IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

特開2023-183232電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム
<>
  • 特開-電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム 図1
  • 特開-電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム 図2
  • 特開-電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム 図3
  • 特開-電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム 図4
  • 特開-電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム 図5
  • 特開-電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム 図6
  • 特開-電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム 図7
  • 特開-電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム 図8
  • 特開-電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム 図9
  • 特開-電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム 図10
  • 特開-電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183232
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/66 20230101AFI20231220BHJP
   H04N 23/52 20230101ALI20231220BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20231220BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20231220BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231220BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
H04N5/232 030
H04N5/225 430
H04N5/232 939
H04N5/232
H02J7/00 X
H01M10/48 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096749
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤橋 直人
【テーマコード(参考)】
5C122
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122EA03
5C122EA42
5C122FK32
5C122GE03
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA81
5C122HB01
5C122HB06
5C122HB09
5G503BA01
5G503BB01
5G503CB13
5G503DA02
5G503EA05
5H030AA08
5H030AS11
5H030FF41
(57)【要約】
【課題】電子機器に接続されているアクセサリ装置の動作状態を考慮して適切な動作可能時間を求める。
【解決手段】電子機器は、アクセサリ装置を通信可能に接続する接続手段と、電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、前記アクセサリ装置から受信した前記アクセサリ装置に関する第2の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求める制御手段と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセサリ装置を通信可能に接続する接続手段と、
電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、
前記アクセサリ装置から受信した前記アクセサリ装置に関する第2の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求める制御手段と、を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第2の情報は、前記アクセサリ装置の種別および固有の識別情報、前記アクセサリ装置の能力に関する情報、前記アクセサリ装置の経年劣化に関する情報、前記アクセサリ装置の内部の温度に関する情報、前記アクセサリ装置の電池の残量に関する情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、前記アクセサリ装置から受信した前記第2の情報に基づいて選択可能な前記第1の情報が前記記憶手段に記憶されていない場合、前記アクセサリ装置に前記電子機器に関する第3の情報を送信し、
前記アクセサリ装置により前記第3の情報に基づいて選択された前記第1の情報を前記アクセサリ装置から受信することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第3の情報は、前記電子機器の種別および固有の識別情報、前記電子機器の動作モードに関する情報、前記電子機器の内部の温度に関する情報、前記電子機器の電池の残量に関する情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記動作可能時間を通知する通知手段と、
前記電子機器の内部の温度情報を測定する温度測定手段と、をさらに有し、
前記制御手段は、前記温度情報が所定の閾値以上である場合に前記所定の動作を停止し、
前記動作可能時間は、前記温度情報が前記所定の温度に達するまでの時間であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記アクセサリ装置は、冷却装置であり、
前記所定の動作は、動画記録であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
アクセサリ装置を通信可能に接続する接続手段と、
前記アクセサリ装置に電子機器に関する第3の情報を送信したことに応じて、前記アクセサリ装置から受信した前記電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求める制御手段と、を有することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
前記第3の情報は、前記電子機器の種別および固有の識別情報、前記電子機器の動作モードに関する情報、前記電子機器の内部の温度に関する情報、前記電子機器の電池の残量に関する情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記動作可能時間を通知する通知手段と、
前記電子機器の内部の温度情報を測定する温度測定手段と、をさらに有し、
前記制御手段は、前記温度情報が所定の閾値以上である場合に前記所定の動作を停止し、
前記動作可能時間は、前記温度情報が前記所定の温度に達するまでの時間であることを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項10】
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記アクセサリ装置は、冷却装置であり、
前記所定の動作は、動画記録であることを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項11】
冷却手段と、
電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、
前記冷却手段の動作状態に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求める制御手段と、を有することを特徴とする電子機器。
【請求項12】
前記動作可能時間を通知する通知手段と、
前記電子機器の内部の温度情報を測定する温度測定手段と、をさらに有し、
前記制御手段は、前記温度情報が所定の閾値以上である場合に前記所定の動作を停止し、
前記動作可能時間は、前記温度情報が前記所定の温度に達するまでの時間であることを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記所定の動作は、動画記録であることを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
【請求項14】
電子機器に通信可能に接続する接続手段と、
前記電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、
前記電子機器から受信した当該電子機器に関する第3の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を前記電子機器に送信する制御手段と、を有することを特徴とするアクセサリ装置。
【請求項15】
前記第3の情報は、前記電子機器の種別および固有の識別情報、前記電子機器の動作モードに関する情報、前記電子機器の内部の温度に関する情報、前記電子機器の電池の残量に関する情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項14に記載のアクセサリ装置。
【請求項16】
前記制御手段は、前記アクセサリ装置に関する第2の情報を前記電子機器に送信した後、前記電子機器から受信した前記第3の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を前記電子機器に送信することを特徴とする請求項14に記載のアクセサリ装置。
【請求項17】
前記第2の情報は、前記アクセサリ装置の種別および固有の識別情報、前記アクセサリ装置の能力に関する情報、前記アクセサリ装置の経年劣化に関する情報、前記アクセサリ装置の内部の温度に関する情報、前記アクセサリ装置の電池の残量に関する情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項16に記載のアクセサリ装置。
【請求項18】
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記アクセサリ装置は、冷却装置であり、
前記所定の動作は、動画記録であることを特徴とする請求項14に記載のアクセサリ装置。
【請求項19】
アクセサリ装置を通信可能に接続する接続手段と、電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、を有する電子機器の制御方法であって、
前記アクセサリ装置から当該アクセサリ装置に関する第2の情報を受信するステップと、
前記第2の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求めるステップと、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項20】
前記アクセサリ装置から受信した前記第2の情報に基づいて選択可能な前記第1の情報が前記記憶手段に記憶されていない場合、前記アクセサリ装置に前記電子機器に関する第3の情報を送信するステップと、
前記アクセサリ装置により前記第3の情報に基づいて選択された前記第1の情報を前記アクセサリ装置から受信するステップと、をさらに有することを特徴とする請求項19に記載の制御方法。
【請求項21】
アクセサリ装置を通信可能に接続する接続手段を有する電子機器の制御方法であって、
前記アクセサリ装置に前記電子機器に関する第3の情報を送信するステップと、
前記アクセサリ装置により前記第3の情報に基づいて選択された前記電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を前記アクセサリ装置から受信するステップと、
前記アクセサリ装置から受信した前記第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求めるステップと、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項22】
冷却手段と、電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、を有する電子機器の制御方法であって、
前記冷却手段の動作状態に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求めるステップを有することを特徴とする制御方法。
【請求項23】
電子機器に通信可能に接続する接続手段と、前記電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、を有するアクセサリ装置の制御方法であって、
前記電子機器から当該電子機器に関する第3の情報を受信するステップと、
前記第3の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を前記電子機器に送信するステップと、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項24】
前記送信するステップでは、前記アクセサリ装置に関する第2の情報を前記電子機器に送信した後、前記電子機器から受信した前記第3の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を前記電子機器に送信することを特徴とする請求項23に記載の制御方法。
【請求項25】
コンピュータを、請求項1から13のいずれか1項に記載された電子機器の制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項26】
コンピュータを、請求項14から18のいずれか1項に記載されたアクセサリ装置の制御手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の動作可能時間を通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のデジタルカメラなどの電子機器において、電子機器の発熱状態に応じて動作可能時間を算出し、ユーザに通知する機能が知られている(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-165372号公報
【特許文献2】特開2007-322438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2では、電子機器に接続されているアクセサリ装置の動作状態が考慮されておらず、適切な動作可能時間を通知することができない可能性がある。例えば、デジタルカメラがアクセサリ装置により冷却されている状態で動画記録を行った場合、冷却されていない状態で動画記録を行う場合よりも動作可能時間が長くなる傾向がある。しかしながら、アクセサリ装置による冷却状態を考慮しないと、実際の動作可能時間と計算上の動作可能時間が相違し、ユーザに適切な動作可能時間を通知することができないことが想定される。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、電子機器に接続されているアクセサリ装置の動作状態を考慮して適切な電子機器の動作可能時間を求め、ユーザに通知することができる技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の電子機器は、アクセサリ装置を通信可能に接続する接続手段と、電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、前記アクセサリ装置から受信した前記アクセサリ装置に関する第2の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求める制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子機器に接続されているアクセサリ装置の動作状態を考慮して適切な動作可能時間を求め、ユーザに通知することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1の電子機器およびアクセサリ装置の構成を例示するブロック図。
図2】実施形態1の電子機器およびアクセサリ装置の制御処理を説明するフローチャート。
図3】実施形態1および実施形態3の温度上昇データテーブルを例示する図。
図4】実施形態1から実施形態4の電子機器の温度上昇データと温度上昇傾向を説明する図。
図5】実施形態2および実施形態3の電子機器およびアクセサリ装置の構成を例示するブロック図。
図6】実施形態2の電子機器およびアクセサリ装置の制御処理を説明するフローチャート。
図7】実施形態2および実施形態3の温度上昇データテーブルを例示する図。
図8】実施形態3の電子機器およびアクセサリ装置の制御処理を説明するフローチャート。
図9】実施形態4の電子機器の構成を例示するブロック図。
図10】実施形態4の電子機器の制御処理を説明するフローチャート。
図11】実施形態4の温度上昇データテーブルを例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下の実施形態では、本発明の電子機器がデジタルカメラなどの撮像装置であり、本発明のアクセサリ装置が撮像装置に対して着脱可能な冷却装置である場合について説明する。なお、本発明の電子機器はデジタルカメラに限定されるものではなく、携帯電話の一種であるスマートフォンやタブレットデバイスなどに適用可能である。また、本発明のアクセサリ装置は冷却装置に限定されるものではなく、バッテリ装置などに適用可能である。
【0011】
[実施形態1]
実施形態1は、電子機器がアクセサリ装置から受信したアクセサリ情報に基づいて、電子機器が保持する複数の温度上昇データの中から適切な温度上昇データを選択し、選択した温度上昇データを用いて電子機器の所定の動作時の動作可能時間を求める例である。
【0012】
<装置構成>図1を参照して、実施形態1の電子機器100およびアクセサリ装置200の構成および機能について説明する。
【0013】
図1は、実施形態1の電子機器100とアクセサリ装置200の構成を示すブロック図である。
【0014】
電子機器100は、システム制御部101、レンズ部102、レンズ制御部103、撮像部104、撮像信号処理部105、画像処理部106、記憶部107、操作部108、表示部109、温度測定部110、電源部111および接続部112を有する。
【0015】
システム制御部101は、電子機器100の各構成要素を統括して制御する。システム制御部101は、少なくとも1つのプロセッサまたは回路からなる演算処理装置、ROMなどの不揮発性メモリ、RAMなどの揮発性メモリなどを備える。システム制御部101は、ROMから読み出したプログラムを実行することにより電子機器100の各構成要素を制御する。なお、プログラムには、後述するフローチャートを実行するためのプログラムが含まれる。RAMは、システム制御部101の動作用の定数、変数、ROMから読み出したプログラムなどを展開するワークメモリとして使用される。
【0016】
レンズ部102は、ズームレンズやフォーカスレンズを含むレンズ群、絞り機能を備えるシャッターを含む。
【0017】
レンズ制御部103は、レンズ部102の各構成要素を駆動するモータやドライバなどの駆動機構を含む。レンズ制御部103は、システム制御部101の制御によりレンズ部102の各構成要素を制御する。
【0018】
撮像部104は、CMOSまたはCCDなどの光電変換素子から構成されるイメージセンサを備える。撮像部104は、レンズ部102により結像された被写体像光を、イメージセンサにより電気信号に変換し、撮像信号処理部105に出力する。
【0019】
撮像信号処理部105は、撮像部104から出力されるアナログ画像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を有する。撮像部104は、システム制御部101の制御により、レンズ部102により結像された被写体像光を、撮像素子により電気信号に変換する。撮像信号処理部105は、撮像部104により生成された電気信号に対して、ノイズ低減処理などを行って、デジタル画像信号を出力する。
【0020】
画像処理部106は、撮像信号処理部105から出力されるデジタル画像信号に対して補正処理、圧縮処理を実行して画像データを生成し、記憶部107に記憶する。システム制御部101は、画像処理部106により生成された画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づき、レンズ制御部103を制御することで、AF(オートフォーカス)処理やAE(自動露出)処理を行う。
【0021】
記憶部107は、画像処理部106により生成された画像データを記憶する。また、システム制御部101は、再生モードにおいて記憶部107に格納されている画像データを読み出す。記憶部107は、電子機器100に装着されるメモリカードやハードディスクドライブなどであってもよいし、電子機器100に内蔵されたフラッシュメモリやハードディスクドライブであってもよい。電子機器100は少なくとも記憶部107にアクセスする手段を有していればよい。
【0022】
また、記憶部107は、図3および図4で後述する電子機器100の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す情報(以下、温度上昇データ)を記憶している。温度情報データは、電子機器100の所定の動作時の処理負荷に応じた機器内部の温度変化の傾向を示す情報である、記憶部107には、電子機器100の複数の動作モードに応じた複数の温度上昇データが記憶されている。
【0023】
操作部108は、ユーザからの各種操作を受け付けるスイッチ、ボタン、タッチパネルなどの操作部材を含む。操作部108は、ユーザが操作した操作部材に対応する操作信号をシステム制御部101に出力する。システム制御部101は、操作信号に基づいて電子機器100の各構成要素に制御信号を出力して制御する。
【0024】
表示部109は、画像処理部106により生成された画像データの表示、記憶部107から読み出した画像データの表示、対話的な操作のためのGUIの表示などを行う。表示部109は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示デバイスである。表示部109は、電子機器100と一体化された構成であっても、電子機器100に接続された外部機器であってもよい。電子機器100は、表示部109と接続することができ、表示部109の表示を制御する機能を有していればよい。
【0025】
温度測定部110は、例えば、温度を測定するサーミスタまたはデジタル温度計を備え、電子機器100の内部の温度情報を取得する。
【0026】
電源部111は、電子機器100の各構成要素に電力を供給する。電源部111は、例えば、不図示の電池またはAC電源から供給される電圧を電子機器100の各構成要素が動作可能な電圧に変換する。
【0027】
接続部112は、アクセサリ装置200と機械的および電気的に接続するためのマウント部を有している。これにより、アクセサリ装置200をマウント部を介して電子機器100に着脱可能とすることができる。
【0028】
また、接続部112は、アクセサリ装置200などの外部機器と通信可能に接続するためのUSBなどのインターフェースを有している。電子機器100のシステム制御部101は、接続部112とアクセサリ装置200の接続部206とを介してアクセサリ装置200のアクセサリ制御部201と通信を行い、データの授受を行うことができる。例えば、システム制御部101は、アクセサリ装置200の制御データを、接続部112を介してアクセサリ装置200に送信したり、アクセサリ装置200が保持する温度上昇データを接続部112を介してアクセサリ装置200から受信したりすることができる。
【0029】
次に、実施形態1のアクセサリ装置200の構成および機能について説明する。
【0030】
アクセサリ装置200は、アクセサリ制御部201、冷却部202、冷却制御部203、操作部204、電源部205および接続部206を有する。
【0031】
アクセサリ制御部201は、アクセサリ装置200の各構成要素を統括して制御する。アクセサリ制御部201は、少なくとも1つのプロセッサまたは回路からなる演算処理装置、ROMなどの不揮発性メモリ、RAMなどの揮発性メモリなどを備える。アクセサリ制御部201は、ROMから読み出したプログラムを実行することによりアクセサリ装置200の各構成要素を制御する。なお、プログラムには、後述するフローチャートを実行するためのプログラムが含まれる。RAMは、アクセサリ制御部201の動作用の定数、変数、ROMから読み出したプログラムなどを展開するワークメモリとして使用される。
【0032】
冷却部202は、アクセサリ装置200が電子機器100に装着された状態で、電子機器100の内部の熱源デバイスの温度上昇を低減するように冷却する。冷却部202は、例えば、送風ファンまたはペルチェ素子を備える。熱源デバイスは、例えば、イメージセンサ、CPUやGPUなどのプロセッサ、バッテリ、電源モジュール、通信モジュール、表示モジュールである。
【0033】
冷却制御部203は、冷却部202の送風ファンまたはペルチェ素子を駆動するモータやドライバなどの駆動機構や駆動回路を含む。冷却制御部203は、アクセサリ制御部201の制御により、送風ファンまたはペルチェ素子に与える電流量を制御することにより、冷却部202の冷却能力を変更することができる。
【0034】
操作部204は、ユーザからの各種操作を受け付けるスイッチ、ボタン、タッチパネルなどの操作部材を含む。操作部204は、ユーザが操作した操作部材に対応する操作信号をアクセサリ制御部201に出力する。アクセサリ制御部201は、操作信号に基づいてアクセサリ装置200の各構成要素に制御信号を出力して制御する。
【0035】
電源部205は、アクセサリ装置200の各構成要素に電力を供給する。電源部205は、例えば、不図示の電池または電子機器100から供給される電圧をアクセサリ装置200の各構成要素が動作可能な電圧に変換する。
【0036】
接続部206は、電子機器100と機械的および電気的に接続するためのマウント部を有している。これにより、電子機器100をマウント部を介してアクセサリ装置200に着脱可能とすることができる。
【0037】
また、接続部206は、電子機器100などの外部機器と通信可能に接続するためのUSBなどのインターフェースを有している。アクセサリ装置200のアクセサリ制御部201は、接続部206と電子機器100の接続部112とを介して電子機器100のシステム制御部101と通信を行い、データの授受を行うことができる。例えば、アクセサリ制御部201は、アクセサリ装置200の制御データを、接続部206を介して電子機器100から受信したり、アクセサリ装置200が保持する温度上昇データを接続部206を介して電子機器100に送信したりすることができる。
【0038】
<制御処理>次に、図2を参照して、本実施形態の電子機器100の制御処理について説明する。
【0039】
図2(a)は、実施形態1の電子機器100の制御処理を示すフローチャートである。図2(b)は、実施形態1のアクセサリ装置200の制御処理を示すフローチャートである。
【0040】
なお、図2(a)の処理は、電子機器100のシステム制御部101がROMに格納されたプログラムを実行し、電子機器100の各構成要素を制御することにより実現される。また、図2(a)の処理は、電子機器100の電源がオンされると開始される。また、図2(b)の処理は、アクセサリ装置200のアクセサリ制御部201がROMに格納されたプログラムを実行し、アクセサリ装置200の各構成要素を制御することにより実現される。また、図2(b)の処理は、アクセサリ装置200が電子機器100に装着され、アクセサリ装置200のアクセサリ制御部201が電子機器100のシステム制御部101と通信可能に接続されると開始される。
【0041】
ステップS201では、システム制御部101は、操作部108に含まれるモード切替ボタンの設定または前回の電源オフ時の設定に基づいて電子機器100の動作モードを設定する。本実施形態では、電子機器100がデジタルカメラであり、電子機器100の動作モードが動画記録モードに設定された場合を説明する。なお、電子機器100の動作モードは動画記録モードに限らず、動画再生モード、オフラインやオンラインのゲームモード、外部機器との通信モード、バッテリの充電モードなどであってもよい。
【0042】
ステップS202では、システム制御部101は、操作部108に含まれる動画記録ボタンの操作に基づいて動画記録処理を開始する指示があったか否かを判定する。システム制御部101は、動画記録処理を開始する指示があるまで判定を繰り返し、動画記録処理を開始する指示があったと判定した場合は処理をステップS203に進める。
【0043】
S203では、システム制御部101は、電子機器100にアクセサリ装置200が装着されているか否かを判定する。システム制御部101は、電子機器100にアクセサリ装置200が装着されていると判定した場合は処理をステップS204に進める。また、システム制御部101は、電子機器100にアクセサリ装置200が装着されていないと判定した場合は処理をステップS206に進める。
【0044】
ステップS204では、システム制御部101は、電子機器100の接続部112を介してアクセサリ装置200のアクセサリ制御部201と通信を行い、アクセサリ装置200からアクセサリ情報を受信する。
【0045】
ステップS251では、アクセサリ制御部201は、接続部206を介してROMに記憶されているアクセサリ情報を撮像装置100に送信する。
【0046】
アクセサリ情報は、例えば、アクセサリ装置200の種別や固有の識別情報(ID)、あるいは冷却部202の冷却能力に関する情報および経年劣化の度合いに関する情報、アクセサリ装置200の内部の温度に関する情報、電源部205に含まれる電池の残量に関する情報の少なくともいずれかを含む。
【0047】
ステップS205では、システム制御部101は、アクセサリ装置200から受信したアクセサリ情報に基づいて、記憶部107から適切な温度上昇データを選択する。図3は、電子機器100の記憶部107に記憶されている温度上昇データテーブルを例示する図である。温度上昇データテーブル300は、動画記録モードごとに、アクセサリ未装着の場合のデータ1,2、アクセサリIDごとにアクセサリ状態に応じたデータ3~10を含む。動画記録モードは、動画の解像度やフレームレートなどが異なる動作状態を含む。アクセサリ状態は、強いパワーで冷却する状態(例えば、高回転でファンを駆動する状態)と弱いパワーで冷却する状態(例えば、低回転でファンを駆動する状態)のように冷却能力が異なる動作状態を含む。本実施形態では、図3の温度上昇データテーブル300から、例えば、動画記録モード1の場合は、アクセサリID1に対応するアクセサリ状態1のデータ3またはアクセサリ状態2のデータ5、またはアクセサリID2に対応するアクセサリ状態1のデータ7またはアクセサリ状態2のデータ9が選択される。また、図3の温度上昇データテーブル300から、例えば、動画記録モード2の場合は、アクセサリID1に対応するアクセサリ状態1のデータ4またはアクセサリ状態2のデータ6、またはアクセサリID2に対応するアクセサリ状態1のデータ8またはアクセサリ状態2のデータ10が選択される。
【0048】
ステップS206では、システム制御部101は、アクセサリ装置200が装着されていないので、アクセサリ装置が未装着の場合の温度上昇データを選択する。本実施形態では、図3の温度上昇データテーブル300から、例えば、動画記録モード1の場合はデータ1が選択され、動画記録モード2の場合はデータ2が選択される。
【0049】
ステップS207では、システム制御部101は、ステップS205またはS206で選択された温度上昇データに基づいて動作可能時間を算出し、表示部109を介してユーザに通知する。
【0050】
<温度上昇データと温度上昇傾向の関係>
図4(a)は、アクセサリ装置200が未装着の状態で電子機器100が動画記録を行う場合の温度上昇データを例示しており、横軸は動画記録開始後の経過時間を示し、縦軸は動画記録中に温度測定部110により測定された温度を示している。図4(a)の例では、電子機器100は、温度測定部110により測定された温度情報が上限温度Tmaxである所定の閾値以上になると動画記録を停止する。システム制御部101は、温度測定部110により測定された温度が上限温度Tmaxに達すると予測される時間(20分)を動作可能時間として算出する。
【0051】
これに対して、図4(b)は、電子機器100がアクセサリ装置200により冷却されている状態で動画記録を行う場合の温度上昇傾向を例示している。図4(b)のように、アクセサリ装置200により電子機器100を冷却しながら動画記録を行う場合は、図4(a)のアクセサリ装置200が未装着の状態で電子機器100が動画記録を行う場合に比べて、温度測定部110により測定された温度が上限温度Tmaxに達すると予測される時間が大きく異なる。この場合、例えば動画記録を20分で停止されてしまうと、ユーザにとっては冷却した効果が得られないことになるし、ユーザは通知された動作可能時間よりも長い時間使用できることに違和感を覚える可能性がある。
【0052】
そこで、本実施形態では、アクセサリ装置200により電子機器100を冷却しながら動画記録を行う場合は、アクセサリ装置200から受信したアクセサリ情報に基づいて、記憶部107に記憶されている複数の温度上昇データの中から、図4(a)の温度上昇データとは異なる図4(c)の温度上昇データを選択する。図4(c)は、電子機器100がアクセサリ装置200により冷却されている状態で動画記録を行う場合の温度上昇データを例示している。図4(c)の温度上昇データに応じた動作可能時間(40分)は、図4(a)の温度上昇データに応じた動作可能時間(20分)よりも長くなる。この場合、アクセサリ装置200により電子機器100を冷却しながら動画記録を行った場合、図4(d)に示すように動画記録中の温度上昇傾向と、動作可能時間を算出するための温度上昇データとを近似させることができる。その結果、適切に動作可能時間を算出し、ユーザに通知することができる。
【0053】
なお、動画記録中の温度と温度上昇データとの差分を算出し、差分に基づき選択中の温度上昇データを補正して記憶部107に記憶されている温度上昇データを更新してもよい。このようにすることで、次回以降の動画記録時においてより高い精度で動作可能時間を算出し、ユーザに通知することができるようになる。
【0054】
また、動作可能時間の通知方法は、時間を文字や記号で表示する形態に限らず、全時間に占める割合をプログレスバーやグラフなどで表示する形態としてもよい。
【0055】
[実施形態2]
次に、図5から図7を参照して、実施形態2について説明する。
【0056】
実施形態1では、電子機器100がアクセサリ装置200から受信したアクセサリ情報に基づいて、電子機器100が保持する複数の温度上昇データの中から適切な温度上昇データを選択していた。これに対して、実施形態2は、アクセサリ装置500が電子機器100から受信した機器情報に基づいて、アクセサリ装置500が保持する複数の温度上昇データの中から適切な温度上昇データを選択し、電子機器100に送信する例である。
【0057】
図5は、実施形態2の電子機器100およびアクセサリ装置500の構成を例示するブロック図である。
【0058】
実施形態2の電子機器100の構成は、図1と同様である。
【0059】
実施形態2のアクセサリ装置500の構成は、図1の構成と異なり、記憶部501を有している。記憶部501は、図3および図4で説明した電子機器100の所定の動作時の温度上昇データが記憶されている。記憶部501には、複数の温度上昇データが記憶されている。
【0060】
図6(a)は、実施形態2の電子機器100の制御処理を示すフローチャートである。図6(b)は、実施形態2のアクセサリ装置500の制御処理を示すフローチャートである。
【0061】
なお、図6(a)の処理は、電子機器100のシステム制御部101がROMに格納されたプログラムを実行し、電子機器100の各構成要素を制御することにより実現される。また、図6(a)の処理は、電子機器100の電源がオンされると開始される。また、図6(b)の処理は、アクセサリ装置500のアクセサリ制御部201がROMに格納されたプログラムを実行し、アクセサリ装置500の各構成要素を制御することにより実現される。また、図6(b)の処理は、アクセサリ装置500が電子機器100に装着され、アクセサリ装置500のアクセサリ制御部201が電子機器100のシステム制御部101と通信可能に接続されると開始される。
【0062】
図6(a)のステップS601からS603、S606の処理は、図2(a)のステップS201からS203、S206の処理と同様である。
【0063】
ステップS604では、システム制御部101は、電子機器100の接続部112を介してアクセサリ装置500のアクセサリ制御部201と通信を行い、ROMに記憶されている機器情報をアクセサリ装置500に送信する。
【0064】
機器情報は、例えば、電子機器100の種別や固有の識別情報(ID)、あるいは電子機器100の動作モードに関する情報、電子機器100の内部の温度に関する情報、電源部111に含まれる電池の残量に関する情報の少なくともいずれかを含む。
【0065】
ステップS651では、アクセサリ制御部201は、接続部206を介して電子機器100から機器情報を受信する。
【0066】
ステップS652では、アクセサリ制御部201は、電子機器100から受信した機器情報に基づいて、記憶部501から適切な温度上昇データを選択する。図7は、アクセサリ装置500の記憶部501に記憶されている温度上昇データテーブルを例示する図である。温度上昇データテーブル700は、電子機器100の動画記録モードごとに、機器IDごとにアクセサリ状態に応じたデータ11~18を含む。本実施形態では、図7の温度上昇データテーブル700から、例えば、動画記録モード1の場合は、機器ID1に対応するアクセサリ状態1のデータ11またはアクセサリ状態2のデータ13、または機器ID2に対応するアクセサリ状態1のデータ15またはアクセサリ状態2のデータ17が選択される。また、図7の温度上昇データテーブル700から、例えば、動画記録モード2の場合は、機器ID1に対応するアクセサリ状態1のデータ12またはアクセサリ状態2のデータ12、または機器ID2に対応するアクセサリ状態1のデータ16またはアクセサリ状態2のデータ18が選択される。
【0067】
ステップS653では、アクセサリ制御部201は、S652で選択した温度上昇データを接続部206を介して電子機器100に送信する。
【0068】
ステップS605では、システム制御部101は、アクセサリ装置500から温度上昇データを受信する。
【0069】
ステップS607では、システム制御部101は、ステップS605で受信した温度上昇データまたはS606で選択された温度上昇データに基づいて撮影可能時間を算出し、表示部109を介してユーザに通知する。
【0070】
実施形態2によれば、アクセサリ装置500により電子機器100を冷却しながら動画記録を行う場合は、電子機器100の機器情報をアクセサリ装置500に送信し、アクセサリ装置500から機器情報に基づき記憶部501に記憶されている複数の温度上昇データの中から選択された温度上昇データを取得する。
【0071】
これにより、図4(d)に示すように動画記録中の温度上昇傾向と、動作可能時間を算出するための温度上昇データとを近似させることができる。その結果、適切に動作可能時間を算出し、ユーザに通知することができる。
【0072】
なお、動画記録中の温度と温度上昇データとの差分を算出し、差分に基づき使用中の温度上昇データを補正して記憶部107に記憶されている温度上昇データを更新してもよい。また、補正した温度上昇データをアクセサリ装置500に送信して記憶部501に記憶されている温度上昇データを更新してもよい。このようにすることで、次回以降の動画記録時においてより高い精度で動作可能時間を算出し、ユーザに通知することができるようになる。
【0073】
また、動作可能時間の通知方法は、時間を文字や記号で表示する形態に限らず、全時間に占める割合をプログレスバーやグラフなどで表示する形態としてもよい。
【0074】
[実施形態3]
次に、図8を参照して、実施形態3について説明する。
【0075】
実施形態1では、電子機器100がアクセサリ装置200から受信したアクセサリ情報に基づいて、電子機器100が保持する複数の温度上昇データの中から適切な温度上昇データを選択していた。これに対して、実施形態3は、アクセサリ装置500から受信したアクセサリ情報に基づいて選択可能な温度上昇データが電子機器100の記憶107に記憶されていない場合は、アクセサリ装置500が電子機器100から受信した機器情報に基づいて、アクセサリ装置500が保持する複数の温度上昇データの中から適切な温度上昇データを選択し、電子機器100に送信する例である。
【0076】
実施形態3の電子機器100の構成は、図1と同様である。
【0077】
実施形態3のアクセサリ装置500の構成は、図5と同様である。
【0078】
図8(a)は、実施形態3の電子機器100の制御処理を示すフローチャートである。図8(b)は、実施形態3のアクセサリ装置500の制御処理を示すフローチャートである。
【0079】
なお、図8(a)の処理は、電子機器100のシステム制御部101がROMに格納されたプログラムを実行し、電子機器100の各構成要素を制御することにより実現される。また、図8(a)の処理は、電子機器100の電源がオンされると開始される。また、図8(b)の処理は、アクセサリ装置500のアクセサリ制御部201がROMに格納されたプログラムを実行し、アクセサリ装置500の各構成要素を制御することにより実現される。また、図8(b)の処理は、アクセサリ装置500が電子機器100に装着され、アクセサリ装置500のアクセサリ制御部201が電子機器100のシステム制御部101と通信可能に接続されると開始される。
【0080】
図8(a)のステップS801からS804、S806、S809の処理は、図2(a)のステップS201からS206の処理と同様である。また、図8(a)のステップS807、S808、S810の処理は、図6(a)のステップS604、S605、S607の処理と同様である。
【0081】
また、図8(b)のステップS851の処理は、図2(a)のステップS251の処理と同様である。また、図8(b)のステップS852からS854の処理は、図6(b)のステップS651からS6653の処理と同様である。
【0082】
ステップS805では、システム制御部101は、S804でアクセサリ装置500から受信したアクセサリ情報に基づいて選択可能な温度上昇データが記憶部107に記憶されているか否かを判定する。システム制御部101は、S804でアクセサリ装置500から受信したアクセサリ情報に基づいて選択可能な温度上昇データが記憶部107に記憶されていると判定した場合は処理をステップS806に進め、アクセサリ装置500から受信したアクセサリ情報に基づいて、記憶部107から適切な温度上昇データを選択する。
【0083】
また、システム制御部101は、S804でアクセサリ装置500から受信したアクセサリ情報に基づいて選択可能な温度上昇データが記憶部107に記憶されていないと判定した場合は処理をステップS807に進め、ROMに記憶されている機器情報をアクセサリ装置200に送信し、ステップS808でアクセサリ装置500から温度上昇データを受信する。
【0084】
実施形態3によれば、アクセサリ装置500により電子機器100を冷却しながら動画記録を行う場合に、アクセサリ装置500から受信したアクセサリ情報に基づいて選択可能な温度上昇データが電子機器100の記憶107に記憶されていない場合は、電子機器100の機器情報をアクセサリ装置500に送信し、アクセサリ装置500が電子機器100から受信した機器情報に基づいて、アクセサリ装置500が保持する複数の温度上昇データの中から適切な温度上昇データを選択し、電子機器100に送信する。
【0085】
これにより、図4(d)に示すように動画記録中の温度上昇傾向と、動作可能時間を算出するための温度上昇データとを近似させることができる。その結果、適切に動作可能時間を算出し、ユーザに通知することができる。
【0086】
なお、動画記録中の温度と温度上昇データとの差分を算出し、差分に基づき使用中の温度上昇データを補正して記憶部107に記憶されている温度上昇データを更新してもよい。また、補正した温度上昇データをアクセサリ装置500に送信して記憶部501に記憶されている温度上昇データを更新してもよい。このようにすることで、次回以降の動画記録時においてより高い精度で動作可能時間を算出し、ユーザに通知することができるようになる。
【0087】
また、動作可能時間の通知方法は、時間を文字や記号で表示する形態に限らず、全時間に占める割合をプログレスバーやグラフなどで表示する形態としてもよい。
【0088】
[実施形態4]
次に、図9から図11を参照して、実施形態4について説明する。
【0089】
実施形態1~3では、電子機器100とアクセサリ装置200、500が別体で構成されていた。これに対して、実施形態4は、電子機器900が冷却部901を有し、冷却部901の動作状態に基づいて記憶部107に記憶されている複数の温度上昇データの中から適切な温度上昇データを選択する例である。
【0090】
実施形態4の電子機器900の構成は、図1の構成に加えて、冷却部901と冷却制御部902を有する。冷却部901と冷却制御部902の構成および機能は、実施形態1の図1のアクセサリ装置200の冷却部202と冷却制御部203と同様である。
【0091】
記憶部107には、図11に示す温度上昇データテーブルが記憶されている。図11は、電子機器900の記憶部107に記憶されている温度上昇データテーブルを例示する図である。温度上昇データテーブル1100は、動画記録モードごとに、冷却部901の動作状態に応じたデータ21~26を含む。冷却部901の動作状態は、停止状態と、強いパワーで冷却する冷却状態1と弱いパワーで冷却する冷却状態2のように冷却能力が異なる動作状態を含む。
【0092】
図10は、実施形態4の電子機器900の制御処理を示すフローチャートである。
【0093】
なお、図10の処理は、電子機器900のシステム制御部101がROMに格納されたプログラムを実行し、電子機器900の各構成要素を制御することにより実現される。また、図10の処理は、電子機器900の電源がオンされると開始される。
【0094】
図10のステップS1001、S1002の処理は、図2(a)のステップS201、S202の処理と同様である。
【0095】
ステップS1003では、システム制御部101は、冷却部901を作動させるか否かを判定する。システム制御部101は、冷却部901を作動させると判定した場合は処理をステップS1004に進め、冷却部901を作動させないと判定した場合は処理をステップS1005に進める。
【0096】
ステップS1004では、システム制御部101は、冷却制御部902を制御して、冷却部901の駆動を開始する。
【0097】
ステップS1005では、システム制御部101は、冷却制御部902を制御して、冷却部901の駆動を停止する。
【0098】
ステップS1006では、システム制御部101は、冷却部901の動作状態に基づいて記憶部107に記憶されている複数の温度上昇データの中から適切な温度上昇データを選択する。システム制御部101は、冷却部901が動作中の場合は、図11の温度上昇データテーブル1100から、例えば、動画記録モード1と動画記録モード2のいずれかに応じて、冷却状態1のデータ23、24または冷却状態2のデータ25、26が選択される。また、システム制御部101は、冷却部901が停止中の場合は、図11の温度上昇データテーブル1100から、例えば、動画記録モード1と動画記録モード2のいずれかに応じて、データ21またはデータ22が選択される。
【0099】
ステップS1007では、システム制御部101は、ステップS1006で選択された温度上昇データに基づいて動作可能時間を算出し、表示部109を介してユーザに通知する。
【0100】
実施形態4においては、図4(b)と同様に冷却部901により電子機器900を冷却しながら動画記録を行う場合は、図4(a)と同様に冷却部901を停止した状態で電子機器900が動画記録を行う場合に比べて、温度測定部110により測定された温度が上限温度Tmaxに達すると予測される時間が大きく異なる。この場合、例えば動画記録を20分で停止されてしまうと、ユーザにとっては冷却した効果が得られないことになるし、ユーザは通知された動作可能時間よりも長い時間使用できることに違和感を覚える可能性がある。
【0101】
そこで、実施形態4では、冷却部901により電子機器900を冷却しながら動画記録を行う場合は、冷却部901の動作状態に基づいて、記憶部107に記憶されている複数の温度上昇データの中から、図4(a)の温度上昇データとは異なる図4(c)と同様の電子機器900が冷却部901により冷却されている状態で動画記録を行う場合の温度上昇データを選択する。図4(c)の温度上昇データに応じた動作可能時間(40分)は、図4(a)の温度上昇データに応じた動作可能時間(20分)よりも長くなる。この場合、冷却部901により電子機器900を冷却しながら動画記録を行った場合、図4(d)に示すように動画記録中の温度上昇傾向と、動作可能時間を算出するための温度上昇データとを近似させることができる。その結果、適切に動作可能時間を算出し、ユーザに通知することができる。
【0102】
なお、動画記録中の温度と温度上昇データとの差分を算出し、差分に基づき選択中の温度上昇データを補正して記憶部107に記憶されている温度上昇データを更新してもよい。このようにすることで、次回以降の動画記録時においてより高い精度で動作可能時間を算出し、ユーザに通知することができるようになる。
【0103】
また、動作可能時間の通知方法は、時間を文字や記号で表示する形態に限らず、全時間に占める割合をプログレスバーやグラフなどで表示する形態としてもよい。
【0104】
[他の実施形態]
本発明は、各実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークや記憶媒体を介してシステムや装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータの1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0105】
本明細書の開示は、以下の電子機器、アクセサリ装置、制御方法およびプログラムを含む。
[構成1]
アクセサリ装置を通信可能に接続する接続手段と、
電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、
前記アクセサリ装置から受信した前記アクセサリ装置に関する第2の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求める制御手段と、を有することを特徴とする電子機器。
[構成2]
前記第2の情報は、前記アクセサリ装置の種別および固有の識別情報、前記アクセサリ装置の能力に関する情報、前記アクセサリ装置の経年劣化に関する情報、前記アクセサリ装置の内部の温度に関する情報、前記アクセサリ装置の電池の残量に関する情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする構成1に記載の電子機器。
[構成3]
前記制御手段は、前記アクセサリ装置から受信した前記第2の情報に基づいて選択可能な前記第1の情報が前記記憶手段に記憶されていない場合、前記アクセサリ装置に前記電子機器に関する第3の情報を送信し、
前記アクセサリ装置により前記第3の情報に基づいて選択された前記第1の情報を前記アクセサリ装置から受信することを特徴とする構成1または2に記載の電子機器。
[構成4]
前記第3の情報は、前記電子機器の種別および固有の識別情報、前記電子機器の動作モードに関する情報、前記電子機器の内部の温度に関する情報、前記電子機器の電池の残量に関する情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする構成3に記載の電子機器。
[構成5]
前記動作可能時間を通知する通知手段と、
前記電子機器の内部の温度情報を測定する温度測定手段と、をさらに有し、
前記制御手段は、前記温度情報が所定の閾値以上である場合に前記所定の動作を停止し、
前記動作可能時間は、前記温度情報が前記所定の温度に達するまでの時間であることを特徴とする構成1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
[構成6]
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記アクセサリ装置は、冷却装置であり、
前記所定の動作は、動画記録であることを特徴とする構成1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
[構成7]
アクセサリ装置を通信可能に接続する接続手段と、
前記アクセサリ装置に電子機器に関する第3の情報を送信したことに応じて、前記アクセサリ装置から受信した前記電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求める制御手段と、を有することを特徴とする電子機器。
[構成8]
前記第3の情報は、前記電子機器の種別および固有の識別情報、前記電子機器の動作モードに関する情報、前記電子機器の内部の温度に関する情報、前記電子機器の電池の残量に関する情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする構成7に記載の電子機器。
[構成9]
前記動作可能時間を通知する通知手段と、
前記電子機器の内部の温度情報を測定する温度測定手段と、をさらに有し、
前記制御手段は、前記温度情報が所定の閾値以上である場合に前記所定の動作を停止し、
前記動作可能時間は、前記温度情報が前記所定の温度に達するまでの時間であることを特徴とする構成7または8に記載の電子機器。
[構成10]
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記アクセサリ装置は、冷却装置であり、
前記所定の動作は、動画記録であることを特徴とする構成7から9のいずれか1項に記載の電子機器。
[構成11]
冷却手段と、
電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、
前記冷却手段の動作状態に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求める制御手段と、を有することを特徴とする電子機器。
[構成12]
前記動作可能時間を通知する通知手段と、
前記電子機器の内部の温度情報を測定する温度測定手段と、をさらに有し、
前記制御手段は、前記温度情報が所定の閾値以上である場合に前記所定の動作を停止し、
前記動作可能時間は、前記温度情報が前記所定の温度に達するまでの時間であることを特徴とする構成11に記載の電子機器。
[構成13]
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記所定の動作は、動画記録であることを特徴とする構成11または12に記載の電子機器。
[構成14]
電子機器に通信可能に接続する接続手段と、
前記電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、
前記電子機器から受信した当該電子機器に関する第3の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を前記電子機器に送信する制御手段と、を有することを特徴とするアクセサリ装置。
[構成15]
前記第3の情報は、前記電子機器の種別および固有の識別情報、前記電子機器の動作モードに関する情報、前記電子機器の内部の温度に関する情報、前記電子機器の電池の残量に関する情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする構成14に記載のアクセサリ装置。
[構成16]
前記制御手段は、前記アクセサリ装置に関する第2の情報を前記電子機器に送信した後、前記電子機器から受信した前記第3の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を前記電子機器に送信することを特徴とする構成14または15に記載のアクセサリ装置。
[構成17]
前記第2の情報は、前記アクセサリ装置の種別および固有の識別情報、前記アクセサリ装置の能力に関する情報、前記アクセサリ装置の経年劣化に関する情報、前記アクセサリ装置の内部の温度に関する情報、前記アクセサリ装置の電池の残量に関する情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする構成16に記載のアクセサリ装置。
[構成18]
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記アクセサリ装置は、冷却装置であり、
前記所定の動作は、動画記録であることを特徴とする構成14から17のいずれか1項に記載のアクセサリ装置。
[構成19]
アクセサリ装置を通信可能に接続する接続手段と、電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、を有する電子機器の制御方法であって、
前記アクセサリ装置から当該アクセサリ装置に関する第2の情報を受信するステップと、
前記第2の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求めるステップと、を有することを特徴とする制御方法。
[構成20]
前記アクセサリ装置から受信した前記第2の情報に基づいて選択可能な前記第1の情報が前記記憶手段に記憶されていない場合、前記アクセサリ装置に前記電子機器に関する第3の情報を送信するステップと、
前記アクセサリ装置により前記第3の情報に基づいて選択された前記第1の情報を前記アクセサリ装置から受信するステップと、をさらに有することを特徴とする構成19に記載の制御方法。
[構成21]
アクセサリ装置を通信可能に接続する接続手段を有する電子機器の制御方法であって、
前記アクセサリ装置に前記電子機器に関する第3の情報を送信するステップと、
前記アクセサリ装置により前記第3の情報に基づいて選択された前記電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を前記アクセサリ装置から受信するステップと、
前記アクセサリ装置から受信した前記第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求めるステップと、を有することを特徴とする制御方法。
[構成22]
冷却手段と、電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、を有する電子機器の制御方法であって、
前記冷却手段の動作状態に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を用いて前記電子機器の前記所定の動作時の動作可能時間を求めるステップを有することを特徴とする制御方法。
[構成23]
電子機器に通信可能に接続する接続手段と、前記電子機器の所定の動作時の発熱による温度上昇を示す第1の情報を記憶する記憶手段と、を有するアクセサリ装置の制御方法であって、
前記電子機器から当該電子機器に関する第3の情報を受信するステップと、
前記第3の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を前記電子機器に送信するステップと、を有することを特徴とする制御方法。
[構成24]
前記送信するステップでは、前記アクセサリ装置に関する第2の情報を前記電子機器に送信した後、前記電子機器から受信した前記第3の情報に基づいて前記記憶手段から選択した前記第1の情報を前記電子機器に送信することを特徴とする構成23に記載の制御方法。
[構成25]
コンピュータを、構成1から13のいずれか1項に記載された電子機器の制御手段として機能させるためのプログラム。
[構成26]
コンピュータを、構成14から18のいずれか1項に記載されたアクセサリ装置の制御手段として機能させるためのプログラム。
【0106】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0107】
100、900…電子機器、101…制御部、107…記憶部、110…温度測定部、112…接続部、200、500…アクセサリ装置、201…アクセサリ制御部、202、901…冷却部、203、206…接続部、501…記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11