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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183064
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 29/10 20150101AFI20231220BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231220BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231220BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231220BHJP
【FI】
F21V29/10
F21S2/00 230
F21V23/00 120
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096467
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 拓郎
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】収容部内の温度上昇を抑制することによって熱による部品の劣化を抑制した照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、光を発する光源部を有した灯具と、灯具が着脱自在に取り付けられる器具と、を備え、照明空間へ光を照射する照明装置である。灯具は、光源部が配置される台座と、光源部を覆うように台座に取り付けられ、光源部からの光を透過する灯具カバーと、を有する。器具は、灯具の一部又は全部が収容される収容部を有し、収容部は、灯具が取り付けられる収容天壁部と、収容天壁部の短手方向である幅方向の両側の縁部から照明空間の側へ延びる一対の収容側壁部と、を有するものである。灯具が器具に取り付けられた状態において、灯具と各収容側壁部とは、互いに離間し、灯具の幅方向の中央から収容側壁部までの距離が灯具の幅方向の最大幅以上となるように設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する光源部を有した灯具と、前記灯具が着脱自在に取り付けられる器具と、を備え、照明空間へ前記光を照射する照明装置において、
前記灯具は、
前記光源部が配置される台座と、
前記光源部を覆うように前記台座に取り付けられ、前記光源部からの前記光を透過する灯具カバーと、を有し、
前記器具は、
前記灯具の一部又は全部が収容される収容部を有し、
前記収容部は、前記灯具が取り付けられる収容天壁部と、前記収容天壁部の短手方向である幅方向の両側の縁部から前記照明空間の側へ延びる一対の収容側壁部と、を有するものであり、
前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記灯具と各前記収容側壁部とは、互いに離間し、前記灯具の前記幅方向の中央から前記収容側壁部までの距離が前記灯具の前記幅方向の最大幅以上となるように設けられる
照明装置。
【請求項2】
前記収容天壁部の少なくとも一部を覆うように前記灯具と前記収容側壁部との間に配置され、前記収容部において前記照明空間の側の面を構成する遮蔽具を備え、
前記器具は、前記収容天壁部と、前記一対の収容側壁部を含む一対の本体側壁部と、により構成された器具本体を有するものである
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記遮蔽具は、前記灯具カバーの少なくとも一部を前記収容部から前記照明空間の側へ突出させるように前記器具本体内に配置される
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記遮蔽具は、前記灯具と前記収容側壁部との間に配置された状態で、前記収容天壁部に沿った並行面を有するものである
請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記遮蔽具は、前記灯具と前記収容側壁部との間に配置された状態で、前記収容天壁部に対して傾斜した前記収容天壁部と対向する傾斜面を有するものである
請求項2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記遮蔽具は、前記器具本体の前記本体側壁部に取り付けられる
請求項2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記器具に取り付けられた前記灯具を覆うように、前記灯具及び前記遮蔽具の前記照明空間の側に配置される器具カバーを備えた
請求項2に記載の照明装置。
【請求項8】
前記器具カバーは、前記一対の本体側壁部に取り付けられる
請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記収容天壁部及び前記灯具を覆う器具カバーを備え、
前記器具は、前記収容天壁部と、前記一対の収容側壁部を含む一対の本体側壁部と、により構成された器具本体を有するものであり、
前記器具カバーは、前記一対の本体側壁部に取り付けられる
請求項1に記載の照明装置。
【請求項10】
前記器具は、
外郭を構成する器具本体と、
前記器具本体に取り付けられる基台と、を有するものであり、
前記収容部は、前記基台に形成されたものである
請求項1に記載の照明装置。
【請求項11】
前記灯具は、
前記台座に固定され、前記光源部に点灯電力を供給する点灯電源部を有し、
前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記点灯電源部は、前記収容部内に配置される
請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、器具、及び器具に対して着脱自在に取り付けられる灯具を備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置において、天井材に埋め込んで設置される器具と、器具に対して着脱自在に取り付けられる灯具とを備え、器具側に、灯具の一部を収容する収容部を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の照明装置において、灯具は、光源と、光源が固定される台座と、台座に取り付けられ、光源からの光を透過する灯具カバーと、を有する。また、特許文献1の照明装置において、器具は、矩形の天板と、天板の対向する一対の端部から垂直に下側へ延びた側板と、天板に取り付けられた基台と、を有しており、この基台に、上方へ凹形状の収容部が形成されている。特許文献1の照明器具において、基台の収容部内に、光源等の発熱部品が収容され、基台の収容部から灯具カバーが露出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6653470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された照明装置では、基台の収容部の幅すなわち収容部の対向する側板同士の距離は、灯具カバーの幅寸法よりもやや小さい程度であり、灯具の挿入方向で一定となっている。したがって、特許文献1の照明装置では、収容部内に配置された発熱部品の側面が収容部の側板によって近距離で覆われ、且つ収容部内の空間が小さいので、灯具からの熱により収容部内の温度が上昇し易い。結果、熱により照明器具の部品の劣化を加速させてしまうおそれがあった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、収容部内の温度上昇を抑制することによって熱による部品の劣化を抑制した照明装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明装置は、光を発する光源部を有した灯具と、前記灯具が着脱自在に取り付けられる器具と、を備え、照明空間へ前記光を照射する照明装置において、前記灯具は、前記光源部が配置される台座と、前記光源部を覆うように前記台座に取り付けられ、前記光源部からの前記光を透過する灯具カバーと、を有し、前記器具は、前記灯具の一部又は全部が収容される収容部を有し、前記収容部は、前記灯具が取り付けられる収容天壁部と、前記収容天壁部の短手方向である幅方向の両側の縁部から前記照明空間の側へ延びる一対の収容側壁部と、を有するものであり、前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記灯具と各前記収容側壁部とは、互いに離間し、前記灯具の前記幅方向の中央から前記収容側壁部までの距離が前記灯具の前記幅方向の最大幅以上となるように設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の照明装置では、灯具が器具に取り付けられた状態において、灯具と各収容側壁部とは、互いに離間し、灯具の幅方向の中央から収容側壁部までの距離が灯具の幅方向の最大幅以上となるように設けられる。これにより、従来の場合と比べて、灯具と各収容側壁部との離間距離も大きくすることができ、また、収容部内の空間を拡張できる。結果、従来の構成と比べて、収容部の温度上昇を抑制することができ、熱による部品の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る照明装置を下方から視た斜視図である。
図2図1の照明装置を下方から視た分解斜視図である。
図3図1の照明装置が天井材に設置された状態において器具端部を除いた部分を長手方向の一方側から視た縦断面図である。
図4図3の照明装置の分解縦断面図である。
図5】実施の形態1の変形例に係る照明装置が天井材に設置された状態において器具端部を除いた部分を長手方向の一方側から視た縦断面図である。
図6】実施の形態2に係る照明装置を下方から視た斜視図である。
図7図6の照明装置を下方から視た分解斜視図である。
図8図6の照明装置が天井材に設置された状態において器具端部を除いた部分を長手方向の一方側から視た縦断面図である。
図9図8の照明装置の分解縦断面図である。
図10】実施の形態3に係る照明装置が天井材に設置された状態において器具端部を除いた部分を長手方向の一方側から視た縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る照明装置1の実施の形態を、図面を参照して説明する。ここで、照明装置1は、器具2及び灯具3を備える。なお、以下に示す図面の形態によって本開示が限定されるものではない。また、以下の説明では、便宜上、照明装置1の長手に沿った方向を、長手方向Xとする。また、長手方向Xに直交し、照明装置1の短手に沿った方向を、短手方向Yとする。そして、長手方向X及び短手方向Yのいずれとも直交する方向を、上下方向Zとする。また、上下方向Zにおいて、器具2に灯具3が取り付けられる向きを、上向きZ1とする。上向きZ1とは反対側の向きであり、器具2から灯具3が取り外される向きを、下向きZ2とする。また、照明装置1の長手方向Xを奥行き方向、短手方向Yを幅方向、上下方向Zを高さ方向と称する場合がある。
【0010】
なお、以下の各実施の形態に示す照明装置1、並びに、器具2及び灯具3といった構成要素は、あくまで例示である。本開示に係る照明装置1及び各構成要素は、これらの記載に限定されるものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものである。また、各図において、各構成要素の相対的な寸法の関係及び形状等は、本開示に係る照明装置1及び各構成要素を実際に製造したものとは異なる場合がある。ここで、以下の説明において、理解を容易にするために、方向又は向き等を表す用語を適宜用いるが、それらの表記は説明の便宜上用いる記載である。以下の説明において示した方向又は向き等は、本開示に係る照明装置1及び各構成要素の配置、方向及び向き等を限定するものではない。なお、方向又は向き等を表す用語とは、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」、「表」又は「裏」等である。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置1を下方から視た斜視図である。図2は、図1の照明装置1を下方から視た分解斜視図である。図3は、図1の照明装置1が天井材9に設置された状態において器具端部25を除いた部分を長手方向Xの一方側から視た縦断面図である。図4は、図3の照明装置1の分解縦断面図である。図1から図4を参照して、実施の形態1に係る照明装置1の構成を説明する。
【0012】
図3に示されるように、実施の形態1の照明装置1は、造営材である天井材9に埋め込まれるように設置されるものである。図1及び図2に示されるように、照明装置1は、長尺状の器具2と、器具2に対して着脱自在に取り付けられる長尺状の灯具3と、を備え、室内等の照明空間SPに光を照射する。器具2は、下向きZ2の器状すなわち下面が開口した箱状の筐体20を有している。筐体20の開口部201の縁部には、外側へ曲げられた鍔部29が形成されている。筐体20は、例えば金属製の板材を加工して形成されている。
【0013】
図3に示されるように、器具2は、照明空間SP側から、天井材9に形成された開口部90に挿入され、天井の裏側に設けられた不図示のボルト等を用いて筐体20が天井材9に取り付けられるように構成されている。筐体20の鍔部29は、天井表面に接触して天井表面よりも照明空間SP側に配置される。器具2において鍔部29以外の部分は、天井表面よりも上方に配置される。
【0014】
図1及び図2に示されるように、筐体20は、長尺状の器具本体21と、器具本体21の長手方向Xの両端に配置される一対の器具端部25と、を有する。器具本体21は、長方形形状の本体天壁部22と、本体天壁部22の短手方向Y(すなわち幅方向)両側の縁部から照明空間SP側すなわち下方へ延びる一対の本体側壁部23とを有する。一対の本体側壁部23と一対の器具端部25とが、灯具3の左、右、前及び後の四方を囲む筐体側壁である。
【0015】
図2及び図3に示されるように、灯具3は、弾性力を有する灯具連結具を用いて器具2に取り付けられる。灯具連結具は、例えば、器具2に設けられるバネ等の器具側連結具26と、灯具3に設けられ、バネと係り合うバネ受具等の灯具側連結具34と、で構成することができる。なお、バネが灯具3に設けられ、バネ受具が器具2に設けられてもよい。灯具連結具により、器具2の筐体20内において灯具3が支持される。
【0016】
図3の例では、器具側連結具26は本体天壁部22に設けられ、灯具側連結具34は灯具3の後述する台座32の上側に設けられ、器具側連結具26と灯具側連結具34とが係り合うことで、灯具3は器具2の本体天壁部22に取り付けられている。図3の例では、照明装置1の長手方向Xの両側2箇所に設けられている。灯具3は、灯具連結具により本体天壁部22側すなわち上向きZ1に付勢されている。灯具3は本体天壁部22と接触するように取り付けられてもよく、あるいは、本体天壁部22との間に隙間を形成するように取り付けられてもよい。
【0017】
図1に示されるように、灯具3は、器具2に取り付けられた状態で、灯具3の長手方向Xが器具2の長手方向Xに沿うように配置される。器具2の筐体20の長手方向Xの寸法は、灯具3の長手方向Xの寸法よりも大きく、また、器具2の筐体20の短手方向Yの寸法は、灯具3の短手方向Yの寸法よりも大きい。そして、灯具3が器具2に取り付けられた状態で、灯具3は、灯具3の四方を囲む筐体側壁(すなわち一対の本体側壁部23及び一対の器具端部25)と接触せず、離間している。
【0018】
図3及び図4に示されるように、灯具3は、光を発する光源部30と、光源部30等が取り付けられる長尺板状の台座32と、光を透過する灯具カバー33と、を有する。また、灯具3は、光源部30に点灯電力を供給する点灯電源部31(図4参照)と、上記の灯具側連結具34と、を有する。
【0019】
図4に示されるように、光源部30は、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)である発光素子300と、発光素子300が実装された光源基板301とを有する。実施の形態1では、発光素子300は、1個又は複数個のパッケージ化されたLEDであり、光源基板301の実装面に面実装されている。発光素子300は、不図示の給電線を介して点灯電源部31と接続され、点灯電源部31から供給される点灯電力により発光する。
【0020】
台座32は、灯具3が器具2に取り付けられた状態において、本体天壁部22と対向する平板状の台座基部320と、台座基部320の短手方向Y両側の縁部から本体天壁部22側すなわち上方へ延びる一対の台座側取付部323とを有する。台座側取付部323は、後述するカバー側取付部332と係り合う構成とされる。
【0021】
台座基部320においての照明空間SP側すなわち下側の第一面321には、光源部30が配置される。また、台座基部320において本体天壁部22側すなわち上側の第二面322には、長手方向Xの両側に2つの灯具側連結具34が配置され、2つの灯具側連結具34間に点灯電源部31が配置される。
【0022】
灯具カバー33は、例えば、透光性の合成樹脂材料で形成されている。透光性の合成樹脂材料とは、例えば、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)、又はポリプロピレン(PP)等の合成樹脂である。実施の形態1では、灯具カバー33は、透光性を有するとともに、光の拡散性を有する拡散カバーでもあり、光学部材である。
【0023】
灯具カバー33は、灯具3の長手方向Xに延びるカバー本体部330と、カバー本体部330の長手方向Xの両端に取り付けられる一対のカバー端部334(図2参照)とを有する。カバー本体部330は、灯具3が器具2に取り付けられた状態において、光源部30から発せられる光を透過する、下側に凸形状の透光部331と、透光部331の短手方向Y両側の縁部から本体天壁部22側すなわち上方へ延びる一対のカバー側取付部332とを有する。カバー側取付部332と台座側取付部323とが係り合うことで台座32にカバー本体部330が取り付けられ、支持される。
【0024】
また、図1及び図2の照明装置1は、本体天壁部22の少なくとも一部を覆う長尺状の遮蔽具4を備える。照明装置1は、2つの遮蔽具4を備えている。各遮蔽具4は、本体側壁部23に沿って筐体20内に配置され、2つの遮蔽具4は、短手方向Yにおいて隙間401(図2参照)を形成しつつ長手方向Xに沿って並行するように設けられている。2つの遮蔽具4間の隙間401には灯具3が配置される。灯具3は、この隙間401を介して器具2に着脱自在とされている。
【0025】
図2及び図3に示されるように、本体天壁部22と対向する長方形状の遮蔽部40と、遮蔽部40の端部から上側へ突出し、器具2の筐体側壁と対向する固定部41と、を有する。遮蔽具4は、例えば、金属製の板材で形成される。遮蔽部40は、器具2の本体天壁部22において灯具3から露出する部分を覆うように、灯具3と器具2の本体側壁部23との間に配置される。遮蔽部40は板状に形成された化粧板であり、実施の形態1では照明装置1の意匠面を構成している。
【0026】
固定部41は、遮蔽部40の長手方向Xに延びる2つの縁部のうち灯具3から遠い側の縁部に設けられた第1固定部42と、遮蔽部40の短手方向Yに延びる2つの縁部に設けられた一対の第2固定部43と、を有する。遮蔽具4の長手方向Xの長さは灯具3の長手方向Xの長さよりも長く、遮蔽具4の長手方向X両側の端部はそれぞれ筐体20の器具端部25と接触する。各遮蔽具4は、ネジ等の固定具7により器具2の筐体側壁に固定される。具体的には、遮蔽具4の第1固定部42は、器具2の本体側壁部23と対向し、固定具7を介して本体側壁部23に固定され、遮蔽具4の一対の第2固定部43はそれぞれ器具2の器具端部25と対向し、固定具7を介して器具端部25に固定される。本体側壁部23には、固定具7が挿入される穴23oが設けられ、器具端部25には、固定具7が挿入される穴25oが形成されている。
【0027】
図3及び図4に示されるように、器具2は、器具2に灯具3が取り付けられた状態で灯具3の一部又は全部が収容される収容部5を有する。収容部5は、収容部5内の空間である収容空間50と、収容空間50を規定する複数の壁部とを含む概念である。具体的には、図3に示されるように、収容部5は、収容空間50の上面を規定する収容天壁部52と、収容空間50の短手方向Y両側の側面を規定する一対の収容側壁部51と、収容空間50の下面を規定する収容下壁部53と、を有する。実施の形態1の照明装置1において、収容部5の収容天壁部52は器具本体21の本体天壁部22であり、収容部5の収容下壁部53は2つの遮蔽具4の遮蔽部40であり、収容部5の収容側壁部51は、器具本体21の本体側壁部23において遮蔽部40よりも上側の部分である。そして、灯具3は、器具2の本体天壁部22に取り付けられる。また、収容空間50の長手方向X両側の側面は、器具端部25(図2参照)により閉塞される。
【0028】
図3に示されるように、遮蔽具4が器具2に取り付けられた状態で収容下壁部53を構成する遮蔽部40は、収容天壁部52を含む仮想面Pに沿った並行面(すなわち水平面)である。具体的には、遮蔽具4は、2つの遮蔽具4において本体天壁部22と平行に配置された遮蔽部40間の隙間401(図4参照)から、灯具カバー33の少なくとも一部が照明空間SPの側へ突出するように、器具2に取り付けられている。遮蔽具4が器具2に取り付けられた状態で、本体天壁部22と平行な遮蔽部40は、高さ方向(上下方向Z)で、灯具カバー33のカバー本体部330における透光部331の上端、台座32の台座基部320又は台座32に取り付けられた光源部30と同じ位置に配置される。よって、遮蔽具4は、高さ方向(上下方向Z)において灯具カバー33のカバー本体部330における透光部331の上端、台座32又は光源部30と同じ位置、あるいはこれらの構造よりも若干(例えば、2cm以下)上側の位置で、固定具7により筐体側部と固定される。なお、灯具カバー33は、遮蔽部40間の隙間401(図4参照)から下方に突出していなくともよく、この隙間401から露出していればよい。ただし、灯具カバー33の透光部331が下側に凸形状である場合、灯具カバー33を遮蔽部40間の隙間401から下方に突出させた構成の方が、灯具カバー33の透光部331からの光をより多く照明空間SPに照射できるので好ましい。
【0029】
図3の例では、照明空間SPの側すなわち下側に行くに従い、本体側壁部23同士の短手方向Yの距離が大きくなるように一対の本体側壁部23が配置されているので、収容空間50(図4に一点二鎖線で示される)の短手方向Yの断面形状は、略台形形状を呈する。ただし、収容空間50には灯具3の一部又は全部が配置されるので、収容空間50のうちの一部が空き空間50s(図4に二点一鎖線で示される)となる。灯具3が器具2に取り付けられた状態で、灯具3と各収容側壁部51とは離間するように設けられる。
【0030】
次に、図3及び図4を用いて、短手方向Yにおける灯具3と本体側壁部23との位置関係及び各幅寸法について詳しく説明する。図3に示されるように灯具3が器具2に取り付けられた状態において、灯具3と各収容側壁部51とは、灯具3の短手方向Y(幅方向)の中央線Lcから収容側壁部51までの距離Dw1、Dw2が灯具3の短手方向Yの最大幅W1以上となるように設けられる。
【0031】
図3及び図4の例では、一対の収容側壁部51は、灯具3の幅方向の中央線Lcを軸として線対称に配置され、中央線Lcから左側の収容側壁部51までの距離Dw1と中央線Lcから右側の収容側壁部51までの距離Dw2とが同じである。一対の収容側壁部51を含む一対の本体側壁部23も、中央線Lcを軸として線対称に配置される。2つの収容側壁部51間の距離W2は、高さ方向すなわち上下方向Zで変化し、収容部5の上端で最小距離W2minとなり、収容部5の下端で最大距離W2maxとなる。そして、2つの収容側壁部51間の距離W2は、灯具3の短手方向Yの最大幅W1に2を乗じた値以上である。すなわち、収容部5の上端での2つの収容側壁部51間の距離W2すなわち最小距離W2minは、灯具3の短手方向Yの最大幅W1の2倍以上である。
【0032】
なお、一対の収容側壁部51の配置は、上記の配置に限定されない。中央線Lcから各収容側壁部51までの距離Dw1、Dw2のそれぞれが灯具3の短手方向Yの最大幅W1以上であればよい。例えば、中央線Lcから左側の収容側壁部51までの距離Dw1と中央線Lcから右側の収容側壁部51までの距離Dw2とに差が設けられてもよい。また、例えば、一対の収容側壁部51は高さ方向(上下方向Z)で互いに平行となるように設けられてもよい。この場合、2つの収容側壁部51間の距離W2は上下方向Zで一定となる。
【0033】
図3に示されるように、灯具3の短手方向Y(幅方向)の中央線Lcから各収容側壁部51までの距離Dw1、Dw2は灯具3の短手方向Yの最大幅W1以上である。よって、灯具3において収容空間50に配置された部分と、各収容側壁部51との離間距離を、少なくとも最大幅W1の0.5倍以上は確保でき、従来の場合と比べて、灯具3と各収容側壁部51との離間距離を大きくすることができる。結果、従来の構成と比べて、灯具3の熱が灯具3の側面から放出され易くなり、また収容部5の容積が大きくなるので収容部5内の温度上昇も抑制することができ、熱による部品の劣化を抑制することができる。
【0034】
ところで、遮蔽具4は、器具2には固定されるが、灯具3には固定されない。すなわち、器具2に対して灯具3と遮蔽具4とがそれぞれ取り付けられている。遮蔽具4は、灯具3とつながっていない。遮蔽具4は、灯具3と接触するように配置されてもよいし、灯具3と接触しないように配置されてもよい。図2及び図3の遮蔽具4において、遮蔽部40の長手方向Xに延びる2つの縁部のうち灯具3と近い側の縁部には、上側へ突出するフランジ部44が設けられており、遮蔽具4のフランジ部44の下端が、灯具カバー33の主部の側面と接触している。なお、収容下壁部53を構成する遮蔽具4が灯具3と接触せず、離隔して設けられる場合には、遮蔽具4と灯具3との隙間を介して収容空間50における収容側壁部51と灯具3との間の空間と照明空間SPとが連通するので、収容部5内に熱が籠もりにくい。この場合、収容部5内の温度上昇が更に抑制できる。なお、フランジ部44は省略してよい。
【0035】
遮蔽具4は、出荷される前に器具2に取り付けられていてもよく、あるいは、照明装置1が天井材9等の造営材に施工される際に器具2に取り付けられるものであってもよい。また、遮蔽具4は、照明装置1の一部として管理されてもよいし、オプション部品として、照明装置1とは別に管理されてもよい。
【0036】
以上のように、実施の形態1の照明装置1は、光を発する光源部30を有した灯具3と、灯具3が着脱自在に取り付けられる器具2と、を備え、照明空間SPへ光を照射する照明装置1である。そして、灯具3は、光源部30が配置される台座32と、光源部30を覆うように台座32に取り付けられ、光源部30からの光を透過する灯具カバー33と、を有する。また、器具2は、灯具3の一部又は全部が収容される収容部5を有し、収容部5は、灯具3が取り付けられる収容天壁部52と、収容天壁部52の短手方向Yである幅方向の両側の縁部から照明空間SPの側へ延びる一対の収容側壁部51と、を有するものである。そして、灯具3が器具2に取り付けられた状態において、灯具3と各収容側壁部51とは、互いに離間し、灯具3の幅方向の中央(中央線Lc)から収容側壁部51までの距離Dw1、Dw2が灯具3の幅方向の最大幅W1以上となるように設けられる。
【0037】
これにより、従来の場合と比べて、灯具3と各収容側壁部51との離間距離を大きくすることができ、また、収容部5内の空間(収容空間50)を拡張できる。結果、従来の構成と比べて、灯具3及び収容部5の温度上昇を抑制することができ、熱による部品の劣化を抑制することができる。
【0038】
また、照明装置1は、収容天壁部52の少なくとも一部を覆うように灯具3と収容側壁部51との間に配置された遮蔽具4を備え、遮蔽具4は、収容部5において照明空間SPの側の面を構成する。そして、器具2は、収容天壁部52と、一対の収容側壁部51を含む一対の本体側壁部23と、により構成された器具本体21を有するものである。
【0039】
これにより、器具本体21と遮蔽具4といった複数の部材を組み合わせて収容部5が構成されるので、従来のように基台8に収容部5を形成する場合と比べて、器具本体21に対する遮蔽具4の位置を調整する等して収容部5の容積の変更が容易にできる。
【0040】
また、遮蔽具4は、灯具カバー33の少なくとも一部を収容部5から照明空間SPの側へ突出させるように器具本体21内に配置される。これにより、灯具カバー33から出射する光が遮蔽具4で遮られることを抑制でき、光量の低下を抑制できる。
【0041】
また、遮蔽具4は、灯具3と収容側壁部51との間に配置された状態で、収容天壁部52に沿った並行面を有するものである。これにより、器具2内に遮蔽具4を設けて収容天壁部52を覆う構成でも、器具2の高さ寸法は灯具3の高さ寸法に応じて決めればよく、器具2及び照明装置1の高さ寸法を変えずに遮蔽具4を設けることができる。
【0042】
また、遮蔽具4は、器具本体21の本体側壁部23に取り付けられる。これにより、遮蔽具4と灯具3との間に隙間(不図示)を設けることができ、この隙間を介して収容空間50における収容側壁部51と灯具3との間の空間と照明空間SPとを連通させることができる。よって、収容部5内に熱が籠もらないので、熱による灯具3の部品の劣化が更に抑制できる。
【0043】
また、灯具3は、光源部30に点灯電力を供給する点灯電源部31を有する。点灯電源部31は、台座32に固定されており、灯具3が器具2に取り付けられた状態において収容部5内に配置される。これにより、収容部5内に発熱部品である点灯電源部31が配置される構成においても、従来よりも灯具3と収容側壁部51との離間距離及び収容部5の容積を大きくしたことで、点灯電源部31からの熱による灯具3の温度上昇が抑制でき、部品の劣化が抑制できる。
【0044】
図5は、実施の形態1の変形例に係る照明装置1aが天井材9に設置された状態において器具端部25を除いた部分を長手方向Xの一方側から視た縦断面図である。図5に示す変形例では、遮蔽具4aが器具2aに取り付けられた状態で、収容下壁部53aを構成する遮蔽部40aが収容天壁部52に対して傾斜している点が、図3の例と異なる。
【0045】
図5に示されるように、遮蔽具4aが器具2に取り付けられた状態で、収容下壁部53aを構成する遮蔽部40aは、収容天壁部52すなわち本体天壁部22を含む仮想面Pに対して傾斜した傾斜面である。遮蔽部40aは、平面又は曲面を含む。遮蔽具4aが器具2aに取り付けられた状態で、傾斜面である遮蔽部40aの上端すなわち遮蔽部40aの短手方向Yの灯具3側の端部は、高さ方向(上下方向Z)で、灯具カバー33の透光部331の上端、台座32の台座基部320又は台座32に取り付けられた光源部30等と同じ位置に配置される。また、遮蔽具4aが器具2に取り付けられた状態で、遮蔽部40の下端すなわち遮蔽部40の短手方向Yの本体側壁部23側の端部は、高さ方向(上下方向Z)で、上端よりも下側の位置で、固定具7により本体側壁部23と固定される。図5では、本体側壁部23aにおいて灯具カバー33よりも下側の位置に、固定具7が挿入される穴23oが設けられ、遮蔽部40aの下端は、高さ方向(上下方向Z)において灯具カバー33よりも下側の位置で本体側壁部23aと固定されている。
【0046】
以上のように、実施の形態1の変形例の照明装置1aにおいて、遮蔽具4aは、灯具3と収容側壁部51aとの間に配置された状態で、収容天壁部52に対して傾斜した収容天壁部52と対向する傾斜面を有するものである。これにより、遮蔽部40aが傾斜面とされる変形例(図5参照)では、遮蔽部40aが並行面とされる図3の例と比べて、収容空間50aをより大きな容積を有するものとすることができる。よって、収容部5a内の温度上昇を更に抑制できる。
【0047】
実施の形態2.
図6は、実施の形態2に係る照明装置1bを下方から視た斜視図である。図7は、図6の照明装置1bを下方から視た分解斜視図である。図8は、図6の照明装置1bが天井材9に設置された状態において器具端部25bを除いた部分を長手方向Xの一方側から視た縦断面図である。図9は、図8の照明装置1bの分解縦断面図である。図6及び図7に示されるように、本実施の形態の照明装置1bでは、器具本体21bと一対の器具端部25bとで構成される筐体20bの開口部201を覆う器具カバー6を備える点が、実施の形態1の場合と異なる。以下、図6から図9を参照して、本実施の形態の照明装置1bの構成を、実施の形態1との照明装置1との相違点を中心に説明する。
【0048】
図7に示されるように、器具カバー6は、灯具3からの光を透過する長方形状の透光部60と、透光部60の周部に設けられ、透光部60を保持する枠部61と、有する。また、枠部61には、器具カバー6を器具2bに取り付けるための外郭連結具62が設けられている。器具本体21bの本体側壁部23bには、器具カバー6の外郭連結具62が係合する係合部28が設けられており、外郭連結具62が係合部28と係合することによって器具カバー6が器具2bに取り付けられる。係合部28は、器具本体21bとは別の部材を、ネジ固定、かしめ、又は溶接等の方法によって本体側壁部23bに取り付けるようにしてもよいし、本体側壁部23bの一部を切り起こす等の加工を施すことによって器具本体21bと一体に形成されるものであってもよい。図7及び図8の例では、外郭連結具62は、先端が開いたV字状のバネで構成され、各遮蔽具4には、外郭連結具62が挿入される、バネの先端よりも狭い穴45が設けられている。外郭連結具62は、穴45に挿入させながら係合部28と係合させることができる。また、係合部28を設けずに、穴45が形成された各遮蔽具4に外郭連結具62を直接係合する構成としてもよい。なお、外郭連結具62および係合部28の構成は上記の構成に限定されない。
【0049】
実施の形態2の照明装置1bにおいても、実施の形態1の場合と同様、収容部5bの収容天壁部52は器具本体21の本体天壁部22であり、収容部5bの収容下壁部53は2つの遮蔽具4bの遮蔽部40bであり、収容部5bの収容側壁部51bは、器具本体21bの本体側壁部23において遮蔽部40bよりも上側の部分である。そして、灯具3は、器具2bの本体天壁部22に取り付けられる。また、灯具3が器具2bに取り付けられた状態において、灯具3と各収容側壁部51とは、灯具3の短手方向Y(幅方向)の中央から収容側壁部51までの距離Dw1、Dw2が灯具3の短手方向Yの最大幅W1以上となるように設けられる。
【0050】
また、図7及び図8に示されるように、本実施の形態の照明装置1bにおいて本体天壁部22には、器具側連結具26を取り付けるための設置具27が取り付けられ、設置具27により、器具2b内における灯具3の位置が底上げされている。これにより、灯具3と収容天壁部52である本体天壁部22との間に隙間G(図8参照)が形成され、また、この隙間Gが形成された分、収容空間50bの容積が大きくなる。本実施の形態のように筐体20bの開口部201が器具カバー6で閉塞される構成では、器具カバー6が設けられない構成と比べ、照明装置1b内と外部との間で空気が循環し難いので特に収容部5b内の温度上昇が懸念される。しかし、設置具27を設けることで、灯具3と収容天壁部52との間に隙間Gが形成されて灯具3の上面から放熱し易くなり、また、収容空間50が拡張されて放熱による収容部5a内の温度上昇が抑制される。
【0051】
図7及び図8の例では、設置具27は、本体天壁部22の長手方向Xの両側に離間して設けられ、灯具3の上面において設置具27と接触する部分以外の部分では本体天壁部22との間に隙間Gが形成される。すなわち、設置具27により、本体天壁部22から灯具3の上面までの高さH1が0[cm]よりも大きくなる。
【0052】
なお、図示は省略するが、器具カバー6の透光部60に拡散効果を施すことによって、本体天壁部22が使用者から視認し難くなり、まぶしさの軽減及び意匠性向上を図ることができる。したがって、このような拡散効果を有する器具カバー6を用いることによって、本体天壁部22の目隠しである遮蔽具4bを設けない、という選択もできる。器具カバー6に拡散効果を持たせて遮蔽具4bを省略した構成では、器具カバー6の透光部60が収容下壁部53bとなるので、収容空間50bが高さ方向(上下方向Z)に拡張される。結果、収容部5b内の温度上昇抑制の効果を高めることができる。
【0053】
以上のように、実施の形態2の照明装置1bにおいても、実施の形態1の場合と同様、灯具3の幅方向の中央(中央線Lc)から収容側壁部51までの距離Dw1、Dw2が灯具3の幅方向の最大幅W1以上とされ、熱による部品の劣化が抑制できる。
【0054】
また、実施の形態2の照明装置1bは、器具2bに取り付けられた灯具3を覆うように、灯具3及び遮蔽具4bの照明空間SPの側に配置される器具カバー6を備える。これにより、使用者のまぶしさの軽減及び照明装置1の意匠性向上を図ることができる。
【0055】
また、器具カバー6は、一対の本体側壁部23bに取り付けられる。したがって、器具カバー6を取り付けるための構造(外郭連結具62)は、本体側壁部23bの側に配置すればよく、この構造が灯具3の側面を覆うことによる灯具3の温度上昇が抑制できる。
【0056】
また、実施の形態2の照明装置1bは、収容天壁部52及び灯具3を覆う器具カバー6を備える。器具2bは、収容天壁部52と、一対の収容側壁部51bを含む一対の本体側壁部23bと、により構成された器具本体21bを有するものであり、器具カバー6は、一対の本体側壁部23bに取り付けられる。
【0057】
これにより、遮蔽具4bを省略して収容空間50bを高さ方向(上下方向Z)に拡張することができるので、収容部5b内の温度上昇抑制の効果を高めることができる。
【0058】
実施の形態3.
図10は、実施の形態3に係る照明装置1cが天井材9に設置された状態において器具端部25を除いた部分を長手方向Xの一方側から視た縦断面図である。本実施の形態の照明装置1cでは、器具2cが基台8を備え、この基台8に収容部5cが形成されている点が、実施の形態1の場合と異なる。以下、図10に基づき、本実施の形態の照明装置1cの構成を、実施の形態1との照明装置1との相違点を中心に説明する。
【0059】
基台8は、器具本体21の長手方向Xに延びる長尺状を有し、長手方向Xの両端は器具端部25(図1参照)と接触する。基台8は、取付具24によって器具本体21に取り付けられる。基台8は、灯具3の一部又は全部が収容される収容部5cと、収容部5cにおいて灯具3が収納される開口部303の短手方向Yの縁部から延出した基台延出部84とを有する。
【0060】
基台8の収容部5cは、器具本体21の本体天壁部22と対向する基台天壁部82と、基台天壁部82の短手方向Y両側の縁部から照明空間SPの側へ延びた一対の基台側壁部81と、各基台側壁部81から灯具3に近づくように内側に延びた基台枠部83と、を有する。基台天壁部82と一対の基台側壁部81と一対の基台枠部83とにより、収容空間50cが規定される。すなわち、本実施の形態の照明装置1cでは、基台8の基台天壁部82が収容天壁部52cであり、基台8の2つの基台枠部83が収容下壁部53cであり、基台8の基台側壁部81が収容側壁部51cである。そして、灯具3は、器具側連結具26cによって基台8の基台天壁部82に取り付けられる。
【0061】
基台延出部84は、各基台枠部83における灯具3側の端部から照明空間SPの側(すなわち下方)且つ本体側壁部23の側へ延出した基台傾斜部85と、基台傾斜部85の下端から折り返されて上側へ突出する基台フランジ部86と、を有する。2つの基台延出部84の基台フランジ部86が器具本体21の2つの本体側壁部23cと接触することで、器具本体21内における基台8の短手方向Yの位置が規制される。2つの基台延出部84の基台傾斜部85は、照明装置1cの意匠面を構成する。なお、基台8の構成は上記の構成に限定されず、例えば、基台8の基台延出部84は省略してもよい。
【0062】
本実施の形態においても、短手方向Yにおける灯具3と収容側壁部51cとの位置関係及び各幅寸法については、実施の形態1の場合と同様である。すなわち、灯具3が器具2cに取り付けられた状態において、灯具3と各収容側壁部51cである基台側壁部81とは互いに離間している。さらには、灯具3が器具2cに取り付けられた状態において、灯具3と各収容側壁部51cである基台側壁部81とは、灯具3の短手方向Y(幅方向)の中央線Lcから基台側壁部81までの距離Dw11、Dw12が灯具3の短手方向Yの最大幅W1以上となるように設けられる。
【0063】
以上のように、実施の形態3の照明装置1cにおいても、実施の形態1の場合と同様、灯具3の幅方向の中央(中央線Lc)から収容側壁部51までの距離Dw11、Dw12が灯具3の幅方向の最大幅W1以上とされ、熱による部品の劣化が抑制できる。
【0064】
また、実施の形態3の照明装置1cにおいて、器具2cは、外郭(すなわち筐体20)を構成する器具本体21と、器具本体21に取り付けられる基台8と、を有するものであり、収容部5cは、基台8に形成されたものである。
【0065】
これにより、器具2cにおいて基台8に収容部5cを設ける場合でも、器具本体21等で収容部5(図3参照)を構成する場合と同様の条件で、熱による部品劣化を抑制でき、汎用性が増す。
【0066】
なお、上記の実施の形態1から3では、造営材が天井材9である場合を例に説明したが、器具本体21が設置される造営材が照明空間SPである部屋の壁であってもよい。また、収容部5内の収容空間50には、灯具3以外の部品が配置されてもよい。ただし、収容空間50に灯具3以外の部品を配置する場合には、灯具3と部品とを離間して設けることが好ましい。
【0067】
以下、本開示の諸態様を付記する。
【0068】
(付記1)
光を発する光源部を有した灯具と、前記灯具が着脱自在に取り付けられる器具と、を備え、照明空間へ前記光を照射する照明装置において、
前記灯具は、
前記光源部が配置される台座と、
前記光源部を覆うように前記台座に取り付けられ、前記光源部からの前記光を透過する灯具カバーと、を有し、
前記器具は、
前記灯具の一部又は全部が収容される収容部を有し、
前記収容部は、前記灯具が取り付けられる収容天壁部と、前記収容天壁部の幅方向両側の縁部から前記照明空間の側へ延びる一対の収容側壁部と、を有するものであり、
前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記灯具と各前記収容側壁部とは、互いに離間し、前記灯具の前記幅方向の中央から前記収容側壁部までの距離が前記灯具の前記幅方向の最大幅以上となるように設けられる
照明装置。
(付記2)
前記収容天壁部の少なくとも一部を覆うように前記灯具と前記収容側壁部との間に配置され、前記収容部において前記照明空間の側の面を構成する遮蔽具を備え、
前記器具は、前記収容天壁部と、前記一対の収容側壁部を含む一対の本体側壁部と、により構成された器具本体を有するものである
付記1に記載の照明装置。
(付記3)
前記遮蔽具は、前記灯具カバーの少なくとも一部を前記収容部から前記照明空間の側へ突出させるように前記器具本体内に配置される
付記2に記載の照明装置。
(付記4)
前記遮蔽具は、前記灯具と前記収容側壁部との間に配置された状態で、前記収容天壁部を含む仮想面に沿った並行面を有するものである
付記2又は付記3に記載の照明装置。
(付記5)
前記遮蔽具は、前記灯具と前記収容側壁部との間に配置された状態で、前記収容天壁部を含む仮想面に対して傾斜した傾斜面を有するものである
付記2又は付記3に記載の照明装置。
(付記6)
前記遮蔽具は、前記器具本体の前記本体側壁部に取り付けられる
付記2~付記5のいずれか一つに記載の照明装置。
(付記7)
前記器具に取り付けられた前記灯具を覆うように、前記灯具及び前記遮蔽具の前記照明空間の側に配置される器具カバーを備えた
付記2~付記6のいずれか一つに記載の照明装置。
(付記8)
前記器具カバーは、前記一対の本体側壁部に取り付けられる
付記7に記載の照明装置。
(付記9)
前記収容天壁部及び前記灯具を覆う器具カバーを備え、
前記器具は、前記収容天壁部と、前記一対の収容側壁部を含む一対の本体側壁部と、により構成された器具本体を有するものであり、
前記器具カバーは、前記一対の本体側壁部に取り付けられる
付記1に記載の照明装置。
(付記10)
前記器具は、
外郭を構成する器具本体と、
前記器具本体に取り付けられる基台と、を有するものであり、
前記収容部は、前記基台に形成されたものである
付記1に記載の照明装置。
(付記11)
前記灯具は、
前記台座に固定され、前記光源部に点灯電力を供給する点灯電源部を有し、
前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記点灯電源部は、前記収容部内に配置される
付記1~付記10のいずれか一つに記載の照明装置。
【符号の説明】
【0069】
1、1a、1b、1c 照明装置、2、2a、2b、2c 器具、3 灯具、4、4a、4b 遮蔽具、5、5a、5b、5c 収容部、6 器具カバー、7 固定具、8 基台、9 天井材、20、20b 筐体、21、21b 器具本体、22 本体天壁部、23、23a、23b、23c 本体側壁部、23o 穴、24 取付具、25、25b 器具端部、25o 穴、26、26c 器具側連結具、27 設置具、28 係合部、29 鍔部、30 光源部、31 点灯電源部、32 台座、33 灯具カバー、34 灯具側連結具、40 遮蔽部、40a、40b 遮蔽部、41 固定部、42 第1固定部、43 第2固定部、44 フランジ部、45 穴、50、50a、50b、50c、50s 空き空間、51、51a、51b、51c 収容側壁部、52、52c 収容天壁部、53、53a、53b、53c 収容下壁部、60 透光部、61 枠部、62 外郭連結具、81 基台側壁部、82 基台天壁部、83 基台枠部、84 基台延出部、85 基台傾斜部、86 基台フランジ部、90 開口部、201 開口部、300 発光素子、301 光源基板、303 開口部、320 台座基部、321 第一面、322 第二面、323 台座側取付部、330 カバー本体部、331 透光部、332 カバー側取付部、334 カバー端部、401 隙間、Dw1 距離、Dw11 距離、Dw12 距離、Dw2 距離、G 隙間、H1 高さ、Lc 中央線、P 仮想面、SP 照明空間、W1 最大幅、W2 距離、W2max 最大距離、W2min 最小距離、X 長手方向、Y 短手方向、Z 上下方向、Z1 上向き、Z2 下向き。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10