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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183253
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】ガス測定器及びガス測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/21 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
G01N21/21 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096776
(22)【出願日】2022-06-15
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和1年度 国立研究開発法人科学技術振興機構 研究成果展開事業産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム 産業競争力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304027349
【氏名又は名称】国立大学法人豊橋技術科学大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】水谷 学世
(72)【発明者】
【氏名】野田 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】澤田 和明
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA02
2G059AA05
2G059BB01
2G059CC12
2G059DD12
2G059DD13
2G059EE01
2G059EE04
2G059GG02
2G059JJ19
2G059KK01
(57)【要約】
【課題】光学異性体を判別できるガス測定器を提供する。
【解決手段】ガス測定器は、対象ガスを含むサンプルガスが導入されるガス室と、ガス室に導入されたサンプルガスに含まれる対象ガスを検出するガス検出部と、偏光子を用いてガス室に導入されたサンプルガスに偏光を照射する照射部と、検光子を用いて照射部からサンプルガスに照射される偏光とサンプルガスを透過した偏光との間の旋光性を測定する旋光測定部と、ガス検出部によって検出された対象ガスの情報と、旋光測定部によって検出された偏光の旋光性の情報とを関連付けて出力する出力部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象ガスを含むサンプルガスが導入されるガス室と、
前記ガス室に導入された前記サンプルガスに含まれる前記対象ガスを検出するガス検出部と、
偏光子を用いて前記ガス室に導入された前記サンプルガスに偏光を照射する照射部と、
検光子を用いて前記照射部から前記サンプルガスに照射される前記偏光と前記サンプルガスを透過した前記偏光との間の旋光性を測定する旋光測定部と、
前記ガス検出部によって検出された前記対象ガスの情報と、前記旋光測定部によって検出された前記偏光の旋光性の情報とを関連付けて出力する出力部と、
を備える、ガス測定器。
【請求項2】
前記旋光測定部及び前記ガス検出部は、一つの半導体センサにより構成され、
前記一つの半導体センサは、光及びガスの何れにも応答するように構成される、請求項1に記載のガス測定器。
【請求項3】
前記照射部から前記サンプルガスに照射される前記偏光を複数の偏光に分光する分光部を備え、前記旋光測定部は、前記照射部から前記サンプルガスに照射される前記偏光と、前記分光部によって分光され前記サンプルガスを透過した前記複数の偏光のそれぞれとの間の旋光性を測定する、請求項1又は2に記載のガス測定器。
【請求項4】
前記ガス室内に前記サンプルガスのガス流を形成するガス導入部と、
前記サンプルガスが通過する複数の開口を有する気流制御部とを備え、
前記ガス検出部は、前記気流制御部の開口を通過した前記サンプルガスに含まれる前記対象ガスを検出する、請求項1又は2に記載のガス測定器。
【請求項5】
前記気流制御部は、前記サンプルガスを透過した前記偏光を複数の偏光に分光し、
前記旋光測定部は、前記照射部から前記サンプルガスに照射される前記偏光と、前記気流制御部によって分光された前記複数の偏光のそれぞれとの間の旋光性を測定する、請求項4に記載のガス測定器。
【請求項6】
対象ガスを含むサンプルガスをガス室に導入する導入ステップと、
前記ガス室に導入された前記サンプルガスに含まれる前記対象ガスを検出するガス検出ステップと、
前記ガス室に導入された前記サンプルガスに偏光を照射する照射ステップと、
前記サンプルガスに照射される前記偏光と前記サンプルガスを透過した前記偏光との間の旋光性旋光性を測定する光検出ステップと、
前記ガス検出ステップで検出された前記対象ガスの情報と前記光検出ステップで検出された偏光の旋光性の情報とを関連付けて出力する出力ステップと、
を備える、ガス測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガス測定器及びガス測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ガス測定器を開示する。このガス測定器は、加熱時の金属酸化物半導体の抵抗値に基づいてサンプルガスに含まれる対象ガスを測定する。対象ガスは、トルエン及びホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-041833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対象ガスである匂い成分の化合物は、光学異性体(鏡像異性体)となる場合がある。一対の光学異性体(d体、l体)は、互いに鏡像の関係にある分子構造を有し、融点、沸点、密度といった物理的性質、及び、基本的な化学的性質が同一であり、かつ、生理作用(味覚、嗅覚など)が異なる。このため、匂いを判別するためには、d体とl体とを判別する必要がある。しかしながら、光学異性体は物理的性質及び化学的性質が互いに同一であるので、特許文献1に記載のガス測定器は、d体とl体とを判別できないおそれがある。本開示は、光学異性体を判別できるガス測定器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係るガス測定器は、ガス室、ガス検出部、照射部、旋光測定部、及び、出力部を備える。ガス室には、対象ガスを含むサンプルガスが導入される。ガス検出部は、ガス室に導入されたサンプルガスに含まれる対象ガスを検出する。照射部は、偏光子を用いてガス室に導入されたサンプルガスに偏光を照射する。旋光測定部は、検光子を用いて照射部からサンプルガスに照射される偏光とサンプルガスを透過した偏光との間の旋光性を測定する。出力部は、ガス検出部によって検出された対象ガスの情報と、旋光測定部によって測定された偏光の旋光性の情報とを関連付けて出力する。
【0006】
このガス測定器では、サンプルガスに含まれる対象ガスは、ガス検出部によって検出される。これにより、ガス室において対象ガスが検出される。照射部から照射される偏光は、サンプルガスを透過する。サンプルガスを透過する前後での偏光の旋光性は、旋光測定部によって測定される。対象ガスを構成するガス分子が光学異性体を有する場合には、d体とl体とでは旋光性が互いに異なるので、d体及びl体のそれぞれで旋光の回転方向が相違する。したがって、偏光の旋光性の情報には、d体又はl体の何れの光学異性体によって対象ガスが構成されるかの情報が含まれる。ガス検出部によって検出される対象ガスの情報と偏光の旋光性の情報とが関連付けられることによって、対象ガスを構成するガス分子に光学異性体が含まれる場合には、d体又はl体の何れの光学異性体が対象ガスに含まれるか判別され得る。よって、このガス測定器は、光学異性体を判別できる。
【0007】
一実施形態においては、旋光測定部及びガス検出部は、一つの半導体センサにより構成されてもよい。一つの半導体センサは、光及びガスの何れにも応答するように構成されてもよい。この場合、ガス測定器は、旋光測定部及びガス検出部がそれぞれ異なるセンサで構成される場合と比べて、簡易な構成を実現できる。
【0008】
一実施形態においては、ガス測定器は、分光部を備えてもよい。分光部は、サンプルガスに照射される偏光を複数の偏光に分光してもよい。旋光測定部は、照射部からサンプルガスに照射される偏光と、分光部によって分光されサンプルガスを透過した複数の偏光のそれぞれとの間の旋光性を測定してもよい。この場合、照射部からサンプルガスに照射される偏光は、分光部によってそれぞれ波長が異なる複数の偏光に分光される。光学異性体の旋光性は偏光の波長によって異なる。よって、このガス測定器は、単一の波長の偏光に基づいた旋光性を測定する場合と比べて光学異性体をより詳細に判別できる。
【0009】
一実施形態においては、ガス測定器は、ガス導入部及び気流制御部を備えてもよい。ガス導入部は、ガス室内にサンプルガスのガス流を形成してもよい。気流制御部は、サンプルガスが通過する複数の開口を有してもよい。ガス検出部は、気流制御部の開口を通過したサンプルガスに含まれる対象ガスを検出してもよい。この場合、複数の開口の整流作用によって、サンプルガスの流れの向きとサンプルガスの流量とが安定する。このため、ガス測定器は、対象ガスの安定的な検出を実現できる。
【0010】
一実施形態においては、気流制御部は、サンプルガスを透過した偏光を複数の偏光に分光してもよい。旋光測定部は、照射部からサンプルガスに照射される偏光と、気流制御部によって分光されサンプルガスを透過した複数の偏光のそれぞれとの間の旋光性を測定してもよい。この場合、気流制御部が分光部の機能を有するので、このガス測定器は、気流制御部と分光部とを別個に有する構成と比べて、簡易な構成を実現できる。
【0011】
本開示の他の側面に係るガス測定方法は、以下の(1)~(5)のステップを備える。このガス測定方法は、上述したガス測定器と同じ効果を奏する。
(1)対象ガスを含むサンプルガスをガス室に導入する導入ステップ。
(2)ガス室に導入されたサンプルガスに含まれる対象ガスを検出するガス検出ステップ。
(3)ガス室に導入されたサンプルガスに偏光を照射する照射ステップ。
(4)サンプルガスに照射される偏光とサンプルガスを透過した偏光との間の旋光性を測定する光検出ステップ。
(5)ガス検出ステップで検出された対象ガスの情報と光検出ステップで検出された偏光の旋光性の情報とを関連付けて出力する出力ステップ。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、光学異性体を判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係るガス測定器を示す断面構成図である。
図2】(a)は、d体の(+)リモネンを示す構造式である。(b)は、l体の(-)リモネンを示す構造式である。
図3】一実施形態に係るガス測定器の動作を示すフローチャートである。
図4】実施形態に係るガス測定器の変形例を示す断面構成図である。
図5】実施形態に係るガス測定器の変形例を示す断面構成図である。
図6】実施形態に係るガス測定器の変形例を示す断面構成図である。
図7】実施形態に係るガス測定器の変形例を示す断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。「上」「下」「左」「右」の語は、図示する状態に基づくものであり、便宜的なものである。
【0015】
[ガス測定器]
図1は、一実施形態に係るガス測定器1を示す断面構成図である。図1に示されるガス測定器1は、対象ガスを検出する。対象ガスは、例えば、大気中に含まれる匂い成分である。対象ガスに含まれるガス成分は、光学異性体であり得る。以下では、対象ガスの一例としてリモネン(C1016)が説明される。リモネンは、一対の光学異性体(d体、l体)の何れかの構造となる。図2の(a)は、右旋性を示すd体の(+)リモネンを示す構造式である。図2の(b)は、左旋性を示すl体の(-)リモネンを示す構造式である。(+)リモネンと(-)リモネンとは、融点、沸点、密度といった物理的性質、及び、基本的な化学的性質が同一である。しかしながら、(+)リモネンは、レモン又はオレンジなどの匂い成分であるのに対して、(-)リモネンは、ミントの匂い成分であり、(+)リモネンと(-)リモネンとは、嗅覚に対する生理作用が異なる。対象ガスはリモネンに限定されない。対象ガスは、テルペン類(一例として、リモネン、α-ピネンを含む)であってもよい。
【0016】
図1に示されるように、ガス測定器1は、その内部にガス室Sを画成するケース10を備える。ケース10には、吸気部11及び排気部12が設けられる。吸気部11及び排気部12はガス室Sに連通される。一例として、対象ガスを含むサンプルガスが吸気部11からガス室Sに導入され得る。サンプルガスは、対象ガスを含んだ気体であればよく、特に限定されない。例えば、サンプルガスは大気などであってもよい。ガス室Sに導入されたサンプルガスは、排気部12から排気され得る。
【0017】
吸気部11には、ガス導入部13が設けられる。ガス導入部13は、ガス室Sにサンプルガスを導入し、ガス室S内にサンプルガスのガス流を形成する。ガス導入部13は、例えば、ポンプ、コンプレッサ、又は送風機である。
【0018】
ガス測定器1は、ガス検出部20、照射部30、旋光測定部40、出力部50及び制御部60を備える。ガス検出部20、照射部30及び旋光測定部40は、ケース10の内部に配置される。ガス検出部20は、対象ガスを検出するガスセンサである。ガス検出部20は、対象ガスのみに対して選択的に応答してもよく、対象ガスを含む複数のガスに応答してもよい。ガス検出部20は、検出結果として対象ガスの情報を出力する。対象ガスの情報は、例えば、ガス種、濃度などである。ガス検出部20は、対象ガスの情報として、対象ガスの濃度の閾値を基準に対象ガスの有無を出力してもよい。ガス検出部20は、半導体方式、電気化学式、水晶振動子式などの何れのガスセンサであってもよい。以下では、ガス検出部20の一例として、対象ガスに対して選択的に応答する半導体方式のガスセンサ(半導体センサ)が説明される。対象ガスの種類及び対象ガスの濃度は、電気信号として検出される。
【0019】
半導体センサは、一例として複数のセンサアレイによって構成される電位型センサである。半導体センサには、感応膜が設けられてもよい。感応膜が設けられた半導体センサは、対象ガスを電気信号として検出する。感応膜は、例えば、ポリアニリン(PANI)を含む。感応膜は、複数の感応膜によって構成されてもよい。感応膜は、一例として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)が添加された感応膜と、メタンスルホン酸(MSA)が添加された感応膜と、γ-シクロデキストリン(γ-CD)が添加された感応膜とによって構成される。
【0020】
照射部30は、例えば、光源及び偏光子31によって構成される。光源は、例えば、ナトリウムランプである。なお、光源は、水銀ランプ、ハロゲンランプ又はLEDであってもよい。
【0021】
偏光子31は、所定の振動方向に振動する偏光を透過させる光学素子である。偏光子31は、例えば、偏光板である。本実施形態では、一例として、偏光子31は照射部30に設けられる。光源によって発生した光は、偏光子31に入射する。偏光子31は、当該光から偏光Lを透過させる。サンプルガスには、偏光子31を介して偏光Lが照射される。以上により、照射部30は、偏光子31を用いて、ガス室Sに導入されたサンプルガスに偏光を照射する。なお、偏光子31は、光源とともに物理的に一つの機器として一体的に設けられる必要はなく、光源から分離して設けられてもよい。
【0022】
旋光測定部40は、例えば、検光子41、エンコーダ及び光センサによって構成される。検光子41は、所定の振動方向に振動する偏光を透過させる光学素子である。検光子41は、偏光Lの光路に平行な回転軸を中心として回転可能に設けられる。検光子41は、例えば、偏光板である。検光子41は、偏光子31と同一の構成の偏光板でもよい。検光子41は、回転機構に支持され、且つ、検光子41の回転角度は、エンコーダに測定されてもよい。検光子41が回転することによって、検光子41を透過可能な光の振動方向が変更される。本実施形態では、一例として、検光子41及びエンコーダは旋光測定部40に設けられる。サンプルガスを透過した偏光Lは、検光子41に入射する。偏光Lは、振動方向の条件を満たす場合に検光子41を透過する。旋光測定部40には、検光子41を透過した偏光Lが照射される。なお、検光子41及びエンコーダは、光センサとともに一つの機器として一体的に設けられる必要はなく、光センサから分離して設けられていてもよい。
【0023】
旋光測定部40を構成する光センサは、例えば、光を電気信号として検出する光電素子を含む。光センサは、検光子41を透過した偏光を検出する。検光子41を透過した偏光は、検光子41の回転角度及び回転方向で表現される旋光性を有する。検光子41の回転角度は、サンプルガスを透過した偏光Lの旋光方向及び旋光角を示す。旋光角は、偏光子31の偏光板を透過する偏光Lの振動方向を基準とした検光子41の回転角度で表現される。
【0024】
例えば、最初に、偏光子31を介してサンプルガスに照射される偏光Lの振動方向が基準角として設定される。偏光子31の向きと、検光子41の向きとを合わせた状態が基準角として設定されてもよい。検光子41が基準角に位置するとき、エンコーダの角度は0度に設定される。
【0025】
旋光測定部40には、サンプルガス及び検光子41を透過した偏光Lが入射する。このとき、光を電気信号として検出する光センサの出力が最大になるように、検光子41の回転角度が調整される。光センサの出力が最大になる検光子41の回転角度は、偏光子31を介してサンプルガスに照射される偏光Lとサンプルガス及び検光子41を透過した偏光Lとの間の旋光性を示す。このように、検光子41の回転位置(回転角度)及び旋光測定部40の測定結果に基づいて、サンプルガスに照射される偏光Lとサンプルガスを透過した偏光Lとの間の旋光性が測定される。以上により、旋光測定部40は、検光子41を用いて、照射部30からサンプルガスに照射される偏光Lとサンプルガスを透過した偏光Lとの間の旋光性を測定する。
【0026】
一例として、検光子41に設けられたエンコーダは、旋光測定部40の出力が最大になるときの検光子41の回転角度及び回転方向を検出する。エンコーダによって検出された検光子41の回転角度及び回転方向は、偏光Lの旋光性の情報として取得される。このように、偏光Lの旋光性は、旋光性の大きさ(度合い)及び旋光方向等の旋光性の情報を含んでもよい。旋光性の大きさは、検光子41の回転角度そのものであってもよいし、検光子41の回転角度から導出される数値(例えば比旋光度)などであってもよい。偏光Lの旋光性の情報は、d体、l体の何れかを示す情報であってもよい。なお、作業者などが、光を電気信号として検出する旋光測定部40の光センサの出力が最大になるときの検光子41の回転角度及び回転方向を測定してもよい。
【0027】
旋光測定部40及びガス検出部20は、一つの半導体センサとして構成されてもよい。つまり、図1に示されるように、同一の基板上に旋光測定部40及びガス検出部20が配置され、一つの半導体センサを構成してもよい。この場合、一つの半導体センサは、光及びガスの何れにも応答するように構成される。
【0028】
出力部50は、ガス検出部20によって検出された対象ガスの情報と旋光測定部40によって検出された偏光Lの旋光性の情報とを関連付けて出力する。関連付けるとは、対象ガスの情報に対応する偏光Lの旋光性の情報を参照可能又な認識可能な状態にすることをいう。出力するとは、ディスプレイや紙媒体に表示することだけでなく、メモリなどの磁気記録媒体や光記録媒体に記憶することを含む。例えば、出力部50は、対象ガスの濃度(対象ガスの情報の一例)と、旋光の大きさ及び旋光方向(偏光Lの旋光性の情報)とを関連付けて出力する。出力部50は、対象ガスの種類と、d体、l体の何れかを示す情報とを関連付けて出力してもよい。例えば、出力部50は、(+)リモネン又は(-)リモネンの何れかを示す情報を出力してもよい。出力部50は、(+)リモネン又は(-)リモネンの何れかを示す情報に基づいて、レモンの匂い(もしくはオレンジの匂い)、又は、ミントの匂いの何れかを示す情報を出力してもよい。このように匂いを判定して出力する場合も、対象ガスの情報と偏光Lの旋光性の情報とを関連付けて出力する形態に含まれる。制御部60は、一例として、プロセッサ、メモリ、水晶発振器及びA/Dコンバータを含む。例えば、ガス検出部20、照射部30、旋光測定部40及び出力部50は、制御部60によって制御され得る。
【0029】
なお、上記実施形態では、旋光測定部40にエンコーダが設けられる一例について説明したが、エンコーダは照射部30に設けられてもよい。この場合、偏光子31の回転位置(回転角度)及び旋光測定部40の測定結果に基づいて、サンプルガスに照射される偏光Lとサンプルガスを透過した偏光Lとの間の旋光性が測定される。
【0030】
[ガス測定器の動作]
図3は、実施形態に係るガス測定方法の一例を示すフローチャートである。図3に示されるフローチャートの工程は、ガス測定器1の動作を示す。対象ガスは、一例としてリモネンである。
【0031】
図3に示されるように、最初に、ガス測定器1は、対象ガスを含むサンプルガスを導入する(導入ステップS10)。例えば、ガス測定器1の制御部60は、吸気部11からガス室Sにサンプルガスを導入させる。具体的な一例として、制御部60は、ガス測定器1のガス導入部13を動作させ、対象ガスを含む大気をガス室Sに導入させる。
【0032】
次に、ガス測定器1は、ガス室Sに導入されたサンプルガスに含まれる対象ガスを検出する(ガス検出ステップS20)。例えば、ガス測定器1の制御部60は、ガス検出部20を動作させ、ガス室Sに導入された大気に含まれる対象ガスの濃度を対象ガスの情報として検出させる。次に、ガス測定器1は、ガス室Sに導入されたサンプルガスに偏光Lを照射する(照射ステップS30)。例えば、ガス測定器1の制御部60は、照射部30を動作させ、ガス室Sに導入された大気に対して偏光Lを照射させる。
【0033】
次に、ガス測定器1は、サンプルガスに照射される偏光Lと、サンプルガスを透過した偏光Lとの間の旋光性を測定する(光検出ステップS40)。例えば、ガス測定器1の制御部60は、検光子41を回転させつつ旋光測定部40を動作させ、旋光性の大きさ及び旋光方向を、偏光Lの旋光性の情報として検出させる。具体的な一例として、制御部60は、検光子41を回転させつつ旋光測定部40を動作させ、旋光測定部40の出力が最大になるときの検光子41の回転角度をエンコーダに検出させる。
【0034】
最後に、ガス測定器1は、ガス検出ステップS20で検出された対象ガスの情報と、光検出ステップS40で検出された偏光Lの旋光性の情報とを関連付けて出力する(出力ステップS50)。例えば、ガス測定器1の制御部60は、出力部50を動作させ、対象ガスの濃度と、旋光の大きさ及び旋光方向とをディスプレイに表示させる。以上で図3に示されるフローチャートが終了する。
【0035】
[実施形態のまとめ]
ガス測定器1では、ガス室Sに大気が導入され、大気に含まれるリモネンが、ガス検出部20によって検出される。これにより、ガス室Sにおいてリモネンが検出される。ガス室Sにおいて、リモネンによる旋光は、旋光測定部40によって検出される。リモネンの光学異性体の(+)リモネンと(-)リモネンとでは旋光性が互いに異なるので、(+)リモネン及び(-)リモネンのそれぞれで旋光の回転方向が相違する。したがって、旋光測定部40によって検出された偏光Lの旋光性の情報には、(+)リモネン及び(-)リモネンの何れの光学異性体であるかを示す情報が含まれる。旋光方向が右旋光(時計回り)である場合には、(+)リモネンが検出される。旋光方向が左旋光(反時計回り)である場合には、(-)リモネンが検出される。このように、ガス測定器1は、光学異性体(鏡像異性体)の関係にあるリモネンを判別できる。
【0036】
ガス測定器1では、旋光測定部40及びガス検出部20は、一つの半導体センサにより構成され得る。これにより、ガス測定器1の簡易な構成が実現される。
【0037】
[変形例]
図4は、実施形態に係るガス測定器の変形例を示す断面構成図である。図4に示されるガス測定器1Aは、図1に示されるガス測定器1と比較して、分光部70を備える点で相違し、その他は同一である。以下では、相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0038】
分光部70には、偏光子31を介してサンプルガスに照射される偏光Lが入射する。分光部70は、入射した偏光Lを複数の偏光LSに分光する。分光部70は、例えばプリズムである。照射部30及び分光部70は、ガス室Sを挟んで、旋光測定部40と向かい合うように配置される。偏光子31から出射された偏光Lは、分光部70に入射する。分光部70に入射した偏光Lは、複数の偏光LSに分光される。複数の偏光LSは、互いに異なる波長の偏光である。複数の偏光LSは、サンプルガスを透過した後に旋光測定部40に入射する。
【0039】
そして、偏光子31を介してサンプルガスに照射される偏光Lと、分光部70によって分光されサンプルガス及び検光子41を透過した複数の偏光LSのそれぞれとの間の旋光性が検出される。例えば、旋光測定部40の複数の領域に、複数の偏光LSのそれぞれが入射する。当該複数の領域は、それぞれ波長が異なる複数の偏光LSごとに分割された領域であってもよい。当該複数の領域は、複数の偏光LSよりも細かく分割された領域であってもよい。当該複数の領域には、上述した複数のセンサアレイが配置される。偏光子31を介してサンプルガスに照射される偏光Lと、サンプルガスを透過した複数の偏光LSのそれぞれとの間の旋光性は領域ごとに(複数の偏光ごとに)検出される。当該複数の領域のセンサアレイは、それぞれ波長が異なる複数の偏光LSのそれぞれに対応した旋光を検出する。結果として、ガス測定器1Aは、それぞれ波長が異なる複数の偏光LSに対する対象ガスの旋光性を測定する機能を簡易な構成で提供できる。例えば、当該複数の領域のセンサアレイに含まれる一群のセンサアレイは、所定の波長の旋光性に応じた出力が可能となる。当該複数の領域のセンサアレイに含まれる別の一群のセンサアレイは、別の波長の旋光性に応じた出力が可能となる。これにより、ガス測定器1Aは、異なる波長の偏光LSに応じた旋光性を測定する機能を、単独の測定器として提供できる。
【0040】
ガス測定器1Aによれば、偏光子31を介してサンプルガスに照射される偏光Lは、分光部70によってそれぞれ波長が異なる複数の偏光LSに分光される。光学異性体の旋光性は偏光の波長によって異なる。このように、ガス測定器1Aでは、波長が異なる複数の偏光LSのそれぞれに対応する旋光性が検出される。このため、ガス測定器1Aは、光学異性体をより詳細に判別できる。
【0041】
ガス測定器1Aによれば、偏光Lは、分光部70を透過して、それぞれ波長が異なる複数の偏光LSに分光される。対象ガスが吸収する光の波長は、対象ガスの種類に応じて異なる。旋光測定部40は対象ガスを透過した光の旋光を測定するので、ガス測定器1Aは、対象ガスを透過する光の波長と旋光とに基づいてガス分析ができる。
【0042】
図5は、実施形態に係るガス測定器の変形例を示す断面構成図である。図5に示されるガス測定器1Bは、図4に示されるガス測定器1Aと比較して、分光部70が配置される位置が相違し、その他は同一である。以下では、相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0043】
ガス測定器1Bでは、分光部70は、ガス室Sを挟んで、照射部30及び旋光測定部40と向かい合うように配置される。照射部30から偏光子31を介して出射された偏光Lは、サンプルガスを透過した後に分光部70に入射する。分光部70に入射した偏光Lは、複数の偏光LSに分光される。複数の偏光LSは、互いに異なる波長の偏光である。複数の偏光LSは、サンプルガスを透過した後に検光子41を透過して旋光測定部40に入射する。
【0044】
ガス測定器1Bでは、偏光Lは、サンプルガスを透過した後に分光部70に入射する。偏光Lは、分光部70によって複数の偏光LSに分光された後に更にサンプルガスに入射する。したがって、ガス測定器1Aと比べて、ガス測定器1Bでは、偏光L,LSがサンプルガスを透過する光路長が長い。このため、ガス測定器1Bは、ガス測定器1Aと比べて、旋光性を正確に測定できる。よって、ガス測定器1Bは、光学異性体をより詳細に判別できる。
【0045】
図6は、実施形態に係るガス測定器の変形例を示す断面構成図である。図6に示されるガス測定器1Cは、図1に示されるガス測定器1と比較して、気流制御部80を備える点で相違し、その他は同一である。以下では、相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0046】
気流制御部80は、サンプルガスが通過する複数の開口を有する。複数の開口は、格子状のグリッドを構成する。気流制御部80は、ガス検出部20の前段、つまり、ガス検出部20とサンプルガスの気流との間に配置される。これにより、気流制御部80の開口を通過したサンプルガスがガス検出部20に到達する。サンプルガスは、ガス検出部20に到達する前に気流制御部80の開口によって整流される。これにより、ガス検出部20に到達するサンプルガスの流れの向きとサンプルガスの流量とが安定する。このため、ガス測定器1Cは、対象ガスの安定的な検出を実現できる。
【0047】
気流制御部80は、ガス検出部20に向かうサンプルガスの流れを複数の開口の開閉で制御してもよい。気流制御部80は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)アクチュエータを含む。複数の開口は、MEMSアクチュエータの動作によって開閉する。例えば、ガス検出部20に向かうサンプルガスの流れが多い場合には、複数の開口が閉じるように制御され、ガス検出部20に向かうサンプルガスの流れが少ない場合には、複数の開口が開くように制御されてもよい。
【0048】
気流制御部80は、ガス検出部20に向かうガス分子の分子量を制御し得る。複数の開口が等間隔の比較的に狭い空間を構成するとき、ガス分子は、複数の開口を通り抜ける方向への運動エネルギーが大きい順番で、複数の開口を通り抜ける。例えば、分子量の大きい重いガス分子は、比較的に早い順番で、ガス検出部20に到達し得る。
【0049】
複数の開口が等間隔の比較的に広い空間を構成するとき、ガス分子は、複数の開口を通り抜ける方向への運動エネルギーに拠らずに、複数の開口を通り抜ける。複数の開口が等間隔の比較的に狭い空間を構成と比べて、分子量の小さい軽いガス分子は、比較的に早い順番で、ガス検出部20に到達し得る。なお、複数の開口には、光学異性体の一方に対して選択制を有するコーティングが施されていてもよい。以上により、ガス測定器1Cは、ガス分子の旋光性とガス分子の分子量との2つの特性に基づいたガス分析をし得る。ガス測定器1Cは、複数の種類の対象ガスを含む混合気のガス分析ができる。
【0050】
図7は、実施形態に係るガス測定器の変形例を示す断面構成図である。図7に示されるガス測定器1Dは、図1に示されるガス測定器1と比較して、気流制御部81を備える点で相違し、その他は同一である。以下では、相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0051】
気流制御部81は、一例として、ガス検出部20及び旋光測定部40の前段、つまり、ガス検出部20及び旋光測定部40とサンプルガスの気流との間に配置される。これにより、気流制御部81の複数の開口を通過したサンプルガスが、ガス検出部20に到達するとともに、サンプルガスを透過した偏光Lが、気流制御部81及び検光子41を介して旋光測定部40に入射する。気流制御部81は、気流制御部81に入射した偏光Lを複数の偏光LSに分光する。気流制御部81に分光された複数の偏光LSは、検光子41を透過した後に旋光測定部40に入射する。気流制御部81は、例えば、シリコン(Si)など光透過性を含む材料によって構成される。気流制御部81は、樹脂又は石英によって形成されていてもよい。このように、気流制御部81は、上述した分光部70の機能と気流制御部80の機能とを有する。すなわち、格子状のグリッドを構成する複数の開口は、上述した分光部70の機能を有し得る。
【0052】
そして、偏光子31を介してサンプルガスに照射される偏光Lと、サンプルガスを透過して気流制御部81によって分光された複数の偏光LSのそれぞれとの間の旋光性が検出される。このように、ガス測定器1Dは、気流制御部81が分光部70の機能と気流制御部80の機能とを有するので、簡易な構成を実現できる。ガス測定器1Dは、複数の波長に対するガス分子の旋光性と、ガス分子の分子量とに基づいたガス分析をし得る。
【0053】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、本開示は上記実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。
【0054】
例えば、ガス測定器1は、ガス室Sにサンプルガスが閉じ込められている場合(あるいは事前に充てんされている場合)には、ガス導入部13を備えなくてもよい。ガス導入部13は、排気部12に設けられてもよい。この場合、ガス導入部13は、サンプルガスを吸気する機能を有する。
【0055】
ガス測定器は、透明なガス吸着材を備えていてもよい。透明なガス吸着材は、ガス室に配置される。一例として、透明なガス吸着材は、シリカゲルである。サンプルガスは、透明なガス吸着材に吸着される。透明なガス吸着材に吸着されたサンプルガスでは、ガス分子の密度が高められる。透明なガス吸着材を備える構成では、照射部から照射される偏光は、サンプルガスを吸着した透明なガス吸着材を透過する。
【0056】
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[E1]~[E6]に記載する。
【0057】
[E1]
対象ガスを含むサンプルガスが導入されるガス室と、
前記ガス室に導入された前記サンプルガスに含まれる前記対象ガスを検出するガス検出部と、
偏光子を用いて前記ガス室に導入された前記サンプルガスに偏光を照射する照射部と、
検光子を用いて前記照射部から前記サンプルガスに照射される前記偏光と前記サンプルガスを透過した前記偏光との間の旋光性を測定する旋光測定部と、
前記ガス検出部によって検出された前記対象ガスの情報と、前記旋光測定部によって検出された前記偏光の旋光性の情報とを関連付けて出力する出力部と、
を備える、ガス測定器。
【0058】
[E2]
前記旋光測定部及び前記ガス検出部は、一つの半導体センサにより構成され、
前記一つの半導体センサは、光及びガスの何れにも応答するように構成される、[E1]に記載のガス測定器。
【0059】
[E3]
前記照射部から前記サンプルガスに照射される前記偏光を複数の偏光に分光する分光部を備え、前記旋光測定部は、前記照射部から前記サンプルガスに照射される前記偏光と、前記分光部によって分光され前記サンプルガスを透過した前記複数の偏光のそれぞれとの間の旋光性を測定する、[E1]又は[E2]に記載のガス測定器。
【0060】
[E4]
前記ガス室内に前記サンプルガスのガス流を形成するガス導入部と、
前記サンプルガスが通過する複数の開口を有する気流制御部とを備え、
前記ガス検出部は、前記気流制御部の開口を通過した前記サンプルガスに含まれる前記対象ガスを検出する、[E1]~[E3]の何れか一項に記載のガス測定器。
【0061】
[E5]
前記気流制御部は、前記サンプルガスを透過した前記偏光を複数の偏光に分光し、
前記旋光測定部は、前記照射部から前記サンプルガスに照射される前記偏光と、前記気流制御部によって分光された前記複数の偏光のそれぞれとの間の旋光性を測定する、[E4]に記載のガス測定器。
【0062】
[E6]
対象ガスを含むサンプルガスをガス室に導入する導入ステップと、
前記ガス室に導入された前記サンプルガスに含まれる前記対象ガスを検出するガス検出ステップと、
前記ガス室に導入された前記サンプルガスに偏光を照射する照射ステップと、
前記サンプルガスに照射される前記偏光と前記サンプルガスを透過した前記偏光との間の旋光性旋光性を測定する光検出ステップと、
前記ガス検出ステップで検出された前記対象ガスの情報と前記光検出ステップで検出された偏光の旋光性の情報とを関連付けて出力する出力ステップと、
を備える、ガス測定方法。
【符号の説明】
【0063】
1,1A,1B,1C,1D…ガス測定器、10…ケース、11…吸気部、12…排気部、13…ガス導入部、20…ガス検出部、30…照射部、31…偏光子、40…旋光測定部、41…検光子、50…出力部、60…制御部、70…分光部、80…気流制御部、81…気流制御部、L…偏光、LS…複数の偏光、S…ガス室。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7