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特開2023-183193プロテクタ及びワイヤハーネス製造方法
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  • 特開-プロテクタ及びワイヤハーネス製造方法 図1
  • 特開-プロテクタ及びワイヤハーネス製造方法 図2
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  • 特開-プロテクタ及びワイヤハーネス製造方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183193
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】プロテクタ及びワイヤハーネス製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20231220BHJP
   H01B 13/012 20060101ALI20231220BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20231220BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H01B13/012 Z
B60R16/02 623V
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096688
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】野本 剛志
(72)【発明者】
【氏名】高木 歩
【テーマコード(参考)】
5G357
【Fターム(参考)】
5G357DA06
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD02
5G357DD06
5G357DG01
5G357DG06
(57)【要約】
【課題】誤った位置へ電線を固定する誤組付けを防止可能なプロテクタ及びワイヤハーネス製造方法を提供する。
【解決手段】プロテクタ(10)は、電線(W)を載置可能なプロテクタ本体(11)と、前記プロテクタ本体に設けられた、前記電線を選択的に固定するための第1ベラ(13A)及び第2ベラと、を備える。前記第1ベラ(13A)は、治具ピン(20)を挿通可能な第1貫通孔(14A)を有し、前記第2ベラは、前記治具ピン(20)を挿通可能な第2貫通孔を有する。前記治具ピンが前記第1貫通孔(14A)に挿通され、前記プロテクタ本体(11)に配置された前記電線(W)が前記第2ベラ(13B)に載置された状態で、前記電線及び前記第2ベラに結束バンド(30)を巻きつけて、前記電線を前記第2ベラに固定する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線を載置可能なプロテクタ本体と、
前記プロテクタ本体に設けられた、前記電線を選択的に固定するための第1ベラ及び第2ベラと、を備え、
前記第1ベラは、治具ピンを挿通可能な第1貫通孔を有し、
前記第2ベラは、前記治具ピンを挿通可能な第2貫通孔を有する、
プロテクタ。
【請求項2】
前記第1ベラは、結束バンドを係止可能に構成された第1係止部を有し、
前記第2ベラは、前記結束バンドを係止可能に構成された第2係止部を有する、
請求項1に記載のプロテクタ。
【請求項3】
前記プロテクタ本体は、前記電線の延在方向に延伸した延伸部を有し、
前記第1ベラ及び前記第2ベラは、前記延伸部において、バンド挿通孔を介して隣接して配置される、
請求項1に記載のプロテクタ。
【請求項4】
前記第1ベラは、結束バンドを係止可能に構成された第1係止部を有し、
前記第2ベラは、前記結束バンドを係止可能に構成された第2係止部を有し、
前記第1貫通孔は、前記第1ベラにおける前記第1係止部と前記バンド挿通孔との間に設けられ、
前記第2貫通孔は、前記第2ベラにおける前記第2係止部と前記バンド挿通孔との間に設けられる、
請求項3に記載のプロテクタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプロテクタを含むワイヤハーネスの製造方法であって、
前記治具ピンが設けられた治具板上に、前記治具ピンが前記第1貫通孔に挿通され、前記プロテクタ本体に配置された前記電線が前記第2ベラに載置された状態で、
前記電線及び前記第2ベラに結束バンドを巻きつけて、前記電線を前記第2ベラに固定する、
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテクタ及びワイヤハーネス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に配索されるワイヤハーネスは、電線を含むハーネス本体の一部又は全部がプロテクタに収容され保護される。ハーネス本体は、例えば電線径やワイヤハーネスの配索経路に応じた形状のプロテクタに収容されて固定される。
【0003】
プロテクタに電線を固定する構造として、例えば、特許文献1に記載された電線固定構造が提案されている。特許文献1に記載の電線固定構造は、プロテクタと、内周バンド経路と外周バンド経路とに選択的に配索可能な結束バンドとを備える。プロテクタは、底壁と底壁の幅方向の両端より立設された一対の側壁とによって囲まれた電線収容空間と、底壁の両端から各側壁の一部に開口された一対のバンド挿通孔とを備える。内周バンド経路は、底壁の外側から一対のバンド挿通孔を貫通して電線収容空間に入り込む経路であり、外周バンド経路は、底壁の外側から一対のバンド挿通孔を通過して一対の側壁の外側を回り込む経路である。この電線固定構造によれば、電線収容空間に配置された電線に対して、内周バンド経路と外周バンド経路のいずれかで結束バンドによる固定を行うことにより、電線径サイズが異なる場合にプロテクタのサイズを変更することなく電線を固定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-127122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、プロテクタには、互いに近接した位置に複数のベラが設けられたものがある。この種のプロテクタによれば、電線の固定部を仕様に応じて使い分け可能となる。しかしながら、作業者が結束バンドによる電線固定を行う際、いずれのベラに電線を固定するかは作業者に委ねられていた。このため、正しい位置に電線を固定するために作業者の気遣いが必要であったり、誤った位置に電線を固定する誤組付けが発生するおそれがあった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、誤った位置へ電線を固定する誤組付けを防止可能なプロテクタ及びワイヤハーネス製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係るプロテクタは、下記を特徴としている。
電線を載置可能なプロテクタ本体と、
前記プロテクタ本体に設けられた、前記電線を選択的に固定するための第1ベラ及び第2ベラと、を備え、
前記第1ベラは、治具ピンを挿通可能な第1貫通孔を有し、
前記第2ベラは、前記治具ピンを挿通可能な第2貫通孔を有する、
プロテクタ。
【0008】
また、前述した目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネス製造方法は、下記を特徴としている。
上記プロテクタを含むワイヤハーネスの製造方法であって、
前記治具ピンが設けられた治具板上に、前記治具ピンが前記第1貫通孔に挿通され、前記プロテクタ本体に配置された前記電線が前記第2ベラに載置された状態で、
前記電線及び前記第2ベラに結束バンドを巻きつけて、前記電線を前記第2ベラに固定する、
製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るプロテクタ及びワイヤハーネス製造方法によれば、誤った位置へ電線を固定する誤組付けを防止できる効果を奏する。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るプロテクタの斜視図である。
図2図2は、プロテクタの平面図である。
図3図3は、プロテクタに電線を固定する手順を説明するための図であり、治具ピンを第1貫通孔に挿通した状態のプロテクタ本体を模式的に示す。
図4図4は、プロテクタに電線を固定する手順を説明するための図であり、図3に示したプロテクタ本体に電線を載置した状態を模式的に示す。
図5図5は、プロテクタに電線を固定する手順を説明するための図であり、図4に示したプロテクタ本体及び電線に結束バンドを巻きつけて固定した状態を模式的に示す。
図6図6は、結束バンドによって電線がプロテクタ本体に固定された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。本実施形態では、プロテクタ10、及びプロテクタ10を含むワイヤハーネスの製造方法について説明する。以下、説明の便宜上、図1から図6に示すように、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「前後方向」、「左右方向」及び「上下方向」を定義する。「前後方向」、「左右方向」及び「上下方向」は、互いに直交する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るプロテクタ10の斜視図であり、図2は、プロテクタ10の平面図である。プロテクタ10は、電線W(図6参照)の一部に取り付けられてワイヤハーネスを構成し、一例として、車両の車体フレーム等の所定箇所に固定されることで、ワイヤハーネスが車体に配索される。
【0014】
<プロテクタ10>
図1及び図2に示すように、プロテクタ10は、プロテクタ本体11と、プロテクタ蓋体19とを備える。プロテクタ10は、合成樹脂で形成されている。
【0015】
<プロテクタ本体11>
プロテクタ本体11は、電線Wを載置可能であり、前後方向に延びる底壁12と、底壁12の左右側縁から上向きに延びる側壁17、18とを有し、底壁12と側壁17、18とで構成される溝内に電線Wの少なくとも一部を収容する。プロテクタ本体11は、底壁12の前側から電線Wの延在方向に延伸した延伸部13を有する。延伸部13は、上下方向に見た平面視で長方形状を有する。
【0016】
延伸部13には、左右方向の中央にバンド挿通孔131が設けられる。延伸部13において、バンド挿通孔131の右側の板状部が第1ベラ13Aとされ、バンド挿通孔131の左側の板状部が第2ベラ13Bとされる。言い換えれば、第1ベラ13A及び第2ベラ13Bは、バンド挿通孔131を介して左右方向に隣接して配置される。また、延伸部13において、底壁12に載置された電線Wの前側部分が、第1ベラ13A及び第2ベラ13Bのいずれか一方に固定される。すなわち、プロテクタ本体11は、電線Wを選択的に固定するための第1ベラ13A及び第2ベラ13Bを有する。
【0017】
延伸部13の左右側縁には、上方向に延びる側壁132A、132Bが設けられる。側壁132Aは、側壁17に接続する。側壁132Bは、プロテクタ本体11の溝開口前面の一部を塞ぐ前壁121を介して、側壁18に接続する。側壁132A、132Bは、各上端に、結束バンド30(図6参照)を係止可能に構成された第1係止部15A、第2係止部15Bがそれぞれ設けられる。第1係止部15Aは、結束バンド30を上下方向に挿通可能な第1係止孔16Aを有する。第2係止部15Bは、結束バンド30を上下方向に挿通可能な第2係止孔16Bを有する。結束バンド30を、第1係止部15Aの第1係止孔16A又は第2係止部15Bの第2係止孔16Bに挿通させることにより、結束バンド30の位置ずれを防止できる。
【0018】
第1ベラ13A及び第2ベラ13Bは、治具ピン20(図6参照)を上下方向に挿通可能な第1貫通孔14A及び第2貫通孔14Bをそれぞれ有する。第1貫通孔14Aは、第1ベラ13Aにおける第1係止部15Aとバンド挿通孔131との間に設けられる。第2貫通孔14Bは、第2ベラ13Bにおける第2係止部15Bとバンド挿通孔131との間に設けられる。本実施形態では、第1貫通孔14Aは側壁132Aに隣接して設けられ、第2貫通孔14Bは側壁132Bに隣接して設けられる。
【0019】
プロテクタ10の出口部、すなわちプロテクタ本体11の前端部において、第1ベラ13A及び第2ベラ13Bという複数のベラが互いに近接した位置に設けられている。この構成によれば、プロテクタ本体11において、電線Wを固定するための固定部を、仕様により使い分けることができる。一方で、第1ベラ13A及び第2ベラ13Bが近接した位置に設けられるため、作業者が、組み付け対象でないベラに電線Wを固定する、誤組付けのおそれがある。そこで、本実施形態のプロテクタ10は、第1ベラ13A及び第2ベラ13Bに第1貫通孔14A及び第2貫通孔14Bがそれぞれ設けられ、組付け対象でない方のベラの貫通孔に治具ピン20を挿通することで、誤組付けの防止を可能としている。
【0020】
<プロテクタ蓋体19>
プロテクタ蓋体19は、プロテクタ本体11の溝開口を閉塞可能な板状部材である。プロテクタ蓋体19は、ヒンジにより開閉自在に構成され、ロック機構により閉状態を維持可能である。プロテクタ本体11に電線Wを配置した後、プロテクタ蓋体19が溝開口を塞ぐことで、電線Wがプロテクタ10に収容保護される。
【0021】
<ワイヤハーネス製造方法>
図3から図6を参照して、プロテクタ10に電線Wを固定して、ワイヤハーネスを製造する方法を説明する。図3図5は、プロテクタ10に電線Wを固定する手順を説明するための図であり、前側から視たプロテクタ本体11を模式的に示す。図3は、治具ピン20を第1貫通孔14Aに挿通した状態を示し、図4は、図3に示したプロテクタ本体11に電線Wを載置した状態を示し、図5は、図4に示したプロテクタ本体11及び電線Wに結束バンド30を巻きつけて固定した状態を示す。図6は、結束バンド30によって電線Wがプロテクタ10に固定された状態を示す斜視図である。
【0022】
以下、第2ベラ13Bに電線Wを固定する例について説明する。電線Wは、予め、端末にコネクタや電気接続箱が設けられてもよいし、所定位置に配索用の固定部材が設けられてもよい。電線Wは、複数の電線を含む電線束であってもよいし、一本の電線であってもよい。プロテクタ10の電線Wへの組み付けは、治具ピン20が設けられた治具板上で行われる。治具ピン20は、電線Wを保持するための受け治具に設けられてもよいし、治具板に直接設けられてもよい。
【0023】
図3に示すように、治具板上に配置されたプロテクタ本体11は、第1貫通孔14Aに治具ピン20が挿通されている。治具ピン20は、第1貫通孔14Aに挿通された状態で、少なくとも第1ベラ13Aの上面から突出しているので、作業者は第1ベラ13Aに電線Wを置くことができない。そこで、作業者は、図4に示すように、治具ピン20が突出していない、第2ベラ13Bに電線Wを置くこととなる。次に、作業者は、図5に示すように、結束バンド30を、第2ベラ13Bに載置された電線Wの外周に巻きつけ、バンド挿通孔131及び第2係止孔16Bに通すことで、電線Wを第2ベラ13Bに固定する。このように、結束バンド30によって電線Wがプロテクタ本体11の正規位置、すなわち第2ベラ13Bに固定される(図6参照)。
【0024】
治具ピン20並びに第1貫通孔14A及び第2貫通孔14Bは、図示のものに限らない。治具ピン20並びに第1貫通孔14A及び第2貫通孔14Bは、治具ピン20が第1貫通孔14A又は第2貫通孔14Bに挿通された状態で、対応する第1ベラ13A又は第2ベラ13Bに電線Wを載置不能とするような、位置、大きさ及び形状に構成されればよい。
【0025】
<プロテクタ10及びワイヤハーネス製造方法の効果>
以上説明したように、本実施形態では、ワイヤハーネス製品の仕様に応じて定められた第1ベラ13A及び第2ベラ13Bのいずれか一方に電線を固定する際、第1ベラ13Aの第1貫通孔14Aに治具ピン20を挿通しておく。すると作業者は、治具ピン20が挿通されている第1ベラ13A又は第2ベラ13Bには電線Wを置くことができず、かつ、治具ピン20に妨げられて結束バンド30を電線W及び第1ベラ13A又は第2ベラ13Bに巻きつけることができない。このため、作業者は必然的に、治具ピン20が挿通されていない第1ベラ13A又は第2ベラ13Bに電線Wを置いて固定することになる。したがって、第1ベラ13A及び第2ベラ13Bのうち、固定対象でない方の第1貫通孔14A又は第2貫通孔14Bに治具ピン20を挿通しておくことにより、作業者が誤った位置へ電線Wを固定することを防止できる。よって、本実施形態のプロテクタ10及びワイヤハーネスの製造方法によれば、プロテクタ10への電線Wの固定作業を行う作業者が、仕様に応じた適切なベラを選択するための気遣いをすることなく、プロテクタ10における電線Wの固定位置の誤りを防止できる。
【0026】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0027】
ここで、上述した本発明の実施形態に係るプロテクタ及びワイヤハーネス製造方法の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
【0028】
[1] 電線(W)を載置可能なプロテクタ本体(11)と、
前記プロテクタ本体に設けられた、前記電線を選択的に固定するための第1ベラ(13A)及び第2ベラ(13B)と、を備え、
前記第1ベラ(13A)は、治具ピン(20)を挿通可能な第1貫通孔(14A)を有し、
前記第2ベラ(13B)は、前記治具ピン(20)を挿通可能な第2貫通孔(14B)を有する、
プロテクタ(10)。
【0029】
上記[1]の構成のプロテクタによれば、例えば、ワイヤハーネス製品の仕様により第2ベラに電線を固定する場合において、第1ベラの第1貫通孔に治具ピンが挿通されていると、治具ピンに妨げられて、第1ベラに電線を置けず、結束バンドを巻きつけられない。このため、作業者は必然的に、治具ピンが挿通されていない第2ベラに電線を置いて固定することになる。したがって、第1ベラ及び第2ベラのうち、固定対象でないベラの貫通孔に治具ピンを挿通しておくことにより、作業者の気遣いを必要とすることなく、作業者が誤った位置へ電線を固定することを防止できる。
【0030】
[2] 前記第1ベラ(13A)は、結束バンド(30)を係止可能に構成された第1係止部(15A)を有し、
前記第2ベラ(13B)は、前記結束バンド(30)を係止可能に構成された第2係止部(15B)を有する、
上記[1]に記載のプロテクタ(10)。
【0031】
上記[2]の構成のプロテクタによれば、第1係止部又は第2係止部に結束バンドを係止するので、結束バンドの位置ずれを防止できる。
【0032】
[3] 前記プロテクタ本体は、前記電線の延在方向に延伸した延伸部(13)を有し、
前記第1ベラ(13A)及び前記第2ベラ(13B)は、前記延伸部(13)において、バンド挿通孔(131)を介して隣接して配置される、
上記[1]に記載のプロテクタ(10)。
【0033】
[4] 前記第1ベラ(13A)は、結束バンド(30)を係止可能に構成された第1係止部(15A)を有し、
前記第2ベラ(13B)は、前記結束バンド(30)を係止可能に構成された第2係止部(15B)を有し、
前記第1貫通孔(14A)は、前記第1ベラ(13A)における前記第1係止部(15A)と前記バンド挿通孔(131)との間に設けられ、
前記第2貫通孔(14B)は、前記第2ベラ(13B)における前記第2係止部(15B)と前記バンド挿通孔(131)との間に設けられる、
上記[3]に記載のプロテクタ(10)。
【0034】
上記[3]及び[4]の構成のプロテクタによれば、バンド挿通孔を介して隣接配置された第1ベラ及び第2ベラを、仕様により使い分けることができる。この際、第1ベラ及び第2ベラのいずれかにおいて治具ピンが第1貫通孔又は第2貫通孔に挿通されていることにより、作業者は、正しいベラに電線を固定できる。
【0035】
[5] 上記[1]から[4]のいずれか一に記載のプロテクタ(10)を含むワイヤハーネスの製造方法であって、
前記治具ピン(20)が設けられた治具板上に、前記治具ピンが前記第1貫通孔(14A)に挿通され、前記プロテクタ本体(11)に配置された前記電線(W)が前記第2ベラ(13B)に載置された状態で、
前記電線及び前記第2ベラに結束バンド(30)を巻きつけて、前記電線を前記第2ベラに固定する、
製造方法。
【0036】
上記[5]の構成の製造方法によれば、例えば、ワイヤハーネス製品の仕様により第2ベラに電線を固定する場合において、第1ベラの第1貫通孔に治具ピンが挿通されていると、治具ピンに妨げられて、第1ベラに電線を置けず、結束バンドを巻きつけられない。このため、作業者は必然的に、治具ピンが挿通されていない第2ベラに電線を置いて固定することになる。したがって、第1ベラ及び第2ベラのうち、固定対象でないベラの貫通孔に治具ピンを挿通しておくことにより、作業者の気遣いを必要とすることなく、作業者が誤った位置へ電線を固定することを防止できる。
【符号の説明】
【0037】
10 プロテクタ
11 プロテクタ本体
12 底壁
13 延伸部
13A 第1ベラ
13B 第2ベラ
14A 第1貫通孔
14B 第2貫通孔
15A 第1係止部
15B 第2係止部
16A 第1係止孔
16B 第2係止孔
17、18 側壁
19 プロテクタ蓋体
20 治具ピン
30 結束バンド
121 前壁
131 バンド挿通孔
132A、132B 側壁
W 電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6