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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183218
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】検知装置及び検知システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/52 20230101AFI20231220BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20231220BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20231220BHJP
   H04N 23/51 20230101ALI20231220BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
H04N5/225 430
H04N7/18 N
H04N7/18 E
H04N5/232 290
H04N5/225 200
H05K7/20 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096728
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松塚 凌
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
5E322
【Fターム(参考)】
5C054CA05
5C054CD01
5C054FC00
5C054FC12
5C122DA11
5C122EA03
5C122FH14
5C122GC75
5C122GE01
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
5C122GE18
5C122GF04
5E322AA04
5E322EA11
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】放熱性能を向上させる。
【解決手段】検知装置2は、撮像部26と、処理部211と、制御基板42と、筐体3と、第1伝熱部51と、第2伝熱部52と、を備える。撮像部26は、撮像を行う。処理部(制御部21)は、撮像部26が撮像した撮像画像に基づいて、人の存否を検知する。制御基板42は、処理部が実装されている第1面421と、第1面421の裏面である第2面422と、を有する。筐体3は、撮像部26及び制御基板42を収容する。第1伝熱部51は、処理部と熱的に接続される。第2伝熱部52は、第1伝熱部51及び筐体3の伝熱面313と熱的に接続される。制御基板42の第1面421の第1法線方向D1と、筐体3の伝熱面313の第2法線方向D2とが交差している。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像を行う撮像部と、
前記撮像部が撮像した撮像画像に基づいて、人の存否を検知する処理部と、
前記処理部が実装されている第1面と、前記第1面の裏面である第2面と、を有する制御基板と、
前記撮像部及び前記制御基板を収容する筐体と、
前記処理部と熱的に接続される第1伝熱部と、
前記第1伝熱部及び前記筐体の伝熱面と熱的に接続される第2伝熱部と、
を備え、
前記制御基板の前記第1面の第1法線方向と、前記筐体の前記伝熱面の第2法線方向とが交差している、
検知装置。
【請求項2】
前記撮像部は、所定方向における前記筐体の第1端側に設けられており、
前記筐体の前記伝熱面は、前記所定方向における前記筐体の第2端側に設けられている、
請求項1に記載の検知装置。
【請求項3】
造営材に設置された状態において、前記筐体の第2端は前記筐体の上端である、
請求項2に記載の検知装置。
【請求項4】
前記撮像部が実装されている撮像基板を更に備え、
前記第1法線方向と、前記撮像基板の主面の第3法線方向とが交差している、
請求項1に記載の検知装置。
【請求項5】
前記制御基板に電源供給を行う電源基板と、
通信部が実装されている通信基板と、
を更に備え、
前記電源基板と前記通信基板とは、前記第1法線方向において前記制御基板を挟むように配置されており、
前記第1伝熱部は、前記第1法線方向において前記制御基板の前記第1面と対向するように、前記制御基板と前記電源基板との間に配置され、
前記第2伝熱部は、前記第1伝熱部の上端と熱的に接続されており、前記第1法線方向に沿って前記通信基板から遠ざかる向きに突出している、
請求項1に記載の検知装置。
【請求項6】
前記第2伝熱部は、前記第2法線方向からの平面視において前記電源基板と重なっている、
請求項5に記載の検知装置。
【請求項7】
前記第1法線方向からの平面視において、前記制御基板の一部と、前記第1伝熱部の少なくとも一部とが重なる、
請求項1に記載の検知装置。
【請求項8】
前記第1伝熱部と前記第2伝熱部とは、一体的に形成されている、
請求項1に記載の検知装置。
【請求項9】
前記第1伝熱部と前記第2伝熱部とは、同一の材料で形成されている、
請求項1に記載の検知装置。
【請求項10】
前記筐体の形状は、中心軸が前記所定方向に沿った中空の円柱状である、
請求項2に記載の検知装置。
【請求項11】
前記第2伝熱部は、外縁の少なくとも一部が円弧状の板状に形成されている、
請求項10に記載の検知装置。
【請求項12】
前記第1法線方向において前記処理部と前記第1伝熱部との間に配置され、前記処理部及び前記第1伝熱部と接触する処理部側伝熱部を更に備え、
前記処理部側伝熱部の硬度は、前記第1伝熱部の硬度より低い、
請求項1に記載の検知装置。
【請求項13】
前記第2法線方向において前記伝熱面と前記第2伝熱部との間に配置され、前記伝熱面及び前記第2伝熱部と接触する筐体側伝熱部を更に備え、
前記筐体側伝熱部の硬度は、前記第2伝熱部の硬度より低い、
請求項1に記載の検知装置。
【請求項14】
前記第1伝熱部及び前記第2伝熱部は板状に形成されており、
前記第1伝熱部の主面の法線方向は前記第1法線方向に沿っており、
前記第2伝熱部の主面の法線方向は前記第2法線方向に沿っている、
請求項1に記載の検知装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の検知装置と、
前記検知装置から人の存否の検知結果を受信する外部装置と、
を備える、
検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に検知装置及び検知システムに関し、より詳細には、撮像部を備える検知装置及び検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の照明制御システムは、画像センサ装置と、照明器具と、制御装置と、を備える。画像センサ装置は、画像センサと、制御部と、通信インターフェース部と、を有する。通信インターフェース部は、画像センサの画像から制御部が判断した人の存否の検知信号を制御装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-029301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載されているような画像センサ装置(検知装置)では、画像センサ装置の放熱性能を向上させることが望まれている。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、放熱性能を向上させることができる検知装置及び検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る検知装置は、撮像部と、処理部と、制御基板と、筐体と、第1伝熱部と、第2伝熱部と、を備える。前記撮像部は、撮像を行う。前記処理部は、前記撮像部が撮像した撮像画像に基づいて、人の存否を検知する。前記制御基板は、前記処理部が実装されている第1面と、前記第1面の裏面である第2面と、を有する。前記筐体は、前記撮像部及び前記制御基板を収容する。前記第1伝熱部は、前記処理部と熱的に接続される。前記第2伝熱部は、前記第1伝熱部及び前記筐体の伝熱面と熱的に接続される。前記制御基板の前記第1面の第1法線方向と、前記筐体の前記伝熱面の第2法線方向とが交差している。
【0007】
本開示の一態様に係る検知システムは、前記検知装置と、外部装置と、を備える。前記外部装置は、前記検知装置から人の存否の検知結果を受信する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の上記態様に係る検知装置及び検知システムによれば、放熱性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る検知システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、同上の検知システムの適用例の概略図である。
図3図3は、同上の検知システムにおける検知装置の斜視図である。
図4図4は、同上の検知装置の模式図である。
図5図5は、同上の検知装置の要部の分解斜視図である。
図6図6は、同上の検知装置の要部の断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する場合がある。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、図面中の各方向を示す矢印は一例であり、検知システム1の使用時の方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0011】
なお、本開示でいう「直交(垂直)」は、二者間の角度が厳密に90度である状態だけでなく、二者がある程度の誤差の範囲内で直交する状態も含む意味である。つまり、直交する二者間の角度は、90度に対してある程度の差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。すなわち、本開示でいう「直交」は、二者でなす角度が80度以上100度以下である場合を含む。
【0012】
本開示でいう「平行」についても同様に、厳密に二者が交わらない状態だけでなく、二者がある程度の差の範囲内で平行である状態も含む意味である。例えば、本開示でいう「平行」は、一方に対する他方の傾きが10度以下であることを含む。すなわち、本開示でいう「平行」は、一方と他方とでなす角度が-10度以上10度以下である場合を含む。
【0013】
実施形態において、測定データなどの2値の比較において、「より小さい(未満)」としているところは「以下」であってもよい。つまり、2値の比較において、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「より小さい」か「以下」かに技術上の差異はない。同様に、「より大きい」としているところは「以上」であってもよい。
【0014】
(実施形態)
(1)概要
まず、本実施形態に係る検知システム1の概要について、図1図2、及び図6を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係る検知システム1は、複数の検知装置2と、管理システム11(外部装置)と、を備える。複数の検知装置2は、人H1(図2参照)の存否を検知する。管理システム11は、複数の検知装置2から人の存否の検知結果を受信する。なお、以下の説明において、複数の検知装置2の各々のことを、単に「検知装置2」と呼ぶことがある。
【0016】
図2に示すように、本実施形態に係る検知装置2は、例えば、オフィスビル、店舗、学校、又は工場等の施設100(対象空間)に用いられ、施設100における人H1の存否を検知するための装置である。本実施形態では一例として、施設100はオフィスビルである。検知装置2は、例えば、施設100の天井101(造営材)に埋め込まれるようにして設けられている。なお、図2の例では、2つの検知装置2が天井101に取り付けられているが、1つの検知装置2が天井101に設けられていてもよいし、3つ以上の検知装置2が天井101に設けられていてもよい。
【0017】
図6に示すように、本実施形態の検知装置2は、撮像部26と、制御部21(処理部211)と、制御基板42と、筐体3と、第1伝熱部51と、第2伝熱部52と、を備える。
【0018】
撮像部26は、撮像を行う。より具体的には、撮像部26は、検知装置2が設けられた空間の少なくとも一部の空間での撮像を行う。
【0019】
処理部211は、撮像部26が撮像した撮像画像に基づいて、撮像部26の撮像範囲における人H1の存否を検知する。
【0020】
制御基板42は、処理部211(制御部21)が実装されている第1面421と、第1面421の裏面である第2面422と、を有する。
【0021】
筐体3は、撮像部26及び制御基板42を収容している。
【0022】
第1伝熱部51は、処理部211(制御部21)と熱的に接続される。
【0023】
本開示でいう「熱的に接続される」とは、2つの物体が直接的に接触する、又は、2つの物体が別の物体を介して間接的に接触することにより、2つの物体間で熱伝導によって熱が伝わる状態となることをいう。
【0024】
第2伝熱部52は、第1伝熱部51と熱的に接続される。また、第2伝熱部52は、筐体3の伝熱面313と熱的に接続される。
【0025】
制御基板42の第1面421の第1法線方向D1と、筐体3の伝熱面313の第2法線方向D2とが交差している。すなわち、制御基板42の第1面421と、筐体3の伝熱面313とは、非平行である。より具体的には、本実施形態の第1法線方向D1と第2法線方向D2とは直交している。
【0026】
本実施形態の検知装置2によれば、処理部211で発生した熱を、第1伝熱部51及び第2伝熱部52を介して筐体3に逃がすことができるため、放熱性能を向上させることができる。
【0027】
また、本実施形態の検知装置2によれば、処理部211で発生した熱を、第1伝熱部51及び第2伝熱部52を介して、処理部211が実装されている第1面421と非平行である伝熱面313に逃がすことができる。そのため、本実施形態の検知装置2のように、天井101に埋め込まれるようにして設けられることで筐体の形状、筐体の大きさ、基板の大きさ、基板の配置、及び基板の向き等に制限がある場合であっても、発熱体から筐体へ効率的に熱を逃がすことができる。
【0028】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る検知システム1の詳細な構成について、図1図6を参照して説明する。
【0029】
(2.1)検知システム
図1に示す検知システム1は、複数の検知装置2による人H1の存否の検知結果を用いて、複数の照明器具12の制御又は所定のサービスの提供等を行うシステムである。本実施形態の検知システム1は、複数の検知装置2と、管理システム11と、サービス提供システム13と、複数の照明器具12と、リモートコントローラ14と、を備える。
【0030】
(2.2)管理システム
図1に示すように、本実施形態の管理システム11は、第1通信線W1を介して、検知装置2と接続されている。管理システム11と検知装置2とは、例えば、双極性(±24V)の時分割多重信号からなる通信信号によりデータ(情報)の送受信を行う。管理システム11は、第1通信線W1を介して、検知装置2から人の存否の検知結果を受信する。すなわち、管理システム11は、検知装置2から人の存否の検知結果を受信する外部装置の一例である。
【0031】
管理システム11は、検知結果を送信してきた検知装置2の識別情報に紐付けて検知結果を記憶する。すなわち、本実施形態の管理システム11は、検知装置2毎に検知結果を管理している。
【0032】
(2.3)照明器具
図2に示すように、複数(図2の例では7つ)の照明器具12は、施設100の天井101(造営材)に設けられている。複数の照明器具12は、施設100を照明するための設備である。なお、以下の説明において、複数の照明器具12の各々のことを、単に「照明器具12」と呼ぶことがある。
【0033】
図1に示すように、照明器具12は、第2通信線W2を介して検知装置2と接続されている。照明器具12と検知装置2とは、例えば、DALI(登録商標、Digital Addressable Lighting Interface)に準拠した通信を行う。照明器具12は、第2通信線W2を介して、検知装置2から人の存否の検知結果を受信する。すなわち、照明器具12は、検知装置2から人の存否の検知結果を受信する外部装置の一例である。照明器具12は、検知装置2から受信した検知結果に基づいて、施設100を照明する。
【0034】
(2.4)サービス提供システム
サービス提供システム13は、検知装置2から受信する撮像画像又は人の存否の検知結果に基づいて所定のサービスを提供するためのシステムである。所定のサービスは、例えば、施工業者等による検知装置2の設置作業の支援、及び管理業者等による検知装置2を用いた監視作業の支援を含む。
【0035】
なお、本開示でいう「撮像画像」は、画像データを意味し、静止画、動画及びコマ送りの画像を含み得る。
【0036】
サービス提供システム13は、第3通信線W3を介して、検知装置2と接続されている。第3通信線W3は、例えば、LANケーブルである。サービス提供システム13と検知装置2とは、例えば、Ethernet(登録商標)に準拠した通信を行う。サービス提供システム13は、第3通信線W3を介して、検知装置2から撮像画像又は人の存否の検知結果を受信する。すなわち、サービス提供システム13は、検知装置2から人の存否の検知結果を受信する外部装置の一例である。
【0037】
(2.5)リモートコントローラ
リモートコントローラ14は、検知装置2と無線通信を行い、検知装置2の設定に関する設定情報を検知装置2に送信する。無線通信は、例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は赤外線通信などである。設定情報は、例えば、検知装置2の検知範囲に関する範囲情報と、検知装置2による検知機能の有効/無効に関する機能情報と、を含む。
【0038】
(2.6)検知装置の構成
図1に示すように、本実施形態の検知装置2は、制御部21と、第1通信部22と、第2通信部23と、第3通信部24と、第4通信部25と、撮像部26と、複数の赤外線センサ27と、電源部28と、記憶部29と、を備える。なお、以下の説明において、複数の赤外線センサ27の各々を、単に「赤外線センサ27」と呼ぶことがある。
【0039】
制御部21は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。本実施形態の制御部21は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有する1チップのデバイスとして構成されている。検知装置2では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、制御部21の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0040】
図5に示すように、本実施形態の制御部21は、例えば矩形状の平板状に形成されており、制御基板42の第1面421に表面実装されている。
【0041】
図1に示すように、制御部21は、第1通信部22、第2通信部23、第3通信部24、第4通信部25、撮像部26、複数の赤外線センサ27及び記憶部29の各々に対して制御信号を出力することで、第1通信部22、第2通信部23、第3通信部24、第4通信部25、撮像部26、赤外線センサ27及び記憶部29を個別に制御する。制御部21は、後述する制御基板42(図5参照)に実装されている。
【0042】
制御部21は、処理部211を有する。
【0043】
処理部211は、撮像部26が撮像した撮像画像に基づいて、人H1の存否を検知する。処理部211は、例えば、撮像部26が撮像した撮像画像を用いた差分検出処理、又は、撮像部26が撮像した撮像画像を用いた画像認識処理等を行うことで、人H1の存否を検知する。本実施形態の処理部211は、撮像部26が撮像した撮像画像を用いた画像認識処理等を行うことで、人H1の存否を検知する。
【0044】
例えば、差分検出処理は、背景差分を用いて人H1の存在を検知する処理や、フレーム間差分を用いて、撮像部26の撮像範囲に含まれる所定範囲内における人H1の動き量を導出することで、所定範囲内における人H1の存在を検知する処理である。
【0045】
例えば、画像認識処理は、機械学習によって生成された学習済モデルを用いて、撮像部26の撮像範囲に含まれる所定範囲内おける人H1の存在を検知する処理である。学習済モデルは、例えば、複数の教師データを用いた教師あり学習によって生成されている。複数の教師データは、例えば、撮像部26の撮像範囲に含まれる所定範囲内に人H1が存在する状況を撮像した複数の撮像画像である。処理部211は、撮像部26が撮像した撮像画像を学習済モデルの入力とすることで、学習済モデルの出力として、人H1の存否の検知結果を得ることができる。なお、機械学習のアルゴリズムは、一例として、ニューラルネットワークである。
【0046】
処理部211による人H1の存否の検知結果は、所定範囲内に人H1が存在するか否かを示す在/不在情報の他、所定範囲内に存在している人H1の人数を示す人数情報を含んでいてもよい。
【0047】
また、処理部211は、赤外線センサ27が受光した赤外線に基づいて、赤外線センサ27の検知範囲内に存在する人H1を検知可能である。本実施形態では、検知装置2は、複数(図3の例では4つ)の赤外線センサ27を備えている。処理部211は、複数の赤外線センサ27と一対一に対応する複数の検知範囲ごとに、人H1の存否を検知することが可能である。
【0048】
第1通信部22(通信部)は、管理システム11と通信するための通信インターフェースを含む。第1通信部22は、上述のように、例えば、双極性(±24V)の時分割多重信号からなる通信信号によりデータ(情報)の送受信を行う。本実施形態では、第1通信部22は、管理システム11に対して、処理部211による人H1の存否の検知結果を出力(送信)する。第1通信部22は、後述の通信基板43(図4参照)に実装されている。
【0049】
第2通信部23(通信部)は、照明器具12と通信するための通信インターフェースを含む。第2通信部23は、第2通信線W2を介して照明器具12と接続されている。上述のように、第2通信部23と照明器具12とは、例えば、DALI(登録商標)に準拠した通信を行う。本実施形態では、第2通信部23は、照明器具12に対して、処理部211による人H1の存否の検知結果を出力(送信)する。第2通信部23は、通信基板43(図4参照)に実装されている。
【0050】
第3通信部24は、サービス提供システム13と通信するための通信インターフェースを含む。第3通信部24は、第3通信線W3を介してサービス提供システム13に接続されている。上述のように、第3通信部24とサービス提供システム13とは、例えば、Ethernet(登録商標)に準拠した通信を行う。本実施形態では、第3通信部24は、サービス提供システム13に対して、処理部211による人H1の存否の検知結果及び撮像画像を出力(送信)する。第3通信部24は、制御基板42(図4参照)に実装されている。
【0051】
第4通信部25は、リモートコントローラ14と通信するための通信インターフェースを含む。上述のように、第4通信部25は、リモートコントローラ14と無線通信を行う。第4通信部25は、リモートコントローラ14から送信される設定情報を受信する。上述のように、設定情報は、検知装置2の設定に関する情報である。第4通信部25は、通信基板43(図4参照)に実装されている。
【0052】
撮像部26は、施設100を撮像して撮像画像を生成する。撮像部26は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の二次元イメージセンサを有する。撮像部26は、後述する撮像基板41(図4参照)に実装されている。
【0053】
複数の赤外線センサ27は、例えば、PIR(Passive Infrared Ray)センサである。赤外線センサ27は、人体から放射される赤外線を検知する。具体的には、複数の赤外線センサ27のうちいずれかの赤外線センサ27の検知範囲に人H1が入ると、この赤外線センサ27に入射する赤外線の量が人体表面と背景との温度差に相当する量だけ変化し、これにより人H1の動きを捉えることが可能となる。複数の赤外線センサ27は、後述する撮像基板41(図4参照)に実装されている。
【0054】
電源部28は、例えば、リニアレギュレータ又はスイッチングレギュレータを有する。電源部28は、電源線を介して外部から供給される電力を所望の電力に変換し、変換後の電力を各部(制御部21、第1通信部22、第2通信部23、第3通信部24、第4通信部25、撮像部26、赤外線センサ27及び記憶部29)に供給する。電源部28は、後述の電源基板44(図4参照)に実装されている。
【0055】
記憶部29は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の半導体メモリを含む。なお、記憶部29は、半導体メモリに限らず、ハードディスクドライブ等であってもよい。
【0056】
記憶部29は、例えば、検知装置2に割り当てられた識別情報(例えば、アドレス)を記憶する。また、記憶部29は、上述の設定情報を記憶する。さらに、記憶部29は、処理部211による人H1の存否の検知結果及び撮像画像を記憶してもよい。なお、本実施形態では、人H1の存否の検知結果は管理システム11に記憶され、撮像画像はサービス提供システム13に記憶されるため、人H1の存否の検知結果及び撮像画像は記憶部29に記憶されない。
【0057】
(2.7)検知装置の構造
次に、検知装置2の構造について、図3図6を参照して説明する。以下の説明では、図4に示すように、撮像基板41から後述する天板312に向かう方向を上方向と規定する。また、上方向の反対を下方向と規定する。なお、本実施形態では、下方向は重力方向(鉛直方向)である。また、上方向及び下方向をあわせて「上下方向」と呼ぶことがある。さらに、制御基板42から電源基板44に向かう方向を右方向と規定する。また、右方向の反対を左方向と規定する。なお、右方向と左方向をあわせて「左右方向」と呼ぶことがある。上下方向と左右方向とは、直交する。さらに、上下方向及び左右方向と直交する方向を「前後方向」と呼ぶことがある。
【0058】
図4及び図5に示すように、本実施形態の検知装置2は、筐体3と、撮像基板41と、制御基板42と、通信基板43と、電源基板44と、第1伝熱部51と、第2伝熱部52と、処理部側伝熱部61と、筐体側伝熱部62,63と、を更に備える。
【0059】
(2.7.1)筐体
筐体3は、中心軸が上下方向に沿った中空の円柱状に形成されている。また、本実施形態の筐体3は、合成樹脂で形成されている。筐体3が上下方向に沿った中空の円柱状であることで、検知装置2を天井101等の造営材に埋め込みやすい。
【0060】
筐体3は、撮像基板41と、制御基板42と、通信基板43と、電源基板44と、第1伝熱部51と、第2伝熱部52と、処理部側伝熱部61と、筐体側伝熱部62,63と、を収容している。筐体3は、第1収容部31と、第2収容部32と、カバー33と、を有する。
【0061】
第1収容部31は、側周部311と、天板312と、を有する円筒状に形成されている。
【0062】
側周部311は、円筒状に形成されている。検知装置2が天井101(造営材)に設置された状態において、第1収容部31(筐体3)の第2端315は、筐体3の上端である。上下方向における側周部311の第1端314側は開口しており、上下方向における側周部311の第2端315側には天板312が設けられている。天板312は、側周部311の第2端315側の開口を塞ぐように設けられている。天板312は、円形状の板状に形成されている。天板312の下面は、伝熱面313として機能する。言い換えると、伝熱面313は、上下方向における第1収容部31(筐体3)の第2端315側に設けられている。
【0063】
第1収容部31の内部空間には、制御基板42と、通信基板43と、電源基板44と、第1伝熱部51と、第2伝熱部52と、処理部側伝熱部61と、筐体側伝熱部62,63と、が収容されている。
【0064】
第2収容部32は、検知装置2が天井101(造営材)に設置された状態において、第1収容部31の下方に配置される。第2収容部32は、撮像基板41を固定している。すなわち、撮像基板41は、上下方向における第1収容部31(筐体)の第1端314側に設けられている。
【0065】
第2収容部32は、筒状部321と、円環部322と、を有する。
【0066】
図6に示すように、円環部322は、外縁323と内縁324とを有する円環状の板状に形成されている。円環部322の内縁324によって形成される開口から、撮像部26の一部(例えば、レンズ)が下方に突出している。
【0067】
筒状部321は、円筒状に形成されている。筒状部321は、円環部322の外縁323と内縁324との間から上方に突出している。筒状部321は、第1収容部31の側周部311の第1端314と連続するように配置されている。上方向からの平面視において、筒状部321と、第1収容部31の側周部311とは重なっている。筒状部321は、前後左右方向(水平方向)において、撮像基板41の周囲を囲っている。本実施形態では、撮像基板41の外縁は、筒状部321の内周面と接触している。
【0068】
図3に示すように、カバー33は、円盤状に形成されている。カバー33は、第2収容部32の円環部322を下方から覆うように第2収容部32に取り付けられる。カバー33は、第1開口部331と、複数(図3では4つ)の第2開口部332と、を有する。第1開口部331及び複数の第2開口部332の各々は、カバー33の厚さ方向にカバー33を貫通している。第1開口部331は、カバー33の中央部に位置している。複数の第2開口部332は、第1開口部331を取り囲むように、カバー33の周方向に沿って等間隔に並んでいる。撮像部26は、第1開口部331から筐体3の外部に露出している。また、複数の赤外線センサ27の各々は、複数の第2開口部332のうち対応する第2開口部332から筐体3の外部に露出している。
【0069】
(2.7.2)基板
撮像基板41は、例えば、ガラスエポキシ基板又はシリコン基板等のリジット基板である。図4に示すように、撮像基板41の主面の第3法線方向D3(図6参照)は、上下方向に沿っている。撮像基板41の形状は、上下方向からの平面視で円形状である。撮像基板41の主面(下面)には、撮像部26及び複数の赤外線センサ27が配置(実装)されている。
【0070】
制御基板42は、例えば、ガラスエポキシ基板又はシリコン基板等のリジット基板である。図6に示すように、制御基板42は、処理部211(制御部21)が実装されている第1面421(右面)と、第1面421の裏面である第2面422(左面)と、を有する。制御基板42の主面(第1面421又は第2面422)の第1法線方向D1は、左右方向に沿っている。制御基板42は、第1法線方向D1(左右方向)において、通信基板43と電源基板44とに挟まれるように配置されている。制御基板42の形状は、左右方向からの平面視で、上下方向に長い矩形状である。
【0071】
また、制御基板42は、撮像基板41の上方に配置されている。制御基板42の下端は、例えばコネクタ等を介して、撮像基板41と接続されている。制御基板42の主面の第1法線方向D1と撮像基板41の主面の第3法線方向D3とは、交差する。より具体的には、本実施形態の第1法線方向D1と第3法線方向D3とは、直交する。本実施形態のように、撮像基板41の主面(上面)の上に上下方向に長い制御基板42を立てるようにして配置(縦置き)することで、円筒状に形成された筐体3の直径(半径)を小さくすることができる。なお、本実施形態の制御基板42は、左右方向における撮像基板41の中心に沿って配置されている。
【0072】
通信基板43は、例えば、ガラスエポキシ基板又はシリコン基板等のリジット基板である。通信基板43には、通信部(第1通信部22、第2通信部23、第4通信部25)が実装されている。
【0073】
通信基板43の主面の法線方向は、左右方向に沿っている。言い換えると、通信基板43の主面と制御基板42の主面とは平行である。左右方向において、通信基板43の右面は、制御基板42の第2面422と対向している。すなわち、通信基板43は、制御基板42の左方に配置されている。通信基板43の形状は、左右方向からの平面視で、上下方向に長い矩形状である。
【0074】
また、通信基板43は、撮像基板41の上方に配置されている。通信基板43の下端は、例えばコネクタ等を介して、撮像基板41と接続されている。
【0075】
電源基板44は、例えば、ガラスエポキシ基板又はシリコン基板等のリジット基板である。電源基板44は、撮像基板41、制御基板42、及び通信基板43に電源供給を行う。
【0076】
電源基板44の主面の法線方向は、左右方向に沿っている。言い換えると、電源基板44の主面と制御基板42の主面とは平行である。左右方向において、電源基板44の左面は、制御基板42の第1面421と対向している。すなわち、電源基板44は、制御基板42の右方に配置されている。電源基板44の形状は、左右方向からの平面視で、上下方向に長い矩形状である。
【0077】
また、電源基板44は、撮像基板41の上方に配置されている。電源基板44の下端は、例えばコネクタ等を介して、撮像基板41と接続されている。
【0078】
(2.7.3)伝熱部
上述のように、第1伝熱部51は、制御基板42に実装されている制御部21(処理部211)と熱的に接続されている。より具体的には、本実施形態の第1伝熱部51は、処理部側伝熱部61を介して、制御部21と熱的に接続されている。
【0079】
第1伝熱部51は、例えばアルミニウム又は鉄等の金属で形成されている。本実施形態の第1伝熱部51は、アルミニウムで形成されている。
【0080】
本実施形態の第1伝熱部51は、板状に形成されている。より詳細には、第1伝熱部51は、長方形状の板状に形成されている。第1伝熱部51は、長辺が上下方向に沿うように筐体3に収容されている。第1伝熱部51の主面の法線は左右方向と沿っている。すなわち、第1伝熱部51の主面の法線は、制御基板42の第1面421の第1法線方向D1に沿っている。第1伝熱部51の主面と制御基板42の第1面421とが平行となるように第1伝熱部51を配置することで、第1伝熱部51と、第1面421に実装されている制御部21(処理部211)との間の熱伝導率を低くすることができる。本実施形態の第1伝熱部51は、左右方向において制御基板42の第1面421と対向するように、制御基板42と電源基板44との間に配置されている。なお、第1伝熱部51の上端は、制御基板42の上端、通信基板43の上端、及び、電源基板44の上端より上方に位置している。
【0081】
また、図4に示すように、第1法線方向D1からの平面視において、制御基板42の一部と、第1伝熱部51の少なくとも一部が重なる。言い換えると、制御基板42の一部は、第1法線方向D1からの平面視において、第1伝熱部51と重ならない。したがって、例えば制御基板42の第1面421に、例えばアルミ電解コンデンサ等の比較的背の高い素子を実装する際等に、素子と第1伝熱部51とが接触することを抑制することができる。なお、図5に示すように、本実施形態の前後方向における第1伝熱部51の幅X2は、前後方向における制御基板42の幅X1より小さい。
【0082】
第2伝熱部52は、第1伝熱部51及び筐体3(第1収容部31)の伝熱面313と熱的に接続されている。より具体的には、本実施形態の第2伝熱部52は、筐体側伝熱部62,62を介して、筐体3の伝熱面313と熱的に接続されている。筐体3の伝熱面313は筐体3の上端(第2端315)に設けられているため、制御部21(処理部211)で発生した熱を効率的に筐体に逃がすことができる。
【0083】
第2伝熱部52は、例えばアルミニウム又は鉄等の金属で形成されている。本実施形態の第2伝熱部52は、アルミニウムで形成されている。すなわち、本実施形態の第2伝熱部52は、第1伝熱部51と同一の材料で形成されている。第1伝熱部51と第2伝熱部52とが同一の材料であるため、例えば、第1伝熱部51と第2伝熱部52とを同じ工場で製造しやすいという利点がある。なお、第1伝熱部51と第2伝熱部52とは、別材料に形成されていてもよい。
【0084】
本実施形態の第2伝熱部52は、板状に形成されている。より具体的には、本実施形態の第2伝熱部52は、外縁の少なくとも一部が円弧状の板状に形成されている。第2伝熱部52の主面の法線は、上下方向に沿っている。すなわち、第2伝熱部52の主面の法線は、筐体3の伝熱面313の第2法線方向D2に沿っている。第2伝熱部52の主面と筐体3の伝熱面313とが平行となるように第2伝熱部52を配置することで、第2伝熱部52と伝熱面313との間の熱伝導率を低くすることができる。また、第2伝熱部52の形状を、外縁の少なくとも一部が円弧状の板状とすることで、第2伝熱部52と円形状の伝熱面313とが熱的に接続する部分の面積を大きくすることができ放熱性能を向上させることができる。なお、本実施形態の第2伝熱部52は、半円状の板状に形成されている。上下方向からの平面視において、第2伝熱部52の直線部分(直径部分)は、第1伝熱部51に沿っている。また、第2伝熱部52の直径X3は、前後方向における第1伝熱部51の幅X2より大きい。
【0085】
本実施形態の第2伝熱部52は、第1伝熱部51の上端と熱的に接続されており、第1法線方向D1に沿って電源基板44に向かう向き(右向き)に突出している。言い換えると、第2伝熱部52は、第1法線方向D1に沿って、第1伝熱部51の上端から通信基板43から遠ざかる向きに突出している。第2伝熱部52が通信基板43から遠ざかる向きに突出しているため、通信用のコネクタ等を通信基板43の上方に配置しやすくなる。また、本実施形態の第2伝熱部52は、第2法線方向D2(上下方向)からの平面視において電源基板44と重なっている。平面視において第2伝熱部52と電源基板44とが重なる程度に第2伝熱部52を突出させることで、第2伝熱部52と筐体3の伝熱面313とが熱的に接続される部分の面積が大きくなり放熱性能を向上させることができる。
【0086】
本実施形態の第2伝熱部52は、第1伝熱部51と一体的に形成されている。例えば、本実施形態の第1伝熱部51及び第2伝熱部52は、1枚の板を折り曲げることで形成されている。第1伝熱部51と第2伝熱部52とが一体的に形成されていることで、第1伝熱部51と第2伝熱部52とが別体の場合と比べて、第1伝熱部51及び第2伝熱部52間の熱伝導率を低くすることができ、放熱性能を向上させることができる。
【0087】
本実施形態の第1伝熱部51及び第2伝熱部52は、ねじによって第1伝熱部51が制御基板42に固定されている。
【0088】
図6に示すように、処理部側伝熱部61は、第1法線方向D1において処理部211(制御部21)と第1伝熱部51との間に配置されている。また、処理部側伝熱部61は、第1法線方向D1において、処理部211(制御部21)及び第1伝熱部51と接触している。
【0089】
処理部側伝熱部61は、例えば放熱シート又は放熱ゲル等である。処理部側伝熱部61は、電気的絶縁性を有し、かつ、第1伝熱部51及び処理部211(制御部21)より硬度が低い材料で形成されている。処理部側伝熱部61は、ジェル状又はゲル状等の粘性を有する材料で形成されている。処理部側伝熱部61は、粘性を有する材料が硬化した材料によって形成されていてもよい。処理部側伝熱部61は、例えばシリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂で形成されている。なお、処理部側伝熱部61の熱伝導率は、0.5~10.0W/m・K程度であり、空気の熱伝導率(25mW/m・K程度)と比べて遥かに高い。本実施形態の処理部側伝熱部61は、矩形状の板状に形成されており、処理部211(制御部21)の表面の全体を覆っている。
【0090】
本実施形態の処理部側伝熱部61は、第1伝熱部51及び処理部211(制御部21)と比べて、硬度が低くつぶれやすいため、処理部211と第1伝熱部51との間の接触熱抵抗を低くすることができ、処理部211から第1伝熱部51への放熱性能を向上させることができる。
【0091】
筐体側伝熱部62,63は、第2法線方向D2において筐体3の伝熱面313と第2伝熱部52との間に配置されている。また、筐体側伝熱部62,63は、第2法線方向D2において、筐体3の伝熱面313及び第2伝熱部52と接触している。
【0092】
筐体側伝熱部62,63は、例えば放熱シート又は放熱ゲル等である。筐体側伝熱部62,63は、電気的絶縁性を有し、かつ、第2伝熱部52及び筐体3より硬度が低い材料で形成されている。筐体側伝熱部62,63は、ジェル状又はゲル状等の粘性を有する材料で形成されている。筐体側伝熱部62,63は、粘性を有する材料が硬化した材料によって形成されていてもよい。筐体側伝熱部62,63は、例えばシリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂で形成されている。本実施形態の筐体側伝熱部62,63は、処理部側伝熱部61と同じ材料で形成されている。
【0093】
本実施形態の筐体側伝熱部62,63は前後方向に長い矩形状の板状に形成されている。前後方向における筐体側伝熱部62の幅は、前後方向における筐体側伝熱部63の幅より大きい。筐体側伝熱部62は、筐体側伝熱部63の左方に配置されている。
【0094】
本実施形態の筐体側伝熱部62,63は、第2伝熱部52及び筐体3(伝熱面313)と比べて、硬度が低くつぶれやすいため、第2伝熱部52と伝熱面313との間の接触熱抵抗を低くすることができ、第2伝熱部52から伝熱面313への放熱性能を向上させることができる。
【0095】
(3)変形例
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0096】
筐体3はアルミニウム又は鉄等の金属で形成されていてもよい。筐体3を金属製にすることにより、検知装置2の放熱性能を更に向上させることができる。
【0097】
第1伝熱部51及び処理部側伝熱部61は、制御基板42の第2面422と対向するように配置されていてもよい。第1伝熱部51及び処理部側伝熱部61が第2面422と対向するように配置する場合、例えば制御基板42にサーマルビア等を設け、処理部211(制御部21)で発生する熱を第2面422側に逃がすようにしてもよい。処理部側伝熱部61を、第1伝熱部51及び第2面422と接触するようにすることで、処理部211で発生した熱をサーマルビア及び処理部側伝熱部61を介して第1伝熱部51に逃がすことができる。
【0098】
第2伝熱部52の形状は、矩形状(多角形状)の板状であってもよい。
【0099】
第1伝熱部51及び第2伝熱部52が板状に形成されていることは必須ではない。第1伝熱部51及び第2伝熱部52の形状は、制御部21(処理部211)で発生する熱を、第1伝熱部51から第2伝熱部52に伝え、第2伝熱部52から筐体3の伝熱面313に伝えることができる形状であればよい。
【0100】
第1伝熱部51と第2伝熱部52とが別体であってもよい。第1伝熱部51と第2伝熱部52とが別体である場合、第2伝熱部52は、第1伝熱部51と直接的に接触するように配置されていてもよいし、放熱シート又は放熱ゲル等の伝熱部材(シリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂で形成された伝熱部材)を介して第1伝熱部51と熱的に接続されていてもよい。
【0101】
第1法線方向D1からの平面視において、制御基板42の全てが第1伝熱部51と重なっていてもよい。また、第1伝熱部51の幅X2は、前後方向における制御基板42の幅X1より大きくてもよい。第1伝熱部51の体積を大きくすることで、第1伝熱部51の熱容量が大きくなり、処理部211で発生した熱をより筐体3へ逃がしやすくすることができる。
【0102】
筐体側伝熱部62,63は、一体的に形成されていてもよい。筐体側伝熱部62,63が一体的に形成されている場合、例えば筐体側伝熱部62,63は、第2伝熱部52の上面の全体を覆うように形成されていてもよい。
【0103】
第1伝熱部51及び第2伝熱部52は、第2伝熱部52が筐体3の天板312にねじ等によって固定されることにより、筐体3に対して固定されていてもよい。第1伝熱部51及び第2伝熱部52は、第2伝熱部52の上面と筐体3の伝熱面313とが接着剤によって固定されることにより、筐体3に対して固定されていてもよい。また、第1伝熱部51は、台座等を介して撮像基板41に固定されていてもよい。
【0104】
上記実施形態では、機械学習のアルゴリズムは一例としてニューラルネットワークである場合を例示した。ただし、機械学習のアルゴリズムは、ニューラルネットワークに限定されず、例えば、XGB(eXtreme Gradient Boosting)回帰、ランダムフォレスト(Random Forest)、決定木(decision tree)、ロジスティック回帰(Logistic Regression)、サポートベクターマシン(SVM:Support vector machine)、単純ベイズ(Naive Bayes)分類器、又はk近傍法(k-nearest neighbors)等であってもよい。さらに、機械学習のアルゴリズムは、例えば、混合ガウスモデル(GMM:Gaussian Mixture Model)、又はk平均法(k-means clustering)等であってもよい。
【0105】
学習済みモデルは、追加の学習を行うことで学習済みモデルを更新してもよい。
【0106】
検知システム1は、照明器具12に代えて又は加えて、検知装置2の検知結果に基づいて制御される例えば空調機器等の設備を備えていてもよい。
【0107】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る検知装置(2)は、撮像部(26)と、処理部(211)と、制御基板(42)と、筐体(3)と、第1伝熱部(51)と、第2伝熱部(52)と、を備える。撮像部(26)は、撮像を行う。処理部(211)は、撮像部(26)が撮像した撮像画像に基づいて、人(H1)の存否を検知する。制御基板(42)は、処理部(211)が実装されている第1面(421)と、第1面(421)の裏面である第2面(422)と、を有する。筐体(3)は、撮像部(26)及び制御基板(42)を収容する。第1伝熱部(51)は、処理部(211)と熱的に接続される。第2伝熱部(52)は、第1伝熱部(51)及び筐体(3)の伝熱面(313)と熱的に接続される。制御基板(42)の第1面(421)の第1法線方向(D1)と、筐体(3)の伝熱面(313)の第2法線方向(D2)とが交差している。
【0108】
この態様によれば、処理部(211)で発生した熱を、第1伝熱部(51)及び第2伝熱部(52)を介して筐体(3)に逃がすことができるため、放熱性能を向上させることができる。また、処理部(211)で発生した熱を、第1伝熱部(51)及び第2伝熱部(52)を介して、処理部(211)が実装されている第1面(421)と非平行である伝熱面(313)に逃がすことができる。そのため、例えば検知装置(2)が天井(101)に埋め込まれるようにして設けられることで筐体(3)の形状、筐体(3)の大きさ、基板の大きさ、基板の配置、及び基板の向き等に制限がある場合であっても、発熱体から筐体(3)へ効率的に熱を逃がすことができる。
【0109】
第2の態様に係る検知装置(2)では、第1の態様において、撮像部(26)は、所定方向における筐体(3)の第1端(314)側に設けられている。筐体(3)の伝熱面(313)は、所定方向における筐体(3)の第2端(315)側に設けられている。
【0110】
この態様によれば、例えば検知装置(2)が天井(101)に設置される場合には下端に撮像部(26)が設けられ上端に伝熱面(313)が設けられるため、処理部(211)で発生した熱を効率的に筐体(3)に逃がすことができる。
【0111】
第3の態様に係る検知装置(2)では、第2の態様において、検知装置(2)が造営材(天井101)に設置された状態において、筐体(3)の第2端(315)は筐体(3)の上端である。
【0112】
この態様によれば、筐体(3)の伝熱面(313)は筐体(3)の上端に設けられているため、処理部(211)で発生した熱を効率的に筐体(3)に逃がすことができる。
【0113】
第4の態様に係る検知装置(2)は、第1から第3のいずれかの態様において、撮像基板(41)を更に備える。撮像基板(41)には、撮像部(26)が実装されている。第1法線方向(D1)と、撮像基板(41)の主面の第3法線方向(D3)とが交差している。
【0114】
この態様によれば、例えば撮像基板(41)の主面に制御基板(42)を立てるようにして配置することで、例えば円筒状に形成された筐体(3)の直径(半径)を小さくすることができる。
【0115】
第5の態様に係る検知装置(2)は、第1から第4のいずれかの態様において、電源基板(44)と、通信基板(43)と、を更に備える。電源基板(44)は、制御基板(42)に電源供給を行う。通信基板(43)には、通信部(第1通信部22;第2通信部23;第4通信部25)が実装されている。電源基板(44)と通信基板(43)とは、第1法線方向(D1)において制御基板(42)を挟むように配置されている。第1伝熱部(51)は、第1法線方向(D1)において制御基板(42)の第1面(421)と対向するように、制御基板(42)と電源基板(44)との間に配置されている。第2伝熱部(52)は、第1伝熱部(51)の上端と熱的に接続されており、第1法線方向(D1)に沿って通信基板(43)から遠ざかる向きに突出している。
【0116】
この態様によれば、第2伝熱部(52)が通信基板(43)から遠ざかる向きに突出しているため、通信用のコネクタ等を通信基板(43)の上方に配置しやすくなる。
【0117】
第6の態様に係る検知装置(2)では、第5の態様において、第2伝熱部(52)は、第2法線方向(D2)からの平面視において電源基板(44)と重なっている。
【0118】
この態様によれば、平面視において第2伝熱部(52)と電源基板(44)とが重なる程度に第2伝熱部(52)を突出させることで、第2伝熱部(52)と筐体(3)の伝熱面(313)とが熱的に接続される部分の面積が大きくなり放熱性能を向上させることができる。
【0119】
第7の態様に係る検知装置(2)では、第1から第6のいずれかの態様において、第1法線方向(D1)からの平面視において、制御基板(42)の一部と、第1伝熱部(51)の少なくとも一部とが重なる。
【0120】
この態様によれば、例えば制御基板(42)の第1面(421)に、例えばアルミ電解コンデンサ等の比較的背の高い素子を実装する際等に、素子と第1伝熱部(51)とが接触することを抑制することができる。
【0121】
第8の態様に係る検知装置(2)では、第1から第7のいずれかの態様において、第1伝熱部(51)と第2伝熱部(52)とは、一体的に形成されている。
【0122】
この態様によれば、第1伝熱部(51)と第2伝熱部(52)とが一体的に形成されていることで、第1伝熱部(51)と第2伝熱部(52)とが別体の場合と比べて、第1伝熱部(51)及び第2伝熱部(52)間の熱伝導率を低くすることができ、放熱性能を向上させることができる。
【0123】
第9の態様に係る検知装置(2)では、第1から第8のいずれかの態様において、第1伝熱部(51)と第2伝熱部(52)とは、同一の材料で形成されている。
【0124】
この態様によれば、第1伝熱部(51)と第2伝熱部(52)とが同一の材料であるため、例えば、第1伝熱部(51)と第2伝熱部(52)とを同じ工場で製造しやすいという利点がある。
【0125】
第10の態様に係る検知装置(2)では、第2又は第3の態様において、筐体(3)の形状は、中心軸が所定方向に沿った中空の円柱状である。
【0126】
この態様によれば、筐体(3)が上下方向に沿った中空の円柱状であることで、検知装置(2)を天井(101)等に埋め込みやすい。
【0127】
第11の態様に係る検知装置(2)では、第10の態様において、第2伝熱部(52)は、外縁の少なくとも一部が円弧状の板状に形成されている。
【0128】
この態様によれば、第2伝熱部(52)の形状を、外縁の少なくとも一部が円弧状の板状とすることで、第2伝熱部(52)と円形状の伝熱面(313)とが熱的に接続する部分の面積を大きくすることができ放熱性能を向上させることができる。
【0129】
第12の態様に係る検知装置(2)は、第1から第11のいずれかの態様において、処理部側伝熱部(61)を更に備える。処理部側伝熱部(61)は、第1法線方向(D1)において処理部(211)と第1伝熱部(51)との間に配置され、処理部(211)及び第1伝熱部(51)と接触する。処理部側伝熱部(61)の硬度は、第1伝熱部(51)の硬度より低い。
【0130】
この態様によれば、処理部側伝熱部(61)は、第1伝熱部(51)と比べて、硬度が低くつぶれやすいため、処理部(211)と第1伝熱部(51)との間の接触熱抵抗を低くすることができ、処理部(211)から第1伝熱部(51)への放熱性能を向上させることができる。
【0131】
第13の態様に係る検知装置(2)は、第1から第12のいずれかの態様において、筐体側伝熱部(62;63)を更に備える。筐体側伝熱部(62;63)は、第2法線方向(D2)において伝熱面(313)と第2伝熱部(52)との間に配置され、伝熱面(313)及び第2伝熱部(52)と接触する。筐体側伝熱部(62;63)の硬度は、第2伝熱部(52)の硬度より低い。
【0132】
この態様によれば、筐体側伝熱部(62;63)は、第2伝熱部(52)と比べて、硬度が低くつぶれやすいため、第2伝熱部(52)と伝熱面(313)との間の接触熱抵抗を低くすることができ、第2伝熱部(52)から伝熱面(313)への放熱性能を向上させることができる。
【0133】
第14の態様に係る検知装置(2)では、第1から第13のいずれかの態様において、第1伝熱部(51)及び第2伝熱部(52)は板状に形成されている。第1伝熱部(51)の主面の法線方向は第1法線方向(D1)に沿っている。第2伝熱部(52)の主面の法線方向は第2法線方向(D2)に沿っている。
【0134】
この態様によれば、第1伝熱部(51)の主面と制御基板(42)の第1面(421)とが平行となるように第1伝熱部(51)を配置することで、第1伝熱部(51)と、第1面(421)に実装されている処理部(211)との間の熱伝導率を低くすることができる。また、第2伝熱部(52)の主面と筐体(3)の伝熱面(313)とが平行となるように第2伝熱部(52)を配置することで、第2伝熱部(52)と伝熱面(313)との間の熱伝導率を低くすることができる。
【0135】
第1の態様以外の構成については、検知装置(2)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0136】
第15の態様に係る検知システム(1)は、第1から第14のいずれかの態様に係る検知装置(2)と、外部装置(管理システム11;照明器具12;サービス提供システム13)と、を備える。外部装置(管理システム11;照明器具12;サービス提供システム13)は、検知装置(2)から人(H1)の存否の検知結果を受信する。
【0137】
この態様によれば、検知装置(2)において、処理部(211)で発生した熱を、第1伝熱部(51)及び第2伝熱部(52)を介して筐体(3)に逃がすことができるため、放熱性能を向上させることができる。また、検知装置(2)において、処理部(211)で発生した熱を、第1伝熱部(51)及び第2伝熱部(52)を介して、処理部(211)が実装されている第1面(421)と非平行である伝熱面(313)に逃がすことができる。そのため、例えば検知装置(2)が天井に埋め込まれるようにして設けられることで筐体(3)の形状、筐体(3)の大きさ、基板の大きさ、基板の配置、及び基板の向き等に制限がある場合であっても、発熱体から筐体(3)へ効率的に熱を逃がすことができる。
【符号の説明】
【0138】
1 検知システム
101 天井(造営材)
11 管理システム(外部装置)
12 照明器具(外部装置)
13 サービス提供システム(外部装置)
2 検知装置
211 処理部
26 撮像部
3 筐体
313 伝熱面
314 第1端
315 第2端
41 撮像基板
42 制御基板
421 第1面
422 第2面
43 通信基板
44 電源基板
51 第1伝熱部
52 第2伝熱部
61 処理部側伝熱部
62,63 筐体側伝熱部
D1 第1法線方向
D2 第2法線方向
D3 第3法線方向
H1 人
図1
図2
図3
図4
図5
図6