IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝メモリ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183107
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】メモリシステムおよび配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
H05K1/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096550
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 健太
(72)【発明者】
【氏名】加賀 正之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勝治
(72)【発明者】
【氏名】井野 恒頼
(72)【発明者】
【氏名】青木 慎
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338BB61
5E338BB65
5E338BB75
5E338CD13
5E338EE31
(57)【要約】
【課題】配線板における電子部品の実装面積の低減を抑制する。
【解決手段】メモリシステムは、第1、第2の配線と、第1の側面と、を有する第1の配線板と、第3、第4の配線と、第2の側面と、を有する第2の配線板と、第1、第2の側面の一方に設けられる第1、第2の凸部と、第1、第2の側面の他方に設けられる第1、第2の凹部と、第1、第2の配線板にそれぞれ実装されるメモリ、メモリコントローラと、を具備する。第1、第2の凸部は、第1、第3の配線の一方、第2、第4の配線の一方からそれぞれ延在する。第1、第2の凹部は、第1、第3の配線の他方、第2、第4の配線の他方に面する。第1の凸部および第1の凹部は、互いに嵌合され、第1、第3の配線を介してメモリとメモリコントローラとを電気的に接続する。第2の凸部および第2の凹部は、互いに嵌合され、第2、第4の配線を介してメモリとメモリコントローラとを電気的に接続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配線と、第2の配線と、第1の側面と、を有する第1の配線板と、
第3の配線と、第4の配線と、第2の側面と、を有する第2の配線板と、
前記第1の側面および前記第2の側面の一方にそれぞれ独立して設けられる第1の凸部および第2の凸部と、
前記第1の側面および前記第2の側面の他方にそれぞれ独立して設けられる第1の凹部および第2の凹部と、
前記第1の配線板に実装されて前記第1の配線および前記第2の配線に電気的に接続されるメモリと、
前記第2の配線板に実装されて前記第3の配線および前記第4の配線に電気的に接続されるメモリコントローラと、
を具備し、
前記第1の凸部は、前記第1の配線および前記第3の配線の一方から延在し、
前記第2の凸部は、前記第2の配線および前記第4の配線の一方から延在し、
前記第1の凹部は、前記第1の配線および前記第3の配線の他方に面し、
前記第2の凹部は、前記第2の配線および前記第4の配線の他方に面し、
前記第1の凸部および前記第1の凹部は、互いに嵌合され、前記第1の配線と前記第3の配線とを介して前記メモリと前記メモリコントローラとを電気的に接続し、
前記第2の凸部および前記第2の凹部は、互いに嵌合され、前記第2の配線と前記第4の配線とを介して前記メモリと前記メモリコントローラとを電気的に接続する、メモリシステム。
【請求項2】
前記第1の配線および前記第2の配線は、互いに異なる層に設けられ、
前記第3の配線および前記第4の配線は、互いに異なる層に設けられる、請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項3】
前記第1の凸部、前記第2の凸部、前記第1の凹部、および前記第2の凹部の少なくとも一つの表面に設けられた金属膜をさらに具備する、請求項1または請求項2に記載のメモリシステム。
【請求項4】
前記第2の配線板は、それぞれ前記第3の配線および前記第4の配線と異なる第5の配線および第6の配線と、前記第2の側面と異なる第3の側面と、をさらに有し、
第7の配線と、第8の配線と、第4の側面と、を有する第3の配線板と、
前記第3の側面および前記第4の側面の一方にそれぞれ独立して設けられる第3の凸部および第4の凸部と、
前記第3の側面および前記第4の側面の他方にそれぞれ独立して設けられる第3の凹部および第4の凹部と、
前記第3の配線板に実装されて前記第5の配線および前記第6の配線に電気的に接続されるダイナミックランダムアクセスメモリと、
をさらに具備し、
前記第3の凸部は、前記第5の配線および前記第7の配線の一方から延在し、
前記第4の凸部は、前記第6の配線および前記第8の配線の一方から延在し、
前記第3の凹部は、前記第5の配線および前記第7の配線の他方に面し、
前記第4の凹部は、前記第6の配線および前記第8の配線の他方に面し、
前記第3の凸部および前記第3の凹部は、互いに嵌合され、前記第5の配線と前記第7の配線とを介して前記メモリコントローラと前記ダイナミックランダムアクセスメモリとを電気的に接続し、
前記第4の凸部および前記第4の凹部は、互いに嵌合され、前記第6の配線と前記第8の配線とを介して前記メモリコントローラと前記ダイナミックランダムアクセスメモリとを電気的に接続する、請求項1または請求項2に記載のメモリシステム。
【請求項5】
第1の配線と、第2の配線と、第1の側面と、を有し、メモリの実装が可能な第1の配線板と、
第3の配線と、第4の配線と、第2の側面と、を有し、メモリコントローラの実装が可能な第2の配線板と、
前記第1の側面および前記第2の側面の一方にそれぞれ独立して設けられる第1の凸部および第2の凸部と、
前記第1の側面および前記第2の側面の他方にそれぞれ独立して設けられる第1の凹部および第2の凹部と、
を具備し、
前記第1の凸部は、前記第1の配線および前記第3の配線の一方から延在し、
前記第2の凸部は、前記第2の配線および前記第4の配線の一方から延在し、
前記第1の凹部は、前記第1の配線および前記第3の配線の他方に面し、
前記第2の凹部は、前記第2の配線および前記第4の配線の他方に面し、
前記第1の凸部および前記第1の凹部は、互いに嵌合されて前記第1の配線と前記第3の配線とを電気的に接続可能であり、
前記第2の凸部および前記第2の凹部は、互いに嵌合されて前記第2の配線と前記第4の配線とを電気的に接続可能である、配線板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、メモリシステムおよび配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メモリと、コントローラと、を配線板上に有するメモリシステムが知られている。このようなメモリシステムでは、メモリやコントローラ等の電子部品は、はんだ等の接続部材を介して配線板に実装されている。メモリシステムの機能や性能の向上に伴って、配線板に実装される電子部品の数が増加することや配線板の面積が小さくなることがある。すなわち、配線板における電子部品の実装面積が制限されることがある。また、配線板に実装されたメモリやコントローラは、修理や解析のために配線板から取り外されることがある。このとき、加熱により接続部材を溶融させて、メモリやコントローラ等の電子部品が配線板から取り外される。この加熱により、電子部品に熱的なストレスが加わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-149489号公報
【特許文献2】特開平11-261186号公報
【特許文献3】特開2013-197455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態において解決しようとする課題の一つは、電子部品が好適に実装されるメモリシステムおよび配線板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のメモリシステムは、第1の配線と、第2の配線と、第1の側面と、を有する第1の配線板と、第3の配線と、第4の配線と、第2の側面と、を有する第2の配線板と、第1の側面および第2の側面の一方にそれぞれ独立して設けられる第1の凸部および第2の凸部と、第1の側面および第2の側面の他方にそれぞれ独立して設けられる第1の凹部および第2の凹部と、第1の配線板に実装されて第1の配線および第2の配線に電気的に接続されるメモリと、第2の配線板に実装されて第3の配線および第4の配線に電気的に接続されるメモリコントローラと、を具備する。第1の凸部は、第1の配線および第3の配線の一方から延在する。第2の凸部は、第2の配線および第4の配線の一方から延在する。第1の凹部は、第1の配線および第3の配線の他方に面する。第2の凹部は、第2の配線および第4の配線の他方に面する。第1の凸部および第1の凹部は、互いに嵌合され、第1の配線と第3の配線とを介してメモリとメモリコントローラとを電気的に接続する。第2の凸部および第2の凹部は、互いに嵌合され、第2の配線と第4の配線とを介してメモリとメモリコントローラとを電気的に接続する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】メモリシステムの構成例を示すブロック図である。
図2】メモリシステムに使用可能な配線板の一部の構造例を示す斜視図である。
図3図2に示す配線板をX軸方向から見たときの側面を示す模式図である。
図4】配線板の一部の他の構造例を示す斜視図である。
図5図4に示す配線板をX軸方向から見たときの側面を示す模式図である。
図6】メモリシステムの第1の構造例を説明するための模式図である。
図7】メモリシステムの第1の構造例を説明するための模式図である。
図8】メモリシステムの第1の構造例を説明するための模式図である。
図9】メモリシステムの第2の構造例を説明するための模式図である。
図10】メモリシステムの第2の構造例を説明するための模式図である。
図11】メモリシステムの第2の構造例を説明するための模式図である。
図12】凸部の第1の形成方法例の一部を説明するための模式図である。
図13】凸部の第1の形成方法例の他の一部を説明するための模式図である。
図14】凸部の第1の形成方法例のさらに他の一部を説明するための模式図である。
図15】凸部の第1の形成方法例のさらに他の一部を説明するための模式図である。
図16】凸部の第1の形成方法例のさらに他の一部を説明するための模式図である。
図17】凸部の第1の形成方法例のさらに他の一部を説明するための模式図である。
図18】凸部の第1の形成方法例のさらに他の一部を説明するための模式図である。
図19】凸部の第2の形成方法例の一部を説明するための模式図である。
図20】凸部の第2の形成方法例の他の一部を説明するための模式図である。
図21】凸部の第2の形成方法例のさらに他の一部を説明するための模式図である。
図22】凸部の第2の形成方法例のさらに他の一部を説明するための模式図である。
図23】凸部の第2の形成方法例のさらに他の一部を説明するための模式図である。
図24】凸部の第2の形成方法例のさらに他の一部を説明するための模式図である。
図25】凸部の第2の形成方法例のさらに他の一部を説明するための模式図である。
図26】凸部の第2の形成方法例のさらに他の一部を説明するための模式図である。
図27】凹部の形成方法例の一部を説明するための模式図である。
図28】凹部の形成方法例の他の一部を説明するための模式図である。
図29】配線板の一部の第1の変形例の一例を示す模式図である。
図30】配線板の一部の第1の変形例の他の例を示す模式図である。
図31】金属膜を有する配線板の凸部と、金属膜を有する配線板の凹部と、を嵌合する例を説明するための模式図である。
図32】配線板の凸部と、配線板の凹部と、を嵌合後に分離する例を説明するための模式図である。
図33】配線板の第2の変形例を示す斜視図である。
図34】凹部を有する配線板と、凹部を有する配線板と、ジャンパーを用いて固定する例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図面に記載された各構成要素の厚さと平面寸法との関係、各構成要素の厚さの比率等は現物と異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し適宜説明を省略または簡略化する。
【0008】
本実施形態において「接続する」とは、特に記述する場合を除き、構造的に接続することだけでなく、電気的に接続することも含む。
【0009】
(メモリシステムの構成例)
図1は、本実施形態のメモリシステム1の構成例を示すブロック図である。メモリシステム1は、ホスト装置2に接続可能に構成される。
【0010】
メモリシステム1は、ソリッドステートドライブ(SSD)等のストレージデバイスを含む。ストレージデバイスは、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の様々な電子機器に用いることができる。
【0011】
ホスト装置2は、メモリシステム1を制御する機能を有する。ホスト装置2の例は、サーバー、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0012】
メモリシステム1は、メモリコントローラ11と、NANDメモリ12と、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)13と、を具備する。メモリシステム1は、メモリコントローラ11、NANDメモリ12、DRAM13等の電子部品が実装された複数の配線板を接続することにより形成される。複数の配線板の構成については後述する。
【0013】
メモリコントローラ11は、例えばホスト装置2からのアクセス要求に基づいて、NANDメモリ12およびDRAM13に対するデータの書き込み、読み出し、および消去等の動作の実行を制御する。メモリコントローラ11は、電子部品の一例である。メモリコントローラ11は、例えばSoCとして構成される半導体デバイスである。
【0014】
NANDメモリ12は、NAND型のフラッシュメモリである。NANDメモリ12は、データを不揮発に記憶する。図1は、3つのNANDメモリ12を示すが、NANDメモリ12の数は、3つに限定されない。NANDメモリ12は、電子部品の一例である。
【0015】
DRAM13は、例えばホスト装置2から受信してNANDメモリ12に書き込まれる前のデータ、およびNANDメモリ12から読み出されてホスト装置2に送信する前のデータ等を一時的に記憶する。図1は、3つのDRAM13を示すが、DRAM13の数は、3つに限定されない。DRAM13は、電子部品の一例である。
【0016】
(配線板の構成例)
メモリシステム1に使用可能な配線板10を説明する。配線板10は、例えばプリント配線板(PWB)である。図2は、配線板10の一部の構造例を示す斜視図である。図3は、図2に示す配線板10をX軸方向から見たときの側面を示す模式図である。図4は、配線板10の他の一部の構造例を示す斜視図である。図5は、図4に示す配線板10をX軸方向から見たときの側面を示す模式図である。図2から図5に示すように、X軸と、X軸に垂直なY軸と、X軸およびY軸に垂直なZ軸と、が定義される。Z軸は、配線板10の厚さ方向と同じ方向である。
【0017】
図2ないし図5に示すように、配線板10は、絶縁基材101と、配線層102と、絶縁層103と、凸部104および凹部105の少なくとも一つと、を有する。配線板10は、凸部104および凹部105の両方を有していてもよい。
【0018】
配線板10は、外面111と、側面112および側面113の少なくとも一つの側面と、を有する。外面111は、メモリコントローラ11、NANDメモリ12、またはDRAM13等の電子部品が実装される面である。これらの電子部品は、はんだ等の接続部材を介して外面111に実装される。側面112および側面113は、他の配線板10と嵌合される際に他の配線板10と接する面である。
【0019】
絶縁基材101は、例えばガラスクロス等の絶縁材料を含む。これに限定されず、絶縁基材101は、例えばガラス基板、セラミック基板、ガラスエポキシ基板、プリプレグ等の他の絶縁材料を用いてもよい。絶縁基材101は、第1の面および第2の面を有する。
【0020】
配線層102は、絶縁基材101の第1または第2の面に設けられる。配線層102は、配線板10の外面111に露出する接続パッド(不図示)を含む。図2ないし図5は、絶縁基材101の第1の面に設けられた配線層102aと、絶縁基材101の第2の面に設けられた配線層102bと、を示す。配線層102aは、外面111の接続パッドを介して例えばメモリコントローラ11、NANDメモリ12、DRAM13等の電子部品に電気的に接続可能である。配線層102bは、絶縁基材101を貫通するビアを介して外面111の接続パッドを介して電子部品に電気的に接続される。図2ないし図5は、絶縁基材101の第1および第2の面に配線層102が設けられる多層配線を有する配線板10の例について示す。これに限定されず、配線層102は、絶縁基材101の少なくとも一つの面に設けられていればよい。また、絶縁基材101および配線層102の積層構造が、絶縁層を介して複数設けられてもよい。配線層102は、例えば銅等の金属材料を用いて形成される。
【0021】
絶縁層103は、絶縁基材101の第1および第2の面に設けられるとともに配線層102を覆う。絶縁層103は、例えばソルダーレジストを用いて形成される。図2ないし図5は、絶縁基材101の第1の面に設けられた絶縁層103aと、絶縁基材101の第2の面に設けられた絶縁層103bと、を示す。これに限定されず、絶縁層103は、絶縁基材101の少なくとも一つの面に設けられていればよい。
【0022】
凸部104は、配線板10の側面112に設けられるとともに配線層102から例えばX軸方向に延在する。図2および図3は、配線層102aから延在する2つの凸部104aと、配線層102bから延在する1つの凸部104bと、を示す。凸部104aおよび凸部104bは、互いに異なる層(すなわち、Z軸方向における異なる位置)に設けられる。凸部104aの数は、2つに限定されず、凸部104bの数は、1つに限定されない。凸部104aおよび凸部104bの数は、配線層102aおよび配線層102bの数に応じて設けられればよい。凸部104は、配線層102と同一の材料を用いて形成される。図2および図3において、凸部104はX軸方向に沿って先細る形状を有しているが、凸部104の形状は、図2および図3に示す形状に限定されない。
【0023】
凹部105は、配線板10の側面113近傍に設けられるとともに配線層102に面する。凹部105は、例えばX軸方向に沿って側面113から配線層102まで延在する。凹部105のY軸方向の幅(長さ)およびZ軸方向の幅(長さ)は、例えばそれぞれに対応する凸部104のY軸方向の幅(長さ)およびZ軸方向の幅(長さ)よりも大きい(長い)ことが好ましい。図4および図5は、配線層102aに面する2つの凹部105aと、配線層102bに面する1つの凹部105bと、を示す。凹部105aおよび凹部105bは、互いに異なる層(すなわち、Z軸方向における異なる位置)に設けられる。凹部105aの数は、2つに限定されず、凹部105bの数は、1つに限定されない。凸部104aおよび凸部104bの数は、配線層102aおよび配線層102bの数に応じて設けられればよい。また、凸部104aおよび凸部104bの数は、それぞれに対応する凸部104の数に応じて設けられてもよい。図4および図5において、凹部105aはX軸方向に沿って先細る形状を有しているが、凹部105aの形状は、凸部104と嵌合可能であれば、図4および図5に示す形状に限定されない。
【0024】
実施形態のメモリシステム1は、メモリコントローラ11、NANDメモリ12、DRAM13等の電子部品それぞれが実装された複数の配線板10を備える。複数の配線板10のうち、一つの配線板10に設けられた凸部104と、他の一つの配線板10に設けられた凹部105とを嵌合することにより、複数の配線板10の配線同士を電気的に接続することができる。
【0025】
(メモリシステム1の第1の構造例)
図6図7、および図8は、メモリシステム1の第1の構造例を説明するための模式図である。メモリシステム1の第1の構造例は、メモリコントローラ11が実装される配線板10(10A)と、NANDメモリ12が実装される配線板10(10B)と、を有する。これに限定されず、メモリシステム1の第1の構造例は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)13が実装される配線板10をさらに有していてもよい。
【0026】
配線板10Aは、図6に示すように、複数の凸部104を有する。メモリコントローラ11は、例えば図2および図3に示す配線層102に電気的に接続される。
【0027】
配線板10Bは、図6に示すように、複数の凹部105を有する。NANDメモリ12は、例えば図4および図5に示す配線層102に電気的に接続される。
【0028】
配線板10Aの凸部104および配線板10Bの凹部105は、図7に示すように、互いに嵌合され、接合部107を形成する。接合部107により、配線板10Aの配線層102と配線板10Bの配線層102とを電気的に接続することができる。
【0029】
なお、図6では、配線板10Aが凸部104を有し、配線板10Bが凹部105を有する例について説明したが、これに限定されず、配線板10Aが凹部105を有し、配線板10Bが凸部104を有していてもよい。
【0030】
複数の配線板を接続する他の例として、例えば、複数の配線板の外面の一部同士を重ねあわせて接続する方法が挙げられる。しかしながら、この方法では、複数の配線板の外面が重なる部分に電子部品を実装できないため、配線板における電子部品の実装面積が小さくなる。これに対し、メモリシステム1の第1の構造例では、複数の配線板の側面同士を重ねて接続するため、配線板10における電子部品の実装面積の低減を抑制することができる。さらに、実施形態のメモリシステム1では、コネクタを用いることなく、複数の配線板10を接続することが可能である。
【0031】
また、一つの配線板に複数の電子部品を実装した後に、実装された電子部品の一部を交換する場合、配線板を加熱してはんだを融解させ、交換する電子部品を配線板から分離することが知られている。この場合、配線板に実装された交換不要な電子部品にも熱が加わるため、交換不要な電子部品が劣化する場合がある。これに対し、メモリシステム1の第1の構造例では、交換する電子部品が実装された配線板10を他の配線板10から容易に分離できる。そして、交換する電子部品が実装された配線板10だけを加熱できるため、交換不要な電子部品の劣化を抑制できる。
【0032】
さらに、メモリシステム1の第1の構造例では、配線板10Aと、配線板10Bと、を分離し、図8に示すように、配線板10Bを、実装されたNANDメモリ12の数が配線板10Bと異なる別の配線板10Cに交換することができる。この場合であっても、配線板10Aの凸部104と、配線板10Cの凹部105と、を嵌合することができる。よって、配線板10Aを交換することなく再び用いたメモリシステム1を提供することができる。例えば、多機能なメモリシステム1では、サイズが大きくなり、設計・製造のコストも大きくなる。そのようなメモリシステム1のストレージ容量を変更する場合、異なるストレージ容量を有するメモリ(例えばNANDメモリ12)が実装された配線板10に交換し、メモリコントローラ11が実装された配線板10Aを交換することなく用いることができる。これにより、メモリシステム1の製品変更に伴う設計工程を低減できる。
【0033】
(メモリシステム1の第2の構造例)
図9図10、および図11は、メモリシステム1の第2の構造例を説明するための模式図である。メモリシステム1の第2の構造例は、メモリコントローラ11が実装される配線板10(10a)と、NANDメモリ12が実装される配線板10(10b)と、DRAM13が実装される配線板10(10c)と、電子部品14が実装される配線板10(10d)と、を有する。なお、複数の配線板10の数は、4つに限定されない。また、メモリシステム1が備える電子部品の種類毎に別々の配線板10を用いてもよい。
【0034】
配線板10aは、図9に示すように、複数の凸部104aと、複数の凹部105aと、を有する。各凸部104aおよび各凹部105aは、配線板10aの互いに異なる側面に設けられる。メモリコントローラ11は、配線板10aの配線層102に電気的に接続される。
【0035】
配線板10bは、図9に示すように、複数の凹部105bと、複数の凹部105cと、を有する。各凹部105bおよび各凹部105cは、配線板10bの互いに異なる側面に設けられる。NANDメモリ12は、配線板10bの配線層102に電気的に接続される。
【0036】
配線板10cは、図9に示すように、複数の凸部104bと、複数の凸部104cと、を有する。各凸部104bおよび各凸部104cは、配線板10cの互いに異なる側面に設けられる。DRAM13は、配線板10cの配線層102に電気的に接続される。
【0037】
配線板10dは、図9に示すように、複数の凸部104dと、複数の凹部105dと、を有する。各凸部104dおよび各凸部104cは、配線板10dの互いに異なる側面に設けられる。電子部品14は、配線板10dの配線層102に電気的に接続される。電子部品14の例は、パッケージ封止された半導体集積回路デバイス、抵抗器、またはコンデンサ等を含む。図9は、4つの電子部品14を示すが、電子部品14の数は、4つに限定されない。
【0038】
配線板10aの各凸部104aおよび配線板10bの各凹部105bは、図10に示すように、互いに嵌合されて接合部107aを形成する。接合部107aにより、配線板10aの配線層102と配線板10bの配線層102とを電気的に接続することができる。
【0039】
配線板10aの各凹部105aおよび配線板10cの各凸部104bは、図10に示すように、互いに嵌合されて接合部107bを形成する。接合部107bにより、配線板10aの配線層102と配線板10cの配線層102とを電気的に接続することができる。
【0040】
配線板10bの各凹部105cおよび配線板10dの各凸部104dは、図10に示すように、互いに嵌合されて接合部107cを形成する。接合部107cにより、配線板10bの配線層102と配線板10dの配線層102とを電気的に接続することができる。
【0041】
配線板10cの各凸部104cおよび配線板10dの各凹部105dは、図10に示すように、互いに嵌合されて接合部107dを形成する。接合部107dにより、配線板10cの配線層102と配線板10dの配線層102とを電気的に接続することができる。
【0042】
配線板10aが凸部104aを有し、配線板10bが凹部105bを有する例について説明したが、これに限定されず、配線板10aが凹部105bを有し、配線板10bが凸部104aを有していてもよい。
【0043】
配線板10aが凹部105aを有し、配線板10cが凸部104bを有する例について説明したが、これに限定されず、配線板10aが凸部104bを有し、配線板10cが凹部105aを有していてもよい。
【0044】
配線板10bが凹部105cを有し、配線板10dが凸部104dを有する例について説明したが、これに限定されず、配線板10bが凸部104dを有し、配線板10dが凹部105cを有していてもよい。
【0045】
配線板10cが凸部104cを有し、配線板10dが凹部105dを有する例について説明したが、これに限定されず、配線板10cが凹部105dを有し、配線板10dが凸部104cを有していてもよい。
【0046】
メモリシステム1の第2の構造例では、複数の配線板10a~10dを側面同士を向かい合わせて接続するため、各配線板10a~10dの実装面積の低減を抑制できる。さらに、メモリシステム1の第2の構造例では、コネクタを用いることなく、複数の配線板10a~10dを接続することが可能である。
【0047】
また、メモリシステム1の第2の構造例では、例えば配線板10bに実装されたNANDメモリ12に何らかの不具合が生じた場合、図11に示すように、配線板10a、配線板10c、および配線板10dと、配線板10bと、を容易に分離することができる。その後、配線板10bを加熱して交換が必要なNANDメモリ12aを取り外し、NANDメモリ12aを別のNANDメモリ12bに交換し、配線板10a、配線板10c、および配線板10dと、配線板10bと、を再度嵌合して接続することができる。これにより、交換する部品が実装された配線板のみを他の配線板から分離して加熱できるため、他の配線板に実装された交換不要な電子部品の劣化を抑制できる。
【0048】
さらに、メモリシステム1の第2の構造例では、仕様変更などに伴い一部の電子部品が実装された配線板を交換する場合であっても、交換不要な配線板を交換することなく再び用いることができるため、仕様変更に伴う幾つかの工程を低減できる。
【0049】
(凸部104の第1の形成方法例)
配線板10に設けられる凸部104の第1の形成方法例について図12ないし図18を参照して説明する。これらの図は、凸部104の第1の形成方法例を説明するための模式図である。図12ないし図18それぞれの上部(a)は、配線板10の一部をZ軸方向から見たときの上面を示す模式図である。図12ないし図18それぞれの下部(b)は、配線板10の一部をY軸方向から見たときの側面を示す模式図である。
【0050】
まず、図12の(a)および(b)に示すように、絶縁基材101の側面101aに支持材106を接合する。支持材106は、例えば側面101aに樹脂材料を吹き付ける方法や、樹脂材を接着剤を介して側面101aに接合する方法を用いて形成可能である。支持材106は、絶縁性を有していてもよい。
【0051】
次に、図13の(a)および(b)に示すように、絶縁基材101および支持材106の少なくとも一つの面に配線層102を形成する。図13の(a)および(b)は、絶縁基材101および支持材106の第1の面に配線層102aを形成し、第1の面の反対の面である第2の面に配線層102bを形成する例を示す。配線層102は、例えば絶縁基材101および支持材106の表面に銅板等の導電材を形成する方法等を用いて形成可能である。
【0052】
次に、図14の(a)および(b)に示すように、配線層102を加工して配線パターンを形成する。配線パターンの形状は、特に限定されない。配線パターンは、例えば配線層102をエッチング等の方法を用いて部分的に除去することにより形成可能である。
【0053】
次に、図15の(a)および(b)に示すように、配線層102の上に絶縁層103を形成する。図15の(a)および(b)は、配線層102aの上に絶縁層103aを形成し、配線層102bの上に絶縁層103bを形成する例を示す。絶縁層103は、ソルダーレジスト等の絶縁材料を配線層102の上に塗布して硬化させることにより形成可能である。
【0054】
次に、図16の(a)および(b)に示すように、絶縁層103のうち、支持材106に重なる部分を除去して配線層102の支持材106に重なる部分を露出させる。絶縁層103は、例えばエッチング等の方法を用いて部分的に除去可能である。なお、絶縁層103を配線層102に塗布する工程において、支持材106に重なる部分を避けて絶縁層103を塗布してもよい。
【0055】
次に、図17の(a)および(b)に示すように、配線層102の露出部を加工して凸部104を形成する。図17の(a)および(b)は、配線層102aの露出部を加工して凸部104aを形成し、配線層102bの露出部を加工して凸部104bを形成する例を示す。凸部104は、例えば配線層102の露出部を電解エッチングまたは硝酸等のエッチング液を用いた強酸エッチングを用いて加工することにより形成可能である。また、支持材106は、残存したままである。
【0056】
次に、図18の(a)および(b)に示すように、支持材106を除去する。支持材106は、例えば有機溶媒に浸食させることにより除去可能である。なお、支持材106を除去せずに残したままでもよい。以上が凸部104の第1の形成方法例の説明である。
【0057】
(凸部104の第2の形成方法例)
配線板10に設けられる凸部104の第2の形成方法例について図19ないし図26を参照して説明する。これらの図は、凸部104の第2の形成方法例を説明するための模式図である。図19ないし図26それぞれの上部(a)は、配線板10の一部をZ軸方向から見たときの上面を示す模式図である。図19ないし図26それぞれの下部(b)は、配線板10の一部をY軸方向から見たときの側面を示す模式図である。ここでは、複数の配線板10のそれぞれに設けられる凸部104を同一工程で形成する例について説明する。
【0058】
まず、図19の(a)および(b)に示すように、絶縁基材101の側面101aおよび側面101bに支持材106を接合する。支持材106は、例えば側面101aおよび側面101bに樹脂材料を吹き付ける方法や、樹脂材を接着剤を介して側面101aおよび側面101bに接合する方法を用いて形成可能である。支持材106は、絶縁性を有していてもよい。
【0059】
次に、図20の(a)および(b)に示すように、絶縁基材101および支持材106の少なくとも一つの面に配線層102を形成する。図20の(a)および(b)は、絶縁基材101および支持材106の第1の面に配線層102aを形成し、第1の面の反対の面である第2の面に配線層102bを形成する例を示す。配線層102は、例えば絶縁基材101および支持材106の表面に銅板等の導電材を形成する方法等を用いて形成可能である。
【0060】
次に、図21の(a)および(b)に示すように、配線層102を加工して複数の配線パターンを形成する。配線パターンの形状は、特に限定されない。配線パターンは、例えば配線層102をエッチング等の方法を用いて部分的に除去することにより形成可能である。
【0061】
次に、図22の(a)および(b)に示すように、配線層102の上に絶縁層103を形成する。図22の(a)および(b)は、配線層102aの上に絶縁層103aを形成し、配線層102bの上に絶縁層103bを形成する例を示す。絶縁層103は、ソルダーレジスト等の絶縁材料を配線層102の上に塗布することにより形成可能である。
【0062】
次に、図23の(a)および(b)に示すように、ミシン目108を形成する。ミシン目108は、例えば複数の配線パターンを区切るように形成される。ミシン目108は、例えばドリルやルーター等の器具を用いて絶縁基材101、支持材106、配線層102、および絶縁層103を有する積層体を厚さ方向に加工して複数の開口を形成することにより形成可能である。このとき、配線パターンも加工されるため、配線層102のミシン目108に面する部分には、傷等のダメージが生じる。
【0063】
次に、図24の(a)および(b)に示すように、絶縁層103のうち、支持材106に重なる部分を除去して配線層102の支持材106に重なる部分を露出させる。絶縁層103は、例えばエッチング等の方法を用いて部分的に除去可能である。なお、絶縁層103を配線層102に塗布する工程において、支持材106に重なる部分を避けて絶縁層103を塗布してもよい。
【0064】
次に、図25の(a)および(b)に示すように、配線層102の露出部を加工して凸部104を形成する。図25の(a)および(b)は、配線層102aの露出部を加工して凸部104aを形成し、配線層102bの露出部を加工して凸部104bを形成する例を示す。凸部104は、例えば配線層102の露出部を電解エッチングまたは硝酸等のエッチング液を用いた強酸エッチングにより加工することにより形成可能である。このとき、配線層102のダメージ部分が優先的に加工される。また、支持材106は、残存したままである。
【0065】
次に、図26の(a)および(b)に示すように、支持材106を除去する。支持材106は、例えば有機溶媒に浸食させることにより除去可能である。なお、支持材106を除去せずに残したままでもよい。その後、ミシン目108に沿って配線層102を分離し、複数の配線板10を形成する。以上が凸部104の第2の形成方法例の説明である。
【0066】
(凹部105の形成方法例)
配線板10に設けられる凹部105の形成方法例について図27および図28を参照して説明する。図27および図28は、凹部105の形成方法例を説明するための模式図である。図27および図28それぞれの上部(a)は、配線板10の一部をZ軸方向から見たときの上面を示す模式図である。図27および図28それぞれの下部(b)は、配線板10の一部をY軸方向から見たときの断面を示す模式図である。
【0067】
まず、図27の(a)および(b)に示すように、絶縁基材101の上に配線層102を形成し、配線層102の上に絶縁層103を形成する。絶縁基材101、配線層102、絶縁層103の説明は、凸部104の第1および第2の形成方法例の説明を適宜援用できる。
【0068】
次に、図28の(a)および(b)に示すように、側面113を加工して凹部105を形成する。図28の(a)および(b)は、側面113に凹部105aと凹部105bとを形成する例を示す。凹部105は、例えばドリルを用いてX軸方向に沿って側面112を加工することにより形成可能である。ドリルの直径は、凸部104のY軸方向の幅およびZ軸方向の幅よりも大きいことが好ましい。これにより、凹部105がダストポケットとして機能するため、凸部104と凹部105とを嵌合・分離する際に生じる残渣の影響を抑制でき、再嵌合可能回数を増加できる。このとき、配線層102だけでなく、絶縁基材101や絶縁層103も加工してもよい。以上が凹部105の形成方法例の説明である。また、凸部104の第1の形成方法例と同様に、例えば複数の配線板10のそれぞれに設けられる凹部105を同一工程で形成してもよい。
【0069】
(配線板10の第1の変形例)
図29は、配線板10の一部の第1の変形例の一例を示す模式図である。図30は、配線板10の一部の第1の変形例の他の例を示す模式図である。図29および図30は、配線板10をY軸方向から見たときの側面を示す。図2ないし図5を参照して説明した配線板10と同じ部分については、説明を省略する。
【0070】
配線板10の第1の変形例は、図29および図30に示すように、絶縁基材101と、配線層102と、絶縁層103と、凸部104と、凹部105と、金属膜109および金属膜110の少なくとも一つと、を有する。
【0071】
金属膜109は、凸部104の表面に設けられる。金属膜110は、凹部105の表面に設けられる。金属膜109および金属膜110は、例えば無電解めっき法、蒸着法、スパッタリング等の方法を用い、銅または金等の金属材料を凸部104または凹部105の表面に堆積させることにより形成可能である。蒸着法を用いる場合、金属膜109および金属膜110は、ニッケルまたはクロムを先に蒸着し、その上に金を蒸着することにより形成されてもよい。
【0072】
図31は、配線板10(10X1)の金属膜109を有する凸部104と、配線板10(10Y1)の金属膜110を有する凹部105と、を嵌合する例を説明するための模式図である。金属膜109または金属膜110を形成することにより、図31に示すように、配線板10X1の凸部104と、配線板10Y1の凹部105と、は金属膜109および金属膜110を介して嵌合される。工場出荷後にユーザーが配線板10X1と配線板10Y1とを分離した場合に金属膜109および金属膜110の少なくとも一部が剥がれる可能性がある。金属膜109または金属膜110の一部が剥がれると、凸部104と凹部105とは電気的に接続されなくなる可能性がある。この場合、工場出荷後にユーザーが配線板10X1と配線板10Y1とを再嵌合しても、電気的な接続がないためにメモリシステム1は動作しない。すなわち、金属膜109または金属膜110を設けることで、メモリシステム1のセキュリティを向上することが期待される。
【0073】
図32は、配線板10X1の凸部104と、配線板10Y1の金属膜110を有する凹部105と、を嵌合後に分離する例を説明するための模式図である。配線板10X1の凸部104と、配線板10Y1の凹部105と、を嵌合した後に、配線板10X1と配線板10Y1とを分離する場合、凸部104の表面に金属膜110の一部からなる残渣110aが形成される場合がある。残渣110aは、凸部104と凹部105との再嵌合に用いることができる。また、凹部105のY軸方向の幅およびZ軸方向の幅を凸部104のY軸方向の幅およびZ軸方向の幅よりも大きくすることにより、凹部105がダストポケットとして機能するため、凸部104と凹部105とを嵌合・分離する際に生じる残渣の影響を抑制でき、再嵌合可能回数を増加できる。
【0074】
(配線板10の第2の変形例)
図33は、配線板10の第2の変形例を示す斜視図である。図2ないし図5を参照して説明した配線板10と同じ部分については、説明を省略する。
【0075】
配線板10の第2の変形例は、図2または図4に示す構造に加え、図33に示すように、外面111に設けられた凹部120を有する。
【0076】
凹部120は、複数の配線板10を固定するためのジャンパーを挿入するための挿入穴としての機能を有する。凹部120は、例えば配線層102と重ならない位置において、絶縁層103を貫通して絶縁基材101まで延在する。凹部120は、例えば絶縁層103を形成した後に、ドリル等の器具を用いて絶縁層103および絶縁基材101を厚さ方向(Z方向)に加工することにより形成される。凹部120は、貫通孔である必要が無く、凹部120の反対側に別の電子部品を実装してもよい。
【0077】
図34は、凹部120を有する配線板10(10X2)と、凹部120を有する配線板10(10Y2)と、ジャンパー121を用いて固定する例を説明するための模式図である。ジャンパー121は、配線板10X2と配線板10Y2とを固定する固定部材の一例である。図34では省略しているが、配線板10(10X2)および配線板10(10Y2)は、それぞれ凸部104または凹部105の何れかを有している。すなわち、配線板10(10X2)と配線板10(10Y2)とは、凸部104または凹部105を介して嵌合する。
【0078】
配線板10X2の凹部120および配線板10Y2の凹部120にジャンパー121を挿入することにより、配線板10X2と配線板10Y2とを固定することができる。配線板10X2と配線板10Y2とを分離する場合は、ジャンパー121を外した後に行われる。ジャンパー121を用いることにより、凸部104と凹部105とを嵌合した後に、配線板10X2と配線板10Y2との姿勢を安定させることができるため、配線板10X2と配線板10Y2との意図しない不要な分離を抑制できる。
【0079】
なお、実施形態のメモリシステム1では、凸部104と凹部105とを嵌合させて複数の配線板10を接続するため、ジャンパー121は、絶縁性を有していてもよい。また、3つ以上の配線板10に複数の凹部120を形成し、1つのまたは複数のジャンパー121を用いて3つ以上の配線板10を互いに固定してもよい。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1…メモリシステム、2…ホスト装置、10…配線板、10A…配線板、10B…配線板、10C…配線板、10X…配線板、10X1…配線板、10X2…配線板、10Y1…配線板、10Y2…配線板、10a…配線板、10b…配線板、10c…配線板、10d…配線板、11…メモリコントローラ、12…NANDメモリ、12a…NANDメモリ、12b…NANDメモリ、13…DRAM、14…電子部品、101…絶縁基材、101a…側面、101b…側面、102…配線層、102a…配線層、102b…配線層、103…絶縁層、103a…絶縁層、103b…絶縁層、104…凸部、104…凸部、104a…凸部、104b…凸部、104c…凸部、104d…凸部、105…凹部、105a…凹部、105b…凹部、105c…凹部、105d…凹部、106…支持材、107…接合部、107a…接合部、107b…接合部、107c…接合部、107d…接合部、108…ミシン目、109…金属膜、110…金属膜、110a…残渣、111…外面、112…側面、113…側面、120…凹部、121…ジャンパー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34