(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183211
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】固化材および施工方法
(51)【国際特許分類】
E01C 5/00 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
E01C5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096720
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】521111881
【氏名又は名称】株式会社街路
(71)【出願人】
【識別番号】500487561
【氏名又は名称】ティーシートレーディング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000210687
【氏名又は名称】秩父コンクリート工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 健
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 明彦
(72)【発明者】
【氏名】石下 幸司
(72)【発明者】
【氏名】武島 優也
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AC04
2D051AE05
2D051AF01
2D051AF02
2D051AF17
2D051AG20
2D051AH02
2D051AH03
(57)【要約】
【課題】舗装工事または土木工事に使用される固化材に関し、従来と比較して短時間で固化することで施工箇所から流出しにくく、また、最終的な強度や耐水性を向上させた固化材および施工方法を提供する。
【解決手段】舗装工事または土木工事に使用される乾燥した砂状の固化材において、骨材と、水溶性樹脂と、前記水溶性樹脂を架橋する水溶性架橋剤と、セメントと、を含有してなるように構成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
舗装工事または土木工事に使用される乾燥した砂状の固化材であって、
骨材と、水溶性樹脂と、前記水溶性樹脂を架橋する水溶性架橋剤と、セメントと、を含有してなる、
固化材。
【請求項2】
前記セメントの含有量が、前記骨材の総量当たり0.5~3.0重量%の範囲である、
請求項1に記載の固化材。
【請求項3】
前記セメントは、超早強ポルトランドセメントである、
請求項1に記載の固化材。
【請求項4】
セメント硬化促進剤、モルタル増粘剤、ゼオライト、セピオライトのうちの少なくともいずれかを添加した、
請求項1に記載の固化材。
【請求項5】
前記水溶性架橋剤は、ホウ砂である、
請求項1に記載の固化材。
【請求項6】
前記水溶性架橋剤は、無水ホウ砂である、
請求項1に記載の固化材。
【請求項7】
前記水溶性樹脂は、ポリビニルアルコールである、
請求項1に記載の固化材。
【請求項8】
前記水溶性架橋剤の含有割合が、前記水溶性樹脂の総量当たり10.0重量%以上である、
請求項1に記載の固化材。
【請求項9】
前記水溶性樹脂の含有割合が、前記骨材の総量当たり1.0重量%以上である、
請求項1に記載の固化材。
【請求項10】
着色材として骨材の総量当たり10.0重量%以下のコンクリート用無機顔料を添加した、
請求項1に記載の固化材。
【請求項11】
上記した請求項1~10の固化材を用いた舗装工事または土木工事における施工方法であって、
乾燥した砂状の固化材を施工した後に、施工面に散水して固化材を固化させる、
施工方法。
【請求項12】
乾燥した砂状の固化材を施工した後に、希釈した水溶性塗料を散いて固化材を固化させる、
請求項11に記載の施工方法。
【請求項13】
乾燥した砂状の固化材を1層目として施工するステップと、
前記1層目の上から散水するステップと、
前記1層目の表面に固化被膜が形成されるまで養生するステップと、
前記1層目の上に乾燥した砂状の固化材を2層目として施工するステップと、
前記2層目の上から希釈した水溶性塗料を散いて固化材を固化させるステップと、
を備える、
請求項11に記載の施工方法。
【請求項14】
上記した請求項1~10の固化材を用いた舗装工事または土木工事における施工方法であって、
固化材に加水して混合した後に施工する、
施工方法。
【請求項15】
加水量が、全ての材料の総量当たり15~25重量%の範囲である、
請求項14に記載の施工方法。
【請求項16】
加水量が、前記セメントの総量当たり0.15~0.25重量%の範囲である、
請求項14に記載の施工方法。
【請求項17】
加水する水に水溶性塗料を希釈した、
請求項14に記載の施工方法。
【請求項18】
加水混合した固化材を施工した後に、施工面をローラーで転圧する、
請求項14に記載の施工方法。
【請求項19】
上記した請求項1~10の固化材を用いた舗装工事または土木工事における施工方法であって、
固化材をブロック系舗装の目地に充填する、
施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、舗装工事や土木工事に使用される固化材に関する。
【背景技術】
【0002】
インターロッキングブロック等の舗石を敷設する際には、例えば特許文献1に記載されているように、敷砂を敷きならした上に舗石を敷設し、舗石の間に目地砂を充填する。
【0003】
こうした目地砂の流出を防止する方法として、例えば非特許文献1および2に記載されているような「散水固化砂」と言われるものが存在する。散水固化砂は、散水後に数日放置すれば凝固するので、普通の砂と比較して風雨により消失しにくい。
なお、本発明者は、未公開ではあるが、特許文献2において、水溶性樹脂および水溶性樹脂を架橋する水溶性架橋剤を含む固化材を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-61059号公報
【特許文献2】特願2021-122462号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】蛇の目ブロック株式会社、「化粧目地材 ユニオンサンド目地B」、[online]、[令和3年7月13日検索]、インターネット〈URL:https://www.janome-block.co.jp/product/77.php〉
【非特許文献2】久保田セメント工業株式会社、「カラメジ」、[online]、[令和3年7月13日検索]、インターネット〈URL:https://www.kubota-c.com/exterior/2411/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、非特許文献1および2に記載されているような従来の散水固化砂は、凝固するまでに数日が必要であり、凝固する前に雨が降ると流れてしまうという問題があった。また、凝固した後に雨が降った場合でも、再乳化により軟化し、流出しやすくなるという問題があった。
【0007】
この点、特許文献2において本発明者が提案した固化材を使用すれば、従来と比較して圧倒的に短時間で粒状材を凝固させることができる。しかしながら、固化材を施工する現場によっては、最終的な強度や耐水性を更に向上させた固化材が求められる可能性がある。
【0008】
そこで、本発明は、舗装工事または土木工事に使用される固化材に関し、従来と比較して短時間で固化することで施工箇所から流出しにくく、また、最終的な強度や耐水性を向上させることができる固化材および施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するため、本発明に係る固化材は、骨材と、水溶性樹脂と、前記水溶性樹脂を架橋する水溶性架橋剤と、セメントと、を含有してなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上記の通りであり、骨材に加え、水溶性樹脂と、水溶性樹脂を架橋する水溶性架橋剤と、セメントと、を含む。このような固化材を使用すれば、散水または加水混合することで、直後に水溶性樹脂を水溶性架橋剤が分子構造的に架橋して流動性が低下するので、従来と比較して圧倒的に短時間で骨材を凝固させることができる。なお、セメントを加えることにより強度発現はやや遅延するものの、従来の散水固化砂やセメントと比較すれば短時間で骨材を凝固させることができる。また、セメントを加えたことにより、セメントを加えないものと比較して最終的な強度や耐水性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
本実施形態に係る固化材は、舗装工事または土木工事に使用される乾燥した砂状の固化材である。この固化材は、主に舗装用材料として使用されるが、様々な用途に使用可能である。例えば、インターロッキングブロックの敷砂や目地砂として使用することができる。また、草の繁殖を防止するために地面を固める防草材として使用することも可能である。また、路面だけではなく法面にも使用可能である。
【0013】
この固化材は、後述するように、散水方式で施工してもよいし、加水混合方式で施工してもよい。散水方式の場合は、乾燥した砂状の固化材を施工面に撒き広げたり充填したりした後に、施工面に散水して固化材を固化させる。加水混合方式の場合は、予め加水して混合した固化材を施工面に広げたり充填したりして施工する。
本実施形態に係る固化材は、少なくとも、骨材と、水溶性樹脂と、前記水溶性樹脂を架橋する水溶性架橋剤と、セメントと、を含有してなる。
【0014】
骨材は、例えば天然岡砂や天然砕石である。この骨材は、天然骨材のほか、プラスチック骨材や鋼製スラグ、都市ゴミ溶融スラグ、ガラス骨材、ガラス発泡骨材、木材などであってもよい。本実施形態に係る骨材は、粗粒率(FM値)が6.0以下であり、最大骨材寸法が5mm以下となっている。
【0015】
水溶性樹脂は、水に溶解し、水溶性架橋剤の作用により架橋可能な性質を有するものであればよい。例えば、ポリビニルアルコールなどの親水性の強い材料が好ましい。
【0016】
なお、ポリビニルアルコールには、ケン化度の高い順に、完全ケン化型、中間ケン化型、部分ケン型があるが、部分ケン化型を用いることが好ましい。完全ケン化型や中間ケン化型を使用することも可能であるが、50℃以上のお湯をかけないと乳化しないため、作業の容易性を考慮して部分ケン型の使用が推奨される。具体的には、ケン化度が70.0以上、90.0%未満であることが好ましい。なお、ケン化度は、JIS K6726:1994に準拠した方法で測定される値である。
【0017】
なお、本実施形態に係るポリビニルアルコールは、相対湿度4%で20℃における粘度が4~240mPa・sであり、純分が94.0%以上、揮発分が5.0%以下、pHが5~7となっている。なお、粘度・純分・揮発分・pHの各値は、JIS K6726:1994に準拠した方法で測定される値である。
【0018】
ポリビニルアルコールの含有割合は、骨材の総量当たり1.0重量%以上であることが好ましい。具体的には、1.0重量%以上、10.0重量%未満であることが好ましく、1.0重量%以上、5.0重量%未満であることが更に好ましく、1.0重量%以上、3.0重量%未満であることが特に好ましい。
【0019】
水溶性架橋剤は、水溶性樹脂を分子構造的に架橋可能なものである。本実施形態に係る固化材は、水溶性架橋剤を含有しているため、加水することで水溶性樹脂が水溶性架橋剤との化学反応により架橋されて硬化する。水溶性架橋剤としては、水に溶解する公知の架橋剤を使用することができる。ポリビニルアルコール系水溶性樹脂の親水基と反応して架橋するものとしては、例えば、ケイ酸ソーダ、セメント、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アジリジン、グリオキザール、ジアルデヒドスターチ、グルタールアルデヒド、ジメチロールウレア、ホウ酸、ホウ砂、ジルコニウム塩等が挙げられる。本実施形態においては、水溶性架橋剤としてホウ砂を使用する。ホウ砂は一般的に無水ホウ砂、5水ホウ砂、10水ホウ砂の三種類が市場に存在するが、本発明に係る固化材の水溶性架橋剤として使用するホウ砂は無水ホウ砂が望ましい。
【0020】
水溶性架橋剤は、骨材と同等以下の粒度のものが好ましい。具体的には、水溶性架橋剤は、粗粒率(FM値)が6.0以下、最大骨材寸法が5mm以下であることが好ましく、粉体であってもよい。
【0021】
水溶性架橋剤の含有割合は、水溶性樹脂の総量当たり10.0重量%以上であることが好ましい。特に、水溶性架橋剤の含有割合を、水溶性樹脂の総量当たり10.0重量%以上、30.0重量%未満の範囲とすることで、良好な結果が得られた。
【0022】
セメントは、最終的な強度や耐水性を向上させるために添加される。固化材を短時間で凝固させるためには、セメントは超早強ポルトランドセメントを使用することが望ましい。また、セメントの含有量は、骨材の総量当たり0.5~3.0重量%の範囲であることが望ましく、骨材の総量当たり0.8~1.2重量%の範囲であることが更に望ましい。なお、本実施形態に係る固化材は水溶性樹脂を含んでおり、加水することで水溶性樹脂の接着力が働くので、セメントの量が骨材の総量に対して少量であっても所望の強度を得ることができる。そして、セメントの添加量が少量であるため、セメント固有の問題が生じにくいという効果がある。例えば、ひび割れが起きにくく、カビやコケが発生しにくいといった効果が得られる。また、施工面が固くなりすぎないので、こけたときにケガをしにくいという効果が得られる。
なお、固化材には添加剤として、セメント硬化促進剤、モルタル増粘剤、保水材を添加してもよい。
【0023】
セメント硬化促進剤は、セメント硬化までの時間を短縮するために添加されるものであり、例えば、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、三酸化硫黄などの粉体である。なお、セメント硬化促進剤としてカルシウムシリケート化合物などの液体を使用する場合、後述する加水混合の際に添加することができる。
【0024】
モルタル増粘剤は、微細繊維がセメント水和物と絡み合うことによって増粘するものであり、例えば天然パルプ由来のセルロースを加工して作られたものが使用可能である。具体的には、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの粉体である。
保水材としては、例えば、ゼオライトやセピオライトなどの粘土鉱物を使用することができる。
【0025】
また、この固化材を着色したい場合は、予め固化材にコンクリート用無機顔料を添加しておくこともできる。例えば、着色材として骨材の総量当たり10.0重量%以下のコンクリート用無機顔料を添加することができる。コンクリート用無機顔料の成分としては、黄色に着色する場合にはFeOOH(水酸化鉄)、赤色に着色する場合にはFe2O3(酸化第二鉄)、黒色に着色する場合にはFe3O4(四酸化三鉄)、青色に着色する場合にはCoAl2O4(アルミン酸コバルト)、緑色に着色する場合にはPbCrO4(クロム酸鉛)と紺青KFe3[Fe2(CN)6]の混合物などを用いる。
なお、本発明の固化材は、乾燥した砂状または砂利状であり、溶解性シリカ化合物などの液体やゲル状物質を含まない。
【0026】
(固化材の実施例1)
下記の配合表1に基づいて、材料を乾燥状態で均一に混合し、実施例1の固化材を製造した。下記配合表1中の各数値は、骨材を100としたときの重量%を示す。
[配合表1]
骨材 100
ポリビニルアルコール 5
無水ホウ砂 1.5
超早強ポルトランドセメント 0.5
【0027】
(固化材の実施例2)
下記の配合表2に基づいて、材料を乾燥状態で均一に混合し、実施例2の固化材を製造した。下記配合表2中の各数値は、骨材を100としたときの重量%を示す。
[配合表2]
骨材 100
ポリビニルアルコール 7
無水ホウ砂 2.8
超早強ポルトランドセメント 1
【0028】
(第1の施工例)
次に、本実施形態に係る固化材の施工例について説明する。第1の施工例は、乾燥した砂状の固化材を施工した後に、施工面に散水して固化材を固化させる方法である。
【0029】
すなわち、
図1(a)に示すように、まず乾燥した固化材を施工面に敷き詰める。固化材をブロック系舗装(舗石など)の目地に充填する場合、固化材を撒き広げた後、目地に固化材を掃き込むようにすれば、容易に目地に充填することができる。
その後、
図1(b)に示すように散水し、一定期間養生すれば、
図1(c)に示すように固化材が硬化する。
なお、本施工例ではブロック系舗装の目地に固化材を充填したが、これに限らず、路面や法面に固化材を敷設するようにしてもよい。
【0030】
また、
図1(b)で散水する際に、水の代わりに希釈した水溶性塗料を散いて固化材を固化させるようにしてもよい。このようにすれば、散水と同時に施工面を着色することができるため、作業性が良い。
【0031】
(第2の施工例)
第2の施工例は、乾燥した砂状の固化材を施工した後に、施工面に散水して固化材を固化させる点では第1の施工例と同様であるが、2層構造で施工する点を特徴としている。なお、2層目は1層目よりも薄くすることが望ましい。
【0032】
施工時には、まず
図2(a)に示すように、乾燥した固化材を施工面に敷き詰め、1層目として施工する。次に、
図2(b)に示すように、1層目の上から散水する。散水後は、1層目の表面に固化被膜が形成されるまで養生する(気温によるが10分~60分程度)。
【0033】
その後、
図2(c)に示すように、1層目の上に乾燥した砂状の固化材を2層目として施工する。そして、
図2(d)に示すように、2層目の上から希釈した水溶性塗料を散いて固化材を固化させる。
【0034】
このような施工方法によれば、1層目の表面が固まった後で、2層目に水溶性塗料を散水することになるため、水溶性塗料が2層目の下に流出しにくい。言い換えると、水溶性塗料が2層目にとどまりやすいので、着色しやすい。また、少ない塗料で着色できるので、低コストで施工することができる。
【0035】
(第3の施工例)
第3の施工例は、固化材に加水して混合した後に施工するものである。このように予め加水混合することで、第1の施工例と比較すると強度を高めることができる。
【0036】
なお、加水量は、多すぎると水分過多となり目地などに充填しにくくなり、少なすぎると十分な硬度が得られない。本発明者が最適な加水量を評価した結果、加水量は、全ての材料の総量当たり15~25重量%の範囲であることが望ましく、全ての材料の総量当たり20~25重量%の範囲であることが更に望ましい。これをセメント重量と比較すると、加水量は、セメントの総量当たり0.15~0.25重量%の範囲であることが望ましく、セメントの総量当たり0.20~0.25重量%の範囲であることが更に望ましい。この範囲の加水量とした場合、加水混合した固化材は、いわゆるゼロスランプ(空練りモルタル状)となり、目地等に掃き込める程度の硬さとなる。
施工手順は以下のとおりである。
まず
図3(a)に示すように、固化材に加水して混合する。このとき、着色したい場合は、加水する水に水溶性塗料を希釈してもよい。
【0037】
その後、
図3(b)に示すように、加水混合した固化材を施工面に敷き詰める。固化材をブロック系舗装(舗石など)の目地に充填する場合、固化材を撒き広げた後、目地に固化材を掃き込むようにすれば、容易に目地に充填することができる。
その後、一定期間養生すれば、
図3(c)に示すように固化材が硬化する。
なお、本施工例ではブロック系舗装の目地に固化材を充填したが、これに限らず、路面や法面に固化材を敷設するようにしてもよい。
また、加水混合した固化材を施工面に敷き詰めて施工した後、硬化する前に施工面をローラーで転圧してもよい。
【0038】
(まとめ)
以上説明したように、本発明に係る固化材は、骨材に加え、水溶性樹脂と、水溶性樹脂を架橋する水溶性架橋剤と、セメントと、を含む。このような固化材を使用すれば、散水または加水混合することで、直後に水溶性樹脂を水溶性架橋剤が分子構造的に架橋して流動性が低下するので、従来と比較して圧倒的に短時間で骨材を凝固させることができる。なお、セメントを加えることにより強度発現はやや遅延するものの、従来と比較すれば短時間で骨材を凝固させることができる。また、セメントを加えたことにより、最終的な強度や耐水性を向上させることができる。
【0039】
また本発明に係る固化材は、一定の強度および耐水性を備えるため、従来のセメント舗装に置き換えて使用することもできる。例えば、従来は防草材としてセメント舗装を行っていたが、セメントは収縮してひび割れが起きやすいという問題があった。なお、セメントを厚くすればひび割れが起きにくくなるが、施工コストが上昇してしまう。この点、本発明に係る固化材を使用すれば、セメントの量が少ないので、層を薄くしてもひび割れが起きにくい。