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特開2023-183168車両用報知装置、車両用報知システム、車両用報知方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183168
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】車両用報知装置、車両用報知システム、車両用報知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/14 20200101AFI20231220BHJP
   B60W 40/09 20120101ALI20231220BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20231220BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231220BHJP
   G08B 25/04 20060101ALN20231220BHJP
   G08B 21/00 20060101ALN20231220BHJP
【FI】
B60W50/14
B60W40/09
G08G1/00 D
G08G1/16 A
G08B25/04 C
G08B21/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096648
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀崎 康之
【テーマコード(参考)】
3D241
5C086
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA60
3D241DD05Z
3D241DD10B
3D241DD10Z
5C086AA47
5C086AA51
5C086BA22
5C086CA21
5C086CA22
5C086CA25
5C086CB36
5C086CB40
5C086FA06
5C086FA17
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA25
5C087AA37
5C087AA44
5C087DD03
5C087DD13
5C087DD14
5C087EE14
5C087EE20
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5H181AA14
5H181BB04
5H181CC04
5H181EE10
5H181FF04
5H181FF10
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL06
5H181LL09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】運転診断結果を対象乗員にとって好ましい態様で対象乗員に対して報知可能な車両用報知装置、システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】運転診断システムにおいて、車両が有するECU21は、所定のモード設定情報に基づいて車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定するモード設定部と、車両の運転診断結果を取得する取得部(診断部)と、運転診断結果の内容に基づいて、運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類する分類部と、を備え、報知装置(ディスプレイ)に、車両が第1モードにあるときは、取得部が取得した運転診断結果を表す情報を、また、車両が第2モードにあり、且つ、取得部が第1診断結果を取得したときは、第1診断結果を表す情報を、また、車両が第2モードにあり且つ取得部が第2診断結果を取得したときは、第2診断結果を表す情報の代わりに特定情報を対象乗員へ報知させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のモード設定情報に基づいて、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する、前記車両に設けられたモード設定部と、
前記車両の運転診断結果を取得する、前記車両に設けられた取得部と、
前記運転診断結果の内容に基づいて、前記運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類する分類部と、
前記車両が前記第1モードにあるときは、前記取得部が取得した前記運転診断結果を表す情報を前記車両の対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記取得部が前記第1診断結果を取得したときは、前記第1診断結果を表す情報を前記対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記取得部が前記第2診断結果を取得したときは、前記第2診断結果を表す情報の代わりに特定情報を前記対象乗員へ報知する、前記車両に設けられた報知装置と、
を備える車両用報知装置。
【請求項2】
前記報知装置によって前記特定情報が報知され且つ所定の報知許可条件が成立したときに、前記報知装置が前記第2診断結果を表す情報を前記対象乗員へ報知する請求項1に記載の車両用報知装置。
【請求項3】
前記車両に設けられた入力装置が操作されたときに、前記報知許可条件が成立する請求項2に記載の車両用報知装置。
【請求項4】
前記車両に設けられたセンサの情報に基づいて、前記車両の車内に前記対象乗員以外の乗員である非対象乗員がいるか否かを判定する、前記車両に設けられた乗員判定部と、
前記モード設定情報が、前記非対象乗員がいると前記乗員判定部が判定したときに、前記車両が前記第2モードに設定されることを規定した請求項1又は請求項2に記載の車両用報知装置。
【請求項5】
前記モード設定情報が、前記非対象乗員がいないと前記乗員判定部が判定したときに、前記車両が前記第1モードに設定されることを規定した請求項4に記載の車両用報知装置。
【請求項6】
前記モード設定情報が、前記車両に設けられたモード切り替えスイッチが操作されたときに、前記車両が前記第1モード及び前記第2モードの一方に設定されることを規定した請求項1又は請求項2に記載の車両用報知装置。
【請求項7】
請求項1又は請求項2の前記車両と、
前記モード設定情報を生成し且つ生成された前記モード設定情報を前記車両へ無線送信可能な無線通信装置と、
を備える車両用報知システム。
【請求項8】
所定のモード設定情報に基づいて、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定するステップ、
前記車両の運転診断結果を取得するステップ、
前記運転診断結果の内容に基づいて、前記運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類するステップ、及び
前記車両が前記第1モードにあるときは、前記運転診断結果を表す情報を前記車両の対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記第1診断結果が取得されたときは、前記第1診断結果を表す情報を前記対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記第2診断結果が取得されたときは、前記第2診断結果を表す情報の代わりに特定情報を前記対象乗員へ報知するステップ、
を有する車両用報知方法。
【請求項9】
所定のモード設定情報に基づいて、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する処理、
前記車両の運転診断結果を取得する処理、
前記運転診断結果の内容に基づいて、前記運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類する処理、及び
前記車両が前記第1モードにあるときは、前記運転診断結果を表す情報を前記車両の対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記第1診断結果が取得されたときは、前記第1診断結果を表す情報を前記対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記第2診断結果が取得されたときは、前記第2診断結果を表す情報の代わりに特定情報を前記対象乗員へ報知する処理、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用報知装置、車両用報知システム、車両用報知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両の運転者による運転のリアルタイム運転診断を行う際に、管理者の負担を軽減可能な運転診断管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-071621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1は、報知装置によるリアルタイム運転診断の結果の報知態様に関して改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、運転診断結果を対象乗員にとって好ましい態様で対象乗員に対して報知可能な車両用報知装置、車両用報知システム、車両用報知方法及びプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用報知装置は、所定のモード設定情報に基づいて、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する、前記車両に設けられたモード設定部と、前記車両の運転診断結果を取得する、前記車両に設けられた取得部と、前記運転診断結果の内容に基づいて、前記運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類する分類部と、前記車両が前記第1モードにあるときは、前記取得部が取得した前記運転診断結果を表す情報を前記車両の対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記取得部が前記第1診断結果を取得したときは、前記第1診断結果を表す情報を前記対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記取得部が前記第2診断結果を取得したときは、前記第2診断結果を表す情報の代わりに特定情報を前記対象乗員へ報知する、前記車両に設けられた報知装置と、を備える。
【0007】
請求項1に記載の車両用報知装置では、車両が第1モードにあるときは、報知装置が、取得部が取得した運転診断結果を表す情報を車両の対象乗員へ報知する。即ち、報知装置は、取得部が第1診断結果と第2診断結果のいずれを取得したかに拘わらず、運転診断結果を表す情報を対象乗員へ報知する。また、車両が第2モードにあり且つ取得部が第1診断結果を取得したときは、報知装置が、第1診断結果を表す情報を対象乗員へ報知する。さらに車両が第2モードにあり且つ取得部が第2診断結果を取得したときは、報知装置が、第2診断結果を表す情報の代わりに特定情報を対象乗員へ報知する。そのため請求項1に記載の車両用報知装置は、運転診断結果を対象乗員にとって好ましい態様で対象乗員に対して報知可能である。
【0008】
請求項2に記載の発明に係る車両用報知装置は、請求項1記載の発明において、前記報知装置によって前記特定情報が報知され且つ所定の報知許可条件が成立したときに、前記報知装置が前記第2診断結果を表す情報を前記対象乗員へ報知する。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、報知装置によって特定情報が報知された場合であっても、報知許可条件が成立したときは、報知装置が第2診断結果を表す情報を対象乗員へ報知する。従って、例えば特定情報が報知されても問題ないと対象乗員が判断したときに、第2モードにある車両の報知装置に第2診断結果を表す情報を対象乗員へ報知させることが可能である。
【0010】
請求項3に記載の発明に係る車両用報知装置は、請求項2記載の発明において、前記車両に設けられた入力装置が操作されたときに、前記報知許可条件が成立する。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、車両に設けられた入力装置が操作されたときに報知許可条件が成立する。従って、例えば対象乗員が入力装置を操作したときに、報知装置が第2診断結果を表す情報を対象乗員へ報知する。
【0012】
請求項4に記載の発明に係る車両用報知装置は、請求項1又は請求項2の発明において、前記車両に設けられたセンサの情報に基づいて、前記車両の車内に前記対象乗員以外の乗員である非対象乗員がいるか否かを判定する、前記車両に設けられた乗員判定部と、前記モード設定情報が、前記非対象乗員がいると前記乗員判定部が判定したときに、前記車両が前記第2モードに設定されることを規定した。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、乗員判定部が、車両に設けられたセンサの情報に基づいて、車内に非対象乗員がいるか否かを判定する。さらに非対象乗員がいると乗員判定部が判定したときに、モード設定部が車両を第2モードに設定する。従って、車内に非対象乗員がいるときに、報知装置が、第1診断結果を表す情報を対象乗員へ報知し且つ第2診断結果を表す情報を対象乗員へ報知しない。従って、例えば第2診断結果が非対象乗員に知られることが好ましくない場合に、第2診断結果が非対象乗員に知られることを防止できる。
【0014】
請求項5に記載の発明に係る車両用報知装置は、請求項4記載の発明において、前記モード設定情報が、前記非対象乗員がいないと前記乗員判定部が判定したときに、前記車両が前記第1モードに設定されることを規定した。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、非対象乗員がいないと乗員判定部が判定したときに、モード設定部が車両を第1モードに設定する。従って、例えば第2診断結果が非対象乗員に知られることが好ましくない場合に、第1モードにある車両の報知装置が対象乗員にのみ第2診断結果を表す情報を報知できる。
【0016】
請求項6に記載の発明に係る車両用報知装置は、請求項1又は請求項2の発明において、前記モード設定情報が、前記車両に設けられたモード切り替えスイッチが操作されたときに、前記車両が前記第1モード及び前記第2モードの一方に設定されることを規定した。
【0017】
請求項6に記載の発明では、車両に設けられたモード切り替えスイッチが操作されたときに、モード設定部が、車両を第1モード及び第2モードの一方に設定する。そのため、例えば対象乗員が、車両を第1モード及び第2モードの一方に設定することが可能である。
【0018】
請求項7に記載の発明に係る車両用報知システムは、請求項1又は請求項2の前記車両と、前記モード設定情報を生成し且つ生成された前記モード設定情報を前記車両へ無線送信可能な無線通信装置と、を備える。
【0019】
請求項7に記載の発明では、無線通信装置が、モード設定情報を生成し且つ生成されたモード設定情報を車両へ無線送信する。そのため、モード設定部を備える車両は、受信したモード設定情報に基づいて、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する。
【0020】
請求項8に記載の発明に係る車両用報知方法は、所定のモード設定情報に基づいて、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定するステップ、前記車両の運転診断結果を取得するステップ、前記運転診断結果の内容に基づいて、前記運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類するステップ、及び前記車両が前記第1モードにあるときは、前記運転診断結果を表す情報を前記車両の対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記第1診断結果が取得されたときは、前記第1診断結果を表す情報を前記対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記第2診断結果が取得されたときは、前記第2診断結果を表す情報の代わりに特定情報を前記対象乗員へ報知するステップ、を有する。
【0021】
請求項9に記載の発明に係るプログラムは、所定のモード設定情報に基づいて、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する処理、前記車両の運転診断結果を取得する処理、前記運転診断結果の内容に基づいて、前記運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類する処理、及び前記車両が前記第1モードにあるときは、前記運転診断結果を表す情報を前記車両の対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記第1診断結果が取得されたときは、前記第1診断結果を表す情報を前記対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記第2診断結果が取得されたときは、前記第2診断結果を表す情報の代わりに特定情報を前記対象乗員へ報知する処理、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明に係る車両用報知装置、車両用報知システム、車両用報知方法及びプログラムは、運転診断結果を対象乗員にとって好ましい態様で対象乗員に対して報知可能である、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る車両用報知システムの全体図である。
図2図1に示される車両のECU及び外部サーバの制御ブロック図である。
図3】ECUの機能ブロック図である。
図4】ECUに記録された分類リストを示す図である。
図5】外部サーバの機能ブロック図である。
図6】第1診断結果を表示している車両のディスプレイを表す図である。
図7】第2診断結果を表示しているディスプレイを表す図である。
図8】特定情報を表示しているディスプレイを表す図である。
図9】インストルメントパネル及び料金メータ装置を示す正面図である。
図10】インストルメントパネル及びモード切替スイッチを示す正面図である。
図11】外部サーバが実行する処理を示すフローチャートである。
図12】ECUのCPUが実行する処理を示すフローチャートである。
図13】CPUが実行する処理を示すフローチャートである。
図14】CPUが実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る車両用報知装置、車両用報知システム(以下、システムと称する)、車両用報知方法及びプログラムの実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1に示されるように本実施形態のシステム10は、車両20及び外部サーバ(無線通信装置)30を備える。なお、本実施形態の外部サーバ30はタクシー運営会社によって保有され、タクシー運営会社がタクシーとして利用される多数の車両20を保有している。なお、各車両20にはそれぞれIDが付与されている。
【0026】
外部サーバ30とネットワークを介してデータ通信可能な車両20は、図1に示されるようにECU(Electronic Control Unit)21、車輪速センサ22、アクセル開度センサ23、ブレーキ踏力センサ24、操舵角センサ25、車内カメラ(センサ)26、GPS(Global Positioning System)受信機27、ディスプレイ(報知装置)(入力装置)(車両用報知装置)28を有する。車輪速センサ22、アクセル開度センサ23、ブレーキ踏力センサ24、操舵角センサ25、車内カメラ26、GPS受信機27及びディスプレイ28はECU21に接続されている。なお、以下の説明において、車輪速センサ22、アクセル開度センサ23、ブレーキ踏力センサ24、操舵角センサ25、車内カメラ26及びGPS受信機27を「情報取得部」と総称することがある。
【0027】
車両20には4つの車輪速センサ22が設けられている。各車輪速センサ22は4つの車輪の車輪速をそれぞれ検出する。アクセル開度センサ23は、車両20の運転席に着座している運転者(対象乗員)(図示省略)によるアクセルペダルの操作に連動して変化するアクセル開度を検出する。ブレーキ踏力センサ24は、運転者がブレーキペダル(図示省略)に入力したブレーキ踏力を検出する。操舵角センサ25は、運転者によって操作されるステアリングホイール(図示省略)の操舵角を検出する。車内カメラ26は、車両20の車内に位置する被写体の画像データを取得する。この被写体には、例えば、運転席に着座している運転者、及び、運転席とは別の座席に着座している運転者以外の乗員(非対象乗員)(図示省略)が含まれる。GPS受信機27はGPS衛星から送信されたGPS信号を受信することにより、車両20が走行している位置に関する情報(以下、「位置データ」と呼ぶ)を取得する。所定時間が経過する毎に情報取得部が取得した取得データは、車両20に設けられた車内ネットワークを介してECU21に送信され且つECU21の後述するストレージ21Dに時刻情報と関連付けながら保存される。なお、この車内ネットワークは、例えばCAN(Controller Area Network)である。以下の説明において、情報取得部が取得した取得データを「車両関連情報」と称する場合がある。
【0028】
車両20のインストルメントパネル(図9図10参照)20Pに設けられた、タッチパネルを備えるディスプレイ28は、様々な画像を表示可能である。
【0029】
図2に示されるようにECU(コンピュータ)21は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)21A、ROM(Read Only Memory)21B、RAM(Random Access Memory)21C、ストレージ21D、通信I/F(Inter Face)21E及び入出力I/F21Fを含んで構成されている。CPU21A、ROM21B、RAM21C、ストレージ21D、通信I/F21E及び入出力I/F21Fは、バス21Zを介して相互に通信可能に接続されている。CPU21Aは、タイマー(図示省略)から日時に関する情報を取得可能である。
【0030】
CPU21Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21Aは、ROM21B又はストレージ21Dからプログラムを読み出し、RAM21Cを作業領域としてプログラムを実行する。CPU21Aは、ROM21B又はストレージ21Dに記録されているプログラムに従って、各構成の制御及び各種の演算処理(情報処理)を行う。
【0031】
ROM21Bは、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM21Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ21Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。
【0032】
通信I/F21Eは、様々な機器と通信するためのインタフェースである。例えば通信I/F21Eは、車両20に設けられたECU21とは別の機器と上記車内ネットワークを介して通信可能である。これらの機器には、例えば情報取得部が含まれる。さらに通信I/F21Eは、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して外部サーバ30と無線通信可能である。
【0033】
図3にはECU21の機能構成の一例がブロック図で示されている。ECU21は、機能構成として、PCS制御部201、診断部(取得部)(車両用報知装置)202、分類部(車両用報知装置)203、モード設定部(車両用報知装置)204、ディスプレイ制御部205及び通信制御部206を有する。これらの機能構成は、CPU21AがROM21Bに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0034】
PCS制御部201は、車両20が搭載するPCS(Pre Crash Safety system)を制御する機能を有する。即ち、所定条件が成立したときに、PCS制御部201は車両20のブレーキ装置(図示省略)のブレーキアクチュエータを制御することにより、ブレーキ装置に制動力を発生させる。例えば、車両20に設けられた測距センサ(図示省略)からECU21が取得した情報に基づいて、車両20が車両20の直前に位置する別車両と衝突する可能性が高いとPCS制御部201が判定したときに、所定条件が成立する。
【0035】
診断部202は、車輪速センサ22、アクセル開度センサ23、ブレーキ踏力センサ24、及び操舵角センサ25の取得データに基づいて運転診断を行う。例えば特開2019-12481号公報及び特開2020-95403号公報に開示されているように、これらの取得データに基づいて行われる運転診断の方法は周知である。診断部202は、ストレージ21Dに記録された地図データに含まれる各道路の制限速度に関する情報、車両20の位置データ、及び車輪速センサ22の取得データに基づいて、車両20の車速が制限速度を超えたか否かを判定する。制限速度違反に関する結果情報を、制限速度違反データと称する場合がある。
【0036】
さらに診断部202は、アクセル開度センサ23の取得データ及び車輪速センサ22の取得データに基づいて、車両20のアクセルペダル操作について運転診断を行う。さらに診断部202は、ブレーキ踏力センサ24の取得データ及び車輪速センサ22の取得データに基づいて、車両20のブレーキペダル操作について運転診断を行う。さらに診断部202は、操舵角センサ25の取得データに基づいてステアリング操作について運転診断を行う。
【0037】
診断部202は、PCS制御部201がPCSを作動させたとき、このことを表すPCS作動データを生成する。
【0038】
車輪速センサ22、アクセル開度センサ23、ブレーキ踏力センサ24、及び操舵角センサ25の取得データに基づく運転診断の結果に関する情報、制限速度違反データ並びにPCS作動データが、リアルタイム運転診断の結果に関する情報である。なお、これらの結果情報は、位置データ及び時刻情報と共にストレージ21Dに記録される。さらに以下の説明では、リアルタイム運転診断の結果を「運転診断結果」と称する。
【0039】
分類部203は、診断部202が生成した運転診断結果を、ROM21B又はストレージ21Dに記録され且つ図4に示された分類リスト21Lに基づいて分類する。分類リスト21Lは、運転診断結を2つの属性に分類する。即ち、分類リスト21Lは、運転診断結果の属性として、第1診断結果及び第2診断結果を規定する。第1診断結果はポジティブな運転診断結果であり、第2診断結果はネガティブな運転診断結果である。
【0040】
例えば、滑らかなアクセルペダル操作を表す運転診断結果、優しいブレーキペダル操作を表す運転診断結果、及び滑らかなステアリング操作を表す運転診断結果が、第1診断結果に属する。例えば、急激なアクセルペダル操作を表す運転診断結果、急激なブレーキペダル操作を表す運転診断結果、急激なステアリング操作を表す運転診断結果、PCSが作動したことを表す運転診断結果及び制限速度違反を表す運転診断結果が、第2診断結果に属する。
【0041】
モード設定部204は、ストレージ21Dに記録されたモード設定情報に基づいて、車両20のモードを切り替える。このモードには第1モードと第2モードが含まれる。第1モードは、ディスプレイ28に全ての運転診断結果を直ちに出力させるモードである。第2モードは、ディスプレイ28に第1診断結果に属する運転診断結果を直ちに出力させ、且つ、ディスプレイ28に第2診断結果に属する運転診断結果を直ちには出力させないモードである。さらに車両20が第2モードにあり且つ診断部202が第2診断結果を生成したとき、ディスプレイ28は第2診断結果の代わりに後述する特定情報SIを表示する。
【0042】
ディスプレイ制御部205はディスプレイ28を制御する。ディスプレイ制御部205によって制御されたディスプレイ28は運転診断結果に関する情報を所定の表示時間に渡って表示可能である。この表示時間は、例えば5秒間である。
【0043】
但しディスプレイ制御部205は、車両20が第1モードと第2モードの何れにあるかに応じて、ディスプレイ28の制御方法を変える。
【0044】
例えば車両20が第1モードにある場合、ディスプレイ制御部205は、ディスプレイ28に全ての運転診断結果を直ちに表示させる。例えば、診断部202が「車両20が滑らかなアクセルペダル操作を行った」という第1診断結果を生成した場合は、図6に示されるようにディスプレイ28は「滑らかなアクセルペダル操作です」という文字を直ちに表示する。また、診断部202が車両20の車速が制限速度を超えたという第2診断結果を生成した場合、図7に示されるようにディスプレイ28は「制限速度違反」という文字を直ちに表示する。
【0045】
一方、車両20が第2モードにある場合、ディスプレイ制御部205はディスプレイ28に第1診断結果に属する運転診断結果を直ちに表示させる。その一方で、車両20が第2モードにある場合、ディスプレイ制御部205はディスプレイ28に第2診断結果に属する運転診断結果を直ちには表示させない。この場合、ディスプレイ制御部205は図8に示されるように、ディスプレイ28に特定情報SIを表示させる。ディスプレイ28上の特定情報SIを表す画像に対してタッチ操作が行われるまで、ディスプレイ28に特定情報SIが表示され続ける。本実施形態の特定情報SIはエクスクラメーションマークである。
【0046】
さらに、車両20が第1モードと第2モードの何れにあるかに拘わらず、ディスプレイ28上の特定情報SIを表す画像にタッチ操作が行われたときに、ディスプレイ制御部205は、特定情報SIが消去され且つ第2診断結果に属する運転診断結果が表示されるようにディスプレイ28を制御する。さらにディスプレイ28上の特定情報SIにタッチ操作が行われたときに、所定の報知許可条件が成立する。なお運転者は特定情報SIが表す意味を理解している。即ち、運転者は特定情報SIに手等を用いてタッチ操作を行なうと、ディスプレイ28に第2診断結果に属する運転診断結果が表示されることを理解している。その一方で、運転者以外の乗員は特定情報SIが表す意味を理解していない。
【0047】
通信制御部206は通信I/F21Eを制御する。通信制御部206によって制御された通信I/F21Eは、外部サーバ30と無線通信可能である。例えば、通信I/F21Eは、外部サーバ30から送信された後述するモード設定情報を受信可能である。モード設定情報を受信した通信I/F21Eは、このモード設定情報をストレージ21Dに記録する。
【0048】
図2に示されるように外部サーバ30は、CPU31A、ROM31B、RAM31C、ストレージ31D、通信I/F31E及び入出力I/F31Fを含んで構成されている。CPU31A、ROM31B、RAM31C、ストレージ31D、通信I/F31E及び入出力I/F31Fは、バス31Zを介して相互に通信可能に接続されている。CPU31A、ROM31B、RAM31C、ストレージ31D、通信I/F31E、入出力I/F31Fは、CPU21A、ROM21B、RAM21C、ストレージ21D、通信I/F21E、入出力I/F21Fとそれぞれ対応する機能を有する。
【0049】
図5には外部サーバ30の機能構成の一例がブロック図で示されている。外部サーバ30は、機能構成として、設定情報生成部301及び通信制御部302を有する。これらの機能構成はCPU31AがROM31Bに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0050】
設定情報生成部301は、車両20のモード設定部204が車両20のモードを設定するために利用するモード設定情報を、各車両20毎に生成する。即ち、モード設定情報は車両20のモードを決めるためのルールを表し、且つ、設定情報生成部301が生成するモード設定情報は、各車両20のIDを表すID情報を含んでいる。設定情報生成部301が生成したモード設定情報は、ストレージ31Dに記録される。さらに設定情報生成部301がモード設定情報を更新した場合、設定情報生成部301はストレージ31Dに記録されたモード設定情報を新しい情報に更新する。
【0051】
なお外部サーバ30は情報入力装置(図示省略)を備える。外部サーバ30の管理者(図示省略)は、この情報入力装置を用いて車両20のモードを決めるためのルールを表す情報を入力可能である。情報入力装置を用いて当該情報が入力されると、設定情報生成部301が、入力された情報を表すモード設定情報を生成する。
【0052】
管理者は情報入力装置を用いて様々なモード設定情報を生成可能である。以下の例1~例3はモード設定情報の具体例である。
【0053】
例1:車内カメラ26が取得した画像データに基づいて車両20の車内に運転者のみがいるとECU21のCPU(乗員判定部)(車両用報知装置)21Aが判定したときに、モード設定部204によって車両20が第1モードに設定される。一方、車内に運転者以外の乗員がいるとECU21が判定したときに、モード設定部204によって車両20が第2モードに設定される。
車内カメラ26が取得した画像はECU21に送信される。ECU21のROM21Bには運転者の顔の画像データである判定用データが記録されており、車内カメラ26から取得した画像データが判定用データと一致したときに、ECU21は運転者が乗車していると判定する。さらに車内カメラ26から取得した画像データに、判定用データと一致しない人間の画像データが含まれているとき、ECU21は運転者以外の乗員が乗車していると判定する。
【0054】
例2:インストルメントパネル20Pに設けられた料金メータ装置20A(図9参照)が運賃の計算を行っていないときにモード設定部204によって車両20が第1モードに設定される。一方、料金メータ装置20Aが運賃の計算を行っているときにモード設定部204によって車両20が第2モードに設定される。
料金メータ装置20Aに設けられた開始スイッチ20A1が押されたときに、料金メータ装置20Aが運賃の計算を開始する。即ち、料金ディスプレイ20A3に運賃を表す数字が表示される。終了スイッチ20A2が押されたときに運賃の計算が終了する。料金メータ装置20AはECU21に接続されており、CPU21Aは開始スイッチ20A1が押されたこと及び終了スイッチ20A2が押されたことを認識する。通常、運転者は、乗員が車両20に乗車したときに料金メータ装置20Aに運賃の計算を実行させ、乗員が降車するときに終了スイッチ20A2を押す。
【0055】
例3:インストルメントパネル20Pに設けられたモード切替スイッチ20B(図10参照)が押される毎に、モード設定部204によって、車両20のモードが第1モードと第2モードとの間で切り替えられる。
モード切替スイッチ20BはECU21に接続されており、CPU21Aはモード切替スイッチ20Bが押されたことを認識する。
【0056】
通信制御部302は通信I/F31Eを制御する。通信I/F31Eは、ストレージ31Dに記録されているモード設定情報を、そのモード設定情報に含まれるID情報が示す車両20の通信I/F21Eへ無線送信する。
【0057】
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0058】
まず外部サーバ30のCPU31Aが行う処理の流れについて、図11のフローチャートを用いて説明する。CPU31Aは所定時間が経過する毎に、図11のフローチャートの処理を繰り返し実行する。なお、下記の説明では、図11図14の各フローチャートの処理を一つのプロセッサ(CPU)が実行するが、複数のプロセッサ(CPU)が図11図14の各フローチャートの処理を実行してもよい。
【0059】
まずステップS10(以下、「ステップ」の文字を省略する)においてCPU31Aは、情報入力装置を用いて車両20のモードを表す情報が入力されたか否かを判定する。
【0060】
S10でYesと判定したとき、CPU31AはS11へ進み、情報入力装置を用いて入力された情報が表すモード設定情報を生成する。
【0061】
続いてCPU31AはS12へ進み、生成されたモード設定情報を車両20へ無線送信するように通信I/F31Eを制御する。
【0062】
S10でNoと判定したとき又はS12の処理を終えたとき、CPU31Aは図11のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0063】
続いて、車両20のCPU21Aが行う処理の流れについて説明する。CPU21Aは、所定時間が経過する毎に、図12図14のフローチャートの処理を繰り返し実行する。まずは図12のフローチャートを用いて説明する。
【0064】
ステップS20においてCPU21Aは、ストレージ21Dにモード設定情報が記録されているか否かを判定する。
【0065】
S20でYesと判定したとき、CPU21AはS21へ進み、モード設定情報を参照しながら車両20のモードを所定のモードに設定する。例えば、ストレージ21Dに上記例1のモード設定情報が記録され、且つ、車内カメラ26が取得した画像データに基づいて車両20の車内に運転者のみがいるとCPU21Aが判定したときに、CPU21Aは車両20を第1モードに設定する。また、例えば、ストレージ21Dに上記例2のモード設定情報が記録され、且つ、料金メータ装置20Aが運賃の計算を行っているとCPU21Aが判定したときに、CPU21Aは車両20を第2モードに設定する。
【0066】
S20でNoと判定したとき又はS21の処理を終えたとき、CPU21Aは図12のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0067】
続いて、図13のフローチャートの処理について説明する。
【0068】
ステップS30においてCPU21Aは、車両関連情報を取得したか否かを判定する。
【0069】
S30でYesと判定したとき、CPU21AはS31へ進み、取得した車両関連情報をストレージ21Dに記録する。
【0070】
続いてCPU21AはS32へ進み、現在時刻と、現在時刻から所定時間だけ前の時刻との間の時間帯において、リアルタイム運転診断を実行するために十分な量の車両関連情報がストレージ21Dに記録されたか否かを判定する。
【0071】
S32でYesと判定したとき、CPU21AはS33へ進み、リアルタイム運転診断を実行し、運転診断結果をストレージ21Dに記録する。
【0072】
続いてCPU21AはS34へ進み、車両20のモードが第2モードか否かを判定する。
【0073】
S34でNoと判定したとき、CPU21AはS35へ進み、ステップS33で生成された運転診断結果をディスプレイ28に上記表示時間に渡って表示させる。即ち、この場合、ステップS33で生成した運転診断結果が第1診断結果と第2診断結果の何れであっても、運転診断結果がディスプレイ28に表示される。
【0074】
一方、S34でNoと判定したとき、CPU21AはS36へ進み、ステップS33で生成された運転診断結果が第2診断結果か否かを判定する。
【0075】
S36でNoと判定したとき、CPU21AはS36へ進む。即ち、ステップS33で生成された運転診断結果が第1診断結果の場合は、運転診断結果がディスプレイ28に表示される。
【0076】
一方、S36でYesと判定したとき、CPU21AはS37へ進み、ディスプレイ28に特定情報SIを表示させる。
【0077】
S30、32でNoと判定したとき又はS35、37の処理を終えたとき、CPU21Aは図13のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0078】
続いて、図14のフローチャートの処理について説明する。
【0079】
ステップS40においてCPU21Aは、ディスプレイ28に特定情報SIが表示されているか否かを判定する。
【0080】
S40でYesと判定したとき、CPU21AはS41へ進み、ディスプレイ28上の特定情報SIを表す画像にタッチ操作が行われたか否かを判定する。例えば、運転者が手で特定情報SIを表す画像にタッチ操作したときに、CPU21AはS41でYesと判定する。
【0081】
S41でYesと判定したとき、CPU21AはS42へ進み、特定情報SIをディスプレイ28から消去し且つステップS33で生成された第2診断結果をディスプレイ28に所定時間に渡って表示させる。即ち、車両20が第1モードと第2モードのいずれにあるかに拘わらず、S41でYesと判定されたとき、特定情報SIがディスプレイ28から消去され且つ第2診断結果がディスプレイ28に表示される。このとき、ディスプレイ28は第2診断結果が生成された時刻、及び、第2診断結果に関連する運転操作が実行された位置を含む地図データを表示する。なお、CPU21Aが図13のフローチャートのS36において複数回連続でYesと判定する場合がある。この場合は、複数の第2診断結果がストレージ21Dに記録される。そのため、この場合にS42の処理が行われると、ディスプレイ28に複数の第2診断結果が表示される。
【0082】
S40、41でNoと判定したとき又はS42の処理を終えたとき、CPU21Aは図14のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0083】
以上説明したように本実施形態では、車両20が第1モードにあるときは、ディスプレイ28が車両20の運転診断結果を表す情報を車両20の車内にいる者へ報知する。即ち、第1モードにある車両20のディスプレイ28は、診断部202が生成した運転診断結果が第1診断結果と第2診断結果のいずれであっても、生成された運転診断結果を生成された直後に表示する。そのため、第1モードにある車両20の車内にいる運転者は、診断部202が生成した運転診断結果を直ちに認識できる。
【0084】
一方、車両20が第2モードにあるときは、車両20の運転診断結果の属性に応じて、ディスプレイ28による運転診断結果の表示方法が変わる。即ち、運転診断結果が第1診断結果の場合は、ディスプレイ28は生成された第1診断結果を生成された直後に表示する。そのため、第2モードにある車両20の車内にいる運転者は、診断部202が生成した第1診断結果を直ちに認識できる。このとき運転者以外の乗員も、ディスプレイ28を見ることにより第1診断結果を認識する。第1診断結果はポジティブな内容の運転診断結果であるため、乗員が第1診断結果を見ることによって、運転者にとって好ましくない状況が発生するおそれは小さい。
【0085】
また、第2モードにある車両20の診断部202が第2診断結果を生成した場合は、ディスプレイ28が第2診断結果を表す情報の代わりに特定情報SIを表示する。運転者は特定情報SIが表す意味を理解している。そのため、通常、運転者は車内に運転者以外の乗員がいるときに特定情報SIに対するタッチ操作を行わない。そのため、第2モードにある車両20の診断部202が第2診断結果を生成したときに、ネガティブな運転診断結果である第2診断結果がディスプレイ28に表示され、ディスプレイ28を見た乗員に第2診断結果を知られるおそれは小さい。
【0086】
第2モードにある車両20の診断部202が第2診断結果を生成した場合、通常、運転者は車両20が第1モードになったときに特定情報SIに対するタッチ操作を行なう。即ち、通常、運転者は車両20の車室に運転者のみがいるときに特定情報SIに対するタッチ操作を行ない、ディスプレイ28に第2診断結果を表示させる。このとき第2診断結果が生成された時刻、及び、第2診断結果に関連する運転操作が実行された位置を含む地図データが、ディスプレイ28に表示される。そのため運転者は、第2診断結果に関連する運転操作が実行された時刻及び位置を認識できる。
【0087】
このように本実施形態は、車両20の運転者にとって好ましい態様で運転者に対して運転診断結果を報知可能である。
【0088】
さらに本実施形態では、外部サーバ30がモード設定情報を生成し、生成されたモード設定情報に基づいて車両20のモードが設定される。そのため外部サーバ30の管理者は、各車両20のモードを決めるためのルールを設定できる。
【0089】
以上、実施形態に係る車両用報知装置、システム10、車両用報知方法及びプログラムについて説明したが、これらは本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
【0090】
例えば本実施形態の特定情報SIはエクスクラメーションマークであるが、特定情報SIはエクスクラメーションマークとは異なる記号又は図形であってもよい。また特定情報SIが文字であってもよい。但し、特定情報SIが記号、図形又は文字の何れであっても、特定情報SIは第2診断結果の内容を表さず且つ特定情報SIを認識した者に第2診断結果を連想させないものにする必要がある。さらに特定情報SIが、記号、図形及び文字を含んでもよい。また特定情報SIが、記号、図形及び文字の中の任意の2つを含んでもよい。
【0091】
診断部202が生成した運転診断結果を運転者等へ報知する報知装置が、ディスプレイ28以外の装置であってもよい。例えば、車両20が報知装置として、運転診断結果を表す音声を出力可能なスピーカ(図示省略)を備えてもよい。
【0092】
車両20が第2モードにあり且つ診断部202が第2診断結果を生成したときに、このことを表す音声(特定情報)をスピーカが発してもよい。
【0093】
車両20が第2モードにあるときは、報知装置が第2診断結果を報知できないようにしてもよい。このようにすれば、車両20が第2モードにあり且つ車内に運転者以外の乗員がいるときに、運転者が誤ってディスプレイ28に表示された特定情報SIにタッチ操作を行うことにより、乗員に第2診断結果を知られるおそれがなくなる。
【0094】
外部サーバ30が診断部202に相当する機能を有し、且つ、車両20から送信された車両関連情報に基づいて外部サーバ30が運転診断を行ってもよい。この場合、外部サーバ30は生成した運転診断結果を車両20の通信I/F(取得部)21Eへ無線送信し、車両20が受信した運転診断結果を分類部203が分類する。
【0095】
また、外部サーバ30が診断部202及び分類部203に相当する機能を有してもよい。この場合は、車両20から送信された車両関連情報に基づいて外部サーバ30が運転診断を行ない、且つ、生成した運転診断結果をROM31B又はストレージ31Dに記録された分類リスト21Lに基づいて分類する。さらに外部サーバ30は、生成した運転診断結果を分類情報と共に車両20へ無線送信する。
【0096】
モード設定情報が、車両20を常に第2モードに設定する内容であってもよい。
【0097】
車両20がタクシーでなくてもよい。
【0098】
車両20が、ECU21に接続された音声入力装置(図示省略)を備え、CPU21Aが音声認識機能を有してもよい。この場合は、例えばディスプレイ28に特定情報SIが表示されている状態で、運転者が発し且つ音声入力装置に入力された特定の音声をCPU21Aが認識したときに、上記報知許可条件が成立する。
【0099】
分類リスト21Lの内容を、ディスプレイ28に設けられたタッチパネル又は音声入力装置を用いて変更可能としてもよい。また、外部サーバ30に接続された上記情報入力装置への入力情報を外部サーバ30が車両20へ無線送信し、ECU21がこの入力情報に基づいて分類リスト21Lの内容を変更してもよい。
【0100】
ディスプレイ28に設けられたタッチパネル又は音声入力装置を用いて入力された情報に基づいて、ECU21がモード設定情報を生成してもよい。
【0101】
[付記]
本発明の車両用報知装置は以下の構成1~構成6を任意に組み合わせたものであってもよい。
〈構成1〉所定のモード設定情報に基づいて、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する、前記車両に設けられたモード設定部と、前記車両の運転診断結果を取得する、前記車両に設けられた取得部と、前記運転診断結果の内容に基づいて、前記運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類する分類部と、前記車両が前記第1モードにあるときは、前記取得部が取得した前記運転診断結果を表す情報を前記車両の対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記取得部が前記第1診断結果を取得したときは、前記第1診断結果を表す情報を前記対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記取得部が前記第2診断結果を取得したときは、前記第2診断結果を表す情報の代わりに特定情報を前記対象乗員へ報知する、前記車両に設けられた報知装置と、を備える車両用報知装置。
〈構成2〉前記報知装置によって前記特定情報が報知され且つ所定の報知許可条件が成立したときに、前記報知装置が前記第2診断結果を表す情報を前記対象乗員へ報知する車両用報知装置。
〈構成3〉前記車両に設けられた入力装置が操作されたときに、前記報知許可条件が成立する車両用報知装置。
〈構成4〉前記車両に設けられたセンサの情報に基づいて、前記車両の車内に前記対象乗員以外の乗員である非対象乗員がいるか否かを判定する、前記車両に設けられた乗員判定部と、前記モード設定情報が、前記非対象乗員がいると前記乗員判定部が判定したときに、前記車両が前記第2モードに設定されることを規定した車両用報知装置。
〈構成5〉前記モード設定情報が、前記非対象乗員がいないと前記乗員判定部が判定したときに、前記車両が前記第1モードに設定されることを規定した車両用報知装置。
〈構成6〉前記モード設定情報が、前記車両に設けられたモード切り替えスイッチが操作されたときに、前記車両が前記第1モード及び前記第2モードの一方に設定されることを規定した車両用報知装置。
さらに本発明の車両用報知システムは以下の構成7と、構成1~6の少なくとも一つを組み合わせたものであってもよい。
〈構成7〉前記車両と、前記モード設定情報を生成し且つ生成された前記モード設定情報を前記車両へ無線送信可能な無線通信装置と、を備える車両用報知システム。
さらに本発明の車両用報知方法は以下の構成8と、構成1~6の少なくとも一つを組み合わせたものであってもよい。
〈構成8〉所定のモード設定情報に基づいて、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定するステップ、前記車両の運転診断結果を取得するステップ、前記運転診断結果の内容に基づいて、前記運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類するステップ、及び前記車両が前記第1モードにあるときは、前記運転診断結果を表す情報を前記車両の対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記第1診断結果が取得されたときは、前記第1診断結果を表す情報を前記対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記第2診断結果が取得されたときは、前記第2診断結果を表す情報の代わりに特定情報を前記対象乗員へ報知するステップ、を有する車両用報知方法。
さらに本発明のプログラムは以下の構成9と、構成1~6の少なくとも一つを組み合わせたものであってもよい。
〈構成9〉所定のモード設定情報に基づいて、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する処理、前記車両の運転診断結果を取得する処理、前記運転診断結果の内容に基づいて、前記運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類する処理、及び 前記車両が前記第1モードにあるときは、前記運転診断結果を表す情報を前記車両の対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記第1診断結果が取得されたときは、前記第1診断結果を表す情報を前記対象乗員へ報知し、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記第2診断結果が取得されたときは、前記第2診断結果を表す情報の代わりに特定情報を前記対象乗員へ報知する処理、をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0102】
10 運転診断システム(システム)
20 車両
20B モード切替スイッチ
202 診断部(取得部)(車両用報知装置)
203 分類部(車両用報知装置)
204 モード設定部(車両用報知装置)
21 ECU
21A CPU(乗員判定部)(車両用報知装置)
21E 通信I/F(取得部)
26 車内カメラ(センサ)
28 ディスプレイ(報知装置)(入力装置)(車両用報知装置)
30 外部サーバ(無線通信装置)
SI 特定情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14