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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183136
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】静止誘導電器
(51)【国際特許分類】
   H01F 30/12 20060101AFI20231220BHJP
   H01F 27/12 20060101ALI20231220BHJP
   H01F 27/02 20060101ALI20231220BHJP
   H01F 37/00 20060101ALI20231220BHJP
   H01F 30/10 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
H01F30/12 G
H01F27/12 A
H01F27/02 150
H01F37/00 S
H01F30/10 S
H01F37/00 G
H01F30/10 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096597
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120444
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】平島 賢治
(72)【発明者】
【氏名】神谷 陽
【テーマコード(参考)】
5E050
5E059
【Fターム(参考)】
5E050BA03
5E050CA02
5E050CB02
5E059BB03
(57)【要約】
【課題】絶縁液体及び放熱フィンを介した熱放出による冷却効率を向上できるようにすること。
【解決手段】本発明の変圧器(1)は、巻線(30)、鉄心(20)及び絶縁油(L)を収容する容器(10)と、容器の側壁(13~16)から外方に突出しつつ上下方向に延出して形成される放熱フィン(18)と、巻線の上方に配置される整流部(40)を備えている。変圧器は、自然対流する絶縁油を介して放熱フィンから熱を放出しつつ巻線を冷却する。整流部は、容器内を対流する絶縁油を放熱フィン側に案内する。整流部は、側壁の内面に近付くに従って上方に傾斜する傾斜面部(41)を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻線、鉄心及び絶縁液体を収容する容器と、
前記容器の側壁から外方に突出しつつ上下方向に延出して形成される放熱フィンと、
前記巻線の上方に配置される整流部を備え、
自然対流する前記絶縁液体を介して前記放熱フィンから熱を放出しつつ前記巻線を冷却する静止誘導電器であって、
前記整流部は、前記容器内を対流する前記絶縁液体を前記放熱フィン側に案内することを特徴とする静止誘導電器。
【請求項2】
前記整流部は、前記側壁の内面に近付くに従って上方に傾斜する傾斜面部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の静止誘導電器。
【請求項3】
前記整流部は、前記傾斜面部における下端部から下方に延出する支持面部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の静止誘導電器。
【請求項4】
前記傾斜面部の上端は、前記放熱フィンの上端位置と略同一または該上端位置より低い位置に設けられることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の静止誘導電器。
【請求項5】
前記傾斜面部は、上から見て無端ループ状に形成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の静止誘導電器。
【請求項6】
前記鉄心は上下方向に延出する複数の脚部と、所定方向に貫通する開口部とを備え、
前記支持面部は、前記開口部の真上位置にて非形成とされることを特徴とする請求項3に記載の静止誘導電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静止誘導電器に関し、特に、容器内に絶縁性の液体を収容する静止誘導電器に関する。
【背景技術】
【0002】
変圧器(静止誘導電器)は、電磁誘導を利用して交流電力の電圧を変換する機器であり、磁気回路を構成する鉄心と、電気回路を構成する巻線とがタンク内に収容されて構成される。このような変圧器としては、特許文献1に開示されるように、鉄心及び巻線をタンクに収容し、タンクに絶縁油を充填したものが知られている。
【0003】
特許文献1の変圧器は、タンクの側面に中空のフィン状をなす波形放熱器が設けられ、通電時に発生する熱が絶縁油を介して波形放熱器より放出される。タンク内では、自然対流によって絶縁油が循環し、循環する絶縁油の一部が波形放熱器を通って流れるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-194929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1にあっては、対流する絶縁油が液面で反転して下向きに流れるが、タンクの側面から側方に突出するフィン状の波形放熱器の内部に流れ込む絶縁油が少なくなり、冷却効率が損なわれる、という問題がある。かかる問題は、特に、絶縁油として粘度が高い植物油を用いた場合に顕著となり、植物油は環境面への配慮から利用されるので、該問題を改善する必要性が高まっている。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、絶縁液体及び放熱フィンを介した熱放出による冷却効率を向上することができる静止誘導電器を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における一態様の静止誘導電器は、巻線、鉄心及び絶縁液体を収容する容器と、前記容器の側壁から外方に突出しつつ上下方向に延出して形成される放熱フィンと、前記巻線の上方に配置される整流部を備え、自然対流する前記絶縁液体を介して前記放熱フィンから熱を放出しつつ前記巻線を冷却する静止誘導電器であって、前記整流部は、前記容器内を対流する前記絶縁液体を前記放熱フィン側に案内することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、整流部によって自然対流する絶縁液体を放熱フィンに向かって流れるよう案内でき、放熱フィンを流れる絶縁液体の量を増加することができる。これにより、放熱フィンから放出する熱量を増大して冷却効率を向上することができる。特に、粘度が高い植物油を絶縁液体に用いた場合でも、冷却効率を向上できるようになり、環境問題の解消に寄与することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る変圧器の外観斜視図である。
図2】前記変圧器の正面断面図である。
図3】前記変圧器の容器内の構成を上から見た図である。
図4】実施の形態に係る整流部の概略斜視図である。
図5】比較構造に係る変圧器の図2と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態に係る静止誘導電器について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係る静止誘導電器を油入変圧器とした場合について説明する。しかしながら、本発明に係る静止誘導電器は、油入変圧器に限定されるものではなく、絶縁液体を冷媒として利用する他の変圧器やリアクトル等にも適宜変更が可能である。
【0011】
ここで、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。また、以下の説明において、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」は、各図において矢印で示した方向を基準として用いる。但し、各構成の向きは、一例にすぎず、任意の向きに変更することができる。
【0012】
図1は、実施の形態に係る変圧器の外観斜視図である。図2は、前記変圧器の正面断面図である。図1及び図2に示すように、変圧器1は、容器10と、容器10内の収容空間に収容される鉄心20及び巻線30(図1では不図示)とを備えている。
【0013】
容器10は、図1に示すように、底壁11、頂壁12、左側壁13、右側壁14、前側壁15及び後側壁16を備えた内部を密閉する箱状に形成されている。なお、本実施の形態では、底壁11及び頂壁12を方形状として、上記の4体の側壁13~16を形成したが、それらの形状やレイアウト等は適宜変更可能である。
【0014】
容器10における4体の側壁13~16には、複数の放熱フィン18が連なって設けられている。放熱フィン18は、側壁13~16から外方に突出しつつ上下方向に延出して形成されている。左側壁13及び右側壁14に設けられる放熱フィン18は、前後方向に等間隔に並設され、前側壁15及び後側壁16に設けられる放熱フィン18は、左右方向に等間隔に並設されている。放熱フィン18の上下方向長さは、各側壁13~16の上下寸法(高さ寸法)より小さく形成されている。よって、各側壁13~16の上下両側には、放熱フィン18が非形成となる領域が設けられる。
【0015】
放熱フィン18は、図1にて部分断面視したように、水平方向に沿う断面形状が突出方向に細長いU字状またはコ字状となる形状を備えて中空状に形成されている。このように中空状の放熱フィン18が複数並設されることから、側壁13~16と放熱フィン18とによって波形放熱器と称される場合がある。各放熱フィン18の内部空間は、容器10の内部となる収容空間に連通して形成されている。
【0016】
図2に示すように、容器10の収容空間にて、3体の巻線30に鉄心20が挿入されて3相3脚構造の変圧器1を構成している。なお、本発明の適用対象となる変圧器の構造については、これに限定されるものではなく、3相5脚構造等の任意の構造を有する変圧器に適用可能である。鉄心20及び巻線30は、上下両側において不図示のフレーム等の支持構造を介して支持されている。
【0017】
鉄心20は、上下方向に延出し、左右方向に相互に離間して位置する複数(本実施の形態では3本)の脚部21と、脚部21の上下両端側に接合される上ヨーク部(ヨーク部)22及び下ヨーク部(ヨーク部)23とを備えている。鉄心20は、例えば、複数の電磁鋼板(鋼板)を前後方向に積層して形成する構成を例示できる。鉄心20には、前後方向に貫通する一対の開口部27、28が複数の脚部21及び各ヨーク部22、23によって形成されている。
【0018】
3本の脚部21の周りそれぞれを囲うように巻線30が配置され、3体の巻線30がU相、V相、W相の巻線とされる。外側巻線31は、上下方向に複数分割した構造とされる。外側巻線31及び内側巻線32は、銅やアルミニウム等の導体を絶縁物で被覆してから、コイル状をなすように形成される。ここで、巻線30の軸方向とは、円筒状となる巻線30の中心軸が延在する方向であり、上下方向となる。
【0019】
容器10内には、鉄心20及び巻線30の冷却効果や絶縁強度を高めるため、絶縁液体として絶縁油Lが収容(充填)されている。絶縁油Lは、変圧器1に利用可能であれば特に限定されるものでないが、本実施の形態では、天然エステル油等の植物油(自然油)が用いられ、粘度が比較的高くなるものの環境を十分に考慮した絶縁液体の選択を行っている。
【0020】
絶縁油Lの液面L1は、鉄心20及び巻線30の最上端位置より高い位置に設定され、鉄心20及び巻線30の全てが絶縁油Lに浸漬した状態となっている。また、容器10内に収容される絶縁油Lは、放熱フィン18の内部にも流れ込んで充填される。
【0021】
容器10内では、変圧器1への電力供給によって巻線30や鉄心20が加熱され、絶縁油Lと熱交換される。絶縁油Lは自然対流することで容器10内を循環され、該循環は巻線30や鉄心20の近傍で絶縁油Lが上向きに流れ、巻線30や鉄心20から離れた放熱フィン18の内部にて絶縁油Lが下向きに流れる。このとき、絶縁油Lを介して放熱フィン18から熱が放出され、巻線30等を冷却した状態に維持することができる。
【0022】
図3は、前記変圧器の容器内の構成を上から見た図である。図3に示すように、巻線30は、脚部21の周りにて、外側巻線31及び内側巻線32が同心に配置されている。外側巻線31及び内側巻線32は、放射状に複数設けられるスペーサ34を介して位置決めされている。スペーサ34は、絶縁体となる不図示の支持構造物を介して支持され、該支持構造物は、底壁11上に設けたり、鉄心20や巻線30を支持するフレームに連結したりすることが例示できる。
【0023】
ここで、本実施の形態の変圧器1にあっては、絶縁油L及び放熱フィン18を介した熱放出による冷却効率を向上するため、整流部40を更に備えている。
【0024】
図2及び図3に示すように、整流部40は、巻線30の上方(図3の紙面で手前側)に配置されている。整流部40は、鉄心20の上ヨーク部22を囲う位置に設けられた傾斜面部41と、傾斜面部41における下端部の一部領域から下方に延出する複数の支持面部42(図4も参照)とを備えている。各図において、整流部40は、鉄心20に隣接して図示されているが、整流部40と鉄心20との間には絶縁油Lが流通する隙間、或いは、絶縁体となるシートやスペーサが配置され、整流部40と鉄心20との電気的な絶縁が保たれている。
【0025】
図3に示すように、上から見て、傾斜面部41は、上ヨーク部22を受容する開口を備えた長方形に沿う無端ループ状に形成される。また、上から見て、3体の巻線30にて鉄心20の外縁から外側にはみ出る部分に傾斜面部41が重なって配置される。
【0026】
図2に示すように、傾斜面部41の下端は、鉄心20における上ヨーク部22の外周近傍に配置される。また、傾斜面部41の下端は、上ヨーク部22の上端より下方であって巻線30の上端より上方に配置されている。傾斜面部41は、上ヨーク部22から離れて各側壁13~16の内面に近付くに従って上方に傾斜している。傾斜面部41の上端は、容器10における各側壁13~16の内面近傍に配置され、また、放熱フィン18の上端位置と略同一となる高さ位置に設けられている。
【0027】
支持面部42は、鉄心20の左右両側に1体ずつ、鉄心20の前後両側に3体ずつ設けられる。各支持面部42は、上下方向に沿って設けられている。左右の支持面部42は、鉄心20の左右両側の側面に沿う位置に設けられる。前後の支持面部42は、鉄心20の前後両側の側面に沿う位置に設けられる。支持面部42は、脚部21の真上または真上近傍に配置され、鉄心20の開口部27、28の真上位置から左右方向に外れた位置にて非形成となっている。
【0028】
整流部40は、ブラケット等の支持構造(不図示)を介して支持面部42がスペーサ34に連結されることで位置決め及び支持される。
【0029】
ここで、本実施の形態の絶縁油Lの流れについて、図5の比較構造と比べて説明する。図5は、比較構造に係る変圧器の図2と同様の断面図である。図5に示すように、従来例となる比較構造は、実施の形態に対して整流部40を省略した構成とされ、図5において、実施の形態と同様の構成については同一の符号を付している。かかる比較構造にあっては、巻線30及び鉄心20が温度上昇すると、巻線30の周辺の絶縁油Lも温度上昇され、図中矢印F01で示すように下から上に向かって絶縁油Lが流れる。
【0030】
その後、図中矢印F02で示すように、絶縁油Lは、液面L1で折り返されて下向きに流れることが期待される。また、かかる下向きの流れにて、絶縁油Lが巻線30から次第に離れて放熱フィン18の内部に入り込むことが期待される。
【0031】
ところが、比較構造にあっては、シミュレーションで評価すると、期待されるように放熱フィン18の内部を流れる絶縁油Lの流量が少なくなっていた。より具体的には、矢印F01で示す方向に絶縁油Lが流れてから、容器10の内部における巻線30の上方領域にて多くの絶縁油Lが循環する状態となった。このため、比較構造は、放熱フィン18による外気への放熱量が小さくなり、冷却効率が損なわれることとなった。
【0032】
この点、本実施の形態の構成では、図2に示すように、比較構造の矢印F01で示す絶縁油Lと同様に、温度上昇による対流によって巻線30の周辺の絶縁油Lが図2中矢印F11で示す上方向に流れる。ここで、巻線30の上方に整流部40が配置されるので、矢印F11で示す方向に流れた絶縁油Lは、図2中矢印F12で示すように整流部40の傾斜面部41に当たって上向きの流れが遮られて放熱フィン18側に案内される。これにより、多くの絶縁油Lは、傾斜面部41の傾きに沿って上方向に対して傾斜しつつ巻線30から離れて放熱フィン18の内部に入り込む方向に流れる。そして、放熱フィン18の内部にて下向きに絶縁油Lが通過して流れ、巻線30及び鉄心20の下側に戻ることで絶縁油Lが対流(循環)する。
【0033】
絶縁油Lの矢印F12で示す流れによって、比較構造に比べて放熱フィン18の内部を流れる絶縁油Lの流量を増加することができる。これにより、絶縁油Lを介して放熱フィン18から放出する熱量を増大して冷却効率を向上することができる。
【0034】
特に、絶縁油Lとして粘度が高い植物油を用いた場合でも、整流部40を設けることで放熱フィン18に流れる絶縁油Lを増量して冷却効率を向上でき、環境問題の解消に寄与することができる。
【0035】
このように、本実施の形態によれば、上述のように整流部40によって絶縁油L及び放熱フィン18を介した熱放出による冷却効率を向上することができる。また、傾斜面部41の上端が放熱フィン18の上端位置と略同一となる高さ位置に設けられるので、放熱フィン18の上端より上方に流れる絶縁油Lを少なくすることができる。これにより、比較構造のように巻線30の上方領域だけで絶縁油Lが循環することを抑制でき、放熱フィン18側に絶縁油Lをより良く案内することができる。
【0036】
更に、傾斜面部41が上から見て容器10の内周に沿う無端ループ状に形成されるので、傾斜面部41より上方に流れる絶縁油Lを少なくして放熱フィン18側に絶縁油Lを案内することができる。
【0037】
また、整流部40の支持面部42は開口部27、28の真上位置にて非形成となっている。これにより、開口部27、28内にて上方に流れる絶縁油Lも傾斜面部41の下方に流れるようになり、放熱フィン18側に案内される絶縁油Lを増加することができる。
【0038】
本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【0039】
上記実施の形態では、本発明を油入変圧器に適用した構成について説明したが、上述した作用効果が得られるのであれば、他の静止誘導電器に適用することも可能である。
【0040】
また、整流部40において、傾斜面部41に代えて水平方向に平行な平行面部を形成する構成としてもよいが、上記実施の形態の傾斜面部41のように傾斜した構成の方が放熱フィン18に案内できる絶縁油Lを増加させることができる。
【0041】
また、傾斜面部41の傾斜方向は、直線的に延出する方向に限定されるものでなく、湾曲する方向としてもよい。
【0042】
また、傾斜面部41の上端は、放熱フィン18の上端位置より低い位置に設けた構成としてもよく、該構成によっても放熱フィン18に絶縁油Lを案内できる。
【符号の説明】
【0043】
1 :変圧器(静止誘導電器)
10 :容器
13 :左側壁(側壁)
14 :右側壁(側壁)
15 :前側壁(側壁)
16 :後側壁(側壁)
18 :放熱フィン
20 :鉄心
21 :脚部
27 :開口部
28 :開口部
30 :巻線
40 :整流部
41 :傾斜面部
42 :支持面部
L :絶縁油(絶縁液体)
図1
図2
図3
図4
図5