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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183163
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】自動販売機システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20231220BHJP
   G07F 9/00 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
G06Q10/04
G07F9/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096642
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北尾 洸一
【テーマコード(参考)】
3E044
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044DE01
3E044DE02
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】月締め期間において全ての自動販売機に対する月締め作業を確実に実施することができる自動販売機システムを提供すること。
【解決手段】管理サーバ31は、訪問モードD7として、月締め処理を優先して訪問計画を作成する月締め優先モードと商品補充処理を優先して訪問計画を作成する補充優先モードとを有し、月締め期間であって月締め処理が未処理の自動販売機1,2が存在する場合、月締め優先モードによる訪問計画D4を作成する。この際、管理サーバ31は、月締めモードによる訪問計画D4を作成する場合、訪問計画D4の訪問ルートRを、商品の補充数に関係なく、最短ルートに決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自動販売機、所定の訪問ルートに従って各自動販売機に商品補充などの作業を行う訪問作業員の携帯端末、及び、前記商品補充などの作業を管理する管理者の端末装置に接続された管理サーバを有し、前記管理サーバは、各自動販売機から取得した商品販売情報をもとに各自動販売機の商品売上を取得し、取得した商品売上をもとに各自動販売機に対する商品コラムごとの補充数を算出して前記所定の訪問ルートを含む訪問計画を作成して前記携帯端末に通知する自動販売機システムであって、
前記管理サーバは、訪問モードとして、月締め処理を優先して訪問計画を作成する月締め優先モードと商品補充処理を優先して訪問計画を作成する補充優先モードとを有し、月締め期間であって月締め処理が未処理の自動販売機が存在する場合、前記月締め優先モードによる訪問計画を作成することを特徴とする自動販売機システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、前記月締め優先モードによる訪問計画を作成する場合、前記訪問計画の訪問ルートを、商品の補充数に関係なく、最短ルートに決定することを特徴とする請求項1に記載の自動販売機システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、前記月締め優先モードによる訪問計画を作成する場合、該訪問計画の全作業時間に余裕がある場合に、該訪問計画の全作業時間内に収まるように商品補充作業を追加することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動販売機システム。
【請求項4】
前記商品補充作業の追加は、売切れ商品の補充を優先することを特徴とする請求項3に記載の自動販売機システム。
【請求項5】
前記管理サーバは、
前記訪問計画の実施中に、前記訪問計画の訪問実施情報と過去の訪問計画の訪問実績情報とを比較して前記訪問計画の遅れ時間を監視し、
前記訪問計画に遅れ時間が発生している場合、残りの訪問ルートの自動販売機に対して商品補充作業の作業時間を削減する補充数再設定処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機システム。
【請求項6】
前記補充数再設定処理は、
残りの訪問ルートの全自動販売機に対して売切れ商品以外の商品補充を削除する補正を行って前記遅れ時間を解消し、
前記売切れ商品以外の商品補充の削除のみでは前記遅れ時間を解消できない場合であって前記月締め優先モードに設定されている場合、残りの訪問ルートの全自動販売機に対する全商品の商品補充作業を削除して前記遅れ時間を解消することを特徴とする請求項5に記載の自動販売機システム。
【請求項7】
前記遅れ時間は、遅れ許容時間を差し引いた判定遅れ時間であることを特徴とする請求項5又は6に記載の自動販売機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、月締め期間において全ての自動販売機に対する月締め作業を確実に実施することができる自動販売機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機の設置業者である飲料メーカーでは、ルートマンが各自動販売機を巡回して、売上金の回収や釣り銭の補充を行うとともに、商品の補充及び入れ替えを行っている。ここで、自動販売機をオンライン化し、自動販売機の販売数データをもとに自動販売機への商品補充量を把握するものが提案されている(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-42217号公報
【特許文献2】特開2002-74479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、月末の所定期間(月締め期間)では、全ての自動販売機に対して月締め作業、すなわち商品計数、売上締め、売上金回収、釣銭補充などの作業を優先して行う。しかし、月締め期間にも商品は売れるため、月締め期間の訪問計画には、月締め作業に商品補充作業が含まれる。したがって、月締め期間の訪問計画における商品補充作業時間が長い場合、限られたルートマンの人員では、月締め期間内に全ての自動販売機に対する月締め作業が実施できない場合が発生する。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、月締め期間において全ての自動販売機に対する月締め作業を確実に実施することができる自動販売機システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の自動販売機、所定の訪問ルートに従って各自動販売機に商品補充などの作業を行う訪問作業員の携帯端末、及び、前記商品補充などの作業を管理する管理者の端末装置に接続された管理サーバを有し、前記管理サーバは、各自動販売機から取得した商品販売情報をもとに各自動販売機の商品売上を取得し、取得した商品売上をもとに各自動販売機に対する商品コラムごとの補充数を算出して前記所定の訪問ルートを含む訪問計画を作成して前記携帯端末に通知する自動販売機システムであって、前記管理サーバは、訪問モードとして、月締め処理を優先して訪問計画を作成する月締め優先モードと商品補充処理を優先して訪問計画を作成する補充優先モードとを有し、月締め期間であって月締め処理が未処理の自動販売機が存在する場合、前記月締め優先モードによる訪問計画を作成することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記の発明において、前記管理サーバは、前記月締め優先モードによる訪問計画を作成する場合、前記訪問計画の訪問ルートを、商品の補充数に関係なく、最短ルートに決定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記の発明において、前記管理サーバは、前記月締め優先モードによる訪問計画を作成する場合、該訪問計画の全作業時間に余裕がある場合に、該訪問計画の全作業時間内に収まるように商品補充作業を追加することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の発明において、前記商品補充作業の追加は、売切れ商品の補充を優先することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記管理サーバは、前記訪問計画の実施中に、前記訪問計画の訪問実施情報と過去の訪問計画の訪問実績情報とを比較して前記訪問計画の遅れ時間を監視し、前記訪問計画に遅れ時間が発生している場合、残りの訪問ルートの自動販売機に対して商品補充作業の作業時間を削減する補充数再設定処理を行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記補充数再設定処理は、残りの訪問ルートの全自動販売機に対して売切れ商品以外の商品補充を削除する補正を行って前記遅れ時間を解消し、前記売切れ商品以外の商品補充の削除のみでは前記遅れ時間を解消できない場合であって前記月締め優先モードに設定されている場合、残りの訪問ルートの全自動販売機に対する全商品の商品補充作業を削除して前記遅れ時間を解消することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記遅れ時間は、遅れ許容時間を差し引いた判定遅れ時間であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、月締め期間において全ての自動販売機に対する月締め作業を確実に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施の形態である自動販売機システムの概要構成を示す模式図である。
図2図2は、月締め優先モードと補充優先モードとにより作成される訪問計画における訪問ルートの一例を示す図である。
図3図3は、作業補正処理及び補充数再設定処理で用いられる作業遅れ時間、作業遅れ許容時間、作業判定時間、作業削減時間の関係を説明する説明図である。
図4図4は、管理サーバによる訪問管理の全体処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、図4における作業補正処理手順を示す詳細フローチャートである。
図6図6は、図5における補充数再設定処理手順を示す詳細フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
【0016】
<自動販売機システムの概要構成>
図1は、本発明の実施の形態である自動販売機システムの概要構成を示す模式図である。この自動販売機システムは、複数の自動販売機1,2の各通信ユニット11,12、所定の訪問ルートRに従って各自動販売機1,2に商品補充などの作業を行う訪問作業員であるルートマン100の携帯端末10、訪問計画を管理する管理者であるルートマネージャー200の端末装置50に接続される管理サーバ31を有する。ルートマン100の作業には、商品補充の他に、故障対応、売上金回収、釣銭補充などがある。また、作業のカテゴリとして、商品補充とは別に、商品計数、売上締め、売上金回収、釣銭補充などの月締め処理を行う月締め作業がある。自動販売機1,2は、複数の自動販売機の一例を示している。
【0017】
管理サーバ31は、クラウド30上のサーバであり、売上算出部32、訪問計画部33、計画監視部34、作業補正部35及びデータベース部36を有する。データベース部36は、自販機データD1、売上データD2、自販機在庫データD3、訪問計画D4、訪問実績データD5、作業データD6、訪問モードD7、月締め期間D8を有する。自販機データD1は、自動販売機1,2の静的な情報であり、自動販売機1,2の設置場所、商品構成情報などを記憶する。売上データD2は、自動販売機1,2から送られる一件明細をもとに売上を更新して記憶する。自販機在庫データD3は、各自動販売機の動的な在庫情報であり、例えば、自動販売機ごと、商品名、在庫数、補充数がほぼリアルタイムで随時更新される。在庫数は、自動販売機から送られる一件明細をもとに更新し、補充数はルートマン100による商品入れ替えを含む商品補充の完了の際、携帯端末10あるいは通信ユニット11,12を介して通知されて更新される。訪問計画D4は、訪問ルート、訪問日、訪問数、配送車、商品積み込み数(ピッキング数)、移動時間、作業遅れ許容時間などが含まれる。訪問実績データD5には、過去の訪問実績データも含まれる。作業データD6は、作業時間などの算出の基礎となる商品1本あたりの補充作業時間や、1つの自動販売機に対する月締め作業時間などが格納されている。訪問モードD7には、月締め処理を優先して訪問計画を作成する月締め優先モードと商品補充処理を優先して訪問計画を作成する補充優先モードとの切替設定状態が記憶される。月締め期間D8は、月締め期間を示すカレンダーである。
【0018】
売上算出部32は、逐次、自動販売機側から送られる一件明細をもとに売上データD2を算出する。この売上データD2により自販機在庫データD3も更新される。なお、売上算出部32は、過去の売上データD2及び外部から取得したイベントデータなどをもとに、商品の需要を予測する機能も有する。
【0019】
訪問計画部33は、月締め期間D8であって月締め処理が未処理の自動販売機が存在する場合、訪問モードD7を月締め優先モードに設定し、それ以外の場合、訪問モードD7を補充優先モードに設定する。そして、訪問計画部33は、訪問モードに対応した訪問計画D4を作成し、携帯端末10に通知する。訪問計画D4は、訪問日前々日までに携帯端末10に通知される。訪問計画D4には、訪問ルートR、訪問日、訪問数、配送車、商品の補充数(ピッキング数)が含まれる。ルートマン100は、訪問日前日に、商品の補充数をもとに、配送車20に商品をピッキングして積み込む。
【0020】
訪問計画部33は、訪問ルートRの決定は、訪問モードD7の設定状態によって異なる。月締め優先モードでは、商品補充とは無関係に月締め処理を行う自動販売機の最短ルートを訪問ルートとして決定する。一方、補充優先モードでは、商品の補充数の多い自動販売機を優先して経由するルートを訪問ルートとして決定する。例えば、図2に示すように、自動販売機21~27が配置されており、自動販売機21,26,27の補充数が多い場合、補充優先モードでは、補充数が多い自動販売機21,26,27を順次経由するルートを訪問ルートR10として決定する。これにより、販売機会ロスを低減する。一方、月締め優先モードでは、補充数に関係なく、自動販売機21~25を順次経由する最短ルートを訪問ルートR20として決定する。これにより、月締め期間内に月締め処理を確実に行うようにする。
【0021】
なお、訪問計画部33は、月締め優先モードによる訪問計画を作成する場合、該訪問計画の全作業時間に余裕がある場合に、該訪問計画の全作業時間内に収まるように商品補充作業を追加する。また、この商品補充作業の追加は、売切れ商品の補充を優先して行う。これにより、月締め処理を優先しつつ、販売機会ロスの低減を図ることができる。
【0022】
計画監視部34は、訪問当日における訪問計画の実施中に、訪問計画の訪問実施情報と過去の訪問計画の訪問実績情報(訪問実績データD5)とを比較して訪問計画の遅れ時間を監視する。遅れ時間は、交通渋滞や予期しない作業遅れが原因であり、この遅れ時間は、携帯端末10による、1つの自動販売機に対する作業管理通知により知ることができる。
【0023】
作業補正部35は、訪問計画に遅れ時間が発生している場合、残りの訪問ルートの自動販売機に対して商品補充作業の作業時間を削減する補充数再設定処理を行う。この補充数再設定処理は、残りの訪問ルートの全自動販売機に対して売切れ商品以外の商品補充を削除する補正を行って前記遅れ時間を解消し、さらに、売切れ商品以外の商品補充の削除のみでは遅れ時間を解消できない場合であって月締め優先モードに設定されている場合、残りの訪問ルートの全自動販売機に対する全商品の商品補充作業を削除して遅れ時間を解消する。なお、遅れ時間は、実遅れ時間から遅れ許容時間を差し引いた判定遅れ時間を用いている。
【0024】
すなわち、図3に示すように、訪問計画の作業規定時間Tを超える実遅れ時間である作業遅れ時間TDから作業遅れ許容時間TAを差し引いた作業判定時間TCがあるか否かによって遅れがあるか否かが判定される。そして、作業補正部35は、補充数再設定処理によって得られた作業削減時間TBが作業判定時間TCを超えるように作業補正を行う。
【0025】
<訪問の概要処理>
管理サーバ31は、各自動販売機1,2から随時送られる一件明細をもとに商品売上を集計し、各自動販売機1,2に対する商品コラムごとに補充日の前々日までの補充数を集計するとともに、補充日の前日の補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した補充数を算出する。ここで、予測する補充数とは、例えば、過去1か月間の各曜日の売上実績の平均値をもとにした補充数である。
【0026】
そして、管理サーバ31は、訪問モードD7に対応した訪問計画D4を作成する。この際、訪問ルートR上の自動販売機に商品補充を行う場合、上記の補充数を訪問計画D4に含める。そして、管理サーバ31は、携帯端末10に訪問計画D4を通知する。一方、ルートマン100は、訪問計画D4に商品補充が含まれる場合、設置場所LOの食品管理庫101において、通知された補充数の補充商品を補充日の前日に配送車20に積載し、補充日当日に配送車20で各自動販売機1,2を訪問する。これにより、各自動販売機1,2に対する商品補充処理や月締め処理を行うことができる。
【0027】
商品補充を行う場合、ルートマン100は、補充日当日に、補充商品が詰め込まれた配送車20を訪問ルートRに沿って巡回し、各自動販売機1,2に対する商品補充作業を行う。最初の自動販売機1の設置場所LP1の近くの駐車場PP1に配送車20が到着すると、ルートマン100は、配送車20から補充商品の荷卸しを行い、台車40などにより自動販売機1まで補充商品を搬送する。そして、余剰商品や商品入れ替えに伴う引き出し商品を配送車20まで運搬して積載する。月締め作業のみの場合、補充商品の荷卸しなどは行われない。そして、ルートマン100は、携帯端末10を介して自動販売機1に対する作業終了通知を管理サーバ31に送る。また、ルートマン100は、補充数再設定処理があった場合、携帯端末10を介して管理サーバ31からの通知を受ける。
【0028】
その後、ルートマン100は、次の自動販売機2の設置場所LP2の近くの駐車場PP2に配送車20が到着すると、自動販売機1に対する商品補充作業や月締め作業と同様の作業を自動販売機2に対して行う。そして、ルートマン100は、携帯端末10を介して自動販売機2に対する作業終了通知を管理サーバ31に送る。また、ルートマン100は、補充数再設定処理があった場合、携帯端末10を介して管理サーバ31からの通知を受ける。
【0029】
<管理サーバによる訪問管理の全体処理>
図4は、管理サーバ31による訪問管理の全体処理手順を示すフローチャートである。図4に示すように、まず、管理サーバ31は、訪問日が月締め期間であるか否かを判定する(ステップS101)。月締め期間である場合(ステップS101:Yes)、さらに、月締め処理が未処理の自動販売機があるか否かを判定する(ステップS102)。月締め処理が未処理の自動販売機がある場合(ステップS102:Yes)、訪問モードを月締め優先モードに設定する(ステップS103)。そして、管理サーバ31は、月締め優先モードによる訪問計画を作成する(ステップS104)。
【0030】
一方、訪問日が月締め期間でない場合(ステップS101:No)あるいは、月締め処理が未処理の自動販売機がない場合(ステップS102:No)には、訪問モードを補充優先モードに設定する(ステップS105)。そして、管理サーバ31は、補充優先モードによる訪問計画を作成する(ステップS106)。
【0031】
その後、管理サーバ31は、ステップS104あるいはS106で作成された訪問計画を携帯端末10に通知する(ステップS107)。そして、訪問計画の訪問日当日、リアルタイムの遅れ時間を解消する作業補正処理を行って(ステップS108)、本処理を終了する。
【0032】
<作業補正処理>
図5は、ステップS108の作業補正処理手順を示す詳細フローチャートである。図5に示すように、まず、管理サーバ31は、1つの自動販売機の作業終了通知を携帯端末10から受けたか否かを判定する(ステップS201)。作業終了通知を受けない場合(ステップS201:No)、本判定処理を繰り返し、作業終了通知を受けた場合(ステップS201:Yes)、さらに、未訪問の自動販売機があるか否かを判定する(ステップS202)。未訪問の自動販売機がない場合(ステップS202:No)、そのまま本処理を終了し、ステップS108に戻る。
【0033】
一方、未訪問の自動販売機がある場合(ステップS202:Yes)、現時点における作業遅れ時間TDを算出する(ステップS203)。この作業遅れ時間TDの算出は、訪問計画の訪問実施情報と過去の訪問計画の訪問実績データD5とを比較して行う。
【0034】
その後、作業遅れ時間TDが作業遅れ許容時間TAを超えているか否かを判定する(ステップS204)。作業遅れ時間TDが作業遅れ許容時間TAを超えていない場合(ステップS204:No)、ステップS201に移行する。一方、作業遅れ時間TDが作業遅れ許容時間TAを超えている場合(ステップS204:Yes)、訪問ルート上の残りの自動販売機に対する補充数再設定処理を行い(ステップS205)、その後、補充数再設定を携帯端末10に通知して(ステップS206)、ステップS108に戻る。
【0035】
<補充数再設定処理>
図6は、ステップS205の補充数再設定処理手順を示す詳細フローチャートである。図6に示すように、まず、管理サーバ31は、作業削減時間TBを0にリセットする(ステップS301)。その後、次に訪問する自動販売機を選択する(ステップS302)。そして、選択した自動販売機における売切れ商品以外の補充数を0にし(ステップS303)、これによる作業削減時間TBの更新を行う(ステップS304)。
【0036】
その後、管理サーバ31は、作業削減時間TBが遅れ判定時間TCを超えたか否かを判定する(ステップS305)。上記のように、遅れ判定時間TCは、作業遅れ時間TDから作業遅れ許容時間TAを差し引いた時間である。作業削減時間TBが遅れ判定時間TCを超えた場合(ステップS305:Yes)、ステップS205に戻る。
【0037】
一方、作業削減時間TBが遅れ判定時間TCを超えない場合(ステップS305:No)には、さらに、次の訪問する自動販売機があるか否かを判定する(ステップS306)。次の訪問する自動販売機がある場合(ステップS306:Yes)、ステップS303に移行して前の自動販売機と同様の処理を行う。一方、次の訪問する自動販売機がない場合(ステップS306:No)、さらに、訪問モードが月締め優先モードであるか否かを判定する(ステップS307)。訪問モードが月締め優先モードでない場合(ステップS307:No)、すなわち補充優先モードである場合、そのままステップS205に戻る。一方、訪問モードが月締め優先モードである場合(ステップS307:Yes)、残りの訪問ルートの全自動販売機に対し、全商品の補充数を0にし(ステップS308)、ステップS205に戻る。
【0038】
なお、図4図6に示した処理手順は、月締め優先モード及び補充優先モードに共通する処理手順である。したがって、補充優先モードにおいても補充数再設定処理が行われる。
【0039】
本実施の形態では、月締め処理を優先して訪問計画を作成する月締め優先モードと商品補充処理を優先して訪問計画を作成する補充優先モードとを切り替え、月締め優先モードでは、商品の補充数の多さに関係なく、訪問ルートが最短ルートに決定されるので、限られた少ないルートマンの人員であっても、月締め期間において全ての自動販売機に対する月締め作業を確実に実施することができる。
【0040】
また、本実施の形態では、月締め優先モードであっても、作業時間に余裕がある場合は、商品補充作業を追加し、この商品補充作業の追加は、売切れ商品の補充を優先して行うようにしているので、販売機会ロスを低減することができる。
【0041】
また、本実施の形態では、訪問日当日に訪問計画の実施中に、遅れ時間を監視し、この遅れ時間が発生している場合、残りの訪問ルートの自動販売機に対して補充作業の作業時間を削減する補充数再設定処理を行い、月締め処理を優先して処理するようにしているので、この点においても、月締め期間において全ての自動販売機に対する月締め作業を確実に実施することができる。また、この補充数再設定処理では、売切れ商品以外の商品補充を優先して削除し、可能な限り、売切れ商品の補充を行うようにしているので、販売機会ロスを低減することができる。
【0042】
なお、上述した実施の形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置及び構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0043】
1,2,21~27 自動販売機
10 携帯端末
11,12 通信ユニット
20 配送車
30 クラウド
31 管理サーバ
32 売上算出部
33 訪問計画部
34 計画監視部
35 作業補正部
36 データベース部
40 台車
50 端末装置
100 ルートマン
101 食品管理庫
200 ルートマネージャー
D1 自販機データ
D2 売上データ
D3 自販機在庫データ
D4 訪問計画
D5 訪問実績データ
D6 作業データ
D7 訪問モード
D8 月締め期間
LO,LP1,LP2 設置場所
PP1,PP2 駐車場
R,R10,R20 訪問ルート
T 作業規定時間
TA 作業遅れ許容時間
TB 作業削減時間
TC 作業判定時間
TD 作業遅れ時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6