(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183254
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】電子価値変換システム、電子価値変換方法、電子価値変換装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/64 20130101AFI20231220BHJP
【FI】
G06F21/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096777
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 幹康
(57)【要約】
【課題】価値交換媒体を電子価値に変換可能であることの認証が適切に行われるようにする。
【解決手段】第1コードと、価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成される第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、第1コードと第2コードとを対応付けて記憶部に記憶し、価値交換媒体に付されたコードを取得し、取得されたコードと一致する第1コードが媒体情報記憶部に記憶されているか否かに基づいて1次認証を行い、1次認証が成立した後において取得されたコードが、1次認証に際して記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かに基づいて2次認証を行い、2次認証の成立に応じて、価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換部とを備えて電子価値変換システムを構成する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
価値交換媒体ごとに一意となる第1コードと、前記価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成され、前記価値交換媒体ごとに一意であって前記第1コードと異なる第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、前記第1コードと前記第2コードとを対応付けて記憶する媒体情報記憶部と、
価値交換媒体に付されたコードを取得するコード取得部と、
前記コード取得部により取得された1次認証対象のコードと一致する第1コードが前記媒体情報記憶部にて記憶されているか否かの1次一致判定の結果に基づいて、1次認証を行う1次認証部と、
前記1次認証が成立した後において前記コード取得部により取得された2次認証対象のコードが、前記1次認証に際して前記媒体情報記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かの2次一致判定の結果に基づいて2次認証を行う2次認証部と、
前記2次認証が成立したことに応じて、前記価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換部と
を備える電子価値変換システム。
【請求項2】
前記価値交換媒体は、前記第1コードと前記第2コードとを付した物理的な媒体である
請求項1に記載の電子価値変換システム。
【請求項3】
前記価値交換媒体において、前記第2コードは2つのコード部分に分割され、前記2つのコード部分は、前記第2コードに設けた仮想線が同一直線上に存在しない位置関係により互いに離間して配置される
請求項2に記載の電子価値変換システム。
【請求項4】
前記2次認証は、前記価値交換媒体が切り離されたことにより無効化されたことの確認を行うものである
請求項3に記載の電子価値変換システム。
【請求項5】
前記コード取得部は、ユーザ端末が前記価値交換媒体から光学的に読み取ったコードを取得する
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子価値変換システム。
【請求項6】
前記2次認証部は、前記2次認証に用いるコードが、前記1次認証にて用いられたコードを読み取ったのと同じユーザ端末により読み取られたものである場合に、前記2次認証を行う
請求項5に記載の電子価値変換システム。
【請求項7】
前記コード取得部が取得するコードは、ユーザ端末により読み取られたタイミングに応じた時刻が付与されており、
前記2次認証部は、前記1次認証に用いられたコードに付与されていた時刻から所定時間以内に前記コード取得部によりコードが取得された場合に前記2次認証を行う
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子価値変換システム。
【請求項8】
ユーザ端末にて動作し前記コードを読み取る機能を含むアプリケーションが非アクティブの状態となったことに応じて、前記電子価値変換システムがこれまでに実行してきた処理を中断させる処理中断部をさらに備える
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子価値変換システム。
【請求項9】
前記1次認証部は、前記媒体情報記憶部に記憶される第1コードをそれぞれ異なる撮像条件により撮像して得られた画像を学習器に入力して学習させた学習済モデルを用いて、前記1次一致判定を行う
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子価値変換システム。
【請求項10】
前記2次認証部は、前記媒体情報記憶部に記憶される第2コードをそれぞれ異なる撮像条件により撮像して得られた画像を学習器に入力して学習させた学習済モデルを用いて、前記2次一致判定を行う
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子価値変換システム。
【請求項11】
前記2次認証部は、2次認証にあたり、前記1次一致判定に対応して前記コード取得部が取得したコードを含む撮像画像における背景の画像と、今回の2次一致判定に対応して前記コード取得部が取得したコードを含む撮像画像における背景の画像とを比較した結果に基づいて、前記1次一致判定に対応してコードを撮像した場所と今回の2次一致判定に対応してコードを撮像した場所とが一致しているか否かの結果をさらに用いる
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子価値変換システム。
【請求項12】
電子価値変換システムにおける電子価値変換方法であって、
前記電子価値変換システムは、価値交換媒体ごとに一意となる第1コードと、前記価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成され、前記価値交換媒体ごとに一意であって前記第1コードと異なる第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、前記第1コードと前記第2コードとを対応付けて記憶する媒体情報記憶部を備え、
価値交換媒体に付されたコードを取得するコード取得ステップと、
前記コード取得ステップにより取得された1次認証対象のコードと一致する第1コードが前記媒体情報記憶部にて記憶されているか否かの1次一致判定の結果に基づいて、1次認証を行う1次認証ステップと、
前記1次認証が成立した後において前記コード取得ステップにより取得された2次認証対象のコードが、前記1次認証に際して前記媒体情報記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かの2次一致判定の結果に基づいて2次認証を行う2次認証ステップと、
前記2次認証が成立したことに応じて、前記価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換ステップと
を備える電子価値変換方法。
【請求項13】
価値交換媒体ごとに一意となる第1コードと、前記価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成され、前記価値交換媒体ごとに一意であって前記第1コードと異なる第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、前記第1コードと前記第2コードとを対応付けて記憶する媒体情報記憶部を備える電子価値変換システムにおける電子価値変換装置であって、
価値交換媒体に付されたコードを取得するコード取得部と、
前記コード取得部により取得された1次認証対象のコードと一致する第1コードが前記媒体情報記憶部にて記憶されているか否かの1次一致判定の結果に基づいて、1次認証を行う1次認証部と、
前記1次認証が成立した後において前記コード取得部により取得された2次認証対象のコードが、前記1次認証に際して前記媒体情報記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かの2次一致判定の結果に基づいて2次認証を行う2次認証部と、
前記2次認証が成立したことに応じて、前記価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換部と
を備える電子価値変換装置。
【請求項14】
価値交換媒体ごとに一意となる第1コードと、前記価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成され、前記価値交換媒体ごとに一意であって前記第1コードと異なる第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、前記第1コードと前記第2コードとを対応付けて記憶する媒体情報記憶部を備える電子価値変換システムにおけるコンピュータを、
価値交換媒体に付されたコードを取得するコード取得部、
前記コード取得部により取得された1次認証対象のコードと一致する第1コードが前記媒体情報記憶部にて記憶されているか否かの1次一致判定の結果に基づいて、1次認証を行う1次認証部、
前記1次認証が成立した後において前記コード取得部により取得された2次認証対象のコードが、前記1次認証に際して前記媒体情報記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かの2次一致判定の結果に基づいて2次認証を行う2次認証部、
前記2次認証が成立したことに応じて、前記価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子価値変換システム、電子価値変換方法、電子価値変換装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
運転免許証を撮像した画像から抽出した部分画像データを、部分画像データと真贋度との関係を学習した真贋度推定モデルに入力し、運転免許証の真贋度を算出するようにされた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金券等の価値交換媒体を例えば電子マネー等の電子価値に変換するにあたり、価値交換媒体を電子価値に交換可能であることについての認証が適切に行われるようにすることが求められる。
【0005】
本発明は、価値交換媒体を電子価値に変換可能であることの認証が適切に行われるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、価値交換媒体ごとに一意となる第1コードと、前記価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成され、前記価値交換媒体ごとに一意であって前記第1コードと異なる第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、前記第1コードと前記第2コードとを対応付けて記憶する媒体情報記憶部と、価値交換媒体に付されたコードを取得するコード取得部と、前記コード取得部により取得された1次認証対象のコードと一致する第1コードが前記媒体情報記憶部にて記憶されているか否かの1次一致判定の結果に基づいて、1次認証を行う1次認証部と、前記1次認証が成立した後において前記コード取得部により取得された2次認証対象のコードが、前記1次認証に際して前記媒体情報記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かの2次一致判定の結果に基づいて2次認証を行う2次認証部と、前記2次認証が成立したことに応じて、前記価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換部とを備える電子価値変換システムである。
【0007】
本発明の一態様は、電子価値変換システムにおける電子価値変換方法であって、前記電子価値変換システムは、価値交換媒体ごとに一意となる第1コードと、前記価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成され、前記価値交換媒体ごとに一意であって前記第1コードと異なる第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、前記第1コードと前記第2コードとを対応付けて記憶する媒体情報記憶部を備え、価値交換媒体に付されたコードを取得するコード取得ステップと、前記コード取得ステップにより取得された1次認証対象のコードと一致する第1コードが前記媒体情報記憶部にて記憶されているか否かの1次一致判定の結果に基づいて、1次認証を行う1次認証ステップと、前記1次認証が成立した後において前記コード取得ステップにより取得された2次認証対象のコードが、前記1次認証に際して前記媒体情報記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かの2次一致判定の結果に基づいて2次認証を行う2次認証ステップと、前記2次認証が成立したことに応じて、前記価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換ステップとを備える電子価値変換方法である。
【0008】
本発明の一態様は、価値交換媒体ごとに一意となる第1コードと、前記価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成され、前記価値交換媒体ごとに一意であって前記第1コードと異なる第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、前記第1コードと前記第2コードとを対応付けて記憶する媒体情報記憶部を備える電子価値変換システムにおける電子価値変換装置であって、価値交換媒体に付されたコードを取得するコード取得部と、前記コード取得部により取得された1次認証対象のコードと一致する第1コードが前記媒体情報記憶部にて記憶されているか否かの1次一致判定の結果に基づいて、1次認証を行う1次認証部と、前記1次認証が成立した後において前記コード取得部により取得された2次認証対象のコードが、前記1次認証に際して前記媒体情報記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かの2次一致判定の結果に基づいて2次認証を行う2次認証部と、前記2次認証が成立したことに応じて、前記価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換部とを備える電子価値変換装置である。
【0009】
本発明の一態様は、価値交換媒体ごとに一意となる第1コードと、前記価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成され、前記価値交換媒体ごとに一意であって前記第1コードと異なる第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、前記第1コードと前記第2コードとを対応付けて記憶する媒体情報記憶部を備える電子価値変換システムにおけるコンピュータを、価値交換媒体に付されたコードを取得するコード取得部、前記コード取得部により取得された1次認証対象のコードと一致する第1コードが前記媒体情報記憶部にて記憶されているか否かの1次一致判定の結果に基づいて、1次認証を行う1次認証部、前記1次認証が成立した後において前記コード取得部により取得された2次認証対象のコードが、前記1次認証に際して前記媒体情報記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かの2次一致判定の結果に基づいて2次認証を行う2次認証部、前記2次認証が成立したことに応じて、前記価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、価値交換媒体を電子価値に変換可能であることの認証が適切に行われるようになるとの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る電子価値交換システムの全体的構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る価値交換媒体の態様例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るユーザ端末の構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る電子価値交換サーバの構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る媒体情報の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る電子価値管理サーバの構成例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る電子価値付与情報の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係るユーザ端末、電子価値変換サーバ、及び電子価値管理サーバが、価値交換媒体を電子価値に変換するにあたって実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図10】本実施形態に係る電子価値変換サーバによる電子価値変換処理と、当該電子価値変換処理に応じた電子価値管理サーバの処理手順例とを示すフローチャートである。
【
図11】本実施形態に係るユーザ端末と電子価値変換サーバとが電子価値変換の処理の中断に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
図1は、本実施形態の電子価値変換システムの全体的な構成例を示す図である。本実施形態の電子価値変換システムは、ユーザ端末100、電子価値変換サーバ200(電子価値変換装置の一例)、及び電子価値管理サーバ300を備える。
【0013】
ユーザ端末100は、ユーザUが所持する端末である。ユーザ端末100には、価値交換媒体CKを電子価値に変換する機能を有する電子価値管理アプリケーションがインストールされている。ユーザUは、電子価値管理アプリケーションを動作させたユーザ端末100を用いることで価値交換媒体CKを電子価値に変換することが可能とされている。本実施形態において価値交換媒体CKから変換される電子価値は、例えば通販サイトや電子マネーカードなどで利用可能な電子マネー、ポイントカードで利用可能なポイントなどをはじめ特に限定されない。
ユーザ端末100は、例えばスマートフォンやタブレット端末等であってよい。
【0014】
電子価値変換サーバ200は、ネットワーク経由でユーザ端末100、電子価値管理サーバ300と通信可能に接続される。電子価値変換サーバ200は、接続されたユーザ端末100と連携して、価値交換媒体CKの認証を行う。電子価値変換サーバ200は、価値交換媒体CKから変換した電子価値が、電子価値管理サーバ300にてユーザUに対応して設定されるように制御する。
【0015】
本実施形態における価値交換媒体CKについての認証は2段階で行われる。
1段階目の認証(1次認証)は、価値交換媒体CKが真正のものであるか否かの認証である。
2段階目の認証(2次認証)は、価値交換媒体CKが無効化されているか否かの確認としての認証である。本実施形態の価値交換媒体CKは、例えば紙や樹脂等による所定形状の物理的な媒体に第1コードCD1、第2コードCD2が印刷された態様である。
【0016】
第1コードCD1は1次認証に対応してユーザ端末100が読み取り対象とするコードである。第1コードCD1は価値交換媒体CKの1枚ごとに一意(固有)となるコードである。第1コードCD1は、例えば製造番号等であってよい。
【0017】
第2コードCD2は2次認証に対応してユーザ端末100が読み取り対象とするコードである。第2コードCD2は価値交換媒体CKの1枚ごとに一意となるコードである。第2コードCD2は、例えば一定の数値範囲のうちで第2コードCD2として未使用のものうちからランダムに選択した値等であってよい。
【0018】
このような価値交換媒体CKは、1回の電子価値への変換が行われることに応じて物理的に2つに分割されることで無効化され、再使用が不可となる。2次認証は、価値交換媒体CKが無効化に対応して物理的に分割された状態であるか否かを確認する認証である。
【0019】
電子価値変換サーバ200は、1次認証と2次認証の成立に応じて価値交換媒体CKを電子価値に変換する。ここでの価値交換媒体CKの電子価値への変換は、2次認証の成立により無効化された価値交換媒体CKに応じて対応の電子価値を発生させ、発生させた電子価値をユーザUに付与することである。電子価値変換サーバ200が発生させた電子価値は、電子価値管理サーバ300にてユーザUに対応付けられるようにして管理される。
なお、電子価値管理サーバ300は、電子価値サービスの運営者ごとに対応して設けられてよい。
【0020】
図2(A)~
図2(C)を参照して、価値交換媒体CKの態様例と、ユーザUが価値交換媒体CKとユーザ端末100を用いて行う電子価値変換の手順例について説明する。
図2(A)は、使用前(無効化前)の状態の価値交換媒体CKの一例を示している。無効化前の価値交換媒体CKには、1次認証に対応する第1コードCD1と2次認証に対応する第2コードCD2とが印刷されている。同図において、第1コードCD1、第2コードCD2はそれぞれが二次元コードである場合を示しているが、例えばバーコード等の一次元コードであってよい。
【0021】
価値交換媒体CKには、図の縦方向に沿った所定位置にてミシン目pfが形成されている。
第1コードCD1は、ミシン目pfを境界にして左右に分割可能な位置に配置される。
【0022】
第2コードCD2は、予め左コード部分CD21と右コード部分CD22とに左右に分割される。そのうえで、左コード部分CD21は、右端がミシン目pfに沿うようにして配置される。右コード部分CD22は、左端がミシン目pfから右に一定の距離を隔てているとともに、左コード部分CD21に対して上下方向における位置がずらされるようにして配置される。このような左コード部分CD21と右コード部分CD22との位置関係では、左コード部分CD21の上下方向における中間を通過する水平方向の仮想線Lv1と、右コード部分CD22の上下方向における中間を通過する水平方向の仮想線Lv2とは同一直線上には存在しない状態となる。
【0023】
ユーザUは、例えば店舗やイベントが行われた場所等で係員等から価値交換媒体CKの配布を受ける。ユーザUは、配布を受けた場所にて以下の手順で電子価値変換までの手順を進める。
【0024】
まず、ユーザUは、自分が所持するユーザ端末100にて電子価値管理アプリケーションを起動させる。電子価値管理アプリケーションが起動されたユーザ端末100は、登録されたユーザUのアカウントにより電子価値変換サーバ200にログインする。
電子価値変換サーバ200にログインした電子価値管理アプリケーションは、例えば1次認証のために、価値交換媒体CKから第1コードCD1をユーザ端末100に読み取らせるようにユーザUに案内を行う。この際、ユーザ端末100は、コードの読み取りが可能なようにコードスキャナ(コード読取部)を動作させる。コードスキャナは、例えばカメラ(照射光の反射を検出するデバイスが用いられてもよい)を備えることで光学的にコードの読み取りを行う。
【0025】
ユーザUは、コードスキャナが動作するユーザ端末100により価値交換媒体CKに印刷された第1コードCD1を読み取らせる。
つまり、ユーザUは、価値交換媒体CKに印刷された第1コードCD1がユーザ端末100にて動作するカメラの撮像範囲に収まるようにする。これにより、カメラにより得られる撮像画像に第1コードCD1が含まれる状態となる。ユーザ端末100は撮像画像に含まれる第1コードCD1撮像画像からコードを抽出する。
ユーザ端末100は、抽出したコードを含む1次認証要求を電子価値変換サーバ200に送信する。
【0026】
なお、第2コードCD2は、左コード部分CD21と右コード部分CD22とで離間して配置された状態となっている。このため、第2コードCD2は、第1コードとともに撮像画像に含まれたとしてもコードスキャナはコードとして認識しないことから誤って読み取られることはない。
【0027】
電子価値変換サーバ200は、配布された価値交換媒体CKごとに、印刷された第1コードCD1と第2コードCD2とを対応付けた媒体情報を記憶している。電子価値変換サーバ200は、受信された1次認証要求に含まれていた第1コードCD1と媒体情報における第1コードCD1とを照合する(1次一致判定)。
【0028】
照合の結果、媒体情報における第1コードCD1のうちに1次認証要求に含まれていた第1コードCD1と一致するものが有った場合には、1次認証が成立したことになる。つまり、第1コードCD1の読み取りが行われた価値交換媒体CKは真正性を有するものであると認定される。
一方、照合の結果、媒体情報における第1コードCD1のうちに1次認証要求に含まれていた第1コードCD1と一致するものが無かった場合には、1次認証が成立しなかったことになる。つまり、第1コードCD1の読み取りが行われた価値交換媒体CKは真正性を有さず、偽物であると認定される。
【0029】
電子価値変換サーバ200は、第1認証結果をユーザ端末100に送信する。受信した第1認証結果が認証不成立を示していた場合、ユーザ端末100は、第1コードCD1の読み取りが行われた価値交換媒体CKは偽物であるため電子価値への変換が不可である旨のエラーメッセージをユーザUに向けて報知する。
【0030】
一方、受信した第1認証結果が認証成立を示していた場合、ユーザ端末100は、ユーザUに向けて、第2コードCD2をユーザ端末100に読み取らせるように案内を行う。第2コードCD2をユーザ端末100に読み取らせるには、価値交換媒体CKをミシン目pfから切り離し、切り離しによって得られる左側媒体片pi1と右側媒体片pi2とを組み合わせることで、左コード部分CD21と右コード部分CD22とにより1つの第2コードCD2が形成されるようにする必要がある。
価値交換媒体CKの切り離しは、物理媒体である価値交換媒体CKを無効化し、以降は使用不可とするために行われる。このため、第2コードCD2がユーザ端末100により読み取り可能になったということは、価値交換媒体CKが切り離されて以降の使用が不可の状態となったことを意味する。
【0031】
図2(A)にて示されるように、左コード部分CD21と右コード部分CD22とは、それぞれの仮想線Lv1、Lv2が同一直線上に存在しないように価値交換媒体CKにて配置されている。このような配置により、単に価値交換媒体CKにおける左コード部分CD21と右コード部分CD22との間を折り曲げても第2コードCD2を形成することはできず、第2コードCD2を形成するには必ず価値交換媒体CKを切り離さなければならない。つまり、
図2(A)の左コード部分CD21と右コード部分CD22の配置により、価値交換媒体CKを切り離さずに第2コードCD2の読み取りが可能なようにして、価値交換媒体CKを再度利用して電子価値変換を受けようとする不正を防止することができる。
【0032】
ユーザ端末100による第2コードCD2の読み取りの案内に応じて、ユーザUは、ユーザ端末100の案内に従って価値交換媒体CKをミシン目pfから切り離す。ユーザ端末100による第2コードCD2の読み取りの案内においては、価値交換媒体CKをミシン目pfから切り離す手順がユーザUに向けて案内されてよい。
【0033】
図2(B)は、ミシン目pfから切り離された価値交換媒体CKを示している。価値交換媒体CKは、ミシン目pfにて切り離されたことで、左側媒体片pi1と右側媒体片pi2とに分割される。左側媒体片pi1には、第1コードCD1の左コード部分CD11と、第2コードCD2の左コード部分CD21とが配置される。右側媒体片pi2には、第1コードCD1の右コード部分CD12と、第2コードCD2の右コード部分CD22とが配置される。
ユーザUは、切り離された左側媒体片pi1と右側媒体片pi2とについて、
図2(C)に示すように、左コード部分CD21の右端と右コード部分CD22の左端とを合わせることで、第2コードCD2が形成されるようにする。この際、仮想線Lv1と仮想線Lv2とは同一直線上に存在する状態となる。
ユーザUは、形成された第2コードCD2をユーザ端末100のコードスキャナに読み取らせる。ユーザ端末100は読み取った第2コードCD2を含む2次認証要求を電子価値変換サーバ200に送信する。
【0034】
この際、
図2(C)に示されるように、左コード部分CD11の右側部分と右コード部分CD12の左側部分とが重複している。このため、コードスキャナは、第1コードCD1をコードとして認識しないため、誤って読み取ることがない。
【0035】
電子価値変換サーバ200は、受信された2次認証要求に含まれていた第2コードCD2と自己が記憶する媒体情報における第2コードCD2とを照合する(2次一致判定)。
照合の結果、自己が記憶する媒体情報における第2コードCD2のうちに2次認証要求に含まれていた第2コードCD2と一致するものが有った場合には、2次認証が成立したことになる。2次認証の成立は、物理媒体である価値交換媒体CKについて、切り離しが行われており無効化されることが確認できたことを意味する。
一方、照合の結果、自己が記憶する媒体情報における第2コードCD2のうちに2次認証要求に含まれていた第2コードCD2と一致するものが無かった場合には、2次認証が成立しなかったことになる。2次認証の不成立は、物理媒体である価値交換媒体CKについて、切り離しによる無効化が確認できていないことを意味する。
【0036】
電子価値変換サーバ200は、第2認証結果をユーザ端末100に送信する。ユーザ端末100は、受信した第2認証結果が認証不成立を示していた場合、ユーザUに向けて無効化が確認できないため電子価値への変換が不可である旨のエラーメッセージをユーザUに向けて報知する。
一方、受信した第2認証結果が認証成立を示していた場合、ユーザ端末100は、電子価値管理サーバ300に、電子価値変換要求を送信する。電子価値変換要求には、対応のユーザUを特定可能なユーザIDと、今回の2次認証に対応して価値交換媒体CKから読み取った第2コードCD2とが含まれる。
【0037】
電子価値管理サーバ300は、価値交換媒体CKの第2コードCD2に変換後の電子価値を対応付けた電子価値情報を記憶している。電子価値管理サーバ300は、受信した電子価値変換要求に含まれる第2コードCD2に対応付けられた電子価値を電子価値情報から取得する。電子価値管理サーバ300は、取得した電子価値と、受信した電子価値変換要求に含まれていたユーザIDとを含む電子価値登録要求を、電子価値変換サーバ200に送信する。
【0038】
電子価値変換サーバ200は、電子価値登録要求の受信に応じて、受信された電子価値登録要求に含まれるユーザIDが示すユーザに、受信された電子価値登録要求に含まれる電子価値が対応付けられるように管理する。
電子価値変換サーバ200は、ユーザ端末100に、価値交換媒体CKから電子価値への変換が完了した旨の通知(変換完了通知)をユーザ端末100に送信する。ユーザ端末100は、変換完了通知の受信に応じて、価値交換媒体CKから電子価値への変換が完了した旨をユーザUに向けて報知する。
【0039】
ユーザUは、ユーザ端末100にて行われた報知により電子価値への変換完了が行われたことを確認すると、使用済みとなった切り離し後の価値交換媒体CKを廃棄する。
【0040】
電子価値管理アプリケーションを用いた電子価値への変換は、電子価値管理アプリケーションのアクティブな状態が継続している状態で行われることが要件となる。換言すれば、電子価値への変換が完了するまでの間において、電子価値管理アプリケーションが非アクティブの状態となった場合には、非アクティブとなったタイミングで、これまでの電子価値への変換に対応する処理が中断される。非アクティブの状態は、電子価値管理アプリケーションが終了した状態、あるいは終了していないがバックグラウンドで動作する状態等である。また、非アクティブの状態は、例えば電子価値管理アプリケーション自体はアクティブ状態であってフォアグラウンドで動作しているが、電子価値変換機能とは異なる他の機能のアプリケーション画面に遷移したような場合も含まれてよい。
【0041】
電子価値への変換に対応する処理が中断された場合には、例えばこれまでの1次認証、2次認証の成立は無効となる。このため、ユーザUが電子価値への変換を再開させようとする場合には、1次認証に対応してユーザ端末100により価値交換媒体CKから第1コードCD1を読み取らせる操作から行うことになる。
このように電子価値管理アプリケーションのアクティブな状態が継続している状態のもとで1次認証及び2次認証を経て電子価値への変換が行われることを要件とすることで、不正防止の強化を図ることができる。
【0042】
また、電子価値管理アプリケーションを用いた電子価値への変換にあたり、1次認証が成立してから一定時間内に2次認証に対応してユーザ端末100が第2コードの読み取りを行わなかった場合には、これまでの電子価値への変換に対応する処理が中断される。
このように1次認証の成立から一定時間内にユーザ端末100による第2コードの読み取りが行われなかった場合にも電子価値への変換が行われないようにすることで、不正防止の強化を図ることができる。
【0043】
このようにして、本実施形態の電子価値変換システムは、価値交換媒体CKをユーザUが利用可能な電子価値に変化することができる。
【0044】
図3を参照して、ユーザ端末100の機能構成例について説明する。ユーザ端末100は、通信部101、コード読取部102、操作部103、表示部104、制御部105、及び記憶部106を備える。
【0045】
通信部101は、ネットワーク経由で電子価値変換サーバ200、電子価値管理サーバ300と通信を行う。
【0046】
コード読取部102は、画像からコードを読み取るコードスキャナとして機能する。具体的に、コード読取部102は、ハードウェアとしてカメラを備え、当該カメラにより撮像して得られた撮像画像に含まれるコードを抽出する。
【0047】
操作部103は、ユーザ端末100に備えられる操作子や入力デバイスに対して行われた操作を受け付ける。
表示部104は、ディスプレイデバイスを備え、制御部105の制御に応じて画像を表示する。
なお、ユーザ端末100は、表示面に対して操作が可能とされたタッチパネルを備えてよい。
【0048】
制御部105は、ユーザ端末100における各種制御を実行する。
記憶部106は、ユーザ端末100に関連する各種の情報を記憶する。
【0049】
図4を参照して、電子価値変換サーバ200の機能構成例について説明する。電子価値変換サーバ200は、通信部201、制御部202、及び記憶部203を備える。
【0050】
通信部101は、ネットワーク経由でユーザ端末100、電子価値管理サーバ300と通信を行う。
【0051】
制御部202は、電子価値変換サーバ200における各種の制御を実行する。制御部202は、コード取得部221、1次認証部222、2次認証部223、電子価値変換部224、及び中断処理部225を備える。
コード取得部221は、ユーザ端末100から送信される1次認証要求や2次認証要求に含まれるコードを取得する。
1次認証部222は、コード取得部221により1次認証要求から取得されたコードを対象として1次認証を実行する。
2次認証部223は、コード取得部221により2次認証要求から取得されたコードを対象として2次認証を実行する。
【0052】
電子価値変換部224は、ユーザ端末100から送信された電子価値変換要求の受信に応じて、受信された電子価値変換要求に含まれるユーザIDが示すユーザに、対象の価値交換媒体CKに対応する電子価値が付与されたものとして電子価値管理サーバ300にて管理されるように制御する。
【0053】
中断処理部225は、ユーザ端末100にて電子価値管理アプリケーションが非アクティブの状態となったことに応じて、これまでの電子価値への変換のための処理を中断させる。
【0054】
記憶部203は、電子価値変換サーバ200に関連する各種の情報を記憶する。記憶部203は、ユーザ情報記憶部231と媒体情報記憶部232を備える。
【0055】
ユーザ情報記憶部231は、ユーザUごとのユーザ情報を記憶する。
図5は、1のユーザUに対応するユーザ情報の内容例を示している。1のユーザUに対応するユーザ情報は、ユーザアカウントとユーザプロフィールとの領域を含む。
ユーザアカウントの領域は、対応のユーザUのユーザアカウントを格納する。ユーザアカウントは、ユーザIDと当該ユーザIDに対応付けられたパスワード、ユーザアカウントが登録された電子価値管理アプリケーションのアプリケーションID等を含んでよい。
ユーザプロフィールの領域は、対応のユーザUのユーザプロフィールを格納する。ユーザプロフィールには、対応のユーザUのユーザ名、性別、年齢等が含まれてよい。
【0056】
説明を
図4に戻す。媒体情報記憶部232は、これまでに発行(製造)された価値交換媒体CKごとに対応して、付されているコード(第1コードCD1、第2コードCD2)と変換可能な電子価値(変換電子価値)とを記憶する。
図6は、媒体情報記憶部232が記憶する媒体情報の一例を示している。同図における1行(1レコード)が1つの価値交換媒体CKに対応する媒体情報である。1つの価値交換媒体CKに対応する媒体情報は、対応の価値交換媒体CKに付された第1コードCD1と第2コードCD2と変換電子価値とを対応付けて格納した情報である。
変換電子価値は、対応の価値交換媒体CKから変換される電子価値の内容を示す。具体的に、価値交換媒体CKが金額に変換可能なものである場合には、変換電子価値は、変換可能な金額を示す。価値交換媒体CKがポイントに変換可能なものである場合には、変換電子価値は、変換後のポイント数を示す。
【0057】
図7を参照して、電子価値管理サーバ300の機能構成例について説明する。電子価値管理サーバ300は、通信部301、制御部302、及び記憶部303を備える。
通信部301は、ネットワーク経由でユーザ端末100、電子価値変換サーバ200と通信を行う。
制御部302は、電子価値管理サーバ300における各種の制御を実行する。
【0058】
記憶部303は、電子価値管理サーバ300に関連する各種の情報を記憶する。記憶部303は、電子価値付与情報記憶部331を備える。
【0059】
電子価値付与情報記憶部331は、電子価値付与情報を記憶する。電子価値付与情報は、ユーザUごとに付与された電子価値(付与電子価値)を示す。
図8は、電子価値付与情報記憶部331が記憶する電子価値付与情報の一例を示している。同図における1行(1レコード)が1のユーザUに対応する電子価値付与情報である。1のユーザUに対応する電子価値付与情報は、ユーザIDに付与電子価値を対応付けた情報である。
【0060】
図9のフローチャートを参照して、ユーザ端末100、電子価値変換サーバ200、及び電子価値管理サーバ300が、価値交換媒体CKから電子価値への変換にあたって実行する処理手順例について説明する。
まず、ユーザ端末100が実行する処理手順例について説明する。
【0061】
ステップS100:ユーザUは、価値交換媒体CKを電子価値に変換するにあたり、電子価値管理アプリケーションを起動させる。起動された電子価値管理アプリケーションは、登録されたユーザアカウントを用いて電子価値変換サーバ200にログインする。電子価値管理アプリケーションは、起動に応じてホーム画面を表示部104に表示する。ユーザUは、表示されたホーム画面に対する操作を行い、電子価値変換に対応するアプリケーション画面に遷移させる。
上記のように電子価値変換に対応するアプリケーション画面が表示されたことに応じて、制御部105は、アプリケーション画面上でユーザUに向けて第1コードCD1を読み取らせる操作を行うように案内する表示を行う。
【0062】
ステップS102:ユーザUは、ステップS100により表示された案内に従って、未だ切り離していない状態の価値交換媒体CKに印刷されている第1コードCD1をユーザ端末100に読み取らせる操作を行う。この操作に応じて、ユーザ端末100のコード読取部102は、1回目のコードの読み取りとして、カメラにより撮像して得られた撮像画像内のコードを抽出する。
【0063】
ステップS104:ユーザ端末100において制御部105は、1次認証要求を電子価値変換サーバ200に送信する。1次認証要求は、ユーザ端末100にて動作する電子価値管理アプリケーションに登録されたユーザUのユーザID(電子価値管理アプリケーションを一意に示すアプリケーションIDでもよい)と、ステップS102により読み取られたコードとを含む。
【0064】
ステップS106:ステップS104により送信した1次認証要求に応じて、電子価値変換サーバ200は1次認証を実行し、1次認証結果をユーザ端末100に送信する。ユーザ端末100の制御部105は、受信された1次認証結果に基づき認証が成立したか否かを判定する。
【0065】
ステップS108:ステップS106にて認証が成立したと判定した場合、制御部105は、アプリケーション画面上で1次認証が成立したことをユーザUに向けて報知する表示を行う。また、制御部105は、アプリケーション画面上で、次に、価値交換媒体CKを切り離して第2コードCD2をユーザ端末100に読み取らせる操作を行ってもらうようにユーザUに案内する表示を行う。
【0066】
ステップS110:ユーザUは、ステップS108により表示された案内に従って、価値交換媒体CKを切り離し、左側媒体片pi1と右側媒体片pi2とを組み合わせて第2コードCD2を形成させる。ユーザUは、形成した第2コードCD2を、ユーザ端末100に読み取らせる操作を行う。この操作に応じて、ユーザ端末100のコード読取部102は、2回目のコードの読み取りとして、カメラにより撮像して得られた撮像画像内のコードを抽出する。
【0067】
ステップS112:制御部105は、2次認証要求を電子価値変換サーバ200に送信する。2次認証要求は、ユーザ端末100にて動作する電子価値管理アプリケーションに登録されたユーザUのユーザID(電子価値管理アプリケーションを一意に示すアプリケーションIDでもよい)と、ステップS110により読み取られたコードとを含む。
【0068】
ステップS114:ステップS112により送信した2次認証要求に応じて、電子価値変換サーバ200は2次認証を実行し、2次認証結果をユーザ端末100に送信する。ユーザ端末100の制御部105は、受信された2次認証結果に基づき認証が成立したか否かを判定する。
【0069】
ステップS116:ステップS114にて2次認証結果が認証成立を示していると判定された場合、制御部105は、電子価値変換要求を電子価値変換サーバ200に送信する。電子価値変換要求には、起動されている電子価値管理アプリケーションに登録されたユーザUのユーザIDと、今回のステップS110にて読み取ったコードとが含まれる。2次認証が成立した場合、今回のステップS110にて読み取ったコードは、正当な第2コードCD2であることになる。
【0070】
ステップS118:ステップS116により送信した電子価値変換要求に応じて、電子価値変換サーバ200は、今回対象とされた価値交換媒体CKに対応する電子価値をユーザUに対応付けて付与するための電子価値変換処理を実行する。電子価値変換処理を完了させた電子価値変換サーバ200は、電子価値変換処理が完了したことの通知(変換完了通知)をユーザ端末100に送信する。
ユーザ端末100において制御部105は、変換完了通知が受信されたことに応じて、ユーザUに向けて電子価値への変換が完了したことの報知を行う。電子価値への変換が完了したことの報知は、例えば表示部104におけるアプリケーション画面上にて行われてよい。
【0071】
ステップS120:ステップS106にて1次認証が不成立であったと判定された場合、ユーザ端末100の制御部105は、ステップS108以降の処理を実行することなく、1次認証が不成立であったことをユーザUに向けて報知する。1次認証が不成立であったことの報知は、例えば表示部104におけるアプリケーション画面上にて行われてよい。
また、ステップS114にて2次認証が不成立であったと判定された場合、制御部105は、ステップS116以降の処理を実行することなく、2次認証が不成立であったことをユーザUに向けて報知する。
【0072】
次に、電子価値変換サーバ200が実行する処理手順例について説明する。
ステップS200:電子価値変換サーバ200は、ステップS104によりユーザ端末100から1次認証要求が送信されたことに応じて、以下のように1次認証処理を実行する。
コード読取部102は、受信された1次認証要求からコード(ステップS102により読み取られたコード)を取得する。
1次認証部222は、コード読取部102により取得されたコードと一致する第1コードを媒体情報記憶部232から検索する(1次一致判定)。
コード読取部102により取得されたコードと一致する第1コードが媒体情報記憶部232から検索された場合には、1次認証が成立したことになる。1次認証が成立したことにより、対象の価値交換媒体CKは真正性を有するものとして認定されたことになる。
一方、コード読取部102により取得されたコードと一致する第1コードが媒体情報記憶部232から検索されなかった場合には、1次認証が不成立となる。1次認証が不成立となった場合、対象の価値交換媒体CKは真正性を有さないものとして認定されたことになる。
【0073】
ステップS202:1次認証部222は、ステップS200による1次認証処理の結果、1次認証が成立したか否かを判定する。
【0074】
ステップS204:ステップS202により1次認証が成立したと判定された場合、1次認証部222は、認証成立を示す1次認証結果をユーザ端末100に送信する。
【0075】
ステップS206:ステップS202により1次認証が不成立であったと判定された場合、1次認証部222は、認証不成立を示す1次認証結果をユーザ端末100に送信する。
【0076】
ステップS208:ステップS204により認証成立を示す1次認証結果が送信された後、ユーザ端末100からは2回目のコードの読み取りにより得られたコードを含む2次認証要求が送信される。電子価値変換サーバ200は、2次認証要求が受信されたことに応じて、以下のように2次認証処理を実行する。
コード読取部102は、受信された2次認証要求からコード(ステップS110により読み取られたコード)を取得する。
2次認証部223は、ステップS200の1次認証において検索された第1コードと対応付けられるようにして媒体情報に格納されている第2コードを取得する。2次認証部223は、媒体情報から取得した第2コードとコード読取部102が2次認証要求から取得したコードとを照合し、両者が一致するか否か(2次一致判定)により2次認証を行う。
両者が一致した場合、2次認証が成立したことになる。2次認証の成立により、対象の価値交換媒体CKは切り離されて無効な状態であるとの確認が得られる。
一方、両者が一致していない場合、2次認証が不成立であったことになる。2次認証が不成立であった場合、対象の価値交換媒体CKが切り離されて無効な状態であることの確認が得られなかったことになる。
また、2次認証部223は、先の1次認証処理(ステップS200)に対応して受信された1次認証要求に含まれていたのと同じユーザID(またはアプリケーションIDでもよい)を含む2次認証要求が受信されなければ、当該ステップS208の2次認証処理を実行しない。このように2次認証要求に含まれるユーザIDに基づいて2次認証処理の実行の可否が設定されることで、1回目のコード読み取りを行ったユーザ端末100と2回目のコード読み取りを行ったユーザ端末100とが異なるような不正、誤操作の防止が図られる。
【0077】
ステップS210:2次認証部223は、ステップS208よる2次認証処理の結果、2次認証が成立したか否かを判定する。
【0078】
ステップS212:ステップS210により2次認証が成立したと判定された場合、2次認証部223は、認証成立を示す2次認証結果をユーザ端末100に送信する。
【0079】
ステップS214:ステップS210により1次認証が不成立であったと判定された場合、1次認証部222は、認証不成立を示す1次認証結果をユーザ端末100に送信する。
【0080】
ステップS216:2次認証が成立したことに応じて、電子価値変換部224は、ユーザ端末100の電子価値管理アプリケーションに登録されたユーザアカウントに対応するユーザUに電子価値を付与するための電子価値変換処理を実行する。
【0081】
ステップS218:ステップS216による電子価値変換処理の完了に応じて、電子価値変換部224は、変換完了通知をユーザ端末100に送信する。
【0082】
なお、電子価値変換部224は、電子価値変換処理の完了に応じて、対応の媒体情報に対して、電子価値への変換が行われて価値交換媒体CKが使用済となったことを示す使用済情報を格納させるようにしてよい。
【0083】
図10のフローチャートは、
図9のステップS216としての電子価値変換処理と、当該電子価値変換処理に応じた電子価値管理サーバ300の処理手順例とを示している。
ステップS300:電子価値変換サーバ200において電子価値変換部224は、今回対象とされた価値交換媒体CKから変換される電子価値の内容を特定する。このため、電子価値変換部224は、ステップS116によりユーザ端末100から送信された電子価値変換要求に含まれていた第2コードCD2に対応付けられている変換電子価値を媒体情報記憶部232から取得する。このように取得された変換電子価値が、特定された電子価値の内容となる。当該ステップS300による電子価値の内容の特定は、価値交換媒体CKから変換される電子価値を発生させたものとしてみることができる。
【0084】
ステップS302:電子価値変換部224は、電子価値管理サーバ300に電子価値付与要求を送信する。電子価値付与要求には、ステップS300により特定された電子価値の内容の情報と、ユーザ端末100から送信された1次認証要求または2次認証要求とに含まれていたユーザIDとを含む。
このような電子価値付与要求の送信は、電子価値変換部224は、電子価値管理サーバ300にて対応のユーザUに電子価値が付与されるようにするための制御となる。
【0085】
ステップS304:ステップS302により送信した電子価値付与要求に応じて、電子価値管理サーバ300は、電子価値をユーザUに付与したうえで、付与完了通知を電子価値変換サーバ200に送信する。電子価値変換部224は、送信された付与完了通知を受信する。電子価値変換部224は、付与完了通知の受信により、ユーザUへの電子価値の付与が完了したことを認識できる。
【0086】
次に、電子価値管理サーバ300が実行する処理手順例について説明する。
ステップS400:ステップS302により電子価値変換サーバ200から送信された電子価値付与要求を受信したことに応じて、電子価値管理サーバ300の制御部302は、電子価値付与処理を実行する。
電子価値付与処理として、制御部302は、受信した電子価値付与要求に含まれるのと同じユーザIDを格納する電子価値付与情報を電子価値付与情報記憶部331から検索する。制御部302は、検索した電子価値付与情報における付与電子価値に、受信した電子価値付与要求に含まれていた電子価値の内容の情報に基づく電子価値としての金額あるいはポイント等を加算する。このようにして電子価値付与処理が行われる。
【0087】
ステップS402:ステップS400による電子価値付与処理が完了すると、制御部302は、電子価値変換サーバ200に付与完了通知を送信する。
【0088】
先に
図9に示した処理は、前述のようにユーザ端末100が非アクティブの状態となったことに応じて中断される。また、
図9に示される処理は、ユーザ端末100での1回目のコード読み取りが行われた後において2回目のコード読み取りが行われることなく所定時間を経過した場合にも中断される。
【0089】
図11のフローチャートを参照して、ユーザ端末100と電子価値変換サーバ200とが電子価値変換の処理の中断に関連して実行する処理手順例について説明する。
まず、ユーザ端末100が、電子価値管理アプリケーションが非アクティブの状態に遷移したことに応じて実行する処理手順例について説明する。
ステップS500:ユーザ端末100において制御部105は、現在においてアクティブの状態で動作する電子価値管理アプリケーションが非アクティブの状態に遷移するのを待機している。
【0090】
ステップS502:電子価値管理アプリケーションが非アクティブの状態に遷移すると、制御部105は、ユーザ端末100にて電子価値変換に対応してこれまで実行されていた処理を中断させ、電子価値管理アプリケーションを初期状態に遷移させる。具体的に、制御部302は、初期状態として例えば電子価値管理アプリケーションのホーム画面が表示された状態に遷移させてよい。
【0091】
ステップS504:また、制御部105は、電子価値管理サーバ300に、電子価値管理アプリケーションが非アクティブの状態に遷移したことの通知(非アクティブ遷移通知)を送信する。
【0092】
次に、ユーザ端末100が1回目のコード読み取りから2回目のコード読み取りまでの時間経過に応じて実行する処理手順例について説明する。
ステップS510:また、ユーザ端末100における制御部105は、1回目のコードの読み取りが実行されるのを待機する。
ステップS512:1回目のコードの読み取りが実行されたことに応じて、制御部105は、計時を開始する。
【0093】
ステップS514:ステップS512による計時の開始後において、制御部105は、2回目のコードの読み取りが実行されたか否かを判定する。2回目のコードの読み取りが実行されたと判定された場合には同図の処理が終了されてよい。
ステップS516:ステップS514にて2回目のコードの読み取りが実行されないと判定された場合、制御部105は、ステップS512による計時の開始から所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していない場合には、ステップS514に処理が戻される。
【0094】
ステップS518:2回目のコードの読み取りが実行されることなくステップS516にて所定時間が経過したと判定された場合、制御部105は、ユーザ端末100にて電子価値変換に対応してこれまで実行されていた処理を中断させ、電子価値管理アプリケーションを初期状態に遷移させる。
【0095】
ステップS520:また、制御部105は、電子価値管理サーバ300に、電子価値管理アプリケーションがタイムアウトにより初期状態に遷移したことの通知(タイムアウト通知)を送信する。
【0096】
次に、電子価値変換サーバ200がユーザ端末100から送信された非アクティブ遷移通知またはタイムアウト通知の受信に応じて実行する処理手順例について説明する。
ステップS600:電子価値変換サーバ200において中断処理部225は、ユーザ端末100からステップS504により送信された非アクティブ遷移通知またはステップS520により送信されたタイムアウト通知を受信する。
【0097】
ステップS602:非アクティブ遷移通知またはタイムアウト通知の受信に応じて、中断処理部225は、これまでにユーザ端末100からの認証要求(1次認証要求または2次認証要求)に応じて実行してきた処理を中断させる。
【0098】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
1次認証と2次認証との少なくともいずれかに対応してコードの読み取りを行うにあたり、学習済モデルが用いられよい。学習済モデルは、例えば撮像角度、撮像距離、照明の種類、明るさ等の撮像条件の組み合わせを適宜異ならせてコードを撮像した撮像画像を学習データとして入力して学習器を学習させることによって構築されたものであってよい。このような学習済モデルを利用することで、撮像画像からコードを抽出する精度を高めることが可能になる。このような学習済モデルを用いたコード読取機能は、例えばユーザ端末100のコード読取部102が備えるようにされてよい。
あるいは、上記の学習済モデルを備えるコード読取部102を電子価値変換サーバ200に設け、ユーザ端末100からは撮像画像を電子価値変換サーバ200に送信するように構成されてもよい。
【0099】
[第2変形例]
2次認証にあたり、ユーザ端末100は、電子価値変換サーバ200に送信する1次認証要求と2次認証要求にコードを撮像して得られた撮像画像を含めてよい。このような撮像画像には、コード周辺の背景も含まれる。
この場合、電子価値変換サーバ200の2次認証部223は、2次認証処理にあたり、2回目に読み取られたコードと媒体情報記憶部232に記憶される第2コードとの照合に加えて、1次認証要求に含まれていた撮像画像の背景と2次認証要求に含まれていた撮像画像の背景とを比較した結果も利用してよい。2次認証部223は、1次認証要求に含まれていた撮像画像の背景と2次認証要求に含まれていた撮像画像の背景との一致度が高ければ、1回目のコードの読み取りと2回目のコードの読み取りは同じ場所にて行われたとして判断し、認証成立に寄与する情報として利用してよい。一方、1次認証要求に含まれていた撮像画像の背景と2次認証要求に含まれていた撮像画像の背景との一致度が低い場合には、2次認証部223は、1回目のコードの読み取りと2回目のコードの読み取りは異なる場所にて行われたとして判断する。このような判断が得られた場合には、2次認証部223は、例えば不正が行われた確率を高めたうえで、認証正否の判断を行うようにしてよい。このようにして、撮像画像におけるコード周辺の背景を利用することで、不正が行われる確率を加味して2次認証の正否を判定することが可能となり、不正防止の強化を図ることができる。
【0100】
[第3変形例]
例えば電子価値変換サーバ200において、これまでの電子価値変換の処理ごとに応じた認証処理(1次認証、2次認証)の履歴を示す認証履歴情報を記憶するようにされてよい。
【0101】
[第4変形例]
図2(A)に示した価値交換媒体CKにおけるミシン目pfは、直線状である場合を例に挙げた。本変形例において、ミシン目pfは、所定の位置にて複数の所定形状による凹凸部分があってよい。そのうえで、ミシン目pfに沿って切り離した後、一方の媒体片の所定の凸部と他方の媒体片の所定の凹部とを噛み合わせた際に、左コード部分CD21と右コード部分CD22とが正しく合わさって第2コードCD2が形成されるようにしてよい。このようにミシン目pfが形成されていることで、ユーザUが第2コードCD2の形成を行いやすくなる。
【0102】
[第5変形例]
第2コードCD2は、3以上に分割されたコード部分が互いに離間した状態で価値交換媒体CKにて配置されてよい。この場合には、分割されたコード部分を含む3以上の媒体片が得られるように価値交換媒体CKを切り離して第2コードCD2が形成される。
【0103】
[第6変形例]
価値交換媒体CKは、例えば物理的な媒体ではなく、例えば現場において設けられたディスプレイなどに表示されるものであってもよい。この場合、ユーザUは、ディスプレイに表示された価値交換媒体CKをユーザ端末100により撮像して第1コードCD1を読み取らせ、表示された価値交換媒体CKを切り離し、切り離された媒体片を移動させて第2コードCD2が形成されるように操作を行ったうえで、第2コードCD2をユーザ端末100により撮像して読み取らせてよい。
【0104】
[第7変形例]
なお、電子価値変換システムにおける装置の構成は、上記実施形態の例に限定されない。上記実施形態では、電子価値変換サーバ200がユーザ情報記憶部231を備えることでユーザ情報を管理するようにされている。これに対して、例えば、ユーザを管理するユーザ情報サーバが電子価値変換サーバ200とは別に設けられてよい。
また、例えば電子価値変換サーバ200と電子価値管理サーバ300とが統合されて1つのサーバとして構成されてもよい。
また、電子価値変換サーバ200における記憶部203や電子価値管理サーバ300の記憶部203に記憶される所定の情報は、電子価値変換サーバ200や電子価値管理サーバ300と異なるデータストレージサーバ等に記憶されてよい。
【0105】
なお、上述のユーザ端末100、電子価値変換サーバ200、及び電子価値管理サーバ300等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のユーザ端末100、電子価値変換サーバ200、及び電子価値管理サーバ300等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるHDD、SSD等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0106】
<付記>
(1)本実施形態の一態様は、価値交換媒体ごとに一意となる第1コードと、前記価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成され、前記価値交換媒体ごとに一意であって前記第1コードと異なる第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、前記第1コードと前記第2コードとを対応付けて記憶する媒体情報記憶部と、価値交換媒体に付されたコードを取得するコード取得部と、前記コード取得部により取得された1次認証対象のコードと一致する第1コードが前記媒体情報記憶部にて記憶されているか否かの1次一致判定の結果に基づいて、1次認証を行う1次認証部と、前記1次認証が成立した後において前記コード取得部により取得された2次認証対象のコードが、前記1次認証に際して前記媒体情報記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かの2次一致判定の結果に基づいて2次認証を行う2次認証部と、前記2次認証が成立したことに応じて、前記価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換部とを備える電子価値変換システムである。
【0107】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の電子価値交換システムであって、前記価値交換媒体は、前記第1コードと前記第2コードとを付した物理的な媒体である。
【0108】
(3)本実施形態の一態様は、(2)に記載の電子価値変換システムであって、前記価値交換媒体において、前記第2コードは2つのコード部分に分割され、前記2つのコード部分は、前記第2コードに設けた仮想線が同一直線上に存在しない位置関係により互いに離間して配置される。
【0109】
(4)本実施形態の一態様は、(3)に記載の電子価値変換システムであって、前記2次認証は、前記価値交換媒体が切り離されたことにより無効化されたことの確認を行うものである。
【0110】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれか1つに記載の電子価値変換システムであって、前記コード取得部は、ユーザ端末が前記価値交換媒体から光学的に読み取ったコードを取得する。
【0111】
(6)本実施形態の一態様は、(5)に記載の電子価値変換システムであって、前記2次認証部は、前記2次認証に用いるコードが、前記1次認証にて用いられたコードを読み取ったのと同じユーザ端末により読み取られたものである場合に、前記2次認証を行う。
【0112】
(7)本実施形態の一態様は、(1)から(6)のいずれか1つに記載の電子価値変換システムであって、前記コード取得部が取得するコードは、ユーザ端末により読み取られたタイミングに応じた時刻が付与されており、前記2次認証部は、前記1次認証に用いられたコードに付与されていた時刻から所定時間以内に前記コード取得部によりコードが取得された場合に前記2次認証を行う。
【0113】
(8)本実施形態の一態様は、(1)から(7)のいずれか1つに記載の電子価値変換システムであって、ユーザ端末にて動作し前記コードを読み取る機能を含むアプリケーションが非アクティブの状態となったことに応じて、前記電子価値変換システムがこれまでに実行してきた処理を中断させる処理中断部をさらに備える。
【0114】
(9)本実施形態の一態様は、(1)から(8)のいずれか1つに記載の電子価値変換システムであって、前記1次認証部は、前記媒体情報記憶部に記憶される第1コードをそれぞれ異なる撮像条件により撮像して得られた画像を学習器に入力して学習させた学習済モデルを用いて、前記1次一致判定を行う。
【0115】
(10)本実施形態の一態様は、(1)から(9)のいずれか1つに記載の電子価値変換システムであって、前記2次認証部は、前記媒体情報記憶部に記憶される第2コードをそれぞれ異なる撮像条件により撮像して得られた画像を学習器に入力して学習させた学習済モデルを用いて、前記2次一致判定を行う。
【0116】
(11)本実施形態の一態様は、(1)から(10)のいずれか1つに記載の電子価値変換システムであって、前記2次認証部は、2次認証にあたり、前記1次一致判定に対応して前記コード取得部が取得したコードを含む撮像画像における背景の画像と、今回の2次一致判定に対応して前記コード取得部が取得したコードを含む撮像画像における背景の画像とを比較した結果に基づいて、前記1次一致判定に対応してコードを撮像した場所と今回の2次一致判定に対応してコードを撮像した場所とが一致しているか否かの結果をさらに用いる。
【0117】
(12)本実施形態の一態様は、電子価値変換システムにおける電子価値変換方法であって、前記電子価値変換システムは、価値交換媒体ごとに一意となる第1コードと、前記価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成され、前記価値交換媒体ごとに一意であって前記第1コードと異なる第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、前記第1コードと前記第2コードとを対応付けて記憶する媒体情報記憶部を備え、価値交換媒体に付されたコードを取得するコード取得ステップと、前記コード取得ステップにより取得された1次認証対象のコードと一致する第1コードが前記媒体情報記憶部にて記憶されているか否かの1次一致判定の結果に基づいて、1次認証を行う1次認証ステップと、前記1次認証が成立した後において前記コード取得ステップにより取得された2次認証対象のコードが、前記1次認証に際して前記媒体情報記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かの2次一致判定の結果に基づいて2次認証を行う2次認証ステップと、前記2次認証が成立したことに応じて、前記価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換ステップとを備える電子価値変換方法である。
【0118】
(13)本実施形態の一態様は、価値交換媒体ごとに一意となる第1コードと、前記価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成され、前記価値交換媒体ごとに一意であって前記第1コードと異なる第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、前記第1コードと前記第2コードとを対応付けて記憶する媒体情報記憶部を備える電子価値変換システムにおける電子価値変換装置であって、価値交換媒体に付されたコードを取得するコード取得部と、前記コード取得部により取得された1次認証対象のコードと一致する第1コードが前記媒体情報記憶部にて記憶されているか否かの1次一致判定の結果に基づいて、1次認証を行う1次認証部と、前記1次認証が成立した後において前記コード取得部により取得された2次認証対象のコードが、前記1次認証に際して前記媒体情報記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かの2次一致判定の結果に基づいて2次認証を行う2次認証部と、前記2次認証が成立したことに応じて、前記価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換部とを備える電子価値変換装置である。
【0119】
(14)本実施形態の一態様は、価値交換媒体ごとに一意となる第1コードと、前記価値交換媒体において分割して配置された複数のコード部分を合わせることで形成され、前記価値交換媒体ごとに一意であって前記第1コードと異なる第2コードとが付された価値交換媒体ごとに、前記第1コードと前記第2コードとを対応付けて記憶する媒体情報記憶部を備える電子価値変換システムにおけるコンピュータを、価値交換媒体に付されたコードを取得するコード取得部、前記コード取得部により取得された1次認証対象のコードと一致する第1コードが前記媒体情報記憶部にて記憶されているか否かの1次一致判定の結果に基づいて、1次認証を行う1次認証部、前記1次認証が成立した後において前記コード取得部により取得された2次認証対象のコードが、前記1次認証に際して前記媒体情報記憶部に記憶されていることが確認された第1コードに対応付けられた第2コードと一致するか否かの2次一致判定の結果に基づいて2次認証を行う2次認証部、前記2次認証が成立したことに応じて、前記価値交換媒体に対応する電子価値がユーザに対応付けて付与されるようにする電子価値変換部として機能させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0120】
100 ユーザ端末、101 通信部、102 コード読取部、103 操作部、104 表示部、105 制御部、106 記憶部、200 電子価値変換サーバ、201 通信部、202 制御部、203 記憶部、221 コード取得部、222 1次認証部、223 2次認証部、224 電子価値変換部、225 中断処理部、231 ユーザ情報記憶部、232 媒体情報記憶部、300 電子価値管理サーバ、301 通信部、302 制御部、303 記憶部、331 電子価値付与情報記憶部