(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183220
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】演出出力玩具及び玩具別体
(51)【国際特許分類】
A63H 5/04 20060101AFI20231220BHJP
A63H 33/00 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
A63H5/04 C
A63H33/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096731
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小美濃 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 大輔
(72)【発明者】
【氏名】勝野 真弥
(72)【発明者】
【氏名】丸山 洋平
(72)【発明者】
【氏名】木村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 克也
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150DG01
2C150DG15
2C150ED45
(57)【要約】
【課題】本発明は、例えば演出出力玩具において、演出を実現する新規な仕組みを提供する。
【解決手段】本演出出力玩具は、複数の色で発光可能な発光部と、当該発光部を用いた演出を制御する制御部とを有する玩具本体と、玩具本体に対して着脱可能な1以上の玩具別体とを備える。1以上の玩具別体は、玩具本体に装着された状態で発光部からの照射光を透過する、補色関係にある互いに異なる色を用いて形成された演出部材を備える。
【選択図】
図6B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出出力玩具であって、
複数の色で発光可能な発光部と、該発光部を用いた演出を制御する制御部とを有する玩具本体と、
前記玩具本体に対して着脱可能な1以上の玩具別体と、を備え、
前記1以上の玩具別体は、
前記玩具本体に装着された状態で前記発光部からの照射光を透過する、補色関係にある互いに異なる色を用いて形成された演出部材を備えることを特徴とする演出出力玩具。
【請求項2】
前記演出部材は、少なくとも補色関係にある互いに異なる2色を重畳して保持する請求項1に記載の演出出力玩具。
【請求項3】
前記制御部は、前記発光部からの照射光を、前記玩具本体に装着された前記1以上の玩具別体の前記重畳された2色のそれぞれの色の補色で発光させて演出を制御することを特徴とする請求項2に記載の演出出力玩具。
【請求項4】
前記重畳された2色がそれぞれ形成された形成面には、それぞれ異なる形状の透明領域が形成され、
前記透明領域は前記発光部から照射される補色の照射光をその色を維持した状態で透過させ、形成面上の該透明領域とは異なる他の部分は補色関係にある照射光の色を吸収することを特徴とする請求項3に記載の演出出力玩具。
【請求項5】
前記1以上の玩具別体は、前記重畳された2色がそれぞれ形成された形成面を通過した前記発光部からの照射光に応じて、前記透明領域に形成された形状を表示する表示部を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の演出出力玩具。
【請求項6】
前記表示部は、前記重畳された2色がそれぞれ形成された形成面を通過した照射光が到達する位置に設けられた黒色の透明シートであることを特徴とする請求項5に記載の演出出力玩具。
【請求項7】
前記演出部材は、補色関係にある互いに異なる色の2色の塗料を用いて形成されたシート部材を含む請求項2に記載の演出出力玩具。
【請求項8】
前記シート部材は、1枚のシートを含み、
前記2色の塗料のうち第1色の塗料を用いて前記1枚のシートの一面が形成され、前記第1色とは異なる第2色の塗料を更に重ねて形成されるか、或いは、前記第1色の塗料を用いて前記1枚のシートの一面が形成され、前記第2色の塗料を用いて前記1枚のシートの前記一面の裏面となる他面が形成されることを特徴とする請求項7に記載の演出出力玩具。
【請求項9】
前記シート部材は、2枚のシートを含み、
前記2色の塗料のうち第1色を用いて前記2枚のシートのうちの第1シートが形成され、前記2色の塗料のうち前記第1色とは異なる第2色の塗料を用いて前記2枚のシートのうちの前記第1シートとは異なる第2シートが形成されることを特徴とする請求項7に記載の演出出力玩具。
【請求項10】
前記1以上の玩具別体は、固有の識別情報を示す識別部を更に備え、
前記玩具本体は、前記1以上の玩具別体が装着された際に前記識別部を読み取る検出部を更に備え、
前記制御部は、前記検出部によって読み取った識別情報に応じて、対応する玩具別体に設けられた前記演出部材の前記重畳された2色の色に合わせて、前記発光部からの照射光の色を所定のタイミングで切り替えて演出を制御することを特徴とする請求項2乃至9の何れか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項11】
前記玩具本体は、前記識別情報に応じたプログラムを記憶した記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記検出部によって読み取った識別情報に応じて、前記記憶部から対応するプログラムを読み出して実行することにより、前記発光部を用いた演出を制御することを特徴とする請求項10に記載の演出出力玩具。
【請求項12】
前記玩具本体には2つの玩具別体が装着可能であり、
前記制御部は、前記2つの玩具別体が装着された場合には、該2つの玩具別体の組み合わせに応じたプログラムを前記記憶部から読み出して実行することにより、前記発光部を用いた演出を制御することを特徴とする請求項11に記載の演出出力玩具。
【請求項13】
前記制御部は、前記1以上の玩具別体が前記玩具本体に装着されたタイミング、及び前記1以上の玩具別体又は前記玩具本体に設けられたスイッチが操作されたタイミングの何れかにおいて前記発光部を用いた演出を行うことを特徴とする請求項10に記載の演出出力玩具。
【請求項14】
前記玩具本体は、音を出力するスピーカを更に備え、
前記制御部は、前記発光部に加えて、前記スピーカを用いて演出を制御することを特徴とする請求項10に記載の演出出力玩具。
【請求項15】
前記演出出力玩具は、ベルトに装着されるバックルであることを特徴とする請求項10に記載の演出出力玩具。
【請求項16】
複数の色で発光可能な発光部と、該発光部を用いた演出を制御する制御部とを有する玩具本体に装着される玩具別体であって、
前記玩具本体に装着された状態で前記発光部からの照射光を透過する、補色関係にある互いに異なる色を用いて形成された演出部材を備えることを特徴とする玩具別体。
【請求項17】
前記演出部材は、少なくとも補色関係にある互いに異なる2色を重畳して保持する請求項16に記載の玩具別体。
【請求項18】
前記演出部材は、補色関係にある互いに異なる色の2色の塗料を用いて形成されたシート部材を含む請求項17に記載の玩具別体。
【請求項19】
前記シート部材は、1枚のシートを含み、
前記2色の塗料のうち第1色の塗料を用いて前記1枚のシートの一面が形成され、前記第1色とは異なる第2色の塗料を更に重ねて形成されるか、或いは、前記第1色の塗料を用いて前記1枚のシートの一面が形成され、前記第2色の塗料を用いて前記1枚のシートの前記一面の裏面となる他面が形成されることを特徴とする請求項18に記載の玩具別体。
【請求項20】
前記シート部材は、2枚のシートを含み、
前記2色の塗料のうち第1色を用いて前記2枚のシートのうちの第1シートが形成され、前記2色の塗料のうち前記第1色とは異なる第2色の塗料を用いて前記2枚のシートのうちの前記第1シートとは異なる第2シートが形成されることを特徴とする請求項18に記載の玩具別体。
【請求項21】
前記重畳された2色がそれぞれ形成された形成面には、それぞれ異なる形状の透明領域が形成され、
前記透明領域は前記発光部から照射される補色の照射光をその色を維持した状態で透過させ、形成面上の該透明領域とは異なる他の部分は補色関係にある照射光の色を吸収することを特徴とする請求項19又は20に記載の玩具別体。
【請求項22】
前記重畳された2色がそれぞれ形成された形成面を通過した前記発光部からの照射光に応じて、前記透明領域に形成された形状を表示する表示部を更に備えることを特徴とする請求項21に記載の玩具別体。
【請求項23】
前記表示部は、前記重畳された2色がそれぞれ形成された形成面を通過した照射光が到達する位置に設けられた黒色の透明シートであることを特徴とする請求項22に記載の玩具別体。
【請求項24】
前記重畳された2色に応じた固有の識別情報を示す識別部を更に備え、
前記識別部から読み取られた前記識別情報に応じて前記発光部からの色が切り替えられることを特徴とする請求項18に記載の玩具別体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出出力玩具及び玩具別体に関する。
【背景技術】
【0002】
光や音声等による多様な演出を行う各種の玩具が知られている。例えば特許文献1では、玩具本体に装着された着脱物品の種類に応じて、玩具本体から光や音声を出力する動作玩具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、光や音声を出力するだけであり、より新規な演出を行う仕組みが要望されている。
【0005】
本発明は、例えば、演出出力玩具において、演出を実現する新規な仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、演出出力玩具であって、複数の色で発光可能な発光部と、該発光部を用いた演出を制御する制御部とを有する玩具本体と、前記玩具本体に対して着脱可能な1以上の玩具別体と、を備え、前記1以上の玩具別体は、前記玩具本体に装着された状態で前記発光部からの照射光を透過する、補色関係にある互いに異なる色を用いて形成された演出部材を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、例えば、複数の色で発光可能な発光部と、該発光部を用いた演出を制御する制御部とを有する玩具本体に装着される玩具別体であって、前記玩具本体に装着された状態で前記発光部からの照射光を透過する、補色関係にある互いに異なる色を用いて形成された演出部材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、演出出力玩具において、演出を実現する新規な仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る演出出力玩具の(a)正面図、及び(b)平面図。
【
図2】一実施形態に係る演出部材の着脱の様子を示す図。
【
図3】一実施形態に係る演出出力玩具の(a)玩具本体の正面図、及び(b)制御ブロック図。
【
図4】一実施形態に係る演出出力玩具の操作手順の一例を示す図。
【
図6A】一実施形態に係る補色ギミックの構成例を示す図。
【
図6B】一実施形態に係る補色ギミックの構成例を示す図。
【
図7】一実施形態に係る記憶部に記憶された対応情報及びプログラムで実現する演出パターンを示す図。
【
図8】一実施形態に係る制御部の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<演出出力玩具の外観>
まず
図1を参照して、本実施形態に係る演出出力玩具100の外観構成の一例について説明する。
図1(a)は演出出力玩具100の外観正面を示し、
図1(b)は演出出力玩具100の外観平面を示す。なお、上下、左右、前後の矢印については図における演出出力玩具の向きを示し、他の図面についても同様である。
【0012】
演出出力玩具100は、玩具本体101、及び玩具別体102、103を備える。本実施形態に係る演出出力玩具100は、ベルトに装着されるバックルとして説明する。しかし本発明を限定する意図はなく、本発明は任意の玩具に適用することができる。玩具本体101は、基部111と本体部112とから構成され、本体部112に対して玩具別体102、103が装着される。また、本体部112は、基部111に回転可能に構成されており、本体部112に装着された玩具別体102、103を含めて基部111に対して回転することができる。
【0013】
玩具別体102、103は玩具本体101に対して個別に着脱可能であり演出出力玩具のオプション装置として多くのバリエーションが設けられてもよい。演出出力玩具100は、玩具本体101に装着される玩具別体102、103に応じて、光、音、表示、振動などを用いて様々な演出を出力する。
【0014】
詳細については後述するが、玩具本体101には、複数の色で発光可能な発光部や、演出を制御するための制御部が設けられ、装着された玩具別体に応じて多様な演出を出力する。一方、本実施形態によれば、玩具別体102、103は、多様な演出を可能とするための簡易的な構造の演出部材を備えるものの、玩具本体101のように発光部や制御部を備えるものではなく、比較的安価に製造することができる。したがって、多様な演出パターンを実現すべく、玩具別体について多くのバリエーションを容易に提供することができる。なお、玩具別体102、103に発光部や発音部、制御部等を設けてもよい。
【0015】
<演出出力玩具の詳細構成>
次に
図2を参照して、本実施形態に係る演出出力玩具100の詳細構成について説明する。
図2は、装着前の玩具本体101、玩具別体102、103を示す。
【0016】
玩具本体101は、演出部211、装着部212a、212b、及び検出部213a、213bを備える。演出部211は、演出に関わるデバイス、特に発光部やセンサ、スイッチが設けられる。演出部211の詳細については
図3を用いて後述する。装着部212a、212bには、それぞれ玩具別体102、103が装着可能である。なお、各装着部212a、212bには、何れの玩具別体102、103が装着されてもよい。また、装着部212a、212bに対して同タイプの2つの玩具別体、例えば2つの玩具別体102が装着されてもよい。検出部213a、213bは、それぞれ装着部212a、212bに装着された玩具別体の個別に認識する。例えば、検出部213a、213bは、後述する玩具別体に設けられた識別部225、235を読み取るセンサである。センサとしては、識別部の形態に合わせて任意の方式のセンサを用いることができる。例えば、赤外線センサ、レーザセンサ、カメラセンサ、接触式センサ、超音波センサ、電波センサなど種々のセンサを利用することができる。
【0017】
玩具別体102は、グリップ221、回転部材222、演出部材223、スイッチ224、及び識別部225を備える。グリップ221は、玩具本体101の基部111に対して回転動作を行う際に操作者によって把持される。グリップ221にはスイッチ224が設けられており、操作者によって押下されると演出出力を発動することができる。回転部材222は、回転可能に取り付けられており、玩具本体101に装着された状態で回転操作が行われると、玩具本体101に設けられた後述するスイッチ214aを操作することができる。本実施形態では、演出部材223は半円形状で形成されており、内部に少なくとも補色関係にある互いに異なる色の2色の形成層を重畳して保持している。なお、本実施形態において「重畳する」とは、2色の形成層が密着して配置されることに限定するものではなく、2色の形成層の間に他の色の形成層が挟み込まれる形態も含みうるものである。また、2色の形成層を重畳する際、互いに異なる色の2色でそれぞれ形成された2つのシート(2枚のシート)を重畳するものでもよいし、1つのシート(1枚のシート)に2色の形成層を重畳して形成するものでもよい。当該演出部材は光を透過可能な部材で構成されており、玩具本体101に設けられた後述する発光部215b、215cからの照射光を透過することができる。その際、内部に設けられたシートによって照射光の色を変化(吸収)させることにより、多様な演出を実現する。識別部225は、玩具別体102を識別するための識別情報が形成される。上述したように、識別部225は検出部213a、213bの方式に合わせて任意の形態で形成されるものであり、例えば、識別情報を表す数値、文字列、バーコード等や、物理的な凹凸の構成、ICタグ、赤外線送信部等として形成されてもよい。
【0018】
玩具別体103は、グリップ231、演出部材233、及び識別部235を備える。グリップ231は、グリップ221と同様に操作者によって把持される部材であり、さらにグリップ231自体が回転可能に形成される。グリップ231自体を回転することにより、演出出力を発動することができる。演出部材233は、演出部材223と同様の構成であり、玩具別体102、103が玩具本体101に装着されることにより、演出部材223と当接して円形形状の演出部を構成する。識別部235は識別部225と同様の構成である。
【0019】
<玩具本体の詳細構成>
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る玩具本体101の詳細構成について説明する。
図3(a)は玩具本体101の外観平面を示す。
図3(b)は玩具本体101の制御構成のブロック図を示す。
【0020】
図3(a)に示すように、玩具本体101は、演出出力に関わる構成として、上述した検出部213a、213bに加えて、検出部216、217、スイッチ214a、214b、及び発光部215a~215eを更に備える。検出部216、217、及び発光部215a~215eは演出部211の内側に設けられる。検出部216は、玩具本体101の本体部112が基部111に対して回転したことを検出する。検出部216は、例えば押下式のセンサであり、本体部112が基部111に対して180度回転するごとに当該検出部216が押下され、検出信号を後述する制御部301へ出力する。検出部217は、演出部211の中央に円形形状の演出部材(不図示)が嵌め込まれると、その識別情報を検出する。検出部217は、検出部213a、213bと同様の構成であってもよい。また、演出出力玩具100は、円形形状の演出部材が嵌め込まれると、検出した識別情報に応じた演出出力を発動するようにしてもよい。
【0021】
スイッチ214aは、玩具別体102の回転部材222の時計回り又は反時計回りの回転によって押下されるスイッチである。一方、スイッチ214bは、玩具別体103のグリップ231が回転されることにより押下されるスイッチである。
【0022】
発光部215a~215eは、複数の色で発光可能であり、例えば、フルカラーLED(light emitting diode)を採用してもよい。発光部215a~215eは個別に制御されるものであってもよいし、統一して制御されるものであってもよい。なお、個別に制御される場合には、発光のタイミングや色を個別に制御することができるため、より多様な演出を実現することができる。発光部215aは、演出部211の中央に位置する円形形状の内部に配置される。円形形状の演出部材が嵌め込まれると後述する制御部によって制御されて発光される。発光部215b、215cは、玩具別体102が玩具本体101に装着された状態で、玩具別体102の演出部材223の下部に配置されており、発光することにより演出部材223に設けられたシートを通過して演出出力を行うことができる。発光部215d、215eは、玩具別体103が玩具本体101に装着された状態で、玩具別体103の演出部材233の下部に配置されており、発光することにより演出部材233に設けられたシートを通過して演出出力を行うことができる。
【0023】
図3(b)に示すように、玩具本体101は、制御構成として、制御部301、記憶部302、電源部303、センサ群304、LED群305、スイッチ群306、及びスピーカ307を備える。センサ群304は、検出部213a、213b、216、217に相当する。LED群305は、発光部215a~215eに相当する。
【0024】
制御部301は、マイクロプロセッサなどにより構成され、記憶部302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、演出出力玩具100の演出出力を制御する。記憶部302は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などの各種メモリを含み、制御部301が実行するプログラム、スピーカ307から出力する音データなどの各種データ、及び、玩具別体の識別情報と実行するプログラムの情報とを紐づけた対応情報等を記憶している。当該プログラムや対応情報についての詳細は後述する。電源部303は玩具本体101に電源を供給し、電源としては携帯性を維持するために電池によって実現されることが望ましいが、本発明を限定するものではなく、任意の方式の電源を適用することができる。当該電池については充電式のものであってもよい。
【0025】
センサ群304は、それぞれのセンサ(検出部)による検出に応じて制御部301に対して検出信号を出力する。LED群305は、制御部301の指示に従って、所定の色及び所定のタイミングで光を照射する。スイッチ群306はそれぞれのスイッチが押下されたタイミングで、その旨を示す信号を制御部301へ出力する。スピーカ307は、制御部301によって制御され、記憶部302に記憶された音データに従って音を出力する。
【0026】
<演出出力玩具100の操作手順>
次に
図4を参照して、本実施形態に係る演出出力玩具の操作手順を説明する。なお、ここで説明する操作は一例であり、本発明を限定するものではなく、本発明における演出出力玩具100は種々の操作を行うことができる。
【0027】
図4(a)に示すように、玩具本体101に対して玩具別体102が矢印方向に装着される。装着されると、検出部213aによって検出信号及び識別情報が制御部301に伝達される。制御部301は、受信した識別情報に応じて記憶部302から対応するプログラムを読み出して実行することにより、装着時の演出出力を発動させる。
【0028】
図4(a)の操作が行われると、
図4(b)に示すように、玩具本体101に玩具別体102が装着された状態となる。この状態では回転部材222を点線矢印401に示すように回転させたり、スイッチ224を操作することができる。当該操作に応じて各スイッチ224、214aから操作信号が制御部301に伝達され、当該操作に対応する演出出力が発動される。なお、
図4(b)の状態では、1つの玩具別体102が玩具本体101に装着されただけとなる。この場合において、発光部215d、215eの位置には玩具別体が装着されていないため、制御部301は、発光部215a~215cを発光させ、発光部215d、215eについては発光させないように制御してもよい。或いは、制御部301は、1つの玩具別体が装着された状態であっても、全ての発光部215a~215eを発光させるように制御してもよい。
【0029】
続いて、
図4(b)に示すように、玩具本体101に対して玩具別体103が矢印方向に装着される。制御部301は、受信した識別情報に応じて記憶部302から対応するプログラムを読み出して実行することにより、装着時の演出出力を発動させる。ここでは、既に玩具別体102が既に装着されているため、発光部215a~215eの全てを発光するようにしてもよい。
【0030】
図4(b)の操作が行われると、
図4(c)に示すように、玩具本体101に2つの玩具別体102、103が装着された状態となる。ここで、玩具別体103のグリップ231を点線矢印402に示すように回転させることができる。当該操作に応じてスイッチ214bから操作信号が制御部301に伝達され、当該操作に対応する演出出力が発動される。
【0031】
このように、本実施形態に係る演出出力玩具100は種々のスイッチやセンサなどからの出力信号をトリガとして多様な演出出力を発動させることができる。ここでは演出出力を発動させるトリガについて説明したが、以下では発光部215a~215eを用いた演出出力の詳細について説明する。
【0032】
<色相環>
次に
図5を参照して、色相環における補色関係について説明する。
図5は色相環の一例を示す。
図5では20色の色相環の例を示す。
図5では異なる網掛け表示でカラーのバリエーションを表している。
【0033】
図5では色相環の一例としてマンセル表色系の色相環を示している。マンセル表色系は、基本5色相(赤R・黄Y・緑G・青B・紫P)の中間色相(黄赤YR・黄緑GY・青緑BG・青紫PB・赤紫RP)を加えた20色相からなる。色相環では、正反対に位置する2つの色は補色関係にある。本実施形態において補色とは、正反対の色に隣接する色も含むものとする。例えば、赤と緑は補色の関係にある。位置例えば、点線501に示す赤(5R)及び青緑(5BG)や、点線502に示す黄赤(10YR)及び青(10B)は、それぞれ補色関係にある。補色関係にある色同士が混ざると限りなく黒に近い灰色(無彩色)となる。本実施形態に係る演出出力玩具100は、このような補色関係にある2色の組み合わせを用いて、多様な演出パターンを実現する。
【0034】
<補色ギミックの詳細構成>
次に
図6A及び
図6Bを参照して、本実施形態に係る演出部材である補色ギミックを備えた部材の詳細構成について説明する。
図6Aは補色関係にある2色それぞれのシートを説明のための構成である。
図6Bは補色関係にある2色それぞれのシートを一体化させた構成であり、本実施形態に係るシート部材の構成を示す。なお、本実施形態では補色関係にある2色の塗料のそれぞれを用いて形成(透明シート上に印刷)された2枚のシートを重畳して形成する構成について説明するが、本発明を限定する意図はない。例えば、1枚のシートの一面と当該一面の裏面となる他面とに対して、2色の塗料のそれぞれを用いて形成した形態でもよい。或いは、1枚のシートの一面にそれぞれの塗料を重ねて印刷(塗布)して実現してもよい。したがって、1枚のシートを用いる場合には、以下で説明する各シートに対応する複数の層が形成されることとなる。
【0035】
図6A(a)は補色関係にある2色のうち、第1色の演出構成を示す。215は、発光部215b~215eの何れかを示す。上述したように、発光部215は例えばフルカラーLEDであり、複数の色で発光可能である。発光部215の上部には、複数の透明シート(光を透過可能なシート)が配置されている。シート601は黒色の透明シートである。シート602は上記第1色と補色関係にある第2色の塗料を用いて形成されたシートである。また、シート602の第2色の塗料の形成面には任意の形状で白抜きされた透明領域604が形成されている。本実施形態において、白抜きされた透明領域とは無色透明の領域を示す。シート603は発光部215から照射光を拡散するためのシートである。各シート601~603は、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂等を材料とした透明のシートである。また、シート602は、補色関係にある2色のそれぞれの色の塗料を用いて形成(印刷)されている。
図6A(a)においては、無色透明のPCシート上に、第2色の塗料を印刷したものを利用している。塗料については、シートにおける光の透過率を著しく低減させない塗料であれば、任意の種類の塗料が用いられてよい。なお、ここではシート603について光を拡散させるシートを用いた例を説明するが、特に光を拡散する必要はなく、例えば透明なPETシートを用いてもよい。また、本実施形態では、塗料を用いて形成されたシートを一例に説明しているが、これに限られることはなく、例えば、光を透過可能な黒色または第2色の樹脂材料で作成されたシートを用いてもよい。
【0036】
これらの複数のシート(或いは、複数の層)601、602、603は上からこの順序で重畳して配置されている。なお、ここでは複数のシートを用いて構成する例を説明しているが、1枚の無色透明のシートに対して第2色、黒色の順で塗料を塗布して形成してもよい。発光部215は、これらのシート601~603の下部から上記第1色で発光する。発光部215からの第1色の照射光は、まずシート603で拡散され、続いて補色関係にある第2色のシート602を通過する。第2色のシート602では、第1色である照射光が補色関係にある第2色のシートを通過すると灰色(無彩色)の光に変化する。ここで、灰色(無彩色)の光に変化するとは、本実施形態では、第1色の照射光が第2色のシートを照射した際に、補色関係にある第1色が吸収され、無彩色に見える現象を表現するものである。したがって、当該領域にける照射光は、人間の目には黒に近い灰色として認識される。言い換えれば、有彩色の色が認識されない領域となる。一方、第1色の照射光は、第2色のシートの白抜きの透明領域604については第1色を維持した状態で通過する。したがって、シート602を通過した照射光は、第1色の光で上記任意の形状を形成する。その後、それらの照射光は、黒色のシート601へ到達する。黒色のシート601では、補色関係の影響で灰色(無彩色)に変化した部分は明瞭に視認することができず、補色関係の影響を受けることなくシート602の白抜きされた透明領域604を通過した第1色の光が投影される。したがって、黒色のシート601では第1色の光が投影され、任意の形状606が形成される。即ち、シート601は、演出が出力される表示部の一例である。
【0037】
また、
図6A(b)は上記第1色と補色関係にある第2色の演出構成を示す。ここでは、
図6A(a)と異なる部分についてのみ説明する。
図6A(b)では、発光部215は、補色関係にある2色のうち第1色とは異なる第2色で発光する。また、第2色のシート602に代えて、第1色のシート611がシート601、603の間に配置されている。シート611は第1色で形成され、その形成面の一部が任意の形状で白抜きされた透明領域612が形成されている。なお、本実施形態では、塗料を用いて形成されたシートを一例に説明しているが、これに限られることはなく、例えば、光を透過可能な黒色または第1色の樹脂材料で作成されたシートを用いてもよい。
【0038】
これらの複数のシート(或いは、複数の層)601、611、603は上からこの順序で重畳して配置されている。発光部215は、これらのシート601、611、603の下部から上記第2色で発光する。発光部215からの第2色の照射光は、まずシート603で拡散され、続いて補色関係にある第1色のシート611を通過する。第1色のシート611では、第2色である照射光が補色関係にある第1色のシートを通過すると灰色(無彩色)の光に変化する。一方、第2色の照射光は、第1色のシート611の白抜きされた透明領域612については第2色を維持した状態で通過する。したがって、シート611を通過した照射光は、第2色の光で上記任意の形状を形成する。その後、それらの照射光は、黒色のシート601へ到達する。黒色のシート601では、補色関係の影響で灰色(無彩色)に変化した部分は明瞭に視認することができず、補色関係の影響を受けることなくシート611の白抜きされた透明領域612を通過した第2色の光が投影される。したがって、黒色のシート601では第2色の光が投影され、任意の形状614が形成される。
【0039】
続いて、
図6Bを用いて本実施形態に係る演出構成(補色ギミック)について説明する。発光部215は、玩具別体102、103が玩具本体101に装着された状態でそれぞれ演出部材223、233が上部に位置する。従って、発光部215から照射された光は、演出部材223、233を照射することになる。
【0040】
演出部材223、233は、複数のシート(或いは、複数の層)を含んで構成される。例えば、それぞれの演出部材223、233は、上述したシート601~603、611が上からこの順序で重畳して配置されている。なお、シート603については最下層に配置してもよいが、シート602とシート611との緩衝領域としてそれらのシートの間に配置することが望ましい。なお上述したように、ここでは複数のシートを用いた構成で説明するが、1枚の無色透明のシートに複数の異なる色の塗料を印刷して、1枚のシートに対して複数の層を形成した形態であってもよい。1枚のシートに対して複数の層を形成する場合には、無色透明のシートの一面に各色の塗料を重ねて印刷して形成してもよいし、一面と当該一面の裏面となる他面にそれぞれ異なる色の塗料を用いて形成してもよい。例えば、無色透明のシート上に第1色、第2色、黒色の塗料を積層して形成したり、無色透明のシートの一面に第2色、黒色の塗料を積層し、他面に第1色の塗料を用いて形成することができる。なお、第1色、第2色の層の配置の順序は特に限定されるものではない。また黒色の層は必須ではないが、第1色、第2色の層を目隠しすることができるので設けることが好ましいい。その場合、黒色の層は、第1色、第2色の層よりも上面に設けることが好ましい。なお、補色ギミックを1枚のシートで実現する場合には、シート603に対応する緩衝領域として無色透明の塗料で印刷した層を形成することにより実現することができる。補色ギミックを1枚のシートで実現することにより、省スペース化あるいは省コスト化を実現することができる。
【0041】
上記演出部材223、233において、発光部215を第1色で発光させた場合は
図6A(a)と同様に、黒色のシート601に第1色の光が投影され、任意の形状606が形成される。一方、発光部215を第2色で発光させた場合は
図6A(b)と同様に、黒色のシート601に第2色の光が投影され、任意の形状614が形成される。このように、本実施形態によれば、2色の異なる形状の演出出力を、複数の透明のシート(或いは、複数の層)を重畳した簡易的な構成において、発光部215による照射光の色を切り替えることにより実現している。なお、任意の形状606、614として、キャラクター、電車、車両、恐竜、動物、記号、数字等の絵柄や模様等を表示することにより、玩具の興趣性を高めることができる。また、任意の形状606、614を玩具別体102、103の種類や形状とそれぞれ関連付けた表示とすることで、より玩具の興趣性を高めることができる。また、上記実施形態では、補色関係にある2色を用いる例を説明したがこれに限られることはなく、3色以上の色を用いて補色ギミックを実現しても良い。
【0042】
<記憶部>
次に
図7を参照して、本実施形態に係る記憶部に記憶された対応情報及びプログラムにより実現する演出パターンについて説明する。
【0043】
図7に示すテーブル700は、記憶部302に記憶される情報であり、玩具別体の識別情報と実行するプログラムの情報とを紐づけた対応情報を示す。701は玩具別体ごとに固有に割り当てられたオプションIDを示す。当該オブションIDは、例えば玩具別体102が玩具本体101に装着された場合に識別部225を読み取ることにより取得することができる識別情報である。
【0044】
702は、オプションIDに対応する、記憶部302に記憶されたプログラムを識別するプログラムIDを示す。例えば、オプションID「A0001」が割り当てられた玩具別体が玩具本体101に単独で装着された場合に制御部301が記憶部302から読み出して実行するプログラムID「0001」が定義されている。当該プログラムは演出出力を制御するためのプログラムである。
【0045】
703~704には、オプションID「A0001」の玩具別体が玩具本体101に装着されている状態で、組み合わせて装着される玩具別体のタイプごとに対応するプログラムIDが定義されている。即ち、2つの玩具別体が玩具本体101に装着された場合のそれらの組み合わせごとに対応して実行されるプログラムを識別するプログラムIDが定義されている。玩具別体のタイプとは、例えば玩具別体102はタイプAであり、玩具別体103はタイプBとなる。なお、本実施形態ではタイプA及びタイプBのみ説明するが、
図7にも示すようにさらに多くのタイプを適用することができる。
【0046】
テーブル710は、記憶部302に記憶される1つのプログラムによって実現される演出パターンのイメージを示す。ここでは、プログラムID「0001」で実現される各トリガ発生時の演出パターンを示す。711は、演出出力時の制御対象を示す。制御対象には、演出出力に用いられるデバイス、例えば、LEDやスピーカなどが含まれる。振動を出力するバイブレータなど、他のデバイスが含まれてもよい。
【0047】
712~716は、各トリガ発生時に演出パターンの識別番号を示す。例えば、1つのプログラムには、テーブル710に定義されているような各種の演出パターンに対応する実行プログラムが含まれる。制御部301は、各トリガ発生時にプログラムに含まれる対応する演出パターンを実行する。各トリガとしては、装着時712、各種の回転発生時、スイッチ操作時などがある。例えば、713の回転1は、本体部112が基部111に対して180度回転するごとに発生するトリガを示す。714は回転部材222を回転させることによりスイッチ214aが操作された場合に発生するトリガを示す。715はグリップ231を回転させることによりスイッチ214bが操作された場合に発生するトリガを示す。716は、スイッチ224が操作された場合に発生するトリガを示す。
【0048】
当該プログラムは、各演出パターンごとの動作プログラムを含み、これら複数の動作プログラムのそれぞれにおいて異なる演出出力がプログラムされている。即ち、本実施形態によれば、玩具本体101に装着される玩具別体のタイプに加えて、各トリガ発生時に出力する演出を異ならせることにより、多様の演出出力を容易に実現することができる。
【0049】
<制御部の処理手順>
次に
図8を参照して、本実施形態に係る玩具本体101の制御部による処理手順を説明する。以下で説明する処理は、例えば制御部301が記憶部302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。各処理のステップ番号については”S”に続く番号で示す。
【0050】
S101で制御部301は、玩具別体102、103が装着されたタイミングで検出部213a、213bによって識別部225、235から識別情報であるオプションIDを取得する。なお、本処理は、玩具別体が装着されるごとに行われる。続いて、S102で制御部301は、S101で取得したオプションIDに対応するプログラムを記憶部302から読み出す。さらに、玩具別体の装着時においては、テーブル710の712に示すように装着時のトリガが発生したとして、読み出したプログラムの中で該当する番号の演出パターンを選択する。その後、S103で制御部301は、選択した演出パターンのプログラムを実行する。これにより、トリガ(玩具別体の装着など)に応じた演出出力が発動する。
【0051】
次に、S104で制御部301は、新たなイベントが発生したかどうかを判断する。新たなイベントとは、テーブル710に示すように、回転検出や、スイッチの操作などである。新たなイベントが発生すると、制御部301は処理をS102に戻し、該当するイベントに対応する演出パターンを選択する。その後の処理は上述した通りであるため説明を省略する。
【0052】
一方、イベントが発生していない場合は、当該玩具別体が玩具本体101から取り外されたか、或いは、取り外されていなくとも最後の操作から所定時間が経過したかどうかを判断する。取り外しや所定時間経過でなければ、処理をS104に戻す。また、取り外し又は所定時間経過であれば、本フローチャートの処理を終了する。
【0053】
以上説明したように、本実施形態に係る演出出力玩具は、複数の色で発光可能な発光部と、当該発光部を用いた演出を制御する制御部とを有する玩具本体と、玩具本体に対して着脱可能な1以上の玩具別体とを備える。1以上の玩具別体は、玩具本体に装着された状態で発光部からの照射光を透過する、補色関係にある互いに異なる色を用いて形成された演出部材を備える。上記構成を有することにより、本実施形態によれば、演出出力玩具において、より簡易的な構成で多様な演出を実現することができる。また、発光部を有する玩具本体に対して玩具別体が着脱可能であるので、補色ギミック部分を容易に交換可能である。
【0054】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の演出出力玩具及び玩具別体を少なくとも開示する。
【0055】
(1)演出出力玩具であって、
複数の色で発光可能な発光部と、該発光部を用いた演出を制御する制御部とを有する玩具本体と、
前記玩具本体に対して着脱可能な1以上の玩具別体と、を備え、
前記1以上の玩具別体は、
前記玩具本体に装着された状態で前記発光部からの照射光を透過する、補色関係にある互いに異なる色を用いて形成された演出部材を備えることを特徴とする演出出力玩具。
【0056】
(2)前記演出部材は、少なくとも補色関係にある互いに異なる2色を重畳して保持する(1に記載の演出出力玩具。
【0057】
(3)前記制御部は、前記発光部からの照射光を、前記玩具本体に装着された前記1以上の玩具別体の前記重畳された2色のそれぞれの色の補色で発光させて演出を制御することを特徴とする(2)に記載の演出出力玩具。
【0058】
(4)前記重畳された2色がそれぞれ形成された形成面には、それぞれ異なる形状の透明領域が形成され、
前記透明領域は前記発光部から照射される補色の照射光をその色を維持した状態で透過させ、形成面上の該透明領域とは異なる他の部分は補色関係にある照射光の色を吸収することを特徴とする(3)に記載の演出出力玩具。
【0059】
(5)前記1以上の玩具別体は、前記重畳された2色がそれぞれ形成された形成面を通過した前記発光部からの照射光に応じて、前記透明領域に形成された形状を表示する表示部を更に備えることを特徴とする(4)に記載の演出出力玩具。
【0060】
(6)前記表示部は、前記重畳された2色がそれぞれ形成された形成面を通過した照射光が到達する位置に設けられた黒色の透明シートであることを特徴とする(5)に記載の演出出力玩具。
【0061】
(7)前記演出部材は、補色関係にある互いに異なる色の2色の塗料を用いて形成されたシート部材を含む(2)乃至(6)の何れか1つに記載の演出出力玩具。
【0062】
(8)前記シート部材は、1枚のシートを含み、
前記2色の塗料のうち第1色の塗料を用いて前記1枚のシートの一面が形成され、前記第1色とは異なる第2色の塗料を更に重ねて形成されるか、或いは、前記第1色の塗料を用いて前記1枚のシートの一面が形成され、前記第2色の塗料を用いて前記1枚のシートの前記一面の裏面となる他面が形成されることを特徴とする(7)に記載の演出出力玩具。
【0063】
(9)前記シート部材は、2枚のシートを含み、
前記2色の塗料のうち第1色を用いて前記2枚のシートのうちの第1シートが形成され、前記2色の塗料のうち前記第1色とは異なる第2色の塗料を用いて前記2枚のシートのうちの前記第1シートとは異なる第2シートが形成されることを特徴とする(7)に記載の演出出力玩具。
【0064】
(10)前記1以上の玩具別体は、固有の識別情報を示す識別部を更に備え、
前記玩具本体は、前記1以上の玩具別体が装着された際に前記識別部を読み取る検出部を更に備え、
前記制御部は、前記検出部によって読み取った識別情報に応じて、対応する玩具別体に設けられた前記演出部材の前記重畳された2色の色に合わせて、前記発光部からの照射光の色を所定のタイミングで切り替えて演出を制御することを特徴とする(2)乃至(9)の何れか1つに記載の演出出力玩具。
【0065】
(11)前記玩具本体は、前記識別情報に応じたプログラムを記憶した記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記検出部によって読み取った識別情報に応じて、前記記憶部から対応するプログラムを読み出して実行することにより、前記発光部を用いた演出を制御することを特徴とする(10に記載の演出出力玩具。
【0066】
(12)前記玩具本体には2つの玩具別体が装着可能であり、
前記制御部は、前記2つの玩具別体が装着された場合には、該2つの玩具別体の組み合わせに応じたプログラムを前記記憶部から読み出して実行することにより、前記発光部を用いた演出を制御することを特徴とする(11)に記載の演出出力玩具。
【0067】
(13)前記制御部は、前記1以上の玩具別体が前記玩具本体に装着されたタイミング、及び前記1以上の玩具別体又は前記玩具本体に設けられたスイッチが操作されたタイミングの何れかにおいて前記発光部を用いた演出を行うことを特徴とする(1)乃至(12)の何れか1つに記載の演出出力玩具。
【0068】
(14)前記玩具本体は、音を出力するスピーカを更に備え、
前記制御部は、前記発光部に加えて、前記スピーカを用いて演出を制御することを特徴とする(1)乃至(13)の何れか1つに記載の演出出力玩具。
【0069】
(15)前記演出出力玩具は、ベルトに装着されるバックルであることを特徴とする(1)乃至(14)の何れか1つに記載の演出出力玩具。
【0070】
(16)複数の色で発光可能な発光部と、該発光部を用いた演出を制御する制御部とを有する玩具本体に装着される玩具別体であって、
前記玩具本体に装着された状態で前記発光部からの照射光を透過する、補色関係にある互いに異なる色を用いて形成された演出部材を備えることを特徴とする玩具別体。
【0071】
(17)前記演出部材は、少なくとも補色関係にある互いに異なる2色を重畳して保持する(16)に記載の玩具別体。
【0072】
(18)前記演出部材は、補色関係にある互いに異なる色の2色の塗料を用いて形成されたシート部材を含む(17)に記載の玩具別体。
【0073】
(19)前記シート部材は、1枚のシートを含み、
前記2色の塗料のうち第1色の塗料を用いて前記1枚のシートの一面が形成され、前記第1色とは異なる第2色の塗料を更に重ねて形成されるか、或いは、前記第1色の塗料を用いて前記1枚のシートの一面が形成され、前記第2色の塗料を用いて前記1枚のシートの前記一面の裏面となる他面が形成されることを特徴とする(18)に記載の玩具別体。
【0074】
(20)前記シート部材は、2枚のシートを含み、
前記2色の塗料のうち第1色を用いて前記2枚のシートのうちの第1シートが形成され、前記2色の塗料のうち前記第1色とは異なる第2色の塗料を用いて前記2枚のシートのうちの前記第1シートとは異なる第2シートが形成されることを特徴とする(18)に記載の玩具別体。
【0075】
(21)前記重畳された2色がそれぞれ形成された形成面には、それぞれ異なる形状の透明領域が形成され、
前記透明領域は前記発光部から照射される補色の照射光をその色を維持した状態で透過させ、形成面上の該透明領域とは異なる他の部分は補色関係にある照射光の色を吸収することを特徴とする(19)又は(20)に記載の玩具別体。
【0076】
(22)前記重畳された2色がそれぞれ形成された形成面を通過した前記発光部からの照射光に応じて、前記透明領域に形成された形状を表示する表示部を更に備えることを特徴とする(21)に記載の玩具別体。
【0077】
(23)前記表示部は、前記重畳された2色がそれぞれ形成された形成面を通過した照射光が到達する位置に設けられた黒色の透明シートであることを特徴とする(22)に記載の玩具別体。
【0078】
(24)前記重畳された2色に応じた固有の識別情報を示す識別部を更に備え、
前記識別部から読み取られた前記識別情報に応じて前記発光部からの色が切り替えられることを特徴とする(18)乃至(23)の何れか1つに記載の玩具別体。
【符号の説明】
【0079】
100:演出出力玩具、101:玩具本体、102、103:玩具別体、211:演出部、212a、212b:装着部、213a、213b、216、217:検出部、214a、214b:スイッチ、215a~215e:発光部、221、231:グリップ、222:回転部材、223、233:演出部材、224:スイッチ、225、235:識別部