【0055】
表示部66(
図2参照)が、方向指示オブジェクト12の長さLが距離dm以上になる位置に第1端部E1を表示した後において、長さLは一定であってよい。対象オブジェクト14の位置が
図5Aに表示された位置から移動した場合であっても、表示部66は線分S1上に第1端部E1を表示してよい。表示部66は、長さLを一定に維持しつつ、線分S1上に第1端部E1を表示してよい。
【0056】
図7は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
図7は、対象オブジェクト14の位置が
図6に表示された位置からさらに移動した場合の例である。本例においても、表示部66は、長さLを一定に維持しつつ、線分S1上に第1端部E1を表示する。
【0057】
図8は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
図8は、対象オブジェクト14の位置が
図7に表示された位置からさらに移動した場合の例である。線分Vは、表示位置Pnを通り第1線分S1に直交する線分である。
【0058】
距離取得部60(
図2参照)は、第1線分S1と、方向指示オブジェクト12の第2端部E2との第2距離を取得してよい。当該第2距離を、第2距離d2とする。判定部64(
図2参照)は、第2距離d2と、方向指示オブジェクト12の長さLとの大小関係を判定してよい。
【0059】
判定部64(
図2参照)により、第2距離d2が長さLよりも大きいと判定された場合、表示部66(
図2参照)は、第1端部E1と第1線分S1との距離が最小になる位置に、第1端部E1を表示してよい。
図8は、第2距離d2が長さLよりも大きい場合の一例である。本例においては、第1端部E1は線分V上に表示される。本例において、方向dr1(
図3参照)と線分Vとは平行である。
【0060】
判定部64(
図2参照)により、第2距離d2が長さL以下であると判定された場合、表示部66(
図2参照)は、第1線分S1上に第1端部E1を表示してよい。
図5A、
図6および
図7は、第1線分S1上に第1端部E1が表示される場合の一例である。
【0061】
図9は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
図9は、対象オブジェクト14の位置が
図8に表示された位置からさらに移動した場合の例である。
【0062】
判定部64(
図2参照)は、第1端部E1が基準線S0と重なるかを判定してよい。判定部64により、第1端部E1が基準線S0と重なると判定された場合、表示部66(
図2参照)は第1線分S1を消去してよい。
【0063】
判定部64(
図2参照)は、方向指示オブジェクト12および副方向指示オブジェクト13のいずれか一方が、第1基準位置P0と重なるかを判定してもよい。判定部64により、方向指示オブジェクト12および副方向指示オブジェクト13のいずれか一方が、第1基準位置P0と重なると判定された場合に、表示部66(
図2参照)が第1線分S1を消去してもよい。
【0064】
図10は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
図10は、対象オブジェクト14の位置が
図5Aに表示される位置に移動する前の、対象オブジェクト14の配置の例である。本例においては、第1距離d1は距離dmよりも大きい。
【0065】
判定部64(
図2参照)により、第1距離d1が距離dm以上であると判定された場合、表示部66(
図2参照)は第1端部E1を第1基準位置P0に表示し、第2端部E2を対象オブジェクト14の位置(表示位置Pn)に表示してよい。第1距離d1が距離dm以上である場合、第1距離d1にかかわらず、表示部66は第1端部E1を第1基準位置P0に表示し、第2端部E2を対象オブジェクト14の位置(表示位置Pn)に表示してよい。
【0066】
図11は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
図11は、対象オブジェクト14の位置が
図10に表示される位置に移動する前の、対象オブジェクト14の配置の例である。本例においては、対象オブジェクト14は現実画像10の視界外に配置されている。本例においても、第1距離d1は距離dmよりも大きい。
【0067】
判定部64(
図2参照)により、第1距離d1が距離dm以上であると判定された場合、表示部66(
図2参照)は、対象オブジェクト14が現実画像10の視界内外のいずれに配置されているかにかかわらず、第1端部E1を第1基準位置P0に表示してよい。
【0068】
表示部66は、方向指示オブジェクト12の一部が現実画像10の視界外に配置される場合の方向指示オブジェクト12の色を、方向指示オブジェクト12の全てが現実画像10の視界内に配置される場合の方向指示オブジェクト12の色と異ならせてよい。例えば、表示部66は、
図11の例の方向指示オブジェクト12を赤色で表示してよく、
図10の例の方向指示オブジェクト12を青色で表示してよい。これにより、表示装置100の操作者は、対象オブジェクト14が現実画像10の視界内外のいずれに配置されるかを、容易に理解できる。
【0069】
図12は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
図12は、対象オブジェクト14の位置が
図5Aに表示される位置に移動する前の、対象オブジェクト14の配置の他の例である。本例においては、第1距離d1は距離dmよりも大きい。
【0070】
判定部64(
図2参照)により、第1距離d1が距離dm以上であると判定された場合、表示部66(
図2参照)は、第2端部E2を対象オブジェクト14の位置(表示位置Pn)に表示し、且つ、第1端部E1を長さLが一定となる位置に表示してよい。第1距離d1が距離dm以上である場合、第1距離d1にかかわらず、長さLを維持しつつ、第2端部E2を対象オブジェクト14の位置(表示位置Pn)に表示し、且つ、第1端部E1を基準線S0上に表示してよい。
【0071】
図13は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
図13は、対象オブジェクト14の位置が
図12に表示される位置に移動する前の、対象オブジェクト14の配置の例である。本例においては、対象オブジェクト14は現実画像10の視界外に配置されている。本例においても、第1距離d1は距離dmよりも大きい。
【0072】
判定部64(
図2参照)により、第1距離d1が距離dm以上であると判定された場合、表示部66(
図2参照)は、対象オブジェクト14が現実画像10の視界内外のいずれに配置されているかにかかわらず、長さLを維持しつつ、第2端部E2を対象オブジェクト14の位置(表示位置Pn)に表示し、且つ、第1端部E1を基準線S0上に表示してよい。
【0073】
図10~
図13の例において、距離dmと、方向指示オブジェクト12の第1端部E1から第2端部E2までの長さLとは、等しくてよい。距離dmと長さLとが等しい場合、判定部64(
図2参照)は、第1基準位置P0から対象オブジェクト14までの第1距離d1と、長さLとの大小関係を判定する。
【0074】
図14は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10における領域の一例を示す図である。本例において、現実画像10は第1領域30および方向指示オブジェクト表示領域32に分けられている。
図14において、第1領域が太い破線で示され、方向指示オブジェクト表示領域32が太い一点鎖線で示されている。本例において、現実画像10は二つの第1領域30(第1領域30-1および第1領域30-2)に分けられている。現実画像10における第1領域30および方向指示オブジェクト表示領域32の位置は、予め定められていてよい。
【0075】
第1領域30は、固定オブジェクト40(後述)が表示される領域である。固定オブジェクト40(後述)とは、対象オブジェクト14(
図1参照)に関する説明、表示装置100(
図2参照)の操作ガイダンス等、表示装置100の操作者の便宜のための情報が表示されるオブジェクトである。固定オブジェクト40(後述)は、現実画像10における位置が固定されている。
【0076】
方向指示オブジェクト表示領域32は、方向指示オブジェクト12(
図1参照)が表示される領域である。方向指示オブジェクト表示領域32は、方向指示オブジェクト12の第1端部E1が表示可能な領域であってよく、第1端部E1が移動可能な領域であってよい。
【0077】
図15Aは、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。ただし、
図15Aにおいては対象オブジェクト14が省略されている。本例においては、表示部66(
図2参照)は、現実画像10の第1領域30に固定オブジェクト40を表示する。本例においては、表示部66は、第1領域30-1に三つの固定オブジェクト40(固定オブジェクト40-1~固定オブジェクト40-3)を表示している。
【0078】
現実画像10における位置Pc1~位置Pc6を、基準候補位置Pcとする。第1基準位置P0から基準候補位置Pcへの方向を示す線分を、候補線分Scとする。位置Pc1~位置Pc6への方向を示す線分を、それぞれ候補線分Sc1~候補線分Sc6とする。
【0079】
判定部64(
図2参照)は、一または複数の候補線分Scと、固定オブジェクト40とが重なるかを判定する。本例においては、判定部64は、候補線分Sc1~候補線分Sc6のそれぞれと、固定オブジェクト40とが重なるかを判定する。本例においては、判定部64は、候補線分Sc1と固定オブジェクト40-1とが重なり、候補線分Sc5と固定オブジェクト40-2とが重なり、候補線分Sc6と固定オブジェクト40-3とが重なると判定する。本例においては、判定部64は、候補線分Sc2~候補線分Sc4と固定オブジェクト40とは重ならないと判定する。判定部64は、候補線分Sc1~候補線分Sc6と固定オブジェクト40とが重なるかを、任意の順番で判定してよい。判定部64(
図2参照)により、複数の候補線分Scのうちの一の候補線分Scと固定オブジェクト40とが重ならないと判定された場合、判定部64は、当該一の候補線分Scを第1線分S1と判定してよい。
【0080】
図15Bは、基準線S0と複数の候補線分Scのそれぞれとのなす角度を説明する図である。
図15Bにおいては、
図15Aにおける方向指示オブジェクト12、副方向指示オブジェクト13、基準領域16を省略している。
【0081】
判定部64(
図2参照)により、複数の候補線分Scのうちの一の候補線分Scと固定オブジェクト40とが重ならないと判定された場合、判定部64は、基準線S0と当該一の候補線分Scとのなす角度θを判定してよい。当該角度θは、上述したとおり、時計回りの角度である。
【0082】
判定部64により、角度θが90度以上270度以下であると判定された場合、判定部64は、当該一の候補線分Scを第1線分S1と判定してよい。本例においては、判定部64は、角度θ2を鋭角であると判定し、角度θ4を90度以上270度以下と判定し、角度θ3を270度より大きく360度未満であると判定する。本例においては、判定部64は候補線分Sc4を第1線分S1と判定する。
【0083】
図15Cは、
図15Bにおいて固定オブジェクト40-2が表示されていない場合の図である。本例においては、判定部64(
図2参照)は、候補線分Sc2~候補線分Sc5と固定オブジェクト40とが重ならないと判定する。本例においては、判定部64は、角度θ4および角度θ5を90度以上270度以下と判定する。
【0084】
判定部64により、複数の角度θが90度以上270度以下であると判定された場合、判定部64は、表示位置Pnから最も離隔した候補位置Pcを第2基準位置P0'と判定してよい。本例においては、判定部64は、候補位置Pc4を第2基準位置P0'と判定する。本例において、判定部64は、候補線分Sc4を第1線分S1と判定する。
【0085】
図16は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
図16は、対象オブジェクト14の位置(表示位置Pn)が
図15Aに表示された位置から移動した場合の例である。
【0086】
判定部64(
図2参照)により、第1距離d1(第1基準位置P0から対象オブジェクト14までの距離、
図3および
図5A参照)が距離dm未満であると判定され、且つ、第1線分S1と固定オブジェクト40とが重ならないと判定された場合、表示部66(
図2参照)は、方向指示オブジェクト12の第1端部E1から第2端部E2までの長さLが距離dm以上になる位置、且つ、線分S1上の位置に、第1端部E1を表示してよい。
【0087】
図17は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
図17は、対象オブジェクト14の位置(表示位置Pn)が
図16に表示された位置からさらに移動した場合の例である。ただし、
図17においては、
図15A~
図15Cおよび
図16に示される固定オブジェクト40-2、および、
図15A、
図15Bおよび
図16に示される固定オブジェクト40-3は省略されている。線分V'は、表示位置Pnを通り第2線分S2に直交する線分である。
【0088】
距離取得部60(
図2参照)は、第1線分S1と、方向指示オブジェクト12の第2端部E2との第2距離を取得してよい。判定部64(
図2参照)は、第2距離d2と、方向指示オブジェクト12の長さLとの大小関係を判定してよい。
【0089】
判定部64(
図2参照)により、第2距離d2が長さLよりも大きいと判定された場合、表示部66(
図2参照)は、第1端部E1と第2線分S2との距離が最小になる位置に、第1端部E1を表示してよい。
図17は、第2距離d2が長さLよりも大きい場合の一例である。本例においては、第1端部E1は線分V'上に表示される。本例において、第2方向dr2と線分V'とは平行である。
【0090】
判定部64(
図2参照)により、第2距離d2が長さL以下であると判定された場合、表示部66(
図2参照)は、第1線分S1上に第1端部E1を表示してよい。
図16は、第1線分S1上に第1端部E1が表示される場合の一例である。
【0091】
図18Aおよび
図18Bは、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。本例においては、現実画像10は一つの第1領域30、および、方向指示オブジェクト表示領域32に分けられている。本例においては、当該一つの第1領域30に固定オブジェクト40-1~固定オブジェクト40-3が示されている。
図18Aは、第1基準位置P0が更新される前の現実画像の一例である。
図18Bは、第1基準位置P0が更新された後の現実画像の一例である。
図18Aおよび
図18Bにおいては、方向指示オブジェクト12、副方向指示オブジェクト13、基準領域16および対象オブジェクト14が省略されている。
【0092】
判定部64(
図2参照)により、複数の候補線分Scのうちの一の候補線分Scと固定オブジェクト40とが重なると判定された場合、判定部64は、現実画像10における固定オブジェクト40の位置に基づいて、第1基準位置P0を更新してよく、基準候補位置Pcの現実画像10における位置を更新してよい。本例においては、判定部64は候補線分Sc1~候補線分Sc3が固定オブジェクト40と重なると判定する。本例においては、判定部64は第1基準位置P0の位置、位置Pc1~位置Pc3、および、候補線分Sc1~候補線分Sc6更新する。
図18Bにおいて、更新前の第1基準位置P0が白い丸印で示され、更新後の第1基準位置P0が黒い丸印で示され、更新後の位置Pc1'~位置Pc3'が示されている。
【0093】
判定部64(
図2参照)は、更新前の第1基準位置P0を基準に、固定オブジェクト40が表示されている方向とは反対の方向に、第1基準位置P0を更新してよい。本例においては、判定部64は、X軸方向、且つ、更新前の第1基準位置P0から固定オブジェクト40-2への方向とは反対の方向に、第1基準位置P0を更新する。判定部64は、方向指示オブジェクト表示領域32の新たな中央に、第1基準位置P0を更新してよい。
【0094】
図19は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。本例の現実画像10は、
図13に示される現実画像10に、予め定められた第2領域34が表示されている。
図19において、第2領域34が太い破線で示されている。第2領域34は、第1基準位置P0を含む。第1基準位置P0が現実画像10の中央である場合、第2領域34は、現実画像10の中央に配置された領域である。第2領域34は、表示装置100(
図2参照)の操作者が現実世界おいて作業を実施する構造物が、現実画像10に表示される領域であってよい。
【0095】
図20Aは、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
図20Aは、対象オブジェクト14の位置が
図19に表示された位置から移動した場合の例である。
図20Aにおいて、対象オブジェクト14は省略されている。
【0096】
判定部64(
図2参照)は、第2領域34と対象オブジェクト14(表示位置Pn)とが重なるかを判定してよい。
図20Aは、第2領域34と対象オブジェクト14(表示位置Pn)とが重なる場合の一例である。判定部64により、第2領域34と対象オブジェクト14とが重なると判定された場合、表示部66(
図2参照)は、方向指示オブジェクト12を表示しなくてよい。第2領域34と対象オブジェクト14とが重なると判定された場合、表示部66は、表示されている方向指示オブジェクト12を消去してよい。
図20Aにおいて、消去された方向指示オブジェクト12が破線で示されている。
【0097】
対象オブジェクト14が第2領域34に重なる場合、対象オブジェクト14は、表示装置100(
図2参照)の操作者が視認しやすい位置に表示され得る。このため、表示装置100の操作者は、方向指示オブジェクト12が表示されなくても、対象オブジェクト14の位置を理解し得る。
【0098】
図20Bは、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が表示する現実画像10の他の一例を示す図である。
図20Bは、対象オブジェクト14の位置が
図19に表示された位置から移動した場合の他の例である。本例においては、第2領域34と方向指示オブジェクト12とが重なっている。
【0099】
判定部64(
図2参照)は、第2領域34と方向指示オブジェクト12とが重なるかを判定してよい。判定部64により、第2領域34と方向指示オブジェクト12とが重なり、且つ、第1距離d1が距離dm以上であると判定された場合、表示部66(
図2参照)は、方向指示オブジェクト12を表示しなくてよい。判定部64により、第2領域34と方向指示オブジェクト12とが重なり、且つ、第1距離d1が距離dm以上であると判定された場合、表示部66は方向指示オブジェクト12を消去してよい。
図19には消去された方向指示オブジェクト12、副方向指示オブジェクト13および基準領域16の位置が破線にて示されている。
【0100】
上述したとおり、第2領域34には、表示装置100(
図2参照)の操作者が現実世界おいて作業を実施する構造物が表示されやすい。本例においては、方向指示オブジェクト12が第2領域34と重なった場合、方向指示オブジェクト12が消去される。これにより、表示装置100の操作者は、作業を集中して実施しやすくなる。
【0101】
図21は、本発明の一つの実施形態に係る表示方法の一例を含むフローチャートである。本発明の一つの実施形態に係る表示方法は、表示装置100(
図2参照)における表示方法の一例である。表示方法は、第1距離取得ステップS100、第1判定ステップS102および第1表示ステップS104を備える。表示方法は、第1線分S1設定ステップS103および第3表示ステップS106を備えてよい。
【0102】
表示方法は、判定ステップS90、方向指示オブジェクト表示ステップS92および第4表示ステップS96を備えてよい。
図21においては、方向指示オブジェクトは方向指示Obと表記されている。
【0103】
表示方法は、表示位置Pn取得ステップS200および第2基準位置P0'取得ステップS202を備えてよい。表示方法は、判定ステップS300、基準線S0更新ステップ、方向指示オブジェクト表示ステップS304、判定ステップS306および第1線分S1消去ステップを備えてよい。
【0104】
判定ステップS90は、判定部64(
図2参照)が、表示装置100(
図2参照)が対象オブジェクト14を認識しているかを判定するステップである。判定ステップS90において対象オブジェクト14を認識していると判定された場合、表示方法は方向指示オブジェクト表示ステップS92に進む。判定ステップS90において対象オブジェクト14を認識しないと判定された場合、表示方法は第4表示ステップS96に進む。第4表示ステップS96は、表示部66(
図2参照)が、方向指示オブジェクト12を消去するステップである。
【0105】
方向指示オブジェクト表示ステップS92は、表示部66(
図2参照)が、方向指示オブジェクト12を表示するステップである。表示部66は、方向指示オブジェクト12の第2端部E2を表示位置Pnに表示してよく、第1端部E1を第1基準位置P0に表示してよい。
【0106】
第1距離取得ステップS100は、距離取得部60(
図2参照)が、現実画像10における第1基準位置P0から対象オブジェクト14までの第1距離d1を取得するステップである。第1判定ステップS102は、判定部64(
図2参照)が、第1距離d1と、第1基準位置P0から対象オブジェクト14までの予め定められた距離dmとの大小関係を判定するステップである。第1判定ステップS102は、判定部64(
図2参照)が、対象オブジェクト14と第1基準位置P0とが重なるかを判定するステップであってもよい。第1判定ステップS102において第1距離d1が距離dm未満であると判定された場合、表示方法は表示位置Pn取得ステップS200に進む。第1判定ステップS102において第1距離d1が距離dm以上であると判定された場合、表示方法は第3表示ステップS106に進む。
【0107】
表示位置Pn取得ステップS200は、判定部64(
図2参照)が、対象オブジェクト14の位置を取得するステップである。第2基準位置P0'取得ステップS202は、判定部64が、第2基準位置P0'を取得するステップである。第2基準位置P0'取得ステップS202は、判定部64が、位置Pc1~位置Pc6(
図4参照)のいずれかを取得するステップであってよく、位置Pc1~位置Pc6のうち対象オブジェクト14から最も遠い位置を第2基準位置P0'と判定するステップであってもよい。
【0108】
第1線分S1設定ステップS103は、判定部64(
図2参照)が第1線分S1を設定するステップである。第1線分S1は、第1基準位置P0と第2基準位置P0'とを結ぶ線分である。
【0109】
第1表示ステップS104は、表示部66(
図2参照)が、方向指示オブジェクト12の第1端部E1から第2端部E2までの長さLが距離dm以上になる位置に、第1端部E1を表示するステップである。第1表示ステップS104は、第1線分S1上に方向指示オブジェクト12の第1端部E1を表示するステップであってよい。第1表示ステップS104において、対象オブジェクト14の移動に伴い、第1端部E1は第1線分S1上を移動してよい。
【0110】
第3表示ステップS106は、表示部66(
図2参照)が、方向指示オブジェクト12の第1端部E1を第1基準位置P0に表示するステップであってよい。第3表示ステップS106は、表示部66が、方向指示オブジェクト12の第1端部E1を第1基準位置P0に表示し、且つ、第2端部E2を表示位置Pnに表示するステップであってもよい。これにより、第1端部E1の位置が固定された方向指示オブジェクト12の長さLが、対象オブジェクト14の移動に伴い変化する。
【0111】
第3表示ステップS106は、表示部66(
図2参照)が、第2端部E2を対象オブジェクト14の位置に表示し、第1端部E1を、第1端部E1から第2端部E2までの長さLが一定となる位置に表示するステップであってもよい。これにより、対象オブジェクト14の移動に伴い、長さLが一定の方向指示オブジェクト12の位置が変化する。一定の長さLは、距離dmに等しくてよい。
【0112】
表示方法は、第1表示ステップS104の後、判定ステップS300に進む。判定ステップS300は、判定部64(
図2参照)が、表示装置100(
図2参照)が対象オブジェクト14を認識しているかを判定するステップである。判定ステップS300において対象オブジェクト14を認識していると判定された場合、表示方法は基準線S0更新ステップS302に進む。判定ステップS300において対象オブジェクト14を認識しないと判定された場合、表示方法は第4表示ステップS96に戻る。
【0113】
基準線S0更新ステップS302は、判定部64(
図2参照)が、対象オブジェクト14の移動に伴い基準線S0を更新するステップである。基準線S0更新ステップS302において、判定部64(
図2参照)は、第1基準位置P0から表示位置Pnへの方向を示す基準線S0を、表示位置Pnの移動に伴い更新してよい。
【0114】
方向指示オブジェクト表示ステップS304は、表示部66(
図2参照)が、方向指示オブジェクト12の第1端部E1を第1線分S1上に表示しつつ、基準線S0の移動に伴い移動した表示位置Pnに、第2端部E2を表示するステップである。方向指示オブジェクト表示ステップS304において、方向指示オブジェクト12の第1端部E1から第2端部E2への向きは、対象オブジェクト14の移動に伴い変化してよい。
【0115】
表示方法は、第2距離取得ステップS108、第2判定ステップS110および第2表示ステップS112をさらに備えてよい。表示方法は、判定ステップS306および第1線分S1消去ステップS308をさらに備えてよい。
【0116】
第2距離取得ステップS108は、距離取得部60(
図2参照)が、第1線分S1と、方向指示オブジェクト12の第2端部E2との第2距離d2を取得するステップである。第1線分S1は、第1基準位置P0から第2基準位置P0'への第2方向dr2(
図5A参照)を示す。
【0117】
第2判定ステップS110は、判定部64(
図2参照)が、第2距離d2と、方向指示オブジェクト12の長さLとの大小関係を判定するステップである。第2判定ステップS110において第2距離d2が長さLよりも大きいと判定された場合、表示方法は第2表示ステップS112に進む。第2判定ステップS110において第2距離d2が長さL以下であると判定された場合、表示方法は第1表示ステップS104に戻る。
【0118】
第2表示ステップS112は、表示部66(
図2参照)が、方向指示オブジェクト12の第1端部E1と、第1線分S1との距離が最小になる位置に、第1端部E1を表示するステップである。第2表示S112は、表示部66(
図2参照)が、対象オブジェクト14の移動に伴い方向指示オブジェクト12の第2端部E2を移動させつつ、第1端部E1と、第1線分S1との距離が最小になる位置に、第1端部E1を表示するステップである。第1端部E1は、線分V(
図3参照)上に表示されてよい。第1端部E1の位置は、第2端部E2の位置の移動に伴い移動してよい。第2表示ステップS112の後、表示方法は判定ステップS306に進む。
【0119】
判定ステップS306は、判定部64(
図2参照)が、方向指示オブジェクト12の第1端部E1が基準線S0と重なるかを判定するステップである。第1端部E1が基準線S0と重なると判定された場合、表示方法は第1線分S1消去ステップに進む。第1端部E1が基準線S0と重らないと判定された場合、表示方法は第1表示ステップS104に戻る。
【0120】
第1線分S1消去ステップS308は、表示部66(
図2参照)が、現実画像10から第1線分S1を消去するステップである。第1線分S1消去ステップS308の後、表示方法は判定ステップS90に戻る。
【0121】
図22は、本発明の一つの実施形態に係る表示方法の他の一例を含むフローチャートである。表示方法は、判定ステップS2020および第3判定ステップS114を備えてよい。
【0122】
判定ステップS2020は、判定部64(
図2参照)が、現実画像10に固定オブジェクト40が表示されているかを判定するステップである。固定オブジェクト40が表示されていると判定された場合、表示方法は第3判定ステップS114に進む。固定オブジェクト40が表示されていないと判定された場合、表示方法は判定ステップS2040(後述)進む。
【0123】
第3判定ステップS114は、判定部64(
図2参照)が、一または複数の候補線分Scと、固定オブジェクト40とが重なるかを判定することにより方向指示オブジェクト表示領域32(
図14参照)を設定するステップである。本例においては、第3判定ステップS114は、判定ステップS2021~判定ステップS2034、方向指示オブジェクト非配置領域設定ステップS1131~方向指示オブジェクト非配置領域設定ステップS1136、更新ステップS1160および更新ステップS1162を有する。
【0124】
判定ステップS2021は、判定部64(
図2参照)が、候補線分Sc1と固定オブジェクト40とが重なるかを判定するステップである。候補線分Sc1と固定オブジェクト40とが重ならないと判定された場合、表示方法は判定ステップS2022に進む。候補線分Sc1と固定オブジェクト40とが重なると判定された場合、表示方法は方向指示オブジェクト非配置領域設定ステップS1131へ進む。方向指示オブジェクト非配置領域設定ステップS1131は、判定部64が、第1領域30(
図14参照)における一部の領域であって候補線分Sc1と重なる領域1を、方向指示オブジェクト12非配置領域に設定するステップである。本例においては、表示方法は同様の判定を候補線分Sc1~候補線分Sc6について、それぞれ判定ステップS2030まで繰り返す。表示方法は、判定ステップS2030の後、判定ステップS2032に進む。
【0125】
判定ステップS2032は、判定部64(
図2参照)が、候補線分Sc1と重なる領域1、候補線分Sc2と重なる領域2および候補線分Sc3と重なる領域3が、方向指示オブジェクト12の非配置領域に設定されているかを判定するステップである。領域1~3が非配置領域に設定されていると判定された場合、表示方法は更新ステップS1160に進む。領域1~3のいずれかが非配置領域に設定されていないと判定された場合、表示方法は判定ステップS2034に進む。
【0126】
更新ステップS1160は、判定部64(
図2参照)が、現実画像10における固定オブジェクト40の位置に基づいて、第1基準位置P0を更新するステップである。本例においては、更新ステップS1160は、領域1~3が非配置領域に設定されていると判定された場合に、判定部64が、第1基準位置P0を更新するステップである。
【0127】
判定ステップS2034は、判定部64(
図2参照)が、候補線分Sc4と重なる領域4、候補線分Sc5と重なる領域5および候補線分Sc6と重なる領域6が、方向指示オブジェクト12の非配置領域に設定されているかを判定するステップである。領域4~6が非配置領域に設定されていると判定された場合、表示方法は更新ステップS1162に進む。領域4~6のいずれかが非配置領域に設定されていないと判定された場合、表示方法は終了される。
【0128】
本例において、更新ステップS1162は、領域4~6が非配置領域に設定されていると判定された場合に、判定部64が、第1基準位置P0を更新するステップである。更新ステップS1162の後、表示方法は終了される。
【0129】
図23は、本発明の一つの実施形態に係る表示方法の他の一例を含むフローチャートである。本例の表示方法は、判定ステップS90、方向指示オブジェクト表示ステップS92、第4表示ステップS96、第1距離d1取得ステップS100および第4判定ステップS118をさらに備える。判定ステップS90、方向指示オブジェクト表示ステップS92、第4表示ステップS96、第1距離d1取得ステップS100については
図21と同様であるので、説明を省略する。
【0130】
第4判定ステップS118は、判定部64(
図2参照)が、第1基準位置P0を含む予め定められた第2領域34と、対象オブジェクト14とが重なるかを判定するステップである。第4判定ステップS118において、第2領域34と対象オブジェクト14とが重なると判定された場合、表示方法は第4表示ステップS96に移る。第4判定ステップS118において、第2領域34と対象オブジェクト14とが重ならないと判定された場合、表示方法は方向指示オブジェクト表示ステップS92に移る。第4表示ステップS96において、表示部66(
図2参照)は、方向指示オブジェクト12を消去してよい。
【0131】
図24は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置100が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の一例を示す図である。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る表示装置100に関連付けられる操作、または、表示装置100の一または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該一または複数のセクションを実行させることができ、またはコンピュータ2200に、本発明の表示方法に係る各段階(
図21~
図23参照)を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ2200に本明細書に記載されたフローチャート(
図21~
図23)およびブロック図(
図2)におけるブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0132】
本発明の一つの実施形態に係るコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216およびディスプレイデバイス2218を含む。CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216およびディスプレイデバイス2218は、ホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200は、通信インターフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226およびICカードドライブ等の入出力ユニットをさらに含む。通信インターフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226およびICカードドライブ等は、入出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータは、ROM2230およびキーボード2242等のレガシの入出力ユニットをさらに含む。ROM2230およびキーボード2242等は、I/Oチップ2240を介して入出力コントローラ2220に接続されている。
【0133】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作することにより、各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはRAM2214の中に、CPU2212によって生成されたイメージデータを取得することにより、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0134】
通信インターフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、読み取ったプログラムまたはデータを、RAM2214を介してハードディスクドライブ2224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取るか、または、プログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0135】
ROM2230は、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、または、コンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。I/Oチップ2240は、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ2220に接続してよい。
【0136】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い、情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0137】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0138】
CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにしてよい。CPU2212は、RAM2214上のデータに対し、様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は、次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0139】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理されてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示に記載された、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索または置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は、結果をRAM2214に対しライトバックしてよい。
【0140】
CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、第2の属性値を読み取ることにより、予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0141】
上述したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能である。プログラムは、当該記録媒体によりコンピュータ2200に提供されてよい。
【0142】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0143】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0144】
10・・・現実画像、12・・・方向指示オブジェクト、13・・・副方向指示オブジェクト、14・・・対象オブジェクト、16・・・基準領域、19・・・面、30・・・第1領域、32・・・方向指示オブジェクト表示領域、34・・・第2領域、40・・・固定オブジェクト、60・・・距離取得部、63・・・制御部、64・・・判定部、66・・・表示部、100・・・表示装置、2200・・・コンピュータ、2201・・・DVD-ROM、2210・・・ホストコントローラ、2212・・・CPU、2214・・・RAM、2216・・・グラフィックコントローラ、2218・・・ディスプレイデバイス、2220・・・入出力コントローラ、2222・・・通信インターフェース、2224・・・ハードディスクドライブ、2226・・・DVD-ROMドライブ、2230・・・ROM、2240・・・I/Oチップ、2242・・・キーボード