(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183194
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】ビームモニタ装置、加速器及び放射線治療装置及びビーム測定方法
(51)【国際特許分類】
G21K 4/00 20060101AFI20231220BHJP
A61N 5/10 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
G21K4/00 A
A61N5/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096690
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】足利 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】青木 孝道
(72)【発明者】
【氏名】関 孝義
(72)【発明者】
【氏名】▲えび▼名 風太郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴啓
【テーマコード(参考)】
2G083
4C082
【Fターム(参考)】
2G083AA02
2G083BB05
4C082AA01
4C082AC07
4C082AE01
4C082AJ13
4C082AJ20
4C082AP01
4C082AR08
(57)【要約】
【課題】ビームの3次元的な構造を把握することが可能にするビームモニタ装置を提供する。
【解決手段】撮像部は、陽子ビーム103の進行方向と交差する複数の方向のそれぞれから陽子ビーム103に応じて発生する蛍光を撮像した複数の撮像画像を生成する。計算機13は、複数の撮像画像に基づいて、3次元空間内の陽子ビーム103の分布である3次元ビーム分布を取得する。計算機14は、3次元ビーム分布に基づいて、陽子ビーム103の進行方向と交差する2方向における陽子ビーム103の位置及び運動量による分散及び共分散を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビームを監視するビームモニタ装置であって、
前記荷電粒子ビームの進行方向と交差する複数の方向のそれぞれから前記荷電粒子ビームに応じて発生する蛍光を撮像した複数の撮像画像を生成する撮像部と、
前記複数の撮像画像に基づいて、3次元空間内の前記荷電粒子ビームの分布である3次元ビーム分布を取得する取得部と、
前記3次元ビーム分布に基づいて、前記進行方向と交差する2方向における前記荷電粒子ビームの位置及び運動量による分散及び共分散を算出する算出部と、を有するビームモニタ装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記分散及び前記共分散に基づいて、前記荷電粒子ビームのエミッタンスを算出する、請求項1に記載のビームモニタ装置。
【請求項3】
前記撮像部は、
前記蛍光を撮像して前記撮像画像を生成するカメラと、
前記荷電粒子ビームの進行方向を回転軸方向として、前記カメラを前記荷電粒子ビームの周りを回転させる駆動部と、を有する、請求項1に記載のビームモニタ装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記分散及び前記共分散に基づいて、前記荷電粒子ビームに異常が発生したか否かを判定する、請求項1に記載のビームモニタ装置。
【請求項5】
前記荷電粒子ビームに異常が発生した場合、アラームを通知する通知部をさらに有する請求項4に記載のビームモニタ装置。
【請求項6】
荷電粒子ビームを加速して出射する加速器であって、
前記荷電粒子ビームを生成する出射部と
前記出射部にて生成された荷電粒子ビームを輸送する輸送ラインと、
請求項1に記載のビームモニタ装置と、を有し、
前記輸送ラインは、壁面部が光透過性を有する窓で形成された測定箇所を有し、
前記ビームモニタ装置の撮像部は、前記窓を介して前記蛍光を撮像する、加速器。
【請求項7】
前記ビームモニタ装置の算出部は、前記分散及び前記共分散に基づいて、前記荷電粒子ビームに異常が発生したか否かを判定し、前記荷電粒子ビームに異常が発生した場合、前記出射部からの前記荷電粒子ビームの出射を停止させる、請求項6に記載の加速器。
【請求項8】
前記ビームモニタ装置の算出部は、前記分散及び前記共分散に基づいて、前記荷電粒子ビームに異常が発生したか否かを判定し、前記荷電粒子ビームに異常が発生した場合、前記分散及び前記共分散に基づいて、前記荷電粒子ビームの状態を調整する、請求項6に記載の加速器。
【請求項9】
請求項6に記載の加速器と、
前記加速器からの前記荷電粒子ビームを照射する照射装置と、を有する放射線治療装置。
【請求項10】
荷電粒子ビームを監視するビームモニタ装置によるビーム測定方法であって、
前記荷電粒子ビームの進行方向と交差する複数の方向のそれぞれから前記荷電粒子ビームに応じて発生する蛍光を撮像した複数の撮像画像を生成し、
前記複数の撮像画像に基づいて、3次元空間内の前記荷電粒子ビームの分布である3次元ビーム分布を取得し、
前記3次元ビーム分布に基づいて、前記進行方向と交差する2方向における前記荷電粒子ビームの位置及び運動量の分散及び共分散を算出する、ビーム測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ビームモニタ装置、加速器及び放射線治療装置及びビーム測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線治療装置などで使用される加速器においてビームを安定的に供給するためには、ビームをリアルタイムで監視する必要がある。特に大電流の荷電粒子ビームでは、荷電粒子ビームが通過する空間の空間電荷によるビーム品質への影響が顕著であるため、荷電粒子ビームの状態を監視することが重要である。
【0003】
非特許文献1には、荷電粒子ビームの軌道と平行に設置したCCD(Charge-Coupled Device:荷電結合素子)カメラを用いて荷電粒子ビームとその軌道上の残留ガスとの相互作用により発生する蛍光を検出することで、荷電粒子ビームのエンベロープ及び2次元方向のエミッタンスを測定する技術が開示されている。この技術では、荷電粒子ビームに測定器を接触させない非接触測定により荷電粒子ビームをリアルタイムで監視することが可能となるため、荷電粒子ビームに影響を与えないリアルタイムの監視が可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Welsch, Carsten P. "Non-destructive beam profile monitors." Proceedings of the 8th International Particle Accelerator Conference IPAC. 2017, p. 1234-1239.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に記載の技術では、CCDカメラを設置した単一の平面にビームの粒子分布を射影してエミッタンスなどを測定しているため、ビームの粒子分布を立体的に検出することができない。このため、ビームの3次元的な構造を把握することができず、特にビームの進行方向と交差する互いに異なる2方向の位置と運動量とで構成される4次元位相空間における分散、共分散及びエミッタンスなどを測定することができないという問題がある。
【0006】
なお、ビームを輸送する過程では、ビーム自身が有する電荷と輸送中の磁場との作用により、ビーム軸に垂直な平面内で、ビームの粒子分布が相関を有したり、ビームのトポロジーが異なる状態になったりすることがある。このため、ビームの状態を正確に把握するためには、ビームの3次元的な構造を把握すること、特に4次元位相空間における分散、共分散及びエミッタンスなどを測定することが重要となる。
【0007】
本開示の目的は、ビームの3次元的な構造を把握することが可能なビームモニタ装置、加速器及び放射線治療装置及びビーム測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に従うビームモニタ装置は、荷電粒子ビームを監視するビームモニタ装置であって、前記荷電粒子ビームの進行方向と交差する複数の方向のそれぞれから前記荷電粒子ビームに応じて発生する蛍光を撮像した複数の撮像画像を生成する撮像部と、前記複数の撮像画像に基づいて、3次元空間内の前記荷電粒子ビームの分布である3次元ビーム分布を取得する取得部と、前記3次元ビーム分布に基づいて、前記進行方向と交差する2方向における前記荷電粒子ビームの位置及び運動量による分散及び共分散を算出する算出部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ビームの3次元的な構造を把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施例に係るホウ素中性子捕捉療法システムを示す図である。
【
図2】ビーム監視処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施例について図面を参照して説明する。
【0012】
図1、本開示の実施例に係るホウ素中性子捕捉療法システムを示す図である。
図1に示すホウ素中性子捕捉療法システム999は、患者に放射線を照射して患者の癌などの患部を治療する放射線治療装置の一種である。具体的には、ホウ素中性子捕捉療法システム999は、薬剤によりホウ素を集積させた患者の癌細胞に対して、放射線として熱中性子ビームを照射する。
【0013】
ホウ素中性子捕捉療法システム999は、加速器室1000、加速器運転室1001及び治療室(図示せず)にわたって配置される。
【0014】
加速器室1000は、内部が放射線管理区域となる部屋であり、放射線の漏洩を防止するためにコンクリートによる厚い遮蔽壁1000aを外周に備える。加速器室1000には、人の立ち入りが制限される。また、加速器室1000には、ホウ素中性子捕捉療法システム999の構成要素として、加速器100と、リチウムターゲット107と、ビームモニタ1を構成するCCDカメラ11及びモータ駆動式回転架台12とが設置されている。
【0015】
加速器運転室1001は、加速器室1000の近傍に配置された非放射線管理区域の部屋である。加速器運転室1001は、ホウ素中性子捕捉療法システム999の構成要素として、ビームモニタ1を構成する計算機13、計算機14、表示装置15、記録装置16及びスピーカ17が設置されている。なお、加速器運転室1001には、放射線治療の際に、ホウ素中性子捕捉療法システム999の運転業務を行う加速器運転者1002が滞在する。加速器運転者1002は、表示装置15からの視覚情報及びスピーカ17からの聴覚情報に基づいてビームの状態を把握して、加速器100の運転業務を行う。
【0016】
加速器100は、粒子線ビームを加速して出射する。本実施例では、加速器100は、粒子線ビームとして、荷電粒子ビームである陽子ビーム103を出射する陽子加速器であり、電流が25mA、運動エネルギーが30keVの陽子ビーム103を運動エネルギーが2.5Mevになるまで加速してリチウムターゲット107へ出射する。
【0017】
加速器100は、イオン源110、低エネルギービーム輸送ライン105及び高周波四重極線形加速器106を有する。
【0018】
イオン源110は、陽子ビームを生成して出射する出射部である。
図1の例では、イオン源110は、電子サイクロトロン共鳴(ECR:Electron Cyclotron Resonance)型のイオン源であり、内部にプラズマ室(図示せず)を備え、さらに引き出し電極102及びビーム引き出し電源104を有する。
【0019】
プラズマ室内では、水素ガスが高周波電圧にて電離されることで、水素プラズマが生成される。水素プラズマ内の陽子は、引き出し電極102に印加された電圧によってプラズマ室の外部に引き出され、陽子ビーム103として低エネルギービーム輸送ライン105に出射される。陽子ビーム103は、運動量を有する陽子の集合である。また、プラズマ室から引き出される陽子ビーム103は、本実施例では、25mAの電流と30keVの運動エネルギーとを有する。
【0020】
引き出し電極102は、具体的には、互いに対向して配置された2枚の平板電極を有し、これらの平板電極の間に30kVの電圧が印加されることで、プラズマ室で発生した水素プラズマ内の陽子が30keVまで加速されて陽子ビーム103として出射される。
【0021】
ビーム引き出し電源104は、高電圧電源であり、引き出し電極102に対して30kVの高電圧を印加する。ビーム引き出し電源104が印加する電圧は、ケーブル54を介して計算機14にて制御される。ケーブル54は、例えば、BNC(Bayonet Neill Concelman)ケーブルである。
【0022】
低エネルギービーム輸送ライン105は、内部が真空引きされており、その内部を低エネルギーのビームが通過する輸送ラインである。本実施例では、低エネルギービーム輸送ライン105は、イオン源110から出射された陽子ビーム103を輸送して高周波四重極線形加速器106に入射する。低エネルギービーム輸送ライン105は、ソレノイド型電磁石1051及び1052と、測定箇所101とを備える。
【0023】
ソレノイド型電磁石1051及び1052は、陽子ビーム103の進行方向に沿って螺旋状に巻かれた電線を有し、その電線に対してソレノイド電磁石電源1053及び1054から供給される電流によって、陽子ビーム103の進行方向に平行な磁場を誘起する電磁石である。ソレノイド型電磁石1051及び1052は、誘起した磁場によって陽子ビーム103に対して収束力を与え、高周波四重極線形加速器106で加速可能な形状に成形して高周波四重極線形加速器106に出射する。
【0024】
ソレノイド電磁石電源1053及び1054は、大電流出力電源であり、ソレノイド型電磁石1051及び1052に対して、20A~100Aの範囲の電流を供給する。ソレノイド電磁石電源1053及び1054が供給する電流は、ケーブル56及び57を介して計算機14にて制御され、その値が時間的に変化されることで陽子ビーム103を高周波四重極線形加速器106にて加速可能な形状に成形する。ケーブル56及び57は、例えば、BNCケーブルである。
【0025】
測定箇所101は、低エネルギービーム輸送ライン105において、側壁部が光透過性を有する窓108で形成された箇所である。窓108は、例えば、鉛ガラスなどで形成される。窓108は、低エネルギービーム輸送ライン105内で陽子ビーム103に応じて発生した蛍光を低エネルギービーム輸送ライン105の外部から測定可能にするための部位である。本実施例では、測定箇所101は、陽子ビーム103が低エネルギービーム輸送ライン105から高周波四重極線形加速器106に入射する直前の箇所としているが、別の箇所でもよい。例えば、測定箇所101は、高周波四重極線形加速器106に設けられてもよい。
【0026】
高周波四重極線形加速器106は、加速用高周波源1055から供給される加速電圧である高周波電圧を用いて、粒子線ビームを直線に沿って加速する加速器である。本実施例では、高周波四重極線形加速器106は、高周波電圧を用いて、陽子ビーム103を、収束力を加えながら運動エネルギーが2.5MeVになるまで加速して、リチウムターゲット107に出射する。
【0027】
加速用高周波源1055は、マイクロ波を発生させる真空管を備えた高周波源であり、高周波四重極線形加速器106に対して陽子ビーム103を加速するための高周波電圧を供給する。加速用高周波源1055が供給する高周波電圧は、ケーブル58を介して計算機14にて行われる。このとき、計算機14は、加速周波数などを変調させることができる。ケーブル58は、例えば、BNCケーブルである。
【0028】
リチウムターゲット107は、主にリチウム(Li)で構成された円錐型のターゲットであり、底面が高周波四重極線形加速器106側を向くように配置される。リチウムターゲット107は、冷却水による除熱機能を備える。リチウムターゲット107は、加速器100から供給される陽子ビーム103内の陽子と7Li(p,n)7Be反応を起こすことで熱中性子を発生させて熱中性子ビームとして、治療室にいる患者に対して出射する。
【0029】
CCDカメラ11、モータ駆動式回転架台12、計算機13、計算機14、表示装置15、記録装置16及びスピーカ17は、ビームモニタ1を構成する。ビームモニタ1は、陽子ビーム103をリアルタイムで監視し、その監視結果に基づいて、ビームの異常を検知するビームモニタ装置である。
【0030】
CCDカメラ11及びモータ駆動式回転架台12は、測定箇所101において、陽子ビーム103の進行方向と交差する複数の撮像方向のそれぞれから陽子ビーム103に応じて発生する蛍光を窓108を介して撮像して、各撮像方向に対応した複数の撮像画像を生成する撮像部を構成する。撮像方向は、陽子ビーム103の進行方向であるビーム軸方向と直交することが望ましく、本実施例では、ビーム軸方向と略直交している。
【0031】
CCDカメラ11は、半導体素子であるCCDを撮像素子として用いたカメラであり、測定箇所101において、陽子ビーム103に応じて発生する蛍光の発生位置及び強度を測定する。CCDカメラ11は、ボルトなどによってモータ駆動式回転架台12に固定される。また、CCDカメラ11は、ケーブル50を介して加速器運転室1001内に設置された計算機13に通信可能に接続される。ケーブル50は、例えば、RJ45ケーブルである。
【0032】
モータ駆動式回転架台12は、陽子ビーム103のビーム軸方向を回転軸方向として、CCDカメラ11を低エネルギービーム輸送ライン105の周りを回転させることで、CCDカメラ11を陽子ビーム103の周りを回転させる駆動部である。モータ駆動式回転架台12は、ガイドレール18と、プレート19と、モータ(図示せず)とを有する。
【0033】
ガイドレール18は、アルミ製の環を2つ組み合わせたレールであり、窓108を取り囲むように環状に配置される。プレート19は、ガイドレール18に支持される。また、プレート19には、CCDカメラ11がボルトなどで固定される。プレート19は、モータによって駆動され、ガードレール18に沿って移動する。これにより、プレート19は、自身に固定されたCCDカメラ11と共に、陽子ビーム103の周りを回転し、CCDカメラ11は、陽子ビーム103のビーム軸方向と略直交する複数の撮像方向のそれぞれから陽子ビーム103に応じた蛍光を撮像することが可能となる。
【0034】
計算機13は、電子回路によりデジタルデータの入出力、演算及び変換などの種々の情報処理を行う計算機である。計算機13は、加速器運転室1001内に設置されており、ケーブル51を介して計算機14と通信可能に接続される。ケーブル51は、例えば、RJ45ケーブルである。
【0035】
計算機13は、CCDカメラ11にて取得された複数の撮像画像に基づいて、陽子ビーム103に応じた蛍光の3次元空間内の分布を、陽子ビーム103の3次元空間内の分布である3次元ビーム分布として示す3次元ビーム画像を取得する取得部として機能する。
【0036】
計算機14は、電子回路によりデジタルデータの入出力、演算及び変換などの種々の情報処理を行う計算機である。計算機14は、ケーブル52を介して表示装置15と、ケーブル53を介して記録装置16と、ケーブル55を介してスピーカ17と通信可能に接続される。ケーブル52及び53は、例えば、RJ45ケーブルであり、ケーブル55は、例えば、同軸ケーブルである。
【0037】
計算機14は、計算機13にて生成された3次元ビーム画像に基づいて、ビーム軸方向と交差(具体的には、略直交)する2方向における陽子ビーム103の位置及び運動量による分散及び共分散を示す分散・共分散行列と、陽子ビーム103のエミッタンスとを算出する算出部として機能する。
【0038】
また、計算機14は、算出結果に基づいて、陽子ビーム103に異常が発生したか否かを判定する。具体的には、計算機14は、分散・共分散行列の各要素が所定の閾値行列の各要素である閾値を超えたか否かと、エミッタンスがエミッタンス閾値を超えたか否かを判定する。計算機14は、その判定結果に基づいて、陽子ビーム103に異常が発生したか否かを判定する。異常が発生したと判定した場合、計算機14は、表示装置15、スピーカ17、ビーム引き出し電源104、ソレノイド電磁石電源1053、1054、及び加速用高周波源1055の出力の制御を行うフィードバック処理を実行する。
【0039】
なお、計算機13及び14は、コンピュータプログラムを記録するメモリと、そのメモリに記録されたコンピュータプログラムを読み取り、その読み取ったコンピュータプログラムを実行して上記の機能を実現するプロセッサとを有するコンピュータシステムでもよい。
【0040】
分散・共分散行列は、4行4列の実対称行列であり、ビーム軸方向と交差する互いに異なる2方向の位置及び運動量の相関を表す行列である。エミッタンスは、ビームの品質を表す指標(数値)であり、分散・共分散行列の行列式を算出した値である。閾値行列は、4行4列の実対称行列であり、閾値行列のi行j列の要素が分散・共分散行列のi行j列の要素に対応する閾値である。分散・共分散行列及びエミッタンスのより詳細な説明は後述する。
【0041】
表示装置15は、文字、図形及びグラフィックなどの種々の情報を表示する装置であり、加速器運転室1001に設置される。表示装置15は、例えば、計算機13にて取得された3次元ビーム画像と、計算機14にて算出された分散・共分散行列及びエミッタンスとをリアルタイムに表示し、加速器運転者1002に通知する。
【0042】
記録装置16は、磁気テープのような記録媒体(図示せず)を有し、その記録媒体に情報を書き込む装置である。本実施例では、記録装置16は、計算機13にて取得された3次元ビーム画像と、計算機14にて算出された分散・共分散行列及びエミッタンスを記録媒体に逐次書き込んで記録する。
【0043】
スピーカ17は、電気信号を音声に変換する音声出力装置であり、加速器運転室1001に設置される。スピーカ17は、陽子ビーム103が異常と判定された異常検知時に、計算機14から電気信号を受け付け、その電気信号に応じたアラーム音を出力することで、加速器運転者1002にアラーム(陽子ビーム103の異常)を通知する通知部として機能する。
【0044】
図2は、陽子ビーム103を監視するビーム監視処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0045】
ビーム監視処理では、先ず、計算機14は、加速器運転者1002から閾値行列及びエミッタンスに対する閾値であるエミッタンス閾値を受け付け、その閾値行列及びエミッタンス閾値を自身に設定する(ステップS1)。
【0046】
続いて、計算機14は、加速器運転者1002からの指示に従って、ビーム引き出し電源104を起動し、イオン源110による陽子ビーム103の生成及び出射を開始すると共に、ソレノイド電磁石電源1053、1054及び加速用高周波源1055を制御して、陽子ビーム103の加速を行う(ステップS2)。これにより、イオン源110から出射された陽子ビーム103は、低エネルギービーム輸送ライン105及び高周波四重極線形加速器106を介して加速されてリチウムターゲット107に照射される。その結果、リチウムターゲット107と陽子ビーム103とによって7Li(p,n)7Be反応が発生し、熱中性子ビームが生成されて治療室にいる患者に照射される。
【0047】
CCDカメラ11は、計算機13からの指示に従って、イオン源110から出射された陽子ビーム103に応じた蛍光を撮像して撮像画像を生成し、その撮像画像を計算機13に送信する(ステップS3)。
【0048】
具体的には、陽子ビーム103は、低エネルギービーム輸送ライン105内で、陽子ビーム103自身又は陽子ビーム103にて励起された窒素が電子を捕捉することで蛍光を発生させる。CCDカメラ11は、この蛍光を測定箇所101に設けられた鉛ガラス製の窓108を介して撮像する。また、CCDカメラ11は、モータ駆動式回転架台12のプレート19に固定され、窓108を取り囲むように環状に配置されたガイドレール18に沿って移動する。そして、CCDカメラ11は、陽子ビーム103の周りを回転しながら複数の方向から陽子ビーム103に応じた蛍光を撮像する。撮像により取得した撮像画像は、計算機13に逐次送信される。本実施例では、CCDカメラ11は、少なくとも4つの異なる撮像方向から蛍光を撮像する。
【0049】
計算機13は、CCDカメラ11から複数の撮像画像を受信し、その複数の撮像画像に基づいて、3次元ビーム画像を生成し、その3次元ビーム画像を計算機14に送信する(ステップS4)。このとき、計算機13は、例えば、複数の撮影画像に対して逆ラドン変換を実行することで、3次元ビーム画像を生成することができる。
【0050】
計算機14は、計算機13から3次元ビーム画像を受信し、その3次元ビーム画像に基づいて、陽子ビーム103の分散・共分散行列及びエミッタンスを算出する。計算機14は、その算出結果である分散・共分散行列及びエミッタンスを表示装置15及び記録装置16に送信する(ステップS5)。表示装置15は、算出結果を受信すると、その算出結果を表示し、記録装置16は、算出結果を受信すると、その算出結果を記録する(ステップS6)。
【0051】
また、計算機14は、分散・共分散行列の各要素と閾値行列の各要素である閾値とを比較し、かつ、エミッタンスとエミッタンス閾値とを比較して、陽子ビーム103に異常が発生したか否かを判定する(ステップS7)。本実施例では、計算機14は、いずれかの値が閾値(エミッタンス閾値を含む)を超えている場合、陽子ビーム103に異常が発生したと判定し、全ての値が閾値を超えていない場合、陽子ビーム103に異常が発生していないと判定する。
【0052】
異常が発生していない場合(ステップS7:No)、ステップS3の処理に戻る。一方、異常が発生している場合(ステップS7:Yes)、計算機14は、ビーム停止信号をスピーカ17及びビーム引き出し電源104に送信する。スピーカ17は、ビーム停止信号を受信すると、陽子ビーム103に異常が発生したためにビームを停止することを通知するアラーム音を出力する。ビーム引き出し電源104は、ビーム停止信号を受信すると、引き出し電極102への電力の供給を停止して、イオン源110による陽子ビーム103の出射を停止させ(ステップS8)、処理を終了する。
【0053】
次に計算機14によるステップS5の処理をより詳細に説明する。
【0054】
図3は、計算機14にて使用される3次元ビーム画像の一例を示す図である。
図3に示す3次元ビーム画像201は、陽子ビーム103に応じた蛍光の3次元分布を示す画像であり、本実施例では、陽子ビーム103の3次元分布を示す画像とみなされる。
【0055】
図3の例では、陽子ビーム103が左から右に向かって輸送されている状態を示す。また、
図3では、陽子ビーム103のビーム軸方向をs軸方向、ビーム軸方向から見て水平方向左向きをx
1軸の正の向き、ビーム軸方向に直交する鉛直方向上向きをx
3軸の正の向きとしている。また、3次元ビーム画像201の輝度分布ρ(x
1,x
3,s)を用いて数1から算出される陽子ビーム103の輝度中心(x
1,x
3,s)
centerを原点とする。
【数1】
【0056】
陽子ビーム103の分散・共分散行列Σ(s)は数2で定義され、エミッタンスε(s)は数3で定義される。
【数2】
【数3】
【0057】
分散・共分散行列Σ(s)は実対称行列であり、エミッタンスε(s)は分散・共分散行列Σ(s)の行列式である。数2及び数3において、x1(s)は陽子ビーム103を構成する粒子(陽子)のx1軸方向の位置、x3(s)は当該粒子のx3軸方向の位置、x2(s)は、当該粒子の軌道のx1軸方向の傾き、x4は当該粒子の軌道のx2軸方向の傾きをそれぞれビーム軸方向sの関数として表したものである。傾きx2(s)は、当該粒子のx1方向の運動量に対応し、傾きx4(s)は、当該粒子のx3方向の運動量に対応する。したがって、変数x1(s)~x4(s)は、陽子ビーム103のビーム軸方向sと交差(具体的には、直交)する異なる2方向の位置と運動量とで構成される4次元位相空間の座標に対応する。また、分散・共分散行列Σ(s)における対角成分<xi
2(s)>は、変数xi(s)の分散を示し、非対角成分<xi(s)xj(s)>は、変数xi(s)と変数xj(s)の共分散を示す。なお、xi(s)の2乗({xi(s)}2)をxi
2(s)と表記している。
【0058】
分散・共分散行列Σ(s)における傾きx
2(s)及びx
4(s)を含まないi行j列(i≠j)の要素Σ
ij(s)は、数4で示すように、3次元ビーム画像201の輝度分布ρ(x
1,x
3,s)を重みとした関数x
i(s)x
j(s)の重み付き平均にて算出される。なお、輝度分布ρ(x
1,x
3,s)及び位置x
1(s)及びx
3(s)は、3次元ビーム画像201から算出される。
【数4】
【0059】
また、分散・共分散行列Σ(s)における傾きx2(s)及びx4(s)を含むi行j列の要素Σij(s)は、以下のステップS11~S13にて算出される。
【0060】
ステップS11:計算機14は、3次元ビーム画像201に基づいて、s軸に沿って所定の間隔Δsごとに、変数x1(s)及びx3(s)の分散<x1
2>及び<x3
2>を算出する。間隔Δsは、例えば、3次元ビーム画像のs軸方向の全長LsとCCDカメラ11のs軸方向のピクセル数NpHとに応じて、Δs=Ls/NpHで定められ、例えば、0.05mm~0.1mm程度である。
【0061】
ステップS12:計算機14は、間隔Δsごとに算出された<x
1
2>及び<x
3
2>を、数5で示されるエンベロープ方程式にフィッティングすることで、変数x
1(s)及びx
3(s)の分散<x
1
2(s)>及び<x
3
2(s)>を変数sの関数として取得する。なお、数5で示されるエンベロープ方程式は、自由空間における陽子ビーム自身の空気電荷のみを考慮したエンベロープ方程式である。また、数5において、p1~p4はフィッティングパラメータである。
【数5】
【0062】
ステップS13:計算機14は、数6で示すように、分散<x
1
2(s)>及び<x
3
2(s)>に対してs軸方向の1階微分を行うことで、共分散<x
1(s)x
2(s)>及び<x
3(s)x
4(s)>を算出する。
【数6】
【0063】
また、傾きx
2(s)及びx
4(s)の分散<x
2
2(s)>及び<x
4
2(s)>については、計算機14は、数7に示すように、分散<x
1
2(s)>及び<x
3
2(s)>に対してs軸方向の2階微分を行うことで算出する。
【数7】
【0064】
また、位置x
1(s)及びx
3(s)と傾きx
2(s)及びx
4(s)の共分散<x
1(s)x
4(s)>及び<x
2(s)x
3(s)>は、数8に示すように、s軸方向を回転軸とした回転の角速度ωを用いて、位置x
1(s)及びx
3(s)の分散<x
1
2(s)>及び<x
3
2(s)>と関連づけられる。また、角速度ωは、数9に示すように、位置x
1(s)及びx
3(s)の共分散<x
1(s)x
3(s)>のs軸方向の1階微分と関係づけられる。
【数8】
【数9】
【0065】
このため、計算機14は、共分散<x1(s)x4(s)>及び<x2(s)x3(s)>を、共分散<x1(s)x3(s)>のs軸方向の依存性に基づいて算出する。
【0066】
具体的には、計算機14は、先ず、s軸に沿って所定の間隔Δsごとに、変数x1(s)及びx3(s)の共分散<x1x3>を算出する。続いて、計算機14は、間隔Δsごとに算出された<x1x3>、<x1
2(s)>及び<x3
2(s)>を、数9の微分方程式でフィッティングすることで、フィッティングパラメータとしてωを取得する。そして、計算機14は、そのフィッティングパラメータωと数8とを用いて、共分散<x1(s)x4(s)>及び<x2(s)x3(s)>を算出する。また、分散<x1
2(s)>及び<x3
2(s)>としては、上述のステップS12で算出された関数が使用される。
【0067】
また、計算機14は、s軸に沿った所定の間隔Δsごとの共分散<x
1x
3>の変化量Δ<x
1x
3>/Δsの変化量Δ(Δ<x
1x
3>)/Δs
2を間隔Δsごとに算出する。この値は傾き間の共分散<x
2(s)x
4(s)>と数10に示される関係を満たすため、計算機14は、数10を用いて<x
2(s)x
4(s)>を算出する。
【数10】
【0068】
以上により、分散・共分散行列の全ての要素を算出することができ、さらにエミッタンスは分散・共分散行列の行列式として算出される。
【0069】
次に計算機14によるステップS7の処理をより詳細に説明する。
【0070】
計算機14は、分散・共分散行列及びエミッタンスの変数sに所定値(ここでは、0とする)を代入する。さらに、分散・共分散行列及び閾値行列は、共に実対称行列であるため、計算機14は、例えば、分散・共分散行列及び閾値行列におけるi<jの場合のi行j列の成分を0とした上で閾値行列から分散・共分散行列を差し引いた行列を差行列として算出する。計算機14は、差行列における、i≧jとなるi行j列の各要素について正負判定を行う。計算機14は、負の判定が出た時点で異常が発生したと判断する。また、同様に、計算機14は、エミッタンス閾値からエミッタンスを差し引いた差分値の正負判定を行い、差分値が負の場合、異常が発生したと判断する。
【0071】
以上説明した構成、機能及び動作は、単なる一例であってこれに限定されるものではない。例えば、本実施例では、ビームモニタ1は、ホウ素中性子捕捉療法システム999用の加速器100のビーム監視を行っているが、ビーム監視を行う加速器は、この例に限らず、例えば、核変換・核融合用の加速器でもよいし、粒子線治療用の加速器でもよい。また、加速器100は直線加速器であるが、ビーム監視を行う加速器は、円形加速器などでもよい。
【0072】
また、ビームモニタ1のカメラとしてCCDカメラ11が使用されていたが、CCDカメラ11の代わりに、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ、マルチチャンネル光電子増倍管又はシリコン光電子増倍管(SIPM:Silicon Photomultiplier)アレイなどが使用されてもよい。また、CCDカメラ11とモータ駆動式回転架台12とを用いて複数の方向のそれぞれから撮像画像を取得していたが、複数台のカメラを測定箇所101の窓108を囲むように配置することで、複数の方向のそれぞれから撮像画像を取得してもよい。また、計算機13及び14の機能は、1つの計算機で実現されてもよいし、3つ以上の計算機で実現されてもよい。
【0073】
また、陽子ビーム103に異常が発生した場合、計算機14は、ソレノイド電磁石電源1053、1054及び加速用高周波源1055などを制御することで、陽子ビーム103の状態を調整してもよい。例えば、計算機14は、ソレノイド電磁石電源1053及び1054からソレノイド型電磁石1051及び1052に供給する電磁石電流の値及び周期や、加速用高周波源1055から高周波四重極線形加速器106に供給する加速電圧の値及び周期などを示す制御信号をソレノイド電磁石電源1053、1054及び加速用高周波源1055に送信して、ソレノイド電磁石電源1053、1054及び加速用高周波源1055を制御する。
【0074】
このとき、計算機14は、制御信号が示す電磁石電流及び加速電圧を、分散・共分散行列及びエミッタンスに基づいて決定する。例えば、計算機14は、分散・共分散行列の各要素及びエミッタンスと電磁石電流及び加速電圧との関係を示すルックアップテーブルを保持しておき、ルックアップテーブルに基づいて、閾値を超えた分散・共分散行列の要素又はエミッタンスに応じた電磁石電流及び加速電圧を決定する。
【0075】
また、撮像画像は、互いに異なる2方向から取得されればよい。この場合、陽子ビーム103の形状に対称性を過程することで3次元ビーム画像を生成することができる。
【0076】
以上説明したように本実施例によれば、撮像部は、陽子ビーム103の進行方向と交差する複数の方向のそれぞれから陽子ビーム103に応じて発生する蛍光を撮像した複数の撮像画像を生成する。計算機13は、複数の撮像画像に基づいて、3次元空間内の陽子ビーム103の分布である3次元ビーム分布を取得する。計算機14は、3次元ビーム分布に基づいて、陽子ビーム103の進行方向と交差する2方向における陽子ビーム103の位置及び運動量による分散及び共分散を算出する。したがって、陽子ビーム103の位置及び運動量による分散及び共分散はビームの3次元的な構造を表すため、ビームの3次元的な構造を把握することが可能となる。
【0077】
また、本実施例では、上記の分散及び共分散に基づいて、陽子ビーム103のエミッタンスが算出されるため、ビームの3次元的な構造をより正確に把握することが可能となる。
【0078】
また、本実施例では、CCDカメラ11が陽子ビーム103の周りを回転することで、複数の方向から撮像画像が取得される。このため、CCDカメラ11を複数台用意する必要がないため、コストを軽減しつつビームの3次元的な構造を把握することが可能となる。
【0079】
また、本実施例では、計算機14は、分散及び共分散に基づいて、陽子ビーム103に異常が発生したか否かを判定する。このため、ビームの3次元的な構造に基づいて、ビームの異常を正確に判定することが可能となる。
【0080】
また、本実施例では、陽子ビーム103に異常が発生した場合、アラームが通知されるため、加速器運転者1002が陽子ビーム103の異常を把握することが可能となる。
【0081】
また、本実施例では、陽子ビーム103に異常が発生した場合、陽子ビーム103の出射が停止されるため、異常な陽子ビーム103が出射されることを抑制することが可能となる。
【0082】
また、本実施例では、陽子ビーム103に異常が発生した場合、分散及び共分散に基づいて、陽子ビームの状態が調整されるため、異常な陽子ビーム103が出射されることを抑制することが可能となる。
【0083】
上述した本開示の実施例は、本開示の説明のための例示であり、本開示の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本開示の範囲を逸脱することなしに、他の様々な態様で本開示を実施することができる。
【符号の説明】
【0084】
1:ビームモニタ 11:CCDカメラ 12:モータ駆動式回転架台 13:計算機 14:計算機 15:表示装置 16:記録装置 17:スピーカ 18:ガイドレール 19:プレート 100:加速器 101:測定箇所 102:引き出し電極 103:陽子ビーム 104:ビーム引き出し電源 105:低エネルギービーム輸送ライン 106:高周波四重極線形加速器 107:リチウムターゲット 108:窓 110:イオン源 999:ホウ素中性子捕捉療法システム 1000:加速器室 1000a:遮蔽壁 1001:加速器運転室 1002:加速器運転者 1051:ソレノイド型電磁石 1053:ソレノイド電磁石電源 1054:ソレノイド電磁石電源 1055:加速用高周波源