(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183100
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】収納ケース
(51)【国際特許分類】
B43K 23/00 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
B43K23/00 200M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096531
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】田谷 佳織
(57)【要約】
【課題】収納空間にデッドスペースが生じ難いようにするための好適な構成を有した収納ケースを提供する。
【解決手段】収納ケースは、物品を収納し得る収納空間spが形成された収納ケース本体Aと、収納ケース本体Aに傾斜するように設けられ収納空間spを仕切る仕切り部である第一、第二の仕切り部S1、S2とを備えたものである。収納ケース本体Aにおける少なくとも下部領域が、上側から下側に向かって幅狭になるように構成されているものとした。このようなものであれば、収納空間spにデッドスペースが生じ難いようにするための好適な構成を有した収納ケースを提供し得るものとなる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納し得る収納空間が形成された収納ケース本体と、この収納ケース本体に傾斜するように設けられ前記収納空間を仕切る仕切り部とを備えた収納ケースであって、
前記収納ケース本体における少なくとも下部領域が、上側から下側に向かって幅狭になるように構成されている収納ケース。
【請求項2】
前記収納ケース本体が、可撓性のある素材により構成されている請求項1記載の収納ケース。
【請求項3】
前記収納ケース本体の上部に、開閉可能に構成された開口部が設けられている請求項1記載の収納ケース。
【請求項4】
前記収納ケース本体が、前記下部領域の上に設けられ当該下部領域の外面側へ折り返し可能な上部領域を備えている請求項1記載の収納ケース。
【請求項5】
前記仕切り部が、前記下部領域に設けられている請求項4記載の収納ケース。
【請求項6】
前記収納ケース本体が、横長矩形状をなす底壁部分と、この底壁部分の前端部から立設された前壁部分と、前記底壁部分の後端部から立設された後壁部分と、前記底壁部分の左右両側端部から立設されるとともに前記前壁部分及び後壁部分の各側端部間を繋ぐ左右の側壁部分とを備えたものであり、
前記収納ケース本体が、正面視及び背面視において、上側から下側に向かって漸次幅狭になるように構成されたものであり、
前記仕切り部が、正面視及び背面視において、前記底壁部分に対して傾斜するように設けられたものである請求項1記載の収納ケース。
【請求項7】
前記下部領域における前記前壁部分と前記後壁部分との間に、前記収納空間を前後方向に仕切る間仕切部分が設けられたものであり、
前記前壁部分と前記間仕切部分と間、又は、前記後壁部分と前記間仕切部分との間に、前記仕切り部が配設されている請求項6記載の収納ケース。
【請求項8】
前記下部領域における前記前壁部分と前記後壁部分との間に、前記収納空間を前後方向に仕切る間仕切部分が設けられたものであり、
前記前壁部分と前記間仕切部分との間、又は、前記後壁部分と前記間仕切部分との間に、前記仕切り部を有しないポケット部が設けられている請求項6記載の収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の物品を収納し得る収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品を収納し得る収納空間が形成された収納ケース本体と、この収納ケース本体に傾斜するように設けられた仕切り部とを備えた収納ケースが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この種の収納ケースは、収納ケース本体が上側から下側に向かって次第に横幅が広くなる形状をなしていた。そのため、かかる構成のものでは、物品が配設され難く稼働度合の低いスペース(いわゆるデッドスペース)が生じやすいものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたものであり、少なくとも、収納空間にデッドスペースが生じ難いようにするための好適な構成を有した収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0007】
請求項1に記載の発明は、物品を収納し得る収納空間が形成された収納ケース本体と、この収納ケース本体に傾斜するように設けられ前記収納空間を仕切る仕切り部とを備えた収納ケースであって、前記収納ケース本体における少なくとも下部領域が、上側から下側に向かって幅狭になるように構成されている収納ケースである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記収納ケース本体が、可撓性のある素材により構成されている請求項1記載の収納ケースである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記収納ケース本体の上部に、開閉可能に構成された開口部が設けられている請求項1記載の収納ケースである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記収納ケース本体が、前記下部領域の上に設けられ当該下部領域の外面側へ折り返し可能な上部領域を備えている請求項1記載の収納ケースである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記仕切り部が、前記下部領域に設けられている請求項4記載の収納ケースである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記収納ケース本体が、横長矩形状をなす底壁部分と、この底壁部分の前端部から立設された前壁部分と、前記底壁部分の後端部から立設された後壁部分と、前記底壁部分の左右両側端部から立設されるとともに前記前壁部分及び後壁部分の各側端部間を繋ぐ左右の側壁部分とを備えたものであり、前記収納ケース本体が、正面視及び背面視において、上側から下側に向かって漸次幅狭になるように構成されたものであり、前記仕切り部が、正面視及び背面視において、前記底壁部分に対して傾斜するように設けられたものである請求項1記載の収納ケースである。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記下部領域における前記前壁部分と前記後壁部分との間に、前記収納空間を前後方向に仕切る間仕切部分が設けられたものであり、前記前壁部分と前記間仕切部分と間、又は、前記後壁部分と前記間仕切部分との間に、前記仕切り部が配設されている請求項6記載の収納ケースである。
【0014】
請求項8に記載の発明は、前記下部領域における前記前壁部分と前記後壁部分との間に、前記収納空間を前後方向に仕切る間仕切部分が設けられたものであり、前記前壁部分と前記間仕切部分との間、又は、前記後壁部分と前記間仕切部分との間に、前記仕切り部を有しないポケット部が設けられている請求項6記載の収納ケースである。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、収納空間にデッドスペースが生じ難いようにするための好適な構成を有した収納ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図5】同実施形態における収納ケース本体の上部領域を折り返した状態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、
図1~10を参照して説明する。なお、本実施形態における左右方向、及び、前後方向の設定は説明の便宜上のものである。
【0018】
この実施形態は、本発明を、筆記具j1、j2・消しゴムj3・転写具(いわゆるテープ糊・修正テープ)j4・シャープペンシル芯ケースj5・付箋j6等の物品Jを収納し得る収納空間spが形成された収納ケースに適用したものである。
【0019】
なお、収納空間spに収納される「物品J」は、文房具類や電子情報記録用具に限られないのはもちろんのことである。また、「収納ケース」とは、鞄、バッグ、ポーチ(化粧ポーチ等)、ケース(工具ケース等)と称されるようなものを広く含む概念である。
【0020】
収納ケースは、物品Jを収納し得る収納空間spが形成された収納ケース本体Aと、収納ケース本体Aに設けられ収納空間spを仕切る仕切り部である第一、第二の仕切り部S1、S2とを備えている。
【0021】
また、収納ケースには、第一の仕切り部S1の下方に収納部Bが設けられている。
【0022】
以下、本実施形態の収納ケースについて詳述する。
【0023】
<<収納ケース本体A>>
収納ケース本体Aは、可撓性のある素材により構成されている。より具体的に言えば、収納ケース本体Aは、布製の外装材a1と、外装材a1の内側に配された布製の内装材a2と、外装材a1と内装材a2との間に部分的に配設された芯材Cとを含んで構成されたものである。収納ケース本体Aを構成する素材である外装材a1、内装材a2、及び、芯材Cは所定の部分において縫着されている。
【0024】
収納ケース本体Aは、横長矩形状をなす底壁部分1と、底壁部分1の前端部から立設された前壁部分2と、底壁部分1の後端部から立設された後壁部分3と、底壁部分1の左右両側端部から立設されるとともに前壁部分2及び後壁部分3の各側端部間を繋ぐ左右の側壁部分4、5とを備えたものである。
【0025】
前壁部分2及び後壁部分3は、正面視又は背面視において、略逆台形状をなしている。
【0026】
収納ケース本体Aの上端部には、左右方向に延びるように設けられ止着具であるファスナFによって開閉可能に構成された開口部Kが設けられている。
【0027】
収納ケース本体Aは、その全体が、上側から下側に向かって幅狭になるように構成されている。収納ケース本体Aは、正面視又は背面視において、船形をなしている。収納ケース本体Aは、正面視又は背面視において、左右両側縁部が逆ハの字状をなしている。収納ケース本体Aを構成する左右の側壁部分4、5は、正面視又は背面視において、上側から下側に向かって漸次相寄る方向に位置するように構成されている。
【0028】
収納ケース本体Aは、下部領域Lと、下部領域Lの上に連続して設けられ下部領域Lの外面側へ折り返し可能な上部領域Hを備えている。
【0029】
下部領域Lは、物品Jを収納し得る収納空間spの主要部を構成するものである。下部領域Lは、底壁部分1と、前壁部分2の下部分、後壁部分3の下部分、及び、左右の側壁部分4、5の下部分を主体に構成されている。
【0030】
下部領域Lは、芯材Cにより補強された構造をなしている。下部領域Lは、芯材Cを含んで構成されている。下部領域Lを構成する底壁部分1の略全域、前壁部分2の下部分、及び、後壁部分3の下部分には、合成樹脂により作られた板状をなす芯材Cが内装されている。下部領域Lを構成する左右の側壁部分4、5には、芯材Cが内装されていないものとなっている。
【0031】
芯材Cは、下部領域Lの形態を安定させるためのものである。芯材Cは、下部領域Lを形成する外装材a1と内装材a2の間に配設されている。
【0032】
芯材Cは、
図10に示すように、底壁部分1を構成する底壁部分構成芯材部c1と、底壁部分構成芯材部c1の前端部に折曲線snを介して連設されてなり前壁部分2を構成する前壁部分構成芯材部c2と、底壁部分構成芯材部c1の後端部に折曲線snを介して連設されてなり後壁部分3を構成する後壁部分構成芯材部c3とを備えたものである。
【0033】
上部領域Hは、前壁部分2の上部分、後壁部分3の上部分、及び、左右の側壁部分4、5の上部分を主体に構成されている。上部領域Hには、芯材Cが内装されていないものとなっている。
【0034】
上部領域Hは、
図1~4に示すように、下部領域Lの上に連続して上方に延びた通常姿勢(T)と、
図5~9に示すように、基端部(下部領域Lとの境界部)において折り曲げられて下部領域Lの外面側に被さるように位置する折り返し姿勢(R)とを採り得るものとなっている。
【0035】
この実施形態では、下部領域Lにおける前壁部分2と後壁部分3との間には、収納空間spを前後方向に仕切る間仕切部分6が設けられている。間仕切部分6は、内装材a1と同じ素材の布材によって構成されている。
【0036】
間仕切部分6の左右両側端部は、左右の側壁部分4、5の内側に縫着されている。また、間仕切部分6の下端部は底壁部分1又は後壁部分3の下端部に連続するように設けられている。そして、収納ケース本体Aには、後壁部分3と間仕切部分6との間に、仕切り部を有しないポケット部Pが設けられている。ポケットPには、付箋j6等の比較的薄い形態の物品Jが好適に収納されるようになっている。
【0037】
<<第一の仕切り部S1>>
第一の仕切り部S1は、収納ケース本体Aの下部領域Lに傾斜するように設けられている。第一の仕切り部S1は、帯状をなす布材により構成されている。
【0038】
第一の仕切り部S1は、正面視において、右側から左側に向かって漸次下方に位置するように傾斜した姿勢をなしている。第一の仕切り部S1は、正面視及び背面視において、略水平姿勢をなす底壁部分1に対して傾斜するように設けられたものである。
【0039】
この実施形態では、第一の仕切り部S1は、収納ケース本体Aにおける対向関係にある壁部分間、すなわち、前壁部分2と間仕切部分6との間に配設されている。第一の仕切り部S1の幅寸法(前後方向寸法)は、底壁部分1の幅寸法(前後方向寸法)と略同じかそれよりも若干短い寸法に設定されている。
【0040】
第一の仕切り部S1は、ハンモック状に設けられている。すなわち、第一の仕切り部S1は、長手方向の両端部すなわち左右両端部e1、e2(上下両端部)が収納ケース本体Aに対して縫着により取り付けられたものであるとともに短手方向の両端部すなわち前後両端部が収納ケース本体Aに対して取り付けられていないものとなっている。
【0041】
この実施形態では、第一の仕切り部S1の左端部e1(下端部)は、底壁部分1に縫着されており、第一の仕切り部S1の右端部e2(上端部)は、右の側壁部分5に縫着されている。
【0042】
第一の仕切り部S1の前端部f1及び後端部f2は、収納ケース本体Aを構成する対向関係にある壁部分に対して縫着されていないものとなっている。換言すれば、収納ケースは、第一の仕切り部S1と前壁部分2との間、及び、第一の仕切り部S1と間仕切部分6との間に、互いに連結されていない前後の非連結部Qf、Qrが設けられている。
【0043】
収納ケースは、第一の仕切り部S1よりも上に位置する中間部の収納空間部分sp1と第一の仕切り部S1よりも下に位置する下側部の収納空間部分sp2(すなわち収納部B)との間を、前の非連結部Qf又は後の非連結部Qrを通じて物品Jを移動させることが可能な構成を有している。
【0044】
また、第一の仕切り部S1における下端部e1近傍には、第一の仕切り部S1の長手方向に対して交差する方向である上方向に突出する突出部Mが設けられている。突出部Mは、第一の仕切り部S1の長手方向に対して略直交する方向(中間部の収納空間部分sp1の方向)に片状に突出したものである。突出部Mは、第一の仕切り部S1が形成される帯状の布材と同じ布材によって構成されている。
【0045】
突出部Mは、第一の仕切り部S1の下端部e1に隣設されている。突出部Mには、
図9の例に示すように、第一の仕切り部S1の上面側に凭れ置かれた筆記具j1の下端部が当接し、当該筆記具j1がそれ以上に下降することが好適に抑制されるようになっている。
【0046】
すなわち、収納ケースには、第一の仕切り部S1における下端部e1に突出部Mが隣設されているため、収納空間spを構成する中間の収納空間部分sp1に収納された複数本の筆記具j1、j2の内、突出部Mによって下降が規制された特定の筆記具j1の位置と、突出部Mによって下降が規制されない他の筆記具j2の位置とを異ならせることができるものとなっている。
【0047】
つまり、突出部Mは、第一の仕切り部Sの上側(中間部の収納空間部分sp1)に収容された特定の筆記具j1の下端部を位置決めすることにより、複数本の筆記具j1、j2の上部を、使用者に対して視認し易くなるようにずらして位置させることに資するものとなっている。
【0048】
収納ケースには、下部領域Lの対角線に略沿うようにして、斜めに延びてなる第一の仕切り部S1が設けられている。このため、収納ケースは、第一の仕切り部S1の上に、筆記具j1、j2のような比較的長尺の物品Jを斜め姿勢に案内しつつ中間部の収納空間部分sp1に好適に収納し得るものとなっている。
【0049】
<<第二の仕切り部S2>>
第二の仕切り部S2は、収納ケース本体Aの下部領域Lに傾斜するように設けられたものである。第二の仕切り部S2は、帯状をなす布材により構成されている。第二の仕切り部S2は、正面視における下部領域Lの左上部分に傾斜するように設けられている。第二の仕切り部S2の上には、収納空間spを構成する上側部の収納空間部分sp3が形成されている。
【0050】
第二の仕切り部S2は、正面視において、右側から左側に向かって漸次下方に位置するように傾斜した姿勢をなしている。第二の仕切り部S2は、第一の仕切り部S1と略同じように、正面視及び背面視において、略水平姿勢をなす底壁部分1に対して傾斜するように設けられたものである。
【0051】
第二の仕切り部S2は、第一の仕切り部S1よりも長手寸法が短く設定されている。第二の仕切り部S2の右端部すなわち上端部e4は、第一の仕切り部S1の上端部e2と略同じ高さ位置に設けられているが、第二の仕切り部S2の左端部すなわち下端部e3は、第一の仕切り部S1の下端部e1よりも上に位置したものとなっている。
【0052】
この実施形態では、第二の仕切り部S2は、収納ケース本体Aにおける対向関係にある壁部分間、すなわち、前壁部分2と間仕切部分6との間に配設されている。第二の仕切り部S2の幅寸法(前後方向寸法)は、底壁部分1の幅寸法(前後方向寸法)と略同じかそれよりも若干短い寸法に設定されている。
【0053】
第二の仕切り部S2は、長手方向の下端部すなわち左端部e3が収納ケース本体Aにおける左の側壁部分4に対して縫着により取り付けられたものであるとともに短手方向の両端部すなわち前後両端部f3、f4が前壁部分2と間仕切部分6に対して縫着により取り付けられている。第二の仕切り部S2の上端部すなわち右端部e4は自由端になっている。
【0054】
なお、第二の仕切り部S2の上、すなわち、上側部の収納空間部分sp3には、
図9の例に示されるように、消しゴムj2等の比較的小型の物品Jが好適に収納されるものとなっている。
【0055】
<<収納部B>>
収納部Bは、第一の仕切り部S1の下に収納空間spを構成する下側部の収納空間部分sp2を形成したものである。収納部Bは、収納ケース本体Aの下部領域Lを構成する壁部分と第一の仕切り部S1とによって囲われてなる室状のものである。収納部Bは、ハンモック状をなす第一の仕切り部S1によって上側が覆われたものとなっている。
【0056】
収納部Bは、収納ケース本体Aにおける下部領域Lを構成する底壁部分1の一部、前壁部分2の一部、後壁部分3の一部、及び、右の側壁部分5の一部と、第一の仕切り部S1とによって囲われている。
【0057】
収納部Bは、第一の仕切り部S1と収納ケース本体Aとの間に設けられた前後の非連結部Qf、Qrを通じて、収納ケース本体Aの内部からアクセス可能に設けられている。
【0058】
すなわち、収納ケースは、第一の仕切り部S1の前端部f1と前壁部分2との間に設けられた前の非連結部Qf、及び、第一の仕切り部S1の後端部f2と間仕切部分6との間に設けられた後の非連結部Qrを通じて、収納ケース本体Aの内部から収納部Bに収納された物品Jを出し入れすることができるように構成されている。
【0059】
収納部Bは、平面視において、第一の仕切り部S1によって覆い隠されたものとなっている。このため、
図9の例に示されるように、収納部Bには、使用頻度の比較的少ない物品J(例えば、転写具j4)やセキュリティー性の比較的高い物品J(例えば、USBメモリー等の記録媒体)を収納させるのに好適なものとなっている。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係る収納ケースは、物品Jを収納し得る収納空間spが形成された収納ケース本体Aと、収納ケース本体Aに傾斜するように設けられ収納空間spを仕切る仕切り部である第一、第二の仕切り部S1、S2とを備えたものである。そして、収納ケース本体Aが、上側から下側に向かって幅狭になるように構成されている。
【0061】
このため、この実施形態であれば、収納空間spにデッドスペースが生じ難いようにするための好適な構成を有した収納ケースを提供し得るものとなる。
【0062】
つまり、収納ケース本体Aが、上側から下側に向かって幅狭になるように構成されているため、当該収納ケース本体Aにより形成された収納空間spにおける下部の角部分に、物品Jを配設し難くなるような形態部分が生じ難いものとなっている。
【0063】
加えて、収納ケース本体Aは、上側から下側に向かって幅狭になるように構成されているものであるため、全体として、鞄等に収容された場合でも嵩張りが抑制され得るものとなっている。
【0064】
収納ケース本体Aが、可撓性のある素材により構成されている。
【0065】
このため、収納ケース本体Aは、収納されるべき物品Jとの衝突に伴う大きな音が生じ難いだけでなく、使用者の手触り感や使い勝手に優れた収納ケース本体Aが実現されたものとなっている。
【0066】
収納ケース本体Aの上部に、開閉可能に構成された開口部Kが設けられている。
【0067】
このため、開閉可能な開口部Kを通じて収納ケース本体Aに対して物品Jを好適に出し入れすることができるようになっている。
【0068】
収納ケース本体Aが、下部領域Lの上に設けられ当該下部領域Lの外面側へ折り返し可能な上部領域Hを備えている。
【0069】
このため、上部領域Hを下部領域Lの外面側へ折り返すことにより、下部領域Lに収容された物品Jの視認性や手指の挿入し易さに優れた収納ケース本体Aを構成し得るものとなる。
【0070】
また、上側から下側に向かって幅狭になるように構成されている収納ケース本体Aにおける上部領域Hを下部領域Lの外面側へ折り返すことにより、強度が向上するものとなり、収納ケース本体Aの形態が安定し得るものとなっている。
【0071】
特にこの実施形態では、上部領域Hが下部領域Lの外面側に折り返されている場合に、左右の側壁部分4、5における下部領域Lを構成する部位と、左右の側壁部分4、5における上部領域Hを構成する部位との間に隙間が形成され易いものとなっている。このため、下部領域Lと上部領域Hとの間の隙間に、手指を挿入し易いものとなり、持ち運びや天板等の載置面上の移動を容易に行えるものとなっている。
【0072】
第一、第二の仕切り部S1、S2が、下部領域Lに設けられている。
【0073】
このため、下部領域Lに収納された種々の物品Jは、第一、第二の仕切り部S1、S2を利用して使用者からの視認性に優れた位置に配設され得るものとなっている。
【0074】
収納ケース本体Aが、横長矩形状をなす底壁部分1と、底壁部分1の前端部から立設された前壁部分2と、底壁部分1の後端部から立設された後壁部分3と、底壁部分1の左右両側端部から立設されるとともに前壁部分2及び後壁部分3の各側端部間を繋ぐ左右の側壁部分4、5とを備えたものである。そして、収納ケース本体Aが、正面視及び背面視において、上側から下側に向かって漸次幅狭になるように構成されたものであり、第一、第二の仕切り部S1、S2が、正面視及び背面視において、底壁部分1に対して傾斜するように設けられたものである。
【0075】
このため、収納空間spにデッドスペースが生じ難いようにするための好適な構成を有した収納ケースを提供し得るものとなる。また、底壁部分1に対して傾斜するように第一、第二の仕切り部S1、S2が設けられているため、収納ケース本体Aと協働して物品Jを収納空間spに効率よく収納し得るものとなっている。
【0076】
下部領域Lにおける前壁部分2と後壁部分3との間に、収納空間spを前後方向に仕切る間仕切部分6が設けられたものである。そして、前壁部分2と間仕切部分6との間に、第一、第二の仕切り部S1、S2が配設されている。
【0077】
このため、前壁部分2と間仕切部分6との間に、物品Jの整然とした収納に資する第一、第二の仕切り部S1、S2が好適に配されたものとなっている。
【0078】
下部領域Lにおける前壁部分2と後壁部分3との間に、収納空間spを前後方向に仕切る間仕切部分6が設けられたものである。そして、後壁部分3と間仕切部分6との間に、仕切り部を有しないポケット部Pが設けられている。
【0079】
このため、ポケット部Pを利用して、種々の物品Jを好適に収容し得るものとなっている。
【0080】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0081】
収納ケースは、収納ケース本体における少なくとも下部領域が、上側から下側に向かって幅狭になるように構成されているものであればよく、その具体的な態様は上述した実施形態に示されたものに限られない。
【0082】
収納ケース本体の上部領域が、上側から下側に向かって幅狭になるように構成されていないものであってもよい。
【0083】
収納ケース本体における「上側から下側に向かって幅狭」になる構成は、上述したような漸次幅狭になるものに限られるものではない。例えば、収納ケース本体が上側から下側に向かって階段状に幅狭に構成されたものであってもよい。例えば、収納ケース本体が、傾斜した側壁部分に基づいて下方に向かって漸次幅狭になる部分、及び、略鉛直方向に延びた側壁部分に基づいて下方に向かって漸次幅狭にならない部分を交互に設けた構成のものであってもよい。
【0084】
収納部は、収納ケース本体の外部からアクセス可能に設けられたものであってもよい。すなわち、収納ケースは、収納ケース本体を構成する前壁部分、後壁部分、左右の側壁部分、又は、底壁部分に、収納部に対してアクセス可能な開口部を設けた構成のものであってもよい。なお、収納ケース本体の外部から収納部に対してアクセス可能な開口部を設けた場合には、ファスナやスナップボタン等の止着具を使用して閉止状態を好適に維持し得るように構成されることが望ましい。
【0085】
収納部は、内部に被収納物を予め収納させたものであり、且つ、アクセス不能に設けられたものであってもよい。すなわち、収納部は、収納部に対して被収納物を出し入れすることができないように構成されたものであってもよい。
このような収納部に対して予め収納させた被収納物としては、例えば、マグネットやスピーカー等を挙げることができる。
【0086】
収納ケース本体は、外装材と、内装材とを含んで構成されたものに限られるものではなく、単一又は複数の布材により構成されたものであってもよい。
【0087】
収納ケース本体は、間仕切部分が設けられていない構成のものであってもよい。換言すれば、収納ケース本体にポケット部が設けられていない構成のものであってもよい。
【0088】
仕切り部の配設箇所は配設される数や傾斜方向は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設定し得るものであることは言うまでもない。
【0089】
仕切り部は、収納ケース本体に一つだけ設けられたものであってもよいし、二以上の複数設けられたものであってもよい。
【0090】
仕切り部は、長手方向両端部と短手方向の一端部だけが収納ケース本体に対して取り付けられた構成のものであってもよいし、短手方向両端部だけが収納ケース本体に対して取り付けられた構成のものであってもよい。
【0091】
仕切り部における短手方向の一端部又は両端部が、マグネットや面ファスナ等の止着具を利用して収納ケース本体に対して着脱可能に構成されたものであってもよい。
【0092】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0093】
A…収納ケース本体
S1…第一の仕切り部(仕切り部)
S2…第二の仕切り部(仕切り部)
B…収納部
L…下部領域
H…上部領域
1…底壁部分
2…前壁部分
3…後壁部分
4…左の側壁部分
5…右の側壁部分
6…間仕切部分
sp…収納空間