(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183165
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
H02G 3/30 20060101AFI20231220BHJP
H01R 13/73 20060101ALI20231220BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20231220BHJP
H01B 7/00 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
H02G3/30
H01R13/73 C
H02G3/04
H01B7/00 301
H01B7/00 306
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096645
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山崎 浩一
【テーマコード(参考)】
5G309
5G357
5G363
【Fターム(参考)】
5G309AA09
5G309FA04
5G309FA05
5G309FA06
5G357DA06
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD02
5G357DD14
5G357DD20
5G357DG01
5G363AA16
5G363BA02
5G363DA13
5G363DA15
5G363DA16
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】支持部材を電線に取付けるときの作業性を向上できるワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】ワイヤハーネス1は、電線4と、電線4の端部(電線端部5)に設けられるコネクタ6と、を備える。ワイヤハーネス1は、電線端部5及びコネクタ6の両方を支える支持部材9を備える。支持部材9は、コネクタ6に連結されるとともに、電線4を電線端部5において支持する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線と、前記電線の端部に設けられるコネクタと、を備えたワイヤハーネスであって、
前記コネクタに連結されるとともに、前記電線の端部及び前記コネクタの両方を支える支持部材を備えたワイヤハーネス。
【請求項2】
前記支持部材は、
前記電線の端部及び前記コネクタを支える表面を有する本体部と、
前記本体部の裏面に設けられ、前記ワイヤハーネスの取付け先に形成された被係合部に係合される係合部と、を有する
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記係合部は、前記コネクタと対向するように配置されている
請求項2に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
前記電線を前記支持部材に固定する固定部材を備えた
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項5】
前記支持部材は、前記電線の端部及び前記コネクタを支える本体部を有し、
前記固定部材は、前記電線を前記本体部の端部に固定する
請求項4に記載のワイヤハーネス。
【請求項6】
前記固定部材は、前記電線及び前記支持部材の外周に巻き付けられるテープである
請求項4に記載のワイヤハーネス。
【請求項7】
前記固定部材は、前記電線及び前記支持部材の外周に巻き付けられるバンド本体が環状のロック部に通されて締め付け状態で固定されるバンドである
請求項4に記載のワイヤハーネス。
【請求項8】
前記支持部材は、前記バンドを係合するための溝を有する
請求項7に記載のワイヤハーネス。
【請求項9】
前記支持部材は、前記バンドを通すための孔を有する
請求項7に記載のワイヤハーネス。
【請求項10】
前記支持部材は、前記電線の端部及び前記コネクタを支える本体部を有し、
前記本体部は、直線状に形成されている
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項11】
前記支持部材は、前記電線の端部及び前記コネクタを支える本体部を有し、
前記本体部は、前記本体部の平面方向に曲げられた形状に形成されている
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項12】
前記支持部材は、前記電線の端部及び前記コネクタを支える本体部を有し、
前記本体部は、前記電線及び前記コネクタの段差に沿うように、段状に形成されている
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線の端部にコネクタを設けた車両用のワイヤハーネスが周知である。ワイヤハーネスは、コネクタに取付けられたクランプを、車体に設けられた孔に係合することにより、例えば1箇所の固定点で車体に取付けられる。よって、電線に曲げの応力が付与された際には、電線をコネクタに接続する部位に負荷がかかり易くなってしまう。
【0003】
そこで、この問題の対策となり得る技術が特許文献1に開示されている。特許文献1には、保護チューブで覆われた電線と、電線の末端のコネクタと、を支持する伸長部付き留め具が開示されている。伸長部付き留め具は、車両のボディやインストルメントパネルの取付穴に挿入される留め具と、留め具から電線に沿って直線状に延びる四角柱状の伸長部と、を有する。伸長部は、電線と保護チューブとの間に挿入される。電線、保護チューブ、及び伸長部は、粘着テープを巻き付けることにより、結束されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術の場合、ワイヤハーネスを車両に取付けるとき、伸長部付き留め具の伸長部を電線と保護チューブとの間に挿入する作業が必要となる。このため、ワイヤハーネスを取付けるときの作業性に劣るという課題があった。また、伸長部を電線と保護チューブとの間に挿し込むとき、保護チューブの径が広げられることもあるため、改善の余地があった。
【0006】
本開示の目的は、支持部材を電線に取付けるときの作業性を向上できるワイヤハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するワイヤハーネスは、電線と、前記電線の端部に設けられるコネクタと、を備えた構成であって、前記コネクタに連結されるとともに、前記電線の端部及び前記コネクタの両方を支える支持部材を備えた。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、支持部材を電線に取付けるときの作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態のワイヤハーネスの側面図である。
【
図3】
図3は、ワイヤハーネスを裏面側からみたときの斜視図である。
【
図5】
図5は、従来の位置付けのワイヤハーネスの側面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態のワイヤハーネスの側面図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態のワイヤハーネスの側面図である。
【
図8】
図8は、別例のワイヤハーネスの平面図である。
【
図9】
図9は、他の別例のワイヤハーネスの側面図である。
【
図10】
図10は、他の別例のワイヤハーネスの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示のワイヤハーネスは、電線と、前記電線の端部に設けられるコネクタと、を備えた構成であって、前記コネクタに連結されるとともに、前記電線の端部及び前記コネクタの両方を支える支持部材を備えた。
【0011】
本構成によれば、例えば、電線に曲げの応力が付与されたとしても、電線及びコネクタの両方をまとめて支持する支持部材によって、電線の端部に負荷がかかり難くなる。このため、電線の端部の耐久性を向上できる。また、電線及びコネクタに支持部材を単に接触させるだけの構成で済む。よって、電線及びコネクタに対して支持部材を当てて取付けるだけで済むので、支持部材を電線に取付けるときの作業性が向上する。
【0012】
[2]上記[1]において、前記支持部材は、前記電線の端部及び前記コネクタを支える表面を有する本体部と、前記本体部の裏面に設けられ、前記ワイヤハーネスの取付け先に形成された被係合部に係合される係合部と、を有する。この構成によれば、ワイヤハーネスを支持部材の係合部によって取付け先に取付け固定することが可能となる。
【0013】
[3]上記[2]において、前記係合部は、前記コネクタと対向するように配置されている。この構成によれば、コネクタを上から押すことにより、係合部を取付け先にしっかりと係合することが可能となる。
【0014】
[4]上記[1]から[3]のいずれかにおいて、ワイヤハーネスは、前記電線を前記支持部材に固定する固定部材を備えた。この構成によれば、電線を固定部材によってしっかりと支持部材に固定することが可能となるので、電線を支持部材から外れ難くすることが可能となる。
【0015】
[5]上記[4]において、前記支持部材は、前記電線の端部及び前記コネクタを支える本体部を有し、前記固定部材は、前記電線を前記本体部の端部に固定する。この構成によれば、支持部材は、電線に対し、先端がコネクタで固定されるとともに、端部が固定部材によって固定される。このため、支持部材を両端で固定可能となるので、支持部材を電線に対し位置ずれし難くすることが可能となる。
【0016】
[6]上記[4]又は[5]において、前記固定部材は、前記電線及び前記支持部材の外周に巻き付けられるテープである。この構成によれば、テープによる簡易な構成によって、電線及び支持部材を固定可能となる。
【0017】
[7]上記[4]又は[5]において、前記固定部材は、前記電線及び前記支持部材の外周に巻き付けられるバンド本体が環状のロック部に通されて締め付け状態で固定されるバンドである。この構成によれば、バンドを締めるという簡便な方法によって、電線及び支持部材を固定可能となる。
【0018】
[8]上記[7]において、前記支持部材は、前記バンドを係合するための溝を有する。この構成によれば、バンドを締めるとき、バンドを溝に引っ掛けるだけで済むので、バンドを簡易に取付けることが可能となる。
【0019】
[9]上記[7]において、前記支持部材は、前記バンドを通すための孔を有する。この構成によれば、バンドを支持部材の孔に通しておくので、締め付け後のバンドを支持部材から外れ難くすることが可能となる。
【0020】
[10]上記[1]から[9]のいずれかにおいて、前記支持部材は、前記電線の端部及び前記コネクタを支える本体部を有し、前記本体部は、直線状に形成されている。この構成によれば、本体部を簡素な形状とすることが可能となる。
【0021】
[11]上記[1]から[9]のいずれかにおいて、前記支持部材は、前記電線の端部及び前記コネクタを支える本体部を有し、前記本体部は、前記本体部の平面方向に曲げられた形状に形成されている。この構成によれば、本体部に経路規制の機能を持たせることが可能となる。
【0022】
[12]上記[1]から[11]のいずれかにおいて、前記支持部材は、前記電線の端部及び前記コネクタを支える本体部を有し、前記本体部は、前記電線及び前記コネクタの段差に沿うように、段状に形成されている。この構成によれば、本体部を電線に沿わせて密着させることが可能となる。
【0023】
(本開示の第1実施形態の詳細)
本開示のワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際とは異なる場合がある。
【0024】
(ワイヤハーネス1の概説)
図1及び
図2に示すように、ワイヤハーネス1は、線状の芯線2が絶縁被覆3で覆われた電線4と、電線4の端部(以下、電線端部5と記す)に接続されたコネクタ6と、を備える。芯線2は、例えば、撚線及び単芯線のいずれでもよい。単芯線は、例えば、内部が中実構造をなす柱状導体や内部が中空構造をなす筒状導体などである。芯線2の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料が用いられる。絶縁被覆3は、例えば、芯線2の外周面を周方向全周で被覆している。絶縁被覆3は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成されている。ワイヤハーネス1は、例えば、車載用であることが好ましい。
【0025】
(支持部材9の概説)
図1に示す通り、ワイヤハーネス1は、電線端部5及びコネクタ6の両方を支える支持部材9を備える。支持部材9は、電線端部5及びコネクタ6を支える表面を有する本体部10と、ワイヤハーネス1の取付け先11に形成された被係合部12に係合される係合部13と、を有する。本体部10は、例えば、直線状に形成されている。具体的には、本体部10は、電線4に沿うように真っ直ぐな板状に形成されている。
【0026】
係合部13は、本体部10の裏面14に設けられる。係合部13は、取付け時の座となる本体15と、被係合部12に係合される突起16と、を有する。係合部13は、例えば、コネクタ6と対向するように配置されている。具体的には、係合部13は、コネクタ6の真下の位置に配置されている。係合部13は、例えば、本体部10の先端17に配置されている。係合部13は、本体部10に対し、一体又は別体のいずれでもよい。被係合部12は、例えば、突起16が引っ掛かる孔である。
【0027】
取付け先11は、例えば、車両のボディやバンパである。取付け先11の長さL1は、例えば、支持部材9の長さ(具体的には、本体部10の長さL2)よりも短い。すなわち、取付け先11は、電線4の延在方向(
図1のX軸方向)において、支持部材9を複数点(具体的には、2点)で固定できない長さとなっている。
【0028】
(コネクタ6及び支持部材9の固定構造)
図3及び
図4に示すように、支持部材9は、コネクタ6及び支持部材9の間に設けられた連結機構20によって、コネクタ6に連結される。連結機構20は、例えば、連結方向(
図3のX軸方向)に延びるレール21と、このレール21が通される案内溝部22と、を有する。本例の場合、レール21が支持部材9に設けられ、案内溝部22がコネクタ6に設けられている。レール21は、例えば、支持部材9の上面に配置されている。案内溝部22は、例えば、コネクタ6の裏面に配置されている。
【0029】
連結機構20は、レール21が案内溝部22の奥まで挿し込まれたとき、所定の位置決め機構(図示略)によって、挿し込み状態が保持される。位置決め機構は、例えば、圧入構造やスナップフィット構造など、レール21及び案内溝部22の位置を保持できれば、どのような構造でもよい。
【0030】
(支持部材9に対する電線4の固定構造)
図1及び
図2に示す通り、ワイヤハーネス1は、電線4を支持部材9に固定する固定部材25を備える。固定部材25は、例えば、電線4を本体部10の端部26(例えば、末端)に固定する。すなわち、固定部材25は、本体部10の端部26に配置される。なお、コネクタ6から固定部材25までの距離L3(
図1参照)は、例えば、電線端部5への応力集中による断線を防止し得る値に設定されることが好ましい。
【0031】
固定部材25は、例えば、電線4及び支持部材9の外周に巻き付けられるテープ27である。テープ27は、例えば、樹脂テープである。テープ27は、耐熱性、絶縁性、耐薬品性、及び耐候性、の少なくとも1つの特性を有するものが好ましい。テープ27は、例えば、隣の周のものと一部が重なるように(いわゆる、ハーフラップ)して複数周巻かれることが好ましい。
【0032】
(第1実施形態の作用)
次に、本実施形態のワイヤハーネス1の作用について説明する。
図5に、従来の位置付けのワイヤハーネス1を図示する。ところで、ワイヤハーネス1は、電線端部5に過度な負荷Fがかからないようにするために、電線4をクランプK等で取付け先11に固定するなどして、電線4が延びる方向(
図5のX軸方向)の2点で固定されることが好ましい。しかし、取付け先11の面が小さい場合、すなわち、取付け先11の長さL1が十分でない場合、コネクタ6の部位でしかワイヤハーネス1を取付け先11に固定することができず、前述の2点固定の構造をとることができない可能性が生じる。この場合、電線端部5に過度な負荷Fがかかるおそれが生じる。
【0033】
そこで、
図1等に示す通り、本例の場合、電線4及びコネクタ6の両方を下支えする本体部10と、取付け先11に係合される係合部13と、を有する支持部材9を設ける。この支持部材9は、連結機構20によってコネクタ6に連結されるとともに、固定部材25によって電線4に固定される。そして、支持部材9の係合部13を取付け先11の被係合部12に係合することにより、コネクタ6を取付け先11に固定する。
【0034】
従って、例えば電線4に曲げの応力が加えられても、電線4を支持部材9に固定する固定部材25によって電線4の動きが抑制されるため、電線端部5(いわゆる、コネクタ6の首下)に負荷がかかり難い。このため、複数の固定点を設けることができない取付け先11にコネクタ6を取付ける場合であっても、電線端部5に負荷をかかり難くすることが可能となる。
【0035】
また、本例の場合、支持部材9を芯線2及び絶縁被覆3の間に挿し込む構造をとらない。このため、絶縁被覆3の径が無理に広げられることがないため、絶縁被覆3の大型化を回避することが可能となる。また、絶縁被覆3の径が無理に広げられなければ、絶縁被覆3を損傷させずに済む。
【0036】
(第1実施形態の効果)
上記実施形態のワイヤハーネス1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1-1)ワイヤハーネス1は、電線4と、電線4の端部(電線端部5)に設けられるコネクタ6と、を備える。ワイヤハーネス1は、コネクタ6に連結された支持部材9を備える。支持部材9は、電線端部5及びコネクタ6の両方を支える。
【0037】
本構成によれば、例えば、電線4に曲げの応力が付与されたとしても、電線4及びコネクタ6の両方をまとめて支持する支持部材9によって、電線端部5に負荷がかかり難くなる。このため、電線端部5の耐久性を向上できる。また、電線4及びコネクタ6に支持部材9を単に接触させるだけの構成で済む。よって、電線4及びコネクタ6に対して支持部材9を当てて取付けるだけで済むので、支持部材9を電線4に取付けるときの作業性を向上できる。
【0038】
(1-2)支持部材9は、本体部10及び係合部13を有する。本体部10は、電線端部5及びコネクタ6を支える表面を有する。係合部13は、本体部10の裏面14に設けられ、ワイヤハーネス1の取付け先11に形成された被係合部12に係合される。この構成によれば、ワイヤハーネス1を支持部材9の係合部13によって取付け先11に取付け固定することができる。
【0039】
(1-3)係合部13は、コネクタ6と対向するように配置されている。この構成によれば、コネクタ6を上から押すことにより、係合部13を取付け先11にしっかりと係合することができる。
【0040】
(1-4)ワイヤハーネス1は、電線4を支持部材9に固定する固定部材25を備えた。この構成によれば、電線4を固定部材25によってしっかりと支持部材9に固定することが可能となるので、電線4を支持部材9から外れ難くすることができる。
【0041】
(1-5)固定部材25は、電線4を本体部10の端部26に固定する。この構成によれば、支持部材9は、電線4に対し、先端17がコネクタ6で固定されるとともに、端部26が固定部材25によって固定される。このため、支持部材9を両端で固定可能となるので、支持部材9を電線4に対し位置ずれし難くすることができる。
【0042】
(1-6)固定部材25は、電線4及び支持部材9の外周に巻き付けられるテープ27である。この構成によれば、テープ27による簡易な構成によって、電線4及び支持部材9を固定できる。
【0043】
(1-7)本体部10は、直線状に形成されている。よって、本体部10を簡素な形状にできる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態の固定部材25を変更した実施例である。よって、第1実施形態と同一部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
【0044】
(固定部材25の概説)
図6に示すように、固定部材25は、電線4及び支持部材9の外周に巻き付けられるバンド本体31が環状のロック部32に通されて締め付け状態で固定されるバンド33である。バンド33は、例えば、結束バンドである。支持部材9は、バンド33を係合するための溝34を有する。溝34は、例えば、本体部10の裏面14に設けられている。溝34は、例えば、本体部10の幅方向(
図6のY軸方向)に沿って凹設されている。本例のバンド33は、電線4を支持部材9に巻き付け固定するとき、溝34にバンド本体31を引っ掛けるようになっている。
【0045】
(第2実施形態の作用)
図6に示す通り、固定部材25としてバンド33を用いるので、バンド33を電線4及び支持部材9に巻き付けて止めるという作業によって、電線4を支持部材9に固定することが可能となる。また、バンド33で電線4を支持部材9に固定するとき、本体部10に形成された溝34にバンド33(バンド本体31)を引っ掛けるだけで済む。よって、バンド33を電線4及び支持部材9に巻き付けて止めるときの作業性を向上することが可能となる。
【0046】
(第2実施形態の効果)
上記実施形態のワイヤハーネス1によれば、第1実施形態に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0047】
(2-1)固定部材25は、電線4及び支持部材9の外周に巻き付けられるバンド本体31が環状のロック部32に通されて締め付け状態で固定されるバンド33である。この構成によれば、バンド33を締めるという簡便な方法によって、電線4及び支持部材9を固定できる。
【0048】
(2-2)支持部材9は、バンド33を係合するための溝34を有する。この構成によれば、バンド33を締めるとき、バンド33を溝34に引っ掛けるだけで済むので、バンド33を簡易に取付けることができる。
【0049】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態に対して異なる部分についてのみ詳述する。
【0050】
図7に示すように、支持部材9は、バンド33を通すための孔37を有する。孔37は、例えば、本体部10の幅方向(
図7のY軸方向)に貫通形成されている。このように、本例のバンド33は、電線4を支持部材9に巻き付け固定するとき、本体部10に形成された孔37にバンド本体31を通すようになっている。
【0051】
(第3実施形態の作用)
図7に示す通り、バンド33を電線4及び支持部材9に巻き締めるとき、本体部10に形成された孔37にバンド33(バンド本体31)を通すことにより、実行する。このため、バンド33を電線4及び支持部材9に巻き締めたとき、バンド33は、孔37によって位置が規制された状態となる。よって、バンド33を電線4及び支持部材9に巻き付けた後、バンド33を支持部材9から外れ難くすることが可能となる。
【0052】
(第3実施形態の効果)
上記実施形態のワイヤハーネス1によれば、第1及び第2実施形態に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0053】
(3-1)支持部材9は、バンド33を通すための孔37を有する。この構成によれば、バンド33を支持部材9の孔37に通しておくので、締め付け後のバンド33を支持部材9から外れ難くすることができる。
【0054】
(他の実施形態)
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0055】
・各実施形態において、
図8に示すように、本体部10は、本体部10の平面方向(
図8のX-Y軸平面)に曲げられた形状に形成されてもよい。このように、本体部10は、曲げ状態をとる電線4に沿うように非直線状に形成されてもよい。この構成によれば、支持部材9に負荷軽減の機能のみならず、電線4の経路規制の機能も持たせることができる。
【0056】
・各実施形態において、
図9に示すように、本体部10は、電線4及びコネクタ6の段差に沿うように、段状に形成されてもよい。この構成によれば、本体部10を電線4に沿わせて密着させることが可能となる。すなわち、電線4をコネクタ6に対して真っ直ぐにしたとき、コネクタ6と電線4との底面の高さが異なっていても、これら両者に隙間無く接触させることができる。
【0057】
・各実施形態において、
図10に示すように、ワイヤハーネス1は、コネクタ6と係合部13との間に支持部材9の本体部10を取付けるものであればよい。すなわち、支持部材9は、本体部10と係合部13とが別体であってもよい。この場合、支持部材9の本体部10には、コネクタ6及び係合部13が取付けられる。なお、本体部10と係合部13との取付方法は、例えば、レール構造、スナップフィット構造、バンド構造など、種々の方法を適用できる。
【0058】
・各実施形態において、係合部13の突起形状は、例えば、引っ掛かりを有する形状のものであればよい。
・各実施形態において、係合部13は、突起16を係合する構造に限らず、例えば、凹部へ圧入する構造や、ピンで固定する構造など、他の構成に変更してもよい。
【0059】
・各実施形態において、連結機構20は、レール構造に限定されず、例えば、爪を引っ掛けて連結するような他の構造に変更してもよい。
・各実施形態において、固定部材25は、テープ27やバンド33に限定されず、例えば、クリップ(クランプ)を用いてもよい。
【0060】
・各実施形態において、固定部材25は、本体部10の端部26に配置されることに限らず、例えば、本体部10の中央寄りの位置に配置されてもよい。
・各実施形態において、1つの固定部材25で複数の電線4を支持部材9に固定してもよい。
【0061】
・各実施形態において、本体部10の形状は、例えば、電線4やコネクタ6よりも幅が広い形状でもよい。このように、本体部10は、電線端部5及びコネクタ6を下支えできる形状であればよい。
【0062】
・各実施形態において、コネクタ6は、例えば、支持部材9に下支えされた状態で、自らが取付け先11に固定されてもよい。
・各実施形態において、電線4は、電線材を複数束ねたケーブルでもよい。
【0063】
・各実施形態において、ワイヤハーネス1は、車載用に限定されず、他の機器や装置に使用されてもよい。
・各実施形態において、本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0064】
1 ワイヤハーネス
2 芯線
3 絶縁被覆
4 電線
5 電線端部
6 コネクタ
9 支持部材
10 本体部
11 取付け先
12 被係合部
13 係合部
14 裏面
15 本体
16 突起
17 先端
20 連結機構
21 レール
22 案内溝部
25 固定部材
26 端部
27 テープ
31 バンド本体
32 ロック部
33 バンド
34 溝
37 孔
L1 長さ
L2 長さ
L3 距離