(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018306
(43)【公開日】2023-02-08
(54)【発明の名称】ダイヤフラムポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 43/02 20060101AFI20230201BHJP
F04B 45/04 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
F04B43/02 D
F04B45/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122334
(22)【出願日】2021-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000121833
【氏名又は名称】応研精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】板原 一毅
【テーマコード(参考)】
3H077
【Fターム(参考)】
3H077AA01
3H077AA11
3H077CC02
3H077CC13
3H077DD02
3H077DD12
3H077EE34
3H077EE37
3H077FF14
(57)【要約】
【課題】複数の流体の混合比を変えるにあたり、コストアップを最小限に抑えながら、組立てを簡単に行うことができるダイヤフラムポンプを提供する。
【解決手段】複数の吸入通路(第1の吸入通路44、第2の吸入通路45)が開口する吸入用流体室41と、吐出通路54が開口する吐出用流体室42とを有する。吸入用流体室41に吸入弁33を介して接続されるとともに、吐出用流体室42に吐出弁34を介して接続され、ダイヤフラム14のポンプ部15が壁の一部となるポンプ室31を備える。ポンプ部15を変形させてポンプ室31の容積を増減させる駆動機構6を備える。複数の吸入通路のうち少なくとも一つの吸入通路(第2の吸入通路45)は、他の吸入通路(第1の吸入通路44)とは通路断面積が異なっている(通路断面積が小さい)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の吸入通路が開口する吸入用流体室と、
吐出通路が開口する吐出用流体室と、
前記吸入用流体室に吸入弁を介して接続されるとともに、前記吐出用流体室に吐出弁を介して接続され、ダイヤフラムの変形可能なポンプ部が壁の一部となるように形成されたポンプ室と、
前記ダイヤフラムのポンプ部を変形させて前記ポンプ室の容積を増減させる駆動機構とを備え、
前記複数の吸入通路のうち少なくとも一つの吸入通路は、他の吸入通路とは通路断面積が異なっていることを特徴とするダイヤフラムポンプ。
【請求項2】
請求項1記載のダイヤフラムポンプにおいて、
前記通路断面積が前記他の吸入通路とは異なる前記吸入通路は、前記吸入用流体室の壁に前記吸入用流体室の外に向けて凸設されたパイプによって形成され、
前記パイプの中には、貫通孔を有する仕切板が設けられ、
前記貫通孔の断面積が前記他の吸入通路の前記通路断面積とは異なっていることを特徴とするダイヤフラムポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる流体を混合させて吐出することが可能なダイヤフラムポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
異なる流体を混合できるダイヤフラムポンプとしては、例えば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に開示されたダイヤフラムポンプは、2種類の流体を混合して吐出するもので、2種類の流体のうち第1の流体を吸入して吐出側流体室に吐出する第1のポンプ部と、第2の流体を吸入して吐出側流体室に吐出する第2のポンプ部とを備えている。第1の流体と第2の流体は吐出側流体室で混合される。
【0003】
吐出側流体室には、第1の流体と第2の流体とからなる混合流体が送り出される一つの吐出通路が接続されている。このため、このダイヤフラムポンプによれば、第1の流体と第2の流体とが吐出側流体室で混合され、吐出通路を通ってポンプ外に吐出される。
このダイヤフラムポンプにおいては、第1のポンプ部の気筒数と第2のポンプ部の気筒数とが異なっており、第1の流体と第2の流体の混合比は気筒数の比率に相当する比率になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示すダイヤフラムポンプでは、第1の流体と第2の流体の混合比を容易に変えることはできなかった。
特許文献1に示すダイヤフラムポンプで混合比を変えるためには、気筒のピストン径を変更することが考えられる。しかし、この構成を採ると、ダイヤフラムや、ダイヤフラムと協働してポンプ室を形成する部品などの複数の部品を新規に作る必要があり、コストアップになる。また、ダイヤフラムをハウジングに組み付ける際に、ピストン径が異なるピストン部の位置を合わせながらダイヤフラムをハウジングに組み付ける必要があり、組立工数が多くなって組立て作業が煩雑になるという問題もある。
【0006】
本発明の目的は、複数の流体の混合比を変えるにあたり、コストアップを最小限に抑えながら、組立てを簡単に行うことができるダイヤフラムポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、複数の吸入通路が開口する吸入用流体室と、吐出通路が開口する吐出用流体室と、前記吸入用流体室に吸入弁を介して接続されるとともに、前記吐出用流体室に吐出弁を介して接続され、ダイヤフラムの変形可能なポンプ部が壁の一部となるように形成されたポンプ室と、前記ダイヤフラムのポンプ部を変形させて前記ポンプ室の容積を増減させる駆動機構とを備え、前記複数の吸入通路のうち少なくとも一つの吸入通路は、他の吸入通路とは通路断面積が異なっているものである。
【0008】
本発明は、前記ダイヤフラムポンプにおいて、前記通路断面積が前記他の吸入通路とは異なる前記吸入通路は、前記吸入用流体室の壁に前記吸入用流体室の外に向けて凸設されたパイプによって形成され、前記パイプの中には、貫通孔を有する仕切板が設けられ、前記貫通孔の断面積が前記他の吸入通路の前記通路断面積とは異なっていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の流体の混合比を変えるにあたり、コストアップを最小限に抑えながら、組立てを簡単に行うことができるダイヤフラムポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明に係るダイヤフラムポンプの断面図である。
【
図2】
図2は、カバーを外した状態を示すダイヤフラムポンプの一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るダイヤフラムポンプの一実施の形態を
図1~
図4を参照して詳細に説明する。
図4の破断位置は
図3中にIV-IV線によって示す位置である。
図1に示すダイヤフラムポンプ1は、
図1において最も下に位置する駆動源としてのポンプ駆動用モータ2に取付けられており、ポンプ駆動用モータ2に固定された駆動部3と、この駆動部3に取付けられた弁部4とを備えている。このダイヤフラムポンプ1は、ポンプ駆動用モータ2によって駆動されることにより2種類の流体をそれぞれ吸入し、これらの流体を混合させて吐出する。
【0012】
<駆動部の構成>
駆動部3は、ポンプ駆動用モータ2に固定されたベース部材5と、このベース部材5の中に収容された駆動機構6とによって構成されている。
ベース部材5は、有底円筒状に形成されてポンプ駆動用モータ2に図示していない固定用ボルトによって固定されている。
駆動機構6は、ポンプ駆動用モータ2の回転軸7に取付けられたクランク台8と、このクランク台8に駆動軸9を介して連結された駆動体11などを備えている。
【0013】
駆動軸9は、クランク台8の回転中心から偏心した部位に傾斜した状態で取付けられている。駆動軸9が傾斜する方向は、駆動軸9の軸線C1と回転軸7の軸線C2とが駆動体11側で交差する方向である。
駆動体11は、駆動軸9に回転自在に支持された円筒状の軸部12と、この軸部12から径方向の外側に突出する複数の腕部13とによって構成されている。
腕部13は、後述するダイヤフラム14のポンプ部15毎に設けられており、軸部12から放射状に径方向の外側へ延びている。この実施の形態によるダイヤフラム14は、3つのポンプ部15を有している。このため、駆動体11は、3本の腕部13を有している。
【0014】
腕部13には貫通穴13aが穿設されている。この貫通穴13aには、ダイヤフラム14のポンプ部15毎の連結片16が係入されている。連結片16は、腕部13を貫通した状態で腕部13に固定されている。
この駆動機構6によれば、ポンプ駆動用モータ2の回転軸7から回転力が加えられてクランク台8と駆動軸9とが回転することにより、駆動体11が回転を往復運動に変換して揺動し、ダイヤフラム14のポンプ部15が収縮と拡張とを繰り返す。
【0015】
<弁部の構成>
弁部4は、駆動体11に接続されたダイヤフラム14と、ベース部材5の開口部分に取付けられてダイヤフラム14を保持するダイヤフラムホルダ21と、このダイヤフラムホルダ21との間にダイヤフラム14が挟まれる状態でダイヤフラムホルダ21に取付けられたバルブホルダ22と、このバルブホルダ22に取付けられたカバー23などを備えている。ダイヤフラムホルダ21と、バルブホルダ22と、カバー23は、ポンプ駆動用モータ2の軸線方向から見て円形に形成されており、ベース部材5とともに図示していない締結具によって互いに離れることができないように組み合わせられている。
【0016】
ダイヤフラムホルダ21は、ベース部材5に接続可能な円筒部21aと、後述するダイヤフラム14のポンプ部15が挿入される複数のシリンダ孔21bと、軸心部に設けられて駆動体11に摺動自在に嵌合する軸受用突起21cなどを有している。
【0017】
ダイヤフラム14は、バルブホルダ22に向けて開口する3つのカップ状のポンプ部15を有している(
図1においては一つのポンプ部15のみが図示されている)。ポンプ部15は、それぞれ変形可能に構成され、ダイヤフラムホルダ21の円筒部21aの周方向において、ダイヤフラム14を複数に分割する位置にそれぞれ設けられている。これらのポンプ部15は、ダイヤフラムホルダ21に形成されたシリンダ孔21bの中に挿入されている。
【0018】
ポンプ部15の開口部は、バルブホルダ22によって閉塞されている。このポンプ部15とバルブホルダ22との間に、ポンプ部15が壁の一部となるようにポンプ室31が形成されている。
カップ状を呈するポンプ部15の底にはピストン32が設けられているとともに、ポンプ室31とは反対方向に向けて突出する連結片16が設けられている。この連結片16は、上述したように駆動機構6の駆動体11に連結されている。このため、駆動体11が揺動することにより、ポンプ部15の底(ピストン32)がバルブホルダ22に対して接離し、ポンプ室31の容積が増減する。
【0019】
バルブホルダ22は、円板状に形成されており、外周側で複数の吸入弁33を支持しているとともに、中心部で一つの吐出弁34を支持している。バルブホルダ22の外周部はカバー23の円筒状の外周壁35にシール部材36を介して接続されており、バルブホルダ22の中心部は、カバー23の中心側に設けられた円筒状の壁37(
図2参照)にシール部材36を介して接続されている。シール部材36は、円環板状に形成され、
図2に示すように、カバー23の外周壁35が接触する外周側突条36aと、円筒状の壁37が接触する内周側突条36bと、ポンプ部15と対応する部分に形成された3つの穴36cと、中心部の穴36dとを有している。
【0020】
図1に示すように、カバー23の外周壁35と円筒状の壁37との間、すなわちバルブホルダ22とカバー23との間であって外周部には、環状の吸入用流体室41が形成されている。また、円筒状の壁37の内方、すなわちバルブホルダ22とカバー23との間であって中心側には、吸入用流体室41とは円筒状の壁37によって仕切られた吐出用流体室42が形成されている。
【0021】
吸入用流体室41は、シール部材36の穴36cと、バルブホルダ22にポンプ室31毎に設けられた第1の貫通孔43とを通して複数のポンプ室31のそれぞれに連通されている。また、吸入用流体室41には、カバー23に形成された第1の吸入通路44と第2の吸入通路45とが開口している。第1の吸入通路44は、
図1および
図4に示すように、第1のパイプ46によって形成され、第2の吸入通路45は、第2のパイプ47によって形成されている。これらの第1および第2のパイプ46,47は、カバー23における吸入用流体室41の壁の一部となる天井壁48に吸入用流体室41の外に向けて凸設されている。
【0022】
第1のパイプ46の内径は、第1のパイプ46の一端から他端まで変わることなく一定である。このため、第1の吸入通路44の通路断面積は、第1のパイプ46の先端から吸入用流体室41に至るまで一定と考えられる。
第2のパイプ47の中には、貫通孔51を有する仕切板52が設けられている。貫通孔51の断面積は、第2の吸入通路45の通路断面積に相当し、第1の吸入通路44の通路断面積より小さい。すなわち、第1の吸入通路44と第2の吸入通路45とのうち一方の吸入通路である第2の吸入通路45は、他の吸入通路(第1の吸入通路44)とは通路断面積が異なっている。貫通孔51は、カバー23を成形する金型(図示せず)を用いて成形時に形成することができる。また、貫通孔51は、第2のパイプ47が閉塞されるように形成された盲板状の仕切板52に機械加工を施して穿設することもできる。
【0023】
第1のパイプ46には、第1の流体で満たされた第1の吸入ホース(図示せず)が接続される。第2のパイプ47には、第2の流体で満たされた第2の吸入ホース(図示せず)が接続される。第1の流体と第2の流体は、液体や気体である。詳述すると、異なる種類の液体を第1の流体と第2の流体として用いることができ、異なる種類の気体を第1の流体と第2の流体として用いることができる。また、液体を第1の流体とし、気体を第2の流体として用いることもできる。
【0024】
吸入弁33は、第1の貫通孔43を開閉するためのもので、ゴム材料によって所定の形状に形成されている。この実施の形態による吸入弁33は、バルブホルダ22を貫通してバルブホルダ22に固定された軸部33aと、軸部33aの先端に円板状に形成された弁体33bとを有している。この吸入弁33は、弁体33bが各ポンプ室31内に位置するようにポンプ室31毎に設けられている。弁体33bは、ダイヤフラム14のポンプ部15が拡張してポンプ室31の容積が増える行程で第1の貫通孔43の開口部分を開き、ポンプ部15が収縮してポンプ室31の容積が減少する行程で第1の貫通孔43の開口部分を閉じる。すなわち、吸入弁33は、ポンプ室31の容積が増える行程で流体が吸入用流体室41からポンプ室31に向けて流れるように第1の貫通孔43を開閉する。
【0025】
吐出用流体室42は、バルブホルダ22にポンプ室31毎に形成された第2の貫通孔53を通して複数のポンプ室31のそれぞれに連通されている。また、吐出用流体室42には、吐出通路54が開口している。吐出通路54は、カバー23に形成された吐出パイプ55によって形成されている。吐出パイプ55には、吐出ホース(図示せず)が接続される。
【0026】
吐出弁34は、ゴム材料によって形成され、バルブホルダ22における吐出用流体室42側の壁面に密着する弁体34aを有している。この弁体34aは、第2の貫通孔53の開口部分を開閉可能に閉塞しており、ダイヤフラム14のポンプ部15が拡張してポンプ室31の容積が増える行程で第2の貫通孔53の開口部分を閉じ、ポンプ部15が収縮してポンプ室31の容積が減少する行程で第2の貫通孔53の開口部分を開く。すなわち、吐出弁34は、ポンプ室31の容積が減少する行程で流体がポンプ室31から吐出用流体室42に向けて流れるように第2の貫通孔53を開閉する。
【0027】
<動作の説明>
このように構成されたダイヤフラムポンプ1においては、モータ2が通電されて回転し、この回転に伴ってクランク台8および駆動軸9が回転することにより、駆動体11の腕部13がポンプ部15を駆動し、ポンプ部15が拡張と収縮とを繰り返すようになる。ポンプ部15が拡張する行程においては、負圧によって吸入弁33が開き、第1および第2の吸入通路44,45から第1および第2の流体が吸入用流体室41に吸入される。これらの第1、第2の流体は、吸入用流体室41内で混合されて吸入用流体室41からポンプ室31に吸入される。
【0028】
第2の吸入通路45の通路断面積は第1の吸入通路44の通路断面積より小さいから、第1、第2の流体が液体である場合は第1の流体が第2の流体より多く吸入用流体室41に吸入される。第1の流体と第2の流体は吸入用流体室41内で混合され、混合流体としてポンプ室31に吸入される。第1の流体と第2の流体の混合比は、第1の吸入通路44の通路断面積と第2の吸入通路45の通路断面積との比に相当する比率になる。例えば、第1の吸入通路44の内径A(
図4参照)を2.4mmとし、第2の吸入通路45の内径Bを1.0mmとした場合は、第1の吸入通路44の通路断面積:第2の吸入通路45の通路断面積=1.44:0.25となり、流体が液体であればこの比率で流れる。なお、水と空気のように異なる流体であれば、吸入通路の面積比とは異なる比率で流れる。
【0029】
一方、ポンプ部15が収縮する工程においては、吐出圧によって吐出弁34が開き、ポンプ室31内の混合流体がポンプ室31から吐出用流体室42に吐出され、さらに、吐出通路54を通ってポンプの外に供給される。
【0030】
この実施の形態においては、第1の吸入通路44の通路断面積と第2の吸入通路45の通路断面積の比に基づいて第1の流体と第2の流体の混合比が変わるから、カバー23を吸入通路の通路断面積が異なるように形成された別のカバーと交換することによって、簡単に複数の流体の混合比を変えることができる。
このように、この実施の形態によれば、カバー23という一つの部品を交換するだけで混合比を変えることができ、しかも、カバー23の交換は簡単に行うことができるから、複数の流体の混合比を変えるにあたり、コストアップを最小限に抑えながら、組立てを簡単に行うことが可能なダイヤフラムポンプを提供することができる。
【0031】
この実施の形態による第2の吸入通路45、すなわち通路断面積が他の吸入通路とは異なる吸入通路は、吸入用流体室41の壁(天井壁48)に吸入用流体室41の外に向けて凸設された第2のパイプ47によって形成されている。第2のパイプ47の中には、貫通孔51を有する仕切板52が設けられている。貫通孔51の断面積が第1の吸入通路44の通路断面積より小さい(他の吸入通路の通路断面積とは異なっている)。
このため、貫通孔51の孔径を例えばドリルによって拡げることによって、第2の吸入通路45の通路断面積を大きくすることができるから、1種類のカバー23を用いて混合比の異なる複数種類のダイヤフラムポンプを実現することができる。
【0032】
なお、上述した実施の形態においては、第2の吸入通路45の通路断面積を第1の吸入通路44の通路断面積より小さくするにあたって貫通孔51を有する仕切板52を用いている。しかし、仕切板52を用いることなく、第2の吸入通路45の通路径を全域において一定となるように形成し、この通路径を第1の吸入通路44の通路径より小さくあるいは大きくしてもよい。
【0033】
また、上述した実施の形態においては、ポンプ室31を3つ備えた3気筒のダイヤフラムポンプ1に本発明を適用する例を示したが、気筒数は適宜変更することができる。すなわち、気筒数は、1気筒でもよいし、2気筒あるいは4気筒以上でもよい。
さらに、上述した実施の形態においては2種類の流体を混合する例を示したが、本発明はこのような限定にとらわれることはない。本発明に係るダイヤフラムポンプ1によれば、3種類以上の流体を混合させることがきる。
【符号の説明】
【0034】
1…ダイヤフラムポンプ、6…駆動機構、14…ダイヤフラム、15…ポンプ部、31…ポンプ室、33…吸入弁、34…吐出弁、41…吸入用流体室、42…吐出用流体室、44…第1の吸入通路、45…第2の吸入通路、46…第1のパイプ、47…第2のパイプ、48…天井壁、51…貫通孔、52…仕切板、54…吐出通路。