(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183074
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】装具、及び固定用装具
(51)【国際特許分類】
A61F 5/058 20060101AFI20231220BHJP
A61F 5/01 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
A61F5/058
A61F5/01 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096491
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000151380
【氏名又は名称】アルケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】五日市 拓真
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA01
4C098BB09
4C098BB11
4C098BC08
4C098BC18
4C098BC43
4C098DD06
(57)【要約】
【課題】本発明は、固定範囲を変えることが可能な装具を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、身体の一部を固定する医療用固定材を装着する装具を提供する。当該装具は、第1本体及び第2本体を備える。前記第1本体及び前記第2本体は、それぞれ、少なくとも1つの前記医療用固定材を保持する固定材保持部を含む。前記第1本体及び前記第2本体は、連結部によって分離可能に連結される、又は、一体成形されており分離可能である。また、本発明は、当該装具と、少なくとも1つの医療用固定材と、を含む、固定用装具も提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の一部を固定する医療用固定材を装着する装具であり、
第1本体及び第2本体を備え、
前記第1本体及び前記第2本体が、それぞれ、少なくとも1つの前記医療用固定材を保持する固定材保持部を含み、
前記第1本体及び前記第2本体が、連結部によって分離可能に連結される、又は、一体形成されており且つ分離可能である、
装具。
【請求項2】
前記第1本体及び前記第2本体が分離された状態において、前記第1本体が、前記医療用固定材を装着できるように構成される、請求項1に記載の装具。
【請求項3】
前記第1本体及び前記第2本体が、分離された後に再度連結可能である、請求項1又は2に記載の装具。
【請求項4】
前記連結部が、前記第1本体に設けられた第1本体側連結部と、前記第2本体に設けられた第2本体側連結部と、を含み、
前記第1本体側連結部が、第1係合部及び第2係合部を含み、
前記第2本体側連結部が、第3係合部及び第4係合部を含み、
前記第1本体及び前記第2本体が連結された状態において、前記第1係合部及び前記第3係合部が係合し且つ前記第2係合部及び前記第4係合部が係合する、請求項1又は2に記載の装具。
【請求項5】
前記第1本体及び前記第2本体が分離された状態において、前記第1係合部及び前記第2係合部が係合可能である、請求項4に記載の装具。
【請求項6】
前記第1本体及び前記第2本体の少なくとも一方の前記固定材保持部が、前記装具の装着時において前記身体側に位置するように構成される、請求項1又は2に記載の装具。
【請求項7】
前記第1本体及び前記第2本体の少なくとも一方の前記固定材保持部が、
前記医療用固定材を収容する主収容領域と、前記医療用固定材の端部を収容する端部収容領域と、を含み、
前記主収容領域が、前記医療用固定材を出し入れ可能に開口する主収容口を有し、
前記端部収容領域が、前記医療用固定材の端部を出し入れ可能に開口する端部収容口を有する、請求項6に記載の装具。
【請求項8】
前記装具を前記身体側から見た平面視において、前記主収容口の少なくとも一部が、内側に向かって開口する、請求項7に記載の装具。
【請求項9】
前記主収容領域が、前記身体側に位置する主カバー部材を含み、
前記端部収容領域が、前記身体側に位置する端部カバー部材を含み、
前記主カバー部材の少なくとも一部及び前記端部カバー部材の少なくとも一部が、互いに重なり合う、請求項7に記載の装具。
【請求項10】
身体の一部を固定する固定用装具であり、
請求項1又は2に記載の装具と、少なくとも1つの前記医療用固定材と、を含む、固定用装具。
【請求項11】
前記少なくとも1つの医療用固定材が、互いに離隔して隣り合う2つ以上の固定用部材と、前記2つ以上の固定用部材を被覆する被覆部材と、を含み、
前記隣り合う2つ以上の固定用部材の間に位置する離隔部が、切断可能である、請求項10に記載の固定用装具。
【請求項12】
前記離隔部において、前記被覆部材同士が接合される、請求項11に記載の固定用装具。
【請求項13】
前記少なくとも1つの医療用固定材は、長手方向及び短手方向を有する板状であり、
前記離隔部が、前記医療用固定材の前記長手方向及び/又は前記短手方向に形成されている、請求項11に記載の固定用装具。
【請求項14】
前記少なくとも1つの医療用固定材が、2つ以上の医療用固定材であり、
前記2つ以上の医療用固定材が、それぞれ、1つの固定用部材と、前記1つの固定用部材を被覆する被覆部材と、を含み、
前記2つ以上の医療用固定材が、互いに重ねられた状態で前記固定材保持部によって保持される、
又は、
前記2つ以上の医療用固定材のうち少なくとも1つの医療用固定材が、他の医療用固定材の内側に格納された状態で前記固定材保持部によって保持される、請求項10に記載の固定用装具。
【請求項15】
前記2つ以上の医療用固定材が、前記互いに重ねられた状態で前記固定材保持部によって保持され、且つ、
重ねられた前記医療用固定材同士が、分離可能に接合される、請求項14に記載の固定用装具。
【請求項16】
前記2つ以上の医療用固定材が、それぞれ長手方向及び短手方向を有する板状であり、且つ、
前記2つ以上の医療用固定材の前記長手方向の長さが、互いに異なる、請求項14に記載の固定用装具。
【請求項17】
前記2つ以上の医療用固定材が、それぞれ長手方向及び短手方向を有する板状であり、且つ、
前記2つ以上の医療用固定材のうち少なくとも2つの医療用固定材の前記長手方向の長さが、同じである、請求項14に記載の固定用装具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装具、及び固定用装具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、整形外科領域の医療現場において、水硬化性の医療用固定材を装具に備え付け、患部が適切な肢位になるように外固定する処置が行われている。下記特許文献1及び2には、このような処置に用いられうる取外し可能なギプスが開示されている。これらの取外し可能なギプスは、それぞれ、湿気/水分によって硬化する副木を保持しうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2014-503245号公報
【特許文献2】特表2014-518526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医療用固定材を患部に取り付けるための装具は、一般に、特定の部位又は特定の治療方法に応じた専用品として販売されている。そのため、当該専用品を用いた場合、異なる部位又は固定方法に応じて固定範囲を変化させることは困難である。
【0005】
そこで、本発明は、固定範囲を変えることが可能な装具を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、身体の一部を固定する医療用固定材を装着する装具であり、第1本体及び第2本体を備え、第1本体及び第2本体が、それぞれ、少なくとも1つの医療用固定材を保持する固定材保持部を含み、第1本体及び第2本体が、連結部によって分離可能に連結される、又は、一体形成されており且つ分離可能である、装具を提供する。
第1本体及び第2本体が分離された状態において、第1本体が、医療用固定材を装着できるように構成されてよい。
第1本体及び第2本体が、分離された後に再度連結可能であってよい。
連結部が、第1本体に設けられた第1本体側連結部と、第2本体に設けられた第2本体側連結部と、を含み、第1本体側連結部が、第1係合部及び第2係合部を含み、第2本体側連結部が、第3係合部及び第4係合部を含み、第1本体及び第2本体が連結された状態において、第1係合部及び第3係合部が係合し且つ第2係合部及び第4係合部が係合してよい。
第1本体及び第2本体が分離された状態において、第1係合部及び第2係合部が係合可能であってよい。
第1本体及び第2本体の少なくとも一方の固定材保持部が、装具の装着時において身体側に位置するように構成されてよい。
第1本体及び第2本体の少なくとも一方の固定材保持部が、医療用固定材を収容する主収容領域と、医療用固定材の端部を収容する端部収容領域と、を含み、主収容領域が、医療用固定材を出し入れ可能に開口する主収容口を有し、端部収容領域が、医療用固定材の端部を出し入れ可能に開口する端部収容口を有してよい。
装具を身体側から見た平面視において、主収容口の少なくとも一部が、内側に向かって開口してよい。
主収容領域が、身体側に位置する主カバー部材を含み、端部収容領域が、身体側に位置する端部カバー部材を含み、主カバー部材の少なくとも一部及び端部カバー部材の少なくとも一部が、互いに重なり合ってよい。
本発明は、身体の一部を固定する固定用装具であり、上記装具と、少なくとも1つの医療用固定材と、を含む、固定用装具も提供する。
少なくとも1つの医療用固定材が、互いに離隔して隣り合う2つ以上の固定用部材と、2つ以上の固定用部材を被覆する被覆部材と、を含み、隣り合う2つ以上の固定用部材の間に位置する離隔部が、切断可能であってよい。
前記離隔部において、前記被覆部材同士が接合されてよい。
少なくとも1つの医療用固定材は、長手方向及び短手方向を有する板状であってよく、離隔部が、医療用固定材の長手方向及び/又は短手方向に形成されていてよい。
上記少なくとも1つの医療用固定材が、2つ以上の医療用固定材であり、2つ以上の医療用固定材が、それぞれ、1つの固定用部材と、1つの固定用部材を被覆する被覆部材と、を含み、2つ以上の医療用固定材が、互いに重ねられた状態で固定材保持部によって保持される、又は、2つ以上の医療用固定材のうち少なくとも1つの医療用固定材が、他の医療用固定材の内側に格納された状態で固定材保持部によって保持されてよい。
2つ以上の医療用固定材が、互いに重ねられた状態で固定材保持部によって保持され、且つ、重ねられた医療用固定材同士が、分離可能に接合されてよい。
2つ以上の医療用固定材が、それぞれ長手方向及び短手方向を有する板状であり、且つ、2つ以上の医療用固定材の長手方向の長さが、互いに異なってよい。
2つ以上の医療用固定材が、それぞれ長手方向及び短手方向を有する板状であり、且つ、2つ以上の医療用固定材のうち少なくとも2つの医療用固定材の長手方向の長さが、同じであってよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、固定範囲を変えることが可能な装具が提供される。なお、本発明の効果は、ここに記載された効果に限定されず、本明細書内に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】腕に装着された装具を示す図である。
図2A~2Dは、それぞれ、腕に装着された装具1を手掌側、手背側、橈側、又は尺側から見た図である。
【
図3】腕に装着された第1本体を示す図である。
図3A~3Cは、それぞれ、腕に装着された第1本体を手掌側、手背側、又は橈側から見た図である。
【
図5】
図1に示される第2本体を取り外した状態を示す平面図である。
【
図6】
図1において破線によって囲まれた領域を拡大した平面図である。
【
図7】
図6に示されている主収容領域に、医療用固定材を収容している状態を示す模式図である。
【
図8】
図6に示されている端部収容領域に、医療用固定材の丸角部を収容している状態を示す模式図である。
【
図9】第1の態様に係る医療用固定材を示す模式図である。
図9Aは、第1の態様に係る医療用固定材の平面図である。
図9Bは、
図9Aに示される第1の態様に係る医療用固定材を矢印D1の方向から見た模式図である。
【
図10】第2の態様に係る医療用固定材を示す模式図である。
図10Aは、第2の態様に係る医療用固定材の平面図である。
図10Bは、
図10Aに示される第2の態様に係る医療用固定材を矢印D2の方向から見た模式図である。
【
図11】第3の態様に係る医療用固定材を厚み方向から見た模式図である。
【
図12】第4の態様に係る医療用固定材を厚み方向から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態を示したものであり、本発明の範囲がこれらの実施形態のみに限定されることはない。
【0010】
特に説明がない限り、本明細書において、「上」とは図中の上方向を意味し、「下」とは図中の下方向を意味し、「左」とは図中の左方向を意味し、「右」とは図中の右方向を意味する。
【0011】
1.第1実施形態(装具)
【0012】
1-1.装具の概要
【0013】
本発明の第1実施形態に係る装具の概要について説明する。本実施形態に係る装具は、身体の一部を固定する医療用固定材を装着するために用いられる。医療用固定材は、身体の一部を固定するために形成された医療用具であるが、それ単独では身体に装着できない。そのため、医療用固定材は、本実施形態に係る装具に保持された状態で身体に装着され、これにより、身体の一部を固定可能な状態で維持される。以下、一例として、板状の医療用固定材を腕に装着するために用いられる装具について説明するが、本発明の装具はこれに限定されない。
【0014】
図1は、装具1の平面図である。当該平面図は、第1本体10を上側とし、第2本体20を下側として装具1を身体側から見た平面視における装具1を示している。本明細書において「身体側」とは、装具(第1本体)を身体に着用した状態において身体と向き合う側をいう。
【0015】
装具1は、第1本体10及び第2本体20を備えている。第1本体10及び第2本体20は、連結部30によって分離可能に連結されている。
図1に示される第1本体及び第2本体20は、連結された状態である。連結が解除されると、第1本体10及び第2本体20は分離され、第2本体20は第1本体10から取り外されうる。
【0016】
図2A~2Dは、腕に装着された装具1を示す図である。具体的には、
図2A~2Dは、それぞれ、腕に装着された装具1を手掌側、手背側、橈側、又は尺側から見た図である。これらの図に示されるように、装具1は、手の指以外の部分、前腕、及び肘を覆うように装着されうる。すなわち、装具1の固定範囲は、手の指以外の部分、前腕、及び肘である。
【0017】
一方、装具1は、第2本体20が取り外された状態であっても、腕に装着可能である。すなわち、第1本体10及び第2本体20が分離された状態において、第1本体10は、医療用固定材を装着できるように構成されている。
図3A~3Cは、腕に装着された第1本体10を示す図である。具体的には、
図3A~3Cは、それぞれ、腕に装着された第1本体10を手掌側、手背側、又は橈側から見た図である。これらの図に示されるように、第1本体10は、手の指以外の部分及び前腕を覆うように装着されうる。すなわち、第1本体10の固定範囲は、手の指以外の部分及び前腕である。
【0018】
上述のように、本実施形態に係る装具1は、装着時における第2本体20の有無によって固定範囲を変えることができる。具体的には、装具1は、装着時に第2本体20を有することによって固定範囲を広くし、第2本体20を有しないことによって固定範囲を狭くすることができる。
【0019】
1-2.装具の構成
【0020】
1-2-1.全体構成
【0021】
以下、本実施形態に係る装具1について詳細に説明する。まず、
図1及び2A~2Dを参照しながら、装具1の全体的な構成について説明する。
図1に示されるように、装具1は、第1本体10と、第2本体20と、連結部30と、を備えている。
【0022】
図1に示されるように第1本体10を上側とし、第2本体20を下側として装具1を身体側から見た平面視において、連結部30は、例えば、第1本体10の下端部の少なくとも一部及び第2本体の上端部の少なくとも一部に設けられていてよい。これにより、第2本体20が、第1本体10の下側に連結されていてよい。
【0023】
図1において、連結部30は連結されており、第1本体10及び第2本体20は連結された状態である。連結部30が脱連結されると、第1本体10及び第2本体20は分離された状態になる。連結部30は、例えば、脱連結された後に再度連結可能である。すなわち、第1本体10及び第2本体20は、分離された後に再度連結可能であってよい。このように、第1本体10及び第2本体20が繰り返し連結及び分離可能であることによって、装具1によって固定される範囲を複数回変更できる。そのため、固定範囲の異なる複数の固定方法において装具1を繰り返し使用できる。
【0024】
第1本体10は、第1本体10を身体の一部に装着するための装着部材17を備えていてよい。装着部材17は、例えば、
図1に示されるように第1本体10の左端部の少なくとも一部に設けられていてよい。
図1には2つの装着部材17が示されているが、装着部材の数はこれに限定されず、少なくとも1つであってよい。
【0025】
第2本体20は、第2本体20を身体の一部に装着するための取付部材23を備えていてよい。取付部材23は、例えば、
図1に示されるように第2本体20の下端部の少なくとも一部に設けられていてよい。
図1には1つの取付部材23が示されているが、取付部材23の数はこれに限定されず、少なくとも1つであってよい。
【0026】
図2A~2Dは、腕に装着された装具1を示している。
図2A、2C、及び2Dに示されるように、第1本体10の装着部材17が第1本体10の外側面に取り付けられることによって、第1本体10が腕に装着されうる。また、
図2B~2Dに示されるように、第2本体20の取付部材23が第1本体10の外側面に取り付けられることによって、第2本体20が腕に装着されうる。本明細書において「外側」とは、装具(第1本体)を身体に着用した状態において外側になる側(身体と向き合う側とは反対側)をいう。
【0027】
装着部材17及び取付部材23は、好ましくは、第1本体10の外側面に着脱可能に取り付けられる。例えば、第1本体10の外側面、装着部材17、及び取付部材23のそれぞれが、面ファスナ部を有していてよい。例えば、第1本体10の外側面がループ面を有し、且つ、装着部材17及び取付部材23のそれぞれがフック面を有していてよい。第1本体10の外側面は、例えば、表面がループ状に起毛されている布部材によって形成されていてもよい。
【0028】
図1に示されるように、装具1は、手に装着され、指が挿入される指挿入孔41を有する手装着部材40をさらに備えていてよい。手装着部材40は、例えば、第1本体10の上端部の少なくとも一部に連結されていてよい。この場合、第1本体10は、手装着部材40の指挿入孔41と同様の指挿入孔14を有していてよい。また、
図1に示されるように、装具1は、手装着部材40の指挿入孔41と第1本体10の指挿入孔14とに挿通して、手装着部材40の下端部の少なくとも一部と第1本体10の上端部の少なくとも一部とを連結する挿通部材42を備えていてよい。例えば、手装着部材40の指挿入孔41及び第1本体10の指挿入孔14の両方の孔に帯状の挿通部材42を通して巻き止めることによって、手装着部材40と第1本体10とが連結されていてよい。
【0029】
図2A~2Dに示されるように、手装着部材40は、例えば、第1本体10の外側面に重なった状態で手に装着されてよい。すなわち、手装着部材40は、例えば、第1本体10を挟んで手に間接的に装着されてよい。手装着部材40の指挿入孔41及び第1本体10の指挿入孔14には、例えば、親指が挿入されてよい。手装着部材40は、例えば面ファスナによって、着脱可能に構成されていてよい。
【0030】
図2A~2Dに示されるように、装具1は、ベルト部90を備えていてよい。ベルト部90は、装具1の任意の位置に装着可能であってよい。これにより、ベルト部90を任意の位置に配置できるため、身体サイズの個人差(例えば前腕長の個人差)によらず適切な装着位置にベルト部90を配置できる。ベルト部90は、例えば、身体に装着された第1本体10及び第2本体20の上に巻き付けられてよい。これにより、第1本体10及び第2本体20は、身体により強く固定されうる。ベルト部90は、例えば面ファスナによって、着脱可能に構成されていてよい。
【0031】
次に、
図4を参照しながら、連結部30の構成について説明する。
図4は、連結部30を示す図である。
図4は、具体的には、連結部30を脱連結した後に第2本体20の上端部をめくった状態を示している。
【0032】
連結部30は、第1本体10に設けられた第1本体側連結部31と、第2本体20に設けられた第2本体側連結部32と、を含んでいてよい。第1本体側連結部31は、第1係合部311及び第2係合部312を含んでいてよい。第2本体側連結部32は、第3係合部321及び第4係合部322を含んでいてよい。
【0033】
第1本体10及び第2本体20が連結された状態においては(
図1参照)、第1係合部311及び第3係合部321は係合し且つ第2係合部312及び第4係合部322は係合している。
図4に示されるように、第1本体10及び第2本体20が分離された状態においては、これらの係合はすべて解除されている。このように、第1係合部311及び第3係合部321は係合及び脱係合が可能であり、且つ、第2係合部312及び第4係合部322は係合及び脱係合が可能である。したがって、連結部30の連結及び脱連結は、第1本体側連結部31及び第2本体側連結部32の連結及び脱連結によって実現されうる。より詳細には、これらの連結及び脱連結は、第1係合部311及び第3係合部321の係合及び脱係合、並びに、第2係合部312及び第4係合部322の係合及び脱係合によって実現されうる。
【0034】
分離された第1本体10及び第2本体20を再度連結するために、第1係合部311及び第3係合部321は、例えば、脱係合された後に再度係合可能であってよい。加えて、第2係合部312及び第4係合部322は、例えば、脱係合された後に再度係合可能であってよい。
【0035】
第1本体側連結部31と第2本体側連結部32とを含む連結部30(具体的には第1~第4係合部)は、例えば、既知の部材から選択される少なくとも1つによって形成されていてよい。当該既知の部材は、例えば、嵌脱可能な凸部品及び凹部品を備える嵌合部材(例えばスナップボタン)、ホック、ボタン及びボタンホール、磁石、面ファスナ、並びにジッパーから選択される少なくとも1つによって形成されていてよい。これらの部材の中で、好ましい部材は、嵌脱可能な凸部品及び凹部品を備える嵌合部材(例えばスナップボタン)である。例えば、連結部(第1~第4係合部)が面ファスナによって形成されている場合、連結(係合)位置にばらつきが生じることにより、連結力が低下する可能性がある。具体的には、例えば、面ファスナを構成するループ面とフック面とが重ね合わされる面積が少ないと、連結力が低下する可能性がある。一方、上記嵌合部材の場合、連結(係合)位置にばらつきが生じにくいため、上述のような連結力の低下が抑制されうる。また、上記嵌合部材は、係合及び脱係合を容易に行うことができる部材の1つである。連結部30が上記嵌合部材で形成されていることにより、第1本体10及び第2本体20の連結及び分離を容易に行うことができる。
【0036】
1-2-2.第1本体及び第2本体
【0037】
次に、
図1を参照しながら、第1本体10及び第2本体20の構成について説明する。第1本体10及び第2本体20は、それぞれ、少なくとも1つの医療用固定材を保持する固定材保持部を含む。すなわち、第1本体10は、少なくとも1つの医療用固定材を保持する固定材保持部を含む。第2本体20は、少なくとも1つの医療用固定材を保持する固定材保持部を含む。
図1には、固定材保持部の例として、第1固定材保持部15、第2固定材保持部22、及び第3固定材保持部16が示されている。第1固定材保持部15及び第3固定材保持部16は、第1本体10に設けられている。第2固定材保持部22は、第2本体20に設けられている。
【0038】
図1に示されるように、第1固定材保持部15及び第2固定材保持部22は、連結部30によって分離可能に連結されていてよい。連結された第1固定材保持部15及び第2固定材保持部22は、1つの固定材保持部を形成していてよく、これにより1つ以上の医療用固定材を共同で保持可能であってよい。このように、第1固定材保持部15及び第2固定材保持部22が一体となった構成を有することにより、装具1は、面積の広い医療用固定材(例えば長尺の医療用固定材)を保持できる。
【0039】
上述した構成において、連結部30に含まれる第1本体側連結部31(
図4参照)は、第1固定材保持部15に設けられていてよく、具体的には第1固定材保持部15の下端部の少なくとも一部に設けられていてよい。また、連結部30に含まれる第2本体側連結部32(
図4参照)は、第2固定材保持部22に設けられていてよく、具体的には第2固定材保持部22の上端部の少なくとも一部に設けられていてよい。
【0040】
1-2-3.第1固定材保持部及び第3固定材保持部
【0041】
次に、引き続き
図1を参照しながら、第1本体10に設けられている第1固定材保持部15及び第3固定材保持部16の構成について説明する。装具1(第1本体10)を身体側から見た平面視において、第1固定材保持部15及び第3固定材保持部16は、左右に並んで配置されていてよい。例えば、第1固定材保持部15は右側に、第3固定材保持部16は左側に配置されていてよい。
【0042】
第1固定材保持部15及び第3固定材保持部16は、例えば、帯状部材13を挟んで左右に配置されていてよい。すなわち、第1本体10は、帯状部材13を含んでいてよい。第1本体10において、中間部に帯状部材13が配置され、帯状部材13の右側に第1固定材保持部15が配置され、帯状部材13の左側に第3固定材保持部16が配置されていてよい。
図1に示される帯状部材13は上下方向に延びており、
図1の上下方向は帯状部材13の長さ方向、
図1の左右方向は帯状部材13の幅方向である。
【0043】
第1固定材保持部15は、医療用固定材を収容する主収容領域151を含む。主収容領域151は、医療用固定材の全体を収容する領域であってよく、又は、医療用固定材の大部分を収容する領域であってもよい。「医療用固定材の大部分」とは、例えば、医療用固定材の表面積の70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、又は98%以上であってよいが、これらに限定されない。
【0044】
主収容領域151は、医療用固定材を出し入れ可能に開口している主収容口152を有する。医療用固定材は、主収容口152から挿入され、主収容領域151に収容されることによって、保持される。
【0045】
主収容領域151は、装具1(第1本体10)の装着時において、外側に位置する第1ベース部材11と、身体側に位置する主カバー部材153とを含んでいてよい。すなわち、主収容領域151は、第1ベース部材11及び主カバー部材153によって形成されていてよく、これらによって囲まれた領域であってよい。
図1では、主カバー部材153を主収容口152から開いて(主カバー部材153を右方向に開いて)、主収容領域151及び第1ベース部材11が視認可能に描写されている。
図1に示されるように、第1ベース部材11の左端部の少なくとも一部は、帯状部材13に接合されていてよい。
【0046】
主収容口152は、第1ベース部材11及び主カバー部材153が部分的に接合されることよって形成されていてよい。例えば、第1ベース部材11及び主カバー部材153は、
図1に示されるように右端部において接合されていてよい。第1ベース部材11及び主カバー部材153の接合されていない部分、すなわち、下端部、左端部及び上端部が、主収容口152であってよい。
【0047】
主収容口152の少なくとも一部は、好ましくは、装具1(第1本体10)を身体側から見た平面視において、内側に向かって開口している。「内側に向かって開口している」とは、具体的には、医療用固定材を保持可能な状態(主カバー部材153を閉じた状態)において、主収容口152の少なくとも一部が、装具1(第1本体10)の中間部の方向を向いた開口部を形成していることをいう。
図1に示される第1本体10においては、帯状部材13が第1本体10の中間部に配置されており、主カバー部材153を閉じると、主収容口152は、中間部の方向(帯状部材13の方向)に向いた開口部となる。
【0048】
上述のように主収容口152が内側に向かって開口していることにより、装着時などにおいて医療用固定材が第1固定材保持部15から落下しにくくなる。例えば、第1固定材保持部15によって医療用固定材を保持している装具1を、
図2A~2Dに示されるように前腕及び肘に装着する場合を想定する。装具1の装着時においては、通常、橈骨側を重力方向と逆方向に向けて肘を90°程度屈曲した状態で、帯状部材13及びその周辺が橈骨側にあてがわれる(
図2C参照)。この時、身体側に配置される主収容口152は、重力方向と逆方向に向いているため、医療用固定材が主収容口152から下方向(すなわち重力方向)へ落ちる可能性は低くなる。
【0049】
なお、主収容口152は、内側に向かって開口している形態に限定されず、内側に向かって開口していない形態であってもよい。内側に向かって開口していない場合、装着時などにおいて医療用固定材が落下しやすくなる可能性がある。この場合、医療用固定材を落下しにくくするため、医療用固定材の収容口を閉じるための係合手段(例えば、面ファスナ、スナップボタン、又はホックなど)を収容口に設けることが好ましい。しかしながら、このような係合手段が設けられていると、医療用固定材を出し入れする際に係合手段の係合及び脱係合が必要となって手間が増える。一方、上述した主収容口152のように医療用固定材が落下しにくい構成であると、このような係合手段は必須ではなく、係合手段が無い場合には医療用固定材の出し入れをより簡便に行うことができる。
【0050】
第1固定材保持部15は、好ましくは、医療用固定材の端部を収容する端部収容領域154を含む。端部収容領域154は、具体的には、医療用固定材の端部のみ収容する領域であってよい。医療用固定材の端部が端部収容領域154に収容されることによって、主収容領域151に収容された医療用固定材の位置ずれが抑制されうる。
【0051】
端部収容領域154に収容される医療用固定材の端部は、例えば、医療用固定材の周縁部の一部を含む部分であってよい。医療用固定材が、例えば角部又は丸角部を有する形状である場合、端部収容領域154に収容される医療用固定材の端部は、好ましくは角部又は丸角部である。例えば、医療用固定材が硬化性樹脂を用いて形成されている場合、一般に、硬化前の医療用固定材を装具に収容し、その後医療用固定材を硬化させる。この場合、医療用固定材の角部及び丸角部は、装具への収容時に折れ又は皺が生じやすい部分である。収容時において医療用固定材に折れ又は皺が生じると、装具の適切な位置に医療用固定材が配置されない可能性がある。しかしながら、上述したように角部又は丸角部の収容に適した端部収容領域154を有していることにより、収容時に角部又は丸角部に折れ及び皺が生じていないかを目視で確認しやすくなる。その結果、角部又は丸角部に折れ及び皺が生じにくくなって、医療用固定材が適切な位置に配置されやすくなる。
【0052】
なお、本実施形態において、主収容口152は上述した形態に限定されない。例えば、主収容口152の少なくとも一部は、装具1(第1本体10)を身体側から見た平面視において、周辺側に向かって開口していてもよい。「周辺側に向かって開口している」とは、具体的には、医療用固定材を保持可能な状態(主カバー部材153を閉じた状態)において、主収容口152の少なくとも一部が、装具1(第1本体10)の周辺部の方向(中間部と逆の方向)を向いた開口部を形成していることをいう。
【0053】
端部収容領域154は、医療用固定材の端部を出し入れ可能に開口している端部収容口155を有する。医療用固定材の端部は、端部収容口155から挿入され、端部収容領域154に収容されることによって、保持される。
【0054】
端部収容領域154は、装具1(第1本体10)の装着時において、外側に位置する第1ベース部材11と、身体側に位置する端部カバー部材156とを含んでいてよい。すなわち、端部収容領域154は、第1ベース部材11及び端部カバー部材156によって形成されていてよく、これらによって囲まれた領域であってよい。
【0055】
端部収容口155は、第1ベース部材11及び端部カバー部材156が部分的に接合されることによって形成されていてよい。例えば、第1ベース部材11及び端部カバー部材156は、
図1に示されるように上端部及び左端部において接合されていてよい。第1ベース部材11及び端部カバー部材156が接合されていない部分、すなわち、主収容領域151(主収容口152及び主カバー部材153)と向かい合う部分が、端部収容口155であってよい。
【0056】
装具1(第1本体10)を身体側から見た平面視において、端部収容口155は、好ましくは、主収容領域151に向かって開口している。具体的には、主収容口152の少なくとも一部及び端部収容口155の少なくとも一部は、好ましくは、互いに向かい合って配置されている。このように互いに向かい合う主収容口152及び端部収容口155を開いて医療用固定材を収容する構成とすることにより、主収容領域151及び端部収容領域154の奥まった部分を視認しやすくなる。そのため、医療用固定材を収容する際に、医療用固定材の周縁部に折れ及び皺が生じていないかを目視で確認しやすくなる。その結果、医療用固定材の周縁部に折れ及び皺が生じにくくなって、医療用固定材が適切な位置に配置されやすくなる。
【0057】
主収容領域151の主カバー部材152を閉じた状態において、主カバー部材152の少なくとも一部及び端部カバー部材154の少なくとも一部は、好ましくは、互いに重なり合う。これにより、主収容領域151及び端部収容領域154に収容された医療用固定材の位置ずれが効果的に抑制されうる。なお、主カバー部材152及び端部カバー部材154の形態はこれに限定されない。例えば、主カバー部材152及び端部カバー部材154を閉じた状態において、両者が互いに重なっていなくてもよい。
【0058】
次に、第3固定材保持部16の形状は、例えば、第1固定材保持部15と同じような形状であってよい。第3固定材保持部16は、例えば、第1本体10の中間部(例えば帯状部材13)を対象軸として第1固定材保持部15と線対称又は略線対称の形状であってもよい。「略線対称の形状」とは、形状が完全な線対称である必要はないことを意味し、例えば、同じ機能を有する部材及び領域が略線対称の位置に設けられているが、一部の部材及び/又は形状が異なる場合を含む。
【0059】
図1に示される第3固定材保持部16は、帯状部材13を対象軸として第1固定材保持部15と略線対称の形状であるが、一部の部材及び形状が第1固定材保持部15と異なる。第3固定材保持部16は、主収容領域161と、端部収容領域164とを含む。主収容領域161は、主収容口162を有する。端部収容領域164は、端部収容口(図示せず)を有する。主収容領域161は、帯状部材13に接合されている第2ベース部材(図示せず)と、主カバー部材163とを含む。端部収容領域164は、第2ベース部材(図示せず)と、端部カバー部材166とを含む。第3固定材保持部16に含まれるこれらの部材及び領域の詳細は、第1固定材保持部15において説明したとおりであり、当該説明が第3固定材保持部16にも当てはまる。
【0060】
第3固定材保持部16は、例えば次の点において第1固定材保持部15と異なる。第3固定材保持部16は、下端部に連結部30(第1本体側連結部31)を有していない。第3固定材保持部16の左下端部169において、主カバー部材163及び第2ベース部材が接合されている。第3固定材保持部16の右下端部は接合されていない。これにより、主カバー部材163の開きやすさを確保しつつ、医療用固定材が下端部からはみ出しにくいようになっている。
【0061】
1-2-4.第2固定材保持部
【0062】
次に、引き続き
図1を参照しながら、第2固定材保持部22の構成について説明する。第2固定材保持部22は、医療用固定材を収容する収容領域221を含む。収容領域221は、医療用固定材を出し入れ可能に開口している収容口222を有する。第2固定材保持部22は、収容口222から挿入された医療用固定材を収容領域221に収容することによって、当該医療用固定材を保持できる。
【0063】
収容領域221は、装具1の装着時において、外側に位置するベース部材21と、身体側に位置するカバー部材223とを含んでいてよい。すなわち、収容領域221は、ベース部材21及びカバー部材223によって形成されていてよく、これらによって囲まれた領域であってよい。
図1では、カバー部材223を収容口222から開いて(カバー部材223を右方向に開いて)、収容領域221及びベース部材21が視認可能に描写されている。
【0064】
収容口222は、ベース部材21及びカバー部材223が部分的に接合されることによって形成されていてよい。例えば、ベース部材21及びカバー部材223は、
図1に示されるように右端部、下端部及び左下端部において接合されていてよい。ベース部材21及びカバー部材223の接合されていない部分、すなわち、左下端部を除く左端部及び上端部が、収容口222であってよい。
【0065】
収容口222は、好ましくは、第1固定材保持部15の主収容口152と同じ方向に向かって開口している。これにより、第1固定材保持部15及び第2固定材保持部22が連結されて1つの固定材保持部を形成している場合に、一体となった収容口(第1固定材保持部15の主収容口152及び第2固定材保持部の収容口222)を開きやすくなる。
【0066】
1-2-5.第2本体が取り外された装具
【0067】
次に、
図5を参照しながら、第2本体が取り外された状態の装具1について説明する。
図5は、
図1に示される第2本体20を取り外した状態を示す平面図である。
図5では、主カバー部材153を主収容口152からわずかに開いて(主カバー部材153を右方向にわずかに開いて)、主収容領域151及び第1ベース部材11の一部が視認可能に描写されている。
【0068】
図5に示される状態の装具1は、
図3A~3Cに示されるように身体に装着可能である。すなわち、第1本体10は、単独で、医療用固定材を装着できるように構成されている。
【0069】
第1本体10は、第1本体側連結部31を含む。第1本体側連結部31は第1係合部311及び第2係合部312を含む。第1本体10及び第2本体分離された状態において、第1係合部311及び第2係合部312は係合可能である。
図5に示される第1係合部311及び第2係合部312は、係合された状態である。このように係合されることによって、下端部から医療用固定材がはみ出しにくくなる。
【0070】
第1係合部311及び第2係合部312を係合可能とするため、第2本体20の一部は、
図1に示されるように、第1本体10の主収容領域151の内部と重なるように連結されることが好ましい。すなわち、
図1に示されるように、第1本体10及び第2本体20が連結された状態において、第2本体20の一部(例えば第2本体20の上端部)が、第1本体10の主収容領域151の内部(例えば主収容領域151の内部の下端部)に配置されていることが好ましい。この場合、好ましくは、第1係合部311は第1ベース部材11に設けられており、且つ、第2係合部312は主カバー部材153に設けられている。具体的には、
図1及び4から理解されるように、第1係合部311は、好ましくは、第1ベース部材11の、主カバー部材153に対向する面上に設けられている。第2係合部312は、好ましくは、主カバー部材153の、第1ベース部材11に対向する面上に設けられている。この場合において、第2本体側連結部20(第3係合部321及び第4係合部322)は、好ましくは、第2本体20の、第1本体10と対向する面上に設けられている。具体的には、
図1及び4から理解されるように、第3係合部321は、好ましくは、ベース部材21の、第1本体10(第1ベース部材11)に対向する面上に設けられている。第4係合部322は、好ましくは、カバー部材223の、主カバー部材153に対向する面上に設けられている。
【0071】
1-3.装具の材料
【0072】
本実施形態の装具を構成する部材は、主に繊維製品を用いて形成されている。当該繊維製品は、例えば、編物、織物、及び不織布などの各種生地であってよい。編物の生地としては、例えば、ダブルラッセル生地、平編生地、ゴム編(リブ編)生地、パール編生地、タック編生地、丸編生地、横編生地、トリコット生地、ラッセル生地、パイル編生地、及び添え糸編生地が挙げられる。上記各種生地に用いられる繊維及び糸としては、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、セルロース系繊維(例えば、綿、レーヨン、ポリノジック、及びリヨセルなど)、ポリウレタン系繊維、ポリオレフィン系繊維(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンなど)、アセテート系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、動物繊維(例えば、羊毛及びその他獣毛)、並びに、これらの繊維のうちの1種又は2種以上の組み合わせからなる糸が挙げられる。糸の種類としては、例えば、モノフィラメント、マルチフィラメント、撚糸、カバードヤーン、及びコアヤーン挙げられる。これらの糸は、伸縮加工及び嵩高加工などの各種加工が施されたものであってもよい。本実施形態の装具において用いられる繊維製品は、装具の装着部位及び装具の使用目的などに応じて選択され、1種又は2種以上の組み合わせであってよい。当該装具を構成する各部材は、全て同一種類の繊維製品から形成されている必要はなく、異なる種類の繊維製品から形成されていてもよい。
【0073】
上記装具に含まれる部材のうち、連結部、装着部材、取付部材、及び巻付部材といった所定の機能を有する部材は、上記繊維製品以外の当該機能を有する材料を用いて形成されていてよい。
【0074】
1-4.医療用固定材
【0075】
本実施形態に係る装具によって保持される医療用固定材は、身体の一部を固定するために形成された医療用具であり、例えば、後述する第3実施形態において説明される医療用固定材であってよい。また、当該医療用固定材は、当技術分野において既知の医療用固定材であってもよい。当該既知の医療用固定材としては、例えば、硬化性樹脂を含むシーネが挙げられる。医療用固定材の形状及びサイズは、固定される身体の部位及び形状、固定範囲、並びに固定方法などに応じて適宜選択されてよい。
【0076】
1-5.医療用固定材の収容例
【0077】
次に、
図6~8を参照しながら、本実施形態に係る装具における医療用固定材の収容例について説明する。
図6は、
図1において破線によって囲まれた領域を拡大した平面図である。
図6においては、主カバー部材163を主収容口162から開いて(主カバー部材163を左方向に開いて)、主収容領域161及び第2ベース部材12が視認可能に描写されている。
図7は、
図6に示されている主収容領域161に、医療用固定材900を収容している状態を示す模式図である。医療用固定材900を主収容領域161に保持させる際には、
図6及び7に示されるように、主カバー部材163を開いて、主収容領域161に医療用固定材900を置けばよい。その後、主カバー部材163を閉じると、医療用固定材900は、主カバー部材163と第2ベース部材との間に挟まれて保持される。
【0078】
図8は、
図6に示されている端部収容領域164に、医療用固定材900の丸角部910を収容している状態を示す模式図である。なお、医療用固定材900の丸角部910は、
図7にも示されている。医療用固定材900の丸角部910を端部収容領域164に保持させる際には、
図8に示されるように、端部カバー部材166を端部収容口165から開いて、端部収容領域に医療用固定材900の丸角部910を差し込めばよい。その後、端部カバー部材166を閉じると、医療用固定材900の丸角部910は、端部カバー部材166と第2ベース部材との間に挟まれて保持される。
【0079】
1-6.装具の用途
【0080】
本実施形態に係る装具は、身体の一部を固定する医療用固定材を装着するために用いられる。当該装具は、例えば、身体の一部の機能に何らかの障害が発生した際に、その障害の軽減を目的として、身体の一部を固定するために用いられうる。当該装具は、例えば、骨折、脱臼、又は筋肉、腱、靱帯、若しくは軟骨の損傷を治療することを目的として、身体の一部(患部)を固定するために用いられうる。
【0081】
本実施形態に係る装具は、身体の様々な部位に装着されうる。本実施形態に係る装具は、例えば、上肢に装着される上肢装具であってよい。上肢装具が装着される部位は、肩、上腕、肘、前腕、手関節、手、及び指から選択される少なくとも1箇所であってよい。一例として、本実施形態に係る装具は、第1本体及び第2本体によって前腕全体を固定し、第1本体のみによって前腕の手首側半分を固定する上肢装具であってよい。固定範囲を前腕の手首側半分から手首付近に狭められるように、第1本体をさらに分割可能な構成としてもよい。他の一例として、本実施形態に係る装具は、第1本体及び第2本体によって手の指以外の部分から肘を含み上腕までを固定し、第1本体のみによって前腕(手を含まない)から肘までを固定する上肢装具であってもよい。
【0082】
本実施形態に係る装具は、体幹に装着される体幹装具であってもよい。一例として、本実施形態に係る装具は、第1本体及び第2本体によって胸腰椎を固定し、第1本体のみによって腰椎を固定する体幹装具であってよい。他の一例として、本実施形態に係る装具は、第1本体及び第2本体によって体幹を背面から脇にかけて固定し、第1本体のみによって背面だけを固定する体幹装具であってもよい。
【0083】
本実施形態に係る装具は、下肢に装着される下肢装具であってもよい。一例として、本実施形態に係る装具は、第1本体及び第2本体によって大腿の股関節付近から膝、足首、及び足底までを固定し、第1本体のみによって大腿部中央付近から膝、及び下腿中央付近までを固定する下肢装具であってよい。他の一例として、本実施形態に係る装具は、第1本体及び第2本体によって下腿全体から足底までを固定し、第1本体のみによって下腿の足首側半分から足底までを固定する下肢装具であってよい。固定範囲を下腿の足首側半分から足首付近に狭められるように、第1本体をさらに分割可能な構成としてもよい。他の一例として、本実施形態に係る装具は、第1本体及び第2本体によって足関節の両側方及び踵をU字形状に固定し(第1本体によって足関節の内側及び外側を固定し且つ第2本体によって踵を固定し)、第1本体のみによって足関節の両側方を固定する(踵を固定しない)下肢装具であってよい。
【0084】
本実施形態に係る装具は、上述のように固定範囲を変えることが可能であるため、複数の固定部位の治療において、又は、複数の固定方法による治療において用いられうる。また、当該装具は、治療経過に応じて固定範囲が変わりうる疾患の治療において用いられうる。
【0085】
治療経過に応じて固定範囲が変わりうる疾患の一例として、橈骨遠位端骨折が挙げられる。橈骨遠位端骨折の治療では、初期(例えば骨折から2週間)にシュガートングシーネ固定を行う場合がある。シュガートングシーネ固定は、U字に似た形状のシーネを装着して患部の手掌側及び手背側を固定する方法である。橈骨遠位端骨折の場合、シュガートングシーネ固定によって肘を含む前腕が固定される。これにより、肘の屈曲及び伸展が制限されるため、長期間固定を継続すると肘が拘縮するおそれがある。そこで、2週間程度経過した後に、シュガートングシーネ固定を外し、肘を除く前腕を固定するギプス又はシーネを新たに装着して前腕固定を行う場合が多い。
【0086】
本実施形態に係る装具は、例えば、橈骨遠位端骨折の治療において用いられうる。すなわち、当該装具は、例えば、橈骨遠位端骨折治療用の装具であってよい。初期においては、
図2A~2Dに示されるように装具を装着することによって、シュガートングシーネ固定を行うことができる。その後、
図3A~3Cに示されるように装具を装着することによって、前腕シーネ固定を行うことができる。
【0087】
1-7.変形例
【0088】
第1実施形態に係る装具1の変形例について説明する。変形例に係る装具は、第1本体及び第2本体が一体形成されており且つ分離可能である点などにおいて、上記で説明した第1実施形態に係る装具1と相違している。以下、第1実施形態に係る装具1との相違点を中心に説明し、他の説明は必要に応じて省略する。説明がない点については、上記1-1.から1-6.において説明したとおりであってよい。
【0089】
本変形例に係る装具において、第1本体及び第2本体は、一体形成されている。例えば、本変形例において、
図1に示される第1ベース部材11及びベース部材21が単一生地によって形成され、主カバー部材153及びカバー部材223が単一生地によって形成されていてよい。
【0090】
本変形例において、一体形成された第1本体及び第2本体は分離可能であり、好ましくは切断によって分離可能である。第1本体及び第2本体は、好ましくは、はさみ及びカッターナイフなどの汎用的な切断手段によって切断可能な材料によって形成されている。
【0091】
本変形例において、第1本体は、第1係合部及び第2係合部(
図5参照)を有していることが好ましい。同図に示されるように、第2本体が分離されて第1本体のみを使用する際に第1係合部及び第2係合部を係合させることにより、医療用固定材が主収容領域からはみ出しにくくなる。
【0092】
本変形例に係る装具は、第1実施形態に係る装具1と比較して製造コストを削減できる。例えば、本変形例では、第1実施形態における連結部30の部材の少なくとも一部が不要となるため、その分装具を安価に製造できる。
【0093】
2.第2実施形態(固定用装具)
【0094】
本発明の第2実施形態に係る固定用装具について説明する。本実施形態に係る装具は、身体の一部を固定するために用いられる固定用装具であり、本発明に係る装具と、少なくとも1つの医療用固定材と、を含む。当該装具は、上記第1実施形態において説明したとおりであり、当該説明が本実施形態にも当てはまる。
【0095】
上記少なくとも1つの医療用固定材は、例えば、後述する第3実施形態において説明される医療用固定材であってよく、当該説明が本実施形態にも当てはまる。また、当該医療用固定材は、当技術分野において既知の医療用固定材であってもよい。当該既知の医療用固定材としては、例えば、水、熱、又は光によって硬化する硬化性樹脂を含むシーネが挙げられる。医療用固定材の形状及びサイズは、固定される身体の部位及び形状、固定範囲、並びに固定方法などに応じて適宜調整されてよい。
【0096】
3.第3実施形態(医療用固定材)
【0097】
3-1.医療用固定材の概要
【0098】
本発明の第3実施形態に係る医療用固定材について説明する。本実施形態に係る医療用固定材は、身体の一部を固定する医療用固定材である。当該医療用固定材は、例えば、上記第1実施形態に係る装具及び上記第2実施形態に係る固定用装具と共に用いられ、これらの装具によって身体の一部に装着される。また、本実施形態に係る医療用固定材は、当技術分野において既知の装具、包帯、又はスリーブ(筒状の保持具)によって身体の一部に装着されてもよい。
【0099】
医療用固定材の形状は、例えば、板状であってよい。本明細書において「板状」とは、面方向の長さに対して厚み方向の長さが十分に短い形状をいう。「板状」は、表面が平坦である態様に限定されず、例えば、表面に起伏がある態様、及び、表面に傾斜を有する態様(厚みの異なる部分を有する態様)を含みうる。また、「板状」は、撓み及び変形が生じない硬質の態様に限定されず、例えば、撓み又は変形が生じうる半硬質及び軟質の態様を含みうる。
【0100】
医療用固定材の形状は、好ましくは、長手方向及び短手方向を有する板状である。すなわち、医療用固定材の形状は、好ましくは、長手方向及び短手方向を有する形状の面を備える板状である。本明細書において「長手方向」とは、面の形状の相対的に幅の広い方向であり、「短手方向」とは、面の形状の相対的に幅の狭い方向である。長手方向と短手方向を区別できない形状(例えば正方形状及び円形状)は、長手方向及び短手方向の両方を有する形状と捉えられてよく、「長手方向及び短手方向を有する形状」に含まれてよい。また、上記面の形状は、例えば、幾何学的な形状用語によって表される形状(例えば、長方形状、台形状、及び楕円形状など)、形態比喩によって表される形状(例えば、星形状、ハート形状、及び三日月形状など)、並びにこれら以外の形状(例えば異形状)を含みうる。
【0101】
また、医療用固定材の形状は、好ましくは、角部又は丸角部を有している。後述する態様では、長手方向及び短手方向を有する矩形状の板状が例示されているが、医療用固定材の形状はこのような板状に限定されない。医療用固定材の形状は、装着される身体の部位、固定範囲、固定強度、及び固定方法などに応じて適宜選択されてよい。医療用固定材は、例えば、装着される身体の部位の形状に合わせて形成された湾曲部、屈曲部、又は切欠部などを有していてよい。
【0102】
本実施形態に係る医療用固定材は、少なくとも1つの固定用部材と、当該少なくとも1つの固定用部材を被覆する被覆部材と、を含む。
【0103】
固定用部材の形状は、医療用固定材の形状に応じて選択されてよい。固定用部材は、例えば板状であってよく、好ましくは長手方向及び短手方向を有する板状である。また、固定用部材は、例えば、角部又は丸角部を有していてよい。
【0104】
被覆用部材の形状は、医療用固定材を被覆可能な形状であればよく、例えばシート状であり、好ましくは長手方向及び短手方向を有するシート状である。
【0105】
固定用部材は、樹脂を含む。当該樹脂は、例えば、水硬化性樹脂、光硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂であってよい。未硬化の固定用部材を身体の一部に固定し、その後樹脂を硬化させることにより、身体の一部を固定できる。水硬化性樹脂としては、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー、触媒、及びその他添加物からなるポリウレタンプレポリマー組成物が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂などのアクリレート樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂が挙げられる。
【0106】
上記樹脂は、例えば基体に保持された状態で固定用部材に含まれていてよい。すなわち、固定用部材は、上記樹脂を保持している基体を含んでいてよい。当該基体は、例えば基布であってよい。当該基布は、例えば、編物、織物、及び不織布などの各種生地であってよい。当該各種生地に用いられる繊維としては、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、レーヨン繊維、及び綿繊維などから選択される1種又は2種以上の組み合わせが挙げられる。上記基布は、固定用部材の厚みをより薄くするため、好ましくはガラス繊維を用いて形成されている。厚みが薄いことによって身体に沿った形状に変形しやすくなり、その結果、固定用部材による固定力を向上できる。
【0107】
被覆部材は、例えば、編物、織物、及び不織布などの各種生地を用いて形成されていてよい。被覆部材は、好ましくは、はさみ及びカッターナイフなどの汎用的な切断手段によって切断可能な材料によって形成されている。
【0108】
本実施形態に係る医療用固定材は、固定用部材及び被覆部材以外の部材を含んでいてよい。医療用固定材は、例えば、板状の固定用部材の端面を取り囲む囲繞部材を含んでいてよい。囲繞部材は、例えば目の荒い網目構造を有していてよく、例えばポリエステル不織布によって形成されていてよい。固定用部材の基布がガラス繊維を用いて形成されている場合、囲繞部材を設けることにより、固定用部材の端面から出るガラス繊維が身体に触れないようにすることができる。また、囲繞部材の厚みを固定用部材と同等以下の厚みにすることにより、医療用固定材の厚み方向の凹凸を低減することができる。これにより、身体へのフィット性及び固定力を向上させることができる。
【0109】
本実施形態に係る医療用固定材として、例えば、特開2018-183419号公報に開示された医療用固定材が採用されてもよい。上述した囲繞部材は、例えば、特開2018-183419号公報に開示された保護材(端部保護材13)に相当する部材であってよい。
【0110】
3-2.第1の態様
【0111】
図9A、9Bを参照しながら、第3実施形態の第1の態様に係る医療用固定材500の構成について説明する。
図9A、9Bは、医療用固定材500を示す模式図である。
図9Aは、医療用固定材500の平面図である。
図9Bは、
図9Aに示される医療用固定材500を矢印D1の方向から見た模式図である。ただし、
図9Bにおいては、構成を理解しやすくするために、接触している部材同士の間隔を広げたり本来接合している部材同士を離隔したりする変更が加えられている。
【0112】
医療用固定材500は、互いに離隔して隣り合う2つ以上の固定用部材510と、当該2つ以上の固定用部材510を被覆する被覆部材520と、を含む。隣り合う2つ以上の固定用部材510の間に位置する離隔部590は、切断可能である。
【0113】
図9A、9Bにおいて、医療用固定材500の形状は、長手方向及び短手方向を有する矩形状の板状である。医療用固定材500の長手方向は、図中の左右方向である。同図において、上記2つ以上の固定用部材510の一例として、第1固定用部材511及び第2固定用部材512が示されており、それぞれの形状は、長手方向及び短手方向を有する矩形状の板状である。第1固定用部材511及び第2固定用部材512は、短手方向の長さは同一であるが、長手方向の長さは互いに異なる。被覆部材500の形状は、長手方向及び短手方向を有する矩形状のシート状である。
【0114】
第1固定用部材511及び第2固定用部材512は、互いに離隔して、短辺を向かい合わせにして、左右方向に隣り合っている。第1固定用部材511は、第2固定用部材512の左側に位置している。
【0115】
図9Bにおいて、被覆部材520の一例として、2つの被覆部材が示されており、具体的には、第1被覆部材521及び第2被覆部材522が示されている。第1被覆部材521は、固定用部材510の上側を被覆している。第2被覆部材522は、固定用部材510の下側を被覆している。第1被覆部材521及び第2被覆部材522の周縁部は、接合されている。当該接合は、例えば、接着剤若しくは両面テープなどによる接着、又は、超音波溶着などによる溶着であってよい。接合される部分は、周縁部の一部又は全部であってよい。なお、
図9Bにおいては、第1被覆部材521及び第2被覆部材522の周縁部は、接合されずに離隔して描写されている。
【0116】
医療用固定材500のサイズ、すなわち、固定用部材510(第1固定用部材511及び第2固定用部材512)と被覆部材520(第1被覆部材521及び第2被覆部材522)のサイズは、装着される身体の部位、固定範囲、固定強度、及び固定方法などに応じて適宜選択されてよい。
【0117】
隣り合う第1固定用部材511及び第2固定用部材512の間に位置する離隔部590おいて、例えば被覆部材520同士が接合されていてよく、具体的には第1被覆部材521及び第2被覆部材522が接合されていてよい。
図9に示されるように、離隔部590は、医療用固定材500の短手方向に形成されている。離隔部590において被覆部材520同士が接合されていることによって、第1固定用部材511及び第2固定用部材512の位置ずれが抑制されうる。離隔部590において、第1被覆部材521及び第2被覆部材522は、例えば、接着剤若しくは両面テープなどによって接着されていてよく、又は、超音波溶着などによって溶着されていてよい。なお、
図9Bにおいては、離隔部590において被覆部材520同士は接合されずに離隔して描写されている。
【0118】
離隔部590の形状は、
図9Aに示されるように直線状であってよく、又は、曲線状若しくは波形状などの直線状以外の形状であってもよい。また、離隔部590の形状は、同図に示されるように短手方向と平行であってよく、又は、平行でなくてもよい。離隔部590の形状は、離隔部590に隣接する固定用部材の形状を変更することによって調整される。
【0119】
離隔部590の数は、
図9A、9Bに示されるように1つであってよく、又は2つ以上であってもよい。離隔部590の数は、固定用部材の数を変更することによって調整される。
【0120】
離隔部590は、切断可能に構成されている。離隔部590は、好ましくは、はさみ及びカッターナイフなどの汎用的な切断手段によって切断可能に構成されている。
図9A、9Bに示される離隔部590上の仮想線(一点鎖線)は、切断可能な部分の一例を示している。離隔部590は、固定用部材510を含んでいないため、固定用部材510が硬化した後であっても、ギプスカッターなどの専用器具を使用せずに切断されうる。また、離隔部590において、被覆部材520(第1被覆部材521及び第2被覆部材522)同士が接合されている場合、離隔部590の切断後に、第1固定用部材511及び第2固定用部材512が切断面から露出しない。すなわち、切断後においても、第1固定用部材511及び第2固定用部材512が被覆部材520によって被覆された状態が維持される。
【0121】
図9A、9Bに示される離隔部590について、被覆部材520同士が接合される(すなわち、第1被覆部材521と第2被覆部材522とが接合される)形態を例示したが、離隔部590の形態は、これに限定されない。例えば、第1被覆部材521及び第2被覆部材522が、これらの間に配置された他の部材に接合されることによって(すなわち、第1被覆部材521と第2被覆部材522とが間接的に接合されることによって)、離隔部590が形成されていてもよい。当該他の部材は、例えば、上記3-1.において説明した囲繞部材(例えば、特開2018-183419号公報に開示された保護材)であってよい。すなわち、離隔部590において、囲繞部材の一部又は全部が被覆部材520に接合されていてもよい。当該接合は、例えば、接着剤若しくは両面テープなどによる接着、又は、超音波溶着などによる溶着であってよい。この場合、囲繞部材は、好ましくは、はさみ及びカッターナイフなどの汎用的な切断手段によって切断可能な材料によって形成されている。
【0122】
医療用固定材の固定範囲及び固定強度は、身体に装着される医療用固定材の面積によって変わりうる。固定用部材の硬化後に固定範囲又は固定強度を変えたい場合は、例えば、固定用部材を切断し一部を取り除けばよい。しかしながら、硬化後の固定用部材は非常に硬い。上述した離隔部590のような切断可能な部分を有していない従来の医療用固定材の場合、切断にはギプスカッターといった専用器具が必要である。したがって、従来の医療用固定材の固定範囲又は固定強度を硬化後に変えたい場合には、専用器具で固定用部材を切断し、その後医療用固定材の一部を取り除いたり全部を取り外したりする必要がある。医療用固定材の全部を取り外した場合は、固定範囲又は固定強度が異なる新たな医療用固定材を装着する必要がある。このように、従来の医療用固定材の場合、切断によって固定範囲又は固定強度を変えることは容易ではない。また、切断できても、切断面から固定用部材が露出するおそれがある。この場合、一部を取り除いて固定範囲が狭くなった医療用固定材を身体に装着する場合、固定用部材の材質によっては、切断面から露出した固定用部材が皮膚に刺激を与える可能性がある。また、患者によっては、固定用部材を切断する際のギプスカッターの振動及び音に恐怖心を抱く場合がある。
【0123】
これに対して、第1の態様に係る医療用固定材500は、第1固定用部材511及び第2固定用部材512の間において切断可能な離隔部590が形成されている。そのため、離隔部590を切断し、その後第1固定用部材511又は第2固定用部材512を取り除くことによって、固定範囲及び固定強度を容易に変更できる。したがって、例えば、治療経過に応じた固定範囲及び固定強度の調整を容易且つ適切に行うことができる。また、固定用部材510が離隔部590の切断後に切断面から露出しない構成とすることも可能であり、この場合上述したような皮膚への刺激は生じにくい。また、切断時にギプスカッターを使用する必要ないため、患者に精神的な負担を与えにくい。
【0124】
第1の態様に係る医療用固定材500は、一例として、橈骨遠位端骨折の治療において用いられうる。当該治療の流れの概要は次のとおりである。
図1に示される装具1の第1固定材保持部15及び第2固定材保持部22に、医療用固定材500を収容する。その後、
図2A~2Dに示されるように、装具1と医療用固定材500とを含む固定用装具を、肘を含む前腕に装着する。装着後、固定用部材510を硬化させる。これにより、シュガートングシーネ固定を行うことができる。2週間程度経過した後に、当該固定用装具を外し、医療用固定材500を取り出す。医療用固定材500の離隔部590を切断し、肘に装着していた固定用部材を取り除く。装具1から第2本体20を取り外した後、第1本体10の第1固定材保持部15に肘以外の部分に装着していた固定用部材を収容し、
図3A~3Cに示されるように肘を除く前腕に装着する。これにより、前腕シーネ固定を行うことができる。なお、治療開始当初から継続して、第1本体10の第3固定材保持部16に医療用固定材を収容しておいてよい。すなわち、シュガートングシーネ固定及び前腕シーネ固定において、第3固定材保持部16によって保持されている他の医療用固定材が使用されてよい。
【0125】
3-3.第2の態様
【0126】
図10A、10Bを参照しながら、第3実施形態の第2の態様に係る医療用固定材600の構成について説明する。
図10A、10Bは、医療用固定材600を示す模式図である。
図10Aは、医療用固定材600の平面図である。
図10Bは、
図10Aに示される医療用固定材600を矢印D2の方向から見た模式図である。ただし、
図10Bにおいては、構成を理解しやすくするために、接触している部材同士の間隔を広げたり本来接合している部材同士を離隔したりする変更が加えられている。
【0127】
第2の態様に係る医療用固定材600は、第1の態様に係る医療用固定材500と類似の構成を有しているが、離隔部690が医療用固定材600の長手方向に形成されている点などが相違している。以下、第1の態様との相違点を中心に説明し、他の説明は必要に応じて省略する。説明がない点については、第1の態様と同一であってよく、上記第1の態様における説明が第2の態様にも当てはまる。
【0128】
医療用固定材600は、互いに離隔して隣り合う2つ以上の固定用部材610と、当該2つ以上の固定用部材610を被覆する被覆部材620と、を含む。隣り合う2つ以上の固定用部材610の間に位置する離隔部690は、切断可能である。
図10A、10Bには、当該2つ以上の固定用部材610の一例として、第1固定用部材611及び第2固定用部材612が示されている。
図10Bには、被覆部材620の一例として、第1被覆部材621及び第2被覆部材622が示されている。
【0129】
第1固定用部材611及び第2固定用部材612は、互いに離隔して、長辺を向かい合わせにして、上下方向に隣り合っている。第1固定用部材611は、第2固定用部材612の上側に位置している。
【0130】
隣り合う第1固定用部材611及び第2固定用部材612の間において、切断可能な離隔部690が形成されている。離隔部690は、医療用固定材600の長手方向に形成されている。
【0131】
離隔部690が長手方向に形成されていることにより、医療用固定材600は、身体に筒状に硬化された場合において身体から取り外しやすいという利点を有する。具体的には次のとおりである。例えば、従来の長尺の医療用固定材を前腕に沿って装着する場合、医療用固定材は前腕を巻き込むような形状で硬化されて装着される。当該医療用固定材を前腕から取り外す際には、ギプスカッターなどの専用器具で医療用固定材を切断する必要がある。これに対して、長手方向に切断可能な離隔部690が形成されている第2の態様に係る医療用固定材600の場合、離隔部690は硬化されてないため、従来のように専用器具で切断しなくても医療用固定材600を取り外すことができる。また、離隔部690を汎用的な切断手段で切断することによって、医療用固定材600を長手方向に分断できる。すなわち、医療用固定材600を前腕に沿って分断できる。分断された部分から医療用固定材600を開くことによって、医療用固定材600を前腕からより容易に取り外すことができる。また、このように離隔部690を切断することによって、医療用固定材600の一部を再度使用することができる。例えば、前腕の手掌側から橈側を通り手背側まで巻き込んだ形状であり且つ橈側に離隔部が形成された医療用固定材の場合、離隔部を切断することによって手掌側のみを再度使用することができる。
【0132】
第2の態様の構成は、例えば、第1の態様の構成と組み合わせられてよい。具体的には、本実施形態に係る医療用固定材において、2つ以上の離隔部が、医療用固定材の長手方向及び短手方向に形成されていてよい。したがって、本実施形態に係る医療用固定材において、離隔部は、長手方向及び/又は短手方向に形成されていてよい。
【0133】
3-4.第3の態様
【0134】
図11を参照しながら、第3実施形態の第3の態様に係る医療用固定材700の構成について説明する。
図11は、医療用固定材700を厚み方向から見た模式図である。ただし、
図11においては、構成を理解しやすくするために、接触している部材同士の間隔を広げたり本来接合している部材同士を離隔したりする変更が加えられている。以下、第1の態様との相違点を中心に説明し、他の説明は必要に応じて省略する。説明がない点については、第1の態様と同一であってよく、上記第1の態様における説明が第3の態様にも当てはまる。
【0135】
第3の態様に係る医療用固定材は、2つ以上の医療用固定材を組み合わせて構成されている。したがって、第3の態様に係る医療用固定材を、以下「一組の医療用固定材」ともいう。当該2つ以上の医療用固定材は、それぞれ、1つの固定用部材と、当該1つの固定用部材を被覆する被覆部材と、を含む。当該2つ以上の医療用固定材は、互いに重ねられた状態で、装具(例えば、上記第1実施形態に係る装具の固定材保持部)によって保持されうる。
【0136】
図11には、当該2つ以上の医療用固定材の一例として、第1医療用固定材701及び第2医療用固定材702が示されている。第1医療用固定材701は、1つの固定用部材710と、1つの固定用部材710を被覆する被覆部材720と、を含む。被覆部材720は、固定用部材710の上側を被覆する第1被覆部材721と、固定用部材710の下側を被覆する第2被覆部材722と、を含む。第2医療用固定材702は、1つの固定用部材730と、1つの固定用部材730を被覆する被覆部材740と、を含む。被覆部材740は、固定用部材730の上側を被覆する第1被覆部材741と、固定用部材730の下側を被覆する第2被覆部材742と、を含む。
【0137】
第1医療用固定材701及び第2医療用固定材702は、互いに重ねられている。具体的には、第1医療用固定材701が、第2医療用固定材702の上に重ねられている。第1医療用固定材701の第2被覆部材722と、第2医療用固定材702の第1被覆部材741と、の間には、第1医療用固定材701及び第2医療用固定材702を分離可能に接合する接合層790が設けられていてよい。すなわち、第3の態様に係る一組の医療用固定材においては、好ましくは、重ねられた医療用固定材同士が分離可能に接合されている。接合層790は、例えば、接着剤又は両面テープによって形成されていてよい。接合層790によって、重ねられた第1医療用固定材701及び第2医療用固定材702の位置ずれが抑制されうる。
【0138】
一組の医療用固定材700を構成する2つ以上の医療用固定材(第1医療用固定材701及び第2医療用固定材702)は、好ましくは、それぞれ長手方向及び短手方向を有する板状であってよい。この場合、2つ以上の医療用固定材の長手方向の長さは、互いに異なっていてよい。また、2つ以上の医療用固定材のうち少なくとも2つの医療用固定材の長手方向の長さが、同じであってもよい。同様に、2つ以上の医療用固定材の短手方向の長さは、互いに異なっていてよい。また、2つ以上の医療用固定材のうち少なくとも2つの医療用固定材の短手方向の長さが、同じであってもよい。このように、2つ以上の医療用固定材のサイズは、互いに異なっていてよく、一部が互いに異なっていてもよく、又は全て同じであってもよい。
【0139】
2つ以上の医療用固定材を重ねて構成されている一組の医療用固定材700は、固定強度を容易に変更できる。一組の医療用固定材700の固定強度は、重ねられる医療用固定材の数が多いほど、高くなりうる。例えば、一組の医療用固定材700から一部の医療用固定材を取り除くことによって、固定強度を低下させることができる。そのため、一組の医療用固定材700を用いることにより、治療経過に応じた固定強度の調整を容易且つ適切に行うことができる。
【0140】
また、サイズが一部又は全部異なる2つ以上の医療用固定材によって構成されている一組の医療用固定材700は、固定範囲を容易に変更できる。例えば、一組の医療用固定材700から一部の医療用固定材を取り除くことによって、固定範囲を狭めることができる。そのため、一組の医療用固定材700を用いることにより、治療経過に応じた固定範囲の調整を容易且つ適切に行うことができる。
【0141】
3-5.第4の態様
【0142】
図12を参照しながら、第3実施形態の第4の態様に係る医療用固定材800の構成について説明する。
図12は、医療用固定材800を厚み方向から見た模式図である。ただし、
図12においては、構成を理解しやすくするために、接触している部材同士の間隔を広げたり本来接合している部材同士を離隔したりする変更が加えられている。以下、第1及び第3の態様との相違点を中心に説明し、他の説明は必要に応じて省略する。説明がない点については、第1及び第3の態様と同一であってよく、上記第1及び第3の態様における説明が第4の態様にも当てはまる。
【0143】
第4の態様に係る医療用固定材は、2つ以上の医療用固定材を組み合わせて構成されている。したがって、第4の態様に係る医療用固定材を、以下「一組の医療用固定材」ともいう。当該2つ以上の医療用固定材は、それぞれ、1つの固定用部材と、当該1つの固定用部材を被覆する被覆部材と、を含む。当該2つ以上の医療用固定材のうち少なくとも1つの医療用固定材が、他の医療用固定材の内側に格納された状態で、装具(例えば、上記第1実施形態に係る装具の固定材保持部)などによって保持される。上記他の医療用固定材の被覆部材は、好ましくは、上記少なくとも1つの医療用固定材を取り出し可能な開口部を有している。これにより、被覆部材を切ることなく格納された医療用固定材を取り出すことができる。
【0144】
図12には、当該2つ以上の医療用固定材の一例として、第1医療用固定材801及び第2医療用固定材802が示されている。第1医療用固定材801は、1つの固定用部材810と、1つの固定用部材810を被覆する被覆部材820と、を含む。被覆部材820は、固定用部材810の上側を被覆する第1被覆部材821と、固定用部材810の下側を被覆する第2被覆部材822と、を含む。第2医療用固定材802は、1つの固定用部材830と、1つの固定用部材830を被覆する被覆部材840と、を含む。被覆部材840は、固定用部材830の上側を被覆する第1被覆部材841と、固定用部材830の下側を被覆する第2被覆部材842と、を含む。
【0145】
第2医療用固定材802は、第1医療用固定材801の内側に格納されている。具体的には、第2医療用固定材802は、第1医療用固定材801の固定用部材810と被覆部材820との間に格納されている。この場合において、第1医療用固定材801の被覆部材820(第1被覆部材821及び/又は第2被覆部材822)の一部が、好ましくは開口部を有している。当該開口部は、第2医療用固定材802を取り出し可能に形成されている。
【0146】
図12に示される一組の医療用固定材において、第2被覆部材842と、固定用部材810と、の間にさらに被覆部材が設けられていてもよい。これにより、固定用部材810に含まれる樹脂に、第2医療用固定材802がくっつきにくくなる。その結果、第2医療用固定材802を剥がして取り出しやすくなる。
【0147】
2つ以上の医療用固定材のうち少なくとも1つの医療用固定材が他の医療用固定材の内側に格納されている一組の医療用固定材800は、固定強度を容易に変更できる。一組の医療用固定材800の固定強度は、重ねられる医療用固定材の数が多いほど、高くなりうる。例えば、一組の医療用固定材800から一部の医療用固定材を取り除くことによって、固定強度を低下させることができる。そのため、一組の医療用固定材800を用いることにより、治療経過に応じた固定強度の調整を容易且つ適切に行うことができる。
【0148】
サイズが一部又は全部異なる2つ以上の医療用固定材によって構成されている一組の医療用固定材800は、固定範囲を容易に変更できる。例えば、一組の医療用固定材800から一部の医療用固定材を取り除くことによって、固定範囲を狭めることができる。そのため、一組の医療用固定材800を用いることにより、治療経過に応じた固定範囲の調整を容易且つ適切に行うことができる。
【0149】
一組の医療用固定材800において、2つ以上の医療用固定材のサイズは、上記第3の態様に係る医療用固定材700において説明したように、互いに異なっていてよく、一部が互いに異なっていてもよく、又は全て同じであってもよい。
【符号の説明】
【0150】
1 装具
10 第1本体
11 第1ベース部材
12 第2ベース部材
13 帯状部材
14 指挿入孔
15 第1固定材保持部
16 第3固定材保持部
17 装着部材
20 第2本体
21 ベース部材
22 第2固定材保持部
23 取付部材
30 連結部
31 第1本体側連結部
32 第2本体側連結部
40 手装着部材
41 指挿入孔
90 巻付部材
151,161 主収容領域
152,162 主収容口
153,163 主カバー部材
154,164 端部収容領域
155,165 端部収容口
156,166 端部カバー部材
221 収容領域
222 収容口
223 カバー部材
311 第1係合部
312 第2係合部
321 第3係合部
322 第4係合部